JP2002508506A - T.cruzi感染の検出および予防のための化合物および方法 - Google Patents

T.cruzi感染の検出および予防のための化合物および方法

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Abstract

(57)【要約】 Trypanosoma cruzi感染を診断するための化合物および方法が提供される。この開示された化合物は、T.cruzi抗原の1つ以上のエピトープを含む、ポリペプチド、またはその抗体である。この化合物は、T.cruzi感染を検出するための種々の免疫アッセイにおいて有用である。このポリペプチド化合物はさらに、T.cruzi.に曝露された個体におけるシャーガス病に対する防御免疫を誘導するためのワクチンおよび薬学的組成物において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般に、T.cruzi感染の診断に関する。本発明は、より詳細
には、T.cruzi感染について個体および血液供給品をスクリーニングする
ための方法および診断キットにおける、1つ以上のT.cruzi抗原性ペプチ
ドまたはそれに対する抗体の使用に関する。本発明はまた、シャーガス病を予防
するために個体を免疫化するためのワクチン組成物に関する。
【0002】 (発明の背景) 原生動物寄生体は、世界の多くの地域で健康に対して大きな脅威となっている
。Trypanosoma cruzi(T.cruzi)は、主に、中央およ
び南アメリカで数百万の個体に感染している、このような寄生体の1つである。
この寄生体の感染は、慢性の心臓病および種々の免疫系障害を生じ得るシャーガ
ス病を引き起こし得る。ラテンアメリカでは、1800万の人々がT.cruz
iに感染していると推定されているが、この感染の臨床症状に対する確実な処置
はない。現在利用可能なシャーガス病の予防のためのワクチンは存在しない。
【0003】 この病気が風土病である地域では、伝播の最も顕著な経路は、感染したトリア
トーマ類サシガメ(triatomid bug)との接触による。しかし、そ
の他の地域では、輸血が伝播の最も優勢な手段である。このような地域でT.c
ruziの伝播を阻害するために、個体におけるT.cruzi感染を診断する
ため、および血液供給品をスクリーニングするための正確な方法を開発すること
が必要である。0.1%〜62%のサンプルが感染されているかもしれず、そし
てこの寄生体が輸血によりしばしば伝播される南アメリカでは、血液バンクのス
クリーニングが特に重要である。また、特定の合衆国の都市における血液供給品
が、T.cruzi寄生体で汚染されているかもしれないことに関心が高まって
いる。
【0004】 T.cruzi感染の診断は問題が多い。なぜなら、慣用的な使用に適切であ
る、この寄生体を検出する正確な方法が利用可能でないからである。数十年間存
続し得る感染の急性期の間は、感染は静態のままであり得、そして宿主は、無症
候であり得る。その結果、T.cruzi感染に対する血清学的試験が最も信頼
性があり、そして最も一般に用いられ得る。
【0005】 しかし、このような診断は、この寄生体の複雑な生活環および宿主の多種多様
な免疫応答により複雑である。この寄生体は、昆虫ベクター中でエピマスティゴ
ート期を、そして哺乳動物宿主中で2つの主要期を経験する。1つの宿主期は血
液中に存在し(トリポマスティゴート期)、そして第2期は細胞内である(無べ
ん毛型期)。複数の期は、感染の間、寄生体により呈示される多種多様な抗原を
生じる。さらに、原生動物感染に対する免疫応答は複雑であり、寄生体抗原のア
レイに対する体液性および細胞媒介性応答の両者を含む。
【0006】 寄生体抗原に対する抗体を検出することは、臨床感染および無症状感染を診断
する最も一般的かつ信頼性のある方法であるが、現行の試験は高価でかつ難しい
。大部分の血清学的試験は、全T.cruziまたは溶解T.cruziを用い
、そしてT.cruzi感染を正確に検出するために、補体結合、間接免疫蛍光
、受動凝集、ELISAを含む3つの試験のうち2つについて陽性の結果を必要
とする。このような試験のコストおよび困難性は、多くの風土病地域で血液また
は血清のスクリーニングを妨げてきた。
【0007】 従って、当該分野において血液供給品および個体におけるT.cruzi感染
を検出する、より特異的および高感度な方法に対する必要性が存在する。本発明
は、これらの必要性を満たし、そしてさらに他の関連する利点を提供する。
【0008】 (発明の要旨) 簡単に述べれば、本発明は、個体および血液供給品におけるT.cruzi感
染を検出および防止するための化合物および方法、ならびに生物学的サンプル中
のT.cruzi感染をスクリーニングするための化合物および方法を提供する
。1つの局面において、本発明は、生物学的サンプル中のT.cruzi感染を
検出するための方法を提供し、この方法は、(a) 生物学的サンプルを、配列
番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオチド配列によってコードされるアミ
ノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピトープあるいは保存的置換および/
または改変のみが異なるこのような抗原の改変体を含むポリペプチドと接触させ
る工程;ならびに(b)生物学的サンプルにおけるポリペプチドに結合する抗体
の存在を検出し、それによってこの生物学的サンプル中のT.cruzi感染を
検出する工程を包含する。
【0009】 本発明の別の局面において、配列番号1〜配列番号21に列挙されるヌクレオ
チド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピ
トープあるいは保存的置換および/または改変のみが異なる抗原の改変体を含む
ポリペプチドが提供される。
【0010】 関連する局面において、上記のポリペプチドをコードするDNA配列、これら
のDNA配列を含む発現ベクター、およびこのような発現ベクターで形質転換ま
たはトランスフェクトされた宿主細胞もまた提供される。
【0011】 別の局面において、本発明は、生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検
出するための診断キットを提供し、このキットは、(a)配列番号1〜配列番号
22に列挙されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を有する
T.cruzi抗原のエピトープまたは保存的置換および/もしくは改変のみが
異なるこのような抗原の改変体を含むポリペプチド;ならびに(b)検出試薬を
含む。
【0012】 本発明のなお別の局面において、生物学的サンプル中のT.cruzi感染の
存在を検出するための方法が提供され、この方法は、(a)生物学的サンプルを
、配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオチド配列によってコードされ
るアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピトープあるいは保存的置換お
よび/または改変のみが異なるこのような抗原の改変体に結合するモノクローナ
ル抗体と接触させる工程;ならびに(b)生物学的サンプルにおけるモノクロー
ナル抗体に結合するT.cruzi寄生体の存在を検出する工程を包含する。
【0013】 関連する局面において、上記のポリペプチドおよび生理学的に受容可能なキャ
リアを含む薬学的組成物、ならびにアジュバンドと組み合わせた上記のポリペプ
チドを含むワクチンもまた提供される。
【0014】 本発明はまた、他の局面において、シャーガス病に対する防御免疫を患者にお
いて誘導するための方法もまた提供し、この方法は上記の薬学的組成物またはワ
クチンを患者に投与する工程を包含する。
【0015】 他の局面において、本発明は生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出
するための方法を提供し、この方法は、(a)生物学的サンプルを、配列番号1
〜配列番号22に列挙されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配
列を有するT.cruzi抗原のエピトープまたは保存的置換および/もしくは
改変のみが異なる抗原の改変体を含む第一のポリペプチドと接触させる工程;(
b)生物学的サンプルを、他のT.cruzi抗原の1つ以上のエピトープまた
は保存的置換および/または改変のみが異なるその改変体を含む1つ以上のさら
なるポリペプチドと接触させる工程;ならびに(c)生物学的サンプルにおける
上記ポリペプチドの1つ以上に結合する抗体の存在を検出し、それによってこの
生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出する工程を包含する。1つの実
施態様において、さらなるポリペプチドは、TcDのエピトープまたは保存的置
換および/もしくは改変のみが異なるその改変体を含む。別の実施態様において
、さらなるポリペプチドは、TcDのエピトープ(あるいは保存的置換および/
または改変のみが異なるその改変体)およびTcEのエピトープ(あるいは保存
的置換および/または改変のみが異なるその改変体)を含む。なお別の実施態様
において、さらなるポリペプチドは、TcDのエピトープ(あるいは保存的置換
および/または改変のみが異なるその改変体)およびPEP−2のエピトープ(
または保存的置換および/または改変のみが異なるその改変体)を含む。
【0016】 なおさらなる局面において、本発明は2つ以上のポリペプチドを含む組合せポ
リペプチドを提供し、各ポリペプチドは、配列番号1〜配列番号22に列挙され
るヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi
抗原のエピトープあるいは保存的置換および/または改変のみが異なるその改変
体を含む。配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオチド配列によってコ
ードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原の少なくとも1つのエピト
ープあるいは保存的置換および/または改変のみが異なるその改変体、ならびに
TcDエピトープ、TcEエピトープ、PEP−2エピトープ、および保存的置
換および/または改変のみが異なるそれらの改変体からなる群より選択される少
なくとも1つのエピトープを含む組合せポリペプチドもまた提供される。このよ
うな組合せポリペプチドは、合成手段によって、または組換えDNA技術を用い
てのいずれかで調整され得る。
【0017】 関連する局面において、生物学的サンプルにおけるT.cruzi感染を検出
するための方法が提供され、この方法は(a)生物学的サンプルを、上記の組合
せポリペプチドの少なくとも1つと接触させる工程、および(b)生物学的サン
プル中で組合せポリペプチドに結合する抗体の存在を検出する工程を包含する。
【0018】 本発明のこれらのおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参
照すれば明らかになる。本明細書中に開示される全ての参考文献は、各々を個々
に援用したかのように、本明細書においてその全体が参考として援用される。
【0019】 (発明の詳細な説明) 上記のように、本発明は、一般に、個体および血液供給品のT.cruzi感
染を検出および予防する化合物および方法に関する。本発明の化合物は、一般に
、T.cruzi抗原の1つ以上のエピトープを含む。特に、配列番号1〜配列
番号22に列挙されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を有
するT.cruzi抗原のエピトープを含むポリペプチドが好ましい。本明細書
において使用される用語「ポリペプチド」は、全長(すなわち、天然の)抗原を
含む任意の長さのアミノ酸鎖を包含する。従って、エピトープを含むポリペプチ
ドは、エピトープからのみなり得るか、またはさらなる配列を含み得る。さらな
る配列は、天然の抗原由来であってもよいし、または異種性であってもよい。そ
してこのような配列は抗原性であり得る(が抗原性である必要はない)。特定の
アミノ酸配列を「有する」タンパク質は、その全長配列内に列挙された配列を含
むタンパク質である。このようなタンパク質はさらなるアミノ酸配列を含んでも
よいし、含まなくてもよい。さらなるT.cruziタンパク質由来の一つ以上
のエピトープの使用もまた、本明細書中に列挙された配列の一つ以上のエピトー
プに優先してまたは組合わせて、診断の感度および特異性を増強するために意図
される。
【0020】 本明細書中で使用される「エピトープ」は、T.cruzi感染個体の血清と
反応するT.cruzi抗原の部分である(すなわち、エピトープは特異的にこ
のような血清内の一つ以上の抗体によって結合される)。本願中に記載される抗
原のエピトープは、一般に当業者に公知である方法(例えば、Paul, Fu
ndamental Immunology,第3版,243−247 (Ra
ven Press,1993)およびそこで引用された参考文献において要約
された方法)を使用して同定され得る。例えば、天然のT.cruzi抗原由来
のポリペプチドは、T.cruzi感染患者から得られるプールされた血清と反
応する能力についてスクリーニングされ得る。T.cruzi感染血清との反応
性を評価するために適切なアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着法(ELISA
))は、以下に、ならびにHarlowおよびLane,Antibodies
:A Laboratory Manual,Cold Spring Har
bor Laboratory,1988においてより詳細に記載される。ポリ
ペプチドのエピトープは、全長ポリペプチドの反応性と実質的に同様なレベルで
このような抗血清と反応する部分である。言い換えれば、エピトープは、抗体結
合アッセイ(例えば、ELISA)において全長ポリペプチドによって生成され
る応答の少なくとも約80%、および好ましくは少なくとも約100%で生じ得
る。
【0021】 本発明の化合物および方法はまた、上記ポリペプチドの改変体を包含する。本
明細書中で用いられる「改変体」は、列挙されたポリペプチドと保存的置換また
は保存的改変においてのみ異なり、その結果列挙されたポリペプチドの抗原性性
質を保持するポリペプチドである。「保存的置換」は、あるアミノ酸が、類似の
性質を有する別のアミノ酸に置換され、その結果ペプチド化学の当業者がポリペ
プチドの二次構造および疎水親水指数の性質が実質的に変化しないと予期するよ
うな置換である。一般に、以下の群のアミノ酸が保存的交換を示す:(1)al
a、pro、gly、glu、asp、gln、asn、ser、thr;(2
)cys、ser、tyr、thr;(3)val、ile、leu、met、
ala、phe;(4)lys、arg、his;および(5)phe、tyr
、trp、his。改変体はまた、あるいは、他の保存的改変を含み、これらは
、ポリペプチドの抗原性性質、二次構造および疎水親水指数の性質に対して最小
の影響を有するアミノ酸の欠失または付加を含み得る。例えば、ポリペプチドは
、合成を容易にするために、または固体支持体へのポリペプチドの結合を増大す
るために、リンカーまたはその他の配列と結合され得る。
【0022】 関連する局面において、複数のT.cruzi抗原のエピトープを含む組合せ
ポリペプチドが、開示される。「組合せポリペプチド」は異なったT.cruz
i抗原のエピトープ、またはその改変体が、例えば単一アミノ酸鎖にペプチド結
合を介して結合されるポリペプチドである。こうして形成されたアミノ酸鎖は、
直線状か、または分枝状であり得る。エピトープは、直接結合され得(すなわち
、アミノ酸を介在することなしに)、またはエピトープの抗原性性質を有意に変
えないリンカー配列(例えば、Gly−Cys−Gly)によって結合され得る
。ペプチドエピトープはまた、非ペプチド結合(例えば、ペプチドエピトープ上
の特異的官能基間を(例えば、アミノ基、カルボキシル基、またはスルフヒドリ
ル基を介して)化学的にまたは光化学的にカップリングするヘテロまたはホモ二
官能性薬剤)を介して結合され得る。本発明の組合せポリペプチドにおいて有用
に利用され得る二官能性薬剤は、当業者に周知である。エピトープはまた、溶液
中かまたは固層中のいずれかで、一つ以上のエピトープがリガンド/抗リガンド
対の第一のメンバーに結合され、次いでリガンド/抗リガンド対の相補的なメン
バーに結合されるアビジン/ビオチンのような相補的なリガンド/抗リガンド対
よって結合され得る。組合せポリペプチドは、本明細書中に記載されるようなポ
リペプチドの複数のエピトープを含み得、および/または本明細書中に記載され
るエピトープに結合される一つ以上の他のT.cruzi抗原(例えば、TcD
、TcE、またはPEP−2)のエピトープを含み得る。
【0023】 一般に、T.cruzi抗原およびこのような抗原をコードするDNA配列は
、任意の種々の手順を使用して調製され得る。例えば、T.cruzi cDN
AまたはゲノムDNA発現ライブラリーは、T.cruzi感染個体由来の血清
のプールでスクリーニングされ得る。このようなスクリーニングは、一般に、当
業者に周知の技術(例えば、Sambrookら、MolecularClon
ing:A Laboratory Manual,Cold Spring
Harbor Laboratories,Cold Spring Harb
or,N.Y.,1989に記載される技術)を使用して実施され得る。簡単に
述べれば、バクテリオファージライブラリーをプレートし、そしてフィルターに
移し得る。次いで、このフィルターを血清および検出試薬とインキュベートし得
る。本発明の文脈では、「検出試薬」は、抗体−抗原複合体に結合し得る任意の
化合物であり、次いで、この複合体は、当業者に公知の任意の種々の手段により
検出され得る。スクリーニング目的のための代表的な検出試薬は、レポーター基
に結合した、プロテインA、プロテインG、IgG、またはレクチンのような「
結合因子」を含む。好適なレポーター基は、酵素、基質、コファクター、インヒ
ビター、色素、放射性核種、化学発光基、蛍光基、およびビオチンを含むがこれ
らに限定されない。より好適には、レポーター基は、テトラメチルベンジジンま
たは2,2'−アジノ−ジ−3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸のような基 質とのインキュベーションにより検出され得る西洋ワサビペルオキシダーゼであ
る。血清中の抗体に結合するタンパク質を発現するcDNAを含むプラークは、
当業者に公知の技術により単離および精製され得る。適切な方法は、例えば、S
ambrookら、Molecular Cloning:A Laborat
ory Manual,Cold Spring Harbor Labora
tories,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989に
見出され得る。
【0024】 配列番号1〜配列番号18に列挙されるヌクレオチド配列を有するDNA分子
は、上記のように、T.cruzi感染個体由来の血清のプールを用いてT.c
ruziゲノム発現ライブラリーをスクリーニングすることによって単離され得
る。より詳細には、配列番号1〜配列番号16に列挙されるヌクレオチド配列を
有するDNA分子は、米国特許第5,304,371号および1995年3月1
4日に出願された米国特許出願第08/403,379号に記載される寄生生物
溶解産物、ならびに/またはT.cruzi抗原TcDおよびTcEの一方もし
くは両方と血清学的反応性を(ELISAまたはウェスタンアッセイにおいて)
示す血清のプールを用いてライブラリーをスクリーニングすることによって単離
され得る。次いで、引き続くスクリーニングが、検出可能な抗TcD抗体を欠く
患者血清を用いて行われる。配列番号17(5’末端)および配列番号18(3
’末端)に列挙されるヌクレオチド配列を有するDNA分子は、溶解物、TcD
、およびTcEとのより低い血清学的反応性を示す(すなわち、ELISAまた
はウェスタンアッセイにおいてバックグラウンドの反応性を超えて3標準偏差よ
り少ないシグナルを検出する)血清のプールを用いてゲノム発現ライブラリーを
スクリーニングし、その後引き続き検出可能な抗TcD抗体を欠く患者血清を用
いて次のスクリーニングすることによって単離され得る。
【0025】 配列番号19〜配列番号22に列挙される配列を有するDNA分子は、T.c
ruzi感染個体由来の血清(より高いおよびより低い血清学的反応性の両方)
を用いて非増幅T.cruzi cDNA発現ライブラリーをスクリーニングす
ることによって、上記のように、得られ得る。
【0026】 あるいは、配列番号1〜配列番号22に列挙される配列を有するDNA分子は
、T.cruziゲノムDNAまたはcDNAからポリメラーゼ連鎖反応を介し
て増幅され得る。このアプローチのために、配列番号1〜配列番号22に提供さ
れる配列に基づいて配列特異的プライマーが設計され得、そして購入または合成
され得る。次いで、DNA配列の増幅部分は周知の技術(例えば、Sambro
okら、Molecular Cloning:A Laboratory M
anual,Cold Spring Harbor Laboratorie
s,Cold Spring Harbor,NY(1989)に記載の技術)
を使用して全長ゲノムまたはcDNAクローンを単離するために使用され得る。
【0027】 上記DNA配列によってコードされるアミノ酸配列を有する抗原のエピトープ
が、一般に、天然の抗原の部分を含むポリペプチドを産生し、そしてT.cru
zi感染個体由来の血清を用いてポリペプチドの反応性を評価することによって
、上記のように同定され得る。多くの場合、天然の抗原において見出された一つ
以上の反復配列を含むペプチドは、エピトープを含む。このような反復配列は、
上記のヌクレオチド配列の調査に基づいて同定され得る。上記のDNA配列によ
ってコードされる抗原についての代表的な反復配列は、配列番号23〜配列番号
36および配列番号47〜配列番号49において提供される。より詳細には、配
列番号3に列挙される配列についての反復配列は、配列番号23(フレーム1)
、配列番号24(フレーム2)、および配列番号25(フレーム3)において提
供される。配列番号4に列挙される配列についての反復配列は、配列番号26(
フレーム1)および配列番号27(フレーム3)において提供される。そして配
列番号9についての反復配列は、配列番号47(フレーム1)、配列番号48(
フレーム2)、および配列番号49(フレーム3)において提供される。配列番
号12については、反復配列は、配列番号28(フレーム1)、配列番号29(
フレーム2)、および配列番号30(フレーム3)において提供される。配列番
号31は、配列番号15についての反復配列を列挙する。配列番号16について
は、反復配列は、配列番号32(フレーム2)および配列番号33(フレーム3
)において提供される。最後に、配列番号18についての反復配列は、配列番号
34(フレーム1)、配列番号35(フレーム2)、および配列番号36(フレ
ーム3)において提供される。
【0028】 本明細書中に記載のポリペプチドは、当業者に周知の技術を用いて生成され得
る。約100より少ないアミノ酸、そして、一般に、約50より少ないアミノ酸
を有するポリペプチドは、例えば、伸長するアミノ酸鎖にアミノ酸が連続的に添
加される、Merrifieldの固相合成法を用いて合成され得る。Merr
ifield、J.Am.Chem.Soc.85:2149−2146、19
63を参照のこと。ポリペプチドの自動合成のための装置は、Perkin E
lmer/AppliedBiosystems Division,Fost
er City,CAのような供給者から市販されている。従って、例えば、上
記の反復配列またはそれらの部分を含むポリぺプチドは、この方法により合成さ
れ得る。同様に、他の天然の抗原またはそれらの改変体のエピトープは、自動合
成機を用いて調製され得る。
【0029】 あるいは、本発明のポリペプチドは、培養した宿主細胞における、このポリペ
プチドをコードする組換えDNAの発現により調製され得る。好ましくは、宿主
細胞は、E.coli、酵母、昆虫細胞株(例えば、Spodopteraまた
はTrichoplusia)、またはCHO、COS、およびNS−1を含む
(が、これらに制限されない)哺乳動物細胞株である。この様式で発現されるD
NA配列は、天然に存在するタンパク質(例えば、配列番号1〜配列番号22の
DNA配列によってコードされるアミノ酸配列を有する全長抗原)、天然に存在
するタンパク質の部分、またはこのようなタンパク質の改変体をコードし得る。
このようなDNA配列によってコードされる代表的なポリぺプチドは、配列番号
37〜配列番号46、配列番号52、および配列番号65において提供される。
【0030】 本発明の発現されたポリペプチドは、一般に、実質的に純粋な形態で単離され
る。ポリペプチドは、好ましくは少なくとも80重量%の純度まで、より好まし
くは少なくとも95重量%の純度まで、そして最も好ましくは少なくとも99重
量%の純度まで単離される。一般に、このような精製は、例えば、硫酸アンモニ
ウム分画、SDS−PAGE電気泳動、およびアフィニティークロマトグラフィ
ーの標準的技術を用いて達成され得る。
【0031】 本発明の別の局面では、個体および血液供給品のT.cruzi感染を検出す
る方法が開示される。1つの実施態様において、T.cruzi感染は、抗体を
含む任意の生物学的試料中で検出され得る。好ましくは、試料は、血液、血清、
血漿、唾液、脳脊髄液、または尿である。より好ましくは、試料は、患者または
血液供給品から得た血液または血清試料である。簡単に述べれば、T.cruz
i感染は、上記の任意の1つ以上のポリペプチド、またはそれらの改変体を用い
て検出され得、試料中のポリぺプチドに対する抗体の存在または非存在が、予め
決定したカットオフ値と比較して決定され得る。
【0032】 試料中の抗体を検出するために精製抗原を用いる当業者に公知の種々のアッセ
イフォーマットが存在する。例えば、HarlowおよびLane,Antib
odies:A Laboratory Manual,Cold Sprin
g HarborLaboratory,1988を参照のこと。好ましい実施
態様において、このアッセイは、固体支持体上に固定化されたポリペプチドの使
用を含み、試料から抗体を結合し、そして取り除く。次いで、結合した抗体は、
抗体/ペプチド複合体に結合し、そして検出可能なレポーター基を含む検出試薬
を用いて検出され得る。適切な検出試薬は、抗体/ペプチド複合体およびレポー
ター基で標識された遊離のポリペプチドに結合する抗体を含む(例えば、半競合
アッセイにおいて)。あるいは、競合アッセイが利用され得、そこでは、ポリペ
プチドに結合する抗体がレポーター基で標識され、そして試料との抗原のインキ
ュベーションの後、固定化抗原に結合させる。試料の成分が、標識抗体のポリペ
プチドへの結合を阻害する程度は、試料と固定化ポリペプチドとの反応性の指標
である。
【0033】 固体支持体は、抗原が結合し得る、当業者に公知の任意の固体材料であり得る
。例えば、固体支持体は、マイクロタイタープレート中の試験ウェル、またはニ
トロセルロース膜もしくは他の適切な膜であり得る。あるいは、支持体は、ガラ
ス、ファイバーガラス、ラテックス、またはプラスチック材料(例えば、ポリス
チレンまたはポリビニルクロライド)のような、ビーズまたはディスクであり得
る。支持体はまた、例えば、米国特許第5,359,681号に開示されるよう
な、磁気粒子またはファイバー光学センサーであり得る。
【0034】 ポリペプチドは、特許および科学的文献に詳細に記載されている、当業者に公
知の種々の技術を用いて固体支持体に結合され得る。本発明の文脈では、用語「
結合」は、吸着のような非共有結合的会合、および共有結合(これは、抗原と支
持体上の官能基との間の直接結合であってもよいし、または架橋剤による結合で
あってもよい)の両者をいう。マイクロタイタープレート中のウェルまたは膜へ
の吸着による結合が好ましい。このような場合、吸着は、適切な緩衝液中のポリ
ペプチドを、適切な時間の間、固体支持体と接触させることにより達成され得る
。接触時間は、温度により異なるが、代表的には、約1時間と1日との間である
。一般に、プラスチックマイクロタイタープレート(例えば、ポリスチレンまた
はポリビニルクロライド)のウェルを、約10ng〜約1μgの範囲の量(そし
て、好ましくは約100ng)のポリペプチドと接触させれば、適切な量の抗原
を結合するに十分である。ニトロセルロースは、1cm3あたり約100μgの タンパク質を結合する。
【0035】 固体支持体へのポリペプチドの共有結合は、一般に、最初、支持体を、支持体
およびポリペプチド上のヒドロキシル基またはアミノ基のような官能基の両方と
反応する二官能性試薬と反応させることにより達成され得る。例えば、ポリペプ
チドは、適切なポリマーコーティングを有する支持体に、ベンゾキノンを用いて
、または支持体上のアルデヒド基とポリペプチド上のアミンおよび活性水素との
縮合により結合され得る(例えば、PierceImmunotechnolo
gyCatalog and Handbook(1991)、A12−A13
を参照のこと)。
【0036】 特定の実施態様では、このアッセイは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELIS
A)である。このアッセイは、最初、通常はマイクロタイタープレートのウェル
である固体支持体上に固定化されたポリペプチド抗原を、試料と、試料内のポリ
ペプチドに対する抗体が、固定化ポリペプチドに結合することが可能であるよう
に、接触させることにより実施され得る。次いで、非結合試料を、固定化ポリペ
プチドから除去し、そして固定化抗体−ポリペプチド複合体に結合し得る検出試
薬が添加される。次いで、固体支持体に結合したままの検出試薬の量を、特定の
検出試薬に適切な方法を用いて測定する。
【0037】 一旦、ポリペプチドが支持体上に固定化されれば、残存する支持体上のタンパ
ク質結合部位は、代表的には、ブロックされる。任意の適切なブロッキング剤が
当業者に公知であり、例えば、ウシ血清アルブミンまたはTween 20TM
SigmaChemicalCo.,St.Louis,MO)がある。次いで
、固定化ポリペプチドを、試料とインキュベートし、そして(試料中に存在すれ
ば)抗体を抗原に結合させる。試料は、インキュベーションの前に、リン酸緩衝
化生理食塩水(PBS)のような適切な希釈剤で希釈され得る。一般に、適切な
接触時間(すなわちインキュベーション時間)は、T.cruzi感染試料内の
T.cruzi抗体の存在を検出するのを可能にするに十分である時間である。
好ましくは、接触時間は、結合抗体と非結合抗体との間の平衡で達成される結合
レベルの少なくとも95%である結合レベルを達成するに十分である。当業者は
、平衡を達成するために必要な時間は、経時的に生じる結合のレベルをアッセイ
することにより容易に決定され得ることを認識する。室温では、約30分間のイ
ンキュベーション時間が一般に十分である。
【0038】 次いで、非結合試料は、0.1%のTween 20TMを含むPBSのような
適切な緩衝液で固体支持体を洗浄することにより除去され得る。次いで、検出試
薬を固体支持体に添加し得る。適切な検出試薬は、固定化抗体−ポリペプチド複
合体に結合し、しかも当業者に公知の任意の種々の手段により検出され得る、任
意の化合物である。好ましくは、検出試薬は、レポーター基に結合した結合因子
(例えば、プロテインA、プロテインG、免疫グロブリン、レクチンまたは遊離
の抗原など)を含む。好適なレポーター基は、酵素(例えば、西洋ワサビペルオ
キシダーゼ)、基質、コファクター、インヒビター、染料、放射性核種、発光基
、蛍光基、およびビオチンを含む。結合因子のレポーター基への結合は、当業者
に公知の標準的な方法を用いて達成され得る。通常の結合因子はまた、多くの供
給元(例えば、ZymedLaboratories,San Francis
co,CAおよびPierce,Rockford,IL)から、種々のレポー
ター基に結合して購買し得る。
【0039】 次いで、検出試薬を、固定化抗体−ポリペプチド複合体と、結合抗体を検出す
るに十分な時間インキュベートする。適切な時間は、一般に、製造者の指示から
、または経時的に生じる結合のレベルをアッセイすることにより決定され得る。
次いで、非結合検出試薬を除去し、そして結合検出試薬をレポーター基を用いて
検出する。レポーター基を検出するために用いる方法は、レポーター基の性質に
依存する。放射活性基については、シンチレーションカウンティングまたはオー
トラジオグラフ法が一般に適切である。分光学的方法を用いて、染料、発光基、
および蛍光基を検出し得る。ビオチンは、異なるレポーター基(通常、放射活性
または蛍光基または酵素)に結合したアビジンを用いて検出され得る。酵素レポ
ーター基は、一般に、基質を添加し(一般に特定の時間で)、その後反応生成物
の分光学的分析またはその他の分析により検出され得る。
【0040】 試料中のT.cruzi抗体の存在または非存在を決定するために、固体支持
体に結合したままのレポーター基から検出されるシグナルを、一般には、予め決
定されたカットオフ値に対応するシグナルと比較する。好ましくは、このカット
オフ値は、固定化抗原を、非感染患者からの試料とインキュベートしたときに得
られる平均の平均シグナル(average mean signal)である
。一般に、平均値を3標準偏差超えるシグナルを生成する試料を、T.cruz
i抗体およびT.cruzi感染について陽性であると考える。代わりの好まし
い実施態様では、カットオフ値は、Sackettら、Clinical Ep
idemiology:A Basic Science for Clini
cal Medicine,106〜7頁(Little BrownおよびC
o.,1985)の方法に従って、レシーバーオペレーター曲線(Receiv
er Operator Curve)を用いて決定される。簡単に述べれば、
本実施態様では、カットオフ値は、診断試験の結果についての各々の可能なカッ
トオフ値に対応する、真陽性の割合(すなわち、感度)および偽陽性の割合(1
00%特異性)の対のプロットから決定され得る。上方左手の隅に最も近いプロ
ット上のカットオフ値(すなわち、最大面積を包囲する値)が、最も正確なカッ
トオフ値であり、そして本方法により決定されたカットオフ値より高いシグナル
を生成する試料は、陽性であると考えられ得る。あるいは、カットオフ値は、プ
ロットに沿って左側にシフトされ、偽陽性の割合を最小化し得るか、または右側
にシフトされて偽陰性の割合を最小化し得る。一般に、本方法により決定された
カットオフ値よりも高いシグナルを生成する試料は、T.cruzi感染につい
て陽性と考えられる。
【0041】 関連する実施態様では、アッセイは、フロースルーまたは細片試験フォーマッ
トで実施され、そこでは、抗原は、ニトロセルロースのような膜上に固定化され
る。フロースルー試験では、試料内の抗体は、試料が膜を通過するにつれて固定
化ポリペプチドに結合する。次いで、検出試薬(例えば、プロテインA−コロイ
ド金)が、検出試薬を含む溶液が膜を通過して流れるにつれ、抗体−ポリペプチ
ド複合体に結合する。次いで、結合した検出試薬の検出を上記のように実施し得
る。細片試験フォーマットでは、ポリペプチドが結合する膜の一端を、試料を含
む溶液中に浸漬する。試料は、膜に沿って検出試薬を含む領域を通って固定化ポ
リペプチドの領域まで移動する。ポリペプチドにおける検出試薬の濃度は、試料
中のT.cruzi抗体の存在を示す。このような試験は、代表的には、極少量
(例えば一滴)の患者血清または血液を用いて実施され得る。
【0042】 上記のアッセイは、本明細書中に記載される1つ以上のポリぺプチドを用いて
実施され得る。あるいは、感度は、1つ以上のさらなるT.cruzi抗原のエ
ピトープを、上記のポリぺプチド(単数または複数)との組合せで用いることに
よって改善され得る。特に、TcDのエピトープ(例えば、米国特許第5,30
4,371号において開示される)、PEP−2および/またはTcE(これら
の両方が、例えば、1995年3月14日に出願された米国特許出願第08/4
03,379号に開示される)は、上記のポリぺプチド(単数または複数)と共
に使用され得る。PEP−2抗原性エピトープはまた、Peraltaら,J.
Clin.Microbiol.32:971−74,1994において議論さ
れる。TcDの配列は、配列番号50において提供される。TcEの配列は、配
列番号51において提供される。TcD抗原性エピトープは、好ましくは、アミ
ノ酸配列Ala Glu Pro Lys Ser Ala Glu Pro
Lys Pro Ala Glu Pro Lys Ser(配列番号53)ま
たはアミノ酸配列Ala Glu Pro Lys Pro Ala Glu
Pro Lys Ser Ala Glu Pro Lys Pro(配列番号
54)を有する。TcEエピトープは、好ましくは、アミノ酸配列Lys Al
a Ala Ile Ala Pro Ala Lys Ala Ala Al
a Ala Pro Ala Lys Ala Ala Thr Ala Pr
o Ala(配列番号55)またはアミノ酸配列Lys Ala Ala Al
a Ala Pro Ala Lys Ala Ala Ala Ala Pr
o Ala Lys Ala Ala Ala Ala Pro Ala(配列
番号56)を有し、そしてPEP2エピトープは、好ましくは、アミノ酸配列G
ly Asp Lys Pro Ser Pro Phe Gly Gln A
la Ala Ala Gly Asp Lys Pro Ser Pro P
he Gly Gln Ala(配列番号57)を有する。
【0043】 さらなるエピトープは、同一のポリぺプチド内に(すなわち、組み合せポリぺ
プチド内に)存在し得るか、または別々のポリぺプチドに含まれ得る。組み合せ
ポリペプチドは、以下の実施例2に記載されるように合成的に調製され得るか、
または以下の実施例7に記載のように組換えDNA技術を使用して調製され得る
。好ましくは、ポリぺプチドは、上記のようにマイクロタイタープレートのウェ
ルまたは膜のような固体支持体上への吸着によって固定化され、その結果、ほぼ
同様の量の各ポリぺプチドが、支持体と接触し、そしてその結果、支持体と接触
しているポリぺプチドの総量が、約1ng〜約10μgの範囲にある。残りの工
程は、一般に上記のように実施され得る。
【0044】 上記のポリぺプチドはまた、TcD、TcEおよび/またはPEP2由来の一
つ以上のエピトープを用いる診断の後に用いられ得る。本実施態様では、本発明
のポリぺプチドは、TcD、TcE、および/またはPEP2でのスクリーニン
グに基づいて、T.cruzi感染の診断を確認するために用いられる。TcD
、TcE、および/またはPEP2由来のエピトープを用いるT.cruzi感
染の診断は、1995年3月14日に出願された米国特許出願第08/403,
379号に記載されている。
【0045】 本発明のなお別の局面では、上記のように、1つ以上のエピトープに対する単
一特異性抗体(これはポリクローナルまたはモノクローナルであり得る)を用い
て、生物学的試料中のT.cruziを検出するための方法が提供される。精製
または合成ポリペプチドに対する抗体は、当業者に公知の種々の任意の技術によ
り調製され得る。例えば、HarlowおよびLane,Antibodies
:A Laboratory Manual,Cold Spring Har
bor Laboratory,1988を参照のこと。このような技術の1つ
では、抗原性ポリペプチドを含む免疫原を、最初、広範な種々の哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、およびヤギ)のいずれかに注入する。こ
の工程では、本発明のポリペプチドを、改変なしで免疫原として供し得る。ある
いは、比較的短いポリペプチドでは特に、ポリペプチドが、ウシ血清アルブミン
またはキーホールリンペットヘモシアニンのようなキャリアタンパク質に結合さ
れる場合、優れた免疫応答が惹起され得る。免疫原は、動物宿主中に、好ましく
は、1つ以上の追加免疫を取り入れた予め決定されたスケジュールに従って注入
され、そして動物から定期的に採血する。次いで、ポリペプチドに特異的なポリ
クローナル抗体が、例えば、適切な固体支持体に結合したポリペプチドを用いる
アフィニティークロマトグラフィーにより、このような抗血清から精製され得る
【0046】 目的の抗原性ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体は、例えば、Koh
lerおよびMilstein,Eur.J.Immunol.6:511−5
19,1976の技術、およびそれに対する改良を用いて調製され得る。簡単に
述べれば、これらの方法は、所望の特異性(すなわち、目的のポリペプチドとの
反応性)を有する抗体を生成し得る不死化細胞株の調製を含む。このような細胞
株は、例えば、上記のように免疫化された動物から得た脾臓細胞から生成され得
る。次いで、脾臓細胞は、例えば、ミエローマ細胞融合パートナー(好ましくは
、免疫化された動物と同系であるパートナー)との融合により不死化される。種
々の融合技術が用いられ得る。例えば、脾臓細胞およびミエローマ細胞は、非イ
オン性界面活性剤を用いて数分間結合され得、次いで、ハイブリッド細胞の増殖
は支持するがミエローマ細胞の増殖は支持しない選択培地上に低密度でプレート
され得る。好適な選択技術は、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミ
ジン)選択を用いる。十分な時間の後(通常約1〜2週間)、ハイブリッドのコ
ロニーが観察される。単一のコロニーを選択し、そしてポリペプチドに対する結
合活性を試験する。高い反応性および特異性を有するハイブリドーマが好ましい
【0047】 モノクローナル抗体は、増殖しているハイブリドーマコロニーの上清から単離
され得る。さらに、種々の技術(例えば、マウスのような適切な脊椎動物宿主の
腹膜腔中へのハイブリドーマ細胞株の注入)を用いて、収率を増大させ得る。次
いで、モノクローナル抗体を腹水液または血液から回収し得る。混入物は、クロ
マトグラフィー、ゲル濾過、沈殿、および抽出のような従来技術により、抗体か
ら除去され得る。
【0048】 本明細書中に記載の1つ以上のポリペプチドのエピトープに対する単一特異性
抗体を使用して、直接的または競合的であり得る、任意の種々の免疫アッセイを
用いて、生物学的試料のT.cruzi感染を検出し得る。本発明のこの局面に
おける使用に適切な生物学的試料は、上記の通りである。簡単に述べれば、1つ
の直接アッセイフォーマットでは、単一特異性抗体は、(上記のような)固体支
持体上に固定化され、そして試験される試料と接触され得る。非結合試料を除去
した後、レポーター基で標識された第2の単一特異性抗体を添加し、そして結合
抗原を検出するために用い得る。例示的な競合アッセイでは、試料は、適切なレ
ポーター基で標識されたモノクローナルまたはポリクローナル抗体と組み合わさ
れ得る。次いで、試料と抗体との混合物は、適切な固体支持体上に固定化された
ポリペプチド抗原と組み合わされ得る。試料中の抗原に結合しなかった抗体を固
定化抗原に結合させ、そして残りの試料および抗体を除去する。固体支持体に結
合した抗体のレベルは、試料中の抗原レベルと逆に相関する。従って、固体支持
体に結合した抗体のより低いレベルは、試料中のT.cruziの存在を示す。
T.cruzi感染の存在または非存在を決定するために、固体支持体に結合し
たままのレポーター基から検出されるシグナルは、一般的に、予め決定されたカ
ットオフ値に対応するシグナルと比較される。このようなカットオフ値は、一般
的に上記のように決定され得る。ELISAの状況において上記で論議した任意
のレポーター基を用いて、単一特異性抗体を標識し得、そして結合は用いたレポ
ーター基に適切である任意の種々の技術により検出され得る。試料中のT.cr
uziを検出するために単一特異性抗体を用いる他のフォーマットは、当業者に
明らかであり、そして上記のフォーマットは例示目的にのみ提供される。
【0049】 本発明の別の局面では、ワクチンおよび薬学的組成物が、哺乳動物におけるT
.cruzi感染およびその合併症の予防のために提供される。薬学的組成物は
、一般に、T.cruziタンパク質の1つ以上のエピトープを含む1つ以上の
ポリペプチド、および生理学的に受容可能なキャリアを含む。ワクチンは、1つ
以上の上記ポリペプチドおよび免疫応答の増大のためのアジュバントを含む。
【0050】 投与の経路および頻度ならびにポリペプチド用量は、個体により変化し、そし
て他の原生動物感染に対する免疫で現在用いられているそれらに準じ得る。一般
に、薬学的組成物およびワクチンは、注入(例えば、筋肉内、静脈内、または皮
下)、鼻腔内(例えば吸入による)または経口により投与され得る。1〜4用量
が2〜6週間の間に投与され得る。好ましくは、2用量は、第2回目の用量が第
1回目より2〜4週間後で投与される。適切な用量は、ある期間の間、T.cr
uzi感染から哺乳動物を保護するに十分である、処置動物で抗体を惹起するた
めに有効であるポリペプチドの量である。一般に、1用量に存在するポリペプチ
ドの量は、宿主1kgあたり約1pg〜約100mg、代表的には、約10pg
〜約1mg、そして好ましくは、約100pg〜約1μgの範囲である。適切な
用量サイズは、動物のサイズとともに変化するが、代表的には、10〜60kg
の動物について、約0.01mL〜約5mLの範囲である。
【0051】 当業者に公知の任意の適切なキャリアが本発明の薬学的組成物に用いられ得る
が、キャリアのタイプは、投与様式に依存して変化する。皮下注射のような非経
口投与では、好ましくは、キャリアは、水、生理食塩水、アルコール、脂質、ワ
ックス、または緩衝液を含む。経口投与では、上記のキャリアまたは固体キャリ
ア(例えば、マンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム
、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、お
よび炭酸マグネシウム)のいずれかが用いられ得る。生分解性のマイクロスフェ
ア(例えば、ポリ乳酸ガラクチド)もまた、本発明の薬学的組成物用のキャリア
として用いられ得る。
【0052】 種々のアジュバントのいずれかを本発明のワクチンで使用して、免疫応答を非
特異的に増強し得る。大部分のアジュバントは、急速な異化作用から抗原を保護
するために設計された物質(例えば、水酸化アルミニウムまたは鉱油、およびリ
ピドA、Bordella pertussisまたはMycobacteri
um tuberculosisのような免疫応答の非特異的刺激剤)を含む。
このようなアジュバントは、例えば、フロイントの不完全アジュバントおよび完
全アジュバント(Difco Laboratories,Detroit,M
I)ならびにMerck Ajuvant 65(Merck and Com
pany,Inc.,Rahway,NJ)として市販されている。
【0053】 以下の実施例は、限定のためではなく、例示のために提供される。
【0054】 (実施例) (実施例1) (T.cruzi抗原をコードするDNAの調製) 本実施例は、T.cruzi抗原をコードするゲノムDNA分子およびcDN
A分子の調製を説明する。
【0055】 (A.ゲノムクローンの調製) ゲノム発現ライブラリーを、ラムダZAP発現系(Stratagene,L
a Jolla,CA)を製造者の指示に従って用いて、ランダムに剪断したT
.cruziゲノムDNA(Tulahuen C2株)から構築した。1つの
スクリーニングにおいて、ライブラリーを、寄生生物溶解産物、ならびに/また
は米国特許第5,304,371号および1995年3月14日に出願された米
国特許出願第08/403,379号に記載されるT.cruzi抗原TcDお
よびTcEの一方もしくは両方と高い反応性を示す5人の患者由来の血清プール
を用いてスクリーニングした。5人の患者の血清のそれぞれを、ウェスタンおよ
びELISAアッセイに基づいて、全溶解産物および/またはTcDもしくはT
cEと反応性であると決定した。抗E.coli反応性を、スクリーニングの前
に、吸着により血清から除去した。50,000pfuの非増幅ライブラリーを
、血清プールを用いてスクリーニングし、そしてこの血清と反応するタンパク質
を発現するプラークを、プロテインA−西洋ワサビペルオキシダーゼを(ABT
S基質とともに)用いて検出した。次いで、その後のスクリーニングを、組換え
体TcDを用いるウェスタンおよびELISAアッセイにおいて検出可能な抗T
cD抗体を欠く3人の患者由来の血清プールを用いて行なった。
【0056】 同様のスクリーニングを、溶解産物、TcD、およびTcEと低い反応性を示
す(すなわち、ELISAまたはウェスタンアッセイにおいてバックグラウンド
反応性を3標準偏差超えないシグナルを検出した)血清プールを用いて行ない、
続いて上記のように検出可能な抗TcD抗体を欠く患者血清を用いてその後のス
クリーニングを行なった。
【0057】 次いで、上記のスクリーニングの少なくとも1つにおいて両方の血清プールと
反応するタンパク質を発現した28クローンを単離した。pBSK(−)ファー
ジミド(Stratagene,Inc.,La Jolla,CA)の切り出
しを、製造者のプロトコルに従って実施した。重複するクローンを、エキソヌク
レアーゼIII消化により作製し、そして1本鎖テンプレートを、VCSM 1
3ヘルパーファージを用いる感染の後に単離した。DNAを、ジデオキシチェー
ンターミネーション法またはTaqジ−ターミネーター系により、Applie
d Biosystem自動配列決定機373A型を用いて配列決定した。
【0058】 28クローンのうち、5個は以前に報告されており、2個は同一であり、そし
て8個は縮重42塩基対反復により示される同一のペプチド配列を含んでいた。
配列番号16は、42塩基対の反復配列を含むプロトタイプクローンを示す。従
って、T.cruzi抗原をコードする、14個の新規のDNA配列を、反応性
の血清プールで上記のスクリーニングを用いて調製した(配列番号1から配列番
号16に示す、ここで、配列番号4および配列番号5は、それぞれ、単一クロー
ンの5’末端および3’末端を示し、配列番号9および配列番号10は、それぞ
れ、単一クローンの5’末端および3’末端を示す)。1つの新規配列は、低い
反応性を有する血清を用いるスクリーニングで得られた(配列番号17(5’末
端)および配列番号18(3’末端)に示す))。
【0059】 (B.cDNAクローンの調製) ポリA+RNAを、細胞内無鞭毛型期のT.cruzi(Tulahuen
C2株)から精製した。RNAを逆転写し、そして製造者の指示に従ってラムダ
UniZap発現ベクター(Stratagene,La Jolla,CA)
中の一方向性cDNA発現ライブラリーの構築に用いた。50,000pfuの
非増幅ライブラリーを、高いおよび低い血清学的反応性の両方を示す患者血清を
含む血清プールを用いてスクリーニングし、その後、上記のように、検出可能な
抗TcD抗体を欠く患者血清を用いて引き続くスクリーニングを行なった。計3
2個のクローンをこのスクリーニングにより単離した。これらのクローンのうち
の25個は、高度に免疫原性であると以前に同定された、翻訳装置のタンパク質
であり、そしていずれも、ゲノム発現ライブラリーをスクリーニングすることに
より同定されたクローンとは異なっていた。残りの7個は、配列番号19〜配列
番号22に提供される配列により示される。配列番号22に記載の配列は、T.
cruziユビキチンの配列である。
【0060】 (実施例2) (合成ポリペプチドの合成) 本実施例は、本明細書中に記載のT.cruzi抗原に由来する配列を有する
ポリペプチドの合成を説明する。
【0061】 ポリペプチドは、Millipore 9050ペプチド合成機で、HBTU
(O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキ
サフルオロホスフェート(O−benzotriazole−N,N,N’,N
’−tetramethyuronium hexafluorophosph
ate)活性化を用いるFMOC化学を用いて合成され得る。gly−cys−
gly配列を、ペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端に結合して、ペプ
チドの結合または標識方法を提供し得る。固体支持体からのペプチドの切断は、
以下の切断混合物を用いて実施され得る:トリフルオロ酢酸:エタンジオール:
チオアニソール:水:フェノール(40:1:2:2:3)。2時間の切断後、
ペプチドを、冷メチル−t−ブチル−エーテル中で沈降させ得る。次いで、ペプ
チドペレットを、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)含有水中に溶解させ、そ
してC18逆相HPLCによる精製の前に凍結乾燥し得る。水(0.1%TFA
含有)中の0%〜60%アセトニトリル(0.1%TFA含有)の勾配を用いて
、ペプチドを溶出し得る。純粋な画分の凍結乾燥の後、エレクトロスプレー質量
分析法を用いて、およびアミノ酸分析によりペプチドを特徴付けする。
【0062】 この手順を用いて、以下の配列を有するペプチド(例えば、Tcc22−1、
Tcc22−1+、Tcc22−2.1(配列番号41に含まれる)、TcLo
1.1、1.2および1.3(配列番号34、35、および36に含まれる)、
ならびにTcHi10.1および10.3(配列番号26および27))を合成
した:
【0063】
【化1】 (実施例3) (T.cruzi組換え抗原の血清学的反応性) 本実施例は、血清学的に活性であることが見出された、いくつかの組換え抗原
の診断的特性を説明する。これは、T.cruzi陽性および陰性血清との反応
性の研究、ならびに他の疾患の患者からの血清との交差反応性の研究を含む。
【0064】 アッセイを、96ウェルプレート(Corning Easiwash Co
rning,New York)において実施した。ウェルを、50μlの炭酸
コーティング緩衝液(pH9.6)中でコートした。T.cruzi溶解産物に
ついては100ng/ウェルを用い、そして各組換え抗原については、200n
g/ウェルを用いた。ウェルを、4℃にて一晩(または37℃にて2時間)コー
トした。次いで、プレートの中身を除去し、そしてウェルを200μlのPBS
/1%BSAで2時間ブロックした。ブロッキング工程の後、ウェルをPBS/
0.1% Tween 20TMで5回洗浄した。次いで、PBS/0.1% T
ween 20/0.1%BSA中に1:50で希釈した50μlの血清(T.
cruzi感染について陽性または陰性のいずれか)を、各ウェルに添加し、そ
して室温にて30分間インキュベートした。次いで、プレートを再度PBS/0
.1% Tween 20TMで5回洗浄した。
【0065】 次いで、酵素結合体(西洋ワサビペルオキシダーゼ−プロテインA,Zyme
d,San Francisco,CA)を、PBS/0.1% Tween
20TM/0.1%BSA中に1:20,000で希釈し、そして50μlの希釈
結合体を各ウェルに添加し、そして室温にて30分間インキュベートした。イン
キュベーションの後、ウェルを再度PBS/0.1% Tween 20TMで5
回洗浄した。100μlのペルオキシダーゼ基質テトラメチルベンジジン(Ki
rkegaard and Perry Laboratories,Gait
hersburg,MD)を希釈せずに、各ウェルに添加し、そして15分間イ
ンキュベートした。反応を、100μlの1N H2SO4を各ウェルに添加する
ことにより停止し、そしてプレートを450nmで読みとった。
【0066】 図1は、T.cruzi溶解産物の反応性と比較した、組換えrTcc6(配
列番号39)の反応性を示す。陰性の平均+3標準偏差のカットオフに基づいて
、50個の血清試料のうち49個が溶解産物に陽性であり、そして50個のうち
34個がrTcc6について陽性であった。同様の研究(図2に示す)において
、組換えrTcc22(配列番号41)は、79.2%(48個の血清試料のう
ち38個が陽性)の感度を有することが見出された。同様の基準を用いるT.c
ruzi溶解産物を用いる組換えrTcc38(配列番号38)の比較研究は、
溶解産物についての39/39と比較して、24/39が陽性であることを示し
た(図3)。Tcc38は、潜在的に交差反応する血清で試験した場合、T.c
ruzi溶解産物を上回る、改善された特異性を示した。
【0067】 組換えTcHi12(配列番号37)はまた、62.5%(15/24)の感
度を有して免疫反応性であることが見出された(図2)。
【0068】 (実施例4) (T.cruzi合成ペプチド抗原の血清学的反応性) 本実施例は、実施例2に記載のいくつかのペプチドの診断学的特性を説明する
。これらのペプチドを、T.cruzi陽性および陰性血清との反応性について
、そしていくつかの場合には、他の潜在的に交差反応性の疾患の患者由来の血清
との交差反応性について試験した。
【0069】 第1の群のペプチドは、最も反応性な反復配列を決定するために異なるリーデ
ィングフレームを含んでいた。試験したペプチドは、配列番号18に提供される
DNA配列のリーディングフレーム1、2、および3を表す、TcLo1.1(
配列番号34に含まれる)、TcLo1.2(配列番号35に含まれる)、およ
びTcLo1.3(配列番号36に含まれる)、ならびにTcHi10配列(配
列番号5に示される)についての2つのリーディングフレームを示す、TcHi
10.1(配列番号26)およびTcHi10.3(配列番号27)であった。
データを図4に示す。TcLoフレームの場合、T.cruzi陽性および陰性
個体由来の血清に関して試験した場合、TcLo1.1および1.2ペプチドは
両方とも強く反応したが、TcLo1.2はノイズに対してシグナルが優れてい
た。TcLo1.3は、より低いシグナルを有したが、バックグラウンドもまた
低かった。この研究において、溶解産物は、24/24陽性を検出し、TcLo
1.1は21/24を検出し、TcLo1.2は23/24を検出し、そしてT
cLo1.3は15/24を検出した。同じ研究において、2つのフレームTc
Hi10.1および10.3は、それぞれ、19/24および14/24陽性を
検出したが、TcLo1についてよりもシグナルは低かった。これらの異なるリ
ーディングフレームについての交差反応性研究は、TcLo1.2が、T.cr
uzi溶解産物と比較して、試験した血清との最小の交差反応性を有することを
実証する(図5)。
【0070】 実施例2において議論するように、rTcc22についての重複ペプチドをま
た合成して、活性なエピトープを決定した。ペプチドTcc22−1、1+、お
よび2を、T.cruzi陽性および陰性血清を用いて試験した。結果を図2に
示す。Tcc22−1+およびTcc22−2.1ペプチドは、Tcc22−1
ペプチドよりも反応性であった。第1の実験において、Tcc22−1およびT
cc22−1+は、38/48陽性を検出した組換え体Tcc22と比較して、
29/48および36/48陽性を検出した。その後の実験において、Tcc2
2−2.1はまた、反応性であるが、同じプレートコーティングレベルでTcc
22−1+よりもシグナルが少ないことが示された。
【0071】 TcHil5フレーム3反復配列(配列番号49)を有するポリペプチドをま
た、合成し、そしてELISAアッセイにおいて200ng/ウェルのコーティ
ングレベルを用いて試験した。計48個のT.cruzi陽性血清および26個
の陰性血清を、このペプチド配列の反応性を決定するために試験した。この研究
において、ペプチドは、68.75%(48個の陽性のうち33個を検出)の感
度および92.3%(36個の陰性のうち24個)の特異性を有した。このこと
は、このポリペプチドが、T.cruzi感染の検出における潜在的な重要性を
有することを示す。このアッセイの結果を以下の表1に示す。
【0072】
【表1】 (実施例5) (ペプチドの組合せの血清学的反応性) 本実施例は、いくつかのペプチドの組合せの診断的特性を説明する。
【0073】 TcLo1.2ペプチド(配列番号35に含まれる)を、合成ペプチドTcD
、ならびにまた、二重エピトープペプチドD/2(これは、TcDおよびPEP
−2配列を含む)およびD/E(これは、TcDおよびTcE配列を含む)と組
み合わせて試験した。これらの組合せを、個々のペプチドならびにトリペプチド
2/D/E(これはTcD、TcE、およびPEP−2を含む)と比較した。使
用したTcD配列は、Ala Glu Pro Lys Ser Ala Gl
u Pro Lys Pro Ala Glu Pro Lys Ser(配列
番号53)であり、TcE配列は、Lys Ala Ala Ile Ala
Pro Ala Lys Ala Ala Ala Ala Pro Ala
Lys Ala Ala Thr Ala Pro Ala(配列番号55)で
あり、そしてPEP2配列は、Gly Asp Lys Pro Ser Pr
o Phe Gly Gln Ala Ala Ala Gly Asp Ly
s Pro Ser Pro Phe Gly Gln Ala(配列番号57
)であった。
【0074】 データを図6に示す。結果は、表2においてまとめたように、TcLo1.2
が、TcD、D/2、およびD/Eの反応性を増大させ得ることを示す。
【0075】
【表2】 これらの結果は、本明細書中に記載されるT.cruzi抗原の使用が、他の
抗原の血清診断特性を増強し得ることを実証する。
【0076】 (実施例6) (TcE反復配列の血清学的反応性) 本実施例は、いくつかのTcE反復配列の診断的特性を説明する。
【0077】 組換え体TcEの反復配列領域は、A(アラニン)、T(トレオニン)、また
はI(イソロイシン)が反復配列中に存在し得る残基をもたらす、いくつかの縮
重を含む。すべての縮重を示すために、合成TcEペプチドについての元の配列
を、3つの反復を含む単一のペプチドにおいて、A、T、およびIで作製した(
実施例5を参照のこと)。反復領域をさらにエピトープマッピングするため、お
よび血清学的活性に必要とされる反復数を決定するために、以下のペプチドを実
施例2に記載のように調製した:
【0078】
【化2】 次いで、これらのペプチドの血清学的反応性を比較した。計24個の陽性およ
び21個の陰性の血清を、実施例3に記載のように実施したELISAアッセイ
における固相としてTcE改変体のそれぞれを用いて25ng/ウェルのペプチ
ドを用いて試験した。異なるペプチドの反応性を、図7に示す。最大の反応性は
、それぞれの反復が縮重残基にAを含んだ3回反復ペプチド(TcE(3A))
で観察された。このペプチドは、3回反復においてA、T、およびI残基を含む
元のTcE配列よりもさらに高い反応性を示した。対照的に、3Iおよび3T改
変体は、試験したT.cruzi陽性サンプルで本質的に陰性であった。2回反
復にAを含む配列(TcE(2A))は、3A配列よりも明らかに反応性が小さ
く、そしてAおよびTを有する2回反復配列(TcE(AT))は陰性であった
。陰性の平均+3標準偏差のカットオフに基づいて、元のTcE(A,T,I)
は、24個のポジティブのうち17個を検出し、そして3A改変体は、24個の
ポジティブのうち19個を検出した。最大の血清学的活性を得るためには、少な
くとも3回反復が必要であるようでもある。
【0079】 (実施例7) (複数エピトープペプチドの組合せの血清学的反応性) 本実施例は、いくつかの複数エピトープペプチドの組合せの診断的特性を説明
する。
【0080】 2つのジペプチドPEP−2/TcLo1.2(これは、PEP−2(配列番
号57)およびTcLo1.2(配列番号35)配列を含む)、ならびにTcD
/TcE(これは、TcD(配列番号53)およびTcE(配列番号55)配列
を含む)を、上記の実施例2に記載のように合成した。これらの2つのジペプチ
ドとT.cruzi抗体陽性血清との反応性を、トリペプチド2/D/Eの反応
性と比較した。ELISAを、実施例3に記載のように、PEP−2/TcLo
1.2を250ng/ウェルで用い、そしてTcD/TcEを50ng/ウェル
で用いて実施した。この研究の結果を図8に示す。トリペプチド2/D/Eと反
応しないことが見出された1つのT.cruzi陽性血清を、TcLo1.2エ
ピトープのスクリーニングに用いた。この血清は、予想されたように、TcLo
1.2エピトープにより、そしてまたジペプチド混合物(TcD/TcEと一緒
のPEP−2/TcLo1.2)により検出された。
【0081】 線状配列中に4つの免疫反応性T.cruziエピトープ(PEP−2、Tc
D、TcE、およびTcLo1.2)を含有するテトラペプチド(本明細書中で
は、以下2/Lo/2E/D(配列番号63)という)を、実施例2に記載のよ
うに合成した。このテトラペプチドを、100ng/ウェルでコートし、そして
T.cruzi陽性および陰性血清とのその反応性を実施例3に記載のようにア
ッセイした。テトラペプチド2/Lo/2E/Dの反応性を、図8に示す。トリ
ペプチド2/D/Eと反応しないことが見出された1つのT.cruzi陽性血
清は、予想されたようにテトラペプチドにより検出された。
【0082】 4つの免疫反応性T.cruziエピトープ(PEP−2、TcD、TcE、
およびTcLo1.2)はまた、リジンコア残基から始まる「分枝」ペプチドの
使用により1つの試薬に連結され得る。例えば、α−アミノ基上の9−フルオレ
ニルメトキシカルボニル(Fmoc)およびεーアミノ基上の1−(4,4−ジ
メチル−2,6−ジオキソシクロヘキシ−1−イリデン)エチル(Dde)を用
いるリジンの直交保護を使用して、その他のアミノ基の存在下における1つのア
ミノ基の選択的脱保護を行い、その結果リジン上のα−基またはε−基のいずれ
かから第1のペプチド鎖を合成させた。この第1のペプチド鎖は、第2のペプチ
ド鎖の合成の過程の間に除去されない保護基で終結する。例えば、tert−ブ
トキシカルボニル(Boc)アミノ酸は、DdeおよびFmocの組合せととも
に用いられ得た。次いで、残りのリジンアミノ保護基は、第2のアミノ酸鎖が第
2のアミノ部分から合成される前に除去される。例えば、ε−Ddeは、20%
ヒドラジンを用いて除去される。固相支持体からの分枝ペプチドの切断、および
N−α−Boc部分の除去は、標準的なプロトコルに従って、トリフルオロ酢酸
を用いて実施される。このアプローチを用いて、2つの独立したアミノ酸配列を
、以下に示すように、「コア」リジン残基から構築して、その結果TcD、Tc
E、PEP2、TcLo1.2、および他のエピトープの種々の組合せをコア残
基にカップリングし得る。得られるペプチドの精製を、実施例2に記載のように
実施する。
【0083】
【化3】 (実施例8) (組換えDNA技術を使用する複数エピトープペプチドの組合せの調製) 本実施例は、組換えDNA技術を使用する、ペプチドPEP−2(配列番号5
7)、TcD(配列番号53)、TcE(配列番号55)、およびTcLo1.
2(配列番号35)の融合ポリペプチド(本明細書以後、TcFとよぶ)の調製
を説明する。
【0084】 TcFポリペプチド融合物を、重複リン酸化オリゴヌクレオチドを合成し、マ
ッチしたオリゴヌクレオチド対をアニールさせて二本鎖DNAを作製し、アニー
ルした対を適切な酵素で切断したベクターDNAとライゲーションし、そして配
列決定に適切な細菌宿主株(XL2、Stratagene、La Jolla
、CA)へ形質転換することにより、作製した。一旦、正確な配列を得ると、そ
の構築物を改変pET28ベクターへサブクローニングし、そして発現および精
製のためにBLR pLYS S(Novagen、Madison、WI)へ
形質転換した。
【0085】 PEP2−TcD融合物の構築のために、オリゴヌクレオチドPDM−95(
配列番号66)およびPDM−98(配列番号67);PDM−96(配列番号
68)およびPDM99(配列番号69);ならびにPDM−97(配列番号7
0)およびPDM−100(配列番号71)のマッチした対を合成し、キナーゼ
処理し、アニールさせた。次いで、これら3対のアニールしたオリゴを、ライゲ
ーションし、EcoRI(New England Biolabs、Beve
rly、MA)で消化し、そして改変Tベクター構築物へEco721およびE
coRIを用いてクローニングした。PEP2−TcD−TcE融合物の構築の
ために、以下のオリゴヌクレオチドのマッチした対を、合成し、キナーゼ処理し
、アニールさせた:PDM−103(配列番号72)およびPDM−105(配
列番号73);ならびにPDM−104(配列番号74)およびPDM−106
(配列番号75)。これら2対のアニールしたオリゴを、Eco47III(N
ew England Biolabs)およびEcoRIで切断したpT7Δ
L2PEP2−TcD構築物へライゲーションした。
【0086】 PEP2−TcD−TcE−Lo1.2融合物の構築のために、マッチした2
対のオリゴヌクレオチドPDM−108(配列番号76)およびPDM−110
(配列番号77);ならびにPDM−109(配列番号78)およびPDM−1
11(配列番号79)を、合成し、キナーゼ処理し、アニールさせた。EagI
で切断し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端のための処理をし、次いでEco
RIで切断したpT7ΔL2PEP2−TcD−TcE構築物に、これら2対の
アニールしたオリゴヌクレオチドをライゲーションした。pT7ΔL2ベクター
の内部EagI部位が原因で、全長PEP2−TcD−TcE−Lo1.2構築
物をクローニングするために、鋳型としてライゲーション混合物を用いて、PC
R反応を実施した。PCRは、以下の条件を使用し、プライマーPDM−101
およびPDM−107(それぞれ、配列番号80および81)を用いて遂行した
: 96℃2分 96℃15秒、61℃15秒、72℃1分×40サイクル 72℃4分。 Pfu1 DNAポリメラーゼ(Stratagene、La Jolla、C
A)を、PCR反応のために使用した。PCRに続き、このDNAをエタノール
沈殿に供し、SmaIおよびEcoRIで消化し、そしてEco721およびE
coRIで消化した改変Tベクター構築物へライゲーションした。
【0087】 生じたクローンを、HindIII(Gibco BRL、Gaitherb
urg、MD)およびSphI(New England Biolabs)で
消化し、平滑末端のためにT4DNAポリメラーゼで処理し、次いで、ベクター
の内部のEagIおよびNsiIを除去するために再ライゲーションした。次い
で、この新しいクローンを、Eag IおよびNsi Iで消化し、平滑末端の
ためにT4DNAポリメラーゼで処理し、そしてTcLo1.2配列の端に、イ
ンフレームに終止コドンを作製するために再ライゲーションした。このクローン
を、NdeIおよびEcoRIで消化し、そしてNdeIおよびEcoRIで切
断した改変pET28bベクターへサブクローニングした。
【0088】 生じた発現構築物を、BLR pLys S E.coli(Novagen
)へ形質転換し、そしてカナマイシン(30ug/ml、Sigma、St.L
ouis、MO)およびクロラムフェニコール(34ug/ml、Sigma)
を含むLBブロス中で一晩増殖させた。一晩培養物(12ml)を使用して、カ
ナマイシンおよびクロラムフェニコールを含む500mlの2×YTに接種し、
そしてこの培養物を、0.3〜0.6のOD560の時点で、最終濃度1.0
mMにしたIPTGを用いて誘導した。誘導の4時間後、この細菌を回収し、そ
して20 mM Tris(8.0)、100 mM NaCl、0.1% D
OC、20 ug/mlロイペプチンおよび20 mM PMSF中で超音波処
理し、その後26,000×gで遠心分離した。この融合タンパク質を、超音波
処理後の可溶性上清中に見出した。この上清を、Pro−bondニッケル樹脂
カラム(Invitrogen、Carlsbad、CA)に結合させた。この
カラムを、50mlの20 mM Tris(8.0)、100 mM NaC
l洗浄緩衝液で洗浄し、そしてイミダゾール濃度を増加して溶出した。具体的に
は、この溶出は、20 mM Tris(8.0)、100 mM NaCl洗
浄緩衝液中50 mM、100 mMおよび500 mMのイミダゾールで行っ
た。目的のタンパク質を含む溶出物をプールし、そして10mM Tris(8
.0)に対して透析した。
【0089】 透析後、このタンパク質を濃縮し、滅菌濾過し、そしてエンドトキシンについ
て試験した。試験結果は、高レベルのエンドトキシンの混入を示した。従って、
滅菌濾過したタンパク質を、High Q陰イオン交換カラム(Biorad、
Hercules、CA)を通じて精製した。これは、10 mM Tris(
8.0)中で結合させ、そして10 mM Tris(8.0)中1MまでのN
aCl勾配により溶出した。目的のタンパク質を含むこの溶出物をプールし、そ
して10 mM Tris(8.0)に対して透析した。透析後、このタンパク
質を再濃縮し、滅菌濾過し、そしてBCAアッセイ(Pierce、Rockf
ord、IL)を行ってタンパク質濃度を決定した。
【0090】 T.cruzi患者由来の血清および通常のドナー由来の血清との、この組換
え融合ポリペプチドTcFの反応性を、上記のようにELISAにより調べた。
図11に示すように、TcFの反応性が分枝合成テトラペプチド2/D/E/L
o1.2の反応性と非常に類似していることを、見出した。
【0091】 組換え融合ポリペプチドTcF中のペプチドの順序は、このポリペプチドの活
性を有意に変化させることなく変化し得ることが、想像される。また、合成テト
ラペプチド2/Lo/2E/Dにおいて使用されたような、このペプチド間のG
ly−Cys−Gly結合の包含が、このポリペプチドの活性に有意に影響する
ことなく固相結合を増強し得る。
【0092】 (実施例9) (TcHi29およびTcEの血清学的反応性の比較) 抗原TcHi29(配列番号52)は、TcE反復配列の多型であることが示
された。TcEに比較して以下の配列を有するTcHi29ペプチドを合成した
【0093】
【化4】 図9は、これらの2つの関連する配列と、T.cruzi陽性患者由来の血清
ならびに他の疾患カテゴリー由来の血清との、上記の手順を用いるELISAに
より決定した反応性の比較を示す。データは、試験した他の疾患群とはほとんど
または全く反応性がないが、T.cruzi陽性血清間の反応性の分布が2つの
ペプチドについて部分的に重複したことを示す。試験した53個のコンセンサス
な陽性サンプルのうち、TcEは、31/53を検出し、そしてTcHi 29
は36/53を検出した。この群内では、TcEおよびTcHi29は両方とも
24個の同じ血清を検出した。TcEは、TcHi29により検出されない7個
の陽性血清を検出した。これは次いで、TcEにより見逃された12個の陽性血
清を検出した。ジペプチドTcD/TcHi29をまた合成し、そしてELIS
A(100ng/ウェル TcD/TcHi29、250ng/ウェル PEP
−2/TcLo1.2)においてPEP−2/TcLo1.2ジペプチドとの組
合せで使用し、そしてTcD/TcE+PEP−2/TcLo1.2ジペプチド
の組合せと比較した。図10に示すように、データは、2つの混合物の全活性が
、研究したT.cruzi陽性および陰性集団の両方について同様であることを
示し、そしてこのようなペプチドの組合せにおいて、TcHi29がTcEの代
替品と考えられ得ることを示唆する。
【0094】 前述より、本発明の特定の実施態様を例示の目的で本明細書中に記載したが、
本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の改変がなされ得ることが理
解される。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、T.cruzi感染(Pos)および非感染(Neg)個体からの血
清を使用して実施されたELISAアッセイにおける、T.cruzi溶解物お
よび本発明の代表的なポリペプチド(rTcc6)の反応性を比較するグラフで
ある。縦線は、±1標準偏差を示す。
【図2】 図2は、T.cruzi感染(Pos)および非感染(Neg)個体からの血
清を使用して実施されたELISAアッセイにおける、本発明の代表的なポリペ
プチドの反応性の比較を示すグラフである。実験1は、rTcc22、ならびに
ペプチドTcc22−1およびTcc22−1+の比較を示す;実験2は、rT
cc22、rTcHi12、ならびにペプチドTcc22−1、Tcc22−1
+およびTcc22−2.1の比較を示す。縦線は、±1標準偏差を示す。
【図3】 図3は、T.cruzi感染(Pos)および非感染(Neg)個体からの血
清を使用して、ならびに内臓リーシュマニア症(VL)、皮膚リーシュマニア症
(CL)、結核(TB)、およびマラリアに罹患している個体からの血清を使用
して実施されたELISAアッセイにおける、T.cruzi溶解産物および代
表的なポリペプチド(Tcc38)の反応性の比較を示すグラフである。縦線は
、±1標準偏差を示す。
【図4】 図4は、T.cruzi感染(Pos)および非感染(Neg)個体からの血
清を使用して実施されたELISAアッセイにおける、T.cruzi溶解物お
よび本発明のいくつかのポリペプチド(これらは、TcLo1およびTcHi1
0抗原の異なったリーディングフレームを表す)の反応性の比較を示すグラフで
ある。縦線は、±1標準偏差を示す。
【図5】 図5は、T.cruzi感染(Pos)および非感染(Neg)個体からの血
清、ならびに内臓リーシュマニア症(VL)、皮膚リーシュマニア症(CL)、
マラリア、および結核(TB)に罹患している個体からの血清を使用して実施さ
れたELISAアッセイにおける、T.cruzi溶解物および代表的なポリペ
プチド(TccLo1.2)の反応性を比較するグラフである。
【図6】 図6は、一連のポリペプチドの組合せとT.cruzi陽性および陰性血清と
のELISA反応性を示すグラフである。
【図7】 図7は、一連のTcEポリペプチド改変体とT.cruzi陽性および陰性血
清とのELISA反応性を示すグラフである。
【図8】 図8は、本発明の二つのジペプチド、一つのトリペプチド、および一つのテト
ラペプチドと、T.cruzi陽性および陰性血清とのELISA反応性を比較
するグラフである。
【図9】 図9は、本発明の代表的なポリペプチド(TcHi29)およびTcEの、正
常個体、T.cruzi患者、および他の疾患に罹患した患者からの血清とのE
LISA反応性を示すグラフである。
【図10】 図10は、二つの代表的なジペプチド混合物とT.cruzi陽性および陰性
血清とのELISA反応性を比較するグラフであり、一方の混合物はTcEエピ
トープを含み、他方は本発明のTcHi29エピトープを含む。
【図11】 図11は、T.cruzi患者由来および正常ドナー由来の血清を用いて、合
成側鎖テトラペプチド2/D/E/Lol.2.の反応性と、組換え融合ポリペ
プチドTcFのELISA反応性を比較するグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/19 1/21 1/21 5/10 G01N 33/15 Z 15/09 ZNA 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 33/566 33/53 33/577 A 33/566 C07K 16/20 33/577 C12P 21/08 // C07K 16/20 (C12P 21/08 C12P 21/08 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12N 5/00 B C12R 1:91) 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 スケイキー, ヤサー エイ. ダブリュ ー. アメリカ合衆国 ワシントン 98107, シアトル, 25ティーエイチ アベニュー ノースウエスト 8327 (72)発明者 ロデス, マイケル ジェイ. アメリカ合衆国 ワシントン 98126, シアトル, 36ティーエイチ アベニュー サウスウエスト 9223 (72)発明者 ホートン, レイモンド エル. アメリカ合衆国 ワシントン 98021, ボセル, 242エヌディー プレイス サ ウスイースト 2636 (72)発明者 スミス, ジョン エム. アメリカ合衆国 ワシントン 98208, エバレット, 116ティーエイチ プレイ ス サウスイースト 208 (72)発明者 マックネイル, パトリシア ディー. アメリカ合衆国 ワシントン 98198, デス モイネス, エス.248ティーエイ チ ストリート 1421

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出するための方
    法であって、以下: (a)該生物学的サンプルを、配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレ
    オチド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエ
    ピトープ、あるいは保存的置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体
    を含むポリペプチドと接触させる工程;ならびに (b)該生物学的サンプル中の該ポリペプチドに結合する抗体の存在を検出し
    、そこから該生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出する工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記生物学的サンプルが、血液、血清、血漿、唾液、脳脊髄液
    、および尿からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドが固体支持体に結合される、請求項1に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記固体支持体が、ニトロセルロース、ラテックス、またはプ
    ラスチック材料を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の方法であって、前記検出する工程が、以下:
    (a)前記固体支持体から非結合サンプルを除去する工程; (b)該固体支持体に検出試薬を添加する工程;および (c)所定のカットオフ値と比較して、該固体支持体に結合された検出試薬のレ
    ベルを測定し、そしてそこから前記生物学的サンプル中のT.cruzi感染を
    検出する工程、 を包含する、方法。
  6. 【請求項6】 前記検出試薬が、結合剤に結合されたレポーター基を含む、請
    求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記結合剤が、抗免疫グロブリン、プロテインG、プロテイン
    A、およびレクチンからなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記レポーター基が、放射性同位元素、蛍光基、発光基、酵素
    、ビオチン、および色素粒子からなる群より選択される、請求項6に記載の方法
  9. 【請求項9】 配列番号1〜配列番号21に列挙されるヌクレオチド配列によ
    ってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピトープ、ある
    いは保存的置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体を含む、ポリペ
    プチド。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のポリペプチドをコードする、単離されたD
    NA配列。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のDNA配列を含む、組換え発現ベクター
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の発現ベクターで形質転換またはトランス
    フェクトされた宿主細胞。
  13. 【請求項13】 前記宿主細胞が、E.coli、酵母、昆虫細胞株、および
    哺乳動物細胞株からなる群より選択される、請求項12に記載の宿主細胞。
  14. 【請求項14】 生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出するための
    診断キットであって、以下: (a)配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオチド配列によってコード
    されるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピトープ、あるいは保存的
    置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体を含むポリペプチド;なら
    びに (b)検出試薬、 を含む、診断キット。
  15. 【請求項15】 前記ポリペプチドが固体支持体に結合される、請求項14に
    記載のキット。
  16. 【請求項16】 前記固体支持体が、ニトロセルロース、ラテックス、または
    プラスチック材料を含む、請求項15に記載のキット。
  17. 【請求項17】 前記検出試薬が、結合剤に結合されたレポーター基を含む、
    請求項14に記載のキット。
  18. 【請求項18】 前記結合剤が、抗免疫グロブリン、プロテインG、プロテイ
    ンA、およびレクチンからなる群より選択される、請求項17に記載のキット。
  19. 【請求項19】 前記レポーター基が、放射性同位元素、蛍光基、発光基、酵
    素、ビオチン、および色素粒子からなる群より選択される、請求項17に記載の
    キット。
  20. 【請求項20】 生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出するための
    方法であって、以下: (a)生物学的サンプルを、配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオチ
    ド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピト
    ープ、あるいは保存的置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体に結
    合するモノクローナル抗体と接触させる工程;ならびに (b)該生物学的サンプル中の該モノクローナル抗体に結合するT.cruzi
    寄生生物の存在を検出し、そこから該生物学的サンプル中のT.cruzi感染
    を検出する工程、 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 前記モノクローナル抗体が固体支持体に結合される、請求項
    20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法であって、前記検出する工程が、以
    下: (a)前記固体支持体から非結合サンプルを除去する工程; (b)該固体支持体に検出試薬を添加する工程;および (c)所定のカットオフ値と比較して、該固体支持体に結合された検出試薬のレ
    ベルを測定し、そこから前記生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出す
    る工程、 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 前記検出試薬が抗体に結合されたレポーター基を含む、請求
    項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 薬学的組成物であって、以下: (a)配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオチド配列によってコード
    されるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピトープ、あるいは保存的
    置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体を含む、ポリペプチド;な
    らびに (b)生理学的に受容可能なキャリア、 を含む、薬学的組成物。
  25. 【請求項25】 T.cruziに結合する抗体の産生を刺激するためのワク
    チンであって、以下: (a)配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオチド配列によってコード
    されるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピトープ、あるいは保存的
    置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体を含む、ポリペプチド;な
    らびに (b)アジュバント、 を含む、ワクチン。
  26. 【請求項26】 請求項24に記載の薬学的組成物であって、患者においてシ
    ャーガス病に対する防御免疫を誘導するための医薬の製造における使用のための
    、薬学的組成物。
  27. 【請求項27】 請求項25に記載のワクチンであって、患者においてシャー
    ガス病に対する防御免疫を誘導するための医薬の製造における使用のための、ワ
    クチン。
  28. 【請求項28】 生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出するための
    方法であって、以下: (a)該生物学的サンプルを、配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオ
    チド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピ
    トープ、あるいは保存的置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体を
    含む第1のポリペプチドと接触させる工程; (b)該生物学的サンプルを、TcDのエピトープ、あるいは保存的置換および
    /または改変のみが異なるその改変体を含む第2のポリペプチドと接触させる工
    程;ならびに (c)該生物学的サンプル中の、1つ以上の該ポリペプチドに結合する抗体の存
    在を検出し、そこから該生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出する工
    程、 を包含する、方法。
  29. 【請求項29】 生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出するための
    方法であって、以下: (a)該生物学的サンプルを、配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオ
    チド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピ
    トープ、あるいは保存的置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体を
    含む第1のポリペプチドと接触させる工程; (b)該生物学的サンプルを、TcDのエピトープ、あるいは保存的置換および
    /または改変のみが異なるその改変体を含む第2のポリペプチドと接触させる工
    程; (c)該生物学的サンプルを、TcEのエピトープ、あるいは保存的置換および
    /または改変のみが異なるその改変体を含む第3のポリペプチドと接触させる工
    程; (d)該生物学的サンプル中の、1つ以上の該ポリペプチドに結合する抗体の存
    在を検出し、そこから該生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出する工
    程、 を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出するための
    方法であって、以下: (a)該生物学的サンプルを、配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオ
    チド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピ
    トープ、あるいは保存的置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体を
    含む第1のポリペプチドと接触させる工程; (b)該生物学的サンプルを、TcDのエピトープ、あるいは保存的置換および
    /または改変のみが異なるその改変体を含む第2のポリペプチドと接触させる工
    程; (c)該生物学的サンプルを、PEP−2のエピトープ、あるいは保存的置換お
    よび/または改変のみが異なるその改変体を含む第3のポリペプチドと接触させ
    る工程;および (d)該生物学的サンプル中の、1つ以上の該ポリペプチドに結合する抗体の存
    在を検出し、そこから該生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出する工
    程、 を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出するための
    方法であって、以下: (a)該生物学的サンプルを、配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオ
    チド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原のエピ
    トープ、あるいは保存的置換および/または改変のみが異なる該抗原の改変体を
    含む第1のポリペプチドと接触させる工程; (b)該生物学的サンプルを、TcEのエピトープ、あるいは保存的置換および
    /または改変のみが異なるその改変体を含む第2のポリペプチドと接触させる工
    程;および (c)該生物学的サンプル中の、1つ以上の該ポリペプチドに結合する抗原の存
    在を検出し、そこから該生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出する工
    程、 を包含する、方法。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の方法であって、前記第2のポリペプチド
    が、アミノ酸配列 Lys Ala Ala Ala Ala Pro Ala Lys Ala Ala Ala Ala Pro Ala Lys Ala Ala Ala Ala Pro Ala(配列番号56)を含む、方法。
  33. 【請求項33】 請求項9に記載の2つ以上のポリペプチドを含む、組合せポ
    リペプチド。
  34. 【請求項34】 配列番号1〜配列番号22に列挙されるヌクレオチド配列に
    よってコードされるアミノ酸配列を有するT.cruzi抗原の少なくとも1つ
    のエピトープ、あるいは保存的置換および/または改変のみが異なる該抗原の改
    変体、ならびにTcDのエピトープ、TcEのエピトープ、PEP−2のエピト
    ープならびに保存的置換および/または改変のみが異なるそれらの改変体からな
    る群より選択される少なくとも1つのエピトープを含む、組合せポリペプチド。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の組合せポリペプチドであって、ここでT
    cDのエピトープ、TcEのエピトープ、PEP−2のエピトープならびに保存
    的置換および/または改変のみが異なるそれらの改変体からなる群より選択され
    るエピトープが、配列番号55〜配列番号56に列挙されるアミノ酸配列を有す
    る、組合せポリペプチド。
  36. 【請求項36】 請求項34に記載の組合せポリペプチドであって、ここでT
    cDのエピトープ、TcEのエピトープ、PEP−2のエピトープならびに保存
    的置換および/または改変のみが異なるそれらの改変体からなる群より選択され
    るエピトープが、配列番号53〜配列番号54に列挙されるアミノ酸配列を有す
    る、組合せポリペプチド。
  37. 【請求項37】 請求項34に記載の組合せポリペプチドであって、ここでT
    cDのエピトープ、TcEのエピトープ、PEP−2のエピトープ、ならびに保
    存的置換および/または改変のみが異なるそれらの改変体からなる群より選択さ
    れるエピトープが、配列番号57に列挙されるアミノ酸配列を有する、組合せポ
    リペプチド。
  38. 【請求項38】 前記ポリペプチドが組換えDNA技術を使用して調製される
    、請求項34に記載の組合せポリペプチド。
  39. 【請求項39】 前記ポリペプチドが合成的に調整される、請求項34に記載
    の組合せポリペプチド。
  40. 【請求項40】 生物学的サンプル中のT.cruzi感染を検出するための
    方法であって、以下: (a)該生物学的サンプルを、請求項33〜39のいずれか1つに記載の組合せ
    ポリペプチドと接触させる工程;および (b)該生物学的サンプル中の該組合せポリペプチドに結合する抗体の存在を検
    出し、そこから該生物学的サンプル中のT.cruziを検出する工程、 を含む、方法。
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