JP2002503253A - 抗ウイルス化合物 - Google Patents

抗ウイルス化合物

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JP2002503253A JP50272099A JP50272099A JP2002503253A JP 2002503253 A JP2002503253 A JP 2002503253A JP 50272099 A JP50272099 A JP 50272099A JP 50272099 A JP50272099 A JP 50272099A JP 2002503253 A JP2002503253 A JP 2002503253A
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Abstract

(57)【要約】 本出願は、ピコルナウイルス、例えばライノウイルス(ウシまたはヒト)、エンテロウイルス、例えばポリオウイルス、コクサッキーウイルスAおよびB群またはエコーウイルス、カルジオウイルス、例えば脳心筋炎(EMC)、アフトウイルス、例えば足および口疾患ウイルスおよびフラビウイルス、例えばC型肝炎ウイルスおよびウシウイルス性下痢ウイルスの生育を阻害する、式(I)

Description

【発明の詳細な説明】 抗ウイルス化合物 ウイルス性上気道疾患、かぜ(感冒)の発病率は非常に高い。米国だけで毎年 10億件近く発病すると評価されている。ピコルナウイルスファミリーの一員で あるライノウイルスはヒトかぜの主要な原因である。110株以上のライノウイ ルスが同定されているため、実用的なライノウイルスワクチンの開発は不可能で あり、化学療法がより望ましいアプローチであると思われる。ピコルナウイルス ファミリーの他のメンバーの1つはエンテロウイルスであり、これは約80のヒ ト病原体を含む。これらのエンテロウイルスの多くはかぜ様徴候を引き起こし; 他のものはポリオ、結膜炎、無菌性髄膜炎および心筋炎のようなより重篤な疾患 を引き起こし得る。 ライノウイルス感染に関連する疾患は鼻水および鼻詰まりによって明らかにな る。さらに、これは中耳炎に関係し、気管支炎を発病させやすくし、副鼻腔炎を 悪化させ、喘息アルトクリス(altoclis)の急激化に関係する。多くの人はこの 疾患を些細な害であると考えるが、他の点において健康な個体で頻繁に発生し、 従業者の欠勤および医師訪問によって結果として経済的に重要となることから、 広く研究の対象とされている。 インビトロでの化学化合物のウイルス増殖抑制能は、ウイルスプラーク抑制試 験または細胞変性作用試験(CPE)を用いて容易に示すことができる。 Siminoff,Applied Microbiology,9(1),66(1961)参照。ライノウイルスのよう なピコルナウイルスを阻害するたくさんの化学化合物が同定されているが、多く は1)限定された活性スペクトル、2)望ましくない副作用または3)動物また はヒトの感染または疾患を妨げる能力がないことにより許容されない。 Textbook of Human Virology,edited by Robert B.Belshe,chapter 16,"Rhi noviruses,"Roland A.Levandowski,391-405(1985)参照。したがって、ライノ ウイルス阻害剤に関連して認められた治療能力および今までに費やされた研究努 力にもかかわらず、利用可能な治療薬は未だ現れていない。例えば、抗ウ イルス性ベンゾイミダゾール化合物が米国特許番号第4,118,742号およ び第4,420,479号に開示されている。 概して、上記特許に開示されている化合物はライノウイルス感染の処置に用い るのに望ましい薬理学的プロファイルを有していない。特にこれらの化合物は満 足のいく経口生物学的利用能、またはその比較的低い経口生物学的利用能を補っ て、幅広い利用を可能にする程に高い阻害活性を有していない。さらに、ライノ ウイイルス感染の処置に用いる化合物は毒物学的観点からみて極めて安全である べきことは当分野に広く許容されている。さらに、上記特許に記載の方法は、高 度の立体化学的な選択性を有するいくつかの抗ウイルスベンゾイミダゾールの合 成方法を提供しない。 したがって、本発明は、ピコルナウイルス、例えばライノウイルス(ウシおよ びヒト)など、エンテロウイルス、例えばポリオウイルスなど、コクサッキーウ イルスAおよびB群、またはエコーウイルス、カルジオウイルス、例えば脳心筋 炎(EMC)など、アプトウイルス(apthoviruses)、例えば口蹄疫ウイルスな ど、フラビウイルス、例えばC型肝炎ウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルスな どの生育を阻害する新規ベンゾイミダゾール化合物を提供する。さらに本発明は 、本明細書中に記載のいくつかの新規ベンゾイミダゾールを製造するための、立 体選択性の高い新規方法を提供する。 本発明は式I: [式中: nは0、1、2、3、4または5であり; 各位置のRは独立して、ヒドロキシ、チオール、ハロ、シアノ、シアノ(C1 −C4)アルキル、アミノ、ハロ(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキル アミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、アジド、カルボキシ、C1−C6アル キル、C2−C6アルケニル、カルバモイル、カルバモイルオキシ、カルバモイル アミノ、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、OCF3、OCCl3、C1− C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、C1−C4アルコキシカルボニ ルアミノ、ホルミル、C2−C4アルカノイル、ホルミルオキシ、C2−C4アルカ ノイルオキシ、ホルミルアミノ、C2−C4アルカノイルアミノ、C1−C4アルキ ルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ピロリ ジノ、ピペリジノまたはモルホリノであり; ROは水素、ハロ、C1−C4アルキルまたはC1−C4アルコキシであり; R1は水素、C(O)(C1−C6アルキル)、SO2(C1−C6アルキル)、ま たはC(O)CF3であり; R2はC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、ハロ(C1−C6)アルキ ル、フェニル、置換フェニル、フリル、チエニル、チアゾール−2−イル、2− アセトアミド−4−メチル−チアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾー ル−2−イル、2−メチル−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、2−メチ ルアミノ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、SO23または式: で示される基であり; R3はC1−C10アルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、C3−C7シクロアルキ ル、置換C3−C7シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、チエニ ル、チアゾリジニル、フリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはNR45であり; R4およびR5は独立してC1−C4アルキルであるか、あるいはR4およびR5は それらが結合している窒素原子といっしょになって、ピロリジノ、ピペリジノま たはモルホリノ環を形成し; XはNOZまたはCHYであり; YはS(O)mZ、COZ、CO2Zまたはハロであり; mは0、1または2であり; Zは水素またはC1−C10アルキルである。 ただしYがS(O)mZ、CO2Zまたはハロである場合、nは0または1では ない。] で示される化合物または製薬的に許容されるその塩を提供する。 また本発明は、本発明の化合物または製薬的に許容されるその塩を製薬的に許 容される担体、希釈剤または賦形剤とともに含む医薬製剤を提供する。 本発明はさらに、ピコルナウイルスまたはフラビウイルス、特にC型肝炎ウイ ルスまたはウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)の阻害方法であって、それ を必要としている宿主に有効量の式Iの化合物または製薬的に許容されるその塩 を投与することを特徴とする方法を提供する。 また本発明は、XがCHYであり、Yが、ベンゾイミダゾール環系に対してト ランス位のハロ原子である式Iの化合物の立体選択的な製造方法を提供する。 本発明は、抗ウイルス物質として有用な、上記式Iで示されるベンゾイミダゾ ール化合物に関する。 したがって本発明の1つの態様は、フラビウイルスの阻害に使用するための式 Iの化合物または製薬的に許容されるその塩である。 本発明のさらなる態様は、ピコルナウイルスの阻害に使用するための式Iの化 合物または製薬的に許容されるその塩である。 本明細書中のすべての温度は摂氏の度(℃)で示す。本明細書中で用いるすべ ての測定単位は、容量単位である液状物を除いて重量単位である。 本発明の化合物はシスまたはトランス配置で存在し得る。本出願の目的のため 、「シス」はX基に結合した部分(−OZまたはY)がベンゾイミダゾール環に 対してシス位である化合物を表し、「トランス」はX基に結合した部分がベンゾ イミダゾール環に対してトランス位である化合物を表す。個々の異性体およびそ の混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。トランス異性体が好ましい異性 体である。 本発明の好ましい化合物は式I(a):[式中: nは1,2,3,4または5であり; 各位置のRは独立して、ハロ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシまたは ジ(C1−C4)アルキルアミノであり; ROは水素であり; R1は水素であり; R2はC1−C6アルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、C3−C7シクロアルキ ル、置換C3−C7シクロアルキル、チエニル、チアゾリジニル、ピロリジノ、ピ ペリジノ、モルホリノまたはSO23であり; R3はジメチルアミノ、C1−C6アルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、C3− C7シクロアルキル、置換C3−C7シクロアルキルである。] で示される化合物または製薬的に許容されるその塩である。 これらの好ましい化合物の中でも、より好ましいのは、 nが2または3であり; 各位置のRが独立してフルオロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ジメ チルアミノであり; R2がC1−C4アルキル、C3−C7シクロアルキル、ピロリジノまたはSO23 であり; R3がジメチルアミノ、C1−C4アルキルまたはC3−C7シクロアルキルであ り; Zが水素またはC1−C4アルキルである式Iの化合物または製薬的に許容され るその塩である。 これらの好ましい化合物の中でも、より好ましいのは、 各位置のRがフルオロであり; R2がC1−C4アルキル、C3−C7シクロアルキルまたはSO23であり; R3がジメチルアミノまたはC1−C4アルキルであり; Zが水素またはメチルである式Iの化合物または製薬的に許容されるその塩で ある。 これらの好ましい化合物の中でも、最も好ましいのは式I(b): で示される化合物または製薬的に許容されるその塩である。 本明細書中で用いる用語「C1−C10アルキル」は、鎖上のいずれかの点で親 分子部分に結合している、メチルまたはエチル基または式:CQ(2Q)+1(式中 、Qは3〜10の整数である)で示される炭素原子3〜10個の直鎖、分岐鎖ま たは環状飽和炭化水素を表す。代表的なC1−C10アルキル基には、メチル、エ チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチ ル、ペンチル、neo−ペンチル、ヘキシル、2−メチルヘキシル、ヘプチル、オ クチル、ノニル、デシルなどが含まれるがこれらに限定されない。用語「C1− C10アルキル」は、その定義の範囲内に、用語「C1−C9アルキル」、「C1− C6アルキル」、「C1−C4アルキル」および「C3−C6アルキル」を含む。 用語「C2−C6アルケニル]は、鎖上のいずれかの点で親分子部分に結合して いる、エテニル基または式:CQ(2Q')-1(式中、Q’は3,4,5または6で ある)炭素原子3〜6個の直鎖または分岐鎖状炭化水素を表す。代表的なC2− C6アルケニル基には、エテニル、プロパ−1−エニル、イソプロペニル、ブタ −2−エニル、イソブタ−1−エニル、sec−ブタ−2−エニル、ペンタ−4− エニル、ペンタ−1−エニル、ヘキサ−3−エニルなどが含まれる。 用語「ハロ」および「ハライド」は、親分子部分に結合しているクロロ、フル オロ、ブロモまたはヨード置換分を表す。 用語「シアノ(C1−C4)アルキル」は、C1−C4アルキル基に結合している シアノ部分を有するC1−C4アルキル基を表す。代表的なシアノ(C1−C4 )アルキル基には、シアノメチル、2−シアノエチル、1−シアノイソプロピ ル、3−シアノプロピル、3−シアノブチル、シアノ−t−ブチルなどが含まれ る。 用語「ハロ(C1−C6)アルキル」は、C1−C6アルキル基に結合している1 ,2または3個のハロ原子を有するC1−C6アルキル基を表す。代表的なハロ( C1−C6)アルキル基には、クロロメチル、2−ブロモエチル、1−クロロイソ プロピル、3−フルオロプロピル、3−ブロモブチル、3−クロロイソブチル、 ヨード−t−ブチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、2−クロロ−2 −ヨードエチル、2,3−ジブロモプロピルなどが含まれる。用語「ハロ(C1 −C6)アルキル」は、その定義の範囲内に、用語「ハロ(C1−C4)アルキル 」を含む。 用語「C1−C4アルキルアミノ」は、窒素原子を介して親分子部分に結合して いる、1〜4個の炭素原子を有する直線状または分岐状のアルキル鎖を表す。代 表的なC1−C4アルキルアミノ基には、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピル アミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、sec−ブチルアミノなどが含まれ る。 用語「ジ(C1−C4)アルキルアミノ」は、共通する窒素原子を介して親分子 部分に結合している、1〜4個の炭素原子を有する2個の直線状または分岐状の アルキル鎖を表す。代表的なジ(C1−C4)アルキルアミノ基には、ジメチルア ミノ、エチルメチルアミノ、メチルプロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ 、ブチルメチルアミノ、sec−ブチルエチルアミノなどが含まれる。 用語「C1−C4アルキルチオ」は、硫黄原子を介して親分子部分に結合してい る、1〜4個の炭素原子を有する直線状または分岐状アルキル鎖を表す。代表的 なC1−C4アルキルチオ基には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソ プロピルチオ、ブチルチオなどが含まれる。 用語「C1−C4アルキルスルフィニル」は、スルフィニル部分を介して親分子 部分に結合している、1〜4個の炭素原子を有する直線状または分岐状のアルキ ル鎖を表す。代表的なC1−C4アルキルスルフィニル基には、メチルスルフィニ ル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニ ル、ブチルスルフィニルなどが含まれる。 用語「C1−C4アルキルスルホニル」は、スルホニル部分を介して親分子部分 に結合している、1〜4個の炭素原子を有する直線状または分岐状のアルキル鎖 を表す。代表的なC1−C4アルキルスルホニル基には、メチルスルホニル、エチ ルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニ ルなどが含まれる。 用語「C1−C4アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合している 、1〜4個の炭素原子を有する直線状または分岐状のアルキル鎖を表す。代表的 なC1−C4アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ シ、ブトキシなどが含まれる。 用語「C1−C4アルコキシカルボニル」は、親分子部分に結合しているカルボ ニル部分に、酸素原子を介して結合している、1〜4個の炭素原子を有する直線 状または分岐状のアルキル鎖を表す。代表的なC1−C4アルコキシカルボニル基 には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソ プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなどが含まれる。 用語「C1−C4アルコキシカルボニルアミノ」は、窒素原子を介して親分子部 分に結合しているC1−C4アルコキシカルボニル基を表す。代表的なC1−C4ア ルコキシカルボニルアミノ基には、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボ ニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、イソプロポキシカルボニルアミノ、 ブトキシカルボニルアミノなどが含まれる。 用語「N−(C1−C4)アルキルカルバモイル」は、N−(C1−C4)アルキ ルカルバモイル基がカルバモイル部分の酸素原子を介して親分子に結合している そのカルバモイル部分の窒素原子に結合している、1〜4個の炭素原子を有する 直線状または分岐状アルキル鎖を表す。代表的なN−(C1−C4)アルキルカル バモイル基には、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロ ピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル、 N−t−ブチルカルバモイルなどが含まれる。 用語「C2−C4アルカノイル」は、カルボニル部分を介して親分子部分に結合 している、1〜3個の炭素原子を有する直線状または分岐状のアルキル鎖を表 す。代表的なC2−C4アルカノイル基には、エタノイル、プロパノイル、イソプ ロパノイル、ブタノイルなどが含まれる。 用語「C2−C4アルカノイルオキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合 しているC2−C4アルカノイル基を表す。代表的なC2−C4アルカノイルオキシ 基には、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ、イソプロパノイルオキシ、ブ タノイルオキシなどが含まれる。 用語「C2−C4アルカノイルアミノ」は、窒素原子を介して親分子部分に結合 しているC2−C4アルカノイル基を表す。代表的なC2−C4アルカノイルアミノ 基には、エタノイルアミノ、プロパノイルアミノ、イソプロパノイルアミノ、ブ タノイルアミノなどが含まれる。 用語「置換フェニル」は、以下から選択される1−5個の置換分で置換されて いるフェニル環を表す:ハロ、シアノ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ 、アミノまたはハロ(C1−C4)アルキル。 用語「C3−C7シクロアルキル」は、環上のいずれかの点で親分子部分に結合 している、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルま たはシクロヘプチル環を表す。 用語「置換C3−C7シクロアルキル」は、以下から選択される1−3個の置換 分で置換されているシクロアルキル環を表す:ハロ、シアノ、C1−C4アルキル 、C1−C4アルコキシ、アミノまたはハロ(C1−C4)アルキル。 用語「ヒドロキシ保護基」は、化合物の他の官能基上で反応が行われている間 、ヒドロキシ基をブロック(遮断)または保護するために一般に用いられる基を 表す。ヒドロキシ保護基の例およびその導入および除去方法は、"Protective Gr oups in Organic Synthesis",2nd Edition,T.H.Greene,et al.,John Wile y & Sons,New York,1991の第二章に見出すことができる。 本明細書中で用いる用語「カルボキシ保護基」は、化合物の他の官能基上で反 応が行われている間、カルボン酸基をブロックまたは保護するために一般に用い られるカルボン酸基のエステル誘導体の1つを表す。セファロスポリン、ペニシ リンおよびペプチド技術分野で用いられるものと類似のカルボキシ保護基を用い て、本明細書中で提供する化合物のカルボキシ基を保護することができる。これ らの基のさらなる例は、E.Haslam,"Protective Groups in Organic Chemistry" ,J.G.W.McOmie,Ed.,Plenum Press,New York,N.Y.,1981,第五章およびT. W.Greene,"Protective Groups in Organic Synthesis",John Wiley and Sons ,New York,N.Y.,1991,第五章に見出せる。 本明細書中で用いる用語「アミノ保護基」は、化合物の他の官能基上で反応が 行われている間、アミノ官能基をブロックまたは保護するために一般に用いられ るアミノ基の置換分を表す。セファロスポリン、ペニシリンおよびペプチド技術 分野で用いられるものと類似のアミノ保護基を用いて、本明細書中で提供する化 合物のアミノ置換分を保護することができる。これらの基のさらなる例は、J.S .Barton,"Protective Groups in Organic Chemistry",J.G.W.McOmie,Ed., Plenum Press,New York,N.Y.,1973,第二章およびT.W.Greene,"Protective Groups in Organic Synthesis",John Wiley and Sons,New York,N.Y.,1991 ,第七章に記載されている。 本明細書中で用いる用語「製薬的に許容される塩」とは、生物に対し実質的に 無毒な上記式の化合物の塩を表す。代表的な製薬的に許容される塩には本発明の 化合物を鉱酸または有機酸または無機塩基と反応させて製造される塩が含まれる 。そのような塩は酸付加塩および塩基付加塩として知られる。 上記製薬的に許容される塩の例は硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、 重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロ リン酸塩、クロライド、ブロミド、ヨーダイド、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカ ン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘ プタン酸塩、プロピオル酸塩、蓚酸塩、マロン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸、セ バシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン− 1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ 安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホ ン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フ ェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、 酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、 ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩 などである。 用語「適当な溶媒」は、用いられる溶媒または溶媒の混合物が進行中の反応に 対して不活性であり、反応物が所望の反応を行うのに十分に可溶である溶媒また は溶媒の混合物を表す。 用語「動的塩基」は、酸性基質の不可逆な脱プロトン化を提供し、どのような 望ましくない反応をも有意には引き起こさずに所望の反応を行うのに十分に反応 性である塩基を表す。望ましくない反応の例は、金属ハロゲン交換反応である。 動的塩基の例には、金属アミド、例えばリチウムジイソプロピルアミド;金属ア ルコキシド、例えばカリウムt−ブトキシド;金属水素化物(例えば、水素化ナ トリウム、水素化リチウムまたは水素化カリウム);第一級アルキルリチウム、 例えばメチルリチウムまたはn−ブチルリチウム;およびフェニルリチウムがあ るがこれらに限定されない。 用語「低級アルコール」は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ ロパノール、n−ブタノール、イソブタノールおよびt−ブタノールを表す。 用語「ハロゲン化試薬」は、標的分子に対するハロゲンの親電子供給源を提供 することができる試薬を表す。代表的なハロゲン化試薬には、ジブロモバルビツ ール酸、N−ブロモ−、N−ヨード−およびN−クロロ−スクシンイミド、スル フリルクロライド、塩素原子、臭素原子(および臭素の複合体、例えば臭素ジオ キサン複合体)、ヨウ素原子およびハロゲン間複合体、例えばBr−Clおよび I−Brなどが含まれるがこれらに限定されない。用語「臭素化試薬」は、標的 分子に親電子臭素供給源をデリバリーするハロゲン化試薬のサブセットを表す。 ハロゲン化試薬のさらなる例については、R.C.Larock,Comprehensive Organ ic Transformations,VCH publishers,321,1989を参照のこと。 以下の反応式1に示すように、式IIの化合物からXがCHYでありYがCO Zである式Iの化合物を製造することができる:反応式1 [式中、n、R、RO、R1、R2およびZは上記定義のとおりであり、Z1は水素 またはC1−C9アルキルである]。 反応式1.1は、不活性な相互溶媒中、適当な置換アセチレンハライドのグリ ニャール試薬、好ましくはマグネシウムおよび塩化水銀(II)の存在下でアセ チレンブロミドを溶解させ、アセチレンブロミドのグリニャール試薬を製造する ことによって行うことができる。グリニャール試薬が形成された後、これを式I Iの適当な置換ケトンに加え、対応するアセチレンアルコールを得ることができ る。一般には、式IIの化合物と比べて実質的に過剰モル、例えば3過剰モルか ら約10過剰モル、好ましくは約5過剰モルのアセチレンハライドを用いる。こ の反応に用いられる代表的な溶媒には、任意の有機溶媒、例えばジエチルエーテ ルまたはテトラヒドロフランが含まれる。一般にこの反応は、約−40℃〜反応 混合物の還流温度の範囲の温度で行った場合、約1〜24時間後に実質的に完了 する。一般に反応温度は約−5℃から約66℃の範囲の温度で維持する。この反 応は制御された還流条件下で、約2〜6時間行うのが好ましい。 上記反応1.1由来のアセチレンアルコールを脱離(eliminate)し、式II I(b)で示されるビニルアセチレンベンゾイミダゾールを得、次いで別の工程 においてこれを式I(c)で示される化合物に変換する。好ましくは、式III (a)の化合物を一工程で脱離して水和し、直接、式I(c)で示される化合物 を得る。 段階的に進行するのが望ましい場合、非プロトン溶媒中、約−100℃から約 40℃の温度で、塩基、例えばトリ(C1−C4)アルキルアミン(例えばトリエ チルアミン)または4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下、脱離の ためにヒドロキシ部分を活性化することによって式III(b)の化合物を製造 することができる。代表的な活性化試薬には、メタンスルホニルクロライドおよ びトリフルオロメタンスルホン酸無水物が含まれる。好ましい活性化試薬はメタ ンスルホニルクロライドである。反応混合物を徐々に加熱することによって活性 化された化合物を脱離し、所望のビニルアセチレンを得る。典型的には、−78 ℃で開始し、室温にまで上昇させた場合、約1〜18時間で活性化された化合物 が製造される。この反応で用いるのに適当な溶媒の例には、メチレンクロライド 、クロロホルム、テトラヒドロフランなどが含まれる。 上記のように製造した式III(a)またはIII(b)の化合物を式I(c )の化合物に変換することができる。式III(a)またはIII(b)の化合 物を氷酢酸および濃硫酸に溶解させることによってこの反応を行うことができる 。一般に、式III(a)または式III(b)の化合物を溶解させるのに十分 な量の酸は所望の反応を生じさせるのに十分である。硫酸に対する酢酸の容 積比は一般に約20〜1であり、好ましくは約10〜1である。この反応は一般 に、ほぼ室温〜溶媒の沸点で行うが、約65℃〜75℃で行うのが好ましい。典 型的には、反応を70℃で行った場合、式I(c)の化合物は約1〜18時間で 製造される。 その教示内容が引用により本明細書中に包含される米国第4,118,742 号に教示のように、式IIの化合物から、XがN−OZである式Iの化合物を製 造することができる。例えば、塩基の存在下、適当な溶媒に溶解させた式IIの 化合物を式:Z−O−NH2で示される化合物で処理することができる。適当な 溶媒には、低級アルコール、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドな どが含まれるが、好ましい溶媒は一般にメタノールである。適当な塩基には炭酸 塩、重炭酸塩および水酸化物(ヒドロキシド)(例えばリチウム、ナトリウムま たはカルシウムの炭酸塩、重炭酸塩またはヒドロキシド)などが含まれるがこれ らに限定されない。好ましい塩基はピリジンである。典型的には、式IIの化合 物と比べ、実質的に過剰モル量の式:Z−O−NH2の化合物および塩基を用い る。一般に、この反応はほぼ室温から溶媒の還流温度で行う。 その教示内容が引用により本明細書中に包含される米国特許第4,420,4 79号に教示のように、式IIの化合物から、XがCHYであり、YがS(O)m ZまたはCO2Zである式Iの化合物を製造することができる。例えば、式II のケトンを、Zおよびmが上記定義のとおりである式-1CH2CO2Zまたは-1C H2SOmZの適当なカルボアニオンと反応させ、対応するベンゾイミダゾールカ ルビノールを形成させる。次いでこのカルビノールを上記反応式1、反応2に記 載のように脱離する。 式:CH3CO2ZまたはCH3SOmZの化合物を強塩基、例えばメチルリチウ ム、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムtert−ブト キシドなどと反応させることによって、前段落の必須なカルボアニオンを形成さ せる。一般に、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグリム (ダイグライム)、メチレンクロライドなどの非反応性の有機溶媒中、式CH3 CO2ZまたはCH3SOmZの化合物をほぼ等モル量または過剰の強塩基と反応 させる。例えば、テトラヒドロフランのような溶媒中、ジメチルスルホンを 強塩基、例えばn−ブチルリチウムと反応させ、対応するカルボアニオンを形成 させることができる。典型的には、このような反応を約−78℃から約−50℃ の温度で行い、約1〜約6時間以内に実質的に完了する。カルボアニオンの形成 後、典型的には、式IIの化合物を単に反応混合物に加えることによって、この カルボアニオンを式IIの化合物とインシトゥー(in situ)で反応させる。一般 に、式IIの化合物と比べ、約1〜10過剰モルのカルボアニオンを用い、この 反応を約−70℃から約30℃の温度で慣例どおりに行う。この反応の生成物は 前述のカルビノールベンゾイミダゾールであり、単にこの反応混合物を例えば塩 酸で酸性化し、次いで例えば減圧下で蒸発させ、反応溶媒を除去することによっ てこれを単離することができるが、好ましくは上記反応式1、反応2に記載のよ うにインシトゥーで脱水するのが好ましい。 また、米国第4,420,479号に記載のように、式IIの化合物から、X がCHYであり、Yがハロである式Iの化合物を製造することができる。しかし 、第4,420,479号に教示されている方法にしたがう場合、最良でトラン ス:シス生成物の3:1混合物が生じる。以下の反応式2に記載の新規方法によ って立体選択的に高められた方法で、XがCHYであり、Yがハロである式Iの トランス化合物を製造することができる:反応式2 [式中、R’は、R’が置換分としてヒドロキシ、チオールまたはC2−C6アル ケニルを含まないことを除いてRと同意義であり、n、RO、R1およびR2は上 記定義のとおりである]。 米国第4,420,479号に記載のように適当な溶媒中に溶解または懸濁さ せた式IVの化合物を臭素化すると、一般に、67:33から75:25の範囲 のトランス:シス生成物比を生じる。驚くべきことに、わずかに過剰の臭素化剤 および高い反応温度により、シス異性体に対する所望のトランス異性体の初期収 量が増加する。式IVの化合物と比べ、約1.05〜約1.5過剰モルの臭素化 剤が一般に必要であるが、典型的には約1.05〜1.15過剰モルが好ましい 。また、約10℃を超える温度、好ましくは20℃〜30℃の間の温度で反応を 行うのが必須である。十分な反応時間は典型的に約1〜18時間の範囲である。 好ましい反応時間は1.5〜2.5時間の間である。適当な反応溶媒には、クロ ロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、これらの混 合 物などが含まれるがこれらに限定されない。テトラヒドロフランおよび四塩化炭 素の混合物は一般に好ましい反応溶媒である。上記の好ましい条件下で臭素化反 応を行う場合、驚くべきことに、異性体混合物中のトランス生成物の%が85% 〜91%の間にまで増加する。さらに、再結晶によって、さらに所望のトランス 異性体に富む混合物さえ得られる。再結晶に適当な溶媒には、四塩化炭素、テト ラヒドロフラン、酢酸エチル/ヘキサン、低級アルコール、例えばエタノールま たはイソプロパノール、これらの混合物などが含まれるがこれらに限定されない 。アセトニトリルは最も効率的であり、>99%異性体純度のトランス異性体を 与えることがわかった。 周知の金属ハロゲン交換反応によって、式I(d)の化合物を式Vの化合物に 変換することができる。例えば"Organic Reactions",Chapter 7,R.G.Jones and H.Gilman,John Wiley & Sons,New York,1951参照。金属ハロゲン交換反 応を行う、本発明の化合物に特異的な全体的条件は、適当な溶媒に溶解させた式 I(d)の化合物を、約0℃〜−120℃の範囲の温度で、R1が水素でない場 合、約1〜1.2当量の動的塩基、R1が水素である場合、2〜2.5当量の動 的塩基で処理して脱プロトン化することである。R1が水素である場合、金属ハ ロゲン交換時に中間体Vの単純プロトン化を防ぐため、2当量の塩基が必要とさ れる。フェニルリチウムは代表的な好ましい動的塩基である。動的塩基での脱プ ロトン化は約−70℃で行うのが好ましい。 次いで、約1〜2.5当量の2°または3°C3−C6アルキルリチウム、すな わちs−ブチルリチウム、イソプロピルリチウム、好ましくはt−ブチルリチウ ムを加え、前段落で形成されたアニオンに対して金属ハロゲン交換を行う。典型 的に、金属ハロゲン交換は−65℃〜100℃の間で行うが、好ましい温度は式 Vの化合物中のR置換分の数およびタイプに依存する。一般に、式Vの化合物の 左側のフェニル環がより電子吸引性になった場合、好ましい金属ハロゲン交換反 応温度はより低温になり、−100℃に近づく。例えば、左側の環の置換パター ンが2,5−ジフルオロである場合、好ましい反応温度は約−100℃である。 しかし、置換が3−フルオロである場合、好ましい反応温度は約−70℃である 。式Vの化合物の形成後、これを単離せずに、インシトゥーで適当なハロゲン化 試 薬と反応させ、式I(e)の化合物を得る。クロロヨードエタンは好ましいヨウ 素化試薬である。−120℃に近い温度で、反応混合物を凝固させずに金属ハロ ゲン反応を行うため、「Trapp混合物」(4:4:1、THF:エーテル: ペンタン)を溶媒として用いるのが好ましい。Wakefield,B.J.;Organolithium Methods;Academic Press:San Diego,1990;Section 2.2.1参照。反応をより高い 温度、例えば−65℃から約−80℃で行う場合、典型的な好ましい溶媒はテト ラヒドロフランである。 当分野に既知の手法にしたがい、R1が水素である式Iの化合物をアシル化ま たはスルホニル化することによって、R1がC(O)CF3C(O)(C1−C6ア ルキル)またはSO2(C1−C6アルキル)である式Iの化合物を製造すること ができる。例えば、好ましくは酸スカベンジャー、例えば第三級アミン、好まし くはトリエチルアミンの存在下、適当なアシルハライド、イソシアネートまたは クロロホルメートでアミン化合物をアシル化することができる。好ましいアシル 化剤は無水酢酸である。典型的には、この反応は約−20℃〜約25℃の温度で 行う。この反応用の代表的な溶媒には、エーテルおよび塩素化炭化水素、好まし くはジエチルエーテル、クロロホルムまたはメチレンクロライドが含まれる。非 プロトン溶媒中、このアミンを適当な置換スルホニル化剤と反応させることによ ってスルホニル化してもよい。代表的なスルホニル化剤には、適当な置換スルホ ニルハライドまたは無水スルホン酸が含まれる。好ましいスルホニル化剤は、式 :(C1−C6アルキル)−SO2−Clのスルホニルクロライドである。この反 応は典型的に、非プロトン溶媒、例えばテトラヒドロフランまたはメチレンクロ ライド中、約−30℃〜約50℃の温度で行う。一般に、アシル化またはスルホ ニル化反応物と比べて等モルの割合のアミン反応物を用い、等モル量の酸スカベ ンジャー、例えば第三級アミンの存在下でこの反応を行うのが好ましい。この反 応用に好ましい酸スカベンジャーはN−メチルモルホリン(NMM)またはピリ ジンである。別法として、この手法を用いてアシル化またはスルホニル化した式 IIのケトンを用いて、式Iの化合物を製造してもよい。XがCHYであり、Y がハロである場合、式Iの化合物に対してアシル化またはスルホニル化を行うの が好ましい。 式Iまたは式III(a)のビニルアセチレンのシスおよびトランス化合物の 混合物を単離し、当分野に既知の手法を用いて得られたシス/トランス異性体を 分離することができる。例えば、カラムクロマトグラフィー、例えば逆相HPL Cを用いてシスおよびトランス形態を分離することができる。適当な割合のアセ トニトリルと水またはメタノールと水を用いてこの化合物をカラムから溶出させ ることができる。シス形態の化合物をhυ照射に暴露することによってシス/ト ランス混合物に変換し、上記精製工程を通して再循環させることもできる。前記 のように、クロマトグラフィーおよび/または光化学は、XがCHYであり、Y がハロである式Iのトランス化合物を製造するのに必須ではない。反応式2に記 載の新規方法にしたがう場合、95%異性体純度を超えるトランス化合物を得る ために必要なのは、単純再結晶だけである。 一般に、このように分離された式III(a)で示されるシスおよびトランス 化合物を、アルケン部分を異性体化せずにその対応する式I(c)のシスおよび トランス化合物に変換することができる。さらに、R1がアミノである式Iの化 合物を、R1がC(O)(C1−C6アルキル)、SO2(C1−C6アルキル)また はC(O)CF3基である式Iの化合物に変換する前または後にこの分離を行う ことができる。これらのR1基のトランスフォーメーションは一般に、アルケン 部分の異性体化を生じさせない。 典型的には、式Iの化合物を等モル量または過剰量の酸または塩基と反応させ ることによって本発明の製薬的に許容される塩を形成させる。一般に、酸付加塩 用には、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノー ル、イソプロパノール、ベンゼンなどの相互溶媒、塩基付加塩用には水、アルコ ールまたは、例えばメチレンクロライドのような塩素化溶媒中でこの反応物を混 合する。この塩は通常、約1時間〜約10日間のうちに溶液から沈殿し、ろ過ま たは他の常法により単離できる。さらなる説明に関しては、例えばBerge,S.M, Bighley,L.D.,and Monkhouse,D.C.,J.Pharm.Sci.,66,1,1977を参照の こと。 一般に酸付加塩の形成に用いられる酸は無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨ ウ化水素酸、硫酸、リン酸など、および有機酸、例えばp−トルエンスルホン酸 、 メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、蓚酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、 炭酸、琥珀酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、酢酸などである。製薬的に許容さ れる好ましい酸付加塩は鉱酸、例えば塩酸および硫酸と形成される塩および有機 酸、例えばマレイン酸、酒石酸およびメタンスルホン酸と形成される塩である。 塩基付加塩には、無機塩基、例えばアンモニアまたはアルカリ金属またはアル カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などから生じる塩が含まれる。した がって、本発明の塩の製造に有用なこのような塩基には、水酸化ナトリウム、水 酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナ トリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが含まれる 。カリウムおよびナトリウム塩形態は特に好ましい。 塩が全体として薬理的に許容され、対イオンが全体としての塩に対し望ましく ない性質を与えない限り、本発明のいずれかの塩の一部を形成する個々の対イオ ンは重要ではないと認識すべきである。 上記反応で用いられる式IIのケトン中間体は、当分野で詳述されているよう に製造することができる。例えば、R2がSO23である式IIの化合物を以下 の反応式3に示されるように製造することができる:反応式3 [式中、LはシアノまたはCO2R’であり、R’はC1−C4アルキルであり、 L’はハロであり、n、R、RO、R1、R2およびR3は上記定義のとおりである ]。 まず式VIIの適当な置換ハロニトロアニリンおよび式VIの適当な置換フェ ニルアセトニトリルまたはベンゾエートを、有機溶媒中、約−10℃から約40 ℃の温度で1〜24時間、塩基に暴露して、シアノまたはエステル中間体を形成 させ、反応式3.1を達成することができる。この反応は典型的に、2当量の塩 基の存在下、等モルの割合の反応物を用いて行う。代表的な塩基には、水素化 ナトリウム、カリウム t−ブトキシドおよびリチウムジイソプロピルアミド( LDA)が含まれる。好ましい塩基はカリウム t−ブトキシドである。この反 応に用いるのに適当な溶媒の例には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア ミドなどが含まれる。一般に、この反応を0℃で開始し、室温で進行させた場合 、約1〜15時間でこの中間体が製造される。シアノまたはエステル中間体を、 前もって単離または精製せずに、同反応混合物中で酸化するのが好ましい。 特に、シアノまたはエステル中間体を酸化剤と、約0℃〜約30℃の温度で3 0分間〜15時間反応させ、式VIIIの化合物を得る。代表的な酸化剤には、 過酸化水素、酸素および空気が含まれる。一般には、反応混合物を通して酸素お よび空気をバブルする。好ましい酸化剤は、好ましくは30%溶液の過酸化水素 である。一般に、反応を0℃〜室温の間で行った場合、約5〜30時間で式VI IIの化合物が製造される。この反応を例えばTLCによってモニターし、確実 に反応を完了させるのが好ましい。 反応3.2では、当分野に既知の手法にしたがって式VIIIの化合物のニト ロ置換分を還元し、対応する式IXのジアミノベンゾフェノン化合物を得る。例 えば、式VIIIの化合物をエタノールまたはテトラヒドロフラン中で水素ガス および触媒と混合することによって触媒的に水素化し、ニトロ置換分を還元する ことができる。好ましい触媒はパラジウム−炭素またはラネーニッケルである。 典型的には、水素ガスを60psiまで、好ましくは30psiまたは約30p siの気圧で用いる。一般には、約0℃〜約40℃の範囲の温度で行った場合、 約1〜24時間後にこの反応は実質的に完了する。この反応は、約20℃〜約3 0℃の範囲の温度で約2〜5時間行うのが好ましい。 反応3.3では、式Iの化合物のスルホニル化に関して上に詳述の手法に実質 的にしたがい、式IXのジアミノベンゾフェノン化合物を適当な式:R2−SO2 −ハロの置換スルホニルハライドでスルホニル化し、対応する式Xのスルホンア ミドベンゾフェノン化合物を得ることができる。 反応3.4では、式Xの化合物をまずアルコール溶媒、例えばイソプロパノー ル中の塩基に暴露し、次いで臭化シアンと反応させることによって、式Vの化合 物を、ニトリル中間体を経て環化する。典型的には、式Xの化合物および塩基を 約0℃〜約30℃の温度で反応させる。好ましい塩基は水酸化ナトリウムであり 、好ましくは(約1−4Mの)水溶液形態で加える。式Xの化合物が完全に溶解 したら、得られた溶液を臭化シアンと混合する。典型的には、臭化シアンは(例 えばアセトニトリル中3−7Mの)溶液形態で加える。一般に、反応混合物を室 温で攪拌した場合、この反応は1〜18時間後に完了する。しかし、ニトリル中 間体が反応混合物から沈殿することもある。この沈殿を単離し、次いでアルコー ル溶媒、例えばイソプロパノール中で1〜4時間還流し、所望の式II(a)の ケトン化合物を得る。 別法として、スルホンアミドベンゾフェノン化合物を塩素化溶媒、例えばメチ レンクロライド中、塩基に暴露し、次いで臭化シアンと反応させることによって 、式Xの化合物をニトリル中間体を経て環化する。典型的には、式Xの化合物と 塩基を約0℃〜混合物の還流温度付近の温度で反応させる。好ましい塩基はリチ ウムメトキシドである。スルホンアミドベンゾフェノンと塩基は一般に、スラリ ーを形成し、次いでこれを臭化シアンと混合する。典型的には、臭化シアンは( 例えばメチレンクロライド中3−7Mの)溶液形態で加える。一般に、反応混合 物を0℃〜溶媒の還流温度の範囲の温度で攪拌した場合、この反応は1〜18時 間後に完了する。次いで、式Iの化合物のアシル化またはスルホニル化に関して 上で論考した手法により、式II(a)の化合物を式IIの他の化合物に変換し てもよい。 反応式3、反応1の出発化合物として式VIIの化合物を用いるかわりに、式 XI: [式中、R2はC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、フェニル、置換フ ェニル、フリル、チエニル、チアゾール−2−イル、2−アセトアミド−4−メ チル−チアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−メ チル−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、2−メチルアミノ−1,3,4 −チアジアゾール−5−イルまたは式: で示される基であり、L’は上記定義のとおりである] で示される化合物を用いることを除き、実質的には反応式3に記載のように、R2 がSO23である式IIの化合物を製造することができる。 前述の米国第4,118,742号に記載され、あるいは実施例15a−15 bで説明されているように式IIの化合物から式IVの化合物を製造することが できる。 有機溶媒中、式XII: [式中、L”はクロロまたはフルオロであり、ただし、L’がフルオロである場 合、L”はクロロではあり得ない] で示される化合物のクロロまたはフルオロ置換分を式:NH26(式中、R6は 上記定義のとおりである)の第一級アミンで置換することによって式XIの化合 物を製造する。場合により、この反応は酸スカベンジャー、例えば炭酸カリウム または大過剰の第一級アミンの存在下で行う。代表的な溶媒には、テトラヒドロ フラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが含まれる。一般に 、約20℃〜約80℃の温度で行った場合、この反応は1〜12時間で完了する 。次いで、得られたアルキル化ハロニトロアニリンを上記反応式3に記載のよう に反応させる。 上記工程を実行する際、二次反応が起こるの防ぐため、化学保護基を反応物に 導入することが望ましいことがあることは当業者の理解するところであろう。反 応物に存在することもあるアミノ、ヒドロキシ、アルキルアミノまたはカルボキ シ基のいずれも、分子の残りの部分が所望の様式で反応する能力に対し有害に作 用しない標準的アミノ−、ヒドロキシ−またはカルボキシ−保護基のいずれかを 用いて保護することができる。次いで種々の保護基は、当分野に既知の方法を用 いて同時または連続的に除去できる。上で引用したGreene,Haslam,およびBart onによって提供される手引きを与えられたあるセットの条件に適当なアミノ、ヒ ドロキシまたはカルボキシ保護基の選択は当業者の知識の範囲内である。 一般に、用いられる溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応物が所望 の反応を行うのに十分に可溶であるかぎり、反応式1−3のトランスフォーメー ションにおける溶媒の選択は重要ではない。本発明の反応を行うのに最適な時間 は、慣用のクロマトグラフィー技術、例えばTLCまたはHPLC分析によって 反応の進行をモニターして決定することができる。さらに、本発明の反応は、例 えばアルゴンまたは特に窒素のような不活性雰囲気下で行うのが都合がよい。反 応完了後、所望であれば当分野に既知の手法により中間体化合物を単離すること ができる。例えば、本化合物を結晶化し、次いでろ過によって収集するか、ある いは反応溶媒を抽出、蒸発またはデカンテーションによって除去することができ る。所望であれば、反応式の次の段階を行う前に、結晶化または固形支持体、例 えばシリカゲルまたはアルミナのクロマトグラフィーのような慣用技術によって 中間体化合物をさらに精製してもよい。式II、IV、VIII、IX、Xおよ びXIおよびXIIの化合物は、次の反応で用いる前に、単離し、精製するのが 好ましい。 本発明の化合物の合成に出発物質として用いる化合物は当分野に既知であり、 市販されていなくても当分野で一般に用いられる標準的手法によって容易に合成 できる。 以下に実施例を挙げ、本発明の具体的側面をさらに例示する。しかし、これら の実施例は例示のためだけのものであり、いかなる意味においても本発明の範囲 を限定するためのものではなく、そのように考えるべきではないことが理解され るべきである。 以下の実施例では、核磁気共鳴分析、電界脱離質量分析、赤外分析、紫外分析 、 元素分析、高性能液体クロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーは、そ れぞれ「NMR」、「MS(FD)」、「IR」、「UV」、「Analysis」、「 HPLC」および「TLC」という略語で表す。MS(FD)データは、特に記 載しない限り質量数として表す。さらに、IR分析に関して表記する吸収最大値 は興味深いもののみであり、観測されたすべての最大値でない。 NMR分析に関して、以下の略語を用いる:「s」は一重項であり、「d」は 二重項であり、「dd」は二重の二重項であり、「t」は三重項であり、「q」 は四重項であり、「p」は五重項であり、「m」は多重項であり、および「dm 」は二重の多重項である。「J」はヘルツ(Hz)単位のカップリング定数を示 す。特に記載しなければ、NMRデータは対象化合物の遊離塩基を表す。NMR データに関する化学シフトはデルタ、δ値(テトラメチルシランからダウンフィ ールドのパーツ パー ミリオン)で表す。 実施例1 A.3−アミノ−4−ニトロ−4’−フルオロベンゾフェノン 窒素下、ジメチルホルムアミド200mL中の5−クロロ−2−ニトロアニリ ン17.25g(100mmol)および4−フルオロフェニルアセトニトリル12 mL(100mmol)の冷(0℃)溶液にカリウムt−ブトキシド22.44g( 200mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温にまであたため、一晩反応さ せた。TLC(ヘキサン中40%酢酸エチルで溶出)が反応の実質的完了を示し た時点で、反応混合物を0℃にまで冷却し、次いで過酸化水素30mLを加えた 。TLC(ヘキサン中40%酢酸エチルで溶出)が反応の実質的完了を示した時 点で、反応混合物を1N塩酸(水溶液)1Lに注ぐと、黄色/オレンジ色沈殿が 形成される。この沈殿をろ過によって単離した。 収量:23.3g(89%)。 B.3,4−ジアミノ−4’−フルオロベンゾフェノン テトラヒドロフラン250mLおよびエタノール250mL中の実施例1Aの 副題の化合物21gの溶液に、ラネーニッケル触媒3.0gを加えた。得られた 反応混合物を30psiの水素(ガス)下で一晩攪拌し、次いでろ過した。得ら れたろ液を減圧下で濃縮し、黄色固形物を得、これをさらに精製することなしに 用いた。 MS(FD)(MeOH)m/z 230。 C.4−アミノ−3−イソプロピルスルホンアミド−4’−フルオロベンゾフェ ノン 無水メチレンクロライド160mLおよび無水ピリジン32mL中の実施例1 Bの副題の化合物18.14g(79mmol)の溶液に、イソプロピルスルホニル クロライド13.25mL(118mmol)を加えた。得られた反応混合物を窒素 下、室温で約5時間反応させた。TLC(酢酸エチルで溶出)が反応の実質的完 了を示した時点で、反応混合物を1N塩酸(水溶液)400mLに注いだ。得ら れた混合物を酢酸エチル300mLで希釈し、生じた層を分離し、有機層を硫酸 マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、暗赤色ガムを得た。調製用H PLC(ヘキサン中30−60%酢酸エチルの濃度勾配で溶出)を用いてこのガ ムを精製した。所望の化合物を含むフラクションをまとめ、減圧下で乾燥し、黄 色ガム17.11gを得、さらに精製することなしにこれを用いた。 収率:65%。 MS(FD)m/z 336。 D.1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(4−フルオロベンゾイル )ベンゾイミダゾール イソプロパノール100mL中の実施例1Cの副題の化合物17.11g(5 1mmol)および2N水酸化ナトリウム(水溶液)25mLの溶液に、5M臭化シ アン10mLを加えた。得られた反応混合物を室温で約30分間反応させ、沈殿 を形成させた。この沈殿をろ過によって単離し、固形物11.68gを得た。こ の固形物をイソプロパノール250mLに懸濁し、得られた混合物をすべての物 質が溶解するまで還流し、次いで冷却して所望の化合物10.0gを得た(55 %)。 元素分析 計算値(C1716FN33Sとして):C,56.50;H,4.4 6;N,11.63。実測値:C,56.71;H,4.48;N,11.82 。MS(FD):361。 実質的に実施例1A−1Dに詳述の手法にしたがって、実施例2−6の化合物 を製造した。 実施例2 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(3−フルオロベンゾイル)ベ ンゾイミダゾール MS(FD):361.2。 実施例3 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(3−フルオロ−4−メトキシ ベンゾイル)ベンゾイミダゾール 元素分析 計算値(C1818FN34Sとして):C,55.23;H,4.6 3;N,10.73。実測値:C,55.12;H,4.65;N,10.53 。 MS(FD):391.2。 実施例4 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(3,5−ジフルオロベンゾイ ル)ベンゾイミダゾール 元素分析 計算値(C1715233Sとして):C,53.82;H,3. 99;N,11.08。実測値:C,53.63;H,3.90;N,11.0 3。MS(FD):379.3。 実施例5 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(3,4−ジフルオロベンゾイ ル)ベンゾイミダゾール 元素分析 計算値(C1715233Sとして):C,53.82;H,3. 99;N,11.08。実測値:C,53.63;H,4.05;N,11.3 3。MS(FD):379.1。 実施例6 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(2,3−ジフルオロベンゾイ ル)ベンゾイミダゾール 実施例7 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,3−ジフルオロフ ェニル]−2−カルボキシエテン−1−イル)ベンゾイミダゾール 酢酸t−ブチル(1.67mL、12.3mmol)およびテトラヒドロフラン4 mLをフラスコに入れ、−78℃に冷却した。温度を−70℃以下に保ちながら 、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(12.3mL、12.3mmol)を ゆっくり加えた。得られた溶液を−78℃で1時間攪拌した。次いで、温度を− 60℃以下に保ちながら、テトラヒドロフラン12mL中の1−イソプロピルス ルホニル−2−アミノ−6−(2,3−ジフルオロベンゾイル)ベンゾイミダゾ ール(1.17g、3.07mmol)を加えた。HPLC(65%メタノール:緩 衝液0.5%トリエチルアミン、0.3%リン酸)によって反応を78℃でモニ ターし、ケトンが消費された時点(約30分)で濃塩酸2mLを加え、混合物を 室温にまであたためた。反応物を減圧下で濃縮し、残留物を96%ギ酸35mL および濃塩酸0.5mLにとった。得られた混合物を95℃にまであたためた。 4時間後、反応物を減圧下で濃縮し、アセトニトリル11mLで希釈した。粗製 の生成物を逆層クロマトグラフィー(35%アセトニトリル:水)によって精製 し、シス生成物152mgおよびトランス生成物163mgを得た(27.0% )。 シスについてのデータ: トランスについてのデータ: MS(FD)m/z 420.9.元素分析 計算値(C1917234Sと して):C,54.14;H,4.07;N,9.97o実測値:C,53.9 9;H,3.98;N,9.99。 実施例8 トランス1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,3−ジフ ルオロフェニル]−2−メチルスルホニルエテン−1−イル)ベンゾイミダゾー ル メチルスルホン(1.23g、13.2mmol)をテトラヒドロフラン6mLに 溶解させ、−78℃にまで冷却した。次いで、温度を−68℃以下に保ちながら n−ブチルリチウム(5.30mL、13.3mmol)をゆっくり加えた。得られ た溶液を−78℃で2時間攪拌した。次いで、1−イソプロピルスルホニル−2 −アミノ−6−(2,3−ジフルオロベンゾイル)ベンゾイミダゾール(832 mg、2.20mmol)をテトラヒドロフラン6mL中に加え、混合物を室温にま で一晩ゆっくりあたためた。この反応物を分離漏斗に移し、1N塩酸150mL および塩酸250mL間に分配した。水層をクロロホルムで抽出し、次いで酢酸 エチル250mLで再抽出した。有機抽出物を混合し、ブライン100mLで洗 浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物を濃塩酸 0.5mLおよび96%ギ酸35mLにとり、得られた溶液を95℃で2時間加 熱した。反応物を室温にまで冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をアセトニトリ ル11mLで希釈し、粗製の混合物を段階的濃度勾配(32%アセトニトリル: 水6L、33、34、35、36、37%アセトニトリル:水それぞれ2L)の 逆相クロマトグラフィーで精製し、純粋なトランス生成物60mgを得た(5. 7%)。 MS(FD)m/z 455。元素分析 計算値(C19192342として )C,50.10;H,4.20;N,9.23。実測値:C,49.88;H ,4.28;N,9.16。 実施例9 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,3−ジフルオロフ ェニル]−2−メチルスルフィドエテン−1−イル)ベンゾイミダゾール 室温のn−ブチルリチウム(7.88mL、ヘキサン中2.5M)の溶液にT MEDAをゆっくり加えた。添加中、水浴で冷却し、温度を維持した。ジメチル スルフィド(1.45mL、19.7mmol)をゆっくり加え、得られた混合物を 4.5時間攪拌した。反応物を−40℃にまで冷却し、−40℃のテトラヒドロ フラン35mL中に溶解させた1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6− (2,3−ジフルオロベンゾイル)ベンゾイミダゾール(1.49g、3.94 mmol)をカニューレでゆっくり加えた。添加完了後、混合物を室温にまで一晩ゆ っくりあたためた。この反応物をクロロホルム250mLおよび1N塩酸250 mL間に分配した。有機層を1N塩酸250mL、ブライン250mLで洗浄し 、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物を96%ギ酸 12mLにとり、95℃で4時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を5 0:50アセトニトリル水11mLにとり、粗製の生成物溶液を逆相HPLC( 46%アセトニトリル:水)で精製し、トランス生成物100mgおよびシス生 成物100mgを得た。 トランスについてのデータ:MS(FD)423。 シスについてのデータ:MS(FD)423。 実施例10 トランス1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,3−ジフ ルオロフェニル]−2−(メチルスルフィニルエテン−1−イル)ベンゾイミダ ゾール トランス1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,3−ジ フルオロフェニル]−2−メチルスルフィドエテン−1−イル)ベンゾイミダゾ ール(81.9mg、0.194mmol)をメタノール3mLに溶解させ、水3m Lに溶解させたオキソン(475mg、1.54mmol当量)を加えた。得られた 混合物を5時間攪拌し、次いで酢酸エチル200mLを重炭酸ナトリウム飽和水 溶液50mLとともに加えた。この内容物を分配し、水層を除去した。有機層を ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗 製の物質をジメチルスルホキシドに溶解させ、逆相HPLC(45%アセトニト リル:水)で精製し、標題化合物15.9mgを得た(18.0%)。 MS(FD)439。 実施例11 トランス1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,3−ジフ ルオロフェニル]−2−(1−オキソエタ−1−イル)エテン−1−イル)ベン ゾイミダゾール オーブン乾燥した、隔壁、冷却器および添加漏斗を備えた三つ頸フラスコにマ グネシウム(503mg、20.7mmol)、塩化水銀II(48.3mg、0. 178mmol)および無水エーテル73mLを入れた。添加漏斗を通して、プロパ ルギルブロミド(1.96mL、17.6mmol)をゆっくり加えた。添加完了後 、この混合物を30分間超音波破砕し、グリニャール試薬を形成させた。 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(2,3−ジフルオロベンゾ イル)ベンゾイミダゾール(1.94g、5.13mmol)および無水エーテル3 0mLを分離フラスコに加えた。水素化ナトリウム(205mg、5.13mmol )を加え、泡立ちがおさまった後にグリニャール試薬を14mLづつ加え、 総量62mLにした。反応物を酢酸エチル250mLおよび1N塩酸250mL 間に分配した。有機層を分離し、ブライン150mLで洗浄し、次いで硫酸マグ ネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、次いでメチレンクロライド5 0mLに溶解させた。粗製の生成物溶液25mLを実施例11で用いるためにと り出し、残りの溶液を減圧下で濃縮し、次いで氷酢酸10mLおよび硫酸1mL に再溶解させた。この溶液を75℃にまで1時間加熱した。反応を室温にまで冷 却し、水50mLを加えた。この混合物をメチレンクロライド(3×125mL )で抽出し、有機層をまとめ、水50mL、飽和重炭酸ナトリウム50mLで洗 浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をアセトニ トリルで希釈して11mLにし、粗製の物質を逆相クロマトグラフィー(42% アセトニトリル:水)で精製して、トランス生成物166mgを得た(23.1 %)。 MS(FD)m/z 419.0。元素分析 計算値(C2019233Sと して)C,57.27;H,4.57;N,10.02。実測値:C,57.2 0;H,4.56;N,10.28。 実施例12 トランス 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,3−ジ フルオロフェニル]−2−(カルボキシメチルエテン−1−イル)ベンゾイミダ ゾール 隔壁、攪拌バー、冷却器、ストッパーおよび熱電対を備えた三つ頸フラスコを N2で2回パージし、乾燥テトラヒドロフラン8mLおよびメチル(トリメチル シリル)アセテート(1.736mL、10.58mmol)を入れた。この溶液を −78℃にまで冷却し、温度を−50℃以下に保ちながらリチウムビス(トリメ チルシリル)アミド(10.34mL、10.34mmol)をゆっくり加えた。添 加完了後、この溶液を−78℃にまで冷却し、30分間攪拌した。次いで、乾燥 テトラヒドロフラン10mL中の1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6 −(2,3−ジフルロベンゾイル)ベンゾイミダゾール(980mg、2.58 mmol)を、カニューレを通して加え、得られた混合物を−78℃で2時間攪拌し た。この混合物を5℃にまでゆっくりあたため、次いで55℃にまで2時間加熱 した。反応の進行をHPLC(65%メタノール:緩衝液0.5%トリエチルア ミン、0.3%リン酸)によってモニターした。この反応物を室温にまで冷却し 、飽和塩化アンモニウム25mLでクエンチした。テトラヒドロフランを減圧下 で除去し、残留物を酢酸エチル300mLにとった。有機層を1N塩酸(2×1 00mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、 ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をアセトニトリルで希釈して11mLにし、 粗製の反応混合物を逆相クロマトグラフィー(44%アセトニトリル:水)によ って精製し、トランス生成物230mgを得た(20.5%)。 MS(FD)(MeOH)m/z 435。元素分析 計算値(C201923 4Sとして):C,55.17;H,4.40;N,9.65。実測値:C, 55.36;H,4.61;N,9.52。 実施例13 トランス 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,3−ジ フルオロフェニル]オキシミル)ベンゾイミダゾール 丸底フラスコ中、1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(2,3− ジフルオロベンゾイル)ベンゾイミダゾール(1.08g、2.86mmol)、メ タノール13mL、ヒドロキシルアミン塩酸塩(993mg、14.3mmol)お よびピリジン5.2mLを混合した。ケトン出発物質の消滅をHPLC(65% メタノール:緩衝液、0.5%トリエチルアミン、0.3%リン酸)によってモ ニターしながら、この懸濁物を6日間攪拌した。1つの異性体のみが形成された 。反応が完了するまでに、反応の内容物はすべて溶解した。この反応物を分離漏 斗に移し、酢酸エチル600mLを加えた。1N塩酸(4×100mL)および ブライン(1×100mL)で有機層を洗浄した。水性洗浄液を酢酸エチル60 0mLで逆抽出した。有機層をまとめ、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減 圧下で濃縮した。残留物をアセトニトリルで希釈して11mLにし、逆相クロマ トグラフィー(34%アセトニトリル:水)によって精製し、トランス生成物1 33mgを得た(11.8%)。 MS(MS)(MeOH)m/z 394.1。元素分析 計算値(C1716243Sとして):C,51.77;H,4.09;N,14.21。実測値 :C,51.96;H,4.24;N,13.92。 実施例14 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[4−フルオロフェニル ]−2−(1−オキソエタ−1−イル)エテン−1−イル)ベンゾイミダゾール オーブンで乾燥した、隔壁、冷却器および添加漏斗を備えた三つ頸フラスコ中 に、マグネシウム、塩化水銀IIおよび無水エーテルを入れた。添加漏斗を通し てプロパルギルブロミドをゆっくり加えた。添加完了後、この混合物を30分間 超音波破砕し、グリニャール試薬を形成させた。 分離フラスコに、1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(2,3− ジフルオロベンゾイル)ベンゾイミダゾールおよび無水エーテルを入れた。水素 化ナトリウムを加え、泡立ちがおさまった後に、グリニャール試薬を加えた。こ の反応物を酢酸エチルおよび1N塩酸間に分配した。有機相を分離し、ブライン で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、中 間体カルビノール12.0gを得た。 この中間体をメチレンクロライド500mLに溶解させた。次いで、ジメチル アミノピリジン(9.0g)およびトリエチルアミン(18.7mL)を加え、 反応物を−78℃にまで冷却した。メタンスルホニルクロライド(8.8mL) を加え、反応物を室温にまで一晩ゆっくりあたためた。この反応物を濃縮してメ チレンクロライドを除去し、残留物を酢酸エチル500mLに溶解させた。1N 塩酸100mLを加え、得られた混合物を1時間攪拌した。次いで、この混合物 を分配し、水層を除去し、酢酸エチルで逆抽出した。有機層を1N塩酸(2× 100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した 。中間体をトリフルオロ酢酸で処理して一部を生成物に変換し、粗製の混合物を 逆相HPLC(60:40アセトニトリル:水)で精製し、トランス500mg およびシス500mgを得た。 トランスについてのデータ: MS(FD)401。IR(CHCl3)υ 3397,1640,1603c m-1。 シスについてのデータ: 元素分析 計算値(C202033Sとして):C,59.84;H,5.02 ;N,10.47。実測値:C,60.20;H,5.06;N,10.46。 MS(FD)401。 実施例15 トランス−1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,5−ジ フルオロフェニル]−2−(ブロモ)エテン−1−イル)ベンゾイミダゾール A.2−アミノ−α−(2,5−ジフルオロフェニル)−α−メチル−1−[( 1−メチルエチル)スルホニル]ベンゾイミダゾール−6−メタノール 温度を−20℃と−30℃の間に保ちながら、メチルマグネシウムクロライド (929mL、2.79mol、テトラヒドロフラン中3M)をテトラヒドロフラ ン中の1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(2,5−ジフルオロベ ンゾイル)ベンゾイミダゾール(352.7g、0.929mol)の溶液に30 分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応混合物を2時間かけてゆっくり室温 まであたためた。HPLC分析により残留するケトン出発物質が1%より少量に なるまで、3Mメチルマグネシウムクロライド(186mL、次いで46.5m L)をさらに加えた。酢酸エチル(4.2L)および1N塩酸(4.2L)を続 けて添加して、この反応物をクエンチし、混合物を1時間攪拌した。相を分離し 、水相を酢酸エチル(2.0L)で抽出した。有機フラクションをまとめ、ブラ イン(4.0L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過した後、回転式 蒸発(ロータリーエバポレーション)によって溶媒を除去し、標題化合物373 gをベージュ色泡沫として得た(93%純度、94%収率)。 元素分析 計算値(C1819233Sとして):C,54.68;H,4. 84;N,10.63;S,8.11。実測値:C,54.94;H,4.84 ;N,10.35;S,8.10。 B.1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,5−ジフルオ ロフェニル]エテン−1−イル)ベンゾイミダゾール メチレンクロライド(500mL)中の2−アミノ−α−(2,5−ジフルオ ロフェニル)−α−メチル−1−[(1−メチルエチル)スルホニル]ベンゾイ ミダゾール−6−メタノール(53.4g、97%純度、115mmol)の溶液に メタンスルホン酸(33.0g、344mmol)を加えると、この溶液はベージュ 色から茶色に変わった。反応が完了するまで、この溶液を1.5時間加熱還流し た。室温にまで冷却した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(200mL)を加 え、酸を中和した。しかし、pHは1のままであり、大量の泡立ちが生じた。次 いで、温度を20℃に保ちながら、この反応混合物を1N水酸化ナトリウム(約 90mL)でpH7−8にまで中和した。相を分離し、有機相をメチレンクロラ イド(100mL)で抽出した。有機フラクションをまとめ、ブライン(100 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濁った混合物をろ過し、透明なや や赤みがかったオレンジ色の溶液を得、これを40−70℃での回転式蒸発によ って濃縮し、標題化合物39.9gをベージュ色粉末として得た(98.5%純 度、91%収率)、融点161.0−164.5℃。 元素分析 計算値(C1817 232Sとして):C,57.26;H,4.54;N,11.13;F, 10.07;S,8.50。実測値:C,57.50;H,4.54;N,11 .06;F,10.12;S,8.21。 C.トランス−1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,5 −ジフルオロフェニル]−2−(ブロモ)エテン−1−イル)ベンゾイミダゾー ル 1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[2,5−ジフルオロ フェニル]エテン−1−イル)ベンゾイミダゾール(39.46g、103.0 mmol)をテトラヒドロフラン(197mL)に溶解し、得られた溶液を四塩化炭 素(197mL)で希釈し、0℃にまで冷却した。四塩化炭素中のBr2(18 .4g、115mmol)の1M溶液を30分かけて加えた。添加の中間点でベージ ュ色スラリーが形成され、添加終了までに黄色になった。臭素を加えた後すぐに 、添加/脱離反応は完了するが、E/Z−ビニルブロミドを平衡化させるために 、この反応物を室温でさらに2.5時間攪拌した。この混合物を0℃にまで冷却 した後、10%Na223(50mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液( ca.105mL)を加え、pHを5−6に調節した。メチレンクロライド(2 00mL)を加え、粒状の物質を低級有機相に溶解させ、この相を分離した。水 相をメチレンクロライド(50mL)で抽出し、有機フラクションをまとめ、水 (200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム で乾燥させた。ろ過し、次いで回転式蒸発によって溶媒を除去し、Z−およびE −ビニルブロミドの95:5混合物および2.8重量%のテトラヒドロフランを 含むベージュ色固形物48.88gを得た(1H NMR)。アセトニトリル(2 50mL)から再結晶し、標題化合物33.8g(97.8%純度、1H NMR によって99+%Z−異性体、71%収率)を淡黄色粉末として得た。融点18 0.5−181.9(分解)。アセトニトリルから二回目の再結晶により、さら に2.17g(92.5%純度、4.5%収率)を得た。 元素分析 計算値(C1816BrF232Sとして):C,47.36;H, 3.53;N,9.21;Br,17.51;S,7.03。実測値:C,47 .66;H,3.44;N,9.32;Br,17.59;S,6.97。 実施例16 トランス−1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[3−フルオ ロフェニル]−2−(ヨード)エテン−1−イル)ベンゾイミダゾール トランス−1−イソプロピルスルホニル−2−アミノ−6−(1−[3−フル オロフェニル]−2−(ブロモ)エテン−1−イル)ベンゾイミダゾール(2. 25g、5.13mmol)のテトラヒドロフラン溶液中に、フェニルリチウム(5 .7mL、70:30シクロヘキサン:エーテル中1.8M、10.3mmol)を 、−75℃で15時間かけて加えた。添加完了後、tert−ブチルリチウム(6. 18mL、ペンタン中1.7M、10.5mmol)を20分かけて加え、得られた スラリーを10分間攪拌した。テトラヒドロフラン(3mL)中の1,2−クロ ロヨードエタン(1.03g、5.38mmol)の溶液を−80℃で20分かけて 加えた。添加中に赤−黒色混合物は色がエメラルド−緑色になった。この溶液を 45分間攪拌し、その間にこの溶液は黄−オレンジ色溶液になった。−70℃の メタノール(1mL)を添加し、−35℃のNa223(50mL)を添加し て、この反応物をクエンチした。この混合物を酢酸エチル(150mL)に加え 、相分離した。有機相をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾 燥した。ろ過した後、溶媒を回転式蒸発によって除去し、Z−およびE−異性体 の80:20混合物であるビニルヨーダイド2.43gを得た。イソプロパノー ル(15mL/g)から再結晶し、標題化合物を31%総収率、96%純度で、 Z−およびE−異性体の97:3混合物として得た。 本明細書中に用いる用語「有効量」は、ウイルスの複製を阻害することができ る式Iの化合物の量を意味する。本発明の方法に包含されるピコルナウイルスの 阻害には、治療または予防処置のどちらも適当に含まれる。治療または予防効果 を得るために本発明にしたがって投与される化合物の具体的な投与量はもちろん 、例えば投与する化合物、投与経路、処置される症状および処置される個体を含 む、そのケースを取り巻く特定の環境によって決められる。典型的な1日当たり の投与量には約0.01mg/体重kg〜約50mg/体重kgの投与量レベル の本発明の活性な化合物が含まれる。好ましい1日当たりの投与量は一般に、約 0.05mg/kg〜約20mg/kgであり、理想的には約0.1mg/kg 〜約10mg/kgである。 本発明の化合物は経口、直腸内、経皮、皮下、静脈内、筋肉内および鼻腔内を 含む種々の経路によって投与することができる。本発明の化合物は投与前に製剤 化するのが好ましい。それゆえ、本発明のもう1つの態様は、有効量の式Iの化 合物または製薬的に許容されるその塩および製薬的に許容される担体、希釈剤ま たは賦形剤を含む医薬製剤である。 上記製剤中の活性成分は製剤の0.1重量%〜99.9重量%を構成する。用 語「製薬的に許容される」は、担体、希釈剤または賦形剤が他の製剤成分と融和 性であり、その服用者に有害でないことを意味する。 本医薬製剤は、周知であり容易に入手可能な成分を用いて、既知の手法により 製造する。本発明の組成物を調製するには、通常、活性成分を担体と混合し、あ るいは担体で希釈し、あるいはカプセル、サシエ、ペーパーまたはその他の容器 の形とすることができる担体中に包含させる。担体が希釈剤として働く場合、活 性成分のビヒクル、賦形剤または媒体として働く固形物、半固形物または液状物 とすることができる。したがって、この組成物は錠剤、丸剤、粉末剤、トローチ 剤、サシエ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液剤、シロップ剤、 エアロゾル剤、(固形物として、あるいは液体媒体中)、例えば活性な化合物を 重量の10%まで含む軟膏剤、ゼラチン軟および硬カプセル剤、坐剤、滅菌注射 溶液剤、滅菌パッケージ粉末剤などの剤型とすることができる。 以下の製剤例は単に例示的なものであり、いかなる意味においても本発明の範 囲を限定するためのものではない。用語「活性成分」は式Iで示される化合物ま たは製薬的に許容されるその塩を意味する。 製剤例1 以下の成分を用いてゼラチン硬カプセル剤を製造する。 上記のように、本発明の化合物は抗ウイルス剤として有用である。これらは種 々のエンテロウイルスおよびライノウイルスに対して阻害活性を示した。本発明 の態様は、ピコルナウイルスの阻害方法であって、それを必要としている宿主に 有効量の式Iの化合物または製薬的に許容されるその塩を投与することを特徴と する方法である。 本発明の化合物はウイルス複製複合体(ウイルス性および細胞性タンパク質の 膜結合複合体)の構造および/または機能を妨げることによりプラス鎖ウイルス RNAの複製を阻害すると思われる。非常に低いレベルの薬物耐性を示す突然変 異ライノウイルスおよびエンテロウイルスが単離されている。これらの突然変異 体は「3A」として知られるウイルス遺伝子が発現するタンパク質に1つのアミ ノ酸置換を有している。それゆえ、本発明の化合物は3A機能を阻害することに よってライノウイルスおよびエンテロウイルスを阻害する。この3A遺伝子は複 製複合体のタンパク質を細胞内膜に結合させる足場タンパク質として働く疎水性 タンパク質をコードしている。 C型肝炎ウイルス(HCV)およびウシ下痢性ウイルス(BVDV)のような フラビウイルスの複製戦略は上記ライノウイルスおよびエンテロウイルスのもの と類似している。特に両ファミリーのウイルスは細胞質複合体においてマイナス 鎖RNA中間体を介して複製する1本鎖のメッセンジャー−センスRNAを有す る。さらに両ファミリーのウイルスはそのゲノムをポリタンパク質に翻訳し、次 いでこれは切断される。さらに、両ウイルスの複製複合体は細胞内膜に堅く結合 している。最後に、両ファミリーのウイルスは、ウイルス複製に必要な5’およ び3’側非翻訳領域が存在するなどの類似のゲノム構造を有する。この細胞内膜 結合に関与する2つのHCVタンパク質:NS2およびNS4が存在する。NS 2またはNS4のどちらかはピコルナウイルス3Aタンパク質に類似すると推定 される。 したがって、本発明のもう1つの態様は、フラビウイルスの阻害方法であって 、それを必要としている宿主に有効量の式Iの化合物または製薬的に許容される その塩を投与することを特徴とする方法である。C型肝炎を阻害するのが好まし い。 抗−ピコルナウイルスアッセイの試験方法 アフリカ緑ザル腎臓細胞(BSC‐1)またはHela細胞(5−3)を25 ccFalconフラスコ中の、5%不活性化ウシ胎児血清(FBS)、ペニシリン( 150ユニット/mL)およびストレプトマイシン(150μg/mL)を含む 培地199中、37℃で培養した。全面成長の単層が形成された時点で、上清培 養培地を除去し、適当に希釈したウイルス(ライノウイルス、HRV−14)0 .3mLをそれぞれのフラスコに加えた。1時間室温で吸着させた後、ウイルス を感染させた細胞シートを、1%イオンアガー(Ionagar)No.2(一部)、 およびFBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含み、薬物を100、5 0、25、12、6、3および0μg/mLの濃度で含む2倍強度の培地199 (一部)からなる培地で重層した。薬物を含まないフラスコは本試験の対照標準 として用いた。ベンゾイミダゾール化合物のストック溶液をジメチルスルホキシ ドで希釈し、104μg/mLの濃度にした。次いで、ポリオ、コクサッキー、 エコーおよびメンゴウイルスについては37℃で72時間、ライノウイルスにつ いては32℃で120時間このフラスコをインキュベートした。ウイルスプラー クは細胞にウイルスが感染し、かつ再生した領域に見られた。10%ホルマリン および2%酢酸ナトリウムの溶液をそれぞれのフラスコに加え、ウイルスを不活 性化し、細胞シートをフラスコ表面に固定した。ウイルスプラークは、周りの細 胞領域をクリスタルバイオレットで染色した後に、サイズに関係なくカウントし た。各薬物濃度においてプラークのカウントを対照標準のカウントと比較した。 試験化合物の活性はプラーク減数パーセントまたは阻害パーセントで表した。一 方、プラーク形成を50パーセント阻害する薬物の濃度を活性の尺度として用い ることができる。50パーセント阻害は記号IC50で示す。 表1に、実施例番号によって種々のベンゾイミダゾール化合物についての試験 結果をまとめる。これは試験ウイルスおよびIC50値で表されるプラーク減数の 阻害パーセントを示す。このIC50値は、プラーク形成を50%阻害するのに必 要な試験化合物の量(μg/mL)を表す。表1のすべての化合物はトランス異 性体である。 表1 IC50(μg/mL) 表1中の表示「親」は、親分子がnが0である化合物であることを除いて、実 施例と同一の置換パターンを有する化合物を表す。 インビトロCPE/XTT抗−BVDVアッセイ ウェル当たり10,000細胞のMDBK細胞を、エール(Earl)の平衡 塩溶液(EBSS)、2%ウマ血清、ペニシリン(100単位/mL)およびス トレプトマイシン(100μg/mL)を含む最少必須培地とともに96ウェル ミクロタイタープレートに分配した。プレートを37℃のCO2インキュベータ ーで一晩培養した。次いで、MDBK細胞を0.02moi(感染多重度)の ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV,ATCCVR−534)で感染させた 。このウイルスを細胞に1−2時間吸着させた後、連続希釈した薬物を含む培地 または培地のみをウェルに加えた。さらに3−4日間インキュベートした後(培 地のみのウェルに広がったcpeがはっきりと認められた時点で)、以下に記載 のXTTアッセイを行って試験薬物の抗−ウイルス性作用を評価した。 FBSを含まないあたたかい培地に対し、1mg/mLのXTT[2,3−ビ ス(メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−2H−テトラアゾリウム− 5−カルボキシアニリド、内部塩、ナトリウム塩]を新たに調製し、直ちに用い た。XTT溶液各5mLに対し、リン酸緩衝塩溶液中の5mMPMS(フェナジ ンメトスルフェイト)25μLを加えた。次いで、新たに調製したXTT/PM S混合物50μLを各ミクロタイターウェルに加えた。37℃(CO2)で3− 4時間あるいは色の変化が顕著になるまでインキュベートした。450nm/re f.650nmでの吸光度を分光器で読み取った。次いで、各用量作用曲線の直 線部分から、無薬物無ウイルス対照標準と比べて50%の細胞毒性作用を引き起 こすのに必要な薬物の濃度(TC50)およびウイルス細胞変性作用(cpe)の 発生を50%阻害するのに必要な薬物の濃度(IC50)を決定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 テブ,マーク・ジョゼフ アメリカ合衆国46220インディアナ州イン ディアナポリス、ノース・シャーマン・ド ライブ6202番 (72)発明者 ボイ,ギルバート・トーマス アメリカ合衆国46208インディアナ州イン ディアナポリス、ブルー・リッジ・ロード 120番 (72)発明者 ワーナー,ジョン・アーノルド アメリカ合衆国46214インディアナ州イン ディアナポリス、チャペルウッド・ブール バード806番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式I: [式中: nは0、1、2、3、4または5であり; 各位置のRは独立して、ヒドロキシ、チオール、ハロ、シアノ、シアノ(C1 −C4)アルキル、アミノ、ハロ(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキル アミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、アジド、カルボキシ、C1−C6アルキ ル、C2−C6アルケニル、カルバモイル、カルバモイルオキシ、カルバモイルア ミノ、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、−OCF3、OCCl3、C1− C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、C1−C4アルコキシカルボニ ルアミノ、ホルミル、C2−C4アルカノイル、ホルミルオキシ、C2−C4アルカ ノイルオキシ、ホルミルアミノ、C2−C4アルカノイルアミノ、C1−C4アルキ ルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ピロリ ジノ、ピペリジノまたはモルホリノであり; ROは水素、ハロ、C1−C4アルキルまたはC1−C4アルコキシであり; R1は水素、C(O)(C1−C6アルキル)、SO2(C1−C6アルキル)、ま たはC(O)CF3であり; R2はC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、ハロ(C1−C6)アルキ ル、フェニル、置換フェニル、フリル、チエニル、チアゾール−2−イル、2− アセトアミド−4−メチル−チアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾー ル−2−イル、2−メチル−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、2−メチ ルアミノ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、SO23または式:で示される基であり; R3はC1−C10アルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、C3−C7シクロアルキ ル、置換C3−C7シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、チエニ ル、チアゾリジニル、フリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはNR45であり; R4およびR5は独立してC1−C4アルキルであるか、あるいはR4およびR5は それらが結合している窒素原子といっしょになって、ピロリジノ、ピペリジノま たはモルホリノ環を形成し; XはNOZまたはCHYであり; YはS(O)mZ、COZ、CO2Zまたはハロであり; mは0、1または2であり; Zは水素またはC1−C10アルキルである。 ただしYがS(O)mZ、CO2Zまたはハロである場合、nは0または1では ない。] で示される化合物または製薬的に許容されるその塩。 2.YがS(O)mZ、COZまたはCO2Zである請求項1に記載の化合物ま たは製薬的に許容されるその塩。 3.nが1,2,3,4または5であり; 各位置のRが独立して、ハロ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシまたは ジ(C1−C4)アルキルアミノであり; ROが水素であり; R1が水素であり; R2がC1−C6アルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、C3−C7シクロアルキ ル、置換C3−C7シクロアルキル、チエニル、チアゾリジニル、ピロリジノ、ピ ペリジノ、モルホリノまたはSO23であり; R3がジメチルアミノ、C1−C6アルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、C3− C7シクロアルキル、置換C3−C7シクロアルキルである請求項1または2に記 載の化合物または製薬的に許容されるその塩。 4.nが2または3であり; 各位置のRが独立してフルオロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ジメ チルアミノであり; R2がC1−C4アルキル、C3−C7シクロアルキル、ピロリジノまたはSO23 であり; R3がジメチルアミノ、C1−C4アルキルまたはC3−C7シクロアルキルであ り; Zが水素またはC1−C4アルキルである請求項3に記載の化合物または製薬的 に許容されるその塩。 5.各位置のRがフルオロであり; R2がC1−C4アルキル、C3−C7シクロアルキルまたはSO23であり; R3がジメチルアミノまたはC1−C4アルキルであり; Zが水素またはメチルである請求項4に記載の化合物または製薬的に許容され るその塩。 6. である請求項5に記載の化合物または製薬的に許容されるその塩。 7. である請求項6に記載の化合物または製薬的に許容されるその塩。 8.請求項1または2のいずれかに記載の化合物または製薬的に許容されるそ の塩を1つまたはそれ以上の製薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とと もに含む医薬製剤。 9.フラビウイルスを阻害する方法であって、それを必要としている宿主に、 請求項1または2のいずれかに記載の化合物または製薬的に許容されるその塩の 有効量を投与することを含む方法。 10.ピコルナウイルスを阻害する方法であって、それを必要としている宿主 に、請求項1または2のいずれかに記載の化合物または製薬的に許容されるその 塩の有効量を投与することを含む方法。 11.式I(d): [式中: nは0、1、2、3、4または5であり; 各位置のR’は独立して、ハロ、シアノ、シアノ(C1−C4)アルキル、アミ ノ、ハロ(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4) アルキルアミノ、アジド、カルボキシ、C1−C6アルキル、カルバモイル、カル バモイルオキシ、カルバモイルアミノ、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル 、−OCF3、OCCl3、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル 、C1−C4アルコキシカルボニルアミノ、ホルミル、C2−C4アルカノイル、ホ ルミルオキシ、C2−C4アルカノイルオキシ、ホルミルアミノ、C2−C4アルカ ノイルアミノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1− C4アルキルスルホニル、ピロリジノ、ピペリジノまたはモルホリノであり; ROは水素、ハロ、C1−C4アルキルまたはC1−C4アルコキシであり; R1は水素、C(O)(C1−C6アルキル)、SO2(C1−C6アルキル)、ま たはC(O)CF3であり; R2はC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、ハロ(C1−C6)アルキ ル、フェニル、置換フェニル、フリル、チエニル、チアゾール−2−イル、2− アセトアミド−4−メチル−チアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾー ル−2−イル、2−メチル−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、2−メチ ルアミノ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、SO23または式: で示される基であり; R3はC1−C10アルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、C3−C7シクロアルキ ル、置換C3−C7シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、チエニ ル、チアゾリジニル、フリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはNR45であり; R4およびR5は独立してC1−C4アルキルであるか、あるいはR4およびR5は それらが結合している窒素原子といっしょになって、ピロリジノ、ピペリジノま たはモルホリノ環を形成する] で示される化合物または製薬的に許容されるその塩の製造方法であって; a)10℃〜30℃の間の温度で、適当な溶媒中の式IV: で示される化合物を1.05〜1.20当量の範囲の臭素化剤と反応させ; b)場合により、工程a)の生成物を塩化する工程を含む方法。 12.臭素化剤が臭素原子である請求項11に記載の方法。 13.臭素化剤との反応を20℃〜25℃の間の温度で1〜3時間の範囲で進 行させる請求項12に記載の方法。 14.さらに、 a)式IV(d)の化合物を適当な溶媒中、動的塩基で脱プロトン化し; b)工程a)の生成物を2°または3°C3−C4アルキルリチウムに暴露し; c)工程b)の生成物をハロゲン化試薬に暴露し; d)場合により、請求項14、工程c)の生成物を塩化して、式I(e): で示される化合物または製薬的に許容されるその塩を得る工程を含む請求項11 に記載の方法。 15.動的塩基がフェニルリチウムであり、2°または3°C3−C6アルキル リチウムがt−ブチルリチウムである請求項14に記載の方法。 16.フラビウイルスを阻害するのに用いる、請求項1または2のいずれかに 記載の化合物または製薬的に許容されるその塩。 17.ピコルナウイルスを阻害するのに用いる、請求項1または2のいずれか に記載の化合物または製薬的に許容されるその塩。 18.いずれかの実施例に関して本明細書中に実質的に記載される式Iの化合 物。 19.いずれか1つの実施例に関して本明細書中に実質的に記載される式Iの 化合物の製造方法。
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