JP2002362669A - タグ付きディスク収納体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】安価に提供でき、取り付けの手間がかからず、
取り外しが困難であり、タグが設けてあることがわかり
にくいタグ付きディスク収納体を提供すること。 【解決手段】蓋材３と底材６とディスク収納部材２とか
らなるプラスチック製のディスク収納体１においてディ
スク収納部材の底材と対向する面又はディスク収納部材
の蓋材と対向する面、あるいはプラスチック製のディス
ク収納体の背又はディス収納体の背に紙片を貼付してな
るディスク収納体においてプラスチック製のディスク収
納体の背又は表裏面の背近傍に、大バルクハウゼン特性
を有する磁性細線と線上に所定の間隔を空けて配置した
磁性細線より保持力の小さい磁性薄帯とからなる磁気式
の万引防止用タグを貼り込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はＣＤ、ＤＶＤ等のデ
ィスクを収納した収納体にタグを取り付け、店舗内から
万引きにより持ち出されるのを店舗出口の防犯装置で検
知することを目的とするタグ付きディスク収納体に関す
る。本発明はＣＤ、ＤＶＤ等のディスクを収納した収納
体にタグを取り付け、店舗内から万引きにより持ち出さ
れるのを店舗出口の防犯装置で検知することを目的とす
るタグ付きディスク収納体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、音楽系を中心としたコンパクトデ
ィスク（以下ＣＤ）をとりあつかう店舗においては、Ｃ
Ｄの万引きを防止するために、店舗出口にゲート状の万
引き防止装置が使用されている。この万引き防止装置
は、ＣＤに取り付けたタグに反応するように構成されて
おり、客が防犯タグのついたままのＣＤをもって店舗出
口のゲートを通過した場合、音や光等の警告を発生す
る。従って、店舗においては、陳列されているＣＤにタ
グを取り付け、客がレジに渡した時点でタグを取り外す
ようにすることにより、ＣＤの万引き防止が図られる。

【０００３】しかしながら、これらのタグを取り付け、
取り外す作業は店舗にとって大変に手間のかかるもので
あった。さらに、万引きする者がタグを店舗内でタグを
ＣＤから取り外して持ち出すと検知できないといった問
題もある。この点を改善するためにタグを取り外し困難
に設けることは可能であるが、それによりさらに店舗の
手間が増加するといった問題が発生する。さらには、タ
グは再利用が出来ずコストがかさむものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものであり、その課題と
するところは、安価に提供でき、取り付けの手間がかか
らず、取り外しが困難であり、タグが設けてあることが
わかりにくいタグ付きディスク収納体を提供することに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するため、すなわち請求項１記載の発明は、蓋材と底材
とディスク収納部材とからなるプラスチック製のディス
ク収納体において、該ディスク収納部材の蓋材と対向す
る面に、大バルクハウゼン特性を有する磁性細線と該線
上に所定の間隔を空けて配置した該磁性細線より保持力
の小さい磁性薄帯とからなる磁気式の万引防止用タグを
貼り込んでなることを特徴とするタグ付きディスク収納
である。

【０００６】本発明はこの手段により、アルバムＣＤの
ようなプラスチック製ＣＤケースのＣＤ収納部材を蓋材
と底材と組み立てた後、インラインでＣＤを挿入する工
程の前後において、インラインで万引き防止用タグを貼
り付けることが可能となり、これによりタグを安価に設
けることを可能とし、かつ磁気式のタグであるのでレジ
で消磁すればタグの取り外しの必要はなく、蓋材が不透
明又は蓋材裏側に紙片を挿入したものであり且つ底材若
しくはディスク収納部材が不透明又は底材とディスク収
納部材の間に紙片を挿入したものであれば、タグを設け
てあることが容易に判断できず、取り外しも容易ではな
いものとなる。

【０００７】また請求項２記載の発明は、該ディスク収
納部材の底材と対向する面に、大バルクハウゼン特性を
有する磁性細線と該線上に所定の間隔を空けて配置した
該磁性細線より保持力の小さい磁性薄帯とからなる磁気
式の万引防止用タグを貼り込んでなることを特徴とする
タグ付きディスク収納体である。

【０００８】本発明はこの手段により、タグを安価に設
けることを可能とし、かつ磁気式のタグであるのでレジ
で消磁すればタグの取り外しの必要はなく、蓋材が不透
明又は蓋材裏側に紙片を挿入した又はディスク収納部材
が不透明であって、かつ底材が不透明又は底材とディス
ク収納材の間に紙片を挿入したものであればタグを設け
てあることが容易に判断できず、取り外しも容易ではな
いものとなる。

【０００９】また請求項３記載の発明は、プラスチック
製のディスク収納体の背に紙片を貼付してなるディスク
収納体において、前記プラスチック製のディスク収納体
の背又は表裏面の背近傍に大バルクハウゼン特性を有す
る磁性細線と該線上に所定の間隔を空けて配置した該磁
性細線より保持力の小さい磁性薄帯とからなる磁気式の
万引防止用タグを貼り込んでなることを特徴とするタグ
付きディスク収納体である。

【００１０】本発明はこの手段により、タグを安価に設
けることを可能とし、かつ磁気式のタグであるのでレジ
で消磁すればタグの取り外しの必要はなく、プラスチッ
ク製のディスク収納体が透明であっても、ディスク収納
体の外面の背に、ディスク収納体中にディスク等を収納
後のインラインの工程によって万引防止用タグを貼り付
けることが可能となり、これによりタグを安価に設ける
ことを可能とし、かつ磁気式のタグであるのでレジで消
磁すればタグの取り外しの必要はなく、タグの上から紙
片を貼付してなるのでタグがあることを容易に判別不能
となる。

【００１１】また請求項４記載の発明は、前記磁性細線
と磁性細帯はフィルムにより両面からラミネートされて
なることを特徴とする請求項１〜３のいずれか記載のタ
グ付きディスク収納体である。

【００１２】本発明はこの手段により、タグの磁性細線
と磁性薄板が分離せず、貼付け作業が容易に行え、かつ
圧力をかけても裏面から貼付していることが容易には判
明しないものとなる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき詳細
に説明する。図１に本発明の一実施例におけるディスク
収納体１のディスク収納部２の蓋材３と対向する側にタ
グ４を設けたディスク収納体の構造を示す。ディスク収
納体１を開いた情報で、右内面はディスク５を収納する
ためのディスク収納部を底材６の上に重ね合わせてな
り、左内面は冊子体等を収納可能な蓋材とからなってい
るが、特にこのような構成に限定するものではなく、デ
ィスクが収納できるものであればディスク収納部が多数
あっても良いし、ディスク収納部の両面にディスクを収
納できるものなどであっても良い。

【００１４】図２に本発明の一実施例におけるディスク
収納体１のディスク収納部２の底材６と対向する側にタ
グ４を設けたディスク収納体１の構造を示す。ＣＤ収納
部２は通常底材４に嵌める込むように設けなるが、図の
左内面の蓋材３側に揺動可能に設けたものであっても良
い。図ではタグ４はディスク収納部２のＣＤを収納して
いない側に設けてなるが、この面にＣＤを収納する部分
があっても良く、特に限定するものではない。

【００１５】図３に本発明の一実施例におけるディスク
収納体の収納体の背又は表裏面の背近傍にタグを設けた
ディスク収納体の構造を示す。ディスク収納体１は蓋材
３と底材６を綴じ合せた状態で、内部にディスク収納部
２とディスク５を収納してなる。このディスク収納体の
背に紙片７を貼り合せてなり、紙片７は背面８及び背面
の近傍の側面９を覆っている。この紙片で覆われた部分
のディスク収納体外面にタグ４が貼り付けられている。
紙片７は図のような蓋材側の側面に折り込まれる構造で
あるが、このような構成に限定するものではなく、底材
側に折り込まれるものであっても良いし、両側面に折り
込まれるものであっても良い。

【００１６】図４に本発明におけるタグ４の構造を示
す。磁性細線１０上に間隔を空けて磁性薄帯１１，１
２，１３が配置され、これらを２枚のフィルム１４，１
５によりラミネートしてなる。

【００１７】本発明における磁性細線１０としては、反
磁界の影響が少ない線長において大バルクハウゼン特性
を有するような軟磁性金属細線が好ましく、軟磁性金属
細線としては、アモルファス金属ワイヤ、ウィーガンド
ワイヤ、Ｆｅ−Ｓｉワイヤ等を用いることが好ましい。
さらに、本発明の磁気マーカの検出信号（例えば、パル
ス信号や高調波信号等）を向上させるために、前記磁性
細線に熱処理等の後処理を行っても良い。また、磁性細
線の保磁力としては、０．０５〜１．０エルステッドで
あることが好ましく、磁性細線の線径としては、６０〜
１１５μｍφ、さらに好ましくは、８０〜１００μｍφ
であることがより好ましい。線径が６０μｍ以下の場合
では、磁性細線の断面積が不足するため、検出信号が低
くなり、１１５μｍ以上では反磁界が大きくなり、実用
上好適なタグのサイズにおいて大バルクハウゼン特性を
示しにくくなる。

【００１８】本発明に用いられる磁性薄帯１１，１２，
１３は、磁性細線の上に所定の間隔を空けて配置され
る。磁性薄帯１１，１２，１３としては、磁性細線より
も保磁力の低い軟磁性金属薄帯を用いることが好まし
い。磁性薄帯１１，１２，１３の保磁力としては、０．
０１〜０．８エルステッドであることが好ましく、軟磁
性金属材料としては、パーマロイ、珪素鋼、アモルファ
ス金属材料を用いることが好ましい。

【００１９】また、磁性薄帯１１，１２，１３の磁束変
化は、磁性細線の反磁界の低減に大きな影響を及ぼすた
め、磁性薄帯１１，１２，１３の寸法としては、タグを
形成する長さ方向の長さが３ｍｍ以上、幅が３〜１０ｍ
ｍ、厚さが１０〜５０μｍの範囲内にあることが好まし
い。長さが３ｍｍ以下では磁性薄帯１１，１２，１３の
反磁界が増加し、磁性細線の反磁界を低減するのに必要
な磁束変化が生じにくくなる。さらに、幅及び厚さがそ
れぞれ３ｍｍ以下、１０μｍ以下では、磁性薄帯１１，
１２，１３の磁束変化に寄与する断面積が不足してしま
うため、大バルクハウゼン特性を示しにくくなる。ま
た、幅及び厚さがそれぞれ１０ｍｍ以上、５０μｍ以上
では、反磁界が増加し、断面積の増加による効果が得ら
れにくくなる。

【００２０】磁性薄帯１１，１２，１３の形状は、特に
規定されるものではなく、図４に示されるような矩形以
外に、多角形あるいは円形でも良い。磁性細線と磁性薄
帯１１，１２，１３との位置関係としては、タグを形成
する長さ方向及び幅方向で、磁性薄帯１１，１２，１３
はその間隔が５〜７ｍｍで、全体で３０ｍｍ前後の位置
に磁性細線の端部が存在することが好ましい。本発明の
大バルクハウゼン特性を有するタグは、交流磁場にさら
された場合に、所定のしきい値Ｈ＊において急峻な磁束
変化を示すため、出力電圧及び高次の高調波に優れた検
出信号を発生する。このような出力電圧及び高次の高調
波に優れた検出信号は、検知システムの感度を向上する
ものであり、さらにはタグと他の金属材料とを識別する
のに役立つものである。

【００２１】また、２枚のフィルム１４，１５として
は、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィル
ム、ポリイミドフィルム等が使用でき、特にはポリエチ
レンフィルムが適当である。厚さは１０μｍから５０μ
ｍ程度が適当であり、特には２５μｍが適当である。フ
ィルムの形状は磁性細線と磁性薄帯をラミネートする多
きさであり、冊子体に設けてから再生処理する際のフィ
ルターで除去する大きさであれば良く、長さは磁性細線
の両端より１ｍｍ〜５ｍｍ程好ましくは３ｍｍほど長
く、幅は磁性薄帯の幅より１ｍｍ〜５ｍｍ程好ましくは
３ｍｍほど長いものが好ましい。また、タグの製造方法
としては、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を熱押出しに
よって供給し、冷却圧着させることなどによりラミネー
トすることが可能となる。

【００２２】

【実施例】連続した幅１３ｍｍの紙製テープに、３５ｍ
ｍ×１０ｍｍの厚さ２５μｍのポリエチレン製ラミネー
ト層を連続して設け、その表面にアクリル系粘着剤を２
５μｍ塗布した。その長さ３５ｍｍの中心に３０ｍｍの
磁性細線を配し、その磁性細線上に図４に示すように５
ｍｍ×２ｍｍの３つの磁性薄板を配した。その上からア
クリル系粘着剤２５μｍを塗布した２０μｍのポリエチ
レン製層を設け、圧着することで本発明のタグを得た。
なお磁性細線は周波数５０Ｈｚ、振幅１０エルステッド
の正弦磁界における保持力が０．３０エルステッドの線
径９４μｍφの合金、磁性薄帯は０．２０の厚さ２５μ
ｍの合金からなるものである。

【００２３】上記タグを、図１に示すように、１２４ｍ
ｍ×１４２ｍｍ×１２ｍｍのプラスチック製のディスク
収納体に設けた。出来上がったコンパクトディスク収納
体を所定の着磁機により磁化し、所定のゲートを通過さ
せたところ、反応が出たことが確認された。またその後
所定の消磁機により消磁してから同じくゲートを通過さ
せたところ、反応が出なかったことが確認された。

【００２４】

【発明の効果】以上に示したように本発明の請求項１記
載の発明により、アルバムＣＤのようなプラスチック製
ＣＤケースのＣＤ収納部材を蓋材と底材と組み立てた
後、インラインでＣＤを挿入する工程の前後において、
インラインで万引防止用タグを貼り付けることが可能と
なり、これによりタグを安価に設けることを可能とし、
かつ磁気式のタグであるのでレジで消磁すればタグの取
り外しの必要はなく、蓋材が不透明又は蓋材裏側に紙片
を挿入したものでありかつ底材若しくはディスク収納部
材が不透明又は底材とディスク収納部材の間に紙片を挿
入したものであれば、タグを設けてあることが容易に判
断できず、取り外しも容易ではないものとなるという作
用効果を奏する。

【００２５】また請求項２記載の発明により、タグを安
価に設けることを可能とし、かつ磁気式のタグであるの
でレジで消磁すればタグの取り外しの必要はなく、蓋材
が不透明又は蓋材裏側に紙片を挿入した又はディスク収
納部材が不透明であって、かつ底材が不透明又は底材と
ディスク収納材の間に紙片を挿入したものであればタグ
を設けてあることが容易に判断できず、取り外しも容易
ではないものとなるという作用効果を奏する。

【００２６】また請求項３記載の発明により、タグを安
価に設けることを可能とし、かつ磁気式のタグであるの
でレジで消磁すればタグの取り外しの必要はなく、プラ
スチック製のディスク収納体が透明であっても、ディス
ク収納体の外面の背に、ディスク収納体中にディスク等
を収納後のインラインの工程によって万引防止用タグを
貼り付けることが可能となり、これによりタグを安価に
設けることを可能とし、かつ磁気式のタグであるのでレ
ジで消磁すればタグの取り外しの必要はなく、タグの上
から紙片を貼付してなるのでタグがあることを容易に判
別不能となるという作用効果を奏する。

【００２７】また請求項４記載の発明により、タグの磁
性細線と磁性薄板が分離せず、貼付け作業が容易に行
え、かつ圧力をかけても裏面から貼付していることが容
易には判明しないものとなるという作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるディスク収納体のデ
ィスク収納部の蓋材と対向する側にタグを設けたディス
ク収納体の構造を示す説明図である。

【図２】本発明の一実施例におけるディスク収納体のデ
ィスク収納部の底材と対向する側にタグを設けたディス
ク収納体の構造を示す説明図である。

【図３】本発明の一実施例におけるディスク収納体の収
納体の背又は表裏面の背近傍にタグを設けたディスク収
納体の構造を示す説明図である。

【図４】本発明におけるタグの構造を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１…ディスク収納体 ２…ディスク収納部 ３…蓋材 ４…タグ ５…ディスク ６…底材 ７…紙片 ８…背面 ９…背面の近傍の側面 １０…磁性細線 １１，１２，１３…磁性薄板 １４，１５…フィルム

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】蓋材と底材とディスク収納部材とからなる
   プラスチック製のディスク収納体において、該ディスク
   収納部材の蓋材と対向する面に、大バルクハウゼン特性
   を有する磁性細線と該線上に所定の間隔を空けて配置し
   た該磁性細線より保持力の小さい磁性薄帯とからなる磁
   気式の万引防止用タグを貼り込んでなることを特徴とす
   るタグ付きディスク収納体。
2. 【請求項２】蓋材と底材とディスク収納部材とからなる
   プラスチック製のディスク収納体において、該ディスク
   収納部材の底材と対向する面に、大バルクハウゼン特性
   を有する磁性細線と該線上に所定の間隔を空けて配置し
   た該磁性細線より保持力の小さい磁性薄帯とからなる磁
   気式の万引防止用タグを貼り込んでなることを特徴とす
   るタグ付きディスク収納体。
3. 【請求項３】プラスチック製のディスク収納体の背に紙
   片を貼付してなるディスク収納体において、前記プラス
   チック製のディスク収納体の背又は表裏面の背近傍に大
   バルクハウゼン特性を有する磁性細線と該線上に所定の
   間隔を空けて配置した該磁性細線より保持力の小さい磁
   性薄帯とからなる磁気式の万引防止用タグを貼り込んで
   なることを特徴とするタグ付きディスク収納体。
4. 【請求項４】前記磁性細線と磁性細帯はフィルムにより
   両面からラミネートされてなることを特徴とする請求項
   １〜３のいずれか記載のタグ付きディスク収納体。