JP2002508798A - ディレードコーキングサイクル時間の減少 - Google Patents
ディレードコーキングサイクル時間の減少Info
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Abstract
(57)【要約】
ディレードコーカーユニットについてのサイクル時間は、熱いコーカー原料を充填する工程を開始する前に、ドラム外板とその支持スカート状部材との接合部近傍でドラム(10,12)を外部から加熱することによって減少される。これは、ドラムスカート状部材の溶接部の回りの領域における熱応力を低減する。
Description
【発明の詳細な説明】
ディレードコーキングサイクル時間の減少
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、ディレードコーキングに係り、より具体的には、ユニットのサイク
ル時間を減少させることによってディレードコーカーユニットの容量を増加させ
る方法に関する。
典型的なディレードコーカーユニットにおいて、一対のコークドラムは、交互
に充填され空にされて、コーカー原料はドラムの一方に送り込まれつつ、他方の
ドラムはコークが取り出されて次の充填サイクルのために準備される。ディレー
ドコーカーの容量は、コークドラムのサイズ、炉の容量、送り込みの容量、およ
びサイクル時間を含むいくつかの要因によって決定される。ドラムサイズ、炉お
よび送り込みの容量は容易に変化させることができないので、コーカー容量を増
加させるための唯一の実現可能な方法は、時おり、サイクル時間を減少させ、そ
れによって、与えられた時間内でよりドラムを充填することである。
2.従来の背景
従来のコーキング操作は、充填されたドラムを空にするプロセスにおいて、充
填されたドラムをスチームアウト(steam out)して残留揮発成分をド
ラムから除去する工程、スチームアウトされたコーク床を水で急冷する工程、急
冷水をドラムから排出する工程、コークドラムの頂部および底部を開口する(ド
ラムのヘッドを除去する)工程、頂部からコーク床内に案内孔をあける工程、半
径方向に向けられたジェットドリルで残りのコークをドリルアウトする工程、ド
リルアウトされたコークをドラムの底部から除去する工程、コークドラムの頂部
および底部の開口を閉じる工程、および熱いコーカー原料で充填されている他方
のドラムからの熱い蒸気を通過させることによって、空のコークドラムを予備加
熱する工程を含む。予備加熱工程に、新たに空にされたドラムに熱いコーカー原
料を切り替える前に、空のコークドラムの温度を上昇させるために必要である。
そうしなければ、比較的冷たいドラム内へ熱い原料を供給することからの熱応力
が、深刻なダメージをもたらすおそれがあるためである。
容量が問題でない場合、予備加熱工程は、かなりの時間にわたって行うことが
でき、熱応力を制御することができる。容量が問題となる場合には、それを増加
させるための1つの方法は、サイクル時間を減少させ、与えられた時間内におい
てより多くのドラムでのコークの生産を可能にすることによる。
上述した予備加熱工程は、サイクル時間のかなりの部分であり、サイクル時間
を減少させるためのほとんどの可能性を占める領域である。これは、サイクル中
の他の工程は幾分固定され、あるいは、いずれにしても著しい資本の必要性なし
に容易に減少させることができないからである。
典型的なコークドラムは、ドラム外板とドラムの下方円錐部分との接合部近傍
でドラムに溶接されたスカート状部材により支持される。最大熱応力は、約90
0°Fにおける熱いオイル原料が、予備加熱されたドラムに切り替えられる際に
生じる。これらの熱応力は、予備加熱されたドラムの内面がドラムの外側より熱
いという事実に部分的に起因し、ドラムの外側は支持スカート状部材がドラム外
板に溶接された領域を含む。外板の内側の膨張速度は、熱いオイル原料が接触し
た際、より冷たい外側部分の膨張速度より初期的に大きい。充分な時間が利用で
きるならば、予備加熱工程は、ドラムの内側に近い温度までドラムの外側を加熱
するのに充分な時間にわたって行うことができる。しかしながら、全体のサイク
ル時間を減少させるために予備加熱時間が最少にされるべきである場合には、こ
れは問題である。ドラム内、特にドラムとその支持スカート状部材との接合部近
傍の領域内での熱応力を悪化させることなくサイクル時間を減少させる方法につ
いて、引き続いた要求が存在してきた。
発明の概要
本発明によれば、一対のコークドラムを交互に充填して空にするためのサイク
ル時間を減少させることによって、コーカーユニットの容量を増加させる。サイ
クル時間の減少は、ドラムの内部に予備加熱蒸気が向かう間および/または直前
に、ドラムスカート状部材がドラムに接合する領域内で、コークドラムを外部か
ら加熱することによって達成される。外部加熱は、予備加熱されたドラム内部の
温度により近づいたレベルまで外側ドラム温度を上昇させて、熱いオイル原料が
ドラム内に導入される際に生じる熱応力を減少させる。外部加熱を用いて、内側
から外側へのドラムの温度はより均一になり、熱いオイル供給はより早く開始す
ることができるので、ドラム予備加熱に必要な時間は実質的に減少する。全体の
サイクル時間は、対応して減少する。
図面の簡単な説明
図1は、一対のコークドラムおよび関連する装置を示すディレードコーカーユ
ニットの概略図である。
図2は、コーキングサイクルについてのコークドラムスケジュールを示すチャ
ートである。
図3は、コークドラムおよびその支持構造の詳細を示す、部分的に断面の側面
立面図である。
図4は、コークドラムとその支持スカート状部材との接合部の詳細を示す、部
分的に切り取られた側面立面図である。
図5は、ドラムのナックル部分に溶接されたスカート状部材によって支持され
たコークドラムを示す断面図である。
図6は、ドラムの外板に溶接されたスカート状部材によって支持されたコーク
ドラムを示す断面図である。
好ましい態様の詳細な説明
本発明の主な目的は、プロセス装置のサイズを増加させることなく、コーク設
備の容量を増加させることである。これは、ある程度までは、コークが形成され
るコークドラムの充填速度を増加させることによって達成することができる。し
かしながら、サイクル時間、または原料がドラムに入り込む間の時間は、他方の
ドラムからコークを取り除くために必要とされる時間よりも少なく減少させるこ
とができない。コーク除去プロセスは、スチームアウト、急冷、急冷水の排出、
案内孔の孔あけ、ドラムからのコークのドリルアウト、および次の充填サイクル
のための準備におけるドラムのウォーミングアップのための時間を含む。これら
の工程のいくつかは最少の時間を有し、実際にはこれより下に至ることができな
い。これらの最短時間がいったん達成されると、サイクル時間、およびコーカー
容量は、いくぶん固定される。
本発明の目的となるのは、予備加熱工程である。この工程は、サイクルのかな
りの部分を占める。予備加熱工程において、コークドラムは空にされて、ドラム
の頂部および底部のヘッドは再度装着される。ドラムは蒸気でパージされ、漏れ
について試験される。充填されているドラムからの熱い蒸気は、その後、冷たい
空のドラム内に方向転換されて、ドラムを切り替えて空のドラム内に熱い原料の
向きを変える前に、空のドラムを予備加熱する。
図1は、一対のコークドラム10および12で構成される典型的なコーカーユ
ニットを示す。供給ライン14からのコーカー原料は、分留器16に入り、炉5
4に送り込まれ、次いで、コークドラムの一方に供給される。充填されているド
ラムからのオーバーヘッド蒸気は、分留器16に戻って、ここで生成物流に分離
される。コーカー原料で充填されていないドラムについての予備加熱工程は、オ
ンラインドラムからオフラインドラムの頂部に戻るオーバーヘッド蒸気の一部の
向きを変える(図示しないバルブによって)ことによって達成される。本発明に
よれば、外部の加熱は、オフラインドラムの中を通って熱い予備加熱蒸気が通過
する間および/または前に、および熱いオイル原料がドラムに導入される前に、
ドラムとスカート状部材との接合部の領域に適用される。
予備加熱蒸気がドラムの中を通って通過する間および/または前に、ドラム−
スカート状部材接合部の領域に外部加熱を適用することによって、ドラム−スカ
ート状部材溶接部の臨界領域における温度は、熱いオイル原料がドラム内に導入
される際に、より均一となって、熱い原料導入時に損傷を与える熱応力のおそれ
を生ずることなく、予備加熱時間は減少される。
ドラムに外部の予備加熱を適用するための手段は、図3に最もよく示されてい
る。スチームジャケット48は、スカート状部材−ドラム接合部の領域の回りで
ドラム10を取り囲む。加熱流体入口50および出口52は、予備加熱流体、好
ましくは蒸気または煙道ガスのような熱いプロセスガスを、スチームジャケット
48を通して通過させるために設けられる。あるいは、外部の予備加熱は、電気
的加熱バンドなどにより与えられることもできる。
図2には、典型的なサイクルスケジュールが示される。示された例は18時間
のサイクルについてのものであるが、より長いまたはより短いサイクルも一般的
である。例示されるサイクルにおいて、5.5時間はウォーミングアップおよび
試験のために考慮される。ウォーミングアップまたは予備加熱部分は、本発明の
プロセスによって、高められた熱応力なしに減少することができ、その熱応力は
、本発明の外部の予備加熱が存在しない場合に生じるであろう。
図3に示されるように、コークドラム10は底部円錐状部分34と除去可能な
底部プレート36とを含む。ドラム外板と底部円錐状部分34との間には、変わ
り目またはナックル部分44が存在する。図3および6に示されるように、ドラ
ム外板とナックル部分44との接合部近傍では、支持スカート状部材38がドラ
ムに溶接され、それに関して、接線接続(tangent line conn
ectlon)としばしば称される。
図5に示されるように、ナックル部分44は、ドラム外板と底部円錐状部分3
4との間で溶接される。支持スカート状部材38は、溶接点22においてナック
ル部分44に溶接され、それに関して、ナックル接続(knuckle con
nection)としばしば称される。
図4に示されるような一つの一般的な変更において、スカート状部材38は、
スカート状部材の頂部から延びる細長いくぼみにより形成される一連の指状部分
40を含み、各指状部分は、湾曲した頂部46を有して波状形状を与え、湾曲し
た指状部分の頂部はドラム外板に溶接される。スカート状部材内でくぼみの中に
丸みを帯びた下方端部を含むことは、応力がくぼみ端部に発生するのを防ぐため
に通常行われる。図4に示されるようにスカート状部材の頂部から延びるくぼみ
の部分にわたってスチームジャケット48が広がる場合には、加熱流体の漏れを
防止するためにくぼみ内にパッキング材を適用することが望ましい。
いかなるタイプのスカート状部材−ドラムシステムが用いられても、ドラム外
板とスカート状部材との間の接合部は、ドラム予備加熱工程が開始するときに完
全に冷却される。ドラム予備加熱は、充填しているドラムから新たに空にされた
ドラムの頂部へのオーバーヘッド蒸気の一部を方向転換させることによって、通
常与えられる。これらの蒸気は非常に熱く、ドラムの内面を迅速に加熱する。外
側ドラム面、特にドラム外板と支持スカート状部材との溶接された接合部は、ド
ラムの内側と同じ速度で加熱されない。その後、熱いオイル原料がドラムの底部
に導入された際に生じる熱衝撃のために、高い熱応力が発生する。この熱衝撃は
、スカート状部材−ドラム接続に潜在的なダメージを与えるおそれがある。
ここで、本発明のプロセスの例示のために、図1および3を参照して、外部ド
ラム予備加熱の使用を含むコーキングサイクルを説明する。
炉54からの熱いコーカー原料は、コークドラム10の底部に供給される。ド
ラム10への供給が開始される際、コークで満たされているコークドラム12は
、低圧蒸気を当てられ、残留している揮発性の炭化水素をドラム内のコーク床か
ら取り除く。蒸気はまた、コークからある程度の熱を除去する。スチームアウト
工程の後、急冷水でドラムを満たすことによってコークが急冷される。いったん
コーク床が水で覆われると、ドラムの排水口が開かれて水が排出される。頂部お
よび底部のドラムヘッドカバーは、その後、取り外される。案内孔は、頂部から
コーク床を通して開けられ、その後、回転している高圧ジェットドリルが案内孔
を下方に通過しつつ、切削流をコーク床に対して水平に向ける。ドリルアウトさ
れたコークは、ドラムから下方に落下する。コーク切削が終了してコークがドラ
ムから取り除かれた後、ヘッドカバーが再度装着され、ドラムは蒸気でパージさ
れて漏れについて試験される。オンラインドラムの頂部からの熱い蒸気の一部は
、空にされたドラム内に向きを変えられて、所定の温度までドラムを暖める。炉
54からの熱い原料は、その後、空にされたドラム内に切り替えられる。
本発明の本質は、熱い予備加熱蒸気をドラム内を通して向ける間および/また
は前に、およびドラム内に熱いオイル原料を導入する前に、コークドラムとその
支持スカート状部材との接合部に外部から加熱を適用することにある。好ましく
は、外部の加熱の適用は、ドリルジェットがドラム−スカート状部材接合部のレ
ベルを下回った後に開始する。外部の加熱の適用は、ドラム−スカート状部材接
合部の領域が、予備加熱工程の間にドラム内の温度により近く達するのを可能に
し、ドラムの外側、特にドラム−スカート状部材溶接部の回りが、予備加熱され
たドラムの内部より非常に低い温度の場合に生じる損傷を与える熱応力なしに熱
いオイル原科のより迅速な導入を可能にする。外部加熱の適用の結果として、ウ
ォーミングアップ時間が減少され、全体の減少されたサイクル時間をもたらし、
コーキングユニットについての高められた生産速度が得られる。
上述した本発明の好ましい態様の説明は、本発明の範囲を限定することよりも
、むしろ例示のために意図され、本発明の範囲は請求の範囲によって限定される
べきである。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
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SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V
N,YU,ZW
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.ドラムに溶接されたスカート状部分によりそれぞれ支持される一対のコー クドラムが、交互に充填され空にされるディレードコーキングプロセスにおいて 、サイクルの空にする部分は (a)充填されたコークドラムをスチームアウトして、残留揮発成分をドラムか ら除去する工程 (b)熱いコーク床を水で急冷する工程; (c)急冷水をコークドラムから排出する工程; (d)コークドラムの頂部を開口して、その中のコーク床を通る案内孔をあける 工程: (e)半径方向に向けられたドリル水によって、案内孔とコークドラム壁との間 のコーク床からコークをドリルアウトし、コークドラムの底部の開口を通してコ ークを除去する工程; (f)コークドラムの頂部および底部の開口を閉じる工程;および (g)空にされたドラム内に原料を導入する前に、熱いコークドラム蒸気をドラ ム内に通過させることによって空のドラムを予備加熱する工程を具備し; 改良は、前記ドラム内に熱い原料オイルを導入する前に、ドラム外板と前記ド ラムのスカート状部分との接合部に近接する前記コークドラムの外側部分に熱を 適用することにより、コークドラムとスカート状部分との接合部における熱応力 を低減し、それによって、過剰な熱応力を防止することであるディレードコーキ ングプロセス。 2.熱は、外板とその支持スカート状部分との接合部近傍で前記ドラムを包囲 するスチームジャケットを用いることにより、前記ドラムの外側に適用される請 求項1に記載のプロセス。 3.熱に、外板とその支持スカート状部分との接合部近傍で前記ドラムを包囲 する電気的加熱バンドを用いることにより、前記ドラムの外側に適用される請求 項1に記載のプロセス。 4.前記ドラムの外側に適用される熱は、ドラム外板とその支持スカート状部 分との接合部より下方で、ドラムの内壁にドリル水が衝突した後に開始される請 求項1に記載のプロセス。 5.コーカー分留器、コーカー炉、および取り付けられた支持スカート状部分 によりそれぞれ支持される一対のコークドラムにより構成されるディレードコー キング設備において、改良は、前記コークドラムのそれぞれが、前記コークドラ ムとその支持スカート状部分との接合部において外部から熱を適用するために、 それに固定された手段を具備することであるディレードコーキング設備。 6.前記外部から熱を適用するための手段は、前記コークドラムとその支持ス カート状部分との接合部を取り囲むスチームジャケットを含む請求項5に記載の ディレートコーキング設備。
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