JP2002500923A - 人工心臓弁 - Google Patents

人工心臓弁

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JP2002500923A JP2000528238A JP2000528238A JP2002500923A JP 2002500923 A JP2002500923 A JP 2002500923A JP 2000528238 A JP2000528238 A JP 2000528238A JP 2000528238 A JP2000528238 A JP 2000528238A JP 2002500923 A JP2002500923 A JP 2002500923A
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メディカル カーボン リサーチ インスティテュート リミテッド ライアビリティー カンパニー
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    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/24Heart valves ; Vascular valves, e.g. venous valves; Heart implants, e.g. passive devices for improving the function of the native valve or the heart muscle; Transmyocardial revascularisation [TMR] devices; Valves implantable in the body
    • A61F2/2403Heart valves ; Vascular valves, e.g. venous valves; Heart implants, e.g. passive devices for improving the function of the native valve or the heart muscle; Transmyocardial revascularisation [TMR] devices; Valves implantable in the body with pivoting rigid closure members

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Abstract

(57)【要約】 人工心臓弁(11)は、管状の弁本体(13)、開および閉位置間で旋回または並進および旋回する一対の弁膜(15)を備えている。弁本体は、直径方向に対向する平坦な壁部(23)を除き円形の内側断面であり、平坦な壁部(23)は弁膜の旋回軸線が位置される凹部(25)を含んでいる。弁膜の弧状の縁部(35)は、さもなくば概ね半円である周から一対の突部(73)が半径方向外方に延出するように不規則に(15)に形状付けられている。突部(73)は、閉じられた位置で、弁膜の中心線を側部に置く弧状に離間された位置において弁本体の内面に接触するように、戦略的に配置されている。結果として、閉じられた位置での接触が単一位置よりも二つの離間された位置において生じ、そして、弁膜の中央先端部(71)に、キャビテーション、ノイズおよび溶血に対抗する少なくとも最小の間隙が確立される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、機械式心臓弁人工器官、および、閉じられた向きに到達するのに少
なくとも多少の旋回運動を経る一対の弁部材すなわち閉鎖体を含む二弁膜の心臓
弁に、特に、しかし排他的でなく、有用な改良に関する。
【0002】 (発明の背景) 種々の機械式心臓弁人工器官が開発され、欠陥のある自然弁に換えて、心臓の
ポンプ作用と関連して血行力学的に作動している。これらの弁は、単一の閉鎖体
、一対の閉鎖体または三つ以上の閉鎖体の形態の弁部材を含む構成を含んでいる
。しかしながら、現在まで、二弁膜形式の心臓弁が一般に好ましい機械式心臓弁
である。
【0003】 Hanson他への米国特許第4,276,658号は、10年以上米国にお
いて販売されているパイロカーボン被覆グラファイト製の二弁膜心臓弁を開示し
ている。
【0004】 Bokrosへの米国特許第4,689,046号は、一対の平坦な弁膜が、
弁の中央で互いに係合する直線の係合縁部を有し、弁本体の内側円形の筒状壁に
着座する弧状の縁部を有する、他の同様な二弁膜心臓弁デザインを示している。
【0005】 Klawitterへの米国特許第4,451,937号は、平坦な閉鎖体お
よび複雑な曲率の閉鎖体が弧状の凹部内を移動する耳によって案内され、弁本体
の壁部から半径方向内方に延出している上側および下側突部上を旋回する心臓弁
を開示している。弁のいくつかにおける閉じられた位置では、一対の弁膜が弁本
体の中心線に対し概ね直角に向けられ、弁膜の先端部は弁本体の内壁から内方に
延出している中間点ストッパに当接する。類似の単一閉鎖体弁構造もまた示され
ている。
【0006】 Bokrosその他への米国特許第5,641,324号は、新規な弁本体入
口および新規な旋回機構を有する、この一般形式の改良された二弁膜心臓弁を示
している。
【0007】 かかる機械式人工弁が研究されればされるほど、調査者は理想的な人工弁は単
に未だに存在しないと結論付けている。材料的観点からは、熱分解カーボンが適
切な非血栓性であると決定されており、結果として、機械式弁において血栓と闘
う問題は、過剰な乱れ、高いせん断応力、キャビテーションおよび局部領域の血
行停止を防止することに在ると現在は感じられている。血液は極めてデリケート
な組織であり、キャビテーション、乱れおよび高いせん断応力により生ぜせしめ
られた小さな乱用でさえも溶血、血栓および/または局部の淀み領域における塞 栓を生じさせ得る。構成部品の表面近傍におけるキャビテーションは、もしも重
大であれば、弁の損傷に導く腐食を発生させ得る。従って、機械式弁の耐血栓特
性における将来の改良は、滑らかな乱れのない流れとキャビテーションおよび血
行停止の欠如とを達成することを通じて得られそうであると感じられている。
【0008】 血液が自由に流れ、開いた位置で最小抵抗の通路をもたらし、血液の逆流を最
小化すべく、逆流の発生時にキャビテーションまたは大きなノイズを伴わずに迅
速に閉じ、且つ、効率的に製造され組立てられ得る改良された機械式心臓弁人工
器官への調査は続いている。当然に、かかる特徴を取り入れた新しい弁デザイン
が求められ続けている。
【0009】 (発明の要約) 本発明は、前述の所望の特性を有する機械式心臓弁人工器官を提供する。ここ
では、弁膜が、接触のときにキャビテーションおよびノイズを最小化するように
、閉じ位置において弁本体の内側の概ね筒状の面に当接するべくデザインされて
いる。現在まで米国において販売されている機械式二弁膜心臓弁は、一般に、各
弁膜の弧状の縁部の中央先端部が内側の壁面に接触するようにデザインされてお
り、この結果として、直線的弧状縁部と弁本体の直線的内側面との間の接触領域
が、弁膜の中心線と称され得るところ、または近傍に位置される線または短い弧
状の面部分に沿うものである。弁膜の弧状縁部の残りは、間隙の程度が製造上の
許容誤差に依存した状態で、内側壁に並んで存する。というのも、接触が存在す
るのは単一の位置のみであるからである。
【0010】 本発明の構成では、弁本体および弁膜は、弁膜の中心線を側面に置く二つの位
置において接触が存し、且つ、弁膜の中央先端部と弁本体の内側壁面との間に明
瞭な間隙が存するように形状付けられている。この構成の結果として、閉じてい
る弁膜と内壁との間の接触が、中心線位置に隣接する単一点から好ましくは弁膜
の中心線から約30°ないし50°の円弧分、離間されて各々が位置されている
一対の位置にまで移行され、且つ、好ましくは少なくとも約0.002インチの
最小間隙が中心線位置に創成されている。
【0011】 弁膜の中央先端部は、その最終の閉じられた向きに旋回するとき、弧状の縁部
に沿う全ての点の中の最大速度で移動するので、この正確な位置に、かかる最小
間隙を設けることが、閉鎖の瞬間におけるキャビテーションを最小化する。さも
なければ、腐食および/または血栓に潜在的に帰すことになろう。さらに、弁本 体の内壁との接触点を二つの離間された位置に、中央先端部から弧状の縁部に沿
ってさらに外方に実質的な距離だけ移行することによって、接触するときに縁部
に沿うこれら二つの点が移動する接線速度は中央先端部における接線速度よりも
実質的に小さくなる。加えて、弁本体の壁に直交して向けられた弁膜の速度ベク
トル(これはキャビテーションの主原因である)に注目するなら、かかるベクト
ルは弁膜の中央先端部すなわち中間点で最大であり、中間点から遠い接触点に中
間点から離れて動くにつれ、際立って小さくなることが判る。それ故に、中間点
からさらに動くにつれ、接線速度(Vc)が減少されるのみならず、壁に直交す る有効速度もcosineθに等しいファクタ分減ぜられる。ここで、θは中間点から
オフセットされた角度である。総体的に、衝撃の力を二つの位置に分散し、且つ
、衝撃点における接線速度を際立って減少させると共に壁に直交する有効速度を
減少させることの組合せによって、キャビテーションが最小化され、そして、閉
鎖の瞬間において発生されるノイズが実質的に減少される。
【0012】 (好ましい実施例の詳細な説明) 図1に示されているものは、本発明の種々の特徴を包含するように構成された
人工心臓弁11である。極めて概括的には、人工心臓弁11は米国特許第5、6
41、324号に説明且つ示されている人工心臓弁と極めて実質的な類似性を有
している。‘324号特許に詳細に説明されているデザインおよび構造を超える
改良は、弁膜の弧状縁部と弁本体の内部の概ね筒状壁表面との補完的形状付けに
見出される。結果として、弁膜の縁部と閉じられた位置における内部壁表面との
接触が二つの点で生じる。その各々は弁膜の中央先端部すなわち中間点から弧状
に離間され、その結果、弁膜の中央先端部には内部壁表面からの少なくとも最少
の空隙が存する。
【0013】 心臓弁11は、概ね環状の弁本体13を含み、弁本体13は一対の旋回閉鎖体
すなわち弁膜15を支持している。弁膜15は、図1および図2に垂直方向下向
きに描かれているような下流方向への血液の滑らかな流動を許容する、もしくは
、血液の全ての実質的な後方への流れすなわち逆流を防止すべく、交互に開閉す
る。弁本体13は、概ね弧状で多くは筒状の内部壁表面17の形態の血液流動通
路を画成している。弁本体13は、その上流端に湾曲入口領域19を有し、それ
は、低い乱れで血栓の発生をほとんど伴わずに、弁を通る流線化された流れ特性
を実質的に増すことが判っている。弁本体の平均軸方向長さの約1/3を超えな い距離、軸方向に延在する湾曲入口領域19の詳細は、弁の作動と共に以降簡単
に論じられる。図6に最もよく見られるように、直径方向に対向された一対の肉
厚壁部21は他の真円の円筒状表面から内方に突出し、向かい合う平行な平坦壁
表面23で終わっている。平坦壁表面23には対のキャビティすなわち凹部25
が形成されており、凹部25は弁膜15の開閉運動を制御する旋回配列の1/2 として機能する。かくて、湾曲入口領域19の下流の内部表面は概ね直線的であ
る。
【0014】 弁本体13は、好ましくは、肉厚壁部21の直ぐ下流の領域に弁本体13の輪
郭内に形成される一対の浅いノッチ27が存するように、波形に仕上げられた下
流輪郭を有している。この形式の二弁膜弁において、これらのノッチ27により
もたらされた側部開口は弁膜15の間の中央通路に整列されている。その結果、
血流の反転時において、後方に流れる血液がこれらの側部開口を通り横向きに弁
本体に入り、血流のサージを中央通路領域に向け、且つ、弁膜の流出表面に加わ
る力を生じさせる。その作用は偏心して取付けられている弁膜がその閉じられた
位置方向に向けて迅速に旋回するのを促進する。この機能は米国特許第5,30
8,361号に詳細に説明されている。
【0015】 朝顔形に広げられた入口部19の下流領域における比較的薄い弁本体13の外
表面は実質的に、一対の隆起された帯29aの間に浅い溝29が形成されている
僅かな肉厚の中央部分を除いて、真円の筒の表面のものである。付加的な金属硬
化リング(不図示)が、弁本体に安定性と剛性とを加えるべく嵌め合わされても よい。弁本体自体は、この分野で周知のように、パイロカーボンまたはパイロカ
ーボン被覆グラファイトのような、一対の弁膜をそれらの作動位置に挿入するの
を可能とすべく変形され得るに充分な弾性を有する適切な材料から好ましくは作
成される。もしも、パイロカーボンが充分な剛性を有しているなら、かかる硬化
リングは不用である。かかる金属リングは、この分野で広く知られているように
、適当なデザインの縫製リングを支持するのを補助するためにも用いられ得る。
用いられ得る縫製ないしは縫合リングの詳細な例は、米国特許第4,535,4
83号および第5,178,633号に詳細に説明されている。
【0016】 肉厚の外部帯29aは、朝顔形に広げられた入口部19から離間されて弁本体
の下流筒状部に戦略的に配置されている。弧状断面部であり、外表面で最も細い
直径を構成している溝29は、凹部25に形成されている支点の完全に下流とな
るように配置されている。この配列は、縫合リングが、残りの組織環帯が弁本体
の真円の筒状外表面の一部に接触するであろう位置に、収容されることを可能に
する。
【0017】 弁膜15は好ましくは形状および寸法において同一である。各弁膜は、二つの
直線的、好ましくは、平坦な表面、すなわち、流入表面31および流出表面33
を有し、且つ、各弁膜は、好ましくは、表面31および33が互いに平行である
ようにほぼ一定の厚みのものである。流入表面31は、弁膜が閉じられた位置(
図2を見よ)の状態で、上流に面している表面として恣意的に定義される。一方
、流出表面33は下流に面する。弁膜15は好ましくは平坦であるが、円または
楕円断面の中空筒の部分のような他の形態も、米国特許第5,246,453号
に詳細に論じられているように、代わりに用いられ得る。
【0018】 各弁膜15は、開いた位置において弁膜の下流縁部に位置される大きな弧状縁
面35を有し、且つ、各々は開いた位置において弁膜の反対の上流縁部に位置さ
れる小さい直線的な係合縁面37を有している。弧状縁面35は、好ましくは、
後で詳しく説明されるように、閉じられた位置において二つの離れた位置で弁本
体の筒状側壁内部表面17に当接するように、不規則な輪郭を有している。小さ
な縁面37は、好ましくは、平坦で、且つ、図2に最もよく見られるように、閉
じられた位置において、対向する弁膜の対応する係合縁面37に対してぴったり
と合うように流入表面に対し角度をもって形成されている。結果として、小さな
縁面37は流入表面31に対しある角度に向けられ、それは、流出表面33が閉
じられた位置で中心線面と共に形成する下流角とほぼ等しく、好ましくは約45
°と約70°との間の角度である。中心線面は、通路の中心線を含み、図示の実
施例においては、弁膜の旋回軸に平行な平面として定義され、弁本体通路の平坦
壁表面23に対し直交する。図2においてαで記されている問題の角度は、各弁
膜15が完全に開いた位置から完全に閉じた位置まで動くときに経るであろう角
回転の程度を定める。大きな角度に対して、小さな角度とするのが有利であるか
もしれない。何故なら、弁膜は完全に閉じた位置に到達するのに、大きな角度距
離回転する必要がないからである。しかしながら、角度が小さくなればなるほど
、閉鎖の瞬間に弁本体の壁に直交する方向に向けられる力のベクトルは大きくな
る。図2に示されるように、この角度αは好ましい実施例では約50°である。
流入表面31が弁本体の壁と共に閉じた位置で形成する角度はβと記され、β=
αであり、また図示の実施例では約50°である。
【0019】 図3に最もよく見られるように、弁膜15の各々は、小さい係合縁面37と大
きい弧状縁面35との間に位置された中間の一対の直線的縁部領域39を有し、
ここにおいて、一対の横方向に延出する耳すなわちタブ41が配置されている。
図4から分かるように、耳41は、それらが横方向に延出している平坦な弁膜と
同じ厚さである。耳41は、それらの開き方向で見たとき、上流から下流方向に
延ばされている。図3および5は、耳41が、流入表面31から弁膜をみたとき
、概ね浅い湾曲の直線的面である横縁面を有していることを示している。より詳
しくは、図3に最もよく見られるように、それらの各々は、浅く丸み付けられた
上流側の縁面43および概ね同様な下流側の縁面45を有している。上流側の縁
面43は、より長く、耳の概ね側方に延出しており、そして、下流側の面45に
会い滑らかに連なっている。直線的な上流側縁面43の大部分は弁膜15の平坦
な流入および流出表面に直角であり、その平坦な表面が単に耳の領域を通って延
出している。この結果、耳は、弁膜本体の流入および流出表面31,33と同一
面の流入および流出表面を有している。短い弧状の繋ぎ縁部47が、大きな弧状
縁面35と平坦部39との間に介在されている。
【0020】 前に述べたように、弁本体13にはキャビティ25が配置されている領域に肉
厚の壁部21が形成され、好ましくは、これらの肉厚の壁部には、繋ぎ面、すな
わち、上流繋ぎ面49および下流繋ぎ面51が形成されている。上流繋ぎ面49
および下流繋ぎ面51は、弁本体の円状の入口領域および円状の出口領域からキ
ャビティ25が配置されている平坦な壁面23にまで滑らかに導く。面49のよ
うな面は半径方向後退面とも称される。結果として、弁本体を通る流れ通路は、
平坦な壁面23へ内方へ延出している二つの肉厚部21を除き概ね断面円形であ
る。以前に示されたように、平坦な面23に直交して向けられている、概ね円形
の通路の中心軸を含む平面は中心線面と称され、時々基準を示す目的で用いられ
る。
【0021】 配列は、各肉厚部が、互いに鏡像関係にあり、この中心線面の両側に位置され
ている二つの並列キャビティを含むようにされている。キャビティ25は、各々
、中央平坦後部54を有するが、しかし、キャビティ25の深さは、耳の湾曲し
た上流側縁面43の頂部がキャビティの後壁54に全く触れない、例えば、約1
-4ミル(0.025-0.102mm)の隙間があるようにされている。肉厚領
域の平坦壁面23は、弁膜がその開および閉位置の間を動くときはいつも、弁膜
の直線的縁面39の一方または他方が、普通、のしかかる主軸受け面として作用
する。キャビティは、支点65で別々にされた上流ローブ57および下流ローブ
59を有している。耳の浅い湾曲縁面43とキャビティの後壁との間の隙間は、
図2に示される弁の完全な閉鎖の瞬間の際、弁膜の耳を過ぎキャビティを通る血
流の制御された清浄な噴出を促進するためのものである。この配列は、旋回軸領
域における凝固の発生の可能性に対し保護する。耳41とキャビティとの正しい
関係は、この清浄な漏洩が溶血を生じさせるかもしれない高速の噴流ではなく、
代わりに、血栓を誘起することのない長くて狭い漏洩経路を通る制御された流れ
となるようにされている。
【0022】 弁の旋回機構は本発明の部分を形成せず、前述の‘324号特許に詳細に説明
されている。極めて概括的に、弁本体の平坦側壁部23におけるキャビティ25
は、弁膜の平坦な側縁面39から延出しているタブすなわち耳41を受入れ、そ
れらの、並進および旋回的である開および閉運動において弁膜を案内する。しか
しながら、凹部の構造および形状は、弁膜が完全に閉じられた位置に揺動すると
きほぼ回転運動のみが生ずるようにされている。
【0023】 弁膜15は、弁本体を、直径方向に対向する位置において、例えば、中心軸面
に直交する直径に沿って圧搾することにより、弁本体13に装着される。かかる
心臓弁本体13の変形は、米国特許第5,336,259号の教示に従って行う
ことができる。圧搾すると、直径方向に対向する平坦壁部23を互いからさらに
離間させ、耳41がキャビティ25内に受入れられた状態で、弁膜が弁本体に嵌
め合わされるのを可能にする。圧搾力が除去されると、弁本体13はその元の環
状形態に戻り、弁本体の平坦壁面23と弁膜の直線的側縁面39との間に所望の
最少隙間を残す。この位置では、弁膜は、開および閉位置の間の移動のために摺
動および旋回可能に取付けられている。もしも、用いられるのであれば、金属安
定リングが、弁膜の装着に続き、外側の周溝29内に、スナップ嵌めまたは焼き
嵌めによって適切に装着されてもよい。しかしながら、かかる金属安定リングは
弁膜の装着前に装着するのが好ましいかもしれない。パイロカーボンは弁本体構
造の好ましい材料であり、かかる金属リングによってパイロカーボン構成に加え
られる包括的な力が、パイロカーボンの弁本体の構造的性能を改善する。かかる
金属リングは、圧搾力の除去に続いて、その完全な環形状へ戻るに十分な弾性を
有すべく選ばれ得る。
【0024】 心臓弁が患者に作動的に装着されたとき、二つの弁膜は、開位置において、弁
本体の下流方向への血液の速い流れに関して釣合い位置を取る。それは、それら
が中心軸面にほぼ平行であり、かくて、血液の下流への流れに対し極めて小さい
障害をもたらしている向きであり得る。比較的長い軸方向長さの弁本体において
特異な曲率半径を有する円環体の表面の本質的に一区分である、弁本体の入口部
分との組合せによるこの特徴が、滑らかな乱れのない流れの達成と、血行停止の
欠如とに帰結する。弁11全体は、所与の径の通路のために、圧力低下が極めて
小さい。
【0025】 弁を通る上流への血液の逆流が始まったとき、弁膜15は、耳41が凹部の上
側ローブ57内を上方へ移動して、上流へ並進する。これは、弁膜の閉じ位置に
向けての旋回を起こさせるカム係合を直ちに生じさせる。弁膜の旋回が進むにつ
れ、逆流している血流の各弁膜の流出表面33に対する力が大きくなり、弁膜を
より大きな速度で揺動させ始める。前に述べたように、最終の運動は本質的に回
転のみであり、完全に閉じられた位置は、二つの弁膜の直線的係合縁部37が合
致し且つ弁膜の弧状の縁面35が弁本体の筒状の内側壁面17に当接するときに
達成される。
【0026】 製造上の許容誤差の故に、約110°から120°の円弧に達するかもしれな
い弧の長さの全体に亘る完全な接触を得るべく試みるために、直線的表面である
、弁膜の弧状の縁面35の曲率および形状を弁本体の概ね円形の筒状の内側壁面
17に完全に合致させるべく試みることさえ、簡単には、実現できないというこ
とが理解されるべきである。標準の製造上の許容誤差に配慮する必要性および結
合の危険性を避ける必要性が、商業的な心臓弁において精確な合致を創成しよう
とする試みに対し、単純に不利に作用するということが理解されるべきである。
今までは、弁膜の直線的な弧状の縁部が弁本体の内側の概ね筒状の面に着座する
、この一般型式の二弁膜心臓弁が製造された。結果、接触は弁膜の中央先端部す
なわち中間点の近傍の単一位置において生じていた。製造上の許容誤差の結果と
して、かかる商業的な心臓弁は、弁膜の中心線の数度内の単一位置で弁膜が内壁
に当接するようにデザインされ、且つ、かかる弁膜は、両側縁部に沿う領域を含
む弁膜の残りの周辺のためのある所定の最大寸法よりも小さな間隙が存するよう
に寸法付けられている。本発明は、この伝統的な弁デザインから離れ、弁膜のま
さしく中央先端部において少なくとも最小の間隙が存する構造を創成している。
【0027】 弁本体の内面は、概ね円形の筒状構造であるとして説明されたが、概ね円形と
は、断面形状が楕円形、卵形または双曲線形でもあり得ることを意味している。
しかしながら、内面17の、二つの平坦側壁部23を側面に置く二つの弧状部分
は、好ましくは、円形断面を有する。これらの壁部は好ましくは規則的な円形断
面で、弁膜の各々の弧状の縁部35に不規則部が形成されているけれども、弁本
体13が側壁の所望の位置に形成された一対の浅い畝を有するように機械加工さ
れることにより、同じ結果が達成されるべく、部品を逆にして用いてもよい。し
かしながら、これら二つの弧状領域において内壁17のための全体的に円形の断
面から変形させることは、弁本体の通路の断面積の減少に帰し、且つ、開位置に
おいて弁を通る高速流は極めて重要な特徴であるべきと考慮されるので、真の円
形断面が内壁面のためには好ましい。
【0028】 弁膜の弧状縁面35は、勿論、内壁面の個別の概ね円形の筒形状と相補的であ
る形状を備えて形成されており、縁部は閉位置において内面に対置して存し、且
つ、接触していない、弧状縁部の大きな長さに沿って制御された間隙がもたらさ
れている。弁膜15の閉じられた位置における姿勢すなわち向きは、閉鎖接触の
時点での力のベクトルを決定し、そして、これらのベクトルは、閉鎖の瞬間に生
じ得るキャビテーションおよびノイズに実質的に影響する。前に示したように、
弁本体の中心線と完全に閉じられた位置における弁膜の流出表面33との間の角
度は、下流角と称され、参照記号(α)で図2に記されている。二弁膜弁の大部
分では、この角度αは約45°および70°の間である。図示の実施例では、こ
の角度は約50°で、そして、この角度が約55°以下のときはいつも、閉鎖の
瞬間におけるキャビテーションおよびノイズに対する可能性が考慮されるべきこ
とが特に重要である。弁膜の中央先端部すなわち中間点またはその近傍において
接触を生じさせるよりもむしろ、二つの離間された接触の位置を創成することに
より、キャビテーションが最少化されると共に、閉鎖の瞬間に生じる如何なるノ
イズも大幅に減衰されるということが判っている。
【0029】 前に述べたように、各弁膜から側方に延出している耳41は、旋回が生じる軸
線(図6にPAと記されている)を概ね定めており、そして、弁膜の弧状縁部に おいてこの軸線から最も遠くに存する点が、中間点ないしは中央先端部71と称
される。先端部71から旋回軸線に直交して延びる線が弁膜の中心線とみなされ
、図5に記号CLで記されている。この図から分かるように、弁膜15はこの中
心線につき対称である。弁膜15の弧状の縁部は、二つの位置における不規則性
を除き円形であり、この円形の弧状縁部の曲率は、弁本体の内壁17の曲率より
も僅かだけ小さい。
【0030】 中心線を側面に置くように中心線の両側に戦略的に置かれている一対の離間さ
れた膨らみないしは突部73が不規則性を構成している。突部73は、残りの弧
状の円形縁部から半径方向外方に延出している表面的なバンプを構成し、かくて
、概ね半円の弁膜の中心からさらに半径方向に位置されている。一般に、これら
の突部73の高さは、(誇張された図7において恐らく最も良く分かるように)
約0.025mmと0.127mmとの間である。突部73の位置は、弁膜の中
心線を側面に置くように配列され、結果、各々が約20°から60°それから離
間されている。好ましくは、これらの突部73の空隙は、弁膜の縁部と弁本体の
内壁面17との間の接触点が中心線から約30°および約55°の間の位置に存
し、結果、弧状の縁部と弁本体の内壁との間で中心線の各側に少なくとも約30
°の円弧、すなわち、この位置において少なくとも合計60°に亘り接触が存し
ない。最も好ましくは、突部は凡そ図5および6に示されるように位置され、接
触点は各々約45°中心線から離間されている。
【0031】 前に示したように、弁膜の弧状の縁部35は、弁本体の内壁面17と同じよう
に直線的である。従って、弁膜の縁部は、通常、上流/下流方向に延在する接触 線に沿って内壁面に当接する。しかしながら、短い弧状部分、すなわち、約5°
から約10°の円弧部分に沿う接触があり得る。好ましくは、接触線ないしは短
い接触円弧は、中央先端部71から約40°および約50°の間の円弧の領域内
に位置されよう。
【0032】 突部の位置および高さは、弁本体の内壁と中央先端部71との間、すなわち、
弁膜の中心線において少なくとも最小の間隙(図8を見よ)が存するようにされ
なければならないことが考慮される。この間隙は、約0.025mmおよび約0
.127mmの間、好ましくは、少なくとも約0.051mm、より好ましくは
、約0.076mmである。この間隙は、好ましくは、中央先端部から弧状の縁
部に沿って接触が生じている突部73に向かっていずれかの方向に動くにつれ次
第に小さくなる。一般に、間隙は約0.013mmおよび約0.102mmの間
であろう。同様に、間隙は、突部73から弧状の縁部の、平坦な側面における端
部に向かうにつれ広がる。ここでは、間隙は、好ましくは、約0.025mmお
よび約0.102mmの間、より好ましくは、少なくとも約0.051mmであ
る。
【0033】 側方に延出している耳41によって定められた旋回軸線PA回りに旋回しつつ
、弁膜がその完全に開いた位置からその閉じられた位置に移動するとき、弁膜の
接線方向速度は、旋回軸線から最遠の周上の点(この距離は図6にl2で表され ている)において最大であり、中央先端部71から両方向に離れる位置において
次第に小さくなる。接触点における距離はl1で記されている。速度は、当然に 、l1/l2に等しいファクタ分小さい。これは、キャビテーションが生ずるか否 かという観点からの影響を有する一ファクタである。最大の影響は、接触が先端
部71で生ずるときに現れる。二つの離間された接触点を創成したことにより、
先端部71において少なくとも最小の間隙の設置を促進している。この間隙は、
最大に危険な点でのキャビテーションの発生の可能性を克服する。キャビテーシ
ョンは腐食および/または溶血に帰結し得、すなわち、閉鎖の瞬間あたりに局部 的な蒸発が発生し得、これは直ぐに局部的に高い圧力低下を伴い、かかる微細な
蒸気泡の内破(急激な内方への破裂)を生じさせる。これは、弁膜または弁本体 の亀裂による損傷に導くパイロカーボンの腐食、または近傍における赤血球の破
裂に帰する。
【0034】 キャビテーションは、急激に狭まっている二つの面の間での液体、すなわち、
血液の圧搾に起因する。このような場合では、弁本体の内壁に直行する力のベク
トルが、かかる圧搾が起こる程度における重要な考慮事項となる。弁膜の接触が
生ずる点における最終の速度に加えて考慮すべき二つのファクタが存し、一つは
、閉じ位置における弁膜の壁に対する向き、すなわち、図2における角度βであ
り、他は、縁部に弧状に沿う配置である。これらの二つファクタは、接触が生ず
る姿勢、かくて、内壁に直交する力ないしは速度のベクトルを決定する成分であ
る。向きによる成分は、速度のcosineβ倍に等しく、弧状の配置による他の成分
は、cosine45°に等しいさらなる低減値となる(図6を見よ)。弁11の先端
部71における力のベクトルと比較して、cosine50°の低減値が相殺され、そ
して、相対的な差は、(先端におけるよりも)点73において、cosine45°・ l1/l2に等しいファクタ分小さい。これは、キャビテーションと闘うのに真に 重要である。このように、かかる二弁膜弁において二つの弁膜の各々が、弁本体
の内壁に、少なくとも約40度、好ましくは少なくとも60度、最も好ましくは
90度離間された点において接触するという新規な配列は、極めて静かな弁作動
をもたらすのみならず、キャビテーションの可能性を避けている。
【0035】 発明が、発明を実施するのに現在発明者に知られている最良の形態を構成する
好ましい実施例に関して説明されたが、当業者に自明である種々の変更および修
正が、添付の請求の範囲に定義されている発明の趣旨から逸脱することなくなさ
れ得ることが理解されるべきである。より詳しくは、弁本体および弁膜は、好ま
しくは、パイロカーボン被覆グラファイト構造で作られるが、全体的にパイロカ
ーボンで作られるか、または、他の適当な生体適合材料から作られてもよい。弁
本体の弧状の内壁は好ましくは弁膜の開位置において弁を通る流れ通路を最大化
するように真円断面であるけれども、浅い畝の形態の突部が弁膜の通常の縁部に
係合する壁の所望の位置に設けられてもよい。しかしながら、かかる代替の配列
は、係合が、概ね、弁膜の直線的な縁部と弁本体の壁との間の線接触として生ず
るようになされるべきである。平坦な弁膜が示されているが、弁膜は、もし望む
なら、概ね、前述の米国特許の種々に示されているように、単純または複雑な曲
がりを有してもよい。
【0036】 本発明は、世界中で現在選択される弁である限りにおいてその主な価値を有す
ることが考慮されて、二弁膜弁の形態で示されたが、Klawitterへの‘
937特許およびBokros他への‘111特許に示されているもののような
規定された旋回軸線を有する単一閉鎖弁または米国特許第5,628,791号
(1997年5月13日)に示されたもののような三弁膜弁にも組込まれ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 米国特許第5、641、324号に示されているものと類似の二弁膜の斜視図
であり、弁膜が開いた位置に示されている。
【図2】 図1の2-2線に概ね沿う断面図であり、弁膜が立面で閉じた位置に示されて いる。
【図3】 図1に示された弁の弁膜の斜視図である。
【図4】 図3の弁膜の縮尺された側面図である。
【図5】 図3の弁膜の縮尺された平面図である。
【図6】 図1の心臓弁を見下ろした平面図であり、弁膜が閉じた位置にある。
【図7】 図6の一部の断片図であり、大きく拡大されている。
【図8】 図2の一部の断片図であり、大きく拡大されている。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月20日(2000.3.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 人工心臓弁
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、機械式心臓弁人工器官、および、閉じられた向きに到達するのに少
なくとも多少の旋回運動を経る一対の弁部材すなわち閉鎖体を含む二弁膜の心臓
弁に、特に、しかし排他的でなく、有用な改良に関する。
【0002】 (発明の背景) 種々の機械式心臓弁人工器官が開発され、欠陥のある自然弁に換えて、心臓の
ポンプ作用と関連して血行力学的に作動している。これらの弁は、単一の閉鎖体
、一対の閉鎖体または三つ以上の閉鎖体の形態の弁部材を含む構成を含んでいる
。しかしながら、現在まで、二弁膜形式の心臓弁が一般に好ましい機械式心臓弁
である。
【0003】 Hanson他への米国特許第4,276,658号は、10年以上米国にお
いて販売されているパイロカーボン被覆グラファイト製の二弁膜心臓弁を開示し
ている。
【0004】 Bokrosへの米国特許第4,689,046号は、一対の平坦な弁膜が、
弁の中央で互いに係合する直線の係合縁部を有し、弁本体の内側円形の筒状壁に
着座する弧状の縁部を有する、他の同様な二弁膜心臓弁デザインを示している。
【0005】 Klawitterへの米国特許第4,451,937号は、平坦な閉鎖体お
よび複雑な曲率の閉鎖体が弧状の凹部内を移動する耳によって案内され、弁本体
の壁部から半径方向内方に延出している上側および下側突部上を旋回する心臓弁
を開示している。弁のいくつかにおける閉じられた位置では、一対の弁膜が弁本
体の中心線に対し概ね直角に向けられ、弁膜の先端部は弁本体の内壁から内方に
延出している中間点ストッパに当接する。類似の単一閉鎖体弁構造もまた示され
ている。
【0006】 Bokrosその他への米国特許第5,641,324号は、新規な弁本体入
口および新規な旋回機構を有する、この一般形式の改良された二弁膜心臓弁を示
している。
【0007】 かかる機械式人工弁が研究されればされるほど、調査者は理想的な人工弁は単
に未だに存在しないと結論付けている。材料的観点からは、熱分解カーボンが適
切な非血栓性であると決定されており、結果として、機械式弁において血栓と闘
う問題は、過剰な乱れ、高いせん断応力、キャビテーションおよび局部領域の血
行停止を防止することに在ると現在は感じられている。血液は極めてデリケート
な組織であり、キャビテーション、乱れおよび高いせん断応力により生ぜせしめ
られた小さな乱用でさえも溶血、血栓および/または局部の淀み領域における塞 栓を生じさせ得る。構成部品の表面近傍におけるキャビテーションは、もしも重
大であれば、弁の損傷に導く腐食を発生させ得る。従って、機械式弁の耐血栓特
性における将来の改良は、滑らかな乱れのない流れとキャビテーションおよび血
行停止の欠如とを達成することを通じて得られそうであると感じられている。
【0008】 血液が自由に流れ、開いた位置で最小抵抗の通路をもたらし、血液の逆流を最
小化すべく、逆流の発生時にキャビテーションまたは大きなノイズを伴わずに迅
速に閉じ、且つ、効率的に製造され組立てられ得る改良された機械式心臓弁人工
器官への調査は続いている。当然に、かかる特徴を取り入れた新しい弁デザイン
が求められ続けている。
【0009】 (発明の要約) 本発明は、前述の所望の特性を有する機械式心臓弁人工器官を提供する。ここ
では、弁膜が、接触のときにキャビテーションおよびノイズを最小化するように
、閉じ位置において弁本体の内側の概ね筒状の面に当接するべくデザインされて
いる。現在まで米国において販売されている機械式二弁膜心臓弁は、一般に、各
弁膜の弧状の縁部の中央先端部が内側の壁面に接触するようにデザインされてお
り、この結果として、直線的弧状縁部と弁本体の直線的内側面との間の接触領域
が、弁膜の中心線と称され得るところ、または近傍に位置される線または短い弧
状の面部分に沿うものである。弁膜の弧状縁部の残りは、間隙の程度が製造上の
許容誤差に依存した状態で、内側壁に並んで存する。というのも、接触が存在す
るのは単一の位置のみであるからである。
【0010】 本発明の構成では、弁本体および弁膜は、弁膜の中心線を側面に置く二つの位
置において接触が存し、且つ、弁膜の中央先端部と弁本体の内側壁面との間に明
瞭な間隙が存するように形状付けられている。この構成の結果として、閉じてい
る弁膜と内壁との間の接触が、中心線位置に隣接する単一点から好ましくは弁膜
の中心線から約30°ないし50°の円弧分、離間されて各々が位置されている
一対の位置にまで移行され、且つ、好ましくは少なくとも約0.002インチの
最小間隙が中心線位置に創成されている。
【0011】 弁膜の中央先端部は、その最終の閉じられた向きに旋回するとき、弧状の縁部
に沿う全ての点の中の最大速度で移動するので、この正確な位置に、かかる最小
間隙を設けることが、閉鎖の瞬間におけるキャビテーションを最小化する。さも
なければ、腐食および/または血栓に潜在的に帰すことになろう。さらに、弁本 体の内壁との接触点を二つの離間された位置に、中央先端部から弧状の縁部に沿
ってさらに外方に実質的な距離だけ移行することによって、接触するときに縁部
に沿うこれら二つの点が移動する接線速度は中央先端部における接線速度よりも
実質的に小さくなる。加えて、弁本体の壁に直交して向けられた弁膜の速度ベク
トル(これはキャビテーションの主原因である)に注目するなら、かかるベクト
ルは弁膜の中央先端部すなわち中間点で最大であり、中間点から遠い接触点に中
間点から離れて動くにつれ、際立って小さくなることが判る。それ故に、中間点
からさらに動くにつれ、接線速度(Vc)が減少されるのみならず、壁に直交す る有効速度もcosineθに等しいファクタ分減ぜられる。ここで、θは中間点から
オフセットされた角度である。総体的に、衝撃の力を二つの位置に分散し、且つ
、衝撃点における接線速度を際立って減少させると共に壁に直交する有効速度を
減少させることの組合せによって、キャビテーションが最小化され、そして、閉
鎖の瞬間において発生されるノイズが実質的に減少される。
【0012】 一つの形態では、本発明は、人工心臓弁であって、概ね円形断面で一対の対向
する平坦側壁部を有する内側壁面を有する管状の弁本体を備え、前記側壁部は互
いに平行であり、且つ、直線的な二つの対向する弧状の筒状部に分離するように
直径方向に対向されており、前記弁本体内で、前記弁本体を通る下流への血流を
可能とすべく開き、それを通る血流を妨げるべく交互に閉じるように旋回軸手段
に取付けられた二つの弁膜であって、互いに平行で前記平坦側壁部に直交する軸
線上で旋回する二つの弁膜を備え、前記弁膜は各々、閉じられた位置で前記他の
弁膜の平坦な縁部と互いに係合する平坦な縁部と、最大の延伸部の中央先端部と
を有し、各端部において平坦な側縁部で終わっている不規則な外形の大きな弧状
の縁部を有し、前記弧状の縁部および前記対の側縁部は、閉じられた位置におい
て、前記弁本体の前記概ね円形断面の内側壁および前記平坦側壁部にそれぞれ対
置して存し、前記弧状の縁部が前記中央先端部において前記内側壁面から離間さ
れており、各弁膜は、前記不規則な弧状の縁部が前記内側の概ね円形断面の直線
的壁面と前記中央先端部から両方向に約20°および約60°の間の円弧距離に
位置された二つの離間された点において当接し各々の弁膜の揺動運動を止めるよ
うに適合されていることを特徴とする人工心臓弁を提供する。
【0013】 他の形態では、本発明は、人工心臓弁であって、概ね円筒形断面で直線的内側
壁面を有する管状の弁本体と、前記弁本体を通る下流への血流を可能とすべく交
互に開き、それを通る血流を妨げるため旋回して閉じるように、前記弁本体内に
取付けられた少なくとも一つの閉鎖体とを備え前記閉鎖体は、閉じられた位置へ
の前記旋回が生ずる軸線から最大限に延長した中央先端部を形成する不規則な輪
郭の大きな弧状の縁部を有し、前記弧状の縁部は、前記閉じられた位置において
、前記弁本体の前記直線的内側壁面に対置して存し、前記弧状の縁部が前記中央
先端部において前記直線的内側壁面から離間されており、前記閉鎖体は、前記弧
状の縁部が前記中央先端部から両方向に約20°および約60°の間の円弧に各
々位置された二つの離間された点において、前記直線的内側壁面に当接し、前記
閉鎖体の揺動運動を止めるように適合されていることを特徴とする人工心臓弁を
提供する。
【0014】 (好ましい実施例の詳細な説明) 図1に示されているものは、本発明の種々の特徴を包含するように構成された
人工心臓弁11である。極めて概括的には、人工心臓弁11は米国特許第5、6
41、324号に説明且つ示されている人工心臓弁と極めて実質的な類似性を有
している。‘324号特許に詳細に説明されているデザインおよび構造を超える
改良は、弁膜の弧状縁部と弁本体の内部の概ね筒状壁表面との補完的形状付けに
見出される。結果として、弁膜の縁部と閉じられた位置における内部壁表面との
接触が二つの点で生じる。その各々は弁膜の中央先端部すなわち中間点から弧状
に離間され、その結果、弁膜の中央先端部には内部壁表面からの少なくとも最少
の空隙が存する。
【0015】 心臓弁11は、概ね環状の弁本体13を含み、弁本体13は一対の旋回閉鎖体
すなわち弁膜15を支持している。弁膜15は、図1および図2に垂直方向下向
きに描かれているような下流方向への血液の滑らかな流動を許容する、もしくは
、血液の全ての実質的な後方への流れすなわち逆流を防止すべく、交互に開閉す
る。弁本体13は、概ね弧状で多くは筒状の内部壁表面17の形態の血液流動通
路を画成している。弁本体13は、その上流端に湾曲入口領域19を有し、それ
は、低い乱れで血栓の発生をほとんど伴わずに、弁を通る流線化された流れ特性
を実質的に増すことが判っている。弁本体の平均軸方向長さの約1/3を超えな い距離、軸方向に延在する湾曲入口領域19の詳細は、弁の作動と共に以降簡単
に論じられる。図6に最もよく見られるように、直径方向に対向された一対の肉
厚壁部21は他の真円の円筒状表面から内方に突出し、向かい合う平行な平坦壁
表面23で終わっている。平坦壁表面23には対のキャビティすなわち凹部25
が形成されており、凹部25は弁膜15の開閉運動を制御する旋回配列の1/2 として機能する。かくて、湾曲入口領域19の下流の内部表面は概ね直線的であ
る。
【0016】 弁本体13は、好ましくは、肉厚壁部21の直ぐ下流の領域に弁本体13の輪
郭内に形成される一対の浅いノッチ27が存するように、波形に仕上げられた下
流輪郭を有している。この形式の二弁膜弁において、これらのノッチ27により
もたらされた側部開口は弁膜15の間の中央通路に整列されている。その結果、
血流の反転時において、後方に流れる血液がこれらの側部開口を通り横向きに弁
本体に入り、血流のサージを中央通路領域に向け、且つ、弁膜の流出表面に加わ
る力を生じさせる。その作用は偏心して取付けられている弁膜がその閉じられた
位置方向に向けて迅速に旋回するのを促進する。この機能は米国特許第5,30
8,361号に詳細に説明されている。
【0017】 朝顔形に広げられた入口部19の下流領域における比較的薄い弁本体13の外
表面は実質的に、一対の隆起された帯29aの間に浅い溝29が形成されている
僅かな肉厚の中央部分を除いて、真円の筒の表面のものである。付加的な金属硬
化リング(不図示)が、弁本体に安定性と剛性とを加えるべく嵌め合わされても よい。弁本体自体は、この分野で周知のように、パイロカーボンまたはパイロカ
ーボン被覆グラファイトのような、一対の弁膜をそれらの作動位置に挿入するの
を可能とすべく変形され得るに充分な弾性を有する適切な材料から好ましくは作
成される。もしも、パイロカーボンが充分な剛性を有しているなら、かかる硬化
リングは不用である。かかる金属リングは、この分野で広く知られているように
、適当なデザインの縫製リングを支持するのを補助するためにも用いられ得る。
用いられ得る縫製ないしは縫合リングの詳細な例は、米国特許第4,535,4
83号および第5,178,633号に詳細に説明されている。
【0018】 肉厚の外部帯29aは、朝顔形に広げられた入口部19から離間されて弁本体
の下流筒状部に戦略的に配置されている。弧状断面部であり、外表面で最も細い
直径を構成している溝29は、凹部25に形成されている支点の完全に下流とな
るように配置されている。この配列は、縫合リングが、残りの組織環帯が弁本体
の真円の筒状外表面の一部に接触するであろう位置に、収容されることを可能に
する。
【0019】 弁膜15は好ましくは形状および寸法において同一である。各弁膜は、二つの
直線的、好ましくは、平坦な表面、すなわち、流入表面31および流出表面33
を有し、且つ、各弁膜は、好ましくは、表面31および33が互いに平行である
ようにほぼ一定の厚みのものである。流入表面31は、弁膜が閉じられた位置(
図2を見よ)の状態で、上流に面している表面として恣意的に定義される。一方
、流出表面33は下流に面する。弁膜15は好ましくは平坦であるが、円または
楕円断面の中空筒の部分のような他の形態も、米国特許第5,246,453号
に詳細に論じられているように、代わりに用いられ得る。
【0020】 各弁膜15は、開いた位置において弁膜の下流縁部に位置される大きな弧状縁
面35を有し、且つ、各々は開いた位置において弁膜の反対の上流縁部に位置さ
れる小さい直線的な係合縁面37を有している。弧状縁面35は、好ましくは、
後で詳しく説明されるように、閉じられた位置において二つの離れた位置で弁本
体の筒状側壁内部表面17に当接するように、不規則な輪郭を有している。小さ
な縁面37は、好ましくは、平坦で、且つ、図2に最もよく見られるように、閉
じられた位置において、対向する弁膜の対応する係合縁面37に対してぴったり
と合うように流入表面に対し角度をもって形成されている。結果として、小さな
縁面37は流入表面31に対しある角度に向けられ、それは、流出表面33が閉
じられた位置で中心線面と共に形成する下流角とほぼ等しく、好ましくは約45
°と約70°との間の角度である。中心線面は、通路の中心線を含み、図示の実
施例においては、弁膜の旋回軸に平行な平面として定義され、弁本体通路の平坦
壁表面23に対し直交する。図2においてαで記されている問題の角度は、各弁
膜15が完全に開いた位置から完全に閉じた位置まで動くときに経るであろう角
回転の程度を定める。大きな角度に対して、小さな角度とするのが有利であるか
もしれない。何故なら、弁膜は完全に閉じた位置に到達するのに、大きな角度距
離回転する必要がないからである。しかしながら、角度が小さくなればなるほど
、閉鎖の瞬間に弁本体の壁に直交する方向に向けられる力のベクトルは大きくな
る。図2に示されるように、この角度αは好ましい実施例では約50°である。
流入表面31が弁本体の壁と共に閉じた位置で形成する角度はβと記され、β=
αであり、また図示の実施例では約50°である。
【0021】 図3に最もよく見られるように、弁膜15の各々は、小さい係合縁面37と大
きい弧状縁面35との間に位置された中間の一対の直線的縁部領域39を有し、
ここにおいて、一対の横方向に延出する耳すなわちタブ41が配置されている。
図4から分かるように、耳41は、それらが横方向に延出している平坦な弁膜と
同じ厚さである。耳41は、それらの開き方向で見たとき、上流から下流方向に
延ばされている。図3および5は、耳41が、流入表面31から弁膜をみたとき
、概ね浅い湾曲の直線的面である横縁面を有していることを示している。より詳
しくは、図3に最もよく見られるように、それらの各々は、浅く丸み付けられた
上流側の縁面43および概ね同様な下流側の縁面45を有している。上流側の縁
面43は、より長く、耳の概ね側方に延出しており、そして、下流側の面45に
会い滑らかに連なっている。直線的な上流側縁面43の大部分は弁膜15の平坦
な流入および流出表面に直角であり、その平坦な表面が単に耳の領域を通って延
出している。この結果、耳は、弁膜本体の流入および流出表面31,33と同一
面の流入および流出表面を有している。短い弧状の繋ぎ縁部47が、大きな弧状
縁面35と平坦部39との間に介在されている。
【0022】 前に述べたように、弁本体13にはキャビティ25が配置されている領域に肉
厚の壁部21が形成され、好ましくは、これらの肉厚の壁部には、繋ぎ面、すな
わち、上流繋ぎ面49および下流繋ぎ面51が形成されている。上流繋ぎ面49
および下流繋ぎ面51は、弁本体の円状の入口領域および円状の出口領域からキ
ャビティ25が配置されている平坦な壁面23にまで滑らかに導く。面49のよ
うな面は半径方向後退面とも称される。結果として、弁本体を通る流れ通路は、
平坦な壁面23へ内方へ延出している二つの肉厚部21を除き概ね断面円形であ
る。以前に示されたように、平坦な面23に直交して向けられている、概ね円形
の通路の中心軸を含む平面は中心線面と称され、時々基準を示す目的で用いられ
る。
【0023】 配列は、各肉厚部が、互いに鏡像関係にあり、この中心線面の両側に位置され
ている二つの並列キャビティを含むようにされている。キャビティ25は、各々
、中央平坦後部54を有するが、しかし、キャビティ25の深さは、耳の湾曲し
た上流側縁面43の頂部がキャビティの後壁54に全く触れない、例えば、約1
-4ミル(0.025-0.102mm)の隙間があるようにされている。肉厚領
域の平坦壁面23は、弁膜がその開および閉位置の間を動くときはいつも、弁膜
の直線的縁面39の一方または他方が、普通、のしかかる主軸受け面として作用
する。キャビティは、支点65で別々にされた上流ローブ57および下流ローブ
59を有している。耳の浅い湾曲縁面43とキャビティの後壁との間の隙間は、
図2に示される弁の完全な閉鎖の瞬間の際、弁膜の耳を過ぎキャビティを通る血
流の制御された清浄な噴出を促進するためのものである。この配列は、旋回軸領
域における凝固の発生の可能性に対し保護する。耳41とキャビティとの正しい
関係は、この清浄な漏洩が溶血を生じさせるかもしれない高速の噴流ではなく、
代わりに、血栓を誘起することのない長くて狭い漏洩経路を通る制御された流れ
となるようにされている。
【0024】 弁の旋回機構は本発明の部分を形成せず、前述の‘324号特許に詳細に説明
されている。極めて概括的に、弁本体の平坦側壁部23におけるキャビティ25
は、弁膜の平坦な側縁面39から延出しているタブすなわち耳41を受入れ、そ
れらの、並進および旋回的である開および閉運動において弁膜を案内する。しか
しながら、凹部の構造および形状は、弁膜が完全に閉じられた位置に揺動すると
きほぼ回転運動のみが生ずるようにされている。
【0025】 弁膜15は、弁本体を、直径方向に対向する位置において、例えば、中心軸面
に直交する直径に沿って圧搾することにより、弁本体13に装着される。かかる
心臓弁本体13の変形は、米国特許第5,336,259号の教示に従って行う
ことができる。圧搾すると、直径方向に対向する平坦壁部23を互いからさらに
離間させ、耳41がキャビティ25内に受入れられた状態で、弁膜が弁本体に嵌
め合わされるのを可能にする。圧搾力が除去されると、弁本体13はその元の環
状形態に戻り、弁本体の平坦壁面23と弁膜の直線的側縁面39との間に所望の
最少隙間を残す。この位置では、弁膜は、開および閉位置の間の移動のために摺
動および旋回可能に取付けられている。もしも、用いられるのであれば、金属安
定リングが、弁膜の装着に続き、外側の周溝29内に、スナップ嵌めまたは焼き
嵌めによって適切に装着されてもよい。しかしながら、かかる金属安定リングは
弁膜の装着前に装着するのが好ましいかもしれない。パイロカーボンは弁本体構
造の好ましい材料であり、かかる金属リングによってパイロカーボン構成に加え
られる包括的な力が、パイロカーボンの弁本体の構造的性能を改善する。かかる
金属リングは、圧搾力の除去に続いて、その完全な環形状へ戻るに十分な弾性を
有すべく選ばれ得る。
【0026】 心臓弁が患者に作動的に装着されたとき、二つの弁膜は、開位置において、弁
本体の下流方向への血液の速い流れに関して釣合い位置を取る。それは、それら
が中心軸面にほぼ平行であり、かくて、血液の下流への流れに対し極めて小さい
障害をもたらしている向きであり得る。比較的長い軸方向長さの弁本体において
特異な曲率半径を有する円環体の表面の本質的に一区分である、弁本体の入口部
分との組合せによるこの特徴が、滑らかな乱れのない流れの達成と、血行停止の
欠如とに帰結する。弁11全体は、所与の径の通路のために、圧力低下が極めて
小さい。
【0027】 弁を通る上流への血液の逆流が始まったとき、弁膜15は、耳41が凹部の上
側ローブ57内を上方へ移動して、上流へ並進する。これは、弁膜の閉じ位置に
向けての旋回を起こさせるカム係合を直ちに生じさせる。弁膜の旋回が進むにつ
れ、逆流している血流の各弁膜の流出表面33に対する力が大きくなり、弁膜を
より大きな速度で揺動させ始める。前に述べたように、最終の運動は本質的に回
転のみであり、完全に閉じられた位置は、二つの弁膜の直線的係合縁部37が合
致し且つ弁膜の弧状の縁面35が弁本体の筒状の内側壁面17に当接するときに
達成される。
【0028】 製造上の許容誤差の故に、約110°から120°の円弧に達するかもしれな
い弧の長さの全体に亘る完全な接触を得るべく試みるために、直線的表面である
、弁膜の弧状の縁面35の曲率および形状を弁本体の概ね円形の筒状の内側壁面
17に完全に合致させるべく試みることさえ、簡単には、実現できないというこ
とが理解されるべきである。標準の製造上の許容誤差に配慮する必要性および結
合の危険性を避ける必要性が、商業的な心臓弁において精確な合致を創成しよう
とする試みに対し、単純に不利に作用するということが理解されるべきである。
今までは、弁膜の直線的な弧状の縁部が弁本体の内側の概ね筒状の面に着座する
、この一般型式の二弁膜心臓弁が製造された。結果、接触は弁膜の中央先端部す
なわち中間点の近傍の単一位置において生じていた。製造上の許容誤差の結果と
して、かかる商業的な心臓弁は、弁膜の中心線の数度内の単一位置で弁膜が内壁
に当接するようにデザインされ、且つ、かかる弁膜は、両側縁部に沿う領域を含
む弁膜の残りの周辺のためのある所定の最大寸法よりも小さな間隙が存するよう
に寸法付けられている。本発明は、この伝統的な弁デザインから離れ、弁膜のま
さしく中央先端部において少なくとも最小の間隙が存する構造を創成している。
【0029】 弁本体の内面は、概ね円形の筒状構造であるとして説明されたが、概ね円形と
は、断面形状が楕円形、卵形または双曲線形でもあり得ることを意味している。
しかしながら、内面17の、二つの平坦側壁部23を側面に置く二つの弧状部分
は、好ましくは、円形断面を有する。これらの壁部は好ましくは規則的な円形断
面で、弁膜の各々の弧状の縁部35に不規則部が形成されているけれども、弁本
体13が側壁の所望の位置に形成された一対の浅い畝を有するように機械加工さ
れることにより、同じ結果が達成されるべく、部品を逆にして用いてもよい。し
かしながら、これら二つの弧状領域において内壁17のための全体的に円形の断
面から変形させることは、弁本体の通路の断面積の減少に帰し、且つ、開位置に
おいて弁を通る高速流は極めて重要な特徴であるべきと考慮されるので、真の円
形断面が内壁面のためには好ましい。
【0030】 弁膜の弧状縁面35は、勿論、内壁面の個別の概ね円形の筒形状と相補的であ
る形状を備えて形成されており、縁部は閉位置において内面に対置して存し、且
つ、接触していない、弧状縁部の大きな長さに沿って制御された間隙がもたらさ
れている。弁膜15の閉じられた位置における姿勢すなわち向きは、閉鎖接触の
時点での力のベクトルを決定し、そして、これらのベクトルは、閉鎖の瞬間に生
じ得るキャビテーションおよびノイズに実質的に影響する。前に示したように、
弁本体の中心線と完全に閉じられた位置における弁膜の流出表面33との間の角
度は、下流角と称され、参照記号(α)で図2に記されている。二弁膜弁の大部
分では、この角度αは約45°および70°の間である。図示の実施例では、こ
の角度は約50°で、そして、この角度が約55°以下のときはいつも、閉鎖の
瞬間におけるキャビテーションおよびノイズに対する可能性が考慮されるべきこ
とが特に重要である。弁膜の中央先端部すなわち中間点またはその近傍において
接触を生じさせるよりもむしろ、二つの離間された接触の位置を創成することに
より、キャビテーションが最少化されると共に、閉鎖の瞬間に生じる如何なるノ
イズも大幅に減衰されるということが判っている。
【0031】 前に述べたように、各弁膜から側方に延出している耳41は、旋回が生じる軸
線(図6にPAと記されている)を概ね定めており、そして、弁膜の弧状縁部に おいてこの軸線から最も遠くに存する点が、中間点ないしは中央先端部71と称
される。先端部71から旋回軸線に直交して延びる線が弁膜の中心線とみなされ
、図5に記号CLで記されている。この図から分かるように、弁膜15はこの中
心線につき対称である。弁膜15の弧状の縁部は、二つの位置における不規則性
を除き円形であり、この円形の弧状縁部の曲率は、弁本体の内壁17の曲率より
も僅かだけ小さい。
【0032】 中心線を側面に置くように中心線の両側に戦略的に置かれている一対の離間さ
れた膨らみないしは突部73が不規則性を構成している。突部73は、残りの弧
状の円形縁部から半径方向外方に延出している表面的なバンプを構成し、かくて
、概ね半円の弁膜の中心からさらに半径方向に位置されている。一般に、これら
の突部73の高さは、(誇張された図7において恐らく最も良く分かるように)
約0.025mmと0.127mmとの間である。突部73の位置は、弁膜の中
心線を側面に置くように配列され、結果、各々が約20°から60°それから離
間されている。好ましくは、これらの突部73の空隙は、弁膜の縁部と弁本体の
内壁面17との間の接触点が中心線から約30°および約55°の間の位置に存
し、結果、弧状の縁部と弁本体の内壁との間で中心線の各側に少なくとも約30
°の円弧、すなわち、この位置において少なくとも合計60°に亘り接触が存し
ない。最も好ましくは、突部は凡そ図5および6に示されるように位置され、接
触点は各々約45°中心線から離間されている。
【0033】 前に示したように、弁膜の弧状の縁部35は、弁本体の内壁面17と同じよう
に直線的である。従って、弁膜の縁部は、通常、上流/下流方向に延在する接触 線に沿って内壁面に当接する。しかしながら、短い弧状部分、すなわち、約5°
から約10°の円弧部分に沿う接触があり得る。好ましくは、接触線ないしは短
い接触円弧は、中央先端部71から約40°および約50°の間の円弧の領域内
に位置されよう。
【0034】 突部の位置および高さは、弁本体の内壁と中央先端部71との間、すなわち、
弁膜の中心線において少なくとも最小の間隙(図8を見よ)が存するようにされ
なければならないことが考慮される。この間隙は、約0.025mmおよび約0
.127mmの間、好ましくは、少なくとも約0.051mm、より好ましくは
、約0.076mmである。この間隙は、好ましくは、中央先端部から弧状の縁
部に沿って接触が生じている突部73に向かっていずれかの方向に動くにつれ次
第に小さくなる。一般に、間隙は約0.013mmおよび約0.102mmの間
であろう。同様に、間隙は、突部73から弧状の縁部の、平坦な側面における端
部に向かうにつれ広がる。ここでは、間隙は、好ましくは、約0.025mmお
よび約0.102mmの間、より好ましくは、少なくとも約0.051mmであ
る。
【0035】 側方に延出している耳41によって定められた旋回軸線PA回りに旋回しつつ
、弁膜がその完全に開いた位置からその閉じられた位置に移動するとき、弁膜の
接線方向速度は、旋回軸線から最遠の周上の点(この距離は図6にl2で表され ている)において最大であり、中央先端部71から両方向に離れる位置において
次第に小さくなる。接触点における距離はl1で記されている。速度は、当然に 、l1/l2に等しいファクタ分小さい。これは、キャビテーションが生ずるか否 かという観点からの影響を有する一ファクタである。最大の影響は、接触が先端
部71で生ずるときに現れる。二つの離間された接触点を創成したことにより、
先端部71において少なくとも最小の間隙の設置を促進している。この間隙は、
最大に危険な点でのキャビテーションの発生の可能性を克服する。キャビテーシ
ョンは腐食および/または溶血に帰結し得、すなわち、閉鎖の瞬間あたりに局部 的な蒸発が発生し得、これは直ぐに局部的に高い圧力低下を伴い、かかる微細な
蒸気泡の内破(急激な内方への破裂)を生じさせる。これは、弁膜または弁本体 の亀裂による損傷に導くパイロカーボンの腐食、または近傍における赤血球の破
裂に帰する。
【0036】 キャビテーションは、急激に狭まっている二つの面の間での液体、すなわち、
血液の圧搾に起因する。このような場合では、弁本体の内壁に直行する力のベク
トルが、かかる圧搾が起こる程度における重要な考慮事項となる。弁膜の接触が
生ずる点における最終の速度に加えて考慮すべき二つのファクタが存し、一つは
、閉じ位置における弁膜の壁に対する向き、すなわち、図2における角度βであ
り、他は、縁部に弧状に沿う配置である。これらの二つファクタは、接触が生ず
る姿勢、かくて、内壁に直交する力ないしは速度のベクトルを決定する成分であ
る。向きによる成分は、速度のcosineβ倍に等しく、弧状の配置による他の成分
は、cosine45°に等しいさらなる低減値となる(図6を見よ)。弁11の先端
部71における力のベクトルと比較して、cosine50°の低減値が相殺され、そ
して、相対的な差は、(先端におけるよりも)点73において、cosine45°・ l1/l2に等しいファクタ分小さい。これは、キャビテーションと闘うのに真に 重要である。このように、かかる二弁膜弁において二つの弁膜の各々が、弁本体
の内壁に、少なくとも約40度、好ましくは少なくとも60度、最も好ましくは
90度離間された点において接触するという新規な配列は、極めて静かな弁作動
をもたらすのみならず、キャビテーションの可能性を避けている。
【0037】 発明が、発明を実施するのに現在発明者に知られている最良の形態を構成する
好ましい実施例に関して説明されたが、当業者に自明である種々の変更および修
正が、添付の請求の範囲に定義されている発明の趣旨から逸脱することなくなさ
れ得ることが理解されるべきである。より詳しくは、弁本体および弁膜は、好ま
しくは、パイロカーボン被覆グラファイト構造で作られるが、全体的にパイロカ
ーボンで作られるか、または、他の適当な生体適合材料から作られてもよい。弁
本体の弧状の内壁は好ましくは弁膜の開位置において弁を通る流れ通路を最大化
するように真円断面であるけれども、浅い畝の形態の突部が弁膜の通常の縁部に
係合する壁の所望の位置に設けられてもよい。しかしながら、かかる代替の配列
は、係合が、概ね、弁膜の直線的な縁部と弁本体の壁との間の線接触として生ず
るようになされるべきである。平坦な弁膜が示されているが、弁膜は、もし望む
なら、概ね、前述の米国特許の種々に示されているように、単純または複雑な曲
がりを有してもよい。
【0038】 本発明は、世界中で現在選択される弁である限りにおいてその主な価値を有す
ることが考慮されて、二弁膜弁の形態で示されたが、Klawitterへの‘
937特許およびBokros他への‘111特許に示されているもののような
規定された旋回軸線を有する単一閉鎖弁または米国特許第5,628,791号
(1997年5月13日)に示されたもののような三弁膜弁にも組込まれ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 米国特許第5、641、324号に示されているものと類似の二弁膜の斜視図
であり、弁膜が開いた位置に示されている。
【図2】 図1の2-2線に概ね沿う断面図であり、弁膜が立面で閉じた位置に示されて いる。
【図3】 図1に示された弁の弁膜の斜視図である。
【図4】 図3の弁膜の縮尺された側面図である。
【図5】 図3の弁膜の縮尺された平面図である。
【図6】 図1の心臓弁を見下ろした平面図であり、弁膜が閉じた位置にある。
【図7】 図6の一部の断片図であり、大きく拡大されている。
【図8】 図2の一部の断片図であり、大きく拡大されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 モア ロバート ビー. アメリカ合衆国 78723 テキサス州 オ ースティン ランニング ブルック ドラ イブ 1811 Fターム(参考) 4C097 AA27 BB01 CC01 SB05 SB09

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工心臓弁であって、 概ね円形断面で一対の対向する平坦側壁部を有する内側壁面を有する管状の弁
    本体を備え、 前記側壁部は互いに平行であり、且つ、滑らかで直線的な二つの対向する弧状
    の筒状部に分離するように直径方向に対向されており、 前記弁本体内で、前記弁本体を通る下流への血流を可能とすべく開き、それを
    通る血流を妨げるべく交互に閉じるように旋回軸手段に取付けられた二つの弁膜
    であって、互いに平行で前記平坦側壁部に直交する軸線上で旋回する二つの弁膜
    を備え、 前記弁膜は各々、閉じられた位置で前記他の弁膜の平坦な縁部と互いに係合す
    る平坦な縁部と、最大の延伸部の中央先端部が形成され、各端部において平坦な
    側縁部で終わっている大きな弧状の縁部を有し、前記弧状の縁部および前記対の
    側縁部は、閉じられた位置において、前記弁本体の前記概ね円形断面の内側壁お
    よび前記平坦側壁部にそれぞれ対置して存し、 前記各弁膜の前記弧状の縁部および前記内側の概ね円形断面で直線的な壁面は
    、(a)前記弧状の縁部が前記中央先端部において前記内側壁面から離間されて
    おり、且つ(b)前記弧状の縁部と前記直線的内側壁面との間で、前記中央先端
    部から両方向に約20°および60°の間の円弧距離に位置された二つの離間さ
    れた点において接触する人工心臓弁。
  2. 【請求項2】 前記弧状の縁部は、ほぼ直線的な表面を有し、閉じられた位
    置において、前記平坦側壁部および前記直線的で弧状の内側壁面にほぼ平行な線
    で構成されている請求項1の人工心臓弁。
  3. 【請求項3】 前記弁の弁膜は、平坦な流入及び流出表面を有している請求
    項1または2の人工心臓弁。
  4. 【請求項4】 前記弁本体の中心線と、閉じられた位置における前記弁膜の
    前記平坦流出表面との間の下流方向における角度が、約45°および約70°の
    間である請求項3の人工心臓弁。
  5. 【請求項5】 弁本体の中心線と、閉じられた位置における前記弁膜の前記
    平坦流出表面との間の下流方向における角度が、約55°以下である請求項3の
    人工心臓弁。
  6. 【請求項6】 各弁膜の前記弧状の縁部は、概ね半円の周から半径方向外方
    に延出する二つの突起を有する輪郭において不規則である請求項1ないし5のい
    ずれかの人工心臓弁。
  7. 【請求項7】 前記弁本体の内側壁面は、円あるいは楕円断面の滑らかで直
    線的な筒状の面の二つの部分を含み、該部分は前記対向する平坦側壁部によって
    分離されている請求項6の人工心臓弁。
  8. 【請求項8】 前記弁膜の前記弧状の縁部の中央先端部は、前記弁本体の前
    記滑らかな直線的な内側の面から約0.025mmおよび約0.127mmの間
    に離間されている請求項1ないし7のいずれかの人工心臓弁。
  9. 【請求項9】 前記弁膜の前記弧状の縁部の中央先端部は、前記弁本体の前
    記滑らかな直線的な内側の面から少なくとも約0.051mm離間されている請
    求項1ないし7のいずれかの人工心臓弁。
  10. 【請求項10】 各弁膜の前記弧状の縁部と前記弁本体の直線的内側の面と
    の間には、前記中央先端部の各側において、少なくとも約30°の円弧に亘り接
    触がない請求項1ないし9のいずれかの人工心臓弁。
  11. 【請求項11】 前記接触点は、前記中央先端部から約30°から約55°
    の間の位置にある請求項1ないし10のいずれかの人工心臓弁。
  12. 【請求項12】 前記弧状の縁部の残余と前記滑らかで直線的内側壁面との
    間には、閉じられた位置において、0.013mmから約0.102mmの間隙
    が存する請求項11の人工心臓弁。
  13. 【請求項13】 前記二つの対向する直線的内側壁面は、円形断面の筒の部
    分であり、前記弁膜の弧状の縁部は、前記弧状の縁部の残余から各々が半径方向
    外方に突出している二つの位置を有するその周辺付近で形状が不規則である請求
    項12の人工心臓弁。
  14. 【請求項14】 前記弧状の縁部と前記弁本体の滑らかで直線的な内側の面
    との間の前記二つの接触点は、前記中央先端部から約40°から50°の円弧間
    の点を各々含む位置において、約5°以下の円弧の短い部分から構成されている
    請求項1ないし13のいずれかの人工心臓弁。
  15. 【請求項15】 前記旋回軸手段は、各弁膜の両縁部から側方向へ延出する
    手段、および、前記側方向に延出する手段を受入れる、前記弁本体の前記平坦側
    壁部内の凹部を含む請求項1ないし14のいずれかの人工心臓弁。
  16. 【請求項16】 人工心臓弁であって、 概ね円筒形断面で滑らかな直線的内側壁面を有する管状の弁本体と、 前記弁本体を通る下流への血流を可能とすべく交互に開き、それを通る血流を
    妨げるために旋回して閉じるように、前記弁本体内に取付けられた少なくとも一
    つの閉鎖体とを備え、 前記閉鎖体は、前記閉じられた位置への前記旋回が生ずる軸線から最大限に延
    長した中央先端部を形成する大きな弧状の縁部を有し、前記弧状の縁部は、前記
    閉じられた位置において、前記弁本体の前記滑らかな直線的内側壁面に対置して
    存し、 前記閉鎖体の前記弧状の縁部および前記内側の概ね円筒壁面は、(a)前記弧
    状の縁部が前記中央先端部において前記直線的内側壁面から離間されており、且
    つ(b)前記弧状の縁部と前記直線的内側壁面との間では、前記中央先端部から
    両方向に約20°および約60°の間の円弧に各々位置された二つの離間点にお
    いて接触が存在するように形状付けられている人工心臓弁。
  17. 【請求項17】 前記弧状の縁部は、ほぼ直線的な表面を有し、閉じられた
    位置において、前記直線的で筒状の壁面にほぼ平行な線で構成されている請求項
    16の人工心臓弁。
  18. 【請求項18】 前記弧状の縁部と対置される前記直線的な内側壁面の部分
    は、円または楕円断面の筒の面の部分であり、且つ、前記閉鎖体の弧状の縁部は
    、少なくとも約60°の円弧分離間されている二つの半径方向突部を除いて前記
    断面に合致する外周形状を有する請求項17の人工心臓弁。
  19. 【請求項19】 前記閉鎖体の前記弧状の縁部の前記中央先端部は、前記弁
    本体の前記直線的内側壁面から少なくとも約0.051mm離間され、且つ、前
    記弧状の縁部と前記直線的内側壁面との間の二つの離間された接触点は、前記中
    央先端部から約40°から約50°の円弧に位置された点を含む位置において、
    約5°以下の円弧の短い部分を備えている請求項16の人工心臓弁。
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