JP2002503910A - 雑音環境におけるフィルタ適応化の制御方法および装置 - Google Patents

雑音環境におけるフィルタ適応化の制御方法および装置

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JP2002503910A JP2000531912A JP2000531912A JP2002503910A JP 2002503910 A JP2002503910 A JP 2002503910A JP 2000531912 A JP2000531912 A JP 2000531912A JP 2000531912 A JP2000531912 A JP 2000531912A JP 2002503910 A JP2002503910 A JP 2002503910A
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Abstract

(57)【要約】 システムの雑音測定値の情報の一部を、適応フィルタアルゴリズム(例えば、エコーキャンセルシステムにおいて適用される)に取り込む方法および装置。本発明による適応アルゴリズムは、統計的勾配法を用いた最良線形推定(BLUE)基準関数を最小化することにより、また、周波数領域に変換して演算量を低減することにより得られる。システムの雑音特性は、ユーザ音声の自然発話休止期間中に測定され、フィルタ適応化で考慮される。その結果、本発明により作成されるエコーキャンセラは、かなりの背景雑音環境においても優れたエコーキャンセル性能を提供することができる。実施形態によれば、エコーキャンセル装置は、観測信号に含まれる、エコーパスを経由するエコー源信号の結合によるエコー成分を抑圧するように構成される。エコーキャンセル装置は、エコーパスの概略を求め、それによってエコー成分を推定する適応フィルタを備え、その適応フィルタの適応アルゴリズムは、観測信号の雑音成分の測定を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は通信システムに関し、特に、双方向通信リンクにおけるエコーの抑圧
に関する。
【0002】 信号エコーは、送信信号のエネルギーがその信号源に反射する現象としてよく
知られている。例えば、電話回線網において、4線ネットワーク回線群から2線
ローカル回線群(例えば、加入者線路)に中継するハイブリッド回路で生じる反
射により信号エコーが発生する。(例えば、遠隔会議システムや自動車電話での
使用における)ハンズフリーモードとよばれるモードで電話機を使用する場合に
も、よくエコーが発生する。かかるハンズフリーにおいては、電話機のスピーカ
と、近接するマイクロホンとの音響結合によりエコーが発生する。
【0003】 エコーに対応する往復遅延が小さい場合には、このような信号エコーは重要な
問題とはならない。しかし、往復遅延が大きい場合(例えば、数百ミリ秒オーダ
)には、信号エコーは電話ユーザにとって不快なものとなったり、あるいは許容
しがたいものとなる可能性がある。実際には、往復遅延は、長距離伝送経路(例
えば、衛星回線が使用される場合)によって生じる物理遅延や、ネットワーク装
置(例えば、ディジタル音声符号化器/復号化器)で生じる処理遅延である場合
が多い。
【0004】 エコーの問題は、図1を参照することにより理解されよう。同図においては、
遠端ユーザと近端ユーザとの双方向通信リンクが、本発明を適用可能なエコー抑
圧システム100の一例とともに示されている。図示のように、エコー抑圧シス
テム100は、適応フィルタ105、ダブルトーク検出器(DTD;double-talk de
tector)115、加算器125、および非線形プロセッサ(NLP;non-linear pro
cessor)135からなるエコーキャンセラ110を備える。
【0005】 図1において、遠端入力信号x(t)(例えば、電話回線網における音声信号
)は、適応フィルタ105の基準入力およびダブルトーク検出器115の第1の
基準入力に接続されている。また、適応フィルタ105のエコー推定出力S^(
t)は加算器125の減算入力に接続されるとともに、観測近端信号y(t)は
加算入力に接続され、ダブルトーク検出器115の検出出力は適応フィルタ10
5の制御入力に接続され、加算器125の誤差信号出力e(t)は非線形プロセ
ッサ135の入力に接続されている。非線形プロセッサ135の出力は、エコー
キャンセラ100の遠端信号出力としての役を果たす。
【0006】 動作において、遠端信号x(t)は、近端ユーザに供給されると同時に、信号
変形して、近端エコーパスHにより遠端ユーザにエコーバックする。上記したよ
うに、例えば、電話網におけるハイブリッドの不整合、および/または近端のス
ピーカと近端のマイクロホンとの阻止できない音響パスによって、近端エコーパ
スHが発生する。この近端エコーパスHは、インパルス応答hによって特徴づけ
られ、概念上、図1における有限インパルス応答(FIR)フィルタ150とし
て表すことができる。
【0007】 図示のように、発生したエコー信号s(t)は近端入力信号v(t)と結合し
て、エコーキャンセラ100の入力としての観測近端信号y(t)を生じる。近
端信号v(t)は、例えば、近端の音声および/または背景雑音である。近端信
号v(t)とエコー信号s(t)との混合は、図1では第2の加算器155によ
り表されている。ただし、この第2の加算器155は実際には概念的なものであ
って、このようなデバイスが現実のシステムに実際に具備されるわけではないこ
とは理解されよう。むしろ、近端信号v(t)とエコー信号s(t)との混合は
、システムの動作環境において本来的に生じてしまう(例えば、近端のマイクロ
ホンは、近端のスピーカからのエコーだけでなく、同時に近端の音声および雑音
を拾う場合)。
【0008】 遠端ユーザから到達するエコー信号s(t)を防ぐため、エコーキャンセラ1
00は、適応フィルタ105のインパルス応答を動的に調整して近端エコーパス
Hの整合をとり、観測近端信号y(t)からエコー推定s^(t)を減算して、
エコーキャンセルされた誤差あるいは残差信号e(t)を出力する。しかし、適
応フィルタ105は常に完璧な整合(マッチング)をとることができるわけでは
ないため(例えば、ネットワーク装置の非線形性、および/または近端エコーパ
スの動的変化のため)、エコーキャンセラは、非線形プロセッサ、または残留エ
コーサプレッサ135も使用して、必要に応じて追加的にエコー抑圧を行う。さ
らに、電話呼び出しを伴う信号は、本来的に非線形であるため、エコーキャンセ
ラ110はさらに、ダブルトーク検出器115を使用して、フィルタ105の適
応化を続けてもエコーパスの推定の改善にはならないことをエコー信号対近端信
号比の測定値が示す場合には、フィルタ適応を禁止する。
【0009】 最近のシステムによれば、エコーキャンセラ110は、最小2乗平均(LMS
)適応アルゴリズム、あるいは正規化最小2乗平均(NLMS)適応アルゴリズ
ムを使用して、フィルタ105を更新する。実際のシステムに使用することを考
えると、これらのアルゴリズムは、非常にロバストで、低演算量で済む点が、魅
力的である。他の従来システムでは、公知のアフィン投影(affine projection )適応アルゴリズム(例えば、1995年6月27日付発行の米国特許第5,4
28,562号を参照)、あるいは、さまざまな周波数領域アルゴリズム(例え
ば、J.J.Shynkによる“周波数領域およびマルチレートの適応フィルタリング(F
requency-Domain and Multirate Adaptive Filtering,)”(IEEE Signal Proce
ssing Magazine, Jan. 1992, pp.14-37)、または、J.Sooおよび K.K.Pangによ る“マルチディレイ・ブロック周波数領域適応フィルタ(Multidelay Block Fre
quency Domain Adaptive Filter,)”(IEEE Trans. Acoustics, Speech and Si
gnal Processing, Vol.38, No.2, Feb. 1990, pp.373-376)を参照)が使用され
る。
【0010】 上記した従来の適応アルゴリズムの多くは、ある意味で誤差信号パワーE[e (t)]を最小化するように、またはその推定を行うように設計されており、
そこには、近端入力信号v(t)の雑音成分は無いか白色であるという暗黙の仮
定があった。このような仮定は、雑音成分が主に熱雑音や量子化雑音からなる場
合には精度がよいが、雑音成分が主に近端の環境から発生する背景音となる現実
的な状況では、多くの場合、精度が劣化する。
【0011】 そのため、実際的な近端の有色雑音が存在する場合、従来のエコーキャンセル
システムでは性能が不十分であることが多く、したがって、エコーキャンセルフ
ィルタを適応化する方法および装置を改善する必要がある。
【0012】 (発明の概要) 本発明は、上記した要求その他の要求に応えるものとして、システムの雑音測
定値の部分的な情報を適応フィルタアルゴリズムに含める方法および装置を提供
する。アルゴリズムの一例では、統計量勾配法(stochastic gradient method)
を用いる最良線形推定(BLUE;best linear unbiased estimate)基準関数を最小
化して、周波数領域に変換して演算量を低減する。フィルタ適応化期間を考慮に
入れて、ユーザ音声の自然発話休止(natural pause)期間中にシステム雑音の 特徴量を測定するところに特徴がある。その結果、従来の装置に比べて、本発明
によるエコーキャンセラは、かなりの背景雑音がある状況でも優れたエコーキャ
ンセルを行う。
【0013】 一つの実施の形態によれば、エコーパスを通るエコー源信号の結合により生じ
る、観測信号のエコー成分を抑圧するエコーキャンセル装置が構成される。この
実施形態によれば、エコーキャンセル装置は、エコーパスの概略を求め、それに
よってエコー成分を推定するように構成された適応フィルタを備え、この適応フ
ィルタの適応アルゴリズムは、観測信号の雑音成分の測定を取り入れている。観
測信号の雑音成分の測定には、エコーキャンセル装置を動作させるように設計し
た環境で作成される先験的(アプリオリ)な測定を用いることができる。あるい
は、観測信号の雑音成分の測定は、観測信号の1または2以上の音声成分におけ
る自然発話休止(natural pause)期間中にリアルタイムに行われるものであっ てもよい。実施形態においては、このような発話休止は、エコー源信号サンプル
のブロックにおけるパワーの測定に基づいて判断される。
【0014】 別の実施形態によれば、観測信号からエコー推定値を減算してエコーキャンセ
ル誤差信号を出力し、その誤差信号のパワースペクトル推定値およびエコー源信
号のパワースペクトル推定値に基づいて適応フィルタの推定インパルス応答を計
算する。適応フィルタの推定インパルス応答を選択的に更新可能とする点に特徴
がある。例えば、エコー源信号サンプルのブロックにおけるパワー測定値がしき
い値を上回るときは、推定インパルス応答を更新し、そうでなければ更新しない
。実施形態によれば、適応フィルタの推定インパルス応答は、誤差信号パワース
ペクトル推定値とエコー源信号のパワースペクトル推定値との加重和に基づいて
計算される。例えば、加重和は、誤差信号パワースペクトル推定値と雑音マッチ
ングパラメータとの積に、エコー源信号のパワースペクトル推定値を加算するこ
とにより計算することができる。雑音マッチングパラメータは、誤差信号サンプ
ルおよびエコー源信号サンプルに基づいて動的に調整される。
【0015】 本発明の観測信号のエコー成分をキャンセルする方法の一例は、エコー源信号
をサンプリングして音源信号サンプルブロックを供給するステップと、音源信号
サンプルのブロックの離散フーリエ変換を計算して音源信号の周波数領域表現を
出力するステップと、音源信号の周波数領域表現をエコーパスのインパルス応答
の周波数領域推定値で乗算して周波数領域エコー推定値を出力するステップと、
周波数領域エコー推定値の逆離散フーリエ変換を計算して時間領域エコー推定値
を出力するステップと、観測信号から時間領域エコー推定値を減算してエコーキ
ャンセルされた誤差信号を出力するステップと、その誤差信号サンプルのブロッ
クの離散フーリエ変換を計算して誤差信号の周波数領域表現を出力するステップ
と、誤差信号の周波数領域表現に基づいて、また、音源信号の周波数領域表現に
基づいて、エコーパスのインパルス応答の周波数領域推定値を適応化するステッ
プとを含む。インパルス応答の周波数領域推定値を適応化するステップは、観測
信号の雑音成分の測定を含んでいるところに特徴がある。
【0016】 実施形態によれば、インパルス応答の周波数領域推定値を適応化するステップ
は、音源信号ブロックのパワー測定値がしきい値を上回るときに、インパルス応
答の周波数領域推定値を更新し、そうでないときは誤差信号の雑音パワースペク
トル推定値を更新するステップを含む。さらに、インパルス応答の周波数領域推
定値を更新するステップには、音源信号の信号パワースペクトル推定値を更新し
、雑音パワースペクトル推定値と信号パワースペクトル推定値との加重和を計算
し、その加重和に基づいて周波数領域推定値の更新を計算するステップを含める
ことが可能である。雑音パワースペクトル推定値と雑音マッチングパラメータと
の積に、信号パワースペクトル推定値を加算することにより、加重和を計算する
ことができる。
【0017】 本発明の上記およびその他の特徴点および優位性については、添付図面を参照
して、以下、より詳細に説明する。記載した実施形態は説明と理解のためのもの
であって、ここから多くの均等な実施形態が考えられる。
【0018】 (詳細な説明) 本発明によれば、エコーキャンセルシステムに使用する適応フィルタアルゴリ
ズムの過程におけるターゲット関数として、最良線形推定(BLUE;best linear u
nbiased estimate)基準関数を使用する。かかるターゲット関数によれば、実際
のエコーキャンセルシステムの雑音測定値に存在しうる有色性を考慮したアルゴ
リズムを得ることが可能となる。したがって、得られるアルゴリズムは、従来の
アルゴリズムと比較して、改良されたエコーキャンセル性能を提供する。
【0019】
【0020】 エコーキャンセルシステムにおけるエコーパスHは、N個のタップまたはフィ
ルタ係数を有する有限インパルス応答としてモデル化できると仮定し、システム
の近端入力信号x(t)の相関性も、Lの相関遅延を用いてうまくモデル化でき
ると仮定し、そして、代替の最良線形推定基準関数Vを次式で定義できる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】 上式において、すべての信号の長さMは、すべての対応する行列の次元数のブ
ロック長L<Mに置き換えられることに注意されたい。白色雑音v(t)の場合
において、本発明の勾配アルゴリズムは、雑音測定値の分散に比例する基準化パ
ラメータによるアフィン投影アルゴリズムの緩和(relaxed)形および基準化(r
egularized form)形とに一致することにも注意されたい(例えば、S.L.Gay, S.
Tavathiaによる“高速アフィン投影アルゴリズム(The Fast Affine Projection
Algorithm,)”(Proc. ICASSP'95, Detroit, Vol.5, pp.3023-3026, May, 199
5)を参照)。
【0032】 しかし、本発明によれば、上記した数式は、周波数領域アルゴリズムの開発に
用いられる。そのため、(N+L)×(N+L)に巡回的に拡張された入力信号
行列は次式で表される。
【0033】
【0034】 可能な巡回拡張(cyclic extension)のうち特定の1つにすぎないことに注意
されたい。この巡回拡張の優位性は、直感的に理解しやすいアルゴリズムになる
ことである。例えば、前記したG.A.Clark, S.R.Parker, S.K.Mitraによる論文、
“FIR適応ディジタルフィルタの時間領域および周波数領域実現のための統合
化された手法(A Unified Approach to Time- and Frequency-Domain Realizati
on of FIR Adaptive Digital Filters,)”(IEEE Trans. Acoustics, Speech a
nd Signal Processing, Vol.31, pp.1073-1083, Oct. 1983)では、類似の拡張 が用いられている。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】 したがって、(6)式および(7)式を、(4)式および(5)式に代入する
と、本発明の適応アルゴリズムは、次式で表される。
【0043】
【0044】
【0045】 さらに、未知システムに対する周波数応答ベクトルを、次式で定義する。
【0046】
【0047】 また、中間ベクトルg(t)を、次式で定義する。
【0048】
【0049】 本発明の適応アルゴリズムは、次のように表現できる。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】 L<<Nの場合には、この第1の実施形態ALGO1は、(O((N+L)l
og2(N+L))+O(L2))のオーダの、良好な演算量(computational
complexity)を実現する。しかし、レビンソンアルゴリズムの演算量は、すべて
の現実の状況において許容できるものではなく、本発明ではいくつかの簡略近似
手法を使って、より合理化された別のアルゴリズムを実現する。上記第1の実施
形態ALGO1は、コンピュータシミュレーションにより、その近似手法により
低演算量のアルゴリズムを得ることを実証する。コンピュータシミュレーション
の結果について、以下、図3乃至5を参照して詳細に説明する。
【0054】 低演算量のアルゴリズムを得るために、中間ベクトルg(t)の別の表現は、
次式で示される。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】 これは、次のように書き直せる。
【0059】
【0060】 したがって、(11)式より、ベクトルg(t)は、次式で表される。
【0061】
【0062】 または、
【0063】
【0064】 これは、(14)式で示したg(t)の式と等価である。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】 ただし、
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】 ただし、ω=2πn/(N+L)であって、時間領域における方形窓に対応す
る。
【0076】
【0077】
【0078】 本発明によって得られる低演算量アルゴリズムを、以下、ALGO2とよび、
その演算のようすを以下に示す。
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】 したがって、図2のフローダイヤグラムは、この発明の低演算量アルゴリズム
ALGO2の現実的なインプリメンテーションを示している。図2の各ブロック
と、アルゴリズム例ALGO2を定義するのに使用した数式とは直接対応してい
ることは理解されよう。図2の処理ブロックは、例えば、標準的なディジタルシ
グナルプロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)、あるいは汎用ディジタルコ
ンピュータを利用して実際に実現が可能であることも理解されよう。
【0090】 第1の基準アルゴリズムであるALGO1および、上述したJ.J.Shynkによる 論文、“周波数領域およびマルチレートの適応フィルタリング(Frequency-Doma
in and Multirate Adaptive Filtering,)”(IEEE Signal Processing Magazin
e, Jan. 1992, pp.14-37)に記載されている周波数領域適応フィルタに対する、
低演算量アルゴリズムALGO2の性能を比較するため、コンピュータシミュレ
ーションを行った。コンピュータシミュレーションでは、実際の音声信号を使用
して、3つのアルゴリズムの相対的な性能もテストした。
【0091】 まず、定常信号を使用して、基準アルゴリズムに対して合理化アルゴリズムA
LGO2による近似手法の有効性を直接評価した。上記引用した周波数領域適応
フィルタの性能に対する、アルゴリズム例ALGO1およびALGO2の性能の
直接比較にも、定常信号を使用した。これらのシミュレーションの目的より、使
用した定常信号の信号統計は、t>0においては時間に依存しないものである。
【0092】
【0093】
【0094】 また、雑音測定値も、次式で生成される自己回帰過程である。
【0095】
【0096】 さらに、SNRは約0dBであり、実際のインパルス応答は、平坦周波数応答お
よび区間[-1/128,1/128]に一様に分布する係数を有する64タップFIRフ ィルタによる。設計パラメータは、次のとおり選ばれる:N=64,L=64,
μ=0.99,γ=128である。シミュレート信号は定常であるから、雑音測
定値スペクトルが初期に評価され(このときの結果は図3には示していない)、
適応アルゴリズムに使用される。
【0097】 図3で、第1のアルゴリズムALGO1による曲線(すなわち、曲線312,
322)は、低演算量アルゴリズムALGO2による曲線(すなわち、曲線31
3,323)とは判別できないことに注目されたい。これは、低演算量アルゴリ
ズムALGO2を生み出す近似手法は、少なくとも妥当なよい性能であることを
示している。さらに、図3で、注目すべきは、アルゴリズム例ALGO1,AL
GO2はともに、周波数領域適応フィルタ(曲線311,321)よりも優れた
性能を示していることである。
【0098】
【0099】 図4の第1のグラフに示すように、エコーパワーは、ほとんどの時刻で雑音パ
ワーより小さい。しかし、信号が異なる周波数帯に集中するにしたがって、適応
処理の前にエコーがはっきりと聞こえてしまう。周波数領域適応フィルタはかか
る状況を改善してはいるものの、図4の第2のグラフ420に示すように、処理
後もなお残留するエコーが聞き取れてしまう。対照的に、本発明の低演算量アル
ゴリズムALGO2では、図4の第3のグラフ430に示すように、(初期収束
期間後の)雑音中の残留エコーはほとんど聞き取れない。
【0100】 図5は、図4の各曲線の第394,000サンプルから第410,000サンプルまでのサン
プルについて計算したパワースペクトルを示している。第1のグラフ510より
、ほとんどの周波数で、エコー信号パワーが雑音測定値のパワーを上回っている
ことが分かる。第2のグラフ520に示すように、周波数領域適応フィルタによ
る処理はエコーを減衰させるが、所々の周波数で残留エコーのパワーが雑音測定
値のパワーを上回ったままになっている。対照的に、第3のグラフ530は、低
演算量アルゴリズムALGO2の処理では、すべての周波数で残留エコーのパワ
ーが雑音測定値のパワーより下に低減し、これによる人間の知覚マスキング効果
でエコーは聞き取れなくなることを示している。
【0101】 低演算アルゴリズムの例ALGO2は、信号処理経路でLサンプルの遅延が生
じてしまうことに注意されたい。演算量低減のためには、たいていの場合Lはイ
ンパルス応答長Nにほぼ等しくなるように選ぶことが望ましく、長距離のエコー
パスのインパルス応答に対しては、このような遅延が許容できなくなるかもしれ
ない。
【0102】
【0103】 この追加実施形態によれば、区間長Kをブロック長Lにほぼ等しく設定すると
都合がよい。K<<Nであれば、遅延は小さくなる。多くの用途ではエコーキャ
ンセラの後に音声符号化器が続くが、音声符号化器は信号サンプルのブロックで
動作し、そのブロック長より大きな遅延を生じる。この遅延の主な原因は、入力
信号サンプルの取得処理にある。これらの用途においては、Lを音声符号化器の
ブロック長に等しくするか、そのブロック長の整数倍、整数分の1の関係にある
ことが望ましい。そして、エコーキャンセラの出力ブロックを、サンプル系列の
代わりに音声符号化器に出力することができ、全体としての遅延はわずかな増加
ですむ。得られたアルゴリズムを、以下、ALGO3とよび、そのアルゴリズム
を以下に示す。
【0104】
【0105】 上記アルゴリズムALGO3のフローダイヤグラムを、図6および図7に示す
。図2の処理ブロックが、低演算量アルゴリズムALGO2を定義する数式の要
素に対応するのと全く同様に、図6および図7のの処理ブロックは、代替アルゴ
リズムALGO3を定義する数式の要素に対応していることは理解されよう。図
2の処理ブロックと同様、図6および図7の処理ブロックは、例えば、標準的な
ディジタルシグナルプロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)、あるいは汎用
ディジタルコンピュータを利用して実際に実現が可能である。
【0106】 各アルゴリズム例ALGO1,ALGO2,ALGO3は、そのアルゴリズム
を実現する前に設定される、いくつかの設計パラメータを含む。本発明は、実際
に、これらの設計パラメータを適切に設定するためのガイドラインを提供する。
【0107】 例えば、フィルタ長Nは、直面している特定の用途に基づいて設定されよう。
ネットワークエコーキャンセルおよび自動車ハンズフリー向けの音響エコーキャ
ンセルにおいては、256タップから512タップの範囲のフィルタ長またはモ
デル次数で一般によい結果が出る。一方、遠隔会議向けにおいては、会議室全体
のインパルス応答がモデル化されるため、よい結果を得るのに、一般には数千タ
ップのオーダのフィルタ長を要する。
【0108】 代替アルゴリズムALGO3で使用されるインパルス応答区間長Kは、アルゴ
リズムの処理遅延を生じるので、ある程度短くすべきである。一方、Kを小さく
するとアルゴリズムの全体の演算量は増加するため、演算能力に応じて適切なト
レードオフを設定することになる。エコーキャンセラに音声符号化器が後続する
用途では、一般にKは、音声符号化器のブロック長に等しいか、互いに整数倍の
関係になるように設定すると都合がよい。また、フィルタ区分の数(すなわち、
N/K)が整数になるようにKを設定するのが一般的である。
【0109】 ブロック長Lを、第1の低演算量実施形態ALGO2におけるフィルタ長Nに
ほぼ等しい値に、かつ、代替低演算実施形態ALGO3における区間長Kにほぼ
等しい値に設定することにより、最も低い演算量を実現する。N+LまたはK+
Lを各々、第1および第2の低演算量実施形態ALGO2,ALGO3において
、2の整数乗に等しい値に設定することも有益である。
【0110】 パラメータβは、パワースペクトル推定値のメモリ長を定め、1未満の正の値
をとる。区間[0.9,0.995]からβを選択すると、よい結果が得られた。
【0111】 ステップサイズμは正の値であって、適応アルゴリズムの安定性を保証するの
に十分な小さな値をとる。しかし、ステップサイズが小さくしすぎると、適応化
スピードが低下し、特にインパルス応答長い場合にはそれに相まって顕著となる
。第1の低演算量実施形態ALGO2では、R=(N+L)1/2、代替低演算実 施形態ALGO3ではR=(K+L)1/2として、ステップサイズを、0.1/Rか
ら0.5/Rの範囲内に設定するとよいことが明らかになった。
【0112】 上記したとおり、雑音マッチングパラメータγは、入力信号および雑音測定値
のパワースペクトルの正規化を重み付けするものであって、非負の値をとる。雑
音マッチングパラメータを大きくしすぎると、雑音測定値を強く重み付けしすぎ
て、その結果アルゴリズムの収束のスピードが非常に遅くなってしまう。逆に、
雑音マッチングパラメータを小さくしすぎると、雑音測定値の重み付けが弱すぎ
て、その結果、定常状態で残留エコーパワーが大きく残ったまま適応化処理がす
ぐに終わってしまうことになる。このような場合、残留エコーのスペクトル形状
は、ある程度減衰するものの、元のエコーのスペクトルに近い(すなわち、すべ
ての周波数帯でエコー減衰するのと大体同じである)。対照的に、γの値が適度
に高ければ、定常状態で、性能が改善し、残留エコーのスペクトルが雑音測定値
のスペクトルより大きくなっている周波数近辺で、残留エコースペクトルがより
減衰するようになる(すなわち、すべての残留エコースペクトルが雑音スペクト
ルより小さくなる場合、人間の知覚マスキング効果によりエコーが聞こえなくな
る)。このような改善の代わりに、若干アルゴリズムの初期収束は遅くなる。し
かし、本発明によれば、この悪影響は、パラメータγを時間依存とすることによ
り解決することができる。
【0113】 例えば、雑音マッチングパラメータγは次式により計算される。
【0114】
【0115】 ただし、E[]は、期待値を示す。この手法では、γは比較的小さくなり、残
留エコーは雑音よりかなり大きくなり、その結果、比較的適応スピードは速くな
る。しかし、残留エコーパワーが雑音パワーに近づくと、γは大きくなり、アル
ゴリズムは、上記したように残留エコースペクトルの有色化を行うようになる。
実際には、期待値は未知であって、推定することになる。この推定の一例として
は、対応する信号の周波数領域表現を含むブロックの2乗和がある。すなわち、
雑音マッチングパラメータは次式により計算される。
【0116】
【0117】 ただし、cνは雑音測定値の周波数領域表現を含むブロック、constは、推定 誤差があるところでの、正の値のγを保証する小さな正の定数である。
【0118】 以下、要約する。本発明は、例えばエコーキャンセル用途において適用されう
る、多くの適応アルゴリズムを提供する。実施形態のアルゴリズムは、最良線形
推定基準関数を最小化し、巡回行列の固有成分(eigenproperties)を利用する ことにより得られる。いくつかのとりうる信号行列の巡回拡張の中で、従来の周
波数領域適応フィルタに類似した適応アルゴリズムを導く巡回拡張を使用した。
アルゴリズムの一例は、雑音測定値の情報を取り込んでいるため、雑音環境にお
いて、従来手法に比べよい性能を示す。開示したアルゴリズムの雑音環境におけ
る優れた性能を、コンピュータシミュレーションにより実証した。
【0119】 本発明のアルゴリズム例は、最良線形推定を用いた従来の取り組みとは異なる
ことに注意されたい。例えば、前述したK.C.Hoによる論文、“修正ずれを最小化
するFIR適応フィルタ(A minimum Misadjustment Adaptive FIR Filter,)”
(IEEE Trans. Signal Processing, Vol.44, pp.577-585, March, 1996)、およ
び、A.C.Orgren, S.Dasgupta, C.E.Rohrs, N.R.Malikによる“改良残差によるノ
イズキャンセル(Noise Cancellation with Improved Residuals,)”(IEEE Tr
ans. Signal Processing, Vol.39, pp.2629-2639, Dec. 1991)では、雑音測定 値は自己回帰過程で仮定され、係数更新のためにフィードバックする前に、残差
信号に白色化フィルタが適用される。Orgren, Dasgupta, Rohrs, Malikによる論
文では、しかるべき白色化フィルタは先験的に(アプリオリに)既知であると仮
定しているところ、Hoによる論文では、適応白色化が検討されている。
【0120】 対照的に、本発明のアルゴリズムは、雑音測定値に対する特定のモデルを仮定
しない(ただし、相応な雑音特性を記述する妥当なサイズの相関行列を仮定する
)。また、本発明は、周波数領域アルゴリズムを提供し、良好な数値特性を示す
ことが知られている最良線形推定基準の変量を最小化する。さらに、本発明によ
れば、音声の自然発話休止の期間中に雑音相関が推定される。
【0121】 本発明は、説明の目的でここに記載した実施形態に限定されるものではない。
したがって、発明の範囲は、上述の記載にはよらず特許請求の範囲により画定さ
れるものであって、特許請求の範囲が内包する意味に合致するあらゆる均等物は
、特許請求の範囲内に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を実現できるエコーキャンセルシステムの一例を示す図であ
る。
【図2】 本発明に係る適応アルゴリズムの一例を示す図である。
【図3A】 本発明の実施形態の効果を実証するコンピュータシミュレーションの結果を示
す図である。
【図3B】 本発明の実施形態の効果を実証するコンピュータシミュレーションの結果を示
す図である。
【図4】 本発明の実施形態の効果を実証するコンピュータシミュレーションの結果を示
す図である。
【図5】 本発明の実施形態の効果を実証するコンピュータシミュレーションの結果を示
す図である。
【図6】 本発明に係る別の適応アルゴリズムの一例を示す図である。
【図7】 本発明に係る別の適応アルゴリズムの一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 5K046 AA01 BB01 CC21 HH02 HH18 HH27 HH45 HH46 HH54 HH71 HH78 HH79

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観測信号に含まれる、エコーパスを経由するエコー源信号の
    結合により生じるエコー成分を抑圧するように構成されるエコーキャンセル装置
    であって、 前記エコーパスの概略を求め、前記エコー成分を推定するように構成される適
    応フィルタを備え、 該適応フィルタの適応アルゴリズムは、前記観測信号の雑音成分の測定を含む
    ことを特徴とするエコーキャンセル装置。
  2. 【請求項2】 前記観測信号の前記雑音成分の前記測定は、当該エコーキャ
    ンセル装置を動作させるために設計した環境で作られた先験的(アプリオリ)測
    定であることを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセル装置。
  3. 【請求項3】 前記観測信号には、少なくとも1の断続的な音声成分が含ま
    れ、前記観測信号の前記雑音成分の前記測定を、前記観測信号の前記少なくとも
    1の音声成分における発話休止期間内に実時間で行うことを特徴とする請求項1
    に記載のエコーキャンセル装置。
  4. 【請求項4】 前記観測信号の前記少なくとも1の音声成分における前記発
    話休止を、前記エコー源信号サンプルのブロックにおけるパワーの測定に基づい
    て判定することを特徴とする請求項3に記載のエコーキャンセル装置。
  5. 【請求項5】 前記観測信号から前記エコー推定値を減算して、エコーキャ
    ンセルされた誤差信号を出力し、前記観測信号の雑音成分の前記測定は、該誤差
    信号のパワースペクトルの推定値に基づくことを特徴とする請求項1に記載のエ
    コーキャンセル装置。
  6. 【請求項6】 前記エコー源信号のサンプルのブロック内のパワー測定値が
    しきい値より大きいときは、前記適応フィルタの推定インパルス応答を更新し、
    それ以外のときは、該推定インパルス応答を更新しないことを特徴とする請求項
    1に記載のエコーキャンセル装置。
  7. 【請求項7】 前記観測信号から前記エコー推定値を減算して、エコーキャ
    ンセルされた誤算信号を出力し、該誤差信号のパワースペクトル推定値と前記エ
    コー源信号のパワースペクトル推定値とに基づいて、前記適応フィルタの推定イ
    ンパルス応答を計算することを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセル装
    置。
  8. 【請求項8】 前記誤差信号パワースペクトル推定値と前記エコー源信号パ
    ワースペクトル推定値との加重和に基づいて、前記適応フィルタの前記推定イン
    パルス応答を計算することを特徴とする請求項7に記載のエコーキャンセル装置
  9. 【請求項9】 前記エコー源信号パワースペクトル推定値を、前記誤差信号
    パワースペクトル推定値と雑音マッチングパラメータとの積に加算することによ
    り、前記加重和を計算することを特徴とする請求項8に記載のエコーキャンセル
    装置。
  10. 【請求項10】 前記誤差信号のサンプルと前記エコー源信号のサンプルと
    に基づいて、前記雑音マッチングパラメータを動的に調整することを特徴する請
    求項9に記載のエコーキャンセル装置。
  11. 【請求項11】 観測信号に含まれる、エコーパスを経由するエコー源信号
    の結合により生じるエコー成分をキャンセルする方法であって、 前記エコー源信号をサンプリングして、音源信号サンプルのブロックを出力す
    るステップと、 前記音源信号サンプルのブロックの離散フーリエ変換を計算して、前記音源信
    号の周波数領域表現を出力するステップと、 前記音源信号の前記周波数領域表現を、前記エコーパスのインパルス応答の周
    波数領域推定値で乗算して、周波数領域エコー推定値を出力するステップと、 前記周波数領域エコー推定値の逆離散フーリエ変換を計算して、時間領域エコ
    ー推定値を出力するステップと、 前記観測信号から前記時間領域エコー推定値を減算して、エコーキャンセルさ
    れた誤差信号を出力するステップと、 前記誤差信号のサンプルのブロックの離散フーリエ変換を計算して、前記誤差
    信号の周波数領域表現を出力するステップと、 前記誤差信号の前記周波数領域と前記音源信号の前記周波数領域表現とに基づ
    いて、前記エコーパスの前記インパルス応答の前記周波数領域推定値を適応化す
    るステップと、 を有し、 前記インパルス応答の前記周波数領域推定値を適応化するステップは、前記観
    測信号の雑音成分の測定を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 前記インパルス応答の前記周波数領域推定値を適応化する
    ステップは、 前記音源信号サンプルのブロックにおけるパワー測定値がしきい値より大きい
    ときは、前記インパルス応答の前記周波数領域推定値を更新するステップと、 前記音源信号サンプルのブロック内のパワー測定値が該しきい値より大きくな
    いときは、前記誤差信号の雑音パワースペクトル推定値を更新するステップと、 を有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記インパルス応答の前記周波数領域推定値を更新するス
    テップは、 前記音源信号の信号パワースペクトル推定値を更新するステップと、 前記雑音パワースペクトル推定値と前記信号パワースペクトル推定値との加重
    和を計算するステップと、 前記雑音パワースペクトル推定値と前記信号パワースペクトル推定値との加重
    和に基づいて、前記周波数領域推定値の更新を計算するステップと、 を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記信号パワースペクトル推定値を、前記雑音パワースペ
    クトル推定値と雑音マッチングパラメータとの積に加算して、前記加重和を出力
    するステップを有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記エコー源信号のサンプルと前記エコーキャンセルされ
    た誤差信号とに基づいて、前記雑音マッチングパラメータを動的に調整するステ
    ップを有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
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