JP2002356065A - 染料前駆体複合体の製造方法およびこれを用いた多色感熱記録体 - Google Patents

染料前駆体複合体の製造方法およびこれを用いた多色感熱記録体

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JP2002356065A
JP2002356065A JP2001229732A JP2001229732A JP2002356065A JP 2002356065 A JP2002356065 A JP 2002356065A JP 2001229732 A JP2001229732 A JP 2001229732A JP 2001229732 A JP2001229732 A JP 2001229732A JP 2002356065 A JP2002356065 A JP 2002356065A
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color
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dye
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Takashi Sasaki
隆 佐々木
Kaoru Hamada
薫 濱田
Fumio Nishiyama
二三夫 西山
Daisuke Imai
大介 今井
Yoshihiro Kuroyama
良弘 黒山
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Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録濃度が高くかつ鮮明な色調の記録画像が
得られるとともに、地色および耐擦過性に優れた多色感
熱記録体の提供。 【解決手段】 支持体上に、それぞれ異なる色調に発色
する2種類以上の無色ないし淡色の電子供与性染料前駆
体と電子受容性有機化合物とを含有する感熱発色層を設
けた多色感熱記録体において、該染料前駆体の少なくと
も1種類が染料前駆体と尿素−ホルムアルデヒド樹脂と
の複合体である多色感熱記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料前駆体と尿素
−ホルムアルデヒド樹脂膜とからなる染料前駆体複合体
の製造方法、およびこれを用いた多色感熱記録体に関す
る。
【0002】
【従来技術】感熱記録体は、一般に支持体上に無色ない
し淡色の電気供与性染料前駆体と電子受容性有機化合物
とを主成分とする感熱発色層を設けたものであり、熱ヘ
ッド・熱ペン・レーザー光等で加熱することにより、電
気供与性染料前駆体と電子受容性有機化合物が相溶・反
応し発色記録画像が得られるものである。このような感
熱記録体は一般的に記録装置がコンパクト・安価であ
り、かつ保守も容易であり、騒音の発生が少ないなどの
利点があり、計測用記録器・ファクシミリ・プリンター
・レジスターの出力ラベルなどの広範囲の分野に利用さ
れているが、その用途の拡大に伴い要求される品質も多
様化しており、特に多色記録化に関してはその視覚効果
の面から実用化の要望が高まっている。
【0003】多色感熱記録体は、一般的に支持体上に単
層もしくは複数層の発色層を設け、印加エネルギーの差
により複数の発色色相を持つようにしたものである。こ
れらの方法は通常、同一の感熱発色層中に互いに異なる
色調に発色する2種類以上の染料前駆体を含有する単層
タイプの場合では、低温発色色調に高温発色色調が混ざ
り鮮明な発色色相が得られにくく、また、高温発色層と
低温発色層とを積層した複数層タイプの場合では、多層
化による製造工程の煩雑化が避けられない。
【0004】鮮明な多色発色を得るために、特開昭60
−242093号には、ガラス転移温度の異なる2種類
以上のマイクロカプセルに、それぞれ異なる色調に発色
する発色成分を含有することが記載されている。特開平
9−76634号には、発色性染料を芯物質として含有
するマイクロカプセルと、該マイクロカプセルに含有さ
せた染料とは異なる色調に発色する固体微粒子状態の発
色性染料を含有することが記載されている。特開200
0−177251号には、個体状のロイコ染料を内包し
かつ熱記録時に破壊されやすいマイクロカプセルが記載
されている。また、感熱記録体におけるマイクロカプセ
ルの利用については、特開昭60−244594号に、
塩基性無色染料と有機溶媒とを芯に含有するマイクロカ
プセルの壁が、加熱によって不透過性から染料を透過し
得る透過性になることが記載されている。特開平4−1
01885号には、染料前駆体とマイクロカプセル壁材
とを水に難溶または不溶の有機溶剤に溶解した溶液を親
水性コロイド溶液中に乳化分散した後、系を昇温すると
ともに反応容器内を減圧することにより、有機溶剤を留
去しつつマイクロカプセルの壁を形成する製造方法が記
載されている。
【0005】しかし、前述の特開昭60−242093
号の場合、異なる色調に発色する染料を別々にマイクロ
カプセル化すると、カプセル壁に完全に隔離されている
ためそれぞれ発色感度が低下し、色分離性に劣るという
問題がある。また、特開平4−101885号のような
方法で得られるマイクロカプセルは、圧力によって破壊
されやすい。特開平9−76634号のマイクロカプセ
ルは、染料を溶質とし、有機溶剤を溶媒とする油性溶液
を水性液体中に乳化分散し、油性液滴の周りに高分子物
質からなる壁膜を形成する方法によって調整されること
が記載されているが、有機溶剤を使用したマイクロカプ
セルの場合、有機溶剤を介してロイコ染料と顕色剤との
発色反応が引き起こされ、地色が悪化したり、摩擦等に
よって汚れやすいという問題がある。また、特開200
0−177251号のマイクロカプセルは破壊されやす
いものであるため、地色や耐擦過性に劣ったり、壁膜材
がゼラチンの場合は、耐湿性も悪く十分な品質の多色感
熱記録体を得ることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
発色色調と高温発色色調との混ざりがなく色分離性に優
れるとともに、地色および耐擦過性に優れた多色感熱記
録体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により達成された。すなわち、請求項1に係る発明
は、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と尿素−ホ
ルムアルデヒド樹脂との複合体の製造方法であって、水
溶性高分子物質を用いて該染料前駆体を分散した後に、
該染料前駆体の周囲に尿素−ホルムアルデヒド樹脂膜を
形成することを特徴とする染料前駆体複合体の製造方法
に関する。
【0008】請求項2に係る発明は、支持体上に、それ
ぞれ異なる色調に発色する2種類以上の無色ないし淡色
の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体と反応して発
色させる電子受容性有機化合物とを含有する感熱発色層
を設けた多色感熱記録体において、該染料前駆体の少な
くとも1種類が、請求項1記載の方法で製造される染料
前駆体複合体であることを特徴とする多色感熱記録体に
関する。
【0009】本発明は、電子供与性染料前駆体(以下
「染料前駆体」ということがある)を尿素−ホルムアル
デヒド樹脂との複合体とすることにより、目的を達し得
ることを見出しなされたものである。尿素−ホルムアル
デヒド樹脂は、通常染料前駆体よりもガラス転移点温度
が高いため、尿素−ホルムアルデヒド樹脂膜を染料前駆
体の周囲に形成することにより、発色温度が高温側にシ
フトし、高温発色用の染料前駆体として適した状態にな
り、低温発色色調と高温発色色調との差が鮮明になると
考えられる。また、本発明によれば、染料前駆体を有機
溶剤などに溶解して製造される従来のマイクロカプセル
に比べ、圧力や摩擦によって破壊されることがなく、発
色汚れが効果的に改善されると考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法によって得られ
る染料前駆体複合体は、水溶性高分子物質を用いて染料
前駆体を分散した後、この分散液と尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂膜の形成原料とを混合し、染料前駆体の周囲に
尿素−ホルムアルデヒド樹脂膜を形成することによって
得られる。従って、本発明の染料前駆体複合体は、染料
前駆体の粒子の周囲に直接尿素−ホルムアルデヒド樹脂
膜が形成されており、感圧複写紙の分野で一般的に知ら
れるような、染料前駆体を有機溶剤やオイルなど疎水性
溶媒に溶解あるいは分散し、この染料前駆体を含有する
溶液が芯物質としてカプセル壁膜に内包され保護されて
いるマイクロカプセルとは、染料前駆体の存在状態が異
なるものである。また、本発明の染料前駆体複合体にお
いて、樹脂膜の存在状態は明確には解明されていない
が、おそらく殻のような状態とは異なり、樹脂膜とはい
っても線状高分子がいわゆる綿菓子のような様態で、染
料前駆体を包んでいるのではないかと推察される。そし
て、本発明における発色機構は明らかではないが、加熱
によって染料前駆体複合体の尿素−ホルムアルデヒド樹
脂膜の性質が透過性に変わり、周囲に存在する電子受容
性有機化合物が樹脂膜を通り抜けて染料前駆体に接する
ことにより、染料前駆体と電子受容性有機化合物とが反
応して発色画像が得られると考えられる。
【0011】本発明に用いられる染料前駆体としては、
従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知の無色または
淡色のロイコ染料など全て使用可能であり、特に制限さ
れるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フ
ルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等
が好ましい。以下に代表的な染料前駆体の具体例を示
す。また、これらの染料前駆体は単独または2種以上混
合して使用してもよい。
【0012】<トリフェニルメタン系ロイコ染料> 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド[別名クリスタルバイオレットラ
クトン] 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
[別名マラカイトグリーンラクトン] <フルオラン系ロイコ染料> 3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ミノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノ
フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラ
ン 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン
【0013】3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−
クロロアニリノ)フルオラン 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロ
メチルアニリノ)フルオラン 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−
7−(p−クロロアニリノ)フルオラン 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロ
ロ−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−7−(N
−フェニルメチル−N−メチル)フルオラン 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−ベンゾ[a]
フルオラン 3−N−エチル−N−p−メチルフェニルアミノ−7−
メチルフルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルア
ミノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2,4−ジメチル−6−[(4−ジメチルアミノ)アニ
リノ]−フルオラン
【0014】<フルオレン系ロイコ染料> 3,6,6´−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド] 3,6,6´−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド] <ジビニル系ロイコ染料> 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド 3,3−ビス−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニ
ル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブ
ロモフタリド 3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド <その他> 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−アザフタリド 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)−4−アザフタリド 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド 3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール
−3−イル)フタリド 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3
´−ニトロ)アニリノラクタム 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4
´−ニトロ)アニリノラクタム 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジニトリルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−
β−ナフトイルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジアセチルエタン ビス−[2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−エテニル]−メチルマロン酸ジ
メチルエステル
【0015】本発明に用いられる水溶性高分子物質とし
ては、イオン系高分子、非イオン系高分子、例えばゼラ
チン、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、ポリアルキルベンゼンスルホン酸塩、
ポリオキシエチレン硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテ
ルやその変性体等を挙げることができこれに限定される
ものではないが、特に、アクリル酸、マレイン酸、メタ
クリル酸等を主成分とするポリカルボン酸系高分子物質
を用いることが望ましい。
【0016】これらの水溶性高分子物質を用いて染料前
駆体を分散した分散液は、染料前駆体の粒径が50%容
積平均で0.1μm〜1.0μm、より好ましくは0.
3μm〜0.8μmの範囲となるように微粒化すること
が望ましい。微粒子化は記録濃度および色分離性の向上
に非常に効果的である。
【0017】次いで、上記の染料前駆体分散液に、尿素
ーホルムアルデヒド樹脂膜の形成原料、すなわち尿素お
よびホルムアルデヒド、場合によってはレゾルシノール
等の助剤を加えて加熱することにより、染料前駆体の周
囲に尿素−ホルムアルデヒド樹脂膜が形成される。さら
に尿素とホルムアルデヒドの配合を調節することによ
り、発色温度の細かな調整が可能であり有利である。こ
の性質は特に、単一の感熱発色層で3色以上の色相を発
現させるのに重要となる。尿素とホルムアルデヒドとの
配合モル比は、尿素1に対してホルムアルデヒド0.8
〜2.6が望ましい。この範囲であると、樹脂化が十分
に行われるとともに、残留ホルムアルデヒド濃度による
環境への悪影響の懸念がない。より望ましくは1.1〜
1.9である。さらに、尿素−ホルムアルデヒド樹脂の
量は、目的とする多色感熱記録体が必要とする発色温度
によって適宜決定すればよいが、染料前駆体1gに対し
て尿素0.02〜0.8g、より好ましくは0.05〜
0.4gにすることによって、好ましい発色色相が得ら
れる。
【0018】本発明において、尿素−ホルムアルデヒド
の樹脂化反応中、染料前駆体の分散剤として用いた水溶
性高分子は、同時に乳化剤として働いていると考えられ
る。樹脂化反応の至適pHは2.0〜5.0であり、前
記のポリカルボン酸系水溶性高分子はこの条件下で良好
な保護コロイド能を持つため好ましく用いられる。ポリ
カルボン酸系水溶性高分子は、使用する染料前駆体の性
状によって任意のものを適宜使用すればよく、組成中に
カルボン酸のエステルやスルホン基付加物等を任意の割
合で含有してもよい。本発明においては、染料前駆体の
周りに例えばポリカルボン酸系などアニオン性の水溶性
高分子が存在し、一方、尿素−ホルムアルデヒド樹脂は
カチオン性であるため、これらが互いに引き合って効率
良く染料前駆体複合体が形成されると考えられる。
【0019】本発明の感熱記録体に使用する電子受容性
有機化合物としては、感熱記録分野で公知の有機顕色剤
を使用することができ、例えば、特開平3−20768
8号、特開平5−24366号公報等に記載のビスフェ
ノールA類、4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、4−
ヒドロキシフタル酸ジエステル類、フタル酸モノエステ
ル類、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、4
−ヒドロキシフェニルアリールスルホン類、4−ヒドロ
キシフェニルアリールスルホナート類、1,3−ジ[2
−(ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン
類、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステ
ル、ビスフェノールスルホン類、特開平8−59603
記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、国際公開
WO97/16420記載のジフェニルスルホン架橋型
化合物が例示される。以下に代表的な公知の顕色剤の具
体例を示すが、特にこれらに制限されるものではない。
また、これらの顕色剤は単独または2種類以上混合して
も良い。
【0020】<ビスフェノールA類> 4,4´−イソプロピリデンジフェノール(別名ビスフ
ェノールA) 4,4´−シクロヘキシリデンジフェノール p,p´−(1−メチル−ノルマルヘキシリデン)ジフ
ェノール 1,7−ジ(ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオ
キサヘプタン <4−ヒドロキシ安息香酸エステル類> 4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル 4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル <4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類> 4−ヒドロキシフタル酸ジメチル 4−ヒドロキシフタル酸ジイソプロピル 4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル 4−ヒドロキシフタル酸ジヘキシル <フタル酸モノエステル類> フタル酸モノベンジルエステル フタル酸モノシクロヘキシルエステル フタル酸モノフェニルエステル フタル酸モノメチルフェニルエステル フタル酸モノエチルフェニルエステル フタル酸モノプロピルベンジルエステル フタル酸モノハロゲンベンジルエステル フタル酸モノエトキシベンジルエステル <ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド類> ビス−(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−
メチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−エチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−イソプロピ
ルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジイソプロピルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−シクロヘキシル−5−メ
チルフェニル)スルフィド ビス−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4,5−ジヒドロキシ−2−tert−ブチル
フェニル)スルフィドビス−(4−ヒドロキシ−2,5
−ジフェニルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−tert−オクチル−5
−メチルフェニル)スルフィド
【0021】<4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ン類> 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスル
ホン 4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスル
ホン 4−ヒドロキシ−4′−n−ブチルオキシジフェニルス
ルホン <4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナート類> 4−ヒドロキシフェニルベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−トリルスルホナート 4−ヒドロキシフェニルメチレンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−クロルベンゼンスルホナ
ート 4−ヒドロキシフェニル−p−tert−ブチルベンゼ
ンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−イソプロポキシベンゼン
スルホナート 4−ヒドロキシフェニル−1′−ナフタリンスルホナー
ト 4−ヒドロキシフェニル−2′−ナフタリンスルホナー
ト <1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2−プロ
ピル]ベンゼン類> 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェ
ニル)−2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−
2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)−2−プロピル]ベンゼン <レゾルシノール類> 1,3−ジヒドロキシ−6(α,α−ジメチルベンジ
ル)−ベンゼン <4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル> 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸メチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸tert−ブ
チル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ヘキシル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸オクチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ノニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸シクロヘキシ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−フェネチ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸フェニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸α−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸sec−ブチ
【0022】<ビスフェノールスルホン類(I)> ビス−(3−1−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチル
フェニル)スルホン ビス−(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−クロル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−エチル−4′−ヒドロ
キシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−イソプロピル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロピル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−secブチル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 3−クロル−4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロ
ピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−アミノフェニル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−イソプロピルフェニル−4′
−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル−4′−ヒ
ドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−クロ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−イソ
プロピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−2′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン <ビスフェノールスルホン類(II)> 4,4′−スルホニルジフェノール 2,4′−スルホニルジフェノール 3,3′−ジクロル−4,4′−スルホニルジフェノー
ル 3,3′−ジブロモ−4,4′−スルホニルジフェノー
ル 3,3′,5,5′−テトラブロモ−4,4′−スルホ
ニルジフェノール 3,3′−ジアミノ−4,4′−スルホニルジフェノー
ル <その他> p−tert−ブチルフェノール 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン ノボラック型フェノール樹脂 4−ヒドロキシアセトフェノン p−フェニルフェノール ベンジル−4−ヒドロキシフェニルアセテート p−ベンジルフェノール 4,4’―ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニ
ルアミノ)ジフェニルメタン 4,4’―ビス(フェニルアミノチオカルボニルアミ
ノ)ジフェニルスルフィド
【0023】この他に、特開平10−258577号記
載の高級脂肪酸金属複塩と多価ヒドロキシ芳香族化合物
などの金属キレート型発色成分を、染料前駆体複合体と
は異なる色調に発色する発色成分として使用することも
できる。
【0024】本発明においては、上記課題に対する所望
の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を配合し
て記録感度を調整することができる。かかる増感剤とし
ては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メト
キシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−
ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミ
ド、エチレンビスステアリン酸アミド、べヘン酸アミ
ド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールアマ
イド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル
酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジ
オクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベン
ジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−
ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテ
ル、m−ターフェニル、p−べンジルビフェニル、4−
ビフェニルパラトリルエーテル、ジ(p−メトキシフェ
ノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェ
ノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)
エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタ
ン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,
2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキ
シ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチ
ルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニ
ルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフ
ェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ
(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニル
オキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル
−2−フェニルエタン、1,2−ビス(フェノキシメチ
ル)ベンゼン、p−トルエンスルホンアミド、o−トル
エンスルホンアミド、ジ−p−トリルカーボネート、フ
ェニル−α−ナフチルカーボネート等を例示することが
できるが、特に、これらに制限されるものではない。こ
れらの増感剤は単独または2種類以上混合して使用して
もよい。
【0025】本発明で使用するバインダーとしては、重
合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変
性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアル
コール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラ
ール変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
リルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチ
ラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリア
ミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケ
トン樹脂、クマロン樹脂を例示することができる。これ
らの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、
炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他
の媒体中乳化またはペースト状に分散した状態で使用
し、要求品質に応じて併用することもできる。
【0026】本発明で使用することができる填料として
は、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリ
ン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸
化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルムアル
デヒド樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体や、中空プラスチックピグメン
トなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。
【0027】なお、より鮮明に高温発色の色調を得たい
とき、複数層タイプの場合は、高温発色層中の填料の配
合量を低くするか配合しないことが有効である。これ
は、加色型である場合、高温加熱時に高温発色層にて形
成された発色組成物(染料前駆体と顕色剤との反応生成
物すなわち発色画像)が、高温発色層にとどまらず低温
発色層中の填料に吸収されやすくなり、低温発色組成物
と効率良く混合して、混色である高温発色色調が得られ
るためと考えられる。
【0028】このほかに脂肪酸金属塩などの離型剤、ワ
ックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール
系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分
散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを使用するこ
とができる。
【0029】支持体としては、紙、再生紙、合成紙、プ
ラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織
布、金属箔等が使用可能であり、また、これらを組み合
わせた複合シートを使用してもよい。
【0030】さらに、耐擦過性を高める目的で、高分子
物質等のオーバーコート層を感熱発色層上に設けること
もできる。また、発色感度を高める目的で、有機填料ま
たは無機填料を含有するアンダーコート層を感熱発色層
と支持体の間に設けることもできる。
【0031】本発明の多色感熱記録体に用いられる有機
顕色剤、染料前駆体、染料前駆体複合体の量、およびそ
の他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録
適性に従って決定され、特に限定されるものではない
が、通常、顕色剤1部に対して填料0〜4部、バインダ
ーは全固形分中5〜25%が適当である。染料前駆体
は、複合体中および複合体となっていないものを合わせ
顕色剤1部に対して0.1〜2部含有することが好まし
い。
【0032】本発明において、感熱発色層の塗布量は特
に限定されるものではないが、一般に乾燥重量で1.5
〜12g/m2程度の範囲で調整される。さらに本発明
においては、複数層タイプの場合、高温発色層と低温発
色層との間に中間層を設けることも可能である。かかる
中間層を形成する塗液中には、先に説明したようなバイ
ンダー、填料、増感剤、消泡剤、紫外線吸収剤、蛍光染
料などを適宜配合することが出来る。また、中間層の塗
布量は1〜10g/m2程度の範囲で調整すればよい。
【0033】これらの顕色剤、染料及び必要に応じて添
加する材料はボールミル、アトライター、サンドグライ
ンダーなどの粉砕機或いは適当な乳化装置によって数ミ
クロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及
び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。塗
布法としては、手塗り、サイズプレスコーター法、ロー
ルコーター法、エアナイフコーター法、ブレンドコータ
ー法、フローコーター法、コンマダイレクト法、グラビ
アダイレクト法、グラビアリバース法、リバース・ロー
ルコーター法等が挙げられる。また、噴霧、吹き付け又
は浸漬後、乾燥してもよい。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範
囲はこれらに限定されるものではない。各実施例および
比較例中、部及び%はそれぞれ重量部、重量%を示す。 [実施例1] <染料前駆体複合体の作製>4%ポリアクリル酸水溶液
(分子量約20万)97.3部に3−(N−エチル−N
−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オラン33.7部を混合し、サンドグラインダーにて上
記粒子の50%容積粒径が0.4μmになるまで湿式磨
砕を行い、分散液Aを得た。なお、実施例および比較例
において粒径は、MALVERN社製マスターサイザー
Sを用いて測定した。水55.6部に尿素4.1部、レ
ゾルシノール0.5を溶解したものを上記分散液Aの1
31部に加えて、70℃まで加温した後32%ホルムア
ルデヒド水溶液9部を加え、さらに5時間70℃で保持
した後30℃まで冷却し、30%アンモニア水溶液を
6.7部加えpHを8.0程度に調整し、染料前駆体複
合体Bの23.7%分散液を得た。
【0035】<多色感熱記録体の製造>下記配合の感熱
発色層用の顕色剤分散液(液)及び青色系に発色する
ロイコ染料分散液(液)を、それぞれ別々にサンドグ
ラインダーで平均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式
磨砕を行った。 液(顕色剤分散液) 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 6.0部 10%ポリビニルアルコール 18.8部 水 11.2部 液(青色系ロイコ染料分散液) 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチル アミノフタリド 1.0部 10%ポリビニルアルコール 2.3部 水 1.3部 次いで下記の割合で分散液を混合、撹拌し、感熱発色層塗液を調製した。 液(顕色剤分散液) 48.0部 液(青色系ロイコ染料分散液) 9.2部 染料前駆体複合体B液(23.7%) 12.4部 酸化ケイ素顔料(25%分散液;ミズカシルP−527(水澤化学製)) 40部 10%ポリビニルアルコール 20部 調整した感熱発色層塗布液を50g/m2の基紙の片面
に塗布量が5.0g/m2となるように塗布した後、乾
燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度が
500〜600秒になるように処理することによって多
色色感熱記録体を得た。
【0036】〔実施例2〕実施例1と同様にして多色感
熱記録体を作製した。但し、感熱発色層塗液の調製にあ
たり、青色系ロイコ染料分散液(液)の代わりに、平
均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行った下
記配合の赤色系に発色するロイコ染料分散液(液)
9.2部を添加した。 液(赤色系ロイコ染料分散液) 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 1.0部 10%ポリビニルアルコール 2.3部 水 1.3部
【0037】〔比較例1〕実施例1と同様にして多色感
熱記録体を作製した。但し、感熱発色層塗液の調製にあ
たり、染料前駆体複合体B液の代わりに下記配合で平均
粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行った黒染
料分散液(液)9.2部を添加した。 液(黒色系ロイコ染料分散液) 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7− アニリノフルオラン 1.0部 10%ポリビニルアルコール 2.3部 水 1.3部
【0038】〔比較例2〕 <染料前駆体含有マイクロカプセルの作製>3−(N−
エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン33.7部をジイソプロピルナフタレ
ン47部に加え加熱溶解後、4.3%ポリアクリル酸水
溶液(分子量約20万)50.3部加えて激しく撹拌乳
化し、油滴の平均粒径1.5μmのO/Wタイプエマル
ションCを得た。水56.7部に尿素4.1部、レゾル
シノール0.5部を溶解したものを上記エマルジョンC
の131部に加えて、70℃まで加温した後32%ホル
ムアルデヒド水溶液9部を加え、さらに5時間70℃で
保持した後30℃まで冷却し、30%アンモニウム水溶
液を6.7部加えpHを8.0程度に調整し、尿素−ホ
ルムアルデヒド樹脂カプセルDの44.4%分散液を得
た。 <多色感熱記録体の製造>実施例1と同様にして多色感
熱記録体を作製した。但し、感熱発色層塗液の調製にあ
たり、染料前駆体複合体B液の代わりに尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂カプセルDの44.4%分散液15.4部
を添加した。
【0039】〔比較例3〕 <染料前駆体複合体の作製>水20部に32%ホルムア
ルデヒド9部を加え、さらにメラミン4.6部を添加後
60℃で30分撹拌し、メラミンをメチロール化したも
のを水35.6部で希釈し、30℃まで冷却後、実施例
1と同様にして得た分散液Aの131部に加えて70℃
で5時間撹拌した。その後、60℃まで冷却し、30%
アンモニア水溶液を6.7部加え、pHを8.0程度に
調整し、染料前駆体複合体Dの23.7%分散液を得
た。 <多色感熱記録体の製造>実施例1と同様にして多色感
熱記録体を作製した。但し、感熱発色層塗液の調製にあ
たり、染料前駆体複合体B液の代わりに染料前駆体複合
体Dの23.7%分散液12.4部を添加した。
【0040】[評価方法] ・色分離性 作成した多色感熱記録体について、MARKPOINT社製感熱
プリンター(ROHN社製サーマルヘッド、KM2004−
A3を装着)を用い、印加エネルギー0.076mj/
dot、および0.219mj/dotで印字し、得ら
れた画像および地色をマクベス濃度計(RD−914)
を用いて測定した。なお、測定に際してマクベス濃度計
のフィルターは、青発色画像を評価する場合はレッドフ
ィルター(R)を、黒発色画像及び地肌を評価する場合
はアンバーフィルター(A)を、赤発色画像を評価する
場合はシアンフィルター(C)を使用した。これらの結
果を表1に示す。 ・耐擦過性 実施例および比較例で得られた感熱記録体を爪で引っ掻
いたとき、黒く発色しないものを○、黒く発色するもの
を×とした。これらの結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】[評価結果]本発明の実施例は、低印加エ
ネルギー(0.076mj/dot)および高印加エネ
ルギー(0.219mj/dot)において、十分な記
録濃度と鮮明な色調が得られ、地色および耐擦過性も良
好であった。これに対し、異なる色調に発色する2種類
の染料前駆体を単に混合した比較例1、黒染料をオイル
に溶解後にカプセル化した比較例2、メラミンーホルム
アルデヒド樹脂を用いた比較例3では、印加エネルギー
の違いによって異なる鮮明な発色色調が得られず、また
地色や耐擦過性にも劣るものもあった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、各発色色調において高
い記録濃度を有し、耐擦過性にも優れた多色感熱記録体
が得られる。特に単一層タイプの場合でも、2色以上の
鮮明な記録画像を得ることができ、極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 西山 二三夫 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 今井 大介 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 黒山 良弘 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA11 AA14 BB01 FF01 FF05 FF07 4G005 AA01 BA11 DB06W DB12W DB13W DB14W DC70X DD04W DD05Z DD12W DD59W DE01W DE04W DE05W DE08X EA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体
    と尿素−ホルムアルデヒド樹脂との複合体の製造方法で
    あって、水溶性高分子物質を用いて該染料前駆体を分散
    した後に、染料前駆体の周囲に尿素−ホルムアルデヒド
    樹脂膜を形成することを特徴とする染料前駆体複合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に、それぞれ異なる色調に発色
    する2種類以上の無色ないし淡色の電子供与性染料前駆
    体と、該染料前駆体と反応して発色させる電子受容性有
    機化合物とを含有する感熱発色層を設けた多色感熱記録
    体において、該染料前駆体の少なくとも1種類が、請求
    項1記載の方法で製造される染料前駆体複合体であるこ
    とを特徴とする多色感熱記録体。
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