JP2002509979A - 原油および留出油中のナフテン酸の除去 - Google Patents

原油および留出油中のナフテン酸の除去

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、有機酸を出発原油から抽出するプロセスに関するものであって、このプロセスは、(a)ナフテン酸を含む出発原油を、アミン塩の油中水型エマルジョンを形成するのに十分な条件下かつ十分な時間と温度とをかけて、相当量のアルコキシル化アミンと水とで処理し、アルコキシル化アミンは、下記の式(A)および式(B)、 【化1】 (式中、m+n=5〜50であり、またR=線状または分枝状のC8〜C20アルキル基である。) 【化2】 (式中、x=1〜3およびy+z=2〜6であり、また式(A)の混合物および式(B)の混合物に対してp+q=0〜15である。)を有するアルコキシル化アミンからなる群から選ばれ、出発原油は、原油、原油混合油および原油留出油からなる群から選ばれる工程、および(b)工程(a)のエマルジョンを複数層に分離し、そのような層の一層は有機酸の量が減少した処理原油を含む工程、および、(c)有機酸の量が減少した処理原油を含む工程(b)の層と、水およびアルコキシル化アミン塩を含む層とを回収する工程、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、特定種類の化合物を用いた原油、原油混合油および原油留出油中の
有機酸、特にナフテン酸の除去に関する。
【0002】 発明の背景 高い全酸価(TAN)を有する原油は、約$0.50/TAN/BBLだけ値
段が割引かれる。TAN低減技術を開発するための下流部門の事業原動力は、低
価格原油を精製する能力である。上流部門の原動力は、高TAN原油の市場価値
を高めることである。
【0003】 酸性原油を精製する現在の方法は、酸性原油を非酸性原油と混合することであ
り、それによって混合油のTANが約0.5以下となる。殆どの主要石油会社は
この方法を用いている。この方法の欠点は、処理できる酸性原油の量に限りがあ
ることである。加えて、当分野では、原油を水酸化カリウムや水酸化ナトリウム
などの無機塩基で処理して酸を中和することが知られている。しかし、この方法
は、非常に壊れにくいエマルジョンを形成し、さらに望ましくないことに、処理
された原油中にカリウムまたはナトリウムを残すことである。その上、そのよう
な先行技術は、除去できる酸の分子量範囲により制約を受ける。
【0004】 市場(Chad、Venezuela、North Sea)において酸性原
油が急激に増加するにつれて、より高いTANの原油や原油混合油をさらに精製
する新技術が必要とされている。熱処理、スラリー水素処理およびカルシウム中
和は、出現した有望な処理方法のうちのいくつかである。しかし、これらの技術
は、酸を原油から抽出するものではない。むしろ、酸を転換して生成物を原油中
に残留させるものである。
【0005】 米国特許第4,752,381号には、石油および石油留分中の有機酸性度を
中和して、中和価を1.0未満とする方法が述べられている。この方法には、石
油留分をモノエタノールアミンで処理してアミン塩を形成し、次いでアミドを形
成するのに十分な時間と温度とをかけて加熱することが含まれる。このようなア
ミンは、本発明が望む結果をもたらすことができないであろう。その理由は、本
発明がナフテン酸を抽出して除去するのに対して、それらがナフテン酸を転換す
るからである。
【0006】 米国特許第2,424,158号には、有機酸を原油から除去する方法が述べ
られている。この特許では、有機液体の接触剤が使用される。開示される適切な
アミンは、モノ−、ジ−およびトリエタノールアミンであり、同様にメチルアミ
ン、エチルアミン、n−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチ
ルアミン、ter−ブチルアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミ
ン、ブタノールアミン、sec−ブタノール、sec−ブタノールアミン、なら
びにter−ブタノールアミンである。これらのアミンは、本出願人らの発明で
は効果がないことが見出された。
【0007】 発明の概要 本発明は、有機酸を出発原油から抽出するプロセスに関するものであり、該プ
ロセスは、 (a)ナフテン酸を含む出発原油を、アミン塩の油中水型エマルジョンを形成す
るのに十分な条件下かつ十分な時間と温度とをかけて、相当量のアルコキシル化
アミンと水とで処理し、該アルコキシル化アミンは、下記の式(A)および式(
B)、
【化5】 (式中、m+n=5〜50であり、またR=線状または分枝状のC〜C20
ルキル基である。)
【化6】 (式中、x=1〜3およびy+z=2〜6であり、また式(A)の混合物および
式(B)の混合物に対してp+q=0〜15である。) を有するアルコキシル化アミンからなる群から選ばれ、該出発原油は、原油、
原油混合油および原油留出油からなる群から選ばれる工程、 (b)工程(a)の該エマルジョンを複数層に分離し、そのような層の一層は有
機酸の量が減少した処理原油を含む工程、および、 (c)有機酸の量が減少した該処理原油を含む工程(b)の該層と、水およびア
ルコキシル化アミン塩を含む層とを回収する工程 とを含む。
【0008】 本発明は、本明細書に開示される要件を適切に含むか、それらから構成される
か、または実質的にそれらから構成されてもよく、また開示されない要件なしに
実施されてもよい。
【0009】 発明の詳細な説明 本発明においては、次の式(A)および式(B)のアルコキシル化アミン、 式(A)
【化7】 および
【化8】 を出発原油に加えて有機酸が除去される。いくつかの原油には、一般的にナフテ
ン酸と他の有機酸とに分類される有機酸が含まれる。ナフテン酸は、石油材中に
存在する有機酸の混合物を識別するのに用いられる総称である。ナフテン酸は、
単独で存在するか、またはスルフォン酸やフェノールなどの他の有機酸との組合
せで存在するかのいずれでもよい。したがって、本発明は、詳しくはナフテン酸
を抽出するのに適している。
【0010】 アルコキシル化アミンの重要な特性は、処理される油にアミンが混和すること
であり、また形成される塩にアルコキシ基が水溶解性または分散性を付与するこ
とである。適切なアルコキシル化アミンには、ドデシルペンタエトキシアミンが
含まれる。上式では、m+n=は2〜50、好ましくは5〜15であり、またm
およびnは自然数である。R=C〜C20、好ましくはC10〜C14の線状
または分枝状のアルキル基である。式(B)の適切なアミンには、N,N’−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンが含まれる。上式では、x=1〜
3であり、y+z=2〜6であり、またx、yおよびzはすべて自然数である。
p+q=0〜15、好ましくは0〜10である。式(A)の混合物および式(B
)の混合物を用いてもよい。加えて、式(A)と式(B)との混合物をまた用い
てもよい。
【0011】 本発明においては、有機酸は、出発原油または混合油から除去されるナフテン
酸を含めて、好ましくは約150〜約800、より好ましくは約200〜約75
0の分子量範囲を有するものである。本発明は、好ましくは出発原油中に存在す
るナフテン酸を実質的に抽出するか、または実質的にナフテン酸の量を低減する
ものである。実質的とは、痕跡量を除く酸の全量を意味する。しかし、実質的に
すべての酸が除去されることは必要なく、その理由はナフテン酸の一部分さえ除
去されれば処理原油の価値が高まるからである。本発明の実施者は、ナフテン酸
の量が、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは
少なくとも約95%低減できることを見出した。
【0012】 本明細書に用いられる出発原油(出発素材)には、原油の混合油および留出油
が含まれる。好ましくは、出発原油は全原油であるが、減圧ガス油などの全原油
の酸性留分であることもできる。出発原油は、出発原油中に存在する有機酸とア
ミン塩を形成できるに足る相当量のアルコキシル化アミンで処理される。これは
、典型的には存在する酸の所望の量を中和するのに必要な量であろう。典型的に
は、アルコキシル化アミンの量は、原油中に存在する有機酸の量を基準にして、
約0.15〜約3モル等量の範囲であろう。存在するナフテン酸の実質的全量を
中和しようとすると、その際には過剰モルのアルコキシル化アミンが使用される
であろう。好ましくは、原油中に存在するナフテン酸量の2.5倍が使用される
であろう。過剰モルは、高分子量の酸を除去することを可能にする。本発明によ
り、約150〜約800、好ましくは約250〜約750の分子量範囲のナフテ
ン酸を除去することができる。除去されるナフテン酸の分子量範囲は、ここに示
した数値以上、または数値以下に亘ってもよいが、その理由は、その範囲が、除
去されるナフテン酸の分子量を測定するのに用いられる分析手段の感度レベルに
依るからである。
【0013】 アルコキシル化アミンは、単独または水との組み合わせで添加されることがで
きる。組み合わせで添加される場合には、アルコキシル化アミンと水との溶液が
調製されてもよい。好ましくは、原油の量を基準にして、約5〜10wt%の水
が添加される。アミンが水との組み合わせで添加されるか、または水に先立って
添加されても、原油は、有機酸のアルコキシル化アミン塩の油中水型エマルジョ
ンが形成される時間と温度をかけて処理される。接触時間は、処理される出発原
油の性質、酸の含有量、および添加されるアルコキシル化アミンの量に依る。反
応温度は、アルコキシル化アミンと、処理される原油に含まれるナフテン酸との
反応に影響を及ぼすであろう任意の温度である。典型的には、プロセスは、約2
0〜約220℃、好ましくは約25〜約130℃、より好ましくは25〜80℃
の温度で行われる。接触時間は、約1分〜1時間、好ましくは約3〜約30分の
範囲であろう。圧力は、大気圧以上、好ましくは約60psi以上、より好まし
くは約60〜約1000psiの範囲であろう。重質原油に対しては、より高い
温度と圧力とが望ましい。塩を含む原油は次いで水と混合されるが、その際段階
的な添加が、エマルジョンを形成するのに十分な温度と時間をかけて行われる。
時間と温度とは、水の同時添加および段階的添加に対して同じに維持される。添
加が同時に行われる場合には、混合は、上記の温度と時間とでの添加と同時に行
われる。同時添加については、塩の形成が起こる時間に加えて一定時間混合する
ことは必要ではない。したがって、出発原油の処理には、接触とエマルジョンを
形成するための撹拌との両方、例えば混合が含まれる。20以下のAPIインデ
ックスおよび25℃で200cPを超える粘度を有するような重質原油は、好ま
しくは60℃を超える温度で処理されよう。
【0014】 油中水型エマルジョンが形成されると、それは複数層に分離される。分離は、
当業者に公知の手段によって達成することができる。例えば、遠心分離、重力沈
降、および静電分離である。複数層が該分離によってもたらされる。典型的には
、三層が形成されよう。最上層は酸が除去された原油を含む。中間層は高分子量
および中間分子量の酸のアルコキシル化アミン塩を含むエマルジョンであり、一
方底層は低分子量の酸のアルコキシル化アミン塩を含む水性の層である。処理さ
れた原油を含む最上層は、当業者により容易に回収される。したがって、酸を転
換してその生成物を原油中に残すような、従来用いられている処理方法とは異な
り、本プロセスは酸を原油から除去する。ナフテン酸を含む層は、特殊生成物と
しての潜在的な価値を有するであろう。
【0015】 加えて、必要ではないが、解乳化剤が解乳化速度を高めるために用いられても
よく、またアルコールなどの共溶媒が水と一緒に用いられてもよい。
【0016】 本プロセスは、既存の脱塩装置を利用して行うことができる。
【0017】 図2は、製油所に適用された際の本発明を表す。プロセスは、生産と精製の両
操作に適用可能である。酸性の油流は、所望量のアルコキシル化アミンで処理さ
れるが、その際アミンは洗浄水に添加され、そしてスタティックミキサーにより
低せん断下で混合される。別に、アルコキシル化アミンが、先ず添加され、混合
され、次いで水の添加と混合が行われることもできる。処理された出発原油は、
次に静電界または他の分離手段を用いる脱塩装置内で、解乳化または分離に附さ
れる。TANが減少した油は、頂部から排出され、所望により更なる精製に附さ
れる。低部の水性およびエマルジョンの各相は、共にまたは別々に、好ましくは
共に排出されて除かれる。それらは、また別々に処理されて、処理アミンが回収
されてもよい。さらに、回収された水性アミン溶液は再使用され、そしてサイク
リックプロセスが成り立ってもよい。ナフテン酸流は、さらに当業者に公知の方
法によって処理されて、非腐食性の生成物が製造されてもよく、また廃棄されて
もよい。
【0018】 生産プロセスに関しては、本発明は特に油井頭に適用できるであろう。油井頭
において、出発原油は、典型的には共生産される水とガスとを含む。図3により
、油井頭に本発明を適用した場合が説明される。図3において、出発原油、水お
よびガスを含む全油井流は、分離装置に通され、除去されるガス流、痕跡量の出
発原油を含んでもよい水流、および痕跡量の水を含んでもよい(水とガスとが除
去された)出発原油流に分離される。水および原油の各流は、次いで接触塔に通
される。アルコキシル化アミンは、原油または水のいずれか一方に添加されるこ
とができ、直ちに処理と混合とが接触塔内で行われる。水および原油流は、アル
コキシル化アミンの存在下に向流方式で接触塔内を通され、分解し易い水中油型
エマルジョンが形成される。分解し易いエマルジョンは、水性の連続相中に油分
散を形成するのに十分な比率で、ほんの緩やかな撹拌を加えながら酸性原油を水
性相に添加することによって形成される。水性相が原油に添加されるよりむしろ
、原油は水性相に添加されるべきであり、そのために安定した油中水型エマルジ
ョンの形成が最小となるであろう。油と水性の各相の重量を基準にして、1:3
〜1:15、好ましくは1:3〜1:4の油相対水性相の比率が用いられる。安
定したエマルジョンは、油相対水性相比が1:1以下の場合に形成されよう。ア
ルコキシル化アミンの量は、出発原油に存在する有機酸の量を基準にして、約0
.15〜約3モル等量の範囲であろう。水性相は、アルコキシル化アミンが直接
原油に添加される場合には水流であるか、またはアルコキシル化アミンが水流に
添加される場合にはアルコキシル化アミンおよび水であるかのいずれかである。
10〜50ミクロン、好ましくは20〜50ミクロンの液滴サイズが典型的に用
いられる。原油と水性のアルコキシル化アミンとの接触は、油を水性のアルコキ
シル化アミン中に分散するのに十分な時間をかけて行われるべきであり、好まし
くは重量で少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましく
は90%の油を水性のアルコキシル化アミン中に分散するように行われるべきで
ある。接触は、典型的には約10℃〜約40℃の範囲の温度で行われる。40℃
を超える温度では、安定したエマルジョンが形成される確率が高くなる。形成さ
れたナフテン酸アンモニウム塩は、接触塔の底部から上昇する原油液滴から取り
除かれる。処理された原油は、接触塔の頂部から除去され、ナフテン酸のアルコ
キシル化アミン塩を含む水(下層)が、接触塔の底部から除去される。このよう
にして、ナフテン酸が除去されて品質が向上した原油が、油井頭で回収される。
処理原油は、所望により次いで、例えば静電的に処理されて、残存する水とナフ
テン酸がすべて除去されてもよい。
【0019】 接触塔から除去された水と有機酸アルコキシル化アミン塩の副生物は、地中に
再注入されることができる。しかし、アルコキシル化アミンの価格に起因して、
再注入の前に回収工程が行われることが望まれよう。
【0020】 回収されたアルコキシル化アミンは、次いで本プロセスで再使用することがで
き、それによりサイクルプロセスがもたらされる。
【0021】 ナフテン酸およびアルコキシル化アミンを含めて、有機酸を再生することが望
まれる場合には、次のプロセスを用いることができる。その方法には、(a)該
エマルジョン層を含め、該処理原油層を次いで除去する状態にある層を、鉱酸ま
たは二酸化炭素からなる群から選ばれる酸性溶液で処理する工程であって、鉱酸
が用いられる場合にはナフテン酸と該鉱酸のアミン塩とを生成するのに十分な圧
力とpHとの下で処理するか、または二酸化炭素が用いられる場合には重炭酸ア
ミンを生成するのに十分な圧力とpHとの下で処理する工程、(b)ナフテン酸
を含む上層と水性の下層とを分離する工程、(c)水性の下層に、工程(a)が
鉱酸を用いる場合には無機酸を添加するか、または工程(a)が二酸化炭素を用
いる場合には十分な温度と時間とをかけて加熱するかして、pHを≧8に高める
工程、(d)該水性層にガスを吹き込んで該アルコキシル化アミンを含む気泡を
生成する工程、(e)該気泡をスキミングして該アルコキシル化アミンを得る工
程を含む。気泡は、さらに崩壊させてもよいが、時間と共に崩壊するであろう。
本プロセスにおいて、不活性または非反応性であるいかなるガスも、気泡を発生
させるのに用いることができる。しかし、好ましくは空気が用いられるであろう
。適切なガスは、当業者により容易に選択されることができる。気泡を崩壊させ
ることが望まれる場合には、当業者に知られる化学薬品を用いることができるが
、または他の公知の機械的技法を用いることもできる。
【0022】 アルコキシル化アミンを回収するのに用いられる方法では、鉱酸が、ナフテン
酸のアルコキシル化アミン塩(ナフテン酸を出発原油から除去する間に形成され
る)を転換するのに用いられてもよい。酸は、硫酸、塩酸、リン酸およびそれら
の混合物から選ばれてもよい。加えて、二酸化炭素は、アミンアルコキシル化塩
のエマルジョンに圧力下で添加されてもよい。いずれの方式においても、酸の添
加は、pHが約6以下、好ましくは約4〜6になるまで続けられる。酸の添加に
より、結果的にナフテン酸を含む上の油層と水性の下層とが形成される。層は次
いで分離され、水性相には、鉱酸が用いられる場合に水酸化アンモニウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムまたはそれらの混合物などの無機塩基が添加され
て、約8を越えるpHが得られる。別に、水性相は、二酸化炭素が用いられる場
合には約8を越えるpHを得るのに十分な温度と時間とをかけて加熱される。典
型的には、層は、約40℃〜約85℃、好ましくは約80℃に加熱されるであろ
う。ガス、例えば空気、窒素、メタンまたはエタンが、次いでアルコキシル化ア
ミンを含む気泡を生成するのに十分な割合で、溶液に吹き込まれる。気泡は、次
に回収され、アルコキシル化アミンを得るべく崩壊される。回収プロセスは、製
油所または再注入前の油井頭のいずれにおいても用いられることができる。
【0023】 ここで、本発明は、限定するものではない次の実施例によって説明されよう。
【0024】 実施例1 本実施例では、混合割合40/30/30の“アイソパーM”/ソルベント6
00ニュートラル/アロマティック150を標準油として用いた。“アイソパ−
M”はイソパラフィン質の留出油である。ソルベント600ニュートラルは基油
であり、またアロマティック150は芳香族質の留出油である。5−βコラン酸
を標準ナフテン酸として用いた。
【0025】 酸を2wt%で標準油に溶解し、ドデシルペンタエトキシレートアミン(R=
12およびm+n=5)を用いて、本明細書に記載のプロセス工程に附した。混
合時間は室温で15分間であった。標準油の全酸価は、4.0から0.2に低下
した。高性能液体クロマトグラフィにより、5−βコラン酸の99%が処理油か
ら除去されたことが明らかとなった。
【0026】 実施例2 TAN4.6の北海原油(Gryphon)を、本実施例で使用した。記載の
アルコキシル化アミンは、記載の水添加量wt%およびアミン処理割合で用いた
。結果を表1に表した。
【0027】
【表1】
【0028】 ナフテン酸のアルコキシル化アンモニウム塩を、市販のナフテン酸試料を等モ
ル量のドデシルペンタエタノールアミンで中和することによって調製した。塩の
30wt%溶液を水で調製し、アルコキシル化アンモニウムナフテネート塩を含
む標準エマルジョンを作製した。
【0029】 有機塩溶液100mLを分液ロートに取り、これに濃硫酸を加えてpH6にし
た。ナフテン酸が水不溶性の油として直ちに放出されるのが観察された。水性の
下相を油相から分離し、水酸化アンモニウムを添加してpH9にした。
【0030】 水溶液を、図4に示される気泡発生装置に導入した。空気を、底部の導入チュ
ーブを通してバブリングした。多量の気泡が発生したが、これを捕集室に捕集し
た。溜まった際に破れた気泡は黄色液体をもたらしたが、これはドデシルペンタ
エタノールアミン濃縮物として特性付けられた。
【0031】 実施例4 北海原油のGryphonを、実施例2に記載されるエマルジョン分別プロセ
スに附した。下相のエマルジョン相を抽出し、次のように用いた。
【0032】 エマルジョン100mLを分液ロートに取り、これに濃硫酸を加えてpH6に
した。ナフテン酸が水不溶性の油として直ちに放出されるのが観察された。水性
の下相を油相から分離した。油相は、FTIRおよび13CNMRで分析され、
ナフテン酸の存在が確認された。HPLC分析により示される分子量250〜7
50のナフテン酸が抽出された。水酸化アンモニウムを水性の相に添加してpH
9とした。水溶液を、図4に示される気泡発生装置に導入した。空気を、底部の
導入チューブを通してバブリングして安定して保持された気泡を発生させ、これ
を捕集室に捕集した。溜まった際に破れた気泡は黄色液体をもたらしたが、これ
はドデシルペンタエタノールアミン濃縮物として特性付けられた。
【0033】 実施例5 北海原油のGryphonを、実施例2に記載されるエマルジョン分別プロセ
スに附した。下相のエマルジョン相を抽出し、次のように用いた。
【0034】 エマルジョン100mLをオートクレーブに取り、これに固体COを加えて
、エマルジョンを80℃および100psiで2時間、300rpmで撹拌した
。生成物を1800rpmで20分間遠心分離して、水不溶性のナフテン酸を水
性の相から分離した。油相は、FTIRおよび13CNMRで分析され、ナフテ
ン酸の存在が確認された。HPLC分析により示される分子量250〜750の
ナフテン酸が抽出された。
【0035】 水性の下相はpH9であり、これは有機アミンの再成を示した。水溶液を、図
4に示される気泡発生装置に導入した。空気を、底部の導入チューブを通してバ
ブリングして、安定して保持された気泡を発生させ、これを捕集室に捕集した。
溜まった際に破れた気泡は黄色液体をもたらしたが、これはドデシルペンタエタ
ノールアミン濃縮物として特性付けられた。
【0036】 実施例6 本実施例では、混合割合40/30/30の“アイソパーM”/ソルベント6
00ニュートラル/アロマティック150を標準油として用いた。5−βコラン
酸を標準ナフテン酸として用い、またN,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)
エチレンジアミン(y=z=1、x=1)を用いた。酸性油を、(5−βコラン
酸の量を基準にして)等モル量のN,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチ
レンジアミンで処理し、処理油に水5wt%を加えて混合した。遠心分離を用い
て、ナフテン酸をその塩として下相のエマルジョン相に分離した。
【0037】 酸性の標準油の全酸価(TAN)は、2.9から0.2未満に低減した。
【0038】 実施例7 北海原油のGryphon(TAN=4.6)を、本実施例で使用した。アミ
ンを次の条件で用いた。
【0039】 N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン対酸のモル比=2.
5 反応温度=25℃ 反応時間=5分間 洗浄水の量=10wt% 洗浄水の混合=油−水混合物の10分間に亘る緩やかなタンブル 分離=1800rpmで30分間の遠心分離
【0040】 処理油の収率約96%で、TAN4.6から1.5への低減が達成された。
【0041】 未処理でエマルジョン分別された油のHPLC分析では、分子量250〜75
0のナフテン酸が抽出されたことが示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、分子量(MW)の範囲が250〜750の有機酸に対して処理剤とし
て第三級アミンエトキシレートを用いたGryphon原油のTAN低減を表す
棒グラフである。黒棒はGryphon原油であり、また白棒は第三級アミンで
処理したGryphon原油である。有機酸の分子量をx軸に示し、μモル/グ
ラムをy軸に示す。
【図2】 図2は、本プロセスが既存の製油所に如何に適用できるかを表す流れ図である
。(1)は水およびアルコキシル化アミン、(2)は出発原油、(3)は脱塩装
置、(4)は再生装置、(5)は有機酸転換装置、(6)は有機酸が除去された
処理原油、(7)は下相エマルジョン、(8)は生成物である。
【図3】 図3は、本発明を坑井頭に適用した場合を表す流れ図である。(1)は全油井
流、(2)は第一分離装置、(3)はガス、(4)は原油、(5)は処理(品質
向上)された原油、(6)は水および有機酸、(7)は接触塔、(8)はアルコ
キシル化アミン、(9)は水である。
【図4】 図4は、出発原油からナフテン酸を回収するために用いたアルコキシル化アミ
ンを回収するのに使用される装置である。(1)はアルコキシル化アミンを含む
層または相、(2)は温度計、(3)はベント、(4)は気泡の高さを測定する
ための目盛り付きカラム、(5)はガス分配器、(6)はガス、(7)は破泡す
る場所、(8)は回収されたアルコキシル化アミンが捕集される場所である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月13日(2000.1.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、m+n=2〜50であり、またR=線状または分枝状のC8〜C20アル キル基である。)
【化2】 (式中、x=1〜3およびy+z=2〜6であり、また式(A)の混合物および
式(B)の混合物に対してp+q=0〜15である。) を有するアルコキシル化アミンからなる群から選ばれ、該出発原油は、原油、
原油混合油および原油留出油からなる群から選ばれる工程、 (b)工程(a)の該エマルジョンを複数層に分離し、そのような層の一層は有
機酸の量が減少した処理原油を含む工程、および、 (c)有機酸の量が減少した該処理原油を含む工程(b)の該層と、水およびア
ルコキシル化アミン塩を含む層とを回収する工程 を含むことを特徴とする有機酸の抽出プロセス。
【化3】 (式中、m+n=2〜50であり、またR=線状または分枝状のC8〜C20アル キル基である。)
【化4】 (式中、x=1〜3およびy+z=2〜6であり、また式(A)の混合物および
式(B)の混合物に対してp+q=0〜15である。) を有するアルコキシル化アミンからなる群から選ばれ、接触塔内では分解し易い
水中油型エマルジョンを形成するのに十分な時間と温度とで向流接触する請求項
1のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】発明の概要 本発明は、有機酸を出発原油から抽出するプロセスに関するものであり、該プ
ロセスは、 (a)ナフテン酸を含む出発原油を、アミン塩の油中水型エマルジョンを形成す
るのに十分な条件下かつ十分な時間と温度とをかけて、相当量のアルコキシル化
アミンと水とで処理し、該アルコキシル化アミンは、下記の式(A)および式(
B)、
【化5】 (式中、m+n=2〜50であり、またR=線状または分枝状のC〜C20アル
キル基である。)
【化6】 (式中、x=1〜3およびy+z=2〜6であり、また式(A)の混合物および
式(B)の混合物に対してp+q=0〜15である。) を有するアルコキシル化アミンからなる群から選ばれ、該出発原油は、原油、
原油混合油および原油留出油からなる群から選ばれる工程、 (b)工程(a)の該エマルジョンを複数層に分離し、そのような層の一層は有
機酸の量が減少した処理原油を含む工程、および、 (c)有機酸の量が減少した該処理原油を含む工程(b)の該層と、水およびア
ルコキシル化アミン塩を含む層とを回収する工程 とを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 本発明は、本明細書に開示される要件を適切に含むか、それらから構成される
か、または実質的にそれらから構成されてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 本明細書に用いられる出発原油(出発素材)には、原油の混合油および留出油
が含まれる。好ましくは、出発原油は全原油であるが、減圧ガス油などの全原油
の酸性留分であることもできる。出発原油は、出発原油中に存在する有機酸とア
ミン塩を形成できるに足る相当量のアルコキシル化アミンで処理される。これは
、典型的には存在する酸の所望の量を中和するのに必要な量であろう。典型的に
は、アルコキシル化アミンの量は、原油中に存在する有機酸の量を基準にして、
0.15〜3モル等量の範囲であろう。存在するナフテン酸の実質的全量を中和
しようとすると、その際には過剰モルのアルコキシル化アミンが使用されるであ
ろう。好ましくは、原油中に存在するナフテン酸量の2.5倍が使用されるであ
ろう。過剰モルは、高分子量の酸を除去することを可能にする。本発明により、
約150〜約800、好ましくは約250〜約750の分子量範囲のナフテン酸
を除去することができる。除去されるナフテン酸の分子量範囲は、ここに示した
数値以上、または数値以下に亘ってもよいが、その理由は、その範囲が、除去さ
れるナフテン酸の分子量を測定するのに用いられる分析手段の感度レベルに依る
からである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 アルコキシル化アミンは、単独または水との組み合わせで添加されることがで
きる。組み合わせで添加される場合には、アルコキシル化アミンと水との溶液が
調製されてもよい。好ましくは、原油の量を基準にして、5〜10wt%の水が
添加される。アミンが水との組み合わせで添加されるか、または水に先立って添
加されても、原油は、有機酸のアルコキシル化アミン塩の油中水型エマルジョン
が形成される時間と温度をかけて処理される。接触時間は、処理される出発原油
の性質、酸の含有量、および添加されるアルコキシル化アミンの量に依る。反応
温度は、アルコキシル化アミンと、処理される原油に含まれるナフテン酸との反
応に影響を及ぼすであろう任意の温度である。典型的には、プロセスは、約20
〜約220℃、好ましくは約25〜約130℃、より好ましくは25〜80℃の
温度で行われる。接触時間は、約1分〜1時間、好ましくは約3〜約30分の範
囲であろう。圧力は、大気圧以上、好ましくは約60psi(413.7kPa
)以上、より好ましくは約60(413.7kPa)〜約1000psi(68
95kPa)の範囲であろう。重質原油に対しては、より高い温度と圧力とが望
ましい。塩を含む原油は次いで水と混合されるが、その際段階的な添加が、エマ
ルジョンを形成するのに十分な温度と時間をかけて行われる。時間と温度とは、
水の同時添加および段階的添加に対して同じに維持される。添加が同時に行われ
る場合には、混合は、上記の温度と時間とでの添加と同時に行われる。同時添加
については、塩の形成が起こる時間に加えて一定時間混合することは必要ではな
い。したがって、出発原油の処理には、接触とエマルジョンを形成するための撹
拌との両方、例えば混合が含まれる。20以下のAPIインデックスおよび25
℃で200cPを超える粘度を有するような重質原油は、好ましくは60℃を超
える温度で処理されよう。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 生産プロセスに関しては、本発明は特に油井頭に適用できるであろう。油井頭
において、出発原油は、典型的には共生産される水とガスとを含む。図3により
、油井頭に本発明を適用した場合が説明される。図3において、出発原油、水お
よびガスを含む全油井流は、分離装置に通され、除去されるガス流、痕跡量の出
発原油を含んでもよい水流、および痕跡量の水を含んでもよい(水とガスとが除
去された)出発原油流に分離される。水および原油の各流は、次いで接触塔に通
される。アルコキシル化アミンは、原油または水のいずれか一方に添加されるこ
とができ、直ちに処理と混合とが接触塔内で行われる。水および原油流は、アル
コキシル化アミンの存在下に向流方式で接触塔内を通され、分解し易い水中油型
エマルジョンが形成される。分解し易いエマルジョンは、水性の連続相中に油分
散を形成するのに十分な比率で、ほんの緩やかな撹拌を加えながら酸性原油を水
性相に添加することによって形成される。水性相が原油に添加されるよりむしろ
、原油は水性相に添加されるべきであり、そのために安定した油中水型エマルジ
ョンの形成が最小となるであろう。油と水性の各相の重量を基準にして、1:3
〜1:15、好ましくは1:3〜1:4の油相対水性相の比率が用いられる。安
定したエマルジョンは、油相対水性相比が1:1以下の場合に形成されよう。ア
ルコキシル化アミンの量は、出発原油に存在する有機酸の量を基準にして、0.
15〜3モル等量の範囲であろう。水性相は、アルコキシル化アミンが直接原油
に添加される場合には水流であるか、またはアルコキシル化アミンが水流に添加
される場合にはアルコキシル化アミンおよび水であるかのいずれかである。10
〜50ミクロン、好ましくは20〜50ミクロンの液滴サイズが典型的に用いら
れる。原油と水性のアルコキシル化アミンとの接触は、油を水性のアルコキシル
化アミン中に分散するのに十分な時間をかけて行われるべきであり、好ましくは
重量で少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは9
0%の油を水性のアルコキシル化アミン中に分散するように行われるべきである
。接触は、典型的には約10℃〜約40℃の範囲の温度で行われる。40℃を超
える温度では、安定したエマルジョンが形成される確率が高くなる。形成された
ナフテン酸アンモニウム塩は、接触塔の底部から上昇する原油液滴から取り除か
れる。処理された原油は、接触塔の頂部から除去され、ナフテン酸のアルコキシ
ル化アミン塩を含む水(下層)が、接触塔の底部から除去される。このようにし
て、ナフテン酸が除去されて品質が向上した原油が、油井頭で回収される。処理
原油は、所望により次いで、例えば静電的に処理されて、残存する水とナフテン
酸がすべて除去されてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 プゲル トーマス マイケル アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 18077 リーゲルスビル ボックス 176エ ヌ アール ディ―1 (72)発明者 サベッジ デビット ウィリアム アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08833 レバノン フィールドストーン ドライブ5 【要約の続き】 (式中、m+n=5〜50であり、またR=線状または 分枝状のC8〜C20アルキル基である。) 【化2】 (式中、x=1〜3およびy+z=2〜6であり、また 式(A)の混合物および式(B)の混合物に対してp+ q=0〜15である。)を有するアルコキシル化アミン からなる群から選ばれ、出発原油は、原油、原油混合油 および原油留出油からなる群から選ばれる工程、および (b)工程(a)のエマルジョンを複数層に分離し、そ のような層の一層は有機酸の量が減少した処理原油を含 む工程、および、(c)有機酸の量が減少した処理原油 を含む工程(b)の層と、水およびアルコキシル化アミ ン塩を含む層とを回収する工程、を含む。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出発原油から有機酸を抽出するプロセスであって、 (a)ナフテン酸を含む出発原油を、アミン塩の油中水型エマルジョンを形成す
    るのに十分な条件下かつ十分な時間と温度とをかけて、相当量のアルコキシル化
    アミンと水とで処理し、その際該アルコキシル化アミンは、下記の式(A)およ
    び式(B)、 【化1】 (式中、m+n=5〜50であり、またR=線状または分枝状のC8〜C20アル キル基である。) 【化2】 (式中、x=1〜3およびy+z=2〜6であり、また式(A)の混合物および
    式(B)の混合物に対してp+q=0〜15である。) を有するアルコキシル化アミンからなる群から選ばれ、該出発原油は、原油、
    原油混合油および原油留出油からなる群から選ばれる工程、 (b)工程(a)の該エマルジョンを複数層に分離し、そのような層の一層は有
    機酸の量が減少した処理原油を含む工程、および、 (c)有機酸の量が減少した該処理原油を含む工程(b)の該層と、水およびア
    ルコキシル化アミン塩を含む層とを回収する工程 を含むことを特徴とする有機酸の抽出プロセス。
  2. 【請求項2】 前記水が、前記アルコキシル化アミンと同時又はその後に添
    加される請求項1のプロセス。
  3. 【請求項3】 アルコキシル化アミンの前記量が、原油中に存在する有機酸
    の量を基準にして、約0.15〜約3モル等量である請求項1のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記プロセスが製油所で実施され、また前記分離が脱塩装置
    で実施されて、有機酸が除去された処理原油を含む相と、水およびアルコキシル
    化アミン塩を含む相とが形成される請求項1のプロセス。
  5. 【請求項5】 前記プロセスが坑井頭で実施され、また前記出発原油が該坑
    井頭からの全油井流中に含まれ、かつ該プロセスは、該全油井流を分離装置に通
    してガス流と、有機酸を含む出発原油流と水流とを形成すること、該出発原油を
    、相当量のアルコキシル化アミンの存在下にアミン塩を形成するのに十分な時間
    と十分な温度とをかけて、相当量の該水流と向流接触させ、該アルコキシル化ア
    ミンは、下記の式(A)および式(B) 式(A) 【化3】 (式中、m+n=2〜50であり、またR=線状または分枝状のC8〜C20アル キル基である。) 【化4】 (式中、x=1〜3およびy+z=2〜6であり、また式(A)の混合物および
    式(B)の混合物に対してp+q=0〜15である。) を有するアルコキシル化アミンからなる群から選ばれ、接触塔内では分解し易い
    水中油型エマルジョンを形成するのに十分な時間と温度とで向流接触する請求項
    1のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記アルコキシル化アミンを回収するための請求項1の方法
    であって、 (a)有機酸のアルコキシル化アミン塩を含む層または相を、有機酸と水性の層
    を生成する条件下かつ十分量で、鉱酸または二酸化炭素を含む群から選ばれる酸
    と接触させること、 (b)有機酸を含む上層と水性の下層とを分離すること、 (c)水性の下層に、工程(a)が鉱酸を用いる場合には無機塩基を添加し、ま
    たは工程(a)が二酸化炭素を用いる場合には十分な温度と十分な時間をかけ、
    該層のpHを8以上に高めること、 (d)該水性の層にガスを吹き込んで、該アルコキシル化アミンを含む気泡を生
    成すること、および、 (e)該アルコキシル化アミンを含む該気泡を回収すること とをさらに含む方法。
  7. 【請求項7】 前記再生が製油所で適用された際に、前記回収されたアルコ
    キシル化アミンが前記プロセスで再循環される請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 前記水対前記出発原油流の比率が、1:3〜1:15である
    請求項5の方法。
  9. 【請求項9】 水の前記量が、前記出発原油の量を基準にして、約5〜約1
    0wt%である請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 前記アミンが、式(A)および式(B)のアミンの混合物
    である請求項1の方法。
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