JP2002504572A - N−ビニル化合物からのポリマーの製造方法 - Google Patents

N−ビニル化合物からのポリマーの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、N−ビニル化合物からポリマーを製造するにあたり、ビニル化合物を一般式(I): 【化1】 [式中QはNR2またはSを意味し、かつTはCR34またはSを表し、かつR1、R2、R3およびR4は同一であるか、または互いに異なってよく、かつ独立して水素、C1〜C20−アルキルまたはC6〜C18−アリールを表す]の基の存在下に重合させる方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、N−ビニル化合物のポリマーの製造方法に関する。更に本発明はN
−ビニル化合物のポリマーの製造のための、遊離基の使用に関する。また本発明
は本発明の方法によって得られるポリマーならびにその使用に関する。
【0002】 N−ビニル化合物、例えば1−ビニル−2−ピロリドン(N−ビニルピロリド
ン、以下ではNVPと称する)またはN−ビニルホルムアミド(以下ではNVF
と称する)を重合するための慣用の方法はラジカル重合である。またN−ビニル
化合物と他のモノマーとの共重合も可能である。しかしながら、不可避の二次反
応、例えば連鎖移動、不均斉化、再結合または脱離反応のために、分子量分布の
制御は非常に困難である。通常では、2.0以上の多分散性PDを有するポリマ
ーが得られる。PDはPD=Mw/Mnとして、その際、Mwは質量平均分子量で あり、かつMnは数平均分子量であると定義される。該ポリマーの構成および構 造に影響を与えることは困難である。
【0003】 これらの理由に対して、時としてリビングラジカル重合(living free-radica
l polymerization)としても知られている制御されたラジカル重合は、分子量分
布が狭いポリマー製造のために開発されている。該方法は、例えばM.K.ゲオ
ルゲス他著のポリマー科学の動向、2巻、No.2(1994)、66〜72頁
(M. K. Georges et al., Trend in Polymer Science, Vol. 2, No. 2 (1994),
pages 66 to 72)に記載されている。この方法の基礎的な戦略は、定期的に生長
するポリマー鎖の反応性のラジカル鎖末端をブロックし、次いでこれらを制御さ
れた方法で再活性化(再開始)させることである。活性形と不活性形の間の動的
平衡は遊離ポリマーラジカルの低く安定な濃度をもたらす。
【0004】 EP−A135280号は、反応性鎖末端と可逆的に結合する安定なN−オキ
シル基の使用を記載している。しかしながら、該方法では高い分子量のポリマー
は得られず、オリゴマーだけが得られる。
【0005】 制御されたラジカル重合のための開始剤の特定の基は、遊離基開始剤およびN
−オキシル基に解離しうる化合物である(Trends in Polymer Science, 4 (6),
1996, 183-188)。これらの化合物は、例えば分枝鎖状ポリマーの製造を可能に する。しかしながら、選択されたモノマーのみを重合できるにすぎず、かつ反応
温度の高さは不十分である。
【0006】 一般に、N−オキシル基の存在下でのモノマー重合における反応速度は多くの
工業的目的のためには低すぎる。この理由のために、例えば強有機酸が付随して
使用された(US−A5322912号)。しかしながら、これは生成物の後処
理に困難をもたらすことがある。
【0007】 DE−A19516967号は、ビニル性モノマーを慣用の遊離基開始剤およ
びラジカル鎖末端を安定化する電子供与体の存在下に重合させる方法を記載して
いる。
【0008】 WO94/18241号は、異なる分解温度を有する複数の開始剤を使用する
NVPの重合を記載している。その調節は煩わしく、かつ得られるポリマーは再
開始のために使用できる官能基によって停止されない。
【0009】 Polym.Mater.Sci.Eng.,Vol.76,pp.147−
148(1997)において、マチャスチェウスキー(Matyjaszewski)は、原 子移動ラジカル重合(ATRP)(atom transfer radical polymerization)に
よるNVPの制御されたラジカル重合を記載している。しかしながら、ATRP
法は重金属を必要とする。反応生成物のポリ−NVPはこれら重金属のための良
好な錯形成剤であり、そのためATRPによって製造されるポリ−NVPは重金
属を含有しかつ従って医薬品での使用に不適である。
【0010】 調節剤を使用してラジカル重合させたポリマーは他のモノマーの存在下での再
開始によってブロックコポリマーに変換できる。Eur.Polym.J.,V
ol.26(5),pp.515−520(1990)において、アバディー(
Abadie)は、NVPを有するブロックコポリマーを原理的に反応機構の変化によ
って得ることができると開示している。該方法は、純粋な遊離基の方法と比較し
て付加的なプロセス工程を必要とするという欠点を有している。
【0011】 Polym.Reprints(Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem.)(1 988),Vol.29(2),p.6−7において、ターナー(Turner)はN
VPおよびスチレンを有するブロックコポリマーの合成を開示しているが、生成
物のモル質量は出発ポリマーのそれよりも低い。
【0012】 J.Chem.Coc.Faraday Trans.1,Vol.74(7 ),pp.1738−1749(1978)において、ムナム リー(Munam Lee
)はNVPの制御されたラジカル重合を記載している。しかしながら、該重合は
非常にゆっくりと進行する:40時間の反応時間後に、僅かに“微量の”ポリマ
ーが見いだされるだけである。
【0013】 ラジカル重合のための調節剤として、より早期の出願であるが、優先出願でな
いDE−P19636996.7号によって教示されるようなトリアゾリル基の
使用も可能である。該出願は、ビニル芳香族、アクリル酸およびメタクリル酸の
アルキルエステル、およびアクリロニトリルを有利なモノマーとして指定してい
る。N−ビニル化合物のホモポリマーおよびランダムコポリマーは挙げられてい
ない。
【0014】 本発明の課題は、N−ビニル化合物、例えばNVPおよびNVFを有するポリ
マーを製造するための、前記の欠点を有さない新規の方法を提供することである
。更に、この新規方法は、分子量分布およびポリマーの構成および構造の両者の
制御が非常に良好であるべきである。更に、該方法は比較的低い温度においても
十分に高い反応速度を有するべきである。得られたポリマーは、医薬品に使用で
きるように重金属を含有しないべきである。また該方法はN−ビニル化合物およ
び他のモノマーから反応機構を変化させることなく簡単な方法でブロックコポリ
マーを製造することを可能にすべきである。
【0015】 前記課題は、N−ビニル化合物のポリマーを製造するにあたり、N−ビニル化
合物を式I:
【0016】
【化2】
【0017】 [式中、 QはNR2またはSであり、かつTはCR34またはSであり、R1、R2、R3
よびR4は同一または異なってよく、かつ互いに独立して水素、C1〜C20−アル
キルもしくはC6〜C18−アリールである]の遊離基の存在下で重合する方法に よって解決されることが判明した。本発明の目的のために、式Iによって表され
る遊離基はその互変異性体および位置異性体(position isomer)も含んでいる 。アルキル基は直鎖状、分枝鎖状または環状であってよい。これらは非置換また
は、例えば1個以上のハロゲン原子、例えば塩素、ニトリル基、NO2、スルホ ン酸基、ヒドロキシ基、アルキルエステルもしくはアリールエステル基によって
置換されていてもよい。更に、アルキル基はスルホキシドまたはカルボニル基を
有していてよい。アルキル基はC1〜C12−アルキル、有利にはC1〜C10−アル
キル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−
ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシルまたはシク
ロヘキシルを含む。これらの中で、メチルが特に有利である。有利なアリール基
はフェニル、ナフチルおよびビフェニルを含む。アリール基は1個以上の置換基
によって置換されているか、または非置換であってもよい。可能な置換基はアル
キル基、例えばC1〜C10−アルキル、有利にはC1〜C6−アルキル、例えばメ チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチルまたはt
−ブチル、またはヒドロキシ基もしくはハロゲン原子、例えば塩素である。更に
、アリール基は1個以上のハロゲン原子、例えば塩素、ニトリル基、NO2、ス ルホン酸基、アルキルエステルもしくはアリールエステル基によって置換されて
いてもよい。アリール基の中で、フェニルが特に有利である。
【0018】 適当な遊離基Iの例は式:
【0019】
【化3】
【0020】 のチアトリアノリル(thiatianolyls)または式:
【0021】
【化4】
【0022】 のジチアジアノリルである。
【0023】 有利には、式:
【0024】
【化5】
【0025】 の2,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−2−イル遊離基(トリ
アゾリル基)が挙げられる。
【0026】 特に有利には、R3およびR4が同じであるトリアゾリル基が挙げられる。より
特に有利なトリアゾリル基においては、R1がフェニルであり、R2がフェニルま
たはメチルであり、かつR3およびR4がそれぞれフェニル、ビフェニル−2,2
’−ジイル、6,6’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジイルまたは5,5’
−ジメチルビフェニル−2,2’−ジイルである。
【0027】 2,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−2−イル遊離基は自体
公知であるか、または自体公知の方法によって得ることができる。このように、
トリアゾリル遊離基は、例えば1H−1,2,4−トリアゾールのγ線による照
射によって得ることができるか、またはヘキサシアノ鉄酸カリウムの塩基性溶液
を使用する4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾールの脱水素によっ
て製造できる。トリアゾリル遊離基を得る別の方法は、酸の存在下でのテトラジ
ンの環縮小である(Tetrahedron, 51 (47), 1995, 12883-12898)。
【0028】 チアトリアノリルは、例えば相応のチアトリアゾール−1−イウム塩の還元に
よって製造できる(J. Am. Chem. Soc. Perkin Trans 2 (1990) 1619)。ジチア
ジアノリルは、例えば相応のジチアジアザジウム塩の還元によって得られる(Ch
em. Ber. 118 (1985) 3781)。
【0029】 遊離基Iはその場で、例えば前記方法の1つによって発生させることができる
。有利には、遊離基Iを別々に製造し、これらを単離し、かつそれら自体を使用
することが挙げられる。更に、本発明の方法において、遊離基Iは遊離基開始剤
および遊離基Iに解離しうる化合物IIの形で使用することもできる。かかる化
合物は、例えば式II:
【0030】
【化6】
【0031】 [式中、 R5は、解離するとラジカル反応が開始しうる基である]にまとめることができ る。有利な化合物IIにおいては、R5はアルキル、有利にはC1〜C10−アルキ
ルであり;アルキル基は直鎖状または分枝鎖状であってよく、かつ1個以上の置
換基、特にハロゲン原子、例えば塩素またはニトリル基によって置換されていて
よい。またアルキル基は1個以上のヘテロ原子、例えば酸素によって中断されて
いてもよい。またR5はアリール基または置換されたアリール基、有利にはC6
18−アリール基であってもよい。有利な基R5は市販の遊離基開始剤の崩壊基 (disintegration radical)、例えばイソブチロニトリルまたはベンゾイルであ
る。
【0032】 化合物IIは、例えば遊離基源、例えばジベンゾイルペルオキシドまたはアゾ
ビスイソブチロニトリルと遊離基Iとの反応によって製造できる。遊離基源を、
自体公知の方法、例えば熱的または光化学的にか、またはレドックス反応によっ
て崩壊基に解離させることができる。
【0033】 化合物IIを、例えば熱的または光化学的に解離できる。また化合物IIはレ
ドックス反応によっても解離させることができる。一般に、化合物IIは熱的に
解離される。化合物IIは一般に0〜300℃、有利には50〜150℃の温度
範囲で解離する。
【0034】 本発明の方法は1つの遊離基Iまたは1つの化合物IIを使用して実施できる
。同様に種々の遊離基Iまたは化合物IIを使用することも可能である。更に、
遊離基Iおよび化合物IIの混合物を使用することもできる。
【0035】 本発明の方法はN−ビニル化合物をポリマーに変換することが可能である。有
利なN−ビニル化合物は1−ビニル−2−ピロリドン(=N−ビニルピロリドン
、NVP)およびN−ビニルホルムアミド(NVF)である。N−ビニルピロリ
ドンがより特に有利である。
【0036】 これらを化合物IIの形で使用する場合には、一般に遊離基Iは重合反応を開
始することができない。この理由のために、有利な態様によれば遊離基開始剤を
付加的に使用できる。遊離基開始剤は自体公知であり、例えばウルマンの工業化
学百科事典の第4版、15巻、187頁(Ullmanns Encyclopaedie der technis
chen Chemie, 4th edition, Volume 15, page 187)に記載されている。特に適 当な遊離基開始剤はペルオキシド、例えばジベンゾイルペルオキシドおよびクメ
ンヒドロペルオキシドおよび、特にジアゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)である。また種々の遊離基開始剤の混合物を使用することも
可能である。
【0037】 遊離基開始剤のモル量は、使用されるモノマーの容量に対して10-6〜1モル
/l、有利には10-4〜10-1モル/lであってよい。遊離基Iの遊離基開始剤
のモル比は一般に、1:0.5〜1:10、有利には1:0.5〜1:5、特に
1:0.5〜1:2.5である。
【0038】 他の有利な態様によれば、例えばDE−A19516967号に記載されるよ
うな電子供与体を使用することもできる。有利な電子供与体は式:
【0039】
【化7】
【0040】 [式中、 Xは酸素、硫黄またはセレン、有利には硫黄であり、かつ R6は、水素原子、−C1〜C5−アルキル、有利にはメチルもしくはエチル、− CF3、ハロゲン、有利には−Cl、−CN、アルキルスルフィド、有利にはC1 〜C10−アルキルスルフィド、アリールスルフィド、有利にはフェニルスルフィ
ド、アルコキシ、有利にはC1〜C10−アルコキシ、アリールオキシ、有利には フェノキシ、アルキルアミン、有利にはC1〜C10−アルキルアミン、ジアルキ ルアミン、有利にはジ−C1〜C10−アルキルアミン、アリールアミン、有利に はフェニルアミン、ジアリールアミン、有利にはジフェニルアミンであり、 R7は、水素原子または
【0041】
【化8】
【0042】 であり、 Zは、非分枝鎖状または分枝鎖状のC1〜C25−アルキレン基、有利にはC1〜C 25 −アルキレン基、特に有利にはC1〜C10−アルキレン基、例えばメチレン、 エチレン、2−メチルエチレン、n−プロピレンまたはn−ブチレンであり、 Z1は、−OH、アルコキシ、有利にはC1〜C10−アルコキシ、アリールオキシ
、有利にはフェノキシ、アルキルスルフィド、有利にはC1〜C10−アルキルス ルフィド、アリールスルフィド、有利にはフェニルスルフィド、−NH2、アル キルアミン、有利にはC1〜C10−アルキルアミン、ジアルキルアミン、有利に はジ−C1〜C10−アルキルアミン、アリールアミン、有利にはフェニルアミン 、ジアリールアミン、有利にはジフェニルアミンまたはZ2であり、Z2の中でも
−NH2、アルキルアミンまたはジアルキルアミンが有利であり、 Z2は、1個以上の−O−、−S−または−N(アルキル)−基、有利には−( C1〜C10−アルキルアミン)−を有していてよいC4〜C7−脂環式基、有利に はC5〜C6−脂環式環であり、その際、後者の基が有利であって、かつZ2は炭 素原子を介してそれぞれZに結合しており、基−O−、−S−および−N(アル
キル)−は互いに直接結合していない]のフェノチアジン誘導体またはフェノセ
レナジンである。
【0043】 有利なフェノチアジンは:
【0044】
【化9】
【0045】 [式中、 rはそれぞれ、2〜11までの整数であり、かつsは1〜4までの整数である]
を含む。
【0046】 また種々の電子供与体の混合物を使用することも可能である。
【0047】 電子供与体として使用される化合物は自体公知であるか、または自体公知の方
法によって製造でき、例えばJ.H.Perlstein,Angew.Che
m.Int.Ed.Engl.16(1977),519〜534ページならび
にM.R.Bryce,Aldrichimica Acta,Vol.18( 1985),73〜77ページに記載されている。
【0048】 電子供与体と遊離基Iとのモル比は0.1:1〜10:1、有利には0.5:
1〜2:1の範囲であってよい。
【0049】 電子供与体と遊離基開始剤とのモル比は1:1〜3:1、有利には1.6:1
〜2.4:1の範囲である。
【0050】 また本発明の方法は遊離基IおよびN−オキシル遊離基の混合物の存在下に実
施できる。更に、本発明の方法を遊離基I、電子供与体およびN−オキシル遊離
基の混合物の存在下に実施することもできる。ここではN−オキシル基は減速剤
(moderator)として使用される、すなわちこれは反応速度を減少させる。
【0051】 N−オキシル遊離基は、冒頭で既に示したように自体公知であるか、または該
基は自体公知の方法によって製造できる。本発明によれば、多様な構造を有する
N−オキシル基を使用することができる。これらは非環状および環状のN−オキ
シル基の両者を含んでいる。一般に、式IV:
【0052】
【化10】
【0053】 の環式のN−オキシル基が有利である。
【0054】 前記式において、R9〜R14は同一または異なってよく、かつ互いに独立に水 素、C1〜C20−アルキル、C6〜C18−アリール、−OH、−SH、−NH2、 アルキルアミンまたはジアルキルアミンである。変数nは1〜5、有利には2ま
たは3の整数である。アルキル基の中でも、C1〜C10−アルキル、特にC1〜C 5 −アルキルが有利であり;アリール基の中でも、フェニルが有利である。有利 にはR9およびR10ならびにR13およびR14はそれぞれの場合にフェニルまたは アルキルもしくは1つのフェニル基および1つのアルキル基、例えばメチルもし
くはエチルである。R11およびR12は有利には水素である。nが1より大きい場
合、CR1112基は同一であってもよいが、異なるCR1112基が存在してもよ
い。1個より多いCR1112基が存在する場合、これらの基上の基は有利にはO
Hおよび水素である。
【0055】 有利には2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMP
O)、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(
4−オキソ−TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−
1−ピペリジニルオキシ、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオ
キシ、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジニルオキシおよ
びジ−t−ブチルニトロキシドが有利である。2,6−ジフェニル−2,6−ジ
メチル−1−ピペリジニルオキシおよび2,5−ジフェニル−2,5−ジメチル
−1−ピロリジニルオキシを同様に使用できる。また種々のN−オキシル基の混
合物を使用することもできる。
【0056】 N−オキシル遊離基と遊離基Iとのモル比は一般に0.1:1〜20:1、有
利には0.1:1〜10:1、特に有利には0.1:1〜2:1の範囲である。
【0057】 N−オキシル遊離基と遊離基開始剤とのモル比は、有利には0.5:1〜5:
1、特に0.8:1〜4:1、特に有利には1:1〜1.5:1の範囲である。
【0058】 本発明による重合は種々の方法、例えば塊状重合、溶液重合、乳化重合または
懸濁重合によって実施できる。例えば重合は溶融液中で、例えば押出機または混
練機中で実施できる。溶液重合のための適当な溶剤は、例えばテトラヒドロフラ
ン、トルエン、エチルベンゼンまたはその混合物である。
【0059】 一般に反応条件は重要でない;温度は0〜220℃、有利には20〜180℃
の範囲であってよく、かつ反応は通常、大気圧下で実施されるが、30バール以
下の圧力を使用することもできる。有利には反応時間は、所望の分子量に達する
まで重合を持続させることによって選択され、例えば1時間〜6日間である。
【0060】 不活性ガス、例えば窒素または希ガス、例えばアルゴン下で反応を実施するの
が有利な場合がある。
【0061】 本発明の方法において、有利な方法は遊離基開始剤および遊離基Iまたは化合
物IIを反応容器中に入れ、かつ1種または複数のモノマー、所望であれば溶剤
を添加することである。しかしながら、逆の添加順序を使用することも可能であ
る。付加的に電子供与体またはN−オキシル遊離基またはその混合物を使用する
場合、これらを最初に遊離基開始剤および遊離基Iと一緒に充填してよい。しか
しながら、これらは別々または重合反応の間に個々に添加してもよい。ポリマー
を、例えばメタノールまたはヘキサン中での沈殿によって後処理してもよい。
【0062】 形成したポリマーの分子量Mn(数平均)は広い範囲内、例えば5000〜5 00000g/モルで変化してよい。
【0063】 本発明の方法を使用して、ホモポリマーだけでなく、ランダムコポリマーも製
造できる。ランダムコポリマーは有利には、N−ビニル化合物を適当な不飽和モ
ノマー、特にビニル性モノマーと一緒に重合することによって製造される。
【0064】 適当なビニル性コモノマーは、特にオレフィン、ビニルクロリド、ビニリデン
クロリド、ビニルアルコールと1〜8個の炭素原子を有するモノカルボン酸との
エステル、例えばビニルアセテート、ビニル芳香族、例えばスチレン、2−ビニ
ルナフタレンおよび9−ビニルアントラセン、置換されたビニル芳香族、例えば
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジメ
チルスチレンおよび4−ビニルビフェニル、アクリル酸またはメタクリル酸のC 1 〜C8−アルキルエステル、特にC1〜C4−アクリレートおよびC1〜C4−メタ
クリレート、不飽和ジカルボン酸、例えば脂肪族の不飽和ジカルボン酸、例えば
マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸、またはその誘導体、例えば無水物、エ
ステルおよびアミド、特に無水物、例えば無水マレイン酸、またはビニルシアニ
ド、特にアクリロニトリルである。種々のコモノマーの混合物を同様に使用して
もよい。
【0065】 有利なコモノマーはスチレン、置換スチレン、C1〜C4−アクリレートおよび
1〜C4−メタクリレート、特にメチルメタクリレート、およびアクリロニトリ
ルである。
【0066】 コモノマーの割合は通常、N−ビニル化合物およびコモノマーの生成するコポ
リマーに対して80質量%以下、有利には50質量%以下、特に有利には30質
量%である。
【0067】 前記のホモポリマーおよびランダムコポリマー以外に、本発明の方法を使用し
て、セグメント化されたコポリマー、例えばブロックコポリマー、星型のブロッ
クコポリマー(star block copolymer)、グラフトコポリマーまたはグラフトブ
ロックコポリマーを、有利には後処理無しで、他のモノマーまたは種々の組成を
有するモノマー混合物とポリマーとを更に反応させることによって製造できる。
ここでは、更なる量の遊離基Iまたは化合物II、遊離基開始剤、電子供与体も
しくはN−オキシル遊離基またはその混合物を添加する必要があることがある。
【0068】 また本発明の方法は、ブロックコポリマーを、 −遊離基Iの存在下の重合によって得られ、かつブロックAに対して80質量%
以下、有利には50質量%以下のコモノマーを有するNVPホモポリマーまたは
NVPコポリマーからなる少なくとも1つのポリマーブロックA、および −遊離基Iの存在下の重合によって得られ、かつブロックBに対して80質量%
以下、有利には50質量%以下のコモノマーを有するNVFホモポリマーまたは
NVFコポリマーからなる少なくとも1つのポリマーブロックBから製造でき、
その際、ポリマーブロックA、Bは互いに直接結合し、かつブロックの部分でな
い構造単位を介さない。
【0069】 ブロックAおよびBのための有利なコモノマーは前記のビニル性コモノマーな
らびにブロックCに関して以下に挙げられるモノマーである。
【0070】 Aの種類のポリマーブロックをAとし、Bの種類のポリマーブロックをBとし
、かつ開始剤および任意の減速剤および停止剤から誘導される基を無視する場合
、本発明による両親媒性のブロックコポリマーは、例えば直鎖状の系、例えばA
−B、A−B−A、B−A−A、B−A−B、A−B−Bまたは(A−B)n、 星型の系、例えばA(B)n、B(A)nまたは(A)n−B−A−(B)m、デン
ドリマー状の系、例えば((A)n−B)mA、(((B)n−A)mB、(((A
m−B)nA)pBまたは(((B)m−A)nB)pAまたはくし型の系、例えば
((A)n−A(B))qまたは((B)n−B(A))qであり、その際、m、n
およびpは1〜5の整数であり、かつqは0〜1000の整数である。
【0071】 更に、直鎖状の2ブロックおよび3ブロックのコポリマーは本発明により有利
である。A、Bの順序はブロックの製造の時間的順序を示し、本発明により有利
なブロックコポリマーをA−B、B−A、B−A−BおよびA−B−Aとして模
式的に表すことができる。
【0072】 また本発明によって、同性のブロックコポリマー(isophilic block copolyme
r)、すなわちブロックが種々のモノマーからなるが、同じ溶剤中で同等である かまたは少なくとも類似の溶解度を有するブロックコポリマーを製造することが
できる。本発明によれば、これらの同性のブロックコポリマーは、 −前記に定義されるようなNVPホモポリマーまたはコポリマーからなる少なく
とも1つのポリマーブロックA、および/または −前記に定義されるようなNVFホモポリマーまたはコポリマーからなる少なく
とも1つのポリマーブロックB、および −アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、前記の酸のカ
リウム塩、ナトリウム塩およびアンモニウム塩ならびにアミド、ω−ヒドロキシ
−C2〜C4−アルキルアクリレート、ω−ヒドロキシ−C2〜C4−アルキルメタ
クリレート、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、N−メチルビニルイ
ミダゾール、ビニルメチルエーテルおよびジメチルアミノエチルアクリレートか
らなる群から選択される1つ以上の親水性モノマーの遊離基Iの存在下の重合に
よって得られる少なくとも1つのポリマーブロックCを有し、その際、A、B、
Cの種類のポリマーブロックは互いに直接結合し、かつブロックの部分でない構
造単位を介さない。
【0073】 従って、常に同性のブロックコポリマーはブロックCを有し、かつ更にブロッ
クAまたはブロックBのいずれかを有するか、またはブロックA、BおよびCを
有する。
【0074】 Aの種類のポリマーブロックをAとし、かつCの種類のポリマーブロックをC
とし、かつ開始剤および任意の減速剤および停止剤から誘導される基を無視する
場合、本発明による可能な両親媒性ブロックコポリマーは、例えば直鎖状の系、
例えばA−C、A−C−A、C−A−A、C−A−C、A−C−Cまたは(A−
C)n、星型の系、例えばA(C)n、C(A)nまたは(A)n−C−A−(C) m 、デンドリマー状の系、例えば((A)n−C)mA、((C)n−A)mC、( ((A)m−C)nA)pCまたは(((C)m−A)nC)pAまたはくし型の系、
例えば((A)n−A(C))qまたは((C)n−C(A))qであり、その際、
m、nおよびpは1〜5の整数であり、かつqは0〜1000の整数である。
【0075】 更に、直鎖状の2ブロックおよび3ブロックのコポリマーが本発明によれば有
利である。A、Cの順序がブロックの製造の時間的順序を示す場合、本発明によ
り有利な両親媒性のブロックコポリマーはA−C、C−A、C−A−CおよびA
−C−Aとして模式的に表すことができる。
【0076】 また同じブロック配置をブロックBおよびCに対しても類似に適用する:前記
の模式的なブロック配置において、Aはそれぞれの場合にBに置き換えられる。
【0077】 ブロックCはブロックAおよびBに任意の順序で結合させてよく、例えばA−
B−C、A−C−B、C−A−B等である。
【0078】 ブロックAおよびB、またはAおよびC、またはBおよびC、またはA、Bお
よびCを有する前記の全てのブロックコポリマー:本発明のブロックコポリマー
(本明細書中では、ブロックコポリマーという用語は、有利には直鎖状に結合し
たブロックからなり、その際、該ブロックは互いに直接結合したポリマーであり
、かつブロックという用語はポリマー分子の区分を示し、その区分は直接隣接し
た区分に存在しない少なくとも1つの共通の特徴を有する複数のモノマー単位を
有する)は2ブロックのコポリマー、3ブロックのコポリマーまたは3より多い
ブロックを有する多ブロックのコポリマーであってよい。
【0079】 本発明による水性媒体に可溶性であるブロックコポリマーは、水性重合媒体中
に直接可溶でなく、例えばまずこれらを水と混和性の有機溶剤または水と該有機
溶剤との混合物中に溶解させて、引き続き該溶液(本発明によれば、時として水
性重合媒体に直接添加できる)を、例えば透析または少量の水の繰り返しの添加
ならびに引き続いての使用した有機溶剤の蒸留による除去によって水溶液(水の
代わりに、頻繁に酸および/または塩基の水溶液も使用される)に変換すること
によって間接的に溶解させることができるブロックコポリマーも含むとするべき
である。本明細書においては、溶液という用語は必要に応じて分子容液を含意す
るが、澄明な液体が存在することを表現するにすぎず、またミセル溶液、特に熱
力学的平衡にないミセル溶液も包含する。
【0080】 本発明のブロックコポリマーにおいて、一般に該鎖は遊離基IまたはR5から 誘導される基によって停止される。これらの基は時として末端オキシアミン基に
よって置き換えられてもよい。種々の理由のために、遊離基Iから誘導される基
の除去が望ましい場合もある。US−A4581429号の6欄の54行目以降
において、該基の除去の種々の可能な方法が提案されている。本発明により特に
関心のある方法は、水素原子、ヒドロキシル基またはエチレン性不飽和末端基を
もたらす方法である。
【0081】 本発明の方法は、特に経済的である。それというのも反応が工業的に関心のあ
る温度範囲で十分に迅速に進行し、かつ反応速度も容易に制御できるからである
。本発明の方法は、少量の湿気に殆ど反応せず、またモノマー混合物をランダム
コポリマーに変換することもできる。
【0082】 本発明による遊離基Iまたは化合物IIの使用は反応性の“リビング”ラジカ
ル鎖末端を有するポリマーをもたらすので、ブロックコポリマーまたは別のコポ
リマー、例えば星型ブロックコポリマー、グラフトコポリマーまたはグラフトブ
ロックコポリマーを容易に、別のラジカル重合可能なモノマー(混合物)を反応
器に添加することによって得ることができる。最初に製造されるリビング鎖末端
を有するポリマーの単離は必要ないか、または古典的なブロック共重合から知ら
れているような困難かつ時間を消費する活性中心の“極性反転(pole reversal )”もまた必要ない。従ってN−ビニル化合物を有するブロックコポリマーまた
は他のコポリマーは、本発明の方法によって“単一容器反応”で好適に製造でき
る。また本発明による方法は、アニオン重合および/またはカチオン重合が不可
能なモノマーからブロックコポリマーを容易に製造することを可能にする。
【0083】 得られるN−ビニル化合物のポリマーは重金属を含有しない。従って本発明に
よる方法によって製造される重合されたN−ビニル化合物および、特にポリNV
Pホモポリマーは医薬品での使用のために特に適当である。重合条件の調整によ
って、特にヒトの腎臓を通過しうる分子量を有するポリNVPを製造することが
できる。従ってかかるポリNVPは代用血漿として適当である。
【0084】 実施例 市販のベンゾイルペルオキシドを更なる精製をせずに使用した。2,5−ジヒ
ドロ−1,3,5,5−テトラフェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−2
−イルを、Tetrahedron 51(47),12883−12898, 1995に記載の方法を使用して相応の4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−
トリアゾールの脱水素によって製造した。
【0085】 比較試験:遊離基Iを使用しないNVPの重合 N−ビニルピロリドン500gおよび遊離基開始剤としてのベンゾイルペルオ
キシド1gを撹拌容器に入れた。窒素ガスでフラッシした後に、混合物を撹拌し
ながら130℃に加熱し、この温度で5時間保持した。冷却した後に、得られた
ポリマーを、反応混合物をシクロヘキサン中に注入することによって沈殿させ、
かつ乾燥させた。
【0086】 得られたポリNVPは120000g/モルの分子量(質量平均)を有し;多
分散性PD=質量平均/数平均は8.4であった。
【0087】 試験: 比較試験の方法を繰り返すが、NVPおよびベンゾイルペルオキシドと一緒に
1,3,5,5−テトラフェニル−2,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリ
アゾール−2−イル(R1〜R4=フェニルである式I3)を反応器に入れた。
【0088】 得られたポリNVPは90000の分子量(質量平均)を有し、多分散性PD
は5.8であった。
【0089】 前記の試験は、本発明による遊離基Iの付加的な使用がより低い多分散性およ
びより低い分子量を有するポリ−N−ビニル化合物をもたらすことを示している
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AU,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,GE, HU,ID,IL,IN,JP,KR,KZ,LT,L V,MK,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG ,SI,SK,TR,UA,US (71)出願人 Berlin,BRD (72)発明者 ローマン ベネディクト レーター ドイツ連邦共和国 ルートヴィッヒスハー フェン ルーベンスシュトラーセ 27 (72)発明者 ヴォルフガング パウルス ドイツ連邦共和国 マインツ ヴィリ−ヴ ォルフ−シュトラーセ 10 (72)発明者 フランク ブラウン ドイツ連邦共和国 ニーダーキルヒェン ヒンターガッセ 45 (72)発明者 クラウス ミュレン ドイツ連邦共和国 ケルン ガイスベルガ ーシュトラーセ 139 (72)発明者 マルクス クラッパー ドイツ連邦共和国 マインツ ザットラー ヴェーク 27 (72)発明者 マルコ シュテーンボック ドイツ連邦共和国 マインツ ゼルトリウ スリング 285 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA03 AA04 FA03 NA14 ZA52 4J015 EA04 4J026 HA08 HA23 HA38 HA39 HB08 HB38 HB39 HB45 HC06 HC11 HC38 HC39 HC45 HE04 4J100 AN04P AQ08P BA13P CA01 FA02 FA03 JA51 JA53

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニル化合物からのポリマーの製造方法において、N−
    ビニル化合物を式I: 【化1】 [式中、 QはNR2またはSであり、かつTはCR34またはSであり、かつR1、R2、 R3およびR4は同一または異なってよく、かつ互いに独立して水素、C1〜C20 −アルキルまたはC6〜C18−アリールである]の遊離基の存在下に重合させる ことを特徴とする、N−ビニル化合物からのポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 遊離基開始剤または電子供与体またはその混合物を使用する
    、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 使用される遊離基Iが2,5−ジヒドロ−1H−1,2,4
    −トリアゾリル基である、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 遊離基Iを、遊離基開始剤および遊離基Iに解離しうる化合
    物IIから発生させる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 使用されるN−ビニル化合物が1−ビニル−2−ピロリドン
    (N−ビニルピロリドン)またはN−ビニルホルムアミドまたはその混合物であ
    る、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 N−ビニル化合物からのポリマーの製造のための遊離基Iの
    使用。
  7. 【請求項7】 代用血漿を製造するための、請求項1から5までのいずれか
    1項記載のようにN−ビニル化合物から製造されるポリマーの使用。
  8. 【請求項8】 請求項1から5までのいずれか1項記載の方法によって得ら
    れるN−ビニル化合物のポリマー。
  9. 【請求項9】 遊離基Iの存在下の重合によって得られ、かつN−ビニルピ
    ロリドンホモポリマーまたはブロックAに対して80質量%以下のコモノマーを
    有するN−ビニルピロリドンコポリマーからなる少なくとも1つのポリマーブロ
    ックA、および 遊離基Iの存在下の重合によって得られ、かつN−ビニルホルムアルデヒドホモ
    ポリマーまたはブロックBに対して80質量%以下のコモノマーを有するN−ビ
    ニルホルムアミドコポリマーからなる少なくとも1つのポリマーブロックBを反
    応させることにより請求項1から5までのいずれか1項記載の方法によって得ら
    れ、その際、ブロックの部分でない構造単位を介さず、ポリマーブロックA、B
    が互いに直接結合しているブロックコポリマー。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のN−ビニルピロリドンホモポリマーもしく
    はコポリマーからなる少なくとも1つのポリマーブロックA、および/または 請求項9記載のN−ビニルホルムアミドホモポリマーもしくはコポリマーからな
    る少なくとも1つのポリマーブロックB、ならびに アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、2−アクリル
    アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、前記の酸のカリ
    ウム塩、ナトリウム塩およびアンモニウム塩ならびにアミド、ω−ヒドロキシ−
    2〜C4−アルキルアクリレート、ω−ヒドロキシ−C2〜C4−アルキルメタク
    リレート、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、N−メチルビニルイミ
    ダゾール、ビニルメチルエーテルおよびジメチルアミノエチルアクリレートから
    なる群から選択される1つ以上の親水性モノマーの遊離基Iの存在下の重合によ
    って得られる少なくとも1つのポリマーブロックCを反応させることにより請求
    項1から5までのいずれか1項記載の方法によって得られ、その際、ブロックの
    部分でない構造単位を介さず、A、B、Cの種類のポリマーブロックが互いに直
    接結合しているブロックコポリマー。
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