JP2002502395A - ポリマー成分として有用な新規イタコン酸誘導体 - Google Patents

ポリマー成分として有用な新規イタコン酸誘導体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、下記一般式[1]若しくは[2]で表されるイタコン酸誘導体、またはその塩類を提供するものである。。 [式中、R1は水素原子、低級アルキル基またはフェニル低級アルキル基を示し、該フェニル低級アルキル基のフェニル環は低級アルキル基で置換されていてもよい。R2は水素原子または低級アルキル基を示す。Aは低級アルキレン基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】 ポリマー成分として有用な新規イタコン酸誘導体 本発明は、ポリマーの構成成分として有用な新規イタコン酸誘導体を提供する と共に、その新規イタコン酸誘導体を構成成分とする共重合体、およびその共重 合体で成形される眼用レンズ、特に折り曲げて眼内に挿入することができるフオ ールダブル(foldable)眼内レンズ(以下「foldable IOL」と略記する)を提供 するものである。 ポリマーの構成成分としてアクリル酸系モノマーは古くから数多く研究されて いるが、カルボン酸基を2個有するイタコン酸誘導体をモノマーとして利用する 研究についてはそれほど多くはなされていない。本発明の一般式[1]または[ 2]で表され、ポリマー成分として有用なイタコン酸誘導体は、ピロリドングル ープを有することがその構造的特徴であるが、その様な特徴をもったイタコン酸 誘導体はモノマーとして文献未知の化合物である。無論そのモノマーを構成成分 として含むポリマーも文献未知である。 本発明の主たる目的は、前記イタコン酸誘導体を構成成分とするポリマーを創 製し、それを眼用レンズ、特にfoldable IOLに応用するための素材を開発するこ とにある。 眼内レンズ(IOL)は白内障手術の際、除去した水晶体に代えて挿入するも のであるが、1949年に初めて移植に用いられて以来、その素材について種々 の研究がなされてきた。ところが手術方法も大きな変革を遂げ、手術方法の進歩 と共にIOLに求められる特性も変化してきた。最近では、超音波乳化吸引術等 の普及もあって、混濁した水晶体の除去等のための切開創は小さくてすむように なり、それに従って挿入するIOLに求められる特性も変わりつつある。例えば 、小さな切開創よりの挿入を可能にするため、折り畳んだ形で挿入し、嚢内で開 かせることができる、いわゆるfoldable IOLとしての特性である。そこでIOL の素材についても種々の研究がなされてきた。IOLの素材として以前よりポリ メチルメタクリレート(PMMA)、シリコーン、アクリル樹脂等が広く使用さ れているが、foldable IOLの素材してはシリコーンやアクリル樹脂が用いられて おり、最近ではヒドロキシ エチルメタクリレートとメチルメタクリレート等との共重合体等も用いられてい る。また、これらの素材の研究に加えて、網膜に対する紫外線の影響を防ぐため ヒドロキシベンゾフェノンやヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール等の紫外線 吸収剤を含有させること、さらには生体適合性の向上、細胞等の沈着防止を目的 としてIOLの表面をヘパリン等のポリサッカライド類でコーティングすること も実際に応用されている。 本発明のイタコン酸誘導体はピロリドングループを有するところに特徴があり 、それからなるポリマーについての報告はないが、参考までに、ピロリドングル ープを含むモノマーを構成成分として有するポリマー、特に眼用レンズへの応用 を目的としたポリマーに着目して従来技術を以下に示す。それらはピロリドング ループを有するアクリル酸系モノマーを構成成分の一部として含むポリマーに関 するものである。例えば、メタクリロイルオキシエチル−2−ピロリドンとアク リル酸等との共重合体(日本公開特許公報平4−28705/1992)、アク リル酸とピロリドンがアミド結合したモノマーからなる重合体(日本公開特許公 報平2−43208/1990)、ポリオキシアルキレン骨格にピロリドングル ープを有した重合体(日本公開特許公報平2−8218/1990)等がある。 特に3成分系共重合体を開示したものとしては、ビニルピロリドンとヒドロキシ エチルメタクリル酸および メチルメタクリレートの共重合体(日本公開特許公報昭53−105250/1 978)、メタクリロイルオキシエチル−2−ピロリドンとアルキルメタクリレ ートおよびフルオロアルキルメタクリレートの共重合体(日本公開特許公報平5 −150197/1993)等がある。なお、これらの研究はソフトコンタクト レンズに応用することが主たる目的であり、IOLへの応用を目的としたもので はなく、特に本発明の主目的用途であるfoldable IOLへの応用可能性については 全く示唆すらされていない。 本発明は眼用レンズ、より詳しくいえばfoldable IOLの素材の開発を主たる目 的としたものであるが、foldable IOLの素材を研究する際、屈折率、引っ張り強 度、復元速度等を考慮する必要がある。例えば、 1) 屈折率が低すぎるとIOLの厚みが増大しすぎ、高すぎると周辺部の収差 が大きくなりすぎるため、適切な屈折率が必要となる。具体的にいえば、1.4 〜1.6の範囲となることが好ましい。 2) foldable IOLは、鑞子を用いて挿入操作をするため、その操作に耐える表 面引っ張り強度が必要となる。また、錫子で操作した後IOL表面に傷痕が残ら ないことも重要なfactorとなる。 3) foldable IOLは、挿入後嚢内で元の形状に復元しなければならない。復元 速度は術者の好み、能力に よっても異なってくるが、一般的に言うと、復元速度が速くなるにつれ周辺組織 への機械的な侵襲を与える可能性がでてくる。一方、復元速度が遅くなるにつれ 、手術時間が長くなると共に、周辺組織に悪影響を与える可能性が大きくなる。 そこでfoldable IOLには適切な復元速度が求められる。さらに、成形の容易さも 考慮する必要がある。 これらの観点を考慮し種々のfoldable IOLが実際に用いられているが、より好 ましい素材の開発が望まれている。 本発明者は上記課題を考慮に入れfoldable IOLにより好適に応用できる素材を 研究した。まず、2個のカルボン酸基を有し、種々の誘導体の合成が可能なイタ コン酸に着目し研究した。その結果、ピロリドングループを有する一連の新規イ タコン酸誘導体の創製に成功した。このイタコン酸は上記のように2個のカルボ ン酸基を有するため、目的に応じて様々な誘導体に導くことができる極めて有用 な化合物である。次いで、このイタコン酸誘導体をモノマーの一つとして使用し 、種々のポリマーの創製研究を行った結果、イタコン酸誘導体がモノマーとして 好適に用いることができることを見出すと共に、得られたポリマー、特にアクリ ル酸ヒドロキシアルキルエステル誘導体、アクリル酸アルキルエステル誘導体と の共重合体が特に優れたfo ldable IOLの素材となり得ることを見出した。 本発明は、以下の4つの構成からなるものである。 1) ポリマー成分として有用な下記一般式[1]若しくは[2]で表される新 規イタコン酸誘導体、またはその塩類: [式中、R1は水素原子、低級アルキル基またはフェニル低級アルキル基を示 し、該フェニル低級アルキル基のフェニル環は低級アルキル基で置換されていて もよい。R2は水素原子または低級アルキル基を示す。Aは低級アルキレン基を 示す。以下同じ。] 2) 一般式[1]または[2]で表される新規イタコン酸誘導体のポリマー構 成成分としての用途: 3) 下記[3]と、[4]または[5]と、[6]とで表される構成単位から なる共重合体; [式中、R3は水素原子または低級アルキル基を示し、R4は低級アルキレン基 を示し、該アルキレン基 はヒドロキシ基で置換されていてもよく、またアルキレン鎖の中に酸素原子を有 していてもよい。] [式中、R1は水素原子、低級アルキル基またはフェニル低級アルキル基を示 し、該フェニル低級アルキル基のフェニル環は低級アルキル基で置換されていて もよい。R2は水素原子または低級アルキル基を示す。Aは低級アルキレン基を 示す。以下同じ。] [式中、R5は水素原子または低級アルキル基を示し、R6は低級アルキル基を 示す。以下同じ。] 4) 上記共重合体で成形された眼用レンズ、特にfoldable IOL。 本発明において、低級アルキルとは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ ル、ブチル、イソブチル、ヘキシル等の1〜6個の炭素原子を有する直鎖または 分枝のアルキルを示し、低級アルキレンとは、−CH2−、−(CH22−、− (CH23−、−C( CH32−、−(CH24−、−(CH26−等の1〜6個の炭素原子を有する 直鎖または分枝のアルキレンを示す。 以下、構成別に詳細に説明する。 1) 一般式[1]または[2]で表される新規イタコン酸誘導体の代表的合成 方法を下記a)〜d)に示す。 この方法は、イタコン酸無水物[9]とピロリドン誘導体[10]とを反応さ せ、モノエステル[11]を得る方法である。次いで必要に応じて、モノエステ ルにジメチル硫酸等の汎用されるエステル化剤を作用させることにより、これを ジエステル体とすることもできる。 この方法は、イタコン酸無水物にアルコール体[12]を反応させ、モノエス テル体[13]を得、次いで塩化チオニル等により酸クロリド[14]とした後 、これをピロリドン誘導体[10]と反応させ、ジエステル体を得る方法である 。このジエステル体は必要に応じて、常法により部分加水分解し、所望のモノエ ステル体に導くこともできる。 この方法は、イタコン酸[15]にアルコール体[12]を反応させ、モノエ ステル体[13]を得、次いでb)の方法と同様にして、ジエステル体を得る方 法である。 この方法は、まずジエステル体[16]を合成し、そのジエステル体を例えば 、ギ酸中、パラトルエンスルホン酸の存在下に加熱してモノエステル[18]と し、次いでb)の方法と同様にして、ジエステル体を得る方法である。 上記にて定義した各基の好ましい例を挙げると、R1としては、メチル基、プ ロピル基、ブチル基、フェニルメチル基またはフェニルエチル基が好ましく、R2 としては水素原子が好ましく、Aとしては−(CH22−が好ましい。また、 各基の組み合わせとしても前記の組み合わせが好ましい。 特に好ましい化合物として以下の化合物が挙げられる。2) 上記新規イタコン酸誘導体は、下記3)および4)項に示すようにポリマ ーの構成成分として好適に用いられ、特にアクリル酸系モノマーとの共重合体は foldable IOLの素材として好適なものである。 3) 一般式[3]と、[4]または[5]と、[6]とで表される構成単位か らなる共重合体の各々の重量構成比は、[3]が60〜80、[4]または[5 ]が10〜30、[6]が5〜20で、より好ましくは[3]が65〜75、[ 4]または[5]が15〜25、[6]が5〜15で、特に好ましくは、[3] が70、[4]または[5]が20、[6]が10である。 共重合体を繰り返し単位で示すと下記の様になる。 上記で規定した各基の好ましい例を挙げると、R3が水素原子またはメチル基 で、R4が−(CH22−で、R1が水素原子、メチル基、プロピル基、ブチル基 、フェニルメチル基またはフェニルエチル基で、R2が水素原子で、Aが−(C H22−で、R5が水素原子またはメチル基で、R6がメチル基である。組み合わ せとしてもそれらの基の組み合わせが好ましい。特に好適なのは、R3がメチル 基で、R4が−(CH22−で、R1が水素原子、メチル基またはフェニルエチル 基で、R2が水素原子で、Aが−(CH22−で、R5がメチル基で、R6がメチ ル基の組み合わせである。 共重合体は、各モノマー成分を混合し、重合開始剤として過硫酸カリウム、過 硫酸アンモニウム、ベンゾ フェノンまたはメタクリロイルオキシヒドロキシベンゾフェノンを用いることに よって好適に製造することができる。 一般に共重合体を製造するための重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニ トリルが最も汎用されるが、その方法では本発明の目的であるfoldable IOLの素 材として満足すべき機械的強度が得られない。本発明者は重合開始剤についても 鋭意研究した結果、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ベンゾフェノンまた はメタクリロイルオキシヒドロキシベンゾフェノンを重合開始剤として用いるこ とによってfoldable IOLの素材として満足すべき機械的強度を持った共重合体が 得られることを併せて見出した。 また、本発明の共重合体の分子量(粘度平均分子量)としては1万以上であれ ばよい。一般に共重合体においては、分子量は共重合体の特性にあまり影響を与 えるものではなく、重要なfactorではないが、共重合体の強度には影響を及ぼす 。分子量と強度とは約1万以下ではほぼ直線的な比例関係があるが、1万を越え ると強度もほぼ最大に達し、一定に近くなってくる。従って、1万以下では安定 した強度のものが得られず、また、foldable IOLとしての強度に問題が生じるが 、1万以上になるとほとんど問題がなくなる。しかし、あまりにも分子量が高す ぎるのもfoldable IOLの強度として好ましくないので、共重合体としての好まし い分子量範囲は1万〜10万であり、後述の実施例で得られる共重合体としての 分子量もこの範囲に入るものである。 4) 本発明の構成によると、各構成成分の比率を適宜選択することにより、屈 折率、表面引っ張り強度、復元速度等を所望に応じて設定することができる。例 えば、成分[3]の比率の増加は屈折率や復元速度にはほとんど影響を与えない が、引っ張り強度を少し低下させる傾向がある。成分[4]または[5]の比率 の増加は屈折率の上昇効果をもたらし、復元速度にはほとんど影響を与えないが 、引っ張り強度を少し低下させる傾向がある。成分[6]の比率の増加は復元速 度の上昇および引っ張り強度の増強をもたらすが、屈折率は若干小さくする傾向 がある。これらの特性をうまく利用することによって、所望のfoldable IOLを得 ることができる。好ましい成分比率は前述の通りであるが、この好ましい成分比 率のものを用いると、屈折率が1.4〜1.6で、復元速度が早過ぎもせず、遅 すぎもしない速度すなわち3〜6秒で、引っ張り強度が鑷子での操作に十分耐え ることができる強度すなわち、実際に挿入するとき(膨潤時)10psi以上の foldable IOLを得ることができる。また、本発明の共重合体で成形したIOLは 、錫子で操作した後でも傷痕を残さない。 なお、復元速度は、前述のように術者の好みによっ ても左右されるので、3〜6秒±2秒程度に設定してもよい。 foldable IOLには疎水性のものと親水性のものがあり、それぞれ目的に応じて 用いられているが、本発明の共重合体は親水性のものである。親水性のfoldable IOLの場合、dryの状態で流通・保管し、使用前に精製水で膨潤させ眼内に挿 入することもできる。親水性の度合いは含水率によって推し測ることができるが 、foldable IOLの生体親和性、柔軟性等に影響を与える。本発明の場合には各成 分の比率を選択することによって含水率を選択することができる。例えば、成分 [3]の比率の増加、および成分[4]または[5]の比率の増加は含水率を上 昇させ、成分[6]の比率の増加は含水率を低下させる。含水率としては25〜 50%のものが好ましい。 本発明共重合体は分子間架橋されていてもよく、架橋させることによって物理 的強度や吸水率の調整がはかれる。架橋剤としてはビスアクリレート系またはビ スアクリルアミド系架橋剤が挙げられ、具体的例示としては、エチレングリコー ル ビスメタクリレート、ジエチレングリコール ビスメタクリレートまたはN ,N’−メチレン ビス(アクリルアミド)が挙げられる。架橋剤の使用量が多 くなるとポリマーは硬くなり、復元速度は速くなるが、反面、共重合体は脆くな る。その使用量としては、ポリマー重量に対して0. 01〜2.0、好ましくは0.1〜1.0の割合である。 網膜への悪影響を防ぐ目的で、IOLに紫外線吸収剤を含有させる技術が汎用 されつつあるが、本発明においても好適に紫外線吸収剤を含有させることができ る。その含有方法については、紫外線吸収剤を物理的に含有させる方法(実際に 汎用されている方法)と、紫外線吸収剤を共重合体に化学結合(紫外線吸収剤自 体も共重合体を形成するモノマー成分となる)させる方法とがあるが、本発明に おいては両方の方法が利用できる。特に、後者の場合IOL使用時に紫外線吸収 剤がIOLより漏出しないという大きなメリットがある。紫外線吸収剤の種類と してはIOLに使用し得るものであれば特に限定されないが、例を挙げるとベン ゾフェノン系やベンゾトリアゾール系のものまたはそれらのアクリル酸誘導体が 用いられ、具体的にはヒドロキシベンゾフェノンやヒドロキシフェニルベンゾト リアゾールまたはそれらのアクリル酸誘導体、例えば4−メタクリロイルオキシ −2−ヒドロキシベンゾフェノンが好適である。 生体適合性の向上、細胞等の沈着防止を目的としてIOL表面をポリサッカラ イド類でコーティングする技術が最近用いられつつあるが、本発明共重合体は末 端に遊離のヒドロキシ基を有するため、ポリサッカライド類と共有結合させるこ とが可能であり、コーティ ングの剥離という問題は生じない。またこの共有結合もきわめて容易に形成させ ることができ、例えば、ジビニルスルホンを用いて処理するだけで完了する。ポ リサッカライド類の具体的例としてはヘパリンもしくはヒアルロン酸またはその 塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)が好適である。 本発明は可撓性のある柔軟なIOL素材を提供するが、柔軟なIOLの場合鑷 子で挟んで操作するとき、IOL表面に鑷子の跡が残り、IOLが復元するまで 時間がかかることがある。しかし、本発明の共重合体は復元性に優れており、そ のような問題も解消できる。 さらに、後発白内障等の治療にレーザー光線を使用することもあるが、IOL 装着後にこのような治療を行う必要が生じたとき、従来のシリコーン系IOLで はレンズが混濁し、透明性が損なわれることがあり、また周辺も少し変性が起こ り、亀裂が入ったり、視野が若干損なわれる可能性もある。しかし、本発明の共 重合体の場合には、その様な混濁は認められず、透明性の維持も可能であり、ま た周辺の変性や亀裂も起こらない。 本発明の共重合体は実際に使用される形のfoldable IOLに容易に成形できる。 その成形は公知の方法を用いて行うことができる。 本発明の共重合体はfoldable IOLに特に好適である が、その性質はソフトコンタクトレンズにも好適に応用できるものである。 実施例1 4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート(PyEI)の合 成 イタコン酸無水物(2.1g)および1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピ ロリドン(1ml)をクロロホルム(10ml)に入れ36時間還流した。反応 液を冷却後、沈殿する固形物を濾過し、アセトンで再結晶して、1.5gの目的 とする4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート(PyEI) を得た。 mp 100〜102℃、MS:342 実施例1と同様にして以下の化合物を得ることができる。 ・4−(2−ピロリドン−1−イルメチル)イタコネート ・4−[3−(2−ピロリドン−1−イル)プロピル]イタコネート 実施例2 1−メチル4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート( MPyEI)の合成 PyEI(0.96g)を10%炭酸カリウム水溶液に溶解し、この溶液にジメチ ル硫酸(0.38ml)を攪拌下滴下した。一夜室温で放置後、酢酸エチルで抽 出し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得ら れる油状物を減圧蒸留し、標記化合物(0.50g)を得た。 bp140〜150℃/0.2mmHg 実施例2と同様にして以下の化合物を得ることができる。 ・1−メチル4−(2−ピロリドン−1−イルメチル)イタコネート ・1−メチル4−[3−(2−ピロリドン−1−イル)プロピル]イタコネート ・1−エチル4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート ・1−プロピル4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート 実施例3 4−メチル1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート( 4-MPyEI)の合成 1)イタコン酸(100g)のメタノール(100ml)溶液に、ベンゾイル クロリド(4ml)を攪拌下滴下した。反応液を60〜70℃で20分間攪拌し た後、減圧濃縮した。得られる固形物をベンゼンと石油エーテルの混液で再結晶 し、4−メチルイタコネート(93g、mp65〜67℃)を得た。 2)上記で得られた4−メチル イタコネート(32g)のエーテル(23m l)溶液に塩化チオニル(23ml)を加え15分間還流した。反応液を減圧濃 縮した後、得られる油状物を減圧蒸留して、4−メチル イタコン酸クロリド( 29g、bp68〜69℃/2〜3mmHg)を得た。 3)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリド ン(12.9g)およびトリエチルアミン(10.1g)のベンゼン(50ml )溶液に、冷却下激しく攪拌しながら、上記で得られた4−メチル イタコン酸 クロリド(16.3g)を滴下した。反応液を一夜室温で放置後、沈殿物を濾過 した。濾液を3%塩酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られる油状物を減 圧蒸留し、7.7gの目的とする4−メチル1−[2−(2−ピロリドン−1− イル)エチル]イタコネート(4−MPyEI)を得た。 bp140〜150℃/0.2mmHg 実施例3と同様にして以下の化合物を得ることができる。 ・4−メチル1−(2−ピロリドン−1−イルメチル)イタコネート ・4−メチル1−[3−(2−ピロリドン−1−イル)プロピル]イタコネート ・4−エチル1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート ・4−プロピル1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート 実施例4 4−(2−フェニルエチル)1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル ]イタコネート(4−PEPyEI)の合成 1)イタコン酸無水物(11.2g)および2−フェニルエタノール(12. 2g)をベンゼン(100ml)に入れ、60℃で48時間攪拌した。反応液を 冷却後、石油エーテルを加え析出する固形物を濾過し、ベンゼンと石油エーテル 混液から再結晶して、4−(2−フェニルエチル)イタコネート(12.3g) を得た。 2)上記で得られた4−(2−フェニルエチル)イタコネート(11.7g) の塩化メチレン(100ml)溶液に、塩化チオニル(8.3g)を加え激しく 攪拌した。反応液を6時間還流した後、減圧濃縮して粗製の4−(2−フェニル エチル)イタコン酸クロリドを得た。 3)上記で得られた粗製の4−(2−フェニルエチ ル)イタコン酸クロリドおよび1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン (6.5g)のベンゼン(100ml)溶液に、氷冷下攪拌しながらトリエチル アミン(5.1g)の塩化メチレン(20ml)溶液を滴下した。反応液を一夜 室温で攪拌した後、沈殿物を濾過した。濾液を減圧濃縮し得られる油状物をシリ カゲルカラムクロマトで精製し、目的とする4−(2−フェニルエチル)1−[ 2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート(4-PEPyEI)を9.0 g得た。 実施例4と同様にして以下の化合物を得ることができる。 ・4−(2−フェニルエチル)1−(2−ピロリドン−1−イルメチル)イタコ ネート(4-PEPyMI) ・4−(2−フェニルエチル)1−[3−(2−ピロリドン−1−イル)プロピ ル]イタコネート(4-PEPyPI) ・4−フェニルメチル1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコ ネート(4-PEPyMI) ・4−(3−フェニルプロピル)1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチ ル]イタコネート(4-PPrPyMI) ・4−(1−ブチル)1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコ ネート(4-BuPyEI) ・4−(2−プロピル)1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタ コネート(4-PrPyEI) 実施例5 1−メチル4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート( MPyEI)の別途合成 1)イタコン酸(100g)のメタノール(200ml)溶液に、濃硫酸(1 0ml)を加え6時間還流 した。反応液を水(500ml)にあけ、クロロホルムで抽出した。有機層を無 水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られる油状物を減圧蒸留してジメチ ル イタコネート(85g、60〜65℃/2mmHg)を得た。 2)上記で得られたジメチル イタコネート(20g)をギ酸(80ml)に 溶解し、p−トルエンスルホン酸(10g)を加え、100℃で10分間加熱し た。反応液を氷水(200ml)にあけ、塩化メチレンで抽出した。有機層を無 水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られる油状物を減圧蒸留して1−メ チルイタコネート(7.3g)80〜88℃/0.1mmHg)を得た。 3)上記の方法で得られた1−メチル イタコネート(32g)をエーテル( 23ml)に溶解し、塩化チオニル(23ml)を加え、15分間還流した。反 応液を減圧濃縮し、得られる油状物を減圧蒸留して1−メチル イタコン酸クロ リド(27g、68〜69℃/2〜3mmHg)を得た。 4)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン(12.9g)およびト リエチルアミン(10.1g)のベンゼン(50ml)溶液に、上記で得られた 1−メチル イタコン酸クロリド(16.3g)を激しく攪拌しながら滴下した 。反応液を一夜室温で放置後、沈殿物を濾過した。濾液を3%塩酸、飽和炭酸ナ トリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで 乾燥後、減圧濃縮した。得られる油状物を減圧蒸留し、4gの目的とする1−メ チル4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート(MPyEI)を 得た。 物性は実施例2で得られたものと同じであった。 実施例6(共重合体の合成およびその共重合体からなるシートの作成) 2−ヒドロキシエチル メタクリレート(HEMA)、4−[2−(2−ピロリド ン−1−イル)エチル]イタコネート(PyEI)およびメチル メタクリレート( MMA)からなる共重合体(HEMA−PyEI−MMA)の合成およびその共重合体からなる シートの作成 HEMA、PyEIおよびMMAを70/20/10(w/w)の割合で混合し、さらに 0.2重量%の過硫酸カリウムおよび10重量%の水を加え混合したものを、ス ペーサーでもって0.5mmまたは0.1mmの間隔を保ち、クランプで固定した 2枚のガラス板(6cm×5cm、シリコーン系シール化剤を使って処理したも の)の間に入れ60℃で22時間ラジカル重合させ、90℃で2時間後処理し重 合を完成させた。このシートをガラス板よりはずし、精製水に浸して未反応のモ ノマーを除去して目的とする共重合体のシートを得た。なお、2枚のガラス板の 間隔は所望に応じて選択 する。 実施例6と同様にして以下の共重合体およびそれからなるシートが得られる。 上記の略語は以下の化合物を示す(以下同じ)。 HEMA:2−ヒドロキシエチル メタクリレート HEA:2−ヒドロキシエチル アクリレート PyEI:4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル]イタコネート MPyEI:1−メチル4−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル] イタコネート 4-MPyEI:4−メチル1−[2−(2−ピロリドン−1−イル)エチル] イタコネート 4-PEPyEI:4−(2−フェニルエチル)1−[2−(2−ピロリドン−1− イル)エチル]イタコネート MMA:メチル メタクリレート MA:メチル アクリレート これらの共重合体およびそのシートは下記実施例7の方法を用いても作成する ことができる。 実施例6の方法により作成した共重合体のシートの代表例について物理化学的 性質を表1に示す。 表1に示した物理化学的性質の測定は以下のようにして行った。 ・含水率:円盤状に切り出した共重合体シートを水中(0℃、2日間以上)に入 れ含水量を平衡状態にさせた後、表面に付着した水分をふき取り重量を計り、W1 とする。試料を減圧下60℃、48時間脱水処理をし、乾燥状態の重量を計り W2とする。 (W1−W2)/W1を計算し含水率を算出した。 ・屈折率:Abbe屈折計を用いて測定した。 ・引っ張り強度:YQ-Z-7測定装置を用い12cm/minの引っ張り速度で測定した 。単位はpsiで表す。“wet”とはシートを水で膨潤させ平衡に達した状態を示し 、“dry”とはシートを作成したときの状態を示す。 ・復元速度:水で膨潤させ平衡に達したシートを3.0×3.0cmの大きさに 切り、ピンセットで折り畳んだ後、元の状態に復元するまでの時間を測定した。 適用できる時間は3〜6秒±2秒程度であるが、好ましい時間すなわち3〜6秒 の範囲に入っておれば“yes”とした。 実施例7 (共重合体(HEMA-PyEI-MMA)の光重合による合成およびその共重合体からな るシートの作成) HEMA、PyEIおよびMMAを70/20/10(w/w)の割合で混合し、さらに 0.2重量%のベンゾフェノン(または4−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロ キシベンゾフェノン)および0.4重量%のN,N−ジメチルアミノエチルメタ クリレートを加え混合したものを、スペーサーでもって0.5mmまたは0.1 mmの間隔を保ち、クランプで固定した2枚のガラス板(6cm×5cm、シリ コーン系シール化剤を使って処理したもの)の間に入れ80w水銀ランプで48 時間紫外線照射し光重合させる。このシートをガラス板よりはずし、精製水に浸 して未反応のモノマーを除去して目的とする共重合体のシートが得られる。なお 、2枚のガラス板の間隔は所望に応じて選択する。 実施例8 (架橋した共重合体の合成およびそれからなるシートの作成) 実施例6の操作において、ラジカル重合させる前の 混合物に、1.0重量%のエチレングリコール ビスメタクリレート(EGMA)を 加え、以下実施例6と同様に操作して分子間架橋した共重合体およびそれからな るシートが得られる。 架橋剤としてEGMAの代わりにジエチレングリコール ビスメタクリレート(DE GMA)の様な他のビスメタクリレート、N,N’−メチレン ビスアクリルアミ ドの様なビスアクリルアミドを使用することができ、また架橋剤の含量も所望に 応じて選択できる。 実施例9 (紫外線吸収剤を含んだ共重合体の合成およびそれからなるシートの作成) 実施例6の操作において、ラジカル重合させる前の混合物に、0.8〜1.5 重量%の4−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(MAHBP)を加 え、以下実施例6と同様に操作して紫外線吸収剤を化学結合をした形で含んだ共 重合体およびそれからなるシートが得られる。 実施例10 (ポリサッカライド類によるシート表面の加工) 実施例6で作成した共重合体シートをヘパリン水溶液(5%)に24時間入れ た後、1時間空気にさらす。そのシートをジビニル スルホン(0.1%)を含 む炭酸ナトリウム緩衝液(pH11)に40℃で2時間浸した後、リン酸緩衝液で 洗浄し、次いで水で十分洗浄してヘパリンがヒドロキシグループと共有結合をし た状態のシートを作成することができる。 ポリサッカライド類としてヘパリンの代わりにヒアルロン酸ナトリウムを用い ても同じようなシートを得ることができる。 本発明は、ポリマーの構成成分として有用な新規イタコン酸誘導体を提供する と共に、その新規イタコン酸誘導体を構成成分とする共重合体で形成される眼用 レンズ、特にfoldable IOLの優れた素材を提供する。 この新規イタコン酸誘導体を構成成分とする共重合体で成形されるfoldable IOLの素材としてのメリットを以下にまとめる。 1)折り畳んだ状態から速やかな復元性を示す。 2)好ましい屈折率を示す。 3)物理的強度(引っ張り強度)が優れている。 4)各モノマーの構成比率を変えることにより所望の性質にすることができる 。 5)錫子で操作しても、傷痕が残らず、界面も痛めない。 6)レザー光を当てても混濁を起こさず、透明性を維持できる。 7)レザー光を当てても変性や亀裂を起こさない。 8)ヒドロキシ基を分子内に有するので共重合体の生成後に水和させることが できる。 9)表面がポリサッカライドで容易に加工でき、しかも共有結合の状態になる ので、脱離しない。 10)分子間架橋が容易にできる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記一般式[1]若しくは[2]で表されるイタコン酸誘導体、ま たはその塩類。 [式中、R1は水素原子、低級アルキル基またはフェニル低級アルキル基を示 し、該フェニル低級アルキル基のフェニル環は低級アルキル基で置換されていて もよい。R2は水素原子または低級アルキル基を示す。Aは低級アルキレン基を 示す。] 2. R1が水素原子、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニルメチ ル基またはフェニルエチル基である請求項1記載の化合物。 3. R2が水素原子である請求項1記載の化合物。 4. Aが−(CH22−である請求項1記載の化合物。 5. R1が水素原子、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニルメチ ル基またはフェニルエチル基で、R2が水素原子で、Aが−(CH22−である 請求項1記載の化合物。 6. 下記一般式[1]または[2]で表され るイタコン酸誘導体のポリマー構成成分としての用途。 [式中、R1は水素原子、低級アルキル基またはフェニル低級アルキル基を示 し、該フェニル低級アルキル基のフェニル環は低級アルキル基で置換されていて もよい。R2は水素原子または低級アルキル基を示す。Aは低級アルキレン基を 示す。] 7. 下記[3]と、[4]または[5]と、[6]とで表される構成単 位からなり、各々の重量構成比が、[3]が60〜80、[4]または[5]が 10〜30、[6]が5〜20である共重合体。 [式中、R3は水素原子または低級アルキル基を示し、R4は低級アルキレン基 を示し、該アルキレン基はヒドロキシ基で置換されていてもよく、またアルキレ ン鎖の中に酸素原子を有していてもよい。] [式中、R1は水素原子、低級アルキル基またはフェニル低級アルキル基を示 し、該フェニル低級アルキル基のフェニル環は低級アルキル基で置換されていて もよい。R2は水素原子または低級アルキル基を示す。Aは低級アルキレン基を 示す。] [式中、R5は水素原子または低級アルキル基を示し、R6は低級アルキル基を 示す。] 8. 分子量が1万〜10万である請求項7記載の共重合体。 9. R3が水素原子またはメチル基で、R4が−(CH22−である請求 項9記載の共重合体。 10. R1が水素原子、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニルメチ ル基またはフェニルエチル基で、R2が水素原子で、Aが−(CH22−である 請求項7記載の共重合体。 11. R5が水素原子またはメチル基で、R6 がメチル基である請求項7記載の共重合体。 12. R3が水素原子またはメチル基で、R4が−(CH22−で、R1が 水素原子、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニルメチル基またはフェニル エチル基で、R2が水素原子で、Aが−(CH22−で、R5が水素原子または メチル基で、R6がメチル基である請求項7記載の共重合体。 13. [3]が65〜75、[4]または[5]が15〜25、[6]が 5〜15の重量構成比である請求項7記載の共重合体。 14. ビスアクリレート系またはビスアクリルアミド系架橋剤で架橋され ている請求項7記載の共重合体。 15. 紫外線吸収剤を含有する請求項7または14記載の共重合体。 16. ポリサッカライド類で表面加工された請求項7、14または15記 載の共重合体。 17. 請求項7、14、15または16記載の共重合体で成形された眼用 レンズ。 18. 請求項7、14、15または16記載の共重合体で成形されたfold able眼内レンズ。 19. 請求項7または14記載の共重合体で成形され、その共重合体が紫 外線吸収剤を含み、さらに表面がポリサッカライド類で表面加工されたfoldable 眼内レンズ。 20. 下記[7]と、[1]または[2]と、[8]とで表されるモノマ ーを共重合させて得られる共重合体。 [式中、R3は水素原子または低級アルキル基を示し、R4は低級アルキレン基 を示し、該アルキレン基はヒドロキシ基で置換されていてもよく、またアルキレ ン鎖の中に酸素原子を有していてもよい。] [式中、R1は水素原子、低級アルキル基またはフェニル低級アルキル基を示 し、該フェニル低級アルキル基のフェニル環は低級アルキル基で置換されていて もよい。R2は水素原子または低級アルキル基を示す。Aは低級アルキレン基を 示す。] [式中、R5は水素原子または低級アルキル基を示し、R5は低級アルキル基を 示す。]
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