JP2884727B2 - 濃度勾配及び/又は流量勾配作製装置 - Google Patents

濃度勾配及び/又は流量勾配作製装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば液体クロマトグラフィー装置あるい
は電気泳動装置等において、複数の異なった液体を、任
意の液組成比及び/又は任意の総流量で供給できる濃度
勾配及び/又は流量勾配作製装置に関するものである。
[従来の技術] 一般に液体クロマトグラフィー装置や電気泳動装置等
で代表的に説明される化学的処理や生化学的処理におい
ては、移動相の供給形態として、終始一種類の移動相を
使用する方法、弁操作等で移動相を段階的に切り換える
方法、移動相の組成を連続的に変化させる方法等があ
り、例えば液体クロマトグラフィーでは、上記のうち移
動相(溶離液)の液組成を連続的に変化させるいわゆる
勾配溶離法がよく用いられている。
第6図はこのような目的で濃度勾配を持つ溶離液を得
るために用いられる従来の2液混合系の2ポンプシステ
ムを示し、これは1ポンプに対し1駆動モータを配し
た、いわゆる1駆動モータ1ポンプの組み合わせによる
濃度勾配作製装置の例である。
この例の装置を例えば、溶離液を水とアセトン水の2
種類の混合液として、各液別の貯槽から専用のポンプで
各液を吸引・吐出させて、必要な割合に混合させる場合
として以下第6図により説明する。
図において、102aは例えば水(便宜上A液という)の
貯槽、102bは例えば5%アセトン水(便宜上B液とい
う)の貯槽で、各液は、それぞれ例えばプランジャータ
イプの容積式ポンプ(以下「送液ポンプ」という)103
a、103bで吸引された後、合流フロー径路105に吐出さ
れ、ここでA液、B液が混合された後、図示しない固定
相(ゲル等を充填したカラム)に例えば溶離液としてフ
ローされる。
104a、104bはそれぞれ上記送液ポンプ103a、103bの駆
動用モータである。
ここでこのような装置で、フローする溶離液に濃度勾
配を与えるためには、各ポンプの吐出量比を変える必要
がある。このため例えば上記送液ポンプの駆動用モータ
にインダクションモータを用い、各モータの供給電源を
制御装置101によりインバータ制御してモータの回転速
度を変化させ、各ポンプの吐出量比を経時的に可変させ
て濃度勾配を与える方法が採用される。また別の方法と
しては、モータの回転数を一定に保ち、ポンプのプラン
ジャーストローク長を変化させることで上記吐出量比を
変えて、所定の濃度勾配を与えることもできる。
これらの方法によって、例えばフロー液の流量は一定
に保ちながら、濃度に経時的な勾配を与えることができ
る。
また液体クロマトグラフィー等においては、上記のよ
うな簡単な2液混合のフロー液に濃度勾配を与えるだけ
でなく、処理の要求に応じて、多数種類の液体を混合し
たフロー液を用い、これらの各構成液の濃度を経時的に
変化させることや、総液量を経時的に変化させること
が、求めらる場合もある。
このような要求に対しては、上記2液混合形式の装置
をそのまま適用できないが、例えば、1ポンプ1駆動モ
ータ形式の装置を多数の液に対して各1台宛設け、各モ
ータの回転数を独立に制御して、各液の吐出量を個別に
変化させる形式の装置を用いることができる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、第6図に示したような濃度勾配作製装置に
おいて、ポンプ駆動にインダクションモータを用いる
と、このモータは、回転数の低いところでトルクが不足
し、この領域で濃度勾配に乱れが生ずるという問題があ
る。
例えば供給電源のインバータ制御により各ポンプのモ
ータ回転速度を個別に変えて濃度勾配を作ろうとする
と、第7図に示したように、初期には、B液のポンプが
そのモータのトルク不足により実質的に稼働しないの
で、B液の吐出が得られず、反対に終期においては、同
様の理由でA液の吐出が得られずに、全体として適正な
濃度勾配が得られない。
これを更に具体的に説明すると、いま所望する濃度勾
配を、100分間のフロー時間で、A液を100→0%,B液を
0%→100%に変化させる濃度勾配として設定し、イン
ダクションモータの供給電源の周波数を0〜60Hzの間で
変化させてポンプの吐出量を可変させようとすると、モ
ータ103bの起動後約7〜8分間(B液濃度で約0→10%
程度まで)は、実質的にポンプ103bが稼働しないので、
B液の濃度は殆ど0%から増加せず、その後急に吐出量
が立ち上がる。反対に、装置の起動後約90分以降(B液
濃度で約90%→100%程度)あたりでは、ポンプ103aが
実質的に稼動しなくなって、A液の吐出量が急激に0%
に近くなる。
したがって、第7図の実際の濃度勾配の変化を示す特
性線で分かるように、上記インダクションモータをイン
バータ制御する装置で0〜100%の濃度勾配を作製しよ
うとしても、装置稼働の初期,終期では所望する濃度勾
配から外れた特性の勾配しか得られないことになる。
またプランジャータイプのポンプにおいて、そのプラ
ンジャーのストローク長を変化させることによって濃度
勾配を作製する方式の装置について考えると、この方式
のポンプは、ポンプ自体やストローク変更方式そのもの
が持つ構造が原因で、最大ストローク長のほぼ20%以下
で使用すると制御精度が低下するという問題がある。そ
こでこのポンプは、一般に最大ストローク長のほぼ20%
以上の範囲で使用されのが普通であり、上記0〜100%
の濃度勾配を作製する装置用としては不向きである。
上述のように、モータの回転数を変える方法、あるい
はポンプのストローク長を変える方法のいずれを採用す
る場合にも、そのままでは精度のよい流量調整制御が得
られない。
そこで、従来、高精度が要求される濃度勾配作製装置
については、比較的容易に回転数の変更ができ、高精度
の制御が可能なDCサーボモータやパルスモータを用いて
流量の制御を行なっている例が多い。
しかし、DCサーボモータやパルスモータは一般に高価
であり、汎用装置としては使用しにくいという問題点が
あるため、安価な濃度勾配作製装置を提供できる提案が
求められていた。
またこの問題は、上記2液混合で濃度勾配を作製する
装置だけでなく、より多くの種類の液を用いて濃度勾配
を作製する装置でも同様に求められる要望であることは
いうまでもない。
ところで、装置が高精度に稼働できるという特性上の
要求は、装置が高価になるという問題を除外すれば、上
述の如くDCサーボモータ等の使用で一応満足させること
ができるのであるが、しかし、上記コスト的に高価とな
る問題とは別に、更に次の解決すべき課題も指摘され
る。
すなわち、液体クロマトグラフィー装置で、その移動
相に、例えばヘキサン,アセトニトリル等の可燃性有機
溶媒を使用することが必要になる場合がある。
この場合、火災や爆発等の災害防止対策が必要になる
のが普通であり、従ってモータにも防爆タイプが要求さ
れる。
しかし、上記高精度という特性上の要求を満足できる
DCサーボモータ等は、防爆構造型の装置を構成する駆動
手段として用いるには適当でない。すなわち同モータは
防爆タイプのものは入手が困難であり、また一般にも高
価である同モータは、防爆タイプでは一層高価となって
しまうからである。
したがって、DCサーボモータ等をモータとして用いて
防爆構造型の装置を構成させることには、工業的にいま
だ解決すべき多くの課題が残されている。
従来、防爆構造タイプの濃度勾配作製装置を必要とす
る場合には、例えば防爆タイプが比較的容易に入手でき
るインダクションモータをポンプ稼働用モータとして用
い、高精度化のためには、予め濃度の異なる複数種類の
溶液を調合しておき、インダクションモータのトルク不
足の問題を招かない範囲での運転と、弁切換えで、使用
液を段階的に切換えるステップワイズグラジエント法等
を採用しているのが一般的である。しかしこのために各
液を収納する貯槽やこれらの貯槽を配置する広い設置場
所が必要になって装置が大型化し,複雑化し、また測定
前に複数の濃度の異なる溶液を調合する必要がある等の
ため、準備や操作が煩雑になることが避けられなかっ
た。更に、蒸発等により時間がたつにつれて液組成が変
化するという問題点もあった。
本発明の目的は、以上説明したような従来の濃度勾配
作製装置のもつ問題点を解消し、安価で、しかも高精度
な濃度勾配の作製を可能とした濃度勾配を作製できる装
置を提供することにある。
また本発明の別の目的は、防爆構造が求められる場合
にも、安価で入手し易いインダクションモータを採用し
て、高精度な濃度勾配を作製できる装置を提供すること
にある。
さらに、本発明の他の目的は、複数のポンプを共通の
モータで稼動し、総吐出量を一定に保ったまま各ポンプ
のストローク長を変更制御することで所望の濃度勾配を
得るとか、あるいは各ポンプのストローク長を所定の比
率に設定したまま、モータの回転数を変更制御すること
によって、濃度勾配と必要に応じて所望の流量勾配もを
作製することができる濃度勾配,流量勾配作製装置を提
供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記の目的を達成する本発明の濃度勾配作製装置の第
一のタイプの特徴は、移動体である例えばプランジャー
が往復動する容積式ポンプの複数から吐出される液量
を、それぞれ経時的に変化させて、これら吐出液の合流
したフロー液の濃度を可変させる濃度勾配作製装置にお
いて、上記各ポンプ毎に、上記移動体の往復動速度を変
更して液吐出量を変化させる第1の可変手段と、上記移
動体の往復動ストローク長を変更して液吐出量を変化さ
せる第2の可変手段と、これら各ポンプの第1及び第2
の可変手段を制御する制御手段とを設けたという構成を
なすところにある。
上記において、各ポンプの吐出量の和を常に一定とす
れば、全体としていわゆる2液混合型の濃度勾配付きの
定量ポンプが構成されるが、特にこれに限定されるもの
ではない。
また、本発明よりなる第二のタイプの濃度勾配作製装
置あるいは流量勾配作製装置の特徴は、移動体が往復動
する3以上の容積式ポンプから夫々吐出される液量を経
時的に変化させて、これら吐出液の合流したフロー液の
濃度,流量の一方あるいは双方を可変させる勾配作製装
置において、各ポンプの移動体を往復動させる共通の回
転駆動手段と、この共通の回転駆動手段の回転速度を変
更して各ポンプの液吐出量を変化させる第1の可変手段
と、上記各ポンプ毎独立に移動体の往復動ストローク長
を変更して液吐出量を変化させる第2の可変手段と、こ
れら第1及び第2の可変手段を制御する制御手段とを設
けたという構成をなすところにある。
上記において、制御手段は、特に限定されるものでは
ないが、一般にはマイクロコンピュータ等を利用して構
成される。例えば2液混合の場合の濃度勾配作製のため
に、2液の合流吐出量を常に一定に維持しながら、一方
の液を一定率で吐出量が増大しかつ他方の液の吐出量が
減少するように、第1及び第2の可変手段による吐出量
の変化履歴を予めプログラムしておき、これに従ってこ
れら可変手段を動作させるようにして、目的とする濃度
勾配特性線を精度良く得ることができる。
上記のように構成した本発明の濃度勾配作製装置によ
れば、例えばポンプの駆動モータをインバータ制御する
ことでポンプの液吐出量を可変させる制御と、プランジ
ャー等の往復動ストローク長を変えることで各ポンプの
液吐出量を可変させる制御とを組み合わせ、具体的に
は、例えばストローク長を最大長に固定した状態で、最
大速度の周波数から最大速度の周波数の10%程度までの
範囲の流量域においては<モータをインバータ制御し、
一方、最大速度の周波数の10%程度以下の範囲の流量域
においては最大速度の周波数の10%程度に固定した状態
で、ストローク長制御をすることにより、制御精度の低
下の領域を狭めることにより、全体として広い範囲に渡
って精度のよい濃度勾配を得ることができる。
更に、防爆タイプも入手容易であるインダクションモ
ータを用いて、安価で、かつ高精度な濃度勾配あるいは
流量勾配を作製できる。
[実施例] 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。
実施例1 第1図は、本発明よりなる2ポンプシステムの2液混
合型の濃度勾配作製装置の概略の構成を示した図であ
り、二つのポンプ3a,3bは別々のモータ4a,4bで駆動され
る。
以下使用する2液を水(A液)および5%アセトン
(B液)として上述と同様に説明するが、A液とB液の
それぞれの系統はおおむね同一の構造を有しているの
で、同一の構成要素には同じ数字に添字a,bを付して示
し、構成の説明は原則としてA液系統について行い、B
液系統については省略するものとした。
第1図において、3a(3b)は図示しないプランジャー
が往復動する型式の容積式ポンプであり、プランジャー
の往復動に伴ったポンプ室内の容積増減の繰返しによ
り、貯槽17a(17b)からA液(B液)を吸込み、吐出側
に押し出すようになっている。したがってこのポンプの
単位時間あたりの液吐出量は、プランジャーの往復動の
速度と、一回当たりに増減するポンプ室内の容積の大き
さ(ストローク長で決まる)で与えられることになる。
そしてこれらのポンプ3a(3b)の液吐出量は、プラン
ジャーの往復動の速度変更と、プランジャーのストロー
ク長の変更によって可変できるようになっている。
すなわち、本例におけるポンプ3aは、インバータ2aに
より供給電源の周波数を可変させることで回転速度が変
更されるインダクションモータ4aによって、駆動される
ように設けられており、ポンプ3aのプランジャーの単位
時間あたりの往復動回数、ひいては液吐出量をインバー
タ制御で変えることができるようになっている。したが
ってこのインバータ2aが、ポンプの液吐出量を変化させ
る第1の可変手段を構成している。
また5aは、ポンプ3aの液吐出量をプランジャーのスト
ローク長変更により可変させる手段であるポンプストロ
ーク長調整器を示している。これは例えば、ラック−ピ
ニヨン機構やスクリュウー螺子型の螺進機構により移動
されるストッパとして構成される。すなわち、プランジ
ャーが進出・後退する範囲、例えば後退限界位置をスト
ッパの移動で進出側に再定位することで、ストローク長
を無段階に制限する装置として設けられる。このポンプ
ストローク長調整器が、ポンプの液吐出量を変化させる
第2の可変手段を構成している。
1は上記第1の可変手段であるインバータ2a及び第2
の可変手段であるポンプストローク長調整器5aを制御す
る制御器であり、例えば予め定めたプランジャーの往復
動速度及びストローク長の変化履歴に従ってこれらをプ
ログラム制御するようにマイクロコンピュータによって
形成される。そしてこの設定されたプログラムに沿った
ポンプの稼働が得られるように、本例ではインダクショ
ンモータ4aの回転数をエンコーダ6aで検出し、制御器1
に帰還させてフイードバック制御するようになってい
る。
以上の構成の一対のポンプ3a,3bから、制御された量
の液が吐出され、これらは合流管9で混合され、下流に
フローされる。
以上によって本例の濃度勾配作製装置が形成される
が、本例では、同装置によってスローされる液の濃度勾
配の経時的な変化を確認するために、合流管9の途中に
紫外検出器7を介設して、フロー液中のアセトンの量を
検出し、これを記録計8で記録するようにした。
そして以上のような構成の装置を用いて、モータ4a,4
bを次のように制御して、得られたフロー液の濃度勾配
を第2図に示した。
すなわちモータの回転周波数が60〜10Hzの範囲では、
プランジャーのストローク長を100%(最大長)に固定
したままで、A液吐出量が直線となるようにインバータ
2aで周波数を変化させ、それ以外の範囲では、周波数を
10Hzに固定して、液の吐出量が上記の直線に一致して変
化するようにストローク長調整器4aのストローク長を変
化させる制御を行なった。
また、B液については、ポンプ3bがポンプ3aとまった
く反対の液吐出履歴を示し、かつポンプの稼働を同期し
て経時的にフロー液の流量が一定となるようにB液の吐
出を行わせた。
以上の操作を行った場合の液濃度の経時的な変化を第
2図に示した。
この図から明らかなように、第7図で説明した従来例
とは異なり、第1図の装置による場合には、起動直後の
約7〜8分間(B液濃度で約10%程度まで)の間におい
ても、B液の濃度が略直線的に増加して、ポンプ3bの稼
働による液吐出が変化しながら得られることが分かる。
また、起動後約90分以降(B液濃度で約90%程度を越え
た後)でも、A液が略直線的に減少して、全体として混
合液濃度が全域にわたって設定値通りの直線的な濃度勾
配として得られていることがわかる。
実施例2 第3図に示される本例は、1駆動モータを3ポンプ系
に適用した装置として構成された例を示している。
すなわち本例の装置は、インダクションモータ4によ
って回転される回転駆動シャフト18の軸上に三つの偏心
カム9c,9d,9eを設け、これらの偏心カムによって、独立
した三つのポンプヘッド(以下単に「ポンプ」という)
のプランジャ10c,10d,10eを往復動させると共に、各ポ
ンプに個別に、プランジャーのポンプストローク長調整
器を設けて、各ポンプ吐出量のストローク長変更による
制御は、独立に行なえるようにした構成となっている。
以下三つのポンプで吐出される液を、C液,D液,E液と
して、これに対応する各ポンプ系の構成要素については
対応する添字c,d,eを付した。
以下本例装置の構成及び作動につき説明する。
第3図において、インダクションモータ4は、特に限
定されるものではいなが、実施例1と同様にインバータ
2を介して制御器1により周波数の変更により回転速度
が変更できるモータであり、モータ4の回転速度が変更
されることにより、その出力軸である回転駆動シャフト
18軸上に軸着されている三つの偏心カム9c,9d,9eの回転
速度は、同一に変化される。したがって、各ポンプのプ
ランジャーのストローク長が同じであれば、これら各ポ
ンプから吐出される液量は同一に変化することになる。
11cはC液に対応するポンプを示し、プランジャー10c
が上記偏心カム9cの回転によって図の左右に往復動する
ようになっている。18cはC液の吸引口、19cは吐出口で
あり、それぞれ液吸引、吐出のための一方向弁が設けら
れている。
そしてこのポンプ11cには、ストローク長調整器が次
のように設けられている。すなわちプランジャー10c
は、通常は、戻しスプリング15cにより常に偏心カム9c
に押しつけられていて、上述の如く該偏心カム9cの回転
に伴って往復動を行うが、このプランジャース10cの図
の右方への移動限界を、プランジャーストッパ16cによ
って定めることができるようになっている。
例えば第3図の上から2番目に示したポンプ11dで
は、プランジャーストッパ16dが図の左方にある程度進
出して再定位されていて、これにより、偏心カム9dの回
転一周期の中で、プランジャー10dがプランジャースト
ッパ16dに当合してその往復動のストローク長が制限さ
れた状態にあることが示されている。このようなプラン
ジャーストッパ16dの図の左右の進出後退は、上述した
ように例えばピニオン−ラック機構等により構成するこ
とができる。この例では駆動モータ5dを、実施例1で説
明したと同様に、制御器1の指令により、制御すること
でポンプの液吐出量を可変させることができる。
しかも、このプランジャーストッパ等からなるストロ
ーク長調整器を、各ポンプ毎に別個に設けているので、
各ポンプの液吐出量は、ポンプ毎に独立して可変させる
ことができる。
なお、12c,12d,12eはグランドパッキン、13c,13d,13e
はパッキン押えリング、14c,14d,14eはパッキン締付リ
ングである。
以上のような構成の装置で、例えば、液体クロマトグ
ラフィー操作の間、モータ回転数を総流量等によって定
まる一定値に保つように制御し、かつ制御器1の指令に
より、三つのポンプの吐出量が所定の吐出量比になるよ
うにストローク長調整器5cとプランジャストッパ16cで
プランジャのストローク長を変更することで、予め定め
た総流量と吐出量比を持つ濃度勾配を作製することがで
きる。
このようにして制御される操作の一例、すなわち各ポ
ンプから吐出される液C,D,Eの和を一定(したがってフ
ロー液の流量は一定)とした場合の、各液の吐出割合の
経時的変化の一例を、第4図(a)に示した。第4図
(b)は、上記の場合における各ポンプの吐出量の経時
的変化を示し、モータの駆動回転数を一定に維持しなが
ら、ストローク長調整器の制御によって、0分ではC液
が0%、D液は100%、E液は0%であり、これらが100
分後の最終段階ではそれぞれ20%、0%、80%となるよ
うに直線的に可変させている。
なお、これらの図において横軸はいずれも経過時間
(min)、縦軸は、第5図(a)では液組成比(%)、
第5図(b)ではストローク長(%)を示している。
このように、モータの回転数を一定に保ったまま、10
0分間で、C,D,Eの各液の吐出割合をストローク長の変更
によりそれぞれ直線的に変化させることで、3液の概ね
第4図(a)に示したような経時的濃度勾配を得ること
ができる。
この制御から分かるように、本例によって、容積式ポ
ンプの作動周波数とストローク長の両者を組み合わせて
可変することにより、高精度な制御が可能な範囲が広く
なる。すなわち、ポンプの流量精度の低下範囲がストロ
ーク長制御では20%以下であり、インバータ制御では制
御不能な範囲が10%以下であるとすると、本例の構成を
採用すれば、総合的な流量精度の低下範囲は20%×10%
で2%となり、各液の吐出量が微小である0〜2%の流
量域においては、流量精度の低下は否めないものの、高
精度制御が可能な範囲は98%に広がったことになる。
第5図は、上記第3図に示した装置において、C,D,E
の各液の吐出量比を一定に保ちながら、3液の総和を経
時的に変化させる流量勾配作製装置として操作した場合
の流量勾配の操作例を示している。
この場合、予めC,D,Eの各液の割合に対応してポンプ
ストローク長を固定し、ポンプ回転数を時間とともに変
化することで、第5図の流量勾配の制御を得ることがで
きる。
具体的には例えばモータの最大回転速度で、C,D,E各
液の各ポンプのストローク長をそれぞれ200,300,500ml/
minに相当するように設定し、時間とともにモータの回
転数を図示のように変えることにより、C,D,E液の割合
を常に2:3:5に保たったまま、流量が直線的に変化する
勾配を得ることができる。
なおモータがインダクションモータである場合には、
トルク不足が生ずる問題のある回転速度の例えば約10%
以下の範囲で、ポンプストローク長を2:3:5の割合に保
ちながら可変制御することで、ほぼ直線的な流量勾配を
得ることができ、したがって全範囲に渡った高精度な制
御が可能となることはすでに実施例1で説明した通りで
ある。
本例の装置によれば、複数台のポンプを共通のモータ
で稼動させることができるので、構造及び制御を簡単化
でき、経済的な濃度勾配,流量勾配の作製装置が得られ
る。
以上述べた各実施例の装置は、特に限定されるもので
はないが、モータとして防爆タイプのものが容易に入手
できるインダクションモータが使用できるので、低廉な
防爆構造型の装置を構成する上で有利である。
また、実施例2ではポンプ1台で回転駆動シャフト、
カム等で連動させた3台のポンプを稼動する例を説明し
たが、本発明は、1駆動モータシステムで、他の手段を
用いて同時に複数のポンプのプランジャを駆動し、これ
らポンプを各々独立に、もしくは一部併用して異種の液
供給源に接続し、それぞれ独立にポンプストローク長を
変更制御できるような他の濃度勾配及び/又は流量勾配
作製装置にも適用可能である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の濃度勾配作製装置によ
れば、ポンプの駆動モータの回転数を変えて容積式ポン
プの容積増減の繰り返し速度を変更することで液吐出量
を変化させる第1の可変手段と、ストローク長の変更に
より液吐出量を変化させる第2の可変手段とを備え、モ
ータのトルクが不足する範囲では、液吐出量の可変制御
をストローク長可変による制御に切換えるようにするこ
とで、広い範囲に渡り高精度な濃度勾配制御ができると
いう効果がある。
また、防爆対策が必要な場合にも、容易かつ安価に防
爆構造型の濃度勾配作製装置を実現できるという効果が
ある。
さらに、複数のポンプを共通のモータで稼動されるよ
うにした本発明の装置によれば、3以上の複数の液の濃
度を経時的に変化させる場合に、従来の1駆動モータ1
ポンプシステムを複数台併置する場合に較べて、経済的
な濃度勾配作製装置が得られるという効果がある。
さらに、同装置で、共通のモータの回転速度を変更す
ることのみで、3以上の複数液の濃度比を一定に保った
まま、流量を経時的に可変させる流量勾配作製を行うこ
とができるという効果もある。
また更に、本装置を用い、必要最小限の種類の調整液
を用意するのみでモータの回転数変更とポンプストロー
ク長の調整により、ポンプの吐出側に任意の濃度の液を
得ることができるという効果がある。
そして、特に防爆構造が要求される場合は、本例の装
置では安価に入手できる防爆タイプのインダクションモ
ータが使用できるので、装置全体の価格を低廉なものに
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を2ポンプシステムで2液混合系の濃
度勾配作製装置を構成した実施例1の装置の概要を説明
した図である。 第2図は、実施例1において2液濃度を経時的に変化さ
せた場合の一例を説明する図である。 第3図は、本発明よりなる3液以上の液を混合する実施
例2の1駆動モーター3ポンプ方式の装置の構成概要を
示した図である。 第4図(a)は、実施例2の装置で3液の濃度勾配を作
製した場合の一例を示した図、第4図(b)は同作製例
における各ポンプの吐出量の変化示した図である。 第5図は、実施例2の装置を流量勾配作製装置として使
用した場合の流量変化を示した図である。 第6図は従来の2液混合系の1駆動モーター1ポンプ構
成の2ポンプシステムの濃度勾配作製装置の構成概要を
説明する図、第7図は同従来例の装置で、モータの回転
数のみを変更することによりポンプの流量を変えたとき
のA液とB液の濃度の変化を示した図である。 1:制御器 2、2a、2b:インバータ 3a、3b:ポンプ 4a、4b:インダクションモータ 5、5a、5b:ポンプストローク長調整器 6a、6b:エンコーダ 7:紫外検出器、8:記録計 9:偏心カム、10:プランジャ 11:ポンプ、16:プランジャーストッパ 17a:A液貯槽、17b:B液貯槽

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体が往復動する容積式ポンプの複数か
    ら夫々吐出される液量を経時的に変化させて、これら吐
    出液の合流したフロー液の濃度を可変させる濃度勾配作
    製装置において、 上記各ポンプ毎に、上記移動体の往復動速度を変更して
    液吐出量を変化させる第1の可変手段と、上記移動体の
    往復動ストローク長を変更して液吐出量を変化させる第
    2の可変手段と、これら各ポンプの第1及び第2の可変
    手段を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする濃
    度勾配作製装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、制御手段は、各ポンプ
    から吐出合流されたフロー液の流量を経時的に一定に保
    つように第1及び第2の可変手段を制御するものである
    ことを特徴とする濃度勾配作製装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、制御手段は、各ポンプ
    の液吐出量の変化を、低量吐出領域では第2の可変手段
    で制御し、それ以外の領域では第1の可変手段で制御す
    るものであることを特徴とする濃度勾配作製装置。
  4. 【請求項4】移動体が往復動する3以上の複数の容積式
    ポンプから夫々吐出される液量を経時的に変化させて、
    これら吐出液の合流したフロー液の濃度及び/又は流量
    を可変させる勾配作製装置において、 各ポンプの移動体を往復動させる共通の回転駆動手段
    と、この共通の回転駆動手段の回転速度を変更して各ポ
    ンプの液吐出量を変化させる第1の可変手段と、上記各
    ポンプ毎独立に移動体の往復動ストローク長を変更して
    液吐出量を変化させる第2の可変手段と、これら第1及
    び第2の可変手段を制御する制御手段とを設けたことを
    特徴とする濃度勾配及び/又は流量勾配作製装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、制御手段は、各ポンプ
    から吐出合流されたフロー液の流量を経時的に一定に保
    つように第1及び第2の可変手段を制御するものである
    ことを特徴とする濃度勾配作製装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかにおいて、第1
    の可変手段は、ポンプの移動体を往復動させる回転駆動
    手段であるインダクションモータの回転数をインバータ
    制御するものであることを特徴とする濃度勾配作製装
    置。
  7. 【請求項7】請求項4又は6において、第1の可変手段
    は、ポンプの移動体を往復動させる回転駆動手段である
    インダクションモータの回転数をインバータ制御するも
    のであることを特徴とする流量勾配作製装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかにおいて、ポン
    プを駆動させる手段が、防爆タイプのインダクションモ
    ータであることを特徴とする濃度勾配及び/又は流量勾
    配作製装置。
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