JP2002374016A - 磁気検出素子 - Google Patents

磁気検出素子

Info

Publication number
JP2002374016A
JP2002374016A JP2001179479A JP2001179479A JP2002374016A JP 2002374016 A JP2002374016 A JP 2002374016A JP 2001179479 A JP2001179479 A JP 2001179479A JP 2001179479 A JP2001179479 A JP 2001179479A JP 2002374016 A JP2002374016 A JP 2002374016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
layer
longitudinal direction
sensing element
magnetic field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001179479A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyoshi Sugitani
伸芳 杉谷
Hideya Yamadera
秀哉 山寺
Yuji Nishibe
祐司 西部
Norikazu Ota
則一 太田
Atsushi Tsukada
厚志 塚田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001179479A priority Critical patent/JP2002374016A/ja
Publication of JP2002374016A publication Critical patent/JP2002374016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁壁の移動によるインダクタンスおよびイン
ピーダンスへの影響を極力小さくして温度特性に起因す
る誤差の原因を除去するとともに、磁界の増加に対して
インピーダンス特性が短調減少を示すようになる磁気検
出素子を提供すること。 【解決手段】 矩形薄膜状の磁性体層15と、磁性体層
15に導通する導電体層14とを備え、磁性体層13の
長手方向に沿って高周波電流を供給することによって、
外部磁界に応じた電気的特性の変化を検出する磁気検出
素子10の磁性体層15に、磁性体層15の長手方向に
沿った磁気異方性を付加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部磁界を利用し
て電磁気量や力学量を検出する磁気検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種分野において、外部磁界
を利用して電磁気量や力学量を検出することが行われて
おり、このような電磁気量や力学量を高感度に検出する
ために、外部磁界に対する物理量(抵抗、インピーダン
ス)の変化率の高い素子を使用し、外部磁界を電気信号
に変換して検出している。このような検出を行う素子と
して、例えば、特開平8−320362号公報に開示さ
れているMI素子を用いた磁気検出素子がある。
【0003】この磁気検出素子は、平面状の基板の上面
に、導電体層とこの導電体層の周囲を囲む磁性体層から
なる積層体を形成して構成されている。そして、この磁
気検出素子に駆動電源から交流電流を印加して、外部磁
界によるインピーダンスの変化を検出するようになって
おり、磁性体層には、通電方向と直交する方向に磁気異
方性が付与されている。
【0004】このように、前記磁気検出素子は、磁性体
層と導電体層を積層化したMI素子で構成され、その磁
性体層に磁気異方性を付与したことにより、磁気検出素
子を低抵抗にでき、外部磁界の変化によるインダクタン
ス変化と抵抗変化を効果的に検出できるようになってい
る。これによると、100KHz―10MHzでの駆動
周波数領域で、大幅に感度を高めることができ、インピ
ーダンス変化率は100%以上になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気検出素子で
は、外部磁界の印加に対してインピーダンスが単調減少
を示さないという問題点と温度変化によって磁壁の移動
のしやすさが変化し、インピーダンス変化として現われ
るという問題点がある。
【0006】単調減少を示さないという問題点は、磁気
異方性方向と電流方向が垂直であると理論的に単調減少
にならないことが確かめられている。この特性は、例え
ば、外部磁界の大きさが、0〜15エルステッド(O
e)のときインピーダンスの値は増加し、外部磁界の大
きさが15エルステッドを超えるとインピーダンスの値
は減少していくというように、外部磁界の増加の途中
で、インピーダンスの値が増加、減少のピークを持つよ
うになる。この結果、同一インピーダンスで異なる磁界
が存在するようになり、どちらが正しい値かの判断が難
しくなる。
【0007】温度変化によるインピーダンス変化は、磁
壁の移動のしやすさが熱エネルギーにより変化するから
であると考えられる。また、磁壁の移動は低エネルギー
で起こるので、低磁界での特性で問題となる。図22で
は、磁界の大きさが15〜20エルステッドの近傍で温
度特性が悪くなっている。これは、雰囲気温度が100
℃の場合と、25℃の場合での磁界の変化に対するイン
ダクタンスの変化を示しており、作動点a以下に対応す
る磁界では、温度が100℃の場合は、25℃の場合よ
りもインダクタンスの値が大きくなる。この理由は、温
度が高くなると磁界のエネルギーに熱エネルギーが重畳
される。よって、外部磁界に対しては、より低磁界で磁
壁が移動しインピーダンス変化として現われるからであ
る。
【0008】いいかえると、磁気異方性方向と電流方向
が垂直であると、インピーダンス特性として低磁界で磁
壁移動の影響が大きく、また、磁区構造が、磁壁が多く
なる構造になるからである。この結果、磁壁の移動が多
く発生する構造の磁気検出素子では、温度特性が悪くな
る。このため、従来の磁気検出素子では、外部磁界の大
きさが、図22に示した作動点a以上にならなければ、
精度のよい検出は行えなかった。
【0009】
【発明の概要】本発明は、上記した問題に対処するため
になされたもので、その目的は、磁性体層の磁気異方性
の方向を変更することにより、磁壁の移動によるインダ
クタンスおよびインピーダンスへの影響を極力小さくし
て温度特性に起因する誤差の原因を除去するとともに、
磁界の増加に対してインピーダンス特性が短調減少を示
すようになる磁気検出素子を提供することにある。
【0010】上記の目的を達成するため、本発明に係る
磁気検出素子の特徴は、矩形薄膜状の磁性体層と、磁性
体層に導通する導電体層とを備え、磁性体層の長手方向
に沿って高周波電流を供給することによって、外部磁界
に応じた電気的特性の変化を検出する磁気検出素子であ
って、磁性体層に、磁性体層の長手方向に沿った磁気異
方性を付加することにより、前記長手方向に沿って延び
る複数の磁区が形成され、かつ、複数の磁区における隣
り合った磁区のスピンが前記長手方向における互いに相
反する方向に形成されることにある。
【0011】前記のように構成した本発明の特徴によれ
ば、磁性体層に、磁性体層の長手方向に沿った磁気異方
性の方向に180度磁壁が支配的な磁区が形成され、こ
の場合、90度磁壁は最も少なくなる。ここで、磁壁と
は、磁区を区切る境界部分であり、原子磁気モーメント
が除々にその方向を変化させる領域である。そして、こ
こでは、180度磁壁とは、変化の方向が磁気異方性の
方向に沿ったものとし、90度磁壁とは、変化の方向が
磁気異方性の方向に直交するものとしている。なお、温
度特性やインピーダンス特性に悪影響を及ぼす磁壁と
は、磁気異方性方向に直交する90度磁壁である。
【0012】このため、90度磁壁が最も少なくなる本
発明の磁気検出素子では、磁壁の移動が大幅に減少し、
温度特性による影響が減少するとともに、磁界に対する
インピーダンス特性が短調減少を示すようになる。この
結果、使用温度の影響を受けない感度のよい磁気検出素
子が得られる。
【0013】また、本発明の他の構成上の特徴は、導電
体層が矩形薄膜状に形成され、前記導電体層がその長手
方向を、磁性体層の長手方向に合わせて、磁性体層に積
層されていることにある。この場合、導電率の高い導電
体層と磁性体層が電気的に並列接続された状態になり、
磁気検出素子全体の抵抗値が低くなる。この結果、低い
周波数領域で使用できる高感度の磁気検出素子を得るこ
とができる。
【0014】また、本発明の他の構成上の特徴は、磁性
体層に形成される複数の磁区の四隅部分のうちの少なく
とも磁性体層全体の四隅部分に対応する部分を切り欠い
たことにある。この場合、90度磁壁が発生しやすい四
隅の角部を切り欠くことで、90度磁壁の減少ができ、
これによって磁壁の移動による影響がなくなり安定した
磁気検出素子が得られる。また、磁性体層の四隅部分だ
けでなく、この部分についで90度磁壁が存在しやすい
磁性体層における各磁区の境界線側の四隅の部分も切り
欠くことによりさらに、90度磁壁の少ない安定した磁
気検出素子が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る磁気検出
素子10を示している。この磁気検出素子10では、矩
形平面状の半導体基板であるSiウエハ11の上面にS
iO膜からなる絶縁体層12が形成され、その絶縁体
層12の上面に矩形薄膜状の磁性体層13が形成されて
いる。そして、磁性体層13の上面における長手方向に
沿う中央部に細長い矩形薄膜状の導電体層14が、その
長手方向を磁性体層13の長手方向に揃えた状態で形成
され、さらに、導電体層14の上面に、導電体層14
を、磁性体層13とで挟むように矩形薄膜状の磁性体層
15が形成されている。
【0016】磁性体層13,15の長さdは、幅eの5
倍以上で、幅eの長さは、厚みの100〜1000倍に
なるように設定されており、絶縁体層12、磁性体層1
3、導電体層14および磁性体層15の各層は、スパッ
タ成膜によって形成されている。このスパッタ成膜は、
以下のようにして行われる。すなわち、まず、真空チャ
ンバ内にターゲットの金属板(絶縁体層12を形成する
場合はSi、磁性体層13,15を形成する場合は、C
oNbZr,FeCoSiB,CoSiB等のアモルフ
ァス軟磁性体、導電体層14を形成する場合は、Cu,
Al,Ag等の導電体)を配置するとともに、その対向
位置にSiウエハ11を配置する。
【0017】つぎに、チャンバを高真空度に排気して、
ターゲットとSiウエハ11の間に高電圧を印加すると
ともに、真空チャンバ内にアルゴン等のガスを導入す
る。そして、このガスをプラズマ化し、プラズマ中のイ
オンを負電圧電極であるターゲットに衝突させてターゲ
ットの原子を飛散(スパッタ)させることによって、ス
パッタ粒子を陽極側に設けられたSiウエハ11の表面
に堆積させ、絶縁体層12、磁性体層13、導電体層1
4および磁性体層15を順次形成する。
【0018】なお、この薄膜形成の際、薄膜形成位置以
外の部分に薄膜が形成されることを防止するためにマス
クを用い、薄膜形成位置だけに薄膜が形成されるように
する。また、各層12,13,14,15の形成後、こ
の積層体の長手方向に沿って直流磁場を印加した状態
で、積層体をアニール(熱処理)する。これによって、
磁性体層13,15の長手方向に沿った磁気異方性が付
与されその方向が容易磁化方向となった磁気検出素子1
0が得られる。
【0019】つぎに、磁気検出素子10の特性について
説明する。図2(a),(b)に示すように、磁気検出
素子10の導電体層14に交流電流gを流すと、電流に
よる磁界方向hと磁性体層(13,)15の磁気異方性
方向fは直交し、電流による磁界方向hの透磁率(回転
透磁率)μは、μ=Ms/Hk(Msは飽和磁化、Hk
は異方性磁界)の極めて良好な直線性を示す特性(ヒス
テリシスがなく、損失が少ない)となる。
【0020】また、磁気検出素子10の磁気異方性方向
fの方向に外部磁界が印加されると、その磁界によっ
て、あたかも磁気異方性が大きくなったように作用す
る。すなわち、飽和磁化Msは変わらないが、飽和磁化
Msの一部が、外部磁界により満たされた状態になる。
したがって、透磁率μは、μ=Ms/(Hk+Hex)
となり、外部磁界の影響により短調に減少する。なお、
Hexは磁性体内での外部磁界影響分である。
【0021】ここで、磁気検出素子10によるインピー
ダンスの検出の原理はつぎのようになっている。すなわ
ち、磁気検出素子10の磁気異方性方向fに外部磁界を
印加すると、スピン(磁化ベクトル)16a,16bが
回転して傾き、これによって透磁率μが変化する。この
透磁率μの変化によって、インピーダンスの値が変化
し、例えば、透磁率μが減少するとインピーダンスも減
少する。これによって、磁界の大きさとインピーダンス
の関係を知ることができる。
【0022】また、磁気検出素子10は、MI素子であ
り、かつ、磁性体層13,15の長手方向に沿って磁気
異方性が付与されているため、MI効果に加えて温度特
性による悪影響を排除できる構成になっている。すなわ
ち、MI効果とは、表面効果により、インピーダンスが
磁界によって巨大変化を示す現象をいい、磁性体に電源
から交流電流を印加し、その状態で磁性体の長手方向か
ら外部磁界を印加すると、外部磁界が数ガウス程度の微
弱磁界であっても、磁性体の両端に素材固有のインピー
ダンスによる電圧が発生し、その振幅が外部磁界の強度
に対応して変化する。
【0023】また、温度特性による悪影響を排除するた
めには、磁壁の移動の発生を防止することが効果的であ
る。例えば、図3に示す従来の磁気検出素子17よう
に、磁気異方性方向iが磁気検出素子17の長手方向に
直交する方向であると、磁気異方性の方向に多くの磁区
17aが存在し、磁区17aの長手方向に沿った180
度磁壁以外に、磁区17aの長手方向に直交する方向の
スピン18を有する磁壁(90度磁壁)18aが多く発
生し、この磁壁18aの移動が磁気検出素子17の温度
特性に悪影響を及ぼすようになる。
【0024】一方、本実施形態の磁気検出素子10で
は、図4に示すように、磁気異方性方向fが磁気検出素
子10の長手方向に沿っているため、180度磁壁が支
配的な二つの磁区19a,19bを有する構造になり、
磁区19a,19bのスピン16a,16bは互いに反
対の方向に向く。したがって、スピン16a,16bと
直交する方向のスピン20を有する磁壁20aは大幅に
減少し、磁壁20aが乱れる部分も減少する。このた
め、磁壁20aの移動が少なくなり、磁壁20aの移動
の影響による温度の影響も除去される。
【0025】特に、磁気検出素子10のように積層され
た磁性体層13,15を備えたものでは、磁気異方性の
方向に、強いスピン16a,16bが存在し、その端部
で上下の積層された磁性体層13,15が磁気的に短絡
されるため、磁壁20aの存在する部分が極端に小さく
なり、殆ど磁気異方性方向fに沿ったスピン16a,1
6bだけになる。
【0026】なお、磁壁20aが存在する理由は、磁界
が、磁性体層13,15の外部に漏れることが、磁性体
層13,15内で閉じ込められることより、エネルギー
的に高いため、磁界の外部への漏れを少なくする方向に
自然現象が起こることによる。したがって、磁気検出素
子10のように磁性体層13,15を積層状態で構成す
ると、上下の磁性体層部13,15のスピン方向が反対
方向に向くことにより、エネルギー的に安定する。
【0027】この磁気検出素子10と従来の磁気検出素
子17を用いて、磁界Oeに対するインピーダンスΩの
値を比較した結果を図5に示す。図示のように、曲線j
で示した磁気検出素子17の検出値が、インピーダンス
Ωの増加、減少のピークを持つのに対し、曲線kで示し
た磁気検出素子10の検出値は、磁界の印加に対してイ
ンピーダンス特性が短調減少を示している。これは、電
流印加方向と磁気異方性の方向が平行していることと、
磁壁20aが減少し、その移動に要するエネルギーの消
費が減少した結果である。
【0028】この結果、磁気検出素子10によると、低
磁界でも使用でき、かつ、温度の影響による誤差もなく
なるため、どのような環境でも高精度の検出を行うこと
ができる。また、この磁気検出素子10では、Siウエ
ハ11と磁性体層13の間に絶縁体層12が設けられて
いるため、過電流損失を低減することができる。なお、
この磁気検出素子10では、磁性体層13,15の長さ
dを幅eの5倍以上としているが、好ましいのは、5〜
10倍に設定することである。これによって、磁性体層
13,15の幅が広すぎてインピーダンスの変化量が小
さくなることを抑制できる。
【0029】図6(a)は、本発明の他の実施形態に係
る磁気検出素子に用いる磁性体層21を示している。こ
の磁性体層21では、四隅の角部が切り欠かれている。
これによって、さらに90度磁壁の発生が少なくなり温
度特性や低磁界での悪影響を受けない磁気検出素子が可
能になる。
【0030】すなわち、図6(b)に示した角部を切り
欠く前の四角状の磁性体層22の場合、磁性体層22の
全体の角部や磁区22a,22bの四隅部分に、磁区2
2a,22bのスピン23a,23bの方向と直交する
方向のスピン24,25を有する磁壁24a,25aが
生じ易くなるが、図6(a)の磁性体層21のように角
部に切欠き部21a,21b,21c,21dを設ける
ことにより、磁壁24a,25aの発生が減少する。
【0031】また、図7(a)は、他の実施形態に係る
磁気検出素子に用いる磁性体層26を示している。この
磁性体層26は、四隅に設けられた切欠き部26a,2
6b,26c,26dの他に、切欠き部26e,26f
が設けられている。切欠き部26e,26fは、図7
(b)に示した磁性体層27における2つの磁区27
a,27bの境界線の両端部に対応する部分(磁壁が発
生する部分)27c,27dを切り欠いて設けたもの
で、この部分27c,27dは、磁性体層27の四隅の
部分28a,28b,28c,28dについで、磁壁が
発生しやすい部分であり、この部分27c,27dを切
り欠くことにより、さらに、磁壁の発生を減少させるこ
とができる。
【0032】また、図8は、本発明の他の実施形態に係
る磁気検出素子29を示している。この磁気検出素子2
9は、図8(b)に磁気検出素子29のA−A断面を示
すように、磁性体層30が導電体層31の周囲を囲んだ
状態で構成され、その2個が並列した状態になってい
る。磁性体層30は、CoNbZrアモルファス磁性膜
で構成されており、厚みが2μm、長さlが5.0m
m、幅mが0.3mmに形成され、アスペクト比は略1
7である。導電体層31は、Cuで構成され、厚みが3
μm、幅nが0.05mmに形成されている。また、2
個の磁性体層30,30間の間隔oは、0.2mmに設
定され、磁気異方性は、矢印のqの方向に付与されてい
る。
【0033】この磁気検出素子29に、長手方向に沿っ
て、駆動周波数15MHzで外部磁界pを印加した場合の
両端のインピーダンスの変化を図9に示す。この場合、
雰囲気温度を25℃から85℃まで変化させたが、温度
による差は認められず、外部磁界pを印加することによ
りインピーダンスは短調減少を示した。これによって、
磁気検出素子22は、温度依存性がなく、低磁界での使
用不可領域もないことがわかる。
【0034】また、図10ないし図21は、それぞれ変
形例による磁気検出素子32ないし32kの概略断面形
状を示しており、その互いに対応する磁性体層35等と
導電体層34等が長手方向を揃えて積層されている点お
よび磁性体層35等の長手方向に磁気異方性が付与され
ている点についてはすべて同じである。
【0035】図10の磁気検出素子32は、基板33の
上面に導電体層34を形成し、その導電体層34の上面
に導電体層34と同じ幅の磁性体層35を積層して構成
されている。
【0036】図11の磁気検出素子32aは、基板33
aの上面に磁性体層35aを形成し、その磁性体層35
aの上面に磁性体層35aと同じ幅の導電体層34aを
積層して構成されている。
【0037】図12の磁気検出素子32bは、基板33
bの上面に磁性体層35bを形成し、その磁性体層35
bの上面に磁性体層35bと同じ幅の導電体層34bを
形成し、さらにその上面に磁性体層35bおよび導電体
層34bと同じ幅の磁性体層36bを積層して構成され
ている。
【0038】図13の磁気検出素子32cは、基板33
cの上面に導電体層34cを形成し、その上面に導電体
層34cを覆う幅の広い絶縁体層37cを形成し、その
絶縁体層37cの上面に、導電体層34cと同じ幅の磁
性体層35cを積層して構成されている。この場合、絶
縁体層37cによって、導電体層34cと磁性体層35
cが電気的に絶縁されるため、電流損失が少なくなる。
【0039】図14の磁気検出素子32dは、基板33
dの上面に磁性体層35dを形成し、その上面に磁性体
層35dを覆う幅の広い絶縁体層37dを形成し、その
絶縁体層37dの上面に、磁性体層35dと同じ幅の導
電体層34dを形成して構成されている。
【0040】図15の磁気検出素子32eは、基板33
eの上面に、磁性体層35eを形成し、その上面に磁性
体層35eを覆う幅の広い導電体層34eを形成し、そ
の導電体層34eの上面に導電体層34eと同じ幅の絶
縁体層37eを形成している。そして、さらに、その絶
縁体層37eの上面に導電体層38eを形成し、その導
電体層38eの上面に導電体層38eを覆う絶縁体層3
9eが形成され、絶縁体層39eの上面に磁性体層36
eを形成して構成されている。
【0041】図16の磁気検出素子32fは、基板33
fの上面に、導電体層34fを形成し、その導電体層3
4fの上面に導電体層34fよりも幅の狭い磁性体層3
5fを積層して構成されている。
【0042】図17の磁気検出素子32gは、基板33
gの上面に、磁性体層35gを形成し、その磁性体層3
5gの上面に磁性体層35gよりも幅の狭い導電体層3
4gを積層して構成されている。
【0043】図18の磁気検出素子32hは、基板33
hの上面に、磁性体層35hを形成し、その磁性体層3
5hの上面に磁性体層35hよりも幅の狭い導電体層3
4hを形成し、さらにその上面に導電体層34hを覆う
磁性体層36hを積層して構成されている。
【0044】図19の磁気検出素子32iは、基板33
iの上面に、導電体層34iを形成し、導電体層34i
を幅の広い磁性体層35iで覆って構成されている。
【0045】図20の磁気検出素子32jは、基板33
jの上面に、磁性体層35jを形成し、その上面に磁性
体層35jを覆う導電体層34jを形成して構成されて
いる。
【0046】図21の磁気検出素子32kは、基板33
kの上面に磁性体層35kを形成し、その磁性体層35
kを幅の広い導電体層34kで覆い、その導電体層34
kの上面に磁性体層36kを形成して構成されている。
【0047】上記磁気検出素子32ないし32kにおい
ても温度変化や低磁界での悪影響がない良好な結果が得
られた。また、前述した実施形態および変形例のよう
に、磁性体層と導電体層を積層して磁気検出素子を構成
するのではなく、磁性体層の両端に導電体層を接続して
磁気検出素子を構成することもできる。これによると、
最も構造が簡単な磁気検出素子が得られる。
【0048】なお、磁性体層13等に使用する材料とし
ては、アルモスファス磁性体の他、グラニュラー薄膜に
よる磁性体も使用でき、導電体層14等に使用する材料
としては、Cu,Al,Ag等の低抵抗材料が使用でき
る。また、絶縁体層12等としては、SiO膜の他、
ポリイミド系の樹脂等を用いることができる。
【0049】また、前記磁気検出素子10,29,32
ないし32kは、自動車分野において、回転センサ、電
流センサ、ITSセンサおよびトルクセンサとして、自
動車の各部分で利用することができ、さらに他の民生分
野においても多くのもの機械、装置等に利用可能であ
る。したがって、実用的効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による磁気検出素子の斜
視図である。
【図2】 (a)は磁気検出素子の特性を説明する説明
図であり、(b)は飽和磁化と異方性磁界の関係を示す
グラフである。
【図3】 従来の磁気検出素子における磁壁移動を説明
する説明図である。
【図4】 本発明の磁気検出素子における磁壁移動を説
明する説明図である。
【図5】 従来の磁気検出素子と本発明の磁気検出素子
との電気特性を比較したグラフである。
【図6】 (a)は他の実施形態による磁気検出素子の
磁性体層を示す平面図であり、(b)は磁壁移動を説明
する説明図である。
【図7】 (a)は他の実施形態による磁気検出素子の
磁性体層を示す平面図であり、(b)は磁壁移動を説明
する説明図である。
【図8】 (a)は他の実施形態による磁気検出素子の
平面図であり、(b)はそのA−A断面図である。
【図9】 図8の磁気検出素子の電気特性を示すグラフ
である。
【図10】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図11】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図12】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図13】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図14】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図15】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図16】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図17】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図18】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図19】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図20】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図21】 変形例による磁気検出素子の断面図であ
る。
【図22】 従来例による磁気検出素子の磁界とインダ
クタンスの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10,29,32,32a,32b,32c,32d,
32e,32f,32g,32h,32i,32j,3
2k…磁気検出素子、13,15,21,22,26,
27,30,35,35a,35b,35c,35d,
35e,35f,35g,35h,35i,35j,3
5k,36b,36e,36h,36k…磁性体層、1
4,31,34,34a,34b,34c,34d,3
4e,34f,34g,34h,34i,34j,34
k,38e…導電体層、16a,16b,20,23
a,23b,24,25…スピン、20a,24a,2
5a…磁壁、19a,19b,22a,22b,27
a,27b…磁区、21a,21b,21c,21d,
26a,26b,26c,26d,26e,26f…切
欠き部、f…磁気異方性方向、p…外部磁界。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山寺 秀哉 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 西部 祐司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 太田 則一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 塚田 厚志 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AB05 AC04 AD51 AD63 AD65

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】矩形薄膜状の磁性体層と、前記磁性体層に
    導通する導電体層とを備え、前記磁性体層の長手方向に
    沿って高周波電流を供給することによって、外部磁界に
    応じた電気的特性の変化を検出する磁気検出素子であっ
    て、 前記磁性体層に、前記磁性体層の長手方向に沿った磁気
    異方性を付加することにより、前記長手方向に沿って延
    びる複数の磁区が形成され、かつ、前記複数の磁区にお
    ける隣り合った磁区のスピンが前記長手方向における互
    いに相反する方向に形成されることを特徴とする磁気検
    出素子。
  2. 【請求項2】前記導電体層が矩形薄膜状に形成され、前
    記導電体層がその長手方向を、前記磁性体層の長手方向
    に合わせて、前記磁性体層に積層されている請求項1に
    記載の磁気検出素子。
  3. 【請求項3】前記磁性体層に形成される複数の磁区の四
    隅部分のうちの少なくとも前記磁性体層全体の四隅部分
    に対応する部分を切り欠いた請求項1または2に記載の
    磁気検出素子。
JP2001179479A 2001-06-14 2001-06-14 磁気検出素子 Pending JP2002374016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001179479A JP2002374016A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 磁気検出素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001179479A JP2002374016A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 磁気検出素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002374016A true JP2002374016A (ja) 2002-12-26

Family

ID=19020035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001179479A Pending JP2002374016A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 磁気検出素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002374016A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007027161A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Nec Tokin Corp 磁性薄膜素子
JP2009519452A (ja) * 2005-12-14 2009-05-14 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク 小型磁気コア、小型磁気コアを備えるセンサ、および小型磁気コアの製造方法
WO2009119081A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 愛知製鋼株式会社 感磁ワイヤ、マグネトインピーダンス素子およびマグネトインピーダンスセンサ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007027161A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Nec Tokin Corp 磁性薄膜素子
JP4657836B2 (ja) * 2005-07-12 2011-03-23 Necトーキン株式会社 インピーダンス素子を用いた磁性薄膜素子
JP2009519452A (ja) * 2005-12-14 2009-05-14 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク 小型磁気コア、小型磁気コアを備えるセンサ、および小型磁気コアの製造方法
WO2009119081A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 愛知製鋼株式会社 感磁ワイヤ、マグネトインピーダンス素子およびマグネトインピーダンスセンサ
JP4650591B2 (ja) * 2008-03-28 2011-03-16 愛知製鋼株式会社 感磁ワイヤ、マグネトインピーダンス素子およびマグネトインピーダンスセンサ
US8610427B2 (en) 2008-03-28 2013-12-17 Aichi Steel Corporation Magneto-sensitive wire, magneto-impedance element and magneto-impedance sensor
CN103454601B (zh) * 2008-03-28 2016-05-18 爱知制钢株式会社 磁敏线、磁阻抗元件及磁阻抗传感器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yamaguchi et al. Microfabrication and characteristics of magnetic thin-film inductors in the ultrahigh frequency region
CN1211873C (zh) 磁阻元件和使用磁阻元件的磁器件
JP2013165295A (ja) 磁気抵抗磁界センサー
Kaiju et al. Magnetocapacitance effect of spin tunneling junctions
WO2011044100A2 (en) Ferromagnetic resonance and memory effect in magnetic composite materials
JP2002374016A (ja) 磁気検出素子
JPH0223681A (ja) 磁気抵抗効果素子
JP2000099923A (ja) 磁気トンネル素子及びその製造方法
JP2001339110A (ja) 磁気制御素子とそれを用いた磁気部品及びメモリー装置
JPH0870149A (ja) 磁気抵抗素子
JPH0870148A (ja) 磁気抵抗素子
JP3936137B2 (ja) 磁気インピーダンス効果素子
JPH10319103A (ja) 積層型磁界検出素子
JP2001119082A (ja) 磁気抵抗素子
JP3866467B2 (ja) 磁気インピーダンス効果素子
JP3526237B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US3155561A (en) Methods for making laminated structures
JP2002374014A (ja) 磁界検出素子
US4267510A (en) Integrated thin layer magnetic field sensor
JP2008205435A (ja) 磁気インピーダンス効果素子
JPH08316548A (ja) 磁気抵抗素子
US7268543B2 (en) Device for detecting magnetic fields and related detecting methods
CN100547701C (zh) 磁偏膜及使用了该磁偏膜的磁传感器
JPS5877208A (ja) 多層磁性薄膜とその製造方法
WO1995035507A1 (en) Magnetic field responsive device