JP2002361321A - 金属材料の等圧押出方法並びに押出装置 - Google Patents

金属材料の等圧押出方法並びに押出装置

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JP2002361321A JP2001173061A JP2001173061A JP2002361321A JP 2002361321 A JP2002361321 A JP 2002361321A JP 2001173061 A JP2001173061 A JP 2001173061A JP 2001173061 A JP2001173061 A JP 2001173061A JP 2002361321 A JP2002361321 A JP 2002361321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長手方向における寸法変化が解消乃至は抑制
された押出製品を可及的に低コストに且つ確実に得るこ
とが出来る技術を提供する。 【解決手段】 ラム18のビレット14に対する押圧に
より、該ビレット14からダイス22に対して直接に加
わるダイス荷重が検出され得るように構成された押出装
置を用いて、該ラム18のビレット14に対する押圧時
に、該ダイス荷重を検出する一方、該検出されるダイス
荷重に基づいて、該ビレット14の温度とコンテナ10
の温度の少なくとも何れか一方を調節することにより、
該ダイス荷重が押出加工中において終始一定の値となる
ように、該ダイス荷重を制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、金属材料(金属ビレット)の等
圧押出方法並びに押出装置に係り、特に、ラムの金属ビ
レットに対する押圧時に、ビレットからダイスに対して
直接に加えられるダイス荷重を一定に為すことにより、
ダイスを通じて押し出される押出製品の品質を有利に高
め得るようにした金属材料の等圧押出方法と、かかる方
法の実施に際して好適に用いられる押出装置に関するも
のである。
【0002】
【背景技術】よく知られているように、コンテナの収容
孔内に収容した金属ビレット(金属材料)をラムにて押
圧することにより、ダイスを通じて押し出して、所望の
断面形状を呈する押出製品を得る方法の一種として、コ
ンテナとビレットとを共に所定の温度に加熱した状態下
で、ラムのビレットに対する押圧方向と同一方向におい
て、ビレットを押し出すようにした、所謂熱間前方(直
接)押出加工があり、例えば、アルミニウム合金等の押
出製品(押出形材)の多くが、この方法にて製造されて
いる。
【0003】ところで、このような熱間前方押出加工に
より、アルミニウム合金等からなるビレットの押出を行
なう場合、押出が進むにつれて、押出製品の寸法、例え
ば、板状の押出製品の板幅や板厚等が押出方向たる長手
方向において変化するという現象が生じており、それ
が、押出製品の品質に対して多大な悪影響を及ぼしてい
る。
【0004】このため、従来から、かかる熱間前方押出
加工にて得られる押出製品の品質の向上を目的として、
押出製品の長手方向における寸法変化の発生原因が種々
考察され、そして、その考察された発生原因に応じた、
様々な対策が提案されてきているのである。
【0005】すなわち、例えば、特開平5−13823
3号公報においては、熱間前方押出加工の実施時におけ
る押出製品の長手方向の寸法変化(ここでは、主に、板
状押出製品の板厚変化)が、ダイスの撓み量の変化によ
って生ずるものと考えられており、また、このダイスの
撓み量の変化が起きる原因の一つとして、ラムのビレッ
トに対する押圧時に、ビレットとコンテナとの間で生ず
る摩擦抵抗により、コンテナから、ダイスのコンテナと
の接触部分に対して、ラムの押圧方向に加わる押出荷重
(コンテナシール力)の変化が、挙げられている。つま
り、従来の熱間前方押出加工では、一般に、ダイスの外
周部が、コンテナに対して、ラムの押圧方向に接触せし
められているところから、押出加工が進んでビレットの
残量が少なくなるに従って、ビレットとコンテナとの間
で生ずる摩擦抵抗が減少し、それに伴って、ダイスの外
周部に対するコンテナからの押出荷重も次第に小さくな
り、そのために、ダイスの撓み量が変化せしめられると
されているのである。
【0006】そして、かかる特開平5−138233号
公報では、押出製品の長手方向における寸法変化を生ぜ
しめるダイスの撓み量の変化を解消乃至は抑制するため
に、コンテナを押圧する補助シリンダを設け、かかる補
助シリンダにてコンテナを押圧することにより、押出加
工中において、ダイスの外周部に対するコンテナからの
押出荷重を終始一定に為すことが、提案されている。し
かしながら、このような対策を講じようとすると、使用
する押出装置の構造が、複雑で、且つ大がかりなものな
って、押出加工に要される経済負担が増大してしまうこ
とが避けられなかったのである。しかも、かかる公報に
開示される押出装置では、ビレットからダイスに対して
直接に加えられる押出荷重を制御することが出来なかっ
たのである。
【0007】また、特開2001−121208号公報
においては、押出製品の長手方向の寸法変化(ここで
も、主に、板状押出製品の板厚変化)が、ダイスに対す
るコンテナからの押出荷重の変化に加えて、ダイスの温
度が変化することによって、押出製品が押し出されるダ
イスの押出孔(賦形空間)における間隙の大きさが、押
出加工中に変動するために生ずるものと考えられてお
り、そして、そのようなダイスの押出孔における間隙の
大きさの変動を解消せしめるために、ダイスの外周面を
加圧する加圧力調整ロッドを設けて、押出製品の寸法の
変化量に応じて、かかる加圧調整ロッドの加圧量を調整
することにより、ダイスの押出孔における間隙の大きさ
を一定に為すことが、提案されている。
【0008】しかしながら、このような特開2001−
121208号公報において提案される対策にあって
も、使用されるダイス毎に、それに適した加圧調整ロッ
ドを設けなければならないため、ダイスの構造、ひいて
は押出装置の構造が複雑なものとなってしまい、それ
故、特に、多種類の押出製品を生産する際に、より大き
な経済負担が強いられることとなるといった、極めて大
きな問題が内在していたのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その第一の解決
課題とするところは、金属材料の押出加工に際して、得
られる押出製品の長手方向における寸法変化を低コスト
に且つ確実に解消することが出来、以て、可及的に小さ
な経済負担で、押出製品の品質を高度に且つ安定して維
持することが出来る方法を提供することにある。また、
本発明にあっては、そのような金属材料の押出加工を実
施するに際して、有利に用いられ得て、長手方向におけ
る寸法精度が安定した高品質な押出製品が低コストに製
造され得る押出装置を提供することを、その第二の課題
とするものである。
【0010】
【解決手段】そして、本発明者は、加熱されたコンテナ
の収容孔内に、金属ビレットが収容され、該ビレットを
ラムにて押圧することにより、ダイスの押出口を通じ
て、ビレットが、ラムの押圧方向と同じ方向に押し出さ
れるように構成されると共に、かかるダイスが、押出口
の形成部分たる中心部分において、コンテナの収容孔内
に収容されたビレットと接触する一方、外周部分におい
て、コンテナに接触せしめられるように配置されてなる
従来の押出装置を用いて、熱間前方押出加工を行なう場
合、ラムのビレットに対する押圧時に、ビレットとコン
テナとの間で生ずる摩擦抵抗により、ダイスのコンテナ
との接触部分に対して、コンテナから、ラムの押圧方向
に、押出荷重が加わる一方で、ダイスのビレットとの接
触部分に対して、ビレットから直接に押出荷重が加わ
り、また、これらダイスのコンテナとの接触部分とビレ
ットとの接触部分のそれぞれに加わる押出荷重の合計
が、ラムのビレットに対する押圧力に応じて、ラムから
ビレットに加わるラム荷重となる点に着目して、上述の
如き第一及び第二の二つの技術的課題を解決するため
に、鋭意研究を重ねたのである。
【0011】そして、その結果、ラムのビレットに対す
る押圧時に、ダイスのコンテナとの接触部分に該コンテ
ナから加わる押出荷重だけでなく、ダイスのビレットと
の接触部分に対して、ビレットから直接に加わる押出荷
重も、押出加工中に変化してしまうのであって、実は、
このビレットからダイスに直接に加わる押出荷重の変化
こそが、主に、板状押出製品の板幅を長手方向に変化さ
せる原因となる、押出加工中のダイスの撓み量の変化に
多大な影響を及ぼすことが、明らかとなったのであり、
また、そのようなビレットからダイスに直接に加わる押
出荷重の変化量は、ビレットの温度やビレットを収容す
るコンテナの温度の変化に大きく左右されることも、判
明したのである。
【0012】すなわち、本発明は、上述せる如き知見に
基づいて完成されたものであって、その要旨とするとこ
ろは、加熱されたコンテナの収容孔内に、軸方向及び径
方向における温度が均一となるように加熱された金属ビ
レットを収容した後、かかるビレットをラムにて押圧す
ることにより、ダイスを通じて、該ラムの押圧方向と同
じ方向に押し出すに際して、前記ラムの前記ビレットに
対する押圧時に、該ビレットから前記ダイスに対して直
接に加わる押出荷重をダイス荷重として検出する一方、
該検出されるダイス荷重に基づいて、該ビレットの温度
と前記コンテナの温度の少なくとも何れか一方を調節す
ることにより、該ダイス荷重が押出加工中において終始
一定の値となるように、該ダイス荷重を制御することを
特徴とする金属材料の等圧押出方法にある。
【0013】要するに、この本発明に従う金属材料の等
圧押出方法にあっては、押出加工の進行時におけるダイ
スの撓み量の変化に多大な影響を及ぼす、ビレットから
ダイスに直接に加わる押出荷重たるダイス荷重を、押出
加工中において終始一定の値となるように制御するよう
にしたものであるところから、そのようなダイス荷重の
変化に起因するダイスの撓み量の変化を、解消乃至は可
及的に抑制することが出来るのである。
【0014】しかも、かかる本発明手法においては、単
に、ビレット温度とコンテナ温度の少なくとも何れか一
方を調節するだけで、上述の如く、ダイスの撓み変形を
解消乃至は抑制し得るダイス荷重制御を行なうようにし
たものであるところから、ダイスの撓み量の変化やダイ
スの押出孔における間隙の大きさの変動を阻止するため
に、コンテナやダイスに対してラム荷重とは別の荷重
(押圧力)をコンテナやダイスに負荷する特別な加圧装
置等が設けられた、複雑な構造の押出装置を用いる従来
手法とは異なって、ビレットやコンテナの温度調節機能
を有する比較的に簡略な構造の押出装置を用いることに
よって、ダイスの撓み量の変化を有利に阻止乃至は抑制
することが出来るのである。
【0015】従って、このような本発明に従う金属材料
の等圧押出方法によれば、押出加工中におけるダイスの
撓み量の変化を、比較的に低コストに且つ確実に解消乃
至は抑制することが出来、それによって、得られる押出
製品の長手方向における寸法変化も、低コストに且つ確
実に解消することが可能となり、その結果として、可及
的に小さな経済負担で、押出製品の品質を高度に且つ安
定して維持することが可能となったのである。
【0016】なお、このような本発明に従う金属材料の
等圧押出方法の好ましい態様の一つによれば、前記ダイ
スが、前記コンテナの収容孔内に配置された部分におい
て前記ビレットに接触せしめられて、前記ラムのビレッ
トに対する押圧により、該ビレットから該ダイスに対し
て直接に加わる押出荷重のみが、該ダイスに作用せしめ
られるように構成された押出装置を用いて、該ラムのビ
レットに対する押圧時に、該ビレットから該ダイスに対
して直接に加わる押出荷重をダイス荷重として検出する
ように構成される。
【0017】これによって、ダイス荷重が、より正確に
検出され得、以て、押出加工中におけるダイスの撓み量
の変化、ひいてはそれに起因する押出製品の長手方向に
おける寸法変化が、より有利に防止乃至は抑制され得る
こととなるのである。また、上述の如き構成を採用すれ
ば、ラムのビレットに対する押圧時に、ダイスに対し
て、コンテナから、ラムの押圧方向に、押出荷重が何等
加えられることがないため、そのようなコンテナによる
押出荷重の変動によって、ダイスの撓み量が変化して、
例えば板状押出製品の板厚等が変化してしまうようなこ
とが、有利に防止され得るのである。
【0018】また、本発明に従う金属材料の等圧押出方
法の別の有利な態様の一つによれば、前記ラムのビレッ
トに対する押圧に伴って該ビレットと前記コンテナとの
間で生ずる摩擦抵抗により、該コンテナに対して、前記
ラムの押圧方向に加えられるコンテナ荷重と、該コンテ
ナ荷重が検出されたときの該ラムのビレットに対する押
圧力に応じて、該ラムから該ビレットに加えられるラム
荷重とを更に検出し、該検出されるコンテナ荷重と該コ
ンテナ荷重が検出されたときに検出される前記ダイス荷
重との合計荷重と、該コンテナ荷重が検出されたときに
検出される前記ラム荷重との差を求め、かくして求めら
れた差の大きさに基づいて、該ダイス荷重の誤差が求め
られることとなる。
【0019】このような構成を採用すれば、求められる
誤差を無くすように、検出されるダイス荷重や、それに
基づくコンテナ温度やビレット温度の調節量を修正する
ことが出来、それによって、得られる押出製品の長手方
向における寸法変化を、より確実に解消することが可能
となる。
【0020】さらに、本発明に従う金属材料の等圧押出
方法の望ましい他の態様の一つによれば、前記押出装置
として、前記ダイスの全体が前記加熱されたコンテナの
収容内に挿入位置せしめられてなる装置を用いることに
より、該ダイスの全体の温度を一定の範囲内に保持する
構成が採用される。これによって、ダイスの温度変化に
よって惹起される、得られる押出製品の厚さ変化を効果
的に解消することが出来、その結果として、押出製品の
品質を、更に一層高度に且つ安定して維持することが可
能となるのである。
【0021】そして、本発明にあっては、前記第二の課
題の解決のために、(a)金属ビレットを収容孔内に収
容するコンテナと、(b)該コンテナを加熱する第一の
加熱手段と、(c)前記ビレットを、軸方向及び径方向
における温度が均一となるように加熱する第二の加熱手
段と、(d)前記コンテナの収容孔内に収容されたビレ
ットを押圧するラムと、(e)該ラムの前記ビレットに
対する押圧に伴って、該ビレットを該ラムの押圧方向と
同一の方向に押し出すための押出口を有するダイスであ
って、前記コンテナの収容孔内に挿入位置せしめられる
ことにより、該ラムの押圧方向において該ビレットのみ
に接触せしめられて、該ラムのビレットに対する押圧に
より、該ビレットから直接に加わる押出荷重のみが、作
用せしめられるように構成されたダイスと、(f)該ダ
イスに加えられる前記荷重をダイス荷重として検出する
検出手段と、(g)該検出手段にて検出される前記ダイ
ス荷重に基づいて、前記第一の加熱手段により加熱され
る前記ビレットの温度と、前記第二の加熱手段により加
熱される前記コンテナの温度の少なくとも何れか一方を
調節することにより、該ダイス荷重が押出加工中におい
て終始一定の値となるように、該ダイス荷重を制御する
制御手段とを含んで構成したことを特徴とする押出装置
をも、また、その要旨とするものである。
【0022】このような本発明に従う押出装置にあって
は、ラムのビレットに対する押圧により、ダイスに対し
て、ビレットから直接に加わる押出荷重のみが作用せし
められるように構成されているところから、押出加工の
進行時におけるダイスの撓み量の変化に多大な影響を及
ぼす、ビレットからダイスに直接に加わる押出荷重が、
検出手段にて、ダイス荷重として、確実且つ正確に検出
され得るようになっているのであり、また、そのような
ダイス荷重に基づいて、単に、ビレットの温度とコンテ
ナの温度の少なくとも何れか一方が、制御手段にて調節
されるだけで、ダイス荷重が、押出加工中において終始
一定の値となるように制御されるようになっているた
め、押出加工中におけるダイス荷重の変化が、比較的に
簡略な構造により、自動的に解消乃至は小さくされ得る
のである。
【0023】従って、この本発明に従う押出装置にあっ
ては、コンテナやダイスに対してラム荷重とは別の荷重
(押圧力)をコンテナやダイスに負荷する特別な加圧装
置等が設けられた従来装置よりも簡略な構造をもって、
ダイス荷重の変化により惹起されるダイスの撓み量の変
化、ひいては、そのようなダイスの撓み量の変化によっ
て惹起される押出製品の長手方向における寸法変化が、
確実に解消乃至は抑制され得るのであり、その結果とし
て、長手方向における寸法精度が安定した高品質の押出
製品が、優れた経済的メリットをもって、極めて有利に
製造され得ることとなるのである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施の形態について、図面を
参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0025】先ず、図1には、本発明に従う構造を有す
る押出装置を用いて、金属材料を、本発明手法に従って
等圧押出する際の一工程例が、ブロック図を一部含んで
概略的に示されている。かかる図1において、金属押出
装置は、コンテナ10の収容孔12内に収容されたアル
ミニウム等の金属ビレット14を、その背後から、油圧
シリンダ16によって駆動されるラム18の前進作動に
て、ダミーブロック20を介して押圧することにより、
ダイス22の押出口24を通じて、該押出口24の形状
に対応した断面形状を有する押出製品(形材)26が、
ラム18の前進方向、換言すれば、ラム18のビレット
14に対する押圧方向と同一の方向に向かって、連続的
に押し出され得るように構成されている。
【0026】また、かかる押出装置にあっては、コンテ
ナ10の内部に、コンテナ10を加熱する第一の加熱手
段としてのコンテナヒータ23が設けられている一方、
ビレット12を加熱する第二の加熱手段としてのビレッ
トヒータ25が、コンテナ10とは別に設けられてお
り、更に、それらコンテナヒータ23とビレットヒータ
25のそれぞれの加熱温度を調節する制御装置27が設
けられている。そして、この制御装置27の加熱温度調
節によって、コンテナ10が、所定の設定温度となるよ
うに、コンテナヒータ23にて加熱されるようになって
いる一方、ビレット14が、コンテナ10の収容孔12
内に収容される前に、軸方向及び径方向における温度が
均一となるように、ビレットヒータ25にて均熱加熱さ
れるようになっている。かくして、ここでは、コンテナ
10とビレット14とが適当な温度に加熱された状態
で、ビレット14に対する押出加工が実施され得るよう
になっているのである。
【0027】ところで、このような本実施形態では、ダ
イス22の全体が、コンテナ10の収容孔12内に挿入
位置せしめられ、また、このダイス22及びそれを収容
するコンテナ10と、複数のタイロッド28を介して前
記油圧シリンダ16を支持するプラテン30との間に、
検出手段としての荷重検出器32が、配置されているこ
とによって、ラム18にてビレット14を押圧した際
に、ダイス22とコンテナ10とに対してビレット14
から加わる押出荷重が、それぞれ検出されるようになっ
ている。
【0028】より具体的には、ここでは、ダイス22
が、コンテナ10の収容孔12の内径よりも僅かに小さ
な外径を有して構成されており、該収容孔12における
ラム18の前進側の端部内で、該ラム18の前進方向、
つまり該ラム18のビレット14に対する押圧方向にお
いて、該収容孔12に収容されたビレット14のみに接
触し、且つ該押圧方向と直角な方向において、コンテナ
10の収容孔12の内面に接触した状態で、該押圧方向
に摺動可能に位置せしめられている。
【0029】これによって、ラム18が、油圧シリンダ
16による前進作動にて、ダミーブロック20を介して
ビレット14を、その背後から押圧した際に、ダイス2
2に対して、ビレット14から直接に加わる押出荷重の
みが作用せしめられるようになっているのであって、ラ
ム18のビレット14に対する押圧に伴って、ビレット
14とコンテナ10との間で生ずる摩擦抵抗により、コ
ンテナ10に対して、ラム18の押圧方向に加えられる
押出荷重が、ダイス22に対して、何等作用せしめられ
ることがないのである。そして、そのため、ビレット1
4に対する押出加工中に、ダイス22に加えられる押出
荷重によって生ぜしめられるダイス22の撓み変形が、
押出口24の形成部位のみにおいて、ビレット14から
ダイスに直接に加わる押出荷重だけにより、比較的に小
さな変形量で惹起されるようになっているのである
【0030】また、ここでは、ダイス22の全体が、コ
ンテナ10の収容孔12の内面に接触して、該収容孔1
2内に挿入されているところから、ビレット14の押出
加工により生ずる加工発熱にてダイス22が加熱されて
も、その熱量が、コンテナ10の収容孔12の内面に流
出せしめられることにより、ダイス22の温度が過剰に
高くなるようなことが防止されると共に、押出加工の終
了後における過度の放熱によって、ダイス22の温度
が、コンテナ10の温度よりも低下してしまうようなこ
とも回避され、以て、コンテナ10が所定の温度に保持
されている限り、コンテナ10の収容孔12内のダイス
22全体が、該コンテナ10の温度と略同一の温度に保
持され得るのである。
【0031】一方、このようなダイス22及びコンテナ
10と前記プラテン30との間に配置された荷重検出器
32は、図2に示されるように、略厚肉円筒状のホルダ
リング34と、該ホルダリング34の内径よりも僅かに
小さな外径と、ホルダリング34よりも軸方向長さの長
い略薄肉円筒状のコンテナロードセル36と、該コンテ
ナロードセル36の内径よりも更に小さな外径と、該コ
ンテナロードセル36よりも軸方向長さの長い略薄肉円
筒状のダイスロードセル38とを有し、それらが、径方
向において互いに重ね合わされつつ、同軸的に位置する
ように組み付けられて、構成されている。また、コンテ
ナロードセル36とダイスロードセル38には、それぞ
れの外表面の一部を切り欠いてなる切欠部が設けられ、
それらの切欠部に、軸方向に加えられる荷重の大きさを
検出する歪みゲージ40,42が、それぞれ貼り付けら
れている。
【0032】そして、かかる荷重検出器32が、図1に
示されるように、ホルダリング34とコンテナロードセ
ル36とダイスロードセル38のそれぞれの軸方向一方
側の端面を、プラテン30のコンテナ10との対向面上
に位置固定に配設されたボルスタ44のコンテナ10と
の対向面に当接させる一方、ホルダリング34の軸方向
他方側の端面を、コンテナ10に対して所定間隔をあけ
て位置させ、また、コンテナロードセル36の軸方向他
方側の端面を、コンテナ10の端面に当接させ、更に、
ダイスロードセル38の軸方向他方側の端部をコンテナ
10の収容孔12内に突入させて、その端面を、該収容
孔12内に挿入位置せしめられたダイス22の端面に当
接させた状態下で、該ボルスタ44とコンテナ10との
間において挟持されている。
【0033】これにより、上述の如くして、ラム18に
てビレット14を押圧した際に、ラム18からビレット
14に対して加えられるラム荷重のうち、ダイス22に
対して、ビレット14から直接に加わる押出荷重のみ
が、荷重検出器32のダイスロードセル38にて、ダイ
ス荷重として検出され、また、ラム18のビレット14
に対する押圧に伴って、ビレット14とコンテナ10と
の間で生ずる摩擦抵抗により、コンテナ14に対して、
ラム18の押圧方向に加えられる押出荷重が、荷重検出
器32のコンテナロードセル36にて、コンテナ荷重と
して検出されるようになっているのである。更に、ここ
では、ラム18にも、公知の構造を有するラム荷重検出
器46が設けられて、ラム18からビレット14に加え
られるラム荷重が、検出されるようになっている。
【0034】而して、本実施形態においては、特に、荷
重検出器32のコンテナロードセル36とダイスロード
セル38とにて検出されたコンテナ荷重とダイス荷重
と、ラム荷重検出器46にて検出されたラム荷重とが、
前記コンテナヒータ23とビレットヒータ25の加熱温
度の調節を行なう制御装置27に入力せしめられて、そ
れらコンテナヒータ23とビレットヒータ25とにて加
熱されるコンテナ10とビレット14のうちの何れか一
方の温度、若しくは両方の温度が、荷重検出器32のダ
イスロードセル38にて検出されるダイス荷重に基づい
て、制御装置27にて、更に調節され、それによって、
ダイス荷重の大きさが制御されるようになっているので
ある。
【0035】すなわち、ここでは、制御装置27が、演
算部48とコンテナ温度設定部50とビレット温度設定
部52とを有して、構成されている。そして、この制御
装置27の演算部48は、ビレット14の押出加工中に
おいて、荷重検出器32のダイスロードセル38にて検
出されるダイス荷重が、逐次入力されるようになってい
る。また、この演算部48では、押出加工の初期と終期
とにおいてそれぞれ入力されるダイス荷重の大きさに変
化が認められた場合に、そのダイス荷重の変化量が求め
られると共に、求められたダイス荷重の変化量が、予め
定められた演算式乃至はそれに類する式に代入されて、
該ダイス荷重を押出加工中において終始一定の値と為す
ように制御する制御量として、コンテナ10とビレット
14のそれぞれの設定温度の変更量が求められるように
なっている。そして、かかる演算部48においては、コ
ンテナ10の設定温度の変更量とビレット14の設定温
度の変更量が求められると、それらのうちの何れか一
方、若しくは両方の変更量が、コンテナ温度設定部50
とビレット温度設定部52の何れか一方、若しくは両方
に出力されるようになっている。
【0036】なお、コンテナ10とビレット14のそれ
ぞれの設定温度の変更量を求めるために、予め定められ
る演算式乃至はそれに類する式としては、例えば、以下
に示される式が、採用されることとなる。 ※コンテナ10の設定温度の変更量を求める式 −A(kN)<ΔP<A(kN)の場合、α=0 ΔP>A(kN)の場合、α=−B(℃) ΔP<−A(kN)の場合、α=+B(℃) 但し、〔ΔP:ダイス荷重の変更量=押出加工初期のダ
イス荷重−押出加工後期のダイス荷重 α:コンテナの設定温度の変更量 A,B:使用される押出装置固有の定数で、例えば、コ
ンテナの直径が94mmで、500トンプレスの押出装
置では、A=50(kN),B=2(℃)となる〕 ※ビレット14の設定温度の変更量を求める式 −A(kN)<ΔP<A(kN)の場合、β=0 ΔP>A(kN)の場合、β=+C(℃) ΔP<−A(kN)の場合、β=−C(℃) 但し、〔ΔP:ダイス荷重の変更量=押出加工初期のダ
イス荷重−押出加工後期のダイス荷重 β:ビレットの設定温度の変更量 A,C:使用される押出装置固有の定数で、例えば、コ
ンテナの直径が94mmで、500トンプレスの押出装
置では、A=50(kN),C=5(℃)となる〕
【0037】また、このようなコンテナ10とビレット
14のそれぞれの設定温度の変更量を求めるための演算
式乃至はそれに類する式は、上述の如き式の他、例え
ば、熱容量が互いに異なるコンテナ10をそれぞれ有す
る多数の押出装置を用いて行なった試験の結果や、ラム
荷重が互いに異なる多数の押出装置を用いて行なった試
験の結果等に基づいて、或いは理論モデル等から導かれ
る、押出加工時に生ずる加工発熱量と、コンテナ10及
びダイス22とビレット14との熱移動量を考慮した熱
量計算式や従来の経験等に基づいて、適宜に得られるも
のである。
【0038】一方、コンテナ温度設定部50は、前記演
算部48から、設定温度の変更量が入力されない限りに
おいて、コンテナ10が、ビレット14に対する押出加
工に際して、ダイス荷重が一定であると仮定した上で設
定される最適な設定温度となるように、該コンテナ10
を加熱するコンテナヒータ23の加熱温度を調節し得る
ように構成されている。そして、演算部48から、設定
温度の変更量が入力されると、コンテナ10が、前記最
適な設定温度から、該変更量に応じて変更せしめられた
温度となるように、コンテナヒータ23の加熱温度を調
節し得るようになっている。
【0039】また、ビレット温度設定部52も、前記演
算部48から、設定温度の変更量が入力されない限りに
おいて、ビレット14が、コンテナ10の収容孔12内
に収容された状態下で、ダイス荷重が一定であると仮定
した上で設定される最適な設定温度となるように、該ビ
レット14を均熱加熱するビレットヒータ25の加熱温
度を調節し得るように構成されている。そして、演算部
48から、設定温度の変更量が入力されると、ビレット
14が、前記最適な設定温度から、該変更量に応じて変
更せしめられた温度に均熱加熱されるように、ビレット
ヒータ25の加熱温度を調節し得るようになっているの
である。
【0040】要するに、ここでは、ビレット14の押出
加工中においてダイス荷重が変化せしめられた際に、か
かるダイス荷重の変化をゼロと為して、ダイス荷重が押
出加工中において終始一定の値となるように、該ダイス
荷重を制御する制御量が、制御装置27の演算部48に
おいて、コンテナ10とビレット14の何れか一方、若
しくは両方の温度を調節する調節量として求められる。
その後、ダイス荷重の変化が発生した押出加工、換言す
れば、ダイス荷重を制御するために、コンテナ10とビ
レット14の少なくとも一方の温度を調節する調節量が
求められた押出加工に供されるビレット14とは別のビ
レット14に対する押出加工を行なうのに先立って、演
算部48で選択された、コンテナ温度設定部50とビレ
ット温度設定部52の少なくとも何れか一方により、コ
ンテナ10と、該別のビレット14の少なくとも何れか
一方の温度が、演算部48にて求められた調節量に基づ
いて調節され、それによって、かかる別のビレット14
に対する押出加工中において、ダイス荷重が終始一定の
値となるように制御される。そして、その結果、ダイス
荷重の変化、つまり、該別のビレット14に対するラム
18の押圧に伴って、該別のビレット14からダイス2
2に直接に加わる押出荷重の変化によるダイス22の撓
み量の変化が、押出加工中において、有利に解消乃至は
抑制され得ることとなるのである。
【0041】また、かかる制御装置27においては、荷
重検出器32のコンテナロードセル36とラム荷重検出
器46にてそれぞれ検出されるコンテナ荷重とラム荷重
が、演算部48に入力されるようになっている。更に、
演算部48では、コンテナロードセル36にて検出され
るコンテナ荷重と、該コンテナ荷重が検出されたとき
に、荷重検出器32のダイスロードセル38にて検出さ
れるダイス荷重との合計荷重が求められ、また、その求
められた合計荷重と、それらコンテナ荷重とダイス荷重
が検出されたときに、ラム荷重検出器46にて検出され
るラム荷重との差が求められるようになっている。そし
て、その差が、制御装置27に内蔵された判断部54に
入力され、この判断部54において、かかる差が、検出
誤差等を含んで設定された許容範囲内の値であるか否か
が判断されて、それが許容範囲を超えていると判断され
た場合に、荷重検出器32におけるダイスロードセル3
8において検出異常が発生している恐れがあるため、図
示されていない警告ランプを点灯させたり、警告音を鳴
らしたりするための警告信号が出力されるようになって
いる。これによって、作業者に対して、ダイス荷重の検
出異常の発生の危険を知らせる警告が発せられるのであ
る。
【0042】このように、本実施形態では、ダイス22
がコンテナ10の収容孔12内に挿入位置せしめられ
て、ビレット14に対する押出加工中に、ダイス22に
対して、ビレット14から直接に加わるダイス荷重のみ
が作用せしめられるようにした押出装置を用いることに
より、押出加工中におけるダイス22の撓み変形を比較
的に小さな変形量に抑えつつ、そのようなダイス22の
撓み量の変化を、制御装置27によるコンテナ10の温
度やビレット14の温度の自動調節によって、解消乃至
は抑制し得るようにしたものであるところから、得られ
る押出製品26の長手方向における寸法変化を、極めて
容易に且つ確実に解消することが可能となり、その結果
として、高品質の押出製品26を、確実に且つ安定して
得ることが出来ることとなったのである。
【0043】また、本実施形態においては、使用される
押出装置に対して、ラム18を加圧する加圧機構以外に
特別な加圧機構が何等設けられておらず、単に、ダイス
荷重とコンテナ荷重を検出する、公知のロードセル機構
を応用した荷重検出器32と、従来装置にも設けられる
制御装置27に対して、該荷重検出器32にて検出され
るダイス荷重に基づいて、ビレットヒータ25やコンテ
ナヒータ23の加熱温度を調節する機構の比較的に簡略
な構造を付加しただけで、上述の如く、ダイス22の撓
み量の変化が、解消乃至は抑制され得るようになってい
るため、長手方向における寸法精度が安定した高品質の
押出製品が、極めて経済的に製造され得ることとなった
のである。
【0044】さらに、本実施形態では、ダイス荷重だけ
でなく、コンテナ荷重やラム荷重を検出して、ダイス荷
重とコンテナ荷重の合計荷重とラム荷重との差を求め、
この求められた差に基づいて、ダイス荷重の検出異常の
恐れを判断し得るようになっているところから、ダイス
荷重の検出異常や、それによって惹起されるコンテナ1
0やビレット14の温度調節量の誤差、ひいては押出製
品26の長手方向における寸法制御量の誤差を、迅速に
且つ容易に修正することが出来るのである。
【0045】また、本実施形態にあっては、ダイス22
の全体が、コンテナ10の収容孔12内に挿入位置せし
められることにより、該コンテナ10の温度と略同一の
温度に保持された状態下で、ビレット14に対する押出
加工を実施するようにしたものであるところから、ダイ
ス22の温度変化によって惹起される、得られる押出製
品26の厚さ変化も効果的に解消することが出来、それ
によって、より一層品質の優れた押出製品26を、安定
的に得ることが可能となるのである。
【0046】さらに、本実施形態においては、ビレット
14に対する押出加工中に、ダイス22に対して、ビレ
ット14から直接に加わるダイス荷重のみが作用せしめ
られるようなっているところから、ラム18のビレット
14に対する押圧時に、ダイス22に対して、コンテナ
10からの押出荷重が何等加えられることがないため、
そのようなコンテナ10からの押出荷重の変動によるダ
イス22の撓み量の変化に起因した、押出製品26の板
厚変化が惹起されるようなことも、有利に防止され得る
のである。
【0047】ここにおいて、本発明者が、前記実施形態
に示される構造の押出装置を用いて、金属ビレットの押
出加工を本発明手法に従って実際に行なった試験につい
て、以下に示す。
【0048】すなわち、先ず、図1に示される構造を有
する押出装置とアルミニウム合金ビレットとを用い、予
め実施された予備試験にて求められた、押出加工中にお
いてダイス荷重が終始一定の値となるように制御するた
めのビレットの温度調節量に応じて、ビレット温度を調
節しつつ、アルミニウム合金ビレットに対する押出加工
を実施して、目的とする板状の押出製品を得た。また、
この押出加工中において、ダイス荷重を、所定時間毎に
実測すると共に、得られる押出製品の板幅を、所定の押
出長さ毎に実測した。かくして実測されたダイス荷重を
図3に示し、また押出製品の板幅を図5に示した。
【0049】一方、比較のために、上記の試験に用いら
れた押出装置及びビレットと同様な押出装置とアルミニ
ウム合金ビレットとを用いて、押出加工中においてダイ
ス荷重が終始一定の値となるように制御するためのビレ
ット温度の調節を何等行なわない、従来手法に従って、
アルミニウム合金ビレットの押出加工を行なって、押出
製品を得た。また、ここでも、ダイス荷重を、所定時間
毎に実測すると共に、得られる押出製品の板幅を、所定
の押出長さ毎に実測した。かくして実測されたダイス荷
重を図4に示し、また押出製品の板幅を図6に示した。
【0050】図3と図4の対比から明らかなように、従
来手法に従って行なわれた押出加工では、押出加工中に
ダイス荷重が、400kN程度の幅で変化しているのに
対して、本発明手法に従って、ビレット温度を調節して
実施された押出加工では、押出加工中におけるダイス荷
重の変化が殆どなく、ダイス荷重が、押出加工中におい
て終始一定の値となるように制御されていることが、認
められる。
【0051】また、図5と図6の対比から明らかなよう
に、従来手法に従って行なわれた押出加工により得られ
た押出製品は、板幅が、ダイス荷重の変動と同じ傾向
で、長手方向において、約0.055mm変化してい
る。それに対して、本発明手法に従って実施された押出
加工により得られた押出製品は、長手方向における板幅
の変化量が、0.012mmで、従来手法によって得ら
れた押出製品の長手方向における板幅の変化量に比べ
て、1/4以下となっている。このことから、本発明手
法を採用すれば、押出製品の長手方向における板幅の変
化量を確実に減少させ得ることが、明確に認識され得る
のである。
【0052】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであ
って、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも
受けるものではない。
【0053】例えば、前記実施形態では、ダイス22の
全体が、コンテナ10の収容孔12内に挿入位置せしめ
られていたが、ダイス22は、少なくとも、該収容孔1
2内に収容されるビレット14に対して、ラム18の押
圧方向において接触する部分の全体が、該収容孔12内
に挿入されておれば良いのである。
【0054】また、前記実施形態では、ダイス荷重を検
出する検出手段が、ダイスロードセル38とコンテナロ
ードセル36とを有する荷重検出器32にて構成されて
いたが、かかる検出手段の構造は、少なくともダイス荷
重を検出可能に構成されておれば、何等これに限定され
るものでないことは、言うまでもないところである。
【0055】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0056】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う金属材料の等圧押出方法によれば、押出加工中
におけるダイスの撓み量の変化を、比較的に低コストに
且つ確実に解消乃至は抑制することが出来、それによっ
て、得られる押出製品の長手方向における寸法変化も、
低コストに且つ確実に解消することが可能となり、その
結果として、可及的に小さな経済負担で、押出製品の品
質を高度に且つ安定して維持することが可能となったの
である。
【0057】また、本発明に従う押出装置にあっては、
コンテナやダイスに対してラム荷重とは別の荷重(押圧
力)をコンテナやダイスに負荷する特別な加圧装置等が
設けられた従来装置よりも簡略な構造をもって、ダイス
荷重の変化により惹起されるダイスの撓み量の変化、ひ
いては、そのようなダイスの撓み量の変化によって惹起
される押出製品の長手方向における寸法変化が、確実に
解消乃至は抑制され得るのであり、その結果として、長
手方向における寸法精度が安定した高品質の押出製品
が、優れた経済的メリットをもって、極めて有利に製造
され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する押出装置を用いて、
金属材料を本発明手法に従って等圧押出する際の一工程
例を示す、一部ブロック図を含む概略説明図である。
【図2】図1に示された押出装置に設けられる荷重検出
器の拡大断面説明図である。
【図3】図1に示された押出装置を用いて、アルミニウ
ム合金ビレットを本発明手法に従って実際に押出加工し
た際のダイス荷重の実測値を示すグラフである。
【図4】図1に示された押出装置を用いて、アルミニウ
ム合金ビレットを従来手法に従って実際に押出加工した
際のダイス荷重の実測値を示すグラフである。
【図5】図1に示された押出装置を用いて、アルミニウ
ム合金ビレットを本発明手法に従って実際に押出加工し
て得られた押出製品における板幅の実測値を示すグラフ
である。
【図6】図1に示された押出装置を用いて、アルミニウ
ム合金ビレットを従来手法に従って実際に押出加工して
得られた押出製品における板幅の実測値を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 コンテナ 12 収容孔 14 ビレット 18 ラム 22 ダイス 23 コンテナ
ヒータ 25 ダイスヒータ 26 押出製品 27 制御装置 32 荷重検出
器 36 コンテナロードセル 38 ダイスロ
ードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香川 博之 石川県金沢市小立野2丁目40番20号 金沢 大学工学部 人間・機械工学科内 Fターム(参考) 4E029 AA01 AA06 SA01 TA02 TA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱されたコンテナの収容孔内に、軸方
    向及び径方向における温度が均一となるように加熱され
    た金属ビレットを収容した後、かかるビレットをラムに
    て押圧することにより、ダイスを通じて、該ラムの押圧
    方向と同じ方向に押し出すに際して、 前記ラムの前記ビレットに対する押圧時に、該ビレット
    から前記ダイスに対して直接に加わる押出荷重をダイス
    荷重として検出する一方、該検出されるダイス荷重に基
    づいて、該ビレットの温度と前記コンテナの温度の少な
    くとも何れか一方を調節することにより、該ダイス荷重
    が押出加工中において終始一定の値となるように、該ダ
    イス荷重を制御することを特徴とする金属材料の等圧押
    出方法。
  2. 【請求項2】 前記ダイスが、前記コンテナの収容孔内
    に配置された部分において前記ビレットに接触せしめら
    れて、前記ラムのビレットに対する押圧により、該ビレ
    ットから該ダイスに対して直接に加わる押出荷重のみ
    が、該ダイスに作用せしめられるように構成された押出
    装置を用いて、該ラムのビレットに対する押圧時に、該
    ビレットから該ダイスに対して直接に加わる押出荷重を
    ダイス荷重として検出するようにした請求項1に記載の
    金属材料の等圧押出方法。
  3. 【請求項3】 前記ラムのビレットに対する押圧に伴っ
    て該ビレットと前記コンテナとの間で生ずる摩擦抵抗に
    より、該コンテナに対して、前記ラムの押圧方向に加え
    られるコンテナ荷重と、該コンテナ荷重が検出されたと
    きの該ラムのビレットに対する押圧力に応じて、該ラム
    から該ビレットに加えられるラム荷重とを更に検出し、
    該検出されるコンテナ荷重と該コンテナ荷重が検出され
    たときに検出される前記ダイス荷重との合計荷重と、該
    コンテナ荷重が検出されたときに検出される前記ラム荷
    重との差を求め、かくして求められた差の大きさに基づ
    いて、該ダイス荷重の誤差を求めるようにした請求項1
    又は請求項2に記載の金属材料の等圧押出方法。
  4. 【請求項4】 前記押出装置として、前記ダイスの全体
    が前記加熱されたコンテナの収容内に挿入位置せしめら
    れてなる装置を用いることにより、該ダイスの全体の温
    度を一定の範囲内に保持するようにした請求項1乃至請
    求項3の何れかに記載の金属材料の等圧押出方法。
  5. 【請求項5】 金属ビレットを収容孔内に収容するコン
    テナと、 該コンテナを加熱する第一の加熱手段と、 前記ビレットを、軸方向及び径方向における温度が均一
    となるように加熱する第二の加熱手段と、 前記コンテナの収容孔内に収容されたビレットを押圧す
    るラムと、 該ラムの前記ビレットに対する押圧に伴って、該ビレッ
    トを該ラムの押圧方向と同一の方向に押し出すための押
    出口を有するダイスであって、前記コンテナの収容孔内
    に挿入位置せしめられることにより、該ラムの押圧方向
    において該ビレットのみに接触せしめられて、該ラムの
    ビレットに対する押圧により、該ビレットから直接に加
    わる押出荷重のみが、作用せしめられるように構成され
    たダイスと、 該ダイスに加えられる前記荷重をダイス荷重として検出
    する検出手段と、 該検出手段にて検出される前記ダイス荷重に基づいて、
    前記第一の加熱手段により加熱される前記ビレットの温
    度と、前記第二の加熱手段により加熱される前記コンテ
    ナの温度の少なくとも何れか一方を調節することによ
    り、該ダイス荷重が押出加工中において終始一定の値と
    なるように、該ダイス荷重を制御する制御手段と、を含
    んで構成したことを特徴とする押出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010234385A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Showa Denko Kk アルミニウム押出材の製造方法
KR101007666B1 (ko) 2010-06-04 2011-01-13 주식회사 고강알루미늄 반용융 압출 장치 및 공정
KR101007663B1 (ko) 2010-06-04 2011-01-13 주식회사 고강알루미늄 반용융 압출 장치

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