JP2002363860A - 生分解性繊維用油剤及びその繊維 - Google Patents

生分解性繊維用油剤及びその繊維

Info

Publication number
JP2002363860A
JP2002363860A JP2001164365A JP2001164365A JP2002363860A JP 2002363860 A JP2002363860 A JP 2002363860A JP 2001164365 A JP2001164365 A JP 2001164365A JP 2001164365 A JP2001164365 A JP 2001164365A JP 2002363860 A JP2002363860 A JP 2002363860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
weight
biodegradable
alkyl phosphate
spinning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001164365A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Yoshida
広治 吉田
Hiroshi Kajiyama
宏史 梶山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP2001164365A priority Critical patent/JP2002363860A/ja
Publication of JP2002363860A publication Critical patent/JP2002363860A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】生分解性繊維に優れた紡績性を与える処理剤に
関するものである。 【解決手段】(a)アルキル基の炭素数が16〜20で
あるアルキル燐酸エステル塩を40〜70重量%、
(b)アルキル基の炭素数が4〜8であるアルキル燐酸
エステル塩を30〜60重量%含有する事を特徴とし、
(c)25℃での粘度が4万mm2/s以上であるシリ
コーンを0〜20重量%含有する生分解性繊維用油剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性繊維に優れ
た紡績性を与える処理剤、及び紡績性に優れる生分解性
繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在最も広く利用されている紡績用繊維
素材は、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリ
エステルなどの合成樹脂である。
【0003】合成樹脂は大量に安価に製造できるという
メリットがある反面、使用後の廃棄方法をめぐる問題が
ある。すなわち、上述した合成樹脂からなる繊維は自然
環境中では殆ど分解せず、焼却をすると高い燃焼熱を発
生する恐れがある。
【0004】生分解性繊維の一つであるポリ乳酸は硬く
て脆いために紡績糸で重要な捲縮が弱く、繊維/金属間
や繊維/繊維間の摩擦もポリエステル等に比べて高いと
いう不利な点を有している。他、後加工により制電処理
を施しても、制電性が経時的に低下する傾向を示し、紡
績性がポリエステル、ナイロン等の合成繊維に比べて悪
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生分解性繊
維用油剤の組成を吟味し、ポリエステル、ナイロン等の
合成繊維並みの優れた紡績性を持った生分解性繊維及
び、生分解性繊維の紡績性を向上させる油剤を提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は(a)アルキル基
の炭素数が16〜20であるアルキル燐酸エステル塩を
40〜70重量%、(b)アルキル基の炭素数が4〜8
であるアルキル燐酸エステル塩を30〜60重量%含有
する事を特徴とし、(c)25℃での粘度が4万mm2
/s以上であるシリコーンを0〜20重量%含有する生
分解性繊維用油剤によって得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用するアルキル基の炭
素数が16〜20であるアルキル燐酸エステル塩(a)
において、アルキル基の炭素数が16より小さくなると
制電性が経時的に低下し易く、20より大きくなると制
電性自体が劣る。アルキル燐酸エステル塩の配合量は、
40〜70重量%であるが、より好ましくは50〜60
重量%である。40重量%より小さくなると制電性が経
時的に低下し易くなり、70重量%を超えると集束性が
低下するので好ましくない。又、アルキル燐酸エステル
塩の塩としてはアルカリ金属塩、アミン塩等が例示され
るが、アルカリ金属塩が好ましく、更に好ましくはカリ
ウム塩である。
【0008】アルキル基の炭素数が4〜8であるアルキ
ル燐酸エステル塩(b)において、炭素数が4より小さ
くなると配合油剤とした時の粘着性が大きく、繊維がロ
ーラーに捲き付く原因となる。又、8より大きい場合は
配合油剤とした時の制電性が低下する。アルキル燐酸エ
ステル塩の配合量は、30〜60重量%であるが、より
好ましくは40〜50重量%である。 30重量%より
小さくなると制電性が低下し易く、60重量%を超える
と制電性が再び低下してくる他、カード通過性が低下
し、ローラー捲付が増えるので好ましくない。
【0009】又、アルキル燐酸エステル塩の塩としては
アルカリ金属塩、アミン塩等が例示されるが、アルカリ
金属塩が好ましく、更に好ましくはカリウム塩やナトリ
ウム塩であり、カリウム塩とナトリウム塩の混合であっ
ても良い。
【0010】25℃での粘度が4万mm2/s以上であ
るシリコーン(c)は、1〜20重量%を限度とし、好
ましくは8〜15%である。上記範囲内であれば、優れ
た紡績性を持った生分解繊維を得る事が出来る。シリコ
ーンを配合するとカード通過性が向上し、ニードルパン
チング方式の不織布ではニードルパンチング性を向上さ
せることができる。シリコーンの粘度は、25℃で4万
mm2/s以上であるが、好ましくは8万〜11万mm2
/sであり、シリコーンのタイプとしては末端がヒドロ
キシメチル又はメチルであるものが好ましい。又、シリ
コーンは乳化剤で乳化された水系のエマルションとして
用いることが望ましい。
【0011】本発明の油剤には、集束性向上剤としてポ
リオキシアルキレンアルキルエーテルやポリエチレング
リコール高級脂肪酸エステル等のノニオン系の成分や、
カチオン系の制電剤、あるいはパラフィンワックスやカ
ルナバワックス等の潤滑剤を本発明の効果を失わない限
り添加することができる。又、必要があれば消泡剤や防
腐剤を添加しても良い。
【0012】本発明の油剤を適用する繊維は、ポリ乳
酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ琥珀酸アルキレン、ポリ
カプロラクトン等の生分解性繊維であるが、特にポリ乳
酸に好適に適用できる。
【0013】本発明の油剤は水で希釈したエマルション
として用いることが望ましく、このエマルションを紡
糸、延伸及びその他の給油工程で浸漬、スプレー又はそ
の他の方式によってトウ又はステープルファイバーに付
着させて処理する。
【0014】本発明油剤の生分解性繊維に対する付着量
は0.05〜1.0重量%、好ましくは0.2〜0.5
重量%である。上記範囲内であれば、優れた紡績性を持
った生分解繊維を得る事が出来る。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。最初
に、油剤の評価方法を紹介する。
【0016】<試料の作製>温水で脱脂して40℃で乾
燥したポリ乳酸繊維(1.4デシテックス、38mm)
に、実施例と比較例の油剤を水系エマルションにして、
スプレー法で付与した。水分率は50%になるように
し、油剤付着量(OPU)の異なる試料は、エマルショ
ンの濃度を変えることによって作製した。エマルション
を塗布した試料を40℃で2時間乾燥した後、20℃×
65%RHの雰囲気中に放置して調温調湿を行った。
【0017】<発生静電気>試料をオープナーで開繊し
た後、フラットカードに供給し、フライコームから出て
きたウェブ上の静電気を春日式集電器にて測定した。
又、得られたカードウェブを練条機にかけ、フロントロ
ーラーから出てきたスライバー上の静電気を測定した。
測定の温湿度は、カードにおいては20℃×45%RH
と20℃×65%RHの2水準、練条では20℃×45
%RHである。
【0018】<カードシリンダー捲付>試料30gを次
の条件でカードにかけた後、フラットを開放して繊維が
シリンダーに捲付いている部分の幅を測定し、これをシ
リンダー幅に対する百分率で示した。 シリンダー径:32cm シリンダーの回転数:400rpm シリンダー/フラット間のゲージ:11/2540〜1
4/2540cm 紡出速度:9m/min. 温湿度:20℃×65%RH
【0019】<精紡トップローラー捲付>練条上りの非
常に細いスライバーを精紡機にかけ、糸を切断してニュ
ーマーに吸引させた状態で運転し、この後、15分間に
発生する捲付回数を測定した。トップローラーに捲付が
発生すると捲付1回としてカウントし、運転を止めるこ
となく素早く捲付繊維を除去して運転を続けるという方
法で実施した。精紡機の運転は30℃×65%RHの温
湿度で行った。尚、ボトムローラーに対しては、いずれ
の試料においても捲付は認められなかった。
【0020】<練条スライバーのドラフト力>一定の長
さの練条スライバーをドラフトフォース・テスターにか
けてスライバーの引抜き抵抗力を測定し、これをスライ
バーの重量で除して抵抗力/スライバーの重量(g/
g)で表した。
【0021】<OPU測定法>迅速法にて抽出溶剤はエ
タノールで測定した。
【0022】<比較例、実施例の油剤について>次のア
ルキル燐酸エステルのカリウム塩は、公知の方法によっ
て合成できる。 C3PK:プロパノール燐酸エステルカリウム塩 C6PK:ヘキシル燐酸エステルカリウム塩 C8PK:オクチル燐酸エステルカリウム塩 C12PK:ラウリル燐酸エステルカリウム塩 C18PK:ステアリル燐酸エステルカリウム塩 C22PK:ドコサノール燐酸エステルカリウム塩 ジメチルシリコーン乳化物:25℃での粘度が10万m
2/sであるジメチルポリシロキサンの乳化物
【0023】<総合評価>各種テスト結果と実際に20
/1番手の紡績糸を試作し総合評価を行った。 ◎:静電気発生も無く、紡績性も非常に良好で紡績用油
剤として非常に優れている。 ○:静電気発生が少なく、紡績性も良好で紡績用油剤と
して優れている。 △:静電気発生があり、紡績性もやや不調で紡績用油剤
としてやや劣る。 ×:静電気発生があり、又静電性が経時的に低下した
り、紡績性も極めて不調で紡績用油剤として使用不可。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例1〜11はカード通過時の静電気発
生も小さく、紡績性も良好で生分解性繊維紡績用油剤と
して優れており特に問題はなかった。
【0027】
【表3】
【0028】比較例1〜2は油剤比が不適切なため、カ
ード通過時の静電気発生が大きく、又紡績工程でのロー
ラー捲付が多く、紡績性が不良で紡績用油剤としては使
用することは出来なかった。比較例3はOPUが高いため
にカード通過性が悪く紡績用油剤としては使用すること
は出来なかった。
【0029】
【表4】
【0030】比較例4〜7は、油剤成分が不適切なため
カード通過時の静電気発生が大きく、又紡績工程でのロ
ーラー捲付が多く、紡績性が不良で紡績用油剤としては
使用することは出来なかった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルキル基の炭素数が16〜20
    であるアルキル燐酸エステル塩を40〜70重量%、
    (b)アルキル基の炭素数が4〜8であるアルキル燐酸
    エステル塩を30〜60重量%からなる事を特徴とする
    生分解性繊維用油剤。
  2. 【請求項2】(c)25℃での粘度が4万mm2/S以
    上であるシリコーンを1〜20重量%含有する請求項1
    記載の生分解性繊維用油剤。
  3. 【請求項3】 請求項2において、(a)、(b)、
    (c)の各々が以下の成分であることを特徴とする請求
    項2記載の油剤。(a)アルキル燐酸エステル塩の塩が
    カリウムであるアルキル燐酸エステル塩、(b)アルキ
    ル燐酸エステル塩の塩がカリウム及び/又はナトリウム
    であるアルキル燐酸エステル塩、(c)25℃での粘度
    が8万〜11万mm2/sの末端がヒドロキシメチル又
    はメチルであるポリシロキサン。
  4. 【請求項4】 繊維に対して、請求項1乃至3いずれか
    に記載の油剤が0.05〜1.0重量%含まれる事を特
    徴とする生分解性繊維。
  5. 【請求項5】 主としてポリ乳酸からなる請求項4記載
    の生分解性繊維。
JP2001164365A 2001-05-31 2001-05-31 生分解性繊維用油剤及びその繊維 Pending JP2002363860A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001164365A JP2002363860A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 生分解性繊維用油剤及びその繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001164365A JP2002363860A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 生分解性繊維用油剤及びその繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002363860A true JP2002363860A (ja) 2002-12-18

Family

ID=19007195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001164365A Pending JP2002363860A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 生分解性繊維用油剤及びその繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002363860A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009098845A1 (ja) * 2008-02-07 2009-08-13 Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
JP2011038186A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
JP2012162821A (ja) * 2011-02-07 2012-08-30 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 紡績糸製造用繊維処理剤およびその用途
JP6176888B1 (ja) * 2017-01-24 2017-08-09 竹本油脂株式会社 合成繊維製不織布製造用処理剤、不織布製造用の合成繊維及び不織布の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009098845A1 (ja) * 2008-02-07 2009-08-13 Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
JP5574712B2 (ja) * 2008-02-07 2014-08-20 松本油脂製薬株式会社 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
JP2011038186A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
JP2012162821A (ja) * 2011-02-07 2012-08-30 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 紡績糸製造用繊維処理剤およびその用途
JP6176888B1 (ja) * 2017-01-24 2017-08-09 竹本油脂株式会社 合成繊維製不織布製造用処理剤、不織布製造用の合成繊維及び不織布の製造方法
JP2018119228A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 竹本油脂株式会社 合成繊維製不織布製造用処理剤、不織布製造用の合成繊維及び不織布の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6454047B1 (ja) ビスコースレーヨン不織布用処理剤及びビスコースレーヨン
JP4970187B2 (ja) 繊維処理剤およびこれを用いた合成繊維の製造方法
JP6132966B1 (ja) スパンレース用繊維処理剤及びスパンレース不織布の製造方法
US5525243A (en) High cohesion fiber finishes
JP4471464B2 (ja) 合成繊維の高速紡績用油剤及び高速紡績方法
EP2058431B1 (en) Short fiber of para-aromatic polyamide
JP2002363860A (ja) 生分解性繊維用油剤及びその繊維
JP5574712B2 (ja) 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
JP2669559B2 (ja) アクリル繊維用紡績油剤
JPH042879A (ja) 芳香族ポリアミド系短繊維
JPH06108361A (ja) 紡績用ポリエステル繊維処理用油剤
JP4471463B2 (ja) 合成繊維の高速紡績用油剤及び高速紡績方法
JP5588229B2 (ja) 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
KR900002274B1 (ko) 면방적용 유제
CN101675103B (zh) 纤维素基纱线及其制备方法
JP4709327B2 (ja) 抄紙用合成繊維処理剤、抄紙用合成繊維の製造方法、および抄紙不織布の製造方法
JPH07252774A (ja) 繊維用油剤組成物
JP2011038186A (ja) 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
KR920006474B1 (ko) 폴리에스테르 필라멘트 미연신사용 방사유제 조성물
JP2752450B2 (ja) バインダー繊維用撥水処理剤
JP7365090B1 (ja) アクリル系合成繊維用処理剤含有組成物、アクリル系合成繊維用処理剤含有組成物の希釈液の調製方法及びアクリル系合成繊維
JP2002266250A (ja) 炭素繊維製造工程用油剤
JPH06101171A (ja) 合成繊維用製糸油剤
WO1998024559A1 (en) Thioesters as boundary lubricants
JP3296127B2 (ja) 産業資材用ポリエステル繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050120