JP2002500364A - 蛍光検定系にて使用する組成物 - Google Patents

蛍光検定系にて使用する組成物

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JP2002500364A
JP2002500364A JP2000526819A JP2000526819A JP2002500364A JP 2002500364 A JP2002500364 A JP 2002500364A JP 2000526819 A JP2000526819 A JP 2000526819A JP 2000526819 A JP2000526819 A JP 2000526819A JP 2002500364 A JP2002500364 A JP 2002500364A
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shift reagent
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アデエミ パーマ,デレック
トーマス フレンチ,マーチン
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カリブラント リミテッド
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    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • G01N33/582Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances with fluorescent label

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、蛍光測定にて使用するための組成物、蛍光測定方法及び蛍光測定における新規試薬のクラスの使用に関する。その組成物は、蛍光団の非蛍光性誘導体である基質と、本来450nmより大きい蛍光団の吸光波長極大をシフトさせるシフト試薬を含む。シフト試薬は極大を設定値へとシフトさせるために予め決定された量にて存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蛍光検出にて用いる組成物に関する。本発明は更に、蛍光検定(アッ
セイ)方法及び蛍光検定方法における組成物の使用に関するものである。
【0002】 蛍光測定は、特に生物学の分野における測定及び分析のために益々使用される
ようになってきている。例えば、マーカーとしての酵素の測定に基づく酵素免疫
検定法(EIA)は、EIAの高感度及び特異性、多くの酵素マーカーが手に入
ること、標識(ラベル)試薬の長期安定性、及びその操作安全性のために、生物
分析の分野において広く適用されてきている[ポートマン(T. Portmann)及び キーシグ(S. T. Kiessig)、J. Immunol. Methods(1992)、150、5、
及びオーレリッチ(M. Oellerich)、J. Clin. Chem. Clin. Biochem.(198 9)、22、895]。最も一般的に使用されるEIA用の酵素標識は、アルカ
リ性ホスファターゼ、ホースラディッシュ(西洋わさび)ペルオキシダーゼ、及
びガラクトシダーゼである。殆どの酵素標識は、分光測定法[ラブロウス(H. L
abrousse)、ゲスドン(J. L. Guesdon)、ラジンビュ(J. Ragimbeau)、アブ ラメス(S. Avrameas)、J. Immunol. Methods(1982)、48、133]、
分光蛍光測定法[イシカワ(E. Ishikawa)、Clin. Biochem.(1987)、2 0、375]、化学ルミネセンス[ササモト(H. Sasamoto)、マエダ(M. Maed
a)及びツジ(A. Tsuji)、Anal. Chim. Acta(1995)、306、161] 及び電気化学[ウェヘマイヤ(K. P. Wehemeyer)、ハルサル(H. B. Halsall)
及びハルサル(W. R. Halsall)、Anal. Chem.(1995)、31、1546]
によって検出される。
【0003】 アルカリ性ホスファターゼはEIAにおける標識として広く用いられており、
p−ニトロフェニルリン酸塩(PNPP)を用いて分光測定法的に[チアング(
C. S. Chiang)、グローブ(T. Grove)、クーパー(M. Cooper)ら、Clin. Che m. (1989)、35、946]、4−メチルウンベリフェリルリン酸塩(4M
UP)を用いて蛍光分光測定的に、アダマンチル1,2,−ジオキセタンアリル
リン酸塩(AMPPD)及びその誘導体を用いた化学ルミネセンスによって[ブ
ロンスタイン(I. Bronstein)、エドワーズ(B. Edwards)及びボイータ(J. C
. Voyta)、J. Biol. Chem.(1989)、4、99]、及びフェニルリン酸塩 [ウェヘマイヤ(K. R. Wehemeyer)、ハルサル(H. B. Halsall)、ヴォレ(W.
R. Volle)及びチェン(I. W. Chen)、Anal. Chem.(1986)、58、13
5]及びp−アミノフェニルリン酸塩(PAPP)[パルマー(D. A. Palmer)
、エドモンズ(T. E. Edmonds)及びセアレ(N. J. Seare)、Analyst(199 2)、117、1679]を用いて電気化学的に検定されてきた。
【0004】 アルカリ性ホスファターゼの既知の蛍光測定基質は、4−メチルウンベリフェ
リルリン酸塩及びフルオレセイン二リン酸塩である。これらの基質(4−メチル
ウンベリフェリルリン酸塩及びフルオレセイン二リン酸塩)はアルカリ性ホスフ
ァターゼによって、それぞれおよそ450nm及び525nmの蛍光を発する4
−メチルウンベリフェロン及びフルオレセインへと加水分解される。ナフトフル
オレセインリン酸塩(NFP)は、多くの利点をもって上述のアルカリ性ホスフ
ァターゼ基質に代わるものであり、アルカリ性ホスファターゼによるNFP加水
分解の生成物はナフトフルオレセインである。これは、明らかに電磁スペクトル
の長波長/近赤外領域に相当する595nmの励起及び660nmの発光という
分光学的特徴を有する。長波長領域にて操作する利点が近年再検討された[ミラ
ー(J. N. Miller)、蛍光分光学(Fluorescence spectroscopy)、(1993 )、5/2、34]。これらの利点は、 (a)より低いバックグランド散乱−ラマン及びレイリー (b)光分解が殆どないこと (c)明るい蛍光団(フルオロフォア)がより少なく、従ってバックグランド蛍
光発光がほとんどないこと (d)小型(コンパクト)で明るい光源が入手できること (e)良い固体(ソリッドステート)検出器が入手できること を含む。
【0005】 近年、本発明者らの研究グループによって、アルカリ性ホスファターゼの検定
、或いはそれを用いた検定は、ナフトフルオレセインリン酸塩、シクロデキスト
リン類若しくは界面活性試薬、及び固体レーザダイオード検出器の組合せを用い
て測定できることが証明された。蛍光団類の進歩と同時に、検出器類の進歩が対
応してきている。
【0006】 とりわけ、近年本発明者らは、流体流中のサンプル(試料)を分析する蛍光検
出器を用いた検出装置を開発した。本発明者らに係る新規な検出器の特に有利な
点の一つは、その、単一サンプル中の1つ以上の蛍光団を分析する能力である。
これには、サンプル中の各蛍光団が、検出器中の特定のレーザに適合することが
必要であり、即ち、吸光極大が実質的に狭いバンド幅のレーザ励起極大波長に相
当する必要がある。市販のレーザに適合し得る多くの蛍光団があり、そのような
蛍光団は絶えず増加し続けている。
【0007】 本発明は蛍光検出のための新規な組成物を提供しようとするものである。
【0008】 本発明の第1の態様によると、蛍光団の非蛍光性誘導体である酵素基質と、本
来450nmより大きい前記蛍光団の吸光波長極大をシフトさせるシフト試薬と
、を含み、前記シフト試薬は、前記極大を設定値にシフトさせるために予め決定
された量にて存在することを特徴とする組成物が提供される。
【0009】 吸光極大を制御する能力は、存在する蛍光団を入手可能な光源に適合させる際
の潜在的な基質を極めて増加させる。それによって極大がシフトされるその量は
、通常、組成物中のシフト試薬の量を変更することによって様々に変更できる。
この方法において、適合された蛍光団を含むサンプルの分析は、適合されない蛍
光団を用いた分析と比較して、適合された蛍光団に関してスペクトルがより清浄
であるので、より単純化される。
【0010】 好ましくは、前記蛍光団は、キサンテン染料類;ポリメチンシアニン染料類;
フェノキサジン染料類;チアジン染料類;フィコビリタンパク質類;及びこれら
の混合物を含む群から選択される。
【0011】 多くの場合、蛍光団は、 (a)フルオレセイン、ナフトフルオレセイン、及びフルオレセインとナフトフ
ルオレセインの蛍光性誘導体類を含む群から選択されるキサンテン染料、他のキ
サンテン染料、及びアントラセン基染料; (b)Cy3、Cy5、Cy7及びインドシアニングリーンを含む群から選択さ
れるポリメチンシアニン染料; (c)ナイルブルー、ナイルレッド及びオキサジン750を含む群から選択され
るフェノキサジン染料; (d)メチレンブルーであるチアジン染料;及び (e)これらの混合物; である。
【0012】 例えば、ヴィタブルー(Vita Blue)、及びフルオレセインの他の蛍
光誘導体のような幾つかの好ましいキサンテン染料が、リー(Lee, L.)ら[サ イトメトリー(Cytometry)、10:151−164(1989)]、及びメン ヒェン(Menchen, S.)ら[米国特許第5,188,934号]によって記載さ れている。
【0013】 通常、シフト試薬の量は、例えば緩衝液とされる適当な溶媒中で10%w/v
より少なく、又好ましくは、シフト試薬は適当な溶媒中で5%w/vより少ない
【0014】 前記シフト試薬は、シクロデキストリン類;置換シクロデキストリン類;界面
活性剤類;洗剤類;−(3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニ
オ]−1−プロパンスルホン酸塩(CHAPS);−(3−[(3−コールアミ
ドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸
塩(CHAPSO);オクチルβ−グルコシド;オクチルβ−チオグルコピラノ
シド;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);これらの誘導体類;及びこれらの混
合物を含む群から選択されることが好都合である。
【0015】 前記基質は、リン酸誘導体、及びエステル誘導体、イミド誘導体、アミド誘導
体又は蛍光団へと分解可能な他の誘導体であることが特に好ましい。
【0016】 サンプル中の2つの未知物を検定するために、前記組成物は更に、第2の蛍光
団の非蛍光性誘導体を含む第2の基質を含み、前記シフト試薬の存在下での前記
第2の蛍光団の吸光波長極大は、前記第1の蛍光団の極大と異なっている。前記
第2の蛍光団の極大は、前記シフト試薬によってシフトされ得る。
【0017】 サンプル中の複数の未知物の検定(多分析物測定(multi-analyte determinat
ion))のために、組成物は、複数の蛍光団の非蛍光性誘導体を含む複数の基質 を含み、前記シフト試薬の存在下での各蛍光団の各吸光波長極大は、それぞれ他
の蛍光団の極大とは異なっている。この場合、各蛍光分子の幾つか又はそれぞれ
の極大はシフト試薬によってシフトされ得る。
【0018】 前記組成物は、通常、検定系(システム)にて用いることができ、この検定系
は、例えば免疫検定法(イムノアッセイ);酵素免疫検定法(エンザイムイムノ
アッセイ);酵素結合免疫吸着検定法(エリザ法);及び酵素阻害検定法を含む
群から選択される、酵素を使用する全てのタイプの検定から選択することが好都
合である。
【0019】 好ましくは、前記組成物は個別に供給され、前記第1の蛍光団の誘導体、存在
するなら他の蛍光団類、及びシフト試薬は、検定されるサンプルの存在下、或い
は検定装置内で一緒に混合される。
【0020】 本発明の第2の態様によると、サンプル中の所望生成物について検定する方法
であって、 (a)前記サンプルを基質及びシフト試薬と組み合わせ、ここで、前記基質は蛍
光団の非蛍光性誘導体であり、前記シフト試薬は蛍光団の吸光極大波長をシフト
させる試薬である行程; (b)前記所望生成物を示す蛍光スペクトルを生成する光源を使用し、ここで、
前記光源は既知の励起波長における極大強度を有し、前記シフト試薬は、前記吸
光波長極大をシフトさせて実質的に前記既知の励起波長に一致させる行程; を有することを特徴とする前記方法が提供される。
【0021】 通常、本発明の第1の態様に係る前記組成物を、本発明の第2の態様の前記方
法の(a)工程における前記シフト試薬及び基質として使用できる。
【0022】 (a)工程は前記サンプルを複数の酵素基質と組み合わせることを含み、各基
質は蛍光団の非蛍光性誘導体であり、各蛍光団は前記シフト試薬の存在下で、他
の蛍光団若しくは蛍光団群とは異なる吸光波長極大を有し;(b)工程は、所望
生成物を示す蛍光スペクトルを生成する光源を使用することを含み、前記光源は
、各蛍光団のそれぞれの吸光波長極大と一致する複数の既知波長において極大強
度を有する。
【0023】 好ましい実施態様において、前記方法は、複数の所望生成物の検定のためのも
のである。
【0024】 好ましい光は、狭いバンド幅の励起ビームを提供してフィルターを必要とせず
、又狭いバンド幅の生成にフィルターを用いる光源よりも使用電力(パワー)が
低い、LED又は低電力ダイオードレーザとされる。
【0025】 好ましくは、更なる所望生成物をもサンプル中で検定され、ここで、更なる酵
素基質が(a)工程にて組み合わされ、前記更なる基質は更なる蛍光団分子の非
蛍光性誘導体である。
【0026】 本発明の第3の態様によると、検出系内の蛍光団の吸光波長極大をシフトさせ
る試薬の使用が提供される。この試薬(作用物)は本発明の第1の態様において
規定されるようなシフト試薬(作用物)を含むことが好都合である。
【0027】 以下、添付の図面を参照して本発明を説明する。
【0028】 本発明の一実施態様を、蛍光分子としてナフトフルオレセインを用いて、以下
に説明する。ナフトフルオレセインは、本発明において有用な蛍光性キサンテン
染料の例証となる。他のキサンテン蛍光団の例は、4,10−ジブロモナフトフ
ルオレセイン及びヴィタブルー(vita blue)(図9)である。
【0029】 ナフトフルオレセインの特に有利な基質は、後述するようにナフトフルオレセ
インの外側ベンゼン環上の水酸基を置換することによって生成されるリン酸塩で
ある。
【0030】 (1)ナフトフルオレセインリン酸塩(NFP)の合成 ナフトフルオレセインリン酸塩の合成は、フアング(Z. Huang)、オルソン(
N. A. Olson)、ユー(W. You)及びハウグランド(R. P. Haugland)[J. Immu nol. Methods (1992)、149、261]によってフルオレセインに関して
記載された手順に従って行う。反応工程は図1に示される。
【0031】 方法 0.25mmolのナフトフルオレセイン(0.1067g)に、ドライピリ
ジン4mlを0℃の窒素ガス下で加えた。この溶液に、4mlドライピリジン中
の10.7mmolのリン(III)オキシクロリド(1ml)を0℃の窒素ガ
ス下で加えた。TLCにおける定常スポット(7:1:1:1のエチルアセテー
ト:メタノール:水:酢酸にて、NFPに対してRf=0.2、又ナフトフルオ
レセインに対してRf=0.8)によって示されるように、反応混合物は30分
以内に完成した。反応は、40mlの冷水内に注ぎ、又水酸化アンモニウムでp
H7.0に中和することによって制止した。その後、ピリジンを過剰量のクロロ
フォルムで抽出した。水性相を凍結乾燥した。
【0032】 ナフトフルオレセインリン酸塩は、分画範囲100〜700のセファデックス
G−10(ファルマシア(Pharmacia)製)を用いて、サイズ排除クロマトグラ フィー(SEC)によって精製した。ナフトフルオレセイン一リン酸塩(NFM
P)及びナフトフルオレセイン二リン酸塩(NFDP)である可能性が極めて高
い2つの良く分離したピークが観察された(図2)。これらのピークを集め、凍
結乾燥した。250mgの未精製NFPは、69.2mgの推定NFMP及び8
9.1mgのNFDPを産した。即ち、63.3%の総収率であった。
【0033】 NFPの特徴付け (a)構造的 赤外スペクトル: リン酸塩に対する強い吸収帯が、1000〜1500cm-1の赤外(KBr)
にて生起した。これはリン酸塩結合及び多重リン酸塩結合を示す。
【0034】 質量スペクトル: 593領域で親イオンを示し、結合(コンジュゲーション)が成功であること
、即ち、NFPが生産されたことを証明する。
【0035】 (b)分光学的 UV−VIS(紫外−可視)スペクトル: 一般に、NFPは、加水分解前には約500nmにおいて極大吸収を示し、一
方、加水分解後の吸光度は、600nm近くで極大となる(図3)。
【0036】 蛍光スペクトル: NFPは非蛍光性基質である。これは、アルカリ性ホスファターゼでの加水分
解時に660nmにおいて蛍光を示す(600nmで励起された時)。図4は、
NFP及びその加水分解生成物であるナフトフルオレセインの、典型的な励起及
び発光プロフィールを示す。
【0037】 (c)NFP、NFMP、NFDP及び4MUP(例示的目的のための、伝統
的なアルカリ性ホスファターゼ蛍光原基質)の酵素的比較検討。
【0038】 図5は、ナフトフルオレセインリン酸塩からナフトフルオレセインへのアルカ
リ性ホスファターゼ加水分解におけるインキュベーション時間の影響を示す。N
FPの精製された成分であるNFMP及びNFDPの動力学的パラメータを検定
し、アルカリ性ホスファターゼに対する伝統的な蛍光原基質である4MUPの同
じ特性と比較した。
【0039】 NFMPは、NFDPよりもアルカリ性ホスファターゼに対するより効率的な
基質であることが分かった(図6)。この発見の考えられる理由は、図7に示さ
れる如く、NFDP加水分解がNFMPを介して起こることであり、これにより
、全てのNFDPがナフトフルオレセインに完全に加水分解されるためには、よ
り長い時間を要する(即ち、加水分解は2段階プロセスである)。調べた3つの
基質のうち、4MUPは、NFMP又はNFDPよりもアルカリ性ホスファター
ゼに対するより良い基質であることが分かった。4MUPはNFMP及びNFD
Pよりも、より優れた初期反応速度を有する。4MUP、NFMP及びNFDP
に関し、1分間に1ngのアルカリ性ホスファターゼで形成される生成物量は、
それぞれ0.36、0.038及びN/A(測定値なし)であった。
【0040】 ミカエリス・メンテン定数(Km)(酵素に対する基質の効率の示度)を、上
に挙げた基質に関して測定した。基質のKm値がより小さければ小さいほど、そ
れは基質としてより効率的である。4MUP、NFMP及びNFDPに対するK
m値は、それぞれ0.092、0.022mM及びN/Aであることが分かった
。4MUPの酵素動力学(キネティクス)はNFMP及びNFDPのそれよりも
優れているようだが、NFMPは酵素検定における基質として使用するのに適し
ている。一方、NFDPは、加水分解が2ステップ含むということが欠点である
(図7)。
【0041】 他のキサンテン蛍光団類を同様にリン酸化できる。例えば、図9に示される、
4,10−ジブロモナフトフルオレセイン、ヴィタ(vita)ブルー及びアン
トラセン誘導体をリン酸化して、アルカリ性ホスファターゼによる加水分解後に
蛍光性となる非蛍光性化合物(基質)類を形成することができる。アントラセン
誘導体は、図1に示されような方法と同様にして調製することができ、又4,1
0−ジブロモナフトフルオレセイン及びヴィタブルーも同様である。アントラセ
ン誘導体は、標準的に誘導化され得るし、或いは慣例技術によって水性媒体中で
より可溶性とされる。
【0042】 シフト試薬(Shifting Reagents) 幾つかのキサンテン基(ベース)蛍光団(ナフトフルオレセイン及びジブロモ
ナフトフルオレセイン)の蛍光強度に対する、シクロデキストリン類、洗剤類及
び界面活性剤類の影響に関する調査によって、これらの化合物の吸収波長が、幾
つかのシクロデキストリン類及び界面活性剤類の存在下で、電磁スペクトルの更
に赤色端へとシフトされることが観察された。
【0043】 有用なシフト作用物は、シクロデキストリン類;置換シクロデキストリン類;
界面活性剤(surfactant)類;洗剤(detergent)類;−(3−[(3−コール アミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩(CHAP
S);−(3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒ
ドロキシ−1−プロパンスルホン酸塩(CHAPSO);オクチルβ−グルコシ
ド;オクチルβ−チオグルコピラノシド;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);
これらの誘導体を含む。
【0044】 或る範囲のシクロデキストリン類、界面活性剤類及び洗剤類を異なる濃度にお
いて使用した場合、表1及び2、及び図10(0.1MのNaOHは対照を示す
。)に示されるように、キサンテン蛍光団に対して4nmと46nmの間の吸光
及び発光波長シフトが観察されることが分かった。
【0045】 ナフトフルオレセインスクシンイミジルエステル(NFSE)のアルブミン、
アボアルブミン及びα−カゼインへの結合(コンジュゲーション)は、結果とし
て、ナフトフルオレセインの吸光、励起及び発光波長を電磁スペクトルの更に赤
色端へとシフトさせた。ナフトフルオレセインは、通常、600nmの吸光及び
励起波長極大、660nmの発光極大波長を有する。ナフトフルオレセインに結
合されたアルブミン、オボアルブミン及びα−カゼインに関する吸光、励起及び
発光波長のシフトは表3で与えられ、又図21〜23に示される。この赤側シフ
ト(red shift)現象は、ナフトフルオレセインと共にシクロデキストリン類、 洗剤類及び界面活性剤類を用いた場合に観察されるものと同様である。ナフトフ
ルオレセインタンパク質結合物の過標識化(over labelling)は、結果としてナ
フトフルオレセイン蛍光を消滅させる。特異的酵素での結合物(コンジュゲート
)の処理は、タンパク質がより小さいナフトフルオレセインペプチドフラグメン
トへ分解する結果として、ナフトフルオレセイン結合物蛍光を再生する。従って
、多量に標識化された、アルブミン、オボアルブミン及びα−カゼイン(染料の
タンパク質に対する初期比率は50:1及び100:1)のナフトフルオレセイ
ン結合物をHTSスクリーニング検定の開発に使用した。
【0046】 結果
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】 又、CHAPSがCy5(648nmの励起及び670nmの発光のスペクト
ル特性を備えたシアニン基(ベース)蛍光団)の蛍光強度を、因数(ファクター
)約10で強化することが分かった。吸光/励起プロフィールに関して649n
mから654nmの約5nm、及び発光プロフィールに関して664nmから6
71nmの約7nmの、わずかな波長シフトが観察された(図11)。
【0051】 CHAPS、シクロデキストリン及び他の同様の化合物類の、ナフトフルオレ
セイン及び同様の化合物類の吸光極大をシフトさせる能力は、狭いバンド幅のレ
ーザ出力にその極大を適合(マッチ)させる手段を提供し、分析のために非常に
清浄なスペクトルを与える。このような適合された蛍光団は、多分析物(multi-
analyte)蛍光検出器に関する、英国特許出願第9717021.1号(199 7年8月12日出願)に記載された検出装置での使用に特に適している。その内
容を参照により本明細書に援用し、又、以下に簡単に説明する。しかし、本発明
の組成物は、或る特定の種の存在を検定する任意の蛍光検出器において有用であ
る。
【0052】 好ましい検出装置 図17は、国際出願公開番号WO97/29376のフローインジェクション
(フロー注入)システム中の多分析物検出器30の好ましい実施態様の主要構成
部分(メインユニット)を示す。図18に示されるように、制御ユニット34は
パーソナルコンピュータ又は他の装置を介してユーザインターフェイスに連結さ
れる。この連結は、通常、ソフトウェアの形態をとり得る。このソフトウェアイ
ンターフェイスは、使用者又は検出器30の上流から、サンプル及び/又は各サ
ンプルについて行われる試験間の間隔の情報を受けることができる。制御ユニッ
トは受け取った情報に従って、より詳しくは後述するように、検出器30の構成
要素を操作する。
【0053】 幾つかの状況において、質的な測定は、単に標的物質が検出されたか否か、即
ち、蛍光団の存在に帰することのできるある特定の量の蛍光よりも、いくらか以
上であるか否かを測定すればよい。しかし、標的物質の量のより精密な測定が要
求されることが多いだろう。
【0054】 1.2つ以上の励起波長の使用 このシステムは、2つ以上の波長オプション(選択性)を提供し、好ましくは
レーザダイオード31によって提供される。レーザダイオードは、伝統的な励起
源と比較して、 a.高い電力(パワー)供給が必要なく、消費電力が小さいこと b.一定した波長と一定の光出力 c.デジタル制御の小型ユニット d.波長オプション(選択性)のための交換が簡単であること を含む幾つか有利な点を有している。
【0055】 この検出システムにおいて、2つ以上のレーザダイオード31、32、33(
又は他の光源)が励起源として使用され、これらのそれぞれは、レーザドライバ
によって制御され、図19に示されるような光の逐次間隔(インターバル)パル
スを生成する。勿論、例えば単一分析物のみが検定される場合など、幾つかの実
施態様のためには、1つのレーザのみを必須とし得る。レーザは、蛍光分子(蛍
光団)が存在し得る試験セル27上に発光するように配置され、生成した蛍光発
光はセンサアレイ35に導かれる。これら蛍光団はそのスペクトル特性が特定の
レーザのそれに適合することから選択され、各レーザ31、32、33は少なく
とも1つの特異的及び個別の蛍光団パートナーを有する。この適合化工程(マッ
チングプロセス)において本発明は特に有利である。
【0056】 パルス率(パルスレート)は、プログラム可能なマイクロプロセッサー又は制
御ソフトウェアを介して計算及び制御することができ、それによりレーザドライ
バスピードとパルスの間隔時間は、各蛍光団からの蛍光を適当なデータチャンネ
ルに捕らえるようにセンサアレイの要求に適合される。これらレーザは、逐次に
作動してよいし、或いは1つのレーザを他のレーザが作動される前に繰り返し作
動(パルス)してもよい。
【0057】 2.多チャンネル時間ゲートアプローチ パルスレーザ源の使用は、センサアレイ35が、フローセル27内の蛍光団か
らの蛍光、存在する他の任意の分子からの非特異的蛍光、及びレーザ源からの任
意の散乱光を含むパルス光信号を、フローセル27から受け取ることを意味する
。伝統的な蛍光計では、非特異的又はバックグランド蛍光、並びに散乱光は、フ
ィルター類又はモノクロメータ類の使用によって除去或いは顕著に減少される。
ここに記載される蛍光計は、フィルター類或いはモノクロメータ類を必要とせず
、特異的な蛍光測定を行うことができる。
【0058】 近赤外(NIR)領域(約600〜900nmにわたる領域)の蛍光を測定す
ることの主要な利点の1つが、内因性NIR蛍光分子が比較的少ないことである
ことは周知である。これにより、非特異的な内因性蛍光によるバックグランド干
渉は顕著に減少される。伝統的な蛍光計における広バンド励起源からの散乱光は
、しばしば問題となる。なぜなら、最大測定感度を得るために、多くは20nm
までの広いバンドパス設定を用いる必要があるからである。これは、検定される
サンプル上に最大量の光を落とすことを確実にするが、特異的蛍光信号をしばし
ば遮蔽(swamp)し得る、より増加したレイリー散乱という犠牲を払う。レーザ ダイオード源を用いると、極めてタイトなバンド幅(2〜4nm)にて多量の光
出力を出射することが可能であり、これによって短波長側(short)スペクトル 領域へのレイリー散乱の影響を最小化する。更に、この散乱信号の強度は波長の
逆数で4倍に変化する。従って、NIR領域における操作は、この散乱光の大き
さを減少させる。NIR領域での作業のこの利点にも拘わらず、幾つかの他の蛍
光団の共励起からのものを含む、いくらかの非特異的信号が依然としてセンサで
検出されよう。そこで、多チャンネル時間ゲート(MCTG)アプローチをセン
サアレイと共に使用して、関心事象の蛍光を選び出す。MCTGを使用して、各
レーザパルスからの蛍光信号は、センサ35から収集し、そのレーザ31に対す
る特定のデータチャンネル内に蓄えられる。この方法で、所望により2つ以上の
レーザダイオードを使用することによって、試験セル内の2つ以上の蛍光団から
、2つ以上の発光パルスをモニターすることができる。各レーザダイオード31
、32、33は順次パルスされ、適合したスペクトル特性をもって次々に蛍光団
を励起させる。各レーザパルスは、それぞれ自身に特定の間隔(インターバル)
時間を有し、これは組み合わされた発光パルスに割り当てられる。従って、特定
のレーザによって発生された発光パルスを、選択されたデータ取得用チャンネル
に時間ゲートし、そのデータをセンサアレイの制御にフィードバックすることが
可能である。
【0059】 この方法で、蛍光測定を次のように行うことができる。全ての事象の全体のタ
イミングはシステムクロックによって制御され(図20a)、与えられた時間周
期でレーザ1は規定された時間及び強度の光パルスを出射する(図20b)。蛍
光団1は同等の時間及びその濃度に依存した強度にて蛍光をもって応答する(図
20c)。他のレーザ/蛍光団ペアは逐次に同等の様式で作動し(図20d〜2
0h)、発光パルスは、センサからそれらに対するそれぞれのデータチャンネル
へと収集される(図20i)。変化し易い蛍光減衰の影響を最小化するために、
データ収集はレーザパルス終了のほんの少し前に止める。
【0060】 逐次パルスモードでのレーザの使用に加えて、一定波モードで作動させること
が可能であり、これによると各レーザは連続的に作動して、サンプルが測定され
ている全時間にわたりサンプルを照射する。もし、2つ以上のレーザがこの方法
で作動され、又各々適当な蛍光団とペアとされ、各レーザ源に対して確認可能な
蛍光応答があるなら、多分析物測定を行うことができる。この検出器の使用は、
例えば、ピーク1、ピーク2及びピーク3がそれぞれ一定波長レーザ1、2、及
び3によって励起された後の蛍光団発光である、3つの蛍光団の励起されたスペ
クトルを生成する。明快とするため、散乱レーザ光は省略した。ここで、混合発
光信号は2つの方法で扱うことができる。第1に、以下に説明するように、純粋
な発光スペクトルを発生するために多変量解析ソフトウェアを使用できるパルス
発光信号の評価によって扱われる。もう1つの方法として、センサをプログラム
して、各標識に対して特定的な狭い波長範囲、即ち、Δλ1、Δλ2及びΔλ3の データを収集することができる。これによって散乱光を避け、又、各ピークの強
度は溶液中の蛍光の強さを示すので、従って定量測定として使用することができ
る。
【0061】 2つ以上のレーザダイオードからの蛍光スペクトルを収集するために、一定波
レーザ、2次元CCD検出器及び分光器を使用することは、レーザをパルスさせ
ることに代わるものを提供する。検出の時間ゲート、即ち、スペクトル分離は、
フローセルの異なる部分から得た蛍光信号の、光ファイバカップリングを用いる
分光器のインプットにおいて、空間的に達成し得るだろう。液体光ガイドは、バ
ンドル(束)と比較して非常に高スループットであるので、カップリングに他の
アプローチを提供する。
【0062】 個別の光源を使用することが好ましいが、所望の蛍光団から発光される波長の
みが通過できるように設計されたフィルターを使用することができる。励起光を
修飾するために波長可変フィルターを使用することができ、又これは発光された
蛍光についても使用することができる。しかし、フィルター類(波長可変又は一
定)は、個別の光源と比較して、同程度の信号を起こすためにより多くのエネル
ギーを使用するので好ましくない。
【0063】 3.データ取得のためのセンサアレイ装置上への波長分散 フローセルからの蛍光発光は広いスペクトル範囲にわたるので、装置はこのス
ペクトルをセンサアレイに分散することを要求される。好ましいオプションでは
、発光された蛍光パルスをポリクロメータ上に合焦させ、そしてセンサアレイ3
5に分散しわたし、発光スペクトルを現す。別法によれば、センサで発光スペク
トルを生成するために、モノクロメータを使用して発光ビームを急速スキャンす
る。各蛍光団のスペクトル特性は既知であるので、初めに純粋な対照サンプルを
使用してセンサアレイを各レーザ/蛍光団ペアに関して波長較正し、スペクトル
データをコンピュータ内の適切なデータチャンネルに蓄積させる。サンプル測定
値を得る時には、データチャンネル中に集められた発光プロフィールは、予想さ
れたプロフィールに対して検査され、そして多変量解析ソフトウェアを用いて、
共励起された蛍光団からのスペクトルオーバーラップを含む非特異的成分の除去
を行う。センサアレイ35は、各標識のための、狭い波長範囲にわたるデータを
収集するようプログラムすることができる。そして、各信号の強度は溶液中の蛍
光の強度を示し、これにより定量測定として使用することができる。
【0064】 この適用のためには、高感度且つ高速センサを使用してフローセル内の溶液か
ら蛍光を捕らえることが好ましい。適当なセンサは、急速自動スキャンモードで
作動するCCD光電子装置であろう。これにより、主に装置内の極めて低い暗電
流に帰される良好な信号−雑音(signal to noise)特性での、発光(放射)光 子の量的捕捉ができる。CCDは、それ自身ドライバアセンブリを有し、それを
介してスキャン時間を発光パルスの速度に適合するよう設定することができる。
制御手段は、センサアレイからのデータ取得をデジタル制御するプログラム可能
なマイクロプロセッサ、及びインターフェイスを含む。
【0065】 別法として、例えば音響光学同調フィルターなどの同調フィルター(チューナ
ブルフィルター)を、分光器の替わりに波長選択要素として使用することができ
る。例えば光電子増倍管や光検出器のような単一の検出器要素でCCDアレイを
置換することができよう。この場合、光源はパルスさせるのが通常であろし、又
、同調フィルターを運転させる電圧ランプ(例えば、オシロスコープ、トランジ
エントデジタイザ(過渡デジタル化装置)、マルチチャンネルスケーラ(計数回
路))に同期されたシステムクロックと共に、データ保存装置の異なるデータチ
ャンネル間で検出器出力をスイッチング(転換)する手段によって、蛍光スペク
トルを逐次蓄積するのが通常であろう。適当な同調フィルターはブリムローズ社
(Brimrose Corp.)から入手可能である。このような装置は、CCDベースのシ
ステムより製造コストが多少低い。別法として、フィルターをスイッチ(転換)
することができるだろう。
【0066】 検出器は、キュベットその他内の固体支持体上の試験サンプルを分析するのに
使用してもよい。しかし、本検出器は、国際出願公開番号WO97/29376
(出願日:1997年2月6日、優先日:1996年2月9日)に記載されるフ
ロー分析システム中の検出器として使用するとき、特に有利である。その内容は
参照により、特に、好適に採用し得るフロー分析システムの型に関して本明細書
に援用する。水性媒体に可溶性である本発明の組成物は、特にこのタイプのフロ
ー分析システムにて有用である。
【0067】 例1 5%w/vCHAPSの存在下でのナフトフルオレセインの吸光極大はおよそ
630nmであるので、これは、励起源として635nmレーザダイオードを用
いて測定できる。この終点(end point)検出システムは、上述のナフトフルオ レセインリン酸塩と共に使用して、アルカリ性ホスファターゼに関する検定、並
びに例えばテオフィリンなどの多くの分析物に関する免疫検定及び酵素阻害検定
を行うことができる。他には、このアプローチは、組合せ論的に生成された化合
物を、ある疾病症状に関係する酵素類又は受容体(レセプター)類に対するそれ
らの活性についてスクリーニングする分野に大いに適用されよう。
【0068】 結果 次のデータはポータブル固体長波長蛍光検出器を使用して得た。この蛍光検出
器は、635nmの2mWレーザダイオード光源(パワー・テクノロジー社(Po
wer Technology Ltd.))、高速、広エリア、シリコンホトダイオード(RSコ ンポーネンツ社(RS Components Ltd.))、635nmにて10%且つ680n
mにて88%の透過を有するオプトシグマ(Optosigma)短波カットオフフィル ター(D50.8/WL640)、低ノイズ線形増幅器及び種々の構造材料を用
いて構成された。検出器からの出力は、デジタルマルチメータを使用してミリボ
ルト単位で測定された。2%w/vCHAPS及びヒドロキシプロピルβ−シク
ロデキストリンの存在下及び非存在下でのナフトフルオレセイン溶液に対する出
力を図13に示す。
【0069】 適用の具体例 製薬会社の主要な活動は、感染に続き長い潜伏期間を伴う、例えばヒト免疫不
全ウイルス(HIV)のようなRNAウイルスを処置する薬剤の探索である。逆
転写酵素阻害剤は、AIDSを上首尾に処置するのに使用される化合物の第1の
グループの1つであった。初めに、AIDSの処置のために開発された広範囲の
薬剤候補によるこの酵素の阻害を試験するために、スクリーニング検定法が開発
された。ブリティッシュ・バイオテクノロジー社(British Biotechnology Plc )によって開発中の癌処置薬剤、マリマスタット(Marimastat)は、
ある金属プロテアーゼ酵素の阻害により、種々の形態の癌(例えば、膵臓癌)に
対抗すると考えられている。
【0070】 上述の終点検出システムを、上述のナフトフルオレセインリン酸塩及び他の潜
在的な長波長酵素基質(図9)と共に使用して、組合せ論的に生成された化合物
の高速スクリーニング(ハイスループットスクリーニング:HTS)を行うこと
ができる。HTSは、受容体(レセプター)結合検定、ELISA及び酵素阻害
検定の形態をとることができる。他に、伝統的な酵素基質検定での使用に適用す
ることができよう。
【0071】 薬剤又は他の分析物による酵素の阻害に基づいた2つのスクリーニング検定モ
デルを、ナフトフルオレセインを使用して以下に説明する。第1の例において、
アルカリ性ホスファターゼが酵素、ナフトフルオレセインリン酸塩が酵素基質、
又テオフィリンが酵素阻害剤である。第2の例において、アルカリ性プロテアー
ゼが酵素、ナフトフルオレセイン−アルブミンが結合物及びEDTAが酵素阻害
剤である。
【0072】 検定方法具体例 100μmのNFMP(50μg/ml)を20μlのアルカリ性ホスファタ
ーゼ(10μg/ml)に加え、2%w/vのCHAPSを含有する0.05M
のTris緩衝液(pH9.1)で容積を2mlまで増やした。次いで、この混
合物を22℃で20分間インキュベートした。伝統的な研究用蛍光計を使用して
、励起モノクロメータを635nmにセットし(即ち、CHAPS存在下におけ
るナフトフルオレセインの励起極大)、650〜840nmの範囲にわたって、
加水分解生成物であるナフトフルオレセインの蛍光スペクトルを測定した。上述
の手順を、インキュベーション混合物中に治療的範囲にわたる様々な量(0〜1
8μg/ml)のテオフィリンを含有させて繰り返した。テオフィリンによるア
ルカリ性ホスファターゼ活性の阻害を図14に示す。テオフィリンの治療的範囲
をカバーする較正曲線を図15に示す。
【0073】 次いで、前述した、又国際出願番号PCT/GB98/02394に記載され
る固体検出器を使用して上述の検定を繰り返した。結果を図16に示す。
【0074】 この阻害検定方法は、多数の酵素に対する幾十又は幾百という多数の潜在的薬
剤の同時スクリーニングのためのHTS方式(モード)にて使用することができ
る。その最も単純な形態では、厳密な構造活性相関(SAR)を使用して組み合
わせ論的に生産された薬剤を、異なる疾病症状に関係する多くの酵素に対してス
クリーニングすることができる。それぞれの酵素は、例えば、非蛍光性であるが
特定の酵素によって加水分解でき、長波長蛍光生成物を与える(励起/発光極大
が635/680より大きい)といった、ナフトフルオレセインリン酸塩と同様
の蛍光特性を備えた特異的基質を有しているだろう。例えば、もし1つの薬剤を
4つの酵素に対してスクリーニングし、各酵素の加水分解生成物がスペクトル的
に隣のものと分離されるならば、国際出願番号PCT/GB97/00334及
び図17に記載されるフローインジェクション多分析物検出システムの若干の修
飾バーションを使用し、薬剤を4つの酵素への阻害効果についてスクリーニング
することが可能である。各酵素の加水分解生成物の励起極大は、市販のダイオー
ドレーザの作動波長に適合しなければならない。図12の略図及び図17〜19
の装置を使用した典型的な手順を次に説明する。
【0075】 組み合わせ論的に生産された潜在的薬剤を2に収容し、一方、ビーズに固定化
された標的分子若しくは溶液中の標的分子(例えば、酵素類)及びそれらの基質
を3の中の異なるコンパートメント(区画)に収容する。蠕動ポンプによって推
進されるキャリア緩衝液を1に収容する。ある疾病症状に関係する標的分子、受
容体(レセプター)及び酵素は、通常、供給に限度があるので、これらの試薬を
ビーズ上に固定化することがより経済的である。
【0076】 薬剤及び4種類の異なる酵素を伴うスクリーニング手順の開始して、2からの
潜在的薬剤の既知容量をキャリア流中に導入する。同時に、ビーズ上に固定化さ
れた4種類の酵素の混合物の既知容量を3からキャリア流に導入する。次いで、
2及び3からの双方の試薬は合流され、4内で完全に混合される。このインター
バルの後、酵素特異的基質の既知量をAにおいて3から導入して、薬剤−酵素混
合物に合流させる。その結果生じる潜在的薬剤−酵素−基質混合物を、5内で一
定時間インキュベートし、その後流れは障壁(バリア)6へと向ける。薬剤の効
果に依存して蛍光性となる酵素的加水分解生成物は、次いで障壁6を通過してフ
ローセル8及び蛍光検出器9上へと流れ、一方、固定化酵素を含むビーズは保持
される。これらのビーズは、その後、7からの洗浄溶液を用いて廃棄へと逆洗(
バックフラッシュ)される。酵素生成物から生成した蛍光強度は、調査された特
定酵素に対する潜在的薬剤の効果を示す。酵素への薬剤の阻害効果の結果、酵素
活性は減少し(即ち、蛍光がほとんど無い、又は無い)、一方薬剤による酵素活
性の増強の結果、蛍光信号は増加する。上述の手順を用いて、多数の酵素、及び
他の標的分子を、図12に概略的に示すように、同時に1つ以上の潜在的薬剤と
スクリーニングすることができる。当然、酵素類は互いに、又他の酵素基質類に
干渉しない。
【0077】 一般に、逆手順を用いて、幾千、幾十万という多数の定義不十分な潜在的薬剤
を1つの酵素/受容体(レセプター)に対する活性に関して一度にスクリーニン
グする。カリブラント社(Kalibrant)の技術を使用すると、幾百という多数の 良く定義された潜在的薬剤を、特定の疾病又は異なる疾病症状に関係する酵素グ
ループと共に又はそれに対してスクリーニングすることが可能である。
【0078】 ナフトフルオレセイン及びナフトフルオレセインリン酸塩を用いて説明したス
クリーニング手順は、4,10−ジブロモナフトフルオレセイン、ヴィタ(vi
ta)ブルー及びそれらに対応するリン酸塩類を使用して行うことができよう。
ナフトフルオレセイン及び4,10−ジブロモナフトフルオレセインの吸光/励
起極大はCHAPSによってそれぞれ40及び46nmまでシフトされる。従っ
て、4,10−ジブロモナフトフルオレセインと共に655nmレーザダイオー
ドを使用することができる。例えば、もしヴィタ(vita)ブルーの吸光/励
起極大が等量、即ち、633nmから約670nmにシフトされるなら、この蛍
光団と共に670nmレーザダイオードを使用することができる。他のナフトフ
ルオレセイン、4,10−ジブロモナフトフルオレセイン及びヴィタブルー基質
を使用して他の酵素、例えばエステラーゼ、グリコシダーゼ、ペプチダーゼ/プ
ロテアーゼ、キナーゼ、スルファターゼをスクリーニングすることができよう。
【0079】 例2 15μlのアルカリ性プロテアーゼ酵素(0.57U/ml)を、炭酸塩バッ
ファー(pH9.6、濃縮)中の10μlのナフトフルオレセイン−アルブミン
結合物に加え、同一緩衝液で容量を1.2mlに増やした。次いで、混合物を3
7℃で10分間インキュベートした。酵素によるナフトフルオレセイン結合物の
加水分解の結果としての蛍光発光の増加を、それぞれ640nm及び685nm
の励起及び発光波長においてモニターした(図4)。他の検討において、酵素及
び結合物の反応混合物にEDTAを含有させた結果、酵素による基質の加水分解
が減少した。上述の試薬及び阻害剤としてのEDTAを使用する、阻害検定の原
型(プロトタイプ)を図5に示す。他の酵素類及び酵素阻害剤類をナフトフルオ
レセイン−アルブミン結合物と共に調査した。これらは、 (a)プロテイナーゼK(酵素)、3−アミノフェニルホウ素酸 一水和物(プ
ロテイナーゼK阻害剤) (b)キモトリプシン(酵素)、4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニ
ルフッ化物炭酸塩(キモトリプシン阻害剤) を含む。
【0080】 例2にて説明した検定手順は、スタティック(静的)ベース及びフローベース
のスクリーニングの双方における使用に形式化することができる。このような形
式、特にフローベースアプローチは、例えば受容体(レセプター)や酵素のよう
な標的に対する活性に関して、薬剤(組み合わせ化学(コンビナトリアルケミス
トリー)によって生成される)のHTSにおいて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ナフトフルオレセインからのナフトフルオレセインリン酸の合成を示
す。
【図2】 図1は、ナフトフルオレセイン二リン酸塩(A)、及び一リン酸塩(B)の精
製プロフィールを示す。
【図3】 図3は、ナフトフルオレセイン(A)、及びナフトフルオレセインリン酸塩(
B)の吸光スペクトルを示す。
【図4】 図4は、ナフトフルオレセインリン酸塩(A−励起)及び(B−発光)、及び
ナフトフルオレセイン(C−励起)及び(D−発光)の励起及び発光スペクトル
を示す。
【図5】 図5は、ナフトフルオレセインリン酸塩のアルカリ性ホスファターゼ加水分解
に対する時間の影響を示す。
【図6】 図6は、アルカリ性ホスファターゼによる、図2の(A)及び(B)からの、
22℃、25分後におけるナフトフルオレセインの生成の比較を示す。
【図7】 図7は、ナフトフルオレセイン二リン酸塩及び一リン酸塩のアルカリ性ホスフ
ァターゼ加水分解順序を示す。
【図8】 図8は、3種類アルカリ性ホスファターゼ基質の効率を示す。
【図9】 図9は、3種類キサンテン化合物を示す。
【図10】 図10は、シフト試薬(CHAPS3%w/v)有り及び無しでのナフトフル
オレセインの励起及び発光スペクトルを示す。
【図11】 図11は、シフト試薬(CHAPS3%w/v)有り及び無しでのCy5の励
起及び発光スペクトルを示す。
【図12】 図12は、本発明の方法を使用した多標的の同時スクリーニングを示す。
【図13】 図13は、固体蛍光検出器を使用した典型的な較正曲線を示す。
【図14】 図14は、テオフィリンの濃度の増加に伴うアルカリ性ホスファターゼの阻害
を示す。
【図15】 図15は、研究用品位(リサーチグレード)蛍光計を使用したテオフィリン阻
害検定のための較正曲線を示す。
【図16】 図16は、固体蛍光計を使用したテオフィリン阻害検定のための較正曲線を示
す。
【図17】 図17は、フローインジェクション装置を示す。
【図18】 図18は、図17に示される検出器の拡大図を示す。
【図19】 図19は、図17及び図18の装置におけるレーザの逐次的時間制御を示す。
【図20】 図20は、図19の蛍光発光のデータ取得を示す。
【図21】 図21は、ナフトフルオレセインスクシンイミジルエステル(NFSE)(A
−励起、B−発光)及びアルブミンに結合したNFSE(C−励起、D−発光)
の励起及び発光スペクトルを示す。
【図22】 図22は、ナフトフルオレセインスクシンイミジルエステル(NFSE)(A
−励起、B−発光)及びα−カゼインに結合したNFSE(C−励起、D−発光
)の励起及び発光スペクトルを示す。
【図23】 図23は、ナフトフルオレセインスクシンイミジルエステル(NFSE)(A
−励起、B−発光)及びオボアルブミンに結合したNFSE(C−励起、D−発
光)の励起及び発光スペクトルを示す。
【図24】 図24は、ナフトフルオレセインスクシンイミドへの、アルカリ性プロテアー
ゼによるナフトフルオレセイン−アルブミン結合物の加水分解における、インキ
ュベーション時間の影響を示す。
【図25】 図25は、ナフトフルオレセインスクシンイミドへの、アルカリ性プロテアー
ゼによるナフトフルオレセイン−アルブミン結合物の加水分解に対するEDTA
の影響を示す(37℃にて10分間インキュベーション)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 フレンチ,マーチン トーマス 英国 ケント ティーエヌ15 9ディーエ イチ セブンオークス イクスハム スプ リング レーン オールドベリー ビラズ 1 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB25 BB29 BB51 FA12 FA29 FB01 FB03 FB12 GC15

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光団の非蛍光性誘導体である基質と、本来450nmより
    大きい前記蛍光団の吸光波長極大をシフトさせるシフト試薬と、を含み、前記シ
    フト試薬は、前記極大を設定値にシフトさせるために予め決定された量にて存在
    することを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】 前記蛍光団は、キサンテン染料類;ポリメチンシアニン染料
    類;フェノキサジン染料類;チアジン染料類;フィコビリタンパク質類;及びこ
    れらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】 前記蛍光団は、 (a)フルオレセイン、ナフトフルオレセイン、及びフルオレセインとナフトフ
    ルオレセインの蛍光性誘導体類を含む群から選択されるキサンテン染料、他のキ
    サンテン染料、及びアントラセン基染料; (b)Cy3、Cy5、Cy7及びインドシアニングリーンを含む群から選択さ
    れるポリメチンシアニン染料; (c)ナイルブルー、ナイルレッド及びオキサジン750を含む群から選択され
    るフェノキサジン染料; (d)メチレンブルーであるチアジン染料;及び (e)これらの混合物; であることを特徴とする請求項2の組成物。
  4. 【請求項4】 シフト試薬の量は、例えば緩衝液とされる適当な溶媒中で1
    0%w/vより少ないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】 シフト試薬の量は、前記溶媒の5%w/vより少ないことを
    特徴とする請求項4の組成物。
  6. 【請求項6】 前記シフト試薬は、シクロデキストリン類;置換シクロデキ
    ストリン類;界面活性剤類;洗剤類;−(3−[(3−コールアミドプロピル)
    ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩(CHAPS);−(3−[
    (3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プ
    ロパンスルホン酸塩(CHAPSO);オクチルβ−グルコシド;オクチルβ−
    チオグルコピラノシド;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);これらの誘導体類
    ;アルブミン;α−カゼイン;オボアルブミン;及びこれらの混合物を含む群か
    ら選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記基質がリン酸塩誘導体、及びエステル誘導体、イミド誘
    導体、アミド誘導体又は蛍光団へと分解可能な他の誘導体であることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかの項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 更に、第2の蛍光団の非蛍光性誘導体を含む第2の基質を含
    み、前記シフト試薬の存在下での前記第2の蛍光団の吸光波長極大は、前記第1
    の蛍光団の極大と異なっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に
    記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記第2の蛍光団の極大は、前記シフト試薬によってシフト
    されることを特徴とする請求項8の組成物。
  10. 【請求項10】 複数の蛍光団の非蛍光性誘導体を含む複数の基質を含み、
    前記シフト試薬の存在下での各蛍光団の各吸光波長極大は、それぞれ他の蛍光団
    の極大とは異なっていることを特徴とする請求項8又は9の組成物。
  11. 【請求項11】 各蛍光団の幾つか又はそれぞれの極大は前記シフト試薬に
    よってシフトされることを特徴とする請求項10の組成物。
  12. 【請求項12】 前記組成物は検定系にて使用されることを特徴とする請求
    項1〜11のいずれかの項に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記検定系は、免疫検定法;酵素免疫検定法;酵素結合免
    疫吸着検定法;及び酵素阻害検定法を含む群から選択されることを特徴とする請
    求項12の組成物。
  14. 【請求項14】 前記第1の蛍光団の誘導体、存在するなら他の蛍光団類、
    及びシフト試薬は、検定されるサンプルの存在下、或いは検定装置内で一緒に混
    合されることを特徴する請求項12又は13の組成物。
  15. 【請求項15】 (a)サンプルを基質及びシフト試薬と組み合わせ、ここ
    で、前記基質は蛍光団の非蛍光性誘導体であり、前記シフト試薬は前記蛍光団の
    吸光波長極大をシフトさせる試薬である工程; (b)所望生成物を示す蛍光スペクトルを生成する光源を使用し、ここで、前記
    光源は既知の励起波長における極大強度を有し、前記シフト試薬は、前記吸光波
    長極大をシフトさせて実質的に前記既知の励起波長に一致させる工程; を有することを特徴とするサンプル中の所望生成物について検定する方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14のいずれかの組成物が(a)工程の前記基
    質及びシフト試薬を形成することを特徴とする請求項15の方法。
  17. 【請求項17】 (a)工程は前記サンプルを複数の酵素基質と組み合わせ
    ることを含み、ここで、各基質は蛍光団の非蛍光性誘導体であり、各蛍光団は前
    記シフト試薬の存在下で、他の蛍光団若しくは蛍光団群とは異なる吸光波長極大
    を有し;(b)工程は、所望生成物を示す蛍光スペクトルを生成する光源を使用
    することを含み、前記光源は、各蛍光団のそれぞれの吸光波長極大と一致する複
    数の既知波長において極大強度を有することを特徴とする請求項15又は16の
    方法。
  18. 【請求項18】 前記方法は複数の所望生成物の検定のためのものであるこ
    とを特徴とする請求項17の方法。
  19. 【請求項19】 前記光源は、レーザ又は複数のレーザであることを特徴と
    する請求項15〜18のいずれかの項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 更なる所望生成物をもサンプル中で検定され、ここで、更
    なる基質が(a)工程にて組み合わされ、前記更なる基質は更なる蛍光団の非蛍
    光性誘導体であることを特徴とする請求項15〜17のいずれかの項に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 検出系内の蛍光団の吸光波長極大をシフトさせる試薬の使
    用。
  22. 【請求項22】 前記試薬は請求項1〜14のいずれかの項に記載のシフト
    試薬を含むことを特徴とする請求項21の使用。
  23. 【請求項23】 添付の図面を参照して説明される組成物、及び/又は添付
    の図面によって例示される組成物。
  24. 【請求項24】 添付の図面を参照して説明される方法、及び/又は添付の
    図面によって例示される方法。
  25. 【請求項25】 ここに説明される及び/又は例示される蛍光団の吸光波長
    極大をシフトさせる試薬の使用。
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