JP2002363272A - ポリエステル重合体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2002363272A
JP2002363272A JP2001177529A JP2001177529A JP2002363272A JP 2002363272 A JP2002363272 A JP 2002363272A JP 2001177529 A JP2001177529 A JP 2001177529A JP 2001177529 A JP2001177529 A JP 2001177529A JP 2002363272 A JP2002363272 A JP 2002363272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
molecular weight
polymerization
polyester polymer
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001177529A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Nishimura
浩和 西村
Yasuo Ota
康雄 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2001177529A priority Critical patent/JP2002363272A/ja
Publication of JP2002363272A publication Critical patent/JP2002363272A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のポリエステルにない分子量、分子量分
布、モルフォロジーがコントロールされ、分子鎖の絡み
合いが少なく延び切り鎖構造を持つポリエステル重合体
を製造すること。 【解決手段】エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とするポリエステル環状オリゴマーを減圧下、触媒
存在下でポリエステルの融点未満の温度で加熱して開環
付加重合することによりエチレンテレフタレートを主た
る繰り返し単位とするゲルパーミェーションクロマトグ
ラフ法(GPC)により測定されるポリスチレン換算分
子量における数平均分子量が25000以上の実質的に
分岐構造を含まない結晶融解ピークの半値幅が10℃以
下であり、かつGPCより求めたサイクリックトリマーの
含有率が0.8重量%以下のポリエステル重合体を製造
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子量、分子量分
布、モルフォロジーをコントロールされたポリエステル
重合体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
に代表されるポリエステルは、機械的特性、及び化学的
特性に優れており、それぞれのポリエステルの特性に応
じて、例えば衣料用や産業資材用の高強度繊維、フィル
ム、各種成型品に使用されている。一般にこれらの成型
加工品の機械特性、熱特性はポリエステルの化学構造の
みで支配されているわけはなく、高分子鎖の分子量、分
子量分布、モルフォロジーによっても変化することが知
られている。代表的なポリエステルであるポリエチレン
テレフタレート(PET)の場合には、テレフタル酸も
しくはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとの
エステル化もしくはエステル交換によってビス(2−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレートを製造し、これを高
温、真空下で触媒を用いて重縮合する溶融重縮合法等に
より、工業的に製造されている。この様な方法では高分
子量にするには非常に長い重合時間がかかることまた、
重合温度が高いため長時間の重合反応では熱劣化が起こ
ること、エステル交換により必ず分子量分布Mw/Mnが2
に近い値になり分子量分布が制御できないこと、分子鎖
の形態も所謂ランダムコイルであり、ポリエステル分子
鎖に一定の絡み合いが必ず生じること、生成するサイク
リックトリマーの量が多い等の問題がある。また、高分
子量のポリエステルを得る方法として固相重合による方
法も公知である。この方法は溶融重合で得られたポリエ
ステルチップを減圧下もしくは不活性ガス中でポリエス
テルの融点未満の温度で加熱する方法である。この方法
では重合体の劣化を抑制しながら比較的高重合度まで重
合可能で重合体が含有するサイクリックトリマーの量も
抑制可能であるが、溶融重合によるチップを使用するた
め分子鎖の形態はランダムコイルであり、ポリエステル
分子鎖の絡み合いは除去できない。また、分子量分布Mw
/Mnは2より大きな値となるが分子量分布はチップ形
状、重合温度、等と複雑に相関し十分な制御できない。
【0003】また、特開平1-197522号公報に開示され
ているような環状オリゴマーから重合する方法もある
が、この方法では重合温度がポリエステルの融点よりも
高温であるため得られた重合体の分子量分布Mw/Mnは2
に近い値となる上、サイクリックトリマーの含有量も溶
融重合によるポリエステル重合体と同程度になる問題が
あった。また、Journal of Polymer Science Part A: p
olymer Chemistry, Vol.38, 3360-3368(2000)では環状
ダイマーからポリエステルを重合しているがGPCで測定
したポリスチレン換算重量平均分子量が高々44500程度
であり、十分な分子量が得られていない。上記方法で高
分子量のポリエステルが高い分子量まで到達しない理由
は不明であるが重合温度、重合時間、重合触媒などの条
件が個々に或いは複合的に影響し高重合度物が得られな
かったと推測される。以上のように従来のポリエステル
重合方法では高い分子量が得られる物の重合時間が長
く、また分子量分布、モルフォロジーのコントロールも
できず、サイクリックトリマーも多く含有するものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は分子量、分子
量分布、モルフォロジーがコントロールされ、分子鎖の
絡み合いが少なく延び切り鎖構造を持つポリエステル重
合体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、エチレン
テレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステ
ル環状オリゴマーを減圧下、触媒存在下でポリエステル
の融点未満の温度で加熱して開環付加重合することによ
りエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする
ゲルパーミェーションクロマトグラフ法(GPC)によ
り測定されるポリスチレン換算分子量における数平均分
子量が25000以上の実質的に分岐構造を含まない結
晶融解ピークの半値幅が10℃以下であり、かつGPCよ
り求めたサイクリックトリマーの含有率が0.8重量%
以下のポリエステル重合体を製造する方法である。そし
て具体的にはポリエステル環状オリゴマーが環状ダイマ
ーであることを特徴とする上記記載のポリエステル重合
体を製造する方法、加熱する温度が融点−10℃未満で
あることを特徴とする上記記載のポリエステル重合体を
製造する方法、加熱する温度が融点−20℃未満である
ことを特徴とする上記記載のポリエステル重合体を製造
する方法、重合環境が0.1MPa以下であることを特徴
とする上記記載のポリエステル重合体を製造する方法、
重合環境が0.9MPa以下であることを特徴とする上記
記載のポリエステルの製造方法、および重合環境が不活
性ガス下であることを特徴とする上記記載のポリエステ
ルの製造方法である。
【0006】以下、本発明を詳細に述べる。本発明にお
いてポリエステルとは本発明におけるポリエステルは、
テレフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも一種のグ
リコール、好ましくはエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールから選ばれた
少なくとも一種のアルキレングリコールを主たるグリコ
ール成分とするポリエステルを対象とする。また、テレ
フタル酸成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置
き換えたポリエステルであってもよく、および/または
グリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコールも
しくは他のジオール成分で置き換えたポリエステルであ
ってもよい。ここで使用されるテレフタル酸以外の二官
能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息
香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の如き芳香族、脂
肪族、脂環族の二官能性カルボン酸を挙げることができ
る。また上記グリコール以外のジオール成分としては、
例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペ
ンチルグリコールビスフェノールA、ビスフェノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物および
ポリオキシアルキレングリコール等を挙げることができ
る。本発明においては、上記のジカルボン酸成分とジオ
ール成分から構成されるポリエステル繊維は、その繰り
返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート単
位であることが特に好ましい。さらに、前記ポリエステ
ル中には少量の他の任意の重合体や酸化防止剤、制電
剤、染色改良剤、染料、顔料、艶消剤、蛍光増白剤、不
活性微粒子その他の添加剤が含有されていてもよい。特
に不活性微粒子を添加する場合は外部析出法および内部
析出法のいずれも採用可能である。
【0007】かかるポリエステル環状オリゴマーを得る
方法としては、H. Repin, E. Papanikolau: Journal of
Polymer Science, A-1, 7, 3426 (1969)等に開示され
ているような合成方法、またはJournal of Polymer Sci
ence Part A: polymer Chemistry, Vol.38, 3360-3368
(2000)などのようにポリエステル成型加工装置近辺に付
着している粉末より精製する方法が挙げられる。
【0008】本発明のポリエステル重合体において分子
量は重合触媒の添加量により制御することが可能であ
る。本発明ではポリエステルは重縮合反応ではなく開環
付加重合で進行する。よって、重合触媒は本発明では触
媒として働くと共に重合開始剤としても機能する。よっ
て、触媒添加量を制御することにより数平均分子量を制
御することが可能である。さらに本発明のポリエステル
開環付加重合では重合前段階での水、アルコールのコン
トロールは重要である。水、アルコールは該開環付加重
合の反応開始剤となりうる。よって、水、もしくはアル
コールの存在は該ポリエステルの重合度を低下させるた
め重合前段階で除去が必要である。また逆に重合前段階
で微量の水もしくはアルコールをモル比を基準に含有さ
せる事で該ポリエステルの数平均分子量をコントロール
する事が出来る。
【0009】また本発明のポリエステル開環付加重合は
任意の触媒を使用する事ができる。たとえばアンチモン
系では三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アン
チモン、アンチモングリコキサイドなどが挙げられ、ゲ
ルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四塩
化ゲルマニウムなど、チタン化合物としてはテトラ−n
−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネー
ト、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチル
チタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テ
トラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネ
ート、テトラベンジルチタネート、蓚酸チタン酸リチウ
ム、蓚酸チタン酸カリウム、蓚酸チタン酸アンモニウ
ム、酸化チタン、チタンとケイ素やジルコニウムやアル
カリ金属やアルカリ土類金属などとの複合酸化物、チタ
ンのオルトエステルまたは縮合オルトエステル、チタン
のオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキ
シカルボン酸からなる反応生成物、チタンのオルトエス
テルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸
とリン化合物からなる反応生成物、チタンのオルトエス
テルまたは縮合オルトエステルと少なくとも2個のヒド
ロキシル基を有する多価アルコール、2−ヒドロキシカ
ルボン酸および塩基からなる反応生成物などが挙げら
れ、また、スズ化合物として、ジブチルスズオキサイ
ド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルス
ズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチルスズハ
イドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオキサイ
ド、トリイソブチルスズアセテート、ジフェニルスズジ
ラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチル
スズサルファイド、ジブチルヒドロキシスズオキサイ
ド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸などが挙
げられる。
【0010】本発明にかかるポリエステル重合体は、エ
チレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするゲル
パーミェーションクロマトグラフ法(GPC)により測
定されるポリスチレン換算分子量における数平均分子量
が25000以上の実質的に分岐構造を含まないポリエ
ステルからなるポリエステル重合体であることが第1の
特徴である。即ち数平均分子量が25000未満である
と重合体の強度低下といった問題が生じるからである。
好ましくは28000以上、更に好ましくは29000
〜300000である。また分岐を有すると分岐による
延び切り鎖の乱れ、或いは分岐に自体が欠陥になること
により重合体の強度の低下などの問題が生じる。よって
かかる問題が生じない範囲内での分岐は本発明から排除
されるものではない。本発明においてポリエステルの分
子量分布は重合仕込段階での重合触媒のポリエステル環
状オリゴマーへの分散状態に依存する。均一に分散して
いれば分子量分布Mw/Mnは1に近くなり、不均一で有れば
Mw/Mnは大きくなり2より大きな値になる。
【0011】本発明のポリエステル重合体は結晶融解ピ
ークの半値幅が10℃以下であることが第2の特徴であ
る。融点ピークの半値幅がこのように小さい理由はポリ
エステル重合体の分子鎖が伸びきり鎖構造もしくはそれ
に近い構造をとっているためであると推定される。この
伸びきり鎖構造は開環付加重合により分子鎖が延長され
ると同時に分子鎖が固定されるために発現する。従って
結晶融解ピークの半値幅が10℃を超えると分子鎖が伸
び切り鎖構造を取っていないこととなり本発明の目的を
達成することが困難となる。結晶融解ピークの半値幅は
好ましくは8℃以下、更に好ましくは5から6℃であ
る。
【0012】また本発明に係るポリエステル重合体はGP
Cより求めたサイクリックトリマーの含有率が0.8重
量%以下であることが望ましい。0.8重量%を超える
と特にボトル用途での不純物となる、或いは、重合体の
強度低下などの問題が生じるからである。好ましくは
0.7重量%以下、更に好ましくは0.5〜0.6重量
%である。
【0013】また本発明に係るポリエステル重合体は融
点が260℃以上であることが好ましい。260℃未満
であるとポリエステルが本来持つ融点よりも融点が低下
するため重合体の耐熱性が低下するからである。好まし
くは265℃以上、更に好ましくは268〜310℃で
ある。
【0014】また本発明に係るポリエステル重合体はG
PCにより測定されるポリスチレン換算分子量において
重量平均分子量/数平均分子量が2以上であることが好
ましい。2未満であると重合体の成型時の流動特性に問
題が生じるからである。好ましくは2.5以上、更に好
ましくは3〜7である。
【0015】以下、本発明に係るポリエステル重合体の
製造例について述べる。基本的には通常のポリエステル
重合の製造法を採用することができるが、ポリエステル
開環付加重合がポリエステルの融点以上の温度で行った
場合、この伸びきり鎖構造が固定されず、本発明の目的
とするモルフォロジーが得られない。従って、本発明の
ポリエステル繊維の製造においては、ポリエステル開環
付加重合の重合温度を該ポリエステルの融点未満に設定
することが重要であり、好ましくは融点より10℃、さ
らに好ましくは融点より20℃低いことが望ましい。ま
た重合は減圧下で、好ましくは0.1Mpa以下、更に好
ましくは0.9Mpa以下で行うことが望ましい。重合反
応速度は環状オリゴマーのモビリティーに依存し減圧下
である方が環状オリゴマーのモビリティーが高いからで
ある。更に環状オリゴマー或いは重合体の酸化劣化や副
反応によるアセトアルデヒドの生成を防止する観点から
窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス下で重合する
ことが望ましい。本発明において、開環付加重合直後の
ポリエステルは重合温度によりさまざまな形態をとる。
たとえば開環付加重合をポリエステル環状オリゴマーの
融点未満の温度で行った場合は粉末状態であり、ポリエ
ステル環状オリゴマーの融点以上の温度で行った場合は
バルク状態である。
【0016】このような多様なポリエステルに対して、
任意の方法で繊維、フィルム、等に成形加工することが
可能である。たとえば圧延後、引き抜き、固相押し出し
等があげられる。しかしいずれの成型方法であっても成
型加工温度は低温であり、成形加工時間も短時間である
ことが好ましく、さらに好ましくは該ポリエステルの融
点未満であることが望ましい。また、本発明のポリエス
テル重合体を沸水中で処理するなどの公知の方法で触媒
を失活させ、重合体の熱劣化、分子量変化、分子量分布
変化を抑制することも可能である。
【0017】
【実施例】以下、実施例で本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお各
種特性の評価方法は下記の方法に従った。
【0018】DSC:サンプルとしてポリエステル重合
体10mgを用いた。パーキンエルマーDSC−7を用
い、20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温して測定
した。
【0019】数平均分子量、重量平均分子量、重量平均
分子量/数平均分子量、CT含有量:試料10mgをヘキサフ
ルオロイソプロパノール(HFIP)0.1mLに溶解した
のちクロロホルム2.5mLを加えて希釈し、SHODEX GPC
SYSTEM 24H (クロロホルム溶媒、リファレンス:ポリ
スチレン)にて、カラムとしてKF-606Mを2本、KF-502.5
を1本使用し、温度40℃、流量0.5ml/minにて流しU
Vにて検出した。また、重量平均分子量/数平均分子量
(Mw/Mn )は、得られた数平均分子量(Mn)と重量平均
分子量(Mw)から求めた。CT含有量はCTピークと全体と
の面積比で算出した。
【0020】(実施例1)ポリエステル環状ダイマーを
公知の合成法により合成し、環状ダイマー100mgと
触媒としてテトラブトキシチタネートをアンプル中に封
管し、190℃、500分加熱した。得られた重合体の
物性を表1に示す。DSCパターンは図1の様になり、GPC
パターンは図2の様になったこの260℃近傍のピークよ
り融点ピークの半値幅を求めた。
【0021】(実施例2)重合温度、重合時間を230
℃、2分の加熱にした以外は実施例1と同様の操作を行
った。得られた重合体の物性を表1に示す。
【0022】(比較例1)撹拌機付きの熱媒循環式2リ
ッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル
酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、ト
リエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、0.25Mpa
の加圧下245℃にて水を系外に留去しながらエステル化
反応を120分間行いエステル化率が95%のビス(2-ヒドロ
キシエチル)テレフタレート(BHET)およびオリゴマー
の混合物(以下、BHET混合物という)を得た。このBHET
混合物に対して、三酸化アンチモンの2.5g/lのエチレン
グリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアン
チモン原子として0.05mol%になるように加え、
窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分間攪拌した。次いで5
0分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々
に下げて0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torrで重縮合
反応を行った。PETのIVが0.65になるのに要し
た時間は39分であった。また、上記の重縮合にて得ら
れたIVが0.65dlg-1のポリエチレンテレフタレートを常
法に従ってチップ化した。得られた重合体の物性を表1
にしめす。
【0023】(比較例2)上記比較例1のチップを23
0℃、窒素置換中で固相重合を実施し、固有粘度0.7
4のポリエステルチップを得た。固有粘度が0.74ま
で上昇する時間は120分であった。得られた重合体の
物性を表1に示す。
【0024】(比較例3)公知の方法により得られたポ
リエチレンテレフタレート環状トリマー10gと触媒と
してテトラブトキシチタネートをアンプル中に封緘し、
320℃、5分加熱した。得られた重合体の物性を表1
に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】従来のポリエステルにない分子量、分子
量分布、モルフォロジーがコントロールされ、分子鎖の
絡み合いが少なく延び切り鎖構造を持つポリエステル重
合体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る重合体のDSCパターン。
【図2】本発明に係る重合体のGPCパターン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AD01 AD06 BA02 BA03 BD07A BH02 CA06 CB05A CB06A CC05A CC09 DB13 JF251 JF361 JF371 JF471 KD02 KD07 KD09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
    単位とするポリエステル環状オリゴマーを減圧下、触媒
    存在下でポリエステルの融点未満の温度で加熱して開環
    付加重合することによりエチレンテレフタレートを主た
    る繰り返し単位とするゲルパーミェーションクロマトグ
    ラフ法(GPC)により測定されるポリスチレン換算分
    子量における数平均分子量が25000以上の実質的に
    分岐構造を含まない結晶融解ピークの半値幅が10℃以
    下であり、かつGPCより求めたサイクリックトリマーの
    含有率が0.8重量%以下のポリエステル重合体を製造
    する方法。
  2. 【請求項2】ポリエステル環状オリゴマーが環状ダイマ
    ーであることを特徴とする請求項1記載のポリエステル
    重合体を製造する方法。
  3. 【請求項3】加熱温度が融点−10℃未満であることを
    特徴とする請求項1記載のポリエステル重合体を製造す
    る方法。
  4. 【請求項4】加熱温度が融点−20℃未満であることを
    特徴とする請求項1のポリエステル重合体を製造する方
    法。
  5. 【請求項5】0.1MPa以下の減圧下で重合することを
    特徴とする請求項1記載のポリエステル重合体を製造す
    る方法。
  6. 【請求項6】0.9MPa以下の減圧下で重合することを
    特徴とする請求項1記載のポリエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】不活性ガス下で重合することを特徴とする
    請求項1記載のポリエステルの製造方法。
JP2001177529A 2001-06-12 2001-06-12 ポリエステル重合体の製造方法 Pending JP2002363272A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001177529A JP2002363272A (ja) 2001-06-12 2001-06-12 ポリエステル重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001177529A JP2002363272A (ja) 2001-06-12 2001-06-12 ポリエステル重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002363272A true JP2002363272A (ja) 2002-12-18

Family

ID=19018361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001177529A Pending JP2002363272A (ja) 2001-06-12 2001-06-12 ポリエステル重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002363272A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3476833B2 (ja) 中性色相、高透明度及び増加した明るさを示す、テレフタル酸、エチレングリコール及び1,4―シクロヘキサンジメタノールのコポリエステルの製造方法
Wilfong Linear polyesters
EP0182351B1 (en) Process for the production of polyester
KR102191438B1 (ko) 부산물의 함량이 낮은 폴리(트리메틸렌 테레프탈레이트)의 제조 방법
AU2005294576B2 (en) Process for producing polytrimethylene terephthalate
JP4134710B2 (ja) ポリエステル製造用チタン触媒溶液、及びそれを用いるポリエステルの製造法
US4446303A (en) Process for preparing high molecular weight polyesters
US10280257B2 (en) Continuous process for producing poly(trimethylene terephthalate) containing low levels of by-products
US3329651A (en) Phenylene antimonate iii polyester catalysts
KR100567123B1 (ko) 코폴리에테르 에스테르의 제조방법
JP2002363269A (ja) ポリエステル重合体
CN115651175A (zh) 一种含呋喃环的抗菌耐热高阻隔共聚酯及其制备方法
EP1521792B1 (en) Copolymerization of cyclic ester oligomers
JP2002363272A (ja) ポリエステル重合体の製造方法
US3462395A (en) Method for preparing esters using imidazoles as catalysts
JP4296335B2 (ja) ポリエステル繊維
JP2002363268A (ja) ポリエステルフィルム
JP2002363301A (ja) ポリエステル成形品
KR20170114037A (ko) 폴리에스테르 중합체
JPWO2002062868A1 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート及びその製造方法
JPS62297318A (ja) 超高分子量ポリエステルの製造法
JP3654028B2 (ja) 共重合ポリエステル樹脂の製造方法
JP3706062B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート組成物及びその製造方法
US3817934A (en) Sulfodicarboxylic acid caprolactam reaction product modified polyesters
JP2002363267A (ja) 脂肪族ポリエステル重合体およびその製造方法