JP2002374598A - コンデンサマイクロホン - Google Patents

コンデンサマイクロホン

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JP2002374598A
JP2002374598A JP2001178606A JP2001178606A JP2002374598A JP 2002374598 A JP2002374598 A JP 2002374598A JP 2001178606 A JP2001178606 A JP 2001178606A JP 2001178606 A JP2001178606 A JP 2001178606A JP 2002374598 A JP2002374598 A JP 2002374598A
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Japan
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end wall
film
condenser microphone
vibration
back electrode
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JP2001178606A
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Mamoru Yasuda
護 安田
Shinichi Saeki
真一 佐伯
Hirobumi Yamada
博文 山田
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Hosiden Corp
Original Assignee
Hosiden Corp
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  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前端壁の内面に振動膜を吸着させない状態
で、夫々をできるだけ近接配置して高感度のコンデンサ
マイクロホンを合理的に構成する。 【解決手段】 音孔1が形成された前端壁2と筒状の側
壁3とが一体形成されたケースCの内面にエレクトレッ
ト部Eを形成すると共に、リング状のスペーサ4を介し
て振動膜6を前端壁2に対向して配置することで、音孔
1からの音響振動に対応した振動膜6の振動を前端壁2
と振動膜6との静電容量の変化として捉えるよう構成
し、前端壁2の内面で振動膜6と対向する面に凹部Ga
を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音孔が穿設された
前端壁と筒状の側壁とで成るケースの内部において、前
端壁と対向する位置に振動膜を配置すると共に、この前
端壁と振動膜との少なくとも一方に電気分極状態を維持
するエレクトレット部を形成する、あるいは、振動膜を
基準にして前端壁の反対側に配置した背極と振動膜との
少なくとも一方に電気分極状態を維持するエレクトレッ
ト部を形成することにより、音孔から入り込んだ音響振
動に対応した振動膜の振動をケースの前端壁と振動膜と
の静電容量の変化として捉える、あるいは、背極と振動
膜との静電容量の変化として捉えて電気信号として出力
するコンデンサマイクロホンに関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成されたコンデンサマイ
クロホンとして実用新案登録第2540506号公報や
特開平11‐266499号公報に示されるものが存在
し、これらの従来の技術のうち前者は金属製のカプセル
(ケース)の前面板の内面にエレクトレット高分子フィ
ルムを被着し、この高分子フィルムが被着された前面板
と対向する位置に導電性振動膜が配置され、この導電性
振動膜の後面の外周部に接触する導電性保持体を配置
し、この導電性保持体の内部にインピーダンス変換用I
C素子(インピーダンス変換手段)を備えている。又、
これらの従来技術のうち後者は、エレクトレット誘電体
膜を形成した背極と振動膜とを対向配置してカプセル
(ケース)に収め、このケースの開口をICチップを有
した配線基板で閉塞する形態で配置して構成されてい
る。以下、この2つの従来の技術のうち前者をフロント
タイプと称し、後者をバックタイプと称する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、コンデンサマ
イクロホンの特性について考えるに、フロントタイプで
あっても、バックタイプであっても前端壁、あるいは、
背極と振動膜との距離を近接させるほど、より感度を高
めることが知られている。しかしながら、夫々を接近さ
せた場合には、対向する面に振動膜が吸着され、マイク
ロホンの機能を果たさなくなる不都合を発生することも
あり改善の余地があった。
【0004】本発明の目的は、対向する面に振動膜を吸
着させない状態で、夫々をできるだけ近接配置すること
により高感度となるコンデンサマイクロホンを合理的に
構成する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
コンデンサマイクロホンの特徴、作用・効果は次の通り
である。 〔特徴〕音孔が穿設された前端壁と筒状の側壁とで成る
ケースの内部において、前端壁と対向する位置に振動膜
を配置すると共に、この前端壁と振動膜との少なくとも
一方に電気分極状態を維持するエレクトレット部を形成
する、あるいは、振動膜を基準にして前端壁の反対側に
配置した背極と振動膜との少なくとも一方に電気分極状
態を維持するエレクトレット部を形成することにより、
音孔から入り込んだ音響振動に対応した振動膜の振動を
ケースの前端壁と振動膜との静電容量の変化として捉え
る、あるいは、背極と振動膜との静電容量の変化として
捉えて電気信号として出力するコンデンサマイクロホン
において、前記振動膜と対向する位置の前端壁の内面、
あるいは、前記背極のうち振動膜と対向する面に凹部を
形成してある点にある。
【0006】〔作用・効果〕上記特徴によると、振動膜
と対向する位置の前端壁の内面、あるいは、前記背極の
うち振動膜と対向する面に凹部が形成されているので、
この面に対して振動膜を近接配置した状態において、こ
の振動膜がこの面に接触することがあっても、凹部にお
いて振動膜と面との間に空気層を確保して振動膜が面に
密着する現象を抑制するものとなる。しかも、振動膜に
作用する空気の粘性抵抗を広い周波数域において低減す
ることも可能となる。その結果、振動膜と面との密着に
より性能が著しく低下する不都合を回避しながら、面に
振動膜を近接配置して高感度にするばかりか、低域周波
数から広域周波数にわたって高感度となるコンデンサマ
イクロホンが構成された。
【0007】本発明の請求項2に係るコンデンサマイク
ロホンの特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1のコンデンサマイクロホンにおいて、
前記前端壁が円形に形成されると共に、前記凹部が、前
端壁の中心と同心状の環状溝に形成される、あるいは、
前端壁の中心から等距離の位置の複数箇所に形成され
る、あるいは、前端壁の中心から放射状に形成した放射
溝に形成されている点にある。
【0008】〔作用・効果〕上記特徴によると、振動膜
の中央部が大きく撓んで前端壁の内面の中央部に接触
し、この接触面積が拡大した場合でも、凹部の部位に達
した際に接触面積の拡大が抑制されるので、吸着力の増
大を阻止し、この後、振動膜の復元力で前端壁から振動
膜を自然に分離させることが可能となる。その結果、前
端壁の内面に対する振動膜の吸着を一層良好に解消して
高感度状態を維持できる。
【0009】本発明の請求項3に係るコンデンサマイク
ロホンの特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1のコンデンサマイクロホンにおいて、
前記背極が円形に形成されると共に、前記凹部が、背極
の中心と同心状の環状溝に形成される、あるいは、背極
の中心から等距離の位置の複数箇所に形成される、ある
いは、背極の中心から放射状に形成した放射溝に形成さ
れている点にある。
【0010】〔作用・効果〕上記特徴によると、振動膜
の中央部が大きく撓んで背極の中央部に接触し、この接
触面積が拡大した場合でも、凹部の部位に達した際に接
触面積の拡大が抑制されるので、吸着力の増大を阻止
し、この後、振動膜の復元力で前端壁から振動膜を自然
に分離させることが可能となる。その結果、背極の内面
に対する振動膜の吸着を一層良好に解消して高感度状態
を維持できる。
【0011】本発明の請求項4に係るコンデンサマイク
ロホンの特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデン
サマイクロホンにおいて、前記エレクトレット部が、前
記振動膜と対向する前端壁の内面、あるいは、前記振動
膜と対向する背極の表面に形成された樹脂フィルムの被
膜に対して電気分極状態が維持される帯電処理を施すこ
とによって形成されると共に、前記凹部が、樹脂フィル
ムを被膜した状態の前端壁をプレス加工することによっ
て凹状に形成されている点にある。
【0012】〔作用・効果〕上記特徴によると、前記振
動膜と対向する前端壁の内面、あるいは、前記振動膜と
対向する背極の表面に対しFEP(Fluoro Ethylene Pr
opylene)等の高分子フィルムを被覆して帯電させるこ
とによって、この面にエレクトレット部を形成すること
が可能になるばかりでなく、このように被覆した樹脂フ
ィルムに対しても凹部を形成するので、前端壁に振動膜
が密着する不都合も解消できる。その結果、静電容量の
変化に基づいて良好に音響振動を捉え得るものとなる。
【0013】本発明の請求項5に係るコンデンサマイク
ロホンの特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデン
サマイクロホンにおいて、前記エレクトレット部が、前
記振動膜と対向する前端壁の内面、あるいは、前記振動
膜と対向する背極の表面の表面処理によって作り出した
被膜に対して、電気分極状態が維持される帯電処理を施
すことにより形成されている点にある。
【0014】〔作用・効果〕上記特徴によると、表面処
理、具体的には、スパッタリングやプラズマCVD等の
処理によって作り出した被膜に対して帯電処理させるこ
とによって、前記振動膜と対向する前端壁の内面、ある
いは、前記振動膜と対向する背極の表面にエレクトレッ
ト部を形成することが可能となり、このように被膜を形
成する場合には面の形状に沿って被膜を形成することも
可能であるので、この面に凹部を形成しておくことによ
り凹部を有するエレクトレット部を形成することも可能
となる。その結果、静電容量の変化に基づいて良好に音
響振動を捉え得るものとなる。
【0015】本発明の請求項6に係るコンデンサマイク
ロホンの特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデン
サマイクロホンにおいて、前記エレクトレット部が、前
記振動膜の表面処理によって作り出した被膜に対して、
電気分極状態が維持される帯電処理を施すことにより形
成されている点にある。
【0016】〔作用・効果〕上記特徴によると、振動膜
の表面処理、具体的には、スパッタリングやプラズマC
VD等の処理によって作り出した被膜に対して帯電処理
させることによって、この振動膜にエレクトレット部を
形成することが可能となる。その結果、静電容量の変化
に基づいて良好に音響振動を捉え得るものとなる。
【0017】本発明の請求項7に係るコンデンサマイク
ロホンの特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1〜6のいずれか1項のコンデンサマイ
クロホンにおいて、前記振動膜の後部位置に、振動膜と
ケースとに電気的に導通するプリント配線を有する基板
を配置してケースの後端を閉塞すると共に、この基板に
対して前記プリント配線と接続するインピーダンス変換
手段を備えている点にある。
【0018】〔作用・効果〕上記特徴によると、ケース
後端の基板にインピーダンス素子を備えているので、こ
の基板でケース後端を閉塞し得るものとなると共に、こ
の基板を介して音響振動に基づく電気信号を取出し得る
ものとなる。その結果、ケース後端から合理的に電気信
号を取出せるフロントタイプのコンデンサマイクロホン
が構成された。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、音孔1
が穿設された前端壁2と筒状の側壁3とで成り、内面に
エレクトレット部Eが形成されたケースCを構成すると
共に、このケースCの内部にリング状のスペーサ4、導
電性の支持リング5に支持された導電材製の振動膜6、
筒状の導電リング7、インピーダンス変換手段としての
インピーダンス変換素子8を備えた基板P夫々を配置す
ることにより、音孔1から入り込んだ音響振動に対応し
た振動膜6の振動をケースCの前端壁2と振動膜6との
間の静電容量の変化として捉え、インピーダンス変換素
子8を介し電気信号として出力するフロントタイプのコ
ンデンサマイクロホンが構成されている。
【0020】尚、フロントタイプとは、ケースCの前端
壁2と振動膜6とをコンデンサとして機能させるものを
指しており、このコンデンサマイクロホンではケースC
の音孔1を覆う位置に防塵や防滴や音響特性を設定する
目的で不織布や織物としての布で成るフィルタ9を接着
固定してある。
【0021】前記ケースCは、アルミニウムなどの金属
の板材に対してFEP(Fluoro Ethylene Propylene)
等の高分子フィルムを重ね合わせて加熱圧着することに
より高分子フィルムの被膜Fを形成し、この後に絞り加
工によって前端壁2と筒状の側壁3とを一体形成し、こ
のように形成されたケースCの前端壁2の中央部に音孔
1を穿設し、更に、ケースCの内面に電子ビーム分極或
いはコロナ放電による分極を行うことで、このケースC
の前端壁に電気分極状態を維持するエレクトレット部E
を形成してある。図4及び図5に示すように、この前端
壁2の内面で音孔1の位置を中心とした同心状となる位
置に対して、プレス加工によって凹部G(Gは後述する
窪みや溝の上位概念)として複数の窪みGaを形成して
ある。尚、この凹部を形成するためのプレス加工は分極
を行う以前に行うことが好ましいが、分極の後に行って
も良い。
【0022】前記音孔1と、凹部の別実施の形態とし
て、図6及び図7に示すように前端壁2の内面に対し
て、一対の音孔1、1を形成し、夫々の音孔1、1に連
なるように位置を設定して、前端壁2の中心と同心円と
なる一対のV字状やU字状(断面形状がV字状やU字状
となる溝)となる溝Gb、Gbを形成することも可能で
ある。
【0023】更に、凹部の別実施の形態として、図8及
び図9に示すように、円形の前端壁2の中央位置に音孔
1を穿設すると共に、この前端壁2の内面の中央位置か
ら放射状に拡がる形態で複数のV字状やU字状(断面形
状がV字状やU字状となる溝)となる溝Gb、Gbを形
成することも可能である。
【0024】前記スペーサ4は、その外径をケースCの
側壁3の内面に嵌り込む外径に設定したリング状で、か
つ、図1に示す如く厚みDが25μm(マイクロメー
タ)程度となる絶縁性の樹脂材によって形成されてい
る。
【0025】前記振動膜6は、ポリエチレンやポリフェ
ニレンサルファイドなどの樹脂フィルムにニッケルやア
ルミニウム等の金属を蒸着することで導電層を形成した
ものが使用され、この振動膜6を導電性の接着材により
銅や銅合金等の良導体で成る支持リング5に支持してあ
る。又、この振動膜6を支持リング5に支持する際に
は、該振動膜6が僅かに緊張する程度に張力を作用させ
ている。又、前記導電リング7は、側壁3の内面に密着
する程度の外径で、支持リング5の後面に接触する筒状
に成形された銅合金等の良導体を用いて成っている。そ
して、この導電リング7は支持リング5に接触すること
によって振動膜6と電気的な導通状態に達する。
【0026】前記基板Pはガラスエポキシ等の基板ベー
ス10の内面(前面)、外面(後面)夫々の面に対して
図11及び図12に示すプリント配線が形成されてい
る。つまり、内面側には前記導電リング7と接触する環
状の内接触部11が形成され、外面にはケースCの側壁
3と接触する環状の外接触部12が形成され、更に、内
面には内接触部11に導通する導通部11Aと、スルー
ホール等(図示せず)を介して外接触部12と導通する
導通部12Aと、後記する出力端子12Bと導通する導
通部11Bとが形成され、導通部11Bとスルーホール
等(図示せず)を介して導通する出力端子12Bを基板
Pの外面の中央位置に対してプリント配線の技術によっ
て形成している。又、基板Pの内面には前記導通部11
A、11B、12A夫々と、その端子がハンダ付けされ
るインピーダンス変換素子8を備えている。そして、こ
の基板PをケースCの後端の開口を閉塞する位置に嵌込
み、ケースCの側壁3の後端を内方に絞り込む形態に成
形することにより、この基板PがケースCに固定される
と同時に、基板Pの内面の内接触部11が導電リング7
に導通する状態に達し、かつ、基板Pの外面の接触部1
2部がケースCの側壁3に導通する状態に達する。
【0027】このような構成であるので、該コンデンサ
マイクロホンを組立てる際には、前述のようにエレクト
レット部Eと、複数の窪みGaとが形成されたケースC
の内部に、スペーサ4、支持リング5に支持された振動
膜6、導電リング7夫々をセットし、次に、インピーダ
ンス変換素子8を内面にハンダ付けした基板Pをケース
Cの後端の開口に嵌め込み、絞り加工で固定する工程の
作業が行われる。そして、このように組立てが完了した
状態では、前端壁2と振動膜6と間に25μmの間隔が
維持されると共に、ケースCの側壁3の内面に形成され
た被膜Fが導電リング7の外周面とケースCの側壁3と
を絶縁するものとなる。そして、このように完成したコ
ンデンサマイクロホンは、基板Pの内面の内接触部11
が導電リング7に接触して導通する状態に達し、又、基
板Pの外面の接触部12部がケースCの側壁3に接触し
て導通する状態に達するので、これらとインピーダンス
変換素子8とを電気的に導通するものとなり、ケースC
の前端面2と、振動膜6との間の静電容量の変化として
インピーダンス変換素子8を介して電圧信号として出力
端子12Bから取り出せるものとなっている。
【0028】このように、本発明のフロントタイプのコ
ンデンサマイクロホンでは、ケースCの前端壁2の内面
と振動膜6との間隔を従来からのフロントタイプのコン
デンサマイクロホンより小さくするものでありながら、
前端壁2の内面に形成した窪みGaやV溝Gbで構成さ
れる凹部によって、振動膜6が前端壁2の内面に吸着す
る不都合を解消するばかりでなく、しかも、空気の粘性
抵抗を低減できる結果、従来からのコンデンサマイクロ
ホンより低域周波数から広域周波数にわたって高感度に
している。
【0029】特に、前端壁2の内面と振動膜6との間隔
を25μmに設定したもので、前端壁2の内面に凹部を
形成しない比較構成のコンデンサマイクロホンの感度特
性と、従来のコンデンサマイクロホンの感度特性とをグ
ラフ化すると、図10(イ)のように表される。つま
り、比較構成のコンデンサマイクロホンの特性Scは特
定の周波数の領域まで従来構成のコンデンサマイクロホ
ンの特性Spより高感度であるが、特定の周波数より高
い周波数において感度が大きく低下するものとなってい
る。
【0030】そして、前端壁2の内面と振動膜6との間
隔を25μmに設定し、かつ、前端壁2の内面に凹部と
しての窪みGaや溝Gbが形成された構成された本発明
のフロントタイプのコンデンサマイクロホンと、従来か
らのフロントタイプのコンデンサマイクロホンとの性能
を比較した結果は図10(ロ)のグラフのように表され
る。つまり、このグラフは周波数(横軸)に対する感度
(縦軸)を示しており、本件の特性Snは従来構成の特
性Spと比較して全ての振動数において高感度で、周波
数による感度の偏りも無く、平坦な感度特性を現出して
いる。尚、従来からのコンデンサマイクロホンは前端壁
2の内面と振動膜6との間隔を38μmに設定し、前端
壁2の内面に凹部が形成されない平坦なものを対象とし
ている。
【0031】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態
以外に、以下のように構成することも可能である(この
別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するも
のには、実施の形態と共通の番号、符号を付してい
る)。
【0032】(a)ケースCの内面にシリコン酸化膜を
形成し、帯電処理を施すことにより電気分極状態が維持
されるエレクトレット部Eを形成する。
【0033】(b)図13に示すように、フロントタイ
プにおいて、振動膜6にエレクトレット部Eを形成する
構成を採用する。この場合、金属箔の表面処理に作り出
した被膜、あるいは、導電性の樹脂フィルムの表面に対
して電気分極状態が維持される帯電処理を施す処理を行
うことでエレクトレット部Eを形成することが考えられ
る。
【0034】(c)図14に示すように、音孔1が穿設
された円形の前端壁2と側壁3とで成る金属製のケース
Cに対して、金属製の支持リング5に張設された振動膜
6、絶縁材製のスペーサ21、金属製で円形の背極2
2、ケースCと電気的に絶縁し、かつ、背極22と導通
する構造のホルダ23夫々を配置し、背極22の振動膜
側の面に対してFEP(Fluoro Ethylene Propylene)
等の高分子フィルムを重ね合わせて加熱圧着することに
より高分子フィルムの被膜Fを形成し、この高分子フィ
ルムの被膜Fに対して電子ビーム分極或いはコロナ放電
による分極を行うことで、背極22に電気分極状態を維
持するエレクトレット部Eを形成してある(振動膜22
にエレクトレット部を形成しても良い)。このようにエ
レクトレット部Eを形成することにより、振動膜6の振
動に起因する静電容量の変化をケースCと、ホルダ23
とに導通するインピーダンス変換素子(図示せず)を介
して電気信号として取り出すようバックタイプのコンデ
ンサマイクロホンを構成する。そして、振動膜6とケー
スCの前端面2との距離を、振動膜6と背極22との距
離程度まで接近させて配置し、かつ、前端壁2の内面側
に凹部Gとして、前端壁2の中心から等距離に形成され
た窪みGa、あるいは、前端壁2の中心と同心状の溝G
b、あるいは、前端壁2の中心から放射状に形成された
溝Gbを形成することによりマイクロホンの小型化を図
った場合にも、振動膜6がケースの前端壁に吸着する不
都合を解消できるものにしている。
【0035】(d)図15に示すように、音孔1が穿設
された円形の前端壁2と側壁3とで成る金属製のケース
Cに対して、金属製の支持リング5に張設された振動膜
6、絶縁材製のスペーサ21、金属製で円形の背極2
2、ケースCと電気的に絶縁し、かつ、背極22と導通
する構造のホルダ23夫々を配置し、背極22の振動膜
側の面に対してFEP(Fluoro Ethylene Propylene)
等の高分子フィルムを重ね合わせて加熱圧着することに
より高分子フィルムの被膜Fを形成し、この高分子フィ
ルムの被膜Fに対して電子ビーム分極或いはコロナ放電
による分極を行うことで、背極22に電気分極状態を維
持するエレクトレット部Eを形成してある(振動膜22
にエレクトレット部を形成しても良い)。このようにエ
レクトレット部Eを形成することにより、振動膜6の振
動に起因する静電容量の変化をケースCと、ホルダ23
とに導通するインピーダンス変換素子(図示せず)を介
して電気信号として取り出すようバックタイプのコンデ
ンサマイクロホンを構成する。そして、振動膜6と背極
22とを近接配置し、かつ、背極22における振動膜6
との対向面に凹部Gとして、前端壁2の中心から等距離
に形成された窪みGa、あるいは、前端壁2の中心と同
心状の溝Gb、あるいは、前端壁2の中心から放射状に
形成された溝Gbを形成することにより振動膜6がケー
スの前端壁に吸着する不都合を解消できるものにしてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサマイクロホンの断面図
【図2】コンデンサマイクロホンの分解斜視図
【図3】電気分極状態にある高分子フィルムを模式的に
示す断面図
【図4】ケースの前端壁の内面を示す図
【図5】ケースの断面図
【図6】別実施の形態のケースの前端壁の内面を示す図
【図7】別実施の形態のケースの断面図
【図8】別実施の形態のケースの前端壁の内面を示す図
【図9】別実施の形態のケースの断面図
【図10】従来のマイクロホンと本件のマイクロホンと
の音響性能の比較を示すグラフ及び従来のマイクロホン
と比較例のマイクロホンとの音響性能の比較を示すグラ
【図11】基板の内面を示す図
【図12】基板の外面を示す図
【図13】別実施の形態(b)のコンデンサマイクロホ
ンの一部の断面図
【図14】別実施の形態(c)のコンデンサマイクロホ
ンの一部の断面図
【図15】別実施の形態(d)のコンデンサマイクロホ
ンの一部の断面図
【符号の説明】
1 音孔 2 前端壁 3 側壁 4 スペーサ 6 振動膜 8 インピーダンス変換手段 C ケース G 凹部 E エレクトレット部 F 被膜 P 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 博文 大阪府八尾市北久宝寺1丁目4番33号 ホ シデン株式会社内 Fターム(参考) 5D021 CC03 CC19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音孔が穿設された前端壁と筒状の側壁と
    で成るケースの内部において、前端壁と対向する位置に
    振動膜を配置すると共に、この前端壁と振動膜との少な
    くとも一方に電気分極状態を維持するエレクトレット部
    を形成する、あるいは、振動膜を基準にして前端壁の反
    対側に配置した背極と振動膜との少なくとも一方に電気
    分極状態を維持するエレクトレット部を形成することに
    より、音孔から入り込んだ音響振動に対応した振動膜の
    振動をケースの前端壁と振動膜との静電容量の変化とし
    て捉える、あるいは、背極と振動膜との静電容量の変化
    として捉えて電気信号として出力するコンデンサマイク
    ロホンであって、 前記振動膜と対向する位置の前端壁の内面、あるいは、
    前記背極のうち振動膜と対向する面に凹部を形成してあ
    るコンデンサマイクロホン。
  2. 【請求項2】 前記前端壁が円形に形成されると共に、
    前記凹部が、前端壁の中心と同心状の環状溝に形成され
    る、あるいは、前端壁の中心から等距離の位置の複数箇
    所に形成される、あるいは、前端壁の中心から放射状に
    形成した放射溝に形成されている請求項1記載のコンデ
    ンサマイクロホン。
  3. 【請求項3】 前記背極が円形に形成されると共に、前
    記凹部が、背極の中心と同心状の環状溝に形成される、
    あるいは、背極の中心から等距離の位置の複数箇所に形
    成される、あるいは、背極の中心から放射状に形成した
    放射溝に形成されている請求項1記載のコンデンサマイ
    クロホン。
  4. 【請求項4】 前記エレクトレット部が、前記振動膜と
    対向する前端壁の内面、あるいは、前記振動膜と対向す
    る背極の表面に形成された樹脂フィルムの被膜に対して
    電気分極状態が維持される帯電処理を施すことによって
    形成されると共に、前記凹部が、樹脂フィルムを被膜し
    た状態の前端壁をプレス加工することによって凹状に形
    成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコン
    デンサマイクロホン。
  5. 【請求項5】 前記エレクトレット部が、前記振動膜と
    対向する前端壁の内面、あるいは、前記振動膜と対向す
    る背極の表面の表面処理によって作り出した被膜に対し
    て、電気分極状態が維持される帯電処理を施すことによ
    り形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    コンデンサマイクロホン。
  6. 【請求項6】 前記エレクトレット部が、前記振動膜の
    表面処理によって作り出した被膜に対して、電気分極状
    態が維持される帯電処理を施すことにより形成されてい
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデンサマイ
    クロホン。
  7. 【請求項7】 前記振動膜の後部位置に、振動膜とケー
    スとに電気的に導通するプリント配線を有する基板を配
    置してケースの後端を閉塞すると共に、この基板に対し
    て前記プリント配線と接続するインピーダンス変換手段
    を備えている請求項1〜6のいずれか1項に記載のコン
    デンサマイクロホン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008029973A1 (en) * 2006-09-05 2008-03-13 Bse Co., Ltd Electret condenser microphone
KR100812688B1 (ko) 2006-04-27 2008-03-13 (주) 대일씨티 콘덴서 마이크로폰

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