JP2003044067A - 位相の周期偏移によるディジタルデータの埋めこみ・検出装置 - Google Patents

位相の周期偏移によるディジタルデータの埋めこみ・検出装置

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JP2003044067A JP2001236698A JP2001236698A JP2003044067A JP 2003044067 A JP2003044067 A JP 2003044067A JP 2001236698 A JP2001236698 A JP 2001236698A JP 2001236698 A JP2001236698 A JP 2001236698A JP 2003044067 A JP2003044067 A JP 2003044067A
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Yoichi Suzuki
陽一 鈴木
Ryuichi Nishimura
竜一 西村
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Tohoku University NUC
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    • G11B20/00086Circuits for prevention of unauthorised reproduction or copying, e.g. piracy
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    • G11B20/00086Circuits for prevention of unauthorised reproduction or copying, e.g. piracy

Abstract

(57)【要約】 【課題】位相変化法において周波数軸方向では相対的な
位相関係が原信号のそれと大きく異なり、それがひずみ
として知覚されることを防止する。 【解決手段】音楽信号に対し、2次の全域通過フィルタ
を用いて正弦波的に位相変調を行った場合、変調の周期
が数百Hz以下であれば、人間には知覚されない。この
位相変調をキャリアとして透かし情報を埋め込むことで
電子透かしを実現する。検出側では、位相変調に用いた
全域通過フィルタのモデルが既知であるので、ARMA
モデルパラメータ推定によりフィルタを推定し、その時
間変化から位相変調の動特性を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相変調を用いた
電子透かしに関し、特に時変全域通過フィルタによる位
相変調をキャリアとする音楽信号用電子透かしに関す
る。
【0002】
【従来の技術】高速ネットワークの実現により、これま
でテープやディスクといった物理媒体を用いて保管・伝
送されていたマルチメディアコンテンツを、電子的に瞬
時に遠隔地へ伝送することができるようになった。この
ことは、流通業界にとっては、物理的媒体の保管・流通
コストの削減ができるという点で利益がある。一方消費
者にとっては、地域格差の解消や、購買手段の選択肢の
拡充など、利便性が高まるという利点がある。さらに、
マルチメディアコンテンツの製作者にとっても自分の作
品の評価をレコード会社や映画会社の一部の評論家に委
ねるのではなく、直接一般の人に問い掛ける機会ができ
るようになる。マルチメディアコンテンツのネットワー
ク配信は、このように多くの利点がある一方で、ディジ
タルコンテンツであるが故の様々な問題も浮上してい
る。
【0003】ディジタル音楽メディアのネットワーク配
信の普及を妨げている最も大きな要因として、著作権問
題が挙げられる。アナログコンテンツと異なり、ディジ
タル音楽メディアでは、完全な複製を容易に無限に生成
することができる。著作者に対する畏敬の念は、国や文
化によっても異なり、地域によっては、大規模な違法コ
ピーが行われているのが現状である。このことは、グロ
ーバルネットワークであるが故の、独特な問題であると
いうことができる。
【0004】現在この問題を解消する技術として、電子
透かしが注目を集めている。電子透かしとは、使用者に
は知覚されないようにして、コンテンツ自身の中に付加
的な情報を埋め込むものである。従って、利用者がコン
テンツの中身を利用できるという点で暗号化とは異な
り、また、ヘッダに付加情報を記述するのとも、その情
報を容易には削減できないという点で異なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ディジタル音信号に対
する電子透かし技法として、これまでにも例えば「L.Bo
ney, H.H. Tewfik, and K.N. Hamdy, "Digital waterma
rks for audio signals,", In IEEEE International Co
nference on Multimedia Computing and Systems, pp.
473-480, June 1996」に記載されたスペクトル拡散法
や、「Sang-Kwang Lee and Yo-Sung Ho, "Digital audi
o watermaking in the cepstrum domain," In IEEE Tra
nsaction on Consumer Electronics, pp. 744-750, Aug
ust 2000.」に記載されたスペクトル拡散法を改良した
方法、「W.C.Wong, R. Steel, and C.S.Xydeas, "Trans
mitting data on the phase of speech signals," Bell
System Techinical Journal, Vol. 61, No. 10, pp. 2
947-2970, 1992.」および「Hyen O Oh, Jong Won Scok,
Jin Woo Hong, and Dac Hce Youn, "New echo embeddi
ng technique for robust and imreceptible audio wat
ermarking," In IEEE International Conference on Au
dio, Speech, and Signal Processing, May 2001.」に
記載されたエコーハイディング、「岩切宗利、松井甲子
雄、”音楽ソフトへの電子透かしの一方式、”1998
年暗号と情報セキュリティシンポジウム、SCIS’9
8−8.2.C,1998」および「Mohamed F. Manso
ur and Ahmed H. Tewfik, "Audio watermarking by tim
e-scale modification," IN IEEE International Confe
rence on Audio、Speech, and Signal Processing, May
2001」に記載された量子化を用いた手法などが提案さ
れている。また、同じスペクトル拡散法を用いる手法で
も、符号化法を工夫するなどにより、攻撃に対する耐性
を高めるための様々な検討が行われている。(例えば、
「M. Ikeda, K. Takeda, and F. Itakura, "Robust aud
io data hiding by use of trellis coding,"In WESTPR
AC VII, Vol. I, pp. 413-416, October 2000」や「Apa
rna Gurijalaand Jr. J. R. Deller, "Robust algorith
m for watermark recovery," In IEEEInternational Co
nference on Audio, Speech, and Signal Processing,
May 2001.」に記載されている。)しかし、それぞれに
一長一短があり、また、アプリケーションによっても前
提条件や要求条件が様々に変化するため、これで十分と
いうわけでは必ずしもない。
【0006】スペクトル拡散法は、透かし信号を周波数
軸上で広帯域に拡散して埋め込むことにより、各周波数
帯域での透かし信号による影響を最小限に抑え、人間に
知覚されないようにしたものである。従って、この手法
は、人間の聴覚系が音信号を解析するときに、周波数軸
上で帯域分析していることを利用したものと考えること
ができる。しかし、音声や音楽信号のエネルギーは全て
の時間において必ずしも全周波数帯域に分布してはいな
いので、エネルギーが小さくなる周波数帯域において透
かし信号が重畳されていることが容易に検知されてしま
う。
【0007】また、エコーハイディングは、図11に示
すように、時刻0と時刻Δtに値を持つインパルス応答
を音信号に畳み込むことにより、透かし情報を音信号に
埋め込む手法である。受信側では、受信信号の自己相関
を取ることで、Δtが推定できるので、このΔtを量子
化しておくことにより、ディジタル情報を伝送すること
ができる。Δtを十分小さくしておけば、先行する音と
融合して知覚されるので、人間には透かしの存在が気付
かれない。また、Δtが比較的大きい場合や、音が定常
的な音であるなどの理由で、エコーとして知覚されてし
まった場合でも、人間にとってはエコー感が増加するだ
けで、雑音の混入のような音質の劣化を引き起こす心配
が無いという利点がある。
【0008】また、位相変化法は、音の位相に対する人
間の聴覚特性を利用したものである。人間の聴覚は、位
相に関しては、必ずしも鋭敏ではないと考えられてき
た。比較的低い周波数の位相変化は、音色の変化として
知覚されることが実験的に示されているが、高い周波数
成分の位相に関しては敏感であるとは言い難い。また、
相対的な位相差は知覚できるが、絶対的な位相は知覚で
きないことが知られている。
【0009】そこで、この性質を電子透かしに利用した
手法が提案されている。図12に示すように2値データ
を位相変調量のπ/2、−π/2に対応させ、周波数軸
上でこれらの系列を作ることで透かし情報を生成する。
図12に示す「DFT」および「IDFT」はそれぞれ
「離散フーリエ変換」および「離散逆フーリエ変換」を
表す。音信号の初期フレームの位相を透かしデータに基
づく位相に置換し、それ以降のフレームの位相について
は、前フレームとの相対的な位相関係を原音信号と同じ
にする。こうすることにより、人間にはその差が顕著に
知覚されないことが期待される。しかしながら、周波数
軸方向では、相対的な位相関係が原信号のそれと大きく
異なっており、それがひずみとして知覚される問題が考
えられる。
【0010】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、位相変調量を時間的に穏やか
に変化させ、その動特性に透かし情報を埋め込むことに
より、位相の歪を無くした位相の周期的偏移によるディ
ジタルデータの埋めこみ・検出装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の位相の周期偏移によるディジタルデータ
の埋めこみ装置は、電子透かし情報を音楽信号の位相成
分の連続的な変化の中に埋め込む手段と、前記音楽信号
の位相成分に連続的な変化を与える全域通過フィルタと
を具備し、前記全域通過フィルタ特性を連続的に変化さ
せ、絶対的な位相変調量ではなく、位相変調量を時間的
に連続に変化させ、その特性の時間変化の様相に透かし
データを埋め込むことを特徴とする。
【0012】また、この発明の位相の周期的偏移による
ディジタルデータ検出装置は、透かし信号が埋め込まれ
た受信信号をある一定の長さのフレームに分割する手段
と、各分割フレームとそれに対応する原音信号を用いて
ARMAモデルパラメータ推定を行う手段と、前記AR
MAモデルパラメータ推定を行う手段により得られたモ
デルパラメータを基に全域通過フィルタの位相特性を算
出する手段と、各フレーム毎に得られた位相を順番に並
べて時系列データを生成する手段と、前記時系列データ
の周期を算出する手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】また、この発明のディジタルデータの埋め
こみ・検出装置は、電子透かし情報を音楽信号の位相成
分の連続的な変化の中に埋め込む手段と、前記音楽信号
の位相成分に連続的な変化を与える全域通過フィルタ
と、前記全域通過フィルタ特性を連続的に変化させ、絶
対的な位相変調量ではなく、位相変調量を時間的に連続
に変化させ、その特性の時間変化の様相に透かしデータ
を埋め込む手段と、前記透かしデータが埋め込まれた信
号をある一定の長さのフレームに分割する手段と、 各
フレームとそれに対応する原音信号を用いてARMAモ
デルパラメータ推定を行う手段と、前記ARMAモデル
パラメータ推定を行う手段により得られたモデルパラメ
ータを基に前記全域通過フィルタの位相特性を算出する
手段と、各フレーム毎に得られた位相を順番に並べて時
系列データの周期を算出する手段とを具備したことを特
徴とする。
【0014】また、この発明の位相の周期偏移によるデ
ィジタルデータの埋めこみ方法は、電子透かし情報を音
楽信号の位相成分の連続的な変化の中に埋めこみ、全域
通過フィルタを用いて前記音楽信号の位相成分に連続的
な変化を与え、前記全域通過フィルタ特性を連続的に変
化させ、絶対的な位相変調量ではなく、位相変調量を時
間的に連続に変化させ、その特性の時間変化の様相に透
かしデータを埋め込むことを特徴とする。
【0015】また、この発明の位相の周期的偏移による
ディジタルデータ検出方法は、透かし信号が埋め込まれ
た受信信号をある一定の長さのフレームに分割し、各分
割フレームとそれに対応する原音信号を用いてARMA
モデルパラメータ推定を行い、得られたモデルパラメー
タを基に全域通過フィルタの特性を算出し、各分割フレ
ーム毎に得られた位相を順番に並べて時系列データを生
成し、前記時系列データの周期を算出することを特徴と
する。
【0016】また、この発明の位相の周期的偏移による
ディジタルデータの埋めこみ・検出方法は、電子透かし
情報を音楽信号の位相成分の連続的な変化の中に埋めこ
み、全域通過フィルタを用いて前記音楽信号の位相成分
に連続的な変化を与え、前記全域通過フィルタ特性を連
続的に変化させ、絶対的な位相変調量ではなく、位相変
調量を時間的に連続に変化させ、その特性の時間変化の
様相に透かしデータを埋め込み、透かしデータが埋め込
まれた受信信号をある一定の長さのフレームに分割し、
各分割フレームとそれに対応する原音信号を用いてAR
MAモデルパラメータ推定を行い、得られたモデルパラ
メータを基に全域通過フィルタの特性を算出し、各分割
フレーム毎に得られた位相を順番に並べて時系列データ
を生成し、前記時系列データの周期を算出することを特
徴とする。
【0017】本発明によれば、位相に対する聴覚の非鋭
敏性に着目し、固定的な位相変調を行うのではなく、位
相変調量を時間的に穏やかに変化させ、その動特性に透
かし情報を埋め込むものである。位相の変調には、例え
ば全域通過型フィルタを用いることができる。全域通過
フィルタのフィルタ係数を、周期的に滑らかに変化させ
ながら、原音信号に作用させることにより、透かしを埋
め込んだ信号を生成する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて説明する。
【0019】初めに周期的位相変調による電子透かしに
使用する全域通過フィルタについて説明する。
【0020】2次の全域通過型フィルタの伝達関数をs
領域で表現すると数式1で表現される。
【0021】
【数1】
【0022】全域通過型フィルタの振幅特性は、周波数
に依らずに常に1である。一方、位相特性は、Qとω0
のパラメータにより決定される。ω0を幾つか変えたと
きの全域通過フィルタの位相特性を図1に示す。ω0
位相変位が−πになる周波数に対応する。パラメータQ
は、周波数の変化に対する位相変化の急峻性を決めるパ
ラメータである。
【0023】実際には、ディジタルフィルタとして使用
するため、数式1に対して双一時変換を施し、数式2の
形式で用いる。
【0024】
【数2】
【0025】ここで、
【数3】
【0026】
【数4】 であり、Faはサンプリング周波数を表す。
【0027】ω0を時間的に周期的に変化させた時の、
ある周波数の位相変調量を図示すると、図2のようにな
る。この図からわかるように、ある程度高い周波数の位
相は大きく変動することになるが、低い周波数の位相の
変動量は十分に小さくなる。前述したように、人間の聴
覚は低い周波数の位相の変化に対しては確かに感度を持
つので、全域通過フィルタのような変動特性は、電子透
かしの利用には大変都合が良い。
【0028】出願人は、音楽信号に対して周期的に位相
変調を施した信号と原信号との弁別に関する測定を行っ
た。すなわち、2次の全域通過フィルタを用いて音楽信
号の位相を正弦波的に周期的に変調し、それと原音楽信
号の弁別限を、変調した信号を常にXとしたA−X−B
法を用いて測定した。刺激提示のタイムパターンは、図
3に示すとおりである。また、この実験における変数
は、位相変調の周期である。
【0029】実験条件および実験結果を、それぞれ表1
および図4および図5に示す。
【0030】
【表1】
【0031】図4および図5から以下のことがわかる。
【0032】1.音楽信号に対する位相変調の検知は、
およそ数百Hzである。
【0033】2.パルス列に対する位相変調の検知は、
今回の実験条件の中では最も容易であり、数Hzの周期
で位相変調による音質の違いが検知される。
【0034】3.雑音のように、元々位相がランダムな
信号に対しては検出が極めて困難である。
【0035】4.パラメータQ(先鋭度)が1のときよ
りも2のときのほうが検知限となる位相回転の周波数が
上昇する傾向が見られる。
【0036】これらのことから、出願人は、位相回転周
波数を数百Hz以下に設定すれば、音楽信号に対して周
期的に位相変調を行っても検知されず、これを電子透か
しに利用することを考えた。
【0037】電子透かしへの応用として、どのような符
号化を行うかにより周期的位相変調を利用した電子透か
しは、幾通りも考えられる。ここでは、先ず基礎的検討
として、位相回転の周波数を情報として、送信側ではあ
る周波数で音楽信号に対して位相変調を施し、受信側で
は、その周波数を推定することで透かし信号を抽出する
というシステムを考え、この場合の検出手法について説
明する。
【0038】数式2で示される全域通過フィルタは、2
次のARMA(autoregressive moving-average model:
自己回帰移動平均モデル)モデルで表現することができ
る。従って、電子透かしを埋め込まれた信号(位相変調
された信号)と電子透かし信号を埋め込まれていない信
号(原信号)があれば、位相変調に用いた全域通過フィ
ルタのフィルタ係数を、ARMAモデルパラメータ推定
により求めることができる。ただし、この手法の場合に
は、フィルタ係数が時変であるため、そのことを考慮す
る必要がある。また、求めるべきものは、全域通過フィ
ルタのフィルタ係数そのものではなく、その時間変化で
ある。
【0039】そこで、出願人は、次に示す手順により位
相変調の周期の推定を試みた。
【0040】<検出の手順> 1.受信信号をある一定の長さのフレームに分割する。
【0041】2.各フレームとそれに対応する原信号を
用いてARMAモデルパラメータ推定を行う。
【0042】3.得られたモデルパラメータを基に、全
域通過フィルタの位相特性を算出する。
【0043】4.各フレーム毎に得られた位相を順番に
並べて時系列データを生成する。
【0044】5.この時系列データの周期を算出する。
【0045】この手続きを図示すると図6のようにな
る。この図においてx(t)は原音信号、y(t)は透かしが埋
め込まれた信号である。
【0046】図7(a)と図7(b)は、上記の方法に
より求めた、ある周波数Ft(11,025Hz)の変調位相量
の時間変化(a)とその自己相関関数(b)を図示した
ものである。位相変調の周期Frは100Hzであり、
フレーム長Nbは100ポイントである。サンプリング
周波数Fsが44.1 kHzであるので、自己相関関数のピー
ク間隔がFr/Fs=441ポイントと一致すると透かし
の検出に成功したことになる。この図から雑音が存在し
ない場合には、本検出法により、位相変調の周期が良好
に求められることが分かる。
【0047】次に、妨害雑音が存在するときの透かしの
検出について説明する。図8がここで考えている系であ
る。送信側で本手法により透かし信号を埋めこみ、それ
を伝送する最中に伝送路において白色性の雑音が重畳す
る。受信側では、その信号から前節で説明した手続きに
より、透かし信号の検出を試みる。付加雑音と音楽信号
とのSN比が−10, 0, 10 dBの時に、検出の最終段で得
られる自己相関関数のグラフを図9(a)、図9(b)
および図10(c)に示す。諸条件は、図7の場合と同
様であり、フレーム長:100ポイント、対象周波数:
11025Hz、位相変調周波数:100Hzである。
この図からSN比が0dB程度であれば、問題なく検出
されることが予想されるが、SN比が−10dBまで劣
化すると検出が困難になることがわかる。
【0048】
【発明の効果】この発明によれば、全域通過フィルタの
特性を時間的に滑らかに変化させながら音楽信号を位相
変調し、全域通過フィルタの特性そのものではなく、そ
の特性の時間変化の様相に透かし情報を埋め込んでいる
ので、例えば、レコード業者は、不法なコピーを制限し
たい音楽メディアを配信する際に、本発明による電子透
かしを音楽メディアに埋め込んでおく。その後、どこか
別のところで不法コピーの疑いのあるメディアが発見さ
れた場合には透かしの入っていない原音楽信号を保有し
ている発売元のレコード業者は、本発明による透かし検
出手法を用いてそのメディアに透かし情報が埋め込まれ
ているのかどうかを検出でき、不正コピーを検出するこ
とができる。これにより、音楽メディアの不正コピーの
摘発およびメディアの出所の同定に有効である。また、
原音楽信号がない場合に、透かしデータを抽出するのが
極めて困難であるため、透かしデータを改竄することが
困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ω0を幾つか変えたときの全域通過フィルタの
位相特性を示す図である。
【図2】ω0を時間的に周期的に変化させた時の、ある
周波数の位相変調量を示す図である。
【図3】刺激提示のタイムパターンを示す図である。
【図4】2次の全域通過フィルタを用いて音楽信号の位
相を正弦波的に周期的に変調し、それと原音楽信号の弁
別限を、変調した信号を常にXとしたA−X−B法を用
いて測定した実験結果を示す図であり、(a)は器楽曲
の場合を、(b)は声楽曲の場合を示す。
【図5】2次の全域通過フィルタを用いて音楽信号の位
相を正弦波的に周期的に変調し、それと原音楽信号の弁
別限を、変調した信号を常にXとA−X−B法を用いて
測定した実験結果を示す図であり、(c)はピンクノイ
ズの場合を、(d)はパルス列の場合を示す。
【図6】位相変調の周期を推定するための手続きを示す
図である。
【図7】ある周波数の変調位相量の時間変化とその自己
相関関数を示す図である。
【図8】妨害雑音が存在するときの透かし検出の説明で
使用される系を示す図である。
【図9】付加雑音と音楽信号とのSN比が−10,および
0 dBの時に、検出の最終段で得られる自己相関関数のグ
ラフを示す図である。
【図10】付加雑音と音楽信号とのSN比が10 dBの時
に、検出の最終段で得られる自己相関関数のグラフを示
す図である。
【図11】エコーハイディングを説明するための図であ
る。
【図12】位相変化法に基づいて2値データを位相変調
量のπ/2、−π/2に対応させ、周波数軸上でこれら
の系列を作ることで透かし情報を生成することを説明す
るための図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子透かし情報を音楽信号の位相成分の連
    続的な変化の中に埋め込む手段と、 前記音楽信号の位相成分に連続的な変化を与える全域通
    過フィルタとを具備し、 前記全域通過フィルタ特性を連続的に変化させ、絶対的
    な位相変調量ではなく、位相変調量を時間的に連続に変
    化させ、その特性の時間変化の様相に透かしデータを埋
    め込むことを特徴とする位相の周期偏移によるディジタ
    ルデータの埋めこみ装置。
  2. 【請求項2】透かし信号が埋め込まれた受信信号をある
    一定の長さのフレームに分割する手段と、 各分割フレームとそれに対応する原音信号を用いてAR
    MAモデルパラメータ推定を行う手段と、 前記ARMAモデルパラメータ推定を行う手段により得
    られたモデルパラメータを基に全域通過フィルタの位相
    特性を算出する手段と、 各フレーム毎に得られた位相を順番に並べて時系列デー
    タを生成する手段と、 前記時系列データの周期を算出する手段とを具備したこ
    とを特徴とする位相の周期的偏移によるディジタルデー
    タ検出装置。
  3. 【請求項3】電子透かし情報を音楽信号の位相成分の連
    続的な変化の中に埋め込む手段と、 前記音楽信号の位相成分に連続的な変化を与える全域通
    過フィルタと、 前記全域通過フィルタ特性を連続的に変化させ、絶対的
    な位相変調量ではなく、位相変調量を時間的に連続に変
    化させ、その特性の時間変化の様相に透かしデータを埋
    め込む手段と、 前記透かしデータが埋め込まれた信号をある一定の長さ
    のフレームに分割する手段と、 各フレームとそれに対応する原音信号を用いてARMA
    モデルパラメータ推定を行う手段と、 前記ARMAモデルパラメータ推定を行う手段により得
    られたモデルパラメータを基に前記全域通過フィルタの
    位相特性を算出する手段と、 各フレーム毎に得られた位相を順番に並べて時系列デー
    タの周期を算出する手段とを具備したことを特徴とする
    位相の周期的偏移によるディジタルデータの埋めこみ・
    検出装置。
  4. 【請求項4】電子透かし情報を音楽信号の位相成分の連
    続的な変化の中に埋めこみ、 全域通過フィルタを用いて前記音楽信号の位相成分に連
    続的な変化を与え、 前記全域通過フィルタ特性を連続的に変化させ、絶対的
    な位相変調量ではなく、位相変調量を時間的に連続に変
    化させ、その特性の時間変化の様相に透かしデータを埋
    め込むことを特徴とする位相の周期偏移によるディジタ
    ルデータの埋めこみ方法。
  5. 【請求項5】透かし信号が埋め込まれた受信信号をある
    一定の長さのフレームに分割し、 各分割フレームとそれに対応する原音信号を用いてAR
    MAモデルパラメータ推定を行い、 得られたモデルパラメータを基に全域通過フィルタの特
    性を算出し、 各分割フレーム毎に得られた位相を順番に並べて時系列
    データを生成し、 前記時系列データの周期を算出することを特徴とする位
    相の周期的偏移によるディジタルデータ検出方法。
  6. 【請求項6】電子透かし情報を音楽信号の位相成分の連
    続的な変化の中に埋めこみ、 全域通過フィルタを用いて前記音楽信号の位相成分に連
    続的な変化を与え、 前記全域通過フィルタ特性を連続的に変化させ、絶対的
    な位相変調量ではなく、位相変調量を時間的に連続に変
    化させ、その特性の時間変化の様相に透かしデータを埋
    め込み、 透かしデータが埋め込まれた受信信号をある一定の長さ
    のフレームに分割し、 各分割フレームとそれに対応する原音信号を用いてAR
    MAモデルパラメータ推定を行い、 得られたモデルパラメータを基に全域通過フィルタの特
    性を算出し、 各分割フレーム毎に得られた位相を順番に並べて時系列
    データを生成し、 前記時系列データの周期を算出することを特徴とする位
    相の周期的偏移によるディジタルデータ埋めこみ・検出
    方法。
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