JP2002369204A - 動画像復号化方法およびそのプログラム - Google Patents
動画像復号化方法およびそのプログラムInfo
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Abstract
のフレームに配分された形式で配信される圧縮符号化画
像信号を、任意の時点から受信しかつ復号化することを
可能にする。 【解決手段】 端末装置は、圧縮符号化画像信号の受信
を開始すると、まず、最初に受信するキーフレームKに
後続する複数の通常フレームP-GOBに配分され、フレー
ム内符号化されている1フレーム分の複数のキーGOB
を復号化するとともに記憶し、これにもとづいて、次回
に受信するキーフレームKの復号化を行う。その後、復
号化したキーフレームKにもとづいて、後続する通常フ
レームP-GOBの復号化を行う。また、フレーム内符号化
されているキーGOBは、復号化されるごとに、過去の
キーGOBのデータを更新した最新のデータとして記憶
され、次回に受信されるキーフレームKの復号化に用い
られる。
Description
動画像を復号化する動画像復号化方法およびそのプログ
ラムに関し、特に監視映像などの時間的変化が少ない動
画像に適した動画像復号化方法およびそのプログラムに
関する。
(Discrete Cosine Transform;離散コサイン変換)と
動き補償予測符号化を組み合わせた方法が一般的であ
り、この方法はMPEG(Moving Picture Experts Gro
up)方式でも採用されている。通常、DCTは空間方向
の冗長性を低下させるべくフレーム(静止画像)内の情
報だけで符号化するフレーム内符号化に適用される。ま
た動き補償予測符号化(フレーム間符号化)は時間方向
の冗長性を低下させるべく、符号化対象フレームを他の
時刻のフレームから予測し、その符号化対象フレームと
予測したフレームとの差分信号に対してDCTや量子化
などを施すものである。この場合、差分を小さく抑える
ため、符号化対象フレームは時間的に隣接するフレーム
から予測されることが多い。このようなフレーム内符号
化や動き補償予測符号化の処理は、フレームを複数分割
したブロックを基本処理単位として行われる。
化が圧倒的に少ない動画像では、入力フレームを周期的
に参照画像(以下、キーフレームと呼ぶ。)に設定し、
このキーフレームと入力フレームとの間の差分信号をと
る差分符号化方式を用いても、両フレーム間の差分量は
小さいと考えられる。この方式は、前述の隣接フレーム
を用いた動き補償予測符号化と比べると、計算負荷の軽
減や、フレームの欠落によるエラーに対する耐性などの
利点をもつ。図15を参照しつつ従来の差分符号化方式
の概略を説明する。撮像センサから順次出力される複数
のフレームf1,f2,…が符号化器に順次入力すると
する。図15に示すようにフレームfn(n=1,2,
…)が入力すると(ST100)、ステップST101
で当該入力フレームfnがキーフレームか否かが条件判
定される。フレームfnがキーフレームである場合、ス
テップST102でフレーム内符号化処理が実行され
る。すなわち、当該フレームfnをブロックに分割して
各ブロック毎にDCTを施し、その変換係数が算出され
る。次いで、その変換係数を量子化した量子化係数が出
力される。次にステップST103でその量子化係数を
可変長符号化(エントロピ符号化)した符号化データが
生成されビットストリームにされて出力される。また前
記ステップST102で算出された量子化係数は、ステ
ップST104で復号化(逆量子化および逆DCT)を
施された後にキーフレームメモリ100に記憶される。
fm(m=n+1)が入力すると、ステップST101
でフレームfmがキーフレームか否かが条件判定され、
フレームfmがキーフレームで無い場合はステップST
105に処理が移行し、キーフレームメモリ100に記
憶したキーフレームfnとフレームfmとの間でブロッ
ク単位で画素値の差分値が算出される。次いで、ステッ
プST106でその差分値が所定範囲内か否かが判定さ
れ、その差分値が所定範囲内にある場合はステップST
107でフレーム間符号化、すなわちキーフレームと入
力フレームfmとの間の差分信号に対してDCTおよび
量子化が施される。他方、その差分値が所定範囲を超え
る場合はステップST108でフレーム内符号化が実行
される。このようにステップST107,ST108で
算出した量子化係数は、ステップST103で可変長符
号化されビットストリームに変換後、出力される。
の例を図16を参照しつつ以下に説明する。上記ビット
ストリームが入力すると(ST110)、このビットス
トリームから圧縮符号化信号が取り出され可変長復号化
されて上記量子化係数が得られる。次いで、ステップS
T111において、その量子化係数が上記圧縮符号化処
理のステップST102でフレーム内符号化されていた
場合、その復号化(フレーム内復号化)を施されてキー
フレームメモリ101に蓄積され、その量子化係数が上
記ステップST108でフレーム内符号化されていた場
合はその復号化が施される。他方、その量子化係数が上
記ステップST107でフレーム間符号化されていた場
合は、キーフレームメモリ101に蓄積したキーフレー
ムを参照してその復号化(フレーム間復号化)を施され
る。そして、このようにフレーム内またはフレーム間復
号化された復号化画像が出力される(ST112)。
分符号化方式では、キーフレームと時間的に離間したフ
レームとの差分符号化を行うため、キーフレームの画質
が動画像全体の画質に直接関係することから、キーフレ
ームは高画質のものでなければならず、キーフレームに
対してはフレーム内の情報のみで圧縮符号化を行うフレ
ーム内符号化が施される。この結果、動画像の符号化処
理量はキーフレームの符号化時に急激に増大し、キーフ
レームの圧縮符号化データの伝送が遅延したり間欠した
りする問題が生じていた。特に動画像をネットワークを
通じてリアルタイムに伝送し再生(ストリーミング)す
る場合は、復号化した動画像の再生速度の変化や画像の
間欠が著しく生じることがあった。
うとするところは、キーフレームの符号化処理量の急激
な増大を抑制し、その符号化処理量を時間的に平坦化し
且つ動画像の画質を良好にし得る動画像の圧縮符号化方
法を想定し、当該圧縮符号化方法にもとづいて時間に沿
って配信される圧縮符号化画像信号を、任意の時点から
受信しかつ復号化することを可能にする動画像復号化方
法およびそのプログラムを提供する点にある。
にかかるものは、複数のフレーム群の各々がキーフレー
ムとこれに後続する複数の通常フレームとを含んでお
り、前記複数の通常フレームには、全体で1フレームを
構成可能でフレーム内符号化された複数の特定領域が、
互いに異なる位置に配分されており、1フレーム分の前
記複数の特定領域を参照フレームとしてフレーム間符号
化することにより、前記複数のフレーム群のうち、つぎ
のフレーム群に属する前記キーフレームが得られてお
り、前記複数の通常フレームの各々は、前記複数の特定
領域のうちの自身に配分された特定領域を除く部分であ
る非特定領域については、前記複数のフレーム群のうち
自身と同一のフレーム群に属する前記キーフレームを参
照フレームとしてフレーム間符号化されており、前記複
数のフレーム群の時間に沿った集合である圧縮符号化画
像信号を受信しかつ復号化する動画像復号化方法であっ
て、(a)前記圧縮符号化画像信号を少なくとも一部の期
間にわたって受信する工程と、(b)前記複数のフレーム
群のうち、前記工程(a)で最初に受信されるキーフレー
ムが属するフレーム群である初期フレーム群に対して、
当該初期フレーム群に含まれる1フレーム分の前記複数
の特定領域のみを復号化し、かつ記憶する工程と、(c)
前記複数のフレーム群のうち、前記工程(a)で前記初期
フレーム群より後に受信されるフレーム群ごとに復号化
を行う工程と、を備えている。
かつ記憶されている1フレーム分の最新の前記複数の特
定領域を参照フレームとして、復号化の対象とされる前
記フレーム群に属する前記キーフレームをフレーム間復
号化しかつ記憶する工程と、(c-2)復号化されかつ記憶
されている最新のキーフレームを参照フレームとして、
復号化の対象とされる前記フレーム群に属する前記複数
の通常フレームの各々の前記非特定領域をフレーム間復
号化する工程と、(c-3)復号化の対象とされる前記フレ
ーム群に含まれる1フレーム分の前記複数の特定領域を
復号化しかつ記憶する工程と、を備えている。
第1の態様にかかる動画像復号化方法をコンピュータ上
で実現するために、前記各工程をコンピュータに実行さ
せるためのプログラムである。
明.はじめに、本発明の前提として想定される基本発明
の二つの実施の形態について説明する。これらの実施の
形態は、それぞれ実施の形態1および2として記載す
る。
実施の形態1に係る圧縮符号化方法を実現するためのフ
ローチャートである。このフローチャートを参照しつつ
本実施の形態1に係る圧縮符号化方法を以下に詳説す
る。
センサなどの撮像センサで時間軸に沿って順次撮像した
複数の静止画像(フレーム)f1,f2,f3,f4,
…が本実施の形態1に係る符号化器に入力する(ST
1)。尚、特定領域メモリ2にはフレームf1が入力す
る前に、後に詳述するフレーム1枚分のキーGOBから
なる参照フレームf0が格納されており、この参照フレ
ームf0は後述する実施の形態2に係る復号化器の特定
領域メモリ11に圧縮伝送後、復号化されて格納されて
いる。本実施の形態1の符号化器は入力フレームf1,
f2,f3,f4,…の中から周期的にキーフレームを
指定しており、入力フレームf1がキーフレームであ
る。
キーフレームか否かを条件判定される。フレームf1は
キーフレームであるからステップST3に処理が移行
し、図2に示すようにステップST4で特定領域メモリ
2に格納した参照フレームf0と入力フレームf1との
間で画素値の差分値と、その差分値の絶対値和(差分絶
対値和)Sが算出され、次いでステップST5で差分絶
対値和が閾値以下か否かが条件判定される。例えば、そ
の差分値をΔPi(i:各画素に対応する番号)で表現
する時、差分絶対値和Sは、S=|ΔP1|+|ΔP2|
+…+|ΔPn|(n:画素数)で表現される。差分絶
対値和Sが閾値以下の場合は、両フレームf0,f1間
の時間的な変化が小さいとして入力フレームf1はフレ
ームf0を用いたフレーム間符号化を施される(ST
6)。具体的には入力フレームf1とフレームf0との
間の差分信号に対してDCT(離散コサイン変換)など
の直交変換を施し、その変換係数を量子化した量子化係
数が算出される。また、このようなフレーム間符号化処
理は8×8画素や16×16画素などのサイズをもつブ
ロック単位で実行される。これ以後の処理も同様であ
る。尚、本実施の形態では変換方式としてDCTなどの
直交変換を採用するが、DCTの代わりにDWT(離散
ウェーブレット変換)を採用してもよい。この場合、フ
レーム間符号化処理は上記ブロック単位で行う代わり
に、実行メモリ容量などを考慮してフレーム単位、もし
くはフレームをタイルと称する複数の領域に分割し各タ
イル単位で実行されてもよい。
プST4で算出した差分絶対値和Sが閾値を超える場合
はステップST7に処理が移行し、入力フレームf1は
フレーム内の情報だけで符号化するフレーム内符号化が
施される。具体的にはフレームf1の画素値に対してD
CTなどの直交変換を施し、その変換係数を量子化した
量子化係数が算出される。
上記フレーム内符号化(ST7)またはフレーム間符号
化(ST6)を実行する前に入力フレームに対して色空
間変換が施される。例えば、原信号が「R(赤色成
分)」,「G(緑色成分)」,「B(青色成分)」のR
GB空間からなる場合は、これをNTSC(National T
elevision System Committee)方式などで採用されてい
るYUV座標系、YIQ座標系、YCbCr座標系などを
使用すればよい。例えば、YCbCr座標系を使用した場
合、そのRGB成分は輝度信号Yと2つの色差信号
Cb,CrとからなるYC bCr成分の座標系へと変換され
る。YCbCr成分はRGB成分よりも各成分間の相関が
小さいため、画像サイズを圧縮できる。
処理が移行し、上記ステップST6,ST7で算出され
た量子化係数はハフマン符号化などを含むエントロピ符
号化を施され、その後フレームの画像サイズや量子化ビ
ット数などの画像情報や、量子化テーブルや各ブロック
領域の符号化方法(フレーム内符号化、フレーム間符号
化)などの圧縮情報と共に多重化されてビットストリー
ムとして出力される。また、上記ステップST6,ST
7で算出された量子化係数はステップST8で局部復号
化(逆量子化および逆DCTなどの逆直交変換)され、
キーフレームメモリ1に格納される。よって、キーフレ
ームメモリ1には符号化(ST6,ST7)と復号化
(ST8)を通じて量子化誤差を含んで変化したキーフ
レームが格納される。これにより、そのキーフレームの
画像は後述する復号化器で復号化(フレーム間復号化)
の際に参照されるキーフレームの画像と同一となり、復
号化する動画像の画質を劣化させることが無くなる。以
上で入力フレームf1(キーフレーム)に対する圧縮符
号化処理が終了する。
f2が符号化器に入力すると、ステップST2でそのフ
レームf2がキーフレームか否かが条件判定される。フ
レームf2はキーフレームでは無いからステップST9
に処理が移行し、フレームf2は複数のブロック領域
(以下、GOBと呼ぶ。)に分割され、次いでステップ
ST9でこれらブロック領域(GOB)の中から単数ま
たは複数の特定領域(以下、キーGOBと呼ぶ。)が指
定される。図4(a)に4個のGOBに分割されたフレ
ームf2を模式的に示す。フレームf2は垂直方向に十
数画素〜数十画素単位で4個のGOBに分割されてお
り、その第1段目GOBがキーGOBに指定されてい
る。図2(b)〜(d)に示すようにフレームf2に続
いて符号化器に順次入力するフレームf3〜f5も複数
のGOBに分割され、フレームf3の第2段目GOB、
フレームf4の第3段目GOB、フレームf5の第4段
目GOBがそれぞれキーGOBに指定される。図5に示
すようにこのようなフレームf1〜f5は時間軸に沿っ
て配列している。
後、フレームf2はGOBを更に8×8画素または16
×16画素程度の基本処理単位に分割したブロック毎に
順次処理される。ステップST11では処理対象である
ブロックがキーGOBに属するか否かが条件判定され
る。当該ブロックがキーGOBに属する場合、ステップ
ST12で当該ブロックは上記フレーム内符号化を施さ
れた後に、ステップST19でエントロピ符号化され上
記画像情報および上記圧縮情報と共に多重化されてビッ
トストリームとなって出力される。またステップST1
2でブロックをフレーム内符号化して出力される量子化
係数は、ステップST13で局部復号化(逆量子化およ
び逆DCTなどの逆直交変換)を施された後に特定領域
メモリ2に蓄積される。
キーGOBに属しない場合はステップST14のサブル
ーチンに処理が移行し、図3に示すようにステップST
15で入力フレームの当該ブロックとキーフレームメモ
リ1に格納されたキーフレームとの差分値と、差分絶対
値和Sとが算出される。次いでステップST16でその
差分絶対値和Sが閾値以下か否かの条件判定がなされ、
その差分絶対値和Sが閾値以下の場合はステップST1
7に処理が移行し、当該ブロックはキーフレームメモリ
1に格納したキーフレームを参照して上記フレーム間符
号化を施される。他方、その差分絶対値和Sが閾値を超
えている場合はステップST18に処理が移行し、当該
ブロックは上記フレーム内符号化を施される。このよう
に上記ステップST17,ST18で符号化された量子
化係数は、図1に示すステップST19で可変長符号化
(エントロピ符号化)と上記多重化処理を施されビット
ストリームとなって出力される。以上で入力フレームf
2に対する圧縮符号化処理が終了する。
入力するフレームf3,f4,…も、キーフレームが入
力する迄はフレームf2の場合と同様に処理される。よ
って、上記ステップST13で復号化されたキーGOB
1〜4が特定領域メモリ2にフレーム1枚分蓄積され、
図5に模式的に図示するようにキーGOB1〜4は特定
領域メモリ2で参照フレームAに合成される。この参照
フレームAは、後に入力するキーフレームを上記ステッ
プST3のサブルーチンでフレーム間符号化する際に利
用される。
化方法では、上記ステップST3で特定領域メモリ2に
蓄積した参照フレームとの差分の大小によりフレーム内
符号化とフレーム間符号化とを選択的に実行しており、
また上記ステップST9,ST10で入力フレームを複
数のGOBに分割してキーGOBを指定し、時間軸に沿
った複数のフレームにフレーム1枚分のキーGOBを分
散させ、これら各キーGOBがフレーム内符号化され
る。このためフレーム内符号化処理量が時間的に分散さ
れることとなり、圧縮符号化処理量の急激な増大が抑え
られて符号化処理量が時間的に平坦化し、伝送先におい
て動画像の再生速度が変化せず良質の動画像を圧縮伝送
できるという効果が得られる。特にインターネットなど
の帯域幅が制限された伝送路ではその効果が発揮され
る。
に分散された上記キーGOBが蓄積され、これらキーG
OBからなる参照フレームAが構成される。この参照フ
レームAは異なる時刻のキーGOBの集積体である。本
実施の形態1ではこの参照フレームAとキーフレームと
の差分の大小によりフレーム内符号化とフレーム間符号
化とが選択的に実行される。このため、異なる時刻のキ
ーGOBからなる参照フレームAを用いることに起因す
るGOB間の画質の差が緩和され、良質の動画像を圧縮
伝送することが可能となる。
態2に係る復号化方法を以下に詳説する。図6は、本実
施の形態2に係る復号化方法を実現するためのフローチ
ャートである。
ータはビットストリームとなって本実施の形態2に係る
復号化器に入力する(ST20)。その圧縮画像データ
はそのビットストリームから分離された後にステップS
T21で復号化される。すなわち、上記符号化器から本
実施の形態2に係る復号化器に上記フレームf1,f
2,…の圧縮データが順次入力するから、ステップST
21でキーフレームf1の圧縮データに対して、上記実
施の形態1のステップST3のフレーム内符号化あるい
はフレーム間符号化の復号化処理が8×8画素や16×
16画素程度のブロック単位で施される。キーフレーム
f1の圧縮データを復号化する際、予め特定領域メモリ
11に格納した参照フレームf0が利用される。また復
号化したキーフレームf1は、キーフレームメモリ10
に格納される。
復号化器に入力するフレームf2,f3,…の圧縮デー
タに対して、上記実施の形態1のステップST12,S
T14〜ST18におけるフレーム内符号化あるいはフ
レーム間符号化の復号化処理が上記ブロック単位で施さ
れる。フレーム間符号化の復号化処理を行う際は、キー
フレームメモリ10に格納したキーフレームf1が利用
される。またフレームf2,f3,…が復号化される
際、基本処理単位であるブロックがキーGOBに属する
場合は当該ブロックは特定領域メモリ11に蓄積され
る。フレーム1枚分のキーGOBが蓄積されると、これ
らキーGOBからなる参照フレームAが合成され、後に
復号化器に入力するキーフレームの圧縮データを復号化
する際に利用される。例えば、図4(a)〜(d)に示
したフレームf2〜f5の圧縮データが復号化器に入力
する場合、各キーGOBを構成するブロックの圧縮デー
タはフレーム内復号化を施された後に特定領域メモリ1
1に順次蓄積され、参照フレームAを再構成する。
フレーム群f1,f2,…をそのまま動画像表示した場
合、上記符号化器でフレーム内符号化したGOBとフレ
ーム間符号化したGOBとの間で動画像の画質の差が顕
れやすく、特にフレーム内符号化したキーGOBが動画
像中に判然と観られる場合がある。かかる場合を防ぐべ
く、本実施の形態2は図6に示すステップST22にお
いて、上記ステップST21で復号化したキーGOBの
みを再び符号化した後に復号化するキーGOB再量子化
処理を備えることが特徴である。
ローチャートである。図7に示すように、先ず8×8画
素または16×16画素程度のブロックが入力する(S
T30)。次にそのブロックはステップST31でキー
GOBに属するか否かを条件判定され、当該ブロックが
キーGOBに属しない場合は当該ブロックは再量子化さ
れず、キーGOB再量子化処理は終了し、図6に示すス
テップST23に処理が移行する。他方、当該ブロック
がキーGOBに属する場合はステップST32に処理が
移行し、キーフレームメモリ10に蓄積されたキーフレ
ームと当該ブロックとの画素値の差分値と、その差分値
の差分絶対値和Sとが算出される。次いでステップST
33で、その差分絶対値和Sが閾値以下か否かの条件判
定がなされ、差分絶対値和Sが閾値を超えた場合は当該
ブロックは再量子化されず、キーGOB再量子化処理は
終了し、図6に示すステップST23に処理が移行す
る。
和Sが閾値以下であると判定された場合はステップST
34以後に処理が移行する。先ずステップST34にお
いて、当該ブロックとキーフレームとの差分信号を変換
符号化し、次いでステップST35でその変換係数を量
子化する。これらステップST33〜ST35の処理
は、上記符号化器で行った差分絶対値和Sによる符号化
方法(フレーム間符号化、フレーム内符号化)の判定処
理(ST16)や、DCTなどの直交変換および量子化
処理(ST17)と同じものである。その後、ステップ
ST36でその量子化係数を逆量子化し、次いでステッ
プST37で上記ステップST34の変換符号化の復号
化(逆DCTなどの逆直交変換)を実行する。この結
果、上記ステップST34〜ST37の処理に伴い、上
記符号化器でキーGOB以外のブロック領域をフレーム
間符号化した後に復号化器でその符号化信号を復号化し
た時と同様に量子化誤差を含む不可逆の差分信号が得ら
れる。次に、ステップST38でキーフレームメモリ1
0に格納したキーフレームを用いてその差分信号からブ
ロックが再構成され出力される。
ブロックは、図6に示すステップST23においてフレ
ーム(復号化画像)に合成された後に出力される。以上
のキーGOB再量子化工程を図4に示したフレームf2
〜f5を例に挙げて説明すると、図8に模式的に示すよ
うに、上記ステップST21で復号化されたフレームf
2〜f5のキーGOBは、キーフレームメモリ10に格
納したキーフレームとの差分をとられる。次に上記ステ
ップST32でその差分値の差分絶対値和Sが閾値以下
か否か、すなわちフレーム間符号化するか否かの判定が
なされ、差分絶対値和Sが閾値以下の場合はキーGOB
に対してフレーム間符号化(変換符号化および量子化)
が施され、次いでそのフレーム間符号化の復号化(逆量
子化および逆変換復号化)が施されることで、上記フレ
ームf2〜f5に対応する復号化画像F1〜F5が生成
される。
実施の形態1に係る圧縮符号化処理(ST15〜ST1
7)と同様の手順で、キーGOBとキーフレームとの差
が小ならば当該キーGOBとキーフレームとの差分信号
に対して圧縮符号化を施した後に、その復号化を施しキ
ーGOBを再構成するから、上記符号化器でキーGOB
以外のブロック領域をフレーム間符号化した後に復号化
器でその符号化信号を復号化した時と同様に、キーGO
Bにフレーム間符号化およびその復号化に伴う誤差が混
入される。よって、復号化した動画像を表示する際にキ
ーGOBが動画像中で目立つことが無く、その動画像を
観る人に違和感を与えることが無いという効果が得られ
る。
た基本発明を前提とする本発明の実施の形態について説
明する。図9は、本発明の実施の形態による画像配信シ
ステムの構成を示すブロック図である。この画像配信シ
ステム120は、画像配信装置20、通信回線40、お
よび端末装置30を備えている。画像配信装置20は、
図1に示した実施の形態1による圧縮符号化方法を実行
し、ビットストリームの形式で圧縮符号化画像信号を通
信回線40へ出力する。通信回線40の一例は、LAN
あるいはインタネット等のネットワークである。端末装
置30は、通信回線40へ接続されることにより、画像
配信装置20が時間に沿って出力する圧縮符号化画像信
号を、端末装置30のユーザが指定する任意の時点から
受信し、かつ復号化するように構成されている。なお本
明細書では、基本発明による符号化方法および復号化方
法を、「SRVC(Super Real Video Codec)方式」と仮
称する。
出力するSRVC方式にもとづく圧縮符号化画像信号で
は、一つのキーフレームからつぎのキーフレームの直前
のフレームまでが、一つのフレーム群を構成する。一つ
のフレーム群には、キーフレームおよびこれに後続する
複数のフレームP-GOBが含まれる。フレームP-GOBとは、
図4に例示したように、フレーム内の特定領域であるキ
ーGOBを有するフレームであり、「キーGOBありP
ピクチャ」あるいは「通常フレーム」とも仮称する。フ
レームP-GOBのうち、キーGOB(特定領域)を除いた
領域である非特定領域(例えば、図4においてGOBと
記載される領域)は、同一のフレーム群に属するキーフ
レームを参照フレームとしてフレーム間符号化されてい
る。
は、フレームPを挿入することも可能である。フレーム
Pは、キーGOBを含まず、同一のフレーム群に属する
キーフレームを参照フレームとして、フレーム全体にわ
たってフレーム間符号化されたフレームである。フレー
ムPは、「キーGOBなしPピクチャ」とも仮称する。
したがって、フレーム群のうちのキーフレームを除いた
フレームP-GOBおよびフレームPのいずれも、同一のフ
レーム群に属するキーフレームとの差分画像であり、当
該キーフレームに依存している。また、フレームP-GOB
に含まれるキーGOBは、つぎのフレーム群に属するキ
ーフレームのフレーム間符号化のために参照フレームと
して用いられ、当該キーフレームは、これらキーGOB
の1フレーム分の集合との差分画像となっている。すな
わち、キーフレームは前のフレーム群に属するフレーム
P-GOBに依存している。
縮符号化画像信号では、すべてのフレームは互いに補完
関係にある。SRVC方式にもとづく圧縮符号化画像信
号では、先頭のフレームについてはフレーム内符号化さ
れるので、時間に沿って出力される圧縮符号化画像信号
を端末装置30が先頭から受信し復号化する上では、何
らの問題を生じない。しかしながら、端末装置30が圧
縮符号化画像信号を中途から受信する場合には、受信開
始後の各フレームが他のフレームに依存しているので、
受信した各フレームを単独で復号化することはできな
い。このために、端末装置30は、受信を開始した後
に、フレームの復号化が可能となるまで、各フレームに
含まれる必要なデータを保存することにより、その後の
復号化を可能にしている。以下に、端末装置30の構成
および動作手順について詳細に説明する。
ブロック図である。端末装置30は、端末装置本体部3
1およびモニタ32を備えている。端末装置本体部31
は、インタフェース33、伸張部34、画像記憶部3
5、ビデオエンコーダ36、制御部37、および、これ
らを互いに接続するバスライン38を備えている。イン
タフェース33は、通信回線40に接続されることによ
り、通信回線40を媒介して画像配信装置20との通信
を行う。伸張部34は、インタフェース33が受信する
圧縮符号化画像信号を復号化する。ビデオエンコーダ3
6は、伸張部34で復号化された画像信号を、デジタル
形式からアナログ形式へ変換する。ビデオエンコーダ3
6が出力するアナログ画像信号は、モニタ32へ入力さ
れる。モニタ32は、入力されたアナログ画像信号を画
面に表示する。
ウェア)にもとづいて動作するCPUで構成され、各要
素33〜37を制御する機能を果たしている。制御部3
7は、CPUに代えて、ハードウェアのみで構成される
LSIで構成されても良い。画像記憶部35は、伸張部
34による処理の過程で一時的に画像信号を保持するた
めのワークメモリであり、図6に示したキーブロックメ
モリ11およびキーフレームメモリ10を含んでいる。
制御部37がCPUで形成される場合には、画像記憶部
35はCPUの動作を規定するプログラムを格納するメ
モリとしても機能する。端末装置本体部31に含まれる
要素33〜37は、それらのいくつか、あるいは一つ一
つが単一の半導体チップ(LSIまたはシステムLS
I)で構成されても良く、全体が単一の半導体チップ
(システムLSI)で構成されても良い。
フローチャートである。端末装置30に対してユーザが
所定の指示操作を行うと、インタフェース33が通信回
線40を通じて画像配信装置20へ接続され、図12の
処理が開始される。図12が示すステップST20〜S
T23の処理は、図6に示した同一符号の処理と同等で
ある。すなわち、図12の処理は、ステップST20と
ステップST21との間に、ステップST40,ST4
1が挿入され、さらにステップST41から分岐するス
テップST42,ST43が付加されている点におい
て、図6の処理とは特徴的に異なっている。
ームに対して連続的に行うものであり、例えばステップ
ST22の処理が一つのフレームに対して行われている
ときに、つぎのフレームに対してステップST20の処
理が同時に行われることも有り得る。すなわち好ましく
は、端末装置30は圧縮符号化画像信号に対する処理
を、パイプライン処理の形式で実行する。このことは、
図1および図6に示した処理においても同様である。図
1、図6、および図12は、画像信号に対して行われる
パイプライン処理について、任意の1フレームに着目し
て、当該フレームに対する処理の流れを示したものであ
る。一つのフレームに対する処理の終了時点とつぎのフ
レームに対する開始時点との間の時間的前後関係を無視
すれば、図1、図6、および図12の処理は、1フレー
ム毎に反復的に実行される。
は、画像配信装置20が出力するビットストリーム形式
の圧縮符号化画像信号を受信する(ステップST2
0)。画像配信装置20は、ユーザのアクセスの有無に
関わりなく、圧縮符号化画像信号を出力する一方、受信
を開始するタイミングはユーザの操作に規定されるた
め、圧縮符号化画像信号の先頭から受信が開始されると
は限らない。
信開始後に最初に受信されるキーフレームに後続する最
初のフレームP-GOBより前のフレームであるか否かが判
定される(ステップST40)。図13に例示する圧縮
符号化画像信号において、左端に位置するキーフレーム
が最初に受信されるキーフレームであるとすると、その
直後のフレーム(図13において、ハッチが付されたフ
レーム)が、最初に受信されるキーフレームに後続する
最初のフレームP-GOBに相当する。したがって、受信が
開始された後、このフレームP-GOBが受信されるまでの
期間は、ステップST40の判定は肯定的(Yes)で
あり続ける。このとき、受信したフレームの信号は破棄
され、当該フレームに対する処理は終了し、つぎのフレ
ームに対する処理が開始される。
されるキーフレームに後続する最初のフレームP-GOBま
たはそれ以後のフレームであるときには、ステップST
40の判定は否定的(No)となる。このとき、現在受
信しているフレームが、最初に受信したキーフレームが
属するフレーム群(「初期フレーム群」と称する)に属
するか否かが判定される(ステップST41)。言い換
えると、キーフレームを第2回目に受信する前であるか
否かが判定される。ステップST41の判定がYesで
あれば、伸張部34はキーGOBのみを復号化し(ステ
ップST42)、キーブロックメモリ11へストアする
(ステップST43)。ステップST42,ST43で
は、フレームP-GOBを処理対象とするときには、その中
に含まれるキーGOBのみが復号化およびストアの対象
とされ、残りのGOBについては破棄される。また、フ
レームPが処理対象であるときには、そのすべてのデー
タが破棄される。ステップST43が終了すると、一つ
のフレームに対する図12の処理は終了する。
き、すなわち処理対象とするフレームが初期フレーム群
に後続するフレーム群に属するようになったとき(例え
ば図13の例で、右側のキーフレーム以降のフレームで
あるとき)には、ステップST21の処理が行われる。
ステップST21では、処理対象とされるフレームがキ
ーフレームであれば、キーブロックメモリ11にストア
されている1フレーム分のキーGOBを用いて、フレー
ム間復号化が行われ、復号化されたキーフレームはキー
フレームメモリ10へストアされる。
Bであれば、これに含まれるキーGOBについてはフレ
ーム内復号化が行われ、キーブロックメモリ11へ、す
でにストアされているキーGOBを更新する形式でスト
アされる。フレームP-GOBの中のキーGOB以外の部分
については、キーフレームメモリ10にストアされるキ
ーフレームを参照フレームとして、フレーム間復号化が
行われる。また、処理対象とされるフレームがフレーム
Pであれば、キーフレームメモリ10にストアされるキ
ーフレームを参照フレームとして、フレーム間復号化が
行われる。各フレームのうちキーGOBを除く部分につ
いてステップST21で実行される復号化処理では、図
6を引用しつつ既に説明したように、処理対象とされる
部分にフレーム内圧縮符号化とフレーム間圧縮符号化と
が選択的に施されているときには、これらの圧縮符号化
の形態に対応して、フレーム内復号化とフレーム間復号
化とが選択的に行われる。
了すると、望ましくはステップST22の処理を経た上
で、さらにステップST23の処理を経た後に、1つの
フレームに対する図12の処理は終了し、つぎのフレー
ムに対する処理が開始される。ステップST22の処理
を実現するには、図11に示した端末装置本体部31
に、制御部37の指示にもとづいてステップST22の
処理を実行する再量子化処理部を、バスライン38に接
続する形態で追加的に設けると良い。ステップST23
の処理は、ビデオエンコーダ36によって実行される。
で、図14の動作説明図が示すように、初期フレーム群
に後続するフレーム群に対しては、図6に示した復号化
処理と同一の処理が行われる。すなわち、圧縮画像信号
の受信がどの時点で開始されても、初期フレーム群の受
信が完了した後、すなわち受信開始から最長2フレーム
群の受信が完了した後には、圧縮画像信号を復号化する
ことが可能となる。すなわち、任意の時点からの受信お
よび復号化が可能であり、かつ受信開始から復号化開始
までの待ち時間を短く抑えることができる。
は、最初に受信されるキーフレームに後続する複数の通
常フレームに配分されている1フレーム分の複数の特定
領域を復号化するとともに記憶し、これにもとづいて、
その後に受信されるキーフレームの復号化が行われ、さ
らに復号化されたキーフレームにもとづいて、後続する
通常フレームの復号化が行われる。また、受信される各
フレーム群ごとに1フレーム分の複数の特定領域が復号
化され、過去のデータを更新した最新のデータとして記
憶される。このため、圧縮画像信号の受信をどの時点で
開始しても、最長2フレーム群の受信が完了した後に
は、復号化を実行することが可能である。すなわち、任
意の時点からの受信および復号化が可能であり、かつ受
信開始から復号化開始までの待ち時間を短く抑えること
ができる。
ムでは、コンピュータに搭載することにより、第1の態
様にかかる方法を実行することができる。
係る符号化方法を実現するフローチャートである。
ーチャートである。
ーチャートである。
示す説明図である。
の模式図である。
係る復号化方法を実現するフローチャートである。
めのフローチャートである。
の模式図である。
構成を示すブロック図である。
像信号の一例を示すデータ構造図である。
る。
ャートである。
信号の一例を示すデータ構造図である。
ある。
ャートである。
ャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数のフレーム群の各々がキーフレーム
とこれに後続する複数の通常フレームとを含んでおり、
前記複数の通常フレームには、全体で1フレームを構成
可能でフレーム内符号化された複数の特定領域が、互い
に異なる位置に配分されており、1フレーム分の前記複
数の特定領域を参照フレームとしてフレーム間符号化す
ることにより、前記複数のフレーム群のうち、つぎのフ
レーム群に属する前記キーフレームが得られており、前
記複数の通常フレームの各々は、前記複数の特定領域の
うちの自身に配分された特定領域を除く部分である非特
定領域については、前記複数のフレーム群のうち自身と
同一のフレーム群に属する前記キーフレームを参照フレ
ームとしてフレーム間符号化されており、前記複数のフ
レーム群の時間に沿った集合である圧縮符号化画像信号
を受信しかつ復号化する動画像復号化方法であって、 (a)前記圧縮符号化画像信号を少なくとも一部の期間に
わたって受信する工程と、 (b)前記複数のフレーム群のうち、前記工程(a)で最初に
受信されるキーフレームが属するフレーム群である初期
フレーム群に対して、当該初期フレーム群に含まれる1
フレーム分の前記複数の特定領域のみを復号化し、かつ
記憶する工程と、 (c)前記複数のフレーム群のうち、前記工程(a)で前記初
期フレーム群より後に受信されるフレーム群ごとに復号
化を行う工程と、を備え、 前記工程(c)は、 (c-1)復号化されかつ記憶されている1フレーム分の最
新の前記複数の特定領域を参照フレームとして、復号化
の対象とされる前記フレーム群に属する前記キーフレー
ムをフレーム間復号化しかつ記憶する工程と、 (c-2)復号化されかつ記憶されている最新のキーフレー
ムを参照フレームとして、復号化の対象とされる前記フ
レーム群に属する前記複数の通常フレームの各々の前記
非特定領域をフレーム間復号化する工程と、 (c-3)復号化の対象とされる前記フレーム群に含まれる
1フレーム分の前記複数の特定領域を復号化しかつ記憶
する工程と、を備える動画像復号化方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の動画像復号化方法をコ
ンピュータ上で実現するために、前記各工程をコンピュ
ータに実行させるためのプログラム。
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2001
- 2001-06-06 JP JP2001170574A patent/JP4451023B2/ja not_active Expired - Fee Related
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