JP2002358428A - 債務償還処理システム、債務償還処理方法、並びに債務償還方法 - Google Patents

債務償還処理システム、債務償還処理方法、並びに債務償還方法

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JP2002358428A
JP2002358428A JP2001167008A JP2001167008A JP2002358428A JP 2002358428 A JP2002358428 A JP 2002358428A JP 2001167008 A JP2001167008 A JP 2001167008A JP 2001167008 A JP2001167008 A JP 2001167008A JP 2002358428 A JP2002358428 A JP 2002358428A
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trust
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computer
creditor
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JP2001167008A
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Yaichi Kuramochi
弥一 倉持
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Shinsei Bank Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 債務者が償還期限よりも前に自己の債務を償
還する新たな仕組み、そして当該仕組みを的確に、か
つ、効率よく実行するための方法及びシステムを提供す
る。 【解決手段】 コンピュータを用いて債権者への償還期
限が予め定められている債務に関するデータを入力する
データ入力ステップと、前記データ入力ステップにより
入力された前記債務に関するデータをコンピュータ内或
いはコンピュータと接続された記録手段に記録する記録
ステップと、前記償還期限よりも前に当該債務の債務者
が拠出する資金に基づいて前記債権者を受益者とする信
託を設定するという取り組みを開始するか否かを、前記
記録手段に記録された債務に関するデータに基づいて、
コンピュータに自動的に判定させる判定ステップとを具
備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、期限前における債
務の償還を目的とする債務償還処理システム、債務償還
処理方法、並びに債務償還方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、甲と乙とが、それぞれ債務者と
債権者の関係にあることを示している。甲と乙の間に債
務・債権関係が発生すると、通常であれば、甲は乙に対
し、その契約内容に沿った一定のスケジュールで債務を
償還しなければならない。しかし、その債務が、現在の
金利環境や現在の甲の信用力と比較して、甲にとって負
担感の大きいものである場合には、甲としては元々の償
還期限よりも早い時期に債務を償還したいと考える場合
がある。特に、債務者の業績が好調で予想を上回る利益
が見込まれるような場合には、資金に余裕のあるうちに
債務を償還することによって財務体質を強化することが
できるので、債務者がその債務を期限前に繰上償還した
いと望む状況がしばしば生じる。
【0003】ところで、期限前に債務を償還するために
は、債務者が債権者に直接返済する場合でも、あるいは
債務者の地位を第三者に移転(債務引受)する場合で
も、事前の契約等がある場合を除き、債権者の承諾が法
律上必要とされる。しかしながら、債務者が早期に償還
したい債務というのは、債権者の側から見ると良質な債
権である場合が多く、このため債務者が期限前に償還し
たいと思っても、債権者が承諾を与えない場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような場合に、法
律上の債権・債務関係を残しつつ、債務者が会計上その
債務を弁済したのと同じ効果を得る方法として、デット
・アサンプション(DebtAssumption)もしくは実質的な
ディフィーザンス(In-substance Defeasance)と呼ば
れるスキームが利用されることがあった。しかしなが
ら、かかるスキームの利用は現状では社債に限定して認
められているのみであり、期限前に債務償還を償還した
いという多様なニーズに十分に応えることはできなかっ
た。
【0005】本発明は、上記のような背景のもとにおい
てなされたものであり、その目的は、債務者が償還期限
よりも前に自己の債務を償還する新たな仕組みを提供す
ることである。また、本発明の他の目的は、当該仕組み
を的確に、かつ、効率よく実行するための方法及びシス
テムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の債務償還処理方
法は、少なくとも、コンピュータを用いて債権者への償
還期限が予め定められている債務に関するデータを入力
するデータ入力ステップと、前記データ入力ステップに
より入力された前記債務に関するデータをコンピュータ
内或いはコンピュータと接続された記録手段に記録する
記録ステップと、前記償還期限よりも前に当該債務の債
務者が拠出する資金に基づいて前記債権者を受益者とす
る信託を設定するという取り組みを開始するか否かを、
前記記録手段に記録された債務に関するデータに基づい
て、コンピュータに自動的に判定させる判定ステップと
を具備している。
【0007】本発明の債務償還処理方法には、さらに、
前記取り組みを開始すると決定したときは、一又は二以
上の前記債務に関するデータに基づいて、設定する信託
の内容(例えばキャッシュフロー)を、コンピュータに
自動設計させる設計ステップを含めることができる。
【0008】前記データ入力ステップは、例えば、コン
ピュータ及び通信回線を介して送られてきたデータを受
信し、これをコンピュータが自動的に又はオペレータが
対話的にコンピュータに入力するものである。このデー
タ入力の履歴は、必要に応じて関係者当事者が画面上な
どで確認できるようにする。
【0009】上記本発明の債務償還処理方法には、さら
に、前記設計ステップで設計された信託のキャッシュフ
ローに関する設計データを、信託の受託者のコンピュー
タに送信する送信ステップを含めることができる。
【0010】前記債務に関するデータには、例えば、債
務者の収益に関する予測値、金利に関するデータ、株価
に関するデータ、債権者に関するデータ、債務の満期ま
での残存期間に関するデータ、あるいは当該債務者の返
済予定金額に関するデータを含めておき、判定処理ステ
ップでは、これらのうちの一又は二以上のデータに基づ
いて、前記信託を設定する取り組みを開始するか否かを
判定する。
【0011】一方、本発明の債務償還処理システムは、
少なくとも、債権者への償還期限が予め定められている
債務に関するデータを入力する入力手段と、前記入力手
段により入力された前記債務に関するデータを記録する
記録手段と、前記償還期限よりも前に当該債務の債務者
が拠出する資金に基づいて前記債権者を受益者とする信
託を設定するという取り組みを開始するか否かを、前記
記録手段に記録された債務に関するデータに基づいて、
自動的に判定する判定手段とを具備している。
【0012】本発明の債務償還処理システムには、さら
に、前記取り組みを開始すると決定したときに、一又は
二以上の前記債務に関するデータに基づいて、設定する
信託の内容(例えばキャッシュフロー)を自動的に設計
する自動設計手段を含めることができる。
【0013】前記入力手段は、コンピュータ及び通信回
線を介して送られてきたデータを受信してデータを入力
する機能を含むものとする。
【0014】前記債務償還処理システムには、さらに、
前記自動設計手段によって設計された信託のキャッシュ
フローに関するデータを信託の受託者のコンピュータに
送信する送信手段を含めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら、本発
明の実施の一形態について説明する。図2は、債務者甲
が、債務弁済期限の前にその債務を債権者乙に償還する
ための方法として本発明者が案出したスキームの基本的
な態様を示している。ここでは、甲が乙から融資を受け
ていたり、あるいは乙が甲の発行する社債を購入してい
る、といった場合が該当するが、本発明の想定する債権
者・債務者の関係は、これらに限定されるものではい。
【0016】図2に示したスキームでは、元々の関係当
事者である債務者甲、債権者乙の他に、代位弁済者丙並
びに信託銀行丁が当該債務償還の関係当事者となる。な
お、ここで言う債務の償還とは、あくまでも会計上のも
のであり、法律的に債権・債務関係が消滅するか否かと
は直接関係はない。すなわち、後述のように、本スキー
ムによって会計上の債務は消滅しても、法律的には、甲
と乙との間の債務者・債権者の関係は継続する。
【0017】このような性質は、特定の場合に、債権
者、債務者の両者によって都合よく働くことがある。例
えば、いわゆる政府系金融機関が、ある企業に対して所
定の返済条件の下で融資している場合、融資の内容によ
っては、期限前での償還が認められないのに加え、債務
者が同金融機関に、融資に関連する事業内容等について
制度・契約上の報告を義務づけていることがある。本ス
キームが開始されても、法律上の債権・債務関係は残っ
ており、更に担保権等も残存していることから、債務者
は本スキーム導入の前後に関係なく報告の義務は引き続
き果たすことができる。
【0018】以下で、図2に沿って、時系列的にこのス
キームについて説明する。まず、債務者甲は、丙との間
で、甲の有する債務全額を丙が包括的に代位弁済するこ
とについての委任契約(代位弁済契約)を結ぶ。この弁
済委任には、付随的に、代位弁済後の代位権不行使の表
明、弁済方法・弁済ルートの限定、並びに債務者甲によ
る追加的な拠出資金が不要であることの確認などの事項
を含める。このような事項を含めるのは、(1)債務者
から特定の第三者が特定の弁済方法で返済することの承
諾を得る必要があること、(2)債権者が不利な立場に
なる可能性を排除するため丙が代位権を放棄しているこ
とを明確する必要があること、(3)会計上、債務の繰
上償還の実態を確保するためには、今後同債務に対する
追加的な支払いが発生しないことを明記しておかなけれ
ばならないこと、などの理由による。
【0019】この代位弁済契約を結ぶ時点で、債務者甲
は、丙に対して、債務を弁済するのに必要な資金を引き
渡す。ただし、この資金を運用することによる利回りが
期待できる場合には、その分を差し引いた金額とするな
ど、引き渡す資金の額は、甲と丙との間の合意に基づい
て定めることができる。
【0020】これによって丙は代位弁済者となるのであ
るが、丙が直接乙に対して債務を償還するのではなく、
間に信託銀行を置き、ここを介して乙に償還する。すな
わち、丙は、代位弁済契約が成立した段階で、原債務者
である甲からの委託に基づく形で、信託銀行丁において
他益信託を設定する。この他益信託の設定において、委
託者は代位弁済者丙、受託者は信託銀行丁であるが、受
益者については元々の債権者である乙とする。
【0021】設定する信託は、他益信託の受益権として
債権者に引き渡される方法による弁済についてのみ代位
弁済がなされることを内容とする。この場合、債務者で
ある甲は、債権者である乙に対して、丙が甲の債務を包
括的に代位弁済することに甲が事前同意する旨を通知す
る。この通知の方法としては、例えば債務が社債である
場合には、新聞公告を用いる方法が考えられる。そし
て、債権者である乙は、代位弁済の同意書に確定日付を
付して代位弁済者に返送することになることが多いと考
えられる。
【0022】また、代位弁済者である丙は、債権者であ
る乙に対して、弁済に伴って発生する代位権については
行使しないことを表明する。かかる表明を行う理由は、
丙が代位弁済を行うことが債権者乙を不利にする可能性
があるのであれば乙は受領を拒否することができるのだ
が、丙が代位権を行使しないことになれば、将来、甲を
債務者とする債権者に加わる可能性がなくなり、乙が受
領を拒否する理由がなくなるからである。ここにいう代
位権には、債権、担保権(物上代位)等の一切の権利を
含む。
【0023】なお、この表明に代えて、上で債務者甲が
債権者乙に対して行う通知を、甲と丙の連名にすれば、
かかる丙単独での表明は不要となる。さらに、この信託
の設定においては、取消不能特約を付けることによっ
て、後に代位弁済者丙が信託を取り消すことができなく
なり、信託に拠出した資金は代位弁済者丙から実質的に
切り離される。これにより、丙が倒産するなどの不測の
事態が生じたとしても、債権者乙から見た場合に、債務
償還の安全性・確実性が確保されているとみることがで
きる。この点が、このスキームの一つの特徴である。
【0024】また、信託銀行の信託勘定が運用する信託
財産は、一定以上の信用力を有するものとする。仮に、
この信託財産が、信用力の低い企業の社債などで運用さ
れていた場合、もしも債務不履行となってスケジュール
通りの債務返済が困難になると、本スキームは機能しな
くなる。そこで、本スキームでは、例えば会計上一般的
に言われる「拠出時に複数の格付け機関よりダブルA相
当以上の格付けを得ている」ことを基準とする。具体的
には、日本国債(JGB)などが該当する。
【0025】このような信託の設定がなされると、受益
者である乙に対しては、信託銀行丁から、甲と乙が当初
交わした債務契約で取り決められたスケジュールに従っ
て所定の金額が乙に引き渡される。このように信託銀行
を利用すると、丙からの弁済は任意弁済となり、原債権
者乙には不利益をもたらさないので、かかる他益信託を
設定する場合でも法律的には受益者である乙の承諾は不
要である。
【0026】ところで、前述のように、上記のようなス
キームを用いた場合でも、甲が債務者で、乙が債権者で
あるという関係は、法律的には何ら変わらないという点
に留意すべきである。しかしながら、甲が代位弁済者に
弁済資金を渡し、その後債権者乙を受益者とした信託が
設定されたことによって、安全かつ確実に乙に債務が償
還されるので、会計上は、甲の負債が消滅したものとし
て処理することができる。すなわち、会計上は、甲の貸
借対照表からはこれに関する負債項目が削除され、オフ
バランス化される。これによって、例えば、対外的な信
用を高めることができるなど、種々のメリットが生まれ
る。以上が本発明を実現するための基本的な前提であ
る。
【0027】図2に示したスキームをビジネス面から考
えた場合、金融機関などが代位弁済者丙となって、顧客
である債務者甲のために図2に示したスキームを実行
し、甲の負債をオフバランス化するというサービスを提
供することで手数料収入を得ることができる。あるいは
また、信託銀行丁が代位弁済者丙をも兼ねて、図2に示
したスキームを実行し、手数料収入を得ることもでき
る。したがって、図2に示したスキームに基づいて負債
をオフバランス化することを希望する者を顧客として、
これまでにないサービスを提供するというビジネスを展
開できる。
【0028】ところで、実際にビジネスとして図2に示
したスキームを考えた場合、債権者及び債務者が複数存
在し、かつ、特定の債権者・債務者間での債権・債務も
多数に亘る場合においては、各々の組み合わせから信託
の設定方法は無数に考えられることから、債務者、債権
者それぞれが互いに合意できる条件の中で最も効率のよ
いと思われる方法で信託の設定を行うのが合理的であ
る。また、金利などの経済状況が日々変動することか
ら、どのようなタイミングで図2のスキームでの取り組
みを開始するかによって成果が大きく変わってくる。さ
らに、前述のように債務者から債権者へ、或いは代位弁
済者から債権者へ種々の通知を行う必要がある。このた
め、図2に示したスキームをある程度の規模で実現し、
しかも種々の手続きを迅速に行うことを考える場合に
は、コンピュータを利用する必要が生じる。
【0029】図3は、図2のスキームを実行するために
用いられるコンピュータと、それらが接続されているネ
ットワークの一例を示している。ここでは、3台のコン
ピュータ10,12,14が、ネットワーク20を介し
て接続されている。これらのコンピュータのうち、10
は図2の代位弁済者となる丙のコンピュータ、12は債
務者である甲のコンピュータ、14は信託銀行丁のコン
ピュータである。また、ネットワーク20はインターネ
ットでもよいが、甲、丙、丁の間で専用線として構築し
たネットワークでもよい。
【0030】各コンピュータ10,12,14には、以
下に述べる処理を実行するのに必要なソフトウェアがイ
ンストールされている。また、これらの処理に必要な中
央処理装置、内部記憶装置、外部記録装置、表示装置、
印刷装置などが搭載又は接続されている。さらに、各コ
ンピュータには、ネットワーク20を介して相互にデー
タをやり取りするための送受信装置が設けられている。
【0031】図4は、以上のことを前提にして構築した
本実施形態の負債オフバランス化処理システムの全体的
な動作を示すフローチャートである。この場合は、ある
会社が代位弁済者となって、債務を有する顧客に対し
て、図2に示したスキームでのサービスを提供する。こ
こでも、原債務者を甲、代位弁済者を丙、原債権者を乙
とする。なお、原債務者甲及び原債権者乙は、いずれも
複数の債務者、債権者の中の一社であるとする。
【0032】丙は、顧客である甲から、債務者データ
と、運用資産データの提供を受け、それを予めコンピュ
ータ10に登録する。このコンピュータ10には、本ス
キームを実現するために必要とされるプログラムが組み
込まれており、さらに、ネットワーク20を介して甲の
コンピュータ12、信託銀行丁のコンピュータ14と間
で必要なデータの授受を行うことができる通信装置が含
まれている。
【0033】図5は、前述の債務者データの一例を示し
ている。このうち同図(A)は、債務者自身に関する基
本情報をコンピュータ10の端末上に表示した画面であ
り、同図(B)は、図2に示したスキームによって弁済
する対象となる債務に関する情報を表示した画面であ
り、同図(C)は、債務者甲、債権者乙の間で契約され
ている元利払い等といった債務返済のキャッシュフロー
を事前に登録しておく内容の画面であり、(D)はトリ
ガー条件を表示した画面である。画面(A)(B)
(C)(D)は、丙のコンピュータ10を操作するオペ
レータの簡単な操作によって、ある画面から他の画面に
移行することができる。図5の(A)(B)(C)に示
したデータがあると、対象となる債務の内容は特定され
る。なお、「トリガー条件」とは、それに合致したとき
に図2のスキームへの取り組みを債務者に提案する、図
2のスキームへの取り組みを開始するための条件であ
る。
【0034】図5の情報は、丙が以前から甲との間で取
引がある場合には、その取引の中でやり取りされる情報
の中から抽出することもできる。また、甲が、丙の提供
する図2のスキームによるオフバランス化のサービスの
新たな顧客となる場合には、その際に図5に示したデー
タを丙に提供する。提供の方法は、書類を提出し、これ
に基づいて丙の側でオペレータがコンピュータに入力し
てもよいが、丙と甲との間に図3のような通信ネットワ
ークが構築されている場合には、これを使ってディジタ
ル情報として送ることもできる。後者のようにすれば、
丙の側でデータをコンピュータに入力する手間が省か
れ、また情報に変更があった場合のデータ更新も容易と
なるという利点がある。
【0035】この債務者データは、債務者甲が図2のス
キームのサービスを受けるのに必要な情報であり、この
中には、どういう状況になったときに図2に示したスキ
ームを開始するかを示す、前述のトリガー条件(図5
(D)参照)も含まれている。一般に、図2のスキーム
が実行されるのは、債務者に資金的に余裕が生じたとき
と考えられるので、図5(D)に示すような収益予測
や、この収益に影響を与える可能性の高い経済指標が、
トリガー条件となりうる。ただし、ここに示したトリガ
ー条件をどのように利用して実際のスキーム開始の判断
材料とするかについては種々の態様が考えられる。
【0036】図6は、図5(D)に示した、債務者デー
タとして丙のコンピュータ10に入力するトリガー条件
をより詳細に示している。ここでは、例えば大項目の
「収支予想」では、その右端の「トリガー条件」とし
て、売上高、営業利益、経常利益、最終利益、フリー・
キャッシュフローのいずれかが、決算期中に、決算期初
の予想からみて上方に一定金額(例えば200億円)以
上変動した場合に、図2のスキームの取り組みへのトリ
ガーが機能するようになっている。また、収益影響予測
基準情報については、金利についてLIBOR(London
InterBank OfferedRate)が3%下落するか、あるいは
日経平均株価が13,000円未満になることが、トリ
ガーが機能する条件となっている。
【0037】これらのトリガー条件は、それぞれを個別
に考えてもよいが、いくつかを複合し、それぞれの寄与
度を考慮すれば、より確実な取り組みが可能となる。す
なわち、各トリガー条件を複数の判定要素とし、これら
から、それぞれについての一定の寄与度を考慮して得ら
れる新たな条件を設定し、この新たな条件に合致したと
きに、図2に示したスキームへの取り組みを開始する。
例えば、図6の小項目に示したa〜jの各条件につい
て、その下に示したような数式を満たし、かつ、fのト
リガー条件においてLIBORが3%下落した場合にト
リガーを機能させ、図2に示したスキームへの取り組み
を開始するというようにしてもよい。コンピュータを用
いることにより、このような確実な取り組みを容易に実
現することができる。
【0038】図7は、図2に示したスキームへの取り組
みを開始する、別のトリガー条件の例を示している。こ
のうちa「市場金利と対象債務金利との差」は、例え
ば、対象債務である社債や借入金の金利が例えば10%
であるときに、市場金利が一定の水準(例えば6%)以
下となり、両者の差が4ポイントを超えた場合にトリガ
ーを機能させるという条件である。ここでの市場金利と
しては、LIBOR、スワップ・レート、長短プライム
レート等の各種金利の中から債務者が選定する。
【0039】その下のb「対象債務金利と運用資産金利
との差」は、対象債務である社債や借入金の金利が例え
ば10%であるときに、丙のコンピュータにデータを登
録してある運用資産の提示利回りが一定水準(例えば6
%)以下となり、両者の差が4ポイントを超えた場合に
トリガーを機能させるという条件である。
【0040】その下のc「特定の債権者分の取り組みニ
ーズ発生時」は、債権者に関するトリガー条件である。
すなわち、丙のコンピュータに登録された債務につい
て、特定の債権者乙(例えば金融機関)からの債務につ
いて、図2のスキームに取り組む意思のある者が一定数
(例えば三社)以上ある場合にトリガーを機能させると
いう条件である。このような件数指定の他に、例えば乙
を債権者とする債務の合計が一定金額(例えば100億
円)を超える場合というように金額を基準に指定した
り、あるいは、件数と金額の両方を条件に組み入れるこ
ともできる(例えば三社以上、かつ、100億円以
上)。
【0041】その下のd「期初予想との対比」は、丙の
コンピュータに登録された債務者の今期決算予想が例え
ば経常利益で1,000億円であったが、決算期末が近
づき同利益が上振れ(上方修正)する場合に、その差が
例えば200億円を超える場合にはトリガーを機能させ
るという条件である。また、このような実額以外に、例
えば債務金額に対して上下20%以上の変動がある場合
といった設定も可能である。
【0042】その下のe「残存期間」は、丙のコンピュ
ータに登録された債務の満期までの残存期間に関するも
ので、この残存期間が一定期間(例えば5年)を下回っ
たときに、トリガーを機能させるという条件である。
【0043】その下のf「債務全体の弁済スケジュー
ル」は、債務者の債務全体について、各決算年度ごとの
返済予定金額(例えば2001年度が500億円、20
02年度が600億円、2003年度が500億円)に
ついて、新規の負債発生があっても、年間返済予定金額
を例えば700億円以下になるようにし、この金額を超
える場合にはトリガーを機能させるという条件である。
【0044】その下のg「マーケット価格変動による損
益発生想定金額」は、金利、株価、国債価格、公示地価
などについての絶対的な水準に基づいてトリガーを機能
させるという条件である。例えば金利であればLIBO
Rが例えば3%になったとき、株価であれば、日経平均
株価が例えば13,000円未満になったときや、特定
の会社が発行する株価の価格が一定金額になったときで
ある。また、国債価格については、例えば指標銘柄が1
38円を超えたときや、その複利利回りが1.4%未満
になったときなどである。さらに、公示地価について
は、例えば特定地点の公示地価がある年を基準にして9
0%以下になったときなどである。
【0045】上記a〜gの各条件は、すべてを用いるこ
ともできるし、これらのうちのいくつかだけを条件とし
て用いることもできる点は、図6の場合と同様である。
また、それぞれを単独でトリガーの条件とすることも可
能であるが、二つ以上の条件を判定要素とし、これらを
組み合わせて新たなトリガー条件を設定することもでき
る。例えば、a〜gのうちからa、d、eを選び、これ
ら三条件のうち、一つでも該当するものがあればトリガ
ーを機能させたり、三条件のうちの二つ以上に該当した
場合にトリガーを機能させたり、三条件すべてに該当し
た場合のみトリガーを機能させる、といったことも可能
である。また、図7に記載した以外の項目でも、例えば
対象債務や運用資産に基づいて各種の条件を設定するこ
とも、もちろん可能である。
【0046】図8は、図4の最初に示した運用資産デー
タの内容の一例を示した図である。(A)(B)(C)
は、丙のコンピュータ10の端末上に別々に表示される
画面を意図しており、オペレータが自由にある画面から
他の画面に移行することができる。運用資産データは、
代位弁済者となる丙が、甲から預かった弁済に必要な資
金を基に、乙を受益者とする他益信託を設定する際に、
信託銀行に運用内容を指示する際に必要となる情報であ
る。このデータは、例えば社債であれば、発行を希望す
る企業が発行希望条件を登録する。国債であれば、既発
行国債の条件をベンダー等入手可能な情報源から提供さ
れる情報に基づいて入力される。
【0047】図2のスキームでは、当初に甲が丙に預け
た資金と、これを信託銀行が運用して得られる利回りの
合計額が弁済に当てられる資金となるが、どのように運
用するか(例えばどのような国債を購入するか、社債を
購入するか、預金するか)によって利回りが異なってく
ることから、甲にとってはどのような運用方法(運用資
産の種類)を採るかが重要となる。したがって、図2の
スキームを実行するに当たって、債務者甲が選択しよう
とする運用方法に一定の条件を付けることが考えられ
る。そのような場合に、丙のコンピュータ10は、図8
に示したデータを参照する。
【0048】図8(A)において、一番上の「種類」
は、運用資産の種類を指定する項目であり、具体的には
国債あるいは社債などである。その下の「発行体等」
は、例えば国債であれば国を、社債であればその会社名
を入力する項目である。次の「格付け」は、例えば社債
で運用する場合に、発行体に対して第三者機関が行った
格付けのランクを入力する項目である。ここには例とし
て、最も一般的なS&PとMoody’sを挙げてあ
る。格付けの項目を設けたのは、客観的な格付けで一定
以上のレベルとされた運用方法を確保しておかないと、
会計上のオフバランス化が認められない可能性があるか
らである。その他に、資産の「金額」、「期間」、「金
利」、「償還方法」、「提示条件有効要件」の各項目が
設けられている。最後の「提示条件有効要件」は、例え
ば社債を発行する会社が、最初に提示した通りの条件で
社債を発行するための条件、言い換えると、何らかの要
因で当初予定した社債の発行を取りやめることになる条
件があるとしたら、それを入力しておく項目である。
【0049】図8(B)は、(A)に示した運用資産に
ついてのさらに詳しい基本情報である。ここでは、キャ
ッシュフロー、IRR(内部収益率)、LIBORスプ
レッド(LIBORとの金利差)が含まれている。
(C)は、前述の「提示条件有効要件」の判断を行うた
めの材料となる経済指標である。
【0050】再び、図4のフローチャートに戻って説明
する。丙のコンピュータ10には、さらに、それぞれの
債務者のトリガー条件に合致するか否かを判断するのに
必要な種々のデータが逐次入力される。丙のコンピュー
タ10は、これらのデータを、予め登録されている各債
務者のトリガー条件と照らし合わせ、トリガー条件に合
致するか否かを常時判断している(S10)。
【0051】丙のコンピュータ10は、S10におい
て、いずれかの債務者(ここでは甲とする)のトリガー
条件に合致すると判断した場合には、その旨を、図2の
スキームの実行についてのプロポーザルとともに債務者
甲に通知する(S11)。この場合、迅速性が要求され
る場合もあるので、コンピュータ10が自動的にその旨
の通知及びプロポーザルを作成して通信回線で債務者甲
のコンピュータ12に送るのが望ましいが、郵送などの
手段をとることももちろん可能である。
【0052】この通知及びプロポーザルを受け取った債
務者甲は、その内容を検討し、図2のスキームへの取り
組みの可否を最終的に判断する(S12)。S12にお
いて甲が取り組みを行うことを決定した場合には、その
旨を、ネットワークを介して甲のコンピュータ12から
丙のコンピュータ10に連絡する。この連絡に基づい
て、丙のコンピュータ10は、予め用意されている書式
に基づいて自動的に契約書の雛形を作成する(S1
3)。作成された契約書の雛形の内容は当事者間で検討
され、その後、正式な代位弁済契約が結ばれる(S1
4)。この確定した契約内容は、丙のコンピュータ10
に入力される(S15)。S16では、債権者乙に対す
る通知が作成され、その後乙に対して郵送される。
【0053】次に、甲と丙との間で結ばれた契約内容に
基づいて、信託の設定が行われる(S17)。この信託
の設定は、予め用意されているアルゴリズムに従って自
動的に行われ、設定が完了すると、その内容は、予めこ
のような取り組みに合意している信託銀行丁に対する指
図とともに丁に送られる。この指図は、丙のコンピュー
タ10から丁のコンピュータ14へ、ネットワーク20
を介して行うことが望ましい。この指図によって、当該
信託銀行は、原則として、債務者甲が債権者乙との間で
当初合意したスケジュールに従って弁済を開始する。信
託銀行丁から債権者乙への弁済は、通常複数回にわたる
ことになるが、その個々の支払いに対して、債権者乙か
ら信託銀行丁に受領通知があると(S18)、その旨は
信託銀行丁のコンピュータ14から丙のコンピュータ1
0へ伝えられ、ここに弁済データが記録される(S1
9)。
【0054】続いて、当初登録した対象となる債務の返
済スケジュールと、債権者乙が弁済者に対して送付する
弁済受領通知の内容を照合する(S20)。これは、ス
ケジュール通りの返済が確実に行われたかどうかを確認
するための処理である。S20においてスケジュール通
りの弁済があったことが確認された場合には、弁済が確
認された旨の情報を、コンピュータ10に登録してある
データに入力する(S21)。この入力がなされた時点
で、コンピュータ10はその旨の通知を自動的に作成
し、通信回線を解して債務者甲のコンピュータ12に送
付する。
【0055】
【実施例】これまでは本発明の実施の一形態について述
べたが、以下では実施の形態をより詳しく説明するため
に、想定される事例を実施例として述べる。以下の事例
でも、甲社、乙銀行、丙社が、図2に示したスキームの
関係当事者であるとする。
【0056】自動車メーカーの甲社には、かつての大規
模な設備投資に絡んで300億円にのぼる高金利(借入
金利8%)の借入金があり、このうちの主要な部分は、
乙銀行を債権者とする債務であった。一方、甲社の収益
構造は、最近の円安に起因した輸出の増加に伴って好転
しており、2002年3月期には、高水準の収益を予想
していた。そこで甲社は、現状の潤沢な手許資金を使っ
て前述の高利の有利子負債を前倒しして返済することに
よって将来に向けた財務構造を強化したいと考えてい
た。しかし、甲社に資金を貸し出している乙銀行として
は、優良な貸出ポートフォリオであることから、甲社に
よる期限前の借入金返済の交渉には応じなかった。
【0057】そこで甲社は、乙銀行からの借入金を対象
として図2に示したスキームを実行し、時宜を得たタイ
ミングで借入金を返済することによって負債のオフバラ
ンス化を図り、会計上のメリットを得ることを考えた。
【0058】丙社は、図2に示したスキームの代位弁済
者として債務者の負債返済を手助けするサービスを行っ
ており、さらに、このサービスを効率的かつ的確に行う
ために、図3に示すようなコンピュータと通信回線を用
いて、本発明に係る負債オフバランス化処理システムを
構築している。
【0059】甲社は、前述の300億円の借入金に関す
る情報を、債務者情報として丙社のコンピュータ上のデ
ータベースに登録した。同時に甲社は、下記の条件をト
リガー条件として丙社に届け、丙社はその内容を同社の
コンピュータに入力した。 a)対米ドルの為替レートが現在の125円/$から1
5円の円安になること: b)対象となる借入金の金利(8%)と市場金利(5年
SWAPレート)との差が4%以上になること: c)丙社のデータベースに登録されている乙銀行を債権
者とする債務の債務者が、本スキームによる債務返済を
実行すること: ここで、a)とb)については、両条件がともに満たさ
れたときにトリガーをかけることとし、条件c)につい
ては、これが満たされたときは条件a)、b)が満たさ
れたか否かに拘わらずトリガーをかけることとする。
【0060】その後、丙社のコンピュータによってこの
トリガー条件が満たされことが検出され、本スキームへ
の取り組みのプロポーザルが甲社に届けられた。甲社で
は、このプロポーザルについて社内で検討を行い、最終
的に本スキームに取り組むことを決定し、その旨を丙社
に知らせた。
【0061】丙社には、乙銀行を債権者とする債務につ
いて、同時期に本スキームへの取り組みを希望する債務
者が甲社以外に5社あった。そこで、丙社は、各債務者
との間で代位弁済契約を締結し、対象となる各債務のデ
ータに基づき、甲社を含む6社のキャッシュフローを一
括するように信託を設計した。この設計は、予めもっと
も効率よく、かつ、必要なすべての条件が加味された信
託の設計がなされるよう用意されたプログラムを用い
て、コンピュータ上で行われる。丙社は、そのグループ
会社である信託銀行において、この信託を設定した。な
お、信託設定に際して、信託勘定で運用する資産の手当
も行って、信託銀行に指示を出した。
【0062】甲社から丙社に弁済に必要な資金が拠出さ
れ、当該信託銀行に信託設定が行われた時点で、甲社の
貸借対照表からは、乙銀行を債権者とする債務は削除さ
れる。ただし、これはあくまでも会計上の事柄であり、
前述のように、法律的には、信託銀行から乙銀行に対し
て弁済に必要な資金の払い込みが完了するまでは、乙銀
行が債権者で甲社が債務者であるという関係は継続す
る。
【0063】その後、実際に、甲社の借入金の弁済と
し、上記信託銀行から乙銀行に対して、当初の契約に記
載された返済スケジュールに従った借入金の弁済が開始
される。信託銀行から乙銀行に予定の資金の弁済が行わ
れるたびに、丙社には、債権者である乙銀行から弁済受
領通知が届けられる。丙社では、コンピュータによっ
て、設定してある信託のキャッシュフローとの照合を行
い、弁済が確実に行われた旨を、甲社を含む6社にそれ
ぞれ通知する。この作業は、各社ごとに、最終償還が完
了するまで続く。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
債務者が拠出する資金に基づいて債権者を受益者とする
信託を設定し、この信託から受益者への資金の引渡とし
て債権者へ債務を償還するというスキームを実行するこ
とにより、債務者は、償還期限が予め定められている債
務について実質的にその償還期限よりも前に債務を償還
することができ、例えば、会計上は債務が消滅したもの
として処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】甲と乙とが、それぞれ債務者と債権者の関係に
あることを示した図である。
【図2】債務者が期限前にその債務を償還するための、
本発明のスキームの概略を示した図である。
【図3】図2のスキームを実行するために用いられるコ
ンピュータと、それらが接続されているネットワークの
一例を示した図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係る負債オフバランス
化処理システムの全体的な動作を示すフローチャートで
ある。
【図5】債務者データの一例を示した図である。
【図6】トリガー条件の一例を詳細に示した図である。
【図7】トリガー条件の他の例を示した図である。
【図8】運用資産データの内容の一例を示した図であ
る。
【符号の説明】
10,12,14…コンピュータ 20…ネットワーク

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータを用いて債権者への償還期
    限が予め定められている債務に関するデータを入力する
    データ入力ステップと、 前記データ入力ステップにより入力された前記債務に関
    するデータをコンピュータ内の或いはコンピュータと接
    続された記録手段に記録する記録ステップと、前記償還
    期限よりも前に当該債務の債務者が拠出する資金に基づ
    いて前記債権者を受益者とする信託を設定するという取
    り組みを開始するか否かを、前記記録手段に記録された
    債務に関するデータに基づいて、コンピュータに自動的
    に判定させる判定ステップと、 を少なくとも具備することを特徴とする債務償還処理方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、さら
    に、前記取り組みを開始することを決定したときは、一
    又は二以上の前記債務に関するデータに基づいて、設定
    する信託の内容をコンピュータに自動設計させる設計ス
    テップを具備することを特徴とする債務償還処理方法。
  3. 【請求項3】 前記データ入力ステップは、通信回線を
    介して送られてきたデータを受信してデータをコンピュ
    ータに入力するものである請求項1又は2に記載の債務
    償還処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の発明において、さらに、
    前記設計ステップで設計された信託のキャッシュフロー
    に関する設計データを、信託の受託者のコンピュータに
    送信する送信ステップを具備することを特徴とする債務
    償還処理方法。
  5. 【請求項5】 前記債務に関するデータには、債務者の
    収益に関する予測値が含まれており、前記判定ステップ
    では、この予測値と実際の収益とが所定の関係になった
    ときに前記信託を設定する取り組みを開始すると判定す
    るものである請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載
    の債務償還処理方法。
  6. 【請求項6】 前記債務に関するデータには、金利に関
    するデータが含まれており、前記判定ステップでは、実
    際の金利が、当該金利に関するデータと所定の関係にな
    ったときに前記信託を設定する取り組みを開始すると判
    定するものである請求項1乃至4のうちいずれか一項に
    記載の債務償還処理方法。
  7. 【請求項7】 前記債務に関するデータには、株価に関
    するデータが含まれており、前記判定ステップでは、実
    際の株価が、当該株価に関するデータと所定の関係にな
    ったときに前記信託を設定する取り組みを開始すると判
    定するものである請求項1乃至4のうちいずれか一項に
    記載の債務償還処理方法。
  8. 【請求項8】 前記債務に関するデータには、債権者に
    関するデータが含まれており、前記判定ステップでは、
    償還期限よりも前に債務者が拠出する資金に基づいて債
    権者を受益者とする信託を設定するという取り組みを行
    う意思のある者が同一の債権者について一定数以上ある
    場合に、前記信託を設定する取り組みを開始すると判定
    するものである請求項1乃至4のうちいずれか一項に記
    載の債務償還処理方法。
  9. 【請求項9】 前記債務に関するデータには、債務の満
    期までの残存期間に関するデータが含まれており、前記
    判定ステップでは、当該残存期間が一定の条件に合致し
    たときに前記信託を設定する取り組みを開始すると判定
    するものである請求項1乃至4のうちいずれか一項に記
    載の債務償還処理方法。
  10. 【請求項10】 前記債務に関するデータには、当該債
    務者の返済予定金額に関するデータが含まれており、前
    記判定ステップでは、当該債務者の所定期間の返済予定
    金額が一定金額になったときに、前記信託を設定する取
    り組みを開始すると判定するものである請求項1乃至4
    のうちいずれか一項に記載の債務償還処理方法。
  11. 【請求項11】 前記判定ステップは、複数の判定要素
    から、それぞれについての一定の寄与度を考慮して得ら
    れる所定の条件を設定し、当該条件に合致したときに、
    前記信託を設定する取り組みを開始すると判定するもの
    である請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の債務
    償還処理方法。
  12. 【請求項12】 コンピュータを用いて債権者への償還
    期限が予め定められている債務に関するデータを入力す
    るデータ入力ステップと、 前記データ入力ステップにより入力された前記債務に関
    するデータをコンピュータ内の或いはコンピュータと接
    続された記録手段に記録する記録ステップと、 前記償還期限よりも前に当該債務の債務者が拠出する資
    金に基づいて前記債権者を受益者とする信託を設定する
    という取り組みを開始するか否かを、前記記録手段に記
    録された債務に関するデータに基づいて、コンピュータ
    に自動的に判定させる判定ステップと、 前記取り組みを開始することを決定したときは、一又は
    二以上の前記債務に関するデータに基づいて、設定する
    信託の内容をコンピュータに自動設計させる設計ステッ
    プと、 前記設計ステップで設計された信託のキャッシュフロー
    に関する設計データを、信託の受託者のコンピュータに
    送信する送信ステップとを具備し、 前記判定ステップは、一又は二以上の判定要素を用いて
    条件を設定し、二以上の判定要素を用いる場合は、それ
    ぞれについての一定の寄与度を考慮して得られる所定の
    条件を設定し、当該条件に合致したときに前記信託を設
    定する取り組みを開始すると判定することを特徴とする
    債務償還処理方法。
  13. 【請求項13】 債権者への償還期限が予め定められて
    いる債務に関するデータを入力する入力手段と、 前記入力手段により入力された前記債務に関するデータ
    を記録する記録手段と、 前記償還期限よりも前に当該債務の債務者が拠出する資
    金に基づいて前記債権者を受益者とする信託を設定する
    という取り組みを開始するか否かを、前記記録手段に記
    録された債務に関するデータに基づいて、自動的に判定
    する判定手段と、 を少なくとも具備することを特徴とする債務償還処理シ
    ステム。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の発明において、さ
    らに、前記取り組みを開始することを決定したときに、
    一又は二以上の前記債務に関するデータに基づいて設定
    する信託の内容を自動的に設計する自動設計手段を具備
    することを特徴とする債務償還処理システム。
  15. 【請求項15】 前記入力手段は、通信回線を介して送
    られてきたデータを受信してデータを入力する機能を含
    んでいる請求項13又は14に記載の債務償還処理シス
    テム。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の発明において、さら
    に、前記自動設計手段によって設計された信託のキャッ
    シュフローに関するデータを、信託の受託者のコンピュ
    ータに送信する送信手段を具備することを特徴とする債
    務償還処理システム。
  17. 【請求項17】 前記判定手段は、複数の判定要素か
    ら、それぞれについての一定の寄与度を考慮して得られ
    る所定の条件を設定し、当該条件に合致したときに、前
    記信託を設定する取り組みを開始すると判定するもので
    ある請求項13乃至16のうちいずれか一項に記載の債
    務償還処理システム。
  18. 【請求項18】 債権者への償還期限が予め定められて
    いる債務について、前記償還期限よりも前に、当該債務
    の債務者が拠出する資金に基づいて前記債権者を受益者
    とする信託を設定し、前記信託から受益者への資金の引
    渡として前記債権者へ債務を償還することを特徴とする
    債務償還方法。
  19. 【請求項19】 前記信託は、前記債務者から委託を受
    けた代位弁済者が、他益信託として設定するものである
    請求項18に記載の債務償還方法。
  20. 【請求項20】 前記信託の設定は、複数の債務に基づ
    いて行うことを特徴とする請求項18又は19に記載の
    債務償還方法。
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