JP2002362303A - シートベルト装置用ウェビングの処理剤、処理治工具、処理方法、及びシートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置用ウェビングの処理剤、処理治工具、処理方法、及びシートベルト装置

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JP2002362303A
JP2002362303A JP2001172591A JP2001172591A JP2002362303A JP 2002362303 A JP2002362303 A JP 2002362303A JP 2001172591 A JP2001172591 A JP 2001172591A JP 2001172591 A JP2001172591 A JP 2001172591A JP 2002362303 A JP2002362303 A JP 2002362303A
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seat belt
belt device
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treatment agent
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Masao Suzuki
征勇 鈴木
Tadashi Yokoyama
正 横山
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
NSK Autoliv Co Ltd
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
NSK Autoliv Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートベルト装置のウェビングの巻取り性能
を長期にわたって良好に維持する手段を提供すること。 【解決手段】 シリコーン油とn−パラフィンとを混合
してなる処理剤4を基布2に含浸させたウェビング処理
治工具1によりウェビングに処理剤4を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のシート
に着座した乗員の身体を、例えば緊急時にシートに拘束
するシートベルト装置に関し、更に、このシートベルト
装置のウェビングの処理治工具、処理方法、及び処理剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等をシートに拘束する
ためのシートベルト装置として、連続ウェビングを用い
た三点式シートベルト装置がある。
【0003】図7には、このようなシートベルト装置2
10が示される。シートベルト装置210のウェビング
211は、一端部を、リトラクター212に引出し可能
に巻回されるとともに、他端部を、センターピラー21
3の下部に軸支されたアンカープレート214に、ウェ
ビングガイドであるスルーアンカ215を経由して係止
される。アンカープレート214及びスルーアンカ21
5の間に配設されたスルータング216を、シート21
7近傍に配設されたバックル218に係合することによ
り、ウェビング211は乗員(図示しない)をシート2
17に拘束する。
【0004】シートベルト装置210には、ウェビング
211を案内するためのウェビングガイドとして、上記
スルーアンカ215及びスルータング216の他に、図
示しないスルーベルト、リトラクターの出口のウェビン
グガイド等が備えられる。ウェビングガイドにはそれぞ
れ、長孔状のベルトスロットが設けられており、当該ベ
ルトスロットは、挿通されたウェビング211を摺接し
て案内する。
【0005】ところで、ウェビング211の良好な巻取
り性、及びウェビング211引出し時の良好な操作感を
確保するには、前記ベルトスロットとウェビング211
との摺接部分における摩擦抵抗を可能な限り低く抑える
ことが必要である。そこで、被覆樹脂により表面形状を
滑らかにしたり、摩擦抵抗の低いフッ素系の塗料を塗布
する等して表面処理を施したりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなシートベルト装置では、長時間使用すると、ウェ
ビングの表面に汚れが付着し、表面油剤も消耗する。こ
の結果、ウェビングとウェビングガイドとの間の摩擦抵
抗が増大して、ウェビングの良好な摺動性が損なわれ
る。そして、シートベルト装置210の装着時には、装
着のための力がより多く必要となるという問題が生じ、
また、シートベルト装置210の保管時には、ウェビン
グ211を完全に巻取れないことがあり、邪魔な状態と
なってしまうという問題が生じる。
【0007】これらの問題を解決するために、特開平1
0−35424号公報に開示されるようなウェビングの
清掃方法や、特開平11―43011号公報に開示され
るようなウェビングガイドの清掃方法が提案されてい
る。これらの清掃方法は、ウェビング及びウェビングガ
イドの摺動面のガムや汚れを除去することにより、両者
の摺動性を回復させてウェビングの巻取り性能を回復さ
せるものである。
【0008】本発明の目的は、シートベルト装置のウェ
ビングの巻取り性能を長期にわたって良好に維持する手
段を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成〜によって達成される。 シリコーン油とn−パラフィンとを混合してなる処
理剤をスポンジに含浸させたことを特徴とする処理治工
具。 シートベルト装置に用いられるウェビングの表面
に、シリコーン油とn−パラフィンとを混合してなる処
理剤を塗布することにより所望の摺動性を得ることを特
徴とするウェビング処理方法。 乗員の身体をシートに拘束するウェビングと、前記
ウェビングに摺接して当該ウェビングを案内するウェビ
ングガイドとを備えてなるシートベルト装置において、
前記ウェビングに、シリコーン油とn−パラフィンとを
混合してなる処理剤が塗布されていることを特徴とする
シートベルト装置。 シリコーン油とn−パラフィンとを混合してなるこ
とを特徴とするウェビング処理剤。
【0010】本発明におけるウェビングの処理剤は、ウ
ェビングの摺動性を向上させることができる潤滑剤とし
てのシリコーン油と、高粘度の前記シリコーン油のウェ
ビングへの浸透性及び塗布操作性を高めるためのn−パ
ラフィンとを混合したものを含んでなる。シリコーン油
としてはジメチルシリコーン油が好ましい。基油動粘度
は10000cSt(=mm2/s)/25℃〜100
cSt/25℃の範囲にあるものが好ましい。単一のシ
リコーン油とn−パラフィン油の混合油でもよいが、シ
リコーン油は複数の混合シリコーン油であることが好ま
しい。混合シリコーン油であっても、基油動粘度の異な
る三種類の混合シリコーン油により構成される場合は特
に好ましい。n−パラフィンの動粘度は、5cSt(=
mm2/s)/25℃以下のものが望ましい。混合シリ
コーン油の動粘度分布を幅広くすることにより、ウェビ
ングに処理した後、長期間に渡り安定した性能を付与す
ることがこれまでの実験により可能となった。シリコー
ン油とn−パラフィンとの混合比は、シリコーン油に対
してn−パラフィンが5〜70%であることが好まし
く、20〜50%であることが特に好ましい。シリコー
ン油の含有率が低すぎると巻取性向上の効果が乏しくな
ってしまい、また、シリコーン油の含有率を上げると、
処理剤の動粘度が上昇するためウェビングへの浸透性が
悪くなり、均一に塗布することが難しくなる。
【0011】ウェビング処理剤は非エマルジョンタイプ
であることが好ましい。ウェビング処理剤が非エマルジ
ョンタイプであると、混合状態が均一であり、ウェンビ
ングにも均一に塗布される。そして、このウェビング処
理剤をウェビングの表面に塗布することにより、油剤処
理されていない新品のウェビングにあっては良好な摺動
性を長期間維持することができ、使用済みのウェビング
にあっては良好な摺動性を回復するとともに、回復した
摺動性を長期間維持することができる。その結果、シー
トベルト装置の高い巻取り性能を長期にわたって維持す
ることができる。
【0012】ウェビング処理剤をウェビングに塗布する
方法としては、例えば、一般的な塗布装置を用いる方法
や、当該ウェビング処理剤を含浸させた処理治工具によ
り行う方法が挙げられる。この処理治工具を用いて塗布
する場合は、処理治工具によってウェビングの表面を清
掃すると同時にウェビング処理剤を塗布することが好ま
しい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照しながら
本発明の実施形態を説明する。
【0014】図1(A)に示されるのは、非エマルジョ
ンタイプのジメチルシリコーン油とn−パラフィンとを
含んでなる処理剤(以下、混合油処理剤と記載)4を含
浸させたスポンジ2を裏地3にて補強したパッド1の断
面図である。スポンジ2としては、ウレタンスポンジを
例示できるが、ウレタンにこだわらず、他のものでもよ
い。パッド1はシートベルト装置のウェビングを処理す
るために用いられ、特に当該ウェビングに混合油処理剤
4を塗布するために用いられる。このパッド1は、スポ
ンジ2の裏地3側とは反対側に、ウェビング押え板6が
設けられている。ここでは、ウェビング押え板6の側縁
部が、裏地3に接続されている。すなわち、断面視にお
いて、裏地3とウェビング押え板6とがU字状を呈して
いる。ウェビング押え板6は、裏地としての機能も兼ね
る。
【0015】パッド1によってウェビングに混合油処理
剤4を塗布するときは、図1(B)に示すように、スポ
ンジ2とウェビング押え板6との間にウェビングWを挟
んで、混合油処理剤4が含浸されたスポンジ2をウェビ
ング表面で摺動させる。混合油処理剤4は洗浄効果を有
しており、ウェビングの表面を清掃しながら混合油処理
剤4を塗布することができる。
【0016】パッド1によってウェビングの摺動面を強
く拭くだけで、ウェビングの表面には、新たに混合油処
理剤4の被膜が形成され、ウェビングガイドとウェビン
グとの間の摩擦抵抗を減じ、良好な摺動性を取り戻すと
ともに、この摺動性を維持することができる。その結
果、シートベルト装置の高い巻取り性能の回復及び維持
を図ることができる。
【0017】図1(C)には、スポンジ2をスポンジカ
バー5で覆ったパッド10が示される。スポンジカバー
5は、スポンジ2に含浸された混合油処理剤4が保管中
に流れ出して清掃能力が低下したり、被膜形成能力が低
下するのを防ぐために設けられる。このパッド10は、
長期間保存ができ、携帯用にも便利であり、1回限りの
使い捨て用として使用できる。
【0018】混合油処理剤4はパッド1を用いずに、シ
ートベルト装置の製造過程で塗布されてもよい。例え
ば、図7のシートベルト装置210のウェビングに塗布
することができる。このウェビングに混合油処理剤4を
塗布することによって、当該ウェビングの良好な摺動性
を保つことができ、シートベルト装置は高い巻取り性能
を維持することができる。
【0019】この塗布方法としては図2に示されるよう
なローラタッチ方式の装置を用いることが好ましい。図
2(a)に示されるのは、ダイレクトロール方式と呼ば
れる方法を用いた装置で、ウェビングの片面に処理剤を
塗布できる。この装置をダブルにして使用することによ
り、ウェビングの両面に同時に処理剤を塗布することが
できる。図2(b)又は図2(c)に示されるのは、リ
バースロール方式と呼ばれる方法を用いた装置で、ロー
ラの回転数及びウェビングの移動速度を調整することに
より、処理剤の付着量を一定にすることができ、付着量
管理に優れている。また、図2(b)及び図2(c)の
装置を組み合わせることで、ウェビングの両面に同時に
塗布することもできる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。なお、
本実施例において混合油処理剤の動粘度は約50〜10
00cSt(=mm2/s)/25℃、低曇点0℃以下
である。
【0021】(実施例1)図3にはシートベルト装置の
巻取り性能の耐久性を測定する実験装置が示され、その
測定結果が図4に示される。
【0022】図3に示すように、格納余裕力試験装置7
0においては、シートベルト保持架台71に保持された
シートベルト装置のウェビングWが、ウェビング引出巻
取用エアシリンダ73の作動に伴って、リトラクター7
2からの引出し及び巻取り動作が繰り返される。
【0023】シートベルト保持架台71は、ベース82
上に立設されており、シートベルト装置のリトラクター
72、スルーアンカ74、模擬ショルダー部材77及び
ウェビングWを車両搭載時と略同一の位置に保持する。
すなわち、シートベルト保持架台71は、基端部(図3
中下端部)近傍にウェビングWを巻回したリトラクター
72と、該リトラクター72から所定の垂直距離をおい
た図3中上端部近傍にウェビングWを挿通されたスルー
アンカ74と、該スルーアンカ74近傍に配設された模
擬ショルダー部材77とを支持する。
【0024】前記ウェビング引出巻取用エアシリンダ7
3は、エアシリンダ支持架台84に所定の姿勢で支持さ
れており、シリンダロッド73aに固定された取付プレ
ート75にハンガー部材等を介してウェビングWを固定
している。エアシリンダ支持架台84は、ベース82上
にシートベルト支持架台71と所定の位置関係を以って
固定される。
【0025】ウェビング引出巻取用エアシリンダ73
は、シリンダ本体73bからのシリンダロッド73aの
進退に伴って、非使用状態と略同一の状態にあるウェビ
ングWを、乗員拘束状態と略同一の状態まで、リトラク
ター72から所定量a引出すとともに、引出したウェビ
ングWを、再び非使用状態と略同一の状態まで、すなわ
ち所定量aだけリトラクター72に巻取らせる。なお、
この実施例では所定量aは500mmに設定されてい
る。
【0026】模擬ショルダー部材77は、曲率半径約5
00mmに設定されており、取付位置はその中心がスル
ーアンカ74から所定量cだけオフセットされて設定さ
れている。なお、この実施例では所定量cは200mm
に設定されている。模擬ショルダー部材77の表面はポ
リエステル布で覆われており、このポリエステル布上面
先端がウェビングWに当たったかどうか確認した後、模
擬ショルダー部材77をこの実施例では約10mmウェ
ビングWに押し当てて設置している。
【0027】前記リトラクラー72は、スルーアンカ7
4より垂直下方に所定量d、この実施例では約680m
m下方に位置している。また、スルーアンカ74を介し
たウェビングWのなす角度は、側面視でf、この実施例
では70°であり、上面視では45°に設定されてい
る。
【0028】また、スルーアンカ74より垂直下方に所
定量e、この実施例では約780mm下方にラップアウ
ター78が設けられる。このラップアウター78は、ウ
ェビング引出巻取用エアシリンダ73に取付けられたウ
ェビングWを取り外して該ウェビングWをラップアウタ
ー78に取付け、ウェビングWに錘を下げて格納余裕力
を測定するときに使用される。
【0029】この実施例では、実際に経時劣化したもの
と劣化傾向の似たサンプルとして、人工皮脂液を塗布し
ている。人工皮脂液としては公知の種々のものを用いる
ことができ、例えばこの実施例では、有機成分としてオ
レイン酸と蛋白質等を、無機成分として泥を使用したも
のを利用している。
【0030】このような処方からなる人工皮脂液を引出
巻込み100回毎(引込み巻込みで1回とする。)に模
擬ショルダー部材77の表面に向けて1回所定量塗布
し、引出巻込み動作の所定回数毎に、巻取力(格納余裕
力)を測定した。測定方法は以下の通りである。 エアシリング73に取付けられたウェビングWを取
り外し、ラップアウター78に取り付け、ウェビングW
が張った状態になるまでリトラクター72にウェビング
Wを巻取る。 この状態で、スルーアンカ74からラップアウター
78側に150mmの位置にあるウェビングWに錘を取
り付ける。 ラップアウター78側に300mmウェビングWを
引き出したのち、手を放し、リトラクター72が巻込む
上限の錘の質量(5g単位)で測定する。なお、この実
施例では、この錘の質量から格納余裕力[N]を算出し
ている。
【0031】図4を参照しながら新品の3種類のウェビ
ングの巻取り性能とその耐久性について説明する。図4
の縦軸は格納余裕力(巻取り性能を示す)、横軸は耐久
回数である。図中において、Aは本発明の混合油処理剤
を塗布したウェビング、Bは比較例としてn−パラフィ
ンを塗布したウェビング、Cは比較例としてエマルジョ
ンタイプのジメチルシリコーン油を量産と同様の浸漬法
により塗布したウェビングについての試験結果である。
比較例としてのエマルジョンタイプのジメチルシリコー
ン油を塗布したウェビングCの場合は、初期は高い格納
余裕力を示すが、耐久回数が増えるとともに格納余裕力
が低下している。混合油処理剤の鉱油分のn−パラフィ
ンを塗布したウェビングBの場合は、全体的に格納余裕
力は低いが、耐久回数が増えても格納余裕力の低下は少
ない。これに対して、本発明の実施例である混合油処理
剤を塗布したウェビングAの場合は、格納余裕力の初期
値が高く、且つ耐久回数が増えても格納余裕力の低下が
少ない。
【0032】(実施例2)図5には、巻取り性能の低下
した市場回収品のシートベルト装置に用いられたウェビ
ングに対して、本発明の混合油処理剤又は比較例として
のエマルジョンタイプのジメチルシリコーン油からなる
処理剤を塗布した場合の、巻取り性能の回復性及び維持
性の試験結果が示される。図5の縦軸は格納余裕力、横
軸は耐久回数である。巻上げ力が弱くなった市場回収品
のウェビングD,E,F,Gに対して、それぞれ予めウ
ェビングガイド用の清掃器具(例えば、特開平11−4
3011の開示品、あるいは市販のマジックテープ(登
録商標))でウェビングガイドのガム及び汚れを除去し
た。その後、ウェビングD,Eに関しては、本発明によ
る混合油処理剤を含浸させたパッドによってウェビング
の汚れを強く拭き取りながら混合油処理剤を塗布し、ウ
ェビングF,Gに関しては、比較例としてのエマルジョ
ンタイプのジメチルシリコーン油からなる処理剤を塗布
した。試験は、図3に示される装置を用いて行った。
【0033】図5を参照しながら4種類のウェビング
D,E,F,Gの巻取り性能とその耐久性について説明
する。混合油処理剤又はジメチルシリコーン油からなる
処理剤が塗布される以前(図5中、回収時)のウェビン
グD,E,F,Gの格納余裕力は、それぞれ、0.39
2N、0.343N、0.245N、0.392Nであ
る。ウェビングD,EとウェビングF,Gとの測定値を
比較すると、どちらの処理剤を塗布した場合においても
0.245〜0.392N程度の格納余裕力が1.17
7〜1.471Nに回復している。そして、ウェビング
D,Eの場合は耐久回数が多くなっても格納余裕力の低
下が少なくなっている。すなわち、本発明による混合油
処理剤が塗布されたウェビングD,Eは、格納余裕力の
低下がゆるやかで、耐久回数1000回の時点でも、格
納余裕力が共に0.981Nであるのに対して、比較例
としてのジメチルシリコーン油からなる処理剤が塗布さ
れたウェビングF,Gは、格納余裕力の低下が比較的早
く、耐久回数1000回の時点では格納余裕力が0.2
94N〜0.392Nまで低下してしまった。
【0034】(実施例3)図6には、巻取り性能の低下
した市場回収品の2種類のシートベルト装置に用いられ
たウェビングI,Jの巻取り性能の回復性及び維持性の
試験結果が示される。この試験は、まずシートベルト装
置のウェビングガイドのガム及び汚れを除去して耐久性
能の測定を行い、その測定後、ウェビングガイドのガム
及び汚れを再度除去し、本発明の混合油処理剤をウェビ
ング表面に塗布して再び耐久性能の測定を行った。試験
は、図3に示される装置を用いて行った。
【0035】図6を参照しながら2種類のウェビング
I,Jの巻取り性能とその耐久性について説明する。市
場回収時(図6中、回収時)のウェビングI,Jの格納
余裕力はそれぞれ0.446Nと0.637Nであった
が、ウェビングガイドのガム及び汚れを除去(図6中、
ガム及び汚れ除去)したことにより格納余裕力はそれぞ
れ0.834Nと0.932Nまで回復した。しかしな
がら運転初期から急激に余力は低下し、耐久回数600
程度になるとガム及び汚れの除去前と大差のない格納余
裕力まで低下してしまった。耐久後再びウェビングガイ
ドのガム及び汚れを除去し、本発明の混合油処理剤をウ
ェビングに塗布した結果(図6中、再生処理)、格納余
裕力は0.883Nまで回復し、耐久回数が増えても低
下はなだらかで、耐久回数1000回の時点においても
0.785〜0.834Nの格納余裕力を維持すること
ができた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、シリコーン油とn−パ
ラフィンとを混合してなるウェビング処理剤をウェビン
グに塗布することにより、新品のウェビングにあっては
良好な摺動性を長期間維持させることができ、使用済み
のウェビングにあっては良好な摺動性を回復させるとと
もに、良好な摺動性を長期間維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】混合油処理剤をウェビングの塗布するパッドを
示す。
【図2】ウェビングに混合油処理剤を塗布する装置を示
す。
【図3】ウェビングの巻取り性能の耐久試験装置を示
す。
【図4】ウェビングの巻取り性能の耐久試験の結果を示
す。
【図5】ウェビングの巻取り性能の耐久試験の結果を示
す。
【図6】ウェビングの巻取り性能の耐久試験の結果を示
【図7】シートベルト装置の一例を示す。
【符号の説明】
1,10 パッド(処理治工具) 2 スポンジ 3 裏地 4 混合油処理剤 5 スポンジカバー 6 ウェビング押え板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 正 神奈川県高座郡寒川町田端1580番地 ユシ ロ化学工業株式会社内 Fターム(参考) 3D018 BA00 4L033 AB05 AC09 BA01 CA59

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルト装置に用いられるウェビン
    グの表面に、ウェビングの滑りを良くする処理剤を塗布
    する処理治工具において、 前記処理剤をスポンジに含浸させたことを特徴とするウ
    ェビングの処理治工具。
  2. 【請求項2】 シートベルト装置に用いられるウェビン
    グの表面に、シリコーン油とn−パラフィンとを混合し
    てなる処理剤を塗布することにより所望の摺動性を得る
    ことを特徴とするウェビング処理方法。
  3. 【請求項3】 乗員の身体をシートに拘束するウェビン
    グと、前記ウェビングに摺接して当該ウェビングを案内
    するウェビングガイドとを備えてなるシートベルト装置
    において、 前記ウェビングに、シリコーン油とn−パラフィンとを
    混合してなる処理剤が塗布されていることを特徴とする
    シートベルト装置。
  4. 【請求項4】 シリコーン油とn−パラフィンとを混合
    してなることを特徴とするウェビング処理剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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