JP2002506901A - 微粒子の製造 - Google Patents

微粒子の製造

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JP2002506901A JP2000536777A JP2000536777A JP2002506901A JP 2002506901 A JP2002506901 A JP 2002506901A JP 2000536777 A JP2000536777 A JP 2000536777A JP 2000536777 A JP2000536777 A JP 2000536777A JP 2002506901 A JP2002506901 A JP 2002506901A
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ゴードン フィンドレー ドーソン
フランク コペンハーゲン
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シーンズ・ドラッグ・デリバリー・リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 乳化剤を水性液体及び/またはポリマーを含有する非水性溶液(ジクロロメタン等)に含有せしめ、非水性溶液中に前記水性液体を分散させ、撹拌し、ポリマーの非溶媒(シリコンオイル等)を添加する工程を有する微粒子(特に薬学的に有効な成分を含む)の製造方法。乳化剤を用いることにより広範囲な条件下で微粒子が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬学的に有効な物質、特にペプチド、タンパク質またはポリヌクレ
オチドを放出するのに用いられる微粒子を製造する方法、微粒子そのもの、及び
その微粒子を含む薬学的組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
特に、本発明は、微粒子製造のためのいわゆる相分離法(この方法はジクロロ
メタンのような非水溶媒中に溶解せしめられたポリマーを含む連続相中に、微小
水滴のエマルジョンを形成するものである。)に関する。シリコンオイルのよう
な、ポリマーを溶解しない非溶媒を加えることにより、ポリマーは、微小水滴の
周りの溶液からコアセルベートさせられる。この方法は、一般的には、攪拌機を
用いて激しく攪拌しながら行い、微小水滴や初期微粒子の凝集融着を防止する。
【0003】 しかし、この方法の問題は、いわゆるスタビリティー・ウィンドウ(安定性の
窓:すなわち、微粒子を好結果に形成する結果をもたらすための混合物の成分─
─例えば、シリコンオイル非溶媒、ポリマー,水及び非水溶媒──の相対比)が
かなり小さいことである。このため、この方法を実際に応用するのには制限があ
る。例えば、シリコンオイル、ポリマー及びジクロロメタン溶媒を表わす三元系
のダイアグラムを描いた場合、微粒子を生じるのは、これらの成分の極めて限ら
れた範囲(通常、シリコンオイル約36%、ポリマー約4%、ジクロロメタン約
60%)を表わす狭い範囲の領域のみである。従って、より広い濃度範囲にわた
って実施が可能な微粒子の製造方法、特に、様々な分子量、溶解度、極性の多様
な有効物質(活性物質)を利用して適用できる方法が望ましい。 また、有効物質をより多く取り込み、微粒子の収率を高め、薬剤の捕捉(エン
トラップメント)を増大するように、より多くの量のポリマーや水を用いること
ができれば有用であろう。
【0004】 さらに、微粒子を製造するために用いるいわゆる油中水型エマルジョンは、不
安定なエマルジョンであり、微小液滴の大きさを維持し、ポリマー析出−相分離
工程の間、凝集融着を防ぐためには激しく攪拌することが必要である。通常は、
高粘度のシリコンオイルが非溶媒として使用される(低粘度のシリコンオイルは
、安定性の窓をさらに制限する結果をもたらす傾向があるため)。この激しい攪
拌または混合は、多量の熱の発生につながり、ペプチドやタンパク質等の薬学的
に有効な材料を微粒子に取り込もうとする場合には望ましくない結果をもたらす
可能性がある。さらにまた、熱は、揮発性の非水性溶媒(例えば、ジクロロメタ
ン)の蒸発を促進して、プロセス制御の欠如をもたらす傾向がある。この問題を
克服するため、従来技術では、ドライアイスや液体窒素のような冷却システムの
利用が提案されているが、こうした冷却法は、大規模な工業的実施では好ましい
ものではない。
【0005】 微粒子を製造するための相分離法に関する従来技術としては以下のものが挙げ
られる。米国特許第3531418号明細書には、ポリマー溶液の高温での製造
方法が記載されている。この方法では、溶液が冷えてくると、固形の有効物質の
核の周りにポリマーが微粒子のかたちで析出する。しかし、固形の有効物質は適
当な大きさに粉砕する必要があり、このような操作は熱を発生して熱に敏感な物
質を変性させるおそれがある。また、有効物質と直接に接触するように非水性溶
媒を使用することによっても変性が起こることがある。別の方法として、水性溶
液をカプセル化してもよい。米国特許第4166800号は、ポリマー及び核(
コア)物質の低温相分離(−40℃乃至−100℃)による微粒子の調製に関す
る。米国特許第4389331号は、室温までの冷却を用いて相分離工程として
いる。
【0006】 米国特許第4622244号明細書は、ポリマー材料やポリマーの非溶媒のよ
うな相分離剤を添加して、相分離を行ない微粒子を製造する標準的な相分離法を
記載したものである。相分離は少なくとも−30℃程度の低温で、あるいは室温
で起こる。しかし、微粒子の単離は、−30℃以下の温度で遂行しなければなら
ない。米国特許第4673595号は、0℃と25℃の間の温度で、脂肪族のフ
ッ化物あるいはフルオロハロゲン化炭化水素を硬化剤として用いて微粒子の硬化
を行なう方法について記載している。 シリコンオイル非溶媒は、相分離剤として用いられる。
【0007】 WO89/03678号の特許明細書には、微粒子の収集に先立ちこれを硬化
するために、ヘプタンのような第2の非溶媒を用いる方法が記載されている。E
P0377477号及び米国特許第5066436号明細書には、脂肪酸エステ
ルのような他の硬化剤を用いる方法が記載されている。また、米国特許第500
0886号及び同第5500228号明細書には、揮発性のシリコンオイルを硬
化剤として用いることによってその除去を容易にし、微粒子中に残留しないよう
にする方法が記載されている。
【0008】 英国特許第2234896号及び米国特許第5603960号明細書には,微
粒子製造における界面活性剤の使用が開示されている。英国特許第223489
6号明細書は、ヘプタンと界面活性剤スパン(Span)80の水中油型エマルジョン
を含む硬化剤混合物の使用を開示するものであり、これを用いて微粒子を硬化し
、カプセル化されなかった活性ペプチド材料を除去し、これにより、微粒子を患
者に投与した際、活性が最初の段階で爆発的に現れる現象を防止するというもの
である。米国特許第5603960号明細書は、標準的な相分離技術の逆の方法
を記載する。ここでは、シリコンオイル非溶媒中で水性分散液が形成され、ポリ
マーのジクロロメタン溶液をこれに添加して相分離を開始する。界面活性剤であ
るスパン(Span)40は、シリコンオイル非溶媒中の有効成分水性分散液に含有さ
れていてもよいと示唆されている。 本発明の目的は、幅広いスタビリティー・ウィンドウを有する工程を提供する
ことである。
【0009】発明の要約 本発明は、系を安定化するための乳化剤の使用に基づいている。 具体的には、本発明は以下の工程: 乳化剤を水性液体及び/またはポリマーを含有する非水性溶液に含有せしめる
工程、 前記非水性溶液中に前記水性液体を分散させる工程;及び 前記分散物を撹拌し、そこへ前記ポリマーの非溶媒を添加して、ポリマーの微
粒子を形成する工程 を含む微粒子の製造方法を提供する。
【0010】 このように、本発明は、「油中水型」分散液の水性不連続相を形成する水性液
体中及び/または連続的な「油」相中に乳化剤を含み;これは水性の微小液滴と
非水性溶媒との界面に存在する。乳化剤を使用することにより、スタビリティー
・ウィンドウを広げ、比較的広い範囲の条件(特に非水性溶媒、水性液体、ポリ
マー、非溶媒及び有効物質の量)にわたって微粒子を製造することができる方法
が提供される。これにより、水やポリマーを分散液中大量に含有せしめることが
できる。従って、この方法は、強力であり、様々な有効物質に適用できる。特に
、この方法は、小さなペプチド分子を持続的に放出するのに適している。また、
乳化剤が存在しない場合には無理であった低粘度の非溶媒を用いることを可能と
する。
【0011】 乳化剤を使用することにより、非溶媒及びポリマー微粒子の製造の際に好まし
くない熱の発生しない攪拌条件を用いることができることがわかった。これによ
り薬学的に有効な物質を熱変性がら守ることができる。一般に、水系液体は、そ
の中に薬学的に有効な成分を分散させまたは溶解させて含む。原理的は、薬学的
に有効な成分は、どのような固体や液体状の有効物質でもよいが、本発明の方法
は、特に、室温(すなわち、20℃)以上の温度で熱変性を受けやすい有効な成
分に対して適用が可能である。特に好ましい有効な成分は、酵素、ホルモン、抗
原などのタンパク質やペプチドであり、治療または予防効果を発揮するものや診
断薬として用い得るものである。ペプチドやタンパク質は組替えによるもの、合
成または天然に由来するものでもよい。典型的には、ペプチドやタンパク質は、
リゾチーム、インシュリン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、黄体
形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)またはこれに類するもの(例えば、ロイ
プロリド)、あるいはシトクロムCなどが挙げられる。こうしたタンパク質及び
ペプチドは、本発明の処方によれば変性しないことが見出された。
【0012】 乳化剤は通常、水性液体または非水性溶媒中に溶解または乳化することにより
含有せしめられる。乳化剤は、通常、液体中に、60重量%まで,一般的には3
0重量%まで、好ましくは20重量%まで、典型的には5〜15重量%含有させ
る。一般的には、乳化剤は少なくとも1重量%を用いる。好ましくは、乳化剤は
、水酸基を含有する親水性部分と長鎖脂肪酸の親脂性部分を有するような非イオ
ン性の界面活性剤である。典型的な非イオン性界面活性剤は、スパン(Span)、ツ
イーン(Tween)及びブライ(Brij)といった商標において販売されているものであ る。スパン(Span)タイプの材料は、普通の脂肪酸(ラウリン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸及びオレイン酸)とソルビトールから誘導される、へキシトールや
無水物(ヘキシタン、ヘキシド)との部分エステルである。また、ツイーン(Twe
en)タイプの材料は、エステル化されていない水酸基にポリオキシエチレン鎖を 加えることにより、スパン(Span)材料から誘導される。スパン(Span)製品は、油
溶性であり、水には分散可能または不溶な傾向があり、一方、ツイーン(Tween) 製品は、水に溶解するかまたはよく分散する。ブライ(Brij)界面活性剤は、ポリ
オキシエチレンエステル基を含む。好ましい非イオン性界面活性剤はスパン(Spa
n)20、40,60、65及び80である。アニオン性の界面活性剤やカチオン
性の界面活性剤(4級アンモニウム化合物等)も使用できる。界面活性剤のHL
B値は通常は2から9の範囲である。
【0013】 乳化剤(界面活性剤であってもよいしそうでなくてもよい。)は、薬学的に受
容可能ないずれの乳化剤でもよく、非イオン性のもの、例えば、アラビアゴム、
アルギン酸、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、グルコース脂肪酸
エステル、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、ヒドロキ
シプロピルセルロース、中鎖トリグリセリド、低分子量メチルセルロース、ポロ
キサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンキャスタ
ーオイル誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステ
アレート、ポリビニルアルコール、ソルビタン脂肪酸エステル、またはショ糖脂
肪酸エステル;カチオン性のもの、例えば、セトリミド、モノエタノールアミン
やトリエタノールアミン;またはアニオン性のもの、例えば、コール酸誘導体、
カルボマー、オレイン酸ナトリウムドクセート、プロピレングリコールアルギネ
ート、ドデシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸、白蝋(ホワイトワックス)、黄
蝋(イエローワックス);またはこれらの混合物でもよい。
【0014】 水性液体は、必要に応じ薬学的に有効な成分を含み、ポリマー、一般的には薬
学的用途において薬学的に受容可能なポリマーを含む非水性溶媒に分散される。
一般的には、このような分散液は不安定であり激しい攪拌を必要とする。攪拌の
度合いは不連続な水相の液滴の大きさによって決まることができる。界面活性剤
もまた、この粒径を制御する効果を有する。水性液体は、分散液重量の、通常0.
3〜50%、一般的に5〜50%、特に10〜20%である。好ましい範囲は1 〜20重量%である。
【0015】 ポリマー微粒子を形成するためにも用いるポリマーは、一般的には薬学的に受
容可能なポリマーであり、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカプロ
ラクトン、あるいは周知のポリラクチドファミリーのポリマーであり、特にポリ
ラクチド−co−グリコリド(polylactide-co-glycolide)ポリマーである。これら
のポリマーの中では、グリコリドに対するラクチドの比や分子量は様々に変える
ことが可能であり、微粒子からの有効物質の放出速度を測定する。グリコリドに
対するラクチドのモル比は、100:0〜0:100の範囲で変更することがで
きる。しかし、コポリマーが、好適に使用される非水性溶媒に溶解しやすいため
、100:0〜50:50のモル比が好ましい。この比率は、好ましくは70:
30と35:65の間(より好ましくは70:30と50:50の間)である。
好ましいコポリマーはグリコリドに対するラクチドの比が、50:50または7
5:25のものである。ポリラクチドポリマーの数平均分子量Mnは、5,000〜5
0,000の範囲でよい。固有粘度(i.v)は、一般的には0.2以下から8までの間であ る。生体内(in vivo)では、こうしたポリマーはランダムな生分解や非酵素的な 切断を受け、乳酸及びグリコール酸の代謝物を生じる。このように、ポリマーの
粗分解は、微粒子に含めるべき有効な成分ほとんどについて、微粒子が持続的な
放出効果を有する放出時間の決定要因(determinative)である。持続的な放出期 間は、365日まででよいが、一般的は5〜100日、典型的には10から30
日の範囲である。本発明に従い乳化剤を使用することにより、狭い粒径分布で形
状のコンシステンシーに優れた(すなわち、形状の揃った)微粒子が製造される
ことが見出された。明らかに、微粒子が一致した形状を有することは好ましい。
不規則な形状を有する場合と比べ注入が、より容易になるからである。
【0016】 ポリマー溶液に用いる非水性溶媒は、一般的には有機溶媒である。ポリマーは
25重量%まで存在可能であり,好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1
〜3重量%である。ジクロロメタン(塩化メチレン)は、揮発性であり最終的に
得られる微粒子から容易に除去できるため従来から用いられているが、本発明に
おいて、特に有用であることが見出された。
【0017】 相分離段階では、ポリマーを溶液から、分散した水性液滴にコアセルベートす
るため、ポリマーの非溶媒が非水性連続相に添加される。分散液は、水性液滴や
形成途中の微粒子の凝集を避けるために、一定の攪拌状態で維持される。非水性
溶液が比較的高い粘性を有する場合は、激しい攪拌によってかなりの熱が発生す
るので、慣用の冷却手法によりこれを除くことが必要である。本発明の好適な特
徴として、非溶媒は、非水性溶媒に溶解し得るがその粘度を実質的に増大させな
い比較的低粘度の材料である。本発明の方法における温度は、室温程度に維持す
ることも可能であるが、好ましくは、10〜25℃の範囲である。しかし、この
ためには外部的な冷却手段は必要ないので、当該方法の工業的実施を実質的に容
易をしている。
【0018】 典型的には、非溶媒は、ダウ・コーニング社(Dow Corning)や英国ギリンガム(
Gillingham)所在のフルカ・ケミカルズ(Fluka Chemicals)から入手できるような
シリコンオイルである。ダウ・コーニング200シリーズのオイルが特に好まし
い。粘度は、500mPa以下であれば使用可能であるが、好ましくは50〜1
50mPaの範囲である。これに対し、従来技術では、500〜1000mPa
あるいはそれ以上の粘度を有するシリコンオイルが一般的に用いられている。
【0019】 ポリマー微粒子は、しかる後、慣用の方法、例えば、ポリマーの非溶媒(例え
ば、ヘプタン等の液状の炭化水素や他の慣用の非溶媒)と混合するなどして硬化
させることができる。微粒子の凝集を避けるためには、硬化が完了するまで攪拌
を持続すればよい。 その後は、微粒子をろ過し洗浄すればよい。一般的には、次いで微粒子を乾燥
させる。この操作は、残っている非水性溶媒及び残留している水を除去する効果
があり、これによって、微粒子を実質的にポリマーと、有効な成分及び(存在す
る場合には)残留乳化剤(例えば、5重量%以下、より一般的は2重量%以下)
からなるものとすることができる。例えば、持続的な医薬処方物を注射するとき
など、微粒子を水性の分散液のかたちで使用するために水に再分散するが、残留
乳化剤は、このような際に再分散を容易にするという点で有用である。
【0020】 本発明の方法を用いることにより、有効物質の取込率は、少なくとも40%、
典型的には60%以上、さらには80%以上で実現できることが見出された。取
込率は、微粒子中に捕捉(エントラップ)された有効物質の量を当該方法に投入
された量で割った値として定義される。 本発明の方法は、0.5g程度までの少量及び大量(例えば100g)のスケー ルでの微粒子の製造のいずれにも適している。
【0021】 本発明のさらなる特長においては、薬学的に有効な成分、乳化剤及び薬学的に
受容可能なポリマーを含む微粒子が提供される。本発明の製造方法のために、こ
の微粒子は、シリコンオイルのような非溶媒を実質的に含まない。微粒子が、実
質的にシリコンオイルのような非溶媒を含まないという点は、乳化剤の存在とと
もに、本発明の微粒子をその薬学的組成物を提供するために水中に再分散する際
にこれを特に容易にする。典型的な有効な成分は以下の通りである。
【0022】
【表1】
【0023】 従って、本発明のさらなる側面では、医薬処方物、特に、薬学的に受容可能な
水系液体に分散された微粒子を含む注射用の医薬処方物が提供される。 実際には、本発明の微粒子は、農業(例えば、害虫駆除剤を持続的に放出する
目的)、食品(例えば、チューインガムに持続的なフレーバーを組み入れる目的
)等の非医療用途においても有用であることが見出されるであろうし、これはま
た、本発明のさらなる側面をなす。
【0024】 有効成分の一般的かつ全身への放出のほか、微粒子(マイクロスフィア)は、
特定の組織部位を有効な成分で狙い撃ち(ターゲッティング)するのに用いるこ
とができる。ドラッグターゲッティングへの応用は、マイクロスフィアが、組織
床(tissue bed)中に薬学的に有効な材料のデポー製剤(depot)を不動化する能力 から来ている。これは、組織への直接的な注入(注射)によってもよいし、正確
な粒径分布を有する粒子を、目的とする組織へ通じる循環系内に処方することに
より行なってもよく、次いで、粒子は関係のある毛細血管床にトラップされる。
【0025】 一般的には、微粒子のメジアン径Dv50(Dv0.5としても知られている) は、2〜300ミクロン、好ましくは10から300ミクロン、より好ましくは
10から100ミクロン、特に10から50ミクロンの範囲である。 このDv50値は、試料の合計体積において上下各50%ずつになる粒径であ
る。従って、これは体積のメジアン値を表わす。また、粒子の体積は取り込める
有効な成分の量に関係しているため、これは有効な成分のデリバリーシステムに
関係している。 本発明の微粒子における有効成分の取込率は良好であり、一般的には5〜75
%の範囲であることが見出された。
【0026】
【実施例】好適態様の詳細な説明 以下、本発明を具体例により説明するが、これらの例は参照の便宜のためにの
み挙げるものである。
【0027】 実施例1(有効成分なし) スパン20界面活性剤の10%(w/v)水性エマルジョン3グラムをガラスバイ アルに移した。この容器に3%(w/v)ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド )(50/50モル、i.v. 〜0.7)ジクロロメタン溶液25mlを添加した。こ
の混合物をシルバーソン(Silverson)ホモジェナイザーを用いて1分間ホモジェ ナイズ(均一化処理)した。混合を続けながら、フルカ・ケミカルズ社(英国ド
ーセット)から入手した15、20、25,30、35または40mlのシリコ
ンオイル(DC200,粘度:約110mPa・s)を、50mlガラスシリン
ジを備えたシリンジドライバーを用い毎分2mlの割合で添加した。この後、混
合を1分間続けた。次いで、得られた混合物を、200mlのn−ヘプタンを攪
拌している中に添加し、さらに最低30分間、攪拌を続けた。攪拌を止めて、形
成した微粒子を沈殿させた。上澄みをデカンテーションにより除き、さらに20
0mlのn−ヘプタンを添加した。少なくともさらに30分間攪拌を続けた。こ
の後、攪拌を停止し、セルロースエステルフィルター(孔径:1.2μm)上に微 粒子を集めた。得られた微粒子を一昼夜風乾した。レーザー光回折により、微粒
子の平均粒径を求めた。結果を表1に示す。
【0028】
【表2】
【0029】粒径の測定方法 脱イオン・脱気した水に、乾燥した微粒子のアリコート(分割量)を再分散し
た。試料を簡単に超音波処理した後、攪拌セルを備えたマルバーン・マスターサ
イザーS(Malvern Mastersizer S)を用いレーザー光回折により粒径を測定した 。粒径は体積分布のメジアンDVO−5として表わした。
【0030】実施例2(種々の乳化剤) I)この例では様々な乳化剤(すなわち、界面活性剤)を用いた例を示す。種々
の乳化剤(スパン20,40及び65)を用い、シリコンオイルの体積を20m
lとしたほかは実施例1の方法を繰り返した。得られた平均粒径を表2Aに示す
【0031】
【表3】
【0032】 (II)乳化剤600mgを、3%(w/v)ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド) (50/50モル、i.v. 〜0.7)ジクロロメタン溶液25ml、及び、3mlの
脱塩水とともに混合容器に分散した。次いで、この系をホモジェナイズし、混合
しながらシリコンオイル(100mPas)20mlをこれに加えた。得られた
混合物を200mlのn−ヘプタンに加え、1時間攪拌した後、生成物を沈殿さ
れた。上澄みをデカンテーションし、新たに200mlのn−ヘプタンを加え攪
拌を続けた。次いで、得られた生成物をメンブレンフィルタで回収した。 乾燥後、芽乳される微粒子について評価を行なった。微粒子はレーザー光回折
により粒径を測定した。結果を表2Bにまとめた。この結果、本発明の方法では
、ある程度の範囲の乳化剤が使用できることがわかった。
【0033】
【表4】
【0034】 実施例3(様々なオイル粘度) 実施例3は、様々なオイル粘度と混合速度の効果を示すものである。粘度11
0または378m.Pa.sのシリコンオイル20mlを用い、混合速度を変化させた
(6500、8600及び11500rpm)ほかは実施例1と同じ操作を繰り返した。得ら れた平均粒径を表3に示す。 このデータは、シリコンオイルのグレードが微粒子の粒径に関して重要である
ことを明らかに示している。低粘度のオイルは、粘性が高いほかは同等のものと
比較してより小さな粒径の粒子が製造できる可能性を有している。また、混合速
度は、速度を増せば粒径が小さくなるように粒径に影響を及ぼすことが示された
。これらの結果は、最終製品の性質に関しての中間体であるエマルジョンの重要
性を反映している。
【0035】
【表5】
【0036】 実施例4(ウシ血清アルブミンの捕捉) スパン20の20%(w/v)水性エマルジョン1ml及びウシ血清アルブミン( BSA)水溶液1mlをガラスバイアルに移した。この容器に3%(w/v)ポリ(D
,L−ラクチド−co−グリコリド)(50/50モル、RG505、i.v. 〜0.7 または75/25モル、RG755、i.v. 〜0.6)ジクロロメタン溶液25ml
を添加した。この混合物をシルバーソン(Silverson)ホモジェナイザーを用いて 1分間ホモジェナイズ(均一化処理)した。混合を続けながら、20mlのシリ
コンオイル(DC200,粘度:約110mPa・s)を、50mlガラスシリ
ンジを備えたシリンジドライバーを用い毎分2mlの割合で添加した。この後、
混合を1分間続けた。次いで、得られた混合物を、200mlのn−ヘプタンを
攪拌している中に添加し、さらに最低30分間、攪拌を続けた。攪拌を止めて、
形成した微粒子を沈殿させた。上澄みをデカンテーションにより除き、さらに2
00mlのn−ヘプタンを添加した。少なくともさらに30分間攪拌を続けた。
この後、攪拌を停止し、セルロースエステルフィルター(孔径:1.2μm)上に 微粒子を集めた。得られた微粒子を一昼夜真空乾燥した。レーザー光回折により
、微粒子の粒径を求め、マイクロスフィア中へのBSAの捕捉量はビシンコニン
酸(BCA)タンパク質アッセイを用いて測定した。結果を表4に示す。
【0037】
【表6】
【0038】 実施例5(リゾチームの捕捉) スパン20の20%(w/v)水性エマルジョン2ml及びリゾチーム水溶液(7 5mg/ml)1mlをガラス容器に移した。この容器に1%(w/v)ポリ(D,L
−ラクチド−co−グリコリド)(50/50モル、i.v. 〜0.7)ジクロロメタン 溶液25mlを添加した。この混合物をシルバーソン(Silverson)ホモジェナイ ザーを用いて1分間ホモジェナイズ(均一化処理)した。混合を続けながら、1
0mlのシリコンオイル(DC200,粘度:約100mPa・s)を、50m
lガラスシリンジを備えたシリンジドライバーを用い毎分2mlの割合で添加し
た。この後、混合を1分間続けた。次いで、得られた混合物を、200mlのn
−ヘプタンを攪拌している中に添加し、さらに最低30分間、攪拌を続けた後、
実施例4に記載したのと同様に微粒子を洗浄し回収した。レーザー光回折により
、微粒子の平均粒径を求めたところ17μmであった。マイクロスフィア中のリ
ゾチームの捕捉量はBCAタンパク質アッセイを用いて測定した。捕捉率は56
%であった。
【0039】 実施例6(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの捕捉) スパン20(シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.))の20%(w/v)水性 エマルジョン2ml及び甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(pGlu-His-Proアミ ド、TRH)水溶液1mlをガラス容器に移した。この容器に3%(w/v)ポリ(D
,L−ラクチド−co−グリコリド)(50/50モル、i.v. 〜0.7)ジクロロメ タン溶液25mlを添加した。この混合物をシルバーソン(Silverson)ホモジェ ナイザーを用いて1分間ホモジェナイズ(均一化処理)した。混合を続けながら
、20mlのシリコンオイル(DC200,粘度:約100mPa・s)を、5
0mlガラスシリンジを備えたシリンジドライバーを用い毎分2mlの割合で添
加した。この後、混合を1分間続けた。次いで、得られた混合物を、200ml
のn−ヘプタンを攪拌している中に添加した。最低30分間、攪拌を続けた後、
実施例4に記載したのと同様に微粒子を洗浄し回収した。レーザー光回折により
、微粒子の平均粒径を求めた。マイクロスフィア中のTRHの捕捉量は、微粒子
をジクロロメタンに溶解した後、TRHを水相に抽出し、抽出されたTRHの量
を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。結果を表5に示す。
【0040】
【表7】
【0041】 実施例7(インシュリンの捕捉) スパン20(シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.))の20%(w/v)水性 エマルジョン2ml及びインシュリン(シグマ)の水性分散液1mlをガラス容
器に移した。この容器に3%(w/v)ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)( 50/50モル、i.v. 〜0.7)ジクロロメタン溶液25mlを添加した。実施例
6に記載したのと同様に微粒子を製造した。レーザー光回折により、微粒子の粒
径を求めた。インシュリン捕捉量は、微粒子をDMSOに溶解した後、タンパク
質の量をBCA法により求めた。結果を表6に示す。
【0042】 これらの粒子からの37℃におけるインシュリン放出量を、5%のドデシル硫
酸ナトリウム(SDS)を含有するリン酸塩でバッファリング(緩衝)した塩水
中で測定した。結果を図1に示す。y軸の増加分から有効な成分のバースト効果
が明らかに示されている。
【0043】
【表8】
【0044】 実施例8(乳化剤の有無による比較) シトクロムC溶液(25.32mg)1mlを約1.5gのスパン80(20%w/w)ま たは1.5mlの水と混合し、水を加えて水相の全量を3gに調整した。次いで、 10%(w/v)RG503(50:50 ラクチド/グリコリド コポリマー)ジク ロロメタン溶液25mlを添加し、系を10000rpmで1分間混合した。混合を 続けながら、25mlのシリコンオイルを、毎分2mlの割合で混合しながら添
加し、この後、混合をさらに1分間続けた。得られた系を、200mlのHPL
Cグレードのn−ヘプタン中に投入し、1時間、混合した。上澄みをデカンテー
ションにより除き、新たに200mlのn−ヘプタンを添加し一昼夜攪拌を続け
た。分散液を500μmメッシュに通して粗大な沈殿物を除き、1.2μmセルロ ースエステル膜による濾過によって微粒子を単離した。マイクロスフィア(微粒
子)のシングルバッチをドライアイス/メタノールにより−40℃で製造した。 重量の分析によりマイロスフィアの収率を求め、レーザー光分散(マルバーン
・マスターサイザー)により、微粒子の粒度分布を測定した。結果を表7に示す
【0045】
【表9】
【0046】 この結果からわかるように、シリコンオイルの粘度は、粒子の粒度分布には(
予測不可能なかたちであるが)影響するもののマイクロスフィア(微粒子)の収
率にはほとんど影響しない。観察された最も重要な効果は、最も粘性の高いオイ
ルを低温で使用した場合であっても、乳化剤が存在しないと、マイクロスフィア
(微粒子)を製造できない(沈殿生成)ということである。これは、一見すると
、従来技術において界面活性剤なしで粒子の製造例が示されているのと矛盾する
ように見える。しかし、前述の通り、従来の界面活性剤を用いない方法は、極め
て狭い条件範囲内でのみマイクロスフィア(微粒子)の製造が可能であり、上記
の製造例における系はこのスタビリティー・ウィンドウから外れているのであろ
う。この結果は、また、本発明の方法が、広いスタビリティー・ウィンドウを有
していることを具体的に示している。
【0047】 実施例9(マイクロスフィア製造におけるスタビリティー・ウィンドウ) 従来の相分離法の欠点は微粒子を製造できる条件範囲が比較的狭く、このため
、得られる微粒子の範囲が限定されるという点である。一方、本発明に従い乳化
剤を用いるようにすれば、微粒子は広い条件範囲で製造でき、結果としてその実
現し得る性質も広い範囲のものとなる。 この特長を例証するため、乳化剤の有無、及びポリマー濃度範囲、水相の体積
及びタンパク質取り込みのレベルを変えて、一連の微粒子系を調製した。
【0048】 スパン80をRG505(50/50 ラクチド/グリコリド コポリマー,P
LGA)ジクロロメタン溶液及びシトクロムC溶液とともに混合容器に取った。
これらの系の組成を表8にまとめた。各系にシリコンオイル(100mPa・s)
を、毎分2mlの割合で添加しながらホモジェナイズした。所定の間隔を置いて
試料を採り出し、100〜200mlのn−ヘプタン中に加えた。生成物を沈殿
させ、さらにヘプタンで洗った後、濾過によって回収した。試料を乾燥し、水を
加え簡単に超音波処理した後、各生成物の性質を測定した。微粒子状生成物の存
在は、微細な分散液が形成されることによって確認できた。
【0049】 微粒子の成功裡に製造できた条件を図2に示す。乳化剤が存在する場合には、
ずっと広い条件範囲で微粒子の製造が可能になることがわかる。特にシトクロム
Cが高濃度の場合、乳化剤なしでポリマー濃度を高くすると粒子の製造は不可能
である。また、低濃度のシトクロムCを低濃度のポリマーで用いた場合でも、乳
化剤が存在しないと微粒子を製造できない。
【0050】
【表10】
【0051】 実施例10(有効物質捕捉率) この例では、ポリマー濃度の関数としてのTRHの捕捉量を示す。TRHは非
常に小さい分子(アミノ酸3個)であり、従って、大きな化学種よりも捕捉はよ
り困難である。この実験は、RG503(RG505と類似の50/50 コポ リマーであるが分子量が小さい)と75/25 ラクチド/グリコリド コポリマ ーとを用いて行った。
【0052】 多くの微粒子系における失敗は、採り込んだ物質を、放出プロファイルにおけ
る極めて早い段階に速い速度で放出してしまう点である。これは、バースト放出
として知られ、処方物に有効化合物が拘束されていない状態で存在するか、有効
物質が捕捉ではなく粒子表面に結合していることによると考えられる。微粒子に
取り込まれた有効物質の高い能力と毒性血漿レベルの発現の危険のため、バース
ト放出は重要である。
【0053】 貯蔵及び投与に先立ち製品を水性の緩衝液で洗うことによってバースト放出が
軽減できると提案されている。しかし、これは、多くの場合に高価な有効化合物
のかなりの量を失う結果となる。よって、有効化合物を完全に取り込むことがで
きる製剤方法が好ましいであろう。
【0054】 TRHを取り込んだ微粒子が製造された。400mgのスパン80と54mg
のTRHを含む3gの水相をラクチド/グリコリド コポリマーのジクロロメタ ン溶液25mlとともに混合容器に移した。この混合物をホモジェナイズし、混
合しながら20mlのシリコンオイルを添加した。得られた系を、200mlの
n−ヘプタン中に攪拌しながら投入し、生成物を沈殿させ、上澄みをデカンテー
ションにより除き、さらにヘプタンを加えて攪拌を続けた。濾過により微粒子を
回収し乾燥した。
【0055】 TRHの捕捉量は、微粒子をジクロロメタンに溶解しペプチドを水相に抽出し
た後、HPLCにより測定した。次いで、捕捉されていないあるいは緩く結合し
ている有効物質を除くため、微粒子を脱塩水(demineralized water)で洗った。 リンス(洗浄)した粒子は再度乾燥し、上記の通り、そのTRH捕捉量を測定し
た。 この検討結果を表9に示す。このデータは、特に製造において高濃度(例えば
、10%w/w)のポリマーが使用される場合には、50:50の比のポリマーで 、バースト放出が最小になる処方物が得られることを示している。 さらに、この例は、本発明の相分離法によれば高い捕捉率が促進可能であるこ
とを示している。
【0056】
【表11】
【0057】 実施例11(ポリマーを替えた例) 800mgのスパン80を25mlのポリマー溶液とともに混合容器に取った
。脱塩水を添加し系をホモジェナイズした。一定の混合を続けながらシリコンオ
イルを添加し、得られた系を200mlのn−ヘプタン中にデカンテーションし
攪拌した。攪拌を止めて生成物を沈殿させた。上澄みをデカンテーションにより
除き、新たに200mlのn−ヘプタンを添加して攪拌を続けた。微粒子状生成
物をメンブレンフィルターによって回収し一昼夜乾燥させた。微粒子の粒径分布
をレーザー光分散により測定した。結果を表10に示す。この検討結果は、本発
明の方法が、使用できるポリマーに関して幅広く対応可能であることを示してい
る。
【0058】
【表12】
【0059】 実施例12(相分離剤を替えた例) 800mgのスパン80を3mlの脱塩水及び25mlの3%(w/v)ポリ(D ,L−ラクチド−co−グリコリド)(モル比50:50、i.v. 約0.5)ジクロロ
メタン溶液とともに混合容器に取った。次いで系をホモジェナイズし、一定の混
合を続けながらコアセルベート剤を毎分2mlの割合で添加した。得られた混合
物を200mlのn−ヘプタン中に移し攪拌した。攪拌を止めて微粒子を沈殿さ
せた。上澄みをデカンテーションにより除き、新たに200mlのn−ヘプタン
を添加して攪拌を続けた。微粒子状生成物をメンブレンフィルターによって回収
し一昼夜乾燥させた。
【0060】 微粒子の粒度分布をレーザー光分散により測定した。結果を表11に示す。こ
のデータは、ここに述べる相分離法がシリコンオイルの使用のみに限定されるも
のではないことを示している。
【0061】
【表13】
【0062】 実施例13(ロイプロリドの取込み) 800mgのスパン80を20mgのロイプロリドを含む水相2ml及び3%
(w/v)ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)(モル比50:50、i.v. 約
0.7)のジクロロメタン溶液40mlとともに混合容器に移した。この混合物を ホモジェナイズし、一定の混合を続けながら30mlシリコンオイル(100m
Pas)を添加した。得られた系を200mlのn−ヘプタン中に移し攪拌した。生
成物を沈殿させ、上澄みをデカンテーションにより除き、新たにヘプタンを添加
して攪拌を続けた。微粒子を濾過によって回収した。調製は3回分行い、各バッ
チを合わせた。
【0063】 レーザー光回折により、微粒子の粒度分布を求めたところ40μmであった。
微粒子のロイプロリド含有量は、粒子を溶解し水相中にペプチドの抽出した後H
PLCにより測定し0.71%w/wであった。ロイプロリド放出は、一定量の微粒子 状材料を10mmのMES緩衝液(pH7.2)に再度懸濁させ、系を37℃に保 持することにより測定した。必要な時間で、試料を取り出し、遠心分離し、水性
の上澄み中に存在するロイプロリドをUV吸収により測定した。この結果は図3
にまとめたが、これによれば、55日間にわたって微粒子からのロイプロリドの
制御された放出が起こることが示されている。
【0064】 実施例14(生体内での放出) 15匹の雄のスプラグ−ドーリー・ラット(Sprague-Dawley rats)からなる4 群に、ロイプロリドを組み込んだ微粒子(実施例13に記載したように製造した
もの)、ブランクの微粒子、遊離のロイプロリドを有するブランクの微粒子、ま
たは遊離のロイプロリドを、表12に従い与えた。投与は右脇腹に皮下注射する
ことにより行い、解剖検査の際にその切除を容易にするため注射部位にマーカー
ペンで印を付けた。 所定の時間毎に各群から5匹を取り、注射部位を取り去って−40度で分析時
まで保管した。
【0065】 注射部位の組織は、最終的には、10mlのヘキサンと5mlのリン酸緩衝液
からなる混合液中で細かく粉砕した。ホモジェナイズした後、ホモジェナイザー
のヘッド部分をリン酸緩衝液で洗い、洗浄に用いた液も試料に加えた。試料を遠
心分離にかけ、ヘキサンを除き、5mlのジクロロメタンを添加した後、一昼夜
振り動かした。次いで、リン酸緩衝液で数回試料を抽出し、合わせた抽出液中の
ロイプロリド含有量をHPLCにより測定した。
【0066】 この検討結果を図4に示すが、これによれば、ロイプロリドを組み込んだ微粒
子で処理したラットの注射部位から、43日間にわたってからのロイプロリドの
制御された放出が起こることが示されている。ブランクの微粒子、遊離のロイプ
ロリド、またはブランクの微粒子と同時投与した遊離のロイプロリドで処理され
たラットの注射部位からはどの時点でもロイプロリドが回収されなかった。
【0067】
【表14】
【0068】 実施例15(ロイプロリドの生物学的活性) ペプチドベースの医薬品のデリバリーを目的とする処方物では、処方及び投与
後に、有効物質の活性が持続することが、重要な特徴となる。これは特に、長い
期間、典型的には月単位の期間にわたって有効物質を放出することを意図した制
御された放出システムについてあてはまる。
【0069】 LHRH類似物質、例えば、ロイプロリドが持続的に存在することで、最初の
上昇の後、血漿中のテストステロン濃度が抑制されることはよく知られている。
この活性は、LHRHの生物学的活性を評価する便利な方法を与えるもので、実
施例13で詳述したように微粒子中に処方されたロイプロリドの活性を評価する
のに用いられた。
【0070】 実施例14で概略述べたのと同様に、ロイプロリドを組み込んだ微粒子、ブラ
ンクの微粒子、遊離のロイプロリド、または、ブランクの微粒子と同時投与した
遊離のロイプロリドでラットを処理した。血液試料を定期的に取り出し、血漿中
のテストステロン濃度をラジオイムノサッセイにより測定した。
【0071】 この検討結果を図5にまとめて示す。ロイプロリドを組み込んだ微粒子を与え
たラットは、第3日の後、他のすべての群と比較して一貫して低いテストステロ
ン濃度を示した。さらに、このレベルは、第5、15、22及び33日において
、ブランク微粒子と遊離ロイプロリドの混合物で処理したラットと比較して著し
く低いことが判明した。 これらのデータは、明らかに、ロイプロリドを組み込んだ微粒子が血漿テスト
ステロンを抑制し、従って、ロイプロリドが微粒子に処方された後で生物学的な
活性を維持することを示している。さらに、活性なロイプルリドの存在は第43
日目にまで示唆されており、従って、本製造物が放出特性を持続することが確認
された。
【0072】 実施例16(局所的刺激) 相分離法によりロイプロリドを組み込んだ微粒子を製造した。400mgのス
パン80の水相3ml及び20mgのロイプロリドを含む水相3mlを混合容器
に移し、1.5%(w/v)ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)(モル比50:
50、i.v. 約0.7)ジクロロメタン溶液20mlを添加した。この混合物をホモ
ジェナイズし、一定の混合を続けながら25mlのシリコンオイルを添加した。
得られた系を200mlのn−ヘプタン中に撹拌しながら移し、得られた生成物
を沈殿させ、上澄みをデカンテーションにより除き、さらにn−ヘプタンを添加
して攪拌を続けた。微粒子を乾燥し、その粒径をレーザー光回折により測定した
。また、エントラップされたロイプロリドは、微粒子をジクロロメタンに溶解し
ペプチドを水相に抽出した後、HPLCにより測定した。微粒子の粒径は31μ
mであり、ロイプロリド含有量は0.75%w/wであることが判明した。
【0073】 相分離法によりブランクの微粒子を製造した。400mgのスパン80の水相
3mlを混合容器に移し、これに3%(w/v)ポリ(D,L−ラクチド−co−グリ コリド)(モル比50:50、i.v. 約0.7)ジクロロメタン溶液25mlを添加
した。この混合物をホモジェナイズし、一定の混合を続けながら20mlのシリ
コンオイルを添加した。得られた系を200mlのn−ヘプタン中に撹拌しなが
ら移し、得られた生成物を沈殿させ、上澄みをデカンテーションにより除き、さ
らにn−ヘプタンを添加して攪拌を続けた。微粒子を乾燥したところ、粒径は4
5μmであり、捕捉されたロイプロリドを含んでいないことが確認された。
【0074】 ブランク及びロイプロリドを組み込んだ微粒子の両方を、1%のカルボキシメ
チルセルロースナトリウム、0.2%ツイーン80、0.14%のp−ヒドロキシ安息 香酸メチル、0.014%のp−ヒドロキシ安息香酸プロピル及び5%ソルビトール からなる緩衝液に分散させた。5匹の雄のスプラグ−ドーリー・ラット(Sprague
-Dawley rats)からなる複数の群に、125mg/kgの割合で、ブランク微粒 子またはロイプロリドを組み込んだ微粒子のいずれか、7.5mg/kgのロイプ ロリドまたは適当な容量のビヒクルを与えた。28日後にラットを取り、注射部
位を切除して、組織病理学的な検査に供した。
【0075】 ブランクであれ、ロイプロリドを組み込んだものであり、微粒子を注射した何
体かの個体は、投与部位に、局所的ではあるが、明確に識別できる、慢性の、肉
芽腫状の(granumatous)炎症反応を示し、これは穏やかな等級である。この反応 は外来の物質に対する典型的な反応である。周辺の組織には、より散在的な炎症
反応を示す証拠はなかった。
【0076】 これらの結果からは、ここに述べる方法により製造された微粒子は生物学適合
性を有し、何らかの外来の物体を注入した際に予想される刺激以上はもたらさな
いという結果が示唆される。
【0077】 実施例17(残留物質) 上記の方法により製造された微粒子バッチ中に残留する成分の量を測定した。 シリコンオイルはNMR分光法で測定した。50mgのPLGAをガラス製バ
イアルに取り、この材料をジクロロメタンに溶解して、既知量のシリコンオイル
(100mPas)を少量加えることにより標準品を調製した。ポリマーの調製
後、エバポレーションによって溶媒を除去し、標準品を真空乾燥した。次いで、
1mlの重水素化したクロロホルムを添加し、この材料を一昼夜振り動かし、各
標準品について1H−NMRスペクトルを測定した。微粒子を溶解するのに用い たクロロホルムにシリコンオイルを含有させない以外は同様にして資料を取り扱
った。シリコンオイル/溶媒のプロトンを1H−NMRスペクトルから計算した 。この比を用いて一連の標準品について線形な較正(カリブレーション)を行い
、これから未知の試料について測定する。この検討結果を表13にまとめて示す
が、これによれば、上述の方法はシリコンオイル残留量が極めて低水準な微粒子
が製造できることが示される。
【0078】 残留ジクロロメタンとn−ヘプタンは、GCにより測定した。試料をガラスバ
イアルに秤取し、1,4−ジオキサンに溶解した。次いで,ポリマーを沈殿させ
るために、2−ブトキシエタノールを内部標準として含有するイソオクタンを各
バイアルに添加した。遠心分離により沈殿を除去し、試料をGC分析〔(SGE
BPX5 25m×0.32mm、280℃、ヘリウム、2mL/分で、1μLス
プリット注入(20:1スプリット))した。ヘプタン及びDCMの1,4−ジ
オキサン溶液、及び2−ブトキシエタノールを内部標準として含有するイソオク
タン(1:2)を用いてカリブレーションを行なった。この検討結果を表13に
まとめて示すが、これによれば、ここに述べたマイクロスフィアの製造方法は、
残留溶媒の量が極めて低いレベルの製品を製造し得ることが示されている。
【0079】 スパン80の残留量は、試料をアセトニトリルに溶解し、乳化剤を溶媒抽出し
た後、UV吸収(A232)により測定した。既知の標準について得られた吸収率(
absorbency)を参照して定量を行なった。この検討結果を表13にまとめて示す が、これによれば、この方法により製造される微粒子はある程度の量の残留乳化
剤と結合していることが示される。これは、表面親水性を高めるため、粒子の濡
れや再分散を助けるため、製品にとって有利に働く。
【0080】
【表15】
【図面の簡単な説明】
【図1】 微粒子からのインシュリン放出量の経時変化を表わすグラフ。
【図2】 マイクロスフィアの製造安定性を示す三元系ダイアグラム。
【図3】 ロイプロリド放出の経時変化を表わすグラフ。
【図4】 生体中におけるロイプロリド放出の経時変化を表わすグラフ。
【図5】 プラズマ(血漿)テストステロン濃度の経時変化を表わすグラフ
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月16日(2000.3.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 ポリマー微粒子を形成するためにも用いるポリマーは、一般的には薬学的に受
容可能なポリマーであり、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカプロ
ラクトン、あるいは周知のポリラクチドファミリーのポリマーであり、特にポリ
ラクチド−co−グリコリド(polylactide-co-glycolide)ポリマーである。これら
のポリマーの中では、グリコリドに対するラクチドの比や分子量は様々に変える
ことが可能であり、微粒子からの有効物質の放出速度を測定する。グリコリドに
対するラクチドのモル比は、100:0〜0:100の範囲で変更することがで
きる。しかし、コポリマーが、好適に使用される非水性溶媒に溶解しやすいため
、100:0〜50:50のモル比が好ましい。この比率は、好ましくは70:
30と35:65の間(より好ましくは70:30と50:50の間)である。
好ましいコポリマーはグリコリドに対するラクチドの比が、75:25〜50:
50、特に50:50または75:25のものである。ポリラクチドポリマーの
数平均分子量Mnは、5,000〜50,000の範囲でよい。固有粘度(i.v)は、一般的に
は0.2以下から8までの間である。生体内(in vivo)では、こうしたポリマーはラ
ンダムな生分解や非酵素的な切断を受け、乳酸及びグリコール酸の代謝物を生じ
る。このように、ポリマーの粗分解は、微粒子に含めるべき有効な成分ほとんど
について、微粒子が持続的な放出効果を有する放出時間の決定要因(determinati
ve)である。持続的な放出期間は、365日まででよいが、一般的は5〜100 日、典型的には10から30日の範囲である。本発明に従い乳化剤を使用するこ
とにより、狭い粒径分布で形状のコンシステンシーに優れた(すなわち、形状の
揃った)微粒子が製造されることが見出された。明らかに、微粒子が一致した形
状を有することは好ましい。不規則な形状を有する場合と比べ注入が、より容易
になるからである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z W (72)発明者 コペンハーゲン フランク イギリス, バイ キルマーノック KA 1 5NY, ハールフォード, 74B ガルストン ロード Fターム(参考) 4C076 AA65 AA95 DD01 DD35 DD44 DD46 DD49 DD52 EE17 EE48 FF16 FF21 4C084 AA03 BA23 BA35 BA37 MA38 NA13 4F070 AA47 AC59 AE30 CA02 CB04 CB12 DA24 DC07 DC16

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化剤を水性液体及び/またはポリマーを含有する非水性溶
    液に含有せしめる工程、 前記非水性溶液中に前記水性液体を分散させる工程;及び 前記分散物を撹拌し、そこへ前記ポリマーの非溶媒を添加して、ポリマーの微
    粒子を形成する工程を含む微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 乳化剤が水性液体に含まれている請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 乳化剤が非イオン性界面活性剤である、先行するいずれかの
    請求項に記載の方法。
  4. 【請求項4】 乳化剤が、水性液体または非水性溶液の60重量%までの量
    存在する、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 乳化剤が、30重量%までの量存在する請求項4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 乳化剤が、水性液体または非水性溶液中に少なくとも1重量
    %存在する、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 乳化剤のHLB値が2から9である、先行するいずれかの請
    求項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 水性液体が前記分散液の5〜50重量%存在する、先行する
    いずれかの請求項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ポリマーが、ポリラクチド−co−グリコリド・コポリマーで
    ある、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ラクチドのグリコリドに対する比率が、それぞれ75:2
    5から50:50である、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ポリマーが、非水性溶液中に 0.5から10重量%の量存在
    する、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 非水性溶媒がジクロロメタンである、先行するいずれかの
    請求項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 非溶媒の粘度が500mPa未満である、先行するいずれ
    かの請求項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 粘度が50〜150mPaである請求項13に記載の方法
  15. 【請求項15】 薬学的に有効な成分が水性液体中に存在する、先行するい
    ずれかの請求項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記有効成分が、タンパクまたはペプチドである請求項1
    5に記載の方法。
  17. 【請求項17】 明細書中に定義される取込率(loading efficiency)が少
    なくとも60%である、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 薬学的に有効な成分、残存乳化剤及び薬学的に許容される
    ポリマーを含む微粒子。
  19. 【請求項19】 残存乳化剤が5重量%までの量存在する請求項18に記載
    の微粒子。
  20. 【請求項20】 実質的に疎水性非溶媒を含まない請求項18または19に
    記載の微粒子。
  21. 【請求項21】 粒子の大きさが10〜300ミクロンである請求項18、
    19または20に記載の微粒子。
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AU2736499A (en) 1999-10-11
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