JP2002364400A - 経済運転評価方法、経済運転評価装置および経済運転評価プログラム - Google Patents

経済運転評価方法、経済運転評価装置および経済運転評価プログラム

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JP2002364400A JP2001174883A JP2001174883A JP2002364400A JP 2002364400 A JP2002364400 A JP 2002364400A JP 2001174883 A JP2001174883 A JP 2001174883A JP 2001174883 A JP2001174883 A JP 2001174883A JP 2002364400 A JP2002364400 A JP 2002364400A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運行管理計を用いた正確な経済運転評価
を行なうことにより、ドライバーに対し適切な運転指導
を行い、燃料消費量を削減するための経済運転評価方
法、経済運転評価装置および経済運転評価プログラムを
提供する。 【解決手段】 運行管理計2によって記録される速度デ
ータ5を用いて加速回数を計数し、単位走行距離内にお
ける加速回数によって経済運転評価を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経済運転評価方
法、経済運転評価装置および経済運転評価プログラムに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題意識が高まってお
り、自動車などの車両の燃料消費量に現れる運転の経済
性を向上させることが課題となっている。このために車
両の操作者(乗務員)は経済運転を実施するための適切
な運転技術を身に付けることが望ましい。すなわち、乗
務員に対しては、経済運転を心掛ける点で注意が喚起さ
れており、これに応じた良心的な乗務員はアイドリング
ストップを励行し、急発進、急ブレーキを避けている。
また、これに関連して、車両を用いた各業務の事業者の
中には各乗務員に燃料消費を低減するような運転技術を
身に付けるように指導する業者もいる。
【0003】ところで、各車両の経済運転状況を公正に
評価するための方法として、エンジン回転数のデータを
用いて、平均エンジン回転数、累算エンジン回転数から
経済運転の評価とすることが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の評価方法では各車両による正確な燃料消
費量を求めることは到底できなかった。すなわち、同じ
エンジン回転数であっても加速時には多量の燃料を消費
しており、一定速走行する場合に比べて燃料消費が多く
なることは避けられず、同じ走行距離であっても乗務員
が急発進、急ブレーキを常習的に行っている場合には、
そのほかの場合に比べて大量の燃料を消費していた。逆
に、高速道路をほゞ一定速度で走行する場合に消費する
燃料は一般道路を頻繁に加減速して走行するときの燃費
よりもはるかに良くなる。
【0005】これに対し、単に平均エンジン回転数、累
算エンジン回転数などを用いて評価する方法であれば、
高速道路を走行した場合は、平均エンジン回転数、累算
エンジン回転数はいずれも高い値となり、その評価が悪
くなる一方、一般道路を走行した場合は、それぞれの値
が低くなり、評価が良くなることとなる。つまり、従来
の方法では走行状態により評価が影響し、実際の燃費と
はかけ離れた評価を出すことが少なくなかった。また、
車両の種類(大きさ)によっても平均値、累算値が異な
る場合があり、これが評価に影響することもあった。
【0006】本発明は、上述の事柄を考慮に入れてなさ
れたものであって、運行管理計を用いた正確な経済運転
評価を行なうことにより、ドライバーに対し適切な運転
指導を行い、燃料消費量を削減するための経済運転評価
方法、経済運転評価装置および経済運転評価プログラム
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の経済運転評価方法は、運行管理計によって
記録される速度データを用いて加速回数を計数し、単位
走行距離内における加速回数によって経済運転評価を行
なうことを特徴としている。
【0008】つまり、エンジン回転数から求められる値
(平均値、累算値)は、車両の種類や走行状態により大
きく変動するのに対し、運行管理計から加速回数を求
め、その回数を評価することによって、より正確に経済
運転評価を行うことができる。
【0009】図7は前記単位走行距離内の加速回数と燃
料消費量との関係を示すグラフである。この図が示すよ
うに、加速回数と燃料消費量との間にほゞ直線的な関係
がある。つまり、単位走行距離における加速回数を削減
できればそれだけ燃料消費量を削減でき、その燃費が良
くなることが分かる。そして、本発明はこの関係に基づ
いて運行管理計によって所定間隔で記録される速度デー
タを有効に活用して経済運転評価を行うことにより、極
めて簡素化された方法でほゞ正確な経済運転評価を求
め、各運転者(乗務員)に対して適切な運転指導を行
い、燃料消費量を削減できる。
【0010】本発明のもう一つの経済運転評価方法は、
前記加速回数の計数を前記速度データとともに、加速度
データ、加速度と燃費の相関データまたは加速時の加速
帯データのうち少なくとも一つのデータを用いて行うも
のである。すなわち、加速回数を数えるだけでなくその
加速回数データに加速時の加速度に基づいた重み付けを
して累算することにより、より正確な燃料消費量を算出
することができ、ドライバーに対してより的確な運転指
導を行うことができる。また、前記重み付けは速度帯に
応じて異なるようにしてもよい。
【0011】本発明の経済運転評価装置は、運行管理計
によって記録される速度データを用いて加速回数を計数
し、単位走行距離内における加速回数を算出して経済運
転評価を行なう機能を有する情報処理装置からなること
を特徴としている。
【0012】本発明のもう一つの経済運転評価装置は、
前記情報処理装置が前記加速回数の計数を前記速度デー
タとともに、加速度データ、加速度と燃費の相関データ
または加速時の加速帯データのうち少なくとも一つのデ
ータを用いて行う機能を有する情報処理装置からなる。
【0013】また、本発明の経済運転評価プログラム
は、情報処理装置に、運行管理計によって記録される速
度データを用いて加速回数を計数し、単位走行距離内に
おける加速回数によって経済運転評価を行なう処理を実
行させることを特徴としている。
【0014】本発明のもう一つの経済運転評価プログラ
ムは、情報処理装置に、前記加速回数の計数を前記速度
データとともに、加速度データ、加速度と燃費の相関デ
ータまたは加速時の加速帯データのうち少なくとも一つ
のデータを用いて行う処理を実行させるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の経済運転評価方法
を実施するための経済運転評価装置の構成を示す図であ
る。図1において、1は評価対象となる乗務員が操縦す
る車両、2はの車両1に取り付けられたデジタル式の運
行管理計、3はこの運行管理計2からのデータを分析す
る情報処理装置(以下、パソコンという)である。
【0016】2aは例えば車両1のタイヤの回転数に応
じて出力されるパルス信号を用いて車両1の速度を測定
し運行管理計2に出力する車速センサ、2bは運行管理
計2に挿入されて運行管理データを記録するためのカー
ド型の記録媒体(以下、メモリーカードという)であ
る。
【0017】また、3aはパソコン3の補助記憶装置を
含めた記憶部であり、3bはパソコン3に接続されて、
前記メモリーカード2bに記録された情報をパソコン3
によって読み出し可能とするためのカードリーダ、Pは
記憶部3aに記憶されているプログラムであり、本発明
の特徴となる経済運転評価プログラムP1 を含んでい
る。そして、パソコン3はこのプログラムPを実行する
ことにより、運行管理計2によってメモリーカード2b
に記録された速度データを読み出して、この速度データ
を解析することにより、経済運転評価を行なう経済運転
評価装置4を構成する。
【0018】なお、本発明は前記経済運転評価装置4の
構成をパソコン3に限定するものでも、速度データをメ
モリーカード2bに記憶することに限定するものでもな
い。すなわち、運行管理計2内に前記経済運転評価プロ
グラムP1 を記憶することにより、運行管理計2のCP
Uなどの情報処理装置を経済運転評価装置4とすること
も可能である。また、速度データを記憶媒体2bに記録
して持ち運ぶ必要もなく、経済運転評価プログラムP1
が速度データを計測した時点でリアルタイムに経済運転
評価を行なう演算を行うことも可能である。
【0019】図2〜4は経済運転評価の演算を行なう経
済運転評価プログラムP1 の一例を示す図である。
【0020】図2において、S1は速度記録を開始する
ステップであり、加速回数をゼロにして以下の演算に備
えるものである。
【0021】S2は例えば0.5秒毎に記録された速度
データをメモリーカード2bから読み込んで比較するス
テップである。ここでは、前回の速度データを速度A、
今回の速度データを速度Bとしている。そして、前回に
比べて今回が大きい場合は次のステップS3に進み、小
さいときは次の速度データを読み込むためにステップS
2に戻ってループ処理を続ける。なお、経済運転評価プ
ログラムP1 を運行管理計内で実行する場合は、このス
テップS2による速度データの読み込みを車速センサ2
aから行なうことにより、リアルタイムの処理を行うこ
とができる。
【0022】S3は加速回数に1を加えるステップであ
る。すなわち、0.5秒毎に記録される速度データが前
回記録したものに比べて1km/h以上大きくなったと
きに、加速回数を1回として計数する。なお、本例では
0.5秒毎に前回の速度データと比較する加速回数の計
数方法を例示しているが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0023】S4はメモリーカード2bに記録された速
度データが終了したかどうかを判断するステップであ
り、速度データがまだ残っている場合はステップS2に
戻り、速度データが終了した場合は次のステップS5に
処理を進めるものである。なお、経済運転評価プログラ
ムP1 を運行管理計2内で実行する場合は、このステッ
プS4の判断は走行を終了したことによる記録終了を判
別するものである。
【0024】S5は前述のステップS2〜S4において
計数した加速回数を走行距離で除算するステップであ
り、これによって経済運転評価プログラムP1 は単位走
行距離内における加速回数を算出する。
【0025】S6は前記単位走行距離内における加速回
数を用いて経済運転の評価を出力するステップである。
【0026】図3は経済運転評価プログラムP1 の別の
変形例を示す図である。図3においてステップS7は速
度記録を開始するステップであり、ここで経済運転評価
に用いる累算値をゼロにして以下の演算に備える。
【0027】S8は速度データをメモリーカード2bか
ら読み込んで比較するステップであり、前回の速度デー
タを速度A、今回の速度データを速度Bとしている。そ
して、前回に比べて今回が大きい場合は次のステップS
9に進み、小さいときは次の速度データを読み込むため
にステップS8に戻ってループ処理を続ける。なお、ス
テップS8の処理も、経済運転評価プログラムP1 を運
行管理計内で実行する場合は、速度データの読み込みを
車速センサ2aから行なってリアルタイムの処理を行な
う。
【0028】S9は累算値に速度差を加えるステップで
ある。なお、累算値に加えられる速度差は前記速度Bか
ら速度Aを減算した値のみに限られるものではなく、こ
の値を所定の関係式によって変換した値を累算してもよ
い。
【0029】S10はメモリーカード2bに記録された
速度データが終了したかどうかを判断するステップであ
り、速度データがまだ残っている場合はステップS8、
速度データが終了した場合は次のステップS11にジャ
ンプする。
【0030】S11は前述のステップS8〜S10にお
いて累算した累算値を走行距離で除算するステップであ
る。そして、S12は前記単位走行距離内における累算
値を用いて経済運転の評価を出力するステップである。
【0031】図4は経済運転評価プログラムP1 による
評価の手順を示す図であり、例えば、単位走行距離内に
おける加速回数による評価点を出力するための手順を示
している。しかしながら、図4に示す手順は単位走行距
離内における累算値による評価点を出力するための手順
として用いることも可能であることはいうまでもない。
【0032】図4において、S13は平均値を算出する
ステップであり、例えば、運送業などを営む会社内にお
ける各車両1の平均値を求めることができる。しかしな
がら、この平均値は地域毎、車種毎など種々のグループ
毎に求めてもよい。
【0033】S14は前記ステップS13によって求め
た加速回数の会社平均を個人の評価点と比較するステッ
プであり、個人評価点が会社平均と比較して下回る場合
には、ステップS15にジャンプし、個人評価点が会社
平均を上回る場合にはステップS16にジャンプする。
【0034】ステップS15は、個人評価が良いという
出力を出すステップであり、ステップS16は個人評価
が悪いという出力を出すステップである。なお、本例で
は平均と比べて良いか悪いか判断をする例を示している
が、本発明はこの点だけに限定するものではない。すな
わち、グループ内の標準偏差など多段階の判断を行なう
ようにしてもよい。
【0035】また、本例では経済運転評価の演算を全て
経済運転評価プログラムP1 を用いて行なう例を示して
おり、これによって経済運転評価を容易に算出できるよ
うにしているが、本発明はこの点を限定するものではな
い。すなわち、経済運転評価をアナログまたはデジタル
回路を組み合わせたハードウェアを用いて演算してもよ
い。この場合はアナログまたはデジタルの演算回路が経
済運転評価装置4の情報処理装置となる。
【0036】図5は前記速度データの2つの例と、前記
経済運転評価プログラムP1 が図2に示した手順で演算
することにより、これらの速度データを解析して得られ
る経済運転評価の演算方法の例を説明する図である。こ
れらの図における横軸は時間である。
【0037】図5(A)に示す符号5はほゞ経済的な運
転技術を身につけた乗務員の運転によって得られる速度
データ、6はこの速度データ5を解析したときに経済運
転評価装置4内部に発生する信号、7はこの信号6を累
算して加速回数を計数した値、ta0〜ta7は加速度に変
化が生じた時点を示している。同様に、図5(B)に示
す符号8は非経済的な癖を有する乗務員の運転によって
得られる速度データ、9はこの速度データ8を解析した
ときに経済運転評価装置4内部に発生する信号、10は
この信号9を累算した値(加速回数)、tb0〜tb15
加速度に変化が生じた時点を示している。
【0038】また、前記運行管理計2の速度データ5,
8は任意の間隔および任意の分解能で記録することが可
能であるが、本例では例えば、0.5秒毎に1km/h
の分解能で記録されている。
【0039】次に、前記プログラムPを用いて経済運転
評価を行なう方法の一例を説明する。図5(A)の例で
は、時点ta0〜ta1,ta3〜ta4,ta6〜ta7の間に車
両1が加速していることが分かる。したがって、プログ
ラムPはこれらの時点ta0〜ta1,ta3〜ta4,ta6
a7の間は速度データが前回(つまり、0.5秒前)の
速度データに比べて1km/h以上大きくなっているこ
とを検出し、内部信号6を出力する。そして、この内部
信号6が出力されているときに1を順次計数してその合
計加速回数(累算値)7を求める。
【0040】ここで、一連の搬送経路を走行したときの
全走行距離(例えば2km)を走るまでの間に累算され
た合計加速回数が例えば40回であるとすると、プログ
ラムPは前記回数の40を走行距離数の2で除算して例
えば距離1kmを単位とする単位走行距離内における加
速回数が20であると算出する。
【0041】同様の演算方法で図5(B)の例に示す速
度データの変化を算出すると、時点tb0〜tb1,tb2
b3,tb4〜tb5,tb6〜tb7,tb8〜tb9,tb10
b1 1 ,tb12 〜tb13 ,tb14 〜tb15 の間に車両1
が加速していることが分かる。したがって、プログラム
Pはこれらの時点tb0〜tb1,tb2〜tb3,tb4
b5,tb6〜tb7,tb8〜tb9,tb10 〜tb11 ,t
b12 〜tb13 ,tb14 〜tb1 5 の間に内部信号9を出力
し、加速回数の累算値10を求める。
【0042】本例では、図5(B)において、図5
(A)と同じ走行距離(2km)を走るまでの間に累算
された合計回数が例えば110回であったとする。この
場合、プログラムPは前記回数の110を全走行距離数
の2で除算して単位走行距離内における加速回数が55
であると算出する。
【0043】すなわち、図5(A)に示す速度データ5
を記録するような運転を行った乗務員は図5(B)に示
す速度データ8を記録するような運転を行った乗務員と
比較してほぼ3倍程度の経済運転評価を得ることができ
る。なお、この経済運転評価は図7の単位走行距離内の
加速回数と燃料消費量との対応関係に基づいて、燃料消
費量に変換して表わしたり、全ての乗務員に対する偏差
値等に変換して出力するようにしてもよい。
【0044】単位走行距離内の加速回数を経済運転評価
に用いることができるのは、車両1が一般的に加速する
ときに燃料を消費し、減速時には燃料消費を行わないこ
とに着目し、その特性を活用したことによる。つまり、
運行管理計2であれば当然記録している速度データ5,
8を有効に活用することにより、構成の追加を必要最小
限に抑えながら、ほゞ正確な経済運転評価を得ることが
できる。
【0045】とりわけ、上述の例のように、経済運転評
価を行なう情報処理装置をパソコン3によって実行され
るプログラムPによって実現する場合には、従来から運
行管理システムに用いられているパソコン3をそのまま
活用することができ、ハードウェアの仕様を一切変更す
ることなく、経済運転評価装置4を構成することができ
る。つまり、それだけ容易に経済運転評価装置4を構成
することができる。
【0046】また、加速回数の累算値7,10は全走行
距離によって除算されるので、求められる経済運転評価
は走行距離の長短に関係なく、公平に比較することがで
き、燃費の良い運転を行なう乗務員の運転技術を、燃費
の悪い運転を行なう乗務員に教育することができる。
【0047】つまり、本発明の経済運転評価装置4を用
いることにより、前記車両1を用いた業務の事業者は、
各乗務員に対して燃料消費を低減するような運転技術を
身に付けるように適切な指導を行うことができ、これを
もって利益の向上につなげることができる。また、燃料
消費の削減は地球環境の維持にもつながる。
【0048】図6(A)、(B)は図3に示した手順で
演算することにより経済運転評価を求める例を示してい
る。本例において、図5(A),(B)と同じ符号を付
した部分は同一または同等の部分であるから、その詳細
な説明を省略して、重複説明を避ける。
【0049】図6(A)において、11は速度データ5
に対応して、それぞれの時点ta0〜ta1,ta3〜ta4
a6〜ta7の間における加速度に基づいて重み付けされ
た内部信号、12はその累算値を示している。同様に、
13は速度データ8に対応して、それぞれの時点tb0
b1,tb2〜tb3,tb4〜tb5,tb6〜tb7,tb8〜t
b9,tb10 〜tb11 ,tb12 〜tb13 ,tb14 〜tb15
の間における加速度に基づいて重み付けされた内部信
号、14はその累算値を示している。
【0050】前記加速度に基づく重み付けには種々の方
法が考えられるが、例えば、各車両1毎に加速度に対応
する燃料消費量を計測し、この加速度と燃費の相関デー
タを用いて重み付けを行うことができる。この場合、車
両1の排気量や車重などに適合したより正確な重み付け
を行うことができ、より一層正確な経済運転評価を得る
ことができる。
【0051】加えて、加速度に対応する重み付けは速度
帯毎に変えて行うことが望ましい。すなわち、低速走行
状態における所定加速で消費する燃料は、高速走行状態
における同じ所定加速で消費する燃料に比べて少なくな
るが、この点も考慮に入れて経済運転評価を行うことも
可能である。
【0052】例えば、前回の速度データと今回の速度デ
ータとを比較し、今回が大のとき単に「1」を計数する
のではなく、重み付けをした所定の数値(例えば「0.
5」,「2」,…等)を計数することができる。
【0053】重み付けの例としては、加速度の大きさ
によるもの(例えば前回との差が5kmのときと10k
mのときの相違を考慮するもの)、加速度に対応する
燃費(例えば前回との差が5kmのときの燃料消費量と
10kmのときの燃料消費量の相違を考慮するもの)、
速度帯(40km/hで走行中のときの加速か、70
km/hで走行中のときの加速かによる相違を考慮する
もの)の何れかまたはその組み合わせによって行なうこ
とができる。なお、加速度に対応する燃費および速度帯
による重み付けは、加速度に対する燃料消費量を示す加
速度データおよび速度帯毎の加速に対する燃料消費量を
示す速度帯データを予め作成して記憶し、これらを参照
することにより速度データおよび加速度データ(前回の
速度データ−今回の速度データ)から求めることができ
る。
【0054】本例の場合、図6(A)に示す速度データ
5に示す運転を行なう乗務員は、加速している時間が短
く、次に停止するまでは等速走行を行うので、経済運転
評価が高くなっているが、加速時の加速度が高くこれに
よって多くの燃料を消費しているので、より経済的な運
転を行うためには、加速時に踏み込むアクセル量をもう
少し抑えられることが分かる。
【0055】一方、図6(B)に示す速度データ8に示
す運転を行なう乗務員は、加減速を繰り返す癖によって
経済運転評価が低くなっており、この点で改善を必要と
していることが分かるが、これと同時に時点tb10 〜t
b11 における加速のように比較的緩やかな加速を心掛け
るだけで、燃料消費を大幅に削減できることを理解する
ことができる。
【0056】上述した各例に示すように、本発明の経済
運転評価装置4は極めて簡単な方法でありながら、より
正確な燃料消費量を概算して、経済運転評価を行うこと
ができるので、安価にて実現でき、各乗務員の運転技術
の向上に寄与できる。さらには、経済運転評価は運転の
荒さを評価することにもなり、安全運転管理の評価点と
しても用いることができる。
【0057】また、本発明はハードウェア上の構成要素
は一般的な運行管理計2とほとんど変わるところがな
く、従来より用いられている運行管理計2に本発明の経
済運転評価プログラムP1 を導入するだけで、実現可能
である。したがって、上述の例では経済運転評価プログ
ラムP1 がすでに情報処理装置に記憶されている例を示
しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、経済運転評価プログラムP1 はCD−ROM
等の記録媒体に記録して、これを従来の運行管理計シス
テムにインストールするようにしてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の経済運転
評価方法、経済運転評価装置および経済運転評価プログ
ラムよれば、既存の運行管理計のシステムを有効に活用
して、ほぼ正確な経済運転評価を行うことができ、各乗
務員が経済的な運転を目指して運転技術の向上に励むこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の経済運転評価装置の全体構成を示す図
である。
【図2】本発明の経済運転評価プログラムの一例を示す
図である。
【図3】前記経済運転評価プログラムの別の例を示す図
である。
【図4】前記経済運転評価プログラムによる評価手順を
示す図である。
【図5】前記経済運転評価装置を用いた経済運転評価方
法を説明する図である。
【図6】前記経済運転評価方法の別の例を示す図であ
る。
【図7】単位走行距離内における加速回数と燃費との関
係を示す図である。
【符号の説明】
1…車両、2…運行管理計、4…情報処理装置、5,8
…速度データ、P1 …経済運転評価プログラム。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運行管理計によって記録される速度デー
    タを用いて加速回数を計数し、単位走行距離内における
    加速回数によって経済運転評価を行なうことを特徴とす
    る経済運転評価方法。
  2. 【請求項2】 前記加速回数の計数を前記速度データと
    ともに、加速度データ、加速度と燃費の相関データまた
    は加速時の加速帯データのうち少なくとも一つのデータ
    を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の経済運
    転評価方法。
  3. 【請求項3】 運行管理計によって記録される速度デー
    タを用いて加速回数を計数し、単位走行距離内における
    加速回数を算出して経済運転評価を行なう機能を有する
    情報処理装置からなることを特徴とする経済運転評価装
    置。
  4. 【請求項4】 前記情報処理装置が前記加速回数の計数
    を前記速度データとともに、加速度データ、加速度と燃
    費の相関データまたは加速時の加速帯データのうち少な
    くとも一つのデータを用いて行う機能を有する請求項3
    に記載の経済運転評価装置。
  5. 【請求項5】 情報処理装置に、運行管理計によって記
    録される速度データを用いて加速回数を計数し、単位走
    行距離内における加速回数によって経済運転評価を行な
    う処理を実行させることを特徴とする経済運転評価プロ
    グラム。
  6. 【請求項6】 情報処理装置に、前記加速回数の計数を
    前記速度データとともに、加速度データ、加速度と燃費
    の相関データまたは加速時の加速帯データのうち少なく
    とも一つのデータを用いて行う処理を実行させる請求項
    5に記載の経済運転評価プログラム。
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