JP2002371649A - 吸音パネルおよびその取付構造 - Google Patents

吸音パネルおよびその取付構造

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JP2002371649A
JP2002371649A JP2001182514A JP2001182514A JP2002371649A JP 2002371649 A JP2002371649 A JP 2002371649A JP 2001182514 A JP2001182514 A JP 2001182514A JP 2001182514 A JP2001182514 A JP 2001182514A JP 2002371649 A JP2002371649 A JP 2002371649A
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sound absorbing
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honeycomb core
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Yutaka Washiyama
豊 鷲山
Hiroyuki Kurita
裕之 栗田
Kazunori Nanri
和紀 南里
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネル厚さを増大させずに、比較的単純な構
成で、良好な吸音性能を広い周波数域にわたって確保で
きる吸音パネルおよびその取付構造を提供する。 【解決手段】 本発明の吸音パネルは、表面および裏面
が開放されるとともに、所定の不均一な厚さ分布を有す
るハニカムコア材2と、その表面および裏面にそれぞれ
積層された、通気性を有する表面側および裏面側通気性
シート3、4と、を備えている。また、本発明は、被取
付面Cに吸音パネル1を取り付ける吸音パネルの取付構
造であって、吸音パネル1は、表面および裏面が開放さ
れたハニカムコア材2と、その表面および裏面にそれぞ
れ積層された、通気性を有する表面側および裏面側通気
性シート3、4と、を備え、この裏面側通気性シート4
と被取付面Cとの間に所定の不均一な厚さ分布を有する
空気層6を形成した状態で、被取付面Cに取り付けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、防音や音響対策などを目的とし
て、独立した状態であるいは建築物の天井や壁などに取
り付けた状態で用いられる吸音パネル、およびその取付
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば集会場、公民館、体育館や
コンサートホールなどの建築物の防音・音響対策の1つ
として、その天井や壁などに吸音材を取り付ける方法
が、一般的に採用されている。この吸音材としては、例
えばグラスウールやロックウールなどの繊維系多孔質の
ものが代表的であり、その中でも、比較的安価で、施工
性が良く、環境に優しいなどの利点を有することから、
グラスウールを用いた吸音パネルが多用されている。繊
維系多孔質吸音材の吸音メカニズムは、孔あき吸音材な
どと同様、基本的には空気の粘性を利用したものであ
り、特に、繊維相互が絡み合った部分に生じた空間を音
が通過する際の振動の減衰作用によって、音のエネルギ
ーが吸収されることにより、吸音効果が得られる。
【0003】また、他の吸音材として、板状あるいは膜
状のものも知られている。このような板状または膜状の
吸音材では、上述した繊維系多孔質吸音材の場合のよう
な空気の粘性による音の減衰作用は起こらず、音の伝搬
に伴う材料自身の振動によるエネルギー損失によって、
吸音効果が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の吸音材
のうち、グラスウールを用いた吸音パネルでは、上述し
たように、繊維相互が絡み合った部分に生じた空間を音
が通過する際の振動の減衰作用によって、音のエネルギ
ーが吸収される。このため、所要の吸音性能を確保する
ためには、音の伝搬経路を長くすることが必要であり、
グラスウールの厚さを厚くしなければならない。しか
し、グラスウールを厚くすれば、それに比例して吸音パ
ネルの重量が増加する(例えば材厚50mmで約2kg
/m2 )。その結果、例えば体育館やコンサートホール
の天井にその全面にわたって取り付ける場合には、数百
枚〜数千枚の吸音パネルを支えるために、建物の支持構
造自体にかなり大きな強度をもたせなければならず、そ
の補強のための費用が非常に高くなり、建物の建造コス
トを上昇させる原因になってしまう。
【0005】また、板状または膜状の吸音材では、材料
自身の振動によって吸音効果が得られるため、材料固有
の共振周波数付近では吸音効果が大きいものの、それ以
外の周波数域では十分な吸音効果が得られないという欠
点がある。
【0006】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、パネル厚さを増大させることな
く、比較的単純な構成で、良好な吸音性能を広い周波数
域にわたって確保することができる吸音パネルおよびそ
の取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る吸音パネルは、表面および
裏面が開放されるとともに、所定の不均一な厚さ分布を
有するハニカムコア材と、このハニカムコア材の表面お
よび裏面にそれぞれ積層された、通気性を有する表面側
通気性シートおよび裏面側通気性シートと、を備えてい
ることを特徴とする。
【0008】この吸音パネルによれば、その表面側で発
生した音は、まず表面側通気性シートを通過する際に、
空気の粘性により若干、減衰された後、ハニカムコア材
内に入る。ハニカムコア材に到達した音は、その内部に
互いに独立した形成された多数のセルのそれぞれを通過
し、その際に空気の粘性によって減衰される。このよう
に減衰された音は、次いで、裏面側通気性シートを通過
する際に若干、減衰される。以上のように、各層におい
て空気の粘性による音の減衰がなされる結果、良好な吸
音性能を得ることができる。
【0009】また、後述するように、ハニカムコア材に
よる吸音率が最大となるピーク周波数は、ハニカムコア
材の厚さに応じ、一定の関係に従って変化することが判
明している。したがって、本発明の吸音パネルによれ
ば、ハニカムコア材が所定の不均一な厚さ分布を有する
ことによって、ピーク周波数が特定の周波数に偏ること
なく広い周波数域にわたってバランス良く得られること
で、良好な吸音性能を広い周波数域にわたって確保する
ことができる。また、ハニカムコア材の厚さ分布を、上
記の一定の関係に基づき、ピーク周波数が所望の周波数
域で得られるように設定することによって、周波数特性
を調整することもできる。さらに、本発明の吸音パネル
は、主要な構成層がハニカムコア材であるので、従来の
グラスウールを用いた吸音パネルと比較して、大幅な軽
量化を図ることができる。
【0010】この場合、ハニカムコア材の厚さが、ハニ
カムコア材の厚さ方向に直交する平面内の少なくとも1
つの方向に沿ってリニアに変化していることが好まし
い。
【0011】この構成によれば、ハニカムコア材の厚さ
がリニアに変化するので、広い周波数域にわたるピーク
周波数を、ばらつきなく容易に得ることができる。
【0012】また、上記目的を達成するため、本発明の
請求項3に係る吸音パネルは、表面および裏面が開放さ
れたハニカムコア材と、このハニカムコア材の表面およ
び裏面にそれぞれ積層された、通気性を有する表面側通
気性シートおよび裏面側通気性シートと、この裏面側通
気性シートの裏面側を覆うように設けられ、裏面側通気
性シートとの間に所定の不均一な厚さ分布を有する空気
層を形成する背面カバーと、を備えていることを特徴と
する。
【0013】この吸音パネルによれば、その表面側で発
生した音は、請求項1の吸音パネルの場合と同様、表面
側通気性シート、ハニカムコア材および裏面側通気性シ
ートを順次、通過し、その通過の際に各層において空気
の粘性により減衰された後、空気層に入り、その粘性に
よってさらに減衰される。このように、本発明の吸音パ
ネルでは、請求項1の吸音パネルの吸音効果に、空気層
による音の減衰が付加される結果、さらに良好な吸音性
能を得ることができる。
【0014】また、後述するように、ハニカムコア材の
背面側に空気層が存在する場合のピーク周波数は、ハニ
カムコア材と空気層との厚さの和に応じ、一定の関係に
従って変化することが判明している。したがって、本発
明の吸音パネルによれば、空気層が所定の不均一な厚さ
分布を有することにより、ハニカムコア材との厚さの和
が変化することで、良好な吸音性能を広い周波数域にわ
たって確保することができる。この場合においても、空
気層の厚さ分布の設定によって、ピーク周波数が所望の
周波数域で得られるよう、周波数特性を調整することが
できる。
【0015】さらに、本発明の吸音パネルは、請求項1
の吸音パネルに対して空気層を付加したものであるの
で、請求項1の場合と同様、従来と比較して大幅な軽量
化を図れるとともに、ハニカムコア材の厚さは一定でも
よいので、単純に構成できる。さらに、吸音パネル内に
空気層があらかじめ形成されているので、これをそのま
ま独立して用いるだけで、あるいは、天井などに、空気
層を形成しない状態で直接、取り付けるだけで、所要の
吸音性能を得ることができる。
【0016】この場合、空気層の厚さが、空気層の厚さ
方向に直交する平面内の少なくとも1つの方向に沿って
リニアに変化していることが好ましい。
【0017】この構成によれば、空気層の厚さがリニア
に変化するので、請求項2の場合と同様、広い周波数域
にわたるピーク周波数を、ばらつきなく容易に得ること
ができる。
【0018】さらに、前記目的を達成するため、請求項
5に係る発明は、被取付面に吸音パネルを取り付ける吸
音パネルの取付構造であって、吸音パネルは、表面およ
び裏面が開放されたハニカムコア材と、このハニカムコ
ア材の表面および裏面にそれぞれ積層された、通気性を
有する表面側通気性シートおよび裏面側通気性シート
と、を備え、この裏面側通気性シートと被取付面との間
に所定の不均一な厚さ分布を有する空気層を形成した状
態で、被取付面に取り付けられていることを特徴とす
る。
【0019】この吸音パネルの取付構造によれば、吸音
パネル自身は、請求項3の吸音パネルの空気層以外の
層、すなわちハニカムコア材と表面側および裏面側通気
性シートを備えていて、吸音パネルは、被取付面との間
に所定の不均一な厚さ分布を有する空気層が形成される
ように、被取付面に取り付けられる。したがって、この
取付構造によれば、前述した請求項3の吸音パネルと基
本的に同じ作用を得ることができる。また、ハニカムコ
ア材を含めて吸音パネルの厚さは一定でよいので、吸音
パネルの構成をより単純化できる。
【0020】この場合、空気層の厚さが、空気層の厚さ
方向に直交する平面内の少なくとも1つの方向に沿って
リニアに変化していることが好ましい。
【0021】この構成によれば、空気層の厚さがリニア
に変化するので、請求項4の場合と同様、広い周波数域
にわたるピーク周波数を、ばらつきなく容易に得ること
ができる。また、この構成は、例えば、一定厚さの吸音
パネルを被取付面に対して斜めに取り付けるだけで、容
易に実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の好ましい実施形態を、詳細に説明する。図1および
図2は、第1実施形態による吸音パネルの取付構造を示
している。この取付構造は、複数の吸音パネル1を、背
後に空気層6を形成した状態で、天井Cに取り付けたも
のである。
【0023】各吸音パネル1は、所定の一定厚さh0を
有しており、図3に示すように、基材としてのハニカム
コア材2と、その表面および裏面にそれぞれ貼り付けた
表面側通気性シート3および裏面側通気性シート4を備
えている。
【0024】ハニカムコア材2は、互いに独立する多数
のセル2aを形成したハニカム構造体で構成されてお
り、その開放した表裏面が表面側および裏面側通気性シ
ート3、4で覆われている。ハニカムコア材2として
は、市販のものを採用することが可能である。また、そ
の材質は、軽量化の観点からは、紙や軽量金属材料など
の比重が小さいものが好ましく、吸音パネル1を取り付
ける建物に難燃性が要求される場合には、水酸化アルミ
ニウムの含浸などにより難燃処理を施した紙や、アルミ
ニウムなどの金属箔が特に適している。さらに、セル2
aの形状およびサイズも特に制限はなく、例えばそのセ
ル2aの径が1/2インチや3/4インチなどの汎用サ
イズのものを採用することが可能である。
【0025】表面側および裏面側通気性シート3、4
は、吸音パネル1の表面側で発生した音を、ハニカムコ
ア材2および空気層6にそれぞれ導けるよう、通気性を
有する材料で構成されている。そのような通気性材料と
しては、例えばガラスやナイロンなどから成る不織布
や、クロスなどが挙げられ、難燃性を確保するために
は、ガラス不織布などが特に好ましい。なお、表面側お
よび裏面側通気性シート3、4は、互いに同じ材質およ
び厚さとすることが好ましく、それにより、湿度や温度
の変化による吸気パネル1の反りなどを抑制することが
できる。なお、吸音パネル1を装飾するために、表面側
通気性シート3の表面に表面化粧材(図示せず)を貼り
付けてもよく、その場合、表面化粧材は、通気性を有す
る化粧クロスなどで構成される。
【0026】図1および図2に示すように、吸音パネル
1は、天井Cに設けたワイヤなどの吊下げ具5によっ
て、天井Cから吊り下げられ、後述する理由から、斜め
に傾いた状態で取り付けられており、その結果、天井C
との間には、厚さが変化する空気層6が形成されてい
る。また、複数の吸音パネル1は、隣接するもの同士で
傾きの方向が逆になっており、それにより、全体として
波形を形成するように設けられている。図1に示すよう
に、空気層6の厚さd(吸音パネル1の厚さ方向に沿う
厚さ)は、吸音パネル1の一端において所定の最小値d
minに、他端において所定の最大値dmaxに、それ
らの間ではリニアに変化するように設定されている。
【0027】以上の構成の吸音パネル1は、ハニカムコ
ア材2がハニカム構造を有し、その開放した表裏面に表
面側および裏面側通気性シート3、4が貼り付けられて
いるため、軽量でありながら、かなり高い剛性を有す
る。このため、吸音パネル1を大板状に形成した場合で
も、吊下げ具5で容易に支持できるとともに、吊下げ具
5の取付ピッチを広くした場合でも、その形状が保た
れ、構造上の支障は生じないので、施工上も有利に用い
ることができる。
【0028】以上のような吸音パネル1の取付構造によ
れば、建物の内部で発生した音は、まず表面側通気性シ
ート3を通過する際に、空気の粘性により若干、減衰さ
れた後、ハニカムコア材2内に入る。ハニカムコア材2
内に到達した音は、多数のセル2aのそれぞれを通過
し、その際に空気の粘性によって減衰される。このよう
に減衰された音は、次いで、裏面側通気性シート4を通
過する際に若干、減衰された後、空気層6に入り、その
粘性によってさらに減衰される。以上のように各層にお
いて空気の粘性による音の減衰がなされる結果、優れた
吸音性能を得ることができる。また、吸音パネル1は、
主要な構成層がハニカムコア材2であるので、従来のグ
ラスウールを用いた吸音パネルと比較して、大幅な軽量
化を図ることができる。
【0029】さらに、本実施形態によれば、空気層6の
厚さが変化しているので、良好な吸音性能を広い周波数
域にわたって確保することができる。図4は、このこと
を裏付けるために実施した試験の結果の一例を示してい
る。この試験は、上述した構成の吸音パネル1につい
て、そのハニカムコア材2の厚さhおよび背後の空気層
6の厚さdを変えながら、JISA1419による「残
響室法吸音率の測定方法」に基づいて行ったものであ
る。具体的には、吸音パネル1の試験体は、セル2aの
径が3/4インチの紙製のハニカムコア材2と、その表
裏面に貼り付けた各0.77mm厚のガラス不織布から
成る表面側および裏面側通気性シート3、4で構成し、
平面的な寸法は1800mm×900mmとした。
【0030】図4は、この試験結果に基づき、ハニカム
コア材2の厚さhおよび空気層6の厚さdと、最大吸音
率が得られたときの周波数(以下「ピーク周波数」とい
う)fとの関係をプロットしたものである。同図に示す
ように、ピーク周波数fは、ハニカムコア材の厚さhに
応じ、また、空気層6が存在する場合には、この厚さh
と空気層6の厚さdとの和(h+d)に応じ、一定の関
係に従って変化することがわかる。この関係は、次式
(1)(2)で表される。 fh = 63.0×103 /h+19.9 ・・・(1) fhd =128.8×103 /(h+d)+83.2 ・・・(2) ここで、fhおよびfhdは、それぞれ、背後に空気層
6が存在しない場合および存在する場合のピーク周波数
f(Hz)であり、h、dの単位はmmである。
【0031】上述した試験結果は一例であり、図示しな
いが、ハニカムコア材2の材質や、表面側および裏面側
通気性シート3、4の材質および厚さなどの条件を異な
らせた場合について、同様の試験を行った結果、各条件
において、ピーク周波数fh、fhdが、h値およびd
値に応じ、一定の関係に従って変化することが判明し
た。その一般的な関係式は、次式(3)(4)で表され
る。 fh = a1×103 /h+b1 ・・・(3) fhd = a2×103 /(h+d)+b2 ・・・(4) ここで、a1、a2、b1、b2はそれぞれ、各条件に
おいて定まる定数であり、10≦a1≦100、10≦
a2≦200、10≦b1≦200、10≦b2≦20
0の値をとる。
【0032】以上のように、背後に空気層6を有する場
合の吸音パネル1のピーク周波数fhdは、他の条件が
同一である限り、ハニカムコア材2と空気層6との厚さ
の和(h+d)に応じ、上記式(4)に従って変化す
る。したがって、本実施形態の取付構造によれば、空気
層6の厚さdの分布が前述したように設定されているこ
とで、(h+d)値が吸音パネル1の平面内においてリ
ニアに変化するので、ピーク周波数fhdを特定の周波
数に偏ることなく広い周波数域にわたってバランス良く
得ることができ、その結果、良好な吸音性能を広い周波
数域にわたって確保することができる。また、空気層6
の厚さdの分布を、上記の式(4)に基づき、ピーク周
波数fhdが所望の周波数域で得られるように設定する
ことによって、周波数特性を調整することもできる。さ
らに、空気層6の厚さdがリニアに変化しているので、
広い周波数域にわたるピーク周波数fhdを、ばらつき
なく容易に得ることができる。また、本実施形態では特
に、一定厚さの吸音パネル1を被取付面である天井Cに
対して斜めに取り付けるだけで、上記の効果を容易に得
ることができる。
【0033】図5および図6は、本発明の第2実施形態
を示している。なお、以下の説明では、第1実施形態の
吸音パネル1と同じ構成要素については、同じ参照符号
を付し、その詳細な説明は適宜、省略するものとする。
この吸音パネル11は、第1実施形態の吸音パネル1と
比較し、そのハニカムコア材2の厚さhが変化するよう
に形成した点が異なるものである。具体的には、ハニカ
ムコア材2の厚さhは、その一端において所定の最小値
hminに、他端において所定の最大値hmaxに、そ
れらの間ではリニアに変化するように設定されている。
そして、この吸音パネル11は、図5に示すように、例
えば天井Cとの間に所定の一定厚さd0の空気層6を形
成した状態で、天井Cに取り付けられる。
【0034】したがって、本実施形態においても、ハニ
カムコア材2と空気層6との厚さの和(h+d)が、吸
音パネル1の平面内においてリニアに変化するので、第
1実施形態による前述した効果を同様に得ることができ
る。すなわち、ピーク周波数fhdが広い周波数域にわ
たってバランス良く得られることで、良好な吸音性能を
広い周波数域にわたって確保できるとともに、ハニカム
コア材2の厚さhの設定によって、ピーク周波数fhd
が所望の周波数域で得られるよう、周波数特性を調整す
ることができる。また、ハニカムコア材2の厚さhがリ
ニアに変化しているので、広い周波数域にわたるピーク
周波数fhdを、ばらつきなく容易に得ることができ
る。本実施形態の吸音パネル11は特に、空気層6の厚
さdを一定にすることが要求されるような条件下で、有
利に用いることができる。
【0035】図7および図8は、第2実施形態の変形例
をそれぞれ示している。これらの吸音パネル11は、図
5の吸音パネル11と比較し、ハニカムコア材2の厚さ
hの分布が異なるものである。具体的には、このh値
が、図7の例では、矩形の吸音パネル11の中心におい
て所定の最大値hmaxに、四隅において所定の最小値
hminに、それらの間ではリニアに変化するように設
定され、図8の例では、吸音パネル11の矩形の中央部
において所定の最大値hmaxに、四隅において所定の
最小値hminに、それらの間ではリニアに変化するよ
うに設定されている。したがって、これらの変形例にお
いても、図5の吸音パネル11の場合の前述した効果が
同様に得られるとともに、ハニカムコア材2の厚さhの
分布の相違に応じた周波数特性を得ることができる。な
お、ハニカムコア材2の厚さhを、これらの変形例以外
の任意の分布に設定することも、もちろん可能である。
【0036】図9および図10は、本発明の第3実施形
態を示している。この吸音パネル21は、複数のものを
床F上に並設した状態で吸音衝立として用いられるとと
もに、内部に空気層26をあらかじめ形成したタイプの
ものである。具体的には、吸音パネル21は、図1の吸
音パネル1と同様の、所定の一定厚さh0を有するハニ
カムコア材2と、表面側および裏面側通気性シート3、
4に加えて、背面カバー27を備えている。この背面カ
バー27は、プラスチックなどで構成され、裏面側通気
性シート4の裏側に、それとの間に空気層26を形成し
た状態で斜めに取り付けられている。その結果、空気層
26の厚さdは、吸音パネル21の下端において所定の
最大値dmaxに設定されるとともに、上方に向かって
所定の傾きでリニアに漸減する。
【0037】したがって、本実施形態においても、ハニ
カムコア材2と空気層26との厚さの和(h+d)がリ
ニアに変化するので、第1および第2実施形態による前
述した効果を同様に得ることができる。また、第1実施
形態の吸音パネル1に対して空気層26を付加したもの
であるので、吸音パネル1と同様、従来と比較して大幅
な軽量化を図れるとともに、ハニカムコア材2の厚さが
一定であるので、単純に構成できる。さらに、吸音パネ
ル21内に空気層26があらかじめ形成されているの
で、本実施形態のようにこれをそのまま独立して用いる
だけで、あるいは、天井Cなどに、空気層を形成しない
状態で直接、取り付けるだけで、所要の吸音性能を得る
ことができる。
【0038】なお、本発明は、説明した実施形態に限定
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、第2実施形態では、ハニカムコア材2の厚さh
が変化する吸音パネル11を、空気層6を形成した状態
で天井Cに取り付けているが、それほど高い吸音性能が
要求されない場合には、空気層6を省略し、吸音パネル
11を天井Cに直接、取り付けるようにしてもよい。こ
の場合にも、ハニカムコア材2の厚さhの分布が変化し
ていることで、前記式(3)に基づくピーク周波数fh
が得られ、第2実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0039】また、第1〜第3実施形態では、ハニカム
コア材2の厚さhまたは空気層6の厚さdがリニアに変
化しているが、これらの厚さ分布は不均一なものであれ
ば任意であり、例えば、部屋の特性などに合わせ、厚さ
が曲線状に変化するものを採用してもよい。さらに、第
1および第2実施形態は、吸音パネルを天井に取り付け
た例であるが、これを建物の内壁など、防音対策などを
とるべき他の任意の被取付面に取り付けてもよいことは
もちろんである。また、実施形態では、吸音パネルある
いはその取付構造を、主に防音対策として用いる場合を
例にとり説明したが、これをコンサートホールや体育館
などの音響調整などに適用してもよい。また、実施形態
で示した吸音パネルの各層の材質は、あくまで例示であ
り、本発明の目的に合致する限り、他の適当な材質を採
用することが可能である。その他、本発明の趣旨の範囲
内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の吸音パネ
ルおよびその取付構造は、パネル厚さを増大させること
なく、比較的単純な構成で、良好な吸音性能を広い周波
数域にわたって確保することができるなどの効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による吸音パネルの取付
構造を、天井に適用した例を示す図である。
【図2】図1の吸音パネルの全体的な取付状況を示す図
である。
【図3】図1の吸音パネルの構成を模式的に示す図であ
る。
【図4】ハニカムコア材および空気層の厚さとピーク周
波数との関係の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態による吸音パネルを天井
に取り付けた例を示す図である。
【図6】図5の吸音パネルの構成を模式的に示す図であ
る。
【図7】第2実施形態の変形例による吸音パネルおよび
天井への取付状況を示す図である。
【図8】第2実施形態の他の変形例による吸音パネルお
よび天井への取付状況を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態による吸音パネルを吸音
衝立として用いた例を示す図である。
【図10】図9の矢印X部分の部分側断面図である。
【符号の説明】
1 吸音パネル 2 ハニカムコア材 3 表面側通気性シート 4 裏面側通気性シート 6 空気層 11 吸音パネル 21 吸音パネル 26 空気層 27 背面カバー h ハニカムコア材の厚さ d 空気層の厚さ C 天井(被取付面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南里 和紀 静岡県浜松市寺島町200番地 株式会社河 合楽器製作所内 Fターム(参考) 2E001 DF01 DF04 DF11 FA06 FA14 FA26 GA12 GA18 GA20 GA24 GA28 GA42 GA87 HA33 HC07 HD11 HE07 HF18 JA22 JD04 KA01 LA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面および裏面が開放されるとともに、
    所定の不均一な厚さ分布を有するハニカムコア材と、 このハニカムコア材の表面および裏面にそれぞれ積層さ
    れた、通気性を有する表面側通気性シートおよび裏面側
    通気性シートと、 を備えていることを特徴とする吸音パネル。
  2. 【請求項2】 前記ハニカムコア材の厚さが、当該ハニ
    カムコア材の厚さ方向に直交する平面内の少なくとも1
    つの方向に沿ってリニアに変化していることを特徴とす
    る、請求項1に記載の吸音パネル。
  3. 【請求項3】 表面および裏面が開放されたハニカムコ
    ア材と、 このハニカムコア材の表面および裏面にそれぞれ積層さ
    れた、通気性を有する表面側通気性シートおよび裏面側
    通気性シートと、 この裏面側通気性シートの裏面側を覆うように設けら
    れ、裏面側通気性シートとの間に所定の不均一な厚さ分
    布を有する空気層を形成する背面カバーと、 を備えていることを特徴とする吸音パネル。
  4. 【請求項4】 前記空気層の厚さが、当該空気層の厚さ
    方向に直交する平面内の少なくとも1つの方向に沿って
    リニアに変化していることを特徴とする、請求項3に記
    載の吸音パネル。
  5. 【請求項5】 被取付面に吸音パネルを取り付ける吸音
    パネルの取付構造であって、 前記吸音パネルは、 表面および裏面が開放されたハニカムコア材と、 このハニカムコア材の表面および裏面にそれぞれ積層さ
    れた、通気性を有する表面側通気性シートおよび裏面側
    通気性シートと、を備え、 この裏面側通気性シートと前記被取付面との間に所定の
    不均一な厚さ分布を有する空気層を形成した状態で、前
    記被取付面に取り付けられていることを特徴とする吸音
    パネルの取付構造。
  6. 【請求項6】 前記空気層の厚さが、当該空気層の厚さ
    方向に直交する平面内の少なくとも1つの方向に沿って
    リニアに変化していることを特徴とする、請求項5に記
    載の吸音パネルの取付構造。
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