JP2002356153A - アンチスキッド装置 - Google Patents

アンチスキッド装置

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JP2002356153A
JP2002356153A JP2001162685A JP2001162685A JP2002356153A JP 2002356153 A JP2002356153 A JP 2002356153A JP 2001162685 A JP2001162685 A JP 2001162685A JP 2001162685 A JP2001162685 A JP 2001162685A JP 2002356153 A JP2002356153 A JP 2002356153A
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成幸 松井
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正裕 松浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者意志を反映した減速度を得られるとと
もに、必要以上のブレーキ圧力増圧による車輪速度の急
減を抑制して制動距離を短縮可能なアンチスキッド装置
を提供する。 【解決手段】 運転者のブレーキ操作量に応じてホイル
シリンダ圧力の制御目標値を設定して、制御を行う機能
を備え、目標値と検出されたシリンダ圧力との偏差に応
じてアンチスキッド制御中の再増圧モードにおける増圧
勾配、その持続時間等の増圧時間変化特性を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンチスキッド装
置に関し、特に、運転者のブレーキ操作量に応じてブレ
ーキ圧を制御する機能を有するブレーキ系統におけるア
ンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ操作時のスリップを防止するた
め、各車輪に付与される制動力(ブレーキ液圧)をスリ
ップ量に応じて制御するアンチスキッド制御装置が知ら
れている。こうした装置の一つとして特開平11−12
9884号公報に開示されている技術がある。
【0003】この技術は、スリップ量に応じてホイルシ
リンダのブレーキ液圧を減圧あるいはパルス増圧制御す
るものであって、パルス増圧制御中にさらにブレーキペ
ダルが踏み込まれた場合には増圧デューティ比を増圧時
間割合が大となるよう制御するものである。これによ
り、パルス増圧制御中に運転者がブレーキペダルを踏み
込んだ場合に、制動力を増大させて運転者の期待した車
両減速度を達成することができると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術では増圧制御中にブレーキペダルが踏み込まれた場合
に増圧量を大きくする制御を行うことで減速度を増大さ
せているため、必ずしも運転者の意図に応じた車両減速
度が得られるとは限らない。また、増圧量が大きくなり
すぎて車輪速度が急減すると、再度スリップが発生し
て、この結果、減圧制御と増圧制御とを繰り返し行うこ
ととなり、かえって運転者の意図に反する制御結果をも
たらすおそれがある。
【0005】そこで本発明は、運転者意志を反映した減
速度を得られるとともに、必要以上のブレーキ圧力増圧
による車輪速度の急減を抑制して制動距離を短縮可能な
アンチスキッド装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るアンチスキッド制御装置は、運転者の
ブレーキ操作量を検知するブレーキ操作量検知手段と、
各車輪に対応して設けられ液圧により各車輪に対して独
立して制動力を付与するホイルシリンダと、各車輪の車
輪速度を検出する車輪速センサと、検出されたブレーキ
操作量および車輪速度に応じてホイルシリンダへ供給す
る液圧を制御する制御手段とを備えるアンチスキッド装
置において、各ホイルシリンダのシリンダ圧力を検知す
るホイルシリンダ圧力センサをさらに備え、制御手段
は、アンチスキッド制御の際にホイルシリンダへの供給
圧力を再増圧させる際の制御圧力の時間変化特性を、検
出されたブレーキ操作量に応じて設定される各ホイルシ
リンダの目標シリンダ圧力と検出された実際のシリンダ
圧力との偏差に応じて変化させることを特徴とする。
【0007】本発明によれば、アンチスキッド装置にお
いて、ホイルシリンダ圧力をスリップ量に応じて制御す
る際に、増圧制御時のホイルシリンダ圧の時間変化特性
は運転者のブレーキ操作量から得られる運転者の意図し
ている制動力に対応する目標シリンダ圧力と実際のシリ
ンダ圧力の偏差に応じて調整される。つまり、運転者の
意図している制動力への回復制御を行う際に、目標シリ
ンダ圧と実際のシリンダ圧の偏差を用いて制御を行うこ
とで、過大な増圧を抑制してスリップ発生を抑制し、充
分な制動力を確保して制動距離を短縮することが可能と
なる。
【0008】ここで、制御装置は、偏差が大きいほど再
増圧時の増圧勾配を大きく設定するか、偏差が大きいほ
ど再増圧時の初期増圧勾配持続時間を長く設定するか、
あるいは両方を組み合わせて行うことが好ましい。
【0009】このように制御することで、偏差が大き
く、制動力が目標制動力に至らない場合には、偏差を小
さくするための制動力の回復制御が優先される。一方、
偏差が小さい場合には、過大な増圧を抑制する方向で回
復制御を行う。
【0010】本発明に係るアンチスキッド装置は、液圧
によって制動力を付与するものに限られず、各車輪に対
応して設けられ各車輪に対して独立して制動力を付与す
るブレーキ機構と、検出されたブレーキ操作量および車
輪速度に応じてブレーキ機構を制御する制御手段とを備
えるアンチスキッド装置において、各ブレーキ機構の作
動力を検知するセンサをさらに備え、制御手段は、アン
チスキッド制御の際にブレーキ機構によって制動力を再
増加させる際の制動力の時間変化特性を、検出されたブ
レーキ操作量に応じて設定される各輪ブレーキ機構の目
標作動力と検出された実際の作動力との偏差に応じて変
化させることを特徴とするものであってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理
解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に
対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説
明は省略する。
【0012】図1は本発明に係るアンチスキッド装置の
実施形態を説明するブロック図であり、図2はそのブレ
ーキ系統を説明する概略構成図である。
【0013】図1、図2に示されるように、本発明に係
るアンチスキッド装置は、各車輪15FL〜15RRに設け
られたホイルシリンダ31FL〜31RRへの供給油圧をブ
レーキECU1が制御する構成を採る。各ホイルシリン
ダへ供給する油圧を生成するハイドロブースタ2とブレ
ーキECU1からの指示に基づいて油圧を制御するブレ
ーキアクチュエータ3とを備えている。
【0014】ブレーキECU1にはマスタ圧センサ3
2、33、ホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RR、ア
キュムレータ圧センサ26、27の各油圧センサと各車
輪に設けられている車輪速センサ16FL〜16RRの各出
力値が入力されるとともに、アクチュエータ3内の各ソ
レノイド弁35FL〜35RR、36FL〜36RR、37〜4
0およびポンプ24の動作を制御する機能を有してい
る。
【0015】ハイドロブースタ2は、ブレーキペダル1
1に接続され、ブレーキ踏力に応じた油圧を生成すると
ともに、この油圧を増圧するブースタ機能を併せ持つマ
スタシリンダ21を中心に構成され、作動油であるブレ
ーキフルードを貯留するリザーバ22と、リザーバ22
から供給されるブレーキフルードの油圧を高める電動式
のポンプ24とこのポンプで発生した高圧を蓄えるアキ
ュムレータ23と、ブレーキフルードをポンプ24で生
成された圧力が所定以上の高圧に達したときにブレーキ
フルードをリザーバ22に返送するためのリリーフ弁2
5とを備えている。そしてアキュムレータ23とブレー
キアクチュエータ3との間にアキュムレータ圧センサ2
7、28が配置されている。アキュムレータ圧センサ2
7と28は異なる測定レンジを有している。
【0016】ブレーキアクチュエータ3は、各ホイルシ
リンダ31FL〜31RRへの供給油圧を制御するものであ
って、各ホイルシリンダ31FL〜31RRに対応して増圧
用のリニアソレノイド弁35FL〜35RRと減圧用のリニ
アソレノイド弁36FL〜36 RRとホイルシリンダ圧検出
用のホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RRとを備えて
いる。また、システムフェイル時にマスタシリンダ21
からの増圧油圧を供給するための切替ソレノイド弁37
〜40と、マスタシリンダ圧を検出するマスタ圧センサ
32、33とを備えている。
【0017】増圧用のリニアソレノイド弁35FL〜35
RRと減圧用のリニアソレノイド弁36FL〜36RRはいず
れも対応するソレノイド弁同士が直列に接続され、その
中間から分岐された配管が対応するホイルシリンダ31
FL〜31RRへと接続されている。これらの配管上にはそ
れぞれホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RRが配置さ
れている。これらの増圧用のリニアソレノイド弁35FL
〜35RRと減圧用のリニアソレノイド弁36FL〜36RR
の両端がそれぞれアキュムレータ23とリザーバ22と
の間に並列に接続されている。
【0018】またマスタシリンダ21から延びる2本の
配管にはそれぞれマスタ圧センサ32、33が配置さ
れ、切替ソレノイド弁37、38を介してホイルシリン
ダ31 FR、31RRへと延びる配管に接続されている。さ
らに、前輪のホイルシリンダ31FRと31FLとは切替ソ
レノイド弁39を介して、後輪のホイルシリンダ31RR
と31RLとは切替ソレノイド弁40を介してそれぞれ接
続されている。
【0019】ここで、リニアソレノイド弁35FL〜35
RR、36FL〜36RRはいずれもOFF時に閉止、ON時
にはその制御電流に比例して流量を制御するものであ
り、切替ソレノイド弁37〜40はいずれもOFF時に
は開、ON時には閉止動作を行うものである。
【0020】したがって、システムフェイル時には、リ
ニアソレノイド弁35FL〜35RR、36FL〜36RRはい
ずれも閉止しているが、切替ソレノイド弁37〜40は
いずれも開放しているので、マスタシリンダ2により増
圧された油圧が各ホイルシリンダ31FL〜31RRへと直
接供給されることで、必要な制動力を確保することが可
能な構成となっている。
【0021】通常時においては、ブレーキECU1は、
各ホイルシリンダ31FL〜31RRに付与される油圧
がそれぞれ設定した制御油圧Pcになるようホイルシリ
ンダ圧センサ34FL〜34RRの検出値を参照してリニア
ソレノイド弁35FL〜35RRと36FL〜36RRおよびポ
ンプモータ24の作動を制御する。
【0022】具体的に右前輪15FRの場合を例に説明す
ると、現在のホイルシリンダ圧Pmが制御油圧Pcより
低い場合、すなわち増圧が必要な場合(以下、増圧モー
ドと呼ぶ)には、減圧用のリニアソレノイド弁36FL
閉じ、増圧用のリニアソレノイド弁35FRを開くこと
で、アキュムレータ23側の高圧のブレーキフルードを
ホイルシリンダ31FRへと供給することでその圧力を増
加せしめる。
【0023】また、現在のホイルシリンダ圧Pmが制御
油圧Pcに一致し、保持する必要がある場合(以下、保
持モードと呼ぶ)には、各リニアソレノイド弁35FL
36 FRを閉じることでブレーキフルードがホイルシリン
ダ31FR側から抜けないように保持してその圧力を保持
する。
【0024】そして、現在のホイルシリンダ圧Pmが制
御油圧Pcより高い場合、すなわち減圧が必要な場合
(以下、減圧モードと呼ぶ)には、減圧用のリニアソレ
ノイド弁36FLを開き、増圧用のリニアソレノイド弁3
FRを閉じることで、ホイルシリンダ31側からブレー
キフルードの一部をリザーバ22へと返送することでそ
の圧力を低下せしめる。
【0025】本実施形態では、増圧用、減圧用に切替ソ
レノイド弁ではなく、リニアソレノイド弁を用いること
で増圧モード、減圧モードにおいてホイルシリンダ圧力
を制御油圧Pcに容易かつ確実に一致させることがで
き、制御性が向上する。もちろん、切替ソレノイド弁を
用いてデューティ制御等により制御油圧への制御を行う
ことも可能である。
【0026】次に、本発明に係るアンチスキッド装置の
通常時の動作を図3を参照して説明する。図3は本制御
のフローチャートである。この制御はブレーキECU1
によって行われるものであり、車両の電源がONになっ
てからタイムステップΔtごとに繰り返し実行される。
ここでは車輪ごとに区分して説明しないが、実際の制御
(ステップS4以降)は各輪ごとに実行される。
【0027】まずステップS1では、アキュムレータ圧
センサ27、28、マスタ圧センサ32、33、ホイル
シリンダ圧センサ34FL〜34RR、車輪速センサ16FL
〜16RRのそれぞれの出力値が読み込まれる。
【0028】続くステップS2では、運転者が要求して
いる制動力、すなわち目標減速度を演算する。運転者が
ブレーキペダル11を踏み込むと、マスタシリンダ21
は踏力に応じてこれを増圧した油圧を出力する。通常時
においては、切替ソレノイド弁36、37が閉じられて
いるため、この圧力が直接ホイルシリンダ31FL〜31
RRへと送られることはない。しかし、マスタ圧センサ3
2、33で検出されるマスタシリンダ圧は運転者のブレ
ーキ操作量に応じている。したがって、このマスタシリ
ンダ圧から算出される運転者のブレーキ操作量と車輪速
センサ16FL〜16RRから得られる車速情報を基にして
目標減速度を演算することができる。
【0029】ステップS3ではこうして設定した目標減
速度から各輪の制動力配分を設定してこの制動力が得ら
れる目標ホイルシリンダ圧Ptを設定する。
【0030】ステップS3では、アンチスキッド制御中
(以下、ABS制御中と称する)であるか否かを判定す
る。この判定はABS制御フラグがONになっているか
否かによって行われる。ABS制御中であればステップ
S5へと移行し、ABS制御中でない場合にはステップ
S20へと移行する。
【0031】ステップS20では、ABS開始条件が満
たされているか否かを判定する。このABS開始条件と
は、例えば、車輪減速度が所定値以上でかつスリップ率
が所定値以上の場合である。ABS開始条件が満たされ
ている、すなわち、車輪がロックしつつあると判定した
場合には、ステップS22へと移行してABS制御フラ
グをONにし、再増圧モードフラグをOFFにするとと
もに、現在の時刻tを変数tstart0に格納する。そし
て、車体減速度に応じてABS制御の減圧モードにおけ
る減圧勾配aとその持続時間taを設定する。そして、
ステップS24では、設定した減圧勾配aに基づいてホ
イルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、
前回のタイムステップにおける制御油圧Pcからa×Δ
tだけ減少させた値を新しい制御油圧Pcとして設定す
る。その後、ステップS13へと移行して減圧モード制
御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整
する。
【0032】ステップS20でABS開始条件が満たさ
れていない場合、すなわち、車輪がロックされていない
と判定された場合には、ステップS21へと移行してホ
イルシリンダの制御油圧Pcを目標油圧Ptに設定して
ステップS13へと移行し、ホイルシリンダ圧Pmが目
標油圧Ptになるよう制御する。すなわち、Pm>Pt
ならば減圧モード、Pm<Ptならば増圧モード、Pm
=Ptならば保持モードとして制御が行われる。
【0033】ステップS4でABS制御中であると判定
した場合には、ステップS5へと移行してABS制御の
終了条件が満たされているか否かを判定する。例えば、
運転者のブレーキ装置が解除された場合や車速が所定値
以下である場合には、ABS制御の終了条件を満たして
いると判定する。
【0034】ステップS5でABS制御の終了条件を満
たしていると判定した場合には、ステップS30へと移
行し、ABS制御フラグをOFFにした後、ステップS
31へと移行してホイルシリンダの制御油圧Pcを目標
油圧Ptに設定してからステップS13へと移行し、ホ
イルシリンダ圧Pmが目標油圧Ptになるよう制御す
る。すなわち、Pm>Ptならば減圧モード、Pm<P
tならば増圧モード、Pm=Ptならば保持モードとし
て制御が行われる。
【0035】一方、ステップS5でABS制御終了条件
が満たされていないと判定された場合には、ステップS
6へと移行してステップS22で設定されたtstart0か
らの経過時間がステップS23で設定したta時間未満
であるか否かを判定する。
【0036】経過時間がta時間未満の場合には、ステ
ップS24へと移行して、設定されている減圧勾配aに
基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。
すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧Pc
からa×Δtだけ減少させた値を新しい制御油圧Pcと
して設定する。その後、ステップS13へと移行して減
圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧
Pcに調整する。
【0037】一方、経過時間がta時間以上であった場
合には、ステップS7へと移行して再増圧モード中か否
かを判定する。具体的には、再増圧モードフラグがON
の場合のみに再増圧モード中であると判定する。
【0038】再増圧モード中でないと判定した場合に
は、ステップS8へと移行して再増圧条件が満たされて
いるか否かの判定を行う。この再増圧条件とは、スリッ
プ率が所定値以下の場合であり、ステップS20のAB
S開始条件の所定値より小さい値であってもよい。再増
圧条件が満たされていないとして減圧が十分ではないと
判定された場合には、ステップS40へと移行して、緩
減圧モードにあるとして制御を行う。すなわち、減圧勾
配a’(ここで、a’<a)に基づいてホイルシリンダ
の制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、前回のタイム
ステップにおける制御油圧Pcからa’×Δtだけ減少
させた値を新しい制御油圧Pcとして設定する。その
後、ステップS13へと移行して減圧モード制御を行
い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整する。
【0039】ステップS8で再増圧条件が満たされたと
判定された場合には、ステップS9へと移行して再増圧
モードフラグをONにし、現在の時刻tを変数tstart1
に格納する。次に、ステップS10では、現在の目標ホ
イルシリンダ圧Ptと実際のホイルシリンダ圧Pm(ホ
イルシリンダ圧センサ34FL〜34RRで検出された実際
の圧力)との差をΔPに格納する。ステップS11で
は、求めたΔPに応じて再増圧勾配bおよびその持続時
間tbを設定する。図4は再増圧勾配bの設定例を示す
グラフであり、このグラフでは、差圧ΔPがP1未満の
場合には、再増圧勾配bをb1に、差圧ΔPがP1以上P
2未満の場合には、再増圧勾配bをb1より大きいb
2に、差圧ΔPがP2以上の場合には、b2より大きいb3
にと3段階に設定する例を示している。ここでは、bを
段階的に変化させる例に説明しているが、bをΔPの関
数としてΔPが大きくなるほど大きくなるように制御し
てもよい。また、以下の説明では、持続時間tbは差圧
ΔPに依存しない場合を例に説明するが、再増圧勾配に
代えて持続時間tbを差圧ΔPが大きいほど長くなるよ
う段階的あるいは無段階に変化させてもよく、両者を組
み合わせてもよい。
【0040】続くステップS12では、設定された再増
圧勾配bに基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更
新を行う。すなわち、前回のタイムステップにおける制
御油圧Pcをb×Δtだけ増加させた値を新しい制御油
圧Pcとして設定する。その後、ステップS13へと移
行して増圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを
制御油圧Pcに調整する。
【0041】ステップS7において再増圧モード中であ
ると判定された場合には、ステップS41へと移行して
ABS開始条件が再度満たされていないかを判定する。
この時の判定条件はステップS20の判定条件と同一で
ある。ABS開始条件が再度満たされたと判定された場
合には、ステップS22へと移行してABS制御の減圧
モードへと移行する。これにより、再増圧中に再度車輪
がロックされた場合には、速やかにABS制御の減圧モ
ードに移行することにより、車輪のロックを抑制して、
制動力を確保し、制動距離を短縮することが可能とな
る。
【0042】ABS開始条件が満たされていないと判定
された場合には、ステップS42へと移行してステップ
S9で設定されたtstart1からの経過時間がステップS
23で設定したtb時間未満であるか否かを判定する。
【0043】経過時間がtb時間未満の場合には、ステ
ップS12へと移行して、設定されている再増圧勾配b
に基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行
う。すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧
Pcをb×Δtだけ増加させた値を新しい制御油圧Pc
として設定する。その後、ステップS13へと移行して
増圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油
圧Pcに調整する。
【0044】一方、経過時間がtb時間以上であった場
合には、ステップS43へと移行して緩増圧モードへと
移行する。すなわち、前回のタイムステップにおける制
御油圧Pcをb’×Δtだけ増加させた値(ここで、
b’<bである)を新しい制御油圧Pcとして設定す
る。その後、ステップS13へと移行して増圧モード制
御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整
する。
【0045】図5、図6はそれぞれ本実施形態の制御に
よるホイルシリンダ圧、変化を従来の制御の場合と比較
して示す図であり、図5が再増圧時における差圧ΔPが
大きい場合を、図6が再増圧時における差圧ΔPが小さ
い場合を示している。いずれも実線が本実施形態による
制御、点線が従来の制御の場合の結果を示している。
【0046】図5に示されるように再増圧開始時の差圧
ΔPが大きい場合には、本実施形態では従来に比べて再
増圧時の増圧勾配を急に設定する。この結果、ホイルシ
リンダの目標油圧Ptに速やかに近づけることができる
ため、車輪速度を従来よりも急減させて制動力を確保す
ることが可能となる。再増圧中に再びABS制御の減圧
モードに入ることもあるが、その場合でも車輪がロック
に至らない範囲で運転者の意図している十分に強い制動
力を付与することができるので、制動距離を短くするこ
とが可能となる。
【0047】一方、図6に示されるように再増圧開始時
の差圧ΔPが小さい場合には、本実施形態では従来に比
べて再増圧時の増圧勾配を緩やかに設定する。この結
果、ホイルシリンダの目標油圧Ptに対する差を確保す
ることにより、従来の制御のように再増圧時にABS制
御の減圧モードに再突入することを抑制することが可能
となる。この結果、従来のように過剰にABS制御を行
うことがなく、車輪がロックするのを抑制することが可
能となる。この結果、車輪のロックに至らない範囲で運
転者の意図しているのに近い制動力を車輪に付与するこ
とができるので、制動距離を短くすることが可能とな
る。
【0048】以上の説明においては、油圧アクチュエー
タにより各車輪に付与される制動力を制御する形態につ
いて説明してきたが、各車輪に設けられたブレーキパッ
ドを個別に設けられた電動モータによって押圧すること
で独立して制動を制御する装置に対しても本発明は好適
に適用可能である。その他の各種の電子制御ブレーキに
おいても本発明は好適に適用できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
ンチスキッド制御を行う際に、ホイルシリンダへの供給
圧力を再増圧する際に、目標シリンダ圧力と実際のシリ
ンダ圧力との偏差に応じてその増圧時間変化特性を変化
させることで、車輪のロックを抑制しつつ、それに至ら
ない範囲で十分に強い制動力を付与することができる。
したがって、過剰な増圧を抑制しつつ、制動力を確保し
て制動距離を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンチスキッド装置の実施形態を
説明するブロック図である。
【図2】本発明に係るアンチスキッド装置の実施形態に
おけるブレーキ系統を説明する概略構成図である。
【図3】図1、図2の実施形態におけるアンチスキッド
制御を説明するフローチャートである。
【図4】図3の制御における再増圧勾配bの設定例を示
すグラフである。
【図5】図3の制御によるホイルシリンダ圧力制御の一
例を示す図である。
【図6】図3の制御によるホイルシリンダ圧力制御の別
の例を示す図である。
【符号の説明】
1…ブレーキECU、2…ハイドロブースタ、3…ブレ
ーキアクチュエータ、11…ブレーキペダル、12…ブ
レーキストロークセンサ、15FL〜15RR…車輪、16
FL〜16RR…車輪速センサ、21…マスタシリンダ、2
2…リザーバ、23…アキュムレータ、24…ポンプ、
25…リリーフ弁、26、27…アキュムレータ圧セン
サ、31FL〜31RR…ホイルシリンダ、32、33…マ
スタ圧センサ、34FL〜34RR…ホイルシリンダ圧セン
サ、35FL〜35RR、36FL〜36RR…リニアソレノイ
ド弁、37〜40…切替ソレノイド弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二瓶 寿久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松井 成幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松浦 正裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D046 BB28 CC02 HH02 HH16 JJ02 JJ19 KK11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者のブレーキ操作量を検知するブレ
    ーキ操作量検知手段と、各車輪に対応して設けられ液圧
    により各車輪に対して独立して制動力を付与するホイル
    シリンダと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速センサ
    と、検出されたブレーキ操作量および車輪速度に応じて
    前記ホイルシリンダへ供給する液圧を制御する制御手段
    とを備えるアンチスキッド装置において、 各ホイルシリンダのシリンダ圧力を検知するホイルシリ
    ンダ圧力センサをさらに備え、前記制御手段は、アンチ
    スキッド制御の際に前記ホイルシリンダへの供給圧力を
    再増圧させる際の制御圧力の時間変化特性を、検出され
    たブレーキ操作量に応じて設定される各ホイルシリンダ
    の目標シリンダ圧力と検出された実際のシリンダ圧力と
    の偏差に応じて変化させることを特徴とするアンチスキ
    ッド装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、偏差が大きいほど再増
    圧時の増圧勾配を大きく設定することを特徴とする請求
    項1記載のアンチスキッド装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は、偏差が大きいほど再増
    圧時の初期増圧勾配持続時間を長く設定することを特徴
    とする請求項1または2のいずれかに記載のアンチスキ
    ッド装置。
  4. 【請求項4】 運転者のブレーキ操作量を検知するブレ
    ーキ操作量検知手段と、各車輪に対応して設けられ各車
    輪に対して独立して制動力を付与するブレーキ機構と、
    各車輪の車輪速度を検出する車輪速センサと、検出され
    たブレーキ操作量および車輪速度に応じて前記ブレーキ
    機構を制御する制御手段とを備えるアンチスキッド装置
    において、 各ブレーキ機構の作動力を検知するセンサをさらに備
    え、前記制御手段は、アンチスキッド制御の際に前記ブ
    レーキ機構によって制動力を再増加させる際の制動力の
    時間変化特性を、検出された前記ブレーキ操作量に応じ
    て設定される各輪ブレーキ機構の目標作動力と検出され
    た実際の作動力との偏差に応じて変化させることを特徴
    とするアンチスキッド装置。
  5. 【請求項5】 前記制御装置は、偏差が大きいほど再増
    加時の作動力の増加勾配を大きく設定することを特徴と
    する請求項4記載のアンチスキッド装置。
  6. 【請求項6】 前記制御装置は、偏差が大きいほど再増
    加時の初期増加勾配持続時間を長く設定することを特徴
    とする請求項4または5のいずれかに記載のアンチスキ
    ッド装置。
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KR20160087499A (ko) * 2015-01-14 2016-07-22 주식회사 만도 브레이크 시스템 제어 장치 및 제어 방법

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