JP2002507815A - 個々の反応サイトの動的かつ独立な制御を行なうマルチサイト反応器システム - Google Patents

個々の反応サイトの動的かつ独立な制御を行なうマルチサイト反応器システム

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Abstract

(57)【要約】 マルチサイト反応器システム(60)は、各反応サイトの、動的かつ独立であり、コンピュータを用いた制御を提供する共に、異なる反応サイトにある試料に異なる熱プロファイルが同時に実施されることを可能にする。このシステムは、反応混合物を保持するための複数の反応容器(2)と、この容器を受容するための複数の熱交換モジュール(37)とを含む。各熱交換モジュール(37)は、容器(2)の一つが間に挿入される一対の熱板と、容器に収容された反応混合物を加熱するためにこの板の一方又は両方に結合された加熱要素と、熱板および反応混合物を冷却するためのファンと、熱板の温度を計測するための温度検知器とを含む。また、このシステムは、各熱交換モジュール(37)を独立に制御して、これに収容された反応混合物を加熱および/または冷却するためのコントローラ(64)を含む。コントローラ(64)は、設定温度をオーバシュート又はアンダーシュートすることなく設定温度に迅速かつ正確に到達するように、各加熱要素に供給される電力パルスの継続時間又は強度を動的に調整するために、また、ファン動作の継続時間を動的に調整するために、適応した制御プログラムを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般に、試料温度制御用の熱交換システム、詳しくは、各反応サイ
トの、動的かつ独立であり、さらにコンピュータを用いた、制御を行なうと共に
、異なる反応サイトにおいて異なる熱プロファイルが同時に実施されることが可
能な、マルチサイト反応器システムに関する。
【0002】 (背景技術および発明が解決しようとする課題) 薬剤の精密な温度制御や迅速な温度変化を行なうことが望まれる化学的処理の
分野には、数多くの用途がある。これらの反応においては、薬剤とその環境との
間で熱が交換され、反応薬剤の温度を上昇させるか、あるいは下降させる。目標
温度を正確に達成し、温度のアンダーシュートやオーバーシュートを避け、そし
て目標温度に迅速に到達するという態様で温度変化を制御することが、しばしば
、望ましい。このような温度制御では、最適でない温度において発生し得る副反
応、望まない泡の形成、ある温度での成分の劣化、等を防止することができる。
【0003】 熱交換を行なう化学反応の用途には、有機反応、無機反応、生化学反応、分子
反応、等があり得る。有機反応および無機反応においては、反応のための活性化
エネルギーを達成するために、薬剤が加熱されても良い。熱化学反応の例には、
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chian reac
tion)やリガーゼ連鎖反応(LCR:ligase chian reac
tion)等の等温的核酸増幅や熱サイクル増幅、自己維持型配列複製、酵素反
応速度論研究、均質リガンド結合アッセイ、および、複雑な温度変化を必要とす
るさらに複雑な生化学的機構の研究、が挙げられる。温度制御システムは、また
、一定の正確な温度が必要とされる或る種の生理学的過程の研究をも可能にする
【0004】 熱伝達反応を行なうための従来の装置は、典型的には、96もの円錐形反応管
を有するアルミニウムブロックを備えている。このアルミニウムブロックは、ペ
ルティエ加熱/冷却装置によって、あるいはブロックに機械加工された通路を通
って液体が流れる閉ループ液体加熱/冷却システムによって、加熱され、また、
冷却される。金属ブロックを備えたこのような装置は、ジョンソン氏に対する米
国特許第5,038,852号、マリス氏に対する米国特許第5,333,67
5号、およびアトウッド氏に対する米国特許第5,475,610号に記載され
ている。アルミニウムブロックの大きな熱的質量により、これらの装置における
加熱率および冷却率は約1℃/秒に制限され、より長い処理時間の原因となる。
例えば、PCR用途において、50サイクルを完了するためには2時間以上を要
することもあり得る。
【0005】 比較的大きな金属ブロックを使用する一つの理由は、サイトからサイトへと同
様に、各反応サイトにおいても一定の一様な温度を確保するために充分な質量を
設けるということである。典型的には、商業的装置で得ることのできる最高の加
熱率は3℃/秒のオーダーであり、冷却率はこれより著しく小さい。これらの比
較的遅い加熱率および冷却率のために、温度の高度な制御を必要とするいくつか
の処理が非効率的であるということが見受けられてきた。例えば、反応が中間温
度で起こることがあり、PCRにおける「単量体−2量体」または特異的な増幅
体(amplicon)等の、望まない妨害を引き起こす副生成物を生成し、こ
れが分析処理を阻害する。不充分な温度制御は、また、意図した反応に必要な試
薬の過剰消費の原因となる。
【0006】 これらの従来装置の他の欠点は、これらでは、典型的には、反応生成物のリア
ルタイムの光学的検出や連続的な光学的モニタが可能でないことである。例えば
、パーキンエルマー7700(ATC)装置においては、光学的蛍光検出は、金
属ブロックに設けられた96の反応サイトの各々に対して光ファイバーをガイド
することにより行なわれる。中央の高パワーレーザーが各反応サイトを順に励起
し、光ファイバーを通して蛍光信号を捕捉する。全ての反応サイトが単一のレー
ザーにより順に励起されるため、また、蛍光が単一の分光器および光電子増倍管
により検出されるため、各反応サイトの同時モニタは可能でない。
【0007】 実験室的、医療的、病院における調査的、または診断的な状況においては、様
々な試料に対して多数のPCRアッセイが行なわれねばならず、そのアッセイ手
順や、反応物および緩衝液システム、行なわれるアッセイの性質と選択性、に従
って熱サイクルが変更されねばならない。他の化学的、生化学的、および分子生
物学的な、アッセイ、手順、および反応についても同じことが言えるのであり、
研究的、商業的、診断的、または治療的な目的であろうと、あるいは、薬品候補
の同定のための親和性構築ライブラリや、生体物質の商業的生産等の目的であろ
うと、同じである。
【0008】 従来の、大質量、一様加熱および冷却の、マルチウエル装置(モノブロック装
置)は、各試料が、異なるすなわち相違する熱サイクルを必要とする多数試料の
高速同時サイクルを行なうには適切ではない。従来のモノブロック熱サイクル器
で多数の試料を異なるサイクルで処理するためには、残りのウエルをブランク(
空白)にして、各試料をそのそれぞれのサイクルで順に処理することが必要とな
る。この、試料の順次処理は、多くの時間と電力とを使用する。さらに、使用さ
れない空のウエルが使用されるウエルと同じ電力を受ける。したがって、使用さ
れないウエルで多くの電力が無駄になる。また、多数の試料が、処理されるべき
異なる熱サイクルを必要とすれば、多数の装置の使用が必要となるが、これは、
経費的に可能なアプローチではない。
【0009】 発明の概要 本発明は、各反応サイトの、動的かつ独立であり、さらにコンピュータを用い
た、制御を行なうマルチサイト反応器システムを提供することにより、従来技術
の欠点を克服する。上述の従来技術装置とは対照的に、本発明のシステムは、異
なる熱プロファイルが、異なる反応サイトにおいて同時に実行されることを可能
にする。さらに、個々のサイトは、他のサイトの動作に影響を与えることなく、
異なる時点で装填/取外しされても良い。個別のサイトの各々は、これに割当て
られた、固有のサイトプログラムを有することができる。サイトプログラムは、
いつ起動されても良く、連続的にモニタされても良く、結果は完全に記録される
【0010】 本発明は、目標温度を正確に達成すると共に温度のアンダーシュートやオーバ
ーシュートを避ける態様で、極度に迅速な温度変化を提供することにより、従来
技術の欠点を克服する。このような温度制御は、副反応、望まない泡の形成、あ
る温度での成分の劣化、等を防止する。したがって、このマルチサイト反応器シ
ステムは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)やリガーゼ連鎖反応(LCR)等の
熱感受性化学処理、自己維持型配列複製、酵素反応速度論研究、均質リガンド結
合アッセイ、および、複雑な温度変化を必要とするさらに複雑な生化学的機構の
研究に有用である。
【0011】 第1実施例においては、本発明は、多数の反応混合物、例えば、薬剤または試
薬と混合された流体試料、を熱的に制御するシステムを提供する。このシステム
は、混合物を保持するための複数の反応容器と、この容器を受容する、対応する
複数の熱交換モジュールとを備える。各熱交換モジュールは、容器のそれぞれに
接触するための少なくも一つの熱板を備える。加熱要素は、容器に収容された反
応混合物を加熱するこの板に結合されている。各モジュールは、また、板の温度
を計測するために、サーミスタ、熱電対、プラチナRTD、またはIR検知器等
の温度検知器を備える。
【0012】 このシステムは、また、各熱交換モジュールの加熱要素に供給される電力の量
を調整するための少なくも一つの電力調整器を備える。システムは、さらに、各
熱交換モジュール用のパルス強度値およびパルス長値を記憶する少なくも一つの
メモリーを備える。パルス強度値は、熱板を所望の設定点温度に加熱するために
加熱要素に印加される電力パルスの強度を示す。パルス長値は、熱板を設定点温
度に加熱するために加熱要素に印加される電力パルスの継続時間を示す。
【0013】 システムは、メモリー、電力調整器、および各熱交換モジュールの温度検知器
、と通信するパーソナルコンピュータ等のコントローラを更に備える。このコン
トローラは、以下の動作により各熱交換モジュールを独立に制御し、これに収容
された反応混合物を加熱するためのプログラム命令を備えている。 i) モジュールのために記憶されているパルス強度値およびパルス長値により
それぞれ指示された強度および継続時間で加熱要素に電力パルスを供給するよう
電力調整器に命令する制御信号を送信すること、 ii) 温度検知器から、板の計測温度を示す温度信号を受信すること、 iii) 板の計測温度がしきい値に到達した場合か、あるいはパルス長値に指
示された継続時間が経過した場合に、電力パルスを終了させること、および iv) 電力パルスが完了した後、設定点温度と板の計測温度との差に従って、
メモリーに記憶されたパルス長値またはパルス強度値を調節すること。各熱交換
モジュールに供給される電力パルスの継続時間または強度の、この適応制御は、
設定点温度が迅速かつ正確に達成されることを保証する。
【0014】 各熱交換モジュールは、また、好ましくは、熱板および反応混合物を冷却する
ために、ファンやペルティエ装置等の冷却装置を備える。熱交換モジュールの各
々に対して、冷却長値も記憶される。この冷却長値は、熱板を第2設定点温度に
冷却するために冷却装置が作動されるべき継続時間を示す。コントローラは、ま
た、好ましくは、以下の動作により各熱交換モジュールを独立に制御し、これに
収容された混合物を冷却するためのプログラム命令を備える。 i) 冷却装置を作動させ、熱板および反応混合物の冷却を開始すること、 ii) 検知器から、板の計測温度を示す温度信号を受信すること、 iii) 板の計測温度が所定値まで下降した場合か、あるいは冷却長値により
指示された継続時間が経過した場合に、冷却装置の作動を停止すること、および
iv) 能動的冷却が完了した後、第2設定点温度と板の計測温度との差に従っ
て、メモリーに記憶された冷却長値を調節すること。この冷却継続時間の適応制
御は、より低い設定点温度が迅速かつ正確に達成されることを保証する。
【0015】 本発明の第2実施例は、反応混合物を熱的に制御するためのコンピュータによ
るPID制御に、重要な改良を提供する。第2実施例においては、コントローラ
は、熱板と、反応容器に収容された反応混合物との間の熱的遅れを補償すべくプ
ログラムされている。この熱的遅れは、加熱中に、熱が板から容器の壁を通して
反応混合物中に伝達される必要により、あるいは冷却中に、熱が反応混合物から
容器の壁を通して板および/または周囲空気に伝達される必要により、引き起こ
される。第2実施例によれば、コントローラは、以下の動作のためのプログラム
命令を備える。 i) 熱板用の可変な目標温度を設定することであって、この可変な目標温度は
、初期には、混合物に対し所望される設定点温度を越えているのであり、 ii) 板の温度を可変な目標温度まで上昇させるために加熱要素に供給される
べき電力のレベルを決定することであって、この電力のレベルは、可変な目標温
度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり、 iii) 決定されたレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に命令
する制御信号を送信すること、 板の計測温度が、可変な目標温度より下の所定の温度に到達した際には、 iv) 可変な目標温度を減少させること、 v) 板の温度を、減少された目標温度まで上昇させるために加熱要素に供給さ
れるべき電力のレベルを決定することであって、この新たな電力のレベルは、減
少された目標温度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり、 vi) 新たなレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に命令する新
たな制御信号を送信すること、および vii) 可変な目標温度が実質的に所望の設定点温度に等しくなるまで、(i
v)〜(vi)のステップを反復すること。
【0016】 可変な目標温度を所望の設定点温度より高く設定することにより、コントロー
ラは、板の加熱と反応混合物の加熱との間の熱的遅れを補償し、混合物の実際の
温度変化をして所望の温度プロファイルに、より近く従わしめる。可変な目標温
度は、好ましくは、可変な目標温度が所望の設定点温度を超過する量を指数関数
的に低下させることにより、設定点温度まで下降される。あるいは、可変な目標
温度は、可変な目標温度が設定点温度を超過する量を直線的に低下させること等
の他の適切な方法により減少されても良い。
【0017】 第2実施例においては、コントローラは、また、以下の動作により各熱交換モ
ジュールを独立に制御し、これに収容された混合物を冷却するためのプログラム
命令を備えている。 i) 熱板用の第2の可変な目標温度を設定することであって、この第2の可変
な目標温度は、初期には、混合物に対し所望される第2の設定点温度より低いの
であり、 ii) 板の計測温度が、第2の設定点温度より下の第2の所定温度に下降する
まで、熱板を冷却する冷却装置を作動させること、 iii) 第2の可変な目標温度が第2の設定点温度から異なる量を指数関数的
に低下させることにより、第2の可変な目標温度を増加させること、 iv) 板の温度を増加された目標温度にまで上昇させるために加熱要素に供給
されるべき電力のレベルを決定することであって、この電力のレベルは、増加さ
れた目標温度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり、 v) 決定されたレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に命令する
制御信号を送信すること、および vi) 可変な目標温度が実質的に第2の設定点温度に等しくなるまで、(ii
i)〜(v)のステップを反復すること。
【0018】 マルチサイト反応器システムの各実施例においては、各熱交換モジュールは、
また、好ましくは、モジュールの反応混合物に関する光学的データを生成するた
めに、コントローラと通信する少なくも一つの光学的検出器を備える。このコン
トローラは、光学的データを処理して光学的検出パラメータを調節するためのプ
ログラム命令を備える。コントローラは、また、好ましくは、光学的データを処
理して、温度制御、反応完了、プロファイル表示、試薬添加に関する信号の発生
、等の一以上の工程制御を調節するためのプログラム命令を備える。
【0019】 本発明のマルチサイト反応器システムのより完全な理解は、以下の説明と添付
図面とを考察することにより得られるであろう。
【0020】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明は、各反応サイトの、動的かつ独立であり、さらにコンピュータを用い
た、制御を行なうマルチサイト反応器システムを提供する。本システムは、異な
る熱プロファイルが、異なるサイトで同時に実施されることを可能にする。さら
に、個々のサイトは、他のサイトの動作に影響を与えることなく、異なる時点で
装填/取外しされても良い。個別のサイトの各々は、これに割当てられた、他と
異なるサイトプログラムを有することができる。サイトプログラムは、いつ起動
されても良く、連続的にモニタされても良く、結果は完全に記録される。本シス
テムは、目標温度を正確に達成すると共に温度のアンダーシュートやオーバーシ
ュートを避ける態様で、反応混合物の極度に迅速な温度変化を提供する。したが
って、本システムは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)やリガーゼ連鎖反応(L
CR)等の熱感受性化学処理、自己維持型配列複製、酵素反応速度論研究、均質
リガンド結合アッセイ、および、複雑な温度変化を必要とするさらに複雑な生化
学的機構の研究に有用である。
【0021】 一般的に、本システムは、反応混合物を保持する反応容器と、この容器を受容
する熱交換モジュールとを備える。各熱交換モジュールは、熱処理のために容器
の一つがこの間に挿入される1対の熱板と、容器に収容された反応混合物を加熱
するために板の少なくも一つに、好ましくは双方に、結合された加熱要素と、混
合物を冷却するファンと、板の温度を計測する一以上の温度検知器とを備える。
【0022】 システムは、また、各熱交換モジュールを独立に制御し、これに収容された反
応混合物を加熱および/または冷却するために、パーソナルコンピュータまたは
ネットワークコンピュータ等のコントローラを備える。第1実施例においては、
コントローラは、目標をオーバーシュートまたはアンダーシュートすることなく
、迅速かつ正確に目標温度を達成するために各加熱要素に供給される電力パルス
の継続時間および強度を動的に調節する適応制御プログラムを備える。第2実施
例においては、コントローラは、反応混合物と、この混合物を加熱および/また
は冷却する熱板との間の熱的遅れを補償するための改良された比例−積分−微分
(PID:proportional−integral−derivativ
e)制御プログラムを備える。
【0023】 図1〜19は、マルチサイト反応器システムの第1実施例を示す。図1は、反
応容器2の部分分解図であり、図2は、この容器の正面図である。容器2は、化
学反応のための反応混合物、例えば、薬剤または試薬と混合された流体試料、を
保持するための反応チャンバ10を備える。本明細書において使用されるところ
では、「流体試料」の用語は気体と液体の双方を包含するが、後者が好ましい。
試料は、粒子、細胞、微生物、イオン、または、タンパク質や核酸等の小さな分
子および大きな分子、等を含む水溶液であっても良い。特定の使用においては、
試料は、血液や尿等の体液、または粉砕された食物等の懸濁液であっても良い。
試料は、例えば、薬剤と混合され、遠心分離され、ペレット化される等の前処理
を施されていても良く、あるいは、試料が生の形状であっても良い。
【0024】 容器2は、熱伝導が最適であると共に反応生成物の光学的観察が効率的である
ように設計されている。容器の薄い形状が、熱伝導のための、および熱板に接触
するための大きな表面を提供することにより、最適な熱運動学に寄与している。
さらに、容器の大小の壁がチャンバへの窓を備え、反応混合物全体が光学的に観
察され得るようになっている。
【0025】 図1〜2の更なる詳細においては、反応容器2は、反応チャンバ10の周囲を
形成する堅固な枠16を備える。枠16は、また、ポート4と、このポートを反
応チャンバ10に接続する溝8とを備える。図1においては枠16から分解され
て示されている薄い可撓性の壁18が、枠の対向する側面に結合され、チャンバ
10の側壁を形成する。
【0026】 壁18は、チャンバ10に収容された反応混合物に最適な熱伝導性を提供する
。壁18の可撓性が、熱板との最大の接触を可能にする。壁は、表面間の空隙を
避ける、すなわち最小化する、態様で板の表面に沿うことができる。さらに、熱
交換操作の途中に表面形状が変化しても、可撓性の壁は、熱表面に沿い続ける。
例えば、温度上昇により加熱要素が膨張する際には、チャンバ壁も膨張し、加熱
要素との最適な接触を維持する。
【0027】 図3は、反応容器と、1対の対向する熱板34A、34Bとの間の接触を示す
。板の少なくも一つ、好ましくは双方、は、容器内の反応混合物を加熱するため
に抵抗体等の加熱要素を備える。板34A、34Bは、また、好ましくは、サー
ミスタ36A、36B等の温度検知器を備える。容器2が板の間に挿入された際
には、板の内表面が壁18に接する。この位置においては、板表面と、反応チャ
ンバの壁18との間の空隙は最小であるか、あるいは全く無い。最適な熱伝導性
のためには、各壁18の厚さは、好ましくは約0.0001ないし0.020イ
ンチの間であり、より好ましくは0.0005ないし0.005インチの間であ
り、最も好ましくは0.001ないし0.003インチの間である。この薄さを
達成するためには、壁は、フィルム、シート、あるいは、押出し加工されたかあ
るいは鋳込まれた部品であって、モールドされ機械加工されたものか、あるいは
他の便利な薄い可撓性の構造体、であっても良い。
【0028】 壁18および枠16を構成する材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エステル、および他の高分子、を包含するポリアルコールのラミネートまたは均
質な高分子、あるいは、金属または金属ラミネートであって、薄く、可撓性であ
り、沿うことができ、高い熱伝達を可能にし、好ましくは、フィルムまたはシー
トの形状であるものであっても良い。側壁を支持するチャンバの枠がポリプロピ
レン等の特定の材料である場合には、好ましくは、壁の熱膨張および冷却率が枠
と同一であるべく、側壁はポリプロピレン等の同一材料である。
【0029】 熱板34A、34Bは、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ベリリウ
ム、窒化ケイ素、等のセラミック、あるいは金属を包含する様々な材料から成っ
ても良い。使用されても良い他の材料には、例えば、ヒ化ガリウム、ケイ素、窒
化ケイ素、二酸化ケイ素、石英、ガラス、ダイヤモンド、ポリアクリル、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマー、および
、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン化ビニルポリマー、が挙げられる。
他の可能な材料には、クロム/アルミニウム等の熱電対材料、超合金、ジルカロ
イ、アルミニウム、スチール、金、銀、銅、タングステン、モリブデン、タンタ
ル、黄銅、サファイア、あるいは、従来技術で使用可能な多数のセラミック、金
属、および合成高分子材料の何れか、が挙げられる。
【0030】 セラミック板が、現時点では好ましいが、これは、高い耐摩耗性、高い耐薬
剤性、および反応容器に対する良い熱接触性を目的として、内表面が、非常に高
い滑らかさに簡便に機械加工され得るからである。セラミック板は、また、熱的
質量を低くするために非常に薄く(0.635と1.25mmの間)製作される
ことが可能である。アルミニウムまたは銅から製作された熱交換板も高い熱伝導
を有するが、しかし、大きな熱的質量を有する。
【0031】 板34A、34Bに結合された、加熱抵抗体等の加熱要素は、板、特に窒化ア
ルミニウムおよび酸化アルミニウム等の絶縁材料から成る板、の上に直接にスク
リーン印刷されても良い。スクリーン印刷することで、反応チャンバへの効率的
な熱伝達のための高い信頼性と小さな断面積とが得られる。加熱要素は、また、
セラミック板の内部に焼成されても良い。また、様々な幾何学的パターンの、厚
いか、あるいは薄い、フィルム抵抗体が板壁の上に配置されて、より一様な加熱
を提供しても良く、これは、例えば、より厚い抵抗体を末端部に設け、より薄い
抵抗体を中央部に設けることによる。加熱要素は、カーバイド、タングステン、
銀、または、材料に電圧が印加された際に発熱する他の材料、から成っても良い
。金属スリーブを加熱する一つの方法は、加熱板の表面に取付けられた、エッチ
フォイル加熱要素(ミネソタ州ミネアポリスに所在するミンコ・プロダクツ)等
のラミネートヒータ源を使用することである。
【0032】 再び、図1〜2を参照すれば、反応容器2は、また、好ましくは、密閉キャッ
プ12を備える。キャップ12は、可撓性の腕14により枠16に簡便に取付け
られても良い。キャップ12は、キャップ12が容器2上に載置される際に溝8
内に挿入されるピストンすなわち栓22を備える。溝8内に挿入された際には、
ピストン22はチャンバ10を加圧し、以て、可撓性の壁18を膨張させる。壁
18の膨張は、壁18と熱板の表面との間の整合性を増加させる。
【0033】 反応容器2の使用においては、試料は、ポート4を通して反応チャンバ10に
加えられる。これは、溝8を通してチャンバ10の内部にピペットチップを挿入
し、底からチャンバ10を充満させることにより行なっても良い。あるいは、試
料は、自動化された流体注入により、または、オプションとして反応容器と一体
となった部分である流体マニホールドを通して、加えられても良い。試料を人手
で加えるために、容器2は、好ましくは、指グリップ6を備える。
【0034】 試料は、チャンバ10に加えられる前に試薬と混合されても良い。あるいは、
試料は、チャンバ10内の試薬に添加されても良い。図3に示したように、チャ
ンバの壁18は、熱板34A、34Bを押圧すべく製作されており、壁は板表面
に沿う。板34A、34B上の加熱要素を動作させることにより、反応混合物は
温度変化に曝される。次いで、反応生成物は、好ましくは図2に示したように枠
16の底壁32A、32Bを通して、光学的に観察される。この理由から、枠1
6は、ポリカーボネートやポリプロピレン等の透光性材料で製作されるべきであ
る。枠16は、また、好ましくは、チャンバ10から透過してきた光をはね返し
、信号検出を増加させる反射面20を備える。
【0035】 反応容器2は、最初に、堅固な枠16をモールドし、開いた側を有するチャン
バを形成することにより製造されても良い。枠16は、好ましくは、標準の射出
成形工程により製作される。枠が製作された後、ポリプロピレンの薄いフィルム
やシート等の材料をチャンバ領域を覆って載置し、好ましくは、延展することに
より、側壁18が製作される。次いで、壁18は、枠16の対向する側面に取付
けられる。壁がフィルムまたはシートである場合には、この材料が、熱シール、
接着剤接着、超音波圧着、等により枠に取付けられても良い。
【0036】 反応容器は、特にチャンバについて、所望の使用法に応じて、ナノリットルか
らミリリットルまでの容量を収容する大きさとされても良い。核酸増幅用には、
チャンバの容積は、好ましくは25ないし110マイクロリットルの範囲にある
。さらに、反応チャンバ10は、チャンバ内の反応混合物への熱の高い熱伝導の
ために、好ましくは、薄く、例えば1〜2mm以下の厚さを有する。一つの特定
の実施例においては、反応チャンバ10は、側長10mm、厚さ1mm、および
容積約100マイクロリットルを有するダイヤモンド形状のチャンバである。
【0037】 図4は、反応容器2を受容する熱交換モジュール37を示す。熱交換モジュー
ル37は、好ましくは、モジュールの様々な構成要素を保持するハウジング38
を備える。モジュール37は、また、上述した熱板34A、34Bを備える(図
4では、板34Aのみが示されている)。板は、一以上のブラケット、支持体、
またはリテーナにより、相互に対向する関係で保持されても良い。さらに、板は
、1998年11月24日に登録された米国特許出願第09,194374号に
記載のように、相互に対してバネでバイアスされても良い。ハウジング38は、
板34A、34Bの上方にスロットを備え、以て、容器2がスロットを通して板
の間に挿入されることが可能である。
【0038】 熱交換モジュール37は、また、好ましくは、容器2内の反応混合物を冷却す
るために、ファン42等の冷却装置を備える。容器2が板34A、34Bの間に
ある際に、反応チャンバは、ファンからの空気循環により冷却される。あるいは
、冷却装置は、ペルティエ装置、または、冷媒または圧縮気体を反応容器に運搬
する溝であっても良い。これらの、および他の、冷却装置は当該技術において良
く知られている。
【0039】 熱交換モジュール37は、さらに、光学的励起アセンブリ46および光学的検
出アセンブリ48を備える。励起アセンブリ46は、その電子部品を保持する第
1の回路ボード50を備え、検出アセンブリ46は、その電子部品を保持する第
2の回路ボード52を備える。励起アセンブリ46は、容器2において蛍光指示
色素を励起するために、一以上の光源、好ましくはLED、を備える。励起アセ
ンブリ46は、また、光源からの光を収束させると共に平行化させるための一以
上のレンズと、関心のある励起波長を選択するためのフィルタとを備える。
【0040】 検出アセンブリ48は、容器2内の混合物から放射された蛍光をモニタするた
めの一以上の検出器、好ましくはフォトダイオード、を備える。検出アセンブリ
48は、また、放射された光を収束させると共に平行化させるための一以上のレ
ンズと、関心のある放射波長を選択するためのフィルタとを備える。本発明のシ
ステムにおける使用に適した光学アセンブリの対は、1998年5月19日に登
録された米国特許出願第09/081,260号に開示されており、この開示は
、この参照により本明細書に包含される。検出を改善するために、モジュール3
7は、好ましくは、容器が板34A、34Bの間に挿入された後、反応容器2の
頂の上に載置されると共にハウジング38に封止される、耐光性のフタ(図示し
ない)を備える。
【0041】 モジュール37の光学において、現時点では、LEDおよびフォトダイオード
が好ましいが、他の多数の光学的検出スキームが採用されても良い。例えば、他
の実施例においては、関心のある検出波長を通過させるための干渉フィルタやバ
ンドパスフィルタ等の光学フィルタと、CCDと、収束光学系と、反射板/スプ
リッタと、アルゴンイオンレーザとを備える。この動作は以下の通りである。レ
ーザが、容器2内の蛍光指示色素を励起する。蛍光信号がCCDによりモニタさ
れる。吸光分析が同時に利用されても良い。
【0042】 ハウジング38は、堅固な高性能樹脂、または他の簡便な材料、からモールド
されても良い。ハウジング38の第一義的な機能は、板34A、34Bおよび光
学アセンブリ46、48を保持する枠を提供することであり、また、冷却流体、
例えば空気、を方向づけすると共に流体の流れが板34A、34Bおよび反応容
器2の表面を横切るように効率的にガイドするための流路溝およびポートを提供
することである。
【0043】 熱交換モジュール37は、また、モジュールの電子部品を保持するPCボード
54と、モジュール37をベース装置に接続するためのエッジコネクタとを備え
るのであり、これは、以下で、図5を参照して説明される。板34A、34B上
の加熱要素およびサーミスタ36A、36Bは、光学ボード50、52と同様に
、可撓性電線(図の明瞭化のために、図4には示されない)によりPCボード5
4に接続されている。
【0044】 モジュール37は、また、光学的検出回路をシールドするための接地路56を
備える。モジュール37は、また、好ましくは、「試料装填準備完了」、「試薬
装填準備完了」、「加熱中」、「冷却中」、「完了」、または「故障」、等のモ
ジュールの現在状況をユーザに示す、LED44等の指示器を備える。
【0045】 図5は、熱サイクル器62と、パーソナルコンピュータ64等のコントローラ
とを備えたマルチサイト反応器システム60の斜視図である。熱サイクル器62
は、ベース装置66と、多数の熱交換モジュール37とを備える。ベース装置6
6は、モジュール37を受容するためのエッジコネクタ68を有する主論理ボー
ドを備える。ベース装置66は、また、好ましくは、電子部品を冷却するための
ファン70を備える。ベース装置66は、汎用シリアルバス(USB:univ
ersal serial bus)、イーサネット接続、またはシリアル線、
等の何らかの適切なデータ接続を使用して、コントローラ64に接続されても良
い。現時点では、コンピュータ64のシリアルポートに接続するUSBを使用す
ることが好ましい。図5にはラップトップコンピュータが示されているが、コン
トローラは、プロセッサを備えた如何なるタイプの装置であっても良い。さらに
、熱サイクル器は、単一のコンピュータにではなく、コンピュータネットワーク
にリンクされても良い。
【0046】 「熱サイクル」の用語は、本明細書においては、反応混合物における少なくも
一つの温度変化、すなわち温度の上昇または下降、を意味する。したがって、熱
サイクルを受ける薬剤は、ある温度から他の温度へシフトし、次いでその温度で
安定し、第2の温度へ変化するか、あるいは開始温度へ戻る、ということが行な
われても良い。温度サイクルは、1度だけ実行されても良く、あるいは、関心の
ある特定の化学反応を研究するか、またはこの反応が完了する、のに必要なだけ
多数回に渡り反復されても良い。
【0047】 図5の特定の実施例においては、熱サイクル器62は、8つのモジュールの2
列に配置された、独立に制御可能な、16の熱交換モジュール37を備える。し
かし、熱サイクル器が、2ないし4サイトの手持ちの装置から、数百サイトの医
療用および研究用の装置までの範囲に及び得ることは、理解されるべきである。
これらの全ての実施例に共通することは、多数の、独立に制御可能なモジュール
37と、各モジュールに対し個別にプログラムされた独立な温度/時間プロファ
イルを実行するためのコントローラ64である。研究用装置においては、温度、
各温度における時間、温度勾配率、化学的手法、検知手段(光学的または他の検
査方法)、等の変更を同時に調査する単なる1回で実験が行なわれることが可能
である。核酸増幅用または他の反応用の熱時間経過は、特定の目標に対して微調
整されることが可能であり、個別のモジュール37の独立な制御により、異なる
熱プロファイルで同時に反応を行なわせることが可能になる。
【0048】 熱サイクル器62は、また、異なる時点で、個別のサイトの、独立な、装填、
サイクル処理、および取外しが可能であり、最適な使用と処理速度が得られる。
この、個別モジュール37への完全独立なアクセスは、ある時点において必要な
数のモジュールだけが使用されることを可能にする。熱サイクル器62は、また
、保守、修理、または交換のために各熱交換モジュール37(その付随する電子
回路および電子−光学系を伴って、あるいは伴わずに)が個別にベース装置66
から取り外されることが可能である点において、モジュール構造である。一つの
モジュールを修理するために全てのモジュール37がオフラインとなることがな
い点で、このモジュール性は故障時間を低減し、また、装置66は、アップグレ
ードおよび拡張され、必要に従って、より多くのサイトを追加することができる
【0049】 熱サイクル器62のモジュール性は、また、個別モジュール37が精密に較正
され得ることを意味し、また、サイト固有のスケジュールや修正、たとえば電力
パルスおよび冷却オン/オフ時間の補償、が、たとえばサイト固有の較正用また
は調節用の一連のチャートとして、制御プログラムに含まれて、温度プロファイ
ルが追随されることを保証することが可能である。
【0050】 本発明の独立熱サイクルシステム62は、また、電力管理の点で著しい利点を
有する。コントローラ64は、各独立モジュール37の熱プロファイルを間引い
て実行し、単一ブロックヒータに比して電極を節約できる。例えば、あるモジュ
ールを加熱する(高電力)と共に第2のモジュールを冷却する(低電力)という
制御により、電流が半分だけ低減される。したがって、中に反応物を有するモジ
ュール37の数にだけパルス電力を間引いて供給することにより、ベース装置6
6に必要となる瞬時電流が最小化されることが可能であり、装置当り、より多く
のモジュール37が標準の115V15アンペア回路から電力供給されることが
可能となる。モジュール37の独立な制御により可能となる、この洗練された電
力管理システムにより、装置66は、手持ちの、バッテリ動作の装置として構成
されることが可能である。ベース装置66がAC110V等の外部電力で作動さ
れる実施例においては、装置は、好ましくは、2つの電力接続76、78を備え
る。電力は第1接続76を通して受電され、第2接続78を通して出力される。
同時に、装置66は、好ましくは、ネットワークインターフェース入口ポート7
2および出口ポート74を備え、入口ポート72を通してデータ接続を受信し、
出口ポート74を通して他のベース装置にデータを出力する。図6に模式的に示
されているように、この構成は、多数の熱サイクル器62A、62B、62C、
62Dが、一つのコントローラ64および一つの外部電力源80からデージーチ
ェーン接続されることを可能にする。USBを用いれば、理論的には、127の
熱サイクル装置を単一のコントローラにデージーチェーン接続することが可能で
あるが、コンピュータ能力の制限から、127の装置を制御するためには一つよ
り多くのコンピュータを用いるべきである。
【0051】 図7は、ベース装置66の模式的ブロック図である。ベース装置は、この装置
および各モジュール37に電力を供給する電源86を備える。電源86は、外部
電源から受電し、これを直流に変換する、たとえば、AC110Vを受電し、こ
れをDC12Vに変換する、ためのAC/DC変換器を備えても良い。あるいは
、電源86が、12Vバッテリ等のバッテリを備えても良い。
【0052】 ベース装置66は、また、ベース装置66およびモジュール37の動作を制御
するためのファームウエアを有するマイクロプロセッサーすなわちマイクロコン
トローラ82を備える。マイクロコントローラ82は、ネットワークインターフ
ェース84を通して、USBを介するユーザインターフェースコンピュータと通
信する。処理能力の現時点での制限のために、現時点では、16のモジュール毎
に少なくも一つのマイクロコントローラをベース装置に設けることが好ましい。
したがって、ベース装置が32モジュールの容量を有する場合には、モジュール
を制御するために、この装置に2つのマイクロコントローラを設けるべきである
【0053】 ベース装置は、さらに、ヒータ電源および制御回路88、電力分配器90、デ
ータバス92、およびモジュール選択制御回路94を備える。特許図面のスペー
スの制限から、制御回路88、電力分配器90、データバス92、および制御回
路94は、図7の模式図において1度限り示されている。しかし、ベース装置6
6は、実際には、各熱交換モジュール37に対して1組の、これらの4つの機能
的構成要素88、90、92、94を備える。したがって、図7の実施例におい
ては、ベース装置66は、16の、制御回路88、電力分配器90、データバス
92、および制御回路94を備える。
【0054】 同時に、ベース装置66は、また、各モジュール37に対して一つのエッジコ
ネクタ68を備え、以て、この装置は、図7に示した実施例に関しては、16の
エッジコネクタを備える。エッジコネクタは、好ましくは、ベース装置66から
各モジュール37への電線なし接続を提供する120ピン・カードエッジコネク
タである。制御回路88、電力分配器90、データバス92、および制御回路9
4の各々は、エッジコネクタのそれぞれ一つに、そしてマイクロコントローラ8
2に接続される。
【0055】 各ヒータ電源および電源制御回路88は、モジュール37のそれぞれの加熱要
素に供給される電力の量を調整する電力調整器である。この電源制御回路88は
、好ましくは、電源86から+12V入力を受電し、0Vと−24Vとの間の可
変電圧を出力するDC/DC変換器である。この電圧は、マイクロコントローラ
82から受信した信号に従って変更される。
【0056】 各電力分配器90は、−5V、+5V、+12V、およびGNDをそれぞれの
モジュール37に供給する。電力分配器は、このようにして、モジュールの電子
回路に電力を供給する。各データバス92は、マイクロコントローラ82と、モ
ジュール37のそれぞれのデジタル装置との間の、パラレル接続およびシリアル
接続を提供する。各モジュール選択コントローラ94は、マイクロコントローラ
82が、制御情報または状況情報を読込みまたは書出しするために個別のモジュ
ール37をアドレスすることを可能にする。
【0057】 図8は、熱交換モジュール37の電子部品の模式的ブロック図である。各モジ
ュールは、ベース装置の対応するエッジコネクタに電線なし接続するためのエッ
ジコネクタ58を備える。このモジュールは、また、それぞれが上述のような抵
抗的加熱要素を有する熱板34A、34Bを備える。板34A、34Bは並列に
配線され、ベース装置から電力入力98を受電する。板34A、34Bは、また
、アナログ温度信号をアナログ−デジタル変換器108に出力するサーミスタ3
6A、36Bを備える。変換器108は、アナログ信号をデジタル信号に変換し
、これを、エッジコネクタ58を通して、ベース装置にあるマイクロコントロー
ラへ転送する。
【0058】 熱交換モジュールは、また、板34A、34Bと、この板の間に挿入された容
器内の、対応する反応混合物とを冷却するための、ファン等の冷却源96を備え
る。冷却源96は、ベース装置から電力を受電し、電源スイッチ118を切り換
えることにより作動される。次いで、電源スイッチ118は、ベース装置にある
マイクロコントローラから制御信号を受信する制御論理ブロック116により制
御される。
【0059】 このモジュールは、さらに、反応混合物中の蛍光色素を励起する少なくも一つ
のLED100と、反応混合物から放射された蛍光を検出する少なくも一つの、
好ましくはフォトダイオードである検出器102とを備える。調節可能な電流源
104は、LED100の輝度を変化させる。デジタル−アナログ変換器106
は、調節可能な電流源104とベース装置のマイクロコントローラとの間に接続
され、マイクロコントローラが電流源をデジタル的に調節することを可能にする
【0060】 このモジュールは、さらに、増幅器、スイッチ、フィルタ、およびデジタル−
アナログ変換器から成る、信号条件づけ/利得選択/オフセット調節ブロック1
10を備える。ブロック100は、検出器102からの信号を調節し、利得とオ
フセットを増加させ、ノイズを低減する。ブロック100は、アナログ−デジタ
ル変換器108およびエッジコネクタ58を通して、調節された信号をベース装
置のマイクロコントローラに出力する。モジュールは、また、熱板用およびサー
ミスタ用の較正定数等の、モジュール固有のデータを記憶するための、好ましく
はシリアルEEPROMであるメモリー114を備える。メモリー114は、ま
た、板の加熱要素に供給される電力パルスの長さおよび強度を示す値を記憶して
も良い。これらの電力パルス値は、以下で詳細に説明される。
【0061】 図9は、典型的には、ソフトウエア、ファームウエア、またはこれらの組合せ
として、熱サイクル器62のユーザインターフェースコンピュータおよび/また
はマイクロコントローラ82に、存在するコントローラアーキテクチャを示す。
たとえば手持ちの現場用ユニットの場合には、これらの機能の、選択された一つ
が、必要に応じて、マイクロコントローラ82に、あるいはマイクロコントロー
ラと通信する別のコンピュータに、常駐し得ることは理解されるべきである。意
図した使用に最も効率的に適するように、当該技術に熟達した者により、制御機
能の配布が、様々なハードウエア要素またはソフトウエア要素に常駐すべく選択
されることが可能である。したがって、大きな研究所向け構成または医療向け構
成における制御機能の配布は、手持ちの現場用ユニットまたは中間的サイズの移
動用ユニットと、かなり異なることがあり得る。さらに、機能は、たとえば、定
性的同定から、単一ないし限られた数のサイトプログラム、さらに、大きなプロ
グラムライブラリを介した広範囲の反応の完全に定量的な評価まで、の範囲に及
ぶ特定の目的のために選択されることが可能である。
【0062】 図9の説明を続ければ、コントローラプログラムアーキテクチャは、モニタ上
でのグラフィック表示(以下の図10〜13に示されてる)、入力キーボード、
マウス、等を含むユーザインターフェース機能152を備える。温度プロファイ
ルは、メモリー160にあるプロファイルデータベース154に記憶される。個
別のチャンバサイトの個別の実行結果も、また、結果データベース156に記憶
される。さらに、メモリー160は、各熱交換モジュールの適応制御用の加熱/
冷却調節テーブルのデータベース182を備えるが、これは、以下で詳細に説明
される。
【0063】 ユーザ入力装置(マウス、キーボード、等)は、ユーザが、コンピュータポー
ト162を介してプロファイルインタープリタ170と通信することを可能にす
る。ユーザの選択に従って、プロファイルデータベース154からのプロファイ
ルが、バス168を介して呼び出され、プロファイルインタープリタ170に出
力される。すなわち、選択された熱交換モジュール上で実行されるべき熱サイク
ルプロファイルは、ユーザインターフェース152から選択され、プロファイル
インタープリタ170に入力される。さらに、熱サイクル器62からデバイスド
ライバ180を介して得られた温度信号は、プロファイルインタープリタ170
から出力され、ユーザインターフェース152に入力される。
【0064】 プロファイルインタープリタ170は、選択された熱プロファイルをヒータ電
力パルスの組を表現する信号に変換するが、これは、特定の各熱交換モジュール
に対して選択された熱プロファイルを実行するための、開始および終了(オン/
オフ)、電力レベルおよび継続時間、ファンのオン/オフ、等の信号である。入
出力制御ポート174は、デバイスドライバ180への入力となる目標温度を出
力する。同様に、デバイスドライバ180は、各熱交換モジュールの温度検知器
により検知された現在温度を、プロファイルインタープリタ170への入力とな
るデータとして、出力する。
【0065】 デバイスドライバ180は、各モジュールに対して加熱/冷却データベース1
82に記憶されているパルス強度値、パルス長値、および冷却長値に従って、特
定の、出力電力レベル、ヒータ電力の開始および終了時間、およびファン起動/
停止、を調節する。デバイスドライバ180は、シリアルバス65を通して、熱
サイクル器62にあるマイクロコントローラ82に、適切なデジタル信号を供給
する。次いで、マイクロコントローラ82は、温度プロファイルサイクルを実行
する。
【0066】 図10〜13は、好ましくはユーザインターフェース上でユーザに対して表示
される、一連のグラフィック表示を示す。当該技術に熟達した者には当然と認め
られるように、システムが起動する際には、従来の「スプラッシュ(splas
h)」画面が表示され、続いて、ユーザ識別および何らかのパスワード保護認証
入力を可能にするログオン画面が表示される。図10のプログラムメニュー画面
が、これに続く。左にある命令メニューボタン122を選択することにより、追
加の画面は何時でもアクセスされる。各画面が表示されているように、テキスト
ボックスおよびボタンには、システム操作用のオプションが示されてあり、各オ
プションを選択する方法をユーザに指示するテキスト情報またはアイコン情報を
伴っている。選択ボタン、チェックボックス、テキスト表示、グラフ表示、を含
むこのようなタイプの画面を制作することは、当該技術に通常程度の熟練度を有
するコンピュータプログラマにより行なうことができる。さらに、好ましくは、
ポップアップの「ツール情報」ヘルプメッセージが設けられており、ユーザが各
オプションを選択する方法を学習するのを支援する。これらのポップアップ情報
も、当該技術において良く知られている。
【0067】 ライブラリボタン124は、熱プロファイルプログラムと、メモリーに記憶さ
れている過去の熱サイクル実行の記憶結果とにアクセスする。結果ボタン126
は、過去の結果を閲覧するためのメニューにアクセスする。報告ボタン128は
、過去の熱サイクル実行からの実際の時間経過の温度経過の記録を印刷すること
を可能にする。プリファレンスボタン130は、ユーザが、頻繁に使用する入力
を、実行のために設定することを可能にし、また、保守ボタン132は、データ
ベース182(図9)のテーブルに記憶された電力パルス値を含むデータ構造を
、ユーザが調節することを可能にする。ログオフボタン134はプログラムを閉
じる。
【0068】 図11は、これを通してサイトプログラムや熱プロファイル(一以上の加熱お
よび冷却ステップの連続)が作成されるプログラムメニュー画面の見本を示す。
新たなプロファイルは、「新規」ボタンを選択することにより作成される。示さ
れたテンプレートは、ユーザが、メモリーに記憶される特定のユーザ定義プログ
ラムを作成することを可能にする。画面上に示された全てのデータは、空白から
開始するための「クリア」ボタンを選択することにより消去できる。小いさなウ
ィンドウ140に現われている数字が消え、次いで、ユーザは、「温度」および
「時間」の欄の下の上矢印または下矢印142を選択することにより適切な値を
入力できる。プラスキーおよびマイナスキー144は、ステップを追加するか、
あるいは消去するために使用される。小文字「x」のキーを選択することで全フ
ィールドが消去される。プログラムは、単一のステップを「保持」と解釈する。
複数のステップはサイクルと解釈され、中央欄148に示されているように、サ
イクルの数はユーザにより入力されても良い。プログラム名149は中央左側の
ウィンドウにあり、実行されるプログラムの簡単な説明151は左下側のウィン
ドウにある。次いで、プログラムは、「保存」が選択されれば既知の名称で保存
され、あるいは、「新規保存」が選択されれば、ウィンドウ149に入力された
名称でプログラムが保存されることが可能である。次いで、この新規プログラム
は、自動的に、熱プロファイルライブラリ、たとえば図9のプロファイルデータ
ベース154、に記憶される。「実行」ボタンを押すことにより、使用可能な反
応サイト(熱交換モジュール)が、特定のアドレスにより欄131に表示される
。一以上のサイトが選択可能であり、「実行」ボタンを再び押すことによりプロ
グラムが実行される。
【0069】 図12は、現在の熱サイクル状況を表示する装置メニュー画面の見本である。
1、2、3、4とラベルを付した4つのウィンドウの各々は、4モジュール装置
における4つの反応サイト(モジュール)の一つを識別する。第3サイトが選択
されていることに注意されたい、また、設定点温度55℃で実行される総時間が
表示されている。また、プロファイル設定温度と現在温度の双方が示されており
、この特定のステップでの残余時間も示されている。この画面は、また、これが
、3ステップの第1ステップであり、50サイクルの第3サイクルであり、この
サイクルで20秒が残されていることを示している。この画面は、また、反応の
進展のリアルタイム経過、すなわち画面の下半分を横切る表示155にある曲線
、を表示する。数字によって第1、第2、第3、第4、…、第Nの特定のサイト
を単に選択することにより、個別のサイトが呼び出せる。
【0070】 更なる命令には、選択された特定の反応サイトに影響を与える、「ポーズ」、
「継続」、および「停止」がある。「全停止」命令は、その時点で動作中の全て
の熱交換モジュールを停止させる。「停止」または「全停止」が選択された場合
には、これが不注意によって選択されたのではないことを確認するために、警告
プロンプトが現われる。反応が完了した際には、スクロールバーボタン157を
グラフの底に沿って移動させることにより、如何なる特定サイクルのリアルタイ
ム表示155が為されていても、この特定サイクルに選択されることが可能であ
る。
【0071】 図13は、ライブラリメニュー画面の見本を示す。図9を参照して上述したよ
うに、以前に保存されたプログラムはプロファイルデータベース154に記憶さ
れている。以前の実行からの結果は結果データベース156に記憶されている。
図13に戻れば、プログラムは、画面上半分にあるプログラム「名称」リストを
下にスクロールすることにより選択されても良く、次いで、「実行」を押すこと
により特定の反応サイト(熱交換モジュールの一つ)が割当てられる。個別プロ
グラムに関する詳細情報は、画面の左下の四半分159上に表示されるのであり
、「閲覧/編集」ボタンを選択することにより、以前に実行されたプログラムが
再び呼び出され閲覧されることが可能である。「削除」ボタンは、ポップアップ
の警告メッセージの後に、プログラムをライブラリから削除するために使用され
る。画面右下にあるプレビュー表示161は、選択された熱プロファイルの棒グ
ラフを示す。
【0072】 ユーザインターフェースプログラムは、また、好ましくは、特定の実行の結果
が、プログラム名、日付、オペレータ、およびサイトにより表示される、結果メ
ニュー画面を備える。この結果は、プログラム動作からのリアルタイムの結果で
あることが可能であり、あるいは、結果が、メモリー(図9の結果データベース
156)から呼び出されることも可能である。表示される情報は、好ましくは、
選択された熱プログラムに対する実行サイクルの全体の温度経過を含む。表示さ
れる情報は、また、好ましくは、プログラムの起動時刻および完了時刻、使用さ
れた熱交換モジュール(反応サイト)の特定、および最終プログラム状態(完了
、失敗、ユーザ停止、等)を含む。
【0073】 図14は、マルチサイト反応器システムのソフトウエア制御アプリケーション
全体におけるステップを示す模式的流れ図である。このアプリケーションはロー
ドされ、実行され、ユーザが望む温度プロファイルが存在するかを判断すること
により、ステップ302で開始する。このプロファイルが存在する場合には、ア
プリケーションはステップ306に進む。望ましいプロファイルが存在しない場
合には、これがステップ304で作成される。
【0074】 プロファイルは、好ましくは、図11に示された装置コントローラ画面を通し
て作成される。ユーザ/オペレータがプロファイル変数を初期化する。例えば、
キーボード、および/またはプログラムグラフィック表示上のボタン選択および
チェックボックス、を介して、所与のプロファイルの各温度ステップに対するサ
イクル数および設定点温度を入力する。例えば、図11に示されるように、ユー
ザは、95℃5分間保持の誘導で開始し、次いで、95℃30秒間、冷却55℃
30秒間、昇温72℃60秒間、の35サイクル(反復)を実行しても良い。実
行完了信号が発せられる前に、72℃7分間の最終保持が選択されても良い。次
いで、この温度プロファイルはプロファイルデータベース154に保存される。
【0075】 ステップ306においては、選択されたサイト(熱交換モジュールの選択され
た一つ)において或るプロファイルが実行されるようユーザが要請することに応
答して、所望の温度プロファイルがプロファイルデータベース154からロード
される。ステップ306においては、アプリケーションが、ユーザインターフェ
ースを通してユーザに対し、反応混合物を収容した反応容器を、選択されたモジ
ュールに装填するようプロンプトを表示する。ステップ310においては、次い
で、アプリケーションは、選択されたモジュールにおいて、反応混合物に対し、
選択された温度プロファイルを実行する。ステップ310は、以下で、図15を
参照して詳細に説明される。手短に言えば、選択された温度プロファイルは、プ
ロファイルインタープリタ70によりコンパイルされて中間形式となり、これは
、デバイスドライバ80により、熱サイクル装置62のマイクロコントローラ8
2に信号を供給するために使用される(図9を参照)。
【0076】 選択された温度プロファイルの実行は、一般に、温度検知器データをポーリン
グ、ピンギング(pinging)、またはサンプリングすることと、クロック
時間の進展に伴ってこのデータを所定の設定点温度と関連づけることとの、繰返
しループを含む。同時に、制御ソフトウエアアプリケーションは、選択されたプ
ロファイルと、選択された熱交換モジュールにおける熱板の現在温度との双方を
、画面上に、熱サイクルが実行されるに従ってリアルタイムで表示する。サイク
ルカウンタiは、当初、i0=0に初期化され、これは、選択されたサイクル数 まで、サイクル毎に増分される。選択サイクル数が完了した後、プログラムは、
この特定の実行が「終了」したという信号を発し、また、タイマーカウンタは、
サイクルの総時間に到達している。ステップ312においては、完了したプロフ
ァイルと、反応生成物の検出等の実行結果とがユーザインターフェース上に表示
されると共に、結果データベース156に保存される。
【0077】 図15は、選択された熱交換モジュールにおいて、反応混合物に対し、選択さ
れた温度プロファイルを実行する際に(図14におけるステップ310)行なわ
れるステップを示す。ステップ402においては、モジュールにある熱板の温度
がポーリングされる。板温度のポーリングは、好ましくは、温度プロファイルの
実行中を通して100ミリ秒毎に行なわれる。図3に示したように、サーミスタ
36A、36B等の温度検知器は、板温度を示すアナログ信号を出力する。この
アナログ信号はデジタル信号に変換され、制御アプリケーションにより受信され
る。制御アプリケーションは、2つの板の温度を平均し、板温度を決定する。
【0078】 ステップ404においては、アプリケーションが、プロファイル目標温度、す
なわちプロファイルの特定時刻に対してユーザにより指定された設定点温度、と
、板温度との間の差(デルタ)を決定する。判断ステップ406において、アプ
リケーションは、この差がしきい値、たとえば10℃、より大きいかを判断する
。差が、しきい値より大きい場合には、アプリケーションはステップ408に進
み、板温度を上昇させる。昇温に含まれるステップは、以下で、図16を参照し
て詳細に説明される。
【0079】 差が、しきい値より大きくない場合には、アプリケーションは、ステップ41
0において、板温度が現在の設定点温度より所定量、たとえば10℃、を越えて
高いか判断する。そうである場合には、アプリケーションはステップ412に進
み、板温度を下降させる。板の降温に含まれるステップは、以下で、図17を参
照して詳細に説明される。ステップ412に続いて、アプリケーションはステッ
プ414に進む。
【0080】 ステップ414において、アプリケーションは、熱板を現在の設定点温度に維
持するために、標準の比例−積分−微分(PID)制御を実施する。比例動作は
、「オフ」時間に対する「オン」時間の比を変更することによるか、あるいは、
好ましくは、当該技術において知られているように、比例アナログ出力を用いる
ことにより、行なわれても良いのであるが、後者の方法は、実際の板温度が設定
点温度に近づくにしたがって、ヒータまたはファンに供給される平均電力を減少
させるものである。PID制御は、比例モードを、自動リセット機能(偏差信号
を時間積分する)およびレート動作(積分と偏差信号とを加え、比例バンドをシ
フトする)と組合せたものである。オメガ・エンジニアリング・インコーポレイ
テッド(コネチカット州スタムフォード)による1990/91年版・温度ハン
ドブックは、ページP−5〜P−10の「温度コントローラ序論」に、様々な制
御モードの説明を載せている。標準のPID制御は、当該技術において良く知ら
れており、本明細書において更に説明する必要はない。
【0081】 ステップ416において、アプリケーションは、プロファイルが完了したか、
たとえば全ての熱サイクルが完了しているか、を判断する。YESの場合にはプ
ロファイル実行が終了する。そうでない場合には、次いで、アプリケーションは
ステップ402に戻り、実際の板温度をポーリングし、プロファイルが完了する
まで、ループが再実行される。
【0082】 図16は、昇温ルーチン(図15におけるステップ408)に含まれるステッ
プを示す。オプションであるステップ502においては、熱板上のヒータが予備
的に起動され、ヒータと、熱板間に挿入された容器に収容された反応混合物との
間の温度の遅れを補償することを助ける。この遅れが発生するのは、熱は、板の
質量を通り、次いで、容器壁を横切り、反応混合物中に伝達するという必要があ
るからである。ステップ504においては、選択された熱交換モジュールが所望
の設定点に到達するための適切なパルス長値およびパルス強度値が、データベー
ス182にある、モジュール用の探索テーブルから読出される。パルス強度値は
、所望の設定点温度に到達するためにヒータに印加されるべき強度(ワット数、
電力レベル、等)を指示し、パルス長値は、電力パルスの適切な継続時間、たと
えば秒数、を指示する。
【0083】 ステップ506においては、パルス強度値により指示された強度で、電力パル
スがヒータに印加される。電力パルスの印加に伴い、コントローラは、熱板の実
際の計測温度を示すサーミスタからの温度信号を受信するが、これがステップ5
08である。ステップ510において、コントローラは、パルス長値により指示
された継続時間が経過した場合か、あるいは熱板の温度がしきい値に達した場合
に、電力パルスの印加を終了する。このしきい値は、所望の設定点温度に等しく
設定されても良く、あるいは、より好ましくは、オーバーシュートを制御するた
めに、設定点温度より1ないし3℃低く設定されても良い。
【0084】 電力パルスが印加され、遮断された後には、ステップ512において、板温度
がモニタされ、温度上昇が追跡される。板温度の上昇が止まった時に、実際に到
達した最高の板温度が所望の設定点温度と比較され、設定点温度のアンダーシュ
ートまたはオーバーシュートがあったかが判断される。実質的な変化、たとえば
0.1℃ないし0.5℃を越えるアンダーシュートまたはオーバーシュート、が
ある場合には、特定の熱交換モジュールが特定の設定点温度に到達するために記
憶されているパルス長値またはパルス強度値が、ステップ514において調節さ
れる。
【0085】 パルス長値およびパルス強度値は、好ましくは、オーバーシュートの場合には
、所定の割合、たとえば1%ないし5%、だけ片方または双方を減少させること
により、また、アンダーシュートの場合には、所定の割合、たとえば1%ないし
5%、だけ片方または双方を増加させることにより、調節される。あるいは、パ
ルス強度値が最大電力で固定され、パルス長値のみが調節されても良い。これに
より、設定点温度が、可能な限り速やかに到達されることが保証される。新たな
パルス長値およびパルス強度値は、好ましくは、加熱/冷却データベース182
(図9)に上書きされる。あるいは、これらの値は、熱交換モジュールのメモリ
ー114(図8)に記憶され、調節されても良い。他の実施例においては、調節
された値は、診断解析用に保存されている旧値の「下書き」履歴を有する結果デ
ータベース156中に保存されても良い。
【0086】 図17は、降温ルーチン(図15におけるステップ412)に含まれるステッ
プを示す。オプションであるステップ602においては、新たな設定点温度より
高い設定点温度を有する先行せる温度プロファイルステップの終了に先立ち、選
択された熱交換モジュールにあるファンが予備的に起動される(最高速度まで回
転加速される)。ファンの予備的駆動(回転加速)は、上述した温度遅れの補償
を助け、温度プロファイルがより低い設定点温度への移行を要求したその時点で
、ファンが最大能力の冷却を提供する準備ができていることを保証する。
【0087】 ステップ604においては、選択された熱交換モジュールが所望の設定点に到
達するための適切な冷却長値が、データベース182にあるそのモジュール用の
探索テーブルから読出される。冷却長値は、ファンが作動される適切な継続時間
を指示する。ステップ606において冷却が開始される。ファンが空気を噴き出
すに伴い、コントローラは、熱板の実際の計測温度を示すサーミスタからの温度
信号を受信するが、これがステップ608である。ステップ610において、コ
ントローラは、冷却長値により指示された継続時間が経過した場合か、あるいは
熱板の温度が所定値、たとえば所望の設定点温度、に達した場合に、冷却を終了
する(ファンを停止させる)。
【0088】 ファンが停止された後、ステップ612において、板温度が計測され、所望の
設定点温度と比較され、設定点温度のアンダーシュートまたはオーバーシュート
があったかが判断される。実質的な変化、たとえば0.1℃ないし0.5℃を越
えるアンダーシュートまたはオーバーシュート、がある場合には、これに従って
、特定の熱交換モジュールが特定の設定点温度に到達するための冷却長値が、ス
テップ614において調節される。
【0089】 冷却長値は、好ましくは、所定の割合、たとえば1%ないし5%、だけ減少さ
せるか、あるいは増加させるか、適切な方を行なうことにより調節される。この
冷却長値は、好ましくは、加熱/冷却データベース182(図9)に上書きされ
る。あるいは、この値は、熱交換モジュールのメモリー114(図8)に記憶さ
れ、調節されても良い。他の実施例においては、調節された値は、診断解析用に
保存されている旧値の「下書き」履歴を有する結果データベース156中に保存
されても良い。
【0090】 図18Aは、一つの熱交換モジュール上で実行される熱プロファイルの例のグ
ラフである。図18Bは、図18Aに示された熱プロファイルを実行するために
必要な、対応する加熱/冷却電力パルススケジュールのグラフである。この例に
おいては、ヒータ電力は初期には、最大電力、たとえば50ワット、で2秒間だ
け印加され、60℃から、第1の設定点温度S1である95℃まで昇温される。 サーミスタにより追跡された実際の温度プロファイルは、曲線186として示さ
れている。初期電力パルス188は、板温度を設定点S1まで上昇させ、この電 力パルス188は、実際の板温度が設定点温度S1に到達する以前の時刻t1に、
遮断される。電力パルス188の起動は、設定点温度S1が開始する時刻t0以前
に、開始することができる(遅れ補償の予備的加熱)。
【0091】 第2の、より低電力のパルス190が時刻t2に開始し、この例においては時 刻t3に予定された設定点温度S1の終了まで、継続する。典型的には、通常は生 化学反応用の設定点より低いのである周囲室温への熱損失により、放射損失およ
び対流損失を補償するために、プロファイルのプラトーの間にも、連続的な低い
ヒータ電力が必要である。時刻t3には冷却ファンが起動されるのであり、実際の
温度が、選択されたサイトプロファイルの第2の、より低い、設定点温度S2に 達するより以前の時刻t4まで、ファンの動作が継続される。第3のヒータ電力パ
ルス194は、板温度を第2の設定点温度S2に維持する。この電力パルスは、 非常に短い最大電力のスパイクであっても良く、あるいは、示したように、低い
ワット数の継続的な電力印加であっても良い。電力パルス194の終了において
サイクルが反復され、先ず電力パルス196が印加され、電力パルス196がこ
れに続く、等々。
【0092】 図19Aおよび19Bは、上述したシステムおよびプログラムの適応制御を示
す。これらの図の双方の縮尺は、4つのサイクルC−1ないしC−4が示される
べく、双方のグラフのX軸において圧縮されている。この例においては、第1の
電力パルスA1が、第1の設定点T1のオーバーシュートを発生させた。上述した
自己調節および制御の特性の結果、第2サイクルC−2の開始時に印加されるヒ
ータパルス電力A2は、オーバーシュートを補償するために、継続時間が短いの であり、この結果、板温度は第2の設定点温度T2に到達する。
【0093】 第3サイクルC−3においては、例示の目的で、実際の板温度が第3の設定点
温度T3からアンダーシュートを起こしている。これにより、次のサイクルC− 4において、ヒータ電力パルスA4の時間が延長され、温度が第4の設定点温度 T4に到達せしめられている。
【0094】 図19Bには示されていないが、ファン「オン」継続時間F1ないしF4も、よ
り低い設定点温度のアンダーシュートおよびオーバーシュートを制御するために
調節されることが可能である。光学的データも、好ましくは、本発明のシステム
におけるフィードバック制御として利用される。リアルタイムの光学的検出が、
反応の進行を示唆するものとして利用される。たとえば、熱交換モジュール内の
反応混合物において、特定の所定の蛍光しきい値が検出された場合に、このモジ
ュールの温度サイクルが停止されても良い。さらに、一以上の反応成分の、選択
された温度感受性色素置換基は、反応温度を指示するために有用である。色変化
等の色素活性化の光学的検出は、熱スケジュールだけでなく、反応物および生成
物の状態や条件、等のサイクルパラメータ、および定量的生成に有用である。多
数の発光波長がサンプルされ、たとえば、反応の進行、終了点、試薬添加のトリ
ガー、変性(融解)、アニール、等を決定することができる。
【0095】 生成物形成の光学的検査等のリアルタイムのモニタ方法で得られたデータは、
好ましくは、装置コントローラにフィードバックされ、光学的「読出し」パラメ
ータを変更または調節する。光学的読出しパラメータの例としては、読出しの長
さ、光源への電力入力または頻度、どの波長が何時モニタされたか、等が挙げら
れる。蛍光強度、および、ある場合には波長と吸収も、は温度感受的である。し
たがって、光学的読出しは、反応プロセス中の反応混合物の温度のリアルタイム
モニタに利用することができる。たとえば、光学系が、熱交換操作または熱交換
シーケンス中に3回以上、蛍光または吸収の強度を読出す場合には、コントロー
ラは、計算するか、あるいは標準曲線と照合して、反応混合物の温度を決定する
【0096】 実行中の反応プロセス中に一連の光学的読出しを適応的に変更するタイプのフ
ィードバック制御が、本発明のシステムで使用されても良い。たとえば、反応プ
ロセスの開始時点に、選択された波長の第1の組が照射され、検出される。これ
らは、反応プロセスの後の方の段階では変更される。この、光学的検査パラメー
タの切替は、反応中の如何なる選択された時点においても自動的に行なわれるこ
とが可能であり、この切替は、プロファイル温度目標点からの実際の、あるいは
前兆の、偏差(アンダーシュート、オーバーシュート、あるいは、安定状態温度
からのずれ)を検出する。冷却または加熱は、スケジュールされているより早く
か、または遅くに開始されることが可能であり、この一時的なスケジュール変更
はメモリーに入力される。次のサンプルにおいてか、あるいは引き続く多数のサ
イクルで一時的なずれが検出された後に、プロファイルが、新たな基本スケジュ
ールとしてリセットされ、メモリーにあるデータ構造となる。これが、温度プロ
ファイルの、光学的検出に基づく適応制御の例である。
【0097】 図20〜22は、本発明の第2実施例を示す。第2実施例は、反応混合物を熱
的に制御するための、コンピュータを用いたPID制御に、重要な改良を提供す
る。第2実施例において、コントローラは、熱板と、反応容器に収容された反応
混合物との間の熱的遅れを補償すべくプログラムされている。この熱的遅れは、
加熱中に、熱が板から容器の壁を通して反応混合物中に伝達される必要により、
あるいは冷却中に、熱が反応混合物から容器の壁を通して板および/または周囲
空気に伝達される必要により、引き起こされる。
【0098】 第2実施例においては、選択された熱交換モジュールで所望の熱プロファイル
を実施するためにコントローラにより実行されるプログラム命令全体は、図15
を参照して既に説明したものと同一である。コントローラは、ステップ402に
おいて、熱板の温度をポーリングし、さらに、ステップ406において、板温度
と現在の設定点温度との差がしきい値、たとえば10℃、より大きいかを判断す
る。そうである場合には、コントローラは、ステップ408で昇温ルーチンを実
行する。板温度が、設定点温度より上の所定値である場合には、コントローラは
、ステップ412で降温ルーチンを実行する。他の場合には、コントローラは、
標準のPID制御を用いて定常状態温度を維持する。
【0099】 しかし、熱板の温度を上昇させる、および下降させる、ためにコンピュータに
より実行されるステップにおいて、第2実施例は第1実施例と異なっている。第
2実施例においては、改良されたPID制御プログラムを用いて昇温される。標
準的なPID制御においては、ヒータに供給される電力は、装置の実際の計測温
度と所望の設定点温度との間の差(誤差)に依存する。したがって、ヒータまた
はファンに供給されている平均電力は、板の実際の温度が設定点温度に近づくに
つれ、減少する。設定点温度に到達する以前に、ヒータまたはファンに供給され
ている平均電力が減少するので、反応混合物は、可能な限り速やかに設定点温度
に到達するのではない。この温度遅れは、副反応、望まない泡の形成、ある温度
での反応成分の劣化、等の原因となり得る。
【0100】 本発明の第2実施例は、この標準的PID制御の欠点を克服する、改良された
PID制御プログラムを提供する。図20は、第2実施例に係る、反応混合物の
温度を上昇させるために実行されるステップを示す。ステップ702において、
コントローラは、初期には所望の設定点温度を越えている可変な目標温度を設定
する。たとえば、設定点温度が95℃である場合には、可変な目標温度の初期値
は、2℃ないし10℃高く設定されても良い。
【0101】 ステップ704において、コントローラは、板温度を可変な目標温度まで上昇
させるために加熱要素に供給されるべき電力のレベルを決定する。コントローラ
は、可変な目標温度を標準的PID制御アルゴリズムに入力することによりこの
電力レベルを決定する。したがって、ヒータに供給されるべき電力レベルは、実
際の板温度と、所望の設定点温度より高い目標温度との間の差(誤差)によって
決定される。この、より高い目標温度によって、より高いレベルの電力が、板を
加熱するためのヒータに供給されることが保証され、したがって、反応混合物は
、より速やかに設定点温度に達する。ステップ706において、コントローラは
、ベース装置にある電力および電源制御回路に対し、決定されたレベルでヒータ
に電力を供給する制御信号を送信する。
【0102】 判断ステップ708において、コントローラは、板の実際の計測温度が所定の
しきい値以上であるかを判断する。適切なしきい値は、所望の設定点温度自身か
、あるいは、設定点温度から1℃ないし2℃低い温度、たとえば設定点温度95
℃に対して93℃ないし94℃、である。実際の板温度が所定のしきい値を越え
ていない場合には、コントローラはステップ704に戻り、板温度がしきい値以
上になるまでループを反復する。
【0103】 板の実際の計測温度がしきい値以上である場合には、コントローラは、ステッ
プ710において、可変な目標温度を減少させる。コントローラは、好ましくは
、可変な目標温度が設定点温度を超過する量を指数関数的に減少させることによ
り、可変な目標温度を減少させる。たとえば、可変な目標温度が所望の設定点温
度を超過する量は、次式 Δ=(Δmax)*e(-t/tau) によって、時間の関数として指数関数的に減少されてもよいのであり、ここで、
Δは、可変な目標温度が所望の設定点温度を超過する量に等しく、Δmaxは、可 変な目標温度の初期値と所望の設定点温度との間の差に等しく、tは、減少開始
からの1/10秒単位での経過時間に等しく、tauは、減少時定数に等しい。
本発明のシステムにおいては、tauは、好ましくは、1秒ないし4秒の範囲の
値を有する。現時点では、試験時および較正時に各熱交換モジュールに対してt
auを経験的に決定し、モジュールのメモリー114(図8)にtauの値を記
憶することが好ましい。
【0104】 上に与えた指数関数式は現時点では好ましいのであるが、他の多数の指数関数
的減少公式が利用されても良く、また、これらが本発明の範囲内に属することは
、理解されるべきである。さらに、可変な目標温度は、他の手法により減少され
ても良く、たとえば、これが直線的に減少されても良い。
【0105】 ステップ712において、コントローラは、板温度を、減少された目標温度ま
で上昇させるために加熱要素に供給されるべき電力の新たなレベルを決定する。
コントローラは、減少された目標温度をPID制御アルゴリズムに入力すること
により、この電力レベルを決定する。ステップ714において、コントローラは
、ベース装置にある電力および電源制御回路に対し、新たに決定されたレベルで
ヒータに電力を供給する制御信号を送信する。
【0106】 判断ステップ716において、コントローラは、可変な目標温度が設定点温度
以下であるかを判断する。そうでない場合には、コントローラはステップ710
に戻って目標温度を減少させ、また、可変な目標温度が設定点温度以下となるま
で、ループが継続する。可変な目標温度が設定点温度以下である場合には、昇温
ルーチンは終了し、標準的PID制御が復帰される。
【0107】 図21は、反応混合物の温度を所望の設定点温度まで下降させるために実行さ
れるステップを示す流れ図である。ステップ802において、コントローラは、
初期には所望の設定点温度より低いのである可変な目標温度を設定する。たとえ
ば、設定点温度が60℃である場合には、可変な目標温度の初期値は、2℃ない
し10℃低く、すなわち50℃ないし58℃に、設定されても良い。
【0108】 ステップ804において、コントローラは、板の実際の計測温度がしきい値、
好ましくは可変な目標温度、以下となるまでファンを作動させる。ステップ80
6において、コントローラはファンの作動を停止させ、また、目標温度を増加さ
せるのであるが、その際、好ましくは、上に与えた指数関数的減少式を用いて、
可変な目標温度が設定点温度から異なる量を指数関数的に減少させることにより
行なう。冷却の場合には、tauは、好ましくは、1秒ないし5秒の範囲にある
が、好適な値は約3秒である。上に与えた加熱例におけると同様に、tauは、
試験時または較正時に各熱交換モジュールに対してを経験的に決定され、モジュ
ールのメモリーに記憶されても良い。あるいは、可変な目標温度は、直線的に減
少されても良い。
【0109】 ステップ808において、コントローラは、板温度を、増加された目標温度ま
で上昇させるために加熱要素に供給されるべき電力のレベルを決定する。コント
ローラは、増加された目標温度をPID制御アルゴリズムに入力することにより
、この電力レベルを決定する。ステップ810において、コントローラは、ベー
ス装置にある電力および電源制御回路に対し、決定されたレベルでヒータに電力
を供給する制御信号を送信する。
【0110】 判断ステップ812において、コントローラは、可変な目標温度が設定点温度
以上であるかを判断する。そうでない場合には、コントローラはステップ806
に戻って目標温度を増加させ、また、可変な目標温度が設定点温度以上となるま
で、ループが継続する。可変な目標温度が設定点温度以上である場合には、降温
ルーチンは終了し、定常状態PID制御が開始する。
【0111】 図22は、本発明の第2実施例に係る熱制御の一例を示すグラフである。所望
の熱プロファイルは曲線201により示されている。熱プロファイルは、第1の
設定点温度S1、たとえば60℃、で始まり、時刻t1に第2の温度S2、たとえ ば95℃、にジャンプし、時刻t4に第1の設定点温度S1に戻る。
【0112】 曲線202は、熱板の加熱を制御するための第1の可変な目標温度を表わして
いる。曲線203は、サーミスタにより計測された板の実際の温度を表わし、曲
線204は、板により加熱された反応混合物の実際の温度を表わす。時刻t1に 、可変な目標温度は、第2の設定点温度S2を越える初期値、たとえば98℃、 に設定される。板は、板温度がしきい値に達するまで、速やかに可変な目標温度
に向かって加熱される。この例では、しきい温度は設定点温度S2であり、板は 、時刻t2で、これに到達する。
【0113】 板温度が、時刻t2で、しきい温度に到達する時に、コントローラは、可変な 目標温度が設定点温度S2を超過する量を指数関数的に減少させることを開始し 、時刻t3で設定点温度に等しくなるまで、目標温度の減少を継続する。可変な 目標温度を設定点温度より上に設定することは、曲線203により示されている
ように、時刻t3で温度が平衡に達するまで、板温度を設定点温度S2から一時的
にオーバーシュートさせる。次いで、これが、曲線204により表わされている
ように、反応混合物の温度が、より速やかに上昇すると共に、曲線201により
示されている所望の温度プロファイルに、より近づくことを保証する。反応混合
物の、より近い温度整合性は、望まない副反応の防止、光学的検出を阻害する空
気泡の形成の防止、等の多数の利点を有する。
【0114】 同様に、冷却中の反応混合物の温度は、曲線205により示されているように
初期には設定点温度S1より低い、たとえば55℃の、第2の可変な目標温度を 設定することにより、所望の熱プロファイルに、より近く従わせることができる
。熱板および反応混合物は、曲線206により表わされているように、板温度が
時刻t5に、設定点温度S1より下の所定の温度に到達するまで、ファンにより冷
却される。次いで、コントローラは、目標温度が設定点温度S1から異なる量を 指数関数的に減少させることを開始し、時刻t6で温度が平衡に達するまで行な う。次いで、コントローラは、標準的PID制御を開始し、定常状態を維持する
【0115】 図14〜17および図20〜21に関する疑似コードが、C+やJava等の
適切なオブジェクト指向プログラム言語においてインプリメントされることが可
能であることは、当該技術に熟達した者には明らかであろう。
【0116】 本発明のマルチサイト反応器システムは、多くの用途における利用が見込まれ
る。本システムは、核酸増幅のように、試料に化学反応を起こさせるために使用
されても良い。たとえば、試料は、ポリヌクレオチド、Taqポリメラーゼ等の
ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、ポリヌクレオチド試料とハイブリッド形
成可能な第1プライマー、および、このポリヌクレオチドに相補的な配列とハイ
ブリッド形成可能な第2プライマー、と混合されても良い。必要な試薬のいくつ
か、または全て、が出荷時に反応容器内に存在しても良く、あるいは、これらが
、容器の入口ポートを通して送られる試料および反応混合物に添加されても良い
。あるいは、試薬が、試料とは独立に、容器の反応チャンバに送られても良い。
ポリメラーゼ連鎖反応は、当該技術において良く知られた方法で実施されても良
い。
【0117】 本発明においては、ポリメラーゼ連鎖反応によるポリヌクレオチド増幅が説明
されてきたが、本発明の装置および方法が、他の様々なポリヌクレオチド増幅反
応およびリガンド結合アッセイにも同様に効果的に使用され得ることは、当該技
術に熟達した者には認識されるであろう。このような追加の反応は、ポリメラー
ゼ連鎖反応のような熱サイクル反応であっても良く、あるいは、それらが、核酸
配列ベース増幅(NASBA:nucleic acid sequenced
−based amplication)のように、単一の温度で実施されるも
のであっても良い。さらに、このような反応は、なかでも、DNAリガーゼ、T
7 RNAポリメラーゼ、および/または逆転写酵素、等の広範囲の増幅試薬お
よび酵素を用いても良い。本発明のシステムで実行され得るポリヌクレオチド増
幅反応には、(1)自己維持型配列複製(3SR:self−sustaine
d sequence replication)やストランド変位増幅(SD
A:strand−displacement amplification)
等のターゲットポリヌクレオチド増幅法、(2)「分岐鎖」DNA増幅のように
、ターゲットポリヌクレオチドに取付けた信号の増幅に基づいた方法、(3)リ
ガーゼ連鎖反応(LCR:ligase chain reaction)やQ
Bレプリカーゼ増幅(QBR:QB replicase amplifica
tion)のように、プローブDNAの増幅に基づいた方法、(4)リゲーショ
ン活性化転写(LAT:ligation activated transc
ription)や核酸配列ベース増幅(NASBA)等の転写ベースの方法、
および(5)修復連鎖反応(RCR:repair chain reacti
on)やサイクルプローブ反応(CPR:cycling probe rea
ction)等の他の様々な増幅法、が挙げられるが、これらに制限されるもの
ではない。
【0118】 上述の増幅法に加えて、他の化学反応または生化学反応の用途が期待される。
たとえば、細胞の温度制御溶解が、本発明の他の用途であるが、これが、上述の
増幅法と組み合わされても良く、組み合わされなくとも良い。多くの場合に、こ
れは、細胞を含んだ溶液の温度を37℃まで数分間上昇させ、タンパク分解酵素
を作用させ、次いで、温度を上昇させて95℃に保持することにより実施される
。数秒ないし数分の後、細胞が溶解され、核酸等の目標成分が放出され、次いで
、これが、増幅等の更なる処理を受けることができる。他の用途においては、た
とえば、高速熱ポリメラーゼ連鎖反応を用いてmRNA発現状態を研究する場合
において、温度を0℃ないし4℃に降下させることにより、溶解の直後に更なる
化学反応をすぐに停止することが望まれることがある。本発明のシステムにより
提供されるような高速熱勾配が、このような機能を可能にする。
【0119】 さらに、開示された装置は、化学反応を制御し検査するために使用されること
が可能である。酵素反応速度論研究においては、たとえば、反応を開始する前に
、0℃ないし4℃等の降下された温度で試験反応混合物を保持し、次いで、反応
混合物を、降下された保持温度、たとえば4℃、から最適な反応温度まで速やか
に移すことが有利である。中間温度で起こる、望まない副反応が低減されるか、
または排除され、より正確な測定と、生成物のより高い純度とが得られる。さら
に、このアプローチは、多数の異なる温度に変化させること、あるいは反応を停
止させるために周期的に温度を下降させること、を可能にすることにより制御さ
れ研究されることが可能になるところの、より複雑な化学反応および生化学反応
に対して拡張されることが可能である。
【0120】 このような温度制御は、蛍光均質イムノアッセイ等のリガンド結合反応用に、
開発されることが可能である。反応開始イベントが正確に実行されること、およ
び、引き続く反応保持温度が、熱勾配なく正確に制御されることが可能であるの
で、より良いアッセイ性能が達成され得る。本発明の他の用途は、熱エネルギー
を化学反応に伝達することを必要とする用途を扱う本発明の範囲内と考えられる
【0121】 以上で、本発明は、特定の実施例および図面を参照して説明されてきた。しか
し、本開示に基づいて記載された装置および方法に対して、本発明の広い範囲か
ら逸脱することなく、変更や置換が為され得ることは、理解されるべきである。
したがって、本発明の範囲は、請求範囲と、その法的な等価物とにより判断され
ねばならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る反応容器の、部分的に分解された斜視図であり、チ
ャンバの内部を見せるために反応チャンバ側壁が取外されている図である。
【図2】 図1の容器の正面図である。
【図3】 対向する熱板により形成された熱スリーブに挿入された、図1の
容器の側面図である。
【図4】 熱スリーブと、回路ボードに結合された光学アセンブリと、冷却
システムとを備えた、本発明に係る熱交換モジュールの模式的側面図である。反
応容器が熱スリーブ中に挿入されている。
【図5】 各反応サイトの、動的かつ独立であり、さらにコンピュータを用
いた、制御を行なうマルチサイト反応器システムの斜視図である。
【図6】 コンピュータにデージーチェーン接続された多数の熱サイクル装
置を備えた、本発明に係る他のマルチサイト反応器システムの模式的ブロック図
である。
【図7】 図5のシステムのベース装置の模式的ブロック図である。
【図8】 図4の熱交換モジュールの模式的ブロック図である。
【図9】 図5のシステムの制御、診断、および操作の機能のためのコンピ
ュータコントローラのアーキテクチャを示す模式的ブロック図である。
【図10】 ユーザによる機能選択のためのグラフィカル・ユーザインター
フェース上に再生されることが好ましい図9のアーキテクチャを示すブロック図
である。
【図11】 ユーザのコンピュータモニタ上で見られる、本発明に係るグラ
フィック表示の一連の見本である。これを通してサイトプロファイルが作成され
ると共に実行されることが可能なプログラムメニュー画面を示す。
【図12】 ユーザのコンピュータモニタ上で見られる、本発明に係るグラ
フィック表示の一連の見本である。現在の熱サイクル状況を表示する装置メニュ
ー画面を示す。
【図13】 ユーザのコンピュータモニタ上で見られる、本発明に係るグラ
フィック表示の一連の見本である。これを通して、プロファイルおよび結果がロ
ードのために呼び出し可能であり、プロファイルの場合には装置操作のために実
行されるか、あるいは、結果の場合には、報告書に印刷することおよび/または
他の顧客に対して転送することに関して実行されるのである、ライブラリメニュ
ー画面を示す。
【図14】 図5のシステムの全体的制御および操作を示す流れ図である。
【図15】 選択された温度プロファイルを図5のシステム上で実行するた
めのステップを示す流れ図である。
【図16】 本発明の第1実施例に係る電力パルスの適応制御を用いて、反
応混合物の温度を上昇させるためのステップを示す流れ図である。
【図17】 本発明の第1実施例に係る冷却時間の適応制御を用いて、反応
混合物の温度を下降させるためのステップを示す流れ図である。
【図18A】 本発明の第1実施例に係る、熱サイクルスケジュールと、対
応するヒータ電力およびファン動作の使用とを関連づけた1対のグラフである。
【図18B】 本発明の第1実施例に係る、熱サイクルスケジュールと、対
応するヒータ電力およびファン動作の使用とを関連づけた1対のグラフである。
【図19A】 第1実施例の適応制御特性を示す1対のグラフであり、ここ
では、リアルタイムで温度をモニタすることを通して、ヒータパルスおよびファ
ンのオン/オフ操作を調節することにより、動作中に、プログラムサイクルスケ
ジュールのオーバーシュートおよびアンダーシュートが自動的に補償される。
【図19B】 第1実施例の適応制御特性を示す1対のグラフであり、ここ
では、リアルタイムで温度をモニタすることを通して、ヒータパルスおよびファ
ンのオン/オフ操作を調節することにより、動作中に、プログラムサイクルスケ
ジュールのオーバーシュートおよびアンダーシュートが自動的に補償される。
【図20】 本発明の第2実施例に係る、反応混合物の温度を上昇させるた
めのステップを示す流れ図である。
【図21】 本発明の第2実施例に係る、反応混合物の温度を下降させるた
めのステップを示す流れ図である。
【図22】 本発明の第2実施例に係る、所望の熱サイクルスケジュールと
、対応する温度変化の制御とを示すグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月12日(2000.1.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 エム・アレン・ノースロップ アメリカ合衆国94708カリフォルニア州バ ークリー、ビスタモント・アベニュー616 番 (72)発明者 カート・イー・ピーターセン アメリカ合衆国95148カリフォルニア州サ ンノゼ、バレー・リッジ・レイン3655番 (72)発明者 ウィリアム・エイ・マクミラン アメリカ合衆国95014カリフォルニア州ク ペルティノ、プレシディオ・ドライブ8051 番 (72)発明者 コンスタンティン・オスマー アメリカ合衆国94041カリフォルニア州マ ウンテン・ビュー、オーク・ストリート 550番 (72)発明者 リー・エイ・クリステル アメリカ合衆国95306カリフォルニア州パ ロ・アルト、ラ・ドンナ・ストリート3747 番 Fターム(参考) 4B063 QA18 QA19 QQ03 QQ05 QQ08 QQ16 QQ42 QQ79 QR08 QS24 QS25 QS39 QX02 4G075 AA62 AA63 CA02 CA03 DA01 DA04 DA05 5H323 AA40 BB05 CB02 CB12 CB25 CB33 CB44 DA01 DB11 EE03 EE05 FF04 HH02 JJ10 KK01 KK05 LL01 LL02 LL07 LL19 LL25 LL28 MM03 MM04 MM09 NN03 【要約の続き】 継続時間を動的に調整するために、適応した制御プログ ラムを有する。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の反応混合物を熱的に制御するためのシステムであって
    、このシステムが、 a) 混合物を保持するための複数の反応容器と、 b) この容器を受容するための、対応する複数の熱交換モジュールであって
    、各モジュールが、 i) 容器の一つに接触するための少なくも一つの熱板と、 ii) 容器に収容された反応混合物を加熱するためにこの板に結合された
    加熱要素と、 iii) 板の温度を計測するための温度検知器、 とを備える複数のモジュールと、 c) 各熱交換モジュールの加熱要素に供給される電力の量を調整するための
    少なくも一つ電力調整器と、 d) 各熱交換モジュールについて、 i) 熱板を所望の設定点温度に加熱するために加熱要素に供給されるべき
    電力パルスの強度を指示するパルス強度値と、 ii) 熱板を設定点温度に加熱するために加熱要素に供給されるべき電力
    パルスの継続時間を指示するパルス長値、 とを記憶するための少なくも一つのメモリーと、 e) メモリー、電力調整器、および、各熱交換モジュールの温度検知器、と
    通信せるコントローラであって、このコントローラが、 i) モジュール用に記憶されたパルス強度値およびパルス長値により、そ
    れぞれ、指示された強度および継続時間で、加熱要素に電力パルスを供給するよ
    う電力調整器に命令する制御信号を送信することと、 ii) 温度検知器から、板の計測温度を示す温度信号を受信することと、 iii) 板の計測温度がしきい値に到達した場合か、またはパルス長値に
    より指示された継続時間が経過した場合に、電力パルスを終了させることと、 iv) 電力パルスが完了した後に、設定点温度と、板の計測温度との間の
    差に従って、メモリーに記憶されたパルス長値またはパルス強度値を調節するこ
    と、 により、各熱交換モジュールを独立に制御して、これに収容された反応混合物
    を加熱するためのプログラム命令を備えるコントローラ、 とを備えるシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1のシステムであって、各熱交換モジュールが、熱板
    および反応混合物を冷却するための冷却装置を更に備え、メモリーが、各熱交換
    モジュールについて、熱板を第2の設定点温度に冷却するために冷却装置が作動
    されるべき継続時間を指示する冷却長値を更に記憶し、コントローラが、 i) 冷却装置を作動させて、熱板および反応混合物の冷却を開始すること
    と、 ii) 検知器から、板の計測温度を示す温度信号を受信することと、 iii) 板の計測温度が所定値まで下降した場合か、または冷却長値によ
    り指示された継続時間が経過した場合に、冷却装置の作動を停止することと、 iv) 能動的な冷却が完了した後に、第2の設定点温度と、板の計測温度
    との間の差に従って、メモリーに記憶された冷却長値を調節すること、 により、各熱交換モジュールを独立に制御して、これに収容された混合物を冷
    却するためのプログラム命令を更に備えるシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1のシステムであって、各熱交換モジュールが、モジ
    ュールにある反応混合物に関する光学的データを生成するためにコントローラと
    通信せる少なくも一つ光学的検出器を更に備え、コントローラが、光学的データ
    を処理して光学的検出パラメータを調節するためのプログラム命令を更に備える
    システム。
  4. 【請求項4】 請求項1のシステムであって、各熱交換モジュールが、モジ
    ュールにある反応混合物に関する光学的データを生成するためにコントローラと
    通信せる少なくも一つ光学的検出器を更に備え、コントローラが、光学的データ
    を処理して、温度制御、反応の完了、プロファイル表示、および試薬添加に関す
    る信号の発生、から成るグループから選択された少なくも一つのプロセス制御を
    調節するためのプログラム命令を更に備えるシステム。
  5. 【請求項5】 複数の反応混合物を熱的に制御するための方法であって、こ
    の方法が、 a) 反応混合物を、対応する複数の反応容器に載置するステップと、 b) 反応容器を、対応する複数の熱交換モジュール中に載置するステップで
    あって、各モジュールが、 i) 容器の一つに接触するための少なくも一つの熱板と、 ii) 容器に収容された反応混合物を加熱するためにこの板に結合された
    加熱要素と、 iii) 板の温度を計測するための温度検知器、 とを備える、載置するステップと、 c) 各熱交換モジュールについて、 i) 熱板を所望の設定点温度に加熱するためにモジュールの加熱要素に供
    給されるべき電力パルスの継続時間を指示するパルス長値と、 ii) 板を設定点温度に加熱するために加熱要素に供給されるべき電力パ
    ルスの強度を指示するパルス強度値、 とを少なくも一つのメモリーに記憶するステップと、 d) i) モジュール用に記憶されたパルス強度値およびパルス長値により
    、それぞれ、指示された強度および継続時間で、加熱要素に電力パルスを供給す
    るよう電力調整器に命令する制御信号を送信することと、 ii) 検知器から、熱板の計測温度を示す温度信号を受信することと、 iii) 板の計測温度がしきい値に到達した場合か、またはパルス長値に
    より指示された継続時間が経過した場合に、電力パルスを終了させることと、 iv) 電力パルスが完了した後に、設定点温度と、板の計測温度との間の
    差に従って、メモリーに記憶されたパルス長値またはパルス強度値を調節するこ
    と、 により、各熱交換モジュールを独立に制御して、これに収容された反応混合物
    を加熱する、制御するステップ、 とを含む方法。
  6. 【請求項6】 請求項5の方法であって、 a) 各熱交換モジュールについて、熱板を第2の設定点温度に冷却するため
    に冷却装置が作動されるべき継続時間を指示する冷却長値を記憶するステップと
    、 b) i) 冷却装置を作動させて、熱板および反応混合物の冷却を開始する
    ことと、 ii) 検知器から、板の計測温度を示す温度信号を受信することと、 iii) 板の計測温度が所定値まで下降した場合か、または冷却長値によ
    り指示された継続時間が経過した場合に、冷却装置の作動を停止することと、 iv) 能動的な冷却が完了した後に、第2の設定点温度と、板の計測温度
    との間の差に従って、メモリーに記憶された冷却長値を調節すること、 により、各熱交換モジュールを独立に制御して、これに収容された混合物を冷
    却するステップ、 とを更に含む方法。
  7. 【請求項7】 請求項6の方法であって、第2の設定点温度より高い設定点
    温度を有する先行せる温度プロファイルステップの終了に先だって、冷却装置が
    作動される方法。
  8. 【請求項8】 請求項5の方法であって、 a) 各熱交換モジュールについて、モジュール内の反応混合物に関する光学
    的データを生成するステップと、 b) 光学的データを処理して光学的検出パラメータを調節するステップ、 とを更に含む方法。
  9. 【請求項9】 請求項5の方法であって、 a) 各熱交換モジュールについて、モジュール内の反応混合物に関する光学
    的データを生成するステップと、 b) 光学的データを処理して、温度制御、反応の完了、プロファイル表示、
    および試薬添加に関する信号の発生、から成るグループから選択された少なくも
    一つのプロセス制御を調節するステップ、 とを更に含む方法。
  10. 【請求項10】 複数の反応混合物を熱的に制御するためのシステムであっ
    て、このシステムが、 a) 混合物を保持するための複数の反応容器と、 b) この容器を受容するための、対応する複数の熱交換モジュールであって
    、各モジュールが、 i) 容器の一つに接触するための少なくも一つの熱板と、 ii) 容器に収容された反応混合物を加熱するためにこの板に結合された
    加熱要素と、 iii) 板の温度を計測するための温度検知器、 とを備える複数のモジュールと、 c) 各熱交換モジュールの加熱要素に供給される電力の量を調整するための
    少なくも一つ電力調整器と、 d) 電力調整器、および、各熱交換モジュールの温度検知器、と通信せるコ
    ントローラであって、このコントローラが、 i) 熱板用の可変な目標温度を設定することであって、この可変な目標温
    度は、初期には、混合物に対し所望される設定点温度を越えているのであり、 ii) 板の温度を可変な目標温度まで上昇させるために加熱要素に供給さ
    れるべき電力のレベルを決定することであって、この電力のレベルは、可変な目
    標温度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり、 iii) 決定されたレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に
    命令する制御信号を送信することと、 板の計測温度が、可変な目標温度より下の所定の温度に到達した際には、 iv) 可変な目標温度を減少させることと、 v) 板の温度を、減少された目標温度まで上昇させるために加熱要素に供
    給されるべき電力のレベルを決定することであって、この新たな電力のレベルは
    、減少された目標温度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり
    、 vi) 新たなレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に命令す
    る新たな制御信号を送信することと、 vii) 可変な目標温度が所望の設定点温度以下になるまで、(iv)〜
    (vi)のステップを反復すること、 により、各熱交換モジュールを独立に制御して、これに収容された反応混合物
    を加熱するためのプログラム命令を備えるコントローラ、 とを備えるシステム。
  11. 【請求項11】 請求項10のシステムであって、コントローラが、可変な
    目標温度が所望の設定点温度を超過する量を指数関数的に減少させることにより
    可変な目標温度を減少させるためのプログラム命令を備えるシステム。
  12. 【請求項12】 請求項11のシステムであって、可変な目標温度が所望の
    設定点温度を超過する量が、次式 Δ=(Δmax)*e(-t/tau) によって、時間の関数として指数関数的に減少されるのであり、ここで、Δは、
    可変な目標温度が所望の設定点温度を超過する量に等しく、Δmaxは、可変な目 標温度の初期値と所望の設定点温度との間の差に等しく、tは、減少開始から経
    過時間に等しく、tauは、減少時定数に等しいのであるシステム。
  13. 【請求項13】 請求項10のシステムであって、コントローラが、可変な
    目標温度を直線的に減少させるためのプログラム命令を備えるシステム。
  14. 【請求項14】 請求項10のシステムであって、各熱交換モジュールが、
    熱板および反応混合物を冷却するための冷却装置を更に備え、コントローラが、 i) 熱板用の第2の可変な目標温度を設定することであって、この第2の
    可変な目標温度は、初期には、混合物に対し所望される第2の設定点温度より低
    いのであり、 ii) 板の計測温度が、第2の設定点温度より下の第2の所定温度に下降
    するまで、熱板を冷却する冷却装置を作動させることと、 iii) 第2の可変な目標温度を増加させることと、 iv) 板の温度を増加された目標温度にまで上昇させるために加熱要素に
    供給されるべき電力のレベルを決定することであって、この電力のレベルは、増
    加された目標温度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり、 v) 決定されたレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に命令
    する制御信号を送信することと、 vi) 第2の可変な目標温度が第2の設定点温度以上となるまで、(ii
    i)〜(v)のステップを反復すること、 により、各熱交換モジュールを独立に制御して、これに収容された混合物を冷
    却するためのプログラム命令を更に備えるシステム。
  15. 【請求項15】 請求項10のシステムであって、各熱交換モジュールが、
    モジュールにある反応混合物に関する光学的データを生成するためにコントロー
    ラと通信せる少なくも一つ光学的検出器を更に備え、コントローラが、光学的デ
    ータを処理して光学的検出パラメータを調節するためのプログラム命令を更に備
    えるシステム。
  16. 【請求項16】 請求項10のシステムであって、各熱交換モジュールが、
    モジュールにある反応混合物に関する光学的データを生成するためにコントロー
    ラと通信せる少なくも一つ光学的検出器を更に備え、コントローラが、光学的デ
    ータを処理して、温度制御、反応の完了、プロファイル表示、および試薬添加に
    関する信号の発生、から成るグループから選択された少なくも一つのプロセス制
    御を調節するためのプログラム命令を更に備えるシステム。
  17. 【請求項17】 複数の反応混合物を熱的に制御するための方法であって、
    この方法が、 a) 反応混合物を、対応する複数の反応容器中に載置するステップと、 b) 反応容器を、対応する複数の熱交換モジュール中に載置するステップで
    あって、各モジュールが、 i) 容器の一つに接触するための少なくも一つの熱板と、 ii) 容器に収容された反応混合物を加熱するためにこの板に結合された
    加熱要素と、 iii) 板の温度を計測するための温度検知器、 とを備える、載置するステップと、 c) i) 熱板用の可変な目標温度を設定することであって、この可変な目
    標温度は、初期には、混合物に対し所望される設定点温度を越えているのであり
    、 ii) 板の温度を可変な目標温度まで上昇させるために加熱要素に供給さ
    れるべき電力のレベルを決定することであって、この電力のレベルは、可変な目
    標温度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり、 iii) 決定されたレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に
    命令する制御信号を送信することと、 板の計測温度が、可変な目標温度より下の所定のしきい温度に到達した際には
    、 iv) 可変な目標温度を減少させることと、 v) 板の温度を、減少された目標温度まで上昇させるために加熱要素に供
    給されるべき電力のレベルを決定することであって、この新たな電力のレベルは
    、減少された目標温度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり
    、 vi) 新たなレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に命令す
    る新たな制御信号を送信することと、 vii) 可変な目標温度が所望の設定点温度以下になるまで、(iv)〜
    (vi)のステップを反復すること、 により、各熱交換モジュールを独立に制御して、これに収容された反応混合物
    を加熱する、制御するステップ、 とを含む方法。
  18. 【請求項18】 請求項17の方法であって、可変な目標温度が所望の設定
    点温度を超過する量を指数関数的に減少させることにより可変な目標温度が減少
    される方法。
  19. 【請求項19】 請求項18の方法であって、可変な目標温度が所望の設定
    点温度を超過する量が、次式 Δ=(Δmax)*e(-t/tau) によって、時間の関数として指数関数的に減少されるのであり、ここで、Δは、
    可変な目標温度が所望の設定点温度を超過する量に等しく、Δmaxは、可変な目 標温度の初期値と所望の設定点温度との間の差に等しく、tは、減少開始から経
    過時間に等しく、tauは、減少時定数に等しいのである方法。
  20. 【請求項20】 請求項17の方法であって、可変な目標温度が直線的に減
    少される方法。
  21. 【請求項21】 請求項17の方法であって、 i) 熱板用の第2の可変な目標温度を設定することであって、この第2の
    可変な目標温度は、初期には、混合物に対し所望される第2の設定点温度より低
    いのであり、 ii) 板の計測温度が、第2の設定点温度より下の第2の所定温度に下降
    するまで、熱板を冷却する冷却装置を作動させることと、 iii) 第2の可変な目標温度を増加させることと、 iv) 板の温度を増加された目標温度にまで上昇させるために加熱要素に
    供給されるべき電力のレベルを決定することであって、この電力のレベルは、増
    加された目標温度と、板の計測温度との間の差に従って決定されるのであり、 v) 決定されたレベルで加熱要素に電力を供給するよう電力調整器に命令
    する制御信号を送信することと、 vi) 第2の可変な目標温度が第2の設定点温度以上となるまで、(ii
    i)〜(v)のステップを反復すること、 により、各熱交換モジュールを独立に制御して、これに収容された混合物を冷
    却するステップを更に含む方法。
  22. 【請求項22】 請求項21の方法であって、第2の設定点温度より高い設
    定点温度を有する先行せる温度プロファイルステップの終了に先だって、冷却装
    置が作動される方法。
  23. 【請求項23】 請求項17の方法であって、 a) 各熱交換モジュールについて、モジュール内の反応混合物に関する光学
    的データを生成するステップと、 b) 光学的データを処理して光学的検出パラメータを調節するステップ、 とを更に含む方法。
  24. 【請求項24】 請求項17の方法であって、 a) 各熱交換モジュールについて、モジュール内の反応混合物に関する光学
    的データを生成するステップと、 b) 光学的データを処理して、温度制御、反応の完了、プロファイル表示、
    および試薬添加に関する信号の発生、から成るグループから選択された少なくも
    一つのプロセス制御を調節するステップ、 とを更に含む方法。
JP2000537649A 1998-03-23 1999-03-23 個々の反応サイトの動的かつ独立な制御を行なうマルチサイト反応器システム Pending JP2002507815A (ja)

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