JP2002370526A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2002370526A
JP2002370526A JP2001182035A JP2001182035A JP2002370526A JP 2002370526 A JP2002370526 A JP 2002370526A JP 2001182035 A JP2001182035 A JP 2001182035A JP 2001182035 A JP2001182035 A JP 2001182035A JP 2002370526 A JP2002370526 A JP 2002370526A
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heat exchanger
regenerator
cooling heat
air
vehicle
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JP2001182035A
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Tomohiro Kamiya
知宏 神谷
Kazufumi Yomo
四方  一史
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷房用熱交換器を通過した空気の風速分布
を、蓄冷器を利用した簡単な構成で均一化する。 【解決手段】 車室内へ向かって流れる空気の通風路を
形成するケース15内に、冷房用熱交換器17を水平方
向から所定角度θ1傾斜して配置し、冷房用熱交換器1
7を空気が下方から上方へ通過するようになっており、
蓄冷器23を冷房用熱交換器17の上方に冷房用熱交換
器17の傾斜角度θ1より小さい所定角度θ2で傾斜し
て配置する。これによると、蓄冷器23自体に整流作用
を発揮させて、冷房用熱交換器17通過後の空気流れの
風速分布を均一化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、冷房用熱交換器通過後の冷風により冷却され
る蓄冷器を備えた蓄冷式の車両用空調装置に関するもの
である。
【0001】
【従来の技術】従来、車両用空調装置においては、車両
幅方向の中央部に冷房用熱交換器(蒸発器)を略水平方
向に配置するとともに、冷房用熱交換器の配置部位から
助手席側に送風機をオフセット配置し、送風機からの送
風空気を冷房用熱交換器の下方に送り込み、そして、冷
房用熱交換器を下方から上方へと空気を通過させる配置
レイアウトのものが知られている。この配置レイアウト
によると、車両前後方向での空気流れの曲がり部がなく
なるので、空調装置の車両前後方向の搭載スペースを縮
小できる利点がある。
【0002】ところで、上記配置レイアウトでは、冷房
用熱交換器にて発生する凝縮水の排水性を向上するため
に、冷房用熱交換器を完全な水平状態とせずに、水平状
態から20°程度の小角度で傾斜させている。これによ
り、水平置きの冷房用熱交換器であっても、凝縮水が重
力により冷房用熱交換器の傾斜に沿って傾斜下端側へス
ムースに移動して、排水性を向上できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
によると、冷房用熱交換器を送風空気が通過する際に、
冷房用熱交換器の傾斜方向に風向が向くので、冷房用熱
交換器の下流側において風速分布が不均一となり、車室
内の複数部位への吹出風量のアンバランスを生じる。ま
た、車室内への吹出空気温度をエアミックスドアの開度
により制御する場合に、風速分布の不均一によりドア開
度と吹出空気温度とのリニア性が損なわれ、温度制御性
を悪化させる原因となる。
【0004】なお、車両用空調装置においては、車両幅
方向の略中央部に暖房用熱交換器を有するヒータユニッ
ト部を配置し、これに対し、送風機部および冷房用熱交
換器部を車両幅方向の助手席側にオフセット配置するレ
イアウトも知られているが、この従来技術においても、
冷房用熱交換器を通過した空気が車両幅方向の側方から
ヒータユニット部の通風路に曲がって流入する際に不均
一な風速分布が発生して、上記と同様の不具合を生じ
る。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、冷房用熱交換器
を通過した空気の風速分布を、蓄冷器を利用した簡単な
構成で均一化することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次に述べる蓄冷
式の車両用空調装置に着目して上記目的を達成するため
の技術的手段を案出したものである。
【0007】近年、環境保護を目的にして、信号待ち等
の停車時(エンジン動力不要時)にエンジンを自動的に
停止する車両(エコラン車、ハイブリッド車等)が実用
化されており、今後、停車時にエンジンを停止する車両
が増加する傾向にある。車両用空調装置においては、冷
凍サイクルの圧縮機を車両エンジンにより駆動している
ので、上記エコラン車等においては信号待ち等で停車し
て、エンジンが停止される毎に、圧縮機も停止して冷房
用熱交換器(蒸発器)の温度が上昇し、車室内への吹出
空気温度が上昇するので、乗員の冷房フィーリングを損
なうという不具合が発生する。
【0008】そこで、圧縮機の稼働時に蓄冷される蓄冷
器を備え、圧縮機の停止時(冷房用熱交換器の冷却作用
停止時)には蓄冷器により車室内への吹出空気を冷却で
きる蓄冷式の車両用空調装置の必要性が高まっている。
【0009】そこで、本発明では上記蓄冷器が冷房用熱
交換器の下流側に配置される点に着目して、蓄冷器に冷
房用熱交換器通過後の空気の整流作用を持たせることに
より、上記目的を達成するものである。
【0010】すなわち、請求項1に記載の発明では、車
室内へ向かって流れる空気の通風路(14、15)内に
おいて、冷房用熱交換器(17)の下流側に、冷房用熱
交換器(17)を通過した冷風により冷却される蓄冷器
(23)を配置するとともに、通風路(14、15)に
対する蓄冷器(23)の配置角度を、通風路(14、1
5)に対する冷房用熱交換器(17)の配置角度と異な
らせ、冷房用熱交換器(17)通過後の空気流れを蓄冷
器(23)により整流することを特徴とする。
【0011】これによると、蓄冷器(23)自体に整流
作用を発揮させて、冷房用熱交換器(17)通過後の空
気流れの風速分布を均一化できる。従って、専用の整流
部材を追加設置することなく、風速分布を均一化して従
来技術の不具合を解消できる。
【0012】請求項2に記載の発明のように、請求項1
において、具体的には、冷房用熱交換器(17)を通風
路(14、15)内で、水平方向から所定角度(θ1)
傾斜して配置し、冷房用熱交換器(17)を空気が下方
から上方へ通過するようになっており、蓄冷器(23)
を冷房用熱交換器(17)の上方に冷房用熱交換器(1
7)の傾斜角度(θ1)と異なる所定角度(θ2)で傾
斜して配置するようにしてよい。
【0013】これによると、水平置きの冷房用熱交換器
(17)の上方に蓄冷器(23)を並べて配置すること
によりスペース効率を良好にできるとともに、蓄冷器
(23)の整流作用により冷房用熱交換器通過空気の風
速分布を均一化できる。
【0014】請求項3に記載の発明のように、請求項2
において、具体的には、冷房用熱交換器(17)および
蓄冷器(23)を同一方向に傾斜させるとともに、冷房
用熱交換器(17)の傾斜角度(θ1)より蓄冷器(2
3)の傾斜角度(θ2)を小さくしてもよい。
【0015】請求項4に記載の発明のように、請求項1
において、具体的には、冷房用熱交換器(17)を通風
路(14、15)内で、水平方向から所定角度(θ1)
傾斜して配置し、冷房用熱交換器(17)を空気が下方
から上方へ通過するようになっており、蓄冷器(23)
を冷房用熱交換器(17)の上方に冷房用熱交換器(1
7)に対して略V字状に配置するようにしてもよい。
【0016】請求項5に記載の発明のように、請求項1
ないし4のいずれか1つにおいて、冷房用熱交換器(1
7)および蓄冷器(23)を車両幅方向に傾斜するよう
に配置してもよい。
【0017】これによると、蓄冷器(23)の整流作用
により冷房用熱交換器通過空気の車両幅方向に対する風
速分布を均一化できるので、車両幅方向での吹出風量の
アンバランスを解消できる。
【0018】請求項6に記載の発明のように、請求項1
ないし4のいずれか1つにおいて、冷房用熱交換器(1
7)および蓄冷器(23)を車両前後方向に傾斜するよ
うに配置してもよい。
【0019】これによると、蓄冷器(23)の整流作用
により冷房用熱交換器通過空気の車両前後方向に対する
風速分布を均一化できる。そのため、後述の図4の第2
実施形態のように、暖房用熱交換器(24)とそのバイ
パス通路(24a)を車両前後方向に配置する場合に、
車室内への吹出空気の温度制御のリニア性を確保でき
る。
【0020】請求項7に記載の発明では、請求項1にお
いて、通風路(14、15)内で、蓄冷器(23)の下
流側に配置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(2
4)を備え、蓄冷器(23)および暖房用熱交換器(2
4)を車両幅方向の略中央部に配置し、冷房用熱交換器
(17)を蓄冷器(23)および暖房用熱交換器(2
4)に対して車両幅方向にオフセット配置するととも
に、冷房用熱交換器(17)を垂直方向に配置すること
を特徴とする。
【0021】これによると、冷房用熱交換器(17)を
垂直方向に配置することにより、冷房用熱交換器(1
7)での凝縮水の排水性を向上できる。しかも、このよ
うな配置レイアウトであっても、蓄冷器(23)の整流
作用により冷房用熱交換器通過空気の風速分布を均一化
できる。
【0022】請求項8に記載の発明のように、請求項1
ないし7のいずれか1つにおいて、蓄冷器(23)は具
体的には蓄冷材を収容するチューブ(23a)を有し、
チューブ(23a)相互間の空隙(23b)を等間隔で
並べて配置した構成にすればよい。
【0023】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は車両用空
調装置の室内ユニット部の具体的配置レイアウトを例示
するもので、室内ユニット部は、車室内前部の計器盤
(図示せず)内側において、車両幅(左右)方向の略中
央部に配置される空調ユニット10と、計器盤内側にお
いて助手席側にオフセット配置される送風機ユニット1
1とに大別される。
【0025】送風機ユニット11は、外気(車室外空
気)または内気(車室内空気)を切替導入する内外気切
替箱12を備え、この内外気切替箱12の下方部に送風
機13を配置している。この送風機13は遠心式送風フ
ァン13aをモータ13bにより回転駆動するようにな
っている。送風機13のスクロールケーシング13cの
吹出側は連結ダクト14を介して空調ユニット10のケ
ース15内のうち、最下部の空気流入空間16に接続さ
れる。
【0026】空調ユニット10のケース15内において
空気流入空間16の上方には冷房用熱交換器をなす蒸発
器17が略水平方向に配置されている。従って、送風機
11の送風空気は矢印Aのように車両助手席側から車両
幅(左右)方向の中央部に向かって流れて蒸発器17の
下側空間16に流入し、その後、この下側空間16から
送風空気は蒸発器17を上方へと通過する。
【0027】蒸発器17は車両幅(左右)方向に所定角
度θ1だけ傾斜して配置されており、より具体的には、
その助手席側(送風機側)の端部が高くなり、そして、
運転席側(反送風機側)の端部が低くなるように所定角
度θ1だけ傾斜している。ここで、凝縮水の排水性確保
のために、蒸発器17の傾斜角度θ1は具体的には20
°程度または20°より若干大きい角度であり、また、
蒸発器17はその冷媒通路をなすチューブ(図示せず)
の長手方向に沿って傾斜している。すなわち、蒸発器1
7のチューブ長手方向は車両左右方向(図1の左右方
向)に向いている。
【0028】蒸発器17は周知のように車両空調用冷凍
サイクル18の膨張弁等の減圧装置19により減圧され
た低圧冷媒が流入し、この低圧冷媒が送風空気から吸熱
して蒸発するようになっている。冷凍サイクル18に
は、車両エンジンにより電磁クラッチ20aを介して駆
動される圧縮機20を設け、この圧縮機20の運転によ
り圧縮機20の吐出側→凝縮器21→受液器22→減圧
装置19→蒸発器17→圧縮機20の吸入側に至る閉回
路を冷媒が循環する。
【0029】そして、蒸発器17の上方(空気流れ下流
側)には蓄冷器23が略水平方向に配置されている。な
お、本例では、蓄冷器23は蒸発器17と同一方向に、
蒸発器17の傾斜角度θ1より小さい角度θ2(θ2<
θ1)でもって傾斜配置してある。
【0030】蒸発器17及び蓄冷器23はケース15内
の通路断面積と同一の大きさに設計してあるので、送風
機11の送風空気はその全量が蒸発器17を通過して冷
却され、そして、蒸発器17で冷却された空気(冷風)
の全量が蓄冷器23を通過して、蓄冷器23の蓄冷材を
冷却して蓄冷するようになっている。なお、蓄冷器23
の具体的構成例は後述する。
【0031】蒸発器17及び蓄冷器23の上方(空気流
れ下流側)には温水式ヒータコア24が配置されてい
る。このヒータコア24は周知のように車両エンジンの
温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する暖房用熱交
換器である。このヒータコア24も略水平方向に配置さ
れているが、ヒータコア24はケース15内の通路断面
積より小さい大きさに設計して、蒸発器17及び蓄冷器
23の上方部にて車両前方側に偏ってヒータコア24を
配置してある。
【0032】これにより、ヒータコア24の車両後方側
(乗員座席寄りの部位)に、ヒータコア24をバイパス
して空気が流れるバイパス通路を形成している。なお、
図1において、紙面垂直方向が車両前後方向であり、紙
面奥側が車両前方側で、紙面手前側が車両後方側であ
る。このようにケース15内の通路断面において車両前
方側に偏ってヒータコア24を配置し、ヒータコア24
の車両後方側にバイパス通路を形成する配置構成は後述
の図4(第2実施形態)に図示しているので、参照され
たい。
【0033】蓄冷器23とヒータコア24との間には、
車両前後方向(図1の紙面垂直方向)にスライドする
(略直線的に変位する)スライドドアからなるエアミッ
クスドア25が配置されている。このエアミックスドア
25は、温水式ヒータコア24を通過する温風とバイパ
ス通路を通過する冷風との風量割合を調整するものであ
って、この冷温風の風量割合を調整して車室内への吹出
空気温度を調整することができる。従って、エアミック
スドア25により車室内への吹出空気の温度調整手段が
構成される。
【0034】更に、温水式ヒータコア20の上方側(空
気流れ下流側)には吹出モード切替部26が構成されて
いる。この吹出モード切替部26は、空調ケース15の
上面部近傍に配置されるデフロスタ開口部、フェイス開
口部およびフット開口部を切り替え開閉するものであ
る。これにより、空調風の車室内への吹出部位を車室内
乗員の上半身側、足元側、および車両フロントガラス内
面側の間で切り替え可能になっている。なお、吹出モー
ド切替部26は図1の例では1個のロータリドアの回転
作動により上記の各開口部を開閉するようになってい
る。
【0035】次に、蓄冷器23の具体例を図2、図3に
より説明すると、蓄冷器23は蓄冷材を収容する蛇行状
のチューブ23aを有し、このチューブ23aの蛇行状
部分を等間隔に配置している。図2の例では、3本のチ
ューブ23aを組み合わせている。このチューブ23a
の蛇行状部分相互の各空隙23bにコルゲートフィン2
3cを配置し、接合している。チューブ23aおよびコ
ルゲートフィン23cは伝熱性、軽量化等を考慮してア
ルミニュウム等の金属で成形され、ろう付けにより接合
される。
【0036】なお、アルミニュウムのろう付け温度は6
00℃付近の高温であるので、蓄冷器23のろう付け工
程終了後に、チューブ23aの端部からチューブ23a
内に蓄冷材を封入する。蓄冷材の充填作業の終了後、チ
ューブ23aの端部を巻き締めして密封するか、あるい
はチューブ23aの端部に適宜のシール材(例えば、O
リング等)を介在して蓋部材を装着して、チューブ23
aの端部を密封する。図2において、23dはこのチュ
ーブ23aの端部の密封部である。
【0037】なお、蓄冷材44の具体的材質としては、
蒸発器17のフロスト防止のために、融点=6〜8℃程
度で、且つ、蓄冷器構成材質(アルミニュウム)に対す
る腐食防止作用の高い材料が好ましく、このような条件
はパラフィンにより満足することができる。パラフィン
は化学的安定性や毒性、コスト等の面においても溶融塩
や他の無機物より優れている。
【0038】チューブ23aは図3に例示するような偏
平状の断面形状を有する偏平チューブからなる。より具
体的に説明すると、図3(a)、(b)はいずれもアル
ミニュウムの押出加工(または引抜加工)により成形し
たチューブ23aであって、図3(a)のチューブ23
aは偏平状の単穴形状に成形したものである。図3
(b)のチューブ23aは偏平状の多穴形状に成形した
ものである。次に、図3(c)のチューブ23aは、ア
ルミニュウムの薄板材を折り曲げて、図3(a)と同様
の偏平状の単穴形状を成形し、その後に、アルミニュウ
ムの薄板材の突き合わせ端面を溶接したものである。次
に、図3(d)のチューブ23aは、アルミニュウムの
薄板材を折り曲げて、偏平状の2つの穴形状を成形し、
その後に、アルミニュウムの薄板材の突き合わせ端面を
溶接したものである。図3(c)、(d)において、2
3eはその溶接部である。
【0039】蓄冷器23は図2の紙面垂直方向(図3の
矢印B方向)に蒸発器9通過後の冷風が流れるように略
水平方向に配置される。蓄冷器23での凝縮水の排水性
を良好にするために、蓄冷器23はチューブ23aの長
手方向(図2の上下方向)で傾斜するように配置され
る。
【0040】なお、本第1実施形態によると、蓄冷器2
3の全体形状をチューブ23aの蛇行状の折り曲げ構造
体により構成できるので、蓄冷器23の幅Wはチューブ
23aの組み合わせ本数、あるいはチューブ23aの折
り曲げ回数にて任意に調節でき、また、蓄冷器23の高
さHもチューブ23aの折り曲げ寸法にて任意に調節で
きる。
【0041】次に、上記構成において第1実施形態の作
動を説明する。車両用空調装置においては、車両エンジ
ンにより圧縮機20を駆動することにより冷凍サイクル
18が運転され、蒸発器17の温度は圧縮機20の作動
の断続制御により3°C〜5°C付近の温度に維持さ
れ、蒸発器17のフロストを防止する。
【0042】ここで、蒸発器17においては、膨張弁等
の減圧装置19にて減圧された低温低圧の気液2相冷媒
が送風機13の送風空気から吸熱して蒸発することによ
り送風空気が冷却され、冷風となる。そして、この冷風
が次には蓄冷器23の複数のチューブ23a相互間に形
成される所定間隔の空隙23bを通過する。これによ
り、チューブ23a内に封入された蓄冷材(パラフィ
ン)を効果的に冷却できる。その結果、蓄冷材が冷却さ
れて、常温時の液相状態から固相状態に凝固し、凝固潜
熱の形態で蓄冷を行うことができる。
【0043】このため、エコラン車のように、信号待ち
等の停車時(エンジン動力不要時)にエンジンを自動的
に停止する車両において、停車時に冷凍サイクル18の
圧縮機20が停止状態になっても、車室内への吹出空気
と蓄冷器23のチューブ23a内の蓄冷材(パラフィ
ン)との間で熱交換を行って、蓄冷材の融解潜熱を空気
から吸熱することにより車室内への吹出空気を冷却でき
る。従って、夏期冷房時に、圧縮機20の停止に伴う車
室内への吹出温度の急上昇を抑制して、冷房フィーリン
グの悪化を防止できる。
【0044】ところで、蒸発器17は送風空気が下方か
ら上方へと通過する水平置きレイアウトであるため、凝
縮水の排水性が問題となる。そこで、蒸発器17を20
°程度の所定角度θ1にて傾斜配置し、これにより、凝
縮水を重力により蒸発器17のチューブ(図示せず)の
長手方向に沿って傾斜下端側へスムースに移動させ、排
水性の向上を図っている。
【0045】しかし、蒸発器17の傾斜配置により蒸発
器17の通過空気の風向が矢印Bのように右斜め上方へ
向かって流れるので、蒸発器17の下流側(上側)にお
いて風速分布が不均一となる。すなわち、蒸発器17の
下流側(上側)において図1の右側部の風速が高くな
り、図1の左側部の風速が低くなる。
【0046】そこで、本実施形態においては、蒸発器1
7の下流側(上方側)に配置される蓄冷器23の傾斜角
度θ2を蒸発器17の傾斜角度θ1より小さくしている
ので、蒸発器17の通過空気の風向が蒸発器17の傾斜
角度θ1により右斜め上方に傾いたのを、蓄冷器23に
よって矢印Cのようにより上方側へ向かう流れに変更す
ることができる。すなわち、蓄冷器23に整流作用を発
揮させることによって、ヒータコア24に向かう空気流
れの車両幅方向での風速分布を均一化できる。これによ
り、車両幅方向での吹出風量割合のアンバランスを抑制
できる。
【0047】また、蓄冷器23による整流作用によっ
て、蒸発器17の下流側(上側)における空気流れの風
向を徐々に変えていくので、曲がり圧損も低減できる。
【0048】なお、蓄冷器23の傾斜角度θ2を蒸発器
17の傾斜角度θ1より小さくしているので、蓄冷器2
3で発生する凝縮水の排水性の悪化が懸念されが、蓄冷
器23での凝縮水の発生は、アイドリングストップ時等
の車両エンジンの停止時(圧縮機20の停止時)に限定
され、このような圧縮機停止時の時間は通常、1分前後
の短時間であり、凝縮水の発生量が蒸発器17に比較し
て大幅に少ない。そのため、蓄冷器23の傾斜角度θ2
を蒸発器17の傾斜角度θ1より小さくしても、凝縮水
の排水性の面で実用上支障を来すことはない。
【0049】このように、蓄冷器23での凝縮水の排水
性が実用上、大きな問題とならないので、蓄冷器23の
傾斜配置に際して、チューブ23aの長手方向と直交す
る方向(図2の左右方向)で蓄冷器23を傾斜配置する
ようにしても良い。
【0050】(第2実施形態)上記第1実施形態では、
蒸発器17および蓄冷器23を車両幅方向に傾斜するよ
うに配置したが、第2実施形態では、図4に示すよう
に、蒸発器17および蓄冷器23を車両前後方向に傾斜
するように配置している。より具体的には、蒸発器17
および蓄冷器23の車両前方側端部が高く、車両後方側
端部が低くなるように、この両者17、23を傾斜配置
している。
【0051】なお、ケース15内の通路断面において車
両前方側に偏ってヒータコア24を配置し、ヒータコア
24の車両後方側にバイパス通路24aを形成し、スラ
イドドアからなるエアミックスドア25が車両前後方向
に往復動する配置構成は第1実施形態と同じである。蒸
発器17の下側空間16には、助手席側にオフセット配
置された送風機ユニット11から送風空気が流入する。
16aはケース15の助手席側壁面の最下部に開口して
いる空気入口である。
【0052】第2実施形態の配置形態において、もし、
蒸発器17の下流側(上方側)に整流作用を発揮する蓄
冷器23が配置されていないと、蒸発器17の下流側
(上側)における風速分布の不均一により車両後方側の
バイパス通路24aに冷風の風向が偏る。その結果、エ
アミックスドア25が最大暖房位置(バイパス通路24
aの全閉位置)から最大冷房側へ開き始める時に、冷風
がバイパス通路24aに急激に流れ込む現象が生じ、こ
れが原因となって、車室内への吹出空気温度が急激に低
下する。
【0053】また、図4とは逆方向に、蒸発器17およ
び蓄冷器23の車両前方側端部が低く、車両後方側端部
が高くなるように、この両者17、23を傾斜配置して
いる場合には、エアミックスドア25が最大冷房位置
(ヒータコア24の通風路の全閉位置)から最大暖房側
へ開き始める時に、冷風がヒータコア24の通風路に急
激に流れ込む現象が生じ、これが原因となって、車室内
への吹出空気温度が急激に上昇する。以上の結果、車室
内への吹出空気の温度制御のリニア性を悪化させる。
【0054】しかし、第2実施形態によると、蓄冷器2
3に整流作用を発揮させることによって、ヒータコア2
4およびバイパス通路24aに向かう空気流れの車両前
後方向での風速分布を均一化できる。これにより、車室
内への吹出空気の温度制御のリニア性を確保できる。
【0055】(第3実施形態)上記第1、第2実施形態
では、略水平方向に配置した蒸発器17の上側に蓄冷器
23をを配置しているが、第3実施形態では、図5に示
すように、送風機ユニット11と空調ユニット10との
連結ダクト14の部位に蒸発器17を垂直方向に配置し
ている。そして、空調ユニット10のケース15内にお
いて、最下部の空気流入空間16の上側に、蓄冷器23
を図1と同様に助手席側端部が高く、運転席側端部が低
くなるように傾斜配置している。
【0056】第3実施形態の配置レイアウトによると、
蒸発器17通過後の空気の主流Cが図1の右側(運転席
側)に向かうとともに、蒸発器17通過後の空気の風向
がケース15内の最下部の空気流入空間16にて急激に
上方に変更されるので、ケース15内の最下部の空気流
入空間16にて図1の左側(助手席側)より右側(運転
席側)の風速が高くなるが、蓄冷器23の整流作用によ
って、ヒータコア24側に向かう空気流れの車両幅方向
での風速分布を均一化できる。
【0057】なお、第3実施形態では、第1、第2実施
形態に比較して蒸発器17部分の専用の搭載スペースが
必要となるので、搭載性の面では悪化するが、その反
面、蒸発器17を垂直方向に配置しているので、蒸発器
17からの凝縮水の排水性を向上できる。
【0058】(他の実施形態)なお、図2、3に示す蓄
冷器23の具体例においては、チューブ23aを蛇行状
に曲げ成形して蓄冷器23を構成しているが、蒸発器1
7にて知られているように、金属薄板を最中状に張り合
わせてチューブ23aを構成してもよい。このように蓄
冷器23の具体的構成は種々変形可能である。蓄冷器2
3の整流作用を良好に発揮するためには、チューブ23
a相互間に形成される複数の空隙23bを等間隔に均一
に形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の車両搭載状態を示す概
略断面配置図である。
【図2】第1実施形態の蓄冷器の平面図である。
【図3】第1実施形態の蓄冷器のチューブの断面形状を
示す断面図である。
【図4】第2実施形態の車両搭載状態を示す概略断面配
置図である。
【図5】第3実施形態の車両搭載状態を示す概略断面配
置図である。
【符号の説明】
14…連結ダクト(通風路)、15…ケース(通風
路)、17…蒸発器(冷房用熱交換器)、23…蓄冷
器、24…ヒータコア(暖房用熱交換器)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内へ向かって流れる空気の通風路
    (14、15)と、前記通風路(14、15)内に配置
    され、空気を冷却する冷房用熱交換器(17)と、前記
    通風路(14、15)内で、前記冷房用熱交換器(1
    7)の下流側に配置され、前記冷房用熱交換器(17)
    を通過した冷風により冷却される蓄冷器(23)とを備
    え前記通風路(14、15)に対する前記蓄冷器(2
    3)の配置角度を、前記通風路(14、15)に対する
    前記冷房用熱交換器(17)の配置角度と異ならせ、前
    記冷房用熱交換器(17)通過後の空気流れを前記蓄冷
    器(23)により整流することを特徴とする車両用空調
    装置。
  2. 【請求項2】 前記冷房用熱交換器(17)を前記通風
    路(14、15)内で、水平方向から所定角度(θ1)
    傾斜して配置し、前記冷房用熱交換器(17)を空気が
    下方から上方へ通過するようになっており、 前記蓄冷器(23)を前記冷房用熱交換器(17)の上
    方に前記冷房用熱交換器(17)の傾斜角度(θ1)と
    異なる所定角度(θ2)で傾斜して配置することを特徴
    とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記冷房用熱交換器(17)および前記
    蓄冷器(23)を同一方向に傾斜させるとともに、前記
    冷房用熱交換器(17)の傾斜角度(θ1)より前記蓄
    冷器(23)の傾斜角度(θ2)を小さくしたことを特
    徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記冷房用熱交換器(17)を前記通風
    路(14、15)内で、水平方向から所定角度(θ1)
    傾斜して配置し、前記冷房用熱交換器(17)を空気が
    下方から上方へ通過するようになっており、 前記蓄冷器(23)を前記冷房用熱交換器(17)の上
    方に前記冷房用熱交換器(17)に対して略V字状に配
    置することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装
    置。
  5. 【請求項5】 前記冷房用熱交換器(17)および前記
    蓄冷器(23)を車両幅方向に傾斜するように配置した
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記
    載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記冷房用熱交換器(17)および前記
    蓄冷器(23)を車両前後方向に傾斜するように配置し
    たことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに
    記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 前記通風路(14、15)内で、前記蓄
    冷器(23)の下流側に配置され、空気を加熱する暖房
    用熱交換器(24)を備え、 前記蓄冷器(23)および前記暖房用熱交換器(24)
    を車両幅方向の略中央部に配置し、 前記冷房用熱交換器(17)を前記蓄冷器(23)およ
    び前記暖房用熱交換器(24)に対して車両幅方向にオ
    フセット配置するとともに、前記冷房用熱交換器(1
    7)を垂直方向に配置することを特徴とする請求項1に
    記載の車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 前記蓄冷器(23)は、蓄冷材を収容す
    るチューブ(23a)を有し、前記チューブ(23a)
    相互間の空隙(23b)を等間隔で並べて配置したこと
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の
    車両用空調装置。
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