JP2002506117A - 木材を基礎にしたパネル類及びボード類を接着するための発泡した樹脂接着剤及びその使用 - Google Patents

木材を基礎にしたパネル類及びボード類を接着するための発泡した樹脂接着剤及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 この発明は、合板のような木質系パネル類及びボード類の接着のための発泡樹脂接着剤及びその使用に関する。該接着剤は、40〜80%の水性樹脂溶液、2〜10%の有機フィラー又はフィラー類、1〜10%のカチオン性アクリルアミド共重合体及び0.05〜1%の界面活性剤を含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 この発明は、合板のような木材を基礎とするパネル類を接着するための発泡
した樹脂接着剤及びその使用に関するものである。
【0002】 木材を基礎とするパネル類及びボード類を接着することについては、近来に
おいては品質条件並びに環境条件が著しく厳しくなっている。主たる目的は、例
えば通例のスプレイ技術での接着剤付与による作業環境における不可避の排出を
下げることにある。他方では、経済的及びエコロジーの理由のために、接着剤の
使用量を少なくする必要性がある。さらに、かかる木材ベースのパネル類の生産
に変動がある場合、接着剤の早まった固化は、たまにではあるが問題を生じさせ
る。
【0003】 これまでの接着剤スプレイ方法と比較して、発泡度が低いフェノール樹脂接
着剤を使用する現在の技術により、均一で適切な接着結果が得られている。前記
フェノール樹脂の発泡は、生産ラインを取り巻く環境の汚染低下の一助になって
いる。気泡は、また、有り得る放出を抑え、臭気も通常の方法よりもよくなる。
ヴォリュウムを増やす樹脂の発泡は、水の必要性を減らし、かくして、ホットプ
レス工程における過剰な湿気による接着作業ラインにおける失敗が防げる。発泡
したフェノール樹脂接着剤は、接着すべき面が粗面で不規則になっていても、極
めて均一に該面にスプレイすることができる。この接着剤は、接着されるマテリ
アルズに対する浸透度が弱く、固化が遅い。接着剤として発泡フェノール樹脂を
使用する最も普通の方法において、発泡と気泡の同時安定化は、屠殺場からの乾
燥し、粉末化された動物の血液で達成される。表面活性剤と組み合わされた前記
血液プロテインが接着剤を素早く発泡させ、発泡した接着剤を安定化させ、必要
な時間間隔に合った有用な形にする。
【0004】 米国特許第3905921号は、特に合板パネルの接着のための急速発泡及
び固化フェノール樹脂接着剤を記載している。樹脂としてフェノール及びアルデ
ヒドの濃縮プロダクト、特にフェノールとフォルムアルデヒドの濃縮プロダクト
を含有するベイシックの30〜45%の樹脂溶液を5〜30%の乾燥粉末動物血
液、水及び接着剤の粘度をコントロールする適当な量のグリオキサル又は他のア
ルデヒドと混合する。この血液は、屠殺場の床から採取したもので、これを乾燥
し、粉末化したものである。しかしながら、屠殺場からのこのような動物の血液
は、潜在的な病因となり、この血液からヒトに感染する。したがって、このよう
な動物の血液の使用は、健康上及びエコロジーの面から問題があるものである。
さらに、この血液の品質の変動で接着剤の特性にコントロールできない変化が生
じてしまう。
【0005】 米国特許第4403013号は、合板生産のための発泡性の熱硬化性接着剤
に関する。この接着剤は、発泡に必要な界面活性剤として脂肪酸アミド又は第三
級酸化アミンと混合されたフェノール−フォルムアルデヒド樹脂のようなフェノ
ール樹脂を含む。気泡は、例えばアッタバルジット(attabulgit)のような主と
してクリスタリン水和マグネシウム・アルミニウム・シリケートである粘土で安
定化されるものである。さらに、この接着剤は、小麦、ライ麦、ポテト又は天然
ゴムなどからの細粉のようなシックナーを含む。炭酸ナトリウム(ソーダ灰)の
ような塩基性組成物もまた前記接着剤に添加されて、そのpHを9以上に調節さ
れる。前記接着剤の組成物は、一緒にされて混合され、空気、窒素ガス又は該混
合物に不活性の他のガスが供給され、激しく撹拌されて前記接着剤を発泡する。
【0006】 接着剤を発泡させ、これを木質系ボード類にスプレイする実用的な押し出し
設備が米国特許第4470789号に開示されている。この設備においては、液
体の接着剤混合物が分離ラインを経てポンプによりガス、代表的には空気を該混
合物に混合する発泡ユニットに供給される。このように得られた発泡ものをスプ
レッドヘッドを介して接着する面に供給する。
【0007】 米国特許第4115178号に記載された方法により、前記発泡接着剤を木
材をベースとするボード類に付与することもできるもので、この方法は、機械的
予備プレスと本ホットプレスの工程からなる。
【0008】 米国特許第4258088号は、合板パネル類を作るプロセスを記載する。
この間欠プロセスにおいては、発泡された合板接着剤が接着される移動面に均一
に付与される。
【0009】 この発明は、接着剤を発泡し、安定化するために動物からのプロダクツを使
用しないで、合板パネル類のような木質系ボード類を接着する発泡可能な樹脂接
着剤を提供することを目的とする。この発明の他の目的は、簡単に、かつ、迅速
に発泡し、発泡した接着剤の安定性、濃度、粘度及び他の特性が特に合板、チッ
プボード、ハードボード、配向ストランドボード及びウエファーボード(薄い平
らな板)のような木質系パネル類及びボード類の接着に好適な発泡性接着剤を提
供することである。
【0010】 この発明による木質系ボード類を接着する発泡性樹脂接着剤とその使用の特
徴は、添付の請求の範囲に提示する。
【0011】 この発明の樹脂接着剤は、フェノール−フォルムアルデヒド、レゾルシノー
ル−フォルムアルデヒド、ユリア−フォルムアルデヒド又はメラミン−フォルム
アルデヒド樹脂又はこれらの混合物又は組み合わせ物のような熱硬化性樹脂、有
機充填マテリアル又はマテリアルズ、カチオン性アクリルアミド共重合体、界面
活性剤、水及び塩基を含む。前記組成物を通例の態様により、例えば、米国特許
4403013により混合する。水性フェノール−フォルムアルデヒド樹脂溶液
として添加することが好ましい前記樹脂の比率は、40〜80%、好ましくは5
0〜75%のレンジのものである。このフェノール−フォルムアルデヒド樹脂の
乾燥物コンテントは、35〜65%、好ましくは、40〜50%の間であり、フ
ェノールに対するフォルムアルデヒドのモル比率は、1.8と2.8との間で変
化する。前記樹脂は、水酸基相関値が3〜10%の無機アルカリ触媒を使用して
作られたものである。好ましい無機アルカリ触媒には、アルカリ及びアルカリ土
類金属水酸化物、酸化物及び弱酸塩類が含まれる。小麦、ライ麦又はポテトの穀
粉類、澱粉、天然ゴム、木粉、セルロース誘導体又はアルギン酸塩のような充填
マテリアルが2〜10%、好ましくは、5〜8%の量で添加される。カチオン性
アクリルアミド共重合体の比率は、1〜10%、好ましくは、2〜5%であり、
この共重合体は、20〜100%、好ましくは、30〜80%のカチオン比率、
10,000〜300,000、好ましくは、50,000以下の分子量、2〜
4のpH値の水溶液として添加されるのが代表例である。さらに、アルキル硫酸
ナトリウム、スルフォン化アルコールエトキシレート、アルファ−オレフィンス
ルフォン酸塩又はアルキルベンゼンスルフォン酸塩のようなアニオン性又は中性
界面活性剤が前記接着剤に添加されることが好ましい。カチオン性アクリルアミ
ド共重合体は、アクリルアミドを含むモノマー類、又は、例えば、アクリルアミ
ドの第四級アルキル−N−アルキルアミン、第一級アクリルアミン、アクリルア
ミドの第二級又は第三級アルキル−N−アルキルアミン、アルコール残基(アル
コールモエティ)が第四級N−アルキルアミンアルコキサイド又は第二級又は第
三級N−アルキルアミンアルコキサイド又は第一級アミンアルコキサイドである
アクリル酸のエステルのような共重合体カチオン形態のモノマ ー類から作ることができる。最も好ましい界面活性剤は、0.05〜1%、好ま
しくは0.1〜0.5%の比率で添加されるナトリウム(2−エチルヘキシル)
サルフェートである。さらに、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は前記混合
物のpHが9以上に調節されることができるその他の塩基性化合物と水5〜50
%とをこの粘着剤混合物に添加することができる。この混合物を発泡するには、
例えば、窒素又は空気、好ましくは空気のような該混合物に不活性のガスを該混
合物に導入することにより、既知の発泡デバイスで高い剪断力を用いて発泡する
ことができる。
【0012】 説明のためのものであって、この発明を限定するべきものではない好ましい
実施の態様に関連の以下の実施例により、この発明を詳細に説明する。
【0013】 [実施例1] 水酸基相関値が3〜10%の無機アルカリ触媒を用いて作った固形物コンテ
ントが40〜50%、モル比率が1.8〜2.8の水性フェノール−フォルムア
ルデヒド樹脂溶液60重量%を、澱粉7重量%、カチオン性アクリルアミド共重
合体3重量%(カチオン比率が45%、分子量100,000以上、pH=3の
25%水溶液)、ナトリウム(2−エチルヘキシル)サルフェート 0.5重量
%、水 29.5重量%及び水酸化ナトリウムをコンベンショナルな態様で、か
つ、コンベンショナルなオーダーで混合して均質に分散した。この接着性樹脂を
空気と混合し、安定な発泡体とし、これをエクストルーダーを介して複数枚の木
質系ボードを互いに接着した。この発明の接着剤の発泡特性は、動物の血液で発
泡した市販製品に匹敵するものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4J040 BA032 BA102 BA192 CA012 DF092 EB051 EB111 EB131 GA04 GA05 GA14 GA15 HD12 HD14 KA38 LA01 LA06 MA08 NA05 NA13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40〜80%の水性樹脂溶液、2〜10%の有機フィラー
    又はフィラー類、1〜10%のカチオン性アクリルアミド共重合体及び0.05
    〜1%の界面活性剤を含むものであることを特徴とする合板のような木質系パネ
    ル類及びボード類の接着のための発泡樹脂接着剤。
  2. 【請求項2】 50〜75%の水性樹脂溶液、5〜8%の有機フィラー又
    はフィラー類、2〜5%のカチオン性アクリルアミド共重合体及び0.1〜0.
    5%の界面活性剤、5〜50%の水及び塩基を含むものであることを特徴とする
    請求項1による樹脂接着剤。
  3. 【請求項3】 前記樹脂は、フェノール−フォルムアルデヒド、レゾルシ
    ノール−フォルムアルデヒド、ユリア−フォルムアルデヒド又はメラミン−フォ
    ルムアルデヒド樹脂又はこれらの混合物又は組み合わせ物であることを特徴とす
    る請求項1又は2による樹脂接着剤。
  4. 【請求項4】 固形物コンテントが35〜60%、好ましくは40〜50
    %、フェノールに対するフォルムアルデヒドのモル比率が1.8〜2.8である
    フェノール−アルデヒド樹脂が水酸基相関値3〜10%の無機アルカリ触媒によ
    り作られることを特徴とする請求項1から3のいずれかによる樹脂接着剤。
  5. 【請求項5】 前記有機フィラーが澱粉を含むマテリアルであることを特
    徴とする請求項1から4のいずれかによる樹脂接着剤。
  6. 【請求項6】 前記カチオン性アクリルアミド共重合体のカチオン比率が
    20〜100%、好ましくは30〜80%であり、分子量が10,000から3
    00,000の間で変化し、好ましくは50,000以上であることを特徴とす
    る請求項1から5のいずれかによる樹脂接着剤。
  7. 【請求項7】 前記カチオン性アクリルアミド共重合体がアクリルアミド
    を含むモノマー類、又は、例えば、アクリルアミドの第四級アルキル−N−アル
    キルアミン、第一級アクリルアミン、アクリルアミドの第二級又は第三級アルキ
    ル−N−アルキルアミン、アルコール残基(アルコールモエティ)が第四級N−
    アルキルアミンアルコキサイド又は第二級又は第三級N−アルキルアミンアルコ
    キサイド又は第一級アミンアルコキサイドであるアクリル酸のエステルのような
    共重合体カチオン形態のモノマー類から作られることを特徴とする請求項1から
    6のいずれかによる樹脂接着剤。
  8. 【請求項8】 前記界面活性剤は、アルキル硫酸ナトリウム、スルフォン
    化アルコールエトキシレート、アルファ−オレフィンスルフォン酸塩又はアルキ
    ルベンゼンスルフォン酸塩のようなアニオン性又は中性化合物であり、好ましい
    界面活性剤は、ナトリウム(2−エチルヘキシル)サルフェートであることを特
    徴とする請求項1から7のいずれかによる樹脂接着剤。
  9. 【請求項9】 木質系パネル類及びボード類の接着のための発泡樹脂接着
    剤の使用であり、該接着剤は、40〜80%の水性樹脂溶液、2〜10%の有機
    フィラー又はフィラー類、1〜10%のカチオン性アクリルアミド共重合体及び
    0.05〜1%の界面活性剤を含むものであることを特徴とするもの。
  10. 【請求項10】 樹脂接着剤を発泡させ、該発泡体を安定させるためのカ
    チオン性アクリルアミド共重合体の使用であり、このカチオン性アクリルアミド
    共重合体は、40〜80%の水性樹脂溶液、2〜10%の有機フィラー又はフィ
    ラーズ、1〜10%のカチオン性アクリルアミド共重合体、0.05〜1%の界
    面活性剤、5〜50%の水及び塩基に1〜10%の量で添加されるものであるこ
    とを特徴とするもの。
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