JP2002500866A - 表面膜決定子による成熟精子の選択 - Google Patents

表面膜決定子による成熟精子の選択

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JP2002500866A
JP2002500866A JP2000528153A JP2000528153A JP2002500866A JP 2002500866 A JP2002500866 A JP 2002500866A JP 2000528153 A JP2000528153 A JP 2000528153A JP 2000528153 A JP2000528153 A JP 2000528153A JP 2002500866 A JP2002500866 A JP 2002500866A
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mature
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mature sperm
suspension
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JP2000528153A
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ハスザー,ガバー・ビー
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Abstract

(57)【要約】 例えば細胞質内精子注入のような介助生殖方法のための成熟精子を選択するための方法及び系は、成熟精子に特異的な結合基質を表面に塗布する工程と;精子懸濁液を該表面に供給する工程と;該表面上で該精子懸濁液と該成熟精子結合基質とを接触させる工程とを含む。次に、この方法は精子懸濁液からの成熟精子を成熟精子結合基質にその周縁において結合させる工程と;結合した精子を成熟精子結合基質の周縁から取り出す工程とを含む。好ましくは、成熟精子結合基質は流体であり、ヒアルロン酸若しくはその塩、多糖、グリコサミノグリカン、透明帯成分、卵膜のタンパク質帯、又は雌生殖管の精子結合要素又は透明帯の構造的若しくは機能的同族体若しくは類似体を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、介助生殖(assisted reproduction)及び細胞質内精子注入(ICS I)のために精子集団から成熟精子を選択し、成熟精子カウントを測定するため
の方法と系に関し、特に、成熟度の劣った精子ではなく、成熟精子が選択的に結
合する、表面に塗布される成熟精子結合基質の使用に関する。この成熟精子結合
基質は、生殖能力のある又は生殖能力のない男性が精子成熟欠損症を有するかど
うかを判定するための実験室試験材料としても役に立つ。
【0002】 背景技術 現在用いられている介助生殖方法は、子宮内精子精液注入と、精子による卵の
in vitro受精(IVF)と、卵母細胞中へのICSI及び精子細胞又は
他の未成熟生殖細胞の注入とを包含する。子宮内精液注入と慣用的なIVFの場
合には、受精は精子と卵母細胞との生理的及び特異的相互作用に基づく選択プロ
セスに依存するので、精子選択プロセスの補助は必要ない。しかし、射精された
精子、副睾丸精子又は睾丸精子によるICSIを必要とする重度な雄の生殖不能
では、オペレーターは、精子の成熟度に関係なく、受精用雄生殖体を任意に選択
して、導入する。
【0003】 ICSIプロセスでは、オペレーターは精子を卵母細胞中に注入し、それによ
って、成熟精子による慣用的な受精における下記工程:精子の精子−透明帯結合
先体反応、透明帯中への精子浸透、精子と卵細胞膜との融合、卵母細胞の活性化
及び胚の形成から成る精子−透明帯相互作用の工程を省略する(override)。透明
帯結合部位の発生は精子成熟プロセスの一部であるので、未成熟精子は透明帯に
結合しない。現在のICSI処置では、オペレーターは成熟又は未成熟精子の両
方を選択することができる。欠陥ある遺伝的物質の高い発生率を有し、ICSI
前には受精プールの一部では決してなかった未成熟精子がICSIプロセスに由
来する妊娠の少なくとも一部を惹起することは疑いない。
【0004】 現在では、ヒトにおける先天的奇形と性染色体異常との公開発生率(overt rat
e)は標準発生率の約2倍であるが、ICSI出生児(offspring)ではそれでもま だ非常に低い。しかし、これらの小児の最年長児はニ三歳に過ぎないので、かれ
らの個々の発達、成長、性的成熟、生殖可能性、癌発生率、寿命及びかれらの子
供における先天的奇形の発生率が影響されるかどうかはまだ知られていない。重
要な目的は、正常な生殖能力のある男性において優勢である精子と同様な成熟精
子を、射精された精液、副睾丸又は睾丸のいずれに由来するかに関係なく、IC
SIのために選択することができる方法を開発することである。このような精子
選択プロセスは不利な胎児出生(fetal outcome)のリスクを、精子−卵母細胞相 互作用に基づく慣用的な方法によって生殖するカップルのレベルと同様なレベル
に維持すると考えられる。成熟精子に特異的な選択方法も、雄の生殖力を試験し
、利用可能な介助生殖方法の必要性を判定し、最適な選択を決定するために、生
殖能力のないカップルの夫における成熟精子の割合の測定を容易にすると考えら
れる。
【0005】 それ故、先行技術の問題と欠陥とに留意すると、未成熟精子から成熟精子を識
別し、選択する方法及び系を提供することが、本発明の目的である。 自動力(motility)が生育性を実証し、自動力のない但し生育性の成
熟精子を選択することもできる、成熟精子を選択するための方法及び系を提供す
ることが、本発明の他の目的である。無生育性精子は、卵母細胞活性化因子(単
数又は複数)と遺伝的物質との結合性(integrity)が低下するので、ICSIの ために望ましくない。
【0006】 本発明の他の目的は、介助生殖方法、特にICSI方法に用いることができる
成熟精子を選択するための方法及び系を提供することである。 可能な生殖低下又は生殖不能に関して検査される一般的な精子集団男性におけ
る成熟精子カウントを測定するための試験方法及び系を提供することが、本発明
のさらに他の目的である。
【0007】 本発明のさらに他の目的及び利益の一部は自明であり、一部は明細書から明ら
かになるであろう。 発明の開示 当業者に明らかである上記その他の目的は本発明によって達成され、本発明は
第1態様において成熟精子に特異的な結合基質を表面に供給する工程と;精子懸
濁液を該表面に供給する工程と;該表面上で該精子懸濁液と該成熟精子結合基質
とを接触させる工程とを含む、成熟精子の選択方法に関する。したがって、この
方法は精子懸濁液からの成熟精子を成熟精子結合基質にその周縁において結合さ
せ;結合した精子を該成熟精子結合基質から取り出すことを含む。
【0008】 関連した態様では、本発明は、精子懸濁液と成熟精子に特異的な結合基質とを
接触させる工程と;該精子懸濁液からの成熟精子を該成熟精子結合基質にその周
縁において結合させる工程と;該成熟精子結合基質に結合した成熟精子を固定す
る工程と;結合した精子を該成熟精子結合基質の周縁から取り出す工程とを含む
、成熟精子の選択方法を提供する。
【0009】 好ましくは、成熟精子結合基質は流体であり、ヒアルロン酸若しくはその塩、
多糖、グリコサミノグリカン、透明帯成分、卵膜のタンパク質帯(zona protein)
2、又は雌生殖管若しくは透明帯の精子結合要素の構造的若しくは機能的同族体
若しくは類似体、プロテオグリカン、又は成熟精子のタンパク質受容体に対する
抗体を含む。
【0010】 成熟精子結合基質はより好ましくは、ヒアルロン酸若しくはその塩、多糖、グ
リコサミノグリカン、透明帯成分、若しくは卵母細胞に由来する精子結合タンパ
ク質、プロテオグリカン、又は成熟精子のタンパク質受容体に対する抗体を含む
【0011】 成熟精子結合基質は未成熟精子には非特異的である。好ましい実施態様では、
自動力のある成熟精子と自動力のない成熟精子の両方が成熟精子結合基質に結合
するように、精子懸濁液と成熟精子結合基質とを、可視化系の光エネルギーの波
長に対して透過性の構造体の表面上、例えばガラススライドの表面上に供給して
、接触させる。この方法は、透明構造体と該表面上の成熟精子結合基質とに光を
通過させることによって、該成熟精子結合基質に結合した成熟精子を観察する工
程をさらに含むことができる。成熟精子は成熟精子結合基質からマイクロピペッ
トによって取り出すことができる。
【0012】 この方法は、表面上で精子懸濁液を成熟精子結合基質に対して撹拌し、該成熟
精子結合基質に結合した成熟精子の一部を該成熟精子結合基質から解離させるた
めに予め定められた時間待つ工程をさらに含むことができる。この方法はまた、
マイクロピペットを用いて、成熟精子の尾部を破砕する又は少なくとも部分的に
除去することによって、成熟精子結合基質に結合した成熟精子を固定する工程を
含むことができる。この方法はまた、結合基質に結合した精子の相対的な尾部運
動と活性を測定する工程と、取り出すために、大きい尾部運動と活性を有する結
合精子を選択する工程も任意に含む。
【0013】 この方法はさらに、成熟精子結合基質から取り出した成熟精子を洗浄して;洗
浄した精子を卵中に注入して、該卵を受精させようと試みることも含むことがで
きる。精子はヒト精子又は、動物園に存在する野生動物の精子及び絶滅の危険に
さらされた種の精子を含めた、非ヒト哺乳動物の精子を含むことができる。
【0014】 他の態様では、本発明は、成熟精子の選択系であって、その一部上に塗布され
た成熟精子結合基質を有する表面であって、前記成熟精子結合基質に接触させ、
成熟精子を前記成熟精子結合基質に選択的に結合させるために精子懸濁液を受容
するのに適した前記表面と;前記成熟精子受容体流体に結合した精子を取り出す
ための手段とを含む前記系を提供する。
【0015】 本発明はまた、成熟精子の選択系であって、成熟精子結合基質のコーティング
を受容するための手段であって、前記成熟精子結合基質に接触させ、成熟精子を
前記成熟精子結合基質に選択的に結合させるために精子懸濁液を受容するのに適
した前記手段と;前記成熟精子受容体流体に結合した前記精子を取り出すための
手段とを有する前記系にも関する。
【0016】 好ましくは、取り出し手段はマイクロピペットを含む。この系はさらに、取り
出した成熟精子を卵母細胞中に注入するためのマイクロピペットを含むことがで
き、成熟精子を取り出すためのマイクロピペットは取り出した成熟精子を注入す
るためのマイクロピペットよりも大きい直径を有する。
【0017】 受容手段は、上部で精子懸濁液と成熟精子結合基質とが接触する、例えばガラ
ススライドのような透明構造体を含むことができる。ガラススライドはその中に
、精子懸濁液と成熟精子結合基質とを受容するためのくぼみを有することができ
る。
【0018】 系の受容手段は、上部に少なくとも部分的に成熟精子結合基質が塗布される、
直立状又はラセン状である突起を含むこともできる。この突起は砕けやすく、被
覆された突起の少なくとも一部を残部構造から折り取って、成熟精子を取り出す
ように処理することができる。受容手段は多重の結合成熟精子の観察を容易にす
るために三次元構造体を含むこともできる。
【0019】 受容手段はさらに、内面に塗布された成熟精子結合基質を有する容器を含むこ
とができ、さらに、精子懸濁液を該成熟精子結合基質に対して撹拌するための手
段を包含することができる。この容器はその内面にストリップ状に塗布された成
熟精子結合基質を有することができる。受容手段はまた、少なくとも一部に塗布
された成熟精子結合基質を有するメッシュ、又は外面の少なくとも一部上に塗布
された成熟精子結合基質を有する丸い構造体を含むこともできる。
【0020】 さらに他の態様では、本発明は、精子サンプル中の成熟精子の割合の測定方法
であって、成熟精子結合基質を表面に供給する工程と;該精子サンプルからの既
知濃度の精子懸濁液を該表面に供給する工程と;該成熟精子結合基質と該精子懸
濁液とを該表面上で接触させる工程と;該精子懸濁液からの成熟精子を該成熟精
子結合基質にその周縁において結合させる工程と;該成熟精子結合基質に結合し
た、該精子懸濁液からの成熟精子の割合を測定する工程とを含む前記方法を提供
する。この工程はさらに、成熟精子結合基質に結合した成熟精子を、成熟精子に
対する毒素と接触させる工程を包含することができる。
【0021】 この方法はまた、サンプル中に予め定められた最低割合の成熟精子が存在する
かどうかを判定する工程と、精子サンプルのドナーが介助生殖処置のために適し
ているかどうかを判定する工程と、サンプル中に存在する成熟精子の割合に基づ
いてドナーに関して最適に介助生殖方法を決定する工程を包含することができる
【0022】 他の関連態様では、本発明は、精子サンプル中の成熟精子の割合の測定系であ
って、成熟精子結合基質に接触させ、該成熟精子結合基質に成熟精子を選択的に
結合させるために精子懸濁液を受容するのに適した該成熟精子結合基質を一部上
に塗布された表面と;該成熟精子結合基質に結合した該精子の割合を測定するた
めの手段とを含む前記系を提供する。測定手段は顕微鏡と、精子尾部の動力学を
分析するためのビデオ系とを含むことができる。
【0023】 新規であると考えられる本発明の特徴と、本発明に特徴的な要素とは特に特許
請求の範囲に述べる。図は例示のために過ぎず、一定の縮尺で描かれていない。
しかし、本発明自体は、以下の詳細な説明を添付図面と共に参照するならば、構
成と操作方法との両方に関して、最もよく理解されるであろう。
【0024】 発明の実施態様 本発明の好ましい実施態様の説明では、本明細書における図面の図1〜20を
参照する、図面において同様な数字は本発明の同様な特徴を意味する。本発明の
特徴は図面において必ずしも一定の縮尺で示されていない。
【0025】 雄の生殖の補助において、この数年間の研究は精子成熟と精子機能との関係に
集中している。精子成熟の2つの客観的な生化学的マーカーが開発されている:
(a)精子成熟中の細胞質押出し(cytoplasmic extrusion)の完成を表す精子C K濃度と;(b)B型からM型へのCKアイソフォーム表現の精子成熟に関連し
た変化。1990年にIVFで治療された84カップルの盲検では、妊娠のCK
−M比率[%CK−M/(CK−M+CK−B)]の予測率はサイクル当り30
.4%であった。
【0026】 これらの予測率の基礎をなす根拠のフォローアップでは、細胞質を保持する 未成熟精子は卵母細胞に結合しないことが発見された。細胞質押出しと、CK−
Mアイソフォーム合成の開始と共に、精子形成の最後の段階である精子完成中に
精子細胞膜リモデリングも生じることが判明している。
【0027】 本発明は、細胞内と、同時に精子表面膜上の両方で生じる、精子の発達に関連
したリモデリングの発見に基づく。その結果、成熟精子と未成熟精子とをそれら
の表面膜の特性に基づいて相互から識別することができることが判明している。
さらに、次には、表面膜の構造が細胞質コンパートメント内の精子成熟度を予測
する。未成熟精子ではなく、成熟精子がそのための受容体を有する選択された基
質は、ヒトと家庭内及び野生動物との両方の生殖のための上記ICSIに用いる
ために特に適した、成熟した生育性精子を効果的に選択するための手段を提供す
る。例えばヒアルロン酸、プロテオグリカン及び多糖類のような、提案された成
熟精子結合物質の一部はあらゆる種に対して一般的に用いられるが、精子−透明
帯相互作用は種特異的であるので、透明帯の精子結合要素又はそれらの構造的若
しくは機能的同族体及び類似体は種特異的である。本発明は、不利な胎児出生の
リスクを、精子−卵母細胞相互作用に基づく慣用的な方法によって生殖する集団
のレベルに維持するために、正常な生殖能力のある男性において優勢である精子
と同様な成熟精子を、射精された精液、副睾丸又は睾丸のいずれに由来するかに
関係なく、ICSIのために選択することを可能にする。本発明に従って選択さ
れた成熟精子は、例えば子宮内精液注入及びIVFのような、前記で考察した、
他の介助生殖方法にも用いることができる。
【0028】 精子成熟及び精子機能に関するデータに基づくと、本発明はICSI受精処置
のための成熟ヒト精子を選択するために非常に有用である。本発明に用いる方法
は非侵襲性であり、自動力の低下した生育性精子にも適用可能である。
【0029】 好ましい成熟精子結合基質はHylan、ヒアルロン酸(HA)の錯体である
と判明しており、これは卵母細胞を囲繞する雌生殖管の天然発生成分である。ヒ
アルロン酸と、例えばタンパク質とのヒアルロン酸コンジュゲートのような、ヒ
アルロン酸塩との両方、グリコサミノグリカン又は無機作用剤が成熟精子結合基
質として有用である。ゲル形のヒアルロン酸とその塩の製造は、米国特許第4,
582,865号に記載されており、この開示は本明細書に援用される。Hyl
anはBiometric社(ニュージャージー州、リッジフィールド)から入
手可能である。成熟精子外膜上のHA受容体の出現は明らかに、精子発達膜リモ
デリングの一部であると考えられる。未成熟精子又は無生育性精子はHAに結合
しないので、結合精子の選択はICSIのための重要な改良であると考えられる
。HAが卵丘(the cumulus)の生理的発生成分であるという事実のために、in vitro受精及びICSIの実施におけるHA使用に関する倫理的問題は当
然存在しない。
【0030】 未成熟精子ではなく、成熟精子に特異的である、他の結合基質は多糖類、グリ
コサミノグリカン及びプロテオグリカン、例えばマンノースである。さらに、結 合基質は、例えばヒト卵又は例えばサルの卵のような非ヒト哺乳動物卵の天然発
生透明帯と同様な又は同じの物質から製造される。このようなタンパク質帯は未
受精のヒト若しくはサル卵母細胞から抽出することができる、又は実験室におい て化学的、生物学的若しくは遺伝子工学的方法によって合成することができる。 他の哺乳動物種からのタンパク質帯を、このような種の生殖に関与するICSI
処置のために用いることができる。本発明は、他のやり方では介助生殖方法によ
って容易に繁殖されることができないような、動物園に閉じ込められた又は絶滅
の危険にさらされた哺乳動物種の生殖のために特に有用である。
【0031】 本発明はまた、ICSI及び他の介助生殖方法のために、精子が自動力がある
か否かに関係なく、細胞成熟プロセスを完了した生育性精子を提供する。自動力
のない生育性成熟精子の場合には、精子膜結合性(sperm membrane integrity)が
維持される。このことは、自動力のない精子の生育性は現在知られている非侵襲
性方法によって確実には確立されることができないので、重要である。先行技術
方法では、自動力のない生育性精子は自動力誘導薬物によって同定されているが
、このような薬物は受精プロセス又は発達する胚に不利な影響を及ぼす恐れがあ
る。HAビーズ結合精子の生体染色によって実証されるように、HA又は他の結
合基質の受容体は明らかに生育性精子上のみに出現して、生育性が低下すると消
失するので、表面上のこのようなコーティングの使用はICSIのための成熟生
育性精子を選択するために理想的であると判明している。
【0032】 さらに、Hylan又は他の成熟精子結合基質コーティングを用いることによ
って、改良された遺伝的物質をも有する成熟した生育性精子の選択が促進される
。染色体X、Y、10、11及び17に関するプローブを用いた、蛍光in s
ituハイブリダイゼーションによる最近の進行中の研究では、成熟CKパラメ
ータの低下した精子フラクションにおける二染色体及び倍数性の頻度の増大が実
証されている。しかし、成熟精子は細胞質保持又は未成熟クロマチンの非常に低
い発生率を有することが判明している。未成熟精子はさらに、細胞質保持のため に、脂質過酸化の高い発生率を示し、これはDNA開裂と、出生児の幼児期癌発
生率の可能な上昇とを惹起する。リモデリング工程の確立は、透明帯結合部位(
単数又は複数)を生じる精子完成膜リモデリングの欠如した未成熟精子集団が、
ICSIが利用可能になるまで、卵母細胞の受精に決して関与しなかったことを
確認する。
【0033】 本発明の方法の実施では、固体構造体の表面に流体形(例えば、ゲル又は液体
)の成熟精子結合基質を供給することが該結合基質の周縁に結合した成熟精子の
検出と取り出しとを促進することも判明している。
【0034】 構造体表面上の成熟精子結合基質のコーティングを、該表面周囲の該結合基質
の周縁に供給された、洗浄された又は洗浄されない精子懸濁液と接触させる。精
子サンプルの調製、即ち、射精後の液化では、36℃における10分間〜30分 間の待ち時間後に、精子の濃度と自動力とを検査する。精液の量が100μl未
満である場合には、該懸濁液をアルブミンを含むヒト卵管液(human tubal fluid
)によって400μlになるまで希釈する。位相差レンズ付き顕微鏡下でのMa kler室又は同様なデバイスを用いる標準カウンティング方法を適用して、精
子の総量と自動力ある精子の総量とを測定する。
【0035】 精子懸濁液中に自動力ある精子が存在せず、精子の総数が200,000未満 である場合には、有効な精子を濃縮して、該精子を残りの液体から取り出すため
に、サンプルを精子量に対して適当な、円錐形状試験管中で遠心分離することが
好ましい。自動力ある精子が存在しないが、精子の総数が200,000より多 い場合には、遠心分離は不必要である。精子を回収したならば、必要な場合には
、それを約100〜200μlの量まで希釈する。最適には、精子の濃度は約2 ,000〜5,000精子/μlの範囲内であり、この濃度に達するためにさら
なる希釈、遠心分離及び再懸濁を行うことができる。希釈/再懸濁液体は好まし
くは、例えばアルブミンを含むヒト卵管液等のような等張性媒質であるか、又は ユーザー若しくはオペレーターの実験室において選択される、一般に用いられる 任意の好ましい媒質である。
【0036】 精子サンプルが自動力ある精子を含有し、精子カウントが10,000,00
0(千万)精子/ml未満である場合には、遠心分離と再懸濁とに基づく濃縮工
程を行うことができる、又はニートな(neat)精液を用いて精子選択を行うことが
できる。精子カウントが10,000,000(千万)精子/mlより大きい場
合には、濃縮工程なしにニートな精液から精子を選択することができる。
【0037】 図1に示すように、精子懸濁液サンプルの調製は(a)試験管又はバイアル1
1中で精子サンプル10を入手して、調製する工程と、(b)該サンプルに精子
洗浄溶液12を撹拌しながら加える工程と、(c)洗浄サンプルを遠心分離によ
って濃縮して、精子ペレット14を得る工程とを包含する。次に、再懸濁用溶液
を該ペレットに加えて、(d)精子ペレットを再懸濁させ、スターラーによって
撹拌する。ピペット18を用いて、精子懸濁液20のアリコートを採取して、次
に、これを(g)成熟精子結合基質22を塗布された表面と接触させるために本
発明の実施態様24上に付着させる。
【0038】 精子懸濁液をコーティングとして、成熟精子結合基質のコーティングを含有す
る所望の構造体表面の全体又は一部に供給する。或いは、精子溶液を最初に表面
に供給して、次に、結合基質のコーティングを供給する。結合基質と精子懸濁液
とを結合基質流体の周縁に沿って、精子の濃度、自動力及び速度に依存して適当
な時間接触させる。精子と結合基質とを接触させるために、精子懸濁液を成熟精
子結合基質に対して撹拌することができる。成熟精子を成熟精子結合基質に結合
させるために、典型的に1〜20分間の時間を与える。この時間量は、生育性を
失った(したがって、ICSIのための適切な候補ではない)如何なる成熟精子
をも成熟精子結合基質から解離させる。結合基質に付着した精子の生育性を確保
するために、好ましくは少なくとも5〜10分間の待ち時間が用いられる。
【0039】 成熟精子結合基質と精子溶液とが供給されて、接触させられる好ましい表面は
、例えばガラススライドのような、透明な固体である。このような表面を図1に
示す。成熟精子結合基質と精子懸濁液とを最適に接触させるために、ガラススラ
イド表面の他に、例えばポリカーボネートのような他の表面を用いることができ
る。
【0040】 図2と3に示すように、好ましい構造体24は例えばガラススライドのような
透明な構造体を含み、その表面上に成熟精子結合基質22が付着し、基質22を
囲んでかつ基質22と接触して、精子懸濁液16が存在する。基質22に密接に
近接した指定領域に精子懸濁液を含有するために、最初にガラススライド24上
にグリース・ペンシル・マーク32を付けることができる(図3)。図2に示す
ように、透明なガラススライド・カバー26を透明なガラススライド24上に配
置して、間に結合基質22とそれを囲む精子懸濁液とを挟む。次に、下部光源2
8を用いる顕微鏡30(任意に、ビデオ系を包含する)を用いて、結合基質22
と精子懸濁液16との界面を観察して、あるとすれば、どの精子が結合基質22
に結合するかを知ることができる。
【0041】 図4と5に示すように、成熟精子34は結合基質22に結合するが、未成熟の
無生育性精子36は結合しない。両側への(side-to-side)精子尾部35の運動に
よって示されるように、成熟精子34の一部は自動力があるが、基質22に結合
した他の成熟精子は自動力がないと考えられる。後者の場合には、自動力のない
精子が結合基質22に接触して、それと結合する機会を与えるように、精子懸濁
液を結合基質に対して撹拌することが好ましい。
【0042】 図5にさらに明白に示すように、マイクロピペット38を用いて、精子尾部3
5をおだやかに破砕する又は部分的に除去し、次に基質22に結合した成熟精子
自体を取り出すことができる。
【0043】 本発明はまた、上部で結合基質22と精子懸濁液16とを接触させることがで
きる他の構造体及び表面を用いることも考慮する。図6では、例えば、透明なガ
ラススライド40は穴42を含有し、この穴中に結合基質22と精子懸濁液16
とが穴の底部へのコーティングとして供給される。
【0044】 図7は、上部に結合基質22が塗布されるスライド40aの穴42a中に複数
個の上方突起44をさらに包含する、図6の穴構造体の改変を示す。穴42a中
の左手に示した突起では、結合基質が突起44(スパイク又はプレートの形状で
ありうる)の全体上に塗布されうるが、穴42aの右側に示した突起では、結合
基質22は突起の先端のみの表面に塗布される。
【0045】 図8と9には、試験管11内に含有される精子懸濁液16中でハンドル48に
よって吊るされるフラットパドル46の表面上に結合基質22が塗布された、本 発明の変形が示される。図9では、同様なパドル50が結合基質22のコーティ
ングを含有する、但し、このパドルは上部に同様に該コーティングが塗布され、
精子懸濁液16中に吊るされた複数個の下方突起52を包含する。図9の突起の
変形を図10と11に示す。図10では、スパイク形状の突起52aが結合基質
コーティング22をその表面上のみに含有し、図11では、ラセン状又はコイル
形状の突起52bが結合基質コーティング22をその下部表面全体上に含有する
。結合基質22を塗布するための分離表面として、コイル状突起52bを矢印に
よって示した方向に回転させて、これが挿入された精子懸濁液に対して撹拌を生
じさせることができる。
【0046】 さらに撹拌を生じさせて、自動力のない成熟精子を引きつけるために、容器5
2(図12)はその下部内面上に付着した結合基質22のコーティングを有する
ことができる。次に、精子懸濁液16を入口/出口54と入口/出口56とから
導入し、定期的にこれらの出口の一方又は両方に通してくみ入れ、くみ出して、
結合基質22に対して撹拌を生じさせることができる。
【0047】 図13、14及び15に示すように、結合基質22を遠心分離管又は他の容器
の内面上に塗布することもできる。図13では、円錐状下端部62を含有する試
験管60がその内部に結合基質22を塗布されている。次に、精子懸濁液16が 結合基質22と接触するために該容器に入れられる。図14では、結合基質22
の1対の水平ストリップが容器64の下端部内に配置される。懸濁液16からの
成熟精子を基質22に接触させ、結合させた後に、容器64をライン66に沿っ て切断して、開いて、基質22に結合した成熟精子の観察と取り出しとを容易に することができる。これの変形を図15に示す、この場合には、結合基質22は
容器64の内壁上に垂直ストリップとして塗布され、懸濁液16からの精子が基
質22に成熟精子を結合させた後に切断ライン66は基質22の取り出しに用い
られる。
【0048】 他の実施態様を図16と17に示す、この場合には透明な又は細い金属の又は
他のシーブ材料(sieve material)のメッシュ68に結合基質22が塗布される。
これらの塗布されたメッシュ・セグメントの1つ以上をハンドル構造体70によ
って連結して、メッシュ68a、68bの表面上の結合基質に成熟精子を引きつ
けるために、容器11内に保持された懸濁液16中に浸漬する。
【0049】 本発明のさらに他の実施態様を図18に示す、この場合には丸い三次元構造体
、特にガラス球72に結合基質22が塗布され、このガラス球が精子懸濁液と容 器11中に浸漬される。次に、容器11を矢印によって示した方向に移動させて 、自動力のない成熟精子を結合基質22表面に引きつけるように撹拌するために
塗布されたガラス球72を運動させることができる。これらの実施態様の全ては
、精液量とその精子濃度とが与えられたとすると、最適濃度の精子と、できうる
限り最高の効率での成熟精子結合タンパク質への精子暴露とになるように設計さ
れる。例えば、図14の管状容器では、精液量又は再懸濁液量に依存して、成熟
精子を含有する量によって、精子を引きつけるために、低い又は高い(又は両方
の)環を用いることができる。
【0050】 懸濁液中の成熟精子と未成熟精子とが結合基質に近接して通過するために充分
な時間後に、成熟精子は結合基質に選択的に結合されるが、未成熟精子は結合さ
れない。懸濁液中の精子と結合基質との接触を改良するために、特に、受精のた めにまだ有用である、自動力のない成熟精子の結合を促進するために撹拌を利用
することができる。成熟精子では、精子細胞膜の精子完成リモデリングと共に、
HAと他の上記結合基質のための受容体も出現するので、成熟精子結合基質は、
精子自動力の存在とは関係なく、ICSIのための成熟した生育性精子の選択を
容易にする。
【0051】 成熟精子の結合は約100x倍率の光学顕微鏡によって観察することができる
。自動力のある精子の数が精子集団の10%未満である場合には、又は自動力の
ある精子の%が時間の経過につれて減少する場合には、2つ以上の表面上で2つ
以上のアリコートを用いることができる。精子が完全に自動力のない場合には、
例えばFertil(Molecular Probes社、オレゴン州、オイ
ゲン)等のような、生育性を評価するための生育性染色によってアリコートを試
験すべきである。
【0052】 例えば図7、8、9及び10のような、垂直特徴の実施態様の場合には、標準
顕微鏡条件下で監察可能であるために、精子が結合した構造体を水平状態に変換
しなければならない。これは、突起をそれらの根元で折り取ることができるよう
に、突起を砕けやすくすることによって、行うことができる。例えば、図12に
示すような閉鎖室に関して、結合した成熟精子をアクセス可能にかつ観察可能に
するために、これらの構造体の結合性は破壊されなければならない。
【0053】 自動力のある成熟精子は、例えばHAのような成熟精子結合基質に付着すると
、それらの精子尾部のクロス−ビート頻度(cross-beat frequency)を15ヘルツ
より大きい頻度にまで高める。結合性と生育性とは、溶液中での自動力と速度と
の強化された保持によって実証されるように、付着の維持と運動とを反映する。
一部の成熟した、限界ぎりぎりの自動力のある精子は、精子結合基質に付着する
と尾部クロス−ビート頻度を高めることが判明している。
【0054】 クロス−ビート頻度の他に、他の機能的に重要な試験態様は、精子尾部が成熟
精子結合物質に反応するときの、精子尾部のパターン、運動学的分析、弛緩パタ
ーン及びビート波パターンが診断的有用性を有しうることである。精子尾部のリ
アルタイムの運動分析又はビデオテープに録画された活性を診断方法に組み入れ
て、コンピュータ介助精液分析システムを用いて精子成熟を評価することができ
る。
【0055】 このテクノロジーの他の利点は、結合基質に結合した精子が前進運動に関して
、尾部ビーティングによってではなく、固定されることである。本明細書で用い
る限り、“固定される”なる用語は、成熟精子を取り出して、次の処置において 扱うことが容易になるように、成熟精子の前進運動性が低下することを意味する
。尾部ビーティングの除去は、精子尾部におだやかに触れる又は精子尾部を破砕
することによって行われる。或いは、結合した精子の尾部の一部をマイクロピペ
ットによって折り取ることによって除去することができる。精子結合の他の利点
は、精子を容易に捕捉することができ、オペレーターが精子速度を減ずるために
現在用いられている高粘性PVP(ポリビニルピロリドン)を必要としないこと
である。
【0056】 その後、結合した精子をマイクロピペットを用いて選択したIVF媒質によっ
て洗浄する、及び/又は精子を取り出した後にマイクロドロップ(microdrop)又は
媒質中に入れることができる。注入用に用いるピペットよりも幅広いピペットを
用いることによって、成熟精子を結合基質から容易に取り出すことができる。好
ましくは、ピペットは直径約7〜10ミクロンでありうる。その後、回収された
成熟精子を媒質のマイクロドロップ中で洗浄してから、ICSI又は周知方法に
よる任意の他の介助生殖方法に直径4〜8ミクロンのピペットを用いるミクロ注
入によって受精に用いることができる。
【0057】 本発明は、精子成熟と雄の生殖可能性とを試験し、評価して、最も適当な介助 生殖方法を決定するためにも用いることができる。精子サンプルを得た後に、精
子懸濁液を調製し、精子濃度を測定する。成熟精子を適当な成熟精子結合基質に
結合させるための上記プロセス工程後に、サンプル中の成熟精子の割合を測定す
る。成熟精子の割合が予め定められた最低レベル又は予め定められた範囲内であ
る場合には、適当な介助生殖方法が薦められて、試みられる可能性がある。例え
ば、自動力ある精子の総数が<1,000,000である場合には、従うべき方
法はIVFであり、自動力のある精子の総濃度が<100,000である場合に
は、最も可能に成功すると思われる方法はICSIである。
【0058】 実施例 (a)自動力のある精子と自動力のない精子がHylan(修飾HAゲル)に
結合するかどうかと、(b)Hylan結合精子フラクションが細胞成熟と、C
K免疫染色及びアニリン・ブルー・クロマチン染色によって測定されたクロマチ
ン結合性とにおいて改良されるかどうかに関して試験を行った。CK−免疫細胞
化学は、精子の細胞質保持とそれによる成熟度低下とを検出する。アニリン・ブ
ルー染色は、射精された精子におけるクロマチン未成熟の徴候であるリシン富化
ヒストンと、脱凝集能力低下(diminished decondensation ability)とを検出す る。細胞質内精子注入の観点から、Hylan結合した自動力のない精子フラク
ションが生育性精子に富化しているかどうかも特に重要である。
【0059】 Hylanはタンタルと結合した、タンタルは化学的に不活性であり、鉄とは
異なり、破壊的な精子脂質過酸化の率に影響を及ぼさない重金属である。Hyl
an/タンタルをゲル形状に調製して、コーティングとして注射器によってガラ
ススライドの中心部分に供給した。ヒト精子含有懸濁液も注射器によってガラス
スライドに、Hylan/タンタル・ゲルにゲル周縁において接触するように、
Hylan/タンタルに隣接して供給した。次に、スライドを100Xの顕微鏡
によって監察して、精子がゲルに周縁において結合しているかどうかを判定した
【0060】 最初の精液中の精子をHylanに結合した精子と、成熟(CK染色無し又は
軽度、最小の細胞質保持を実証する)、中間又は未成熟(CK染色重度又は均質
(solid)、実質的な細胞質保持を実証する)のそれらの染色パターンに従って比 較した。同じ精液の他のアリコートを他のHA塗布ビーズに付着させ、精子核に
おける未成熟なクロマチンを目立たせるアニリン・ブルーによって染色した。
【0061】 精液サンプルと、これらのサンプルのそれぞれのHylan結合精子フラクシ
ョンとにおける成熟、中間及び未成熟精子の分布を図19と20とにそれぞれ示 す、これらの図は25サンプル対と、10,000及び5.000精子スコアと
をそれぞれグラフとして示す。これらの結果は、(1)細胞質保持を有さない成
熟精子はHylanに選択的に結合する;(2)Hylanに結合した精子フラ
クションはアニリン・ブルー染色の低い発生率を示し、このことは精子クロマチ
ン構造の改良を実証する;(3)Hylanはゆっくり撹拌された精液から自動
力のない精子をも引きつける;(4)結合した自動力のある精子は対照精子フラ
クションにおける自動力と同様な、持続した鞭毛状活性を維持する;(5)Hy
lan結合フラクションも生育性精子に富化している(弱いヘキスト染色排除(d
iminished Hoechst stain exclusion)を示した自動力のある精子はゲルに良好に
結合しなかった);及び(6)HAは他の態様:HA結合と精子成熟との関係の
、CK免疫細胞化学(余分な細胞質の保持)とアニリン・ブルー染色(クロマチ
ン未成熟)の両方による実証を容易にすることを示す。
【0062】 したがって、本発明の方法及び系による精子選択はトランスファー当りの(per
transfer)高い妊娠率を生じる可能性があり、欠陥ある遺伝的物質の伝播を減ず
ることによって保護効果を有すると考えられる。
【0063】 本発明に用いた方法で選択された成熟精子は低い脂質過酸化率を生じ、その結 果としてDNA破壊の減少、小児における癌その他の問題の減少の可能性をもた
らす。このような精子は異数性の低い発生率と良好な結合性と低いDNA開裂度
とに関して改良された遺伝的物質を有する。生育性であるが自動力のない精子の
選択は、本発明に開示した非侵襲性方法によって促進される。
【0064】 本発明を特定の好ましい実施態様に関して特に説明したが、上記説明を考慮す
るならば、多くの代替え、修正及び変更が当業者に思い浮かぶことは明らかであ
る。重要な問題は、成熟精子が未成熟精子とは異なる表面膜構造を有することで
ある。したがって、低い異数性、DNA開裂度及び細胞質保持を有する成熟精子
が、精子の表面膜性質に基づいて選択されることができる。それ故、特許請求の
範囲はこのような代替え、種々な実施態様の成熟精子結合物質塗布表面、修正及
び変更を本発明の実際の範囲及び要旨に入るものとして包含する。したがって、
本発明を説明したものが、特許請求の範囲である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)〜(g)は本発明の精子サンプル調製方法の種々な要素からなる概
略図である。
【図2】 上部に、精子懸濁液と接触する成熟精子結合基質を見ることができる透明スラ
イド系の垂直断面図である。
【図3】 図2の透明スライド系の平面図である。
【図4】 図3の結合基質に結合する成熟精子の拡大図である。
【図5】 固定された図4の結合成熟精子の拡大図である。
【図6】 成熟精子結合基質と精子懸濁液とを受容するためのくぼみを有する他の透明ス
ライド系の垂直断面図である。
【図7】 成熟精子結合基質を受容するためのくぼみ中に突起を有する図6の透明スライ
ド系の変更の垂直断面図である。
【図8】 容器中のパドル上に成熟精子結合基質を受容する他の系の垂直断面図である。
【図9】 パドル上に成熟精子結合基質を受容する突起を有する図8の系の変更の垂直断
面図である。
【図10】 図9の系に用いられる直立突起の1形式の拡大図である。
【図11】 図9の系に用いられるラセン状突起の1形式の拡大図である。
【図12】 内部に成熟精子結合基質を塗布することができる容器を有し、精子懸濁液を基
質に接触させながら撹拌することを可能にする他の系の垂直断面図である。
【図13】 精子懸濁液と接触するために、内面上に成熟精子結合基質を塗布することがで
きる容器を有するさらに他の系の垂直断面図である。
【図14】 図13の系の変形である。
【図15】 図13の系の他の変形である。
【図16】 本発明の成熟精子結合基質を上部に塗布することができるメッシュの透視図で
ある。
【図17】 精子懸濁液と接触させるための図16のメッシュを内部に有する容器の垂直断
面図である。
【図18】 精子懸濁液と接触させるために精子結合基質を塗布された丸い構造体を内部に
有する容器の垂直断面図である。
【図19】 精液サンプル中の成熟精子と未成熟精子との分布を示すグラフ図である。
【図20】 本発明の精子結合基質に付着した、図19の精液サンプルからの成熟精子と未
成熟精子との分布を示すグラフ図である。 符号の説明 10. 精子サンプル 11. 試験管 16. 懸濁液 18. ピペット 22. 結合基質 24. ガラススライド 30. 顕微鏡 32. ペンシル・マーク 34. 成熟精子 35. 精子尾部 42. 穴 44. 上方突起 52. 下方突起 64. 容器
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月6日(2001.3.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】

Claims (70)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成熟精子の選択方法であって、 (a)成熟精子に特異的な結合基質を表面に供給する工程と; (b)精子懸濁液を前記表面に供給する工程と; (c)前記精子懸濁液と成熟精子結合基質とを前記表面上で接触させる工程と
    ; (d)前記精子懸濁液からの成熟精子を前記成熟精子結合基質にその周縁にお
    いて結合させる工程と; (e)結合した精子を前記成熟精子結合基質の周縁から取り出す工程 とを含む前記方法。
  2. 【請求項2】 前記成熟精子結合基質がヒアルロン酸若しくはその塩を含む
    、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記成熟精子結合基質が多糖を含む、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記成熟精子結合基質がグリコサミノグリカンを含む、請求
    項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記成熟精子結合基質が透明帯成分、卵膜のタンパク質帯2
    、又は雌生殖管の精子結合要素又は透明帯の構造的若しくは機能的同族体若しく
    は類似体を含む、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記成熟精子結合基質がプロテオグリカンを含む、請求項1
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記成熟精子結合基質が成熟精子のタンパク質受容体に対す
    る抗体を含む、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記成熟精子結合基質が流体を含む、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記精子懸濁液と前記成熟精子結合基質とを透明構造体の表
    面上に供給して、接触させる、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記透明構造体と前記表面上の前記成熟精子結合基質とに
    光を通すことによって、前記成熟精子結合基質に結合した成熟精子を観察する工
    程をさらに含む、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記精子懸濁液と前記成熟精子結合基質とをガラス・スラ
    イドの表面上に供給して、接触させる、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記成熟精子を前記成熟精子結合基質からマイクロピペッ
    トによって取り出す、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記表面上で前記成熟精子結合基質に対して前記精子懸濁
    液を撹拌する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記成熟精子結合基質に結合した成熟精子の一部を前記成
    熟精子結合基質から解離させるために工程(c)と工程(e)との間で予め定め
    られた時間待つ工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 工程(e)の前に前記成熟精子結合基質に結合した前記成
    熟精子を固定する工程を含む、請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 工程(e)の前にマイクロピペットを用いて、前記成熟精
    子結合基質に結合した成熟精子の尾部を破砕して固定する、又は少なくとも部分
    的に除去する工程を含む、請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 工程(e)の前に、前記結合基質に結合した精子の相対的
    な尾部運動を測定する工程と、取り出すために、大きい尾部運動と活性を有する
    結合精子を選択する工程を含む、請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 工程(d)において、自動力のある精子と自動力のない精
    子とが前記成熟精子結合基質に結合する、請求項1記載の方法。
  19. 【請求項19】 (f)前記成熟精子結合基質から取り出した成熟精子を洗
    浄する工程と;(g)洗浄した精子を卵中に注入して、前記卵を受精させようと
    試みる工程とをさらに含む、請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記成熟精子結合基質が未成熟精子に非特異的である、請
    求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記精子懸濁液がヒト精子を含む、請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記精子懸濁液が、動物園に存在する野生動物の精子及び
    絶滅の危険にさらされた種の精子を含めた、非ヒト哺乳動物精子を含む、請求項
    1記載の方法。
  23. 【請求項23】 成熟精子の選択方法であって、 (a)成熟精子に特異的な流動性結合基質を表面に供給する工程であって、該
    成熟精子結合基質が未成熟精子に非特異的である前記工程と; (b)精子懸濁液を前記表面に供給する工程と; (c)前記精子懸濁液と成熟精子結合基質とを前記表面上で接触させる工程と
    ; (d)前記表面上で、前記精子懸濁液を前記結合基質に対して撹拌する工程と
    ; (e)前記精子懸濁液からの自動力のある成熟精子を前記成熟精子結合基質に
    その周縁において結合させる工程と; (f)自動力のない成熟精子を前記成熟精子結合基質に結合させるために予め
    定められた時間待つ工程と; (g)結合した成熟精子を前記成熟精子結合基質の周縁から取り出す工程 とを含む前記方法。
  24. 【請求項24】 前記成熟精子結合基質がヒアルロン酸若しくはその塩、多
    糖、グリコサミノグリカン、卵膜の透明帯、プロテオグリカン、及び成熟精子の
    タンパク質受容体に対する抗体とから成る群から選択される、請求項23記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 前記精子懸濁液と前記成熟精子結合基質とを可視化系の光
    エネルギーの波長に対して透明な構造体の表面上に供給して、接触させる、請求
    項23記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記透明構造体と前記表面上の前記成熟精子結合基質とに
    光を通すことによって、前記成熟精子結合基質に結合した成熟精子を観察する工
    程をさらに含む、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記成熟精子を前記成熟精子結合基質からマイクロピペッ
    トによって取り出す、請求項23記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記成熟精子結合基質に結合した成熟精子の一部を前記成
    熟精子結合基質から解離させるために工程(c)と工程(g)との間で予め定め
    られた時間待つ工程をさらに含む、請求項23記載の方法。
  29. 【請求項29】 工程(e)の前に、前記成熟精子結合基質に結合した前記
    成熟精子を固定する工程を含む、請求項23記載の方法。
  30. 【請求項30】 工程(g)の前に、前記結合基質に結合した精子の相対的
    な尾部運動を測定する工程と、取り出すために、大きい尾部運動と活性を有する
    結合精子を選択する工程を含む、請求項23記載の方法。
  31. 【請求項31】 (h)前記成熟精子結合基質から取り出した成熟精子を洗
    浄する工程と;(i)洗浄した精子を卵中に注入して、前記卵を受精させようと
    試みる工程とをさらに含む、請求項23記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記精子懸濁液がヒト精子を含む、請求項23記載の方法
  33. 【請求項33】 前記精子懸濁液が非ヒト哺乳動物精子を含む、請求項23
    記載の方法。
  34. 【請求項34】 成熟精子の選択方法であって、(a)精子懸濁液と成熟精
    子に特異的な結合基質とを接触させる工程と;(b)前記精子懸濁液からの成熟
    精子を前記成熟精子結合基質にその周縁において結合させる工程と;(c)前記
    成熟精子結合基質に結合した前記成熟精子を固定する工程と;(d)前記成熟精
    子結合基質の周縁から結合精子を取り出す工程とを含む前記方法。
  35. 【請求項35】 前記成熟精子結合基質がヒアルロン酸若しくはその塩、多
    糖、グリコサミノグリカン、卵母細胞に由来する、透明帯又は精子結合タンパク
    質の要素、プロテオグリカン、及び成熟精子のタンパク質受容体に対する抗体と
    から成る群から選択される、請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記成熟精子結合基質が流体を含む、請求項34記載の方
    法。
  37. 【請求項37】 前記精子懸濁液と前記成熟精子結合基質とを透明構造体の
    表面上に供給して、接触させる、請求項34記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記透明構造体と前記表面上の前記成熟精子結合基質とに
    光を通すことによって、前記成熟精子結合基質に結合した成熟精子を観察する工
    程をさらに含む、請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記成熟精子を前記成熟精子結合基質からマイクロピペッ
    トによって取り出す、請求項34記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記表面上で前記精子懸濁液を前記成熟精子結合基質に対
    して撹拌する工程をさらに包含する、請求項34記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記成熟精子結合基質に結合した成熟精子の一部を前記成
    熟成熟精子結合基質から解離させるために予め定められた時間待つ工程をさらに
    含む、請求項34記載の方法。
  42. 【請求項42】 工程(d)の前に、マイクロピペットを用いて、前記成熟
    精子結合基質に結合した成熟精子の尾部を破砕する又は少なくとも部分的に除去
    する工程を含む、請求項34記載の方法。
  43. 【請求項43】 工程(d)の前に、前記結合基質に結合した精子の相対的
    尾部運動と活性を相対的に測定する工程と、取り出すために、大きい尾部運動と
    活性を有する精子を選択する工程とを含む、請求項34記載の方法。
  44. 【請求項44】 (e)前記成熟精子結合基質から取り出した成熟精子を洗
    浄する工程と;(f)洗浄した精子を卵中に注入して、前記卵を受精させようと
    試みる工程とをさらに含む、請求項34記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記精子懸濁液がヒト精子を含む、請求項34記載の方法
  46. 【請求項46】 前記精子懸濁液が非ヒト哺乳動物精子を含む、請求項34
    記載の方法。
  47. 【請求項47】 成熟精子の選択系であって、一部上に塗布された成熟精子
    結合基質を有する表面であって、前記成熟精子結合基質に接触させ、成熟精子を
    前記成熟精子結合基質に選択的に結合させるために精子懸濁液を受容するのに適
    した前記表面と;前記成熟精子受容体流体に結合した前記精子を取り出すための
    手段とを含む前記系。
  48. 【請求項48】 取り出し手段がマイクロピペットを含む、請求項47記載
    の系。
  49. 【請求項49】 取り出した精子を卵母細胞中に注入するためのマイクロピ
    ペットをさらに含み、成熟精子を取り出すためのマイクロピペットが取り出した
    精子を注入するための該マイクロピペットよりも大きい直径を有する、請求項4
    8記載の系。
  50. 【請求項50】 成熟精子の選択系であって、成熟精子結合基質のコーティ
    ングを受容するための手段であって、前記成熟精子結合基質に接触させ、成熟精
    子を前記成熟精子結合基質に選択的に結合させるために精子懸濁液を受容するの
    に適した前記手段と;前記成熟精子受容体流体に結合した前記精子を取り出すた
    めの手段とを有する前記系。
  51. 【請求項51】 取り出し手段がマイクロピペットを含む、請求項50記載
    の系。
  52. 【請求項52】 受容手段が透明構造体を含み、該透明構造体上で前記精子
    懸濁液と前記成熟精子結合基質とが接触する、請求項50記載の系。
  53. 【請求項53】 受容手段がガラス面を含む、請求項50記載の系。
  54. 【請求項54】 前記ガラス面がその中に前記精子懸濁液と前記成熟精子結
    合基質とを受容するためのくぼみを有する、請求項53記載の系。
  55. 【請求項55】 受容手段が突起を含み、該突起上に前記成熟精子結合基質
    が少なくとも部分的に塗布される、請求項50記載の系。
  56. 【請求項56】 前記突起が直立状である、請求項55記載の系。
  57. 【請求項57】 前記突起がラセン状である、請求項55記載の系。
  58. 【請求項58】 受容手段が多重結合成熟精子の観察を容易にするための三
    次元構造体を含む、請求項50記載の系。
  59. 【請求項59】 受容手段が、内面上に塗布された前記成熟精子結合基質を
    有する容器を含み、前記精子懸濁液を前記成熟精子結合基質に対して撹拌するた
    めの手段をさらに含む、請求項50記載の系。
  60. 【請求項60】 受容手段が、内面上にストリップ状に塗布された前記成熟
    精子結合基質を有する容器を含む、請求項50記載の系。
  61. 【請求項61】 受容手段が、少なくとも一部上に塗布された前記成熟精子
    結合基質を有するメッシュを含む、請求項50記載の系。
  62. 【請求項62】 受容手段が、外面の少なくとも一部上に塗布された前記成
    熟精子結合基質を有する丸い構造体である、請求項50記載の系。
  63. 【請求項63】 受容手段が、上部に少なくとも部分的に前記成熟精子結合
    基質が塗布された突起を含み、前記突起が砕けやすいので、被覆された突起の少
    なくとも一部が顕微鏡手段によって観察可能であり、成熟精子を取り出すように
    処理されることが可能である、請求項50記載の系。
  64. 【請求項64】 精子サンプル中の成熟精子の割合の測定方法であって、(
    a)成熟精子結合基質を表面に供給する工程と;(b)前記精子サンプルからの
    既知濃度の精子懸濁液を前記表面に供給する工程と;(c)前記成熟精子結合基
    質と前記精子懸濁液とを前記表面上で接触させる工程と;(d)前記精子懸濁液
    からの成熟精子を前記成熟精子結合基質にその周縁において結合させる工程と;
    (e)前記成熟精子結合基質に結合した、前記精子懸濁液からの成熟精子の割合
    を測定する工程とを含む前記方法。
  65. 【請求項65】 前記成熟精子結合基質に結合した成熟精子を前記成熟精子
    に対する毒素と接触させる工程をさらに含む、請求項64記載の方法。
  66. 【請求項66】 前記サンプル中に予め定められた最低割合の成熟精子が存
    在するかどうかを判定する工程と、前記精子サンプルのドナーが介助生殖処置の
    ために適しているかどうかを判定する工程とをさらに含む、請求項64記載の方
    法。
  67. 【請求項67】 前記サンプル中に存在する成熟精子の割合に基づいて前記
    ドナーに関して最適な介助生殖方法を決定する工程をさらに含む、請求項66記
    載の方法。
  68. 【請求項68】 精子サンプル中の成熟精子の割合の測定系であって、精子
    懸濁液を受容して、成熟精子結合基質に接触させ、前記成熟精子結合基質に成熟
    精子を選択的に結合させるために適した前記成熟精子結合基質を一部上に塗布さ
    れた表面と、前記成熟精子結合基質に結合した前記精子の割合を測定するための
    手段とを含む系。
  69. 【請求項69】 測定手段が顕微鏡を含む、請求項68記載の系。
  70. 【請求項70】 測定手段が、精子尾部の動力学を分析するためのビデオ系
    を含む、請求項68記載の系。
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