JP2002504855A - グラディエント溶離法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 アイソクラティックな条件下に液体クロマトグラフィーによって少なくとも２種類の物質を分離する方法において、溶離の間に流量を変化させる方法（流量グラディエントクロマトグラフィー）が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 グラディエント溶離法 本発明は新規なグラディエント溶離法を用いる液体クロマトグラフィーのため の分離法に関する。本発明の方法は達成された分離性能を保持しつつアイソクラ ティックな条件下にクロマトグラフィーの分離に要する時間を短縮する。 液体クロマトグラフィーでは溶離挙動は溶離液勾配によって最適化される。即 ち、一方では、初めに溶離される分析物は十分に分離されることになり、また他 方では、分離を全体としてできるだけ短時間で行うために、あとで溶離される分 析物は過度に遅らせられない。しかし溶離液勾配を用いると、分離を行うたびに 充填剤を最初の溶離液に再平衡させねばならいという結果になる。アイソクラテ ィックな条件下では、平衡（させること）は必要ないが、全体としてクロマトグ ラフィーの分離性能と分離に要する時間との間に妥協がはかられねばならない。 本発明は分離すべき物質を溶離する間に流量を変化させる（ことを特徴とする ）、アイソクラティックな条件下に液体クロマトグラフィーによって少なくとも ２種類の物質を分離する方法に関する。 図１はビタミンＫの群から種々のビタミンを分離する溶出曲線を示す： a) 本発明による分離（アイソクラティックな条件下、モノリス充填剤を用い る流量グラディエント法のクロマトグラフィー）； b) アイソクラティックな条件下でモノリス充填剤を用いる； c) アイソクラティックな条件下で微粒状充填剤（particulate sorbent）を 用いる。 部分的表現b)とc)は比較のためのものである。実験の詳細は実施例１に記され ている。 図２は薬剤調合物の成分を分離する溶出曲線を示す： a) 本発明による分離（アイソクラティックな条件下、モノリス充填剤を用い る流量グラディエント法のクロマトグラフィー）； b) アイソクラティックな条件下、１ml／分の流量で； c) アイソクラティックな条件下、３ml／分の流量で；および d) アイソクラティックな条件下、５ml／分の流量で。 部分的表現b)ないしd)は比較のためのものである。実験の詳細は実施例２に記 されている。 アイソクラティックな条件下で、分離の間に流量が溶離プロファイル（elutio n profile）に調和すると（is matched）分離性能と所要時間が最適化されるこ とがわかっている。この方法を本発明によって流量グラディエントクロマトグラ フィーという。この方法を用いるための必要（前提）条件はＨ／ｕ曲線が十分に 平らで分離性能が広い流量範囲にわたって実質的に不変である充填剤を使用する ことである。流量グラディエントクロマトグラフィーを用いるためのさらなる必 要（前提）条件は操業圧を過度に上げる必要なしに流量を十分に変化させること のできる充填剤を使用することである。このような充填剤の例はＷＯ ９４／１ ９ ６８７とＷＯ ９５／０３ ２５６に開示された多孔質セラミック成形物（mou ldings）（モノリス充填剤）である。特に、マクロ細孔の壁の中で連続したマク ロ細孔とメソ細孔をもつ、ＷＯ ９５／０３ ２５６に開示された多孔質セラミッ ク成形物を本発明にしたがって用いることが好ましく、ここでマクロ細孔の径は 0.1μｍより大きい中央値をもち、またメソ細孔の径は２〜１００nmの中央値を もつ。その細孔構造が必要な操業圧を上げることなしに流量を変化させる微粒状 充填剤（particlulate supports）も同様に本発明の方法に適している。本発明 の方法によって達成される、アイソクラティックな条件下での促進された分離と 良好な分離性能は特に連続分析や分取分離に対して少なからぬ重要性をもつ。 溶媒勾配を用いる溶離とは対照的に、アイソクラティック分離の場合、溶離液 の回収、例えば物質が遊離されない間溶離液を循環すること、あるいは、蒸留に よる溶離液の回収が単純化される。この方法はまた流量グラディエントクロマト グラフィーにおいても用いることができる。 アイソクラティック分離法あるいはグラディエント分離法のための慣用の溶離 液を本発明にしたがって本発明の溶離法に用いることができる。例えば逆相クロ マトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラ フィーまたはキラル分離のような種々の分離法に用いられる充填剤は当業者には 知られている。このようにして誘導された（derivatized）充填剤を本発明にし たがって用い ることができる。このタイプの分離法とこれにふさわしく誘導され（derivatize d）充填剤の例はＷＯ ９４／１９ ６８７に開示されている。 次の実施例は本発明をさらに詳細に説明することを意図するものであって、発 明の思想の限定を表すものではない。 実施例 実施例１：ビタミンＫの群からなる種々のビタミンの分離 ビタミンK1,K2,K3とK4を含有するＫ群からなるビタミンの混合物をアセトニト リル／水（９５：５；容量比）に溶かす。１０μｌのこの溶液をモノリスカラム (シリカゲル、RP−１８変性（modification）：８３×7.2mm)に入れる。続いて 流量グラディエント法が適用される。 溶出曲線は図１a)（２８０nmでUVによる検出）に示される。 比較のために、図１b)は一定の流量（１ml／分）における溶出曲線を示す（上 記の充填剤）。図１c)は、さらなる比較として微粒状の充填剤［リクロスファー (Lichrospher)RP１８；１ml／分］を用いた溶出曲線を示す。 実施例２：薬剤の成分の分離 薬剤調合物をアセトニトリル／２０mM燐酸（９０：１０；容積比）に溶かす。 この溶液５μｌをモノリスカラム（シリカゲル、RP１８変性（modification）； ９３×４．６mm）に入れる。続いて流量グラディエント法が適用される。 溶出曲線は図２a)（２５４nmでUVによる検出）に示される。溶離した成分の順 序はマレイン酸、パラアセタモール(Paracetamol)、カフェインおよびブロモフ ェニラミン(Bromopheniramine)である。 比較のために図２b)ないし２d)に種々の定流量における溶出曲線を示す（上記 の 充填剤）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディックス、エディス ドイツ連邦共和国 デー―64297 ダルム シュタット エベルシュテッター キルヒ シュトラーセ 16 (72)発明者 ウィーラント、ゲルハルト ドイツ連邦共和国 デー―64625 ベンシ ャイム イム バンゲルト 19 (72)発明者 ルーブダ、ディーター ドイツ連邦共和国 デー―64625 ベンシ ャイム イム バンゲルト 21ツェー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １.分離すべき物質を溶離する間に流量を変化させることを特徴とする、アイ ソクラティックな条件下に液体クロマトグラフィーによって少なくとも２種類の 物質を分離する方法。