JP2002509766A - 特性の改善されたバイオセメント - Google Patents

特性の改善されたバイオセメント

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ヴェンツ、ロバート
クレーメンス マーリア ドリーセンス、フェルディーナント
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    • A61L24/00Surgical adhesives or cements; Adhesives for colostomy devices
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、生体分解性のリン酸カルシウムセメント、特にリン酸カルシウムを含有し、異なる化学量論組成を有することで改善された特性を示す粉末の混合物に関するものである。本発明の混合物はいずれも、リン酸三カルシウム(TCP)と、リン酸塩を含み、組成が異なる1以上の他の化合物とを含むことで、TCP部分を明瞭な粒径範囲で使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、生体分解性リン酸カルシウムセメント、特には特性の改善された異
なる化学量論組成の含リン酸カルシウム粉末の混合物に関するものである。本発
明による混合物はいずれも、リン酸三カルシウム(TCP)および1以上の異なる
組成物の他の含リン酸無機化合物を含み、TCP含有物は明瞭な粒径範囲内にあ
る。
【0002】 (背景技術) 天然骨材は、ヒドロキシルアパタイト構造を有するリン酸カルシウムからなる
。しかしながら、骨材の組成は、結晶ヒドロキシルアパタイト(Ca10(PO4)6( OH)2)の理想的な化学量論的組成に相当するものではなく、概して非化学量論 的組成であって、それはオルトリン酸イオンに代わって炭酸イオンまたはリン酸
水素イオンなどの他のアニオンと、さらにはカルシウムに代わってナトリウム、
カリウムまたはマグネシウムなどの他のカチオンが取り込まれるためである。
【0003】 生体分解性リン酸カルシウムセメント(CaP)は、自己骨の利用可能性が限ら れており、同種骨によるバイオバーデンの問題のために、外傷学および整形外科
において注目されつつある。カルシウムおよびリンに基づく多くの使用可能な合
成骨代用物の欠点は、それが分解しない点にある。
【0004】 数年前、ヒドロキシルアパタイト様リン酸カルシウム化合物に基づいたもので
あり、質的・構造的類似性から、自然骨と非常に類似している合成骨材を製造す
ることが可能となった。そうして、自然の自己骨または不均一骨を得ることで生
じ得る既知の欠点を回避することが可能である。さらに、これらの材料には、実
質的に自然骨と同様の物理的付加に耐えるという長所があり、比較的重大な骨欠
損または骨折の場合におけるそれの使用が示唆される。
【0005】 それらの材料の主成分は例えば、リン酸三カルシウム(TCP)、リン酸二カル
シウム(DCP)およびリン酸四カルシウム(TTCP)などがあり、それらは水存
在下に反応して、セメント形成反応の最終生成物であるヒドロキシルアパタイト
を与える。このようにして形成されるヒドロキシルアパタイトは水系環境で形成
されていることから、高温で製造されるヒドロキシルアパタイトと比較して、生
物アパタイトとの類似性がかなり高い。従って、そのようなセメントは骨導入性
(osteotransductive)であり、従って骨の修復および再建に非常に好適である。 それらは骨構造中に急速に組み込まれ、骨芽細胞の細胞活動によって新たな骨組
織に変換される。
【0006】 条件に応じて、主として以下の固体がCa(OH)2-H3PO4-H2O系で生じ得 る。
【0007】 Ca(H2PO4)2・H2O (MCPM) CaHPO4 (DCP) CaHPO4・2H2O (DCPD) Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2O (OCP) Ca9(HPO4)(PO4)5・OH (CDA) Ca10(PO4)6(OH)2 (PHA) Ca3(PO4)2・H2O (ACP) Ca3(PO4)2 (α,β-TCP)。
【0008】 そのようなセメントは例えば、US4518430、US4612053、U
S4678355、US4880610、US5053212、US51528
36、US5605713、EP0416761、EP0543765、EP0
664133またはWO96/36562に開示されている。
【0009】 先行技術にはさらに、α-TCPおよびβ-TCPならびに凝固挙動について研
究されている(Jansen et al.,J Mat Sc: Mat Med 6(1995)653-657)結晶化 核として作用する少量の沈殿ヒドロキシルアパタイト(PHA)からなるセメント
も開示されている。以下に、α-TCPと水との反応についての一般的な化学式 を示す。 3α-Ca3(PO4)2+H2O→Ca9(HPO4)(PO4)5OH 次の式はリン酸二カルシウム(DCP)との反応についてのものである。 2CaHPO4+2α-Ca3(PO4)2+5H2O→Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2O 最初にペースト状の混合物の硬化は、凝固プロセス時に沈殿したカルシウム欠
乏ヒドロキシルアパタイト結晶の噛み合いによって起こる。公知のヒドロキシル
アパタイトまたはリン酸カルシウムセメントの特性、特にその生理的許容性、獲
得生体被吸収性および新たな形成される自然骨組織またはその成長刺激によって
置き換わる能力、ならびに例えば圧縮強度および硬化時間などのその物理的性質
の一部は、多少顕著な結晶度、粒径、製造時に達成可能な有孔度によって決まる
【0010】 そこで、例えばCaHPO4またはCaCO3あるいはCaHPO4とCaCO3の両
方をα-TCPおよびβ-TCPの混合物に加えることで、各種のバイオセメント
が得られている(Khairoun et al.,Biomaterials,10(1997)1535-1539)。硬 化後に得られたある種の組成物の圧縮強さは30MPaの範囲であったことから 、ヒト柱骨の範囲であったが(Driessens et al.,Bioceramics 10 (1997)27
9-282)、これらの高圧縮強さ値が得られるには、通常の硬化促進剤を使用したと
しても15〜30時間を要した。しかしその時間は、早期の安定性および荷重支
持を目的とした外傷学および整形外科での使用には長すぎる。そのような場合、
α,β-TCP混合物は、粉末の約60%〜70%の粒径が8μm未満となり、残
りの粒子が約35μm未満の粒径となるように粉砕されていた。
【0011】 そこで、各種要件を満足する多様な特性を有する骨セメントの開発に対する関
心が現在もなおある。本発明は、特定の特性を有するそのようなセメントを提供
するものである。本発明がその基礎とする問題点は具体的には、その粒径のTC
P混合物を他の無機リン酸化合物の添加物とともに粉砕する上で変化を持たせる
ことで、改善された特性を有する新規セメントを得ることができるか否かであっ
た。
【0012】 (発明の開示) そこで本発明は、被吸収性リン酸カルシウムセメントの製造に好適で、リン酸
三カルシウム(TCP)に加えて、1以上のさらに別の含リン酸無機化合物を含む
粉末混合物において、TCP粒子が 30〜90%が0.1〜40μmおよび 10〜70%が40〜300μm という粒径分布を有することを特徴とする粉末混合物に関するものである。
【0013】 ある割合の粗粒子(40〜300μm)に加えて、ある割合の微粒子(約1〜40μm) および超微粒子(0.1〜1μm)が存在しなければならないという点が、本発明に とって必須であると考えられる。
【0014】 本発明による混合物は、常にTCPを含むものでなければならない。TCPに
は主として、2種類の異なる結晶型であるα型とβ型として得られる。本発明に
よれば、前記混合物はα-TCPを含有し、60%以下のβ-TCPを加えること
が可能である。そこで本発明は、存在するTCPのうちの40〜100%がα型
(α-TCP)であり、0〜60%がβ型(β-TCP)である混合物に関するもので
ある。TCPという用語を上記または下記において使用する場合、定義によると
、α-およびβ-TCPのこの混合物を常に意味している。
【0015】 本発明は詳細には、30〜70%のTCP粒子が0.1〜7μmの粒径を有す る混合物に関するものである。本発明はさらに、10〜60%のTCP粒子が4
0〜100μmの粒径を有する混合物に関するものである。
【0016】 30〜50%が1〜7μm、 20〜40%が7〜40μmおよび 10〜50%が40〜100μm というTCP粒子の粒径分布を有する相当する混合物が特に好ましい。
【0017】 (発明を実施するための最良の形態) TCP粒子の粒径またはそれの粒径分布が有利な効果を有するだけでなく、混
合物中の残りの含リン酸化合物の粒径および特性もある役割を果たすことが認め
られている。本発明によれば、これら非TCP粒子の50%以上が10〜100
μmの粒径を持つものでなければならない。概してこれらの粒子はまた、粉砕が
微細すぎても粗すぎても良くない。本発明による混合物中でのこれら非TCP化
合物の割合は、1〜85%、好ましくは5〜60%である。
【0018】 TCPと混合することができる好適な化合物は、カルシウムおよびリン酸塩を
含む全ての無機化合物である。特に好適な化合物は、EP543765に開示さ
れている。
【0019】 Ca(H2PO4)2・H2O、CaHPO4、CaHPO4・2H2O、Ca8(HPO4)2 (PO4)4・5H2O、Ca9(HPO4)(PO4)5・OH、Ca10(PO4)6(OH)2、含
炭酸アパタイト、CaCO3、Ca(OH)2、MgHPO4・3H2O、Mg3(PO4)2 、CaNaPO4、Ca11Na(PO4)2、CaKPO4、Ca2PO4Cl、Ca2NaK(P O4)2、Ca10(PO4)6Cl2、ZnHPO4・4H2OおよびZn3(PO4)2からなる 群から、詳細にはCa8(HPO4)2(PO4)4・5H2O、Ca10(PO4)6(OH)2、 CaHPO4およびCaCO3からなる群から選択される化合物が好ましい。
【0020】 要約すると、 (i)TCPが90〜99%、Ca10(PO4)6(OH)2が1〜10%、 (ii)TCPが90〜99%、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2Oが1〜10% 、 (iii)TCPが70〜99%、Ca10(PO4)6(OH)2が1〜10%、CaCO3 が10〜20%、 (iv)TCPが70〜99%、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2Oが1〜10% 、CaCO3が10〜20%、 (v)TCPが40〜99%、Ca10(PO4)6(OH)2が1〜10%、CaHPO4 が1〜50%、 (vi)TCPが40〜99%、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2Oが1〜10% 、CaHPO4が1〜50%、 (vi)TCPが20〜99%、Ca10(PO4)6(OH)2が1〜10%、CaHPO4 が1〜50%、CaCO3が1〜20%、 (vii)TCPが20〜99%、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2Oが1〜10%
、CaHPO4が1〜50%、CaCO3が1〜20% という組成を有する混合物が特に好適である。
【0021】 本発明による化合物には所望に応じて、公知の効果促進剤を含有させることも
できる。この場合、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。
【0022】 さらに、本発明の含TCPバイオセメントは、原料中のマグネシウム含有量が
約0.13%を以下であり、ナトリウム含有量が約0.2%以下である場合に、特
に有効であることが認められた。
【0023】 ヒトまたは動物の身体への生体材料の埋め込みには常に、それらの材料が最初
は血管供給を受けないために免疫系による保護を受けることができないことから
、それらの無生物材料での菌の増殖が起こる危険性がある。従って、生体材料の
菌増殖からの一時的保護のために、それらの材料に対して、例えばゲンタマイシ
ンまたはセファゾリン、パルミチン酸クリンダマイシン、特にリン酸クリンダマ
イシンなどのアミノグリコシド類からの抗生物質あるいは殺菌剤を加えて、埋め
込み時の菌増殖を回避することが望ましい。それによって、抗生物質および/ま たは殺菌剤をセメントに混入させるだけでなく、そこから溶出させることを示す
という次の目的が生じる。さらに、抗生物質および/または殺菌剤の混和は、所 期の用途に従って、セメントの物理的特性または処理特性、例えば硬化時間に関
して、悪影響を与えるものであってはならない。好適な殺菌剤は、アクリジン類
、特にクロルヘキシジンなどのビグアニジド類であり、この場合は特にポリヘキ
サニダム(polyhexanidum;Lavasept(登録商標))である。さらに、抗生物質お よび/または殺菌剤の混和および/または被吸収性リン酸カルシウムセメントから
のそれらの徐放によって、その材料は、外科的創面切除術後に、感染の危険性が
ある領域に埋め込むことができる。さらに、1回の手術によって骨髄炎の修復が
可能であることから、慢性感染および骨壊死を特徴とする骨髄炎の治療が促進さ
れる。
【0024】 さらに、被吸収性バイオセメントと、非常に広範囲の作用を有する、例えばセ
メント周囲の骨の細胞活性を高める薬理活性成分とをさらに混合して、セメント
吸収の促進および自己骨によるそれの置換あるいは自己骨とセメントの未吸収部
分または近傍に残留する腫瘍細胞による腫瘍切除後の安定化セメント充填剤の緩
みを防止する化学療法の意味での有効成分の複合体形成を行うことが望ましい。
【0025】 そのような好適な薬理活性成分の例としては、FGF(線維芽細胞成長因子)、
BMP(骨形態形成蛋白)またはTGF-β(組織成長因子)などの成長因子、ある いはプロスタグランジン類もしくはプロスタグランジン代謝に影響する物質、甲
状腺もしくは下垂体(pithyroid glands)の代謝と相互作用する有効成分または例
えばメトトレキセートなどの化学療法薬などの他の有効成分である。現在、その
ような物質を混合することで、その構造により、埋め込みから後数日以内に環境
中にこれらの有効成分を放出することができる相当する硬化バイオセメントが得
られることが認められている。
【0026】 そこで本発明は、さらに1以上の薬理活性成分または1以上の殺菌剤を含む混
合物に関するものでもある。
【0027】 埋め込みまたは注射の場合、本発明による混合物を水系液体と混合して、アパ
タイト構造またはアパタイト様材料の凝固または形成が、最初に記載の式に従っ
て起こるようにしなければならない。結果的に、粉末混合物を水系液体と混合す
ることで、有利な特性が得られる。それらの特性は、固相と液相の混合後に得ら
れるペーストによって、温度依存的に、一定の時間間隔で、模型形成および注射
可能性等のある種の処理可能性が生じ得るという点を特徴とするものである。好
適な水系液体には例えば、生理食塩水、血液もしくは血清などの体液、あるいは
緩衝水溶液などがある。概して、薬理有効成分または硬化促進剤などの添加剤を
TCP粉末と混和することができるだけでなく、撹拌しているバイオセメントに
水溶液で加えることもできる。次にそれは、所期の部位または欠陥骨構造中に容
易に導入することができるクリーム状懸濁液またはペーストとして存在する。
【0028】 そこで本発明は、水溶液、ペーストまたは懸濁液の形での相当する混合物、な
らびに生体分解性埋め込み可能合成骨材料の製造におけるそれの使用に関するも
のでもある。
【0029】 本発明による撹拌された凝固性混合物は、特に30MPa以上の所望の圧縮強 さによって識別され、その圧縮強さは、本発明による混合物の組成に応じて、2
〜10時間、好ましくは3〜6時間というごく短い硬化時間後に得られるもので
ある。それに対して先行技術では、若干変化した組成を有する混合物の場合に、
概して15〜30時間の硬化時間で、強度はごくわずかに30MPaを超えるも のである。本発明による混合物の場合には、このような比較的長い硬化時間内で
は40〜50MPaという高い圧縮強度を得ることができる。
【0030】 以下に、図の簡単な説明を行う。
【0031】 図1は、バイオセメントDからの抗生物質溶出を示す図であり、バッチは以下
の通りである。
【0032】 I.セメント1g+レフォバシン(Refobacin)120 0.7mL;それの0.7g/ 緩衝液20mL(=20mg)、 II.Med.5-寒天1mL+レフォバシン120 0.7mL/緩衝液20mL、 III.セメント1g+セファゾリン(60mg/mL)0.7mL、それの1.04g/緩 衝液20mL(=25.7mg)、 IV.セメント1g+ネチルマイシン(netilmycin)(60mg/mL)0.7mL、1.
15g/緩衝液20mL(=28.4mg)、 V.セメント1g+リン酸クリンダマイシン(60mg/mL)0.7mL、0.99g/
緩衝液20mL(=24.5mg)、 1/15Mリン酸緩衝液、pH7.4への37℃での溶出。
【0033】 項目(原文のまま)I〜Vは、図で同じ呼称の曲線に相当する。
【0034】 図2は、H-、B-、F-およびD-セメントからのゲンタマイシン放出を示す図
であり、以下の表に放出をμg単位で示す。
【0035】
【表1】
【0036】 混合物の番号は、同じ呼称の曲線に相当する。
【0037】 実施例1 1350℃で4時間の焼成工程と、それに続く室内空気中でのCaHPO4およ
びCaCO3の2:1モル混合物の冷却によってα-TCPを製造した。得られた反
応生成物には10%未満のβ-TCPを含んでいた。
【0038】 α-TCPを粉砕し、約50%の粒径が0.1〜7μm、約25%が7〜25μ
m、さらに25%が25〜80μmとなるように混合した。レゲロス(LeGeros
,Calzif.Tiss.Int.37(1985)194-197)の方法によってOCPによ って製造した。
【0039】 以下のセメント混合物の特性を例として示した。
【0040】 以下においては次のような意味がある。
【0041】 バイオセメントH:α-TCPおよびPHAの混合物、 バイオセメントF:α-TCP、DCPおよびPHAの混合物、 バイオセメントD:α-TCP、DCP、CaCO3およびPHAの混合物、 バイオセメントH-OCP:α-TCPおよびOCPの混合物、 バイオセメントF-OCP:α-TCP、DCPおよびOCPの混合物、 バイオセメントD-OCP:α-TCP、DCP、CaCO3およびOCPの混合 物。
【0042】
【表2】
【0043】 混合比の数値データはグラム数である。粉末の混合に使用した液体は4%Na2 HPO4水溶液である。液体/粉末比は0.30mL/粉末gである。
【0044】 初期硬化(ti)および最終硬化に達するまでの時間(tf)を、ギルモア針によるA
STM標準に従って、室温(20±1℃)および37±1℃で測定した。
【0045】 リンゲル液中での1時間、2時間、4時間、18時間および65時間の浸漬後
に、ロイド(Lloyd)型LR50K材料試験装置を用いて、圧縮強さを測定した。
反応生成物は、X線回折測定法によって測定した。
【0046】 共通の特徴がDCPの混合であるバイセメントF、F-OCP、DおよびD-O
CPの製造において、特に好ましいDCPは、Ca/P比が>1.45のものであ る。
【0047】 実施例2 液体製剤および固体としての抗生物質/殺菌剤を、得られたセメントに混和し 、放出挙動を確認した。使用した溶出液は、37℃のゼーレンセンによるリン酸
緩衝液pH7.4であった。
【0048】 セメントと抗生物質/殺菌剤との混合物の硬化特性を、ASTM標準に従って 測定した。
【0049】 X線回折測定法から、セメントF-OCPおよびD-OCP中のCaHPO4が反
応せず、結晶化核としての追加のOCPがあっても、カルシウム不足のヒドロキ
シルアパタイトを形成したことが明らかになった。
【0050】 20℃および37℃でのtiおよびtfとしての凝固時間(分)(標準偏差)
【0051】
【表3】
【0052】 1時間、2時間、4時間、18時間および65時間後の圧縮強さ
【0053】
【表4】
【0054】 結果から、本発明の目的が達成されたことが明らかである。初期および最終硬
化時間は、OCPおよびPHAを加えることで、α-TCP(β-TCP含有量1 0%で)と比較して短縮される。硬化の動力学の短時間側へのシフトは低温で特 に顕著であり、体温ではその効果はごくわずかである。室温では十分に長い処理
時間が確保されることから、それは得られるセメントの処理特性に関して特に有
利であり、体温での硬化はあまり短くないことから、導入されるセメントはまだ
モデリングが可能である。例として本明細書に示したバイオセメントの圧縮強さ
に関するデータは、最終強度が6時間後に得られ、バイオセメントDおよびD- OCPでは50MPaまでの強度が得られることを示している。
【0055】 実施例3 本発明の次の目的、すなわち有効成分、例えば埋込物保護または感染との戦い
のための抗生物質のセメントへの混和とセメントからの有効成分の徐放について
も、以下にそれが達成されたことを示す。
【0056】 例として選択し各種抗生物質を含むバイオセメントD放出の動力学ならびにゲ
ンタマイシンを含む各種バイオセメントの放出の動力学を図1および2に示して
ある。抗生物質/殺菌剤を混合することで、抗生物質放出の所望の効果との関連 で、硬化の動力学や強度に悪影響はない。37℃の液体としてNa2HPO4もし くは硫酸ゲンタマイシン溶液を用いた液体/粉末比0.30での硫酸ゲンタマイシ
ン粉末を含むバイオセメントH、FおよびDを使用した場合の結果を例として示
す。前記の強度値を20時間後に測定した。ti値およびtf値は分単位で測定し、
ギルモア針を用いた測定値に関するものである。凝集時間(CT)を室温で測定し
、分単位で示してある。
【0057】 120mg/セメント5gで硫酸ゲンタマイシン粉末を用いて測定した測定値
【0058】
【表5】
【0059】 Na2HPO4を使用しない場合およびNa2HPO4のみを使用した場合で、溶液 として硫酸ゲンタマイシン(レフォバシン120(登録商標))を用いて測定した測 定値
【0060】
【表6】
【0061】 実施例4 原料を用いたTCPの調製。
【0062】 TCPの調製において、α/βTCPのパーセント含有率は、原料物質中Mgお
よびNaの重量パーセントだけでなく、相対的Ca/P比によってかなり影響され る。以下の表には、TCPの相組成に対するMgおよびNaの効果の概要を示して
ある。
【0063】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】 バイオセメントDからの抗生物質溶出を示すグラフである。
【図2】 H-、B-、F-およびD-セメントからのゲンタマイシン放出を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 ドリーセンス、フェルディーナント クレ ーメンス マーリア オランダ国 エンエル−6109 アーハー オーヘ エン ラーク ペーエル.バート リークラーン 3 Fターム(参考) 4C081 AB03 AC04 CF021 CF032 CF042 DA11 DA13

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被吸収性リン酸カルシウムセメントの製造に好適であって、
    リン酸三カルシウム(TCP)および少なくとも1以上のさらに別の含リン酸無機
    化合物を含む粉末混合物において、前記TCP粒子が 30〜90%が0.1〜40μmおよび 10〜70%が40〜300μm という粒径分布を有することを特徴とする粉末混合物。
  2. 【請求項2】 前記TCP粒子の30〜70%が0.1〜7μmの粒径を有 する請求項1に記載の混合物。
  3. 【請求項3】 少なくとも、前記TCP粒子の10〜60%が40〜100
    μmの粒径を有する請求項1に記載の混合物。
  4. 【請求項4】 前記TCP粒子が、 30〜50%が1〜7μm 20〜40%が7〜40μmおよび 10〜50%が40〜100μm という粒径分布を有する請求項1に記載の混合物。
  5. 【請求項5】 残りの粒子の50%以上が10〜100μmの粒径を有する
    請求項1ないし4のいずれかに記載の混合物。
  6. 【請求項6】 前記TCPの40〜100%がα型(α-TCP)で存在し、 0〜60%がβ型(β-TCP)で存在する請求項1ないし5のいずれかに記載の 混合物。
  7. 【請求項7】 前記他の含リン酸化合物の割合が混合物全体の1〜85%で
    ある請求項1ないし6のいずれかに記載の混合物。
  8. 【請求項8】 少なくとも、1以上の他の含リン酸化合物が、Ca(H2PO4 )2・H2O、CaHPO4、CaHPO4・2H2O、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H 2 O、Ca9(HPO4)(PO4)5・OH、Ca10(PO4)6(OH)2、含炭酸アパタイト
    、CaCO3、Ca(OH)2、MgHPO4・3H2O、Mg3(PO4)2、CaNaPO4
    Ca11Na(PO4)2、CaKPO4、Ca2PO4Cl、Ca2NaK(PO4)2、Ca10(P O4)6Cl2、ZnHPO4・4H2OおよびZn3(PO4)2からなる群から選択された
    ものである請求項1ないし7のいずれかに記載の混合物。
  9. 【請求項9】 少なくとも、1以上の他の含リン酸化合物が、Ca8(HPO4 )2(PO4)4・5H2O、Ca10(PO4)6(OH)2、CaHPO4およびCaCO3から なる群から選択されたものである請求項8に記載の混合物。
  10. 【請求項10】 全体の組成が、 (i)TCPが90〜99%、Ca10(PO4)6(OH)2が1〜10%、 (ii)TCPが90〜99%、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2Oが1〜10% 、 (iii)TCPが70〜99%、Ca10(PO4)6(OH)2が1〜10%、CaCO3 が10〜20%、 (iv)TCPが70〜99%、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2Oが1〜10% 、CaCO3が10〜20%、 (v)TCPが40〜99%、Ca10(PO4)6(OH)2が1〜10%、CaHPO4 が1〜50%、 (vi)TCPが40〜99%、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2Oが1〜10% 、CaHPO4が1〜50%、 (vi)TCPが20〜99%、Ca10(PO4)6(OH)2が1〜10%、CaHPO4 が1〜50%、CaCO3が1〜20%、 (vii)TCPが20〜99%、Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2Oが1〜10%
    、CaHPO4が1〜50%、CaCO3が1〜20% からなる群から選択されるものである請求項9に記載の混合物。
  11. 【請求項11】 原料成分中のマグネシウムおよびナトリウムの含有パーセ
    ントが、それぞれ0.13(Mg)以下および0.2(Na)以下である請求項1ないし
    10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 さらに凝固促進剤を含有する請求項1ないし11のいずれ
    かに記載の方法。
  13. 【請求項13】 さらに薬理活性成分を含有する請求項1ないし12のいず
    れかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 抗生物質または殺菌剤を含有する請求項13に記載の混合
    物。
  15. 【請求項15】 水系の溶液、懸濁液またはペーストの形で存在する請求項
    1ないし14のいずれかに記載の混合物。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の硬化混合物から製造される生体分解性
    埋込物。
  17. 【請求項17】 生体分解性の埋込可能な合成骨材の製造における請求項1
    5に記載の混合物の使用。
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