JP2002360112A - 曳航生簀およびその曳航方法 - Google Patents
曳航生簀およびその曳航方法Info
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- JP2002360112A JP2002360112A JP2001168282A JP2001168282A JP2002360112A JP 2002360112 A JP2002360112 A JP 2002360112A JP 2001168282 A JP2001168282 A JP 2001168282A JP 2001168282 A JP2001168282 A JP 2001168282A JP 2002360112 A JP2002360112 A JP 2002360112A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 曳航速度が速くても生簀網部の変形を防止す
ることができるとともに、魚体の損傷を防止することが
でき、軽量化を図ることができる曳航生簀およびその曳
航方法を提供すること。 【解決手段】 生簀網部2に、この生簀網部2が曳航の
際に水流による押圧を受けることによって当該生簀網部
2内の容積が減少する方向に変形することを防止するた
めのカイト部11を配設したこと。
ることができるとともに、魚体の損傷を防止することが
でき、軽量化を図ることができる曳航生簀およびその曳
航方法を提供すること。 【解決手段】 生簀網部2に、この生簀網部2が曳航の
際に水流による押圧を受けることによって当該生簀網部
2内の容積が減少する方向に変形することを防止するた
めのカイト部11を配設したこと。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、曳航生簀およびその曳
航方法に係り、特に、魚を少なくとも外周および底部か
ら囲繞可能とされた生簀網部を有し、この生簀網部に曳
航用の綱を接続し、この綱を介して前記生簀網部を曳航
することによって前記生簀網部内の魚を移動させ得る曳
航生簀およびその曳航方法に関する。
航方法に係り、特に、魚を少なくとも外周および底部か
ら囲繞可能とされた生簀網部を有し、この生簀網部に曳
航用の綱を接続し、この綱を介して前記生簀網部を曳航
することによって前記生簀網部内の魚を移動させ得る曳
航生簀およびその曳航方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハマチ、タイ等の魚を養殖す
るための手段として、いわゆる養殖用の生簀が採用され
ていた。
るための手段として、いわゆる養殖用の生簀が採用され
ていた。
【0003】このような生簀においては、海中の所定の
位置に魚を囲繞する囲いを固設し、魚が囲いの外に逃避
するのを防止する固定式の生簀にかぎらず、例えば、漁
獲した魚を養殖可能な場所まで移送するために生簀を曳
船によって曳航する曳航生簀が採用されていた。
位置に魚を囲繞する囲いを固設し、魚が囲いの外に逃避
するのを防止する固定式の生簀にかぎらず、例えば、漁
獲した魚を養殖可能な場所まで移送するために生簀を曳
船によって曳航する曳航生簀が採用されていた。
【0004】図3は、このような従来から使用されてい
た曳航生簀を示したものであり、この曳航生簀1は、上
部に開口が形成された略直方体状の生簀網部2を有して
おり、この生簀網部2によって魚群を底部および外周か
ら囲繞することができるようになっている。
た曳航生簀を示したものであり、この曳航生簀1は、上
部に開口が形成された略直方体状の生簀網部2を有して
おり、この生簀網部2によって魚群を底部および外周か
ら囲繞することができるようになっている。
【0005】前記生簀網部2の前記開口が形成された上
端縁には、この生簀網部2に一定の浮力を付与するため
の浮子3が、周方向に連続的に配設されている。
端縁には、この生簀網部2に一定の浮力を付与するため
の浮子3が、周方向に連続的に配設されている。
【0006】前記生簀網部2の曳航方向上流側の端面の
4つの隅部には、前記生簀網部2を曳航するための4本
の曳綱4が、各々その下流側の端部を介して連結されて
おり、前記曳綱4の上流側の端部を曳船6に連結した状
態で曳船を進行させることにより、この曳船6の進行方
向に沿って生簀網部2を移動させることができるように
なっている。
4つの隅部には、前記生簀網部2を曳航するための4本
の曳綱4が、各々その下流側の端部を介して連結されて
おり、前記曳綱4の上流側の端部を曳船6に連結した状
態で曳船を進行させることにより、この曳船6の進行方
向に沿って生簀網部2を移動させることができるように
なっている。
【0007】かかる曳航生簀1を用いることにより、生
簀網部2の中で漁獲された魚を所望の位置に移動させる
ようになっていた。
簀網部2の中で漁獲された魚を所望の位置に移動させる
ようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
曳航生簀1においては、曳船6による曳航の際に、生簀
網部2に対して水流、すなわち曳船6の移動によって相
対的に生じる流れ、および潮流自体の流れによる相当な
水圧が作用するようになっている。このため、前記水流
の水圧によって生簀網部2が図4において破線で示す状
態から同図において実線で示すように生簀内の容積の減
少をともなうように変形してしまう場合が多い。その結
果、生簀内の魚が生簀網部2の網地へ当接してしまうこ
とによって、魚体の損傷をもたらすといった問題が生じ
ていた。
曳航生簀1においては、曳船6による曳航の際に、生簀
網部2に対して水流、すなわち曳船6の移動によって相
対的に生じる流れ、および潮流自体の流れによる相当な
水圧が作用するようになっている。このため、前記水流
の水圧によって生簀網部2が図4において破線で示す状
態から同図において実線で示すように生簀内の容積の減
少をともなうように変形してしまう場合が多い。その結
果、生簀内の魚が生簀網部2の網地へ当接してしまうこ
とによって、魚体の損傷をもたらすといった問題が生じ
ていた。
【0009】このような問題を解決するために、例え
ば、水流の影響を最も受けやすい前記生簀網部2の曳航
方向上流側の端面に、生簀網部2の変形防止用の錘を配
設することも考えられる。
ば、水流の影響を最も受けやすい前記生簀網部2の曳航
方向上流側の端面に、生簀網部2の変形防止用の錘を配
設することも考えられる。
【0010】しかし、かかる場合においても、例えば、
曳航速度が1.0kt程度であれば生簀網部2の変形を
低減しつつ適正な曳航が可能であるが、この場合におい
ても生簀内の容積は2/3に減少してしまう。
曳航速度が1.0kt程度であれば生簀網部2の変形を
低減しつつ適正な曳航が可能であるが、この場合におい
ても生簀内の容積は2/3に減少してしまう。
【0011】また、水流による影響を解消するために
は、相当量の錘を取り付ける必要があるため、錘を含め
た曳航生簀1の質量が大きくなりすぎ、曳航生簀1の適
正な曳航に支障をきたすといった問題が生じてしまう。
は、相当量の錘を取り付ける必要があるため、錘を含め
た曳航生簀1の質量が大きくなりすぎ、曳航生簀1の適
正な曳航に支障をきたすといった問題が生じてしまう。
【0012】本発明は、このような問題点に鑑みなされ
たもので、曳航速度が速くても生簀網部の変形を防止す
ることができるとともに、魚体の損傷を防止することが
でき、軽量化を図ることができる曳航生簀およびその曳
航方法を提供することを目的とするものである。
たもので、曳航速度が速くても生簀網部の変形を防止す
ることができるとともに、魚体の損傷を防止することが
でき、軽量化を図ることができる曳航生簀およびその曳
航方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の請求項1に係る曳航生簀の特徴は、生簀網部
に、この生簀網部が曳航の際に水流による押圧を受ける
ことによって当該生簀網部内の容積が減少する方向に変
形することを防止するためのカイト部を配設した点にあ
る。
本発明の請求項1に係る曳航生簀の特徴は、生簀網部
に、この生簀網部が曳航の際に水流による押圧を受ける
ことによって当該生簀網部内の容積が減少する方向に変
形することを防止するためのカイト部を配設した点にあ
る。
【0014】そして、このような構成を採用したことに
より、前記カイト部によって前記生簀網部内の容積の減
少を防止することができるため、曳航の際の生簀網部内
の容積の減少にともなう魚体の損傷を防止することがで
き、また、前記カイト部によって生簀網部の変形を防止
しつつ高速度の曳航を行うことができるため、生簀の移
動を効率的に行うことができ、さらに、前記カイト部を
配設したことによって生簀網部の変形を防止するための
錘の量を少なくとも従来よりも低減することができるた
め、生簀の軽量化を図ることができ、生簀の曳航を適正
に行うことができる。
より、前記カイト部によって前記生簀網部内の容積の減
少を防止することができるため、曳航の際の生簀網部内
の容積の減少にともなう魚体の損傷を防止することがで
き、また、前記カイト部によって生簀網部の変形を防止
しつつ高速度の曳航を行うことができるため、生簀の移
動を効率的に行うことができ、さらに、前記カイト部を
配設したことによって生簀網部の変形を防止するための
錘の量を少なくとも従来よりも低減することができるた
め、生簀の軽量化を図ることができ、生簀の曳航を適正
に行うことができる。
【0015】請求項2に係る曳航生簀の特徴は、請求項
1において、前記カイト部は、水流による押圧の際にこ
の水流をせき止めるように作用することによって前記生
簀網部の水流を緩和することにより、この水流が緩和さ
れた生簀網部中の魚が泳ぎ易い環境を整える点にある。
1において、前記カイト部は、水流による押圧の際にこ
の水流をせき止めるように作用することによって前記生
簀網部の水流を緩和することにより、この水流が緩和さ
れた生簀網部中の魚が泳ぎ易い環境を整える点にある。
【0016】そして、このような構成を採用したことに
より、前記カイト部によって生簀網部中の魚が泳ぎやす
い環境を整えることができるため、生簀網部中の魚に負
担を与えることなく曳航を行うことができる。
より、前記カイト部によって生簀網部中の魚が泳ぎやす
い環境を整えることができるため、生簀網部中の魚に負
担を与えることなく曳航を行うことができる。
【0017】請求項3に係る曳航生簀の特徴は、請求項
1または請求項2において、前記カイト部は、少なくと
も、前記生簀網部の曳航方向に直交する左右の両端面お
よび底部側の端面であって、前記生簀網部の曳航方向上
流側端面の隅部に対応する位置に配設されている点にあ
る。
1または請求項2において、前記カイト部は、少なくと
も、前記生簀網部の曳航方向に直交する左右の両端面お
よび底部側の端面であって、前記生簀網部の曳航方向上
流側端面の隅部に対応する位置に配設されている点にあ
る。
【0018】そして、このような構成を採用したことに
より、水流による影響が最も大きい生簀網部の上流側端
面の変形を最も効果的に抑制する位置にカイト部を配設
することができるため、さらに有効に曳航の際の生簀網
部の変形を防止することができる。
より、水流による影響が最も大きい生簀網部の上流側端
面の変形を最も効果的に抑制する位置にカイト部を配設
することができるため、さらに有効に曳航の際の生簀網
部の変形を防止することができる。
【0019】請求項4に係る曳航生簀の曳航方法の特徴
は、生簀網部に配設したカイト部によって、生簀網部を
曳航する際に水流による押圧を受けることによって当該
生簀網部内の容積が減少する方向に変形することを防止
しながら曳航する点にある。
は、生簀網部に配設したカイト部によって、生簀網部を
曳航する際に水流による押圧を受けることによって当該
生簀網部内の容積が減少する方向に変形することを防止
しながら曳航する点にある。
【0020】そして、このような方法を採用したことに
より、前記カイト部によって前記生簀網部内の容積の減
少を防止することができるため、曳航の際の生簀網部内
の容積の減少にともなう魚体の損傷を防止することがで
き、また、前記カイト部によって生簀網部の変形を防止
しつつ高速度の曳航を行うことができるため、生簀の曳
航を効率的に行うことができ、さらに、前記カイト部を
配設したことによって生簀網部の変形を防止するための
錘の量を少なくとも従来よりも低減することができるた
め、生簀の軽量化を図ることができ、生簀の曳航を適正
に行うことができる。
より、前記カイト部によって前記生簀網部内の容積の減
少を防止することができるため、曳航の際の生簀網部内
の容積の減少にともなう魚体の損傷を防止することがで
き、また、前記カイト部によって生簀網部の変形を防止
しつつ高速度の曳航を行うことができるため、生簀の曳
航を効率的に行うことができ、さらに、前記カイト部を
配設したことによって生簀網部の変形を防止するための
錘の量を少なくとも従来よりも低減することができるた
め、生簀の軽量化を図ることができ、生簀の曳航を適正
に行うことができる。
【0021】請求項5に係る曳航生簀の曳航方法の特徴
は、請求項4において、前記カイト部に、水流による押
圧の際にこの水流をせき止めるように作用させることに
よって前記生簀網部の水流を緩和することにより、この
水流が緩和された生簀網部中の魚が泳ぎ易い環境を整え
つつ曳航を行う点にある。
は、請求項4において、前記カイト部に、水流による押
圧の際にこの水流をせき止めるように作用させることに
よって前記生簀網部の水流を緩和することにより、この
水流が緩和された生簀網部中の魚が泳ぎ易い環境を整え
つつ曳航を行う点にある。
【0022】そして、このような方法を採用したことに
より、前記カイト部によって生簀網部中の魚が泳ぎやす
い環境を整えることができるため、生簀網部中の魚に負
担を与えることなく曳航を行うことができる。
より、前記カイト部によって生簀網部中の魚が泳ぎやす
い環境を整えることができるため、生簀網部中の魚に負
担を与えることなく曳航を行うことができる。
【0023】請求項6に係る曳航生簀の曳航方法の特徴
は、請求項4または請求項5において、前記カイト部
を、少なくとも、前記生簀網部の曳航方向に直交する左
右の両端面および底部側の端面であって、前記生簀網部
の曳航方向上流側端面の隅部に対応する位置に配設する
点にある。
は、請求項4または請求項5において、前記カイト部
を、少なくとも、前記生簀網部の曳航方向に直交する左
右の両端面および底部側の端面であって、前記生簀網部
の曳航方向上流側端面の隅部に対応する位置に配設する
点にある。
【0024】そして、このような方法を採用したことに
より、水流による影響が最も大きい生簀網部の上流側端
面の変形を最も効果的に抑制する位置にカイト部を配設
することができるため、さらに有効に曳航の際の生簀網
部の変形を防止することができる。
より、水流による影響が最も大きい生簀網部の上流側端
面の変形を最も効果的に抑制する位置にカイト部を配設
することができるため、さらに有効に曳航の際の生簀網
部の変形を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る曳航生簀の実
施形態を図1および図2を参照して説明する。
施形態を図1および図2を参照して説明する。
【0026】なお、従来と基本的構成の同一もしくはこ
れに類する箇所については、同一の符号を用いて説明す
る。
れに類する箇所については、同一の符号を用いて説明す
る。
【0027】また、本明細書において、生簀網部2の変
形というときは、生簀網部2がその網部内の容積が減少
する方向へ変形することを意味するものとし、変形の防
止というときは、生簀網部2がその容積が減少する方向
へ変形することを防止することを意味するものとする。
形というときは、生簀網部2がその網部内の容積が減少
する方向へ変形することを意味するものとし、変形の防
止というときは、生簀網部2がその容積が減少する方向
へ変形することを防止することを意味するものとする。
【0028】図1に示すように、本実施形態における曳
航生簀10は、従来と同様に、上部に開口の形成された
略直方体状の生簀網部2を有しており、この生簀網部2
によって魚群を底部および外周から囲繞することができ
るようになっている。
航生簀10は、従来と同様に、上部に開口の形成された
略直方体状の生簀網部2を有しており、この生簀網部2
によって魚群を底部および外周から囲繞することができ
るようになっている。
【0029】前記生簀網部2の前記開口が形成された上
端縁には、この生簀網部2に一定の浮力を付与するため
の浮子3が、周方向に連続的に配設されている。
端縁には、この生簀網部2に一定の浮力を付与するため
の浮子3が、周方向に連続的に配設されている。
【0030】また、前記生簀網部2の曳航方向上流側の
端面の4つの隅部には、前記生簀網部2を曳航するため
の4つの曳綱4が、各々その下流側の端部を介して連結
されており、前記曳綱の上流側の端部を曳船6に連結し
た状態で曳船を進行させることにより、この曳船の進行
方向に沿って生簀網部2を移動させることができるよう
になっている。
端面の4つの隅部には、前記生簀網部2を曳航するため
の4つの曳綱4が、各々その下流側の端部を介して連結
されており、前記曳綱の上流側の端部を曳船6に連結し
た状態で曳船を進行させることにより、この曳船の進行
方向に沿って生簀網部2を移動させることができるよう
になっている。
【0031】そして、本実施形態において、前記生簀網
部2の曳航方向に直交する左右の両端面2a,2bおよ
び底部側の端面2cであって、曳航方向上流側の端面2
dの隅部に対応する位置には、この生簀網部2が曳航の
際に水流の押圧によってその容積が減少する方向に変形
することを防止するための複数個のカイト部11が配設
されている。
部2の曳航方向に直交する左右の両端面2a,2bおよ
び底部側の端面2cであって、曳航方向上流側の端面2
dの隅部に対応する位置には、この生簀網部2が曳航の
際に水流の押圧によってその容積が減少する方向に変形
することを防止するための複数個のカイト部11が配設
されている。
【0032】各カイト部11は、例えば、キャンバス地
等の取扱に優れた可撓性部材からなるとともに、図1お
よび図2に示すように生簀網部2の各端面2a,2b,
2cに固設されることによって曳航方向上流側の端部の
みに開口11aを開設した曳航方向に長い袋形状を有す
るようになっている。
等の取扱に優れた可撓性部材からなるとともに、図1お
よび図2に示すように生簀網部2の各端面2a,2b,
2cに固設されることによって曳航方向上流側の端部の
みに開口11aを開設した曳航方向に長い袋形状を有す
るようになっている。
【0033】このため、各カイト部11は、曳航の際に
前記開口11aより流入した水により、それぞれ図1に
おける左右の外側方向あるいは下方向への押圧を受ける
ことによって各押圧方向へ移動し得るようになってお
り、これら各カイト部11の移動にともなって、各カイ
ト部11が固設された生簀網部2の端面2a,2b,2
cが同方向に引っ張られるようになっている。
前記開口11aより流入した水により、それぞれ図1に
おける左右の外側方向あるいは下方向への押圧を受ける
ことによって各押圧方向へ移動し得るようになってお
り、これら各カイト部11の移動にともなって、各カイ
ト部11が固設された生簀網部2の端面2a,2b,2
cが同方向に引っ張られるようになっている。
【0034】すなわち、曳航の際の水流を利用して前記
カイト部11を前記生簀網部内の容積が減少する方向に
抗する方向に拡開させることができるようになってい
る。
カイト部11を前記生簀網部内の容積が減少する方向に
抗する方向に拡開させることができるようになってい
る。
【0035】従って、曳航の際に生簀網部2が水流の押
圧によって容積を減少する方向に変形することを防止す
ることができるようになっている。
圧によって容積を減少する方向に変形することを防止す
ることができるようになっている。
【0036】なお、本実施形態において、各カイト部1
1は、図1に示すように袋形状の可撓性部材を図1にお
ける上下方向あるいは左右方向に2列並べることによっ
て形成されているが、これに限る必要はなく、例えば1
列のみ、あるいは3列以上並べることによって各カイト
部11を形成するようにしてもよい。
1は、図1に示すように袋形状の可撓性部材を図1にお
ける上下方向あるいは左右方向に2列並べることによっ
て形成されているが、これに限る必要はなく、例えば1
列のみ、あるいは3列以上並べることによって各カイト
部11を形成するようにしてもよい。
【0037】また、本実施形態においては、前述したよ
うに前記カイト部11が、前記生簀網部2の曳航方向に
直交する左右の両端面2a,2bおよび底部側の端面2
cであって前記生簀網部2の曳航方向上流側端面2dの
隅部に対応する位置に配設されているため、曳航の際に
水流の影響が最も大きい生簀網部2の曳航方向上流側端
面2dの変形を有効に防止することができるようになっ
ている。
うに前記カイト部11が、前記生簀網部2の曳航方向に
直交する左右の両端面2a,2bおよび底部側の端面2
cであって前記生簀網部2の曳航方向上流側端面2dの
隅部に対応する位置に配設されているため、曳航の際に
水流の影響が最も大きい生簀網部2の曳航方向上流側端
面2dの変形を有効に防止することができるようになっ
ている。
【0038】従って、曳航の際の生簀網部2の変形をさ
らに効率的に防止することができるようになっている。
らに効率的に防止することができるようになっている。
【0039】一方、前記生簀網部2の底部であって、前
記曳航方向上流側端面2dの隅部に対応する位置には、
曳航の際の水流による生簀網部の変形を防止するための
錘12が配設されている。このため、前記カイト部11
と、曳航に支障をきたさない程度の量の錘12とによっ
て生簀網部2の変形をさらに有効に防止することができ
るようになっている。
記曳航方向上流側端面2dの隅部に対応する位置には、
曳航の際の水流による生簀網部の変形を防止するための
錘12が配設されている。このため、前記カイト部11
と、曳航に支障をきたさない程度の量の錘12とによっ
て生簀網部2の変形をさらに有効に防止することができ
るようになっている。
【0040】次に、前記曳航生簀10を適用した本発明
にかかる曳航生簀の曳航方法の実施形態について説明す
る。
にかかる曳航生簀の曳航方法の実施形態について説明す
る。
【0041】本実施形態において曳航生簀10の曳航を
行う場合は、前記生簀網部2に接続されている前記曳綱
4の上流側端部を曳船6に連結させた後、曳船6を所定
の曳航方向に進行させる。
行う場合は、前記生簀網部2に接続されている前記曳綱
4の上流側端部を曳船6に連結させた後、曳船6を所定
の曳航方向に進行させる。
【0042】このとき、前記カイト部11には、水流が
開口11aを介して流入するとともに、このカイト部1
1に対して図1における左右の外側方向あるいは下方向
への押圧力を付与する。この水流による押圧を受けるこ
とによって、各カイト部11は、それぞれ押圧された方
向へ移動する。すなわち、図1における左端面2aに配
設されたカイト部11は、同図における左方へ、右端面
2bに配設されたカイト部11は、右方へ、底部側の端
面2cに配設されたカイト部11は下方へ移動する。
開口11aを介して流入するとともに、このカイト部1
1に対して図1における左右の外側方向あるいは下方向
への押圧力を付与する。この水流による押圧を受けるこ
とによって、各カイト部11は、それぞれ押圧された方
向へ移動する。すなわち、図1における左端面2aに配
設されたカイト部11は、同図における左方へ、右端面
2bに配設されたカイト部11は、右方へ、底部側の端
面2cに配設されたカイト部11は下方へ移動する。
【0043】そして、各カイト部11の移動にともなっ
て、各カイト部11が固設された生簀網部2の端面2
a,2b,2cが同方向に引っ張られる。
て、各カイト部11が固設された生簀網部2の端面2
a,2b,2cが同方向に引っ張られる。
【0044】これにより、曳航の際の水流を利用して前
記カイト部11を前記生簀網部2の容積が減少する方向
に抗する方向に拡開させることができる。
記カイト部11を前記生簀網部2の容積が減少する方向
に抗する方向に拡開させることができる。
【0045】このように、生簀網部2内の容積を一定に
した状態で生簀1の曳航を行うことにより、生簀網部2
内の魚の密度を一定に保持することができるため、生簀
網部2内の容積の減少にともなう生簀網部2内の魚の密
度の増加によって、魚が生簀網部2に当接してしまうこ
とはない。また、前記カイト部11は、前記水流による
押圧を受ける際に当該水流をせき止めるように作用する
ことになるため、このカイト部11の近傍の水流を相殺
させることになる。一般に、魚は、水流の上流側に向か
って移動する性質を有しているが、生簀網部2内の水流
が相殺されて緩和されれば、前記カイト部11の配設さ
れた生簀網部2(特に上流側端面2d)の方向に魚が泳
ぎ易い環境を整えることができる。このため、前記生簀
網部2内の魚に水流による体力の消耗等の負担を与えず
に曳航を行うことができるようになっており、ひいては
良質の魚の養殖に供することができるようになってい
る。
した状態で生簀1の曳航を行うことにより、生簀網部2
内の魚の密度を一定に保持することができるため、生簀
網部2内の容積の減少にともなう生簀網部2内の魚の密
度の増加によって、魚が生簀網部2に当接してしまうこ
とはない。また、前記カイト部11は、前記水流による
押圧を受ける際に当該水流をせき止めるように作用する
ことになるため、このカイト部11の近傍の水流を相殺
させることになる。一般に、魚は、水流の上流側に向か
って移動する性質を有しているが、生簀網部2内の水流
が相殺されて緩和されれば、前記カイト部11の配設さ
れた生簀網部2(特に上流側端面2d)の方向に魚が泳
ぎ易い環境を整えることができる。このため、前記生簀
網部2内の魚に水流による体力の消耗等の負担を与えず
に曳航を行うことができるようになっており、ひいては
良質の魚の養殖に供することができるようになってい
る。
【0046】また、このように生簀網部2内の容積を一
定に保持することができるため、曳航生簀10の曳航を
高速化することができ、曳航の効率化を図ることができ
る。より具体的には、従来不可能とされていた4.0k
tの曳航速度においても適正な曳航を実現することが可
能になる。
定に保持することができるため、曳航生簀10の曳航を
高速化することができ、曳航の効率化を図ることができ
る。より具体的には、従来不可能とされていた4.0k
tの曳航速度においても適正な曳航を実現することが可
能になる。
【0047】したがって、本実施形態によれば、前記カ
イト部11によって生簀網部2内の容積を一定に保持し
つつ曳航を行うことができるため、魚体の損傷を防止し
つつ生簀の曳航を行うことができる。
イト部11によって生簀網部2内の容積を一定に保持し
つつ曳航を行うことができるため、魚体の損傷を防止し
つつ生簀の曳航を行うことができる。
【0048】なお、本発明は前記実施形態のものに限定
されるものではなく、必要に応じて種々変更することが
可能である。例えば、前記実施形態においては、前記カ
イト部11を生簀網部2の左右の両端面2a,2bおよ
び底部側の端面2cであって前記生簀網部2の曳航方向
上流側端面2dの隅部に対応する位置にのみ配設してい
るが、これに限る必要はなく、前記カイト部11を、生
簀網部の左右の両端面および底部側の端面であって前記
生簀網部の曳航方向下流側端面(2dの対向面)の隅部
に対応する位置にも配設するようにしてもよい。
されるものではなく、必要に応じて種々変更することが
可能である。例えば、前記実施形態においては、前記カ
イト部11を生簀網部2の左右の両端面2a,2bおよ
び底部側の端面2cであって前記生簀網部2の曳航方向
上流側端面2dの隅部に対応する位置にのみ配設してい
るが、これに限る必要はなく、前記カイト部11を、生
簀網部の左右の両端面および底部側の端面であって前記
生簀網部の曳航方向下流側端面(2dの対向面)の隅部
に対応する位置にも配設するようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように本発明の請求項1に係
る曳航生簀および請求項4に係る曳航生簀の曳航方法に
よれば、生簀網部の変形を確実に防止して曳航すること
ができ、これにより魚体の損傷を防止しつつ生簀の曳航
を行うことができるため、良質の魚を提供することがで
き、また、生簀の軽量化にともなう曳航の高速化、効率
化を図ることができる。
る曳航生簀および請求項4に係る曳航生簀の曳航方法に
よれば、生簀網部の変形を確実に防止して曳航すること
ができ、これにより魚体の損傷を防止しつつ生簀の曳航
を行うことができるため、良質の魚を提供することがで
き、また、生簀の軽量化にともなう曳航の高速化、効率
化を図ることができる。
【0050】請求項2に係る曳航生簀および請求項5に
係る曳航生簀の曳航方法によれば、生簀網内の魚に負担
を与えずに曳航を行うことができ、ひいては良質の魚の
養殖に供することができる。
係る曳航生簀の曳航方法によれば、生簀網内の魚に負担
を与えずに曳航を行うことができ、ひいては良質の魚の
養殖に供することができる。
【0051】請求項3に係る曳航生簀および請求項6に
係る曳航生簀の曳航方法によれば、より有効に曳航の際
の生簀網部の変形を防止することができる。
係る曳航生簀の曳航方法によれば、より有効に曳航の際
の生簀網部の変形を防止することができる。
【図1】 本発明に係る曳航生簀の実施形態を斜視図
【図2】 本発明に係る曳航生簀の実施形態において、
カイト部の構成を示した平面図
カイト部の構成を示した平面図
【図3】 従来の曳航生簀の一例を示した側面図
【図4】 従来の曳航生簀の問題点を示した図
2 生簀網部 2a 左端面 2b 右端面 2c 底部側の端面 2d 上流側端面 4 曳綱 10 曳航生簀 11 カイト部 11a カイト部 12 錘
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 完 東京都品川区東品川2丁目2番20号 ニチ モウ株式会社内 Fターム(参考) 2B104 CA01 CC02 CC06 CC13 CC18 CC24 CG03
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも外周および底部から魚を囲繞
可能とされた生簀網部を有し、この生簀網部に曳航用の
曳綱を接続し、この曳綱を介して前記生簀網部を曳航す
ることによって前記生簀網部内の魚を移動させ得るよう
に形成された曳航生簀において、 前記生簀網部に、この生簀網部が前記曳航の際に水流に
よる押圧を受けることによって当該生簀網部内の容積が
減少する方向に変形することを防止するためのカイト部
を配設したことを特徴とする曳航生簀。 - 【請求項2】 前記カイト部は、水流による押圧の際に
この水流をせき止めるように作用することによって前記
生簀網部の水流を緩和することにより、この水流が緩和
された生簀網部中の魚が泳ぎ易い環境を整えることを特
徴とする請求項1に記載の曳航生簀。 - 【請求項3】 前記カイト部は、少なくとも、前記生簀
網部の曳航方向に直交する左右の両端面および底部側の
端面であって、前記生簀網部の曳航方向上流側端面の隅
部に対応する位置に配設されていることを特徴とする請
求項1または請求項2に記載の曳航生簀。 - 【請求項4】 少なくとも外周および底部から魚を囲繞
可能とされた生簀網部を有し、この生簀網部に曳航用の
曳綱を接続し、この曳綱を介して前記生簀網部を曳航す
ることによって前記生簀網部内の魚を移動させ得るよう
に形成された曳航生簀の曳航方法において、 前記生簀網部に配設したカイト部によって、生簀網部を
曳航する際に水流による押圧を受けることによって当該
生簀網部内の容積が減少する方向に変形することを防止
しながら曳航することを特徴とする曳航生簀の曳航方
法。 - 【請求項5】 前記カイト部に、水流による押圧の際に
この水流をせき止めるように作用させることによって前
記生簀網部の水流を緩和することにより、この水流が緩
和された生簀網部中の魚が泳ぎ易い環境を整えつつ曳航
を行うことを特徴とする請求項4に記載の曳航生簀の曳
航方法。 - 【請求項6】 前記カイト部を、少なくとも、前記生簀
網部の曳航方向に直交する左右の両端面および底部側の
端面であって、前記生簀網部の曳航方向上流側端面の隅
部に対応する位置に配設することを特徴とする請求項4
または請求項5に記載の曳航生簀の曳航方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001168282A JP2002360112A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 曳航生簀およびその曳航方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001168282A JP2002360112A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 曳航生簀およびその曳航方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002360112A true JP2002360112A (ja) | 2002-12-17 |
Family
ID=19010531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001168282A Pending JP2002360112A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 曳航生簀およびその曳航方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002360112A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009044975A (ja) * | 2007-08-16 | 2009-03-05 | Media 21:Kk | 生簀 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS49131884A (ja) * | 1973-04-26 | 1974-12-18 | ||
JPS57183860A (en) * | 1981-04-28 | 1982-11-12 | Kuuesuto Medical Inc | Apparatus for detecting flow badness |
JPH078133A (ja) * | 1993-06-28 | 1995-01-13 | Taito Seiko Kk | 生簀曳行用枠及びこの生簀曳行用枠を有する生簀 |
-
2001
- 2001-06-04 JP JP2001168282A patent/JP2002360112A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS49131884A (ja) * | 1973-04-26 | 1974-12-18 | ||
JPS57183860A (en) * | 1981-04-28 | 1982-11-12 | Kuuesuto Medical Inc | Apparatus for detecting flow badness |
JPH078133A (ja) * | 1993-06-28 | 1995-01-13 | Taito Seiko Kk | 生簀曳行用枠及びこの生簀曳行用枠を有する生簀 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009044975A (ja) * | 2007-08-16 | 2009-03-05 | Media 21:Kk | 生簀 |
JP4529052B2 (ja) * | 2007-08-16 | 2010-08-25 | 株式会社ティー・アール・ケー | 生簀 |
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