JP2002503251A - 単純ヘルペスウイルスvp22ワクチンおよび使用の方法 - Google Patents

単純ヘルペスウイルスvp22ワクチンおよび使用の方法

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Abstract

(57)【要約】 細胞性免疫応答を誘発し得る、単純ヘルペスウイルス(HSV)VP22ポリペプチドを含むワクチン、およびワクチンを使用してHSV感染を処置および予防するための方法が、開示される。ワクチンは、HSV糖タンパク質のようなさらなるHSVポリペプチドを含み得る。DNA免疫の方法もまた、開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 単純ヘルペスウイルスVP22ワクチンおよび使用の方法 発明の背景 技術分野 本発明は、一般にヘルペスウイルスワクチン組成物に関する。特に、本発明は 、VP22ポリペプチドを含むワクチンおよびワクチンを使用する単純ヘルペスウイ ルス感染の処置および予防のための方法に関する。発明の背景 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染は、極めて流行性であり、そして免疫が損な われた状態の個体および新生児において、明らかに無症候性獲得から重症疾患お よび生命を脅かす感染までの症状の範囲を有する。これらの感染は、2つのウイ ルス(単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)および単純ヘルペスウイルス2型(HSV- 2))によって生じる。HSV-1は、経口感染の優性な原因であり、そして通常、幼 児期において獲得されるが、HSV-2感染は、通常、性行為感染症である。しかし 、これらの区別は不明確であり、そして陰部ヘルペスの25%までが、HSV-1に よって生じる。初期感染に続いて、ウイルスは生涯にわたって潜伏状態を確立し 、そして周期的に再活性化する。これは臨床的に明らかな損傷性発症または無症 候性ウイルス脱殻を生じる。 抗ウイルス薬剤であるアシクロビルの有効性にもかかわらず、人口におけるHS V-2の出現率は、8〜50%の範囲にあり、そして増加している。この増加の明らか な理由は、ほとんどの個体が、これらの感染に気づかないでいることである。さ らに、大多数の伝染は、脱殻したウイルスから無症候性で生じる。 一般に、HSVは約150〜160kbpのゲノムを有する二本鎖DNAウイルスである。HSV -1およびHSV-2のウイルスゲノムは、同一線形順序に並んでおり、ゲノム全体に 渡って50%を超える相同性を共有する。いくつかの遺伝子について、2つのウイ ルス型の間のアミノ酸同一性は、80〜90%程度である。この類似性の結果として 、多くのHSV特異的抗体は、両方のウイルス型について交差反応性である。 ウイルスゲノムは、膜に包まれている正二十面体のヌクレオカプシド内にパッ ケージングされる。膜(またはエンベロープ)は、少なくとも10のウイルスコ ード糖タンパク質を含み、最も豊富な糖タンパク質は、gB、gC、gD、およびg Eである。ウイルス糖タンパク質は、細胞レセプターへのウイルス付着のプロセ ス、およびウイルスの細胞への侵入を許容するためのウイルス膜と宿主細胞膜と の融合に関与する。これらの位置(ビリオンの表面上)およびこれらの役割の結 果として、糖タンパク質が中和抗体および抗体依存性細胞細胞傷害性(ADCC)抗体 の標的となる。ウイルス型内に、糖タンパク質遺伝子の限定された(1〜2%) 系統から系統への配列可変性がある。ウイルスゲノムはまた、カプシドとエンベ ロープとの間に位置する、VP16およびVP22(これらは、ビリオンテグメントと関 連する)を含む、70を超える他のタンパク質をコードする。(VPは「ビリオンタ ンパク質」を表す) HSVワクチン開発のための1つのアプローチは、単離された糖タンパク質の使 用(これは、予防と治療の両方であることが示されてきた)である。例えば、Bu rkeら、Virology,(1991)181:793-797;Burkeら、Rev.Infect.Dis.(1991)13( 増補11):S906-S911;Strausら、Lancet(1994)343:1460-1463;Hoら、J.Virol. (1989)63:2951-2958;Stanberryら、J.Infect.Dis.(1988)157:156-163;および Stanberryら、(1987)J.Infect.Dis.155:914-920;Stanberry,L.R.「Subuni t Viral Vaccines:prophylactic and the rapeutic use.」Aurelian L(編)Herpes viruses,the Immune Systems and Aids.Kluwer,Boston,309-341頁を参照の こと。同様に、ワクチン組成物におけるVP16の使用が、最近記載されている。EP 公開第541,692号を参照のこと。さらに、ヘルペス障害から回復したT細胞クロー ンが、VP16と反応性であることが示されてきた(Koelleら、J.Virol.(1994)68 :2803-2810を参照のこと)。 多くのウイルスに対するワクチン接種は、免疫系の細胞性および体液性両方の 装備を標的化すべきであるという高まりつつある証拠がある。この点に関して、 細胞傷害性Tリンパ球(CTL)は、細胞内病原体および特にウイルスに対して細胞媒 介免疫防御において、重要な役割を果たす。CTLは、感染した細胞によって提示 されるMHCクラスI分子との結合において認識されているウイルス決定基によって 、ウイルス感染した細胞の細胞傷害性を媒介する。タンパク質の細胞質内発現は 、一般に、MHCクラスIプロセシングおよびCTLに対する抗原ペプチドの提示のた めの必要条件であると考えられている。サブユニット糖タンパク質ワクチンでの 免疫は、細胞内感染を阻止するために不可欠なCTLを効果的に産生し損ない得る 。 従って、細胞性免疫応答を誘発し得る、HSVに対する有効なワクチンの幅広い 利用性は、それゆえ非常に所望される。発明の要旨 本発明は、HSV感染を処置および予防するための方法、ならびにその方法にお いて使用するための組成物を提供する。特に、組成物は、ウイルステグメントタ ンパク質VP22(これは、本明細書中で示されるように、細胞性免疫応答を誘発し 得る)由来のポリペプチドを含む。組成物は、HSV糖タンパク質およびVP16のよ うなさらなるHSVポリペプチドを含み得る。このように、免疫は、細胞性免疫お よび体液性免疫の両方を誘発し、そしてHSV感染に対する予防および有SV感染を 処置するための非常に有効な方法を提供する。 従って、1つの実施態様において、本発明は、HSV VP22ポリペプチド(これは 、哺乳動物被検体において細胞性免疫応答を誘導し得る)を含むサブユニットワ クチン組成物、および薬学的に受容可能な賦形剤へ指向される。VP22ポリペプチ ドは、HSV-1またはHSV-2に由来し得る。別の実施態様は、HSV VP16ポリペプチド および/またはHSV糖タンパク質をさらに含む組成物に指向される。 別の局面において、本発明は、以下: (a)哺乳動物被検体において細胞性免疫応答を誘導可能である単離されたVP22 ポリペプチドを提供する工程;および (b)薬学的に受容可能な賦形剤とともにVP22ポリペプチドを処方する工程、 を含む、HSV感染の処置または予防のための組成物を産生するための方法に指向 される。 なお別の実施態様において、本発明は、上記で記載されるような組成物を、被 検体に投与する工程を含む、哺乳動物被検体におけるHSV感染を処置または予防 するための方法に指向される。組成物は、1次感染前および/または1次感染後 に投与され得る。 さらなる実施態様において、本発明は、哺乳動物被検体において細胞性免疫応 答を誘導可能である、HSV VP22ポリペプチドをコードする遺伝子を含むウイルス ベクターに指向される。遺伝子はHSV-1またはHSV-2由来であり得る。 なお別の実施態様において、本発明は、上記に記載されるようなウイルスベク ターを被検体に投与する工程を含む、哺乳動物被検体におけるHSV感染を処置ま たは予防するための方法に指向される。 なおさらなる実施態様において、本発明は、組換えベクター(これは、哺乳動 物宿主細胞において遺伝子の転写および翻訳を指向する制御要素に作動可能に連 結されたHSV VP22ポリペプチドをコードする遺伝子を含む)を含むワクチン組成 物および薬学的に受容可能な賦形剤に指向される。VP22ポリペプチドをコードす る遺伝子は、HSV-1またはHSV-2由来であり得、そしてベクターは、非ウイルスベ クターまたはウイルスベクターであり得る。 なお別の実施態様において、本発明は、上記の組成物を投与する工程を含む、 哺乳動物被検体において、HSV感染を処置または予防するための方法に指向され る。 本発明のこれらのおよび他の実施態様は、本明細書の開示を考慮して、容易に 当業者に想到される。 図面の簡単な説明 図1A〜1B(配列番号:_)は、UL49 ORFの配列およびHSV-2 VP22の予測された アミノ酸配列を示す。保存的なC→T塩基変化は、70位で下線を付される。 図2は、バキュロウイルス発現ベクターであるpAc13(これは、VP22をコード するヌクレオチド配列を含む)を示す。 図3は、ワクシニアシャトルベクターであるpHS232(これは、UL49を含み、HSV -2 VP22をコードする)を示す。 図4は、実施例に記載されるような、HSV-2×HSV-1型間組換え体を使用して、 C D8+、HSV特異的CTLクローンによって認識される抗原の局在化を示す。発明の詳細な説明 本発明の実施は、他に示されない限り、ウイルス学、微生物学、分子生物学の 従来の方法、および当業者の範囲内の組換えDNA技術を使用する。このような技 術は、文献で十分に説明される。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A La boratory Manual(第2版、1989);DNA Cloning:A Practical Approach,第I巻お よび第II巻(D.Glover編);Oligonucleotide Synthesis(N.Gaitら編、1984 );Nucleic Acid Hybridization(B.HamesおよびS.Higglns編、1985);Transc ription and Translation(B.HamesおよびS.Higgins編、1984);Animal Cell C ulture(R.Freshney編、1986);Perbal,A Practical Guide to Molecular Cl oning(1984);Fundamental Virology,第2版、第I巻および第II巻(B.N.Field sおよびD.M.Knipe編)を参照のこと。 本明細書中および添付の請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」 、および「the」は、文脈が明らかに他を記載しない限り、複数の言及を含む。 I.定義 本発明の記載において、以下の用語が使用される。これらは、以下に示される ように規定されることが意図される。 HSV VP22、VP16、gB、gDなどを参照して使用される場合、用語「ポリペプチド 」は、任意の種々のHSV-1またはHSV-2株由来の、VP22、VP16、gB、gDなどのポリ ペプチド(天然のポリペプチド、組換えポリペプチド、または合成ポリペプチド のいずれか)をいう。この用語は、任意の種々のHSVタンパク質(糖タンパク質 、外被タンパク質などを含む)由来のポリペプチドを意図する。ポリペプチドは 参照分子の全長アミノ酸配列を含む必要はないが、ポリペプチドがその意図され た目的を機能するために必要な分子のみを含む必要がある。従って、例えば、VP 22の場合、以下に規定されるように、細胞性免疫応答を惹起し得る1つ以上のエ ピトープが存在する必要がある。 従って、ポリペプチドは、全長配列、フラグメント、短縮型配列および部分配 列、アナログ、ならびに参照分子の前駆体形態、ならびに他のタンパク質とのポ リペプチド融合体を含み得る。それゆえ、この用語は、ポリペプチドが意図され るように機能する限り、配列の欠失、付加、および置換を意図する。これに関し て、特に好ましい置換は、一般に、天然において保存的である(すなわち、側鎖 で関連性のあるアミノ酸ファミリー内で生じる置換)。特に、アミノ酸は、一般 に、4つのファミリーに分けられる:(1)酸性--アスパラギン酸およびグルタ ミン酸;(2)塩基性--リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性--アラニ ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニ ン、トリプトファン;ならびに(4)無電荷極性--グリシン、アスパラギン、グ ルタミン、システイン、七リン、スレオニン、チロシン。フェニルアラニン、ト リプトファン、およびチロシンは、ときどき、芳香族アミノ酸として分類される 。例えば、単離された、イソロイシンまたはバリンでのロイシンの置換体、グル タミン酸でのアスパラギン酸の置換体、セリンでのスレオニンの置換体、または 、構造的に関連するアミノ酸でのアミノ酸の類似した保存的置換体が、生物学的 活性に主要な影響を及ぼさないことが合理的に予測される。参照分子と実質的に 同じアミノ酸配列を有するが、タンパク質の抗体結合能に実質的な影響を及ぼさ ない主要なアミノ酸置換を有するタンパク質は、それゆえ、参照ポリペプチドの 定義内である。 用語「HSV糖タンパク質」は、HSV-1およびHSV-2の膜領域に見られる任意の糖 タンパク質由来である、上で規定されるようなポリペプチドをいう。現在好まし いHSV糖タンパク質は、HSV-1またはHSV-2のいずれか由来のgB、gC、gDおよびgE である。天然の供給源(例えば、感染細胞培養由来)、および合成的または組換 え的に産生される糖タンパク質から抽出された糖タンパク質は、定義に含まれる 。このような糖タンパク質は、化学的手段もしくは酵素学的手段(例えば、タン パク質分解による切断、脱グリコシル化など)によって、または変異によって、 または組換えDNA技術(例えば、HSV糖タンパク質エピトープをコードする遺伝子 を、互いに、もしくは融合タンパク質を提供する他の遺伝子と融合すること、ま たはDNA配列の欠失断片または置換断片によって)によってのいずれかで改変さ れ得る。 例えば、分子内に存在する膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインの全てまたは 一部を欠失することが所望され得る。例えば、国際公開番号WO 96/04382(1996 年2月15日公開)、およびWO 95/31555(1995年11月23日公開)を参照のこと。こ のような欠失は、分泌および可溶性の増強を可能にし、そしてそれゆえ、組換え 的に産生される場合、分子の回収を増強させ、その一方で、HSV-1および/または HSV-2への抗体の反応性をなお維持する。所定のタンパク質における膜貫通ドメ インの位置は、Kyteら、J.Mol.Biol.(1982)157:105-132;ならびにHoppおよび Woods,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1981)78:3824-3828に記載されるように、2 0アミノ酸の各々の疎水性および親水性特性を利用して、タンパク質のアミノ酸 配列から疎水性親水性指標規模を定式化するコンピュータープログラムを使用し て決定され得る。HSV gBおよびgDならびにその抗原性タンパク質は、以下にさら に記載される。 「VP22ポリペプチド」は、HSV-1またはHSV-2VP22由来の上記に規定されるよう なポリペプチドを意味する。VP22は、ウイルスのキャプシドとエンベロープとの 間に位置するウイルス性外被タンパク質である。VP22をコードする遺伝子は、「 UL49」(HSVゲノムの特有の長いセグメントにおけるオープンリーディングフレー ム49)と称される。例えば、ElliottおよびMeredith,J.Gen.Virol.(1992)73 :723-726を参照のこと。HSV-1 UL49のDNA配列およびHSV-1 VP22のアミノ酸配列 が報告されている。例えば、McGeochら、J.gen.Virol.(1988)69:1531-1574を 参照のこと。HSV-2 VP22のDNA配列および対応するアミノ酸配列は、本明細書中 の図1A〜1B(配列番号_)に示される。図1A〜1Bに示される配列は、参照HSV-2と 比較した場合、70位で1つの保存的塩基置換(C→T、leu→leu)を有する。用 語「VP22」は、分子が細胞性免疫応答を惹起する能力を保持する限り、上記のよ うに、参照配列の置換、欠失、および付加を含む。HSV-1およびHSV-2 VP22は、 それぞれ、301および300のアミノ酸を含む。2つのタンパク質は、約68.9%の相 同性を共有する。 「VP16ポリペプチド」は、HSV-1またはHSV-2 VP16由来である上記で規定され るポリペプチドを意味する。VP16は、ウイルスのキャプシドとエンベロープとの 間に位置するウイルス性外被タンパク質であり、これは、ICP25、VmW65、および αトランス誘導性因子(αTIF)ともいわれる。HSV-1 VP16のDNA配列およびアミ ノ酸配列が報告されている。例えば、Campbellら、J.Mol.Biol.(1984)180:1; およびTriezenbergら、Genes and Develop.(1988)2:718を参照のこと。同様に 、HSV-2 VP16のDNA配列および対応するアミノ酸配列が公知である。例えば、欧 州公開番号541,692を参照のこと。HSV-1およびHSV-2 VP16は、489アミノ酸を含 む。2つのタンパク質は、約85%の相同性を共有する。本明細書中での使用のた めのVP16の例示的な短縮型誘導体は、アミノ酸1〜416を有するVP16ポリペプチ ドを含む。細胞性免疫応答を惹起し得る、このVP16ポリペプチドおよび他のVP16 ポリペプチドは、本発明の方法を用いる使用が見出されている。 「gBポリペプチド」は、HSV-1 gB(gB1)またはHSV-2 gB(gB2)に由来する、上記 で規定されるようなポリペプチドをいう。種々のHSV株由来のgB1およびgB2のDNA 配列および対応するアミノ酸配列が公知であり、例えば、米国特許第5,244,792 号、および同第4,642,333号;PCT公開番号WO88/02634(1988年4月21日に公開され た);Stuveら、J.Virol.(1987)61:326-335;Pellettら、J.Virol.(1985)53: 243-253;およびBzikら、Virology(1984)133:301-314に報告される。全長の前 駆体gB1タンパク質は約904アミノ酸を含み、このうち約1〜30のアミノ酸は、シ グナル配列を含む第1の疎水性領域を含み;31〜約726のアミノ酸が可変性極性 領域を含み;アミノ酸727〜約795が膜貫通アンカーを含む第2の疎水性領域を含 み;そしてアミノ酸796〜約904が細胞質ドメインを含む第2の可変性極性領域を 構成する。同様に、全長gB2タンパク質は約904アミノ酸長である。最初の22のア ミノ酸はシグナル配列を構成し、そしてこの配列の切断後、成熟の非グリコシル 化タンパク質は、約98kDの推定分子量を有する。アミノ酸23〜約723は、可変性 極性の第1の領域を構成し;アミノ酸724〜約798は膜貫通ドメインを含み;そし てアミノ酸799〜約904は、細胞質ドメインを含む、第2の可変性極性領域を構成 する。 膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインの全てまたは一部を欠如するgBの例示的 な短縮型誘導体は、例えば、米国特許第5,244,792号(例えば、遺伝子の3'末端 から580bpを欠如し、且つ194のカルボキシル末端アミノ酸を欠如するタンパク質 をコードするgB1遺伝子を含む、プラスミドpHS114(ATCC受託番号39651);およ び3'末端から637bpを欠如するgB2遺伝子を含むプラスミドpHS210の記載を参照の こと)に記載されている。米国特許第5,171,568号は、1187塩基対のgB1遺伝子フ ラグメントを有するプラスミドpHS127A(ATCC受託番号39652)を記載する。任意 のこれらの誘導体、ならびに免疫学的応答を惹起し得る他のものは、本発明の組 成物および方法における使用を見出す。 「gDポリペプチド」は、HSV-1 gD(gD1)またはHSV-2 gD(gD2)由来の上記で 規定されるようなボリペプチドを意味する。gD1およびgD2のDNA配列および対応 するアミノ酸配列は公知である。例えば、米国特許第4,818,694号および同第4,8 55,224号;LaskyおよびDowbenko,DNA(1984)3:23-29;Watsonら、Gene(1983)26: 307-312;およびWatsonら、Science(1982)218:381-384を参照のこと。gD1および gD2のタンパク質は、全体的に約86%の相同性を共有する。全長gD1およびgD2は 両方とも、残基333から362に膜貫通ドメイン、および残基393にカルボキシ末端 まで伸張した細胞質ドメインを有する、約393アミノ酸を含む。gD1およびgD2タ ンパク質は、1位〜25位に生じるシグナル配列を有する。 膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインの全てまたは一部を欠如するgDの例示的 な短縮型誘導体は、米国特許第5,171,568号(例えば、プラスミドpHS211およびp HS213(これらは、それぞれ、gD2の最初の305アミノ酸および最初の352アミノ酸 をコードするgD2遺伝子を含む)の記載;およびプラスミドpHS132(これは、gD1 の315アミノ酸をコードするgD1遺伝子を含む)の記載;Laskyら、Bio/Technolog y(1984年6月):527-532(これは、最初の300アミノ酸残基を有するgD1ポリペ プチドをコードする短縮型gD1遺伝子を記載する)を参照のこと)に記載されて いる。種々のgDポリペプチドもまた構築されており、これは、米国特許第4,618 ,578号(例えば、プラスミドpYHS116およびpYHS117(これらは、gD1のシグナル 配列コード領域の欠失を含む600bpの5'欠失を含む);プラスミドpYHS118(これ は、上記の600bpの欠失を含み、ならびにgD1のアンカー配列のほとんどを含むコ ード領域の3'末端における1300bpの欠失を含む);プラスミドpYHS119(これは 、5'末端の600bpの欠失、ならびに全膜アンカー領域およびgD1のアンカー配列の 約700bp上流の欠失を含む、3'末端の2400bpの欠失を含む)の記載を参照のこと )に記載されるように、シグナル配列の全てまたは一部を欠如する。任 意のこれらの誘導体、ならびに免疫学的応答を惹起し得る他のものは、本発明の 組成物および方法における使用を見出す。 「エピトープ」は、特異的なB細胞およびT細胞が応答する抗原における部位 を意味する。この用語はまた、互換的に「抗原決定基」または「抗原決定部位」 として使用される。本明細書中で使用される用語「エピトープ」は、線状エピト ープおよび構造エピトープの両方をいう。エピトープは、エピトープに特有の空 間的構造において3以上のアミノ酸を含み得る。一般に、エピトープは、少なく とも5つのこのようなアミノ酸から成り、そしてより通常では、8〜10のこのよ うなアミノ酸から成る。所定のタンパク質におけるエピトープの同定は、当該分 野で周知の技術を使用して容易に達成される。例えば、アミノ酸の空間的構造を 決定する方法は当該分野で公知であり、これには、例えば、x線結晶および2次 元核磁気共鳴が含まれる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,第66巻(Glenn E.Morris編、1996)を参照のこと。エピト ープを決定する他の方法もまた公知である。例えば、Geysenら、Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA(1984)81:3998-4002(所定の抗原において免疫原性エピトープの位 置を決定するために、迅速にペプチドを合成する一般的な方法);米国特許第4, 708,871号(抗原のエピトープを同定および化学的に合成するための手順);お よびGeysenら、Molecular Immunology(1986)23:709-715(所定の抗体に対する高 親和性を有するペプチドを同定するための技術)を参照のこと。同じエピトープ を認識する抗体は、片方の抗体が、別の抗体の標的抗原への結合をブロックする 能力を示す、簡単なイムノアッセイにおいて同定され得る。 本明細書中で使用される、組成物またはワクチンに対する「免疫学的応答」は 、目的のワクチンに存在するポリペプチドに対する体液性および/または細胞性 免疫応答の、被験体における発生である。本発明の目的についての「細胞性免疫 応答」は、クラスIまたはクラスIIのMHC分子に関連して、細胞表面で目的の抗原 の存在によって、哺乳動物の被験体を感作させる応答である。このように、CTL は、提示された分子に対して作成され得、免疫された宿主のさらなる保護を可能 にする。細胞媒介性免疫学的応答の存在は、当該分野において周知である、CTL 細胞障害性細胞アッセイ(例えば、Ericksonら、J.Immunol.(1993)151:4189-4 19 9;Doeら、Eur.J.Immunol.(1994)24:2369-2376に記載されるアッセイ、および 以下の実施例にさらに記載されるアッセイ)を使用して決定され得る。 本発明の組成物におけるポリペプチドもまた、抗体媒介性免疫応答、または体 液性免疫応答を惹起し得る。従って、本明細書中で使用される免疫学的応答は、 CTLの産生を刺激する応答であり、そして以下の効果の1つ以上もまた含む;B 細胞による抗体の産生、目的の組成物またはワクチンに存在する抗原に特異的に 指向されるヘルパーT細胞およびサプレッサーT細胞。これらの応答は、伝染性 を中和するために、および/または免疫された宿主への保護を提供するための抗 体-補体もしくは抗体依存的細胞障害性を媒介するために作用し得る。このよう な応答は、当該分野で周知の標準的なイムノアッセイおよび中和アッセイ(例え ば、ウェスタンブロット、ドットブロット、および免疫親和性アッセイ)を使用 して決定され得る。 「サブユニットワクチン」は、HSVに由来するかまたはHSVに相同な1つ以上の 選択された免疫原性ポリペプチドを含むが全てのポリペプチドは含まない、ワク チン組成物を意味する。このような組成物は、インタクトな病原細胞もしくは病 原粒子、またはこのような細胞もしくは粒子の溶解物を実質的に含まない。従っ て、「サブユニットワクチン」は、HSVから少なくとも部分精製された(好まし くは実質的に精製された)免疫原性ポリペプチドまたはそのアナログから調製さ れ得る。サブユニットワクチンに含まれる抗原を得る方法は、従って、標準精製 技術、組換え的生成、または合成的生成を含み得る。 2つの核酸配列またはポリペプチド配列は、ヌクレオチドまたはアミノ酸の少 なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80〜90%、そして最も好ましくは少な くとも約95%以上が分子の規定された長さにわたってマッチする場合、「実質的 に相同性」である。本明細書中で使用される場合、実質的に相同性はまた、特定 の核酸配列またはポリペプチド配列に同一性を示す配列をいう。実質的に相同性 である核酸配列は、例えば、特定のシステムについて規定されるようなストリン ジェントな条件下で、サザンハイブリダイゼーション実験において同定され得る 。規定された適切なハイブリダイゼーション条件は、当該分野内である。例えば 、Sambrookら、前出、DNA Cloning,第I巻および第II巻、前出;Nucleic Acid H yb ridization、前出を参照のこと。このような配列はまた、PCR産物の直接的な配 列決定によって確認され得、そしてさらに特徴付けられ得る。例えば、相同性は 、相同性領域間で安定な二重鎖を形成する条件下でポリヌクレオチドのハイブリ ダイゼーションによって決定され得る。例えば、安定な二重鎖は、一本鎖特異的 ヌクレアーゼ(例えば、S1)での消化に耐性を示す鎖である。このような二重鎖 は、種々の方法(例えば、消化されたフラグメントのサイズ決定)によって分析 され得る。 「ストリンジェンシー」は、異なる配列にわたって非常に類似した配列の結合 を好むハイブリダイゼーション反応における状態をいう。例えば、研究を下に計 算されたハイブリッドのTmよりも約12〜20℃低い、温度と塩濃度との組み合わせ が選択されるべきである。 配列同一性を決定する他の技術は当該分野で周知であり、そしてこれは、目的 のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を決定する工程およびそれを第2 の配列と比較する工程を包含する。Wisconsin Sequence Analysis Package,Ver sion 8(Genetics Computer Group,Madison,WIから入手可能)において入手可 能なプログラム、例えば、BESTFIT、FASTA、およびGAPプログラムは、2つの分 子間の同一性を計算し得る。 「精製された」または「単離された」ポリペプチドは、組換え的または合成的 に産生されたポリペプチド、またはその天然供給源から単離されたポリペプチド であり、その結果、組成物中に存在するタンパク質の量は、粗ウイルス調製物に 存在するものよりも実質的に高い。一般的に、精製タンパク質は、>50%の相同 性、そしてより好ましくは>80%〜90%の相同性である。本発明のいくつかの組 成物は、2つ以上の精製ポリペプチドを含む。 本明細書中で使用される「処置(treatment)」は、任意の(i)伝統的なワク チンにおけるような、感染または再感染の予防、(ii)症候性疾患の低減または 除去およびまたは無症候性ウイルス脱粒、ならびに(iii)目的の病原の実質的 な除去または完全な除去をいう。処置は、予防的に(感染の前)または治療的に (感染の後)にもたらされ得る。 「哺乳動物被験体」は、哺乳動物クラスの任意のメンバーを意味し、ヒトおよ び非ヒト霊長類(例えば、チンパンジー、ならびに他のサル(ape)およびサル(mo nkey)種);家畜(farm animal)(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、および ウマ);家畜(domestic mammal)(例えば、イヌおよびネコ):ならびにげっ 歯類(例えば、マウス、ラット、およびモルモット)を含む研究用動物を含むが 、これらに限定されない。この用語は、特に年齢を記載しない。従って、成体、 新生仔、および胎仔の哺乳動物が含まれることが意図される。 II.発明を実施するための形態 本発明は、VP22が主要なCTL標的であり、それゆえHSVに対するCTL応答におい て重要な抗原であるという発見に基づく。従って、本明細書中に記載されるワク チンは、MHCクラスI分子とVP22ポリペプチドとの会合による細胞性免疫を提供 する。従って、抗原を将来認識するのを可能にするCTLの生成を刺激する、VP22 に対するインビボの細胞性免疫応答を、上昇させ得る。 詳細には、クラスIに拘束されるHSV特異的CTLであるCD8+を、ヘルペスを頻繁 に再発する個体からクローニングし、1つ以上の細胞性応答の重要な標的を同定 するためのツールとして使用した。CD8+のCTLは、細胞内プロセシングの後にウ イルス抗原を認識するので、どの程度多くの、およびどのウイルス遺伝子産物が CTLによって認識されるかの同定は、試薬およびこのウイルス抗原がプロセシン グされ、そして提示され得るように標的細胞の細胞質に同定可能なタンパク質を 送達する方法論を必要とする。それゆえ、下記の実施例においてさらに記載され るように、いくつかのアプローチを、以下を含むこれらのクローンによって認識 される抗原を同定するために使用した:(1)ウイルス遺伝子発現の転写クラス(例 えば、前初期、初期、後期など)を薬物を使用して限定すること;(2)HSV-1ゲノ ムのバックグラウンド内にHSV-2ゲノムの異なるセグメントを含んだHSV-1×HSV- 2の型間組換えウイルス;(3)合成ペプチド;および(4)特異的HSV遺伝子を発現す る組換えワクシニアウイルス。このような技術を使用して、VP22がHSV特異的CD8+ CTLによって確かに認識され、そのためHSV感染の処置および予防のためのワク チン組成物において有用であることが見出された。 さらに、本発明のVP22を含有する組成物は、細胞性免疫応答および/または体 液性免疫応答を誘発し得る他のHSVポリペプチドを含み得る。例えば、テグメン トタンパク質であるHSV VP16はまた、細胞性免疫応答を誘発することが示されて きた。従って、本発明のワクチンは、このような応答を誘発し得る、このテグメ ントタンパク質または他のテグメントタンパク質を含み得る。さらに、上記に定 義したように、HSV gB、HSV gDなどのようなHSV糖タンパク質は、予防的状況お よび治療的状況の両方において有効であることが示されてきた。例えば、Burke ら、Virology(1991)181:793-797;Burkeら、Rev.Infect.Dis.(1991)13(増補11): S906-S911;Strausら、Lancet(1994)343:1460-1463;Hoら、J.Virol.(1989)63:29 51-2958;Stanberryら、J.Infect.Dis.(1988)157:156-163;およびStanberryら (1987)J.Infect.Dis.155:914-920;Stanberry,L.R「Subunit Viral Vaccines:p rophylactic and therapeutic use.」、Aurelian L(編)Herpesviruses,the Immu ne Systems and Aids、Kluwer,Boston,309-341頁を参照のこと。これらの糖タン パク質は、体液性免疫応答を誘発し、そして本発明の組成物に存在する場合、細 胞性免疫および体液性免疫の両方を誘発し得るワクチンを提供する。 本発明のワクチンにおいて使用するためのポリペプチドは、種々の技術を使用 して生成され得る。例えば、所望のテグメントタンパク質および/または糖タン パク質のようなHSVポリペプチドは、当該分野で周知の方法を使用して天然の供 給源から直接単離され得る。一般的には、このような方法は、目的のポリペプチ ドを感染血清または組織培養において増殖させたウイルスから単離することを必 要とする。例えば、ビリオンは、SpearおよびRolizman、J.Virol.(1972)9:143-1 59に記載されるように精製され得る。簡潔には、この方法は、核の破壊を防ぐた めに注意深く細胞質を抽出すること、いくつかのデキストラン勾配を介した細胞 質抽出物のレートゾーン遠心分離によって、可溶性タンパク質および膜ベシクル からエンベロープ型ヌクレオキャプシドを分離すること、ウイルス細片凝集物を 解離させるために尿素で処理すること、ならびに不連続スクロース勾配において 等密度の浮遊による裸のヌクレオキャプシドおよび遊離膜からビリオンを分離す ることを包含する。タンパク質は、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、HPLC 、免疫吸着技術、アフィニティークロマトグラフィー、および免疫沈降のような 方法を使用してさらに精製され得る。任意の種々のHSV-1およびHSV-2株は、所望 の テグメントおよび糖タンパク質の供給源として使用され得る。 HSVテグメントポリペプチドおよび糖タンパク質はまた、当該分野で周知の組 換え方法を使用して産生され得る。例えば、いくつかのHSVのgBおよびgDポリペ プチドを組換え的に産生する方法は、例えば、米国特許第5,171,568号;Stanber ryら、J.Infect.Dis(1987)155:914-920;およびStanberryら、J.Gen.Virol.(198 9)70:3177-3185に記載される。VP16ポリペプチドを組換え的に産生する方法は、 例えば、EP公開第541,692号およびTriezenbergら、Genes and Develop.(1988)2: 718に記載される。HSV VP22を組換え的に産生するための方法は、例えば、Lesli eら、Virology(1996)220:60-68、ならびにElliottおよびMeredith、J.Gen.Virol .(1992)73:723-726に記載される。 これらのおよび他のHSVテグメントポリペプチドおよび糖タンパク質は、以下 のように組換え的に産生され得る。一般的に、組換え産生について、オリゴヌク レオチドプローブは、HSVゲノムの公知の配列に基づいて考案され得、そして本 発明において有用なポリペプチドをコードするHSV遺伝子についてのゲノムライ ブラリーまたはcDNAライブラリーをプローブするために使用され得る。この点に 関して、VP22をコードする遺伝子、HSV-1 UL49のヌクレオチド配列は、McGeoch ら、J.Gen.Virol.(1988)69:1531-1574において報告され、そしてプローブ設計の ための基礎として使用され得る。 次いで、この遺伝子は、標準的な技術を使用してさらに単離され得、所望され るならば、PCRアプローチまたは制限酵素が、全長配列の一部を欠失させるため に使用され得る。例えば、HSV糖タンパク質の場合において、上記のように、膜 貫通結合ドメインおよび細胞質ドメインの全てまたは一部を欠失させて、ポリペ プチドの収量の増加を提供することが所望され得る。 同様に、HSV遺伝子は、例えばフェノール抽出のような公知の技術を使用して 、HSV遺伝子を含む細胞および組織から直接単離され得、そしてこの配列は、任 意の所望の改変を生じるためにさらに操作され得る。例えば、DNAを得て単離す るために使用される技術の記載については、Sambrookら、前出を参照のこと。最 終的に、HSVポリペプチドをコードする遺伝子は、公知の配列に基づいて、合成 的に産生され得る。このヌクレオチド配列は、所望される特定のアミノ酸配列に 適 切なコドンを使用して設計され得る。一般的に、この配列が発現されることが意 図される宿主に好ましいコドンを選択し得る。完全配列は、一般的に、標準的な 方法によって調製される重複オリゴヌクレオチドから構築され、そして完全なコ ード配列に構築される。例えば、Edge、Nature(l98l)292:756;Nambairら、scie nce(1984)223:1299;Jayら、J.Biol.Chem.(1984)259:6311を参照のこと。 一旦、所望のHSVポリペプチドについてのコード配列が単離されるかまたは合 成されると、それらは、種々の系(昆虫、哺乳動物、細菌、ウイルス、および酵 母の発現系を含み、これらは、全て当該分野において周知である)における発現 のための任意の適切なベクターまたはレプリコンにクローニングされ得る。特に 宿主細胞は、所望のコード配列に作動可能に連結された制御配列を含む発現ベク ターで形質転換される。 制御配列は、使用される特定の宿主細胞と適合性である。例えば、哺乳動物細 胞発現のための代表的なプロモーターとしては、とりわけ、SV40初期プロモータ ー、マウス乳腺癌ウイルスLTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモー ター(AdMLP)、サイトメガロウイルス前初期プロモーター、および単純ヘルペス ウイルスプロモーターが挙げられる。マウスメタロチオネイン遺伝子由来のプロ モーターのような他の非ウイルスプロモーターはまた、哺乳動物の構築物におけ る使用を見いだす。哺乳動物の発現は、プロモーターに依存して、構成性である か、または調節性(誘導性)であるかのいずれかであり得る。代表的には、転写終 結およびポリアデニル化配列もまた存在し、翻訳停止コドンに対して3'に配置さ れる。転写ターミネーター/ポリアデニル化シグナルの例としては、SV40および ウシ成長ホルモン由来のものが挙げられる(Sambrookら、前出)。スプライスドナ ーおよびアクセプター部位を含むイントロンはまた、本発明の構築物中に設計さ れ得る。 エンハンサーエレメントはまた、発現レベルを増加するために哺乳動物構築物 において使用され得る。例としては、SV40初期遺伝子エンハンサー(Dijkemaら、 EMBO J.(1985)4:761)、ならびにラウス肉腫ウイルス(Gormanら、Proc.Natl.Acad .Scl.USA(l982b)79:6777)およびヒトサイトメガロウイルス(Boshartら、Cell(19 85)41:521)の長末端反復(LTR)由来のエンハンサー/プロモーターが挙げられる。 シグナルペプチドをコードする配列を含むリーダー配列もまた存在して、哺乳動 物細胞において外来タンパク質の分泌を提供し得る。好ましくは、リーダー配列 がインビボまたはインビトロでのいずれかで切断され得るように、リーダーフラ グメントと目的の遺伝子との間でコードされるプロセシング部位が存在する。ア デノウイルスの三部分(tripartite)リーダーは、哺乳動物細胞において外来タン パク質の分泌を提供するリーダー配列の例である。 一旦完了すると、哺乳動物発現ベクターを使用して、任意のいくつかの哺乳動 物細胞を形質転換し得る。哺乳動物細胞に異種ポリヌクレオチドを導入するため の方法は、当該分野で公知であり、そしてこれらの方法としては、デキストラン 媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈澱、ポリブレン媒介トランスフ エクション、プロトプラスト融台、エレクトロポレーション、リポソームにおけ るポリヌクレオチドのカプセル化、および核へのDNAの直接マイクロインジェク ションが挙げられる。発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株がまた 公知であり、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、乳仔ハムスタ ー腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞ガン細胞(例えば、Hep G2)な どが挙げられるが、これらに限定されない、American Type Culture Collection (ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株が挙げられる。 本発明の構築物はまた、酵母において発現され得る。酵母ベクターの制御配列 は、当該分野で公知であり、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(EP公開第284,04 4号)、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、グリ セルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ 、ホスホフルクトキナーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、およびピルビン酸 キナーゼ(PyK)(EP公開第329,203号)のようなプロモーターが挙げられる。酸性ホ スファターゼをコードする酵母PH05遺伝子はまた、有用なプロモーター配列を提 供する(Myanoharaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:1)。さらに、天然に存 在しない合成プロモーターもまた、酵母プロモーターとして機能する。例えば、 ある酵母プロモーターの上流活性化配列(UAS)は、別の酵母プロモーターの転写 活性化領域と結合されて、合成ハイブリッドプロモーターを作製し得る。このよ うなハイブリッドプロモーターの例としては、GAP転写活性化領域に連結されたA DH 調節配列が挙げられる(米国特許第4,876,197号および同第4,880,734号)。ハイブ リッドプロモーターの他の例としては、GAPまたはPyKのような解糖酵素遺伝子の 転写活性化領域と組み合わせて、ADH2、GAL4、GAL10、またはPH05遺伝子のいず れかの調節配列から構成されるプロモーターが挙げられる(EP公開第164,556号) 。さらに、酵母プロモーターは、酵母RNAポリメラーゼを結合し、転写を開始す る能力を有する非酵母起源の天然に存在するプロモーターを含み得る。 酵母発現ベクターに含まれ得る他の制御エレメントは、ターミネーター(例え ば、GAPDH由来のおよびエノラーゼ遺伝子由来の(Holland,J.Biol.Chem.(1981)25 6:1385))、ならびに分泌についてのシグナル配列をコードするリーダー配列であ る。適切なシグナル配列をコードするDNAは、例えば、酵母インベルターゼ遺伝 子(EP公開第012,873号;JPO公開第62,096,086号)およびα因子遺伝子(米国特許 第4,588,684号、同第4,546,083号、および同第4,870,008号;EP公開第324,274号 ;PCT公開WO89/02463)のような分泌型酵母タンパク質についての遺伝子に由来し 得る。あるいは、非酵母起源のリーダー(例えば、インターフェロンリーダー)は また、酵母における分泌を提供する(EP公開第060,057号)。 染色体外レプリコンまたは組み込み型ベクターのいずれかの発現および形質転 換ベクターが、多くの酵母への形質転換のために開発されてきた。例えば、とく に発現ベクターは、以下の酵母に関して開発されてきた:Saccharomyces cerevi siae(Hinnenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:1929;Itoら、J.Bacteriol.( 1983)153:163);Saccharomy cescarlsbergeneis;Candida albicans(Kurtzら、M ol.Cell.Biol.(1986)6:142);Candida maltosa(Kunzeら、J.Basic Microbiol.(1 985)25:141;Hansenula polymorpha(Gleesonら、J.Gen.Microbiol.(1986)132:345 9;Roggenkampら、Mol.Gen.Genet.(1986)202:302);Kluyveromyces fragilis(Da sら、J.Bacteriol.(1984)158:1165);Kluyveromyces lactis(De Louvencourtら 、J.Bacteriol.(1983)154:737;Van den Bergら、Bio/Technology(1990)8:135) ;Pichia guillerimondii(Kunzeら、J.Basic Microbiol.(1985)25:141);Pichia pastoris(Creggら、Mol.Cell.Biol.(1985)5:3376;米国特許第4,837,148号およ び同第4,929,555号);Shizosaccharomyces pombe(BeachおよびNurse、Nature(19 81)300:706);ならびにYarrowia lipolytica(Davidowら、Curr.Genet.(1985) 10:380471;Gaillardinら、Curr.Genet.(1985)10:49))。外来DNAをこのような酵 母宿主に導入する方法は、当該分野で周知であり、そして代表的には、スフェロ プラストの形質転換またはアルカリカチオンを使用して処理したインタクトな酵 母細胞の形質転換のいずれかが挙げられる。 細菌発現系はまた、本発明の構築物とともに使用され得る。細菌における使用 のための制御エレメントとしては、プロモーター(必要に応じて、オペレーター 配列を含む)、およびリボソーム結合部位が挙げられる。有用なプロモーターと しては、糖代謝酵素由来の配列が挙げられる(例えば、ガラクトース、ラクトー ス(lac)、およびマルトース)。さらなる例としては、トリプトファン(trp)、β- ラクタマーゼ(bla)プロモーター系、バクテリオファージλPL.およびT5のような 生合成酵素に由来するプロモーター配列が挙げられる。さらに、例えば、tacプ ロモーター(米国特許第4,551,433号)のような、天然には存在しない合成プロモ ーターはまた、細菌宿主細胞におけるように機能する。 前述の系は、E.coliと特に適合性である。しかし、とりわけ、Bacillus spp., Streptococcus spp.,およびStreptomyces spp.のような細菌宿主において使用す るための非常に多くの他の系もまた、公知である。外来DNAをこれらの宿主細胞 に導入するための方法としては、代表的にCaCl2または他の薬剤(例えば、二価カ チオンおよびDMSO)の使用が挙げられる。DNAはまた、エレクトロポレーションに よって細菌細胞へ導入され得る。 所望のポリペプチドを発現するための他の系は、昆虫細胞およびこれらの細胞 における使用に適切なベクターを含む。最も一般的に使用されるこの系は、バキ ュロウイルスAutographa Californica多核体病ウイルス(AcNPV)に由来する。一 般的に、発現系の構成要素としては、バキュロウイルスゲノムのフラグメント、 および発現される異種遺伝子の挿入のための都合のよい制限部位の両方を含む移 入ベクター(通常は細菌プラスミド);移入ベクターにおけるバキュロウイルス特 異的フラグメントに相同である配列を有する野生型バキュロウイルス(これは、 バキュロウイルスゲノムへの異種遺伝子の相同組換えを可能にする);ならびに 適切な昆虫宿主細胞および増殖培地が挙げられる。 ベクターにおける使用のためのプロモーターは、代表的には、構造遺伝子に由 来し、ウイルス感染サイクルの後期において大量に転写される。例としては、ウ イルス多角体タンパク質をコードする遺伝子に由来する配列が挙げられる(The M olecular Biology of Baculoviruses(Walter Doerfler編)のFriesenら、(1986 )「The Regulation of Baculovirus Gene Expression」;EP公開第127,839号お よび同第155,476号;ならびにp10タンパク質をコードする遺伝子(Vlakら、J.Gen .Virol.(1988)69:765))。通常、このプラスミドはまた、ポリヘドリンポリアデ ニル化シグナル(Millerら、Ann.Rev.Microbiol.(1988)42:177)ならびに原核生物 のアンピシリン耐性(amp)遺伝子およびE.coliにおける選択および増殖のための 複製起点を含む。適切なシグナル配列をコードするDNAもまた含まれ得、一般的 に、バキュロウイルスポリヘドリン遺伝子(Carbonellら、Gene(1988)73:409)の ような分泌型の昆虫またはバキュロウイルスタンパク質の遺伝子、ならびにヒト αインターフェロン、Maedaら,Nature(1985)315:592;ヒトガストリン放出ペプ チド、Lebacq-Verheydenら、Molec.Cell.Biol.(1988)8:3129;ヒトIL-2、Smith ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:8404;マウスIL-3、(Miyajimaら、Gene(1 987)58:273);およびヒトグルコセレブロシダーゼ、Martinら、DNA(1988)7:99を コードする遺伝子由来のもののような哺乳動物シグナル配列に由来する。 現在、AcNPVに外来遺伝子を導入するために最も一般的に使用される移入ベク ターは、pAc373である。当業者に公知の多くの他のベクターもまた、設計されて きた。これらとしては、例えば、pVL985(これは、ポリヘドリン開始コドンをATG からATTに変更し、ATTから32bp下流にBamHIクローニング部位を導入する;Lucko wおよびSummers,Virology(1989)17:31を参照のこと)が挙げられる。 所望のDNA配列は、公知の技術を使用して移入ベクターに挿入され(Summersお よびSmith、前出;Smithら、Mol.Cell.Biol.(1983)3:2156;ならびにLuckowおよ びSummers(1989)を参照のこと)、そして昆虫細胞宿主は、移入ベクターの異種DN Aおよび野生型バキュロウイルスのゲノムDNAで同時形質転換される(通常は、同 時トランスフェクションによる)。ベクターおよびウイルスゲノムは、組換えを 可能にされる。パッケージされた組換えウイルスが発現され、組換えプラークは 同定され、そして精製される。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料 および方法は、例えば、Invitrogen,San Diego CAからキット形態で市販されて いる(「MaxBac」キット)。これらの技術は、一般的に、当業者に公知であり、Su mmersおよびSmith,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555( 1987)において十分に記載される。 組換えバキュロウイルス発現ベクターは、いくつかの昆虫細胞に感染させるた めに開発されてきた。例えば、組換えバキュロウイルスは、特に:Aedes aegypt i,Autographa californica,Bombyx mori,Drosophila melanogaster,Spodopt era frugiperdaおよびTrichoplusia niについて開発されてきた。 上記の系を使用して調製されたポリペプチドは融合ポリペプチドであることが 、しばしば所望される。非融合タンパク質を用いる場合、これらのタンパク質は 、細胞内で発現され得るか、または細胞から増殖培地へ分泌され得る。 さらに、例えば、VP22ポリペプチドならびにVP16、HSVgB、HSV gDなどのポリ ペプチドのような他の目的のHSVポリペプチドをコードする、キメラ遺伝子配列 を含むプラスミドが構築され得る。さらに、抗原提示を増強し得る免疫調節因子 をコードする遺伝子、抗原にリンパ球を誘引し得る免疫調節因子をコードする遺 伝子、または抗原に応答するリンパ球の集団の増殖を促進する免疫調節因子をコ ードする遺伝子もまた存在し得る。このような因子としては、サイトカイン、リ ンホカイン、およびケモカイン(IL-2、改変型住-2(cys125→ser125)、GM-CSF、I L-12、γ-インターフェロン、IL-10、MIP1α、MIP1β、およびRANTESを含むが、 これらに限定されない)が挙げられる。 存在するならば、さらなる遺伝子配列は、ジシストロン性(dicistronic)遺伝 子構造においてVP22ポリペプチドをコードする遺伝子の前または後ろのいずれか にあり得る。さらなる制御エレメントは、遠位のコード領域からRNAの効率的な 翻訳のための種々の遺伝子の間に位置し得る。あるいは、VP22およびさらなるHS Vポリペプチドまたは他の免疫調節因子をコードする単一オープンリーディング フレームを有するキメラ転写ユニットもまた構築され得る。いずれかの融合物は 、キメラタンパク質の合成を可能にさせ得るかまたは、あるいは、タンパク質プ ロセシングシグナルが操作されて、シグナルペプチダーゼのようなプロテアーゼ による切断を提供するため、鋳型RNAの翻訳から得られた2つ以上のタンパク質 の遊離が可能になり得る。プロセシングプロテアーゼはまた、独立してまたは抗 原 および/またはサイトカインコード領域を有するキメラの一部としてかのいずれ かでこの系において発現され得る。プロテアーゼ自体は、プロセシング酵素およ びワクチン抗原の両方であり得る。 一旦発現されると、このポリペプチドは、当該分野で公知の任意のいくつかの 技術を使用して上記の宿主細胞から精製され得る。発現系が増殖培地中にタンパ ク質を分泌する場合、このタンパク質は、培地から直接精製され得る。タンパク 質が分泌されない場合、細胞溶解物から単離される。次いで、このタンパク質は 、当該分野で公知の技術(例えば、カラムクロマトグラフィー、HPLC、免疫吸着 技術、アフィニティークロマトグラフィー、および免疫沈降)を使用してさらに 精製され得る。精製されたタンパク質の活性は、種々のネイティブなタンパク質 の特異的特性に基いて、標準的なアッセイを使用して決定され得る。 HSVポリペプチドはまた、当業者に公知の方法を使用して、固相または溶液ペ プチド合成によるような化学合成によって生成され得る。ペプチドの化学合成は 、問題のポリペプチドが比較的小さな場合、好適であり得る。例えば、固相ペプ チド合成技術については、J.M.StewartおよびJ.D.Young、Solid Phase Peptide Synthesis,第2巻、Pierce Chemical Co.,Rockford,IL(1984)ならびにG.Barany およびR.B.Merrifield、The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology、E.Grossお よびJ.Meienhofer編、第2版、Academic Press,New York,(1980)3-254頁;そし て古典的な溶液合成については、M.Bodansky、Principles of Peptide Synthesi s、Springer-Verlag,Berlin(1984)ならびにE.GrossおよびJ.Meienhofer編、The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology、前出、第1巻を参照のこと。 一旦得られると、HSVポリペプチドは、ワクチン組成物中に処方されて、哺乳 動物被検体におけるHSV感染を処置または予防する。従って、この組成物は、予 防用(感染を予防するため)または治療用(感染後の疾患を処置するためのいず れかであり得る。ワクチン組成物は、VP22ポリペプチドの「有効量」、および任 意のさらなるHSVポリペプチドを含み、その結果、細胞性免疫応答、および他のH SVポリペプチドが存在するならば体液性免疫応答が、投与される個体において生 成され得る。正確な必要量は、とりわけ、処置される被検体;処置される被検体 の年齢および全体的な健康状態;被検体の免疫系の抗体を合成する能力;所望の 保護の程度;処置される状態の重篤度;問題の特定のHSVポリペプチドおよびそ の投与の態様に依存して変化する。適切な有効量は、当業者によって容易に決定 され得る。従って、「有効量」は、日常的な試行を通じて決定され得る比較的幅 広い範囲にある。例えば、本発明の目的のための有効用量は、用量あたり約5μ g〜約250μgの抗原である。 ワクチン組成物は、一般的には、水、生理食塩水、グリセロール、エタノール などのような1つ以上の「薬学的に受容可能な賦形剤またはビヒクル」を含む。 さらに、補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化物質など)が、この ようなビヒクル中に存在し得る。 キャリアは、必要に応じて存在し、これは、組成物を受容する個体に有害な抗 体の産生をそれ自身誘導しない分子である。適切なキャリアは、代表的には、タ ンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ 酸コポリマー、脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム(以下にさらに記載 される)、および不活化ウイルス粒子のような、大きく、ゆっくりと代謝される 高分子である。このようなキャリアは、当業者に周知である。粒子状のキャリア は、本発明での用途を見出し、そしてポリメチルメタクリレートポリマーから誘 導されるもの、ならびにポリ(ラクチド)およびポリ(ラクチドコグリコシド) (PLGとして公知)から誘導される微小粒子を含む。例えば、Jefferyら、Phrmn. Res.(1993)10:362-368;およびMcGeeら、J.Microencap.(1996)を参照のこと。さ らに、これらのキャリアは、免疫刺激剤(「アジュバント」)として機能し得る 。さらに、抗原は、細菌性トキソイド(例えば、ジフテリア、破傷風、コレラ、 E.coliなどに由来するトキソイド)に結合し得る。 アジュバントもまた、ワクチン組成物の有効性を増強するために使用され得る 。アジュバントは、ワクチン組成物に直接添加され得るか、またはワクチン組成 物の投与と同時、またはわずかに前もしくは後に投与され得る。このようなアジ ュバントとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:(1)アルミニ ウム塩(ミョウバン)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸 アルミニウムなど);(2)水中油エマルジョン処方物(ムラミルペプチド(以下 を参照のこと)または細菌細胞壁成分のような他の特定の免疫刺激剤を含むか 含まない)(例えば、(a)MF59(国際公開第WO 90/14837号)(5%スクアラン 、0.5% Tween 80、および0.5% Span 85を含み(必要ではないが、必要に応じ て、種々の量のMTP-PE(以下を参照のこと)を含む)、110Y型ミクロフリーダイ ザー(Microfluidics,Newton,MA)のようなミクロフリーダイザーを使用して サブミクロン粒子に処方された)(b)SAF(10%スクアラン、0.4% Tween 80、5 %プルロニックブロック化(pluronic-blocked)ポリマーL121、およびthr-MDP (以下を参照のこと)を、サブミクロンエマルジョンにミクロフリーダイズされ て、または大きな粒子サイズのエマルジョンを精製するためにボルテックスされ てのいずれかで含む)、ならびに(c)RibiTMアジュバントシステム(RAS)(Ri bi Immunochem,Hamilton,MT)(2%スクアラン、0.2% Tween 80、およびモ ノホスホリピドA(MPL)、トレハロースジミコレート(dimycolate)(TDM)、お よび細胞壁骨格(CWS)、好ましくはMPL+CWS(DetoxTM)からなる群からの1つ 以上の細菌細胞壁成分を含む);(3)サポニンアジュバント(例えば、Stimul on TM(Cambridge Bioscience,Worcester,MA)またはそれから精製した粒子、 例えば、ISCOM(免疫刺激複合体)およびISCOMATRIXが使用され得る);(4) 完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA );(5)サイトカイン(例えば、インターロイキン(IL-1、IL-2など))、マ クロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など;(6)細菌 性ADPリボシル化毒素の解毒化変異体(例えば、コレラ毒素(CT)、百日咳毒素 (PT)、またはE.coli熱不安定毒素(LT)、特にLT-K63(リジンが63位で野生型 アミノ酸と置換されている)、LT−R72(アルギニンが72位で野生型アミノ酸と 置換されている)、CT-S109(セリンが109位で野生型アミノ酸と置換されている )、およびPT-K9/G129(リジンが9位で野生型アミノ酸と置換されており、そし てグリシンが129位で置換されている)(例えば、国際公開第WO 93/13202号およ び同第WO 92/19265号を参照のこと));ならびに(7)組成物の有効性を増強 するための免疫刺激剤として作用するほかの物質。ミョウバンおよびMF59が好ま しい。 ムラミルペプチドとしては、以下を含むがこれらに限定されない:N-アセチル -ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル−ノルムラ ミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(isogluatme)(nor-MDP)、N-アセチルム ラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1'-2'-ジパルミトイル −sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)など。 一旦処方されると、本発明の組成物は、例えば、注射によって非経口的に投与 され得る。組成物は、皮下、心膜内、静脈内、または筋肉内のいずれかで注射さ れ得る。投与の他の態様としては、経口および肺投与、座薬、および経皮適用が 挙げられる。投薬処置は、単一用量スケジュールまは複用量スケジュールであり 得る。複用量スケジュールは、ワクチン接種の初回コースが1〜10の別々の用量 であり、続いて、例えば、二回目の投薬について1〜4ヶ月免疫応答を維持およ び/または強化するために選択される続く時間間隔で他の用量、および必要なら ば、数ヵ月後に続く用量が与えられるものである。投薬レジメンはまた、少なく とも部分的には、被検体の必要性によって決定され、そして開業医の判断に依存 する。さらに、疾患の予防が所望される場合、ワクチンは、一般的には、HSVで の一次感染の前に投与される。処置が所望される場合(例えば、症状の軽減また は再発)、ワクチンは、一般的には、HSVでの一次感染に続いて投与される。 投与の別の経路は、核酸免疫化を含む。従って、目的のタンパク質(および、 適切ならば、付随する調節エレメント)をコードするヌクレオチド配列は、標準 的な遺伝子送達プロトコルを用いる核酸免疫化のために使用され得る。遺伝子送 達のための方法は、当該分野で公知である。例えば、米国特許第5,399,346号を 参照のこと)。遺伝子は、哺乳動物被検体に直接送達されるか、あるいは、被検 体に由来する細胞および被検体に再移植される細胞にエキソビボで送達され得る 。 多くのウイルスベースの系が、哺乳動物細胞への遺伝子導入のために開発され ている。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達系のための都合の良いプラット ホームを提供する。選択された遺伝子は、当該分野で公知の技術を使用して、ベ クター中に挿入され、そしてレトロウイルス粒子中にパッケージングされ得る。 次いで、組換えウイルスは、単離され、そしてインビボまたはエキソビボのいず れかで、被験体の細胞に送達され得る。多くのレトロウイルス系が、記載されて いる(米国特許第5,219,740号;MillerおよびRosman,BioTechniques(1989)7: 980-990;Miller,A.D.,Human Gene Therapy(1990)1:5-14;Scarpaら、Virol ogy(1991)180:849-852;Burnsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90:803 3-8037;およびBoris-LawrieおよびTemin,Cur.Opin.Genet.Develop.(1993)3 :102-109)。多くのアデノウイルスベクターもまた、記載されている。宿主ゲノ ム中に組み込まれるレトロウイルスとは異なり、アデノウイルスは、染色体外に 維持され、従って、挿入的な変異誘発に関連する危険を最小化している(Haj-Ah madおよびGraham、J.Viol.(1986)57:267-274;Bettら、J.Virol.(1993)67:59 11-5921;Mitterederら、Human Gene Therapy(1994)5:717-729;Sethら、J.Vl rol.(1994)68:933-940;Barrら、Gene Therapy(1994)1:51-58;Berkner,K.L. BioTechniques(1988)6:616-629;およびRichら、Human Gene Therapy(1993)4 :461-476)。 さらに、種々のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター系が、遺伝子送達のために 開発されている。AAVベクターは、当該分野で周知の技術を使用して容易に構築 され得る。例えば、米国特許第5,173,414号、および同第5,139,941号;国際公開 第WO92/01070号(1992年1月23日に公開された)、および同第WO93/03769号(19 93年3月4日に公開された);Lebkowskiら、Molec.Cell.Biol.(1988)8:3988-3 966;Vincentら、Vaccines 90(1990)(Cold Spring Harbor Laboratory Press);Ca rter,B.J.Current Opinion in Biotechnology(1992)3:533-539;Muzyczka,N .Current Topics in Microbiol.and Immunol.(1992)158:97-129;Kotin,R.M .Human Gene Therapy(1994)5:793-801;ShellingおよびSmith,Gene Therapy (1994)1:165-169;およびZhouら、J.Exp.Med.(1994)179:1867-1875を参照の こと。 目的の抗原をコードする核酸分子を送達するための使用を見い出すさらなるウ イルスベクターには、ウイルスのポックスファミリー(ワクシニアウイルスおよ び鳥類ウイルスを含む)に由来するものが含まれる。例示のために、遺伝子を発 現するワクシニアウイルス組換え体は、以下のように構築され得る。特定のポリ ペプチドをコードするDNAは、ワクシニアプロモーターに隣接し、そしてチミジ ンキナーゼ(TK)をコードする配列のようなワクシニアDNA配列に隣接するように 、まず適切なベクター中に挿入される。次いで、このベクターは、ワクシニアに 同時に感染した細胞をトランスフェクトするために使用される。相同組換えは、 ワ クシニアプロモーターおよびタンパク質をコードする遺伝子を、ウイルスゲノム 中に挿入するのに役立つ。得られるTK-組換え体は、5-ブロモデオキシウリジン の存在下で、細胞を培養し、そしてそれに耐性であるウイルスプラークを拾うこ とによって選択され得る。 ワクシニアベースの感染/トランスフェクション系は、宿主細胞において目的 の遺伝子の誘導性の、一過性の発現を提供するために都合良く使用され得る。こ の系において、細胞はまず、インビトロで、バクテリオファージT7 RNAポリメラ ーゼをコードするワクシニアウイルス組換え体に感染される。このポリメラーゼ は、T7プロモーターを有するテンプレートのみを転写する点において精巧な特異 性を示す。感染の後、細胞を、T7プロモーターによって駆動される目的のポリヌ クレオチドで感染させる。ワクシニアウイルス組換え体に由来する細胞質におい て発現されるポリメラーゼは、トランスフェクトされたDNAを、RNA中に転写し、 これは次いで、宿主翻訳機構によってタンパク質に翻訳される。この方法は、大 量のRNAおよびその翻訳産物の、高レベルの、一過性の、細胞質産生を提供する 。例えば、Elroy-SteinおよびMoss,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)87:67 43-6747;Fuerstら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1986)83:8122-8126を参照の こと。 あるいは、アビポックスウイルス(例えば、鶏痘ウイルスおよびカナリアポッ クスウイルス)がまた、遺伝子を送達するために使用され得る。哺乳動物病原体 からの免疫原を発現する組換えアビポックスウイルスは、非鳥類種に投与された 場合に、防護的免疫を付与することが知られている。アビポックスベクターの使 用は、アビポックス属のメンバーが、感受性の鳥類種においてのみ生産的に複製 し得、それゆえ哺乳動物細胞において感染性ではないので、ヒトおよび他の哺乳 動物種において特に所望される。組換えアビポックスウイルスを産生するための 方法は、当該分野で公知であり、そしてワクシニアウイルスの産生に関して上記 のように遺伝子組換えを利用する。例えば、WO91/12882;WO89/03429;およびWO 92/03545を参照のこと。 Michealら、J.Biol.Chem.(1993)268:6866-6869およびWagnerら、Proc.Nat l.Acad.Sci.USA(1992)89:6099-6103に記載されるアデノウイルスキメラベ クターのような分子結合体ベクターもまた、遺伝子送達のために使用され得る。 シンドビスおよびセムリキ森林ウイルスに由来するベクターのような(しかし これらに限定されない)アルファウイルス属のメンバーもまた、VP22遺伝子を送 達するためのウイルスベクターとしての使用を見い出す。本発明の方法の実施に 有用なシンドビスウイルスに由来するベクターの記載については、Dubenskyら、 J.Vlrol.(1996)70:508-519;および国際公開第WO95/07995号および同第WO96/17 072号を参照のこと。 ワクシニアまたはアビポックスウイルス組換え体での感染、または他のウイル スベクターを使用しての遺伝子の送達に替わるアプローチとして、宿主細胞への 導入後に高レベルの発現を導く増幅系が、使用され得る。詳細には、T7 RNAポリ メラーゼのコード領域に先行するT7 RNAポリメラーゼプロモーターが操作され得 る。このテンプレートに由来するRNAの翻訳は、T7 RNAポリメラーゼを生成し、 これは次いでより多くのテンプレートを転写する。同時に、その発現がT7プロモ ーターの制御下にあるcDNAが存在する。従って、増幅されたテンプレートRNAの 翻訳から生成されるT7 RNAポリメラーゼのいくつかは、所望の遺伝子の転写を導 く。T7 RNAポリメラーゼのいくつかは、増幅を開始するために必要とされるので 、T7 RNAポリメラーゼは、転写反応を開始するためのテンプレートと共に細胞中 に導入され得る。ポリメラーゼは、タンパク質として、またはRNAポリメラーゼ をコードするプラスミド上において導入され得る。T7系、および細胞を形質転換 するためのその使用のさらなる議論についは、例えば、国際公開第WO94/26911号 ;StudierおよびMoffatt、J.Mol.Biol.(1986)189:113-130;DengおよびWolff ,Gene(1994)143:245-249;Gaoら、Biochem.Biophys.Res.Commun.(1994)20 0:1201-1206;GaoおよびHuang,Nuc.Acids Res.(1993)21:2867-2872;Chenら、N uc.Acids Res.(1994)22:2114-2120;および米国特許第5,135,855号を参照のこ と。 目的の遺伝子をコードするベクターはまた、被験体またはそれに由来する細胞 に送達する前にリポソーム中にパッケージングされ得る。脂質カプセル化は、一 般に、核酸に安定に結合し、またはそれを捕捉し、そして保持し得るリポソーム を使用して達成される。脂質調製物に対する凝縮したDNAの比は、様々であり得 るが、一般に、約1:1(mg DNA:μモル脂質)であるか、または脂質はより多 い。核酸の送達のためのキャリアとしてのリポソームの使用の概説については、 HugおよびSleight、Biochim.Biophys.Acta.(1991)1097:1-17;Straubingerら 、Methods of Enzymology(1983),第101巻、512−527頁を参照のこと。 本発明における使用のためのリポソーム調製物は、カチオン性(正に荷電した )、アニオン性(負に荷電した)、および中性の調製物を含み、カチオン性のリ ポソームが特に好ましい。カチオン性のリポソームは、プラスミドDNA(Felgner ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413-7416);mRNA(Maloneら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:6077-6081);および精製された転写因子(Deb sら、J.Biol.Chem.(1990)265:10189-10192)の細胞内送達を、機能的な形態で 、媒介することが示されている。 カチオン性リポソームは、容易に入手可能である。例えば、N[1-2,3-ジオレイ ルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームは、Lipo fectinの商標のもとに、GIBCO BRL,Grand Island,NY.から入手可能である(Fel gnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413-7416もまた参照のこと) 。他の市販のリポソームには、トランスフェクテース(DDAB/DOPE)およびDOTAP/D OPE(Boerhinger)が含まれる。他のカチオン性リポソームは、容易に入手可能 な材料から、当該分野で周知の技術を使用して調製され得る。DOTAP(1,2-ビス( オレオイルオキシ)-3-(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記 載については、例えば、Szokaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:4194 -4198;PCT公開第WO90/11092号を参照のこと。 同様に、アニオン性および中性のリポソームは、例えば、Avanti Polar Lipid s(Birmingham,AL)から、容易に入手可能であり、または容易に入手可能な材 料を使用して容易に調製され得る。このような材料には、とりわけ、ホスファチ ジルコリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレイルホ スファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、 ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)が含まれる。これらの材料 はまた、DOTMAおよびDOTAP開始材料と、適切な比で混合され得る。これらの材料 を使用してリポソームを作製する方法は、当該分野で周知である。 リポソームは、多層小胞(MLV)、小単層小胞(SUV)、または大単層小胞(LUV) を含み得る。種々のリポソーム-核酸複合体は、当該分野で公知の方法を使用し て調製される。例えば、Straubingerら、METHODS OF IMMUNOLOGY(1983),第101 巻,512-527頁;Szokaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:4194-4198;P apahadjopoulosら、Biochim.Biophys.Acta(1975)394:483;Wilsonら、Cell( 1979)17:77);DeamerおよびBangham,Biochim.Biophys.Acta(1976)443:629; Ostroら、Biochem.Biophys.Res.Commun.(1977)76:836;Fraleyら、Proc.Nat l.Acad.Sci.USA(1979)76:3348);EnochおよびStrittmatter,Proc.Natl.A cad.Sci.USA(1979)76:145);Fraleyら、J.Biol.Chem.(1980)255:10431;Sz okaおよびPapahadjopoulos,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:145;および Schaefer-Ridderら、Science(1982)215:166を参照のこと。 DNAはまた、Papahadjopoulosら、Biochem.Biophys.Acta.(1975)394:483-49 1によって記載されるものに類似した渦巻き型の脂質組成物中において送達され 得る。米国特許第4,663,161号および同第4,871,488号もまた参照のこと。 VP22遺伝子はまた、粒子状のキャリアにカプセル化されるか、吸収または結合 され得る。このようなキャリアは、選択された抗原の複数のコピーを、免疫系に 対して提示し、そして局所的なリンパ節において抗原の捕捉または保持を促進す る。粒子は、マクロファージによって貧食され得、そしてサイトカイン放出を介 して抗原提示を増強し得る。粒子状のキャリアの例には、ポリメチルメタクリレ ートポリマーから誘導されるもの、ならびにポリ(ラクチド)およびポリ(ラク チドコグリコリド)(PLGとして知られる)から誘導される微小粒子が含まれる 。例えば、Jefferyら、Pharm.Res.(1993)10:362-368;およびMcGeeら、J.Micr oencap.(1996)を参照のこと。 さらに、他の粒子系およびポリマーが、VP22遺伝子のインビボまたはエキソビ ボ送達のために使用され得る。例えば、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオル ニチン、スペルミン、スペルミジンのようなポリマー、ならびにこれらの分子の 結合体が、VP22遺伝子を移入するのに有用である。同様に、DEAEデキストラン媒 介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、または他の不溶性の無機塩( 例えば、リン酸ストロンチウム、珪酸アルミニウム(ベントナイトおよびカオ リンを含む)、酸化クロム、珪酸マグネシウム、タルクなどを使用する沈殿が、 本発明の方法との使用を見出す。遺伝子移入に有用な送達系の概説については、 例えば、Felgner,P.L.,Advanced Drug Delivery Reviews(1990)5:163-187を 参照のこと。 さらに、金およびタングステンのような粒子状キャリアを使用する微粒子銃送 達系は、目的の遺伝子を送達するために特に有用である。粒子は、送達されるべ き遺伝子とともにコートされ、そして一般に減圧下で、「遺伝子銃」からの銃粉 末の発射を使用して高速にまで加速される。このような技術、およびそのために 有用な装置の記載については、例えば、米国特許第4,945,050号;同第5,036,006 号;同第5,100,792号;同第5,179,022号;同第5,371,015号;および同第5,478,7 44号を参照のこと。 組換えベクター(リポソーム中にカプセル化されているかいないかに関わらず )は、上記のように哺乳動物被験体への送達のための組成物中に処方される。組 成物は、上記のように、それが投与される個体において免疫応答を生成するよう な抗原の量が生成され得るような、目的の遺伝子の「有効量」を含む。また、先 に説明したように、必要な正確な量は、いくつかの因子に依存して変化し、そし て当業者によって容易に決定され得る。本発明の目的のために、有効な用量は、 DNA構築物の約1μg〜約100mgまでであり、より好ましくは約10μg〜約1mgであ る。投薬レジメンは、上記のとおりである。 III.実験 以下は、本発明を実施するための特定の態様の例である。これらの例は、例示 的な目的のみで提供され、そしていかなる様式においても、本発明の範囲を限定 することを意図されない。 使用される数(例えば、量、温度など)に関する精度を確実にするための努力 がなされているが、いくつかの実験誤差および偏差は、当然に許容されるべきで ある。 実施例1 材料および方法 ウイルス: hr259を除く全てのHSVウイルスのストックを、Vero細胞で増殖させた。ウイル スストックを、低感染多重度で感染させることによりコンフルエント未満の単層 上で調製し、そして超音波破砕により、ウイルスを濃縮された細胞から放出させ た。同じ様式で、ICP4-変異体hr259を、E5細胞(Vero系統)上で増殖させ、HSV- 1 ICPで安定にトランスフェクトさせ、そしてそれを発現させた(DeLucaら、J.V irol.(1985)56:558-570;SmithおよびSchaffer、J.Virol.(1987)61:1092-1097) 。HSV-1xHSV-2組換えウイルスを、Bernard Roizmanから入手した。これらを記載 されるように、HSV-1(F株)DNA、およびHSV-2(G株)由来の制限フラグメント をウサギ皮膚細胞へ同時トランスフェクトし、そして増強型表面イムノアッセイ により組換え体を単離することにより構築した(Purvesら、J.Virol.(1994)65:5 757-5764;Ackermannら、Virology(1994)150:207-220)。 組換えワクシニアウイルスを、HSV-2オープンリーディングフレーム(ORF)UL 48(VP16をコードする)、UL49(VP22をコードする)、UL46またはUL47を、ワク シニアシャトルベクターpSC11.1に挿入することにより構築した(Chakrabartiら 、「Vaccinia virus expression vector:coexpression of beta-galactosldase provides visual screening of recombinant virus plaques」Mol.Cell Biol. 5(12):3403-3409(1985))。これは、初期/後期p7.5プロモーターにより駆動され る隣接するポリリンカー部位を有するワクシニア後期p11プロモーターにより駆 動されるE.coli lacZ遺伝子により分割されるワクシニアtk遺伝子を含む、pUC8 プラスミドである。HSV ORF-含有フラグメントをポリリンカーに挿入し、そして 挿入物の適切な配向を、挿入物の存在および配向の両方を確認する診断的制限消 化物により確認した。vac/VP16組換え物の構築は、EP公開第541,692号に記載さ れている。全長VP16のワクシニア組換え物(本明細書中で、「vac/VP16FL」と呼 ぶ)、および1〜416位のアミノ酸をコードする遺伝子を含む短縮型VP16組換え物 (本明細書中で、「vac/VP16t」と呼ぶ)の両方を作製した。 UL49のクローニングおよび発現 HSV-2 UL49遺伝子を、UL49 ORFの5’および3’末端に相補的でそれぞれBglII 制限部位を含むプライマーを使用するPCRにより、Phil Pelletにより提供された HSV-2のEco RIフラグメントLを含むプラスミドpH2G-512からサブクローニングし た。gluエピトープタグもまた、3’プライマーによりコードされた。このタグは 、gluエピトープを特異的に認識する対応するモノクローナル抗体の使用により 、そのタグを保有する任意のタンパク質の同定、定量および精製を容易にする。 このPCR反応に使用したこのプライマー対は、以下の配列を含む27個のヌクレオ チドのオリゴマー(GPUL49 5')および54個のヌクレオチドオリゴマー(GPUL49 3' )から成った: UL49 ORFを5%ホルムアミド、0.2μg/mlのpH2G-512プラスミド、プライマーお よびvent Taqを含む標準的な緩衝液中で、以下の条件を使用して増幅した:97℃ で5分間;15サイクル×96℃で54秒;67℃で54秒;72℃で54秒;および72℃で10 分。 予想した900bpのバンドを分取用アガロースゲルで分離し、抽出し、エタノー ル沈殿し、そしてBglIIで切断した。2回目のゲル精製後、フラグメントを、予 めBglIIで切断し、そしてアルカリホスファターゼで処理したバキュロウイルス シャトルベクタープラスミドpAC13に、連結した(図2を参照のこと)。連結した DNAをE.coliの形質転換に使用した。20個のコロニーをランダムに選択し、そし てこれらのプラスミドDNAを単離し、そして5’-および3’-UL49プライマーを使 用したPCRにより試験した。4個のクローンは、予想されたPCR産物を産生するプ ラスミドを含んでいた。UL49遺伝子の存在および完全性を、BglII、KpnI+StuIま たはPstIの制限消化により確認した。予測されたパターンを有するクローンの1 つに由来するプラスミドDNAを配列決定し、挿入物を確認した。このプラスミド をpAcUL49と名づけた。図1A〜1B(配列番号_)は、pAcUL49由来のUL49 ORF の 配列およびHSV-22 vp22の予測されるアミノ酸配列を示す。1つの保存的塩基変化 (C->T leu->leu)を、70位で観察した。 プラスミドpAcUL49をバキュロウイルスで感染した昆虫細胞をトランスフェク トするために使用した。5個のプラーク精製単離物を、ウエスタンブロットを抗- gluモノクローナル抗体を使用して、UL49発現についてスクリーニングした。5個 のうち4個が、glu抗体と反応した40kDのタンパク質を発現した。タグ化UL49タン パク質の予測分子量は、32.7kDであるが、SDS-PAGEにおけるその移動度は、その 高度に荷電した性質に起因して異常であり得る(10.75モル%-および17.6モル% +、PI=10.4)。 ワクシニアシャトルベクターを、pAcUL49由来の927bpのBglIIフラグメントを ゲル精製し、そしてそのフラグメントをBglII-切断、アルカリホスファターゼ処 理したプラスミドpSC11.1.に連結することにより構築した。得られたベクターを E.colI HB101をトランスフェクトするために使用した。クローンを、AatIIの制 限消化物によりUL49挿入物を含むプラスミドについてスクリーニングした。適切 なパターンを有する1個のクローンを、pHS232(図3)と名づけ、トランスフェク ションのために使用した。 HSV-2遺伝子であるUL46およびUL47をクローン化するために、HSV-2 ECoLのEco RIフラグメントLが含まれるプラスミドpHS2G-512を配列決定した。UL46およびUL 47のORFの位置を、対応するHSV-1ホモログ遺伝子に対するそれらの類似性により 同定した(McKnightら、J.Virol.(1987)61:992-1001)。ORFを、BglII部位および3 ’プライマー上の「glu」タグもまた含む遺伝子の5’および3’領域と対になっ たプライマーを使用するPCRにより単離した。次いで、これらの遺伝子をプラス ミドpAc13中にクローニングした。 pAc13にUL46およびUL47を含む組換えプラスミドを、形質転換したE.collより 検出した。次いで、この遺伝子を、UL49について上述した工程と同じ一連の工程 によりバキュロウイルスに組み込んだ。UL46およびUL47遺伝子もそれぞれのpAc1 3プラスミド誘導体からBglII消化により切り出してワクシニアウイルスシャトル ベクターpSC11.1に連結した。 UL46、47または49遺伝子を発現するワクシニア組換えウイルスを、本質的にMa ckettら(1987)The construction and characterization of vaccinia virus r ecombinants expressing for eign genes.DNA Cloning(IRL Press)191-211頁に 記載されるようにBSC-40細胞の感染-トランスフェクションにより作製した。コ ンフルエント未満の単層に、DNAの添加に先立って野生型ワクシニアウイルス(W R株)を感染多重度(m.o.i.)=0.05を1時間感染させた。トランスフェクション を、ポリスチレンチューブ内で20μlの水中の30μlのLipofectinTMと50μlの水 中の10μgのプラスミドDNAを組み合わせて15分間室温で実施した。15分後、トラ ンスフェクション混合物を、0.5mlのDulbeccoの最小イーグル培地(DME)に添加 し、ついで洗浄したvacWR-感染単層に配置した。単層を、5mlのDMEF10(10%ウ シ胎仔血清を含有するDME)を添加する前に、濃縮DNA:LipofectinTM混合物で30 分間処理した。2時間後、培地を除去し、単層を2回、DMEF10で洗浄し、そして培 地を交換して培養物を3日間インキュベートした。 次いで、培養物を収集し、そして今後の使用のために直ちに凍結するかまたは プラーク精製のために希釈前に3回超音波処理角製ソニケーター(設定7)(氷 上で3×30秒間隔)するかのいずれかである。組換えウイルス(tk-、β-gal+) の系列希釈を、12.5μg/mlのBuDR(ブロモデオキシウリジン)および1%低ゲル 化温度(LGT)アガロースの存在下のTK-143b細胞上で選択した。プラークアッセ イをセットアップした、2日後、組換えプラークを、1mlの1%LGTアガロース:DM EF10オーバーレイでのX-gal(アッセイプレートのウェルあたり15μlの2%スト ック)を使用して検出した。青色に染色したプラークをアガロースプラグおよび その下にあるプラーク、使い捨てのポリエチレン転移ピペットでの吸引により選 択し、0.5mlのDME中に加える。選択したプラークを、BSC-40細胞での増幅および TK-143b細胞上での選択にさらに2回供する。 HSV-2遺伝子の発現を、抗-gluモノクローナル抗体および市販の抗HSV-2ポリク ローナルウサギ抗体でプローブした感染細胞の抽出物のウェスタンブロットを使 用して3個全ての組換え物(UL46、47および49)について確認した。一旦発現を 確認したら、ウイルスのストックをBSC-40細胞上で増殖させ、そしてスクロース のクッション上で精製した。 HSV-特異的CD8+CTLクローンの調製 再発性生殖器ヘルペスを有する3人のドナー由来のHSV-特異的CD8+CTLを、以前 に記載(Tiggesら、J.Virol.(1992)66:1622-1634)のようにウイルス-感染性PBM Cの再刺激後にクローニングした。51Cr放出アッセイにおいて使用する前に、T細 胞を凍結保存から回復し、そしてPHA(1μg/ml)、またはprotein-A-Sepharose ビーズに結合した10μgの抗-CD-3モノクローナル抗体(OKT3)および10μgの抗- CD-8モノクローナル抗体(leu2)のいずれかで再刺激した。再刺激した培養物は 、2mlのRPMI-CM中に、2×105個のT-細胞、2×105個のB-LCL(7,500ラドでγ線放 射された)、2×106個の新鮮に調製された同種異系間のPBMC(3000ラドでγ線放 射された)を含んでいた。(RPMI-CMは、2mM L-グルタミン、10mM HEPES、pH7.2 、1%MEM非必須アミノ酸、10mM MEM-ビタミン、1mMナトリウムピルビン酸、20μg /mlアスパラギン、2×10-5M 2-メルカプトエタノール、50μg/mlゲンタマイシン 、および10%熱不活化のプールされたヒト血清を補充したRPMI1640である)。PH A-刺激化ヒトPBMC由来のIL-2(32U/ml)をモノクローナル抗体で刺激した培養物 に加えた。PHA-刺激化培養物については、培地を、48時間後にIL-2を含有する2m lのRPMI-CMと交換した。51 Cr放出アッセイ 自系の標的B-LCLを適切なウイルス(HSVまたは組換えワクシニアウイルス)で の感染により調製し、そして3〜18時間インキュベートした。次いで細胞を採取 し、そして0.2mlの51Crを含有する培地中で濃縮した。90分のインキュベーショ ン後、組み込まれなかった51Crを洗い流し、そして104個の細胞を、CTLを含む96 ウェルのプレートの3組のウェルに加えた。CTLを前もって再刺激化培養物から採 取し、洗浄し、そして105個の細胞をV字型底部の96ウェルプレートに分配した 。CTLの部分もまた2回の4倍工程で希釈して、10:1、2.5:1および0.625:1のエ フェクター:標的比を達成した。標的B-LCLを加えた後、プレートを低速度で簡 単に遠心分離し、次いで37℃で4時間インキュベートした。15Crの自発的放出を 培地中に標的細胞のみを含むウェルから決定した。1%NP-40を、標的細胞を含む ウェルに添加することにより全放出を決定した。インキュベーション時間後、10 0μl の上清を特異的放出の計数および計算するために除去した。 限界希釈分析アッセイ(LDA): CTLの定量的な決定を、Taswell、J.Immuol.(1981)126:1614-1619およびMacDo naldら、Immunol.Rev.(1980)51:93-123により記載されるようにシングルヒット ポアッソンモデル(single hit Poison model)に基づく限界希釈アッセイを使用 してなした。このアッセイをセットアップするために、選択した個体由来の3×1 07個のPBMCを凍結保存から回復し、そして106個の細胞を刺激細胞として使用す るために保存した。これらのPBMCを、0.5mlのポリエチレンチューブ中の無血清R PMIに入れ、そしてHSV-2ウイルス株(HG52X163X12)を使用してm.o.i.=2で感染 させ、X12と命名した。これはICP47遺伝子を欠失し、この遺伝子はTAPペプチド トランスポーターのインヒビターをコードする(Yorkら、Nature(1995)375(6530 ):411-415;およびJohnsonら、Cell(1994)77:525-535)。HSV-2X12もまたvhs 遺伝子にフレームシフト変異を含む(EverettおよびFenwick、J.Gen.Virol.(1990 )71:1387-1390)。これら2つの変異の効果は、HSV感染細胞でのMHCクラスIの発 現を延ばし、従って抗原提示細胞(APC)として作用する感染細胞の能力を改良 する。1時間の吸収後、RPMIF10を添加し、そして細胞を37℃で7%CO2の雰囲気下 で一晩培養した。 次いで、残りの細胞をマウス抗-ヒトCD16モノクローナル抗体で処理し、ナチ ュラルキラー細胞を除去した。次に4℃で30分間回転させながらインキュベーシ ョンした後、CD16+細胞を磁気ビーズに結合された抗-マウスIgを使用して除去し 、そして破棄した。次に、CD16枯渇細胞を、磁気ビーズに結合体化した抗CD8モ ノクローナル抗体で、4℃で30分間回転させながら処理した。次いで、結合したC D8+細胞をマグネットと用いて除去し、洗浄し、そして2%のプールされたヒトAB 血清および32U/mlのIL-2を含むAIM-V培地中の終夜培養物に加えた。未結合の細 胞 を3000Rのγ放射線で照射し、次いで2個のU字底の96ウェルのマイクロタイター プレートでウェルあたり100μlで分配した。 翌日、感染した刺激細胞を7500Rのγ放射線で照射し、濃縮し、そして96ウェ ルのU字底のプレートに加えた。CD8+細胞を、Detach-A-Bead(Dynal)の1時間 の処理により磁気ビーズから離し、そしてビーズを磁石で除去した。放出された CD8+T細胞の数を決定し、そして30,000〜50,000細胞/ウェルで開始した段階的 な数の細胞を、7段階の希釈系列(それぞれ24個のレプリケート)でU字型底の プレートに加えた。希釈工程を、最初の数(例えば、50,000細胞/ウェル)と第 7工程での500〜1,000細胞/ウェルとの間の数に均一に分配されるように調整し た。さらなる24個のウェルはCD8+細胞を受けず、そしてこのアッセイについての コントロールとして役立った。このプレートを、2%のプールされたヒトAB血清 および32U/mlのIL-2を含有するAIM-V培地中で、37℃で7%CO2中で、4日毎に培地 を交換しながら13日間インキュベートした。 標的細胞(目的の遺伝子を発現させるHSV-2または組換えワクシニアウイルス に感染した自系のB-LCLからなる)を、アッセイの前日に感染させ、上記のよう に51Crを負荷し、そしてV底アッセイプレート中に分配した。アッセイの当日に アッセイプレートを調製するために、2個の再刺激化プレートを4個のレプリケー トに分配した。これを最初に50μlの培地を再刺激化プレートの各ウェルに添加 し、次いで12チャンネルのマルチピペッターで適定することにより内容物を再懸 濁し、そして50μlの再懸濁した細胞を4個のV底アッセイプレートに分配するこ とにより達成した。さらなる50μlの培地を全てのプレートに添加したが、2番目 のプレートの最後のカラムは吸引し、そして100μlの1%NP-40に交換した。51Cr を負荷した標的細胞(5000)を100μlの培地に加え、プレートをプレートホルダ ー中で1分間、900rpmで遠心分離し、そして37℃で4時間インキュベートした。イ ンキュベーション後、プレートを簡単に再び遠心分離し、そして50μlを96ウェ ルのLumaPlatesTM(Packard Instruments)に移した。乾燥後、プレートをWallac MicroBetaカウンターで計数し、そしてデータを分析した。ほとんどのアッセイ について、陽性と陰性のウェルの間のカットオフを、自発的放出の平均より3SD 上ではなく、むしろ特異的放出の10〜15%上であるとして決定した。結果 HSV-2 VP22(UL49によってコードされる)を、再発性の生殖器ヘルペスを有する ヒトから樹立された22個のCTLクローンのライブラリーからのVP22を認識したCTL クローンの数に基づいて、ヒトHSV-特異的CD8+CTL応答の主要な標的として同定 した。これらのクローンをTiggesらにより記載されるように単離した。続いて、 さらなるCTLをこの個体ならびに2つの他の個体、被験体3および4から単離した。 合計で、22個のクローンを単離し、そしてそれらを部分的にまたは完全に特徴付 けるために十分な時間増殖させた。 CTLにより認識される正確なHSVタンパク質の同定を介助するために、CTLクロ ーンを、HSV-1またはHSV-2型特異性、標的細胞の感染後のエピトープ発現のタイ ミング、およびウイルスゲノム上の標的遺伝子の位置に関して特徴付けた。 CTLクローンのHSV型特異性を、HSV-1またはHSV-2感染細胞またはその両方を認 識するそれらの能力により決定した。HSV遺伝子は、感染後の、即時初期遺伝子 、初期遺伝子および後期遺伝子の時間的なカスケードで発現されるので、感染後 のHSVタンパク質の提示のタイミングを決定することは標的タンパク質の同定を 助ける。選択的薬物またはウイルス変異体の使用により、感染後の全てのウイル ス性遺伝子の発現を阻止するか、または即時初期または即時初期+初期クラスの 遺伝子の遺伝子発現を制限する可能性がある。このストラテジーの使用は、Tigg esら(1992)(前掲)に記載される。最終的には、HSV標的タンパク質をコード する遺伝子のおおまかな位置は、HSVタイプ1/タイプ2のタイプ間組換えウイルス を使用するHSV-タイプ特異的なCTLクローンについて決定され得る。細密なマッ ピングは、特異的HSV遺伝子を発現する組換えワクシニアウイルスに感染した標 的細胞の使用により達成される。 22個のクローンのうち、13個がHSV-2に感染した標的細胞を認識し、そして残 りがHSV-1またはHSV-2のいずれかに感染細胞を認識した。 これらのクローンのうちの1つ(1−1H6)が、gD2(vac/gD2)を発現させるHSV または組換えワクシニアウイルスに感染した標的細胞を溶解したことから、これ はgD2を認識した。2つ目は、vac/gB2(3-8G1)に感染した標的細胞を溶解したこ とから、gB2を認識した(表1)。他のクローンは、これら2つの糖タンパク質のい ずれにも特異的ではなかった。 HSVウイルス粒子内部に含まれるタンパク質がCTL応答の優勢な標的を表すとい う観察は、転写インヒビターであるDRBを有するHSV-感染標的細胞における新規 な遺伝子発現を完全にブロックすることにより決定された。新しいタンパク質が 合成されるこれらの細胞においてはプロセシングされ得、そしてCD8+CTLに対し てMHCクラスI分子に結合したペプチドとして提示され得るウイルスタンパク質の みが、これらはウイルスと細胞膜との融合および細胞質へのウイルス粒子の侵入 の結果として細胞中に導入されたウイルスタンパク質である。表2は、9個のCD8+ CTLクローンが、HSV感染の前にDRBで処理した標的細胞を認識するこの能力につ いて試験された実験結果を示す。9個全てのクローンは、薬物の非存在下におい て18時間でHSV-2に感染した細胞を溶解し、そしてそのうち8個の試験したクロー ンはまた、20%を超える特異的放出の値を有する薬物の非存在下で3時間感染し た細胞を容易に溶解した。これらCTLクローンの7個全てもまた、DRB存在下では3 時間で感染した細胞を溶解し、この結果は、CTL認識の標的としてのビリオンタ ンパク質を意味する。DRB処理が、何らかの規定されない様式で、抗原のプロセ シングおよび提示を変化させる可能性があることから、本発明者らは、感染細胞 における新規のウイルス遺伝子発現を制限する第二のアプローチを使用した。HS V-2株hr259は、必須の即時初期遺伝子であるICP4の発現を抑圧する変異を有する 。このウイルスが非相補的な細胞株に感染した場合、発現される唯一のHSV遺伝 子は、さらに4個の即時初期遺伝子であるICP0、ICP22、ICP27およびICP47であっ た。必須の転写活性化因子であるICP4の非存在下では、早期または後期のHSV遺 伝子が発現され、そして感染が抑止されない。表2で示されるように、HSV-特異 的CTLクローンを、HSV-2 hr259に3時間感染させた標的細胞と培養した場合では 、9個のCTLクローンのうち8個が20%を超える特異的放出で細胞を巧みに溶解し た。これら標的細胞において、ビリオンタンパク質および残りの4個の即時初期 タンパク質のみが、感作の標的であり得る。従って、薬物阻害またはウイルス変 異によるウイルス遺伝子発現を制限する実験の結果は一致する。 表2で示されるように、9個のHS-特異的CTLクローンのうちの1個である3-8GIは 、18時間にわたって感染させた細胞を認識したが、3時間のみ感染させた細胞を 不 十分にしか溶解せず、そしてDRBの存在下で3時間感染した細胞または変異株hr25 9を欠くICP4に3時間感染させた細胞を溶解することは出来なかった。上記のよう に、このCTLクローンは、CTLクローンである3-8G1が組換えワクシニアウイルス であるVacgB感染細胞を溶解することから、糖タンパク質であるgBを認識する。 これらの結果は、ウイルス糖タンパク質が、2つの膜が融合する場合に、ウイル ス感染細胞の表面上に残ることを意味する。従って、これらは感染細胞の細胞質 には入って、プロセシング機構(プロテオソームおよびTAPペプチドトランスポ ーター(これらは、MHCクラスI分子に結合するペプチドを提供する))のため の基質になることはない。gD2特異的CTLクローンである1-1H6について同様の結 果を、全てが予め示している。(Tiggesら、1992)。全ての残りのCTLクローン のうち、1-2E7クローンのみがウイルス遺伝子発現に対するブロックに感受性を 提示した(Tiggesら、(1992)での表5を参照のこと)。 HSVビリオンは、タンパク質およびウイルスDNAの複雑なアセンブリである。こ のDNAは、ウイルスタンパク質のジデカ(dedeca)の正二十面体キャプシドによ り囲まれている。このキャプシドはテグメントと呼ばれるウイルスタンパク質の 無定形混合物に囲まれ、これは次いで、包理したウイルス性糖タンパク質を含む ウイルス膜により包まれる。 優勢なCTL標的としての糖タンパク質の除去は、ビリオンの一部であるテグメ ントおよびキャプシドでの25〜30個のさらなるタンパク質を残す。タンパク質を 特定する遺伝子は、ゲノムの全体に分散される(RoizmanおよびSears、(1993) 「Herpes simplex viruses and their replication.In The Human Herpesvirus es.B.Roizman,R.J.Whitley,and C.Lopez編(New York:Raven Press Ltd.) 、11-68頁)。最初のストラテジーは、標的タンパク質をコードする多くの遺伝 子を可能な限り局在化させることであった。これを、表3に示されるようなHSV-1 (F株)中に挿入されたHSV-2DNAの入れ子の(nested)セグメントが含まれる6個 の特に代表的(intertypic)な組換えウイルスを使用してHSV-2特異的であった1 2/13のクローンの標的について行った。6個の組換えウイルスは、入れ子様式でH SV-2ゲノムの6個の領域にまたがっていた。RH 1G7ウイルスは、入れ子の組換え 物であるRH 1G8の間に0.3〜0.45のマップ単位を含み、そしてRH 1G44は、 0.385〜0.405および0.37および0.405の小領域をそれぞれ含んだ。同様に、RS 1G 25ウイルスは、0.59〜0.72のマップ単位由来のHSV-2DNAを含み、そして入れ子の ウイルスは、0.68〜0.72の小領域を含んだ。最後に、組換えR7015は、完全なHSV -2独自の短い(US)領域、短い末端反復および内部反復配列ならびに長い内部反 復を含んだ。これらクローンの3個のセットは、gB2、VP16およびgD2をコードす るオープンリーディングフレームを含む。1個を残すクローンは、抗原特異的溶 菌能力の損失を有するのでさらに特徴付けられ得ない。 表3は、2つの型共通CTLクローン、1-3B3および3-8G1、および13の型特異 的クローンのうちの12についてのマッピング研究の結果を列挙する。図4は、H SVゲノムおよび選択されたマーカー遺伝子(gB、gDおよびVP16)に関するマッピ ングの結果を表す。予想された通り、1-1H6 gD-2特異的クローンは、HSV-2XHSV- 1型間(intertypic)組換えウイルスR7015内に含まれるUsセグメントにマップさ れた。2つの型共通クローン1-3B3および3-8G1は、全ての標的を認識した。なぜ なら、エピトープが、1型および2型ウイルス間で同一だからである。残りのク ローンのうち、1つ(3-3G2)は、マップ単位0.3〜0.385の間の領域にマップさ れ、4つは、マップ単位0.68〜0.72の間の領域にマップされた。しかし、これら のクローンの3つはまた、R7015感染標的を認識した。このことは、これらの組 換えウイルスのゲノムは、マップされた程には単純ではないことを示す。残りの 7クローンはマップされず、このことは、これらのクローンにエピトープを供給 する遺伝子が、パネルに表される領域の外側に位置することを示す。 0.68〜0.72セグメントにマップされた4つのクローンはさらに、ΔVP16 HSV-1( KOS株)変異体中に組換えられたHSV-2由来のUL48(VP16)ORFを含む、型間組換えウ イルス(RP-2)を用いて分析された(Weinheimerら、J.Virol.(1992)66:258-2 69;Koelleら、J.Virol.(1994)68:2803-2810)。2つのさらなる型共通クロー ンもまた、コントロールとしてこの実験に含まれた。表4に示す結果は、二重の 表現型を共有する3つのクローン(すなわち、0.68〜0.72マップ単位およびUsセ グメントの両方にマップする)はRP-2感染標的細胞を溶解したが、一方、0.68〜 0.72セグメントのみにマップするクローン1-2F11は、溶解しなかったことを示す 。興味深いことに、ドナー4(4-7B1)由来の型共通クローンは、3つのHSV -1株感染標的の全てを溶解したが、RP-2感染標的は溶解しなかった。 RP-2感染標的を溶解した3つのクローンが、VP16を認識したことを確認するた め、そしてゲノムのこの領域にマップされる2つの別のCTLの標的を同定するた めに、HSV-2 ORF UL46、UL47、UL48(VP16)およびUL49(VP22)を発現する組換えワ クシニアウイルスを構築した。VP16を発現する2つの別個のワクシニアウイルス 組換え体を構築し、1つは全長タンパク質VP16FLを発現し、そして1つはC末端 短縮型タンパク質VP16tを発現する。 RP-2反応性CTLクローンを最初にvac/VP16tおよびvac/VP16FL感染した自己性B- LCL(表5)を用いて試験し、そしていずれもVP16発現標的を認識しなかった。3 -6F9は、この実験において不活性であるにもかかわらず、クローンの能動的継代 は、RP-2感染したB-LCLを溶解したが、vac/VP-16感染標的を溶解しなかった。こ れら同一CTLクローンが他のワクシニア組換え体とともに試験された場合(表6) 、ゲノムのこの領域にマップされる全ての5クローンは、ボールドタイプ書体に よって示されるように、vac/UL49感染標的細胞を認識した。4-7B1クローンは、 再刺激された場合、増殖を停止した。この実験において使用するために利用可能 なT細胞の数は、非常に少なかった。そのため、エフェクター:標的の比率は、 他のCTLクローンについて使用される10:1の出発比率より、かなり少なかっ た。従って、特異的溶解は、6%のみであったが、これはおそらくポジティブな 結果であり、それ故、箱を描くのに点線を用いた。領域にマップされなかったク ローンは、これらのORFのいずれも認識もせず、調査した型共通クローンは、今 のところUL49を認識もしなかった。 この節に表される結果の要約において、22のHSV特異的CD8+CTLを3つ の陰部ヘルペスを頻繁に再発する個体から単離した。75を超えるHSVタンパ ク質のいずれがクローンによって認識されたか同定するために、HSV型特異性 について、内部ビリオンタンパク質の認識について、および個体のHSVタンパ ク質gB、gD、UL46、UL47、UL48(VP16)およびUL49( VP22)の認識について、クローンをスクリーニングした結果を表7にまとめ る。22クローンのうち13は、HSV−2型特異的であり、そして残りのクロ ーンはHSV−2およびHSV−1タンパク質の両方を認識した。19/21 クローンはビリオンタンパク質を認識した。1/19は、gBを認識し、そして 1/19は、gDを認識した。クローンの17/19は、外被およびキャプシド 領域を含む内部ビリオンタンパク質を認識した。これら17クローンのうち14 を、遺伝子位置のマッピングをするために型間HSV組み換え体を用いるか、ま たは特異的タンパク質標的を同定するために、UL46、UL47、UL48( VP16)またはUL49(VP22)を発現する個別の組み換えワクシニアウ イルスを用いて、分析した。これらタンパク質の認識の頻度は、UL46(0/ 14)、UL47(0/14)、UL48(VP16)0/14およびUL49 (VP22)5/14であった。 組み換えワクシニアウイルスを用いて、種々のウイルスタンパク質に応答する 頻度を決定する実験も行った。1つの個体由来のCD8+T細胞を用いる4つの 実験の結果を表7に要約する。いくつかの複合体標的(HSV−2変異体X12 およびhr259、X12ウイルスで感染したNK細胞標的株K-562および 同種異系なB−LCLを含む)を試験した。さらに、組み換えワクシニアウイル スの4/6を個別に試験し(gD2,gB2,VP16およびVP22(UL4 9))、そして他の2つを等量のvac/UL46およびvac/UL47ウイ ルスを用いて標的細胞の同時感染により試験した。結果を、1/CD8+T細胞 の数に関して、および106CD8+T細胞あたりCTL数に関しての両方におい て、95%の信頼限界(上限および下限)を用いて、表した。推定の質を、χ二 乗値によって示す。なぜならば、頻度は、χ二乗の最小化によって推定されたか らである。 結果は、gDおよびgBエピトープを認識するCTLが以前考えられていたほ どは、まれではないことを示す。実験1において、gB特異的CTLは、約5, 000のCD8+T細胞中に1存在し、gD特異的CTLは、10,000のC D8+T細胞中に1を含む、これに比べ、約250,000のCD8+T細胞中に 1の非感染B-LCLの非特異的溶解のバックグラウンドに対してVP16を認識する細 胞は、約66,000のCD8+T細胞中に1であった。実験2において、gD 特異的CTLは、同様のレベルで検出され(約6,000のCD8+T細胞中に 1)、これに対し、I型抗原提示を保存するか(X12)、または限られた数 のHSV遺伝子を発現する(hr259/ICP4-)HSV-2変異体に感染し た標的B-LCLを認識したCTLは、それぞれ、約3,000のCD8+T細胞 中に1から、約17,000のCD8+T細胞中に1であった。これらの値は、 非感染B-LCLの非特異的溶解を示すT細胞の80,000中に1つのバック グラウンドに対して測定された。実験3において、VP−16特異的CTLの数 は、ナチュラルキラー細胞の数と同様であった。ナチュラルキラー細胞は、K-5 62細胞または非特異的T細胞を認識し、そして溶解する。最後に、実験4におい て、VP16,UL46またはUL47のエピトープは、この被験体におけるC TL応答においてはるかに少なく提示されたが、VP22(UL49)由来のエ ピトープは、ウイルス全体の場合に匹敵する頻度で認識された。このことは、V P22が、ヒトCTL応答において免疫優勢な特異性であることを示唆する。 従って、VP22(UL49によってコードされる)由来のエピトープを認識 するCD8+CTLの高い頻度を測定した。さらに、以前にVP16におけるエ ピトープを認識すると考えられていた4つのクローン化CTLはVP22を実際 に認識した。従って、このタンパク質は、HSV+被験体におけるCTL応答の 誘導または増強のために特に有用である。 実施例2 この実施例は、VP22がマウスにおいてCTL応答を誘導する能力を示す。 この実験で使用されたワクチンは、組換えワクシニアウイルス、vac/UL49F(こ れは感染細胞において全長VP22タンパク質を発現する)、およびDNAワク チン、pCMV/UL49(CMV前初期プロモーターによって駆動されるUL49 ORFを含む) を、含む。vac/gB2およびpCMV/gB2をボジティブコントロールとして使用した。 具体的には、16匹の雌性C57BL/6系統マウス(H-2b)(Charles Riverより) 、6週齢を各々4匹の動物の4つの群に分け、そして表9に記載のように免疫し た。C57BL/6マウスを、HSV gB2エピトープを認識する能力に基づき使用した(Ha nkeら、J.Virol.(1991)65:1177-1186)。 全ての抗原を、ダルベッコ(Dulbecco)Ca+Mg++非含有PBS中で、希釈または再 構成した。免疫スケジュールは、ワクシニアを受けた動物につき1度の免疫化( 群1および4)ならびにDNAを用いる1度または2度の免疫を含む。初回の免 疫の1ヶ月後、各群の2匹の動物に追加免疫した。他の2匹の動物を、1週間後 (5週目)にCTLアッセイに使用したが、追加免疫した動物を、追加免疫の2 週間後に反復アッセイのために使用した。 脾臓を収集し、そして脾細胞を以下のように再刺激した。収集された脾臓を、 洗浄培地(RPMIおよびα-MEMの1:1混合物に、10%熱非働化ウシ胎児血清、 2×10-5M 2-メルカプトエタノール、および50μg/mlゲンタマイシンを添加) 中に単一細胞懸濁液になるように、スクリーンに対して、分散させた。次に細胞 を24ウェル組織培養プレートに、1ウェルあたり5×106細胞の密度でプレート した。抗原提示細胞(APC)を、3×106脾細胞を10μM gB2ペプチドでパルス するか、または細胞をvac/UL49ウイルスを用い10のm.o.i.で1時間感染させるこ とにより、調製した。VP22タンパク質はまた、反復アッセイにおいて、群3 および4を再刺激するために、0.0125mg/mlの濃度で使用した。ConAを含まない 2%Rat T-stim補充物(Collaborative Biomedical Products,Bedford,MA)を 、再刺激のために培地に添加した。培地を、3日目に交換した。再刺激の1週間 後、表10に記載のように、CTLを標的とのインキュベーションについて種々 のE:T比率で96ウェルプレートに分配した。 MC57(H2b)細胞を1.5時間gB2ペプチドでパルスするか(51Crロ ードと同時)、10のm.o.iで16時間vac/UL49で感染させるか、またはネガテ ィブコントロールとして10のm.o.i.でワクシニア野生型(vac/Wr)で感染させ 、コールド標的として用いたかのいずれかであった。コールド標的を、51Crロ ードした標的細胞とともに、30:1の比で添加した。さらに、MHC不一致の SVBalb細胞(H2d)を、同種異系標的として使用し、そしてペプチドで パルスするか、またはvac/UL49で感染させたかのいずれかであった。CTL標的 を、示されたE:T比率で4時間、全容量200μlで同時に培養し、その後5 0μlの上清を収集し、そして計数のためのドライシンチラントを含むLuma プレート内に分配した。 1回の免疫の後、vac/gB免疫マウス(群1)およびDNA免疫マウス(群2) において強力な陽性溶解が存在した。UL49DNA群(群3)またはvac/UL49 群(群4)も、vac/UL49感染の検出可能な特異的溶解を示さなかった。 上記実験を繰り返したが、例外として、VP22タンパク質を脾細胞のさらなる再 刺激手段として使用した(群3bおよび4b、表11)。群2および3の動物は 、追加免疫を受けた。 実験は、gB特異的CTLが、gB2免疫群の各々において誘導されたことを 示した(群1〜2)。この実験のいずれのUL49群においても、ウイルスまた はVP22タンパク質のいずれで刺激しても、CTL誘導は存在しなかった(群 3および4)。 上記の実験を、繰り返して、2匹のさらなるマウス系統(Balb/cおよびC3H) がVP22においてCTLエピトープを認識する能力を評価した。16匹のマウ ス(Charles Riverから)6週齢、を各4匹の動物の4つの群に分け、表12に 示されるように免疫した。8匹のマウスは、Balb/c(H-2b)系統であり、8匹のマ ウスはC3H(H-2k)であった。免疫化スケジュールは、以前の実験と同様であった 。 51Cr放出研究を、上記に、表13に示す2つのマウス系統を加えて行った。 ワクシニアまたはDNAワクチンのいずれもC3HマウスにおいてVP22特異 的CTLを誘導しなかったが(群3および4)、CTLはBalb/cマウスにおいて 組換えワクシニアおよびDNAワクチンの両方によって誘導され(群1および2 )、このことは、このマウス系統のVP22において有意なエピトープが存在す ることを示す。 表14に記載のとおりに、実験を繰り返した。組換えワクシニア群におけるV P22の細胞障害性活性は、耐久性であることが検証されたが、細胞傷害性は、 DNAワクチンを用いる第2の免疫によって、ブーストされなかった。VP22 に対するエピトープは、追加免疫ワクチン接種後でもまだC3Hマウスに出現し なかった。 従って、HSV VP22ポリペプチドを含むワクチン組成物、およびこれを 使用する方法が開示される。本発明の好ましい実施態様は、いくらか詳細に記載 されたが、添付の請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲から離れるこ となく、明白な改変がなされ得ることが、理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 31/22 A61P 31/22 C07K 14/035 C07K 14/035 A61K 37/02 C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ティッジェス,マイケル エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94608, エミリービル,ホートン ストリート―ア ール440 4560,カイロン コーポレイシ ョン内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物被検体において細胞性免疫応答を誘発し得る単純ヘルペスウイルス (HSV)VP22ポリペプチドおよび薬学的に受容可能な賦形剤を含む、サブユニット ワクチン組成物。 2.前記VP22がHSV1型(HSV-1)由来である、請求項1に記載の組成物。 3.前記VP22がHSV2型(HSV-2)由来である、請求項1に記載の組成物。 4.HSV VP16ポリペプチドをさらに含む、請求項1に記載の組成物。 5.前記VP16ポリペプチドがHSV-1由来である、請求項4に記載の組成物。 6.前記VP16ポリペプチドがHSV-2由来である、請求項4に記載の組成物。 7.HSV糖タンパク質ポリペプチドをさらに含む、請求項1に記載の組成物。 8.前記糖タンパク質がHSV-1由来のgBポリペプチドである、請求項7に記載の 組成物。 9.前記糖タンパク質がHSV-2由来のgBポリペプチドである、請求項7に記載の 組成物。 10.前記糖タンパク質がHSV-1由来のgDポリペプチドである、請求項7に記載 の組成物。 11.前記糖タンパク質がHSV-2由来のgDポリペプチドである、請求項7に記載 の組成物。 12.アジュバントをさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。 13.単純ヘルペスウイルス(HSV)感染の処置または予防のための組成物を産生 する方法であって、以下: (a)哺乳動物被検体において細胞性免疫応答を誘発し得る、単離されたHSV VP2 2ポリペプチドを提供する工程;および (b)薬学的に受容可能な賦形剤とともに該HSV VP22ポリペプチドを処方する工 程 を含む、方法。 14.前記VP22がHSV1型(HSV-1)由来である、請求項13に記載の方法。 15.前記VP22がHSV2型(HSV-2)由来である、請求項13に記載の方法。 16.前記組成物が、HSV VP16ポリペプチドをさらに含む、請求項13に記載の 方法。 17.前記VP16ポリペプチドが、HSV-1由来である、請求項16に記載の方法。 18.前記VP16ポリペプチドが、HSV-2由来である、請求項16に記載の方法。 19.前記組成物が、HSV糖タンパク質ポリペプチドをさらに含む、請求項13 に記載の方法。 20.前記糖タンパク質がHSV-1由来のgBポリペプチドである、請求項19に記 載の方法。 21.前記糖タンパク質がHSV-2由来のgBポリペプチドである、請求項19に記 載の方法。 22.前記糖タンパク質がHSV-1由来のgDポリペプチドである、請求項19に記 載の方法。 23.前記糖タンパク質がHSV-2由来のgDポリペプチドである、請求項19に記 載の方法。 24.アジュバントを添加する工程をさらに含む、請求項13〜23のいずれか に記載の方法。 25.哺乳動物被検体において、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を処置または 予防するために有用な医薬の製造において、該哺乳動物被検体の細胞性免疫応答 を誘発し得る、HSV VP22ポリペプチドの使用。 26.哺乳動物被検体において、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を処置また は予防するために有用な医薬の製造において、哺乳動物被検体およびMSV VP16ポ リペプチドの細胞性免疫応答を誘導し得る、HSV VP22ポリペプチドの使用。 27.哺乳動物被検体において、細胞性免疫応答を誘発し得る単純ヘルペスウイ ルス(HSV)VP22ポリペプチドをコードする遺伝子を含む、ウイルスベクター。 28.前記VP22ポリペプチドをコードする遺伝子が、HSV1型(HSV-1)由来であ る、請求項27に記載のウイルスベクター。 29.前記VP22ポリペプチドをコードする遺伝子が、HSV2型(HSV-2)由来であ る、請求項27に記載のウイルスベクター。 30.哺乳動物被検体において、HSV感染を処置または予防するために有用な医 薬の製造において、該哺乳動物被検体の細胞性免疫応答を誘発し得る、単純ヘル ペスウイルス(HSV)VP22ポリペプチドをコードする遺伝子を含むウイルスベクタ ーの使用。 31.哺乳動物宿主細胞において、遺伝子の転写および翻訳を指向する制御要素 に作動可能に連結された単純ヘルペスウイルス(HSV)VP22ポリペプチドをコード する遺伝子を含む組換えベクター、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、ワ クチン組成物。 32.前記VP22ポリペプチドをコードする遺伝子が、HSV1型(HSV-1)由来である 、請求項31に記載の組成物。 33.前記VP22ポリペプチドをコードする遺伝子が、HSV2型(HSV-2)由来である 、請求項31に記載の組成物。 34.前記組換えベクターが非ウイルスベクターである、請求項31に記載の組 成物。 35.前記組換えベクターがウイルスベクターである、請求項31に記載の組成 物。 36.前記ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、請求項35に記 載の組成物。 37.前記組換えベクターがシンドビスウイルス由来である、請求項31に記載 の組成物。 38.前記組換えベクターがリポソーム調製物に被包される、請求項31に記載 の組成物。 39.哺乳動物被検体においてHSV感染を処置または予防するために有用な医薬 に製造において、哺乳動物宿主細胞における遺伝子の転写および翻訳を指向する 制御要素に作動可能に連結された単純ヘルペスウイルス(HSV)VP22ポリペプチド をコードする遺伝子を含む、組換えベクターの使用。
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