JP2002501001A - 官能性多孔性珪素表面 - Google Patents

官能性多孔性珪素表面

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JP2002501001A JP2000528377A JP2000528377A JP2002501001A JP 2002501001 A JP2002501001 A JP 2002501001A JP 2000528377 A JP2000528377 A JP 2000528377A JP 2000528377 A JP2000528377 A JP 2000528377A JP 2002501001 A JP2002501001 A JP 2002501001A
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Abstract

(57)【要約】 溶媒可溶性ルイス酸の存在のもとでシリコン基板とアルケンまたはアルキンを接触させることを含んでなる、シリコン基板上に共有結合単層を形成する方法、および共有結合せる単層を含む表面を有する多孔性シリコン基板が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 《発明の技術分野》 本発明は表面官能性多孔性シリコン基板に関するものである。より詳細に述べ
るならば、本発明は、溶媒可溶性ルイス酸を用い、極めてマイルドな条件下で、
任意に置換したアルケン類およびアルキン類を用いて形成した共有結合単層を有
する多孔性珪素表面に向けられている。
【0002】 《発明の背景及び概要》 珪素表面の化学は、珪素が現代技術のいたるところに有する役割のため、基礎
技術的に重要である。しかも珪素の研究はたった今始まったばかりである。電子
製品における大部分のマイクロプロセッサーチップは結晶性シリコンウエーハを
基礎にしている。珪素表面化学のコントロールは、新しい電子装置を製作するた
めの技術的に興味深い薄いフィルムを入手するために重要である。1990年に
キャンハーン(Canharn)らは、シリコンウエーハをエッチングし、UV
光にさらしたときにフォトルミネッセンスを生ずるミクロン厚さの多孔性層を作
ることができることを示した[キャンハーン(Canharn,L.T.)、
Appl.Phys.Lett.1990、57巻、1046ページ]。多孔性
珪素の潜在的用途には、化学センサー類、バイオセンサー類、エレクトロルミネ
ッセント ディスプレーや光検出器等の光電子工学装置としての使用、およびフ
ォトポンプド(photpumped)波長可変レーザーのための基質としての
使用がある。その結果、フォトルミネッセント多孔性珪素表面の改質および特徴
づけが非常に興味深い領域となった。
【0003】 オレフィン類およびアルキン類のヒドロシリル化が非常に種々様々の反応条件
下で行われることは公知である。最近、遷移金属触媒がこれらの反応に一般的に
用いられたが、このような触媒は表面上の比較的弱いSi−Si結合を活性化す
る可能性を有する(結合強度。Si−Si=340kJ/mol、Si−H=3 93kJ/mol)。ルイス酸触媒−/ルイス酸仲介ヒドロシリル化反応も報告 された。例えば塩化アルミニウムはアルキン類およびアルケン類の両方のヒドロ
シリル化の効果的触媒であることが知られているが、そのルイス酸は無極性溶媒
には溶解せず、したがって固相化学には適さない。
【0004】 本発明は、無極性溶媒に可溶性であるEtAlCl等のルイス酸によって仲
介される、容易に使用できるアルキン類およびアルケン類のヒドロシリル化にっ
て、多孔性珪素の表面を共有結合的に改質するマイルドで一般的な方法を提供す
る。
【0005】 EtAlClおよびその他の溶媒可溶性ルイス酸を触媒として、多孔性珪素
表面上の表面に位置する水素化珪素基によってアルキン類およびアルケン類をヒ
ドロシリル化すると、それぞれ上記表面に共有結合したビニルおよびアルキル基
が生成する。本発明の方法は種々様々の官能基によって許容される。例えば、ニ
トリル、ヒドロキシおよびメチルエステル置換オレフィン類は、その他の保護基
を使わずに多孔性珪素表面上に共有結合した単相を形成するために用いられてい
る。本発明によって用いられるルイス酸の“溶媒可溶性”型は二重の役割を演ず
る。すなわちヒドロシリル化事象を仲介し、不飽和反応体中のルイス塩基部位の
可逆的保護基(反応後、供与溶媒(donating solvent)で洗う
ことによって除去できる)として作用する。
【0006】 本発明は共有結合単層を含んでなる表面を有する多孔性シリコン基板も提供す
る。このような多孔性シリコン基板は普通ならばデリケートな多孔性表面構造の
分解をおこす種々の条件下でも著しく安定である。
【0007】 《好適実施態様の詳細な説明》 一実施態様において本発明は、水素化珪素基を含む表面を有する固体シリコン
基板上に共有結合を形成するための方法を提供する。前記方法は溶媒可溶性ルイ
ス酸の存在下で、固体シリコン基板と、前記シリコン基板の表面に単層を形成す
るのに十分な量の任意に置換されたC−C24アルケンまたはアルキンとを接
触させる段階を含んでなる。特に有用な固体シリコン基板は多孔性珪素、および
あらゆる結晶面の平坦な結晶性珪素表面である。
【0008】 この方法の一面において、C−C24アルケンまたはアルキンは下記の式で
表わされる化合物である。 C(R C(R 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるとき、nは0であり、 zが二重結合であるとき、nは1であり、 R、R、R、およびRは独立的に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、イ
ソシアノ、C−C18アルコキシ、C−C18アルコキシカルボニル、第一
、第二または第三アミノ、チオール、任意に置換されたホスフィノ、BHまた
はB(OH)、またはC−C18アルキル、アリール、ヘテロアリールまた
はビニル基;そしてR、R、RまたはRは置換された基であり、その基
はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリールアリール、ヘテロアリ
ールイソシアノ、C−C18アルコキシ、C−C18カルボキシ、C−C 18 アルコキシカルボニル、第一、第二または第三アミノ、チオール、任意に置
換されたホスフィノ、BHまたはB(OH)、またはC−C18アルキル
チオ、ハロC−C18アルキル、シアノC−C18アルキル、イソシアノC −C18アルキル、C−C18カルバミド、またはC−C18アルキルチ
オ基、C−C18フェロセン置換基またはその他の電子供与体、金属キレート
化リガンドまたはその金属錯体、または抗体、受容体タンパク、DNAまたはR
NA、またはDNAまたはRNAと二または三本鎖錯体を形成できるDNAまた
はRNAからなる群から選択される生物学的に重要なリガンド、からなる群から
選択される1個以上の置換基で置換され、またはR2およびR4が、それらが結
合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成する。
【0009】 その他の実施態様によると、C−C24アルケンまたはアルキンは下記の式
で表わされる化合物であり、 C(R C(R 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるときnは0であり、zが二重結合であるときnは1であり、
およびRは独立的に水素またはC−Cアルキルであるか、またはR およびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−または8
員環を形成し、 RおよびRは独立的に水素または任意に置換されたC−C18アルキル、
アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換された基であると
き、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C−C 18 アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキシ
カルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオからなる群から選択される1個以上の置換基で置換され、
またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7
−または8員環を形成する。
【0010】 本発明の方法のまた別の実施態様によると、C−C24−アルケンまたアル
キンは下記の式で表わされる化合物であり、 C(R C(R 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるときnは0であり、 zが二重結合であるときnは1であり、RおよびRは独立的に水素またはC −Cアルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素
原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成し、 RおよびRは独立的に水素、アリール、ヘテロアリールまたは置換されたC −C18アルキルであり、ここで置換基はアリールまたはヘテロアリールから
なる群から選択され、zが二重結合であるとき、RおよびRは両方とも水素
である。
【0011】 本発明の方法のもう一つの実施態様において、RおよびR基はC−C アルキルで置換され、その際それら置換基はヒドロキシ、カルボキシ、アミノ
またはチオールからなる群から選択され、前記方法は、金属キレート化リガンド
または生物学的に重要なリガンド、フェロセンまたはその他の電子供与体、また
は抗体、受容体タンパク、DNAまたはRNA、またはDNAまたはRNAと二
または三本鎖錯体を形成できるDNAまたはRNA類似体から選択される生物学
的に重要なリガンドを、上記置換基によってシリコン基板に共有結合させる段階
をさらに含む。上記共有結合は、上記リガンド成分を置換基ヒドロキシ、カルボ
キシ、アミンまたはチオ基と反応できる活性型(活性エステルまたは無水物等)
に調製するという当業者には公知の方法によって達成できる。
【0012】 もう一つの実施態様において、本発明は共有結合せる単層を含む表面を有する
多孔性シリコン基板を提供する。多孔性珪素は大きい表面積を与えるから、セン
サー構造および試験溶液中の被検体の電気測定的検出に極めて適切に使用できる
。しかし多孔性珪素は種々の条件に対して不安的であることが知られている。本
発明の方法による溶媒可溶性ルイス酸の使用と関連するマイルドな反応条件は安
定な多孔性珪素表面を与える。
【0013】 このように本発明の一つの利点は、本発明が比較的マイルドな条件、すなわち
室温で表面保護単相を形成させることである。本発明は、多孔性珪素の表面が、
例えば若干の電気測定的に検出できるやり方で、試験液中の所定の被検体と相互
作用し得る部分または官能基によって保護もされ、選択的官能化もされるという
方法も提供する。また別の実施態様において、本発明の方法および組成物は、試
験溶液中の被検体と反応する生物学的成分を有する改良ビオセンサーの製法を提
供する。
【0014】 その上、共有結合した疎水性基の単層を有する多孔性珪素は著しい安定性を示
す。例えば、この方法を用いて疎水性基で官能性になった多孔性珪素を通気KO
H水溶液(pH10)中で煮沸した際、酸化は全く見られず、表面IRスペクト
ルにごくわずかの変化が認められただけであった。非官能性多孔性珪素をこれら
の同一条件にさらすと、多孔性層は溶解する。本発明により保護された多孔性珪
素表面によって示される高い安定性のために、この方法は、技術的に重要な用途
に多孔性珪素を使用する方向への第一歩となる。
【0015】 本発明はさらに、下記の式で表わされる置換されたまたは未置換のビニル基を
含む共有結合単層を含んでなる表面を有する多孔性シリコン基板または結晶面の
平坦な結晶性表面を提供する。 C(RC(RSi または C(RSiCH(R 上記式中、Siは、置換されたまたは未置換のビニルまたはアルキル基を珪素表
面に結合させている表面珪素原子であり、 xは一重または二重結合を表わし、 xが二重結合であるとき、nは0であり、 xが一重結合であるとき、nは1であり、 R、R、RおよびRは独立的に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、イ
ソシアノ、C−C18アルコキシ、C−C18カルボキシ、C−C18
ルコキシカルボニル、第一、第二または第三アミノ、チオール、任意に置換され
たホスフィノ、ホスフォ、BHまたはB(OH)、またはC−C18アル
キルチオまたは任意に置換されたC−C18アルキル、アリール、ヘテロアリ
ールまたはビニル基であり、R、R、RまたはRが置換された基である
とき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、イソシ
アノ、C−C18アルコキシ、C−C18カルボキシ、C−C18アルコ
キシカルボニル、第一、第二または第三アミノ、チオール、任意に置換されたホ
スフィノ、BH、またはB(OH)、またはC−C18アルキルチオ、ハ
ロC−C18アルキル、シアノC−C18アルキル、イソシアノ−C−C 18 アルキル、C−C18カルバミド、またはC−C18アルキルチオ基、
フェロセンまたはその他の電子供与体、金属キレート化リガンドまたはその金属
錯体、または抗体、受容体タンパク、DNAまたはRNA、またはDNAまたは
RNAと二または三本鎖錯体を形成できるDNAまたはRNA類似体から選択さ
れる生物学的重要なリガンドからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換
され、またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6
−、7−または8員環を形成する。
【0016】 また別の好ましい実施態様により、共有結合せる単層を含む多孔性シリコン基
板または結晶面の平坦な表面が提供され、その際前記単層は下記の式で表わされ
る置換されたまたは未置換のビニルまたはアルキル基を含む。 C(RC(RSi または C(RSiCH(R 上記式中、Siは、置換または未置換ビニルまたはアルキル基を珪素表面に結合
させている表面珪素原子であり、 xは一重または二重結合を表わし、 xが二重結合であるとき、nは0であり、 xが一重結合であるとき、nは1であり、 RおよびRは独立的に、水素、またはC−Cアルキルであるか、または
およびRがそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−また
は8員環を形成し、またはRは水素で、RはBHまたはB(OH)であ
り、またはRはBHまたはB(OH)で、Rは水素である、 RおよびRは独立的に水素または任意に置換されたC−C18アルキル、
アリールまたはヘテロアリールであり、R、またはRが置換された基である
とき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C
18アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキ
シカルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオ、フェロセンまたはその他の電子供与体、金属キレート
化リガンドまたはその金属錯体、または抗体、受容体タンパク、DNAまたはR
NA、またはDNAまたはRNAと二または三本鎖錯体を形成できるDNAまた
はRNA類似体から選択される生物学的に重要なリガンドからなる群からの1つ
以上の置換基で置換され、または RおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−また
は8員環を形成する。
【0017】 本発明のシリコン基板のまた別の実施態様において、RおよびRは独立的
に水素またはC−C18アルキルであり、RおよびRは独立的に水素また
は任意に置換されたアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。また別の
実施態様においてはxが二重結合で、RまたはRが任意に置換されたアリー
ルまたはヘテロアリール、またはRまたはR基の少なくとも一部が生物学的
に重要なリガンドを含む。
【0018】 本発明の好ましい一実施態様は、下記の式の置換されたビニル基を含む共有結
合単層を含んでなる表面を有する多孔性シリコン基板または平坦な結晶性表面に
向けられる。 C(RC(RSi または C(RSiCH(R 上記式中、xは二重結合で、RまたはRの一つが金属キレート化リガンドお
よび/またはその金属錯体を含む。
【0019】 本発明のその他の好ましい面は、共有結合している置換されたアルキルまたは
アルケニル基の少なくとも一部が生物学的重要なリガンドを含んでなる多孔性珪
素表面または平坦な結晶性表面である。
【0020】 用語“ルイス酸”はこの分野では塩基から電子を受容できる物質と理解されて
いる。アルミニウム、ホウ素、錫、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、スカン
ジウム、イットリウムまたはランタニドまたはアクチニドを含むルイス酸が本発
明に使用できる。アルミニウムを含むルイス酸が好ましい。アルミニウムを含む
好ましい酸はアルキルアルミニウムハリド類、特にエチルアルミニウム二塩化物
およびエチルアルミニウム三二塩化物であり、最も好ましいのはエチルアルミニ
ウム二塩化物である。
【0021】 用語“溶媒可溶性”ルイス酸とは、無極性非プロトン性溶媒に溶解するルイス
酸である。無極性非プロトン性溶媒は当業者には公知である。有用な溶媒の例に
はヘキサン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタンおよびリグロイン
がある。溶媒可溶性ルイス酸は多孔性珪素表面上の多相反応を排除する。
【0022】 用語“C−C−アルキル”とは、指定数(x)の炭素原子を有する直鎖、
分岐鎖または環状アルキル基を言う。その基が環状である場合、それは最低3個
の炭素原子をもっていなければならない。
【0023】 用語“第一アミノ”はHN−基を示す。用語“第二アミノ”はRHN−基
を示し、用語“第三アミノ”はRN−基を示し、ここでRおよびR
独立的に水素、C−Cアルキルまたはアリールである。
【0024】 用語“ホスフィノ”は式RPの基を意味し、ここでRおよびRは上
できめられたものである。
【0025】 用語“金属キレート化リガンド”は、1個以上の金属カチオン、典型的には原
子価+2、+3、+4または+5の金属カチオンと錯体を形成できる有機基を言
う。この用語は、当業者に公知の塩形成基または確かなヘテロアリール半部(m
oieties)を含む配位共有結合金属錯体を形成する基を含む。
【0026】 用語“アリール”および“ヘテロアリール”は、当業者に理解されているよう
に用いられ、置換および置換された基の両方を含む。有用なアリール基の例は、
ベンジルおよびナフチルである。ヘテロアリール基は、1個以上のヘテロ環原子
を有する単環および二環または多環式ビニル基を含むアリール基である。少なく
とも1個のヘテロ原子が窒素であるこれらの基が特に好ましい。このような基の
例にはピリジル、ピロリル、ビピリジル フェナントロリル、ピラジニルおよび
インドリルがある。
【0027】 用語“DNAまたはRNA類似体”とは、DNAまたはRNAと二本鎖錯体を
形成できる燐酸結合糖“主鎖”以外のものを有するDNAまたはRNAの化学的
類似体を言う。
【0028】 アルキン類およびアルケン類は表面に結合しているSiH−基と反応して、等
式1および2に概略示すように表面結合ビニルおよびアルキル基をそれぞれ与え
る。
【0029】 本発明の方法は、ニトリル、ヒドロキシおよびエステル末端表面によって示さ
れるように、種々様々の官能基に許容される。この方法を用いて疎水性基で官能
性にした多孔性珪素は、沸騰通気水および沸騰KOH水溶液(pH10)等の悪
条件に対して極めて安定である。
【0030】 本発明の方法はアルキン類およびアルケン類の混合物でも行なうことができ、
単層中の基のモル分率が、その単層を形成するために用いた試薬混合物中のアル
キン類および/またはオレフィン類のモル分率に概ね一致する共有結合表面を提
供する。
【0031】 或いは、上記表面と化学量より少ないアルケンまたはアルキン反応体とを次々
に反応させることによって、共有結合種の混合物を含む共有結合単層を形成でき
る。ヒドロキシ、アミノ、カルボキシおよびチオール等の共有結合単層上にある
官能基を利用して、標準的エステルまたはアミド形成カップリング法により、生
物学的重要分子にカップリングすることによってさらにその表面を官能性にする
ことができる。
【0032】 本発明の操作を説明するために、下記の非制限的例を提供する。 例1 市販の1.0M EtAlCl−ヘキサン溶液(10μmol)10μlを
0.28cm2 面積の多孔性珪素(電気的にエッチングした、n型、P−do
ped、(100)オリエンテーション、0.83ohm・cm 抵抗Siウエ
ーハ、75mA/cm電流密度、300Wタングステンフィラメントバルブに
よる照射、EtOH/49%HF水溶液の1:1溶液)に適用し、その後窒素気
流下で1−ドデシン(14μmol)3μlを加えると、室温で1時間経つと表
面にドデセニル基がきれいに挿入されることが透過型FTIRによって示された
。生成した二置換炭素−炭素二重結合が1595cm−1に表れる。表面結合オ
レフィン類の立体化学も、可能性のある位置異性体の比も測定しなかったとはい
え、EtAlClによって触媒されるアルキン類の分子ヒドロシリル化は、上
記アルキン類が末端である場合、完全な位置選択性で専らcisアルケンを与え
た(100%逆マルコウニコフ付加)。表面結合ドデセニル基のC=C伸縮周波
数は関連分子化合物、(Z)−1−トリエチルシリル−1−ドデセン(1605
cm−1)(これもEtAlClによって触媒されるトリエチルシランによる
1−ドデシンのヒドロシリル化で生成する)で報告されたものとよく一致する。
FTIRによって観察されるその他の適切な特徴には2960−2850cm の範囲のデシル鎖のν(C−H)伸縮および1466および1387cm−1 のδ(C−H)メチレンおよびメチル変角モードがある。
【0033】 同様な方法で表面に挿入される疎水性アルキン類にはフェニルアセチレンおよ
びバルキーなt−ブチルアセチレンがある。全ての場合に、約2100cm−1 に中心のあるν(Si−H)は強度が低下し、Si−H基がヒドロシリル化反応
で消費されることを示唆した。多孔性珪素のその他の反応で認められるように、
水素化珪素基の或る一つの型が他の型に優先して消失することが認められた。そ
の反応はEtAlClが存在しない場合は進まなかった。
【0034】 1595cm−1で認められる伸縮が実際オレフィン伸縮であることをはっき
り証明するために、ドデセニル末端表面を窒素気流中で過剰のTHF中0.8M
BHTHFでヒドロホウ素化し、その後空気流で表面の反応を停止し、過剰
のTHFですすいだ。この反応を等式3に示す。
【0035】 透過型FTIRによって観察されるように、1595cm−1における伸縮の
大部分の量が消失することが認められ、同時に、B−O伸縮周波数に相当する新
しい伸縮が1334cm−1に出現した。架橋されたB−O基もそれらの高い局
部濃度のために表れるかも知れない。ボラン付加の立体化学は調査しなかったが
、表面シリル基に対してβの炭素である最小束縛原子にはホウ素を優先的に付加
すべきである。
【0036】 過剰のEtAlClの使用によって、配位官能基をもったアルキン類を表面
に挿入することができる。もしもルイス酸の1モル等量より多くを加えるならば
、シリルオキシおよびベンジルオキシ基を含むアルキン基質はトリエチルシラン
でヒドロシリル化され得る。ルイス酸1等量は配位基と錯体を形成し、残りはヒ
ドロシリル化反応を仲介する。
【0037】 一般的方法として、0.2μlアルキン(これらの例ではこれは3μl未満に
なる)をあらかじめ1.0M EtAlCl−ヘキサン、 10μl(10μ
mol)で処理した0.28cm多孔性珪素表面に加え、2時間反応させた。
これらの試験では、3−ブチン−1−オル、5−シアノ−1−ペンチンおよびメ
チル10−ウンデシノエートのヒドロシリル化はスムーズに行われ、ヒドロキシ
、ニトリルおよびメチルエステル末端表面をそれぞれ生成した。EtAlCl に対して1等量より多くの5−シアノ−1−ペンチルまたはメチル10−ウン
デシノエートを加えた場合、ルイス酸がニトリルまたはメチルエステルに定量的
に配位するために、ヒドロシリル化は起きなかった。EtAlClは不飽和基
質のいかなるルイス塩基部位にも配位するから、あらゆる副反応を阻止する一時
的保護基として作用する。5−シアノ−1−ペンチンでは、もしも痕跡量の酸素
が存在すれば、EtAlCl が存在しない場合、多分ニトリル基によって引
き起こされる多孔性珪素表面の広範囲の酸化が認められた。しかし過剰のEtA
lClが存在する場合は、ヒドロシリル化が酸化を伴わずに進行した。過剰の
EtAlClは反応の終わりに、乾燥THF、EtOHおよびCHCl
すすぐことによって容易に除去できる。
【0038】 アルケン ヒドロシリル化を多孔性珪素の表面で行うとアルキル末端表面が生
成した。例えば1−ヘキセンおよびヒンダード三置換オレフィン2−メチル−2
−ブテンは各々、EtAlClの1.0M ヘキサン溶液10μlで前処理し
た多孔性珪素表面と反応し、対応するアルキル置換表面を与えた。オレフィンは
アルキンより活性が小さいから、より大きい容量の基質を用いなければならず(
100μl)、その反応はより長く続けなければならない(16時間)。
【0039】 アルケンに対するSi−Hの位置選択性は測定しなかったが、三置換オレフィ
ンの分子ヒドロシリル化では、定量的逆マルコウニコフ付加が認められる。対照
実験は、ヒドロシリル化がEtAlCl不在下では進行しないことを示した。
【0040】 NMR分析は、水素末端表面上のアルケン類およびアルキン類のヒドロシリル
化が本発明による溶媒可溶性ルイス酸によって仲介され得ることを確認する。E
tAlClによって仲介されるような、トリエチルシランを用いる1−ドデシ
ンのヒドロシリル化による可溶性モデル化合物の合成によって生成する産物を C溶液相NMRスペクトル(121MHz)分析にかけた。ビニル基の炭素類
は明らかに146および120ppmに見られ、珪素に直接結合した炭素はより
低い周波数で共鳴した。約72ppmに中心が認められる明白な三重線の特徴は
CDCl溶媒によるものであった。EtAlCによって仲介される水素末端
多孔性珪素上の1−ドデシンのヒドロシリル化は、上記モデル化合物[交差分極
(CP)13C固体状態NMRスペクトル(121MHz)]とほぼ同一のスペ
クトルを与える。この結果は、ビニル基が珪素表面に直接結合することを直接証
明するものである。2つのビニル炭素は152および125ppmに見られた。
【0041】 EtAlClによって仲介されるようなトリエチルシランによるフェニルア
セチレンのヒドロシリル化を介する可溶性モデル化合物の合成によって生成する
産物を13C溶液相NMRスペクトル(121MHz)によって分析した。ビニ
ル基の炭素は明らかに143および130ppmに見られ、珪素に直接結合した
炭素はより低い周波数で共鳴した。約72ppmに中心が認められる明らかな三
重線の特徴はCDCl溶媒によるものであった。〜127ppmおよび140
ppmに認められるその他のピークは芳香環と関連していた。EtAlCl
によって仲介される水素末端多孔性珪素上のフェニルアセチレンのヒドロシリル
化は、上記モデル化合物[交差分極(CP)13C固体状態NMRスペクトル(
121MHz)]とほぼ同一のスペクトルを与える。この結果は、ビニル基が珪
素表面に直接結合することを直接証明するものである。2つのビニル炭素は15
0および138ppmに見られた。
【0042】 水素末端多孔性珪素上でEtAlClによって仲介される1−ペンチンのヒ
ドロシリル化によって生成する産物を交差分極(CP)13C固体状態NMRス
ペクトル(121MHz)によって分析した。2つのビニル炭素は152および
125ppmに認められた。その表面をBHによるヒドロホウ素化反応によっ
て還元し、ビニル基の存在を化学的に証明した。交差分極(CP)13C固体状
態NMRスペクトル(121MHz)によって示されるように、仮定されたビニ
ル基に関連する2本のピークは消失し、この基がオレフィン性であることが証明
された。
【0043】 本発明によって調製された疎水性アルキルおよびアルケニル末端多孔性珪素表
面は、非常に厳しい条件下で非常に安定である。例えば1−ヘキセンおよび2−
メチル−2−ブテンのヒドロシリル化から形成されるアルキル置換表面は両方共
、EtOH/49%HF(水溶液)1:1溶液ですすいでも、通気水中で2時間
沸騰しても安定であった(IRスペクトルの変化なし)。未改質の多孔性珪素は
100℃の水中で1時間後にはかなりの酸化および分解を受ける。より目立つの
は、t−ブチルアセチレンのヒドロシリル化により生成する表面は、水性KOH
の通気塩基性溶液(pH10)および25%EtOH/75%KOH水溶液の溶
液(pH10)中で1時間煮沸しても安定であり、そのFTIRスペクトルがご
くわずか変化するに過ぎなかった。未置換多孔性珪素はこれらの条件下で容易に
溶解する。
【0044】 多孔性珪素上に残りの水素化珪素が残っていることから証明されるように、I
Rにより、表面被覆はアルキン類でもアルケン類でも不完全であるように見える
が、これらの疎水性表面の安定性は、多孔性珪素の露出領域が効果的にキャップ
されたことを示唆する。残りの未反応水素化珪素基は水およびヒドロキシド イ
オンに立体的に近づけないに違いない。
【0045】 この簡単な一段階反応によって、種々の官能基で終わる多孔性珪素表面を手に
入れることができる。その上、バルキーな脂肪族置換基の挿入が高度に安定な多
孔性珪素表面を提供する。
【図面の簡単な説明】
詳細な説明は特につぎの図に言及するものである。
【図1】 図1は、多孔性珪素の表面にアルキン類およびアルケン類がEtA
lCl仲介性ヒドロシリル化によって共有結合している官能基を示す図である
。数値は透過型FTIRによって測定した表面結合ビニル基のν(C=C)に相
当する。
【図2】 図2は、 a)多孔性珪素上におけるEtAlClにより仲介される1−ドデシンのヒド
ロシリル化で、ドデシル基の共有結合を生成する、およびb)室温で、16時間
にわたり0.8M BHTHFによりドデセニル基のオレフィンをヒドロホウ
素化する、 という方法で生成する単層のFTIR(透過型)を示す図である。
【図3】 図3は、多孔性珪素表面においてt−ブチルアセチレンのEtAl
Cl仲介性ヒドロシリル化によって生成した単層の示差スペクトル(FTIR
、透過型)である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月14日(2000.3.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 官能性多孔性珪素表面
【特許請求の範囲】
【請求項】 前記アルケンまたはアルキンが下記の式で表わされる化合物
であり、 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるときnは0であり、 zが二重結合であるときnは1であり、RおよびRは独立的に水素またはC −Cアルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素
原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成し、 RおよびRは独立的に水素または任意に置換されたC−C18アルキル、
アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換された基であると
き、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C−C 18 アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキシ
カルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されて
おり、 またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7
−または8員環を形成する、 請求項2記載の方法。
【請求項】 共有結合せる単層を含む表面を有するシリコン基板であって、
前記単層は下記の式で表わされる置換されたまたは未置換のビニルまたはアルキ
ル基を含んでなり、 上記式中、Siは、置換または未置換ビニルまたはアルキル基を前記珪素表面に
結合させている表面珪素原子であり、 xは一重または二重結合を表わし、 xが二重結合であるとき、nは0であり、 xが一重結合であるとき、nは1であり、 RおよびRは独立的に、水素、またはC−Cアルキルであるか、または
およびRがそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−また
は8員環を形成し、またはRが水素で、RがBHまたはB(OH)であ
り、またはRがBHまたはB(OH)で、Rが水素であり、 RおよびRは独立的に、水素または任意に置換されたC−C18アルキル
、アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換された基である
とき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C
18アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキ
シカルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオ、フェロセンまたはその他の電子供与体、金属キレート
化リガンドまたはその金属錯体、または、抗体からか又は受容体タンパク質から
か又はDNAからか又はRNAからか又はDNAかRNAと二乃至三本鎖錯体を
形成できるDNAまたはRNA類似体からかのいずれかから選択される生物学的
に重要なリガンド、よりなる群のうちの1つ以上の置換基で置換され、または RおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−また
は8員環を形成する、 前記シリコン基板。
【請求項15】 水素化珪素基を含む表面を有するシリコン基板上に共有結
合単層を形成する方法であって、前記方法は溶媒可溶性ルイス酸の存在のもとで
、シリコン基板と、前記シリコン基板の表面上に単層を形成するのに十分な量の
任意に置換されたC−C24アルケンまたはアルキンとを接触させる段階を含
んでなり、前記アルケンまたはアルキンは下記の式で表わされ、 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるときnは0であり、 zが二重結合であるときnは1であり、RおよびRは独立的に水素またはC −Cアルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素
原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成し、 RおよびRは独立的に水素または任意に置換されたC−C18アルキル、
アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換されたアルキル基
であるとき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、
−C18アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18
ルコキシカルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、ま
たはC−C18アルキルチオからなる群から選択される1個以上の置換基で置
換されており、 またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7
−または8員環を形成する、 前記方法。
【請求項17】 共有結合した単層を含んでなる表面を有するシリコン基板
であって、前記単層が下記の式で表わされる置換されたまたは未置換のビニルま
たはアルキル基を含み、 上記式中、Siは、置換または未置換ビニルまたはアルキル基を珪素表面に結合
させている表面珪素原子であり、 xは一重または二重結合を表わし、 xが二重結合であるとき、nは0であり、 xが一重結合であるとき、nは1であり、RおよびRは独立的に、水素、ま
たはC−Cアルキルであるか、またはRおよびRがそれらが結合してい
る炭素原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成し、またはRが水素
で、RがBHまたはB(OH)であり、またはRがBHまたはB(O
H)で、Rが水素であり、 RおよびRは独立的に、水素または任意に置換されたC−C18アルキル
、アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換された基である
とき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C
18アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキ
シカルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオ、フェロセンまたはその他の電子供与体、金属キレート
化リガンドまたはその金属錯体、または抗体、受容体タンパク質、DNAまたは
RNA、またはDNAまたはRNAと二または三本鎖錯体を形成できるDNAま
たはRNA類似体から選択される生物学的に重要なリガンドからなる群からの1
つ以上の置換基で置換され、または R およびR はそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−
または8員環を形成する、 前記シリコン基板。
【請求項18】 RおよびRが独立的に水素またはC−Cアルキル
であり、RおよびRが独立的に水素またはアルキル、アリールまたはヘテロ
アリールである、請求項17記載のシリコン基板。
【請求項19】 xが二重結合であり、RまたはR がC −C18アル
キルであり、その際その置換基はアリール、ヘテロアリール、金属キレート化リ
ガンドまたはその金属錯体、または生物学的に重要なリガンドである、請求項1
7記載のシリコン基板。
【発明の詳細な説明】
【0001】 《発明の技術分野》 本発明は表面官能性多孔性シリコン基板に関するものである。より詳細に述べ
るならば、本発明は、溶媒可溶性ルイス酸を用い、極めてマイルドな条件下で、
任意に置換したアルケン類およびアルキン類を用いて形成した共有結合単層を有
する多孔性珪素表面に向けられている。
【0002】 《発明の背景及び概要》 珪素表面の化学は、珪素が現代技術のいたるところに有する役割のため、基礎
技術的に重要である。しかも珪素の研究はたった今始まったばかりである。電子
製品における大部分のマイクロプロセッサーチップは結晶性シリコンウエーハを
基礎にしている。珪素表面化学のコントロールは、新しい電子装置を製作するた
めの技術的に興味深い薄いフィルムを入手するために重要である。1990年に
キャンハーン(Canharn)らは、シリコンウエーハをエッチングし、UV
光にさらしたときにフォトルミネッセンスを生ずるミクロン厚さの多孔性層を作
ることができることを示した[キャンハーン(Canharn,L.T.)、
Appl.Phys.Lett.1990、57巻、1046ページ]。多孔性
珪素の潜在的用途には、化学センサー類、バイオセンサー類、エレクトロルミネ
ッセント ディスプレーや光検出器等の光電子工学装置としての使用、およびフ
ォトポンプド(photpumped)波長可変レーザーのための基質としての
使用がある。その結果、フォトルミネッセント多孔性珪素表面の改質および特徴
づけが非常に興味深い領域となった。
【0003】 オレフィン類およびアルキン類のヒドロシリル化が非常に種々様々の反応条件
下で行われることは公知である。最近、遷移金属触媒がこれらの反応に一般的に
用いられたが、このような触媒は表面上の比較的弱いSi−Si結合を活性化す
る可能性を有する(結合強度。Si−Si=340kJ/mol、Si−H=3 93kJ/mol)。ルイス酸触媒−/ルイス酸仲介ヒドロシリル化反応も報告 された。例えば塩化アルミニウムはアルキン類およびアルケン類の両方のヒドロ
シリル化の効果的触媒であることが知られているが、そのルイス酸は無極性溶媒
には溶解せず、したがって固相化学には適さない。
【0004】 本発明は、無極性溶媒に可溶性であるEtAlCl等のルイス酸によって仲
介される、容易に使用できるアルキン類およびアルケン類のヒドロシリル化にっ
て、多孔性珪素の表面を共有結合的に改質するマイルドで一般的な方法を提供す
る。
【0005】 EtAlClおよびその他の溶媒可溶性ルイス酸を触媒として、多孔性珪素
表面上の表面に位置する水素化珪素基によってアルキン類およびアルケン類をヒ
ドロシリル化すると、それぞれ上記表面に共有結合したビニルおよびアルキル基
が生成する。本発明の方法は種々様々の官能基によって許容される。例えば、ニ
トリル、ヒドロキシおよびメチルエステル置換オレフィン類は、その他の保護基
を使わずに多孔性珪素表面上に共有結合した単相を形成するために用いられてい
る。本発明によって用いられるルイス酸の“溶媒可溶性”型は二重の役割を演ず
る。すなわちヒドロシリル化事象を仲介し、不飽和反応体中のルイス塩基部位の
可逆的保護基(反応後、供与溶媒(donating solvent)で洗う
ことによって除去できる)として作用する。
【0006】 本発明は共有結合単層を含んでなる表面を有する多孔性シリコン基板も提供す
る。このような多孔性シリコン基板は普通ならばデリケートな多孔性表面構造の
分解をおこす種々の条件下でも著しく安定である。
【0007】 《好適実施態様の詳細な説明》 一実施態様において本発明は、水素化珪素基を含む表面を有する固体シリコン
基板上に共有結合を形成するための方法を提供する。前記方法は溶媒可溶性ルイ
ス酸の存在下で、固体シリコン基板と、前記シリコン基板の表面に単層を形成す
るのに十分な量の任意に置換されたC−C24アルケンまたはアルキンとを接
触させる段階を含んでなる。特に有用な固体シリコン基板は多孔性珪素、および
あらゆる結晶面の平坦な結晶性珪素表面である。
【0008】 この方法の一面において、C−C24アルケンまたはアルキンは下記の式で
表わされる化合物である。 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるとき、nは0であり、 zが二重結合であるとき、nは1であり、 R、R、R、およびRは独立的に水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、イ
ソシアノ、C−C18アルコキシ、C−C18アルコキシカルボニル、第一
、第二または第三アミノ、チオール、任意に置換されたホスフィノ、BHまた
はB(OH)、またはC−C18アルキル、アリール、ヘテロアリールまた
はビニル基;そしてR、R、RまたはRは置換された基であり、その基
はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリールアリール、ヘテロアリ
ールイソシアノ、C−C18アルコキシ、C−C18カルボキシ、C−C 18 アルコキシカルボニル、第一、第二または第三アミノ、チオール、任意に置
換されたホスフィノ、BHまたはB(OH)、またはC−C18アルキル
チオ、ハロC−C18アルキル、シアノC−C18アルキル、イソシアノC −C18アルキル、C−C18カルバミド、またはC−C18アルキルチ
オ基、C−C18フェロセン置換基またはその他の電子供与体、金属キレート
化リガンドまたはその金属錯体、または抗体、受容体タンパク、DNAまたはR
NA、またはDNAまたはRNAと二または三本鎖錯体を形成できるDNAまた
はRNAからなる群から選択される生物学的に重要なリガンド、からなる群から
選択される1個以上の置換基で置換され、またはR2およびR4が、それらが結
合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成する。
【0009】 その他の実施態様によると、C−C24アルケンまたはアルキンは下記の式
で表わされる化合物であり、 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるときnは0であり、zが二重結合であるときnは1であり、
およびRは独立的に水素またはC−Cアルキルであるか、またはR およびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−または8
員環を形成し、 RおよびRは独立的に水素または任意に置換されたC−C18アルキル、
アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換された基であると
き、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C−C 18 アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキシ
カルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオからなる群から選択される1個以上の置換基で置換され、
またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7
−または8員環を形成する。
【0010】 本発明の方法のまた別の実施態様によると、C−C24−アルケンまたアル
キンは下記の式で表わされる化合物であり、 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるときnは0であり、 zが二重結合であるときnは1であり、RおよびRは独立的に水素またはC −Cアルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素
原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成し、 RおよびRは独立的に水素、アリール、ヘテロアリールまたは置換されたC −C18アルキルであり、ここで置換基はアリールまたはヘテロアリールから
なる群から選択され、zが二重結合であるとき、RおよびRは両方とも水素
である。
【0011】 本発明の方法のもう一つの実施態様において、RおよびR基はC−C アルキルで置換され、その際それら置換基はヒドロキシ、カルボキシ、アミノ
またはチオールからなる群から選択され、前記方法は、金属キレート化リガンド
または生物学的に重要なリガンド、フェロセンまたはその他の電子供与体、また
は抗体、受容体タンパク、DNAまたはRNA、またはDNAまたはRNAと二
または三本鎖錯体を形成できるDNAまたはRNA類似体から選択される生物学
的に重要なリガンドを、上記置換基によってシリコン基板に共有結合させる段階
をさらに含む。上記共有結合は、上記リガンド成分を置換基ヒドロキシ、カルボ
キシ、アミンまたはチオ基と反応できる活性型(活性エステルまたは無水物等)
に調製するという当業者には公知の方法によって達成できる。
【0012】 もう一つの実施態様において、本発明は共有結合せる単層を含む表面を有する
多孔性シリコン基板を提供する。多孔性珪素は大きい表面積を与えるから、セン
サー構造および試験溶液中の被検体の電気測定的検出に極めて適切に使用できる
。しかし多孔性珪素は種々の条件に対して不安的であることが知られている。本
発明の方法による溶媒可溶性ルイス酸の使用と関連するマイルドな反応条件は安
定な多孔性珪素表面を与える。
【0013】 このように本発明の一つの利点は、本発明が比較的マイルドな条件、すなわち
室温で表面保護単相を形成させることである。本発明は、多孔性珪素の表面が、
例えば若干の電気測定的に検出できるやり方で、試験液中の所定の被検体と相互
作用し得る部分または官能基によって保護もされ、選択的官能化もされるという
方法も提供する。また別の実施態様において、本発明の方法および組成物は、試
験溶液中の被検体と反応する生物学的成分を有する改良ビオセンサーの製法を提
供する。
【0014】 その上、共有結合した疎水性基の単層を有する多孔性珪素は著しい安定性を示
す。例えば、この方法を用いて疎水性基で官能性になった多孔性珪素を通気KO
H水溶液(pH10)中で煮沸した際、酸化は全く見られず、表面IRスペクト
ルにごくわずかの変化が認められただけであった。非官能性多孔性珪素をこれら
の同一条件にさらすと、多孔性層は溶解する。本発明により保護された多孔性珪
素表面によって示される高い安定性のために、この方法は、技術的に重要な用途
に多孔性珪素を使用する方向への第一歩となる。
【0015】 本発明はさらに、下記の式で表わされる置換されたまたは未置換のビニル基を
含む共有結合単層を含んでなる表面を有する多孔性シリコン基板または結晶面の
平坦な結晶性表面を提供する。 上記式中、Siは、置換されたまたは未置換のビニルまたはアルキル基を珪素表
面に結合させている表面珪素原子であり、 xは一重または二重結合を表わし、 xが二重結合であるとき、nは0であり、 xが一重結合であるとき、nは1であり、 R、R、RおよびRは独立的に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、イ
ソシアノ、C−C18アルコキシ、C−C18カルボキシ、C−C18
ルコキシカルボニル、第一、第二または第三アミノ、チオール、任意に置換され
たホスフィノ、ホスフォ、BHまたはB(OH)、またはC−C18アル
キルチオまたは任意に置換されたC−C18アルキル、アリール、ヘテロアリ
ールまたはビニル基であり、R、R、RまたはRが置換された基である
とき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、イソシ
アノ、C−C18アルコキシ、C−C18カルボキシ、C−C18アルコ
キシカルボニル、第一、第二または第三アミノ、チオール、任意に置換されたホ
スフィノ、BH、またはB(OH)、またはC−C18アルキルチオ、ハ
ロC−C18アルキル、シアノC−C18アルキル、イソシアノ−C−C 18 アルキル、C−C18カルバミド、またはC−C18アルキルチオ基、
フェロセンまたはその他の電子供与体、金属キレート化リガンドまたはその金属
錯体、または抗体、受容体タンパク、DNAまたはRNA、またはDNAまたは
RNAと二または三本鎖錯体を形成できるDNAまたはRNA類似体から選択さ
れる生物学的重要なリガンドからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換
され、またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6
−、7−または8員環を形成する。
【0016】 また別の好ましい実施態様により、共有結合せる単層を含む多孔性シリコン基
板または結晶面の平坦な表面が提供され、その際前記単層は下記の式で表わされ
る置換されたまたは未置換のビニルまたはアルキル基を含む。 上記式中、Siは、置換または未置換ビニルまたはアルキル基を珪素表面に結合
させている表面珪素原子であり、 xは一重または二重結合を表わし、 xが二重結合であるとき、nは0であり、 xが一重結合であるとき、nは1であり、 RおよびRは独立的に、水素、またはC−Cアルキルであるか、または
およびRがそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−また
は8員環を形成し、またはRは水素で、RはBHまたはB(OH)であ
り、またはRはBHまたはB(OH)で、Rは水素である、 RおよびRは独立的に水素または任意に置換されたC−C18アルキル、
アリールまたはヘテロアリールであり、R、またはRが置換された基である
とき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C
18アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキ
シカルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオ、フェロセンまたはその他の電子供与体、金属キレート
化リガンドまたはその金属錯体、または抗体、受容体タンパク、DNAまたはR
NA、またはDNAまたはRNAと二または三本鎖錯体を形成できるDNAまた
はRNA類似体から選択される生物学的に重要なリガンドからなる群からの1つ
以上の置換基で置換され、または RおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−また
は8員環を形成する。
【0017】 本発明のシリコン基板のまた別の実施態様において、RおよびRは独立的
に水素またはC−C18アルキルであり、RおよびRは独立的に水素また
は任意に置換されたアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。また別の
実施態様においてはxが二重結合で、RまたはRが任意に置換されたアリー
ルまたはヘテロアリール、またはRまたはR基の少なくとも一部が生物学的
に重要なリガンドを含む。
【0018】 本発明の好ましい一実施態様は、下記の式の置換されたビニル基を含む共有結
合単層を含んでなる表面を有する多孔性シリコン基板または平坦な結晶性表面に
向けられる。 上記式中、xは二重結合で、RまたはRの一つが金属キレート化リガンドお
よび/またはその金属錯体を含む。
【0019】 本発明のその他の好ましい面は、共有結合している置換されたアルキルまたは
アルケニル基の少なくとも一部が生物学的重要なリガンドを含んでなる多孔性珪
素表面または平坦な結晶性表面である。
【0020】 用語“ルイス酸”はこの分野では塩基から電子を受容できる物質と理解されて
いる。アルミニウム、ホウ素、錫、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、スカン
ジウム、イットリウムまたはランタニドまたはアクチニドを含むルイス酸が本発
明に使用できる。アルミニウムを含むルイス酸が好ましい。アルミニウムを含む
好ましい酸はアルキルアルミニウムハリド類、特にエチルアルミニウム二塩化物
およびエチルアルミニウム三二塩化物であり、最も好ましいのはエチルアルミニ
ウム二塩化物である。
【0021】 用語“溶媒可溶性”ルイス酸とは、無極性非プロトン性溶媒に溶解するルイス
酸である。無極性非プロトン性溶媒は当業者には公知である。有用な溶媒の例に
はヘキサン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタンおよびリグロイン
がある。溶媒可溶性ルイス酸は多孔性珪素表面上の多相反応を排除する。
【0022】 用語“C−C−アルキル”とは、指定数(x)の炭素原子を有する直鎖、
分岐鎖または環状アルキル基を言う。その基が環状である場合、それは最低3個
の炭素原子をもっていなければならない。
【0023】 用語“第一アミノ”はHN−基を示す。用語“第二アミノ”はRHN−基
を示し、用語“第三アミノ”はRN−基を示し、ここでRおよびR
独立的に水素、C−Cアルキルまたはアリールである。
【0024】 用語“ホスフィノ”は式RPの基を意味し、ここでRおよびRは上
できめられたものである。
【0025】 用語“金属キレート化リガンド”は、1個以上の金属カチオン、典型的には原
子価+2、+3、+4または+5の金属カチオンと錯体を形成できる有機基を言
う。この用語は、当業者に公知の塩形成基または確かなヘテロアリール半部(m
oieties)を含む配位共有結合金属錯体を形成する基を含む。
【0026】 用語“アリール”および“ヘテロアリール”は、当業者に理解されているよう
に用いられ、置換および置換された基の両方を含む。有用なアリール基の例は、
ベンジルおよびナフチルである。ヘテロアリール基は、1個以上のヘテロ環原子
を有する単環および二環または多環式ビニル基を含むアリール基である。少なく
とも1個のヘテロ原子が窒素であるこれらの基が特に好ましい。このような基の
例にはピリジル、ピロリル、ビピリジル フェナントロリル、ピラジニルおよび
インドリルがある。
【0027】 用語“DNAまたはRNA類似体”とは、DNAまたはRNAと二本鎖錯体を
形成できる燐酸結合糖“主鎖”以外のものを有するDNAまたはRNAの化学的
類似体を言う。
【0028】 アルキン類およびアルケン類は表面に結合しているSiH−基と反応して、等
式1および2に概略示すように表面結合ビニルおよびアルキル基をそれぞれ与え
る。
【0029】 本発明の方法は、ニトリル、ヒドロキシおよびエステル末端表面によって示さ
れるように、種々様々の官能基に許容される。この方法を用いて疎水性基で官能
性にした多孔性珪素は、沸騰通気水および沸騰KOH水溶液(pH10)等の悪
条件に対して極めて安定である。
【0030】 本発明の方法はアルキン類およびアルケン類の混合物でも行なうことができ、
単層中の基のモル分率が、その単層を形成するために用いた試薬混合物中のアル
キン類および/またはオレフィン類のモル分率に概ね一致する共有結合表面を提
供する。
【0031】 或いは、上記表面と化学量より少ないアルケンまたはアルキン反応体とを次々
に反応させることによって、共有結合種の混合物を含む共有結合単層を形成でき
る。ヒドロキシ、アミノ、カルボキシおよびチオール等の共有結合単層上にある
官能基を利用して、標準的エステルまたはアミド形成カップリング法により、生
物学的重要分子にカップリングすることによってさらにその表面を官能性にする
ことができる。
【0032】 本発明の操作を説明するために、下記の非制限的例を提供する。 例1 市販の1.0M EtAlCl−ヘキサン溶液(10μmol)10μlを
0.28cm2 面積の多孔性珪素(電気的にエッチングした、 n型、P−d
oped、 (100)オリエンテーション、0.83ohm・cm 抵抗Si
ウエーハ、75mA/cm電流密度、300Wタングステンフィラメントバル
ブによる照射、EtOH/49%HF水溶液の1:1溶液)に適用し、その後窒
素気流下で1−ドデシン(14μmol)3μlを加えると、室温で1時間経つ
と表面にドデセニル基がきれいに挿入されることが透過型FTIRによって示さ
れた。生成した二置換炭素−炭素二重結合が1595cm−1に表れる。表面結
合オレフィン類の立体化学も、可能性のある位置異性体の比も測定しなかったと
はいえ、EtAlClによって触媒されるアルキン類の分子ヒドロシリル化は
、上記アルキン類が末端である場合、完全な位置選択性で専らcisアルケンを
与えた(100%逆マルコウニコフ付加)。表面結合ドデセニル基のC=C伸縮
周波数は関連分子化合物、(Z)−1−トリエチルシリル−1−ドデセン(16
05cm−1)(これもEtAlClによって触媒されるトリエチルシランに
よる1−ドデシンのヒドロシリル化で生成する)で報告されたものとよく一致す
る。FTIRによって観察されるその他の適切な特徴には2960−2850c
−1の範囲のデシル鎖のν(C−H)伸縮および1466および1387cm −1 のδ(C−H)メチレンおよびメチル変角モードがある。
【0033】 同様な方法で表面に挿入される疎水性アルキン類にはフェニルアセチレンおよ
びバルキーなt−ブチルアセチレンがある。全ての場合に、約2100cm−1 に中心のあるν(Si−H)は強度が低下し、Si−H基がヒドロシリル化反応
で消費されることを示唆した。多孔性珪素のその他の反応で認められるように、
水素化珪素基の或る一つの型が他の型に優先して消失することが認められた。そ
の反応はEtAlClが存在しない場合は進まなかった。
【0034】 1595cm−1で認められる伸縮が実際オレフィン伸縮であることをはっき
り証明するために、ドデセニル末端表面を窒素気流中で過剰のTHF中0.8M
BHTHFでヒドロホウ素化し、その後空気流で表面の反応を停止し、過剰
のTHFですすいだ。この反応を等式3に示す。
【0035】 透過型FTIRによって観察されるように、1595cm−1における伸縮の
大部分の量が消失することが認められ、同時に、B−O伸縮周波数に相当する新
しい伸縮が1334cm−1に出現した。架橋されたB−O基もそれらの高い局
部濃度のために表れるかも知れない。ボラン付加の立体化学は調査しなかったが
、表面シリル基に対してβの炭素である最小束縛原子にはホウ素を優先的に付加
すべきである。
【0036】 過剰のEtAlClの使用によって、配位官能基をもったアルキン類を表面
に挿入することができる。もしもルイス酸の1モル等量より多くを加えるならば
、シリルオキシおよびベンジルオキシ基を含むアルキン基質はトリエチルシラン
でヒドロシリル化され得る。ルイス酸1等量は配位基と錯体を形成し、残りはヒ
ドロシリル化反応を仲介する。
【0037】 一般的方法として、0.2μlアルキン(これらの例ではこれは3μl未満に
なる)をあらかじめ1.0M EtAlCl−ヘキサン、 10μl(10μ
mol)で処理した0.28cm多孔性珪素表面に加え、2時間反応させた。
これらの試験では、3−ブチン−1−オル、5−シアノ−1−ペンチンおよびメ
チル10−ウンデシノエートのヒドロシリル化はスムーズに行われ、ヒドロキシ
、ニトリルおよびメチルエステル末端表面をそれぞれ生成した。EtAlCl に対して1等量より多くの5−シアノ−1−ペンチルまたはメチル10−ウン
デシノエートを加えた場合、ルイス酸がニトリルまたはメチルエステルに定量的
に配位するために、ヒドロシリル化は起きなかった。EtAlClは不飽和基
質のいかなるルイス塩基部位にも配位するから、あらゆる副反応を阻止する一時
的保護基として作用する。5−シアノ−1−ペンチンでは、もしも痕跡量の酸素
が存在すれば、EtAlCl が存在しない場合、多分ニトリル基によって引
き起こされる多孔性珪素表面の広範囲の酸化が認められた。しかし過剰のEtA
lClが存在する場合は、ヒドロシリル化が酸化を伴わずに進行した。過剰の
EtAlClは反応の終わりに、乾燥THF、EtOHおよびCHCl
すすぐことによって容易に除去できる。
【0038】 アルケン ヒドロシリル化を多孔性珪素の表面で行うとアルキル末端表面が生
成した。例えば1−ヘキセンおよびヒンダード三置換オレフィン2−メチル−2
−ブテンは各々、EtAlClの1.0M ヘキサン溶液10μlで前処理し
た多孔性珪素表面と反応し、対応するアルキル置換表面を与えた。オレフィンは
アルキンより活性が小さいから、より大きい容量の基質を用いなければならず(
100μl)、その反応はより長く続けなければならない(16時間)。
【0039】 アルケンに対するSi−Hの位置選択性は測定しなかったが、三置換オレフィ
ンの分子ヒドロシリル化では、定量的逆マルコウニコフ付加が認められる。対照
実験は、ヒドロシリル化がEtAlCl不在下では進行しないことを示した。
【0040】 NMR分析は、水素末端表面上のアルケン類およびアルキン類のヒドロシリル
化が本発明による溶媒可溶性ルイス酸によって仲介され得ることを確認する。E
tAlClによって仲介されるような、トリエチルシランを用いる1−ドデシ
ンのヒドロシリル化による可溶性モデル化合物の合成によって生成する産物を C溶液相NMRスペクトル(121MHz)分析にかけた。ビニル基の炭素類
は明らかに146および120ppmに見られ、珪素に直接結合した炭素はより
低い周波数で共鳴した。約72ppmに中心が認められる明白な三重線の特徴は
CDCl溶媒によるものであった。EtAlCによって仲介される水素末端
多孔性珪素上の1−ドデシンのヒドロシリル化は、上記モデル化合物[交差分極
(CP)13C固体状態NMRスペクトル(121MHz)]とほぼ同一のスペ
クトルを与える。この結果は、ビニル基が珪素表面に直接結合することを直接証
明するものである。2つのビニル炭素は152および125ppmに見られた。
【0041】 EtAlClによって仲介されるようなトリエチルシランによるフェニルア
セチレンのヒドロシリル化を介する可溶性モデル化合物の合成によって生成する
産物を13C溶液相NMRスペクトル(121MHz)によって分析した。ビニ
ル基の炭素は明らかに143および130ppmに見られ、珪素に直接結合した
炭素はより低い周波数で共鳴した。約72ppmに中心が認められる明らかな三
重線の特徴はCDCl溶媒によるものであった。〜127ppmおよび140
ppmに認められるその他のピークは芳香環と関連していた。EtAlCl
によって仲介される水素末端多孔性珪素上のフェニルアセチレンのヒドロシリル
化は、上記モデル化合物[交差分極(CP)13C固体状態NMRスペクトル(
121MHz)]とほぼ同一のスペクトルを与える。この結果は、ビニル基が珪
素表面に直接結合することを直接証明するものである。2つのビニル炭素は15
0および138ppmに見られた。
【0042】 水素末端多孔性珪素上でEtAlClによって仲介される1−ペンチンのヒ
ドロシリル化によって生成する産物を交差分極(CP)13C固体状態NMRス
ペクトル(121MHz)によって分析した。2つのビニル炭素は152および
125ppmに認められた。その表面をBHによるヒドロホウ素化反応によっ
て還元し、ビニル基の存在を化学的に証明した。交差分極(CP)13C固体状
態NMRスペクトル(121MHz)によって示されるように、仮定されたビニ
ル基に関連する2本のピークは消失し、この基がオレフィン性であることが証明
された。
【0043】 本発明によって調製された疎水性アルキルおよびアルケニル末端多孔性珪素表
面は、非常に厳しい条件下で非常に安定である。例えば1−ヘキセンおよび2−
メチル−2−ブテンのヒドロシリル化から形成されるアルキル置換表面は両方共
、EtOH/49%HF(水溶液)1:1溶液ですすいでも、通気水中で2時間
沸騰しても安定であった(IRスペクトルの変化なし)。未改質の多孔性珪素は
100℃の水中で1時間後にはかなりの酸化および分解を受ける。より目立つの
は、t−ブチルアセチレンのヒドロシリル化により生成する表面は、水性KOH
の通気塩基性溶液(pH10)および25%EtOH/75%KOH水溶液の溶
液(pH10)中で1時間煮沸しても安定であり、そのFTIRスペクトルがご
くわずか変化するに過ぎなかった。未置換多孔性珪素はこれらの条件下で容易に
溶解する。
【0044】 多孔性珪素上に残りの水素化珪素が残っていることから証明されるように、I
Rにより、表面被覆はアルキン類でもアルケン類でも不完全であるように見える
が、これらの疎水性表面の安定性は、多孔性珪素の露出領域が効果的にキャップ
されたことを示唆する。残りの未反応水素化珪素基は水およびヒドロキシド イ
オンに立体的に近づけないに違いない。
【0045】 この簡単な一段階反応によって、種々の官能基で終わる多孔性珪素表面を手に
入れることができる。その上、バルキーな脂肪族置換基の挿入が高度に安定な多
孔性珪素表面を提供する。
【図面の簡単な説明】 詳細な説明は特につぎの図に言及するものである。
【図1】 図1は、多孔性珪素の表面にアルキン類およびアルケン類がEtA
lCl仲介性ヒドロシリル化によって共有結合している官能基を示す図である
。数値は透過型FTIRによって測定した表面結合ビニル基のν(C=C)に相
当する。
【図2】 図2は、 a)多孔性珪素上におけるEtAlClにより仲介される1−ドデシンのヒド
ロシリル化で、ドデシル基の共有結合を生成する、およびb)室温で、16時間
にわたり0.8M BHTHFによりドデセニル基のオレフィンをヒドロホウ
素化する、 という方法で生成する単層のFTIR(透過型)を示す図である。
【図3】 図3は、多孔性珪素表面においてt−ブチルアセチレンのEtAl
Cl仲介性ヒドロシリル化によって生成した単層の示差スペクトル(FTIR
、透過型)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B063 QQ42 QQ52 QR32 QR35 QR41 QR48 QR84 QS02 4G072 AA50 BB09 FF04 HH01 HH28 QQ06 QQ09

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化珪素基を含む表面を有するシリコン基板上に共有結合
    した単層を形成する方法であって、溶媒可溶性ルイス酸の存在のもとで、前記記
    シリコン基板と、前記シリコン基板の表面に単層を形成するのに十分な量の、任
    意に置換されたC−C24アルケンまたはアルキンとを接触させる段階を含ん
    でなる方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコン基板が多孔性珪素またはあらゆる結晶性珪素面
    の平坦な表面である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記アルケンまたはアルキンが下記の式で表わされる化合物
    であり、 C(R C(R 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるときnは0であり、 zが二重結合であるときnは1であり、RおよびRは独立的に水素またはC −Cアルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素
    原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成し、 RおよびRは独立的に水素または任意に置換されたC−C18アルキル、
    アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換された基であると
    き、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C−C 18 アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキシ
    カルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されて
    おり、 またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7
    −または8員環を形成する、 請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ルイス酸がアルミニウム、ホウ素、錫、ハフニウム、ジ
    ルコニウム、チタン、スカンジウム、イットリウム、またはランタニドまたはア
    クチニドの溶媒可溶性化合物である、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ルイス酸がアルミニウム化合物である請求項4に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記化合物がエチルアルミニウム二塩化物である、請求項5
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 RおよびRが独立的に水素、アリール、ヘテロアリール
    または置換されたC−C18アルキルであり、前記置換基がアリールまたはヘ
    テロアリールからなる群から選択され、zが二重結合であるとき、RおよびR が両方とも水素である、請求項3記載の方法。
  8. 【請求項8】 R又はR基がC−C18アルキル置換で、前記置換基
    はヒドロキシ、カルボキシ、アミノまたはチオールからなる群から選択される方
    法であって、前記方法は、金属キレート化リガンドまたは生物学的に重要なリガ
    ンド、フェロセンまたはその他の電子供与体、または抗体、受容体タンパク質、
    DNAまたはRNA、またはDNAまたはRNAと二または三本鎖錯体を形成で
    きるDNAまたはRNA類似体から選択される生物学的重要なリガンドをその置
    換基によって前記シリコン基板に共有結合させる段階をさらに含む、請求項3記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 共有結合せる単層を含む表面を有するシリコン基板であって
    、前記単層は下記の式で表わされる置換されたまたは未置換のビニルまたはアル
    キル基を含んでなり、 C(RC(RSi または C(RSiCH(R 上記式中、Siは、置換または未置換ビニルまたはアルキル基を前記珪素表面に
    結合させている表面珪素原子であり、 xは一重または二重結合を表わし、 xが二重結合であるとき、nは0であり、 xが一重結合であるとき、nは1であり、 RおよびRは独立的に、水素、またはC−Cアルキルであるか、または
    およびRがそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−また
    は8員環を形成し、またはRが水素で、RがBHまたはB(OH)であ
    り、またはRがBHまたはB(OH)で、Rが水素であり、 RおよびRは独立的に、水素または任意に置換されたC−C18アルキル
    、アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換された基である
    とき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C
    18アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキ
    シカルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオ、フェロセンまたはその他の電子供与体、金属キレート
    化リガンドまたはその金属錯体、または、抗体からか又は受容体タンパク質から
    か又はDNAからか又はRNAからか又はDNAかRNAと二乃至三本鎖錯体を
    形成できるDNAまたはRNA類似体からかのいずれかから選択される生物学的
    に重要なリガンド、よりなる群のうちの1つ以上の置換基で置換され、または RおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−また
    は8員環を形成する、 前記シリコン基板。
  10. 【請求項10】 シリコン基板が多孔性珪素を含んでなる、請求項9記載の
    シリコン基板。
  11. 【請求項11】 シリコン基板があらゆる結晶性珪素面の平坦な表面を含む
    、請求項9記載のシリコン基板。
  12. 【請求項12】 xが二重結合で、RまたはRが金属キレート化リガン
    ド、その金属錯体、または生物学的に重要なリガンドである、請求項9記載のシ
    リコン基板。
  13. 【請求項13】 共有結合したRまたはR基の少なくとも一部が生物学
    的に重要なリガンドを含む、請求項12記載のシリコン基板。
  14. 【請求項14】 RがHまたはC−C アルキルである、請求項13
    記載のシリコン基板。
  15. 【請求項15】 水素化珪素基を含む表面を有するシリコン基板上に共有結
    合単層を形成する方法であって、前記方法は溶媒可溶性ルイス酸の存在のもとで
    、シリコン基板と、前記シリコン基板の表面上に単層を形成するのに十分な量の
    任意に置換されたC−C24アルケンまたはアルキンとを接触させる段階を含
    んでなり、前記アルケンまたはアルキンは下記の式で表わされ、 C(R C(R 上記式中、 zは二重または三重結合を表わし、 zが三重結合であるときnは0であり、 zが二重結合であるときnは1であり、RおよびRは独立的に水素またはC −Cアルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素
    原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成し、 RおよびRは独立的に水素または任意に置換されたC−C18アルキル、
    アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換されたアルキル基
    であるとき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、
    −C18アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18
    ルコキシカルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、ま
    たはC−C18アルキルチオからなる群から選択される1個以上の置換基で置
    換されており、 またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7
    −または8員環を形成する、 前記方法。
  16. 【請求項16】 前記シリコン基板が多孔性珪素またはあらゆる結晶性珪素
    面の平坦な表面である、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 共有結合した単層を含んでなる表面を有するシリコン基板
    であって、前記単層が下記の式で表わされる置換されたまたは未置換のビニルま
    たはアルキル基を含み、 C(RC(RSi または C(RSiCH(R 上記式中、Siは、置換または未置換ビニルまたはアルキル基を珪素表面に結合
    させている表面珪素原子であり、 xは一重または二重結合を表わし、 xが二重結合であるとき、nは0であり、 xが一重結合であるとき、nは1であり、RおよびRは独立的に、水素、ま
    たはC−Cアルキルであるか、またはRおよびRがそれらが結合してい
    る炭素原子と一緒に5−、6−、7−または8員環を形成し、またはRが水素
    で、RがBHまたはB(OH)であり、またはRがBHまたはB(O
    H)で、Rが水素であり、 RおよびRは独立的に、水素または任意に置換されたC−C18アルキル
    、アリールまたはヘテロアリールであり、RまたはRが置換された基である
    とき、その基はヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C
    18アルコキシ、カルボキシ、ホスフォ、ホスフィノ、C−C18アルコキ
    シカルボニル、第一、第二または第三アミノ、カルバミド、チオール、またはC −C18アルキルチオ、フェロセンまたはその他の電子供与体、金属キレート
    化リガンドまたはその金属錯体、または抗体、受容体タンパク質、DNAまたは
    RNA、またはDNAまたはRNAと二または三本鎖錯体を形成できるDNAま
    たはRNA類似体から選択される生物学的に重要なリガンドからなる群からの1
    つ以上の置換基で置換され、または R およびR はそれらが結合している炭素原子と一緒に5−、6−、7−
    または8員環を形成する、 前記シリコン基板。
  18. 【請求項18】 RおよびRが独立的に水素またはC−Cアルキル
    であり、RおよびRが独立的に水素または任意に置換されたアルキル、アリ
    ールまたはヘテロアリールである、請求項17記載のシリコン基板。
  19. 【請求項19】 xが二重結合であり、RまたはRが任意に置換された
    −C18アルキルであり、その際その置換基はアリール、ヘテロアリール、
    金属キレート化リガンドまたはその金属錯体、または生物学的に重要なリガンド
    である、請求項17記載のシリコン基板。
  20. 【請求項20】 xが二重結合で、RまたはRの一つがアリール、ヘテ
    ロアリール、アリールで又はヘテロアリールで又は金属キレート化リガンドで置
    換されたC−C18アルキルもしくはその金属錯体である、請求項17記載の
    シリコン基板。
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