JP2002502611A - ヒトヘパラナーゼポリペプチドおよびcDNA - Google Patents

ヒトヘパラナーゼポリペプチドおよびcDNA

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新しく同定されたポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、該ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用ならびに該ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造に関する。より詳しくは、本発明のポリペプチドは、SV40でトランスフォームしたヒト繊維芽細胞セルラインATCC CCL75.1から得られ得る“ヘパラナーゼ”である。該ヘパラナーゼはヘパラン硫酸を特異的に6から20kDの断片に分解することができるエンドグルクロニダーゼである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチド、そのようなポリヌクレオチド
によりコードされるポリペプチド、そのようなポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドの使用、さらにはまた、そのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの
製造に関する。より詳しくは、本発明のポリペプチドは、ヒトSV−40でトラ
ンスフォームした線維芽細胞セルライン ATCC CCL 75.1から得られる
「ヘパラナーゼ」である。ヘパラナーゼは、ヘパラン硫酸を6〜20kDaのフラ
グメントへと特異的に分解することができるエンドグルクロニダーゼである。本
発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含んでなるベクターおよび宿主細胞に
も関する。さらにまた、本発明は、本発明によるポリペプチドに対する抗体、そ
のような抗体またはポリペプチドを含んでなる医薬組成物、およびそのようなポ
リペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストを同定するのに適当なアッセイシ
ステムに関する。
【0002】 発明の背景 ヘパラナーゼは、最初、Nakajimaらにより、マウス転移性メラノーマ細胞に おいて同定された(Nakajimaら,Science 220:611−613,1983)
。彼らは、ヘパラン硫酸の分解に関与する酵素がGluAとGlcNAcとの間の結 合を切断するエンドグルクロニダーゼであるとの結論を下して、それをヘパラナ
ーゼと名付けた(Nakajimaら,J. Biol. Chem. 259:2283−2290
,1984)。ヘパラナーゼは、ヘパラン硫酸およびヘパリンを各々二糖類およ び四糖類へと特異的に分解することができる脱離酵素(eliminases)である(Naka
jimaら,J. Biol. Chem. 259:2283−2290,1984)、フラボ バクテリウム・ヘパリチナーゼおよびヘパリナーゼとは区別される加水分解酵素
である(Ototani,N.ら,Carbohydrate Res. 88:291−303,198
1)。
【0003】 ヘパラナーゼ様活性は、Nakajimaら(J. Cell. Biochem. 36:157− 167,1988)により概説されているように、幾つかの正常および腫瘍細胞 および組織において見出されている。様々な研究所からの報告により、少なくと
も3つの異なったタイプのヘパリンおよび/またはヘパラン硫酸分解エンドグル
クロニダーゼの存在が予測されている。メラノーマヘパラナーゼは、ヘパラン硫
酸を分解するが、ヘパリンに対しては活性ではない。ヒト血小板ヘパラナーゼは
、ヘパリンおよびヘパラン硫酸の両方を解重合して、ヘパリンのアンチトロンビ
ン結合ドメインにおけるβ−グルクロニド結合を切断する(Thunbergら,J. B
iol. Chem. 257:10278−10282,1982)。肥満細胞腫細胞由 来の別のエンドグルクロニダーゼは、高分子ヘパリンプロテオグリカンの、市販
のヘパリンと同様の大きさのフラグメントへの解重合を触媒する(Oegrenおよび
Lindahl,J. Biol. Chem. 250:2690−2697,1975)。肥満 細胞腫酵素は、ヘパラン硫酸に対する活性をを殆どまたは全く有しておらず、ヘ
パリンのアンチトロンビン結合領域を切断しない。
【0004】 ヘパラナーゼの酵素特性は、幾つかの研究所において試験されている。Nakaj
imaらは、ヘパラナーゼがブタ粘膜およびウシ肺の高度に硫酸化されたヘパリン(
コンドロイチン 4−硫酸、コンドロイチン 6−硫酸、デルマタン硫酸、および
ヒアルロン酸)を分解しないことを見出した(Nakajimaら,J. Biol. Chem. 259:2283−2290,1984)。彼らはまた、ヘパラナーゼは上記の ヘパリンにより阻害されるが、エキソグルクロニダーゼ阻害剤(1,4−サッカロ
ラクトン)によっては阻害されないことも報告した(Nakajimaら,J. Biol. C
hem. 259:2283−2290,1984)。血管内皮細胞により産生される
高度に硫酸化されたヘパリン硫酸は、ウシ肺および腎ヘパラン硫酸と比べてヘパ
ラナーゼに比較的耐性であって、ヘパラナーゼにより大きな分子サイズのフラグ
メントへと切断される(Nakajimaら,J. Biol. Chem. 259:2283−2
290,1984)。このように、彼らは、ヘパラナーゼにより認識されるヘパ ラン硫酸のドメイン構造を提示した。Bai,Xら(J. Biol. Chem. 272: 23172−23179,1997)は、近頃、2−O−硫酸 ウロン酸がヘパラ
ン硫酸のヘパラナーゼ認識およびその酵素活性に重要であることをCHO細胞の
変異セルラインの使用で示した。Bame,K. J.ら(J. Biol. Chem. 272 :2245−2251,1997)は、一方がヘパラン硫酸の高度に硫酸化され た領域の還元性末端付近を切断して、他方がヘパラン硫酸の高度に硫酸化された
領域の非還元性末端付近を切断するという、2つのタイプのヘパラナーゼの存在
を予測している。Schmidtchen,A.ら(Eur. J. Biochem. 223:211−
221,1994)はまた、ヘパラナーゼ処理が分子サイズ約7kDaの僅かに硫 酸化されたGluNAcを含むヘパラン硫酸フラグメントを生成するという実験か ら、パラナーゼ切断部位モデルも提唱している。
【0005】 (i)ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Nakajimaら,Science 220:6 11−613,1983)、(ii)ゲル濾過クロマトグラフィー(Nakajimaら, J. Biol. Chem. 259:2283−2290,1984)、(iii)高速ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(Irimura,T.ら,Anal. Biochem. 1 30;461−468,1983)、(iv)ヘパラナーゼの固相基質(Nakajima ,M.ら,Anal. Biochem. 157;162−171,1986;米国特許第4
859581号)、(v)ヘパラナーゼ活性の検出のための放射能標識化ヘパラ ン硫酸およびフルオロセイン標識化ヘパラン硫酸(米国特許第4859581号 ;WO 9504158A)、(vi)ヘパラナーゼで処理したヘパラン硫酸フラグ
メントがcHRGに対して低い親和性を有することを利用する、ニワトリヒスチ ジンに富む糖タンパク質(cHRG)の使用を含め、ヘパラナーゼ活性を測定する ための様々な方法が報告されている。
【0006】 ヘパラナーゼを精製するための様々な方法は、WO 9102977Aおよび WO 9504158Aに開示されている:前者は、クロマトグラフ法を使用す ることによる天然ヘパラナーゼの製造方法であって、後者は、エンド−N−アセ
チルグルコサミニダーゼの活性を有するヘパラナーゼを精製する方法である。
【0007】 ヘパラン硫酸プロテオグリカンの生化学試験、生物学試験、および病理学試験
を行った結果、様々な疾患におけるヘパラナーゼの役割を調べることとなった。
ヘパラン硫酸は、実質細胞を下にある間質結合組織から分離する細胞外基質の連
続シートである基底膜の主要成分である。基底膜は、特有の透過性を有しており
、正常な組織構築を維持する役割を担う。ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、コ
ラーゲンタンパク質成分と非コラーゲンタンパク質成分との相互作用を高める一
方で、それらをタンパク質分解攻撃に対して保護することにより、基底板基質ア
センブリーを促進する。ヘパラン硫酸はまた、基底膜における陽イオン分子およ
び巨大分子に対する真のバリヤーでもある。このように、ヘパラン硫酸プロテオ
グリカンバリヤーの破壊は、正常細胞および腫瘍細胞の両方による基底膜の貫通
の間の重要な工程である(Nakajima,M.ら,J. Cell. Biochem. 36:15
7−167,1988)。
【0008】 大部分の癌死亡率は、局所転移および遠隔転移への転移の結果である。転移形
成は、腫瘍細胞と正常宿主細胞および組織との間の独特の相互作用の連続的およ
び複合的組み合わせによって起こる。転移形成の間、遊走する腫瘍細胞は、結合
組織および基底膜といったような天然バリヤーに直面する。これらのバリヤーを
貫通する悪性細胞の能力は、間質成分および基底膜成分を分解することができる
腫瘍および/または宿主酵素の存在に依存する。実際、幾つかの腫瘍細胞に関連
するプロテイナーゼおよびグリコシダーゼは、腫瘍細胞の浸潤および転移に関係
しており、それらの活性は、幾つかのタイプの悪性細胞における転移の可能性と
相関する。血管内皮下の基底膜におけるヘパラン硫酸プロテオグリカンの酵素分
解、続いて、ヘパラン硫酸フラグメントの解離は、転移性腫瘍細胞、脈管形成性
内皮細胞、および炎症細胞により成し遂げられる。ヘパラナーゼ活性と転移の可
能性との間の良好な相関関係は、メラノーマ、T細胞リンパ腫、線維肉腫、およ
び横紋筋肉腫といったような、幾つかのタイプの悪性腫瘍において見出されてい
る(Nakajimaら,Science 220:611,1983;Vlodavskyら,Cancer
Res. 43:2704,1983;RicoveriおよびCappelletti,Cancer R
es. 46:3855,1986;Beckerら,J. Natl. Cancer Inst. 77 :417,1986)。
【0009】 Nakajimaら(J. Cell. Biochem. 36:157−167,1988)および
Vlodavskyら(Cancer Metastasis Rev. 9:203−226,1990) に より概説されているように、同様の観察結果が様々なタイプの腫瘍を使用して幾
つかの研究所から報告されており、血液由来の転移、血管形成、および炎症細胞
遊走の間、ヘパラナーゼが血管基底膜を通しての細胞貫通において重要な役割を
担うことを提示している。従って、ヘパラナーゼ阻害は、腫瘍細胞の血管外遊出
および血管形成の抑制をもたらして、腫瘍転移の阻害を起こす。米国特許第52
62403A号は、グリコサミノグリカン誘導体および転移性豊富な腫瘍侵襲性
の阻害剤としてのそれらの使用を記載している。米国特許第4882318号は
、ヘパリン誘導体を腫瘍転移および血管形成の阻害剤として記載している。
【0010】 線維芽細胞成長因子(FGF)、アンチトロンビン III、血小板因子 IV、血管 内皮成長因子(VEGF)、インターフェロン−γ(IFN−g)、肝細胞成長因子
(HGF)、キナーゼ、ホスファターゼ、リポタンパク質リパーゼ、IP−10、
I型単純ヘルペスウイルスといったような様々な分子は、ヘパラン硫酸に結合す
ることが知られている。全てのうち、bFGFとヘパラン硫酸との相互作用に関 する広範な試験が様々な研究所から報告されている(Schlessinger,J.ら,Ce
ll. 83:357−360,1995に概説されている)。ヘパラナーゼによる これらの分子の相互作用およびバイオアベイラビリティーの変更が幾つかのグル
ープにより報告されている。Whitelock. J. M.ら(J. Biol. Chem. 271
:10079−10086,1996)は、彼らが試験した酵素(プラスミン、コ
ラゲナーゼ、トロンビン、およびストロメライシン)のうち、ヘパラン硫酸プロ テオグリカンの1つであるパールカン(perlecan)から結合成長因子を解離するの
に最も有効な物質として、ヘパラナーゼを示した。彼らは、ヘパラン硫酸オリゴ
サッカライド鎖からのbFGFの解離が創傷治癒過程における傷害部位での組織 再生をもたらすと推測した。
【0011】 Hoogewerf.A. J.らは、ヒト血小板由来のヘパラナーゼを同定して、その 酵素特性を試験した(J. Biol. Chem. 270:3268−3277,199 5)。彼らが同定した、ヒト血小板由来のヘパラナーゼのN−末端アミノ酸配列 は、CXCケモカイン(Chemokine)・ファミリーの一つである結合組織活性化 ペプチド-III(CTAP−III)でり、その作用態様はヘパラン硫酸を2糖類に 分解するエンド−N−アセチルグルコサミニダーゼであったことを明かにした。
彼らは、その考察の中で、CTAP−IIIの、ヘパラナーゼおよび好中球の化学 誘引物質の両方に関する二面的機能に触れて、多くの病因におけるその関与を示
唆している。例えば、ケモカインのヘパラナーゼ活性は、炎症を起こした内皮細
胞の表面に固定されているケモカインのフォーカル・サイトを分解することによ
って炎症を下方制御し得る。脈管病理においては、CTAP−IIIによる脈管ヘ パラン硫酸の分解がアンチトロンビンIII結合部位を取り除き、血栓形成を促進 する。
【0012】 Liderらは、腫瘍壊死因子アルファを阻害する2糖類が、酵素ヘパラナーゼに
よって細胞外マトリックスから形成されることを示した(Proc. Natl. Acad .Sci. U.S.A.. 92:5037−5041、1995)。抗原提示細胞
上に提示された抗原によってT細胞が活性化されたとき、それらは、例えば、炎
症性サイトカイン、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)および酵素ヘパラナー ゼのようなエフェクター分子を生産する。その結果、ハパラナーゼが、細胞外マ
トリクスおよび/または細胞表面においてヘパラン硫酸を分解し、ヘパラン硫酸
の2糖類を生産し、次いで活性化T細胞の炎症性活性を下方制御する。このヘパ
ラナーゼによるT細胞介在炎症のネガテイブ・フィードバック制御は、治療的に
このような酵素分子を投与することで免疫系の調節に成功するかもしれないこと
を示唆する。
【0013】 Gilat, D.らは、ヘパラナーゼが生理学的pHでT細胞接着分子として作用 することを示した(J. Exp. Med. 181:1929−1934,1995)
。生理学的pHで、比較的低活性の酵素であるヘパラナーゼはレクチン様のプロ
接着分子として作用し、脈管外での休止T細胞の集積を組織し得る。従って、ハ
パラナーゼ介在ECM−CD4+T細胞は、特異的に活性化された隣接免疫細胞
によって誘発された共シグナルに直ちに反応することができる。
【0014】 ベータ・アミロイドは、アルツハイマー病に特徴的な老人班の主要成分である
(Snow, A.D.,Neuron 12:219−234,1996)。組織化学的お よび免疫細胞化学的研究は、ヘパラン硫酸プロテオグリカンおよびグリコサミノ
グリカンが、アルツハイマー病の老人班中のベータ・アミロイドタンパク質と共
局在化していることを示した。McCubbin ら(Biochem J. 256,775−
783,1988)は、ヘパラン硫酸が血清アミロイドペプチドのランダム・コ
イル構造をすべて取り除き、ベータ・シート・ベータ・ターン配座に変換してア
ミロイド・ベータ原繊維を生成することを示した。ヘパラン硫酸プロテオグリカ
ンの一つであるグリピカンは、アルツハイマー病のアミロイド前駆体タンパク質
に結合し、アミロイドタンパク質誘導の神経突起の発生を阻害することが示され
た(Williamsom ら、J.Bio.271:31215−31221,1996)。
【0015】 これらの知見は、アミロイドの沈着を起こすベータ・アミロイドとヘパラン硫
酸プロテオグリカンの複合体形成を阻止する一つの機作が、該プロテオグリカン
を分解することであることを示唆する。ヘパラン硫酸の構造の要素を模倣する小
分子は、in vivo でアミロイドタンパク質の誘導および存続の両方を阻害し,さ
らに、ヘパラン硫酸による、in vitro でのアミロイド・ベータ−シート形成の 誘導およびアミロイド・ベータのフィブロゲネシスを阻害し得る(Kisilevsky
ら、Nature Med. 1:143−148,1995)。従って,ヘパラン硫酸を
分解し得るヘパラナーゼは、老人班におけるベータ・アミロイドの沈着を阻害す
る治療手段として使用され得る。
【0016】 医薬分野における使用に良く適合している,ヘパラナーゼ様活性を有する酵素
の多くの特徴から見て、そのような活性を示すさらなるポリペプチドを提供する
持続的必要性がある。好ましくは、このようなポリペプチドは既知の酵素の作用
に比して有利な作用を示す。さらに、そのようなポリペプチドの充分量を組換発
現技術によって製造することができるように、そのようなポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドを提供する必要がある。
【0017】 発明の概要 本発明は、SV−40でトランスフォームしたヒト線維芽細胞セルライン A TCC CCL 75.1から得られるヒトヘパラナーゼの生物活性を示すポリペ プチド、またはその機能的誘導体、機能的フラグメントもしくは機能的アナログ
に関する。本発明はまた、そのようなポリペプチドをコードするヌクレオチド配
列を含むポリヌクレオチドに関する。他の観点において、本発明はそのようなポ
リペプチドまたはポリヌクレオチドを製造する方法に関する。さらに、本発明は
、そのようなポリヌクレオチドを含むハイブリド・ベクターおよびそのようなハ
イブリド・ベクターでトランスフォームされた宿主細胞に関する。
【0018】 また、そのようなポリペプチドを特異的に認識し結合する抗体およびそのよう
な抗体を使用する診断方法を提供することも本発明のさらなる目的である。本発
明のさらなる目的は、そのようなポリペプチドまたは抗体を含む医薬組成物およ
びそのようなポリペプチドまたは抗体を投与することを含む処置方法に関する。
さらに他の観点において,本発明は、そのようなポリペプチドの生物活性または
発現を調節し得る物質を同定するアッセイシステムおよび方法ならびにそのよう
な方法で得られる物質を提供する。本発明の他の観点は、本発明によるポリペプ
チドと特異的にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドまたはその誘導体に関
する。さらなる他の観点において、本発明は、遺伝子治療におけるそのようなポ
リヌクレオチドの使用を指向している。
【0019】 詳細な説明 本発明の一つの観点によれば、SV−40でトランスフォームしたヒト線維芽
細胞セルライン ATCC CCL 75.1から得られるヒトヘパラナーゼの生物
活性を示すポリペプチド、またはその機能的誘導体、機能的フラグメントもしく
は機能的アナログが提供される。特に、このようなポリペプチドは、ヘパラン硫
酸を、特異的に、約6kDから約20kDのサイズの範囲にある断片に分解する
ことができるエンドグルクロニダーゼである。該ヒトセルラインは、ATCC(
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)から寄託番号 75.1のも とに入手できる、セルラインWI−38 VA13サブライン2RAであって、 白人女性の正常胎児(妊娠3ヵ月)肺組織から得た二倍体セルラインである。。
【0020】 その好ましい態様において、本発明によるポリペプチドは、配列番号2のアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドの成熟型である。特に、該成熟ポリペプチドは、
配列番号2のアミノ酸158から543のアミノ酸配列を有する。配列番号2(
すなわち、アミノ酸1から543)のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、初
めの凡そ24アミノ酸がリーダー配列であり、157アミノ酸がプロ配列である
タンパク質の予測された前駆体型である。このような前駆体ポリペプチドは本発
明のもう一つの観点である。本発明は、さらに本発明ポリペプチドの製造方法を
提供し、該製造方法は化学合成、組換DNA技術およびそれらの組み合わせを含
む。
【0021】 本発明の他の観点によれば、本発明のポリペプチド、すなわちSV−40でト
ランスフォームしたヒト線維芽細胞セルライン ATCC CCL 75.1か
ら得られるヒトヘパラナーゼの生物活性を示すポリペプチドをコードし、または
その機能性誘導体、機能性断片もしくは機能性アナログをコードするヌクレオチ
ド配列を含む、単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)を提供する。好ましく
は、そのようなポリヌクレオチドは、配列番号2のアミノ酸158から543の
アミノ酸配列を有し、本発明のヘパラナーゼの成熟型であるポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列を含む。他の態様において、そのようなポリヌクレオチ
ドは、配列番号2のアミノ酸1から543のアミノ酸配列を有し、本発明のヘパ
ラナーゼの前駆体型であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
本発明の他の好ましい態様は、配列番号1のヌクレオチド配列を有するポリヌク
レオチドに関する。
【0022】 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ヒト癌細胞、胎盤、
末梢血白血球または肺に由来するcDNAライブラリーから得られる。特に、個
々に記載されているポリヌクレオチドはヒトSV−40でトランスフォームした
繊維芽細胞セルラインATCC CCL 75.1由来のcDNAライブラリーか ら単離される。cDNAインサートは3726塩基ペア(bp)の長さであり、
全長543アミノ酸のタンパク質をコードするオープン・リーデイング・フレー
ムを含み、その最初の凡そ24アミノ酸はリーダー配列であり、最初の157ア
ミノ酸はプロ配列である。従って、本発明のポリペプチドの成熟型は157アミ
ノ酸のプロ配列(凡そ24アミノ酸のリーダー配列を含む)が開裂された後の3
86アミノ酸からなる。このポリペプチドは、癌細胞のライソソームまたは細胞
外周辺に見出される。
【0023】 本発明のポリヌクレオチドはRNAの形でも、DNAの形でもよく、RNAは
mRNAおよびpre−RNAを含み、DNAはcDNA,ゲノムDNAおよび
合成DNAを含む。DNAは2本鎖または1本鎖であり、1本鎖であるときはコ
ード鎖でも、非コード(アンチセンス)鎖でもよい。成熟ポリペプチドまたは前
駆体型をコードするコーデイング配列は配列番号1に含まれるコーデイング配列
と同一であるか、または遺伝子コードの重複もしくは欠落の結果として該コーデ
イング配列と異なっていてもよいが、配列番号1のcDNAと同一の成熟ポリペ
プチドまたはその前駆体型をコード化する。
【0024】 好ましい態様において、本発明のポリヌクレオチドは次ぎのものを含む:成熟
ポリペプチドのコーデイング配列、リーダーもしくは分泌配列またはプロプロテ
イン配列のコーデイング配列、成熟ポリペプチドのコーデイング配列(および任
意の追加コーデイング配列)および非コーデイング配列、例えば、イントロンま
たは成熟ポリペプチドのコーデイング配列の5’および/または3’非コーデイ
ング配列。従って、“ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌ
クレオチド”という用語は、ポリペプチドのコーデイング配列のみを含むポリヌ
クレオチドと共に1個またはそれ以上のさらなるコーデイングおよび/または非
コーデイング配列を含むポリヌクレオチドを包含する。
【0025】 本発明はさらに、配列番号2の由来アミノ酸配列を有するポリペプチドの断片
、アナログおよび誘導体をコードする、上記ポリヌクレオチドの変異体に関する
。ポリヌクレオチドの変異体は、ポリヌクレオチドの天然に起こる対立変異体で
あっても、ポリヌクレオチドの非天然発生の変異体であってもよい。本発明はま
た、配列番号1のポリヌクレオチドポリヌクレオチドまたはPCR法で増幅され
た配列番号1の配列の断片から構築されたポリヌクレオチド・プローブに関し、
これは本発明のポリペプチドを、上記のcDNAライブラリーから導くためのス
クリーニングに使用される。
【0026】 従って、本発明は、本発明の同一の成熟型ポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドと共に、そのようなポリペプチドの断片、誘導体またはアナログをコー
ドするポリヌクレオチドの変異体を含む。このようなヌクレオチド変異体は、欠
失変異体、置換変異体および付加もしくは挿入変異体を含む。上述したように、
ポリヌクレオチドは配列番号1のコーデイング配列の、天然に起こる対立変異体
であるコーデイング配列を有してもよい。既に知られているように、対立変異体
は、1またはそれ以上の置換、欠失または付加を含み、コードされたポリペプチ
ドの機能を本質的に変更しない、ポリヌクレオチドの変異形である。
【0027】 本発明はまた、成熟ポリペプチドのコーデイング配列が、同一リーデイング・
フレーム中で、ポリペプチドの発現および宿主細胞からの分泌を介助する、例え
ば細胞からのポリペプチドの輸送を制御する、ポリヌクレオチド配列と結合して
いる、ポリヌクレオチドにも関する。リーダー配列を有するポリペプチドはプロ
プロテインであって、リーダー配列は宿主細胞によって開裂され、ポリペプチド
の成熟型が形成される。ポリヌクレオチドは、成熟タンパク質に付加的N−末端
およびC−末端アミノ酸残基が加わったプロプロテインをコードしていてもよい
。プロ配列を有する成熟タンパク質がプロプロテインであって、ある場合には、
タンパク質の非活性型である。プロ配列が開裂されると活性な成熟タンパク質が
生じる。従って、例えば、本発明のポリヌクレオチドは成熟タンパク質をコード
していてもよく、プロ配列を持つタンパク質あるいはプレ配列(リーダー配列)
とプロ配列両方を持つタンパク質をコードしていてもよい。
【0028】 本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドの精製のためのマー
カー配列に、フレーム中で結合したコーデイング配列を有してもよい。マーカー
配列は、細菌宿主の場合マーカーに結合した成熟ポリペプチドの精製のために提
供されるpProEX-HTb(Gibco BGRL)ベクターによってもたらされるヘキサ−ヒス
チジン標識であってもよく、哺乳動物宿主、例えばCOS7細胞の場合、マーカ
ー配列はヘマグルチニン(HA)標識であってもよい。HA標識は、インフルエ
ンザ・ヘマグルチニンタンパク質から誘導されたエピトープに対応する(Wilso
n,I.ら、Cell,37:767(1984))。
【0029】 本発明によるポリヌクレオチドは、化学合成、組換DNA技術、ポリメラーゼ
連鎖反応またはそれらの組合せを含む方法によって製造され得る。このような方
法は、本発明のさらなる観点を形成する。
【0030】 本発明おいてポリペプチドに関して言及する“機能的断片”、“機能的誘導体
”および“機能的アナログ”なる用語は、そのようなポリペプチドと実質的に同
一の生物学的機能なたは活性を保持しているポリペプチドを意味する。従って、
アナログは活性成熟ポリペプチドを生成するプロタンパク質部分を含む。本発明
のポリペプチドは、組換ポリペプチド、天然ポリペプチドまたは合成ポリペプチ
ドであってよく、好ましくは組換ポリペプチドである。
【0031】 本発明のポリペプチドの機能的断片、誘導体またはアナログは、(i)1また はそれ以上のアミノ酸残基が保存的または非保存的アミノ酸残基(好ましくは、
保存的アミノ酸残基)によって置換されたものであって、このような置換された
アミノ酸残基は遺伝子コードにコードされていてもいなくてもよい、または(ii
)1またはそれ以上のアミノ酸残基が置換基を有しているもの、または(iii) 成熟ポリペプチドが、当該ポリペプチドの半減期を延長するような他の化合物と
結合しているもの、または(iv)成熟ポリペプチドに、リーダーもしくは分泌配
列、成熟ポリペプチドの精製に利用する配列またはプロタンパク質配列のような
さらなるアミノ酸が結合しているもの、であってよい。このような断片、誘導体
およびアナログは、本明細書の教示から当業者の技術水準の範囲内にあると見な
されるものである。
【0032】 本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは単離された形で
提供され、好ましくは均質にまで精製されている。“単離された”という用語は
、物質が当初の環境から取り出されたことを意味する(例えば、天然物の場合、
天然環境から)。例えば、動物生体内に存在する天然物ポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドは単離されていないが、天然系で共存する物質の一部または全部か
ら分離された該ポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA分子)またはポ
リペプチドは単離されている。本発明のポリヌクレオチドはベクターの一部であ
り得るし、またポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは組成物の一部でもあり
得るが、このようなベクターや組成物が天然環境の一部でないときは、それらは
やはり単離されている。
【0033】 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むハイブリド・ベクターに関し
、該ハイブリド・ベクターは適当な調節配列に操作可能に結合している。好まし
くは、ハイブリド・ベクターは発現ベクターである。さらに、本発明は、本発明
のハイブリド・ベクターでトランスフォームされた宿主細胞に関し、このような
宿主細胞はそのようなハイブリド・ベクターで遺伝的に加工されている。他の観
点において、本発明は、本発明のポリペプチドを製造するための組換製造法に関
し、該組換製造法は(I)本発明のハイブリド・ベクターでトランスフォームされ
た宿主細胞を該ポリペプチドの発現を行うのに適切な条件下で培養し、(ii)か
くして発現されたポリペプチドを単離することを含む。
【0034】 宿主細胞は、例えばクローニング・ベクターまたは発現ベクターである本発明
のベクターで遺伝的に加工(トランスジュース、トランスフォームまたはトラン
スフェクト)されている。ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、フ
ァージなどであてってよい。加工された宿主細胞は、通常の栄養培地を、プロモ
ーターを活性化し、トランスフォーマントを選択し、そしてヘパラナーゼ遺伝子
を増幅するように適切に修飾して培養され得る。温度、pHなどの培養条件は、
発現のために選択された宿主細胞に用いられるものであってよく、かつ当業者に
明かである。
【0035】 本発明のポリヌクレオチドは、組換技術によってペプチドを製造するために用
いられる。従って、例えば、ポリヌクレオチド配列は、種々の発現担体の一つ、
特にポリペプチドを発現するためのベクターまたはプラスミドに含まれ得る。こ
のようなベクターは、染色体性、非染色体性および合成DNA配列を含み、例え
ば、SV−40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、酵母プラスミド、
プラスミドとファージDNAの組み合わせに由来するベクター、ウイルスDNA
、例えば、ワクシニア、アデノウイルス、フォウル・ポックス・ウイルス、バキ
ュロウイルスおよびシュウドラビースを含む。しかしながら、他の如何なるプラ
スミドまたはベクターであっても、それが複製可能であり、生存可能である限り
、使用され得る。上記のとおり適当なDNA配列は、種々の方法でベクターに挿
入される。一般に、DNA配列は、既知の操作により、適当な制限エンドヌクレア ーゼ部位に挿入される。
【0036】 発現ベクターにおいてDNA配列は、mRNA合成を指示する、適切な発現調
節配列(プロモーター)に操作可能に結合している。このようなプロモーターの
代表的な例として、LTRまたはSV40プロモーター、E.coli lac または
trp、原核性もしくは真核性細胞またはそれらのウイルスの発現遺伝子がある。
発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネ
ーターを含む。ベクターはまた、発現増幅のための適当な配列を含んでもよい。
さらに、発現ベクターは、好ましくは、トランスフォームされた宿主細胞を選択
するための表現型特性、例えば真核性細胞培養におけるジヒドロフォレート・リ
ダクターゼまたはネオマイシン耐性、 E.coli におけるテトラサイクリンもし
くはアンピシリン耐性、をもたらす遺伝子を含む。
【0037】 上記のように、適当なDNA配列と適当なプロモーターまたは調節配列を含む
ベクターが、適当な宿主をタンパク質の発現ができるようにトランスフォームす
るために採用される。適切な宿主の代表的な例として、E.coli、Salmonella typhimurium のような細菌細胞、放線菌、真菌細胞、酵母、Drosophila および
St9 のような昆虫細胞、CHOやCOSのような動物細胞、縮物細胞などがあ
る。適切な宿主の選択は、本明細書の記載に基づき、当業者の範囲内であると見
なされる。
【0038】 さらに詳しくは、本発明は、一般的に記載された1またはそれ以上の配列を含
む組換構築物をも含む。この構築物は、プラスミドまたはウイルス・ベクターの
ようなベクターを含み、後者には本発明の配列が前向きまたは逆向きに挿入され
ている。この構築物は、さらに、例えば、操作可能に配列に結合されているプロ
モーターを含む調節配列を含む。多くの適当なベクターおよびプロモーターが当
業者に知られており、市販されている。以下のベクターは例示のために記載され
る。細菌性:pQE70、pQE60、pQE-9(Qiagen)pBs、 phagescript、psiX174、pBlue
script SK、pBsKS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratagene)、pTrc99A、pK
K223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)。真核細胞:pWLneo、pSV2cat、p
OG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharamcia)。しかし ながら、他の如何なるプラスミドまたはベクターであっても、それが複製可能で
あり、生存可能である限り、使用され得る。
【0039】 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコール・トランスフェラーゼ)
ベクターまたは他の選択可能なマーカーを有するベクターを用いて、如何なる所
望の遺伝子からでも選択し得る。二つの適当なベクターは pKK232-8 および pCM
7 である。特に名前が付けられている細菌性プロモーターは、lacl、lacZ、T3、
T7、gpt、lambda PR、Pl および trp を含む。真核プロモーターは、直初期CMV 、HSV thymidinekinase、初期および後期SV40、レトロウイルスからのLTRs
およびマウス・メタロチオネイン−1を含む。適当なベクターおよびプロモータ ーの選択は充分に通常の技術水準の範囲内である。さらなる態様において、本発
明は、上述の構築物を含む宿主細胞に関する。宿主細胞は、高等真核細胞、例え
ば哺乳動物細胞、あるいは下等真核細胞、例えば酵母、例えば S. cerevisiae であってもよく、さらに宿主細胞は、原核細胞、例えば E. coli のような細菌 細胞でもあり得る。宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウム・トランス
フェクション、DEAE−デキストラン介在トランスフェクションあるいは電子
穿孔法によって行い得る(Davis,L., Dibner, M., Battey L., Basic M
ethods in Molecular Biology, 1986)。
【0040】 宿主細胞中の構築物は、組換配列にコードされた遺伝子産物を製造するための
常套的方法に使用され得る。また、本発明のポリペプチドは、常套的なペプチド
合成法により、合成化学的に製造されてもよい。成熟タンパク質は、哺乳動物細
胞、酵母、細菌またはその他の細胞中で、適当なプロモーターの制御化に発現さ
れ得る。無細胞翻訳系もまた、本発明のDNA構築物に由来するRNAを用いて
対応するタンパク質を製造するために採用され得る。原核および真核宿主で使用
するための発現ベクターの適切なクローニングは、Sambrook, et al., Molecu
lar Cloning: A Laboratory Manual, Second Eddition, Cold Spring Harbor、N.Y., 1989)に記載されており、ここに引用することによって 、その記載を本明細書に取り込む。
【0041】 高等真核細胞による、本発明ポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベク
ターにエンハンサー配列を挿入することにより増進される。エンハンサーは、通
常凡そ19から300bpからなる、DNAのシス作用性因子であり、プロモー
ターに作用してその転写を増進する。その例は、複製起点の後期側(100−2
70bp)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーター・
エンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマ・エンハンサーおよびアデノウイ
ルス・エンハンサーを含む。
【0042】 一般に、組換発現ベクターは複製起点および宿主細胞のトランスフォーメイシ
ョン阻害しない選択可能なマーカー、例えば、E. coli のアンピシリン耐性遺伝
子および下流構造配列の転写を指示する高発現遺伝子由来のプロモーターを含む
。このようなプロモーターは、他にものと共に、例えば3−フォスフォグリセレ
ートキナ−ゼ(PGX)、アルファ因子、酸フォスファタ−ゼおよび熱ショック
タンパク質のような解糖酵素をコードするオペロンから由来し得る。異種構造配
列は、適当な時期に、翻訳開始および終結配列と、そして好ましくは翻訳された
タンパク質をペリプラズム域または細胞外培地中に分泌することを指示すること
ができるリーダー配列と結合する。必要あれば、異種配列は、所望の性質を損な
う(例えば、発現組換生産物の安定化および単純化された精製)末端同定ペプチ
ドを含む縮合タンパク質をコードし得る。
【0043】 細菌用の有用な発現ベクターは、所望のタンパク質をコードする構造DNA配
列を、機能性プロモーター下で操作可能な読み取り相で、適当な翻訳開始および
終結シグナルと共に挿入することによって構築される。ベクターは、一つまたは
それ以上の表現形選択マーカーおよび複製起点を含み、ベクターの維持を確保す
ると共に、所望により宿主内の増幅を提供する。トランスフォーメイションのた
めに適当な原核宿主は、E. coli、Bacillus subtilis、 Salmonella typhimuriu
m および Pseudomonas、 Streptomyces および Staphylococcus の各属に属する
多くの種を含むが、その他のものも選択次第で採用され得る。
【0044】 代表的な、しかし限定的でない例として、細菌用に有用な発現ベクターは、よ
く知られているクローニング・ベクター pBK322 (ATCC37017) の遺伝的要素を含
む市販のプラスミドに由来する細菌の複製起点と選択し得るマーカーを含有する
。このような市販のベクターは、例えば、PKK223-3 (Pharmacia) および GEM1(P
romega Biotec, Madison, WI, USA) を含む。これらの pBR3222 “バックボーン
”部分は、適当なプロモーターと発現されるべき構造配列と組合される。種々の
哺乳動物細胞培養系もまた、組換タンパク質を発現させるために用いられる。
【0045】 哺乳動物発現系は、Gluzman, Cell, 23:175(1981)によって記 載されたサル腎臓繊維芽細胞のCOS-7株およびその他の対応するベクターを発現 し得るセルライン、例えば、C127、3T3、CHO、HeLa および BHK セルラインを含
む。哺乳類発現ベクターは、複製起点、適当なプロモーターおよびエンハンサー
、必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、組換授受部位、転写終結部
位、転写終結配列、および5’フレイキング非転写配列を含む。SV40ウイル
ス・ゲノムから由来するDNA配列、例えば、SV40起点、初期プロモーター
、エンハンサー、組換およびポリアデニル化部位が、必要な非転写遺伝因子を提
供するために用いられ得る。
【0046】 このようにして発現された本発明のポリペプチドを、界面活性剤ホモジネート
、ヘパリン−セファロースクロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィ
ー、Con A−セファロースクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィ
ーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーを含む今までの方法を使用して細胞
培養から回収し、精製する。
【0047】 本発明のポリペプチドは、高発現セルラインから自然に発現される精製生産物
、または化学合成法による産物、または原核または真核宿主(例えば、培養して いる細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳類)から組換え法を使用して製造し 得る。組換え製造法で使用する宿主に依存して、本発明のポリペプチドは哺乳類
または他の真核炭水化物ではグリコシル化され、または非グリコシル化され得る
。本発明のポリペプチドは、最初のメチオニンアミノ酸残基を含み得る。
【0048】 本発明のポリペプチドは、また染色体同定に有効である。ポリヌクレオチドは
、個々のヒト染色体の具体的な位置を特異的に標的化し、ハイブリダイズできる
。さらに、現在、染色体上の特定の位置の同定が必要である。実際の配列データ
(反復多形成)に基づいたいくつかの染色体マーキング試薬が現在染色体位置のマ
ーキングに利用可能である。本発明に従った染色体のDNAの位置付けは、これ
らの配列と疾病に関与する遺伝子との相関の重要な第1段階である。
【0049】 簡単に、配列はPCRプライマー(好ましくは15−25bp)を調製することに
より染色体上に位置付けできる。cDNA Computer分析が、増幅工程を複雑 にしない、ゲノムDNAで1個のエクソン以上に伸びないプライマーを迅速に選
択するために使用される。これらのプライマーを、次いで個々のヒト染色体を含
む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用する。プライマーに対応す
るヒト遺伝子を含むハイブリッドのみが増幅フラグメントを産生する。
【0050】 体細胞ハイブリッドのPCR位置付けは、特異的なDNAを特異的染色体に割
り当てるための速い方法である。同じオリゴヌクレオチドプライマーで本発明を
使用して、サブローカリゼーションが特異的染色体由来のフラグメントのパネル
または大ゲノムクローンから、同じ方法で達成できる。その染色体に位置付ける
ために同様に使用できる他の位置付け概念は、インシテュハイブリダイゼーショ
ン、標識した流れ分類染色体での前スクリーニングおよび構築染色体特異的cD
NAライブラリーへのハイブリダイゼーションによる前選択を含む。
【0051】 中期染色体分裂へのcDNAクローンの蛍光インシテュハイブリダイゼーショ
ン(FISH)は、一段階で正確な染色体位置を提供するのに使用できる。この方
法は、500または600塩基ほど短いcDNAで使用できる;しかし、2,0 00bpより大きいクローンは、単純な検出で十分なシグナル強度を有する独得な
染色体位置に結合する可能性が高い。FISHは、ESTが由来したクローンの
使用を必要とし、長いほど良い。例えば、2,000が良く、4,000はさらに
良く、4,000以上は恐らく手ごろな時間で良好な結果を得るのに必要ではな い。この方法のレビューのために、Human Chromosomes* a Manual of Basic
Techniques. Pergamon Press, New York (1988)参照。
【0052】 一度配列を正確な染色体位置に位置付けしたら、染色体上の配列の物理的位置
を遺伝子地図データと相関できる。(このようなデータは、例えば、V. McKus
ck, Mendelian Inheritance in Man (Johns Hopkins University welch Medical Libraryからオンラインで入手可能)に見られる)。同じ染色体領域上 に地図作製した遺伝子と疾病の関係を、次いで結合分析により同定する(物理的 隣接遺伝子の共同相続)。
【0053】 次ぎに、罹患および非罹患個体の間のcDNAまたはゲノム配列の差異の決定
が必要である。変異があるまたは全ての罹患個体で観察されるが、正常個体では
観察されない場合、その変異は疾病の原因作用因でありそうである。
【0054】 物理的位置付けと遺伝子位置付け法の現在の解像では、疾病に関連する染色体
領域に正確に位置するcDNAは、50から500可能性のある原因作用因の間
の一つである(これは、1メガベース位置付け解像および1遺伝子/20kbを仮 定する)。
【0055】 罹患および非罹患個体の比較は、一般に、cDNA配列に基づいたPCRで分
離されるまたは検出可能な染色体から見ることができる欠乏または転座のような
染色体における構造的変化の捜査を含む。再ごに、数名の個体由来の遺伝子の完
全配列決定が変異の存在の確認および多形性からの変異の区別に必要である。
【0056】 他の態様において、本発明は配列番号1に示すヌクレオチド配列で特異的にハ
イブリダイズする、オリゴヌクレオチドもしくはその誘導体、または塩を形成す
る基が存在するその塩に関し、該オリゴヌクレオチドまたはその誘導体は、その
ようなハイブリダイゼーションを可能とするのに十分な数および同一性でヌクレ
オシド単位またはヌクレオシド単位のアナログを含んでなる。
【0057】 該ヌクレオチドは、例えば、約5から約100または数百ヌクレオチド単位ま
たはそのアナログを、意図される使用に応じて有し得る。
【0058】 本発明のオリゴヌクレオチドは、クローニングまたは配列決定プライマーまた
はプローブとして使用し得る。他の使用は、センスまたはアンチセンス法を使用
して、本発明のポリペプチドの促進および阻害をインビボでするのに関する。こ
れらの方法は、二本鎖DNA上の3重ラセン形成を介してまたはRNAのアンチ
センス機構を介して遺伝子発現を制御するのに使用でき、この方法の両方ともこ
のようなオリゴヌクレオチドのDNAまたはRNAへの結合に基づく。例えば、
本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'コード部分 を、約10から約40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの設計
に使用する。転写に関与する遺伝子の領域に相補的なDNAオリゴヌクレオチド
を設計し(3重ラセン法に関して、Lee et al., Nucl. Acids Res., 3:3 073(1979); Conney et al., Science, 241:456(1988)
; およびDervan et al., Science, 251:1360(1991)参照)、そ れによりヘパラナーゼの転写および産生を防止する。アンチセンスRNAはmR
NAにインビボでハイブリダイズし、mRNA分子の本発明のポリペプチドへの
転写を阻害する(アンチセンス法に関して、Okano, J. Neuroch., 56:56
9(1991);Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gen
e Expression, CRC Press, Boca Raton, FL (1988))。
【0059】 あるいは、上記のオリゴヌクレオチドを、上記の方法でアンチセンスRNAま
たはDNAがインビボで発現し、本発明のポリペプチドの産生を阻害するような
、当分野の方法により、細胞に送達できる。
【0060】 本発明のポリペプチドに対するアンチセンス構築物は、したがって、このよう
なポリペプチドの作用を阻害し、このようなポリペプチドの上昇したレベルが高
度に転移した細胞で見られるため、ある疾病、例えば、癌および癌転移の処置に
使用し得る。
【0061】 ポリペプチド、その機能的誘導体またはそのアナログ、またはそれらを発現す
る細胞は、それに対する抗体の製造のために免疫原として使用できる。 従って、本発明は本発明のポリペプチドを特異的に認識し、結合する抗体に関
する。
【0062】 このような抗体は、例えば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体であり
得る。本発明はまたキメラ、一本鎖およびヒト化抗体ならびにFabフラグメント 、またはFab発現ライブラリーの生産物を含む。当分野で既知の種々の方法が、 このような抗体およびフラグメントの製造に使用し得る。
【0063】 本発明のポリペプチドに対して産生された抗体は、ポリペプチドの動物への直
接注射、またはポリペプチドの動物、好ましくはヒトへの投与により得ることが
できる。このようにして得た抗体を、次いでポリペプチドそれ自体に結合させる
。この方法で、ポリペプチドのフラグメントのみをコードする配列でさえ、全天
然ポリペプチドに結合する抗体の産生に使用できる。次いで、このような抗体を
使用してポリペプチドを発現する組織からポリペプチドを単離できる。のもクロ
ーナル抗体の調製のために、構築セルライン培養により産生された抗体を提供す
る方法を使用できる。例は、ハイブリドーマ法(Kohler and Milstein, 197
5, Nature, 256:495−497)、トリオーマ(trioma)法、ヒトB細胞ハ
イブリドーマ法(Kozbor et al., 1985, Imunology Today 4:72)およびヒ
トモノクローナル抗体を産生するためのEBV−ハイブリドーマ法を含む(Cole
, et al., 1985, Monoclonal Antibodies and Cancer Theraphy, Alan
R. Liss, Inc., pp.77−96)。
【0064】 一本鎖抗体の製造を記載する方法(例えば、米国特許第4,964,778号)を
、本発明の免疫原ポリペプチドに対する一本鎖抗体の産生に適合できる。 本発明のポリペプチドに特異的な抗体を更に使用して、ポリペプチドに結合す
ることによりポリペプチドの生理作用を阻害するのに使用し得る。この方法にお
いて、抗体は、例えば、このようなポリペプチドのmRNAおよびポリペプチド
それ自体がSV−40トランスフォーム転換繊維芽細胞で増加するため、癌の処
置の治療に使用し得る。
【0065】 更に、このような抗体は本発明のポリペプチドの存在または非存在およびこの
ようなペプチドの濃度の程度の検出ができ、したがって、癌、癌転移および血管
形成ような疾病の診断の診断マーカーとして有用である。
【0066】 このため、本発明は本発明のポリペプチド、特にその各々の好ましい態様を含
むSV−40形質転換ヒト繊維芽セルラインATCC CCL 75.1、または その機能的誘導体、またはその機能的アナログヒトヘパラナーゼの生理作用を示
すポリペプチドの不足または欠乏、または該ペプチドの過剰な活性または過剰発
現に由来する疾病の診断法にも関し、該方法はこのような状態を有することが疑
われるヒトを含む動物由来の細胞または組織または体液を本発明の抗体と接触さ
せることを含む。
【0067】 更なる態様において、本発明は、本発明のポリペプチドの生理活性または発現
の調節ができる物質の同定法に関し、該方法は該ポリペプチドまたはその機能的
誘導体、機能的フラグメントまたは機能的アナログ、または該ポリペプチド、機
能的誘導体、機能的フラグメントまたは機能的アナログを発現することができる
細胞を、該ポリペプチドの生理活性または発現の調節をする能力を調べようとす
る少なくとも一つの化合物または薬剤と接触させ、該物質によりもたらされる該
ポリペプチド、誘導体、フラグメントまたはアナログの生理活性または発現の変
化を測定することを含む。
【0068】 本発明の他の態様は、本発明のポリペプチドと結合するまたは機能的効果を有
する物質の試験のためのアッセイシステムに関し、該アッセイシステムは、本発
明のポリペプチドまたはその機能的誘導体、機能的フラグメントまたは機能的ア
ナログ、または該ポリペプチド、機能的誘導体、機能的フラグメントまたは機能
的アナログを発現する細胞を含む。 この内容において、本発明はまた上記の同定法により得られる物質にも関し、
該物質は本発明のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである。
【0069】 このように、本発明はまた本発明のポリペプチドのアンタゴニストおよび阻害
剤に関する。アンタゴニストまたは阻害剤は、このようなポリペプチドの機能を
阻害または欠乏させる物質である。本発明は更に本発明のポリペプチドのアゴニ
ストおよび刺激剤に関する。アゴニストおよび刺激剤は、このようなペプチドの
機能または活性または発現を促進する物質である。
【0070】 例えば、アンタゴニストは本発明のポリペプチドに結合し得、その機能を阻害
するかまたは欠乏させる。アンタゴニストは、例えば、ヘパラナーゼに結合する
ことによりヘパラナーゼの活性を欠乏させるポリペプチドに対する抗体であり得
、またはある場合、アンタゴニストはオリゴヌクレオチドであり得る。阻害剤の
例は、ヘパラナーゼの生理活性が妨げられるように、触媒部位と結合し、占拠し
、それにより触媒部位に基質が近づけなくすることによりポリペプチドを不活性
化させる小分子阻害剤である、小分子阻害剤の例は小炭水化物または炭水化物様
分子を含むが、これらに限定されない。
【0071】 この方法で、アンタゴニストおよび阻害剤は、ヘパラナーゼの細胞該マトリッ
クスを破壊し、ヘパラン硫酸を細胞該マトリックスおよび細胞表面から放出する
する作用を防止することにより、癌、血管形成の処置に使用し得る。
【0072】 アンタゴニストおよび阻害剤は、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、
グリセロール、エタノールおよびこれらの組合わせを含むがこれらに限定されな
い薬学的に許容される担体との組成物として用い得る。本発明のポリペプチドの
阻害剤の投与は、好ましくは全身的である。ポリスルホン酸化ナフチルウレアで
あるスラミンは、マウス黒色腫ヘパラナーゼおよびその浸潤を強く阻害すること
が示された(Nakajima, M. et al., J. Biol. Chem. 266, p9661-9666, 1991)。 2,3−O脱硫酸ヘパリンはヘヌードマウスで、パラナーゼ、皮下ヒト膵臓アデ ノーマの腫瘍生育を阻害し、C57BL/66Nマウスの生存期間を、B16-F10黒色腫実験
的肺転移アッセイで延ばした(Lapierre, F., et al., Glycobiology vol. 6, 33
5-336)。
【0073】 特に、本発明はまたポリペプチドに特異的であり、それらが機能するのを妨げ
るか、その発現を妨げる上記物質、例えば、小分子阻害剤の同定のためのアッセ
イに関する。天然炭水化物基質または合成炭水化物をポリペプチドのエンドグリ
コシダーゼ活性の評価に使用でき、その活性を防止するための阻害剤の能力は本
発明のポリペプチドの過剰な活性または過剰発現の疾病における治療的活性を有
する化合物の同定のためのスクリーニングの基本である。
【0074】 特に、本発明はまたポリペプチドに特異的であり、その機能または発現を促進
する上記物質、例えば、小分子阻害剤の同定のためのアッセイに関する。天然炭
水化物基質または合成炭水化物をポリペプチドのエンドグリコシダーゼ活性の評
価に使用でき、その活性を促進するための刺激剤の能力は本発明のポリペプチド
の不足または欠乏によりもたらされるの疾病における治療的活性を有する化合物
の同定のためのスクリーニングの基本である。
【0075】 更なる態様は、医薬として使用する本発明のポリペプチドに関する。特に、本
発明は該ポリペプチドの不足または欠乏によりもたらされる疾病の処置のための
医薬組成物の製造における本発明のポリペプチドの使用に関する。本発明のポリ
ペプチドの代わりに、ポリペプチドのアゴニストまたはこのようなポリペプチド
の発現誘導剤/促進剤を医薬目的で使用し得る。該疾病は、例えば、外傷、自己
免疫疾患、皮膚病、心臓血管疾患およびアルツハイマー病を含む神経系疾患であ
る。
【0076】 他の態様は、医薬として使用する本発明の抗体に関する。特に、本発明は本発
明のポリペプチドの過剰な活性または過剰発現によりもたらされる疾病の処置の
ための医薬組成物の製造における本発明のポリペプチドの使用に関する。本発明
のポリペプチドの代わりに、このようなポリペプチドのアンタゴニストまたは発
現阻害剤を医薬目的で使用し得る。該疾病は、例えば、癌、癌転移、血管形成お
よび関節炎を含む炎症を含む。
【0077】 本発明は、更に、本発明のポリペプチドの不足または欠乏に由来する疾病に罹
患しているヒトを含む温血動物の投与に適した医薬組成物に関し、該組成物はこ
のようなポリペプチドを少なくとも一つの薬学的に許容される担体および/また
は賦形剤と共に含む。この内容において、本発明は本発明のポリペプチドの不足
または欠乏によりもらされる疾病の処置法に関し、該方法は適当な量のこのよう
なポリペプチドの投与を含む。上記のように、このようなポリペプチドの代わり
に、該組成物または処置法は、このようなポリペプチドのアゴニストまたはこの
ようなポリペプチド発現誘導剤/促進剤を含みまたは利用し得る。
【0078】 更に、本発明は本発明のポリペプチドの過剰な活性または過剰発現に由来する
疾病に罹患しているヒトを含む温血動物の投与に適した医薬組成物に関し、該組
成物は本発明の抗体を少なくとも一つの薬学的に許容される担体および/または
賦形剤と共に含む。この内容において、本発明は本発明のポリペプチドの過剰な
アッセイまたは過剰発現によりもらされる疾病の処置法に関し、該方法は適当な
量の本発明の抗体の投与を含む。上記のように、このような抗体の代わりに、該
組成物または処置法は、ポリペプチドのアゴニストまたはのようなポリペプチド
の発現阻害剤を含みまたは利用し得る。
【0079】 本発明の医薬組成物の更なる成分、例えば担体または賦形剤は、当分野で既知
のものであり得、特に上記のものである。 他の態様において、本発明は遺伝子治療に使用する本発明のポリヌクレオチド
に関する。
【0080】 本発明は更に以下の実施例を参考にして記載する;しかし、本発明はこのよう
な実施例に限定されるものではないことは理解されるべきである。全ての部また
は量は、特記しない限り重量である。 以下の実施例の理解を容易にするために、ある頻繁に使用する方法および/ま
たは用語を記載する。
【0081】 “プラスミド”は、前の小文字および/または続く大文字および/または数字
で命名される。出発プラスミドは商品として入手可能であるか、非限定的基準で
公共的に入手可能であるか、または刊行された方法にしたがって入手可能なプラ
スミドから構築できる。加えて、記載のものと同等のプラスミドが当分野で既知
であり、当業者には明白である。
【0082】 DNAの“消化”は、DNAの特定配列にのみ作用する制限酵素でのDNAの
触媒的開裂を意味する。本明細書で使用の種々の制限酵素が商品として利用可能
であり、その反応条件、共同因子および他の必要条件は当業者が記載のように使
用した。フロー分析目的で、典型的に1マイクログラムのプラスミドまたはDN
Aフラグメントを約2単位の酵素と、約20μリットルの緩衝液中で使用する。
Dプラスミド構築のためのDNAフラグメントの単離の目的で、典型的に5から
50マイクログラムのDNAを20から250単位の酵素で、大容量で消化させ
る。特定の制限酵素のための適当な緩衝液および基質量は、製造者により特記さ
れている。約1時間、37℃でのインキュベーションを通常使用するが、提供者
の指示に従って変化し得る。消化後、反応物を直接ポリアクリルアミドゲルで電
気泳動し、所望のフラグメント単離する。
【0083】 開裂フラグメントのサイズ分離は、Goeddel, D. et al., Nucleic Acids
Res., 8:4057(1980)に記載のように8%ポリアクリルアミドゲル を使用して行う。
【0084】 “オリゴヌクレオチド”は、化学的に合成し得る一本鎖ポリデオキシヌクレオチ
ドまたは二本相補的鎖鎖ポリでオキシヌクレオチド鎖を意味する。このような合
成オリゴヌクレオチドは5'リン酸を有さず、したがってキナーゼの存在下でA TPによるリン酸の添加なしでは他のオリゴヌクレオチドとライゲートしない。
合成オリゴヌクレオチドは脱リン酸化されていないフラグメントとライゲートす
る。
【0085】 “ライゲーション”は二つの二本鎖核酸の合いだのホスホジエステル結合の形
成の過程を意味する。特記しないかぎり、ライゲーションは0.5マイクログラ ムのほぼ当モル量のライゲートするDNAフラグメント当たり10単位のT4
DNAリガーゼにより既知の緩衝液および条件を使用して達成し得る。特記しな
い限り、形質転換はGraham, F., and Van Der Eb. A., Virology, 52 :456−457(1973)の方法に記載のように行う。
【0086】 実施例 実施例1 本発明のポリペプチドの発現および精製 配列番号1に概説のような本発明のポリペプチドをコードするDNA配列は、
最初に、挿入フラグメントを合成するために、5'および3'末端に対応するPC
Rオリゴヌクレオチドプライマーを使用して増幅する。5'オリゴヌクレオチド プライマーは、5'−GGAATTCAGCAGCCAGGTGAGCCCAA G−3'を配列を有し、メチオニン開始コドンから出発するポリペプチドの20 ヌクレオチドに続いてEcoRI制限酵素部位を含む。3'プライマー配列は5'−
ACTCGAGGATGCAAGCAGCAACTTTGGC−3'であり、Xh
oI部位に相補的な配列およびポリペプチドコード配列の最後の21ヌクレオチ ドを含む。制限酵素部位は、pGastBac1(Gibco BRL, Rockville, MD, U .S.A.)の制限部位に対応する。プラスミドベクターは抗生物質耐性(Ampr
)、複製の細菌期限(ori)および細菌トランスポゾンTn7を含む。pFastBac1ベ クターをEcoRIおよびXhoIで消化し、挿入フラグメントをリーディングフレ
ームを維持するベクターにライゲートする。次いで、ライゲーション混合物をE.
coli株DH10Bの形質転換に使用する。形質転換体はAmpを含むLBプレートでの生 育の能力により選択する、次いで、所望の構築物を含むクローンを、DH10Bacを 所望のヘパラナーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドベクターでトランスフェクト
することによりBacmid DNAに転移させる。ヘパラナーゼ遺伝子含有転移Bac
mid DNAを、Kan、Gen、Tet、Bluo−galおよびIPTG含有
LBプレートでのBluo−galによるBlue/White選択により選択
する。所望の遺伝子を含むBacmid DNAを単離し、次いで、CellFECTIN試薬( またGIBCO BRLから入手可能)で昆虫セルラインSf9にトランスフェク
トする。組換えバキュロウイルスの回収をトランスフェクション3日後に行う。
ポリペプチドの発現を昆虫Tn細胞をヘパラナーゼコード配列含有組換えバキュ
ロウイルスで感染させることにより行う。感染Tn細胞の培養上清を回収し、ヘ
パラナーゼを親和性クロマトグラフィーにより精製する。簡単に、上清をヘパリ
ン−セファロースカラムに充填し、次いでヘパラナーゼを0.15から1.0Mの
NaClの勾配溶液により溶出する。
【0087】 実施例2 本発明のポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストの同定のためのアッセ
イ ヘパラナーゼ基質に関して、フルオレッセインイソチオシアネート(FITC
)で標識した硫酸へパランを使用する。簡単に、ウシ腎臓由来の5mgの硫酸へパ
ラン(Seikagaku Kougyou Ltd., Tokyo, Japan)を0.1M炭酸ナトリウム( pH9.5)中のFITCと混合し、穏やかに撹拌しながら4℃で12時間インキ
ュベートする。FITC標識硫酸へパランを、25mM トリス−HCl、15
0mM NaClで平衡化したSephacyl S−300HRカラム(Pharmacia B
iotech, Inc.)を使用したゲル濾過により分画する。1から5マイクログラムの
FITC−標識へパラン硫酸を、実施例1に記載のように製造した精製ポリペプ
チドと、アゴニスト/アンタゴニストの存在下混合し、次いで37℃で1−2時
間インキュベートする。酵素反応を95℃で5分加熱し、停止させる。不活性混
合物を、TSKgelG3000PWXL(TOSHOH LTD. Tokyo, Japanから入手可能)
を使用した高速ゲル浸透クロマトグラフィーにより分析する。アンタゴニストの
阻害活性およびアゴニストの刺激活性を蛍光モニターにより検出した非分解硫酸
へパランの量により評価する。
【0088】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 35/00 A61P 25/28 C07K 16/40 35/00 C12N 1/15 C07K 16/40 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/24 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z 9/24 33/573 A G01N 33/15 33/577 A 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/573 A61K 37/54 33/577 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SV−40でトランスフォームしたヒト線維芽細胞セルライ
    ン ATCC CCL 75.1から得られるヒトヘパラナーゼの生物活性を示すポ
    リペプチド、またはその機能的誘導体、機能的フラグメントもしくは機能的アナ
    ログ。
  2. 【請求項2】 配列番号2に示すアミノ酸158〜543のアミノ酸配列を
    有する、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2に示すアミノ酸1〜543のアミノ酸配列を有す
    るポリペプチド。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 配列番号1に含まれる対応するコード領域を含んでなる、請
    求項4に記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項4または5のいずれかに定義したポリヌクレオチドを
    含んでなるハイブリッドベクターであって、該ポリヌクレオチドが適当な調節配
    列へ操作可能に結合しているハイブリッドベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のハイブリッドベクターであって、発現ベク
    ターであるハイブリッドベクター。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に定義したハイブリッドベクターで
    トランスフォームした宿主細胞。
  9. 【請求項9】 請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプチドの
    製造方法であって、化学合成、組換えDNA技術またはこれらの方法の組み合わ
    せを含んでなる方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、 (i)ポリペプチドの発現を行うのに適当な条件下での、請求項7に定義したハ
    イブリッドベクターでトランスフォームした宿主細胞の培養、および (ii)このようにして発現させたポリペプチドの単離 を含んでなる方法。
  11. 【請求項11】 請求項4または5のいずれかに定義したポリヌクレオチド
    の製造方法であって、化学合成、組換えDNA技術、ポリメラーゼ連鎖反応また
    はこれらの方法の組み合わせを含んでなる方法。
  12. 【請求項12】 請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプチド
    を特異的に認識して結合する抗体。
  13. 【請求項13】 薬における使用のための、請求項1、2または3のいずれ
    かに記載のポリペプチド。
  14. 【請求項14】 該ポリペプチドの不足または欠乏から生ずる疾患の処置の
    ための医薬組成物の製造における、請求項1、2または3のいずれかに記載のポ
    リペプチドの使用。
  15. 【請求項15】 請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプチド
    の不足または欠乏から生ずる疾患を患っているヒトを含め温血動物への投与に適
    当な医薬組成物であって、請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプ
    チドを少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体および/または賦形剤と一緒
    に含んでなる組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプチド
    の過度の活性または過剰発現から生ずる疾患を患っているヒトを含め温血動物へ
    の投与に適当な医薬組成物であって、請求項12に定義した抗体を少なくとも1
    つの薬学的に許容され得る担体および/または賦形剤と一緒に含んでなる組成物
  17. 【請求項17】 請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプチド
    の不足または欠乏から生ずる疾患の処置方法であって、請求項1、2または3の
    いずれかに定義したポリペプチドの適当な量の投与を含んでなる方法。
  18. 【請求項18】 請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプチド
    の過度の活性または過剰発現から生ずる疾患の処置方法であって、請求項12に
    定義した抗体の適当な量の投与を含んでなる方法。
  19. 【請求項19】 細胞において請求項1、2または3のいずれかに定義した
    ポリペプチドの生物活性または発現を調節することができる物質を同定する方法
    であって、請求項1、2もしくは3のいずれかに定義したポリペプチド、または
    その機能的誘導体、機能的フラグメントもしくは機能的アナログ、または請求項
    1、2もしくは3のいずれかに定義したポリペプチドを発現することができる細
    胞を、該ポリペプチド、機能的誘導体、機能的フラグメントまたは機能的アナロ
    グの生物活性または発現を調節する能力を調査しようとする少なくとも1つの化
    合物または物質と接触させること、およびその物質により引き起こされる該ポリ
    ペプチド、誘導体またはフラグメントの生物活性または発現の変化を測定するこ
    とを含んでなる方法。
  20. 【請求項20】 請求項1、2もしくは3のいずれかに定義したポリペプチ
    ドに結合する、または請求項1、2もしくは3のいずれかに定義したポリペプチ
    ドに対して機能的効果を有する、その能力に関して、物質を試験するためのアッ
    セイシステムであって、請求項1、2もしくは3のいずれかに定義したポリペプ
    チド、またはその機能的誘導体、機能的フラグメントもしくは機能的アナログ、
    またはそのようなポリペプチド、機能的誘導体、機能的フラグメントもしくは機
    能的アナログを発現する細胞を含んでなるアッセイシステム。
  21. 【請求項21】 請求項19に定義した方法により得られる物質であって、
    請求項1、2または3のいずれかに定義したポリペプチドのアゴニストまたはア
    ンタゴニストである物質。
  22. 【請求項22】 配列番号1に示すヌクレオチド配列で特異的にハイブリダ
    イズする、オリゴヌクレオチドもしくはその誘導体、または塩を形成する基が存
    在するその塩であって、そのようなハイブリダイゼーションを可能とするのに十
    分な数および同一性でヌクレオシド単位またはヌクレオシド単位のアナログを含
    んでなるオリゴヌクレオチドまたはその誘導体。
  23. 【請求項23】 請求項4に定義したポリヌクレオチドの遺伝子治療におけ
    る使用。
  24. 【請求項24】 請求項1、2もしくは3のいずれかに定義したポリペプチ
    ドの不足もしくは欠乏から生ずる状態、または請求項1、2もしくは3のいずれ
    かに定義したポリペプチドの過度の活性もしくは過剰発現から生ずる状態の診断
    方法であって、そのような状態にあるのではないかと思われるヒトを含め動物由
    来の細胞または組織または体液を、請求項12に定義した抗体、または請求項2
    1に定義した物質と接触させることを含んでなる方法。
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