JP2002506055A - タンパク質チロシンホスファターゼ(ptpアーゼ)の調節剤 - Google Patents

タンパク質チロシンホスファターゼ(ptpアーゼ)の調節剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規な化合物、新規な組成物、それらの使用方法、およびそれらの製造方法を提供するものであって、このような化合物はPTP1B、CD45、SHP−1、SHP−2、PTPα、LAR,およびHePTPなどのタンパク質チロシンホスファターゼ(PTPases)の薬理的に有用な阻害剤である。化合物は、I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障害、インスリン抵抗性、肥満症、自己免疫を含む免疫機能障害、凝固系の機能障害を伴う疾患、喘息を含むアレルギー性疾患、骨粗鬆症、癌および乾癬を含む増殖性の疾病、成長ホルモンの合成または作用の減少または増加を伴う疾患、成長ホルモンの放出または成長ホルモンに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカインの合成の減少または増加を伴う疾患、アルツハイマー病および精神分裂病を含む脳疾患、および感染性疾患の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、新規な化合物、その製造方法、その化合物を含む組成物、これらの
化合物の薬剤としての使用および治療におけるそれらの使用に関し、ここで、式
1のそのような化合物は、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPアーゼ)
、例えばPTP1B、CD45、SHP−1、SHP−2、PTPα、LARお
よびHePTP等の、薬理学的に有用な阻害剤である:
【0002】
【化10】 式1 式中、A、R1 、R2 、R3 、R4 、R16およびR17は、以下でより完全に定
義される。
【0003】 PTPアーゼが、代謝、成長、増殖および分化に関する基本的細胞シグナル形
成メカニズムの細胞内の調整(modulation)および調節(regulation)において主な
役割を演じることが見出された(フリント(Flint) ら、The EMBO J. 12:1937-46
(1993) ;フィッシャー (Fischer)ら、サイエンス(Science) 253:401-6(1991)
)。チロシンホスファターゼの超過発現(overexpression)または変えられた活性
はまた、種々の疾患の症状および経過に寄与し得る(ウィーナー (Wiener) ら、
J. Natl. cancer Inst. 86:372-8 (1994) ;ハンター(Hunter)およびクーパー(C
ooper)、Ann. Rev. Biochem, 54:897-930 (1985))。さらに、これらのPTPア
ーゼの阻害が、ある種のタイプの疾患、例えば糖尿病I型およびII型、自己免
疫疾患、急性および慢性の炎症、骨粗しょう症および種々の形の癌の治療を助け
ることができることを示唆する証拠が増加している。 (発明の背景) タンパク質のリン酸化は今では、細胞機能の異なる段階中に細胞によって使用
されて信号を伝達する重要なメカニズムとしてよく認識されている(フィッシャ
ー (Fischer)ら、サイエンス(Science) 253:401-6(1991) ;フリント(Flint) ら
、The EMBO J. 12:1937-46 (1993) )。少なくとも2つの主な種類のホスファタ
ーゼがある:(1) セリンまたはスレオニン部分にホスフェート基を含むタンパク
質(またはペプチド)を脱リン酸するもの(Ser/Thrホスファターゼと呼
ぶ)および(2) アミノ酸チロシンからホスフェート基を除去するもの(タンパク
質チロシンホスファターゼまたはPTPアーゼと呼ぶ)。
【0004】 PTPアーゼは、2つの群:a)細胞内または非経膜的PTPアーゼおよびb
)レセプタータイプまたは経膜的PTPアーゼに分類することができる酵素族で
ある。 細胞内PTPアーゼ:最も知られている細胞内タイプのPTPアーゼは、220
〜240 個のアミノ酸残基からなる単一の保存された触媒的ホスファターゼドメイ
ンを含む。PTPアーゼドメインの外側の領域は、細胞内PTPアーゼを細胞下
(subcellularly) に局在化させるのに重要な役割を演ずると考えられる(マウロ
(Mauro), L. J.およびディクスン(Dixon), J. E. TIBS 19: 151-155 (1994))。
精製され、かつ特性決定されるべき第1の細胞内PTPアーゼは、ヒトの胎盤か
ら分離されたPTP1Bであった(トンクス(Tonks) ら、J. Biol. Chem. 263:
6722-6730 (1988))。少し後に、PTP1Bはクローン化された(シャルボニュ
ー(Charbonneau) ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 5252-5256 (1989) ;チ
ェルノフ(Chernoff)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 2735-2789 (1989) )
。細胞内PTPアーゼの他の例としては、(1) T−細胞PTPアーゼ(クールら
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 5257-5261 (1989))、(2) ラット脳PTP
アーゼ(グアン(Guan)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1501-1502 (1990)
)、(3) ニューロンのホスファターゼSTEP(ロンブロソ(Lombroso)ら、Proc
. Natl. Acad. Sci. USA 88: 7242-7246 (1991) )、(4) エズリン(ezrin)-ドメ
イン含有PTPアーゼ:PTPMEG1(グー(Gu)ら、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 88: 5867-57871 (1991))、PTPH1(ヤン(Yang)およびトンクス(Tonks
), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 5949-5953 (1991))、PTPD1およびP
TPD2(メラー(Moller)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 7477-7481 (19
94) )、FAP−1/BAS(サトウ(Sato)ら、サイエンス(Science) 268: 411
-415 (1995) ;バンビル(Banville)ら、J. Biol. Chem. 269: 22320-22327 (199
4);マエカワ(Maekawa) ら、FEBS Letters 337: 200-206 (1994))ならびに、S
H2ドメイン含有PTPアーゼ:PTP1C/SH−PTP1/SHP−1(プ
ラツキー(Plutzky) ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 1123-1127 (1992) ;
シェン(Shen)ら、Nature Lond. 352: 736-739 (1991))およびPTP1D/Sy
p/SH−PTP2/SHP−2(ヴォーゲル(Vogel) ら、Science 259: 1611-
1614 (1993) ;フェン(Feng)ら、Science 259: 1607-1611 (1993) ;バスタイン
(Bastein) ら、Biochem. Biophys. Res. Comm. 196: 124-133 (1993))を包含す
る。
【0005】 低分子量のホスホチロシン−タンパク質ホスファターゼ(LMW−PTPアー
ゼ)は、上記した細胞内PTPアーゼと非常にわずかの配列同一性しか示さない
。しかしながら、この酵素は、以下の特徴のために、PTPアーゼ族に属する:
(i) PTPアーゼ活性部位モティーフ(motif) を有する:Cys−Xxx−Xx
x−Xxx−Xxx−Xxx−Arg(シリ(Cirri) ら、Eur. J. Biochem. 214
: 647-657 (1993));(ii)このCys残基は、「古典的」PTPアーゼを用いた
場合と同様に、触媒的反応中にホスホ−中間体を形成する(シリ(Cirri) ら、前
出;チアルギ(Chiarugi)ら、FEBS Lett. 310: 9-12 (1992) );(iii) 分子の全
体にわたる折りたたみは、PTP1BおよびYersinia PTPに対する
ものと驚くべき程度の類似性を示す(ス(Su)ら、Nature 370: 575-578 (1994))
【0006】 レセプタータイプPTPアーゼは、a)推定のリガンド結合細胞外ドメイン、b)
経膜的セグメントおよびc)細胞内触媒的領域からなる。レセプタータイプPTP
アーゼの推定のリガンド結合細胞外ドメインの構造および大きさは、互いに非常
に異なっている。対照的に、レセプタータイプPTPアーゼの細胞内触媒的領域
は、互いに、かつ細胞内PTPアーゼと非常に相同である。ほとんどのレセプタ
ータイプPTPアーゼは、2つの直列に二重にされた触媒的PTPアーゼドメイ
ンを有する。
【0007】 同定されるべき第1のレセプタータイプPTPアーゼは、(1) CD45/LC
A(ラルフ(Ralph), S. J., EMBO J. 6: 1251-1257 (1987) )および(2) LAR
(ストリューリ(Streuli) ら、J. Exp. Med. 168: 1523-1530 (1988))[これは
、PTP1B(シャルボニュー(Charbonneau) ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA
86: 5252-5256 (1989) )に対する相同性に基づいて、酵素のこの種類に属する
と認識された]である。CD45は、高分子量糖タンパク質の一族であり、最も
豊富な白血球細胞表面糖タンパク質の1つであり、造血系の細胞上にもっぱら発
現されると考えられる(トローブリッジ(Trowbridge)およびトマス(Thomas)、An
n. Rev. Immunol. 12: 85-116 (1994))。
【0008】 PTPアーゼ族の一員としてのCD45およびLARの同定の後直ぐに、レセ
プタータイプPTPアーゼ群のうちの幾つかの異なる構成員の同定およびクロー
ニングが行われた。かくして、5つの異なるPTPアーゼ、(3) PTPα、(4)
PTPβ、(5) PTPδ、(6) PTPεおよび(7) PTP( が、1つの初期の研
究において同定された(クリューガー(Krueger) ら、EMBO J. 9: 3241-3252 (19
90) )。レセプタータイプPTPアーゼの他の例としては、(8) PTPγ(バル
ネア(Barnea)ら、Mol. Cell Biol. 13: 1497-1506 (1995))[PTP( (クリュ
ーガー(Krueger) およびサイトウ(Saito), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 74
17-7421 (1992))のように、細胞外領域に炭素のアンハイドラーゼ(anhydrase)
のようなドメインを含む]、(9) PTPμ(ゲビンク(Gebbink) ら、FEBS Lette
rs 290: 123-130 (1991))、(10)PTPκ(イァング(Jiang) ら、Mol. Cell Bi
ol. 13: 2942-2951 (1993))を包含する。
【0009】 構造的差異に基づいて、レセプタータイプPTPアーゼは、次のサブタイプに
分類できる (フィッシャー(Fischer) ら、Science 253: 401-406 (1991) ):
(I) CD45;(II)LAR、PTPd、(11)PTP( ;(III) PTPb、(12)S
AP−1(マトザキ(Matozaki)ら、J. Biol. Chem. 269:2075-2081 (1994) )、
(13)PTP−U2/GLEPP1(セイミヤ(Seimiya) ら、Oncogene 10: 1731-
1738 (1995);トマス(Thomas)ら、J. Biol. Chem. 269: 19953-19962 (1994))
および(14)DEP−1;(IV)PTPa、PTPeを包含する。タイプIVを除くす
べてのレセプタータイプPTPアーゼは、2つのPTPアーゼドメインを含む。
新規なPTPアーゼが連続して同定されており、500個より多い異なる種がヒ
トゲノムにおいて見出される、すなわち、タンパク質チロシンキナーゼ超科(sup
erfamily) の予言された大きさに近いことが予想される(ハンクス(Hanks) およ
びハンター(Hunter)、FASEB J. 9: 576-596 (1995))。
【0010】 PTPアーゼは、タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)に対する生物学的片
割れである。したがって、PTPアーゼの1つの重要な機能は、PTKの活性を
制御する(下方へ調節する(down-regulate) )ことである。しかしながら、PT
Pアーゼの機能の、より複雑な像が今現れている。幾つかの研究は、あるPTP
アーゼは、細胞シグナル形成(signalling)の正の仲介物(mediator)として実際に
働くことができることを示した。例として、SH2ドメイン含有PTP1Dは、
インシュリン刺激されたRas活性化における(ノグチ(Noguchi) ら、Mol. Cel
l Biol. 14: 6674-6682 (1994))、かつ増殖因子誘導されたマイトジェンの信号
伝達の(キシオ(Xiao)ら、J. Biol. Chem. 269: 21244-21248 (1994))正の仲介
物として働くようであり、一方、相同のPTP1Cは、増殖因子刺激された増殖
の負の調節剤(regulator) として働く(ビグノン(Bignon)およびシミノビッチ(S
iminovitch) 、Clin. Immunol. Immunopathol. 73: 168-179 (1994) )ようであ
る。正の調節剤としてのPTPアーゼの別の例は、チロシンキナーゼのSrc族
の活性化を規定するように設計された研究によって提供された。特に、証拠の幾
つかは、あるいはFynおよびLckのC−末端チロシンの脱リン酸によって、
CD45が造血細胞の活性化を正に調節していることを示す(チャン(Chan)ら、
Annu. Rev. Immunol. 12: 555-592 (1994))。
【0011】 二重特異性(dual specificity)タンパク質チロシンホスファターゼ (dsP
TPアーゼ)は、ホスホルチロシンからのならびにホスホル−セリン/スレオニ
ンからのホスフェートを加水分解することができるPTPアーゼ族内のサブクラ
スを規定する。dsPTPアーゼは、PTPアーゼの署名(signature) 配列:H
is−Cys−Xxx−Xxx−Gly−Xxx−Xxx−Argを含む。少な
くとも3つのdsPTPアーゼが、細胞外の信号調節したキナーゼ(ERK)/
マイトジェン活性化されたタンパク質キナーゼ(MAPK)を脱リン酸および不
活化することが示された:MAPKホスファターゼ(CL100、3CH134
)(チャールズ(Charles) ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5292-5296 (19
93) );PAC−1(ワード(Ward)ら、Nature 367: 651-654 (1994));rVH
6(モーリー(Mourey)ら、J. Biol. Chem. 271: 3795-3802 (1996))。dsPT
Pアーゼの転写は、異なる刺激、例えば酸化的応力または熱衝撃によって誘発さ
れる(イシバシ(Ishibashi) ら、J. Biol. Chem. 269: 29897-29902 (1994);キ
ース(Keyse) およびエムスリー(Emslie)、Nature 359: 644-647 (1992))。さら
に、それらは、細胞周期の調節に関係することができる:cdc25(ミラー(M
illar)およびラッセル(Russell) 、Cell 68: 407-410 (1992) );KAP(ハノ
ン(Hannon)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 1731-1735 (1994) )。興味深
いことに、二重特異性ホスファターゼ、cdc25によるcdc2のチロシン脱
リン酸は、酵母における有糸分裂の誘発のために必要とされる(ワルトン(Walto
n)およびディクスン(Dixon) による概説、Annu. Rev. Biochem. 62: 101-120 (1
993))。
【0012】 PTPアーゼは本来、種々の人工基質を用いて細胞および組織の溶解物から同
定され、精製された。したがって、それらの脱リン酸化の自然の機能はよくは知
られていなかった。チロシンキナーゼによるチロシンのリン酸化は通常、細胞増
殖、細胞の形質転換および細胞分化に関連するので、PTPアーゼがまたこれら
の現象に関連することが想定された。
【0013】 この関連は、多くのPTPアーゼを用いた場合であることがわかった。その構
造が最近解明された(バーフォード(Barford) ら、Science 263: 1397-1404 (19
94) )ホスファターゼであるPTP1Bは、インシュリンに誘発される卵母細胞
の成熟に関係があることが示され(フリント(Flint) ら、The EMBO J. 12: 1937
-46 (1993))、この酵素の超過発現がp185c-erb B2に関連する胸部および卵
巣の癌に関係があり得ることが最近示唆された(ウィーナー(Wiener)ら、J. Nat
l. cancer Inst. 86: 372-8 (1994);ウィーナー(Wiener)ら、Am. J. Obstet. G
ynecol. 170: 1177-883 (1994))。インシュリンに誘発される卵母細胞の成熟メ
カニズムは、S6キナーゼの活性を妨げるPTP1Bの能力に相関した。癌との
関連は、PTP1Bの超過発現が、卵巣および胸部の癌におけるp185c-erb B2 の増加する濃度に統計的に相関することを示唆する最近の証拠である。疾患の
病因および経過におけるPTP1Bの役割はなお解明されていない。PTP1B
の阻害剤は、したがって、癌におけるPTP1Bの役割を明らかにするのを助け
ることができ、幾つかの場合には、ある種の形態の癌について治療処置を提供す
ることができる。
【0014】 多数の他の新たに議論されたホスファターゼの活性が目下探求下にある。その
うちの2つ:SHP−1およびSyp/PTP1D/SHPTP2/PTP2C
/SHP−2は最近、血小板由来増殖因子および表皮増殖因子に誘発された応答
の活性化に関係していた(リ(Li)ら、Mole. Cell. Biol. 14: 509-17 (1994) )
。両方の増殖因子は、正常細胞プロセシングならびに疾患状態、例えば癌および
動脈硬化症に関係があるので、これらのホスファターゼの阻害剤がまた治療効力
を示すことが仮定される。したがって、種々のPTPアーゼに対する阻害活性を
示す本発明の化合物が、前記した疾患の処置または治療技術において示される。 PTPアーゼ:インシュリンレセプターシグナル形成経路/糖尿病 インシュリンは、異なる代謝プロセスの重要な調節剤であり、血中グルコース
の調節において重要な役割を演ずる。その合成またはシグナル形成(signalling)
に関連する欠損は、糖尿病蜜剤(mellitus)に至る。インシュリンをそのレセプタ
ーに結合することによって、b−サブユニットの細胞内部分における幾つかのチ
ロシン残基の急速な(自己)リン酸化が引き起こされる。3つの近くに配置され
たチロシン残基(チロシン-1150 ドメイン)はすべて、他の細胞基質(インシュ
リンレセプター基質−1(IRS−1)を含む)のチロシンリン酸化によって、
さらに下流で信号を伝達するインシュリンレセプターチロシンキナーゼ(IRT
K)の全活性を得るために、リン酸化されなければならない(ウィルデン(Wilde
n)ら、J. Biol. Chem. 267: 16660-16668 (1992);マイヤーズ(Myers) およびホ
ワイト(White) 、Diabetes 42: 643-650 (1993) ;リー (Lee)およびピルク(Pil
ch), Am. J. Physiol. 266: C319-C334 (1994);ホワイトら、J. Biol. Chem. 2
63: 2969-2980 (1988))。チロシン−トリプレット(triplet) の機能についての
構造的基礎は、IRTKの最近のX−線結晶学的研究によって与えられ、それは
、チロシン-1150 が、そのリン酸化されていない状態で自己阻害的(autoinhibit
ory)であることを示した(ハバード(Hubbard) ら、Nature 372: 746-754 (1994)
)。
【0015】 幾つかの研究は、自己リン酸化されたIRTKの活性が、イン ビトロ(in vi
tro)での脱リン酸によって逆転されることができ[ゴールドシュタイン(Goldste
in) 、Receptor 3: 1-15 (1993) ;ムーニー(Mooney)およびアンダーソン(Ander
son)、J. Biol. Chem. 246: 6850-6857 (1989)において概説]、3リン酸化され
たチロシン-1150 ドメインは、2‐および1‐リン酸化された形に比べて、タン
パク質チロシンホスファターゼ(PTPアーゼ)のための最も敏感な標的である
ことを明らかに示す(キング(King)ら、Biochem. J. 275: 413-418 (1991) )。
したがって、このチロシン−トリプレットがIRTK活性の制御スイッチとして
機能することが推測させられる。実際に、IRTKは、PTPに媒介されるイン ビボ(in vivo) での脱リン酸によってしっかりと調節されていると考えられる
(カン(Khan)ら、J. Biol. Chem.264: 12931-12940 (1989);フォール(Faure)
ら、J. Biol. Chem.267: 11215-11221 (1992) ;ローゼンベルグ(Rothenberg)ら
、J. Biol. Chem.266: 8302-8311 (1991) )。インシュリンシグル形成経路への
PTPアーゼの完全な結合は、インシュリンがラット肝臓癌細胞において(ミエ
ロビッチ(Meyerovitch) ら、Biochemistry 31: 10338-10344 (1992) )およびア
ロキサン糖尿病ラットからの肝臓において(ボイラン(Boylan)ら、J. Clin. Inv
est. 90: 174-179 (1992) )PTPアーゼ活性を特異に調節することを見出した
ことによって、さらに証明されている。
【0016】 IRTK調節に関係するPTPアーゼの同一性については、比較的少ししか知
られていない。しかし、インシュリンレセプターに対する活性を有するPTPア
ーゼの存在は、上記したように証明することができる。さらに、強いPTPアー
ゼ阻害剤である過バナジウム酸塩を細胞全体に添加したときに、ほとんど全部の
インシュリン応答が脂肪細胞において(ファンタス(Fantus)ら、Biochemistry 2
8: 8864-8871 (1989) ;エリクソン(Eriksson)ら、Diabetologia 39: 235-242 (
1995) )および骨格筋において(レイトン(Leighton)ら、Biochem. J. 276: 289
-292 (1991) )得ることができる。さらに、最近の研究は、新しい種類のパーオ
キソバナジウム化合物が、イン ビボ(in vivo) で、よく効く低血糖症の化合物
として働くことを示す(ポスナー(Posner)ら、前出)。これらの化合物のうちの
2つは、EGF−レセプターより、インシュリンレセプターの脱リン酸のよく効
く阻害剤であることが証明された。
【0017】 偏在的に発現されたSH−2ドメイン含有PTPアーゼであるPTP1D(ヴ
ォーゲルら、前出)は、IRS−1と関連し、かつこれを脱リン酸するが、明ら
かにIR自体は脱リン酸しないことが近年見出された(クーン(Kuhne) ら、J. B
iol. Chem. 268: 11479-11481 (1993);クーン(Kuhne) ら、J. Biol. Chem. 269
: 15833-15837 (1994))。
【0018】 以前の研究は、IRTK調節に応答可能なPTPアーゼは、膜と会合する分子
(フォール(Faure) ら、J. Biol. Chem.267: 11215-11221 (1992) )およびグリ
コシル化された分子(ヘーリング(Haring)ら、Biochemistry 23: 3298-3306 (19
84) ;セール(Sale)、Adv. Prot. Phosphatases 6: 159-186 (1991) )の種類に
属することを示唆する。ハシモト(Hashimoto) らは、LARが、無傷の細胞にお
けるインシュリンレセプターの生理学的調節において役割を演ずることができる
ことを提案した(ハシモト(Hashimoto) ら、J. Biol. Chem. 267: 13811-13814
(1992))。組換えPTP1BならびにLARおよびPTPaの細胞質ドメインを
用いて精製したIRの脱リン酸/不活化の速度を比べることによって、それらの
結論に達した。ラット肝臓癌細胞系におけるインシュリンシグナル形成でのLA
Rの効果を研究するために、アンチセンス阻害が最近使用された(クラス(Kulas
) ら、J. Biol. Chem. 270: 2435-2438 (1995))。約60%だけのLARタンパク
質濃度の抑制が、インシュリンに誘発された自己リン酸化における約150 %の増
加と平行した。しかし、IRTK活性には控えめの35%の増加だけしか観察され
ず、それに対して、インシュリン依存性のホスファチジルイノシトール 3−キ
ナーゼ(PI 3−キナーゼ)活性は、350 %だけ著しく増加した。減少された
LAR濃度は、IRTKチロシンのリン酸化または活性の基底濃度を変えなかっ
た。著者らは、LARが、インシュリンレセプター自体で、または下流の基質で
、PI 3−キナーゼ活性化のために不可欠であるチロシン残基を特異的に脱リ
ン酸することができると推測する。
【0019】 先の報告は、src活性化(ゼン(Zheng) ら、Nature 359: 336- 339(1992);
デン ヘルトグ(Den Hertog)ら、EMBO J. 12: 3789-3798 (1993))およびGRB
−2との相互作用(デン ヘルトグ(Den Hertog)ら、EMBO J. 13: 3020-3032 (1
994);スー(Su)ら、J. Biol. Chem. 269: 18731-18734 (1994))による信号伝達
(signal transduction) におけるPTPaの役割を示すが、最近の研究は、この
ホスファターゼおよびその近い関連のPTPeについて、インシュリンレセプタ
ー信号の負の調節剤としての機能を示唆する(メラーら、1995年、前出)。この
研究はまた、レセプター様のPTPアーゼが、IRTKの調節において有意の役
割を演じ、一方、細胞内PTPアーゼは、インシュリンレセプターに対する、あ
るとすれば少しの活性を有するらしいことを示す。PTPアーゼaおよびeの負
の調節活性の標的はレセプター自体であると思われるが、細胞内TC−PTPの
下方調節(downmodulating)効果は、IR−活性化信号における下流の機能による
ものと思われる。PTP1BおよびTC−PTPは非常に関連しているが、PT
P1Bは、インシュリン処理した細胞のリン酸化パターンに少しの影響しか持た
なかった。
【0020】 両方のPTPアーゼは、それらの細胞下(subcellular) 局在化および、それに
よって、規定された細胞基質へのそれらの接近を決定する明確な構造的特徴を有
する(フランジオン(Frangione) ら、Cell 68: 545-560 (1992) ;フォール(Fau
re) およびポスナー(Posner)、Glia 9: 311-314 (1993))。したがって、IRT
Kに対するPTP1BおよびTC−PTPの活性の欠如は、少なくとも一部分、
それらが、活性化されたインシュリンレセプターと一緒に共局在化(co-localize
) しないという事実によって説明することができる。この見解を支持して、PT
P1BおよびTC−PTPは、細胞下局在化の研究に基づいて肝細胞におけるI
Rに関連するPTPアーゼのための候補として除外された(フォール(Faure) ら
、J. Biol. Chem.267: 11215-11221 (1992) )。
【0021】 経膜のPTPアーゼCD45(造血細胞特異的であると考えられる)は、最近
の研究において、ヒト多発性骨髄腫細胞系U266においてインシュリンレセプ
ターチロシンキナーゼを負に調節することが見出された(クラス(Kulas) ら、J.
Biol. Chem. 271: 755-760 (1996))。PTPアーゼ:ソマトスタチン ソマトスタチンは、細胞増殖を含む幾つかの生物学的機能を阻害する(ランバ
ーツ(Lamberts)ら、Molec. Endocrinol. 8: 1289-1297 (1994))。ソマトスタチ
ンの抗増殖活性の一部は、ホルモンおよび増殖因子の分泌(例えば成長ホルモン
および表皮増殖因子)の阻害に対して二次的であるが、ソマトスタチンの他の抗
増殖効果は、標的細胞への直接の影響によるものである。例として、ソマトスタ
チン類似体は、多分単一のPTPアーゼまたはPTPアーゼのサブセットの刺激
によって、細胞におけるPTPアーゼ濃度の一般的活性化よりは、むしろ、膵臓
癌の増殖を阻害する(リーボウ(Liebow)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2
003-2007 (1989) ;コラス(Colas) ら、Eur. J. Biochem. 207: 1017-1024 (199
2))。最近の研究では、CHO−K1細胞において安定に発現されたソマトスタ
チンレセプターSSTR1(SSTR2ではない)のソマトスタチン刺激が、P
TPアーゼ活性を刺激することができること、および、この刺激は百日咳毒に感
受性であることが見出された。ホルモンおよび増殖因子の分泌へのソマトスタチ
ンの阻害効果が、ホルモン産生成細胞におけるPTPアーゼ活性の同様の刺激に
よって引き起こされるかどうかは、決定されるべきものとして残されている。PTPアーゼ:免疫系/自己免疫 幾つかの研究は、レセプタータイプPTPアーゼCD45がT−細胞の活性化
の開始だけでなく、T−細胞レセプターに媒介されたシグナル形成カスケードを
維持するために重要な役割を演じることを示唆する。これらの研究は、次に概説
されている:(ワイス(Weiss), A., Ann. Rev. Genet. 25: 487-510 (1991);チ
ャン(Chan)ら、Annu. Rev. Immunol. 12: 555-592 (1994);トローブリッジ(Tro
wbridge)およびトマス(Thomas)、Ann. Rev. Immunol. 12: 85-116 (1994))。
【0022】 CD45は、最も豊富な細胞表面糖タンパク質のうちの1つであり、造血細胞
で排他的に発現される。T−細胞において、CD45がリンパ球の信号伝達機構
の重要な成分の1つであることが示された。特に、証拠が、抗原がT−細胞レセ
プターに結合した後のTリンパ球の抗原刺激された増殖において、CD45ホス
ファターゼが中枢的役割を演じることを示唆した(トローブリッジ(Trowbridge)
、Ann. Rev. Immunol. 12: 85-116 (1994))。幾つかの研究は、CD45のPT
Pアーゼ活性が、Lck(Src族のタンパク質チロシンキナーゼのうちのリン
パ球特異的な一員)の活性化において役割を演じることを示唆する(ムステリン
(Mustelin)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 6302-6306 (1989) ;オステル
ガード(Ostergaard)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 8959-8963 (1989) )
【0023】 これらの著者らは、CD45のホスファターゼ活性が、C−末端チロシン残基
の脱リン酸によってLckを活性化する(次にはT−細胞活性化に関連し得る)
と仮定した。最近の研究において、組換えp561ckが、組換えCD45細胞
質ドメインタンパク質と特異的に会合するが、関連のPTPaの細胞質ドメイン
とは会合しないことが見出された(ヌグ(Ng)ら、J. Biol. Chem.271: 1295-1300
(1996) )。p561ck−CD45相互作用は、ホスホチロシンを必要とせず
に、慣用でないSH2ドメイン相互作用によって媒介されると考えられる。未成
熟B細胞において、Src族のタンパク質チロシンキナーゼの別の一員であるF
ynは、LckおよびSykに比べて、CD45のための選択的基質であると思
われる(カタギリ(Katagiri)ら、J. Biol. Chem.270: 27987-27990(1995))。
【0024】 CD45−エクソン6について突然変異を有するトランスジェニックマウスを
用いた研究は、欠損成熟T−細胞を示した。これらのマウスは、典型的なT−細
胞が媒介す応答を用いた抗原攻撃に応答しなかった (キシハラ(Kishihara) ら
、Cell 74: 143-56 (1993))。CD45ホスファターゼの阻害剤はしたがって、
自己免疫疾患に関連する状態において非常に有効な治療剤であろう。
【0025】 CD45はまた、マスト細胞の抗原が媒介する脱顆粒について必須であること
が示された(バーガー(Berger)ら、J. Exp. Med. 180: 471-6 (1994))。これら
の研究はまた、CD45欠乏マウスを用いてなされた。この場合、IgEが媒介
する脱顆粒は、マウスからのCD45欠乏T−細胞でなく野生型で証明された。
これらのデータは、CD45阻害剤がまた、アレルギー疾患の症状または治療処
置において役割を演じることができると示唆する。
【0026】 別の最近発見されたPTPアーゼである、誘発できるリンパ球特異的タンパク
質チロシンホスファターゼ(HePTP)がまた、免疫応答に関係していた。こ
のホスファターゼは、非造血細胞ではなく、休止のTリンパ球およびBリンパ球
の両方で発現される。これらの細胞を刺激すると、HePTP遺伝子からのmR
NA濃度が10〜15倍増加する(ザンケ(Zanke) ら、Eur. J. Immunol. 22: 235-2
39 (1992) )。T細胞およびB細胞の両方において、HePTPは抑制された刺
激中に、特定の残基の脱リン酸によって免疫応答を調節するように機能すること
ができる。しかしながらその正確な役割は、定義されるべきものとして残されて
いる。
【0027】 同様に、造血細胞特異的PTP1Cは、免疫細胞発生において、負の調節剤と
して働き、本質的役割を演ずると思われる。CD45、HePTPおよびPTP
1Cの上記した重要な機能にしたがって、選択的PTPアーゼ阻害剤は、免疫抑
制剤および免疫刺激剤の両方として、魅力的な薬剤候補であり得る。1つの最近
の研究は、バナジウムに基づくPTPアーゼ阻害剤であるBMLOVの、T−細
胞に比べて明らかにB−細胞選択的アポトーシスを誘発する能力を証明すること
によって、免疫調節剤としてのPTPアーゼ阻害剤の可能性を説明する(シーベ
ン(Schieven)ら、J. Biol. Chem.270: 20824-20831 (1995) )。PTPアーゼ:細胞−細胞相互作用/癌 集中性付着板(focal adhesion plaque) (繊維芽細胞が適当な基質で増殖する
ときに、特異的な接触点が形成されるイン ビトロ(in vitro)の現象)は、少な
くとも一部分、細胞およびそれらの自然環境をまねるように思われる。幾つかの
集中性付着タンパク質は、繊維芽細胞が細胞外マトリックスに付着し、かつ広が
るときに、チロシン残基でリン酸化される(ガンビナー(Gumbiner)、Neuron 11,
551-564 (1993) )。しかしながら、これらのタンパク質の異常型のチロシンリ
ン酸化は、細胞の形質転換に至り得る。PTPアーゼと集中性付着との間の密接
な会合は、エズリン(ezrin) 様N−末端ドメインを有する幾つかの細胞内PTP
アーゼ、例えばPTPMEG1(グー(Gu)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:
5867-5871 (1991) )、PTPH1(ヤン(Yang)およびトンクス(Tonks),Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 88: 5949-5953 (1991) )およびPTPD1(メラー(Mol
ler)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 7477-7481 (1994))の発見によって
支持される。エズリン(ezrin) 様ドメインは、細胞膜と細胞骨格との間の連結物
として働くと考えられている幾つかのタンパク質との同様性を示す。PTPD1
は、イン ビトロ(in vitro)で、c−srcによって、およびこれと会合してリ
ン酸化されることが見出され、集中性付着のリン酸化の調節に関係すると仮定さ
れた(メラー(Moller)ら、前出)。
【0028】 PTPアーゼは、チロシンキナーゼの作用を妨害することができ(集中性付着
タンパク質のリン酸化に応答するものを含む)、したがって、形質転換の天然の
阻害剤として機能することができる。TC−PTPおよび特に、この酵素の先端
を切り取られた形態(truncated form)(クール(Cool)ら、Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 87: 7280-7284 (1990) )は、v−erbおよびv−fmsの形質転換活
性を阻害することができる(ラマーズ(Lammers) ら、J. Biol. Chem.268: 22456
-22462 (1993) ;ザンダー(Zander)ら、Oncogene 8: 1175-1182 (1993))。さら
に、HER2/neu遺伝子の発癌性の形態による形質転換は、PTP1Bを超
過発現するNIH 3T3繊維芽細胞において抑制された(ブラウン−シマー(B
rown-Shimer)ら、Cancer Res. 52: 478-482 (1992))。
【0029】 PTP1Bの発現濃度は、neuで形質転換された乳房細胞系において増加さ
れることがわかった(ザイ(Zhay)ら、Cancer Res. 53: 2272-2278 (1993))。癌
の発生におけるチロシンキナーゼとPTPアーゼとの間の密接な関係はさらに、
c−mycまたはint−2ではなく、c−neuおよびv−Ha−rasを超
過発現するトランスジェニックマウスにおけるネズミ乳房腫瘍で、PTPeが高
度に発現されるという最近の発見により証明される(エルソン(Elson) およびレ
ダー(Leder) 、J. Biol. Chem. 270: 26116-26122 (1995))。さらに、PTPg
をコードするヒト遺伝子は、3p21(腎臓および肺の癌においてしばしば欠損
される染色体領域)に位置を決められた(ラフォルジア(LaForgia)ら、Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 88: 5036-5040 (1991) )。
【0030】 本発明において、PTPアーゼが繊維芽細胞の増殖の調節に関係すると考えら
れることは、重要だと思われる。最近の研究において、高密度で収集されたSw
iss 3T3細胞が、その平均の活性が低密度または中間の密度で収集された
細胞より8倍高い膜会合PTPアーゼを含むことが見出された(パレン(Pallen)
およびトング(Tong)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 6996-7000 (1991) )。
密度依存性の細胞増殖阻害は、問題のPTPアーゼの活性の調節された上昇を伴
うことが著者らによって仮定された。この見解に従って、新規な膜に結合したレ
セプタータイプのPTPアーゼであるDEP−1は、WI−38ヒト胚芽肺繊維
芽細胞の細胞密度を増加して、およびAG1518繊維芽細胞系において、増加
された(>=10倍)発現濃度を示した(オストマン(Ostman)ら、Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 91: 9680-9684 (1994) )。
【0031】 2つの密接に関連したレセプタータイプのPTPアーゼ、PTP κおよびPTP
μは、非付着昆虫細胞において発現されるときに、同種親和性の細胞−細胞相互
作用を媒介することができ、これらのPTPアーゼが、細胞−細胞シグナル形成
において正常な生理学的機能を有することができることを示唆する(ゲビンク(G
ebbink) ら、J. Biol. Chem.268: 16101-16104 (1993) ;ブラディ−カルネイ(B
rady-Kalnay)ら、J. Cell Biol. 122: 961-972 (1993) ;サップ(Sap) ら、Mol.
Cell Biol. 14: 1-9 (1994))。興味深いことに、PTP κおよびPTPμは、そ
れらの構造的類似性にもかかわらず、互いに相互作用しない(ゾンダーグ(Zonda
g)ら、J. Biol. Chem. 270: 14247-14250 (1995))。
【0032】 上記した研究から、PTPアーゼが、正常細胞増殖の調節において重要な役割
を演じ得ることが明らかである。しかしながら、先に指摘したように、最近の研
究は、PTPアーゼがまた細胞内シグナル形成の正の仲介物として機能し、それ
によってマイトジェン応答を誘発または増進させることができることを示す。あ
る種のPTPアーゼの増加された活性は、したがって、細胞の形質転換および腫
瘍形成をもたらすことができる。実際に、1つの研究において、PTPαの超過
発現は、ラット胚繊維芽細胞の形質転換に至ることがわかった(ゼン(Zheng) 、
前出)。さらに、新規なPTPであるSAP−1は、膵臓および結腸直腸の癌細
胞において高度に発現されることがわかった。SAP−1は、染色体19領域q
13.4に位置を決められ、19q13.2に位置を決められた癌胎児性抗原に
関連し得る(ウチダ(Uchida)ら、J. Biol. Chem.269: 12220-12228 (1994) )。
さらに、dsPTPアーゼであるcdc25は、Thr14/Tyr−15でc
dc2を脱リン酸し、それによって、有糸分裂の正の調節剤として機能する(ハ
ンター(Hunter)により概説、Cell 80: 225-236 (1995) )。特異的PTPアーゼ
の阻害剤はしたがって、ある種の癌の形態の治療において重要な治療的価値を有
するものと思われる。PTPアーゼ:血小板凝集 最近の研究は、PTPアーゼが血小板凝集に中心的に関係することを示す。作
用薬で誘発される血小板凝集は、PTPアーゼ活性の共働性2倍刺激で、カルパ
インで触媒されるPTP1Bの切断をもたらす(フランギオニ(Frangioni) ら、
EMBO J. 12: 4843-4856 (1993))。PTP1Bの切断は、酵素の細胞下(subcell
ular) 移動に至り、血小板が豊富な血漿中で可逆から不可逆へと血小板凝集を変
えることと相関する。さらに、SH2ドメイン含有PTPアーゼであるSHP−
1は、凝集依存性のやり方でのトロンビン刺激後、血小板の細胞骨格へ転位する
ことがわかった(リー(Li)ら、FEBS Lett. 343:89-93 (1994) )。
【0033】 先の2つの研究におけるいくらかの詳細が最近問題になったが、PTP1Bお
よびSHP−1が血小板凝集において有意の機能的役割を演じることについては
全面的に同意されている(エズミ(Ezumi) ら、J. Biol. Chem. 270: 11927-1193
4 (1995))。これらの観察に従って、PTPアーゼ阻害剤である過バナジウム酸
塩での血小板の処理は、チロシンのリン酸化、分泌および凝集を有意に増加させ
る(パミグリア(Pumiglia)ら、Biochem. J. 286: 441-449 (1992) )。PTPアーゼ:骨粗しょう症 骨形成の速度は、骨芽細胞の数および活性によって決まり、これらは今度は、
それぞれ骨芽細胞先祖細胞の増殖および分化の速度によって決まる。組織形態計
測の研究は、骨芽細胞の数はヒトにおいて骨形成速度の第1の決定子であること
を示す(グルーバー(Gruber)ら、Mineral Electrolyte Metab. 12: 246-254 (19
87) ;ロー(Lau) ら、Biochem. J. 257: 23-36 (1989) において概説)。酸ホス
ファターゼ/PTPアーゼは、骨芽細胞増殖の負の調節に関係し得る。かくして
、フッ化物(ホスファターゼ阻害活性を有する)は、骨芽細胞増殖を増加させる
ことによって骨粗しょう症における脊髄骨密度を増加させることがわかった(ロ
ー(Lau) ら、前出)。この観察と一致して、PTPアーゼ活性を有する、骨芽細
胞の酸ホスファターゼは、フッ化物のマイトジェン濃度に非常に敏感であること
がわかった(ロー(Lau) ら、J. Biol. Chem. 260: 4653-4660 (1985);ロー(Lau
) ら、J. Biol. Chem. 262: 1389-1397 (1987);ロー(Lau) ら、Adv. Protein P
hosphatases 4: 165-198 (1987) )。興味深いことに、骨芽細胞様の細胞系UM
R106.06がコラーゲンタイプ−Iマトリックスで増殖されるときに、コー
ティングされていない組織培養プレートに比べて、膜結合PTPアーゼ活性のレ
ベルが劇的に増加されることが最近見出された。密度依存性増殖抑止された骨芽
細胞において、PTPアーゼ活性の有意の増加が観察された(パレン(Pallen)お
よびトング(Tong)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 6996-7000 (1991) )ので
、増加したPTPアーゼ活性は細胞増殖を直接阻害すると推測することができる
。フッ化物および他のホスファターゼ阻害剤(モリブデン酸塩およびバナジウム
酸塩)のマイトジェン作用は、よって、骨芽細胞の細胞増殖を負に調節する酸ホ
スファターゼ/PTPアーゼのそれらの阻害によって説明することができる。
【0034】 骨形成におけるPTPアーゼの関与の複雑な性質がさらに、新規な甲状腺傍の
調節されたレセプター様PTPアーゼ、OST−PTP(骨および精巣で発現さ
れる)の最近の同定によって示唆される(マウロ(Mauro) ら、J. Biol. Chem.26
9: 30659-30667 (1994) )。OST−PTPは、第1の骨芽細胞の分化およびマ
トリックス形成に従って上へ調節され(up-regulated)、次いで、培養中の骨を活
発に無機物化している骨芽細胞において下へ調節される(down-regulated)。PT
Pアーゼ阻害剤が、OST−PTPまたは他のPTPアーゼの阻害によって分化
を阻止し、それによって連続した増殖にいたることができると仮定できる。この
ことは、上記したフッ素の効果および、チロシンホスファターゼ阻害剤オルトバ
ナジウム酸塩が骨芽細胞の増殖およびマトリックス形成を増進させるという観察
と一致する (ロー(Lau) ら、Endocrinology 116: 2463-2468 (1988) )。さら
に、バナジウム酸塩、バナジルおよび過バナジウム酸塩すべてが、骨芽細胞様の
細胞系UMR106の増殖を増加させることが最近観察された。バナジルおよび
過バナジウム酸塩は、バナジウム酸塩より強い細胞増殖の刺激剤であった。バナ
ジウム酸塩だけが、細胞のアルカリホスファターゼ活性によって測定される細胞
分化を調節することができた(コルチゾ(Cortizo) ら、Mol. Cell Biochem. 145
: 97-102 (1995) )。PTPアーゼ:微生物 ディクソンおよびその共同研究者らは、PTPアーゼがエルシニア(Yersinia)
の病原性において重要な要素であり得るという事実に注意を促した(クレメンズ
(Clemens) ら、Molecular Microbiology 5: 2617-2620 (1991)において概説)。
チロシンホスフェートは細菌に存在しないと考えられているので、この発見はむ
しろ驚くべきことであった。エルシニア(Yersinia)属は3種を含む:Y.ペスティ
ス(pestis)(横げん(bubonic) プラークに応答性)、Y.シュードターベルキュロ
シス(pseudoturberculosis) およびY.エンテロコリティカ(enterocolitica)(腸
炎および腸間膜のリンパ節炎を引き起こす)。興味深いことに、二重特異的ホス
ファターゼVH1が、ワクシニアウィルスにおいて同定された(グアン(Guan)ら
、Nature 350: 359-263 (1991))。これらの観察は、PTPアーゼが微生物およ
び寄生虫の感染において重要な役割を演じ、それらはさらに、感染性疾患の新規
な推定の治療方針としてPTPアーゼ阻害剤を示す。 (発明の概要) 本発明は、一般式1の化合物に関し、ここでA、R1 、R2 、R3 、R4 、R 16 およびR17は、本発明の記載の詳細な部分に定義したのと同様であり、そのよ
うな化合物は、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPアーゼ)、例えばP
TP1B、CD45、SHP−1、SHP−2、PTPα、LARおよびHeP
TP等の、薬理学的に有用な阻害剤である。
【0035】 本発明の化合物は、I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障害、インシ
ュリン抵抗性、肥満、免疫機能不全(自己免疫およびエイズを含む)、凝集系の
機能不全を伴う疾患、アレルギー疾患(喘息を含む)、骨粗しょう症、増殖性疾
患(癌および乾癬を含む)、成長ホルモンの減少もしくは増加した合成または作
用を伴う疾患、成長ホルモンの放出または成長ホルモンに対する応答を調節する
ホルモンまたはサイトカインの減少もしくは増加した合成を伴う疾患、脳の疾患
(アルツハイマー病および精神分裂病を含む)ならびに感染性疾患に関連する適
応症の治療、予防、除去、緩和または改善のために有用である。
【0036】 別の態様においては、本発明は、その範囲内に、活性成分として少なくとも1
種の一般式1の化合物またはその製薬上許容される塩を、製薬上許容される担体
もしくは希釈剤と共に含む医薬組成物を含む。 本発明の別の態様においては、I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障
害、インシュリン耐性障害、肥満、免疫機能不全(自己免疫およびエイズを含む
)、凝集系の機能不全を伴う疾患、アレルギー疾患(喘息を含む)、骨粗しょう
症、増殖性疾患(癌および乾癬を含む)、成長ホルモンの減少もしくは増加した
合成または作用を伴う疾患、成長ホルモンの放出または成長ホルモンに対する応
答を調節するホルモンまたはサイトカインの減少もしくは増加した合成を伴う疾
患、脳の疾患(アルツハイマー病および精神分裂病を含む)ならびに感染性疾患
を治療する方法が提供される。
【0037】 治療法は、上記適応症のうちの1つの治療、予防、除去、緩和または改善とし
て記載することができ、該対象に、神経科的に有効な量の本発明の化合物または
その製薬上許容される塩を投与する段階を含む。 本発明のさらなる態様は、本発明の化合物を、I型糖尿病、II型糖尿病、グ
ルコース耐性障害、インシュリン抵抗性、肥満、免疫機能不全(自己免疫および
エイズを含む)、凝集系の機能不全を伴う疾患、アレルギー疾患(喘息を含む)
、骨粗しょう症、増殖性疾患(癌および乾癬を含む)、成長ホルモンの減少もし
くは増加した合成または作用を伴う疾患、成長ホルモンの放出または成長ホルモ
ンに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカインの減少もしくは増加した
合成を伴う疾患、脳の疾患(アルツハイマー病および精神分裂病を含む)ならび
に感染性疾患のすべてを治療するための医薬組成物を製造するために使用するこ
とに関する。 (発明の詳細な説明) 本発明は、式1の化合物に関し、ここで、A、R1 、R2 、R3 、R4 、R16 およびR17は、以下のように定義される。
【0038】
【化11】 上記式1において、 Aは、式1の二重結合を一員とする、フェニル、ビフェニル、インデニル、フ
ルオレニル、フルオレニル-9- オン、ナフチル、ピリジル、ピリダジニル、ピリ
ミジルまたはピラジニルであり; R1 は、水素、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO 2 NR7 8 、PO(OH)2 、CH2 PO(OH)2 、CHFPO(OH)2 、CF2 PO(OH)2 、C(=NH)NH2 、NR7 8 であるか、または以
下の5員ヘテロ環:
【0039】
【化12】 から選択されるか、または、R1 は、
【0040】
【化13】 であり、ここで、R12、R13およびR14は独立に、水素、C1 〜C6 アルキル、
アリール、アリールC1 〜C6 アルキルであり、アルキル基およびアリール基は
任意に置換されていてもよく; R2 は、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO2 NR 7 8 、PO(OH)2 、CH2 PO(OH)2 、CHFPO(OH)2 、CF 2 PO(OH)2 、C(=NH)NH2 、NR7 8 であるか、または以下の5
員ヘテロ環:
【0041】
【化14】 から選択され; R3 、R16およびR17は独立に、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、トリハロメチ
ル、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキル、ヒドロキシ
、カルボキシ、カルボキシC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルオキシカル
ボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1 〜C6 アルキルオキシカルボ
ニル、C1 〜C6 アルキルオキシ、C1 〜C6 アルキルオキシC1 〜C6 アルキ
ル、アリールオキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシC1 〜C6 アルキル、チオ、C1 〜C6 アルキルチオ、C1 〜C 6 アルキルチオC1 〜C6 アルキル、、アリールチオ、アリールC1 〜C6 アル
キルチオ、アリールC1 〜C6 アルキルチオC1 〜C6 アルキル、NR7 8
1 〜C6 アルキルアミノC1 〜C6 アルキル、アリールC1 〜C6 アルキルア
ミノC1 〜C6 アルキル、ジ(アリールC1 〜C6 アルキル)アミノC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アルキルカルボニル‐C 1 〜C6 アルキル、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニル、アリールC1 〜C 6 アルキルカルボニルC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルカルボキシ、C 1 〜C6 アルキルカルボキシC1 〜C6 アルキル、アリールカルボキシ、アリー
ルカルボキシC1 〜C6 アルキル、アリールC1 〜C6 アルキルカルボキシ、ア
リールC1 〜C6 アルキルカルボキシC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキル
‐カルボニルアミノ、C1 〜C6 アルキルカルボニルアミノC1 〜C6 アルキル
、カルボニル‐NR7 1 〜C6 アルキルCOR11、アリールC1 〜C6 アルキ
ルカルボニルアミノ、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニル‐アミノC1 〜C 6 アルキル、CONR7 8 またはC1 〜C6 アルキルCONR7 8 であり、
ここで、アルキル基およびアリール基は任意に置換されていてもよく、R11はN
7 8 またはC1 〜C6 アルキル‐NR7 8 であり;またはR3 は、
【0042】
【化15】 であり、ここで、R12、R13およびR14は独立に、水素、C1 〜C6 アルキル、
アリール、アリールC1 〜C6 アルキルであり、アルキル基およびアリール基は
任意に置換されていてもよく; R4 は、水素、ヒドロキシ、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1
6 アルキル、NR7 8 、C1 〜C6 アルキルオキシであり、ここでアルキル
基およびアリール基は任意に置換されていてもよく; R5 は、ヒドロキシ、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6
ルキル、C1 〜C6 アルキルオキシ、C1 〜C6 アルキル‐オキシC1 〜C6
ルキルオキシ、アリールオキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシ、CF3
NR7 8 であり、ここでアルキル基およびアリール基は任意に置換されており
; R6 は、水素、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキル
であり、アルキル基およびアリール基は任意に置換されていてもよく; R7 およびR8 は独立に、水素、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC 1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリ
ールC1 〜C6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アルキルカルボキシまたはアリ
ールC1 〜C6 アルキルカルボキシであり、ここでアルキル基およびアリール基
は任意に置換されていてもよく;または R7 およびR8 は、それらが結合して
いる窒素と合わせて、飽和、部分飽和または芳香族の、単環、2環または3環系
を形成しており、これらの環系は、3〜14個の炭素原子および0〜3個の、窒素
、酸素または硫黄から選択される追加のヘテロ原子を含み、環系は、任意に、少
なくとも1個のC1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキル、
ヒドロキシ、オキソ、C1 〜C6 アルキルオキシ、アリールC1 〜C6 アルキル
オキシ、C1 〜C6 アルキルオキシC1 〜C6 アルキル、NR9 10またはC1 〜C6 アルキルアミノC1 〜C6 アルキルで置換されていることができ、ここで
、R9 およびR10は独立に、水素、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC 1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリ
ールC1 〜C6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アルキルカルボキシまたはアリ
ールC1 〜C6 アルキルカルボキシから選択され、ここで、アルキル基およびア
リール基は任意に置換されていてもよく;または、R7 およびR8 は独立に、飽
和または部分飽和の5員環、6員環または7員環のアミン、イミドまたはラクタ
ムである。
【0043】 本発明は、上記式1の化合物または、その製薬上許容される酸または塩基との
塩または任意の光学異性体もしくは光学異性体混合物(ラセミ混合物を含む)ま
たは任意の互変異形に関するものである。定義 信号伝達は、与えられた細胞または組織の活性化の結果起こるすべての細胞プ
ロセスを定義するため使用される集合的な用語である。信号伝達の例は(いかな
るやり方でも特許請求された本発明の範囲を限定することを意図しないが)、ポ
リペプチドホルモンおよび増殖因子(例えば、インシュリン、インシュリン様の
増殖因子IおよびII、成長ホルモン、表皮増殖因子、血小板誘導増殖因子)、
サイトカイン(例えば、インターロイキン)、細胞外マトリックス成分および細
胞‐細胞相互作用によって誘発される細胞の事象である。
【0044】 ホスホチロシン認識単位/チロシンホスフェート認識単位/pTyr認識単位 は、リン酸化されたチロシン残基(pTyr)を含む分子に親和性を有するタン
パク質または糖タンパク質の領域またはドメインとして定義される。pTyr認
識単位の例は(いかなるやり方でも特許請求された本発明の範囲を限定すること
を意図しないが)、PTPアーゼ、SH2ドメインおよびPTBドメインである
【0045】 PTPアーゼは、pTyr含有タンパク質または糖タンパク質を脱リン酸する
能力を有する酵素として定義される。PTPアーゼの例は(いかなるやり方でも
特許請求された本発明の範囲を限定することを意図しないが)、「古典的」PT
Pアーゼ[細胞内PTPアーゼ(例えば、PTP1B、TC−PTP、PTP1
C、PTP1D、PTPD1、PTPD2)]およびレセプタータイプPTPア
ーゼ(例えば、PTPα、PTPε、PTPβ、PTPγ、CD45、PTPκ
、PTPμ)、二重特異性ホスファターゼ(VH1、VHR、cdc25)、L
MW−PTPアーゼまたは酸ホスファターゼである。
【0046】 SH2ドメイン(Src相同2ドメイン)は、pTyr(ホスホチロシン残基
)含有タンパク質に結合する非触媒的タンパク質モジュールである。すなわち、
SH2ドメインがpTyr認識単位である。約100 個のアミノ酸残基からなるS
H2ドメインは、信号伝達プロセスに関係のある多くの異なる分子において見出
されている。以下のものは、SH2ドメインを含むタンパク質の限定的でないリ
ストである:Src、Hck、Lck、Syk、Zap70、SHP−1、SH
P−2、STAT、Grb−2、Shc、p85/PI3K、Gap、vav(
ラッセル(Russell) ら、FEBS Lett. 304: 15-20 (1992);パウソン(Pawson)、Na
ture 373: 573-580 (1995);ソーヤー(Sawyer)、Biopolymers (Peptide Science
) 47: 243-261 (1998)および本明細書における参考文献参照)。
【0047】 ここで使用されているように、「結合した」という語または「−」 (例えば
、足場へのカルボニル結合点を示す‐COR11)は、安定な共有結合を表し、結
合点のある好ましい点は、当業者に明らかである。 「ハロゲン」または「ハロ
」という語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。「アルキル」とい
う語は、C1 〜C6 直鎖飽和およびC2 〜C6 不飽和の脂肪族炭化水素基、C1 〜C6 分岐飽和およびC2 〜C6 不飽和の脂肪族炭化水素基、C3 〜C6 環状飽
和およびC5 〜C6 不飽和の脂肪族炭化水素基ならびに、C3 〜C6 環状飽和お
よび不飽和の脂肪族炭化水素基(特定の数の炭素原子を有する)で置換された、
1 〜C6 直鎖もしくは分岐飽和およびC2 〜C6 直鎖もしくは分岐不飽和の脂
肪族炭化水素基を含む。例えば、この定義は、メチル(Me)、エチル(Et)
、プロピル(Pr)、ブチル(Bu)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エテニ
ル、プロペニル、ブテニル、ペネンチル、ヘキセニル、イソプロピル(i−Pr
)、イソブチル(i−Bu)、tert- ブチル(t−Bu)、sec-ブチル(s−B
u)、イソペンチル、ネオペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、メチルシクロ
プロピル、エチルシクロヘキセニル、ブテニルシクロペンチル等を包含するが、
これらに限定されない。
【0048】 「置換されたアルキル」という語は、置換基が独立に、ハロ、シアノ、ニトロ
、トリハロメチル、カルバモイル、ヒドロキシ、オキソ、COR5 、C1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルオキシ、アリールオキシ、アリールC1 〜C6
ルキルオキシ、チオ、C1 〜C6 アルキルチオ、アリールチオ、アリールC1
6 アルキルチオ、NR7 8 、C1 〜C6 アルキルアミノ、アリールアミノ、
アリールC1 〜C6 アルキルアミノ、ジ (アリールC1 〜C6 アルキル)アミ
ノ、C1 〜C6 アルキルカルボニル、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニル、
1 〜C6 アルキルカルボキシ、アリールカルボキシ、アリールC1 〜C6 アル
キルカルボキシ、C1 〜C6 アルキルカルボニル‐アミノ、−C1 〜C6 アルキ
ルアミノCOR11、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニルアミノ、テトラヒド
ロフラニル、モルホリニル、ピペラジニル、‐CONR7 8 、‐C1 〜C6
ルキル‐CONR7 8 、または飽和もしくは部分飽和の5員環、6員環もしく
は7員環のアミン、イミドまたはラクタム(ここで、R11は、ヒドロキシ、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキル
オキシ、アリールオキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシであり、R5 は、
前記と同義であるか、またはNR7 8 であり、R7 、R8 は、前記と同義であ
る)から選択される、先に定義したアルキル基を示す。
【0049】 「飽和、部分飽和または芳香族の単環、2環または3環系」という語は、アジ
リジニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、2-イミダゾリ
ニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、2-ピラゾリニル、1,2,3-トリアゾリル、
1,2,4-トリアゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、ピペラ
ジニル、インドリル、イソインドリル、1,2,3,4-テトラヒドロ‐キノリニル、1,
2,3,4-テトラヒドロ‐イソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロ‐キノキサリニル
、インドリニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、プ
リニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、
イミノジベンジル、イミノスチルベニルを表すが、これらに限定されない。
【0050】 「アルキルオキシ」(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、アリル
オキシ、シクロヘキシルオキシ)という語は、酸素架橋によって結合された、示
された数の炭素原子を有する、先に定義したアルキル基を表す。「アルキルオキ
シアルキル」という語は、示された数の炭素原子を有する、先に定義したアルキ
ル基によって結合された「アルキルオキシ」基を表す。
【0051】 「アルキルオキシアルキルオキシ」という語は、示された数の炭素原子を有す
る、先に定義した、酸素原子によって結合された「アルキルオキシアルキル」基
を表す。 「アリールオキシ」(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等)という語は、
酸素架橋によって結合された、以下に定義されるアリール基を表す。
【0052】 「アリールアルキルオキシ」(例えば、フェネチルオキシ、ナフチルメチルオ
キシ等)という語は、酸素架橋によって結合された、以下に定義される「アリー
ルアルキル」基を表す。 「アリールアルキルオキシアルキル」という語は、示された数の炭素原子を有
する、先に定義した「アルキル」基によって結合された、先に定義した「アリー
ルアルキルオキシ」基を表す。
【0053】 「アリールチオ」(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)という語は、硫
黄架橋によって結合された、以下に定義される「アリール」基を表す。 「アルキルオキシカルボニル」(例えば、メチルホルミアト(methylformiat
)、エチルホルミアト等)という語は、カルボニル基によって結合された、先に
定義した「アルキルオキシ」基を表す。
【0054】 「アリールオキシカルボニル」(フェニルホルミアト、2-チアゾリルホルミア
ト等)という語は、カルボニル基によって結合された、先に定義した「アリール
オキシ」基を表す。 「アリールアルキルオキシカルボニル」(例えば、ベンジルホルミアト、フェ
ニルエチルホルミアト等)という語は、カルボニル基によって結合された、先に
定義した「アリールアルキルオキシ」基を表す。
【0055】 「アルキルオキシカルボニルアルキル」という語は、示された数の炭素原子を
有する、先に定義した「アルキル」基によって結合された、先に定義した「アル
キルオキシカルボニル」基を表す。 「アリールアルキルオキシカルボニルアルキル」という語は、示された数の炭
素原子を有する、先に定義した「アルキル」基によって結合された、先に定義し
た「アリールアルキルオキシカルボニル」基を表す。
【0056】 「アルキルチオ」(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、シクロ
ヘキセニルチオ等)という語は、硫黄架橋によって結合された、示された数の炭
素原子を有する、先に定義した「アルキル」基を表す。 「アリールアルキルチオ」(例えばフェニルメチルチオ、フェニルエチルチオ
等)という語は、硫黄架橋によって結合された、示された数の炭素原子を有する
、先に定義した「アリールアルキル」基を表す。
【0057】 「アルキルチオアルキル」という語は、示された数の炭素原子を有する、先に
定義したアルキル基によって結合された、先に定義した「アルキルチオ」基を表
す。 「アリールアルキルチオアルキル」という語は、示された数の炭素原子を有す
る、先に定義したアルキル基によって結合された「アリールアルキルチオ」基を
表す。
【0058】 「アルキルアミノ」(例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ
N-プロピル-N- ヘキシルアミノ、(2- シクロペンチル)プロピルアミノ、ヘキセ
ニルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル等)という語は、アミン架橋によって
結合された、示された数の炭素原子を有する、先に定義した1 個または2個の「
アルキル」基を表す。2つのアルキル基は、それらが結合している窒素と合わせ
て、飽和、部分飽和または芳香族の単環、2環または3環系を形成することがで
き、これらの環系は、3〜14個の炭素原子および0〜3個の、窒素、酸素または
硫黄から選択される追加のヘテロ原子を含み、環系は、任意に少なくとも1 個の
1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキル、ヒドロキシ、オ
キソ、C1 〜C6 アルキルオキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシ、C1
6 アルキルオキシC1 〜C6 アルキル、NR9 10またはC1 〜C6 アルキル
アミノC1 〜C6 アルキル置換基で置換されていることができ、ここで、アルキ
ル基およびアリール基は、定義の項で定義したように任意に置換されていてもよ
く、R9 およびR10は前記と同義である。
【0059】 「アリールアルキルアミノ」(例えば、ベンジルアミノ、ジフェニルエチルア
ミノ等)という語は、アミン架橋によって結合された、示された数の炭素原子を
有する、先に定義した1 個または2個の「アリールアルキル」基を表す。2つの
「アリールアルキル」基は、それらが結合している窒素と合わせて、飽和、部分
飽和または芳香族の単環、2環または3環系を形成することができ、これらの環
系は、3〜14個の炭素原子および0〜3個の、窒素、酸素または硫黄から選択さ
れる追加のヘテロ原子を含み、環系は、任意に少なくとも1 個のC1 〜C6 アル
キル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1 〜C 6 アルキルオキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシ、C1 〜C6 アルキルオ
キシC1 〜C6 アルキル、NR9 10またはC1 〜C6 アルキルアミノC1 〜C 6 アルキル置換基で置換されていることができ、ここで、アルキル基およびアリ
ール基は、定義の項で定義したように任意に置換されていてもよく、R9 および
10は前記と同義である。
【0060】 「アルキルアミノアルキル」という語は、示された数の炭素原子を有する、先
に定義したアルキル基によって結合された「アルキルアミノ」基を表す。 「アリールアルキルアミノアルキル」という語は、示された数の炭素原子を有
する、先に定義したアルキル基によって結合された「アリールアルキルアミノ」
基を表す。
【0061】 「アリールアルキル」(例えば、ベンジル、フェニルエチル)という語は、先
に定義された、示された数の炭素原子を有するアルキル基または置換アルキル基
によって結合された、以下に定義される「アリール」基を表す。 「アルキルカルボニル」(例えば、シクロオクチルカルボニル、ペンチルカル
ボニル、3-ヘキセニルカルボニル)という語は、カルボニル基によって結合され
た、示された数の炭素原子を有する、先に定義された「アルキル基」を表す。
【0062】 「アリールカルボニル」(ベンゾイル)という語は、カルボニル基によって結
合された、先に定義された「アリール基」を表す。 「アリールアルキルカルボニル」(例えば、フェニルシクロプロピルカルボニ
ル、フェニルエチルカルボニル等)という語は、カルボニル基によって結合され
た、示された数の炭素原子を有する、先に定義された「アリールアルキル基」を
表す。
【0063】 「アルキルカルボニルアルキル」という語は、示された数の炭素原子を有する
、先に定義された「アルキル」基によって結合された「アルキルカルボニル」基
を表す。 「アリールアルキルカルボニルアルキル」という語は、示された数の炭素原子
を有する、先に定義された「アルキル」基によって結合された「アリールアルキ
ルカルボニル」基を表す。
【0064】 「アルキルカルボキシ」(例えば、ヘプチルカルボキシ、シクロプロピルカル
ボキシ、3-ペンテニルカルボキシ)という語は、カルボニルが今度は酸素架橋に
よって結合された、先に定義した「アルキルカルボニル」基を表す。 「アリールアルキルカルボキシ」(例えば、ベンジルカルボキシ、フェニルシ
クロプロピルカルボキシ等)という語は、カルボニルが今度は酸素架橋によって
結合された、先に定義した「アリールアルキルカルボニル」基を表す。
【0065】 「アリールカルボキシアルキル」(例えば、フェニルカルボキシメチル)とい
う語は、示された数の炭素原子を有するアルキル鎖に、カルボニルが今度は酸素
架橋によって結合された、先に定義された「アリールカルボニル」基を表す。 「アルキルカルボキシアルキル」という語は、示された数の炭素原子を有する
、先に定義された「アルキル」基によって結合された「アルキルカルボキシ」基
を表す。
【0066】 「アリールアルキルカルボキシアルキル」という語は、示された数の炭素原子
を有する、先に定義された「アルキル」基によって結合された「アリールアルキ
ルカルボキシ」基を表す。 「アルキルカルボニルアミノ」(例えば、ヘキシルカルボニルアミノ、シクロ
ペンチルカルボニルアミノメチル、メチルカルボニルアミノフェニル)という語
は、カルボニルが今度はアミノ基の窒素原子によって結合された、先に定義した
「アルキルカルボニル」基を表す。窒素原子はそれ自体、アルキル基またはアリ
ール基で置換されていることができる。
【0067】 「アリールアルキルカルボニルアミノ」(例えば、ベンジルカルボニルアミノ
等)という語は、カルボニルが今度はアミノ基の窒素原子によって結合された、
先に定義した「アリールアルキルカルボニル」基を表す。窒素原子はそれ自体、
アルキル基またはアリール基で置換されていることができる。 「アルキルカルボニルアミノアルキル」という語は、示された数の炭素原子を
有する、先に定義された「アルキル」基によって結合された 「アルキルカルボ
ニルアミノ」基を表す。窒素原子はそれ自体、アルキル基またはアリール基で置
換されていることができる。
【0068】 「アリールアルキルカルボニルアミノアルキル」という語は、示された数の炭
素原子を有する、先に定義された「アルキル」基によって結合された「アリール
アルキルカルボニルアミノ」基を表す。窒素原子はそれ自体、アルキル基または
アリール基で置換されていることができる。 「アルキルカルボニルアミノアルキルカルボニル」という語は、カルボニル基
によって結合されたアルキルカルボニルアミノアルキル基を表す。窒素原子は、
「アルキル」または「アリール」基でさらに置換されていることができる。
【0069】 「アリール」という語は、不飽和の、モノ‐、ジ‐またはトリ‐置換された単
環、多環、ビアリールおよびヘテロ環式の芳香族基(安定な共有結合を作ること
ができる、環の任意の位置で共有的に結合されていて、好ましいある結合点は、
当業者に公知である(例えば、3-インドリル、4-イミダゾリル))を表す。アリ
ールの置換基は独立に、次のものからなる群より選択される:ハロ、ニトロ、シ
アノ、トリハロメチル、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6
ルキル、ヒドロキシ、COR5 、C1 〜C6 アルキルオキシ、C1 〜C6 アルキ
ルオキシC1 〜C6 アルキル、、アリールオキシ、アリールC1 〜C6 アルキル
オキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシC1 〜C6 アルキル、チオ、C1
6 アルキルチオ、C1 〜C6 アルキルチオC1 〜C6 アルキル、、アリールチ
オ、アリールC1 〜C6 アルキルチオ、アリールC1 〜C6 アルキルチオC1
6 アルキル、NR8 9 、C1 〜C6 アルキルアミノ、C1 〜C6 アルキルア
ミノC1 〜C6 アルキル、アリールアミノ、アリールC1 〜C6 アルキルアミノ
、アリールC1 〜C6 アルキル- アミノC1 〜C6 アルキル、ジ(アリールC1 〜C6 アルキル)アミノC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、
1 〜C6 アルキルカルボニルC1 〜C6 アルキル、アリールC1 〜C6 アルキ
ルカルボニル、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニルC1 〜C6 アルキル、C 1 〜C6 アルキルカルボキシ、C1 〜C6 アルキルカルボキシC1 〜C6 アルキ
ル、アリールC1 〜C6 アルキルカルボキシ、アリールC1 〜C6 アルキルカル
ボキシC1 〜C6 アルキル、カルボキシC1 〜C6 アルキルオキシ、C1 〜C6 アルキルカルボニルアミノ、C1 〜C6 アルキルカルボニルアミノC1 〜C6
ルキル、- カルボニルNR7 1 〜C6 アルキルCOR11、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニル- アミノ、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニルアミノC 1 〜C6 アルキル、- CONR8 9 または- C1 〜C6 アルキル- CONR8 9 ;ここで、R7 、R8 、R9 およびR11は前記と同義であり、アルキル基お
よびアリール基は、定義の項で定義されたように、任意に置換されていてもよい
【0070】 アリールの定義は、以下のものを包含するが、これらに限定されない:フェニ
ル、ビフェニル、インデニル、フルオレニル、ナフチル(1-ナフチル、2-ナフチ
ル)、ピロリル(2-ピロリル)、ピラゾリル(3-ピラゾリル)、イミダゾリル(
1-イミダゾリル、2-イミダゾリル4-イミダゾリル、5-イミダゾリル)、トリアゾ
リル(1,2,3-トリアゾール-1- イル、1,2,3-トリアゾール-2- イル、1,2,3-トリ
アゾール-4- イル、1,2,4-トリアゾール-3- イル)、オキサゾリル(2-オキサゾ
リル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル)、イソキサゾリル(3-イソキサゾリル
、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル)、チアゾリル(2-チアゾリル、4-チア
ゾリル、5-チアゾリル)、チオフェニル(2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-
チオフェニル、5-チオフェニル)、フラニル(2-フラニル、3-フラニル、4-フラ
ニル、5-フラニル)、ピリジル(2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-ピリ
ジル)、5-テトラゾリル、ピリミジニル(2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-
ピリミジニル、6-ピリミジニル)、ピラジニル、ピリダジニル(3-ピリダジニル
、4-ピリダジニル、5-ピリダジニル)、キノリル(2-キノリル、3-キノリル、4-
キノリル、5-キノリル、6-キノリル、7-キノリル、8-キノリル)、イソキノリル
(1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル、6-イソ
キノリル、7-イソキノリル、8-イソキノリル)、ベンゾ[b]フラニル(2-ベン
ゾ[b]フラニル、3-ベンゾ[b]フラニル、4-ベンゾ[b]フラニル、5-ベン
ゾ[b]フラニル、6-ベンゾ[b]フラニル、7-ベンゾ[b]フラニル)、2,3-
ジヒドロ- ベンゾ[b]フラニル(2-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b]フラニル)
、3-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b]フラニル)、4-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b
]フラニル)、5-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b]フラニル)、6-(2,3-ジヒドロ
- ベンゾ[b]フラニル)、7-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b]フラニル))、ベ
ンゾ[b]チオフェニル(2-ベンゾ[b]チオフェニル、3-ベンゾ[b]チオフ
ェニル、4-ベンゾ[b]チオフェニル、5-ベンゾ[b]チオフェニル、6-ベンゾ
[b]チオフェニル、7-ベンゾ[b]チオフェニル)、2,3-ジヒドロ- ベンゾ[
b]チオフェニル(2-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニル)、3-(2,3-
ジヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニル)、4-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b]チオ
フェニル)、5-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニル)、6-(2,3-ジヒド
ロ- ベンゾ[b]チオフェニル)、7-(2,3-ジヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニ
ル))、4,5,6,7-テトラヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニル(2-(4,5,6,7-テト
ラヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニル)、3-(4,5,6,7-テトラヒドロ- ベンゾ[
b]チオフェニル)、4-(4,5,6,7-テトラヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニル)
、5-(4,5,6,7-テトラヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニル)、6-(4,5,6,7-テト
ラヒドロ- ベンゾ[b]チオフェニル)、7-(4,5,6,7-テトラヒドロ- ベンゾ[
b]チオフェニル))、4,5,6,7-テトラヒドロ- チエノ[2,3-c ]ピリジル(4-
(4,5,6,7-テトラヒドロ- チエノ[2,3-c ]ピリジル)、5-(4,5,6,7-テトラヒ
ドロ- チエノ[2,3-c ]ピリジル)、6-(4,5,6,7-テトラヒドロ- チエノ[2,3-
c ]ピリジル)、7-(4,5,6,7-テトラヒドロ- チエノ[2,3-c ]ピリジル))、
インドリル(1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-イ
ンドリル、6-インドリル、7-インドリル)、イソインドリル(1-イソインドリル
、2-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル
、6-イソインドリル、7-イソインドリル)、1,3-ジヒドロ- イソインドリル(1-
(1,3-ジヒドロ- イソインドリル)、2-(1,3-ジヒドロ- イソインドリル)、3-
(1,3-ジヒドロ- イソインドリル)、4-(1,3-ジヒドロ- イソインドリル)、5-
(1,3-ジヒドロ- イソインドリル)、6-(1,3-ジヒドロ- イソインドリル)、7-
(1,3-ジヒドロ- イソインドリル))、インダゾール(1-インダゾリル、3-イン
ダゾリル、4-インダゾリル、5-インダゾリル、6-インダゾリル、7-インダゾリル
)、ベンズイミダゾリル(1-ベンズイミダゾリル、2-ベンズイミダゾリル、4-ベ
ンズイミダゾリル、5-ベンズイミダゾリル、6-ベンズイミダゾリル、7-ベンズイ
ミダゾリル、8-ベンズイミダゾリル)、ベンズオキサゾリル(1-ベンズオキサゾ
リル、2-ベンズオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(1-ベンゾチアゾリル、2-ベ
ンゾチアゾリル、4-ベンゾチアゾリル、5-ベンゾチアゾリル、6-ベンゾチアゾリ
ル、7-ベンゾチアゾリル)、カルバゾリル(1-カルバゾリル、2-カルバゾリル、
3-カルバゾリル、4-カルバゾリル)、5H- ジベンズ[b,f] アゼピン(5H- ジベン
ズ[b,f] アゼピン-1- イル、5H- ジベンズ[b,f] アゼピン-2- イル、5H- ジベン
ズ[b,f] アゼピン-3- イル、5H- ジベンズ[b,f] アゼピン-4- イル、5H- ジベン
ズ[b,f] アゼピン-5- イル)、10,11-ジヒドロ-5H-ジベンズ[b,f] アゼピン(10
,11-ジヒドロ-5H-ジベンズ[b,f] アゼピン-1- イル、10,11-ジヒドロ-5H-ジベン
ズ[b,f] アゼピン-2- イル、10,11-ジヒドロ-5H-ジベンズ[b,f] アゼピン-3- イ
ル、10,11-ジヒドロ-5H-ジベンズ[b,f] アゼピン-4- イル、10,11-ジヒドロ-5H-
ジベンズ[b,f] アゼピン-5- イル)、ピペリジニル(2-ピペリジニル、3-ピペリ
ジニル、4-ピペリジニル)、ピロリジニル(1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、
3-ピロリジニル)、フェニルピリジル(2-フェニル- ピリジル、3-フェニル- ピ
リジル、4-フェニル- ピリジル)、フェニルピリミジニル(2-フェニルピリミジ
ニル、4-フェニルピリミジニル、5-フェニルピリミジニル、6-フェニルピリミジ
ニル)、フェニルピラジニル、フェニルピリダジニル(3-フェニルピリダジニル
、4-フェニルピリダジニル、5-フェニルピリダジニル)。
【0071】 「アリールカルボニル」(例えば、2-チオフェニルカルボニル、3-メトキシ-
アンスリルカルボニル、オキサゾリルカルボニル)という語は、カルボニル基に
よって結合された、先に定義した「アリール」基を表す。 「アリールアルキルカルボニル」(例えば、(2,3-ジメトキシフェニル)プロ
ピルカルボニル、(2-クロロナフチル)ペンテニルカルボニル、イミダゾリルシ
クロペンチルカルボニル)という語は、「アルキル」基が今度はカルボニルによ
って結合されている、先に定義した「アリールアルキル」基を表す。
【0072】 本発明の化合物は不斉中心を有し、ラセミ化合物、ラセミ混合物として、かつ
、個々の鏡像異性体またはジアステレオマーとして生じることができ、すべての
異性体形態ならびにその混合物が本発明に包含される。 式1の化合物(塩基もしくは酸基が構造中に存在する)の製薬上許容される塩
がまた、本発明の範囲内に含まれる。酸性置換基例えば−COOH、5-テトラゾ
リルまたは- P(O)(OH)2 が存在するときには、投与形態としての使用の
ために、アンモニウム、モルホリニウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、カ
ルシウムの塩等を形成することができる。塩基性基、例えばアミノまたは、塩基
性ヘテロアリール基例えばピリジルが存在するときには、酸性塩、例えば塩酸塩
、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、
酢酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエ
ン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、メタ
ンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩等を、投与形態として使用
することができ、またジャーナル オブ ファーマシューティカル サイエンス
(Journal of Pharmaceutical Science) ,66, 2 (1977) (参照することによっ
て本明細書に組入れられる)に挙げられた製薬上許容される塩に関連する酸が含
まれる。
【0073】 また、−COOHまたはまたは- P(O)(OH)2 が存在する場合には、製
薬上許容されるエステル、例えばメチル、tert- ブチル、アセトキシメチル、ピ
バロイルオキシメチル等を使用することができ、これらのエステルは、徐放性処
方またはプロドラッグ処方として使用するために溶解または加水分解の特性を変
えるために、当分野で公知である。さらに、本発明の化合物のいくつかは、水ま
たは普通の有機溶媒と溶媒和物を形成することができる。そのような溶媒和物は
、本発明の範囲内に含まれる。
【0074】 「治療に有効な量」という語は、研究者、獣医、医者その他によって求められ
ている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を導き出す、薬ま
たは薬剤の量を意味するであろう。 発明の好ましい態様 式1a:
【0075】
【化16】 式1a [式中、 Aは、式1a中の二重結合を一員とするフェニル、ビフェニル、インデニル、
フルオレニル、フルオレニル−9−オンまたはナフチルであり; R1 は、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO2 NR 7 8 、PO( OH)2、CH2 PO( OH)2、CHFPO( OH)2、CF2 PO
( OH)2、C( =NH) NH2 、NR7 8 であるか、または以下の5員ヘテロ
環:
【0076】
【化17】 から選択され、または、R1 は、
【0077】
【化18】 (式中、R12、R13、およびR14は、独立に、水素、C1 −C6 アルキル、アリ
ール、アリールC1 −C6 アルキルであり、そしてアルキルおよびアリール基は
所望により置換されていてよい) であり; R2 は、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO2 NR 7 8 、PO( OH)2、CH2 PO( OH)2、CHFPO( OH)2、CF2 PO
( OH)2、C( =NH) NH2 、NR7 8 であるか、または以下の5員ヘテロ
環:
【0078】
【化19】 から選択され; R3 、R16およびR17は、独立に、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、トリハロメ
チル、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 アルキル、ヒドロキ
シ、カルボキシ、カルボキシC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルオキシカ
ルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1 −C6 アルキルオキシカル
ボニル、C1 −C6 アルキルオキシ、C1 −C6 アルキルオキシC1 −C6 アル
キル、アリールオキシ、アリールC1 −C6 アルキルオキシ、アリールC1 −C 6 アルキル−オキシC1 −C6 アルキル、チオ、C1 −C6 アルキルチオ、C1 −C6 アルキルチオC1 −C6 アルキル、アリールチオ、アリールC1 −C6
ルキルチオ、アリールC1 −C6 アルキルチオC1 −C6 アルキル、NR7 8 、C1 −C6 アルキル−アミノC1 −C6 アルキル、アリールC1 −C6 アルキ
ルアミノC1 −C6 アルキル、ジ( アリールC1 −C6 アルキル) −アミノC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボニル、C1 −C6 アルキルカルボニ
ルC1 −C6 アルキル、アリールC1 −C6 アルキルカルボニル、アリールC1 −C6 アルキルカルボニルC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキル−カルボキ
シ、C1 −C6 アルキル−カルボキシC1 −C6 アルキル、アリールカルボキシ
、アリールC1 −C6 アルキル−カルボキシ、アリールC1 −C6 アルキルカル
ボキシC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボニルアミノ、C1 −C6 アルキルカルボニル−アミノC1 −C6 アルキル、−カルボニルNR7 1 −C 6 アルキルCOR11、アリールC1 −C6 アルキル−カルボニルアミノ、アリー
ルC1 −C6 アルキルカルボニルアミノC1 −C6 アルキル、CONR7 8
またはC1 −C6 アルキルCONR7 8 (式中、アルキルおよびアリール基は
所望により置換されていてよく、そしてR11はNR7 8 、またはC1 −C6
ルキルNR7 8 である)であり;または、 R3 は、
【0079】
【化20】 (式中、R12、R13、およびR14は、独立に、水素、C1 −C6 アルキル、アリ
ール、アリールC1 −C6 アルキルであり、そしてアルキルおよびアリール基は
所望により置換されていてよい) であり; R4 は、水素、ヒドロキシ、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1
6 アルキル、NR7 8 、C1 −C6 アルキルオキシ(式中、アルキルおよび
アリール基は所望により置換されていてよい)であり; R5 は、ヒドロキシ、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6
ルキル、CF3 、NR7 8 (式中、アルキルおよびアリール基は所望により置
換されていてよい)であり; R6 は、水素、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 アルキル
(式中、アルキルおよびアリール基は所望により置換されていてよい)であり; R7 およびR8 は、水素、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C 6 アルキル、C1 −C6 アルキル−カルボニル、アリールカルボニル、アリール
1 −C6 アルキル−カルボニル、C1 −C6 アルキル−カルボキシまたはアリ
ールC1 −C6 アルキルカルボキシ(式中、アルキルおよびアリール基は所望に
より置換されていてよい)から独立に選択され;または、 R7 およびR8 は、それらが結合している窒素と合わせて、3〜11個の炭素
原子および、窒素、酸素または硫黄から選択される02個のさらなるヘテロ原
子を含む単環系または二環系を形成し、当該環系は、所望により少なくとも1個
のC1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 アルキル、ヒドロキシ、
1 −C6 アルキルオキシ、アリールC1 −C6 アルキルオキシ、C1 −C6
ルキルオキシC1 −C6 アルキル、NR9 10またはC1 −C6 アルキルアミノ
−C1 −C6 アルキル(式中、R9 およびR10は、水素、C1 −C6 アルキル、
アリール、アリールC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボニル、アリ
ールカルボニル、アリールC1 −C6 アルキルカルボニル、C1 −C6 アルキル
カルボキシまたはアリールC1 −C6 アルキルカルボキシから独立に選択される
)で置換されていてよく(ここで、アルキルおよびアリール基は所望により置換
されていてよい);または、 R7 およびR8 は、独立に、飽和または部分的に飽和した、5、6もしくは7
員環の環状アミンまたはラクタムである] で示される化合物、またはその薬学上許容し得る酸もしくは塩基との塩、また
は、任意の光学異性体、もしくはラセミ混合物を包含する光学異性体の混合物、
または任意の互変異性体は、本発明に係る好ましい化合物である。
【0080】 さらに、式1c:
【0081】
【化21】 式1c [式中、 Aは、式1c中の二重結合を一員とするピリジル、ピリダジニル、ピリミジル
またはピラジニルであり; R1 は、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO2 NR 7 8 、PO( OH)2、CH2 PO( OH)2、CHFPO( OH)2、CF2 PO
( OH)2、C( =NH) NH2 、NR7 8 であるか、または以下の5員ヘテロ
環:
【0082】
【化22】 から選択され、または、R1 は、
【0083】
【化23】 (式中、R12、R13、およびR14は、独立に、水素、C1 −C6 アルキル、アリ
ール、アリールC1 −C6 アルキルであり、そしてアルキルおよびアリール基は
所望により置換されていてよい) であり; R2 は、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO2 NR 7 8 、PO( OH)2、CH2 PO( OH)2、CHFPO( OH)2、CF2 PO
( OH)2、C( =NH) NH2 、NR7 8 であるか、または以下の5員ヘテロ
環:
【0084】
【化24】 から選択され; R3 、R16およびR17は、独立に、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、トリハロメ
チル、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 −アルキル、ヒドロ
キシ、カルボキシ、カルボキシC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルオキシ
カルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1 −C6 アルキルオキシカ
ルボニル、C1 −C6 アルキルオキシ、C1 −C6 アルキルオキシC1 −C6
ルキル、アリールオキシ、アリールC1 −C6 アルキルオキシ、アリールC1
6 アルキルオキシC1 −C6 アルキル、チオ、C1 −C6 アルキルチオ、C1 −C6 アルキルチオC1 −C6 アルキル、アリールチオ、アリールC1 −C6
ルキルチオ、アリールC1 −C6 アルキルチオC1 −C6 アルキル、NR7 8 、C1 −C6 アルキル−アミノC1 −C6 アルキル、アリールC1 −C6 アルキ
ルアミノC1 −C6 アルキル、ジ( アリールC1 −C6 アルキル) −アミノC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボニル、C1 −C6 アルキルカルボニ
ルC1 −C6 アルキル、アリールC1 −C6 アルキルカルボニル、アリールC1 −C6 アルキルカルボニルC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキル−カルボキ
シ、C1 −C6 アルキルカルボキシC1 −C6 −アルキル、アリールカルボキシ
、アリールC1 −C6 アルキル−カルボキシ、アリールC1 −C6 アルキルカル
ボキシC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボニルアミノ、C1 −C6 アルキルカルボニル−アミノC1 −C6 アルキル、−カルボニルNR7 1 −C 6 アルキルCOR11、アリールC1 −C6 アルキル−カルボニルアミノ、アリー
ルC1 −C6 アルキルカルボニルアミノC1 −C6 アルキル、CONR7 8
またはC1 −C6 アルキルCONR7 8 (式中、アルキルおよびアリール基は
所望により置換されていてよく、そしてR11はNR7 8 、またはC1 −C6
ルキルNR7 8 である)であり;または、 R3 は、
【0085】
【化25】 (式中、R12、R13、およびR14は、独立に、水素、C1 −C6 アルキル、アリ
ール、アリールC1 −C6 アルキルであり、そしてアルキルおよびアリール基は
所望により置換されていてよい) であり; R4 は、水素、ヒドロキシ、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1
6 アルキル、NR7 8 、C1 −C6 アルキルオキシ(式中、アルキルおよび
アリール基は所望により置換されていてよい)であり; R5 は、ヒドロキシ、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6
ルキル、CF3 、NR7 8 (式中、アルキルおよびアリール基は所望により置
換されていてよい)であり; R6 は、水素、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 アルキル
(式中、アルキルおよびアリール基は所望により置換されていてよい)であり; R7 およびR8 は、水素、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C 6 アルキル、C1 −C6 アルキル−カルボニル、アリールカルボニル、アリール
1 −C6 アルキル−カルボニル、C1 −C6 アルキルカルボキシまたはアリー
ルC1 −C6 アルキルカルボキシ(式中、アルキルおよびアリール基は所望によ
り置換されていてよい)から独立に選択され;または、 R7 およびR8 は、それらが結合している窒素と合わせて、3〜11個の炭素
原子および、窒素、酸素または硫黄から選択される0〜2個のさらなるヘテロ原
子を含む単環系または二環系を形成し、当該環系は、所望により少なくとも1個
のC1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 アルキル、ヒドロキシ、
1 −C6 アルキルオキシ、アリールC1 −C6 アルキルオキシ、C1 −C6
ルキルオキシC1 −C6 アルキル、NR9 10またはC1 −C6 アルキルアミノ
−C1 −C6 アルキル(式中、R9 およびR10は、水素、C1 −C6 アルキル、
アリール、アリールC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボニル、アリ
ールカルボニル、アリールC1 −C6 アルキルカルボニル、C1 −C6 アルキル
カルボキシまたはアリールC1 −C6 アルキルカルボキシから独立に選ばれる)
で置換されていてよく(ここで、アルキルおよびアリール基は所望により置換さ
れていてよい);または、 R7 およびR8 は、独立に、飽和または部分的に飽和した、5、6もしくは7
員環の環状アミンまたはラクタムである] で示される化合物、またはその薬学上許容し得る酸もしくは塩基との塩、また
は、任意の光学異性体、もしくはラセミ混合物を包含する光学異性体の混合物、
または任意の互変異性体は、本発明に係る好ましい化合物である。
【0086】 さらに、本発明に係る好ましい化合物は、R16およびR17が水素である、式1
aまたは式1cの化合物である。 本発明は、その最も広い態様において、以下の式1b:
【0087】
【化26】 式1b [式中、 Aは、式1b中の二重結合を一員とするアリールであり; R1 は、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO2 NR 7 8 、PO( OH)2、CH2 PO( OH)2、CHFPO( OH)2、CF2 PO
( OH)2、C( =NH) NH2 、NR7 8 であるか;または以下の5員ヘテロ
環:
【0088】
【化27】 から選ばれ、または、R1 は、
【0089】
【化28】 (式中、R12、R13、およびR14は、独立に、水素、C1 −C6 アルキル、アリ
ール、アリールC1 −C6 アルキルであり、そしてアルキルおよびアリール基は
所望により置換されていてよい) であり; R2 は、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO2 NR 7 8 、PO( OH)2、CH2 PO( OH)2、CHFPO( OH)2、CF2 PO
( OH)2、C( =NH) NH2 、NR7 8 であるか;または以下の5員ヘテロ
環:
【0090】
【化29】 から選択され; R3 、R16およびR17は、独立に、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、トリハロメ
チル、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 −アルキル、ヒドロ
キシ、カルボキシ、カルボキシC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルオキシ
カルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1 −C6 アルキルオキシカ
ルボニル、C1 −C6 アルキルオキシ、C1 −C6 アルキルオキシC1 −C6
ルキル、アリールオキシ、アリールC1 −C6 アルキルオキシ、アリールC1
6 アルキルオキシC1 −C6 アルキル、チオ、C1 −C6 アルキルチオ、C1 −C6 アルキルチオC1 −C6 アルキル、アリールチオ、アリールC1 −C6
ルキルチオ、アリールC1 −C6 アルキルチオC1 −C6 アルキル、NR7 8 、C1 −C6 アルキルアミノC1 −C6 アルキル、アリールC1 −C6 アルキル
アミノC1 −C6 アルキル、ジ( アリールC1 −C6 アルキル) アミノC1 −C 6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボニル、C1 −C6 アルキルカルボニルC 1 −C6 アルキル、アリールC1 −C6 アルキルカルボニル、アリールC1 −C 6 アルキルカルボニルC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボキシ、C 1 −C6 アルキルカルボキシC1 −C6 アルキル、アリールカルボキシ、アリー
ルカルボキシC1 −C6 アルキル、アリールC1 −C6 アルキルカルボキシ、ア
リールC1 −C6 アルキルカルボキシC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキル
カルボニルアミノ、C1 −C6 アルキルカルボニルアミノC1 −C6 アルキル、
−カルボニルNR7 1 −C6 アルキルCOR11、アリールC1 −C6 アルキル
カルボニルアミノ、アリールC1 −C6 アルキルカルボニルアミノC1 −C6
ルキル、CONR7 8 、またはC1 −C6 アルキルCONR7 8 (式中、ア
ルキルおよびアリール基は所望により置換されていてよく、そしてR11はNR7 8 、またはC1 −C6 アルキルNR7 8 である)であり;または、 R3 は、
【0091】
【化30】 (式中、R12、R13、およびR14は、独立に、水素、C1 −C6 アルキル、アリ
ール、アリールC1 −C6 アルキルであり、そしてアルキルおよびアリール基は
所望により置換されていてよい) であり; R4 は、水素、ヒドロキシ、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1
6 アルキル、NR7 8 、C1 −C6 アルキルオキシ(式中、アルキルおよび
アリール基は所望により置換されていてよい)であり; R5 は、ヒドロキシ、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6
ルキル、CF3 、NR7 8 (式中、アルキルおよびアリール基は所望により置
換されていてよい)であり; R6 は、水素、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 アルキル
(式中、アルキルおよびアリール基は所望により置換されていてよい)であり; R7 およびR8 は、それらが結合している窒素と合わせて、3〜14個の炭素
原子および、窒素、酸素または硫黄から選ばれる0〜3個のさらなるヘテロ原子
を含む、飽和した、部分飽和した、または芳香族の環系、二環系または三環系を
形成し、当該環系は、所望により少なくとも1個のC1 −C6 アルキル、アリー
ル、アリールC1 −C6 アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1 −C6 アルキルオ
キシ、アリールC1 −C6 アルキルオキシ、C1 −C6 アルキルオキシC1 −C 6 アルキル、NR9 10またはC1 −C6 アルキルアミノC1 −C6 アルキル(
式中、R9 およびR10は、水素、C1 −C6 アルキル、アリール、アリールC1 −C6 アルキル、C1 −C6 アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリー
ルC1 −C6 アルキルカルボニル、C1 −C6 アルキルカルボキシまたはアリー
ルC1 −C6 アルキルカルボキシから独立に選ばれる)で置換されていてよく(
ここで、アルキルおよびアリール基は所望により置換されていてよい);または
、 R7 およびR8 は、独立に、飽和または部分的に飽和した、5、6もしくは7
員環の環状アミン、イミドまたはラクタムである] で示される化合物、またはその薬学上許容し得る酸もしくは塩基との塩、また
は、任意の光学異性体、もしくはラセミ混合物を包含する光学異性体の混合物、
または任意の互変異性体を包含する。
【0092】 以下の化合物が好ましい: 2−( オキサリル−アミノ) 安息香酸; 2−メチル−6−( オキサリル−アミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −5−ヨード−安息香酸; 2−( アミノオキサリル−アミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−フルオロ−安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 3−ヒドロキシ−ピリジン−2−イルス
ルファニル) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 1−イミダゾール−2−イルスルファニ
ル) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 1−ベンゾオキサゾール−2−イルスル
ファニル) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 4−フェニル−チアゾール−2−イルス
ルファニル) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 3−エトキシカルボニルフェノキシ) 安
息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−ベンジルアミノ−安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( シクロプロピルメチル−アミノ) 安息香
酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 3−メチル−ブチルアミノ) 安息香酸; 2−( ヒドラジノオキサリル−アミノ) 安息香酸; 3−( オキサリル−アミノ) ナフタレン−2−カルボン酸; 2−((5−チオキソ−4, 5−ジヒドロ[ 1, 3, 4] オキサジアゾール−2
−カルボニル) −アミノ) 安息香酸; N−( 2−( 3, 5−ジクロロ−フェノキシ) フェニル) オキサミン(oxalam
ic)酸; 2−( オキサリル−アミノ) −3−ヒドロキシ−安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −5−ヒドロキシ−安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−ニトロ−安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −3, 5−ジヨード−安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −3, 5−ジメチル−安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −5−メチル−安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4, 5−ジメトキシ−安息香酸; 3−( オキサリル−アミノ) −フタル酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 2−ヒドロキシ−シクロヘキシルアミノ
) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−((2−ヒドロキシ−エチル) −メチル−ア
ミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 2, 2, 6, 6−テトラメチル−ピペリ
ジン−4−イルアミノ) 安息香酸; 2−( 2−ヒドロキシ−シクロヘキシルアミノ) −6−( オキサリル−アミノ
) 安息香酸; 2−[(2−ヒドロキシ−エチル) −メチル−アミノ] −6−( オキサリル−ア
ミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −6−( 2, 2, 6, 6−テトラメチル−ピペリ
ジン−4−イルアミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( ピリジン−3−イルアミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル
) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 1−メチル−1H−イミダゾール−2−
イルスルファニル) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −6−( ピリジン−3−イルアミノ) 安息香酸; 2−( 3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル) −6−( オキサリル−アミノ
) 安息香酸; 2−( 1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニル) −6−( オ
キサリル−アミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( 2−モルホリン−4−イル−エチルアミ
ノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( ベンゼンスルホニル−( 2−モルホリン
−4−イル−エチル) −アミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−[ アセチル−( 2−モルホリン−4−イル
−エチル) −アミノ] 安息香酸; 2−( 2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ) −6−( オキサリル−アミ
ノ) 安息香酸; 2−( ベンゼンスルホニル−( 2−モルホリン−4−イル−エチル) −アミノ
) −6−( オキサリル−アミノ) 安息香酸; 2−( アセチル−( 2−モルホリン−4−イル−エチル) −アミノ) −6−(
オキサリル−アミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−シクロペンチルアミノ−安息 香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( ベンゼンスルホニル−シクロペンチル−
アミノ) 安息香酸; 2−( オキサリル−アミノ) −4−( アセチル−シクロペンチル−アミノ) 安
息香酸; 2−シクロペンチルアミノ−6−( オキサリル−アミノ) 安息香酸; 2−( ベンゼンスルホニル−シクロペンチル−アミノ) −6−( オキサリル−
アミノ) 安息香酸; 2−( アセチル−シクロペンチル−アミノ) −6−( オキサリル−アミノ) 安
息香酸; 4−( オキサリル−アミノ) −ビフェニル−3−カルボン酸; 3−( オキサリル−アミノ)−イソニコチン酸; 5−( オキサリル−アミノ) −2, 6−ジオキソ−1, 2, 3, 6−テトラヒ
ドロ−ピリミジン−4−カルボン酸; 2−( オキサリル−アミノ) −ニコチン酸; 6−クロロ−5−イソプロピルアミノ−3−( オキサリル−アミノ) −ピラジ
ン−2−カルボン酸; 5, 6−ジクロロ−3−( オキサリル−アミノ) −ピラジン−2−カルボン酸
; 3 −( オキサリル−アミノ) −ピリダジン−4−カルボン酸; 4−( オキサリル−アミノ) −ピリミジン−5−カルボン酸; 3−( オキサリル−アミノ) −ピラジン−2−カルボン酸。 薬理学的方法 本化合物は、当業者に良く知られる公表された方法を用いて、大腸菌中で発現
され、見掛け上等質となるまで精製された、PTP1B の末端切除型(最初の321 ア
ミノ酸に相当する)を用いて生物活性を評価する。酵素反応は、本質上Burke 等
(Biochemistry35;15989-15996(1996))により記載された標準条件を用いて実施す
る。検定条件は以下の通りである。適当な濃度の本発明化合物を、異なる濃度の
基質、燐酸p −ニトロフェノールを含有する反応混合物( 範囲:0.16ないし10mM
−最終検定濃度) に加える。使用する緩衝液は、100mM 酢酸ナトリウム(pH5.5)
、50mM塩化ナトリウム、0.1%(w/v) 牛血清アルブミンおよび5mM ジチオトレイト
ール( 総容量100mL)であった。反応は酵素の添加により開始し、微量滴定板中、
25℃で60分間実施した。NaOHの添加により反応を停止させる。405nm の吸光度を
測定し、化合物および燐酸p −ニトロフェノールの405nm における吸光度につい
て適当な補正を施すことにより、酵素活性を決定した。データは、古典的ミカエ
リス・メンテンの酵素動力学的モデルに適合させた非線形回帰を用いて分析する
。阻害をKi値としてμM で表現する。代表的な実験の結果を第1 表に示す。
【0093】 第1表 本発明化合物による古典的PTP1B の阻害 PTP1B 実施例番号 Ki値( μM) 1 20 2 9.9 さらに、本化合物は、PTP1B の阻害についての記載と本質上同一の方法で、PT
P αの阻害剤としてのそれらの有効性に関して、生物活性が評価される。上記の
如く評価された本化合物の活性から推理すると、本発明化合物は、I型糖尿病、
II型糖尿病、グルコース耐性障害、インシュリン抵抗性および肥満より成る群か
ら選ばれる疾病の治療に有用となり得る。さらに、上記の如く評価された本化合
物の活性から推理すると、本発明化合物は、自己免疫を包含する免疫機能不全、
凝固系の機能不全を伴う疾病、喘息を包含するアレルギー疾患、骨粗鬆症、癌お
よび乾癬を包含する増殖疾患、成長ホルモンの合成または作用の低下または増強
を伴う疾患、成長ホルモンの放出またはこれに対する応答を調節するサイトカイ
ンまたはホルモンの合成の低下または増強を伴う疾患、アルツハイマー病および
精神分裂病を包含する脳の疾患、ならびに感染性疾患より成る群から選ばれる疾
病の治療に有用となり得る。
【0094】 本化合物の合成 本発明の一つの態様に従い、本発明化合物は以下の反応式に示されるように製
造される: 方法A
【0095】
【化31】 式(I) で示されるアミノ置換化合物を、式(II)で示される活性化されたカルボ
ン酸( 例えば酸塩化物) [式中、A、R1 、R2 、R3 、R4 、R16およびR17 は前記と同意義である]と反応させることによる。
【0096】 方法B
【0097】
【化32】 カルボン酸(I) 、第一アミン(II)およびアルデヒド(III) を、イソシアニド(I
V)[式中、R12、R13、R14およびR15は、上の定義による水素、C1 −C6
ルキル、アリール、アリールC1 −C6 アルキルより成る群から独立に選ばれ、
そしてアルキルおよびアリール基は上の定義のように所望により置換されていて
よく;または、 R12、R13、R14およびR15は、
【0098】
【化33】 [式中、Yは、R12、R13、R14、およびR15のための結合点を示し、そしてA
、R1 、R2 およびR4 は前記と同意義である]から独立に選ばれる] と反応させることによる。
【0099】 好ましい方法において、上記の4成分Ugi 反応は、成分のうち任意の一つを固
体支持体に結合させることにより、実施することができる。故にこの合成は、組
み合わせ化学の方法で達成することができる。 アセトキシメチルエステルの製造のための一般方法(C.Schultzら、The Journa
l of Biological Chemistry 、1993、268 、6316-6322):カルボン酸( 1当量)
を、乾燥アセトニトリル中に懸濁した(0.1mmolにつき2mL)。ジイソプロピルアミ
ン(3.0当量) を加え、続いて酢酸ブロモメチル(1.5当量) を加えた。混合物を窒
素雰囲気下に室温で一夜攪拌した。アセトニトリルを減圧除去して油状物を得、
これを酢酸エチルで希釈し、水(3回) で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。濾過し、その後減圧下に溶媒除去すると、粗製油状物が得られた
。生成物を、適当な溶媒系を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製した。
【0100】 さらに本発明は、本発明に係る新規な治療方法に使用するための、適当な、局
所、経口、および非経口薬用製剤を提供する目的を有する。本発明化合物は、錠
剤、水性または油性懸濁剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤、乳剤、カ
プセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤として経口投与することができる。経
口使用のための組成物は、薬学的に洗練された味の良い製剤を製造するために、
甘味料、香料、着色料および保存剤より成る群から選ばれる1またはそれ以上の
物質を含有させることができる。
【0101】 錠剤は、錠剤の製造に好適な非毒性の薬学上許容し得る賦形剤と混合した活性
成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、(1) 不活性希釈剤、例えば炭酸カ
ルシウム、乳糖、燐酸カルシウムまたは燐酸ナトリウム;(2) 顆粒化および崩壊
剤、例えばトウモロコシ澱粉またはアルギン酸;(3) 結合剤、例えば澱粉、ゼラ
チンまたはアラビアゴム;(4) 滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸またはタルク、であってよい。これらの錠剤は、非被覆であってよく、
または既知の技術により被覆して、胃腸管での崩壊および吸収を遅延させ、それ
により長時間にわたる作用の持続を提供することができる。例えば、グリセリル
モノステアレートまたはグリセリルジステアレートのような遅延材料を使用する
ことができる。さらに被覆は米国特許第4256108 号;4160452 号;および426587
4 号に記載の技術を用いて実施して、放出制御のための浸透性治療用錠剤を製造
することもできる。
【0102】 経口使用のための製剤は、硬ゼラチンカプセル剤の形とすることができ、ここ
で活性成分は、例えば炭酸カルシウム、燐酸カルシウムまたはカオリンといった
不活性固体希釈剤と混合することができる。これらはまた、軟ゼラチンカプセル
剤の形とすることもでき、ここで、活性成分は、水、または、落花生油、流動パ
ラフィンまたはオリーブ油といったような油性媒質と混合する。
【0103】 水性懸濁剤は、通常、水性懸濁剤の製造に好適な賦形剤と混合した活性物質を
含有する。このような賦形剤は、(1) 懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビ
アゴム;(2) 分散または湿潤剤( これは、(a) 天然に存在するホスファチド、例
えばレシチン;(b) アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えば、ステア
リン酸ポリオキシエチレン;(c) エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの
縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール;(d) エチレンオキ
シドと、脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えば
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、または、(e) エチレンオキシ
ドと、脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例え
ばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってよい) であってよい。
【0104】 薬用組成物は、無菌注射用水性または油性懸濁液の形とすることができる。こ
の懸濁液は、上に述べた適当な分散または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、既知
の方法に従って調合することができる。無菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口
的に許容し得る希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液もしくは懸濁液、例えば1
, 3−ブタンジオール中の溶液とすることもできる。使用可能な許容し得る媒質
および溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。
さらに、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒質として常套的に使用される。
この目的のため、合成モノまたはジグリセリドを包含する任意の低刺激性不揮発
性油が使用できる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が、注射用製剤の製造に
用途を見いだせる。
【0105】 本発明化合物は、直腸投与のための坐剤の形で投与することもできる。これら
の組成物は、当該薬物を、常温では固体であるが直腸温度では液体であって、故
に直腸で融解して薬物を放出する、適当な非刺激性賦形剤と混合することにより
製造することができる。このような材料は、カカオ脂およびポリエチレングリコ
ールである。
【0106】 本発明化合物は、例えば小さな単層のベシクル、大きな単層のベシクル、およ
び多層ベシクルといったリポソームデリバリー系の形で投与することもできる。
リポソームは、様々な燐脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン、また
はホスファチジルコリンから形成することができる。 局所用途のためには、式1の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液
または懸濁液を使用する。
【0107】 本発明に係る化合物の用量レベルは、体重1kg 当たり約0.5mg 〜約100mg 程度
であり、好ましい用量範囲は、体重1kg 当たり1 日に約20mg〜約50mg( 患者当た
り1 日に約25mg約5g) である。1 回分の投与量を作り出すために担体材料と組
み合せることのできる活性成分の量は、治療される受容者および特定の投与様式
に依存して変わるであろう。例えば、人間への経口投与を意図する製剤は、活性
化合物5mg 〜1gを、組成物総量の約5 〜約95% まで変わり得る適当な且つ簡便な
量の担体材料と共に含有させることができる。投薬単位形態は、一般に約5mg 〜
約500mg の活性成分を含有する。
【0108】 しかしながら、特定の患者のための特定の用量レベルは、使用する特定の化合
物の活性、年齢、体重、全般的健康状態、性、食餌、投与時間、投与経路、排泄
速度、薬物の組み合わせ、および治療を受ける特定の疾患の重篤度を包含する様
々な因子に依存するであろう。用量は、臨床医により個別的配慮がなされる必要
がある。
【0109】 実施例 式1 の化合物を製造する方法およびそれらを含有する調製物を、以下の実施例
においてさらに説明するが、これらは限定的なものと解してはならない。 以後、TLC は薄層クロマトグラフィー、CDCl3 はジュウテリウム化クロロホル
ム、CD3OD はテトラジュウテリウム化メタノール、そしてDMSO-d6 はヘキサジュ
ウテリウム化ジメチルスルホキシドである。化合物の構造は、元素分析またはNM
R のいずれかにより確認し、ここでは標題化合物中の特徴的プロトンに割り当て
られたピークを適宜示す。1H NMRシフト( δH ) を、内部対照標準としてのテト
ラメチルシランから下方への百万分率(ppm) で示す。M.p.は融点であり、℃で表
し、補正はされていない。カラムクロマトグラフィーは、W.C.Still ら、J.Org.
Chem.43:2923(1978)に記載の技術を使用し、メルクシリカゲル60( 製品9385) 上
で実施した。HPLC分析は、実験の項に記載されるように、流量=1ml/分で、水
およびアセトニトリルの様々な混合物で溶離する、5 μm C18 4x250mm カラムを
用いて実施する。
【0110】 出発物質として使用する化合物は、既知の化合物であるか、または自体既知の
方法により容易に製造できる化合物である。 実施例1
【0111】
【化34】 2-( オキサリル−アミノ) 安息香酸 乾燥テトラヒドロフラン(250mL) 中のアントラニル酸(20.1g、0.15mol)の攪拌
溶液に、エチル塩化オキサリル(10.0g、0.073mol) を滴下した。得られた反応混
合物を室温で15分間攪拌し、濾過し、溶媒を真空で蒸発させて、粗製の2 −( エ
トキシオキサリル−アミノ) 安息香酸16.4g(94%)を油状物として得た。
【0112】 エタノール(350mL) に入れた上記安息香酸(10.0g、42mmol) の溶液に、水(100
mL) 中の水酸化ナトリウム(3.7g 、92mmol) の溶液を加えた。得られた反応混合
物を室温で60時間攪拌した。濃塩酸を、pH=1となるまで加え、沈澱を濾去し、水
(3x100mL) 、ジエチルエーテル(3x80mL)で洗浄し、真空乾燥すると、標記化合物 7.1g(81%) が固体として得られた。
【0113】 M.p.:214 〜215 ℃。 元素分析(C9H7NO5,0.2H2O として) ; 理論値:C、51.68%;H、3.37% ;N、6.70% 実測値:C、50.96%;H、3.32% ;N、6.52% 。 実施例1 の記載と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
【0114】 実施例2
【0115】
【化35】 3−(オキサリル−アミノ)ナフタレン−2−カルボン酸 M.p.:227 〜228 ℃。 元素分析(C13H9NO5 として) ; 理論値:C、60.24%;H、3.50% ;N、5.40% 実測値:C、59.98%;H、3.46% ;N、5.25% 。
【0116】 実施例3
【0117】
【化36】 2 −( オキサリル−アミノ) −5 −ヨード−安息香酸 MS(ES):m/z=326(M+1)。 元素分析(C9H6NIO5,0.75xH2Oとして) ; 理論値:C、31.01%;H、2.17% ;N、4.02% 実測値:C、31.14%;H、2.33% ;N、3.76% 。
【0118】 実施例4
【0119】
【化37】 4 −( オキサリル−アミノ) −ビフェニル−3−カルボン酸 5−ブロモ−2−アミノ−安息香酸メチルエステル(3.0g 、13.04mmol)、テト
ラキス( トリフェニルホスフィン) パラジウム( 0)(0.5g、0.44mmol) 、トルエ
ン(40mL)および2N炭酸ナトリウム水溶液(14.8mL)の懸濁液に、室温で、メタノ
ール(10mL)中のフェニルボロン酸(2.2g 、17.73mmol)の溶液を加えた。得られた
反応混合物を還流温度で4時間加熱し、冷却し、水(50mL)で希釈した。不溶性物
質を濾去し、相を分離した。水相を酢酸エチル(100mL) で抽出し、組み合せた有
機相を水(2x80mL)、希アンモニア水溶液(80mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液
(80mL)で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO4) 、濾過し真空で蒸発させて粗製の4
−アミノ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル3.4gを得、これを、酢酸
エチルおよびヘプタンの混合物(1:3) を溶離液としてシリカゲル(1L)上で精製し
た。純粋な画分を集め、真空で蒸発させると、4−アミノ−ビフェニル−3−カ
ルボン酸メチルエステル2.7g(91%) が得られた。
【0120】 実施例1の記載と同様の方法により、4−アミノ−ビフェニル−3−カルボン
酸メチルエステルを標記化合物に変換した。 M.p.:223 〜224 ℃。 元素分析(C15H11NO5,0.5xH2Oとして) ; 理論値:C、61.23%;H、4.11% ;N、4.76% 実測値:C、60.96%;H、4.01% ;N、4.62% 。
【0121】 実施例5
【0122】
【化38】 4 −ブロモ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.71(d,J=7.5Hz,1H)、8.25(s,1H)、7.80(d,J=7.5Hz
,1H)。
【0123】 MS:ESI(-) :288[M-1(81Br))、287(M-1(80Br)]。 実施例6
【0124】
【化39】 4,5 −ジメトキシ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.42(s,1H)、7.60(s,1H)、3.95(s,3H)、3.86(s,3H)
【0125】 MS:ESI(-) :268[M-1]。 実施例7
【0126】
【化40】 5 −ニトロ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.90(d,J=7.5Hz,2H)、8.42(s,1H)。 MS:ESI(-) :253[M-1]。
【0127】 実施例8
【0128】
【化41】 4 −ニトロ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ9.60(s,1H)、8.36(m,1H)、8.02(m,1H)。 MS:ESI(-) :253[M-1]。
【0129】 実施例9
【0130】
【化42】 5 −クロロ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.72(d,J=7.5Hz,1H)、8.10(s,1H)、7.60(d,J=7.5Hz
,1H)。
【0131】 MS:ESI(-) :242[M-1(35Cl)]、244[M-1(37Cl)]。 実施例10
【0132】
【化43】 4 −クロロ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.80(s,1H)、8.10(d,J=7.5Hz,1H)、7.22(d,J=7.5Hz
,1H)。
【0133】 MS:ESI(-) :242[M-1(35Cl)]、244[M-1(37Cl)]。 実施例11
【0134】
【化44】 3 −メチル−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 DMSO-d6)δ2.2(s,3H) 、7.2-7.7(m,3H) 、10.5(s,1H)、12.9
(s,1H)。
【0135】 実施例12
【0136】
【化45】 4,5 −ジフルオロ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(300MHz 、 DMSO-d6)δ8.03(m,1H)、8.61(dd,1H) 、12.55(s,1H,NHCO)。 実施例13
【0137】
【化46】 N −( 2−カルバモイル−フェニル) −オキサミン酸 1H NMR(300MHz 、 DMSO-d6)δ7.20(t,1H)、7.55(t,1H)、7.73(bs,1H,CONH2) 、
7.83(d,1H)、8.30(bs,1H,CONH2) 、8.52(d,1H)、12.9(s,1H,NHCO) 。
【0138】 実施例14
【0139】
【化47】 2−( エトキシオキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(300MHz 、 DMSO-d6)δ1.33(t,3H)、4.30(q,2H)、7.24(t,1H)、7.65(t,1
H)、8.03(d,1H)、8.56(d,1H)、12.6(s,1H,NHCO) 。
【0140】 実施例15
【0141】
【化48】 6 −クロロ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 DMSO-d6)δ10.68(bs,1H)、8.06(d,J=9Hz,1H)、7.43(t,J=9Hz
,1H)、7.27(d,J=9Hz,1H)。
【0142】 実施例16
【0143】
【化49】 3 −メトキシ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 DMSO-d6)δ9.98(bs,1H) 、7.37-7.25(m,3H) 、3.80(s,3H)。 実施例17
【0144】
【化50】 2−( オキサリル−アミノ) −テレフタル酸 1H NMR(400MHz 、 DMSO-d6)δ7.28(s,1H)、8.22(d,J=9Hz,1H)、7.75(d,J=9Hz,1
H)。
【0145】 実施例18
【0146】
【化51】 5 −フルオロ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ7.50(m,1H)、7.25(m,1H)、7.22(m,1H)。 MS m/z 227.2(M-1) 。
【0147】 実施例19
【0148】
【化52】 3,5 −ジブロモ−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.08(s,1H)、8.05(s,1H)。 MS m/z 366.1(M-1) 。
【0149】 実施例20
【0150】
【化53】 3,5 −ジヨード−2−( オキサリル−アミノ) −安息香酸 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.45(s,1H)、8.25(s,1H)。 MS m/z 460.1(M-1) 。
【0151】 実施例21
【0152】
【化54】 2−( オキサリル−アミノ) −5 −(3−チオフェン−3−イル−イソキサゾー ル−5−イル) −安息香酸 1,4 −ジオキサン(6.0mL) 中のチオフェン−3−カルボキシアルデヒド(2.0g
、18mmol) の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.24g、18mmol) およびトリエ
チルアミン(2.5mL、18mmol) を加えた。混合物を0.5 時間超音波処理し、室温で
116 時間、そして35℃で48時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残留物をジクロロ
メタンに溶解し、水洗し、乾燥し(MgSO4) 、濾過し、真空で蒸発させて、チオフ
ェン−3−カルボアルデヒドオキシム1.97g(87%)を油状物として得た。
【0153】 室温で攪拌したテトラヒドロフラン(2.5mL) 中の、上記チオフェン−3−カル
ボアルデヒドオキシム(120mg、0.99mmol) および2 −(tert −ブトキシオキサリ
ル−アミノ) −5−エチニル−安息香酸メチルエステル(100mg、0.33mmol) の溶
液に、0.75M 漂白剤(bleach)(1.3mL、0.99mmol) を加えた。この溶液をまず室温
で24時間、次いで35℃で24時間攪拌した。溶媒を真空で蒸発させ、残留物をジク
ロロメタンに溶解し、水、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4) 、濾過し、そして
真空で蒸発させた。残留する膜状物質を調製用TLC により精製すると、2 −(ter
t −ブトキシオキサリル−アミノ) −5−( 3−チオフェン−3−イル−イソキ
サゾール−5−イル) −安息香酸メチルエステル21mg(15%) が油状物として得ら
れた。
【0154】 1H NMR(400MHz 、 CDCl3)δ12.75(s,1H) 、8.92(d,1H,J=11Hz) 、8.59(s,1H)、
8.06(d,1H,J=11Hz) 、7.91(s,1H)、7.59(d,1H,J=7Hz)、7.28(d,1H,J=7Hz)、6.90
(s,1H)、4.07(s,3H)、1.65(s,9H)。 上記2 −(tert −ブトキシオキサリル−アミノ) −5−( 3−チオフェン−3
−イル−イソキサゾール−5−イル) −安息香酸メチルエステル(10mg 、0.023m
mol)を20% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.3mL) に溶解し、室温で21時間
攪拌した。溶媒を真空で除去し、2 −( オキサリル−アミノ) −5−( 3−チオ
フェン−3−イル−イソキサゾール−5−イル) −安息香酸メチルエステル8.4m
g(98%)を固体として得た。
【0155】 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ12.75(s,1H) 、8.95(d,1H,J=11Hz) 、8.62(s,1H)、
8.18(d,1H,J=11Hz) 、7.75(m,1H)、7.65(m,1H)、7.60(s,1H)、4.07(s,3H)。 室温下の、メタノール(1.5mL) およびテトラヒドロフラン(0.5mL) 中の2 −(
オキサリル−アミノ) −5−( 3−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−5
−イル) −安息香酸メチルエステル(8.4mg、0.023mmol)の溶液に、1M水酸化リチ
ウム(90 μL 、0.090mmol)を加えた。この溶液を48時間攪拌した。溶媒を真空で
除去し、残留物を水に再溶解した。この溶液を1N塩酸でpH=1となるまで酸性化し
、酢酸エチルで抽出した。組み合せた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4 ) 、濾過し、溶媒を真空で蒸発させると、標記化合物6.4mg(79%)が固体として得
られた。
【0156】 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.75(d,1H,J=11Hz) 、8.70(s,1H)、7.95(s,1H)、7.
82(d,1H,J=11Hz) 、7.70(m,1H)、7.60(m,1H) MS m/z 357(M-1) 。 実施例22
【0157】
【化55】 2−( オキサリル−アミノ) −5 −(3−フェニル−イソキサゾール−5−イル ) −安息香酸 1,4 −ジオキサン(6.0mL) 中のベンズアルデヒド(2.0g 、19mmol) の溶液に、
ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.3g 、19mmol) およびトリエチルアミン(2.6mL、19
mmol) を加えた。混合物を0.5 時間超音波処理し、室温で116 時間、そして35℃
で24時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残留物をジクロロメタンに溶解し、水洗
し、乾燥し(MgSO4) 、濾過し、真空で蒸発させて、ベンズアルデヒドオキシム1.
9g(84%) を油状物として得た。
【0158】 1H NMR(400MHz 、 CDCl3)δ8.18(s,1H)、7.60(m,2H)、7.41(m,3H)。 室温で攪拌したテトラヒドロフラン(2.5mL) 中のベンズアルデヒドオキシム(1
20mg、0.99mmol) および2 −(tert −ブトキシオキサリル−アミノ) −5−エチ
ニル−安息香酸メチルエステル(100mg、0.33mmol) の溶液に、0.75M 漂白剤(1.3
mL、0.99mmol) を加えた。この溶液をまず室温で24時間、次いで35℃で24時間攪
拌した。溶媒を真空で蒸発させ、残留物をジクロロメタンに溶解した。溶液を水
、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4) 、濾過し、そして溶媒を真空で蒸発させた
。残留物をジエチルエーテルで洗浄して固体沈澱を得、これを濾過して2 −(ter
t −ブトキシオキサリル−アミノ) −5−( 3−フェニル−イソキサゾール−5
−イル) −安息香酸メチルエステル59mg(42%) を固体として得た。
【0159】 1H NMR(400MHz 、 CDCl3)δ12.75(s,1H) 、8.85(d,1H,J=11Hz) 、8.62(s,1H)、
8.06(d,1H,J=11Hz) 、7.91(m,2H)、7.52(m,3H)、6.90(s,1H)、4.07(s,3H)、1.65
(s,9H)。 上記の2 −(tert −ブトキシオキサリル−アミノ) −5−( 3−フェニル−イ
ソキサゾール−5−イル) −安息香酸メチルエステル(28mg 、0.07mmol) を20%
トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.5mL) に溶解し、室温で6 時間攪拌した。
溶媒を真空除去し、2 −アミノ−5−( 3−フェニル−イソキサゾール−5−イ
ル) −安息香酸メチルエステル25mg(100%)を固体として得た。
【0160】 1H NMR(400MHz 、 CDCl3)δ12.75(s,1H) 、8.85(d,1H,J=11Hz) 、8.62(s,1H)、
8.15(d,1H,J=11Hz) 、7.91(m,2H)、7.52(m,3H)、6.90(s,1H)、4.07(s,3H)。 室温下の、メタノール(2.5mL) およびテトラヒドロフラン(1.0mL) 中の上記2
−アミノ−5−( 3−フェニル−イソキサゾール−5−イル) −安息香酸メチル
エステル(12.5mg 、0.034mmol)の溶液に、1M水酸化リチウム(1.4mL、0.136mmol)
を加えた。この溶液を12時間攪拌し、溶媒を真空除去した。残留物を、1N塩酸で
pH=1となるまで酸性化した水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をブ
ラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4) 、濾過し、溶液を真空で蒸発させると、標記化 合物 7.7mg(64%)が固体として得られた。
【0161】 1H NMR(400MHz 、 CD3OD)δ8.91(d,1H,J=11Hz) 、8.62(s,1H)、8.15(d,1H,J=11
Hz) 、7.91(m,2H)、7.49(m,3H)、7.25(s,1H)、4.07(s,3H)。 LC/MS m/z :351(M-1)。 実施例23
【0162】
【化56】 5−エチニル−2−(オキサリル−アミノ)安息香酸 トルエン(100ml)中の2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)
−5−ヨード安息香酸(5.0g、12.8mmol、実施例27の記載に従っ
て調製)およびN,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセター
ル(12mL、51.2mmol)の溶液を還流下で20時間加熱した。反応物
を室温まで冷却し、真空中で濃縮し、残分を酢酸エチル(150mL)に溶解し
た。酢酸エチル相を水(3×35mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、揮発
分を真空中で蒸発させた。残分を、溶離液として25%酢酸エチル/ヘキサンを
用いてシリカゲルクロマトグラフィにより精製した。純粋留分を一緒にし、真空
中で濃縮して油状の2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−ヨー
ド安息香酸のtert−ブチルエステル2.3gが得られた。
【0163】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ8.54(d,J=9Hz,1H
)、8.27(s,1H)、7.83(d,J=9Hz,1H)、1.62(s
,18H)。 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−ヨード安息香酸のte
rt−ブチルエステル(0.83g、1.86mmol)、トリメチルシリルア
セチレン(2mL)、およびトリエチルアミン(1mL、7.44mmol)を
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、アルゴンにより溶液をパー
ジした。ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(26
mg,0.15mmol)およびヨウ化銅(I)(4mg、0.15mmol)
を加え、反応物をアルゴン中60℃で5時間撹拌した。粗混合物を酢酸エチル(
40mL)で希釈し、水(3×10mL)およびブライン(2×10mL)で洗
浄した。溶剤を真空中で蒸発させて2−(tert−ブトキシオキサリル−アミ
ノ)−5−トリメチルシラニルエチニル安息香酸のtert−ブチルエステル0
.77g(99%)が得られた。
【0164】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ12.59(s,1H)、8.7
1(d,J=9Hz,1H)、8.07(d,J=9Hz,1H)、1.62(
s,9H)、1.61(s,9H)、0.25(s,9H)。 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−トリメチルシラニルエ
チニル安息香酸のtert−ブチルエステル(0.57g、1.37mmol)
をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウムお
よび酢酸(2:3)のテトラヒドロフラン(1.7mL、1.51mmol)中
の0.9M溶液で3時間処理した。揮発分を真空中で蒸発させ、粗材料を酢酸エ
チル(35mL)中に抽出した。酢酸エチル抽出物を1N塩酸(5mL)、飽和
炭酸水素ナトリウム(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、真空中で蒸発し
て油状の2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−エチニル安息香
酸のtert−ブチルエステル0.36g(76%)が得られた。
【0165】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ8.74(d,J=10Hz,1
H)、8.12(s,1H)、7.65(d,J=10Hz,1H)、3.08
(s,1H)、1.62(s,9H)、1.58(s,9H)。 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−エチニル安息香酸のt
ert−ブチルエステル(0.36g、1.04mmol)を50%トリフルオ
ロ酢酸/ジクロロメタン(15mL)により室温で3時間処理した。反応混合物
を真空中で濃縮し、残分を水およびジエチルエーテルで洗浄して乾燥後表題の化
合物0.21g(86%)が得られた。
【0166】 1 H NMR(400MHz、DMSO−d6 )δ8.23(d,J=10Hz
,1H)、8.05(s,1H)、7.76(d,J=10Hz,1H)、4.
24(s,1H)。 LC/MS〔M−H〕:232.07 HPLC(254.4nm):3.112s,(49%)。
【0167】 実施例24
【0168】
【化57】 5−(3−ジメチルアミノ−プロプ−1−イニル)−2−(オキサリル−アミ ノ)安息香酸 5−ヨードアントラニル酸(3.0g、11.4mmol)およびN,N−ジ
イソプロピルエチルアミン(4mL、22.8mmol)の無水テトラヒドロフ
ラン(40ml)溶液に、イミダゾール−1−イル−オキソ酢酸のtert−ブ
チルエステル(4.47g、22.8mmol)を加えた。反応物を室温で3時
間撹拌した。溶剤を真空中で蒸発させて粗混合物を酢酸エチル(70mL)中に
抽出した。有機抽出物を1%塩酸(2×15mL)およびブライン(10mL)
で洗浄し、溶剤を真空中で蒸発させて固形物として2−(tert−ブトキシオ
キサリル−アミノ)−5−ヨード安息香酸2.8g(63%)が得られた。
【0169】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ8.57(d,J=9Hz,1H
)、8.43(d,J=2Hz,1H)、8.00(dd,J=9Hz,2Hz
,1H)、1.59(s,9H)。 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−ヨード安息香酸(2.
1g、5.37mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、窒素中でトリ
エチルアミン(3.75mL、26.85mmol)およびN,N−ジメチルア
ミノピリジン(0.1g)を加えた。塩化メトキシメチル(1.2mL、16.
11mmol)を加え、反応混合物を4時間撹拌し、シリカゲルカラムに直接充
填される最少容積まで真空中で濃縮し、50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出した
。純粋留分を一緒にし、濃縮して固形物として2−(tert−ブトキシオキサ
リル−アミノ)−5−ヨード安息香酸のメトキシメチルエステル1.5g(64
%)を得た。
【0170】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ8.56(d,J=9Hz,1H
)、8.42(s,1H)、7.89(d,J=9Hz,1H)、5.54(s
,2H)、3.60(s,3H)、1.61(s,9H)。 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−ヨード安息香酸のメト
キシメチルエステル(0.16g、0.37mmol)、トリエチルアミン(5
1μL、0.37mmol)、および1−ジメチルアミノ−2−プロピン(0.
12mL、1.11mmol)の溶液を無水アセトニトリル(3ml)中で調製
し、アルゴンでパージした。ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(II)(5mg、0.0074mmol)およびヨウ化銅(I)(1mg
、0.0074mmol)を加え、反応物をアルゴン中で60℃で、18時間撹
拌した。揮発分を真空中で蒸発させ、残分を酢酸エチル(10mL)中に再溶解
した。有機相を1%塩酸(5mL)で洗浄し、水相を追加の酢酸エチルで抽出し
た。一緒にした有機相をブライン(5mL)で洗浄し、乾燥(Na2 SO4 )し
、油状になるまで濃縮した。粗製油をジクロロメタンに溶解し、シリカゲルクロ
マトグラフィにより溶離液として5%メタノール/ジクロロメタン/0.1%ト
リエチルアミンを用いて精製した。純粋留分を一緒にして油状の2−(tert
−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−(3−ジメチルアミノ−プロプ−1−イ
ニル)安息香酸のメトキシメチルエステル81mg(60%)を得た。
【0171】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ12.52(s,1H)、8.7
5(d,J=9Hz,1H)、8.21(s,1H)、7.64(d,J=9H
z,1H)、5.53(s,2H)、3.59(s,3H)、3.46(s,2
H)、2.38(s,6H)、1.61(s,9H)。 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−(3−ジメチルアミノ
−プロプ−1−イニル)安息香酸のメトキシメチルエステル(32.3mg)を
、50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(3mL)により室温で2時間処理
した。混合物を真空中で固形物になるまで濃縮し、得られた固形物をジクロロメ
タンで洗浄して固形物として表記化合物20mg(83%)が得られた。
【0172】 1 H NMR(400MHz、DMSO−d6 )δ8.60(d,J=9Hz,
1H)、8.05(s,1H)、7.60(d,J=9Hz,1H)、4.07
(s,2H)、2.73(s,6H)。 実施例25
【0173】
【化58】 5−(2−((1−ベンジルカーバモイル−3−メチル−ブチル)−イソプロ ピル−カーバモイル)ビニル)−2−(オキサリル−アミノ)安息香酸 5−(2−((1−ベンジルカーバモイル−3−メチル−ブチル)−イソプロ
ピル−カーバモイル)−ビニル)−2−(tert−ブトキシオキサリル−アミ
ノ)安息香酸のメトキシメチルエステル(0.14g、0.22mmol、実施
例33の記載に従って調製)を50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(6m
L)で2.5時間処理した。混合物を真空中で濃縮し、水から沈殿させた。得ら
れた結晶状固形物を濾過し、真空中で乾燥して固形物として表記化合物0.10
g(85%)を得た。
【0174】 1 H NMR(400MHz、CD3 OD)δ8.76(d,J=9Hz,1H
)、8.31(s,1H)、7.94(d,J=9Hz,1H)、7.49(d
,J=16Hz,1H)、7.46〜7.38(m,5H)、7.13(d,J
=16Hz,1H)、4.49(m,1H)、4.10(s,2H)、3.95
(m,1H)、2.49(m,1H)、1.90(m,1H)、1.56(m,
1H)、1.38(d,J=6Hz,3H)、1.35(d,J=7Hz,3H
)、0.97(d,J=6Hz,6H)。 LC/MS〔M−H〕:522.55 下記の3つの化合物は実施例1と同じ方法で調製した。
【0175】 実施例26
【0176】
【化59】 4−フルオロ−2−(オキサリル−アミノ)安息香酸 1 H NMR(300MHz、DMSO−d6 )δ7.11(m,1H)、8.
12(m,1H)、8.42(dd,1H)、12.62(s,1H,NHCO
)。
【0177】 実施例27
【0178】
【化60】 5−ヒドロキシ−2−(オキサリル−アミノ)安息香酸 1H NMR(400MHz、DMSO−d6 )δ12.19(s,1H)、
9.78(bs,1H)、8.44(d,J=10Hz,1H)、7.42(d
,J=2Hz,1H)、7.05(dd,J=10Hz,2Hz)。
【0179】 実施例28
【0180】
【化61】 5−メチル−2−(オキサリル−アミノ)安息香酸 1 H NMR(400MHz、DMSO−d6 )δ12.20(s,1H)、8
.51(d,J=10Hz,1H)、7.83(d,J=2Hz,1H)、7.
42(dd,J=10Hz,2Hz,1H),2.29(s,3H)。
【0181】 実施例29
【0182】
【化62】 5−(3−オクチル−イソオキサゾール−5−イル)−2−(オキサリル−ア ミノ)安息香酸 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−ヨード安息香酸(1.
8g、4.6mmol)および炭酸カリウム(1.6g、11.5mmol)の
アセトン(15mL)溶液にヨードメタン(3g)を加えた。反応物を還流させ
て2時間加熱した後、その完了をTLC分析により判定した。粗混合物を酢酸エ
チル(75mL)で希釈し、水(2×15mL)およびブライン(10mL)で
洗浄した。有機相を真空中で濃縮して2−(tert−ブトキシオキサリル−ア
ミノ)−5−ヨード安息香酸のメチルエステル1.8g(94%)を得た。
【0183】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ12.52(s,1H)、8.5
3(d,J=9Hz,1H)、8.39(s,1H)、8.87(d,J=9H
z,1H)、3.98(s,3H)、1.61(s,9H)。 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−ヨード安息香酸のメチ
ルエステル(0.86g、2.12mmol)、トリメチルシリルアセチレン(
2mL)、およびトリエチルアミン(1.2mL、8.48mmol)をN,N
−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、アルゴンにより溶液をパージした
。ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(30mg、
0.042mmol)およびヨウ化銅(I)(4mg、0.021mmol)を
加え、反応物をアルゴン中60℃で3時間撹拌した。粗混合物を酢酸エチル(4
0mL)で希釈し、水(3×10mL)およびブライン(2×10mL)で洗浄
した。有機相を真空中で蒸発させて2−(tert−ブトキシオキサリル−アミ
ノ)−5−トリメチルシラニルエチニル安息香酸のメチルエステル0.8g(9
9%)が得られ、これはそれ以上の精製を行なうことなく用いられた。
【0184】 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−トリメチルシラニルエ
チニル安息香酸のメチルエステル(0.15g、0.4mmol)をテトラヒド
ロフラン(2mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウムおよび酢酸(2
:3)のテトラヒドロフラン(0.44mL、0.4mmol)0.9M溶液で
3時間処理した。揮発分を真空中で蒸発させ、粗材料を酢酸エチル(25mL)
中に抽出した。酢酸エチル抽出物を1N塩酸(5mL)、飽和炭酸水素ナトリウ
ム(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、真空中で蒸発して油状の2−(t
ert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−エチニル安息香酸のメチルエステ
ル0.1g(83%)が得られた。
【0185】 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5−エチニル安息香酸のメ
チルエステル(0.1g、0.33mmol)およびノナアルドキシム(0.1
5g、0.99mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を、漂白剤(0
.75N、1.3mL、0.99mmol)で処理した。反応物を室温で24時
間撹拌した。TLC分析は出発原料の存在を示し、それゆえ反応物を35℃で1
2時間加熱した。真空中で溶剤を除去し、粗材料を酢酸エチル(35mL)に溶
解し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機抽出物
を真空中で蒸発させて油状の2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−
5−(3−オクチル−イソオキサゾール−4−イル)安息香酸のメチルエステル
0.1g(66%)が得られた。
【0186】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ8.89(d,J=10Hz,1
H)、8.52(d,J=1Hz,1H)、7.97(dd,J=10,1Hz
,1H)、6.41(s,1H)、4.02(s,3H)、2.73(t,J=
8Hz,2H)、1.70(m,2H)、1.62(s,9H)、1.37〜1
.25(bm,12H)、0.89(t,J=8Hz,3H)。
【0187】 上記(イソキサゾール−4−イル)安息香酸のメチルエステル(9.1mg、
0.02mmol)の50%メタノール/テトラヒドロフラン(2mL)溶液に
、1N水酸化リチウム(60μL、0.06mmol)を加え、得られた混合物
を室温で48時間撹拌した。TLC分析(30%メタノール/ジクロロメタン)
によって反応が未完了であると判定され、追加の1N水酸化リチウム(20μL
、0.02mmol)を加えた。反応物をさらに72時間撹拌した。反応混合物
のpHを、1N塩酸を加えることによりほぼゼロに調整した。混合物を真空中で
濃縮し、粗材料を酢酸エチル(20mL)に溶解した。有機層をブライン(2×
5mL)で洗浄し、真空中で濃縮して固形物として表記の化合物5.4mg(7
0%)が得られた。
【0188】 1 H NMR(400MHz、CD3 OD)δ8.87(d,J=10Hz,1
H)、8.55(s,1H)、8.04(d,J=10Hz,1H)、6.74
(s,1H)、2.70(t,J=8Hz,2H)、1.72(m,2H)、1
.38〜1.20(bm,12H)、0.90(t,J=8Hz,3H)。 実施例30
【0189】
【化63】 5−(2−((1−ベンジルカーバモイル−3−メチル−ブチル)−イソプロ ピル−カーバモイル)−エチル)−2−(オキサリル−アミノ)安息香酸 イソプロピルアミン(0.43mL、5.0mmol)のメタノール(5mL
)溶液に、イソバレルアルデヒド(0.54mL、5.0mmol)を加えた。
15分間撹拌した後、イソシアン化ベンジルのテトラヒドロフラン溶液(1N、
5mL、5.0mmol)、続いてアクリル酸(0.34mL、5.0mmol
)を加えた。反応物を室温で72時間撹拌し、揮発分を真空中で除去し、得られ
た油を酢酸エチル(40mL)に溶解した。有機混合物を1N塩酸(10mL)
およびブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(Na2 SO4 )し、真空中で溶剤
を蒸発させた。粗製残分をクロマトグラフィにより30%酢酸エチル/ヘキサン
から50%酢酸エチル/ヘキサンまでの勾配を用いて精製した。純粋留分を捕集
し、溶剤を真空中で蒸発させて油状のN−(1−ベンジルカーバモイル−3−メ
チル−ブチル)−N−イソプロピル−アクリルアミド1.5g(100%)が得
られた。
【0190】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ8.13(bs,1H)、7.3
0〜7.19(m,5H)、6.49(dd,J=16Hz,12Hz,1H)
、6.25(d,J=16Hz,1H)、5.66(d,J=12Hz,1H)
、4.38(d,J=6Hz,2H)、4.10〜4.02(m,1H)、2.
22〜2.13(m,1H)、1.76〜1.70(m,1H)、1.62〜1
.54(m,2H)、1.25(d,J=7Hz,3H)、1.20(d,J=
7Hz,3H)、0.94(d,J=7Hz,3H)、0.90(d,J=7H
z,3H)。
【0191】 N−(1−ベンジルカーバモイル−3−メチル−ブチル)−N−イソプロピル
−アクリルアミド(0.55g、1.74mmol)、2−(tert−ブトキ
シオキサリル−アミノ)−5−ヨード安息香酸のメトキシメチルエステル(0.
5g、1.15mmol)、酢酸パラジウム(3.0mg、0.023mmol
)、およびトリ(o−トリル)ホスフィン(10.0mg、0.07mmol)
のN,N−ジメチルホルムアミド溶液をアルゴン中で3時間撹拌しながら100
℃まで加熱した。反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル(50mL)で希釈した
。有機相を水(2×15mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(N
2 SO4 )し、真空中で蒸発させた。粗製の油状材料を、クロマトグラフィに
より溶離液として30%酢酸エチル/ヘキサンを用いて精製した。純粋留分を捕
集し、溶剤を真空中で蒸発させて油状の5−(2−((1−ベンジルカーバモイ
ル−3−メチル−ブチル)−イソプロピル−カーバモイル)−ビニル)−2−(
tert−ブトキシオキサリル−アミノ)安息香酸のメトキシメチルエステル0
.15g(20%)が得られた。
【0192】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ12.58(s,1H)、8.8
2(d,J=9Hz,1H)、8.22(s,1H)、7.80(d,J=9H
z,1H)、7.60(d,J=16Hz,1H)、7.30〜7.22(m,
5H)、6.80(d,J=16Hz,1H)、5.58(s,2H)、4.4
3(bs,2H)、4.21〜4.15(m,1H)、3.60(s,3H)、
2.21〜2.16(m,1H)、1.82〜1.78(m,1H)、1.61
(s,9H)、1.61〜1.58(m,1H)、1.35(d,J=7Hz,
3H)、1.24(t,J=7Hz,3H)、0.99(d,J=7Hz,3H
)、0.94(d,J=7Hz,3H)。
【0193】 5−(2−((1−ベンジルカーバモイル−3−メチル−ブチル)−イソプロ
ピル−カーバモイル)−ビニル)−2−(tert−ブトキシオキサリル−アミ
ノ)安息香酸のメトキシメチルエステル(10.7mg、0.017mmol)
のメタノール(1mL)溶液に5%パラジウム/炭素(2.2mg)を加え、得
られた混合物を水素ガス(30psi)中で3時間撹拌した。混合物をセライト
を通して濾過し、真空中で蒸発させた。NMRは反応が完了していないことを示
し、それゆえさらに4時間水素化条件にさらした。混合物を濾過し、再度真空中
で蒸発させて油状の5−(2−((1−ベンジルカーバモイル−3−メチル−ブ
チル)−イソプロピル−カーバモイル)−エチル)−2−(tert−ブトキシ
オキサリル−アミノ)安息香酸のメトキシメチルエステル8.9mg(83%)
が得られた。
【0194】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ12.41(s,1H)、8.6
8(d,J=9Hz,1H)、8.07(bs,1H)、7.98(s,1H)
、7.43(d,J=9Hz,1H)、7.30〜7.22(m,5H)、5.
52(s,2H)、4.45〜4.33(m,2H)、4.04〜3.96(m
,2H)、3.58(s,3H)、2.95(t,J=7Hz,2H)、2.7
2〜2.61(m,2H)、2.30(m,1H)、1.62(s,9H)、1
.59(m,1H、ただし隣りのシングレットにより部分的に不明瞭)、1.2
2(d,J=6Hz,6H)、0.95(d,J=7Hz,3H)、0.91(
d,J=7Hz,3H)。
【0195】 5−(2−((1−ベンジルカーバモイル−3−メチル−ブチル)−イソプロ
ピル−カーバモイル)−エチル)−2−(tert−ブトキシオキサリル−アミ
ノ)安息香酸のメトキシメチルエステル(4mg、0.0064mmol)をア
セトン(3mL)に溶解し、3滴の1N塩酸で処理した。反応物を2日間撹拌し
た後、アセトンを真空中で蒸発させた。残分を酢酸エチル(10mL)に溶解し
、ブライン(2×2mL)で洗浄し、真空中で蒸発させた。得られた油を20%
トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(3mL)で3時間処理した。揮発分を真空
中で蒸発させて油状の表記の化合物2mg(61%)が得られた。
【0196】 1 H NMR(400MHz、CD3 OD)δ8.64(d,J=9Hz,1H
)、8.00(s,1H)、7.51(d,J=9Hz,1H)、7.50〜7
.40(m,5H)、4.17(t,J=8Hz,1H)、4.14(s,2H
)、3.73(m,1H)、2.95(t,J=6Hz,2H)、2.82〜2
.63(m,2H)、2.42(m,1H)、1.80(m,1H)、1.30
(m,1H)、1.26(d,J=6Hz,3H)、1.10(d,J=6Hz
,3H)、0.90(d,J=6Hz,6H)。 LC/MS〔M−H〕:524.74。
【0197】 実施例31
【0198】
【化64】 5−(2−((1−カーバモイル−3−メチル−ブチル)−イソプロピル−カ ーバモイル)−エチル)−2−(オキサリル−アミノ)安息香酸 5−(2−((1−ベンジルカーバモイル−3−メチル−ブチル)−イソプロ
ピル−カーバモイル)−ビニル)−2−(オキサリル−アミノ)安息香酸 (3
3mg、0.063mmol)および10%パラジウム/炭素をメタノール(3
mL)中で混合し、水素ガス(1気圧(約100KPa))中で18時間撹拌し
た。混合物をセライトに通して濾過し、揮発分を真空中で蒸発させて表記の化合
物27mg(99%)が得られた。
【0199】 1 H NMR(400MHz、CD3 OD)δ8.64(d,J=9Hz,1H
)、8.00(s,1H)、7.51(d,J=9Hz,1H)、4.17(t
,J=8Hz,1H)、3.72(m,1H)、2.96(t,J=6Hz,2
H)、2.82〜2.63(m,2H)、2.41(m,1H)、1.80(m
,1H)、1.30(m,1H)、1.25(d,J=6Hz,3H)、1.1
3(d,J=6Hz,3H)、0.90(d,J=6Hz,6H)。 LC/MS〔M−H〕:435.66。
【0200】 実施例32
【0201】
【化65】 2−((5−メルカプト−〔1,3,4〕オキサジアゾール−2−カルボニル )−アミノ)安息香酸 2−(エトキシオキサリル−アミノ)安息香酸(2.0g、8.43mmol
)のエタノール(75mL)溶液にヒドラジン水和物(0.8g、16.86m
mol)を加えた。得られた混合物を還流温度で3時間撹拌した。冷却した反応
物に水(200mL)を加え、混合物を1N塩酸でpH=4に酸性化した。沈殿
物を濾過し、水で洗浄し、真空中50℃で16時間乾燥して固形物として2−(
ヒドラジノオキサリル−アミノ)安息香酸1.4g(69%)が得られた。
【0202】 上記2−(ヒドラジノオキサリル−アミノ)安息香酸(1.0g、4.15m
mol)の0℃に冷却したメタノール(20mL)溶液に、水酸化カリウム(0
.5g、8.72mmol)および二硫化炭素(0.7g、9.54mmol)
を加えた。得られた混合物を還流温度で6時間撹拌した。冷却した反応物に水(
100mL)を加え、混合物を1N塩酸でpH=1に酸性化した。沈殿物を濾過
し、水およびヘプタンで洗浄し、真空中50℃で乾燥した。乾燥した生成物(0
.65g)を、酢酸エチル中の5%酢酸を溶離液として用いたシリカゲル(40
0mL)クロマトグラフィにより精製した。純粋留分を捕集し、揮発分を真空中
で蒸発させた。残分を水で洗浄し、真空中50℃で16時間乾燥して固形物とし
て表記化合物0.4g(36%)が得られた。 M.p.:236〜237℃; C107 3 4 Sの計算値:C、45.28%;H、2.66%;N、15.
84% 実測値:C、45.48%;H、2.66%;N、15.36%。
【0203】 実施例33
【0204】
【化66】 3−(オキサリル−アミノ)イソニコチン酸 3−アミノ−イソニコチン酸(0.5g、3.62mmol)およびトリエチ
ルアミン(1mL)の無水テトラヒドロフラン(50mL)、撹拌溶液に0℃で
、塩化エチルオキサリル(0.5g、3.69mmol)を滴下して加えた。得
られた反応混合物を室温で3時間撹拌し、濾過し、揮発分を真空中で蒸発させた
。残分に水(50mL)を加え、得られた混合物をジエチルエーテル(2×50
mL)で抽出した。有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液(50ml)で洗浄し
、乾燥(MgSO4 )し、濾過し、溶剤を真空中で蒸発させて固形物として3−
(エトキシオキサリル−アミノ)イソニコチン酸0.4g(46%)が得られた
【0205】 上記イソニコチン酸(0.4g、1.7mmol)のエタノール(25mL)
溶液に、水酸化ナトリウム(141mg、3.53mmol)の水(10mL)
溶液を加えた。得られた反応混合物を室温で18時間撹拌した。揮発分を真空中
で蒸発させ、残分を水(50mL)に溶解し、ジエチルエーテル(50mL)で
洗浄した。水相に1N塩酸を加えてpH=1にした。沈殿物を濾過し、真空中5
0℃で18時間乾燥した。乾燥した固形残分を沸騰アセトン(50ml)で5分
間洗浄し、濾過し、真空中50℃で乾燥して固形物として表記化合物80mg(
22%)が得られた。 M.p.:>250℃; C8 8 2 5 の計算値:C、45.72%;H、2.88%;N、13.3
3% 実測値:C、45.62%;H、2.98%;N、13.04%。
【0206】 実施例34
【0207】
【化67】 5−(オキサリル−アミノ)−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒ ドロ−ピリミジン−4−カルボン酸 5−アミノオロチン酸(61.1mg、0.36mmol)のテトラヒドロフ
ラン(1mL)溶液に、イミダゾール−1−イル−オキソ酢酸のtert−ブチ
ルエステル(140mg、0.71mmol)およびトリエチルアミン(50μ
L、0.36mmol)を加えた。混合物を室温で20時間撹拌した。溶剤を真
空中で除去し、残分を酢酸エチル(5.0mL)に溶解し、1%塩酸(2×2m
L)、次いで水(2×2mL)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4 )し、濾
過し、溶剤を真空中で蒸発させた。残分を調製用TLC(Kieselgel6
0F254 、0.5mm、ヘキサン:酢酸エチル、80:20)により精製して固
形物として5−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−2,6−ジオキソ
−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸30mg(28
%)が得られた。
【0208】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ1.80(s,9H)、7.56
(s,2H)、8.96(s,1H)。 5−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−2,6−ジオキソ−1,2
,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸(28mg、0.094
mmol)を、ジクロロメタン(1mL)中の20%トリフルオロ酢酸中で室温
で2時間撹拌した。反応混合物を真空中でトルエンと一緒に共蒸発させて完全に
乾燥し、固形物として表記化合物22.6mg(100%)が得られた。
【0209】 1 H NMR(400MHz、CD3 OD)δ7.30(s,2H)。 実施例35
【0210】
【化68】 3−(オキサリル−アミノ)−ピラジン−2−カルボン酸 テトラヒドロフラン(1ml)中の3−アミノピラジン−2−カルボン酸(6
4.2mg、0.46mモル)溶液に、イミダゾール−1−イル−オキソ酢酸の
tert−ブチルエステル(181mg、0.92mmol)およびトリエチル
アミン(64.3μL、0.46mmol)を加えた。混合物を室温で20時間
撹拌した。溶剤を真空中で除去し、残分を酢酸エチル(5.0mL)に溶解し、
1%塩酸(2×2mL)、次いで水(2×2mL)で洗浄した。有機相を乾燥(
MgSO4 )し、濾過し、溶剤を真空中で蒸発させた。残分をジエチルエーテル
(4×1.0ml)で洗浄して固形物として3−(tert−ブトキシオキサリ
ル−アミノ)−ピラジン−2−カルボン酸48mg(39%)が得られた。
【0211】 1 H NMR(CDCl3 +CD3 OD)δ1.70(s,9H)、8.02(
d,1H,J=1.5Hz)、8.36(d,1H,J=1.5Hz)。 3−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−ピラジン−2−カルボン酸
(31.7mg、0.12mmol)を、ジクロロメタン(1ml)中の20%
トリフルオロ酢酸中で室温で2時間撹拌した。揮発分を真空中で蒸発させ、残分
を真空中でトルエンと一緒に共蒸発させて固形物として表記化合物25mg(1
00%)を得た。
【0212】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ7.80(d,1H,J=1.5
Hz)、8.62(s,1H)。 実施例36
【0213】
【化69】 2−(オキサリル−アミノ)ニコチン酸 テトラヒドロフラン(1mL)中の2−アミノニコチン酸(61.4mg、0
.45mmol)の溶液に、イミダゾール−1−イル−オキソ酢酸のtert−
ブチルエステル(174.2mg、0.89mmol)およびトリエチルアミン
(62μL、0.45mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶
剤を真空中で除去し、残分を酢酸エチル(5.0mL)に溶解し、1%塩酸(2
×2mL)、次いで水(2×2mL)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4
し、濾過し、溶剤を真空中で蒸発させた。残分を調製用TLC(Kieselg
el60F254 、1mm、CH2 Cl2 /MeOH、80/20)により精製し
て固形物として2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)ニコチン酸7.
9mg(7%)が得られた。
【0214】 1 H NMR(400MHz、CD3 OD)δ1.80(s,9H)、7.40
(m,1H)、8.50〜8.70(m,2H)。 2−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)ニコチン酸(7.1mg,0
.03mmol)を、ジクロロメタン(0.5mL)に溶かした20%トリフル
オロ酢酸中で室温で2時間撹拌した。揮発分を乾燥するまで真空中で蒸発させて
固形物として表記化合物5.6mg(100%)が得られた。
【0215】 1 H NMR(400MHz、CD3 OD)δ7.40(m,1H)、8.50
〜8.70(m,2H)。 実施例37
【0216】
【化70】 6−クロロ−5−イソプロピルアミノ−3−(オキサリル−アミノ)−ピラジ ン−2−カルボン酸の二リチウム塩 3−アミノ−6−クロロ−5−イソプロピルアミノ−ピラジン−2−カルボン
酸(65.4mg、0.27mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に
、イミダゾール−1−イル−オキソ酢酸のtert−ブチルエステル(104.
8mg、0.54mmol)およびトリエチルアミン(37.4μL、0.27
mmol)を加えた。混合物を室温で20時間撹拌し、続いて50℃で1.5時
間加熱した。溶剤を真空中で除去し、残分を酢酸エチル(5.0mL)に溶解し
、1%塩酸(2×2mL)、次いで水(2×2mL)で洗浄した。有機相を乾燥
(MgSO4 )し、濾過し、溶剤を真空中で蒸発させて油状の粗製3−(ter
t−ブトキシオキサリル−アミノ)−6−クロロ−5−イソプロピルアミノ−ピ
ラジン−2−カルボン酸97mg(97%)が得られた。
【0217】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ1.50(d,6H)、1.80
(s,9H)、4.10(s,3H)、4.40(m,1H)。 3−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−6−クロロ−5−イソプロ
ピルアミノ−ピラジン−2−カルボン酸(30mg、0.1mmol)をテトラ
ヒドロフラン(1mL)に溶解し、室温で1.0N水酸化リチウム(1mL、1
mmol)を加えた。反応混合物を室温で3日間撹拌した。溶剤を真空中で除去
後、残分を酢酸エチル(20mL)に溶解し、水(4×3.0mL)で洗浄した
。有機相を乾燥(Na2 SO4 )し、濾過し、溶剤を真空中で蒸発させて固形物
として表記化合物21mg(82%)が得られた。
【0218】 1 H NMR(400MHz、CD3 OD)δ1.42(d,6H)、4.50
(m,1H)。 MSm/z228(M−74)。 実施例38
【0219】
【化71】 5,6−ジクロロ−3−(オキサリル−アミノ)−ピラジン−2−カルボン酸 の二リチウム塩 3−アミノ−5,6−ジクロロ−ピラジン−2−カルボン酸(57mg、0.
26mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液に、イミダゾール−1
−イル−オキソ酢酸のtert−ブチルエステル(100.6mg、0.513
mmol)およびトリエチルアミン(35.8μL、0.26mmol)を加え
た。混合物を室温で20時間撹拌し、続いて40℃で4時間加熱した。溶剤を真
空中で除去し、残分を酢酸エチル(5.0mL)に溶解し、1%塩酸(2×2m
L)、次いで水(2×2mL)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4 )し、濾
過し、溶剤を真空中で蒸発させた。残った油を調製用TLC(Kieselge
l60F254 、1mm、ヘキサン:酢酸エチル、1:1)により精製して油状の
3−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5,6−ジクロロ−ピラジン
−2−カルボン酸23.6mg(26%)が得られた。
【0220】 1 H NMR(400MHz、CDCl3 )δ1.58(s,9H)、1.80
(s,9H)、3.90(s,3H)。 3−(tert−ブトキシオキサリル−アミノ)−5,6−ジクロロ−ピラジ
ン−2−カルボン酸(23mg、0.07mmol)のテトラヒドロフラン(0
.5mL)溶液に、水酸化リチウム(0.5mL)の1.0N水溶液を加え、得
られた混合物を3日間撹拌した。溶剤を真空中で除去後、残分を酢酸エチル(2
0mL)に溶解し、水(4×3.0mL)で洗浄した。有機相を乾燥(Na2
4 )し、濾過し、溶剤を真空中で蒸発させて固形物として表記化合物14mg
(80%)が得られた。 MSm/z290.3(M−74)。
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月27日(2000.9.27)
【手続補正2】
【補正対象書類名】要約書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【要約】 本発明は、新規な化合物、新規な組成物、それらの使用方法、およびそれらの
製造方法を提供するものであって、このような化合物はPTP1B、CD45、
SHP−1、SHP−2、PTPα、LAR,およびHePTPなどのタンパク
質チロシンホスファターゼ(PTPases)の薬理的に有用な阻害剤である。
化合物は、I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障害、インスリン抵抗性
、肥満症、自己免疫を含む免疫機能障害、凝固系の機能障害を伴う疾患、喘息を
含むアレルギー性疾患、骨粗しょう症、癌および乾癬を含む増殖性の疾病、成長
ホルモンの合成または作用の減少または増加を伴う疾患、成長ホルモンの放出ま
たは成長ホルモンに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカインの合成の
減少または増加を伴う疾患、アルツハイマー病および精神分裂病を含む脳疾患、
および感染性疾患の治療に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/44 A61K 31/44 4H006 31/50 31/50 31/505 31/505 31/513 31/513 A61P 3/06 A61P 3/06 3/10 3/10 5/10 5/10 11/06 11/06 17/06 17/06 19/10 19/10 25/00 25/00 25/28 25/28 31/04 31/04 35/00 35/00 37/06 37/06 37/08 37/08 C07D 213/79 C07D 213/79 213/80 213/80 239/42 239/42 Z 239/54 241/28 239/557 261/08 241/28 271/10 261/08 409/04 271/10 239/54 B 409/04 A (31)優先権主張番号 0472/98 (32)優先日 平成10年4月3日(1998.4.3) (33)優先権主張国 デンマーク(DK) (31)優先権主張番号 0479/98 (32)優先日 平成10年4月3日(1998.4.3) (33)優先権主張国 デンマーク(DK) (31)優先権主張番号 PA 1998 00940 (32)優先日 平成10年7月15日(1998.7.15) (33)優先権主張国 デンマーク(DK) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 リヒター,ルッツ ステファン デンマーク国,デーコー−3500 ベルレー セ.センデルガールスバイ 53 (72)発明者 アンデルセン,ヘンリック スネ デンマーク国,デーコー−2800 リュンビ ー,グスタフ アドルフスバイ 2 (72)発明者 バグナー,ヨセフ デンマーク国,デーコー−3500 ベルレー セ,ヨンストルップバイ 271アー (72)発明者 イェッペセン,クラウス ベッカー デンマーク国,デーコー−2990 ニバー, ニベレーズ ダムガールスバイ 17 (72)発明者 メラー,ニルス ペーター フンダール デンマーク国,デーコー−2100 コペンハ ーゲン エー,3,ミッドテルモーレン 4 (72)発明者 ブランネル,スベン デンマーク国,デーコー−2800 リュンビ ー,ベド スメデバッケン 7アー (72)発明者 スー,ジン アメリカ合衆国,ニューヨーク 10021, ニューヨーク,イースト 70 ストリート 220,アパートメント 4エー (72)発明者 ベイカー,ファリッド アメリカ合衆国,カリフォルニア 92120, サンディエゴ,カレッジ アベニュ 5757,アパートメント エー (72)発明者 ジャッジ,ルーク ミルバーン アメリカ合衆国,カリフォルニア 92037, ラ ジョーラ,ボネア ウェイ 644 1 /2 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA01 CA02 CA53 CB19 DA57 4C056 AA01 AB01 AB02 AC01 AC07 AD01 FA04 FA17 FB01 FB07 FC01 4C063 AA01 BB01 CC92 DD51 EE01 4C086 AA01 AA03 BC17 BC41 BC42 BC67 BC69 BC71 GA03 GA07 MA04 NA14 ZA15 ZA70 ZA96 ZB07 ZB13 ZB26 ZC20 ZC35 4C206 AA01 AA03 FA35 FA40 KA01 MA04 MA14 NA14 ZA15 ZA70 ZA96 ZB07 ZB13 ZB26 ZC20 ZC35 4H006 AA01 AA03 AB20 AB21 AB27 BJ50 BS10 BV25

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式1の化合物であって、 【化1】 上式で、 Aは、式1中の二重結合を一員とするフェニル、ビフェニル、インデニル、フ
    ルオレニル、フルオレニル−9−オン、ナフチル、ピリジル、ピリダジニル、ピ
    リミジル、またはピラジニルであり; R1 は、水素、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO 2 NR7 8 、PO(OH)2 、CH2 PO(OH)2 、CHFPO(OH)2 、CF2 PO(OH)2 、C(=NH)NH2 、NR7 8 、または下記の五員
    ヘテロ環から選択され; 【化2】 あるいはR1 は、 【化3】 であって、式中、R12、R13、およびR14は独立に水素、C1 〜C6 アルキル、
    アリール、アリールC1 〜C6 アルキルであって、前記アルキルおよびアリール
    基は任意に置換されていてもよく; R2 は、COR5 、OR6 、CF3 、ニトロ、シアノ、SO3 H、SO2 NR 7 8 、PO(OH)2 、CH2 PO(OH)2 、CHFPO(OH)2 、CF 2 PO(OH)2 、C(=NH)NH2 、NR7 8 、または下記の五員ヘテロ
    環から選択され; 【化4】 3 、R16、およびR17は、独立に、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、トリハロ
    メチル、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキル、ヒドロ
    キシ、カルボキシ、カルボキシC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルオキシ
    カルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1 〜C6 アルキルオキシカ
    ルボニル、C1 〜C6 アルキルオキシ、C1 〜C6 アルキルオキシC1 〜C6
    ルキル、アリールオキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシ、アリールC1
    6 アルキルオキシC1 〜C6 アルキル、チオ、C1 〜C6 アルキルチオ、C1 〜C6 アルキルチオC1 〜C6 アルキル、アリールチオ、アリールC1 〜C6
    ルキルチオ、アリールC1 〜C6 アルキルチオC1 〜C6 アルキル、NR7 8 、C1 〜C6 アルキルアミノC1 〜C6 アルキル、アリールC1 〜C6 アルキル
    アミノC1 〜C6 アルキル、ジ(アリールC1 〜C6 アルキル)アミノC1 〜C 6 アルキル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アルキルカルボニルC 1 〜C6 アルキル、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニル、アリールC1 〜C 6 アルキルカルボニルC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルカルボキシ、C 1 〜C6 アルキルカルボキシC1 〜C6 アルキル、アリールカルボキシ、アリー
    ルカルボキシC1 〜C6 アルキル、アリールC1 〜C6 アルキルカルボキシ、ア
    リールC1 〜C6 アルキルカルボキシC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキル
    カルボニルアミノ、C1 〜C6 アルキルカルボニルアミノC1 〜C6 アルキル、
    カルボニルNR7 1 〜C6 アルキルCOR11、アリールC1 〜C6 アルキルカ
    ルボニルアミノ、アリールC1 〜C6 アルキルカルボニルアミノC1 〜C6 アル
    キル、CONR7 8 、またはC1 〜C6 アルキルCONR7 8 であり、R11 はNR7 8 またはC1 〜C6 アルキルNR7 8 であって、前記アルキルおよ
    びアリール基は任意に置換されていてもよく;あるいはR3 は、 【化5】 であって、式中、R12、R13、およびR14は独立に、水素、C1 〜C6 アルキル
    、アリール、またはアリールC1 〜C6 アルキルであって、前記アルキルおよび
    アリール基は任意に置換されていてもよく; R4 は、水素、ヒドロキシ、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1
    6 アルキル、NR7 8 、またはC1 〜C6 アルキルオキシであって、前記ア
    ルキルおよびアリール基は任意置換されていてもよく; R5 は、ヒドロキシ、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6
    ルキル、C1 〜C6 アルキルオキシ、C1 〜C6 アルキル−オキシC1 〜C6
    ルキルオキシ、アリールオキシ、アリールC1 〜C6 アルキルオキシ、CF3
    またはNR7 8 であって、前記アルキルおよびアリール基は任意に置換されて
    いてもよく; R6 は、水素、C1 〜C6 アルキル、アリール、またはアリールC1 〜C6
    ルキルであって、前記アルキルおよびアリール基は任意に置換されていてもよく
    ; R7 およびR8 は、独立に、水素、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリール
    1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ア
    リールC1 〜C6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アルキルカルボキシ、または
    アリールC1 〜C6 アルキルカルボキシから選択され、前記アルキルおよびアリ
    ール基は任意に置換されていてもよく;あるいはR7 およびR8 は、それらが付
    着する窒素と合わせて、炭素原子3〜14個と、窒素、酸素、またはイオウから
    選択されたさらなるヘテロ原子0〜3個とを含有する飽和、部分飽和、または芳
    香族の単環式、二環式、または三環式の環系を形成しており、前記環系は任意に
    少なくとも1個のC1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキル
    、ヒドロキシ、オキソ、C1 〜C6 アルキルオキシ、アリールC1 〜C6 アルキ
    ルオキシ、C1 〜C6 アルキルオキシC1 〜C6 アルキル、NR9 10、または
    1 〜C6 アルキルアミノC1 〜C6 アルキルで置換することができ、R9 およ
    びR10は独立に、水素、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6
    ルキル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールC1
    6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アルキルカルボキシ、またはアリールC1 〜C6 アルキルカルボキシから選択され、前記アルキルおよびアリール基は任意
    に置換されていてもよく;あるいはR7 およびR8 は、独立に、飽和または部分
    飽和した5、6、または7員環アミン、イミド、またはラクタムである、化合物
    ;あるいは、 それと、薬剤として許容される酸または塩基との塩、あるいはラセミ混合物を
    含む任意の光学的異性体または光学的異性体の混合物、あるいはもしAがフェニ
    ルであり、R1 およびR2 がCOOHであり、R4 が水素であるならば、R3
    16、およびR17は同時には水素であることができないという条件で、任意の互
    変異体である、化合物。
  2. 【請求項2】 Aがフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Aがナフチルである、請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Aがインデニルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Aがフルオレニルである、請求項1に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Aがフルオレニル−9−オンある、請求項1に記載の化合物
  7. 【請求項7】 Aがビフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 Aがピリジルである、請求項1に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 Aがピリミジルである、請求項1に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 Aがピラジニルである、請求項1に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 Aがピリダジニルである、請求項1に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 R3 が、 【化6】 (ただし、R12、R13、およびR14は上記定義のとおり)である、請求項2〜1
    1に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 もしAがフェニルであり、R1 およびR2 がCOOHであ
    り、R4 が水素であるならば、R3 、R16、およびR17は同時には水素であるこ
    とができないという条件で、R1 およびR2 がCOR5 (ただし、R5 は上記定
    義のとおり)、R4 が水素である、請求項2〜11のいずれかに記載の化合物。
  14. 【請求項14】 R1 が5−テトラゾイルであり、R2 がCOR5 (ただし
    、R5 は上記定義のとおり)である、請求項2〜11のいずれかに記載の化合物
  15. 【請求項15】 もしAがフェニルであり、R1 およびR2 がCOOHであ
    り、R4 が水素であるならば、R3 、R16、およびR17は同時には水素であるこ
    とができないという条件で、R1 およびR2 がCOOHであり、R4 が水素であ
    る、請求項2〜11のいずれかに記載の化合物。
  16. 【請求項16】 2−メチル−6−(オキサリル−アミノ)安息香酸、2−
    (オキサリル−アミノ)−5−ヨード安息香酸、2−(アミノオキサリル−アミ
    ノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−フルオロ安息香酸、2−(オ
    キサリル−アミノ)−4−(3−ヒドロキシ−ピリジン−2−イルスルファニル
    )安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−(1−イミダゾール−2−イル
    スルファニル)安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−(ベンゾオキサゾ
    ール−2−イルスルファニル)安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−(
    4−フェニル−チアゾール−2−イルスルファニル)安息香酸、2−(オキサリ
    ル−アミノ)−4−(3−エトキシカルボニルフェノキシ)安息香酸、2−(オ
    キサリル−アミノ)−4−ベンジルアミノ安息香酸、2−(オキサリル−アミノ
    )−4−(シクロプロピルメチル−アミノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミ
    ノ)−4−(3−メチル−ブチルアミノ)安息香酸、2−(ヒドラジノオキサリ
    ル−アミノ)安息香酸、3−(オキサリル−アミノ)ナフタレン−2−カルボン
    酸、2−((5−チオキソ−4,5−ジヒドロ〔1,3,4〕オキサジアゾール
    −2−カルボニル)−アミノ)安息香酸、N−(2−(3,5−ジクロロ−フェ
    ノキシ)フェニル)オクサミン酸、2−(オキサリル−アミノ)−3−ヒドロキ
    シ安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸、2−(オ
    キサリル−アミノ)−4−ニトロ安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−3,
    5−ジヨード安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−3,5−ジメチル安息香
    酸、2−(オキサリル−アミノ)−5−メチル安息香酸、2−(オキサリル−ア
    ミノ)−4,5−ジメトキシ安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)フタール酸
    、2−(オキサリル−アミノ)−4−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルアミノ
    )安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−((2−ヒドロキシ−エチル)
    −メチル−アミノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−(2,2,6
    ,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルアミノ)安息香酸、2−(2−ヒド
    ロキシ−シクロヘキシルアミノ)−6−(オキサリル−アミノ)安息香酸、2−
    〔(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ〕−6−(オキサリル−アミノ
    )安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−6−(2,2,6,6−テトラメチ
    ル−ピペリジン−4−イルアミノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4
    −(ピリジン−3−イルアミノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−
    (3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)安息香酸、2−(オキサリル−アミ
    ノ)−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニル)安息香
    酸、2−(オキサリル−アミノ)−6−(ピリジン−3−イルアミノ)安息香酸
    、2−(3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−6−(オキサリル−アミノ
    )安息香酸、2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニル)
    −6−(オキサリル−アミノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−(
    2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミ
    ノ)−4−(ベンゼンスルホニル−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ア
    ミノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−〔アセチル−(2−モルホ
    リン−4−イル−エチル)−アミノ〕安息香酸、2−(2−モルホリン−4−イ
    ル−エチルアミノ)−6−(オキサリル−アミノ)安息香酸、2−(ベンゼンス
    ルホニル−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミノ)−6−(オキサリ
    ル−アミノ)安息香酸、2−(アセチル−(2−モルホリン−4−イル−エチル
    )−アミノ)−6−(オキサリル−アミノ)安息香酸、2−(オキサリル−アミ
    ノ)−4−シクロペンチルアミノ安息香酸、2−(オキサリル−アミノ)−4−
    (ベンゼンスルホニル−シクロペンチル−アミノ)安息香酸、2−(オキサリル
    −アミノ)−4−(アセチル−シクロペンチル−アミノ)安息香酸、2−シクロ
    ペンチルアミノ−6−(オキサリル−アミノ)安息香酸、2−(ベンゼンスルホ
    ニル−シクロペンチル−アミノ)−6−(オキサリル−アミノ)安息香酸、2−
    (アセチル−シクロペンチル−アミノ)−6−(オキサリル−アミノ)安息香酸
    、4−(オキサリル−アミノ)−ビフェニル−3−カルボン酸、3−(オキサリ
    ル−アミノ)イソニコチン酸、5−(オキサリル−アミノ)−2,6−ジオキソ
    −1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸、2−(オキサ
    リル−アミノ)ニコチン酸、6−クロロ−5−イソプロピルアミノ−3−(オキ
    サリル−アミノ)−ピラジン−2−カルボン酸、5,6−ジクロロ−3−(オキ
    サリル−アミノ)−ピラジン−2−カルボン酸、3−(オキサリル−アミノ)−
    ピリダジン−4−カルボン酸、4−(オキサリル−アミノ)−ピリミジン−5−
    カルボン酸、3−(オキサリル−アミノ)−ピラジン−2−カルボン酸、または
    薬剤として許容されるその塩から選択される、化合物。
  17. 【請求項17】 タンパク質チロシンホスファターゼの阻害剤または調節剤
    として作用する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16のいずれかに記載の化合物もしくはその薬
    剤として許容される酸または塩基の薬剤として許容される塩、あるいはラセミ混
    合物を含む任意の光学異性体または光学異性体混合物、あるいは1または複数種
    の薬剤として許容されるキャリヤーまたは希釈剤を伴う任意の互変異性体を含む
    薬剤組成物。
  19. 【請求項19】 薬剤組成物であって、請求項1〜16のいずれかに記載の
    化合物もしくはその薬剤として許容される酸または塩基の薬剤として許容される
    塩、あるいはラセミ混合物を含む任意の光学異性体または光学異性体混合物、あ
    るいは1または複数種の薬剤として許容されるキャリヤーまたは希釈剤を伴う任
    意の互変異性体を含む、I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障害、イン
    スリン抵抗性、または肥満症の治療に適する薬剤組成物。
  20. 【請求項20】 薬剤組成物であって、請求項1〜16のいずれかに記載の
    化合物もしくはその薬剤として許容される酸または塩基の薬剤として許容される
    塩、あるいはラセミ混合物を含む任意の光学異性体または光学異性体混合物、あ
    るいは1または複数種の薬剤として許容されるキャリヤーまたは希釈剤を伴う任
    意の互変異性体を含む、自己免疫を含む免疫機能障害、凝固系の機能障害を伴う
    疾患、喘息を含むアレルギー性疾患、骨粗しょう症、癌および乾癬を含む増殖性
    の疾病、成長ホルモンの合成または作用の減少または増加を伴う疾患、成長ホル
    モンの放出または成長ホルモンに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカ
    インの合成の減少または増加を伴う疾患、アルツハイマー病および精神分裂病を
    含む脳疾患、および感染性疾患の治療に適する薬剤組成物。
  21. 【請求項21】 経口的投薬単位または非経口的投薬単位の形態である、請
    求項18、19、または20に記載の薬剤組成物。
  22. 【請求項22】 前記化合物が1日当たり約0.05〜1000mg、好ま
    しくは約0.1〜500mgの範囲、特に50〜200mgの範囲の投薬量とし
    て投与される、請求項18、19、または20に記載の薬剤組成物。
  23. 【請求項23】 治療に使用される、請求項1〜16のいずれか一項に記載
    の化合物もしくはその薬剤として許容される酸または塩基の薬剤として許容され
    る塩、あるいはラセミ混合物を含む任意の光学異性体または光学異性体混合物、
    あるいは任意の互変異性体。
  24. 【請求項24】 I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障害、インス
    リン抵抗性、または肥満症の治療または予防における治療用の、請求項1〜16
    のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬剤として許容される酸または塩基
    の薬剤として許容される塩、あるいはラセミ混合物を含む任意の光学異性体また
    は光学異性体混合物、あるいは任意の互変異性体。
  25. 【請求項25】 自己免疫を含む免疫機能障害、凝固系の機能障害を伴う疾
    患、喘息を含むアレルギー性疾患、骨粗しょう症、癌および乾癬を含む増殖性の
    疾病、成長ホルモンの合成または作用の減少または増加を伴う疾患、成長ホルモ
    ンの放出または成長ホルモンに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカイ
    ンの合成の減少または増加を伴う疾患、アルツハイマー病および精神分裂病を含
    む脳疾患、および感染性疾患の治療または予防における治療用の、請求項1〜1
    6のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬剤として許容される酸または塩
    基の薬剤として許容される塩、あるいはラセミ混合物を含む任意の光学異性体ま
    たは光学異性体混合物、あるいは任意の互変異性体。
  26. 【請求項26】 請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物もしくはそ
    の薬剤として許容される酸または塩基の薬剤として許容される塩、あるいはラセ
    ミ混合物を含む任意の光学異性体または光学異性体混合物、あるいは任意の互変
    異性体の薬物としての使用。
  27. 【請求項27】 請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物の薬物の調
    製への使用。
  28. 【請求項28】 I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障害、インス
    リン抵抗性、または肥満症の治療または予防に適する薬物の調製への、請求項1
    〜16のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬剤として許容される酸また
    は塩基の薬剤として許容される塩、あるいはラセミ混合物を含む任意の光学異性
    体または光学異性体混合物、あるいは任意の互変異性体の使用。
  29. 【請求項29】 自己免疫を含む免疫機能障害、凝固系の機能障害を伴う疾
    患、喘息を含むアレルギー性疾患、骨粗しょう症、癌および乾癬を含む増殖性の
    疾病、成長ホルモンの合成または作用の減少または増加を伴う疾患、成長ホルモ
    ンの放出または成長ホルモンに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカイ
    ンの合成の減少または増加を伴う疾患、アルツハイマー病および精神分裂病を含
    む脳疾患、および感染性疾患の治療または予防に適する薬物の調製への、請求項
    1〜16のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬剤として許容される酸ま
    たは塩基の薬剤として許容される塩、あるいはラセミ混合物を含む任意の光学異
    性体または光学異性体混合物、あるいは任意の互変異性体の使用。
  30. 【請求項30】 I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障害、インス
    リン抵抗性、または肥満症の治療法であって、それを必要とする患者に前記患者
    に有効な量の請求項1〜16のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、
    方法。
  31. 【請求項31】 自己免疫を含む免疫機能障害、凝固系の機能障害を伴う疾
    患、喘息を含むアレルギー性疾患、骨粗しょう症、癌および乾癬を含む増殖性の
    疾病、成長ホルモンの合成または作用の減少または増加を伴う疾患、成長ホルモ
    ンの放出または成長ホルモンに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカイ
    ンの合成の減少または増加を伴う疾患、アルツハイマー病および精神分裂病を含
    む脳疾患、および感染性疾患の治療法であって、それを必要とする患者に前記患
    者に有効な量の請求項1〜16のいずれかに記載の化合物を投与することを含む
    、方法。
  32. 【請求項32】 I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース耐性障害、インス
    リン抵抗性、または肥満症の治療または予防に特に使用される薬物の製造方法で
    あって、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物もしくはその薬剤として許容
    される塩をガレノスの投薬形態にすることを含む、方法。
  33. 【請求項33】 自己免疫を含む免疫機能障害、凝固系の機能障害を伴う疾
    患、喘息を含むアレルギー性疾患、骨粗しょう症、癌および乾癬を含む増殖性の
    疾病、成長ホルモンの合成または作用の減少または増加を伴う疾患、成長ホルモ
    ンの放出または成長ホルモンに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカイ
    ンの合成の減少または増加を伴う疾患、アルツハイマー病および精神分裂病を含
    む脳疾患、および感染性疾患の治療または予防に特に使用される薬物の製造方法
    であって、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物もしくはその薬剤として許
    容される塩をガレノスの投薬形態にすることを含む、方法。
  34. 【請求項34】 本明細書に記載のいずれかの新規な特徴または特徴の組合
    わせ。
  35. 【請求項35】 式1の化合物の製造方法であって、 a) 【化7】 式(I)のアミノ置換化合物を、式(II)の酸塩化物との反応させ、そこで
    A、R1 、R2 、R3 、R4 、R16、およびR17が上記定義のとおりである、あ
    るいは、 b) 【化8】 カルボン酸(I)、第一アミン(II)、およびアルデヒド(III)とイソ
    シアン化物(IV)とを反応させ、そこでR12、R13、R14、およびR15が上記
    定義のとおり独立に水素、C1 〜C6 アルキル、アリール、アリールC1 〜C6 アルキルからなる群から選択され、アルキルおよびアリール基は上記定義のとお
    り任意に置換されていてよく;またはR12、R13、R14、およびR15が独立に、 【化9】 から選択され、そこでYはR12、R13、R14、およびR15の結合点を示し、A、
    1 、R2 、およびR4 は上記定義のとおりである、あるいは、 c)上記記載の4つの成分のUgi反応(方法b))を、成分のいずれか1つを
    固形の担体に結合させることにより行ない、それにより合成を組合わせ化学の方
    式で達成することを特徴とする、方法。
  36. 【請求項36】 SH2ドメインを含有するタンパク質を含むpTyr認識
    単位と一緒に分子の配位子、阻害剤、または調節剤として作用する、請求項1〜
    16のいずれかに記載の化合物。
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