JP2002502059A - カバー信号中に組込まれた情報の除去防止方法及び装置 - Google Patents
カバー信号中に組込まれた情報の除去防止方法及び装置Info
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- H—ELECTRICITY
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- H04N5/00—Details of television systems
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Abstract
(57)【要約】
カバー信号の質を劣化させることなく透かし情報が除去されるのを防止する手法で、音声信号、映像信号、または静止画信号のようなカバー信号中に透かし情報を組み込む装置及び方法を提供する。これは、透かし情報が組み込まれる前にカバー信号に位相変調が施され、少なくとも、カバー信号の特定の実在または複製に組み込まれるべき透かし毎に、位相変調の量または程度が変更されることにより達成される。透かし情報を消去するための試みにおいて、それぞれ異なる透かしを含む2つの同じカバー信号が平均化または組み合わされると、カバー信号の位相が消去され、そのように生成された信号の如何なる不正複製も無価値とされる。
Description
【0001】 (発明の背景) (発明の属する技術分野) 本発明は、無線通信あるいは有線通信により送信されたり、光または磁気ディ
スク、磁気テープ、またはソリッドステートメモリに記録されている、音声信号
、映像信号、データ信号などのカバー信号内の情報を符号化し、または組み込み
むための方法及び装置に関する。特に、本発明はカバー信号中に組込まれた情報
の除去あるいは消去を防止する方法及び装置に関する。
スク、磁気テープ、またはソリッドステートメモリに記録されている、音声信号
、映像信号、データ信号などのカバー信号内の情報を符号化し、または組み込み
むための方法及び装置に関する。特に、本発明はカバー信号中に組込まれた情報
の除去あるいは消去を防止する方法及び装置に関する。
【0002】 (背景および関連技術の説明) インターネットの出現とデジタル技術の進歩により、音声、映像、静止画など
著作権で保護された内容をそのオリジナルを劣化させずに無制限に複製できるよ
うになりつつある。例えば、音楽録音物(musical recordings)などの音声ソフト
ウェア製品には近年大きな市場が形成されている。この市場の問題の一つは、そ
れらの制作者に対する支払い無しにそのような製品の複製が簡単に行えることで
ある。高品質な複製を可能にするデジタルオーディオテープ(DAT)などの出現に より、この問題は特に厄介なものとなりつつある。従って、電波で放送され、ま
たはインターネットで入手可能な音楽作品の無認可の複製を始めとする、音声録
音物(audio recordings)の無認可複製を防止できるのが望ましい。
著作権で保護された内容をそのオリジナルを劣化させずに無制限に複製できるよ
うになりつつある。例えば、音楽録音物(musical recordings)などの音声ソフト
ウェア製品には近年大きな市場が形成されている。この市場の問題の一つは、そ
れらの制作者に対する支払い無しにそのような製品の複製が簡単に行えることで
ある。高品質な複製を可能にするデジタルオーディオテープ(DAT)などの出現に より、この問題は特に厄介なものとなりつつある。従って、電波で放送され、ま
たはインターネットで入手可能な音楽作品の無認可の複製を始めとする、音声録
音物(audio recordings)の無認可複製を防止できるのが望ましい。
【0003】 近年、著作権で保護されたプログラム物のデジタル「透かし」のための種々の
方法が非常に注目を集めている。正しいデコーダー装置を用いなければ内容が再
生出来ないように、プログラム自体の内容にスクランブルや符号化が施される符
号化方式に対して、透かしは、視聴者や傍聴者に分からないように、音声または
映像信号のようなプログラム要素に、著作権者、及び/または、音声または映像 プログラムの各複製の購入者を識別するデジタル情報を挿入することに関する。
透かし情報はこのように一般のプログラム受給者から隠されており、適切な装置
や透かし変数の知識を用いてのみ検出できる。こうした透かし技術は「ステガノ
グラフィー(情報迷彩)」としても知られている。ギリシャ語で「被覆記述(co
vered writing)」を意味するステガノグラフィーは、通信の存在を隠す手法で 通信する技術および科学と定義されている。
方法が非常に注目を集めている。正しいデコーダー装置を用いなければ内容が再
生出来ないように、プログラム自体の内容にスクランブルや符号化が施される符
号化方式に対して、透かしは、視聴者や傍聴者に分からないように、音声または
映像信号のようなプログラム要素に、著作権者、及び/または、音声または映像 プログラムの各複製の購入者を識別するデジタル情報を挿入することに関する。
透かし情報はこのように一般のプログラム受給者から隠されており、適切な装置
や透かし変数の知識を用いてのみ検出できる。こうした透かし技術は「ステガノ
グラフィー(情報迷彩)」としても知られている。ギリシャ語で「被覆記述(co
vered writing)」を意味するステガノグラフィーは、通信の存在を隠す手法で 通信する技術および科学と定義されている。
【0004】 従来技術中に、ソースまたはカバー信号の補助的隠蔽情報を符号化する様々な
従来技術方法が知られている。例えば、米国特許5,319,735; 5,540,490; 5,613,
004; 5,687,236; 5,636,292; 5,574,962参照。
従来技術方法が知られている。例えば、米国特許5,319,735; 5,540,490; 5,613,
004; 5,687,236; 5,636,292; 5,574,962参照。
【0005】 著作権の強制の領域では、透かし情報は音声、映像、またはその他のプログラ
ム要素の各複製の購入者に関する同一性情報を含むことができる。このため、同
一の音声または映像プログラムの各複製物は、それらの複製物が異なる実在に購
入される限りにおいて異なる透かしを含むことがある。
ム要素の各複製の購入者に関する同一性情報を含むことができる。このため、同
一の音声または映像プログラムの各複製物は、それらの複製物が異なる実在に購
入される限りにおいて異なる透かしを含むことがある。
【0006】 透かし技術の価値は、透かしが組み込まれた音声または映像プログラムの内容
を破壊することもなく、カバー信号からの除去に抵抗する点にある。この点に関
して、その技術にはコルージョンアタック(collusion attack)という問題が存在
する。コルージョンアタックは、平均化や間挿法などの何らかの方法で異なる透
かしを伴うプログラム信号の2つ以上の複製が組み合わされ、それにより、内容
情報が維持されたまま透かし情報が消去される際に生ずる。プログラム内容は同
じであるため、信号の平均化は同じ内容を生成する。しかしながら、透かし情報
はカバー信号の複製毎に異なっているため破壊され、複数の複製の平均化は実質
的に透かしの「削除」となる。
を破壊することもなく、カバー信号からの除去に抵抗する点にある。この点に関
して、その技術にはコルージョンアタック(collusion attack)という問題が存在
する。コルージョンアタックは、平均化や間挿法などの何らかの方法で異なる透
かしを伴うプログラム信号の2つ以上の複製が組み合わされ、それにより、内容
情報が維持されたまま透かし情報が消去される際に生ずる。プログラム内容は同
じであるため、信号の平均化は同じ内容を生成する。しかしながら、透かし情報
はカバー信号の複製毎に異なっているため破壊され、複数の複製の平均化は実質
的に透かしの「削除」となる。
【0007】 従来技術中には、このようなコルージョンアタックに対する防御技術が知られ
ている。このような技術は、異なる複製の透かし情報の少なくとも一部に類似点
を得るために透かしコードに冗長性を付加することに焦点を合わせている。例え
ば、Leightonに対する米国特許5,664,018は、目印が付されるべき作品のデジタ ルストリング(digital string)から秘密の「ベースライン」透かしが作成され、
それが、それぞれベースライン透かしと所定の関係を有する修正透かしの組の作
成に用いられる方法を開示している。各修正透かしは、次いで、透かし入りの複
製物を作製するために複製に挿入される。これらの修正透かしの一部が平均化さ
れても、少なくとも複数透かしの一つは残ると思われる。
ている。このような技術は、異なる複製の透かし情報の少なくとも一部に類似点
を得るために透かしコードに冗長性を付加することに焦点を合わせている。例え
ば、Leightonに対する米国特許5,664,018は、目印が付されるべき作品のデジタ ルストリング(digital string)から秘密の「ベースライン」透かしが作成され、
それが、それぞれベースライン透かしと所定の関係を有する修正透かしの組の作
成に用いられる方法を開示している。各修正透かしは、次いで、透かし入りの複
製物を作製するために複製に挿入される。これらの修正透かしの一部が平均化さ
れても、少なくとも複数透かしの一つは残ると思われる。
【0008】 従来の透かし除去防止方法には重大な欠点が幾つかある。第一に、冗長データ
の使用は、実際に組み込まれる情報に対する透かしデータの要求長について大き
な不利益を与える。第二に、このような対コルージョン方法は、十分に多数の複
製が平均化に用いられた場合に、現実には透かしの除去を防止できない。十分な
数の異なる複製を用いたコルージョンアタックは、カバー信号の内容を劣化させ
ることなく透かしを完全に除去できる。このように、従来技術中には、カバー信
号からの透かし情報の除去を防止するための方法及び装置を改良する必要が存在
する。
の使用は、実際に組み込まれる情報に対する透かしデータの要求長について大き
な不利益を与える。第二に、このような対コルージョン方法は、十分に多数の複
製が平均化に用いられた場合に、現実には透かしの除去を防止できない。十分な
数の異なる複製を用いたコルージョンアタックは、カバー信号の内容を劣化させ
ることなく透かしを完全に除去できる。このように、従来技術中には、カバー信
号からの透かし情報の除去を防止するための方法及び装置を改良する必要が存在
する。
【0009】 (発明の開示) 本発明は上述した従来技術における問題を解決し、組み込まれた透かし情報を
除去するための如何なる試みがなされても、カバー信号自体が著しく劣化して商
業的に利用不可能となるように、カバー信号に透かし情報を組み込むための方法
及び装置を提供する。本発明の方法及び装置では透かしコードや情報に冗長性を
付加する必要はなく、ホストまたはカバー信号が音声信号、映像信号、静止画信
号であるか否かに関わらず、その信号に透かし情報を付加または組み込む方法や
技術に利用できる。
除去するための如何なる試みがなされても、カバー信号自体が著しく劣化して商
業的に利用不可能となるように、カバー信号に透かし情報を組み込むための方法
及び装置を提供する。本発明の方法及び装置では透かしコードや情報に冗長性を
付加する必要はなく、ホストまたはカバー信号が音声信号、映像信号、静止画信
号であるか否かに関わらず、その信号に透かし情報を付加または組み込む方法や
技術に利用できる。
【0010】 具体的には、本発明の第1の態様は、カバー信号に透かし情報を組み込むため
の方法であって、前記カバー信号の所定位相変調変数値を選択するステップと、
位相変調カバー信号を生成するために選択された位相変調変数値に従ってカバー
信号の位相を変調させるステップと、情報迷彩信号を生成するために前記位相変
調カバー信号に前記透かし情報を組み込むステップとを有し、異なる透かし情報
を含む前記情報迷彩信号の2例以上の組み合わせが、位相の不適合の結果として
前記カバー信号に大きな歪みを生じさせるように前記位相変調変数値が選択され
る方法を提供する。
の方法であって、前記カバー信号の所定位相変調変数値を選択するステップと、
位相変調カバー信号を生成するために選択された位相変調変数値に従ってカバー
信号の位相を変調させるステップと、情報迷彩信号を生成するために前記位相変
調カバー信号に前記透かし情報を組み込むステップとを有し、異なる透かし情報
を含む前記情報迷彩信号の2例以上の組み合わせが、位相の不適合の結果として
前記カバー信号に大きな歪みを生じさせるように前記位相変調変数値が選択され
る方法を提供する。
【0011】 本発明の他の態様によれば、本発明は、カバー信号に透かし情報を組み込むた
めの装置であって、所定の位相変調変数値を生成する位相変調変数発生器と、位
相変調カバー信号を生成するために前記位相変調変数値に従って前記カバー信号
の位相特性を変調する位相変調器と、情報迷彩信号を得るために前記位相変調カ
バー信号に透かし情報を組み込む透かし情報組み込み器とを有する装置を提供す
る。
めの装置であって、所定の位相変調変数値を生成する位相変調変数発生器と、位
相変調カバー信号を生成するために前記位相変調変数値に従って前記カバー信号
の位相特性を変調する位相変調器と、情報迷彩信号を得るために前記位相変調カ
バー信号に透かし情報を組み込む透かし情報組み込み器とを有する装置を提供す
る。
【0012】 (好適な実施態様の詳細な説明) 本発明のこれらおよび他の態様は、以下に述べる好適実施例の詳細な説明と添
付図面からより十分に理解される。 本発明は、異なる透かしを含むことを除いて同一である2つ以上のカバー信号
を組み合わせることにより透かしを除去しようとする試みが、不要な人義物の導
入によるカバー信号の著しい劣化を結果するような方法で、映像信号、音声信号
、静止画信号(JPEG信号、GIF信号、TIF信号、BMP信号など)のようなカバー信 号に透かし情報を組み込むための方法及び装置に関する。
付図面からより十分に理解される。 本発明は、異なる透かしを含むことを除いて同一である2つ以上のカバー信号
を組み合わせることにより透かしを除去しようとする試みが、不要な人義物の導
入によるカバー信号の著しい劣化を結果するような方法で、映像信号、音声信号
、静止画信号(JPEG信号、GIF信号、TIF信号、BMP信号など)のようなカバー信 号に透かし情報を組み込むための方法及び装置に関する。
【0013】 図1に示すように、本発明の好適な実施態様によれば、位相変調器6は、カバ
ー信号2(音声信号、映像信号、静止画信号、マルチメディア信号など)を受信
し、位相変調器変数発生器5で生成された所定の位相変調変数3に従ってカバー
信号2の位相特性を変調させる。その結果生じた位相変調カバー信号4は、情報
迷彩信号10を得るために適当な透かし情報を位相変調カバー信号4に組み込む
ための透かし組み込み器8に提供される。情報迷彩信号10は、従って、透かし
情報を含むことを除きカバー信号2と同じ内容を含む。透かし組み込み器8で利
用される特定の透かし処理は本発明の要素ではなく、上記方法を含む公知の透か
し情報組み込み方法は何れも組み込み器8の実現に使用することができる。
ー信号2(音声信号、映像信号、静止画信号、マルチメディア信号など)を受信
し、位相変調器変数発生器5で生成された所定の位相変調変数3に従ってカバー
信号2の位相特性を変調させる。その結果生じた位相変調カバー信号4は、情報
迷彩信号10を得るために適当な透かし情報を位相変調カバー信号4に組み込む
ための透かし組み込み器8に提供される。情報迷彩信号10は、従って、透かし
情報を含むことを除きカバー信号2と同じ内容を含む。透かし組み込み器8で利
用される特定の透かし処理は本発明の要素ではなく、上記方法を含む公知の透か
し情報組み込み方法は何れも組み込み器8の実現に使用することができる。
【0014】 位相変調器6、位相変調器変数発生器5、透かし組み込み器8は、一般的なプ
ログラム可能なデータプロセッサ上のソフトウェアとして、アナログまたはデジ
タルまたは混合信号集積回路として、個別構成要素型の電子回路として、または
それらの装置の組み合わせとして実現することができる。
ログラム可能なデータプロセッサ上のソフトウェアとして、アナログまたはデジ
タルまたは混合信号集積回路として、個別構成要素型の電子回路として、または
それらの装置の組み合わせとして実現することができる。
【0015】 位相変調カバー信号4は、カバー信号成分の位相を、固定的または経時変化的
に、かつ、変数発生器5によって提供される変調変数に従って変更することによ
り、位相変調期6により生成される。信号の位相構造を変化させる多くの公知技
術が利用できるが、以下、2つの技術を具体例として図2及び図3を参照しなが
ら説明する。これらの技術については、如何なる固定変調変数に対しても、時間
次元および/または1つ以上の空間次元での周波数に関する位相変調が線形であ
っても非線形であってもよい。位相変調器6はどのようなタイプの位相変調器を
用いても実現できるが、その変調器は以下のような要件を満たさなくてはならな
い。
に、かつ、変数発生器5によって提供される変調変数に従って変更することによ
り、位相変調期6により生成される。信号の位相構造を変化させる多くの公知技
術が利用できるが、以下、2つの技術を具体例として図2及び図3を参照しなが
ら説明する。これらの技術については、如何なる固定変調変数に対しても、時間
次元および/または1つ以上の空間次元での周波数に関する位相変調が線形であ
っても非線形であってもよい。位相変調器6はどのようなタイプの位相変調器を
用いても実現できるが、その変調器は以下のような要件を満たさなくてはならな
い。
【0016】 1)位相変調器6は、音声、映像、静止画といったカバー信号2の認識に関し
て最小の外乱しか発生しないこと。 2)カバー信号の2以上の位相変調版に対する如何なる平均化も、音声、映像
、静止画としての認識に関して、カバー信号に顕著な歪みを発生させること。
て最小の外乱しか発生しないこと。 2)カバー信号の2以上の位相変調版に対する如何なる平均化も、音声、映像
、静止画としての認識に関して、カバー信号に顕著な歪みを発生させること。
【0017】 位相変調変数3は、特定のカバー信号2の新たな複製に異なる透かしデータで
透かしが付されるべき各時点で最小限変更される。これは、異なる透かしの付け
られた同じカバー信号が、もし透かしを除去する試みにおいて組み合わされた場
合に、破壊的な位相消去を受けるように要求されている。コルージョンアタック
中に位相変調が反転しないように、特定のカバー信号の位相変調期間中に位相変
調変数3はランダムにあるいは系統的に変更されてもよく、それにより、時間、
空間、その他の信号次元において変化する信号位相変調が得られる。
透かしが付されるべき各時点で最小限変更される。これは、異なる透かしの付け
られた同じカバー信号が、もし透かしを除去する試みにおいて組み合わされた場
合に、破壊的な位相消去を受けるように要求されている。コルージョンアタック
中に位相変調が反転しないように、特定のカバー信号の位相変調期間中に位相変
調変数3はランダムにあるいは系統的に変更されてもよく、それにより、時間、
空間、その他の信号次元において変化する信号位相変調が得られる。
【0018】 更に、位相変調変数は、上記要件を満たすことに加えて、情報迷彩信号からの
み抽出される隠し付加情報や、カバー信号と比較される情報明細信号から抽出さ
れる隠し付加情報、或いは、異なる透かしデータを伴うことを除いて同一である
カバー信号から導き出される情報迷彩信号の複数の複製から得られるコルード信
号(colluded signal)から抽出される隠し付加情報を組み込むためにそれらが 機能するように選択されることができる。
み抽出される隠し付加情報や、カバー信号と比較される情報明細信号から抽出さ
れる隠し付加情報、或いは、異なる透かしデータを伴うことを除いて同一である
カバー信号から導き出される情報迷彩信号の複数の複製から得られるコルード信
号(colluded signal)から抽出される隠し付加情報を組み込むためにそれらが 機能するように選択されることができる。
【0019】 (第1実施例) 図2を参照して、位相変調器と位相変調変数発生器の第1の代表的な実施例を
説明する。本実施例において、カバー信号2は一次元のもので一定の時間毎にサ
ンプルされるものとする。本実施例において、位相変調器6は全域通過デジタル
フィルタ6aで実現されている。このような全域通過デジタルフィルタは当該技 術において一般的であるためその詳細な説明は省略する。
説明する。本実施例において、カバー信号2は一次元のもので一定の時間毎にサ
ンプルされるものとする。本実施例において、位相変調器6は全域通過デジタル
フィルタ6aで実現されている。このような全域通過デジタルフィルタは当該技 術において一般的であるためその詳細な説明は省略する。
【0020】 位相変調変数発生器はフィルタ係数発生器5aで実現されている。極の数、ま たは全域通過フィルタのオーダーは任意とする。本実施例では、全域通過フィル
タ6aは単一の第2級無限インパルス応答(IIR)フィルタとする。本実施例では更
にデジタルカバー信号2を仮定するが、対応するアナログ領域の実施例も本発明
に包含され、以下の説明に基づいて当業者により容易に実現され得る。
タ6aは単一の第2級無限インパルス応答(IIR)フィルタとする。本実施例では更
にデジタルカバー信号2を仮定するが、対応するアナログ領域の実施例も本発明
に包含され、以下の説明に基づいて当業者により容易に実現され得る。
【0021】 カバー信号2はIIRフィルタ6aに入力されるが、このIIRフィルタ6aはフィル
タ係数演算器5aからの経時変化フィルタ係数も受け取る。IIRフィルタ6aの動 作を説明する差分方程式は次の通りである。
タ係数演算器5aからの経時変化フィルタ係数も受け取る。IIRフィルタ6aの動 作を説明する差分方程式は次の通りである。
【0022】
【数1】
【0023】 ここで、x(n)はカバー信号2のn番目のサンプル、y(n)は位相変調カバー信 号4のn番目のサンプル、an, bn, cn, dn, nは変調変数を構成する経時変化フ ィルタ係数3aである。フィルタ係数3a は、フィルタ6aの出力サンプル毎に、
係数演算機5aによって更新される。その係数にとって適切な値を得るための有
効な方法は、n番目のものについて極の大きさ(n)および位相(n)の所望の値を使
用することであり、以下の関係式を用いて得ることができる。
係数演算機5aによって更新される。その係数にとって適切な値を得るための有
効な方法は、n番目のものについて極の大きさ(n)および位相(n)の所望の値を使
用することであり、以下の関係式を用いて得ることができる。
【0024】
【数2】
【0025】 極の大きさと位相の経時変量が、選択された大きさ及び位相範囲のゆっくりと
した振れを伴うシステムは、巧く実現され、また、上記の要求を満たすことが見
出されている。そのような振れの初期条件、速度、および方向は、同一のカバー
信号2に適用される異質の位相変調の結果間に差を確保するために系統的にラン
ダム設定される。音声信号については、大きさ及び位相の範囲、並びにそれら変
数の変化速度について以下の選択を使用した場合に満足のいく結果が得られた。
した振れを伴うシステムは、巧く実現され、また、上記の要求を満たすことが見
出されている。そのような振れの初期条件、速度、および方向は、同一のカバー
信号2に適用される異質の位相変調の結果間に差を確保するために系統的にラン
ダム設定される。音声信号については、大きさ及び位相の範囲、並びにそれら変
数の変化速度について以下の選択を使用した場合に満足のいく結果が得られた。
【0026】
【数3】
【0027】 ここで、fsは1秒あたりの周期におけるカバー信号2のサンプリング周波数(ヘ
ルツ)である。
ルツ)である。
【0028】 (第二実施例) 図3を参照して、位相変調器と変調変数発生器の第2の代表的実施例を説明す
る。本実施例では、位相変調器6は補間器(interpolator)6bで実現され、ま た位相変調変数発生器5はサンプリング場所値演算器5bで実現される。補間器
6bとサンプリング場所値演算器5bとは、オリジナルのカバー信号2を不均一
に再サンプリングするのと実質的に均等な、経時変化する線形位相変調を一緒に
生成する。換言すると、本実施例の位相変調器と変調変数発生器は、カバー信号
2を、経時変化する手法でわずかに加速または減速させる効果を生成する。
る。本実施例では、位相変調器6は補間器(interpolator)6bで実現され、ま た位相変調変数発生器5はサンプリング場所値演算器5bで実現される。補間器
6bとサンプリング場所値演算器5bとは、オリジナルのカバー信号2を不均一
に再サンプリングするのと実質的に均等な、経時変化する線形位相変調を一緒に
生成する。換言すると、本実施例の位相変調器と変調変数発生器は、カバー信号
2を、経時変化する手法でわずかに加速または減速させる効果を生成する。
【0029】 本実施例では、カバー信号2は離散時間信号x(n)であるものとし、ここで、n
=0とはカバー信号2の先頭に相当する。位相変調カバー信号4はy(n)とし、u(n)
は補間器6bのn番目の出力サンプルの連続時間サンプリング場所値であり、ま
た、sp(n)は、サンプリング場所値演算器5bに送られる経時変化サンプリング 間隔を表す。サンプリング場所値演算器5bは、経時変化サンプリング間隔sp(n
)との以下の関係に従って連続時間サンプリング場所値u(n)を生成する。
=0とはカバー信号2の先頭に相当する。位相変調カバー信号4はy(n)とし、u(n)
は補間器6bのn番目の出力サンプルの連続時間サンプリング場所値であり、ま
た、sp(n)は、サンプリング場所値演算器5bに送られる経時変化サンプリング 間隔を表す。サンプリング場所値演算器5bは、経時変化サンプリング間隔sp(n
)との以下の関係に従って連続時間サンプリング場所値u(n)を生成する。
【0030】
【数4】
【0031】 サンプリング場所値u(n)とカバー信号x(n)の提供を受けて、補間器6bは以下の
関係式に従って位相変調カバー信号4を生成する。
関係式に従って位相変調カバー信号4を生成する。
【0032】
【数5】
【0033】 ここで、xc(t)は離散時間カバー信号x(n)の連続時間版である。xc(t)はx(n)を補
間して求めたものであり、この補間とは、多項式補間、帯域制限補間あるいは従
来からよく知られている補間技術の一つであってもよい。サンプリング間隔sp(n
)は、一般に、その値が1を中心とする狭い間隔内に制限したまま時間的にゆっ くりと変化する。これらの条件は以下の関係式で表される。
間して求めたものであり、この補間とは、多項式補間、帯域制限補間あるいは従
来からよく知られている補間技術の一つであってもよい。サンプリング間隔sp(n
)は、一般に、その値が1を中心とする狭い間隔内に制限したまま時間的にゆっ くりと変化する。これらの条件は以下の関係式で表される。
【0034】
【数6】
【0035】 ここで、fsはヘルツで表したカバー信号2のサンプリング周波数であり、1と2は
カバー信号x(n)とその位相変調版信号y(n)との間に永続的な相違が発生するのを
防ぐように選択された定数である。
カバー信号x(n)とその位相変調版信号y(n)との間に永続的な相違が発生するのを
防ぐように選択された定数である。
【0036】 関係式13と14を満足するゆっくりとした振れに追従するようsp(n)の経時 変量が選択されたシステムは、巧く実現され、1=0.01Hzおよび2=0.01
の場合に、上述した要求特性を生成することが見出されている。このようなシス
テムにおいて、その振れの初期条件、変化速度、および方向は、同一のカバー信
号2に対する異質の位相変調の結果間に差を確保するために、系統的にランダム
設定される。
の場合に、上述した要求特性を生成することが見出されている。このようなシス
テムにおいて、その振れの初期条件、変化速度、および方向は、同一のカバー信
号2に対する異質の位相変調の結果間に差を確保するために、系統的にランダム
設定される。
【0037】 本発明はこのように説明されているので、本発明の思想及び範囲から離れるこ
と無く、この発明が様々な手法で変更され得ることは当業者にとって自明である
。当業者に自明なこうした変更の全ては、以下の請求項により網羅されるように
意図されている。
と無く、この発明が様々な手法で変更され得ることは当業者にとって自明である
。当業者に自明なこうした変更の全ては、以下の請求項により網羅されるように
意図されている。
【図1】 図1は、カバー信号に透かし情報を組み込む本発明の好適実施例
に係る装置を示すブロック図である。
に係る装置を示すブロック図である。
【図2】 図2は、図1の位相変調器6及び位相変調器変数発生器5の好適
実施例を示したブロック図である。
実施例を示したブロック図である。
【図3】 図3は、図1の位相変調器6及び位相変調器変数発生器5のその
他の好適実施例を示したブロック図である。
他の好適実施例を示したブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペトロヴィッチ レイド アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01887 ウィルミントン キャッスル ド ライブ 2番 (72)発明者 メトワ エリック アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02144 サマーヴィル シンプソン アヴ ェニュー 24番 (72)発明者 ジェミリ カナーン アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01801 ウバーン ローカスト ストリー ト 111番 16号 Fターム(参考) 5C053 FA13 GA01 GB11 GB36 KA11 5J104 AA14 AA15
Claims (19)
- 【請求項1】 カバー信号に透かし情報を組み込むための方法であって、 前記カバー信号の所定位相変調変数値を選択するステップと、 位相変調カバー信号を生成するために、選択された前記位相変調変数値に従っ
てカバー信号の位相を変調させるステップと、 情報迷彩信号を生成するために、前記位相変調カバー信号に前記透かし情報を
組み込むステップとを有し、 前記位相変調変数値は、異なる透かし情報を含む前記情報迷彩信号の2例以上
の組み合わせが、その組み合わせ信号についての位相消去を結果するように選択
された方法。 - 【請求項2】 前記位相変調変数値は前記カバー信号の位相変調期間中に経
時的に変化する請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記カバー信号への透かし組み込み処理のそれぞれに対して
、前記位相変調変数値がランダムに選択される請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 前記変調のステップは、全域通過フィルタに前記カバー信号
を通過させる処理を含み、前記位相変調変数は前記全域通過フィルタのフィルタ
係数である請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 前記変調のステップは、サンプリング補間器に前記カバー信
号を通過させる処理を含み、前記位相変調変数は前記カバー信号に対するサンプ
リング場所値である請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 前記カバー信号は音声信号である請求項1記載の方法。
- 【請求項7】 前記カバー信号は映像信号である請求項1記載の方法。
- 【請求項8】 カバー信号に透かし情報を組み込むための装置であって、 所定の位相変調変数を生成する位相変調変数発生器と、 位相変調カバー信号を生成するために前記位相変調変数値に従って前記カバー
信号の位相を変調する位相変調器と、 情報迷彩信号を得るために前記位相変調カバー信号に透かし情報を組み込む透
かし情報組み込み器とを有する装置。 - 【請求項9】 前記位相変調器は全域通過フィルタを備えており、前記位相
変調変数は該全域通過フィルタのフィルタ係数を含んでいる請求項8記載の装置
。 - 【請求項10】 前記位相変調器はサンプリング補間器を備えており、前記
位相変調変数は前記カバー信号に対するサンプリング場所値を含んでいる請求項
8記載の装置。 - 【請求項11】 前記位相カバー信号は音声信号である請求項8記載の装置
。 - 【請求項12】 前記位相カバー信号は映像信号である請求項8記載の装置
。 - 【請求項13】 前記位相変調変数値は前記カバー信号の位相変調期間中に
経時的に変化する請求項8記載の装置。 - 【請求項14】 前記カバー信号への透かし組み込み処理のそれぞれに対し
て、前記位相変調変数値がランダムに選択される請求項8記載の装置。 - 【請求項15】 カバー信号に組み込まれた透かし情報の除去を防止する方
法であって、 位相変調カバー信号を生成するために、少なくとも前記透かし情報の内容の関
数として変化する量だけ前記カバー信号の位相を変調させるステップと、 前記位相変調カバー信号に前記透かし情報を組み込むステップとを含む方法。 - 【請求項16】 前記変調のステップは、全域通過フィルタに前記カバー信
号を通過させる処理を含み、前記位相変調の量は、透かし情報が異なる毎に変化
する前記全域通過フィルタ用フィルタ係数により決定される請求項15記載の方
法。 - 【請求項17】 前記変調のステップは、サンプリング補間器に前記カバー
信号を通過させる処理を含み、前記位相変調の量は、前記カバー信号に対するサ
ンプリング場所値によりで決定され、該サンプリング場所値は透かし情報が異な
る毎に変化する請求項15記載の方法。 - 【請求項18】 前記カバー信号は音声信号である請求項15記載の方法。
- 【請求項19】 前記カバー信号は映像信号である請求項15記載の方法。
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US09/017,145 | 1998-02-02 | ||
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000529719A Pending JP2002502059A (ja) | 1998-02-02 | 1999-02-02 | カバー信号中に組込まれた情報の除去防止方法及び装置 |
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EP (1) | EP1060473A1 (ja) |
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WO (1) | WO1999039344A1 (ja) |
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