JP2002362933A - 被加工物の割断方法及び割断装置 - Google Patents

被加工物の割断方法及び割断装置

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JP2002362933A
JP2002362933A JP2001176125A JP2001176125A JP2002362933A JP 2002362933 A JP2002362933 A JP 2002362933A JP 2001176125 A JP2001176125 A JP 2001176125A JP 2001176125 A JP2001176125 A JP 2001176125A JP 2002362933 A JP2002362933 A JP 2002362933A
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Hidehiro Ito
英博 伊藤
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/09Severing cooled glass by thermal shock
    • C03B33/091Severing cooled glass by thermal shock using at least one focussed radiation beam, e.g. laser beam

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ割断時における被加工物に対する冷却
手法を変更することにより、レーザ割断の速度向上と割
断位置の精度向上とを両立させることのできる新規の割
断方法を提供する。 【解決手段】 レーザ光1Lによる照射スポット1Sを
基板100の表面に沿って移動させるとともに、その後
方において、基板100の表面100aに冷却部材16
が接触するように構成する。このとき、冷却部材16は
基板100の表面100a上を転動しながら照射スポッ
ト1Sと共に移動する。冷媒CLによって冷却部材16
が冷却されていることにより、冷却部材16が基板10
0の表面100aに接触する接触部位Cが冷却される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被加工物の割断方法
及び割断装置に係り、特に、レーザ光を用いて被加工物
を割断する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガラス等の脆性材料を割断する
方法としてレーザ割断法が知られている。このレーザ割
断法は、図7に示すように、脆性材料からなる基板10
0の端部に切り欠きやクラックなどからなる傷痕100
vを形成し、この傷痕100vの形成部位にレーザ光1
Lを照射し、このレーザ光1Lを割断予定線100xに
沿って走査して、その照射スポット1Sを基板表面上で
移動させることにより、上記傷痕100vを起点として
破断線BRを形成していくものである。
【0003】このレーザ割断法においては、基板100
がレーザ光1Lの照射によって加熱され、その後、照射
スポット1Sが遠ざかるに従って温度降下が生じ、この
温度降下によって基板100の内部に圧縮応力が発生し
て、この内部応力によって基板が破断する。内部応力の
発生部位は照射スポット1Sと共に移動していくので、
破断部位BR0は照射スポット1Sの後方からレーザ光
1Lの走査方向に向けて照射スポット1Sほぼ同期して
進み、やがて基板100全体が分割される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記レ
ーザ割断法においては、レーザ光1Lの走査速度が早く
なると、照射スポット1Sによる基板100の加熱が不
十分になるとともに、レーザ光1Lの走査方向に見た温
度勾配も緩くなるので、上記圧縮応力も小さくなり、割
断を行うこと自体が困難になるとともに、照射スポット
1Sから破断部位BR0までの距離が長くなり、その結
果、温度勾配の緩い場所で破断が生ずるので、割断位置
の精度が低下し、割断予定線100xに沿って正確に基
板100を割断することが難しくなるという問題点があ
る。
【0005】例えば、図11及び図13に示すように、
図示(図示実線)のように走査速度が遅い場合には、
照射スポット1Sにおける温度は高く、走査方向後方の
基板部分の温度勾配も或る程度急峻であるが、図示
(図示破線)のように走査速度が速い場合には、照射ス
ポット1Sにおける温度は低下し、また、走査方向後方
の基板部分の温度勾配も緩くなってしまう。通常、基板
が破断するにはレーザ照射によって形成される温度差Δ
Tが必要であると考えることができるので、走査速度が
からへ増加すると、照射スポット1Sから破断部位
BR0までの距離L1が距離L2に増加し、それに伴っ
て破断部位近傍の温度勾配も小さくなる。したがって、
破断に必要な内部応力が小さくなるとともに、破断部位
近傍の平面方向の温度分布(図13参照)も平坦化する
ことにより破断部位の位置が定まりにくく、破断線BR
の方向もずれ易くなる。
【0006】一方、レーザ割断法においては、図12及
び図14に示すように、上記照射スポット1Sの後方に
窒素ガスなどの冷風Fを吹き付けることにより、の状
態(図示破線)よりも照射スポット1Sの後方の温度勾
配を(図示二点鎖線)に示すように大きくし、照射ス
ポット1Sと破断部位BR0との距離をL2からL3へ
短縮させ、基板を破断させやすくする方法が知られてい
る。しかしながら、この方法においては、基板と冷風F
との間の熱交換性が必ずしも良くないために冷却効率が
低く、また、冷風Fの流量変動や風向変動により冷却状
態が不安定になるために基板の温度分布が変動しやすい
ことから、割断速度の増大及び割断位置の精度向上が充
分でないという問題点がある。
【0007】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、レーザ割断時における被加工物に
対する冷却手法を変更することにより、レーザ割断の速
度向上と割断位置の精度向上とを両立させることのでき
る新規の割断方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の被加工物の割断方法は、レーザ光を照射して
被加工物を割断する被加工物の割断方法であって、前記
レーザ光の照射部位の近傍において前記被加工物に冷却
部材を接触させることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、被加工物に冷却部材を
接触させることにより、レーザ光照射によって生ずる被
加工物の温度分布を急峻にすることができるとともに、
従来の気体などの流動体を流す方法に較べて被加工物と
の熱的接触度合が高くなる上に冷却位置及び冷却範囲の
安定化により冷却状態を安定させることができるので、
被加工物の温度分布の変動を低減することができるた
め、割断線の位置精度を高めることができる。したがっ
て、加工速度の向上と割断線の精度向上とを両立するこ
とが可能になる。
【0010】ここで、冷却部材とは、自立的に自己の形
状を保持し得る固体、または吐出量を制御でき塗布範囲
を限定できる構造にした液体を言う。被加工物として
は、割断可能なものであれば如何なるものであっても構
わないが、ガラス、セラミックス、半導体結晶等の脆性
材料からなるものであることが好ましい。特に、液晶パ
ネルを構成するガラス基板を割断する場合に最も好適で
ある。
【0011】なお、被加工物における冷却部材の接触面
はレーザ光の照射部位の近傍でさえあればよく、被加工
物が板状体である場合には裏面でも効果があるが、好ま
しくはレーザ照射面と同一面、同一軌道である場合が最
も効果がある。
【0012】本発明において、前記レーザ光を被加工物
の割断予定線に沿って走査し、前記冷却部材を前記レー
ザ光の走査方向に移動させることが好ましい。
【0013】本発明において、前記冷却部材を前記レー
ザ光の照射位置より前記走査方向の後方にて前記被加工
物に接触させることが好ましい。冷却部材をレーザ光の
照射位置より走査方向後方にて接触させることにより、
レーザ光の加熱後に冷却部材により冷却されるので、効
率的に被加工物内部に圧縮応力を発生させることができ
る。
【0014】本発明において、前記冷却部材を冷却する
ことが好ましい。冷却部材を冷却することにより冷却部
材の温度上昇を回避することができるので、冷却部材の
熱容量が小さい場合であっても、効率的かつ確実に被加
工物を冷却することができる。
【0015】本発明において、冷媒を用いて前記冷却部
材を冷却することが好ましい。冷媒によって冷却部材を
冷却することにより、冷却部材を常に所定温度範囲に維
持することができるので、被加工物の温度分布をより安
定させることができる。
【0016】本発明において、前記冷却部材に揮発性物
質を適用し、該揮発性物質の気化により前記冷却部材を
冷却することが好ましい。揮発性物質が気化することに
より冷却部材が冷却されるので、冷却手段を簡易に構成
でき、冷却部材の小型化も容易になる。この場合、冷却
部材に揮発性物質を適用するとは、冷却部材の表面に揮
発性物質を付与する場合、冷却部材を揮発性物質が含浸
する材料で構成し、冷却部材に揮発性物質を含浸させる
場合のいずれもが含まれる。
【0017】本発明において、前記冷却部材を前記被加
工物に対して所定の接触圧で接触させることが好まし
い。冷却部材を被加工物に対して所定の接触圧で接触さ
せることにより、冷却部材と被加工物との間の接触状態
を安定化させることができ、両者間の熱的接触度合も安
定化するので、被加工物をより安定的に冷却することが
できる。
【0018】本発明において、前記接触圧を一定範囲内
に制御することが好ましい。接触圧が一定範囲内に制御
されることにより、冷却部材と被加工物の接触状態をさ
らに安定化させることができる。
【0019】本発明において、レーザ光を照射するレー
ザ光照射手段を有し、前記レーザ光を照射して被加工物
を割断する被加工物の割断装置であって、前記レーザ光
照射手段による照射部位の近傍において前記被加工物に
接触可能に構成された冷却部材を有することが好まし
い。
【0020】本発明において、前記レーザ光を走査する
とともに前記冷却部材を前記レーザ光の走査方向に移動
させる移動手段を有することが好ましい。
【0021】本発明において、前記冷却部材は前記被加
工物に接触した状態で転動可能に構成されていることが
好ましい。冷却部材が被加工物に接触した状態で転動す
ることにより、冷却部材と被加工物との間の接触状態を
より安定化し、両者間の熱的接触度合を高めることがで
きる。
【0022】本発明において、前記移動手段は、前記冷
却部材を前記レーザ光の照射部位よりも前記走査方向後
方において移動させるように構成されていることが好ま
しい。
【0023】本発明において、前記冷却部材を冷却する
冷却手段を有することが好ましい。
【0024】本発明において、前記冷却手段は、前記冷
却部材に熱的に接触する冷媒を供給する手段であること
が好ましい。冷却部材に冷媒を供給することにより、冷
媒との熱的な接触により冷却部材が冷却される。
【0025】本発明において、前記冷却手段は、前記冷
却部材に揮発性物質を供給する手段であることが好まし
い。冷却部材に揮発性物質を供給することにより、冷却
部材から揮発性物質の気化により熱が奪われて冷却部材
が冷却される。この場合、冷却部材を揮発性物質を含浸
可能な素材で構成し、冷却部材に揮発性物質を含浸させ
た状態とすることにより、冷却物質の表面から常時安定
して揮発性物質が揮発する状態を構成できる。
【0026】本発明において、前記冷却部材の前記被加
工物に対する接触圧を付与する押圧手段を有することが
好ましい。押圧手段によって冷却部材と被加工物との間
に接触圧を付与することができる。特に、押圧手段を弾
性部材で構成し、弾性部材の弾性力によって冷却部材が
被加工物に接触するように構成することにより、被加工
物の表面に凹凸や歪みなどが存在しても所定範囲内の接
触圧を容易に維持することができる。
【0027】本発明において、前記押圧手段により付与
される前記接触圧を一定範囲内に制御する制御手段を有
することが好ましい。制御手段によって接触圧を一定範
囲内に制御することによって被加工物に対する対応性を
より高めることができる。より具体的には、接触圧を検
出するセンサを設け、該センサにより検出された接触圧
に基づいて制御手段が押圧手段の押圧力を調整するフィ
ードバック制御を行う構成とすることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る被加工物の割断方法及び割断装置の実施形態につ
いて詳細に説明する。本発明の加工対象である被加工物
としては、ガラス、セラミックス、半導体結晶などの脆
性材料であることが好ましく、特に、シリカガラス(珪
酸塩ガラス)であることが望ましい。また、被加工物と
しては板状体に限られるものではないが、以下の各実施
形態ではガラス製の基板を加工対象とした場合について
説明する。
【0029】[第1実施形態]最初に、図1乃至図3を
参照して本発明に係る割断方法及び割断装置の第1実施
形態について説明する。図1は本実施形態のレーザ割断
時の状態を示す工程説明図であり、図2は本実施形態の
レーザ割断装置の概略構成図であり、図3は本実施形態
の冷却体の構造を示す断面図(a)及び側面図(b)で
ある。
【0030】図1に示すように、レーザ割断装置10
は、光ファイバーまたは光学ミラーで誘導されたレーザ
照射部材12と、冷却体15とを備えている。レーザ照
射部材12は、図2に示す炭酸ガスレーザ等からなるレ
ーザ発振器11に接続され、所定のレーザ光1Lを基板
100の表面100aに照射するように構成されてい
る。
【0031】また、冷却体15においては、冷却部材1
6が熱伝導部材17によって回転可能に軸支され、この
冷却部材16が基板100の表面100aに接触するよ
うに構成されている。冷却部材16はローラ状に構成さ
れ、銅合金などの熱伝導性に優れた素材で構成されてい
る。熱伝導部材17は、図3に示すように略U字状に伸
び、冷却部材16を貫通して冷却体15の内部に導入さ
れている。この熱伝導部材17もまた熱伝導性に優れた
素材で構成されている。熱伝導部材17には、冷却体1
5の内部において熱交換性を高めるための複数のフィン
17aが設けられている。冷却体1には冷媒を収容する
内部空間が設けられ、この内部空間内に上記熱伝導部材
17及びそのフィン17aが配置される。冷却体15に
は、図2に示す送液ポンプ19に接続された導入管19
Pと、冷凍機18に接続された導出管18Pとが接続さ
れ、上記内部空間に液体窒素などの冷媒CLを循環供給
するように構成されている。冷媒LCは導出管18Pを
通って冷凍機18にて冷却され、送液ポンプ19によっ
て導入管19から冷却体15へと戻される。なお、この
ように循環系を構成するのではなく、単に、液体窒素な
どの冷媒LCを導入管19Pから送り込み、導出管18
Pを経て廃棄するように構成してもよい。
【0032】レーザ割断装置10は、図2に示すよう
に、フレーム10A上に移動機構10Bを介して支持テ
ーブル10Cが取り付けられ、移動機構10Bにより支
持テーブル10Cが図示水平方向(XY方向)に移動可
能に構成されている。また、フレーム10Aには、支柱
10Dが取り付け固定され、この支柱10Dには、上記
レーザ発振器11、レーザ照射部材12及び冷却体15
を取り付けた支持部材10Eが支持テーブル10Cの上
方において昇降可能に取り付けられている。
【0033】上記構成のレーザ割断装置10を用いてレ
ーザ割断を行う場合には、図7に示すように基板100
の端部に傷痕100vを形成してから、支持テーブル1
0C上に基板100を載置固定する。ここで、支持テー
ブル10Cには真空吸着などの公知の固定手段を設ける
ことができる。その後、支持部材10Eを基板100に
対応する所定位置まで降下させて、レーザ照射部材12
によってレーザ光1Lの照射を開始するとともに、移動
機構10Bを用いて支持テーブル10Cを水平方向に移
動させる。
【0034】上記のようにして、図1に示すように、レ
ーザ光1Lによる照射スポット1Sを基板100の表面
に沿って移動させるとともに、その後方において、基板
100の表面100aに冷却部材16が接触するように
構成する。このとき、冷却部材16は基板100の表面
100a上を転動しながら照射スポット1Sと共に移動
する。
【0035】本実施形態においては、冷媒CLによって
冷却部材16が冷却されていることにより、冷却部材1
6が基板100の表面100aに接触する接触部位C
(図1参照)が冷却され、これにより、実線で示す基板
100の温度分布が一点鎖線で示す従来例と較べて急峻
になり、その結果、基板100の破断部位BR0を従来
よりも照射スポット1Sに近い位置に生じさせることが
できる。また、上述のように温度制御された冷却部材1
6が直接表面100aに接触していることにより、点線
で示す冷風による冷却手段を用いる方法に較べて冷却位
置及び冷却状態を安定化させることができるので、熱分
布の変動を抑制することができ、割断線の位置ズレを防
止できるため、予め設定された割断予定線に沿って正確
に基板100を割断することができる。
【0036】なお、図示例においては、冷却部材16と
基板100との接触部位Cよりも破断部位BR0がレー
ザ光の操作方向後方に位置しているが、破断部位BR0
は、図1に示す温度プロファイルの状況、基板厚、基板
素材等によって、接触部位Cに対して走査方向前後の適
宜の位置に生じ得る。
【0037】[第2実施形態]次に、本発明に係るレー
ザ割断装置の第2実施形態について説明する。図4は、
本実施形態の冷却体25の構造を示す概略断面図であ
る。この実施形態のレーザ割断装置は、冷却体25以外
の構造は上記第1実施形態と同様であるので、図示及び
それらの説明を省略する。
【0038】本実施形態の冷却体25は下端に開口部2
5aを備え、この開口部25aに球状の冷却部材26が
転動自在に係合している。また、冷却体25の内部空間
には、導入管29Pから導入され、導出管28Pから導
出される液体窒素等の冷媒LCが収容されている。
【0039】本実施形態では、冷却部材26が冷却体2
5内部の冷媒LCによって常時冷却されているので、冷
却部材26の外表面を基板の表面に接触させることによ
って効率的に冷却を行うことができる。また、冷却部材
26が球状に構成されているので、基板表面に対する接
触軌跡をほぼ線状に構成することができるため、破断部
位をより正確に生じさせることができる。
【0040】[第3実施形態]次に、本発明に係るレー
ザ割断装置の第3実施形態について説明する。この実施
形態においては、図5に示す冷却体35以外の部分は上
記第1及び第2実施形態と同様であるので、図示及びそ
れらの説明は省略する。
【0041】冷却体35には、上記と同様の冷媒LCを
収容する内部空間及び下端に位置する開口部35aが設
けられ、この開口部35aを通して先端36aが突出す
るようにプローブ(探針)状(棒状)の冷却部材36が
取り付けられている。また、冷却体35には上記実施形
態と同様の導入管39P及び導出管38Pが接続されて
いる。
【0042】冷却部材36は冷却体35内の冷媒LCに
よって冷却され、冷却部材36の先端36aを基板の表
面に接触させることによって、基板をピンポイント的に
冷却することができるようになっている。
【0043】[第4実施形態]次に、本発明に係るレー
ザ割断装置の第4実施形態について説明する。この実施
形態においては、図6に示す冷却体45以外の部分は上
記第1及び第2実施形態と同様であるので、図示及びそ
れらの説明は省略する。
【0044】冷却体45には、常温で水よりも蒸気圧の
高い溶剤等からなる揮発性液体VLを収容する内部空間
及び下端に位置する開口部45aが設けられ、この開口
部45aを通して突出するように冷却部材46が取り付
けられている。この冷却部材46はスポンジ、フェル
ト、若しくはこれらに対して機能的に類似する素材から
なる、液体を浸透させて適度に含んだ状態となり得る含
液性物質で構成されている。なお、揮発性液体VLは供
給管49Pから適宜に供給されるように構成することが
好ましい。
【0045】冷却部材46においては、開口部45aか
ら外側へ突出している露出部46aまで揮発性液体VL
が浸透するので、当該露出部46aから揮発性液体VL
が揮発し、その気化熱が奪われることにより、露出部4
6aの温度が低下するようになっている。また、冷却部
材46の露出部46aが基板100の表面100aに接
触することにより、表面100aに揮発性液体VLが塗
布され、表面100a上から揮発性液体VLが蒸発する
ことによって基板100から熱が奪われるといった、基
板100を直接冷却する効果をも奏する。
【0046】[第5実施形態]次に、本発明に係るレー
ザ割断装置の別の第5実施形態について図9を参照して
説明する。このレーザ割断装置50は、図9に示すよう
に、レーザ発振器51、レーザ照射部材52、支持部材
50E、冷却体55を有し、その他の構造は上記第1乃
至第4実施形態と同様に構成されているので、図示及び
説明を省略する。
【0047】本実施形態においては、冷却体55と支持
基板50Eとの間にコイルバネ等からなる弾性部材53
が介挿され、この弾性部材53は、冷却部材56が基板
100に対して所定の接触圧を与えるように、冷却部材
56を基板100に向けて押圧している。
【0048】この実施形態では、弾性部材53によって
冷却部材56の基板100に対する接触圧が所定の圧力
に設定されるので、冷却部材56の接触圧が大きすぎて
基板100に損傷を与えてしまったり、その機械的応力
によって割断予定線以外の部分に基板の破断を生じさせ
てしまったりすることを防止することができるととも
に、逆に接触圧が小さすぎて基板100に対する実質的
な接触面積が少なくなるなどの理由により冷却部材56
と基板100との熱的接触度合が低下して基板100を
充分に冷却できなくなるといったことを防止することが
できる。
【0049】[第6実施形態]次に、本発明に係るレー
ザ割断装置のさらに別の第6実施形態について図10を
参照して説明する。このレーザ割断装置60は、図10
に示すように、レーザ発振器61、レーザ照射部材6
2、支持部材60E、冷却体65を有し、その他の構造
は上記第1乃至第4実施形態と同様に構成されているの
で、図示及び説明を省略する。
【0050】この実施形態では、支持部材50Eにおい
てシリンダ部60eが形成され、このシリンダ部60e
の内部に冷却体65のピストン部65tが摺動自在に内
接している。シリンダ部60e内には圧縮空気、不活性
ガス等の圧縮性気体が充填され、冷却部材66が基板1
00の表面に当接したとき、圧縮性気体の圧力により冷
却部材66が基板100に対して所定の接触圧を与える
ように構成されている。
【0051】シリンダ部60eの壁面には、上記圧縮性
気体の圧力を検出するための圧力センサ63が取り付け
られ、この圧力センサ63の出力信号はMPU(マイク
ロプロセッサユニット)等からなる制御手段60Sに送
られる。制御手段60Sは圧力制御器64に制御指令を
送るように構成され、圧力制御器64は、シリンダ部6
0e内の圧縮性気体の圧力を適宜に制御するように構成
されている。
【0052】この実施形態では、制御手段60Sにおい
て、圧力センサ63から出力される圧力検出値が所定値
を超えると圧力制御器64に対して減圧指令を送り、圧
力検出値が別の所定値を下回ると圧力制御器64に対し
て加圧指令を送るようにして、圧力制御器64によって
常にシリンダ部60e内の圧縮性気体の圧力が所定範囲
内においてほぼ一定に保たれるように制御することがで
きる。したがって、冷却部材66の基板100に対する
接触圧を常時所定範囲内に維持することができるので、
冷却部材66が基板100に与える接触圧及び熱的影響
の変動をさらに低減することができる。
【0053】尚、本発明の割断方法及び割断装置は、上
述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ること
は勿論である。
【0054】例えば、以上説明した各実施形態において
は、基本的に、基板100の端部に図7に示す傷痕10
0vを形成し、この傷痕100vから割断予定線100
xに沿ってレーザ光1Lを走査することにより、基板1
00を割断するようにしている。しかし、本発明はこの
ような割断処理に限られるものではない。例えば、図8
に示すように、基板100の割断予定線に沿って予めス
クライブ溝100s(浅いV溝など)を形成しておき、
このスクライブ溝100sに沿ってレーザ光1Lを走査
することによって、同様に基板100を割断予定線に沿
って割断することができる。また、スクライブ溝100
sの所定部位にレーザ光1Lを照射し、その近傍におい
て上記冷却部材を接触させることにより、レーザ光1L
や冷却部材を移動させることなく、その熱的衝撃によっ
て基板100をスクライブ溝100sに沿って割断する
ことも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
レーザ割断の割断速度の向上と、割断精度の向上とを両
立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る割断方法及び割断装置の第1実施
形態による基板の割断処理の様子を示す説明図である。
【図2】第1実施形態の割断装置の全体構成を示す概略
構成図である。
【図3】本発明に係る割断装置の第1実施形態における
冷却体の構造を示す断面図(a)及び側面図(b)であ
る。
【図4】本発明に係る割断装置の第2実施形態における
冷却体の構造を示す断面図である。
【図5】本発明に係る割断装置の第3実施形態における
冷却体の構造を示す断面図である。
【図6】本発明に係る割断装置の第4実施形態における
冷却体の構造を示す断面図である。
【図7】レーザ割断法の実施態様を示す斜視図である。
【図8】別のレーザ割断法の実施態様を示す斜視図であ
る。
【図9】本発明に係る割断装置の第5実施形態における
主要部分の構造を示す断面図である。
【図10】本発明に係る割断装置の第6実施形態におけ
る主要部分の構造を示す断面図である。
【図11】レーザ割断時におけるレーザ光の走査速度の
大小による被加工物の温度分布(レーザ光の走査方向の
プロファイル)の差異を示すグラフである。
【図12】レーザ割断時における冷却手段の有無による
被加工物の温度分布(レーザ光の走査方向のプロファイ
ル)の差異を示すグラフである。
【図13】レーザ割断時におけるレーザ光の走査速度の
大小による被加工物の温度分布(平面分布)の差異を示
すグラフである。
【図14】レーザ割断時における冷却手段の有無による
被加工物の温度分布(平面分布)の差異を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10,50,60 レーザ割断装置 10B 移動機構 10C 支持テーブル 10E 支持部材 11,51,61 レーザ発振器 12,52,62 レーザ照射部材 15,25,35,45,55,65 冷却体 16,26,36,46,56,66 冷却部材 LC 冷媒 VL 揮発性液体 53 弾性部材 60e シリンダ部 60S 制御手段 64 圧力制御器 65t ピストン部 100 基板 100a 表面 100v 傷痕 100s スクライブ溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 101 G02F 1/13 101 1/1333 500 1/1333 500 H01L 21/301 H01L 21/78 B Fターム(参考) 2H088 FA07 FA30 HA01 2H090 JC13 3C069 AA01 BA08 CA11 EA02 4E068 AE01 CB06 CH08 DA10 DB12 DB13 4G015 FB01 FC04 FC10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を照射して被加工物を割断する
    被加工物の割断方法であって、前記レーザ光の照射部位
    の近傍において前記被加工物に冷却部材を接触させるこ
    とを特徴とする被加工物の割断方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光を被加工物の割断予定線に
    沿って走査し、前記冷却部材を前記レーザ光の走査方向
    に移動させることを特徴とする請求項1に記載の被加工
    物の割断方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却部材を前記レーザ光の照射位置
    より前記走査方向の後方にて前記被加工物に接触させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の被加工物の割断方
    法。
  4. 【請求項4】 前記冷却部材を冷却しながら前記被加工
    物に接触させることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれか1項に記載の被加工物の製造方法。
  5. 【請求項5】 冷媒を用いて前記冷却部材を冷却するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の被加工物の割断方法。
  6. 【請求項6】 前記冷却部材に揮発性物質を適用し、該
    揮発性物質の気化により前記冷却部材を冷却することを
    特徴とする請求項4に記載の被加工物の割断方法。
  7. 【請求項7】 前記冷却部材を前記被加工物に対して所
    定の接触圧で接触させることを特徴とする請求項1乃至
    請求項6のいずれか1項に記載の被加工物の割断方法。
  8. 【請求項8】 前記接触圧を一定範囲内に制御すること
    を特徴とする請求項7に記載の被加工物の割断方法。
  9. 【請求項9】 レーザ光を照射するレーザ光照射手段を
    有し、前記レーザ光を照射して被加工物を割断する被加
    工物の割断装置であって、 前記レーザ光照射手段による照射部位の近傍において前
    記被加工物に接触可能に構成された冷却部材を有するこ
    とを特徴とする被加工物の割断装置。
  10. 【請求項10】 前記レーザ光を走査するとともに前記
    冷却部材を前記レーザ光の走査方向に移動させる移動手
    段を有することを特徴とする請求項9に記載の被加工物
    の割断装置。
  11. 【請求項11】 前記冷却部材は前記被加工物に接触し
    た状態で転動可能に構成されていることを特徴とする請
    求項10に記載の被加工物の割断装置。
  12. 【請求項12】 前記移動手段は、前記冷却部材を前記
    レーザ光の照射部位よりも前記走査方向後方において移
    動させるように構成されていることを特徴とする請求項
    10又は請求項11に記載の被加工物の割断装置。
  13. 【請求項13】 前記冷却部材を冷却する冷却手段を有
    することを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれ
    か1項に記載の被加工物の割断装置。
  14. 【請求項14】 前記冷却手段は、前記冷却部材に熱的
    に接触する冷媒を供給する手段であることを特徴とする
    請求項13に記載の被加工物の割断装置。
  15. 【請求項15】 前記冷却手段は、前記冷却部材に揮発
    性物質を供給する手段であることを特徴とする請求項1
    3に記載の被加工物の割断装置。
  16. 【請求項16】 前記冷却部材の前記被加工物に対する
    接触圧を付与する押圧手段を有することを特徴とする請
    求項9乃至請求項15のいずれか1項に記載の被加工物
    の割断装置。
  17. 【請求項17】 前記押圧手段により付与される前記接
    触圧を一定範囲内に制御する制御手段を有することを特
    徴とする請求項16に記載の被加工物の割断装置。
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