JP2002500177A - 磁気応答性組成物 - Google Patents

磁気応答性組成物

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Abstract

(57)【要約】 磁気的に制御可能な(すなわち、磁気的に案内される)フェロカーボン粒子組成物、ならびにその使用方法および製造方法が開示されている。場合により、組成物は、粒子上に吸着された生物学的活性物質を担持してもよい。組成物には、サイズが0.1〜5.0μm、好ましくは0.5〜5.0μmである素材配合複合粒子が含まれ、粒子には、質量単位で1.0〜95.0%、好ましくは約20%〜約60%の炭素が含まれている。粒子は、鉄の粉末と炭素の粉末との混合物を機械的に混練することにより形成することができる。場合により、得られた粒子を生物学的活性物質の溶液中に入れて粒子上にこうした物質を吸着させてもよい。組成物は、一般的には、懸濁状態で投与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、体内の選択位置まで生体適合性粒子を送達するための組成物および
方法に関し、より詳細には、生物学的活性化合物を運ぶことのできる粒子に関す
る。この粒子を用いた場合、疾患の局所的な診断または治療を行うために、標的
まで粒子を磁気的に輸送し、所定の場所に粒子を保持することができる。
【0002】発明の背景 種々の疾患の治療に用いられる金属性担体組成物が今までに提案および/また
は利用されてきた(例えば、米国特許第4,849,209号および同第4,106,488号を参
照されたい)。こうした組成物の中には、外部からの磁場の印加に応答して生体
内で案内または制御される組成物が含まれていた(例えば、米国特許第4,501,72
6号、同第4,652,257号、および同第4,690,130号を参照されたい)。これらの組 成物は、必ずしも、実用性および/または十分な効力が実証されている訳ではな
かった。例えば、これらの組成物は、処置部位に所望の生物学的活性剤を運ぶの
に十分な能力が欠如していたり、所望の磁化率に達しなかったり、かつ/または
製造、保存、および/または使用が困難であったりする。
【0003】 血管内注入によって送達可能なこのような公知の組成物の1つとして、薬剤を
も含有する生体適合性ポリマー(アルブミン、ゼラチン、および多糖)で覆われ
た強磁性成分からなるマイクロスフェアが挙げられる(Driscol C.F.ら、Prog Am
.Assoc,Cancer Res., 1980, p.261)。
【0004】 磁性物質(マグネタイトFe3O4)と抗腫瘍性抗生物質ドキソルビシンとを含ん でなるサイズ3.0μmまでのアルブメンマイクロスフェアを作製することが可能 である(Widder K.ら、J.Pharm. Sci., 68:79-82 1979)。このようなマイクロ
スフェアは、薬剤溶液中にマグネタイトを懸濁させたインプット相を有するエマ
ルション(油中水型)中で熱的および/または化学的にアルブミンを変性させる
ことによって作製される。同じような手法を用いて、抗生物質マイトマイシンC を含有するエチルセルロースで覆われた磁気的に制御される(すなわち、磁気的 に案内される)マイクロカプセルが作製された(Fujimoto S.ら、Cancer, 56:2404
-2410, 1985)。
【0005】 もう1つの方法として、アテローム性動脈硬化症の原因となる形成物を溶解す
ることのできる製剤を運ぶサイズ200〜800nmの磁気的に制御されるリポソームを
作製する方法が挙げられる。この方法は、リン脂質が水の存在下で閉じた膜構造
を形成する能力に基づくものである(Gregoriadis G.,Ryman B.E.,Biochem.J.
, 124:58, 1971)。
【0006】 上記の組成物では、それを制御するのに極めて高い磁束密度の磁場が必要であ
り、しかも目標の性質を変化させることなく工業的規模で一貫した製造、滅菌、
および保存を行うことがいくらか困難である。
【0007】 これらの欠点を克服するために、強磁性物質としてフェロカーボン(ferrocar
bon)粒子を使用し、磁気的に制御される分散体を作製する方法が提案された(Kh
olodov L.E.,Volkonsky V.A.,Kolesnik N.Fらの欧州特許公開第0 451 299 A1 号を参照されたい)。フェロカーボン粒子は次のように作製される。まず、サイ ズ100μm〜500μmの粒子からなる鉄粉を酸素含有雰囲気下において800℃〜120
0℃の温度で加熱する。続いて、質量単位で約10%〜90%の量の炭素粒子が表面上 に出現するまで、一酸化炭素を用いて混合物を400〜700℃の温度で処理する。そ
の後、生物学的活性物質を粒子上に吸着させる。
【0008】 フェロカーボン粒子を製造するこの方法は、かなり複雑なうえに非常に多くの
エネルギーが必要である。酸素含有雰囲気下における高温でのフェロカーボン粒
子の合成に起因して強磁性成分が酸化されるため、得られる分散体の磁化率は、
金属鉄と比較して平均で約半分に減少する。このような粒子上に吸着される生物
学的活性物質の典型的な上限値は、強磁性粒子の質量の約2.0〜2.5%である。
【0009】 磁気的に制御される粒子は、上記の方法で作製した場合、球状の強磁性成分を
有し、そこから糸状の炭素鎖が延在し、一般的には、そのサイズは、約2.0μm である。この構造では、複合体の吸着容量が比較的低い値に設定されていまい、
更に、保存時および運搬時に脆い糸状の炭素鎖が強磁性成分から破壊されると考
えられる。
【0010】 従って、磁気的な輸送が可能であり、しかも製造、保存、および使用が比較的
容易である効果的な生体適合性組成物が依然として必要である。
【0011】発明の概要 本発明は、生物学的活性物質を運んでもよいし単独で使用してもよい磁気応答
性組成物を提供する。一般的には、任意の溶解性物質を運ぶことができる。これ
らの物質の多くは、今までに提案されたものである。例えば、限定されるもので
はないが、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗真菌薬、抗炎症薬、抗腫瘍薬、およ
び化学療法薬、ならびにそれらの好適な組合せを、粒子上に吸着させることがで
きる。また、本発明の磁気的に制御される担体粒子を使用することにより、他の
治療薬や薬物、例えば、全身的毒性抑制剤、抗生物質、ヒドロコルチゾンなどを
、in vivoで運搬および投与することもできる。それらの製造方法および使用方 法も提供される。
【0012】 本発明の目的は、生体適合性粒子の標的化輸送に使用するための磁気的に制御
される組成物のいくつかのパラメーターを改良することである。こうしたパラメ
ーターの改良としては、相対的吸着容量の増大、磁化率の増大、診断および治療
効果や使い安さの強化、更には、磁気的に制御される組成物の製造技術の簡素化
、およびその所望の特性を変化させることなく長期間にわたり確実に保存できる
ようにすることが挙げられる。
【0013】 このことは、磁気的に制御される組成物に対する磁気感受性材料として好適な
素材配合された(volume-compounded)フェロカーボン複合粒子を使用することに よって達成される。これらの粒子は、主要寸法(すなわち、最大直径)が約0.2μm
〜約5.0μm(好ましくは、0.5〜5.0μm)であり、約1.0%〜約95.0%(質量基準で)の
炭素を含有し、該炭素は鉄に強力に結合されている。これらの粒子は、鉄の粉末
と炭素の粉末との混合物を同時変形させることによって(すなわち、混練するこ とによって)得られる。完成粒子中に、痕跡量の物質セメンタイト(Fe3C)が含ま れることもある。
【0014】 in vivoでの局所的な疾患の治療に用いられる組成物は、主要寸法が約0.5μm 〜約5μmの粒子を含有し、各粒子は、炭素および鉄を含有し、場合によっては、
疾患の診断または治療に有効なものとして選択された、粒子表面上に吸着した生
物学的活性物質を含有する。
【0015】 組成物の製造方法には、鉄の粉末と炭素の粉末との機械的混合物を、粉末を結
合させるのに十分な時間にわたり同時変形させることにより、平均主要寸法5.0 μm未満のサイズを有する鉄:炭素粒子複合材料(これらの粒子の実質的な部分は 、各粒子の体積全体にわたって分布した炭素を質量基準で約1.0%〜約95.0%含有 する)に形成するステップが含まれる。好ましくは、約0.5μm〜約5.0μmの主要 寸法を有する粒子を選択すべく粒子の分別を行い、その後、質量基準で粒子の約
20%までの生物学的活性物質を、選択された粒子上に吸着させることができる。
【0016】 使用方法としては、疾患の局所的in vivo診断または治療を行うための方法が 挙げられる。この方法には、疾患の診断または治療に有効なものとして選択され
た生物学的活性物質を表面上に吸着させた磁気応答性フェロカーボン担体(例え
ば、本発明の担体)を提供することと、患者の体内に該担体を注入することと、
が含まれる。例えば、治療すべき生体部位から近距離の範囲内かつその部位に血
液を運ぶ動脈網につながる1つまたは複数の分枝血管(好ましくは最も直接的な )において送達手段を動脈中に挿入することによって担体を注入する。担体は、
送達手段を介して血管中に注入される。注入する直前に、注入された担体の実質
的量を治療対象部位に案内し、かつ、該担体の実質的量を該部位に保持するのに
十分な強度の磁場を、体外から該部位に近接させて印加する。好ましくは、磁場
は、血管網に近接する該部位の軟組織中に担体を引き寄せるのに充分な強度であ
り、このようにすれば、より大きな血管のいずれにおいても担体粒子による塞栓
形成が実質的に回避される。
【0017】 従って、本発明の目的は、場合により生物学的活性物質を運ぶための改良され
た磁気応答性組成物ならびにその製造方法および使用方法を提供することである
【0018】 本発明のもう1つの目的は、改良された磁気的応答性を有しかつ保存時および
使用時に耐久性を示し、更に、表面上に吸着された生物学的活性物質を質量基準
で約20%まで含有する生物学的活性物質用磁気応答性担体を提供することである 。
【0019】 本発明のもう1つの目的は、鉄:炭素複合粒子のそれぞれが粒子の体積全体に わたって分布した炭素を質量基準で約1.0%〜約95.0%含有する約0.5μm〜約5.0μ
mの主要寸法の粒子を含んでなる磁気応答性組成物を提供することである。
【0020】 本発明の更にもう1つの目的は、疾患の局所的in vivo診断または治療に利用 される組成物を提供することである。この組成物には、サイズ約0.5〜約5.0μm の鉄:炭素複合粒子を含有する担体が含まれ、それぞれの鉄:炭素複合粒子には、
炭素が粒子の体積全体にわたって分布するように炭素および鉄が含まれている。
また、場合により、疾患の診断または治療に有効なものとして選択された生物学
的活性物質が、粒子上に吸着された状態で含まれている。
【0021】 本発明の更にもう1つの目的は、炭素が各粒子の体積全体にわたって分布する
ように炭素および鉄を含有する鉄:炭素複合粒子を含む磁気応答性担体組成物の 製造方法を提供することである。
【0022】 本発明の更にもう1つの目的は、疾患の局所的in vivo診断または治療に利用 される組成物を投与するための液体状態および乾燥状態のキットを提供すること
である。この組成物には、フェロカーボン粒子が含まれており、場合により、疾
患の診断または治療に有効なものとして選択された生物学的活性物質が粒子上に
吸着された状態で含まれている。
【0023】 本発明の更なる目的は、疾患の局所的in vivo診断または治療に利用される組 成物を投与するために供給されたキットの構成要素を滅菌する方法を提供するこ
とである。この組成物には、フェロカーボン粒子が含まれており、場合により、
疾患の診断または治療に有効なものとして選択された生物学的活性物質が粒子上
に吸着された状態で含まれている。
【0024】 以下の説明から当業者には自明であろうと考えられるこれらのおよび他の目的
を考慮に入れると、本発明は、実質的には、以下に具体的に説明されかつ添付の
特許請求の範囲によって更に詳細に規定されているような要素の新規な構成、組
合せ、および配置、ならびに方法に関するものであるが、本明細書中に開示され
ている本発明の詳細な実施形態に変更を加えた場合も、特許請求の範囲に含まれ
るものとみなされる。
【0025】発明の説明 本発明の磁気的に制御可能な(すなわち、磁気的に案内される)担体組成物には
、平均主要寸法が約0.1〜約5.0μm、好ましくは約0.5〜約5.0μmである素材配合
フェロカーボン複合粒子が含まれ、粒子には、質量単位で約1.0〜約95.0%、例え
ば約10%〜約60%の炭素が含まれている。多くの用途で有用な特性を呈することが
判明した好ましい炭素の範囲は、約20%〜約40%である。
【0026】 粒子は、外部から熱を加えることなく鉄の粉末と炭素の粉末との混合物を混練
することによって作製される。次に、こうして得られた鉄:炭素複合担体粒子を 生物学的活性物質の溶液中に入れて、粒子上に生物学的活性物質を吸着させるこ
とができる。複合粒子は、所望のサイズおよび磁化率特性に応じて選別される。
粒子の選別は、生物学的活性物質に暴露する前または後で行うことができる。
【0027】 図1および2Aに示されているように、本発明の方法により製造される鉄:炭素粒
子8は、ほぼ球状であり、炭素付着物10は、各粒子の体積全体(各粒子の表面と内
部の両方)にわたって存在するものと推定される。構成材料(鉄12および炭素10) 間の強力な結合は、磁気的に制御される組成物を長期間にわたり保存しても破壊
されず、こうした組成物の輸送、保存、充填、および直接的使用が可能である。
混練プロセス中にセメンタイト(Fe3C)のわずかな中間層が形成される場合のよう
に、鉄と炭素との間で化学結合が形成されることもある。
【0028】 鉄:炭素粒子は、1種以上の吸着された生物学的活性物質を外部磁場の制御下で
特定の生体部位に送達するための担体としても有用である。本明細書中で使用す
る場合、用語「生物学的活性物質」には、in vivoでの医学的診断および/また は治療に有用な物質が包含される。生物学的活性物質としては、抗腫瘍剤、血液
製剤、生物学的応答調節剤、抗真菌剤、抗生物質、ホルモン、ビタミン、ペプチ
ド、酵素、染料、抗アレルギー剤、抗凝血剤、循環剤、代謝促進剤、抗結核剤、
抗ウイルス剤、抗狭心症剤、抗炎症剤、抗原虫剤、抗リウマチ剤、麻薬、アヘン
剤、診断用造影剤、強心配糖体、神経筋遮断剤、鎮静剤、麻酔剤、ならびに常磁
性および放射性粒子が挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の生
物学的活性物質としては、モノクロナール抗体もしくは他の抗体、天然もしくは
合成の遺伝的物質およびプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0029】 本明細書中で使用する場合、用語「遺伝的物質」は、一般的には、ヌクレオチ
ドおよびポリヌクレオチドを意味し、天然または合成の核酸RNAおよびDNA、例え
ば、組換え、センス、およびアンチセンスRNAおよびDNAが包含される。遺伝的物
質のタイプとしては、例えば、発現ベクター(プラスミド、ファージミド、コス ミド、酵母人工染色体、欠損(ヘルパー)ウイルスなど)上に保持された遺伝子、 アンチセンス核酸(1本鎖および2本鎖のRNAおよびDNAの両方が包含される)および
それらの類似体、ならびに他のタンパク質またはポリマーが挙げられる。
【0030】 in vivo診断イメージングの場合、利用可能な検出装置のタイプが、所定の放 射性同位体を選択するうえでの主要な因子である。選択される放射性同位体は、
所定のタイプの装置で検出可能なタイプの崩壊を起こすものでなければならない
。一般的には、γ線が必要である。放射性同位体を選択するうえでの他の重要な
因子は半減期であり、半減期は、標的による最大取込み時に依然として検出可能
な程度に長く、かつ、宿主に対する有害な放射線が最小限に抑えられる程度に短
いものでなければならない。適切な放射性同位体の選択は、当業者には容易に分
かるであろう。利用可能な放射性同位体としては、99Tc、142Pr、161Tb、186Re 、および188Reが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このほかに 、診断に有用な他の化合物の典型的な例としては、限定されるものではないが、 111 In、97Ru、67Ga、68Ga、72As、89Zr、201Tlなどの金属イオンが挙げられる。
更に、磁気共鳴イメージング法や電子スピン共鳴法に特に有用な常磁性元素とし
ては、157Gd、55Mn、162Dy、52Cr、および56Feが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0031】 放射性同位体は放射線療法にも有用であり、この点にも注目すべきである。一
般的には、α線およびβ線が治療に有用であると考えられる。治療用化合物とし
ては、例えば、32P、186Re、188Re、123I、125I、90Y、166Ho、153Sm、142Pr、1 43 Pr、149Tb、161Tb、111In、77Br、212Bi、213Bi、223Ra、210Po、195Pt、195m Pt、255Fm、165Dy、109Pd、121Sn、127Te、および211Atが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。放射性同位体は、一般的には、塩中のラジカルとし
て存在するが、いくつかの腫瘍および甲状腺はヨウ素を直接取り込むことが可能
である。有用な診断用および治療用放射性同位体は、単独で使用してもよいし組
み合わせて使用してもよい。
【0032】 一般論として、本出願に記載された治療方式において粒子の有用性を損なうこ
となく、粒子中の炭素の割合を最大で複合粒子の約40質量%まで増大させること によって、吸着される任意の水溶性生物学的活性物質の量を増大させることがで
きる。多くの場合、吸着される生物学的活性物質の量の増加は炭素の含有量の増
加とほぼ直線関係にあることが分かった。しかしながら、炭素の含有量が増大す
るにつれて、磁場に対する複合粒子8の感受性すなわち応答性が低下するため、 吸着容量が増大するにもかかわらず、体内におけるそれらの制御状態は悪くなる
。従って、改良された治療または診断結果を得るためには、鉄:炭素比のバラン スをとる必要がある。治療時に与える薬剤の量を増大させるために、より高用量
で粒子を患者に投与することができるが、用量を増加させても、粒子の磁性を増
大させることはできない。適切な比は、標準的な技量の当業者により決定可能で
ある。
【0033】 本出願に記載されているin vivo治療に利用することを目的とした場合、粒子 の鉄:炭素比の有用な範囲は、原則として約95:5〜約50:50、例えば約80:20〜約6
0:40である。また、任意の所定の炭素濃度を有する鉄:炭素複合担体粒子中に吸 着させることのできる生物学的活性物質の最大量は、生物学的活性物質の化学的
性質や場合により組成物中で使用する炭素のタイプ(すなわち活性炭(AC))に依存
して変化するであろう。例えば、in vivo治療において、吸着されたドキソルビ シンを送達するために使用される担体粒子の最適な鉄:炭素比は約75:25であるこ
とを見出した。
【0034】 しかしながら、水に実質的に溶解しない(すなわち、水に対する溶解度が約0.1
重量%未満である)生物学的活性物質を吸着させるためには、有効量の薬剤を粒子
上に吸着させるための特別な手順を使用することが必要である。本発明者らは、
粒子と溶剤との間の疎水的ファンデルワールス力を最小限に抑え、かつ、媒質中
での粒子の凝集を防止すべく選択された賦形剤を含有する液状吸着媒質(例えば 、水性媒質)中に水不溶性の生物学的活性物質を溶解することによって、水に実 質的に溶解しない生物学的活性物質を、本発明の担体粒子上に界面活性剤(その
多くが毒性である)を用いることなく吸着させることができることを見出した。
例えば、生物学的活性物質がカンプトテシンのようにきわめて非極性の分子であ
りかつ吸着媒質がクロロホルム-エタノールのようにきわめて非極性の液体であ る場合、薬剤が吸着媒質を離れて炭素に吸着することは起こり難い。しかしなが
ら、より極性の強い吸着媒質中では、担体粒子への吸着は十分許容できるものと
なる。例えば、パクリタキセルは実質的に水不溶性であるにもかかわらず、クエ
ン酸の添加されたエタノールを吸着媒質として使用することにより、水に対する
溶解性がきわめて低い薬剤であるパクリタキセルを、鉄:炭素比70:30を有する担
体粒子に治療的レベルで結合させることができた。多くの場合、液状吸着媒質が
生物学的適合性および生分解性を有する増粘剤(例えば、生物学的適合性を有す るポリマー)、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロースを含む場合、媒 質中での粒子の分離を助長することが有利である。
【0035】 本発明の方法を使用することより、鉄:炭素比80:20〜60:40を有する担体粒子(
タイプA活性炭)上に、平均で粒子の質量の約0.0%〜約20%の量のドキソルビシン を吸着させた。実施例5には、担体粒子へのドキソルビシンの吸着を促進するの に有用な賦形剤の配合が示されている。標準的な技量の当業者には自明であると
考えられる類似の方法を用いて、他の生物学的活性物質を吸着させることも可能
である。
【0036】 担体粒子を乾燥状態で製造および出荷することが便利であるため、賦形剤を乾
燥状態で製造してもよい。この場合、液体溶液中で薬剤または他の生物学的活性
物質を可溶化させるのに有用な吸着促進量の乾燥賦形剤1種以上を、単位用量の 担体粒子と共に包装する。乾燥賦形剤の吸着促進量は、水性溶液中において目的
の生物学的活性物質の不溶解および粒子の凝集を引き起こす化学的な力に打ち勝
つために必要とされる、生物学的活性物質の化学的性質に応じて当業者により決
定されるであろう。最も好ましくは、乾燥賦形剤および乾燥担体粒子の両方を含
むパッケージまたはキットは、製薬業者の指示に従って、薬剤が製薬上望ましい
濃度となるように、単位用量の薬剤および生物学的適合性を有する十分な量の水
性溶液(例えば、生理食塩水)を含むバイアルの内容物と混合すべく製剤化される
。希釈された薬剤を含む溶液を、乾燥成分(すなわち、乾燥担体粒子および乾燥 賦形剤)を含むキットの内容物と混合すると、薬剤は担体粒子に吸着され、in vi
vo治療または診断に使用するのに好適な担体粒子に吸着された生物学的活性物質
を治療的な量で含有する磁気的に制御可能な組成物が得られる。
【0037】 このほか、液状キットを利用することも可能である。この場合、担体粒子は1 つのユニットとして(例えば、バイアル中に)含まれ、一方、先に述べた賦形剤は
、水性溶液の形態で他のユニット中に含まれる。投与時、フェロカーボン粒子を
、製薬業者の指示に従って、薬剤が製薬上望ましい濃度となるように、単位用量
の薬剤および生物学的適合性を有する十分な量の水性溶液(例えば、生理食塩水)
を含むバイアルの内容物と混合する。続いて、生物学的活性物質を表面上に吸着
してなる得られた粒子を、水性溶液中に賦形剤を含む更にもう1つのユニットと
混合する。任意の好適な滅菌法を利用してもよい。例えば、γ線を用いてフェロ
カーボン粒子を滅菌し、オートクレーブにより賦形剤の水性溶液を滅菌してもよ
い。困ったことに、オートクレーブの使用によりフェロカーボン粒子は酸化され
る。
【0038】 担体粒子に吸着させる生物学的活性物質の診断的な量または治療的な量は、患
者の体重、年齢、健康状態、薬剤の治療または診断特性、ならびに疾患の性質お
よび重症度のような様々な要因を考慮に入れて、特定の疾患または病状の診断ま
たは治療の効果に必要な量として、当業者により決定されるであろう。
【0039】 任意の特定の治療状況に対して使用される担体粒子のサイズを決定するうえで
、考慮すべき点がいくつか存在する。どの粒子サイズを選択するかは、部分的に
は、0.2μm未満のサイズの粒子を作製する技術に特有の制約条件によって決まる
。また、約1.0μm未満のサイズの粒子の場合、血流中での磁気的制御性および運
搬容量が低下する。比較的大きな粒子サイズの場合、注入時、機械的な原因で、
または生理的機構により血餅が形成され易くなることが原因で、血管中で望まし
からぬ血栓形成が誘発される傾向を生じる可能性がある。分散体が凝集する可能
性もあるが、この場合、注入がより困難になり、また標的の病理学的領域におい
て粒子からの生物学的活性物質の脱着速度が低下する可能性がある。鉄の粉末と
炭素の粉末との混合物を一緒に混練する方法(例えば、以下に記載の方法)を用い
ると、ざらざらな表面を有するほぼ球形の粒子が生成し、平均主要寸法が約0.1 μm〜約5.0μmの粒子集団が得られる。
【0040】 本発明に記載されている粒子中の鉄は、今までに開示された特定の磁気的に制
御される分散体の場合のような酸化鉄の形態をとらないため、フェロカーボン粒
子8の磁化率すなわち磁気的応答性は高いレベルに保たれる。
【0041】 鉄:炭素粒子は、十分に発達した下部構造(図2を参照されたい)をもつ点に特徴
があり、該構造は、鉄の連結した網状構造を有するとともに内部に炭素付着物10
を保持するボイドの網状構造を形成している。また、鉄の粉末と炭素の粉末との
機械的混合物を同時変形させるプロセスで形成される粒子が特徴的な下部構造も
つため、フェロカーボン粒子8中の鉄混在物の磁化率は、他のタイプの下部構造 を有する鉄粒子の場合と比較して、大きくなる。例えば、本明細書中で提案され
ている方法により製造された複合フェロカーボン粒子は、欧州特許公開第0 451
299 A1号に開示されている粒子よりも、両方のタイプの粒子に含まれる強磁性成
分がほぼ同じであるにもかわらず、大きな磁化率を有する。フェロカーボン粒子
8の磁気応答性が高いため、約250ガウス未満の磁場を利用して所望の解剖学的部
位に粒子を位置付けることが可能な場合もある。
【0042】 粒子8中の炭素析出物10の表面積が大きいため、吸着される生物学的活性物質 は、粒子8の約20.0質量%までを占める。言い換えると、1グラムの粒子8に対して
約200mgまで生物学的活性物質が吸着される。従って、使用時、かなり少量の担 体を注入しても生物学的活性物質の所定用量を達成できるか、あるいは、1回で 注入できる生物学的活性物質の用量を、今までに公知のいくつかの担体を用いた
場合よりも、高くすることができる。
【0043】 少量の本発明のフェロカーボン組成物を製造する方法について以下で説明する
が、担体の製造に必須の出発元素として含まれる鉄と炭素の粉末を同時変形する
ための他の手段および機構は、混練以外にも考えられることを理解しなければな
らない。ここで利用した方法では、炭素粒子と鉄粒子との混合物に機械的な圧力
を加えて鉄粒子を変形させることにより、炭素を保持する堅固な下部構造の形成
を促進する。フェロカーボン粒子の形成は、処理時に熱を加えることなく行われ
(ただし、機械的な変形ステップで混合物は熱くなる)、また、鉄の酸化を防止し
、かつ、生成する粒子がクリーンであること(すなわち、滅菌されていること)を
保証するために、エタノールなどの液体の存在下で行われる。液体は、鉄および
炭素の粉末を混練する際に滑剤として機能し、処理中に炭素が圧縮するのを低減
させる可能性がある。その結果、組成物中の炭素析出物の密度は、粒子の吸着容
量が最大になるように保持される。
【0044】 例えば、質量基準の鉄:炭素比が平均で約75:25である粒子を製造するために、
平均直径0.1μm〜5μmのサイズを有する実質的に純粋な鉄粒子の1部を、実質的 に純粋な炭素顆粒(典型的には、直径約0.1μm〜5.0μm)の約0.1〜1.0重量部と混
合する。鉄粒子および炭素顆粒を激しく混合して、体積全体にわたってうまく分
散されるようにする。好ましくは、炭素顆粒は活性炭である。各生物学的活性物
質は、最適な可逆的活性炭結合を決定するために、種々のタイプの炭素とともに
個々に評価すべきである。pH、温度、粒子サイズ、塩溶液の粘度、および溶液中
で拮抗する可能性のある他の化学薬品のような因子は、吸着容量、速度、および
脱着のパラメーターに影響を及ぼす可能性がある。有用な活性炭のタイプとして
は、A、B、E、K、およびKB、ならびにそれらの化学的改変体が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0045】 粉末冶金で使用されるタイプの標準的な実験室用遊星型ボールミルまたはアト
リションミルに混合物を仕込む。例えば、ミルは、直径6mmのボールを備えてい てもよい。例えば、エタノールなどの、適当量の液体を加えて減摩する。1〜12 時間にわたり、またはこれまでに説明した粒子を製造するのに必要な時間をかけ
て、混合物を混練する。このプロセスはミルの速度によって極端な影響を受ける
ことはないため、ミルの速度は、使用するミルにもよるが、約120rpm〜約1000rp
mの範囲内にあればいずれの速度であってもよい(典型的には、約350rpmである) 。
【0046】 鉄:炭素混合物の同時変形を行った後、ミルから粒子を取り出し、例えば、濾 し器を用いて、練磨ボールから分離する。粒子をエタノール中に再懸濁させて、
粒子を互いに分離させるべくホモジナイズしてもよい。エタノールは、例えば、
ロータリーエバポレーションおよびそれに続く減圧乾燥により除去する。任意の
好適な乾燥方法を利用することができる。粒子は、鉄の酸化を防止すべく、例え
ば、窒素雰囲気中で取り扱うべきである。
【0047】 乾燥後、適切なサイズに応じて、粒子を採取すべきである。例えば、20μmを 超える粒子を除去すべく、粒子を20μmの篩に通し、エアーサイクロン中で回収 する。微粒子と遊離炭素を除去する方法を提供するサイクロンを用いて、特定の
サイズおよび密度の粒子だけを回収する。篩にかけた粒子を窒素下で包装して室
温で保存することが可能である。
【0048】 粒子を用量ユニット(例えば、1回用量50〜500μg)に等分し、更に、例えば、 窒素で覆ってもよい。用量ユニットを、例えば、ブチルゴム栓およびアルミニウ
ムクリンプを用いて密封してもよい。次に、適切な滅菌法、例えば、2.5〜3.5Mr
adのγ線により、用量ユニットを滅菌してもよい。
【0049】 使用準備が整った時点で、または表面上に予め吸着させた所定の生物学的活性
物質を有する担体を調製する場合には包装する前に、約50mg〜150mg(最大量の吸
着が行われることを完全に保証するには、約75mg〜約100mgが好ましい)の生物学
的活性物質を溶液状態で1gの担体に添加する。患者への適用の準備が整った時点
で、通常の手順を利用して、水や生理食塩水のような生物学的適合性を有する液
体の懸濁液(例えば、5〜10ml)中に、この組合せ物を加える。
【0050】 本発明の磁気的に制御される担体組成物を用いると、抗腫瘍製剤に関して、公
知の磁気的に制御される分散体と比較して、腫瘍の増殖に対する治療効果が増大
することが実験的に明らかにされた。
【0051】実施例 実施例1 ウィスター系雄性ラット(Stolbovaya Station of the USSR Academy of Medic
al Sciencesで飼育されたもの)を用いて試験を行った。ラットの尾の皮下に癌肉
腫Walker 256を注入した。腫瘍体積が平均で986±98mm3のときに、この動物を、
各グループ10匹ずつの4グループに分けた。第1のグループ(グループI)は対照グ ループであり、グループII〜IVは実験グループであった。
【0052】 グループIIの動物には、5日間にわたりルボマイシン水溶液を2mg/kg体重の量 で静脈内に注入した(臨床現場におけるこうした抗腫瘍製剤の伝統的な使用モデ
ル)。グループIIIのラットには、欧州特許公開第0 451 299 A1号に記載されて いる公知の方法で作製されたフェロカーボン分散体の懸濁液を注入した。粒子に
は、体積パーセント比60:40で鉄/炭素が含まれていた。フェロカーボン粒子の用
量は160mg/kg体重であり、その表面上に吸着されたルボマイシンの用量は3.2mg/
g粒子であった。腫瘍の表面上に6000エルステッドの磁場強度を有する永久磁石 を配置した後、この懸濁液を尾静脈内に注入した。外部から印加された磁場の制
御下で、腫瘍増殖領域における懸濁液の局在化を、X線画像によって監視した。
【0053】 注入および磁気的局在化に関して同じ手法を使用し、腫瘍の表面上に600エル ステッドの磁場を有する永久磁石を配置して監視を行った。グループIVの動物に
は、本発明の方法に従って製造された磁気的に制御される分散体を静脈内に1度
に注入し、X線により粒子の局在化を観測した。単位体重あたりの担体粒子の用
量は、160mg担体粒子/kgであった。分散体の個々の粒子中の鉄:炭素の割合は60:
40であった。これは実験グループIIIで用いた公知の方法で製造した分散体中の 割合と類似したものであった。
【0054】 粒子8の改良された吸着能のおかげで、本発明の磁気的に制御される担体粒子 上に吸着されたルボマイシンの用量は9.96mgルボマイシン/g粒子であった。これ
は、グループIIIのラットを用いた実験において公知の担体粒子によって吸着さ れたルボマイシンの3.1倍であった。この結果は、所定の担体粒子の相対的な比 吸着能だけに基づいて得られたものであった。
【0055】 動物を観察することにより、次のような結果が得られた。対照グループIの動 物の寿命は平均で21±1.5日であった。グループIIでは、臨床現場における抗腫 瘍剤の伝統的な使用をモデル化した先に記載のルボマイシン水溶液の静脈内注入
の結果として、治療後のラットの寿命は平均で4.5日間(P<0.05)伸びた。実験 グループIIIの動物は、治療後、平均で46±4.3日間生存した。これは、対照動物
の寿命の2.2倍(P>0.001)であった。
【0056】 グループIVのラット10匹のうち6匹(すなわち対象動物の60%)は、磁気的に制
御される組成物の懸濁液を一度に注入した後の5〜7日間で腫瘍が完全に消滅する
ことが実証された。更に、このグループの残りの4匹のラットは、治療後、平均 で57.4±5.9日間生存した。従って、グループIIIの動物の寿命よりも25.0%伸び たことになる。また、この場合の治療後の平均寿命は、対照グループIのラット の寿命の2.7倍であった。腫瘍の完全な退縮を呈したグループIVの動物では、157
日間にわたる観察期間中に腫瘍増殖の再発は見られなかった。このことは、これ
らのラットの腫瘍が完全に除去されたことと一致する結果である。
【0057】実施例2 更なる臨床的観察を行い、本発明の有効性を実証した。図4および5は、1992年
2月13日にロシア(CIS)のモスクワにあるZil病院に入院し、左乳腺癌T3N1M1と診 断された61歳の女性の治療および観察を行うべく本発明を使用した例を示してい
る。
【0058】 最初の診断は、生検が行われた1989年に行われた。1991年12月、病巣放射線療
法(10グレイ)を行った結果、腫瘍が部分的に減少した。生物学的活性剤として
ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))を担体上に吸着させた本発明の担体を
動脈内に選択的に局在化させる形態で化学療法を使用するという決断がなされた
【0059】 治療前、腫瘍の寸法(図3Aおよび図3Bに示す)は44mm×33mm×37mm(65mm×45m
m、触診)であった。1992年2月24日、セルディンガー法により、局所麻酔(0.5% ノボカイン、30ml)を行って、大腿動脈(図4)に穿刺し、血管カテーテルを大動 脈に挿入した。レントゲン量およびコントラストを調節しながら、左胸内動脈(
乳房内左動脈)につながる分枝血管から25mmの距離をおいてカテーテルを配置し
た。表面上に吸着された15mgのドキソルビシン(Adriamycin)を有するフェロカ
ーボン粒子8を含有する新たに調製したゼラチノール懸濁液をカテーテルを通し て注入した。このとき、15,000エルステッドの磁場強度を有する磁石を腫瘍の上
に20分間配置した。その結果、注入された懸濁液は、腫瘍の領域において磁場に
よって局在化された状態を20分間(腫瘍に栄養補給する毛細血管を完全に微塞
栓化するのに充分な時間)保持された。治療の時点での患者の状態は満足すべき
ものであった。
【0060】 1992年2月28日までに患者の病状は改善された。図3Cおよび3Dに示されるよう に、左乳腺を超音波で検査したところ、腫瘍の寸法は42mm×33mm×40mmであった
。腫瘍の輪かくは容易に判別できた。1992年3月12日までに腫瘍の寸法は66.3%減
少して32mm×27mm×21mmになった(図3Eおよび3F)。1992年4月14日までには99.
22%減少して10mm×6mm×7mmになった(図3Gおよび3H)。
【0061】 腫瘍を貫通するのではなく、腫瘍(または他の病理学的)部位のすぐ上流で担
体を放出することによって、同程度に有効な生物学的活性物質の適用が行われ、
それと同時に、腫瘍組織を穿刺することにより疾患が広がることが制限されると
いう潜在的な利益を患者が受けるものと考えられる。上記の治療例では比較的大
きな磁場を利用したが、本発明の担体組成物は250エルステッド/cm程度の小さな
磁場中でも応答を開始することを見出した(多くの先行技術の担体は、影響が現
れるのに500エルステッド程度の大きな磁場が必要である)。
【0062】 図5は、治療部位において磁気的制御のもとで起こると考えられる状態を示し ている。印加した磁場の影響下で、担体粒子は腫瘍に栄養補給する毛細管網中に
誘導される。粒子は毛細血管の管腔の軟組織のごく近傍へと(または軟組織中へ
入り込む可能性さえも存在する)引き寄せられ、それによって血管が塞栓化する
可能性を低減させるかまたは排除することができる。生物学的活性物質は、動的
過程によって担体粒子から放出され、この過程で、担体中の物質は生体により産
生される物質で置換される。例えば、蛋白質、グルコース、脂質、ペプチドなど
のような腫瘍自体の壊死性産物は、生物学的活性物質と置き換わり、担体粒子上
に吸着されるようになる可能性がある。
【0063】 典型的には、生物学的活性物質の約10%未満が血流中の生体物質により置換さ れる。従って、置換物質は生物学的活性物質より高い比重をもたなければならな
いと考えられる。少量の粒子は、磁場により治療部位に引き寄せられないか、ま
たは治療部位から離れる可能性がある。この画分はまた、血液中およびそれ以外
の部分の腫瘍細胞に対して治療効果を示す可能性がある。本発明の方法により治
療した後、転移の減少が観察される場合もあった。担体組成物は、生分解性の物
質、すなわち生体によって容易に代謝されうる物質から形成されているので、す
べての担体粒子は恐らく適用後30日以内に排出されるかまたは代謝される。
【0064】 生物学的活性物質用の改良された磁気応答性担体、ならびにその製造方法およ
び使用方法が本発明によって提供されることは分かるであろう。この担体粒子は
、磁場に対して改善された応答性を示し、改善された薬剤吸着能を有し、更に、
保存時および使用時により高い耐久性を示す。
【0065】実施例3 最近、蛍光顕微鏡によってガイドされる臓器造影の一連の研究がブタのモデル
で、本発明の担体粒子に放射性テクネチウム(Tc)を吸着させたものを造影剤とし
て用いて行われた。物理的・化学的性質およびTcと炭素(C)および鉄対炭素担体
粒子との相互作用を調べるために、レニウム(Re)を非放射性のTcの代用物として
用いた。ReはVIIB族の元素で周期表ではTcの真下にある。Reには2種類の人工的 同位体、186Reおよび188Reがあり、下記の表1に示すとおり、それらの半減期はT
cより長く、γ線の放出はほぼ同じである。
【0066】
【表1】
【0067】 冶金学の分野で用いられている比色Reアッセイ法を適当に変えて70:30の鉄対 炭素比を有する担体粒子上へのReの吸着を測定した。簡潔に記せば、0.1mL〜0.5
mLのサンプルを、1.0mLの塩酸、1.3mLのフリルジオキシム(アセトン中に6%)、0.
5mLの10%塩化第一スズおよび十分量の水を含む溶液に入れ5mLとした。その混合 液を45℃で20分間加温し、室温まで冷却した。溶液中のReの532nmの吸光度を測 定した。アッセイの感度は約5 mcg Reであった。これらの研究結果は、一連の炭
素原子へのReの結合は、周囲温度でインキュベートした場合、吸着媒質中に30mg
の炭素がある場合の約35%から180mgの炭素がある場合の約90%まで変動すること を示した。他の薬剤と同様に、吸着媒質中のRe結合比率はReの炭素に対する比率
が増加すると共に減少する。しかし、Reの炭素への結合はラングミュアの平衡結
合等温式とは一致せず、温度およびpHとは無関係である。吸着されたReをあらか
じめロードした種々の炭素原子から生理食塩液への、Reの周囲温度における24時
間以上にわたっての放出は重量比で50%であった。
【0068】 Reを鉄対炭素比がそれぞれ70:30および85:15の担体粒子上に、緩衝食塩液を含
有する吸着媒質中で周囲温度で粒子をインキュベートすることによってReを吸着
させた。Reの粒子との結合は、分光光度アッセイによって測定した。これらの研
究はReの担体粒子への結合が、炭素(すなわち粒子中の)の吸着媒質中のReに対す
る比が増加すると共に増加することを示した。吸着放射性同位体の有用量は、ど
のような特定の結果を所望するかによって、例えば10pgmから700ngまで変動する
。適切な量は当業界で平均的な技術を有するものであれば容易に決定することが
できるはずである。2種の異なる鉄対炭素の組成比を有する担体粒子の結合パラ メーターを下記の表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】 食塩液中における流出条件下での24時間を超えるインキュベーションでは、Re
の放出は10%未満であった。Reの担体粒子への結合が低いことは、他の荷電性の 小イオン性分子の活性炭との結合性が、疎水性芳香族分子との高親和性の結合に
比べて低いことと一致している。これらの知見は、吸着させたReもしくはTcを有
する本発明の担体粒子の造影用および治療用の薬剤としての使用に整合するもの
である。
【0071】実施例4 80:20の鉄対炭素比を有する担体粒子を上述のとおり調製した。各医薬化合物 についての吸着曲線および吸着定数を求めるために、種々のタイプの医薬品の粒
子上への吸着を、吸着溶液中での医薬品の濃度範囲でにおいて下記のとおり行っ
た。
【0072】A. アンチセンスオリゴヌクレオチド アンチセンス遺伝子によって行われる治療に有用な16量体の抗-C-Mycオリゴヌ
クレオチドは、全てホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドであり、5'
末端が蛍光標識されている(Macromolecular Resources, Fort Collins, 米国コ ロラド州)。そのオリゴをTEバッファー(10mM Tris-HCl 、1mM EDTA、pH.8.0)で 製したストック吸着溶液に溶解した。バッファー中のオリゴヌクレオチドの濃度
を、1AU260=33 μgのオリゴに相当すると仮定して、製造者の推奨する方法に従 って測定した。吸着上清中の未結合の薬剤をフルオレセイン蛍光(Exc. 495nm、e
m. 549nm)から標準曲線を用いて測定した。
【0073】B. 光増感剤 ヘマトポルフィリンジヒドロクロリド(Sigma Chemical, 米国, H-1875, Lot#2
3H0879)は腫瘍治療に有用な光増感剤である。この化合物は生物学的プロセスに よってあるタイプの腫瘍組織に蓄積する。光、例えばレーザー光などの光に暴露
されるとこの化合物は化学的変換を起こして一重項酸素を産生し、その一重項酸
素は細胞内に蓄積されるとその細胞に対する毒性を示す。ストック吸着溶液を調
製し、薬剤濃度はG.Garboら, Anal. Biochem. 151:70-81, 1985(これはその全文
を本明細書中に参照により組み込むこととする)に従って分光光度計で測定した(
λ403 = 327nM-1、1N HCl中)。吸着上清中の未結合の薬剤は、1N HClの吸着溶液
中で分光光度計で測定した。市販のソフトウエアを用いてコンピューターで分析
して得られた吸着式はC(μg/mL)=0.0984A2+1.85A (403nmでの吸光度)であった
【0074】C. 抗炎症剤 6-メルカプトプリンナトリウム塩(Dr.Gruber, Burroughs Wellcomeから提供を
受けた。 Lot#7P2774)は抗炎症剤である。この化合物を含んでいる1バイアルの 内容物を10mLのMilliQ水に溶解してストック吸着溶液を製した。吸着上清中の薬
剤濃度を分光光度計で測定した(標準曲線:C(μg/mL)=9.0A−0.035(311nmでの吸
光度)、R=0.9999、0.9% NaCl中、pHはNaOHで10.4に調整)。
【0075】D. 抗真菌剤 アムホテリシンB(Sigma Chemicals, A-4888, Lot 64H4005)は真菌感染に対す る有効な治療剤である。ストック溶液は、0.9% NaCl、10mM KOH(pH12)中、主成 分含量(80%)で補正した薬剤重量から求めた濃度に調製した。吸着上清中の薬剤 濃度を分光光度計で求め、その結果下記の濃度曲線の式を得た:C(μg/mL)=3.61
A2+18.1A+0.14(403nmでの吸光度)、R=0.9997、0.9% NaCl、10mM KOH中。
【0076】E. 抗癌剤 カンプトテシン(Sigma Chemicals, C-9911, Lot#34H0956)はある種の腫瘍の治
療に有用な抗増殖剤である。1mL中にカンプトテシンを2mg含有するストック溶液
を、この薬剤の重量を正確に測り取りクロロホルムとエタノールを容積比で1対1
(C/E 1:1)とした混液中に溶解することによって製した。分光光度計で測定した 吸着上清中の薬剤濃度によって、濃度曲線についての下記の式が得られた:C(μ
g/mL)=(16.7±0.26)A (360nmでの吸光度)、C/E 1:1中。
【0077】 また、カンプトテシンをDMSOおよび0.9% 食塩液中に、pH3.0、1mg/mLの濃度で
も溶解した。濃度は253nmの吸光度(食塩液中でのλmax=253nm)で測定した。0.9%
食塩液で希釈し、ラングミュア結合等温式を求めるためにMTC粒子を添加した。 測定した吸着パラメーターを下記の表3にまとめて示す。
【0078】
【表3】
【0079】 表3の結果は、担体粒子への薬剤の結合が吸着溶液もしくは媒質の組成によっ て大きく影響されることを示している。カンプトテシンは高度に非極性の分子で
ある。高度に非極性の吸着媒質(クロロホルム-エタノール)中では、この薬剤の 吸着媒質からの解離および炭素への吸着は優先的には行われない。しかし、より
極性のある吸着媒質中では、担体粒子への吸着は全く良好になされるものと考え
られる。吸着媒質中の薬剤の担体粒子中の炭素への吸着に影響を与える因子の1
つに、薬剤と粒子間の疎水性のファンデルワールス相互作用がある。あるいはま
た、例えばパクリタキセル(PAC)を吸着させる場合などでは、蒸発法を用いて薬 剤を粒子上に乾燥させて付着させることができる。
【0080】実施例5 パクリタキセル(PAC)を吸着させるために用いられる担体粒子は鉄対炭素含量 比が70:30である。その炭素は活性化タイプE炭素である。鉄含量を分析して求め
るために下記の方法を用いた。サンプルの一部の重量を量り(あらかじめ真空デ シケーターで乾燥させたもの)、2000℃で洗い、存在する全ての炭素および鉄を 酸化させる。この工程で炭素は定量的にCO2に変換され、気化し、Fe2O3が残査と
して残る。鉄含量は式Fe= Fe2O3/1.42977を用いて、酸化前にはFe2O3は存在して
いなかったと仮定して算出した。残りの部分が炭素であると仮定した。サンプル
の別の部分を用いる第2の分析を、LECO炭素燃焼分析器で行った。サンプルを燃 焼させ、その際にCO2を測定し、総炭素を算出した。2つの方法で算出した鉄およ
び炭素の含量は、重量で約69%が鉄元素であるという結果に相当した。
【0081】A. パクリタキセルの複合粒子への結合特性 薬剤吸着を2つの方法で測定した:1) まず、種々の活性炭への薬剤の結合をス
クリーニングするためにUV分光アッセイ法を開発した。HPLCもしくは分光測定用
グレードの溶剤を全体にわたって用いた。エタノール中でのλmaxは220nmであっ
た。Milton Roy Spectronic 21 分光光度計で3mLの水晶セルを用いて測定した。
UV分析には254nmの波長がその薬剤に対する感度が良好であったのでその波長を 用いた。その波長では、各種のアッセイ法または材料に由来するコンタミネーシ
ョンは全くないか、もしくはごくわずかであった。HPLC分析でも同じ波長を用い
た。UVアッセイはパクリタキセルの0.05〜3.0mg/mLの範囲で線形であった。
【0082】 ある試験ではKBタイプの炭素を含有している担体粒子を用いた。これは小さい
孔径(〜40nmの有効直径)、>1000m2/gの表面積、および良好な硬度を有している
。しかしPACを吸着する能力は高くはない。20種類ほどのその他の活性炭の候補 品を調べ、A、B、およびEの3つのタイプの炭素が有望な薬剤送達性を有するもの
として絞り込まれた。鉄粉末単独でも試験した。これらの材料の各々をクエン酸
添加エタノール中に30mgの濃度で用いた。UV法による分析から、3mgのPACに対し
て次の結合結果が得られた。タイプA 炭素=74%、タイプB 炭素=65%、タイプE 炭
素=33%、および鉄粉末=0%(結合なし)。タイプAおよびBの炭素は双方とも孔径は 大きく、表面積も大きい(1800m2/g)炭素であり、薬剤放出特性はEタイプと同等 である。Eタイプははるかに硬い炭素でより小さな表面積を持ち、その結果、粉 砕性はより良好である。
【0083】B. 異なる活性炭へのパクリタキセルの結合 活性炭のタイプA、B、およびEに対する結合割合(fb)(PACの最初の量のうちで 結合した量)は炭素量の増加と共に増加した(PAC濃度は固定)。タイプAおよびBは
PACの100%と結合し、活性炭が高含量の場合は結合曲線がプラトーに達すること を示すことができた。タイプEの結合割合は68%にすぎない。結合能Q(重量/薬剤 担体重量の百分率として表される)は活性炭の量の増加と共に減少することが示 された。タイプAの炭素では結合能Qは、炭素が40mgから5mgへ減少したのに対し て8%から44%へと増加した。ACタイプEのこれに対応するQ値は約5%から7%であっ た。
【0084】 タイプA炭素への薬剤の結合を調べた他の研究では吸着剤の量の関数である結 合した薬剤の割合がプラトーに達することは、担体の表面上に薬剤が多層にコー
ティングされた結果であることを示唆している。これに対して、結合割合の直線
的な増加は非多層コーティングを示し、これはラングミュア等温分析の法則に従
っている。
【0085】 我々の研究ではタイプAおよびEの炭素は吸着媒質中でPACをかなりの割合(fb) で吸着する能力があり、その結合能Qも大きい。他方、鉄対炭素比が70:30である
担体粒子(タイプE炭素)は吸着能および結合割合が双方とも低かった。これらの 低い値は、担体粒子の炭素含量が炭素のみと比較すると低いことと合致する。こ
れに対してより高い結合能を有するタイプA炭素で製した担体粒子のfbおよびQ値
は2%未満であった。このことはおそらく炭素中の孔が製造工程中の摩擦粉砕(att
rition milling) 工程の圧縮力に耐えられないためであろう。
【0086】 活性炭のタイプAおよびBのPACに対する結合は十分なものであったが、タイプE
炭素を担体粒子中に用いることの方が、市場からの入手の容易性および結合と放
出特性の適切なバランスからみて好ましいものであった。さらに、タイプE炭素 はそれが米国薬局方(第22版)収載の品質を有しているものとして確立されている
ので、薬剤の担体として使用するのに好ましい活性炭である。図6は鉄対炭素比7
0%:30%でタイプE炭素を含む担体粒子 (-O-)、およびタイプE炭素単独(- -) に対
するPACの結合のラングミュア吸着プロットを示している。データは単純な非加 重線形回帰に適合した。
【0087】 鉄対炭素比が70:30(タイプE炭素)である担体粒子に対するPACの親和定数(Km) および最大結合(Qm)定数を、担体の量のある範囲にわたって測定した。下記の表
4はこれらの組成の吸着等温式での計算結果を示す。これらの数値は図6およびラ
ングミュアーの式からグラフで求めたものである。
【0088】
【表4】
【0089】 PACを担体粒子上にロードし、薬剤含量をHPLCでアッセイし、次いで24時間も しくはそれ以上薬剤を放出させた。測定および液の置換を10時間まで2時間毎に 行い、それ以降は1日1回行った。最初の2時間は粒子を含有する2本の試験管のセ
ットに0.54テスラの磁場をかけ、対照の試験管のセットには磁場をかけなかった
。薬剤を磁気的に保持させた担体粒子と磁気をかけなかった担体粒子との間にPA
C放出のプロフィールに統計学的有意差は認められなかった(データは示していな
い)。
【0090】 PACを吸着させた担体粒子およびACタイプEを、種々の量のPACを用いてあらか じめロードさせた。ブタ血清(4mL)中、37℃で72時間置いた後、遊離のPACを5mL の酢酸エチルで1度抽出した。酢酸エチル抽出物を個々に空気乾燥させ、5mLのメ
タノールで再構成し、Millex GVフィルターでろ過した。続いて行ったHPLC分析 は、24時間後までおよび72時間後までの累積薬剤放出量は、担体粒子では平均67
%(53%から86%の範囲)、タイプE炭素では平均64%であることを示した。低いPAC放
出量は個別に下記のバイオアッセイ系で確認した。
【0091】C. 流れの中での担体粒子の磁場による捕捉 Senyeiら(J. Appl. Phys. 49(6):3578, 1978)で述べられているものと同様な 動的液流循環モデルを用いて、低粘度(水)および高粘度(35%グリセロール)の流 れの中で担体粒子または鉄を捕捉し、保持し、蓄積させるために必要な力と距離
を評価した。グリセロールは血液の粘性をシミュレートするために用いた。静脈
および動脈の血流の流速はグリセロールの流速と管径を用いてシミュレートした
。流速のキャリブレーションはプレシジョンシリンジポンプ(precision cyring
e pump)で行った。磁石はネオジム-鉄-ホウ素磁石(2.4 x 3.5cm)を用いた。磁場
はガウスメーターで磁石表面から種々の距離のところで測定した。磁石は放水路
の上方5cmのところに置き、鉄もしくは担体粒子を捕捉するために必要に応じて 水平に出し入れした。完全な(100%)捕捉、もしくは保持が実験のエンドポイント
である。担体粒子もしくは鉄粉末を懸濁液として、ポンプインジェクションシリ
ンジから約40cm、放水路から約40cmの距離にあるシリンジバルブを通じて導入し
た。グリセロール中では鉄粉末の100%もしくはPACを吸着させた粒子の100%を保 持するために必要な磁場の強さは、水の場合に比べ約10%大きかった。
【0092】 PACをロードさせた担体粒子による腫瘍細胞傷害性のバイオアッセイをヒト扁 平上皮癌細胞系SCC-9を用いて行った。細胞の生存率を、1)パクリタキセル、2)P
ACをロードした担体粒子、3)タイプE活性炭、4)遊離の担体粒子、および5)鉄元 素の各々と6日間インキュベーションした後に個別に測定した。アッセイ法はMos
mannのMTT細胞傷害性試験法にわずかに改変を加えたものである。この分光光度 アッセイは、生細胞のミトコンドリアによって黄色のテトラゾリウム塩である3-
[4,5-ジメチルチアゾール-2-yl]2,5-ジフェニル-テトラゾリウムブロマイド]の 紫色のホルマザン誘導体への還元を定量的に測定するものである。これらの実験
での担体の使用量は0.5〜117g/mLであった。対照はDMSO(パクリタキセル用にの み使用)を含めて全て、SCC-9腫瘍細胞に対して細胞傷害性を示さなかった。
【0093】 同時に別の長期CFクローン原性アッセイを行った。このアッセイでは、細胞を
35mmのペトリ皿にプレートし、上記に概説したとおり薬剤および対照に暴露させ
た。処理した細胞を2〜3週間インキュベートしてコロニーを形成させた。これら
のコロニーを2%酢酸および8%エタノール中で固定し、クリスタルヴァイオレット
で染色した。コロニーをBella Glass Plate Readerで計数した。CFアッセイでの
IC50はパクリタキセルを吸着させたマイクロ担体では1 x 10-2g/mL、パクリタキ
セル単独では3 x 10-3g/mL であった。担体粒子およびパクリタキセル単独のも のから放出されたPACについてのMTTアッセイによるIC50は、プレートした細胞数
が500および1000個の場合で同一の結果で、9 x 10-3g/ウエルであった。薬剤も しくは化学的に誘発させた細胞傷害性についてのMTTアッセイは、「真の」細胞 殺滅の代理マーカーである。従って、コロニー形成(CF)アッセイで所与のレベル
の細胞殺滅を示すためには通常は、より多量の薬剤を必要とする。その結果、用
量-応答曲線はパクリタキセルの濃度がより高い側へシフトする。
【0094】 さらに、薬剤を含まない担体粒子の磁場による保持では、培養液中の腫瘍細胞
に対する有害作用は認められなかった。遊離のパクリタキセル単独でのIC50(5ng
/mL)は、磁石のある場合もしくはない場合の担体粒子からのパクリタキセルの放
出(5ng/mL)と同一であった。双方の場合とも担体粒子はin vitro細胞傷害性試験
では細胞に有害作用を示さなかった。
【0095】 これらの結果は薬理学的に活性なパクリタキセルを本発明の担体粒子から放出
させることができ、吸着された薬剤と放出された薬剤の化学的分析を生物学的に
確認できることを示している。遊離のパクリタキセルおよび担体粒子に吸着され
たパクリタキセルについて類似の用量-応答曲線が得られた。
【0096】 95:5から45:55までの範囲の種々の鉄対炭素比を有する鉄対炭素担体粒子を、 炭素源としてタイプA活性炭を用いて本明細書に記載の方法で調製した。0.67mg/
mLのドキソルビシン(Dox)を食塩-クエン酸バッファー(pH7.4)中に含有している 吸着溶液中で該粒子をインキュベートして、Doxの異なる組成の複合粒子への結 合能と結合比率を測定した。下記の表5はそれらの研究結果を示す。
【0097】
【表5】
【0098】 表5のデータは粒子中の鉄対炭素含量と粒子への薬剤の結合との関係を示してい る。
【0099】実施例6 鉄対炭素比が60:40から80:20の範囲にある担体粒子へのDoxの結合に与える吸 着溶液の組成の影響を比較するために追加研究を行った。下記の6種類の試験吸 着媒質組成は、Doxの吸着の間、担体粒子を物理的に引き離すのに十分な粘性を 与えるように処方を作成したものである。粒子をまず粘性剤に加え、Dox/食塩液
を後で添加した。 1. 50mM クエン酸リン酸バッファー中に10% マンニトール、2%ナトリウムカルボ
キシメチルセルロース (CMC)(中程度の粘性)、2% ポリビニルピロリドン(PVP) 2. 50mM クエン酸リン酸バッファー中に5% マンニトール、2% CMC、2% PVP 3. 50mM クエン酸リン酸バッファー中に5% マンニトール、2% CMC、2% PVP、5%
ソルビトール 4. 10mM リン酸カリウムバッファー(pH7.4)中に10% マンニトール、1% CMC、2%
PVP(K15) 5. リン酸カリウムバッファー(pH7.4)中に10% マンニトール、1% ナトリウムCMC
、 6. リン酸カリウムバッファー(pH7.4)中に5% ソルビトール、1% ナトリウムCMC 、2% PVP(K15)、5% マンニトール 上記の各吸着媒質を用いた吸着研究では、Doxの担体粒子への吸着の最高値は上 記の群の処方4、5、および6を用いたときに得られた。
【0100】 あるいはまた、粒子をまず最初にDox/食塩液と組み合わせ、その後に粘性剤を
添加することもできる。このプロセスでは10% マンニトールおよび5% CMCが好ま
しい結果をもたらした。
【0101】実施例7 ある種のポルフィリンは、腫瘍に対する光力学療法に有用な光増感化合物であ
る。いわゆる「第2世代」の光増感剤は主たる吸収ピークを650nmに有し、このよ
うな化合物の多くは米国、日本、および欧州で臨床試験中である。数種のクラス
の光増感剤を種々の組成の鉄対炭素粒子への相対的結合性についてスクリーニン
グした。特定の光増感剤の活性化波長(しばしばそれは最大吸収であるが)の近傍
の波長を薬剤定量測定に用いた。各種のポルフィリンをリン酸緩衝食塩水(PBS)p
H7.4中に80μg/mL(0.11mM)の濃度としたものが最初の結合研究には都合がよいこ
とが見出された。検討した光増感剤はヘマトポルフィリン誘導体(HPD)、ベンゾ ポルフィリン誘導体一塩基酸A (BPD-ma)、Photofrin(登録商標)ポルフィマーナ トリウム(porfimer sodium)(PF2)、およびクロリン(Clorin)e6である。結合研究
には、10mgの炭素、もしくは50mgの鉄対炭素粒子が最適であった。この4種の化 合物のオクタノール/バッファー(pH7.4)分配計数は次のとおりであった:HPD=1 ;クロリンe6=1.1;PF2=0.1;およびBPD-ma=4000。 結合研究の結果を下記の表6に要約した。
【0102】
【表6】
【0103】 BPD-maのロード量をより高値にするために、BPD-maの4種の鉄対炭素担体粒子 のプロトタイプ(MTCs、もしくは磁気の標的となる化合物)に対する結合能および
結合割合を、イソプロパノール(0.02Mの酢酸を0.5%含有)中に1.4mMの薬剤を含む
液を吸着媒質として用い、18時間というより長い平衡化時間を用いて試験した。
下記の表7に示すとおり、この技法によって、結合能は最初の薬剤濃度で10倍増 であったものから、30倍増となった。
【0104】
【表7】
【0105】 これらの研究はタイプA炭素を60:40の鉄対炭素比で用いた担体粒子(MTC 15.1)
が、用いた薬剤の総量の結合能および結合割合に関して他の試験した粒子とは顕
著に異なっていることを示している。磁場を用いた場合には各担体の洗浄によっ
て未結合のBPD-maを含まないものとすることが容易となる;MTC15.1担体粒子は 他のもののような澄明な溶液とはならない。それはおそらく結合工程中において
粒子の表面から多量の炭素が放出されるからであろう。これに対して、タイプA 炭素を70:30の鉄対炭素比で用いた担体粒子(MTC26.2)は最初の吸着を良好なレベ
ルに維持しつつその他の担体よりも効率的に結合BPD-maを引き離した。
【0106】実施例8 ある滅菌技法においては、粒子はガラスバイアル瓶中でγ線照射を用いて滅菌
される。このシステムでは、コバルトの線源からの2.5〜3.5 Mradのγ線照射を 用いて、1回に少なくとも1000バイアルを滅菌することができる。例えば、粒子 のロット0198(炭素Aで調製)および0498(炭素KBで調製)はこの方法で滅菌した。 各々を滅菌後試験し、粒子径分布およびドキソルビシン結合能などの製造特性を
全て保持していることが見出された。同様に賦型剤の水溶液を121℃30分間のオ ートクレーブ処理によって滅菌精製することができる。例えば、ロット0398(100
mL/バイアル)およびロット0598(20mL/バイアル)はこの方法で滅菌した。各々を 滅菌後試験し、ヒトへの投与に適したビヒクル中での粒子懸濁能などの製造特性
を全て保持していることが見出された。
【0107】実施例9 カンプトテシンは炭素Kを鉄対炭素75:25の重量比で用いて調製したMTC粒子に 結合することが示されている。カンプトテシンは0.9%食塩液もしくは10%乳糖溶 液からの粒子に結合し得るが、食塩液からのものに結合させることが好ましい。
下記のグラフはある範囲の溶液濃度にわたる結合を示したもので、最大の結合能
は食塩液からのもので約110μg/mg MTC(11%)であることを示している。
【0108】
【表8】
【0109】 カンプトテシンには2種類の市販されている誘導体があり、それらはトポテカ ンとイリノテカンであるが、また、アミノカンプトテシンと呼ばれる第3の化学 的誘導体が臨床試験中である。これらの誘導体はカンプトテシン分子をわずかに
化学的に変えたものである。これらおよびその他の化学的誘導体も結合するはず
である。
【0110】実施例10 メトトレキセートは炭素Kを鉄対炭素75:25の重量比で用いて調製したMTC粒子 に結合することが示されている。メトトレキセートは0.9%食塩液もしくは10%乳 糖溶液から粒子に結合し得るが、食塩液から結合させることが好ましい。下記の
グラフはある範囲の溶液濃度にわたる結合を示したもので、最大の結合能は食塩
液からの場合に得られ、約100μg/mg MTC(10%)であることを示している。
【0111】
【表9】
【0112】 メトトレキセートには化学的誘導体が1種あり、それはアミノプテリンである 。この誘導体はメトトレキセート分子にわずかな化学的変化を加えたものである
。これらおよびその他の化学的誘導体も結合するはずである。メトトレキセート
は葉酸拮抗約と呼ばれる分子のクラスに属している。これらの分子は癌細胞内で
葉酸の合成を妨害する。葉酸拮抗約類は、その作用機作として特定の酵素に結合
してその作用を阻害するような作用機作が要求されるため、構造的に類似してい
る。その他の葉酸拮抗約の例としては、ピリトレキシン、10-エチル,10-デアザ-
アミノプテリン、トリメトレキセート、5,10-デアザ,10-プロパルギル葉酸、お よび5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸がある。これらおよびその他の葉酸拮抗約 も結合するはずである。
【0113】実施例11 パクリタキセルは炭素Kを鉄対炭素75:25の重量比で用いて調製したMTC粒子に 結合することが示されている。パクリタキセルはエタノールもしくはクレマホル
EL製剤から粒子に結合させることができるが、クエン酸バッファー添加水性エタ
ノール混合液から粒子に結合させることが好ましい。下記のグラフはある範囲の
溶液濃度にわたる結合を示したもので、最大の結合能はクエン酸バッファー添加
水性エタノール液からの場合に得られ、約160μg/mg MTC(16%)であることを示し
ている。その結合は0%から16%までの全ての濃度でみられる。
【0114】
【表10】
【0115】 パクリタキセルは他の3種の炭素から構成される粒子に結合しうる。その各々 で観察された結合の最大を下記の表に示す。
【0116】
【表11】
【0117】 パクリタキセルはタキソールの化学的誘導体で、タキソールのもう一つ別の化
学的誘導体にはタキソテレがある。その他にもタキソールの誘導体があり、その
大多数は半合成品でタキソールおよびパクリタキセルと類似の構造を有している
。これらの分子はタキソール分子にわずかな化学的変化を加えたものである。こ
れらおよびその他の化学的誘導体も結合するはずである。
【0118】実施例12 ベラパミルは炭素Kを鉄対炭素75:25の重量比で用いて調製したMTC粒子に結合 することが示されている。ベラパミルは乳糖溶液もしくは食塩液から粒子に結合
し得るが、水性の食塩液から結合させることが好ましい。下記のグラフはある範
囲の溶液濃度にわたる結合を示したもので、最大の結合能は食塩液からの場合に
得られ、約140μg/mg MTC(14%)であることを示している。その結合は0%から14% の間の全ての濃度でみられる。
【0119】
【表12】
【0120】実施例13 フェロカーボン粒子を調製し、ドキソルビシンを吸着させてその結果、0.4mg/
mLのドキソルビシンおよび5.0mg/mLの担体とを含む容量用液を得た。ヨークシャ
ー種のブタに送達するために肝動脈に選択的カテーテル法を施した。動物は10〜
30分毎に3〜6回のパルス注射を受け、累積投与量はドキソルビシンとして14.2〜
18mgであった。注入操作中外部磁石を所定の位置に保持し、その後は15〜30分間
直接的に保持した。動物は28日間観察した後屠殺した。病理組織所見からは15分
毎に7.5mLの注射を繰り返して18mgのドキソルビシンを投与することが最大耐容 用量であった。この決定は主として肝臓壊死および門脈領域の変化の発生に基づ
いたものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の担体組成物中の複合粒子の拡大写真(倍率12,000倍)である。
【図2】 図2Aは、本発明の担体組成物中の粒子の拡大写真(倍率30,000倍)である。 図2Bは、図2Aの粒子の断面図である。
【図3】 図3A〜3Hは、本発明の1方法を用い、薬剤を担体組成物上に吸着させて腫瘍部 位まで送達し、かつ、その部位に保持する治療を行った期間の腫瘍を示す。
【図4】 図4は、担体組成物の適用および磁気的ターゲッティングの1例を示す。
【図5】 図5は、病理学的構造における担体組成物(表面上に薬剤が吸着されている)を 示す。
【図6】 図6は、鉄:炭素比70:30でタイプE炭素を含む担体粒子(-○-)およびタイプE炭 素単独(-□-)へのPACの結合に関するラングミュア吸着プロットを示すグラフで ある。単純な非加重線形回帰によりデータのあてはめを行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/337 A61K 31/337 31/4745 31/4745 31/517 31/517 31/519 31/519 31/704 31/704 51/00 49/04 A 49/04 A61P 35/00 A61P 35/00 A61K 43/00 49/02 C B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 デュクシェルストノブ,サージェイ,ディ ー. ロシア国 117606 モスクワ,コルパス 2 ナンバー 525,ラメンキー ストリ ート 11 (72)発明者 チャーンヤコブ,サージェイ,ヴイ. ロシア国 113447 モスクワ,ヴィノクロ ヴァー ストリート 13,アパートメント 88 (72)発明者 アレン,ラリー,エム. アメリカ合衆国 80401 コロラド州,ゴ ールデン,ウエスト メイプル ドライブ 15779 (72)発明者 ケント,トーマス,ビー. アメリカ合衆国 80304 コロラド州,ボ ールダー,ダルミア アベニュー 2493 Fターム(参考) 4C076 AA22 BB13 CC11 CC27 DD21 DD67 EE33 FF02 FF03 FF04 FF05 FF16 FF43 GG47 4C084 AA12 MA02 MA23 MA65 NA10 NA13 ZB261 ZC752 4C085 HH03 JJ03 KA29 KB08 KB09 KB10 KB18 LL01 LL07 LL18 4C086 AA01 AA02 BA02 BA07 CB09 CB22 DA29 EA10 HA06 HA11 MA02 MA03 MA05 MA23 MA65 NA10 NA12 NA13 ZB26 ZB27 ZC75 4C206 AA01 AA02 HA13 KA01 MA02 MA03 MA05 MA43 MA85 NA10 NA12 NA13 ZA36 ZC75

Claims (74)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素と鉄とを含有する粒子を含んでなる磁気応答性組成物で
    あって、 該炭素が、該粒子の体積全体にわたって実質的に均一に分布し、各粒子の断面
    サイズが約5μm以下であり、該炭素が、タイプA、B、E、K、KB、およびそれらの
    化学的改変体からなる群より選ばれる、前記組成物。
  2. 【請求項2】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒子
    が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された治 療的な量のドキソルビシンを有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記鉄対炭素の重量比が約80:20〜60:40である、請求項2に
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記ドキソルビシンの平均量が前記粒子の質量の20%までで ある、請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒子
    が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された治 療的な量のカンプトテシンもしくはその類似体を有する、請求項1に記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項5に記
    載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記カンプトテシンの平均量が前記粒子の質量の20%までで ある、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記カンプトテシンの類似体がトポテカンである、請求項5
    に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項8に記
    載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記トポテカンの平均量が前記粒子の質量の20%までであ る、請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記カンプトテシンの類似体がイリノテカンである、請求
    項5に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項11
    に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記イリノテカンの平均量が前記粒子の質量の20%までで ある、請求項12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記カンプトテシンの類似体がアミノカンプトテシンであ
    る、請求項5に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項14
    に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記アミノカンプトテシンの平均量が前記粒子の質量の20
    %までである、請求項15に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒
    子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された 治療的な量のタキソールもしくはその類似体を有する、請求項1に記載の組成物
  18. 【請求項18】 前記タキソールの類似体がタキソテレである、請求項17
    に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項18
    に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 前記タキソテレの平均量が前記粒子の質量の20%までであ る、請求項19に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記タキソールの類似体がパクリタキセルである、請求項
    17に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項21
    に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 前記パクリタキセルの平均量が前記粒子の質量の20%まで である、請求項22に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒
    子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された 治療的な量のベラパミルもしくはその類似体を有する、請求項1に記載の組成物
  25. 【請求項25】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項24
    に記載の組成物。
  26. 【請求項26】 前記ベラパミルの平均量が前記粒子の質量の20%までであ る、請求項25に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒
    子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された 治療的な量の葉酸拮抗薬を有する、請求項1に記載の組成物。
  28. 【請求項28】 前記葉酸拮抗薬がメトトレキセートである、請求項27に
    記載の組成物。
  29. 【請求項29】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項28
    に記載の組成物。
  30. 【請求項30】 前記メトトレキセートの平均量が前記粒子の質量の20%ま でである、請求項29に記載の組成物。
  31. 【請求項31】 前記葉酸拮抗薬がアミノプテリンである、請求項27に記
    載の組成物。
  32. 【請求項32】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項31
    に記載の組成物。
  33. 【請求項33】 前記アミノプテリンの平均量が前記粒子の質量の20%まで である、請求項32に記載の組成物。
  34. 【請求項34】 前記葉酸拮抗薬がピリトレキシンである、請求項27に記
    載の組成物。
  35. 【請求項35】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項34
    に記載の組成物。
  36. 【請求項36】 前記ピリトレキシンの平均量が前記粒子の質量の20%まで である、請求項35に記載の組成物。
  37. 【請求項37】 前記葉酸拮抗薬が10-エチル, 10-デアザアミノプテリンで
    ある、請求項27に記載の組成物。
  38. 【請求項38】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項37
    に記載の組成物。
  39. 【請求項39】 前記10-エチル, 10-デアザアミノプテリンの平均量が前記
    粒子の質量の20%までである、請求項38に記載の組成物。
  40. 【請求項40】 前記葉酸拮抗薬がトリメトレキセートである、請求項27
    に記載の組成物。
  41. 【請求項41】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項40
    に記載の組成物。
  42. 【請求項42】 前記トリメトレキセートの平均量が前記粒子の質量の20% までである、請求項41に記載の組成物。
  43. 【請求項43】 前記葉酸拮抗薬が5,10-デアザ, 10-プロパルギル葉酸であ
    る、請求項27に記載の組成物。
  44. 【請求項44】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項43
    に記載の組成物。
  45. 【請求項45】 前記5,10-デアザ, 10-プロパルギル葉酸の平均量が前記粒
    子の質量の20%までである、請求項44に記載の組成物。
  46. 【請求項46】 前記葉酸拮抗薬が5,10-ジデアザテトラヒドロホレートで ある、請求項27に記載の組成物。
  47. 【請求項47】 前記鉄対炭素の重量比が80:20〜60:40である、請求項46
    に記載の組成物。
  48. 【請求項48】 前記5,10-ジデアザテトラヒドロホレートの平均量が前記 粒子の質量の20%までである、請求項47に記載の組成物。
  49. 【請求項49】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒
    子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された 治療的な量の放射性同位体を有する、請求項1に記載の組成物。
  50. 【請求項50】 前記放射性同位体の量が約10pgm〜700ngである、請求項4
    9に記載の組成物。
  51. 【請求項51】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒
    子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された 診断的な量の放射性同位体を有する、請求項1に記載の組成物。
  52. 【請求項52】 前記放射性同位体の量が約10pgm〜700ngである、請求項5
    1に記載の組成物。
  53. 【請求項53】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒
    子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された 治療的な量の生物学的活性物質を有する、請求項1に記載の組成物。
  54. 【請求項54】 前記生物学的活性物質が、薬物、放射性物質、または遺伝
    的物質である、請求項53に記載の組成物。
  55. 【請求項55】 前記放射性物質が、186Re、188Re、123I、125I、または90 Yである、請求項54に記載の組成物。
  56. 【請求項56】 前記粒子の断面サイズが約0.1μm〜5.0μmであり、各粒
    子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ粒子表面上に吸着された 診断的な量の生物学的活性物質を有する、請求項1に記載の組成物。
  57. 【請求項57】 前記生物学的活性物質が、放射性同位体、造影剤、染料、
    または遺伝的物質である、請求項56に記載の組成物。
  58. 【請求項58】 前記放射性物質が、186Re、188Re、または99Tcである、請
    求項57に記載の組成物。
  59. 【請求項59】 患者のin vivo部位に生物学的活性物質を投与するための キットであって、 a) 断面サイズが約0.1μm〜5.0μmである単位用量の乾燥フェロカーボン粒 子であって、各粒子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、かつ該粒子 の体積全体にわたって分布した炭素を有する、前記乾燥フェロカーボン粒子と、 b) 水性溶液中において該粒子への生物学的活性物質の吸着を促進する量の1種
    以上の乾燥賦形剤と、 を含有する容器を含んでなるキット。
  60. 【請求項60】 前記単位用量が、約0.05〜約0.5グラムの粒子である、請 求項59に記載のキット。
  61. 【請求項61】 前記賦形剤が、前記水性溶液に添加されたときに前記粒子
    を分離させるための生物学的適合性ポリマーを含む、請求項59に記載のキット
  62. 【請求項62】 前記賦形剤が、マンニトール、ナトリウムカルボキシメチ
    ルセルロース、またはそれらの組合せを含む、請求項59に記載のキット。
  63. 【請求項63】 キットの内容物が、生物学的活性物質の市販製剤と組み合
    わされている、請求項59に記載のキット。
  64. 【請求項64】 患者のin vivo部位に生物学的活性物質を投与するための キットであって、 a) 断面サイズが約0.1μm〜5.0μmである単位用量のフェロカーボン粒子を 含有する第1の容器であって、各粒子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を 有し、かつ該粒子の体積全体にわたって分布した炭素を有する、前記第1の容器
    と、 b) 水性溶液中において該粒子への生物学的活性物質の吸着を促進する量の1種
    以上の賦形剤を含有する水性溶液を含んでなる第2の容器と、 を備えてなる、前記キット。
  65. 【請求項65】 前記単位用量が、約0.05〜約0.5グラムの粒子である、請 求項64に記載のキット。
  66. 【請求項66】 前記賦形剤が、前記水性溶液に添加されたときに前記粒子
    を分離させるための生物学的適合性ポリマーを含む、請求項64に記載のキット
  67. 【請求項67】 前記賦形剤が、マンニトール、ナトリウムカルボキシメチ
    ルセルロース、またはそれらの組合せを含む、請求項64に記載のキット。
  68. 【請求項68】 前記マンニトールの量が10%であり、前記カルボキシメチ ルセルロースの量が5%である、請求項67に記載のキット。
  69. 【請求項69】 キットの内容物が、生物学的活性物質の市販製剤と組み合
    わされている、請求項64に記載のキット。
  70. 【請求項70】 前記単位用量のフェロカーボン粒子が、γ線照射により滅
    菌されている、請求項64に記載のキット。
  71. 【請求項71】 前記賦形剤を含有する前記水性溶液が、オートクレーブに
    より滅菌されている、請求項64に記載のキット。
  72. 【請求項72】 γ線照射の使用を含む、フェロカーボン粒子を含有する組
    成物の滅菌方法。
  73. 【請求項73】 前記γ線照射の使用量が2.5〜3.5Mradである、請求項71
    に記載の方法。
  74. 【請求項74】 断面サイズが約0.1μm〜5.0μmである単位用量のフェロ
    カーボン粒子を含有し、各粒子が、約95:5〜50:50の鉄対炭素の重量比を有し、 かつ該粒子の体積全体にわたって分布した炭素を有する、患者のin vivo部位に 生物学的活性物質を投与するためのキット。
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