JP2002355070A - タウ−チューブリンキナーゼをコードするdna及びその利用 - Google Patents

タウ−チューブリンキナーゼをコードするdna及びその利用

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JP2002355070A
JP2002355070A JP2001390048A JP2001390048A JP2002355070A JP 2002355070 A JP2002355070 A JP 2002355070A JP 2001390048 A JP2001390048 A JP 2001390048A JP 2001390048 A JP2001390048 A JP 2001390048A JP 2002355070 A JP2002355070 A JP 2002355070A
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protein
tau
recombinant
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Miho Takahashi
美帆 高橋
Kayoko Tomizawa
香代子 富沢
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 タウ−チューブリンキナーゼをコードする新
規なDNA等を提供する。 【解決手段】ウシ脳由来の特定な塩基配列で表されるD
NA。該DNAを含む組換えベクター又は組換えDN
A、該ベクターにより形質転換された形質転換体、該形
質転換体又は組換えベクター若しくは組換えDNAを用
いた組換え蛋白質の製造方法、該方法により得られる組
換え蛋白質、該DNAがコードするアミノ酸配列を用い
て調製された抗体。タウ−チューブリンキナーゼ活性阻
害物質のスクリーニング方法、該スクリーニング方法に
より得られた物質等を含む脳神経系疾患用薬剤、上記D
NAを含む遺伝子治療用製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タウ−チューブリ
ンキナーゼをコードするDNA及びその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病患者の脳の主要病理所
見の一つとして知られている神経原線維変化(NFT; Neu
rofibrillary tangle)は、線維状物質であるPaired he
licalfilaments(PHF)が蓄積して生じるものであり、
PHFの主要な成分として過リン酸化されたタウ蛋白質
が知られている(J. Biochem., 99, 1807-1810 (1986);
Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 83, 4913-4917 (198
6))。PHF中のタウ蛋白質については既に20数種の
リン酸化部位が決定されており(Morishima-Kawashima
et al., J. Bio. Chem., 270, 823-829 (1995); Hange
r, D. P. et al., J.Neuochem., 71, 2465-2476 (199
8))、そのリン酸化に関わるリン酸化酵素についても、
タウプロテインキナーゼI/グリコーゲンシンターゼキ
ナーゼ−3β(TPKI/GSK-3β)(Ishiguro, K. et al.,
J. Biol. Chem., 267, 10897-10901 (1992))、タウプ
ロテインキナーゼII/サイクリン−依存キナーゼ(TP
KII/cdk5)(Ishiguro, K. et al., Neurosci. Lett.,
202, 81-84 (1995))、及びMAP(Mitogen-activated
protein)キナーゼ(Reynolds, C.H. et al., J. Neur
ochem., 74, 1587-1595 (2000))等の多くの酵素が報告
されてきた。しかし、PHF中のタウ蛋白質の全てのリ
ン酸化部位に関わるリン酸化酵素が明らかにされている
わけではない。
【0003】Arioka, M.らによって報告されているよう
に(J. Neurochem., 60, 461-468 (1993))、あるリン
酸化酵素、例えばTPKII/cdk5によってリン酸
化されたタウ蛋白質は、PHF中のタウ蛋白質の過リン
酸化に主要に関わっていると考えられているTPKI/
GSK−3βによるリン酸化を著しく促進することが知
られている。また、TPKI/GSK−3β等において
は、その酵素自体のある特定の構成アミノ酸がリン酸化
されることによっても活性が調節されることが知られて
いる(van Weeren, P.C. et al., J. Biol. Chem., 27
3, 13150-13156(1998))。このように、タウ蛋白質のリ
ン酸化には非常に多くのリン酸化酵素が複雑に関わって
いることが示唆され、その機構には未だ解明されていな
い部分も多い。
【0004】タウ−チューブリンキナーゼはウシ脳から
精製され、生体内でタウ蛋白質のリン酸化に関与するリ
ン酸化酵素の一つと考えられており、主としてタウ蛋白
質、チューブリン、MAP2、α−カゼイン等を基質と
してこれらの基質中のセリン、スレオニン残基をリン酸
化する。特に配列としてアルギニンの前のセリン、スレ
オニン残基を認識してリン酸化し易いという性質を有し
ており、タウ蛋白質においてSer−208及びSer
−210を含む断片をリン酸化することが明らかにされ
ている(Takahashi, M. et al., FEBS Letters, 372, 5
9-64 (1995))。
【0005】このようなリン酸化酵素の解析は、タウ蛋
白質のリン酸化機構、PHFの形成及び蓄積機構の解明
を通して、アルツハイマー病をはじめとする脳神経系疾
患の解明にも重要な意味を持つと考えられる。しかしタ
ウ−チューブリンキナーゼにおいては、リン酸化部位の
特定やリン酸化機構の解明を含めて、未だその詳細な解
析が十分ではなく、該キナーゼをコードする遺伝子の解
析及びアミノ酸配列の解析が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、タウ−チュ
ーブリンキナーゼをコードするDNAを提供するために
なされたものである。また、本発明は、該DNAを含む
組換えベクター又は組換えDNA、該ベクターにより形
質転換された形質転換体、該形質転換体又は組換えベク
ター若しくは組換えDNAを用いた組換え蛋白質の製造
方法、該方法により得られる組換え蛋白質、該DNAが
コードするアミノ酸配列を用いて調製された抗体等の提
供も目的とする。また更に、タウ−チューブリンキナー
ゼ活性阻害物質のスクリーニング方法、該スクリーニン
グ方法により得られた物質等を含む脳神経系疾患用薬
剤、上記DNAを含む遺伝子治療用製剤等の提供も目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな現状に鑑みて研究を重ねた結果、ウシ脳から精製し
たタウ−チューブリンキナーゼ蛋白質を用いて該キナー
ゼの部分アミノ酸配列を得、その配列が新規であること
を見いだした。また、該部分配列を用いてタウ−チュー
ブリンキナーゼの完全長DNA配列を取得し、塩基配列
を決定した。本発明は、これらの知見に基づいて成し遂
げられたものである。
【0008】すなわち本発明によれば、(1)配列表の
配列番号:1に記載の塩基配列で表されるDNA、
(2)配列表の配列番号:1に記載の塩基配列とストリ
ンジェントな条件でハイブリダイズし、かつタウ−チュ
ーブリンキナーゼ活性を有する蛋白質をコードするDN
A、(3)上記(1)又は(2)に記載のDNAを含む
組換えベクター、(4)上記(3)に記載の組換えベク
ターにより形質転換された形質転換体、(5)少なくと
も、プロモーターと上記(1)又は(2)に記載のDN
Aを有し、該DNAがプロモーターの下流に連結されて
いることを特徴とするDNA、
【0009】(6)上記(3)に記載の組換えベクタ
ー、又は上記(5)に記載のDNAに含まれる鋳型DN
Aを転写及び翻訳させて蛋白質を合成させることを特徴
とする、組換え蛋白質の製造方法、(7)転写及び翻訳
が、無細胞転写翻訳系又は生細胞中で行われることを特
徴とする、上記(6)に記載の方法、(8)生細胞中で
行われる転写及び翻訳が、上記(4)に記載の形質転換
体を用いて行われる、上記(6)に記載の方法、(9)
上記(6)〜(8)のいずれかに記載の方法によって得
られる組換え蛋白質、(10)配列表の配列番号:2に
記載のアミノ酸配列又はその部分配列を有するペプチド
を抗原として調製された抗体、
【0010】(11)タウ−チューブリンキナーゼ活性
阻害物質のスクリーニング方法であって、タウ−チュー
ブリンキナーゼ活性を有する蛋白質、被検物質、及びタ
ウ−チューブリンキナーゼの基質を同時に存在させ、又
は順に作用させて、該基質のリン酸化の程度が低下又は
消失した場合に、該被検物質がタウ−チューブリンキナ
ーゼ活性阻害作用を有すると判定することを特徴とする
方法、(12)上記(1)若しくは(2)に記載のDN
A又は該DNAが転写されたmRNAにハイブリダイズ
するアンチセンスオリゴヌクレオチド、(13)上記
(1)若しくは(2)に記載のDNA又は該DNAの部
分断片を含む遺伝子治療用薬剤、(14)上記(10)
に記載の抗体を有効成分として含む脳神経系疾患用薬
剤、及び、(15)上記(11)に記載の方法によって
選択される物質を製剤化することを特徴とする、脳神経
系疾患用薬剤の製造方法。(16)上記(11)に記載
の方法によって選択される物質を有効成分として含む脳
神経系疾患用薬剤、(17)上記(12)に記載のアン
チセンスオリゴヌクレオチドを有効成分として含む、脳
神経系疾患用薬剤、が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。なお、本明細書において、DNAの単離・調製、ベ
クターの調製等の遺伝子操作、蛋白質の精製等は、特に
明記しない限り、Molecular Cloning, A Laboratory Ma
nual (T. Maniatis et al., Cold Spring Harbor Labo
ratory (1982))、新生化学実験講座(日本生化学会
編;東京化学同人)等の実験書に記載の方法又はそれに
準じて行うことができる。
【0012】1.タウ−チューブリンキナーゼをコード
するDNA 本発明のDNAは、配列番号:1に記載の塩基配列で表
されるものである。また、本発明のDNAは、配列番
号:1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズし、かつタウ−チューブリンキナーゼ活
性を有する蛋白質をコードし得るDNAであればいかな
る塩基配列を有するものであってもよい。本発明のDN
Aによりコードされるタウ−チューブリンキナーゼ活性
を有する蛋白質(以下これを「タウ−チューブリンキナ
ーゼ蛋白質」と称することがある)とは、基質としてタ
ウ蛋白質及びチューブリンを同程度にリン酸化する活性
を有する蛋白質を意味する。この蛋白質は、通常基質と
してチューブリンをリン酸化する活性が1である時に、
タウ蛋白質をリン酸化する活性を1.3〜1.4倍有す
る。
【0013】上記配列番号:1に記載の塩基配列とスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAに
は、配列番号:2のアミノ酸配列において1若しくは数
個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加、若しくは
逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつタウ−チューブ
リンキナーゼ活性を有する蛋白質をコードし得るDNA
も含まれる。またこれらのDNAは、ゲノムDNA、ゲ
ノムDNAライブラリー、cDNA、cDNAライブラ
リー等から調製されたものでも、合成DNAでもよい。
【0014】ここで、ストリンジェントな条件でハイブ
リダイズするDNAとは、配列番号:1で表される塩基
配列と70%以上、好ましくは90%以上、更に好まし
くは95%以上の相同性を有する塩基配列を含むDNA
等が挙げられる。また、ストリンジェントな条件下のハ
イブリダイゼーションとは、通常のハイブリダイゼーシ
ョンの緩衝液中で、温度が40〜70℃、好ましくは6
0〜65℃等で反応を行い、塩濃度が15〜300m
M、好ましくは15〜60mM等の洗浄液中で洗浄を行
う方法に従って行うことができる。塩基配列の置換、欠
失、挿入、付加、逆位等を含むDNAの調製は、それ自
体既知の通常用いられる方法、例えばサイトダイレクテ
ドミュータジェネシスキット(宝酒造製)や、クイック
チェンジサイトダイレクテドミュータジェネシスキット
(STRATAGENE社製)等のキットを用いて容易に行うこと
ができる。
【0015】本発明のDNAは、例えば次のように調製
し、その塩基配列を決定することができる。まず、
(1)動物細胞等からタウ−チューブリンキナーゼ蛋白
質を精製し、(2)得られたタウ−チューブリンキナー
ゼ蛋白質を蛋白質分解酵素により消化して、(3)それ
ぞれの部分断片についてアミノ酸配列の解析を行う。次
に、(4)前記(3)で得られたアミノ酸配列よりこれ
をコードする塩基配列を推定して、推定した塩基配列を
有するプライマー等を作製し、これを用いてcDNAラ
イブラリー等をスクリーニングし、(5)目的とする塩
基配列を有するDNAを取得して、このDNAの塩基配
列を解析する。以下、上記した本発明のDNAの調製方
法について、各工程を更に詳述する。
【0016】(1)タウ−チューブリンキナーゼ蛋白質
の精製 タウ−チューブリンキナーゼ蛋白質の分離精製に用いら
れる試料としては、活性を維持した状態で該蛋白質が得
られるものであれば特に制限はないが、例えば、動物の
脳等から直接分離精製することができる。該蛋白質の分
離精製に用いられる動物としては、体内にタウ−チュー
ブリンキナーゼを発現している動物であればいかなる動
物でも用いることができる。具体的には、例えばウシ、
ラット、マウス等の哺乳動物が挙げられ、中でも安価で
大量に分離精製を行うことができる点から、ウシの脳が
好ましく用いられる。
【0017】ウシの脳からタウ−チューブリンキナーゼ
蛋白質を抽出精製する方法としては、一般的に用いられ
る生物試料からの酵素等の蛋白質の抽出精製法を用いる
ことができる。用いる抽出精製方法は、上記したタウ−
チューブリンキナーゼ活性を十分に維持したまま該蛋白
質を得られる方法であればいかなるものでもよいが、中
でも発明者らによって報告されている、FEBS Letters,
372, 59-64 (1995)に記載の方法を用いるのが好まし
い。
【0018】また、精製工程においては各画分のタウ−
チューブリンキナーゼ活性を測定しながら行うことが好
ましい。タウ−チューブリンキナーゼ活性の測定方法と
しては、タウ−チューブリンキナーゼにより基質である
タウ蛋白質やチューブリン等がリン酸化される程度が測
定できる方法であればいかなるものでも用いることがで
きる。例えば、発明者らによって報告されている、FEBS
Letters, 372, 59-64(1995)に記載の方法に準じて、タ
ウ−チューブリンキナーゼ活性を有する蛋白質を含む溶
液中に最終濃度200μMの[γ−32P]ATP(Amer
sham Pharmacia Biotech社製)、及び基質として0.2
〜0.3mg/mlのタウ蛋白質又はチューブリンを加
え、30℃で反応を行いながら、液体シンチレーション
カウンター等を用いて取り込まれる[γ−32P]量を経
時的に測定することによってリン酸化の程度を算定する
方法等が挙げられる。
【0019】ここで得られるタウ−チューブリンキナー
ゼ蛋白質の精製度は、SDS−ポリアクリルアミド電気
泳動において該蛋白質のバンドが明確に分離できる程度
であればよい。具体的な精製方法としては、例えば、公
知の塩析法、溶媒沈殿法、透析法、限外濾過法、イオン
交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフ
ィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラ
フィー、電気泳動法等を組み合わせて用いることができ
る。特に、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、
電気泳動法等の組み合わせが好ましい。また、電気泳動
に供する画分の濃縮、脱塩においては、タウ−チューブ
リンキナーゼのように生体内での存在量が少ない蛋白質
の場合には、特にY字型ゲル(一ノ瀬ら;平成10年度
日本生化学会)を用いるのが好ましい。
【0020】(2)タウ−チューブリンキナーゼ蛋白質
の蛋白質分解酵素による消化 上記(1)において精製されたタウ−チューブリンキナ
ーゼ蛋白質を用いてアミノ酸配列解析を行うための前処
理として、酵素消化等を行うことができる。酵素消化
は、例えば、細胞工学別冊8:新細胞工学実験プロトコ
ール(豊島久眞男、山本雅;秀潤社;304−309
(1993))に示されているように、In Gel Digesti
on法等により行うこともできるし、直接チューブ等の容
器内で混合することにより行ってもよい。消化に用いら
れる酵素としては、リジルエンドプロテアーゼ、V8プ
ロテアーゼ、エンドプロテアーゼAsp−N、エンドプ
ロテアーゼArg−C、トリプシン、キモトリプシン等
の蛋白質分解酵素が挙げられるが、これらの中で基質特
異性、安定性、界面活性剤存在下での活性等の点から、
リジルエンドペプチダーゼを用いるのが好ましい。
【0021】消化により断片化されて生じたポリペプチ
ドは、そのペプチド鎖数又は疎水性により分離を行うこ
とができる。分離法としては、例えば、逆相高速液体ク
ロマトグラフィー(逆相HPLC)、ゲル濾過クロマトグラ
フィー、イオン交換クロマトグラフィー、薄相クロマト
グラフィー、ペーパークロマトグラフィー、濾紙電気泳
動法、キャピラリー電気泳動法等の一般的にペプチドの
分離に用いられる方法を用いることができるが、中でも
精度や再現性、用いた試料の回収等の点から、逆相HP
LCを用いるのが特に好ましい。
【0022】(3)タウ−チューブリンキナーゼのアミ
ノ酸配列解析 上記(2)において精製分離されたポリペプチドは、例
えばパルスリキッドフェイスアミノ酸シークエンサー
(Applied Biosystems社製)等のアミノ酸配列分析用機
器を用いてそのアミノ酸配列を分析し、更にその結果を
市販の解析ソフト等を用いて解析して、配列を決定する
ことができる。かくして得られるポリペプチドとして、
ウシ脳由来のタウ−チューブリンキナーゼをリジルエン
ドペプチダーゼAP−1で消化することにより得られる
アミノ酸残基数20及び19のポリペプチド(配列番
号:3及び4)が挙げられる。
【0023】(4)タウ−チューブリンキナーゼをコー
ドするDNAの単離 上記(3)で得られたアミノ酸配列から、それをコード
する塩基配列を推定し、推定した塩基配列を有する合成
オリゴヌクレオチドをプライマーとして作製する。得ら
れたプライマーを用いてcDNAライブラリー等を鋳型
にしたPCRを行い、目的のDNA断片を増幅させるこ
とによりタウ−チューブリンキナーゼをコードするDN
Aが取得できる。用いられるプライマーとしては、例え
ば、配列番号:3及び4に記載のアミノ酸配列に基づい
て設計された、配列番号:5及び6に記載のオリゴヌク
レオチド等が挙げられる。また、特に好ましいプライマ
ーとして、後述するマウス脳由来のタウ−チューブリン
キナーゼをコードするDNA(配列番号:1)に基づい
て設計された配列番号:16及び17に記載のオリゴヌ
クレオチドが挙げられる。cDNAライブラリーとして
は、目的の動物細胞等からmRNAを精製して、ポリ−
Tプライマー等を用いてcDNAに転写し、これを適当
なベクターにクローニングして作製したものでも、市販
のcDNAライブラリーでもよい。また、上記動物細胞
等からmRNAを精製して転写したcDNA、及びその
市販品を用いてもよい。プライマーとして用いる合成オ
リゴヌクレオチドは、それ自体公知の通常用いられる方
法によって作製することができる。
【0024】(5)タウ−チューブリンキナーゼをコー
ドするcDNAの塩基配列解析 上記(4)で得られたDNA断片は、これを適当なベク
ターに挿入して組換えベクターを作製し、このベクター
について適当なシークエンス用プライマーと、オートシ
ークエンサー用PCRシークエンスキット、例えばTher
mo Sequenase fluorescent labelled primer cycle seq
uencing kit(Amersham Pharmacia Biotech社製)等を
用いてシークエンスのためのDNA合成反応を行い、こ
れを適当なオートDNAシークエンサー、例えばALF
red DNAシークエンサー(Amersham Pharmacia B
iotech社製)等を用いて解析し、該組換えベクター中に
挿入されたDNAの塩基配列を特定することができる。
【0025】得られた塩基配列が、オープンリーディン
グフレーム(ORF)の全長を含んでいることを市販の塩
基配列解析ソフト等を用いて解析する。塩基配列にOR
Fの全長が含まれていなかった場合は、既知の5’RA
CE又は3’RACE法等を用いて上記cDNAライブ
ラリーからORFの全長を含むcDNAを取得すること
ができる。ここで、3’RACEに用いられるプライマ
ーとして、例えば配列番号:8、9及び10に記載のオ
リゴヌクレオチド、5’RACEに用いられるプライマ
ーとして、例えば配列番号:12、13及び14に記載
のオリゴヌクレオチドが挙げられる。かくして得られる
タウ−チューブリンキナーゼをコードするDNAとし
て、例えば、配列番号:1に記載のマウス脳由来の長さ
963bpのDNAが挙げられる。
【0026】2.転写翻訳に用いる組換えベクター又は
DNA、形質転換体及び組換え蛋白質 本発明のDNAは、これを適当なプロモーターの下流に
連結させたDNAを作製し、それを転写及び翻訳させる
ことにより組換え蛋白質を取得することができる。上記
DNAの転写及び翻訳は、生細胞中又は無細胞転写翻訳
系により行うことができる。具体的には、例えば、転写
及び翻訳を生細胞中で行う場合には、本発明のDNAを
適当な発現ベクター、若しくは適当なベクターに適当な
プロモーターとともに挿入して組換えベクターを作製
し、この組換えベクターを用いて適当な宿主微生物を形
質転換したり、適当な培養細胞に導入することにより形
質転換体を作製する。これらの形質転換体を適当な方法
により培養し、培養物から適当な精製方法を用いて精製
することにより組換え蛋白質を取得することができる。
【0027】(1)組換えベクター及び形質転換体、該
形質転換体による組換え蛋白質の製造 組換えベクターの作製に用いるベクターは、本発明のD
NAが適当な宿主微生物の形質転換体又は培養細胞の形
質転換体により発現されるものであれば特に制限はない
が、通常それぞれの宿主微生物又は培養細胞に適したプ
ロモーターが挿入されている市販の蛋白質発現用ベクタ
ーを用いる。また、プラスミドベクター、ファージベク
ターともに用いることができる。具体的には、宿主微生
物が大腸菌の場合には、例えばpGEX(Amersham Pha
rmacia Biotech社製)、pET3、pET11(STRATA
GENE社製)等が挙げられ、好ましくはpGEXが用いら
れる。酵母の場合ではpESP−Iエクスプレッション
ベクター(STRATAGENE社製)等が、昆虫細胞の場合で
は、例えば、BacPAK6(Clontech社製)等が用い
られる。動物細胞の場合では、ZAP Express
(STRATAGENE社製)、pSVK3(Amersham Pharmacia
Biotech社製)等が挙げられる。これらのベクターへの
本発明のDNAの挿入は、該DNAをベクター中のプロ
モーターの下流に該DNAがコードする蛋白質のアミノ
酸配列がフレームシフトしないで翻訳されるように連結
して行えばよい。
【0028】本発明のDNAを発現させるためのプロモ
ーターとしては、宿主微生物又は培養細胞が保有するプ
ロモーターを挙げることができるが、これに限られるも
のではなく、具体的には宿主微生物が大腸菌の場合はT
3、T7、tac、lacプロモーター等を用いること
ができ、酵母の場合にはnmt1プロモーター、Gal
1プロモーター等が挙げられる。また動物培養細胞の場
合にはSV40プロモーター、CMVプロモーター等が
挙げられる。
【0029】作製された本発明の組換えベクターは、通
常用いられる公知の方法に従って任意の宿主微生物又は
培養細胞等に導入され、形質転換体を作製することがで
きる。形質転換法としては、宿主微生物が大腸菌の場合
には、例えば、エレクトロポレーション法(Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 81, 7161 (1984))及びヒートショ
ック法(J. Mol. Biol., 53, 154 (1970))等が挙げら
れる。酵母の場合には、例えば、エレクトロポレーショ
ン法、酢酸リチウム法、及びスフェロプラスト法等、動
物培養細胞の場合にはエレクトロポレーション法、DE
AEデキストラン法(Science, 215, 166 (1982))、リ
ン酸カルシウム法(Science, 221, 551(1983))、及び
ウィルスベクター法(Cell, 37, 1053 (1984))等が挙
げられる。またファージ粒子を用いる場合には、例え
ば、アデノウィルスやレトロウィルス等を用いたインビ
トロパッケージング法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
72,581 (1975))等が挙げられる。更に、上記した発現
ベクターを用いる方法の他に、プロモーターを連結した
本発明のDNA断片を宿主微生物の染色体中に直接挿入
する相同組換え技術(A.A. Vertes et al., Biosci. Bi
otechnol. Biochem.,57, 2036 (1993))や、あるいはト
ランスポゾンや挿入配列(A.A. Vertes et al., Molecu
lar Microbiol., 11, 739 (1994))を用いて形質転換体
を作製することもできる。
【0030】ベクターを導入する宿主としては、本発明
のDNAがコードする蛋白質が体内で生成されるもので
あれば特に制限されないが、例えば大腸菌、酵母、バキ
ュロウィルス(節足動物多角体ウィルス)−昆虫細胞、
動物培養細胞等が挙げられる。具体的には、大腸菌では
BL21、XL−1Blue、XL−2Blue(STRA
TAGENE社製)等が好ましく、酵母では例えばSP−Q0
1(STRATAGENE社製)等、バキュロウィルスでは例えば
AcNPV(J. Biol. Chem., 263, 7406 (1988))とそ
の宿主であるSf−9(J. Biol. Chem., 263, 7406 (1
988))等が挙げられる。また動物培養細胞としては、マ
ウス繊維芽細胞C127(J. Virol., 26, 291-298 (19
78))やチャイニーズハムスター卵巣細胞CHO(Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 77, 4216 (1980))、アフリカ
ミドリザル腎臓由来COS−7(ATCC CRL 1651)等が
挙げられる。中でも、大腸菌BL21が好ましく用いら
れる。
【0031】得られた本発明の形質転換体は、それぞれ
適した培地により培養される。培地中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物、ビタミン、血
清及び耐性スクリーニングに用いられる薬剤等が含有さ
れる。具体的には、形質転換体の宿主が大腸菌の場合に
は、例えばLB培地(Difco社製)等を用いるのが好ま
しく、酵母の場合にはYPD培地(Genetic Engineerin
g, 1, 117, Plenum Press (1979))等、宿主が昆虫細胞
及び動物細胞の場合は、20%以下の牛胎児血清(FC
S)を含有するMEM培地、DMEM培地、RPMI1
640培地(SIGMA社製)、10%FCSを含有する低
グルコースDMEM培地等を用いることができる。形質
転換体の培養は通常温度20〜45℃、pHは5〜8の
範囲で行われ、必要に応じて通気や攪拌が行われる。こ
れら以外の培地組成あるいは培養条件下でも、本発明の
形質転換体が生育し、挿入されたDNAがコードする蛋
白質が生成されるのであれば、いかなるものでもよい。
【0032】上記のように培養された形質転換体は、培
養後にこれを集め、適当な緩衝液中に懸濁し、超音波、
リゾチーム及び/又は凍結融解等の方法によって菌体あ
るいは細胞を破壊したのち、遠心分離や濾過等の方法を
用いて蛋白質粗抽出液を取得するか、あるいは形質転換
体の培養上清を得て、これらを更に適当な精製方法を組
み合わせて精製することにより、本発明の組換え蛋白質
を取得することができる。このうち、蛋白質発現用ベク
ターに精製用のタグ等がついているもの、例えばpGE
X(Amersham Pharmacia Biotech社製)等を用いた場合
には、アフィニティクロマトグラフィーにより簡便に精
製することができる。
【0033】(2)無細胞転写翻訳系による組換え蛋白
質の製造 本発明の組換え蛋白質は、無細胞転写翻訳系を用いて発
現させて製造することもできる。ここで無細胞転写翻訳
系とは、DNAからmRNAへの転写及びmRNAから
蛋白質への翻訳に必要な全ての要素を含む系であり、そ
こに鋳型となり得るDNAを加えることによりそのDN
Aがコードしている蛋白質が合成され得るあらゆる系を
意味する。具体例としては、真核細胞及びバクテリア細
胞又はそれらの一部からの抽出液に基づいて調製された
転写翻訳系が挙げられる。好ましい転写翻訳系として
は、例えば、ウサギ網状赤血球、小麦胚芽、大腸菌から
の抽出液(大腸菌S30抽出液)に基づいて調製された
転写翻訳系等が挙げられる。無細胞転写翻訳は、TNT
Systems(Promega社製)等の市販のキットを
用いることもできる。転写及び翻訳は、それぞれ順に行
っても、同時に行ってもよく、キットを用いる場合には
各キットに示された方法に従って行えばよい。
【0034】このような無細胞転写翻訳系を用いて組換
え蛋白質を発現させる場合に用いられる組換えDNA
は、鋳型となる本発明のDNAが前記した適当なプロモ
ーターの下流に連結され、その制御下にありさえすれ
ば、いかなるものでもよい。また、本発明のDNAが適
当な無細胞転写翻訳系用のベクター等に組み込まれた環
状DNAでもよいし、直鎖DNAでもよい。本発明に用
いられる無細胞転写翻訳系用のベクターとしては、例え
ば前記したベクターから用いる無細胞転写翻訳系に適し
たものを選択すればよい。またプロモーターとしては、
例えば前記したプロモーターから用いる無細胞転写系に
おいて用いられるRNA合成酵素が認識できるものを選
択すればよい。具体的には、例えば、RNAポリメラー
ゼIを用いる場合には、T3、T7等が好ましい。
【0035】かくして、上記組換えDNA又はベクター
に含まれる鋳型DNAの転写及び翻訳、すなわち蛋白質
合成反応を上記無細胞転写翻訳系で行った後、適当な精
製方法を組み合わせて精製することにより組換え蛋白質
を取得することができる。精製方法としては、前記した
とおり、通常生化学的に用いられる蛋白質の精製方法を
応用することができる。ここで、生細胞(形質転換体)
中、又は無細胞転写翻訳系による組換え蛋白質の発現
は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法等で分
離を行い、クマシーブリリアントブルー(CBB)等で染
色したり、又は抗タウ−チューブリンキナーゼ抗体によ
り検出する等、一般的に用いられる蛋白質検出法を用い
て確認することができる。
【0036】(3)組換え蛋白質 かくして得られる本発明の組換え蛋白質は、前記した本
発明のDNAがコードするものであればいかなるもので
あってもよい。また、例えば配列番号:2に記載のアミ
ノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、
欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からな
るものであっても、該組換え蛋白質が上記したタウ−チ
ューブリンキナーゼ活性を有する蛋白質であれば、いず
れのものでもよい。
【0037】また、一般的に、発現された蛋白質は生体
内に存在する蛋白質分解酵素により切断(プロセッシン
グ)が起こることが知られている。当然のことながら本
発明の蛋白質も、タウ−チューブリンキナーゼ活性を有
するものであれば、切断されたアミノ酸配列の部分断片
であっても本発明の範囲に含まれる。更に、得られる組
換え蛋白質が遊離体の場合には、公知の方法あるいはそ
れに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に
塩の場合には、遊離体又は他の塩に変換することができ
る。このような塩も本発明の組換え蛋白質に含まれる。
また、該蛋白質に、精製前又は後に適当な蛋白質修飾酵
素を作用させることによって任意に修飾を加えたり、ポ
リペプチド鎖を部分的に除去する等の操作を行って、修
飾蛋白質とすることができる。これらの修飾蛋白質も、
タウ−チューブリンキナーゼ活性を有するものであれば
本発明の範囲に含まれる。
【0038】3.抗タウ−チューブリンキナーゼ抗体 本発明の抗タウ−チューブリンキナーゼ抗体は、配列番
号:2に記載のアミノ酸配列又はその部分配列を有する
ペプチドを抗原として調製することができる。抗体の調
製方法としては通常用いられる公知の方法を用いること
ができ、抗原として用いられる部分配列についても、公
知の方法に従って抗原性が高くエピトープ(抗原決定
基)として適した配列を選択して用いればよい。
【0039】エピトープを選択する方法としては、例え
ば「Epitope Adviser(富士通九州システムエンジニア
リング社製)」等の市販の解析ソフトを用いて目的のア
ミノ酸配列を解析し、立体構造上外面に露出していてエ
ピトープとなり易い形状を形成している配列を推定して
選択する方法等が好ましく用いられる。また、例えばあ
る特定の動物種に特異的に結合する抗体を作製する場合
には、他の動物のタウ−チューブリンキナーゼ蛋白質の
アミノ酸配列とホモロジーの低い部分を選択して用いれ
ばよい。
【0040】本発明の抗体を調製するための抗原として
用いられる部分配列としては、配列番号:2に記載のア
ミノ酸配列に含まれる部分配列であれば任意に選択する
ことができる。例えば、配列番号:18に記載の配列、
配列番号:2に記載のアミノ酸配列に含まれる部分配列
Met1−Arg25、Asp37−Asn46、Se
r107−Ser115、Gly122−Ser13
1、Lys298−Ala320等が挙げられる。この
中でも、「Epitope Adviser」を用いて解析した結果高
い総合値を示した配列として、配列番号:18に記載の
配列及びLys298−Ala320が好ましく、配列
番号:18に記載の配列が特に好ましい。抗原として用
いるペプチドは、天然物から抽出精製したものでも合成
ペプチドでもよい。ペプチドの合成方法は、それ自体既
知の通常用いられる方法を用いることができる。
【0041】調製されたペプチドは公知の方法に従って
適当な溶液等に調製して、哺乳動物、例えばウサギやマ
ウス等に免疫を行えばよいが、安定的な免疫を行ったり
抗体価を高めるために抗原ペプチドの他にアジュバント
等を加えて免疫を行うのが好ましい。免疫後、適宜試験
的に採血を行ってウエスタンブロッティング等の方法で
抗体価の上昇を確認し、十分に抗体価の上昇した動物か
ら採血を行う。これに抗体の調製に用いられる適当な処
理を行えばポリクローナル抗体を得ることができる。ま
た、必要に応じて、公知の方法に従い血清から抗体成分
を精製した精製抗体を取得することもできる。また、該
動物の脾臓細胞とミエローマ細胞とを用いて公知の方法
に従って融合させ、適宜ウエスタンブロッティング等の
方法で抗体価を確認して抗体産生能の高いハイブリドー
マを選択し、これを培養することにより、モノクローナ
ル抗体を得ることも可能である。
【0042】本発明の抗体は、ウエスタンブロッティン
グや組織免疫染色等に用いることができる。また、タウ
−チューブリンキナーゼに結合する性質を有することか
ら、タウ−チューブリンキナーゼ活性を阻害してタウ蛋
白質のリン酸化を阻害し、その結果PHF形成を阻害す
ると考えられる。従って、本発明の抗体はアルツハイマ
ー病等の脳神経系疾患用薬剤の有効成分ともなり得る可
能性がある。
【0043】4.タウ−チューブリンキナーゼ活性阻害
物質のスクリーニング タウ−チューブリンキナーゼ活性を有する蛋白質により
基質となる蛋白質がリン酸化されることを利用して、例
えば、タウ−チューブリンキナーゼによる基質となる蛋
白質のリン酸化を阻害又は抑制する物質のスクリーニン
グを行うことが可能である。このようなスクリーニング
は、少なくとも、(1)タウ−チューブリンキナーゼ活
性を有する蛋白質、(2)被検物質、及び(3)タウ−
チューブリンキナーゼの基質、の存在下で行うことがで
きる。これらは同時に混合してもよいし、それぞれ順に
作用させてもよく、またその順番は不同であってもよ
い。
【0044】タウ−チューブリンキナーゼ活性を有する
蛋白質としては、天然から抽出精製したものでも、本発
明の組換え蛋白質等を用いてもよい。いずれの場合もタ
ウ−チューブリンキナーゼ蛋白質の精製度は、溶液中に
他の酵素等の蛋白質の混在が少なく、かつ高いタウ−チ
ューブリンキナーゼ蛋白質濃度を有することが好ましい
が、該溶液がスクリーニングを行うのに十分なタウ−チ
ューブリンキナーゼ活性を有してさえいれば、特に制限
はない。タウ−チューブリンキナーゼの基質としては、
タウ−チューブリンキナーゼによるリン酸化を受けるも
のであればいずれのものでもよいが、例えばタウ蛋白質
やチューブリン等を用いることができる。またこれらの
基質となる蛋白質は、天然物でも合成ペプチドでもよ
い。
【0045】スクリーニングの方法としては、例えば、
溶液中にタウ−チューブリンキナーゼ活性を有する蛋白
質、被検物質、及びタウ−チューブリンキナーゼの基質
を存在させて、前記した方法で該基質のリン酸化の程度
を測定することにより行うことができる。ここで上記被
検物質の存在によって該基質のリン酸化の程度が低下又
は消失した場合に、該被検物質はタウ−チューブリンキ
ナーゼ活性阻害作用を有すると判定する。
【0046】5.脳神経系疾患用薬剤及び遺伝子治療用
製剤 本発明のスクリーニング方法によりタウ−チューブリン
キナーゼ活性に対して阻害作用を有すると判定された物
質は、アルツハイマー病等の脳神経系疾患用薬剤の有効
成分として有用である。このような物質とは、合成物、
天然物、低分子化合物、蛋白質、糖質等のいかなるもの
でもよく、生理学的に許容されるそれらの塩、水和物並
びに溶媒和物等であってもよい。生理学的に許容される
それらの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸
類の塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩等の有機酸の塩、グリシン等のアミノ酸の塩等を
挙げることができる。
【0047】本発明のDNA又は該DNAが転写された
mRNAにハイブリダイズするアンチセンスオリゴヌク
レオチドは、細胞等に移入することにより翻訳抑制作用
を示し、タウ−チューブリンキナーゼ蛋白質の産生を抑
制するため、アルツハイマー病等の脳神経系疾患用薬剤
の有効成分として有用である。このようなアンチセンス
オリゴヌクレオチドとしては、適当なベクターとRNA
ポリメラーゼ等を用いて作製したものでもよいし、合成
オリゴヌクレオチド等を用いることもでき、RNA、D
NA、又はそれらを修飾したものなど、細胞のmRNA
の相補的領域に結合して翻訳を阻害するものであればい
かなるものでもよい。
【0048】本発明の抗体、本発明のスクリーニング方
法により得られたタウ−チューブリンキナーゼ活性阻害
作用を有する物質、並びにアンチセンスオリゴヌクレオ
チドは、いずれもアルツハイマー病等の脳神経系疾患用
薬剤の有効成分として有用である。これらは、それ自体
単独で脳神経系疾患等の患者に投与することもできる
が、これらの有効成分の1種又は2種以上を含むことも
でき、また、薬理学的に許容される製剤用添加物等を用
いて医薬品組成物として調製し、これを投与するのが好
ましい。このような医薬品組成物としては、錠剤、カプ
セル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、丸剤、リポソーム製
剤、トローチ、舌下剤、液剤、乳剤、懸濁剤等の経口投
与剤の他、注射剤、座剤、軟膏、貼付剤などの非経口投
与用の製剤も挙げることができる。
【0049】いずれも通常当業界で繁用される方法を用
いて調製することができるが、例えば、経口投与用の錠
剤又はカプセル剤は、通常は単位投与物として提供さ
れ、結合剤、充填剤、希釈剤、打錠剤、滑沢剤、崩壊
剤、着色剤、香味剤及び湿潤剤のような通常の製剤用担
体を添加して製造することができる。錠剤は、この当業
界で周知の方法に従って、例えば、腸溶性コーティング
剤等を用いてコーティングすることができ、例えばセル
ロース、マンニトール、又はラクトース等の充填剤;澱
粉、ポリビニルポリピロリドン、澱粉誘導体、又はナト
リウム澱粉グリコラート等の崩壊剤;ステアリン酸マグ
ネシウム等の滑沢剤;ラウリル硫酸ナトリウム等の湿潤
剤を用いて製造してもよい。
【0050】経口投与用の液剤は、例えば水性又は油性
懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ剤又はエリキシ
ル剤等の他、使用前に水又は適当な媒体により再溶解さ
れうる乾燥製剤として提供される。このような液剤に
は、通常の添加剤、例えばソルビトール、シロップ、メ
チルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミ
ニウムゲル又は水素化食用脂肪のような沈殿防止剤、レ
シチン、ソルビタンモノオレート、アラビアゴムのよう
な乳化剤、アーモンド油、精製ココナッツ油、油状エス
テル(例えばグリセリンのエステル)、プロピレングリ
コール、エチルアルコールのような(食用油も包含しう
る)非水性媒体、p−ヒドロキシ安息香酸のメチルエス
テル、エチルエステル、若しくはプロピルエステル、又
はソルビン酸のような保存剤及び必要に応じて通常の香
味剤又は着色剤を配合することができる。
【0051】経口投与用の製剤は、混合、充填、又は打
錠などの当業界で周知の方法により製造することができ
る。また、反復配合操作を用いて多量の充填剤等を使用
した製剤中に有効成分を分布させてもよい。非経口投与
用の製剤は、一般には有効成分である化合物と滅菌媒体
とを含有する液体担体投与用製剤として提供される。非
経口投与用の溶剤は、通常、化合物を媒体に溶解させて
滅菌濾過し、次に適当なバイアル又はアンプルに充填し
て密封することにより製造される。安定性を高めるため
に組成物を凍結させた後にバイアル中に充填し、水を真
空下で除去してもよい。非経口懸濁液は実質的に非経口
溶液の場合と同じ方法で製造されるが、有効成分を媒体
に懸濁させてエチレンオキシド等により滅菌することに
より好適に製造できる。また、有効成分が均一分布とな
るように必要に応じて界面活性剤、湿潤剤等を添加して
もよい。
【0052】有効成分である物質の投与量は、物質の活
性の強度、治療や予防の目的、患者の症状、体重、年齢
や性別等を考慮して適宜決定すればよい。また、1日あ
たり1〜数回に分けて投与するのが望ましい。
【0053】本発明のDNA又は該DNAの部分断片
は、遺伝子治療用薬剤として用いることもできる。この
場合、本発明のDNA又はその部分断片を単独で投与し
てもよいし、レトロウィルスベクター、アデノウィルス
ベクター、アデノウィルスアソシエイテッドウィルスベ
クター等の適当なベクターに挿入してこれを投与しても
よい。製剤の形態としては、DNAについてはそのまま
で、又は、吸収促進のための補助剤等の薬理学上繁用さ
れる担体とともに製剤化して、遺伝子銃やハイドロゲル
カテーテル等を用いて投与することができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれの実施例より何ら限定されるものではない。
なお、下記の実施例において用いた略語の正式名称は、
以下の通りである。 TTK : Tau-tubulin kinase MAP(s) : Microtuble associated protein(s) PCR : Polymerase Chain Reaction PBS : Phosphate Buffered Saline HPLC : High-Performance Liquid Chromatography SDS : Sodium Dodecyl Sulfate GST : Glutathion-S-transferase
【0055】実施例1 TTKをコードするDNAの塩
基配列解析 (1)ウシ脳からのTTK蛋白質の精製及び濃縮 TTK蛋白質は、ウシ脳のMAPsの調製方法を改良し
て本発明者らが開発した、FEBS Letters, 372, 59-64
(1995)に記載の方法に従って精製した。すなわち、三菱
化学社中標津(なかしべつ)血清センターより提供され
たウシ脳を適量のバッファーA(100mM MES-NaOH, pH6.
5, 0.5mM Mg-acetate, 1mM EGTA)でホモジナイズし、I
shiguro, K. et al., J. Biol. Chem., 267, 10897-109
01 (1992)に記載の方法に従ってMAPs画分を調製し
て、その上清をTTKの調製に供した。MAPs画分と
は、タウ蛋白質やタウ−プロテインキナーゼI(TPKI)
等の、微小管結合蛋白質(MAPs)やそれに関わる種々の
酵素が含まれることが明らかになっている画分である。
【0056】得られたMAPs画分の上清を、PCバッ
ファー(20mM MES-NaOH, pH6.8, 5mM Mg-acetate, 1mM
EGTA)で平衡化したホスホセルロースゲル(P11; Whatm
an社製)と混合し、得られたゲルを0.1M NaCl
を含むPCバッファーで洗浄してカラム(3.6 × 30c
m)に充填して、0.1−1.0M NaClでリニア
グラディエントを作製したPCバッファー1000ml
でカラムクロマトグラフィーを行った。各画分について
TTK活性測定を行い、TTKが多く含まれる画分を分
取した。すなわち、最終濃度200μMの[γ−32P]
ATP(AmershamPharmacia Biotech社製)、及び、基
質として0.2〜0.3mg/mlのタウ蛋白質及びチ
ューブリンを加え、30℃で反応を行いながら液体シン
チレーションカウンターを用いて取り込まれる[γ−32
P]量を経時的に測定し、リン酸化の程度を算定した。
その結果、タウ蛋白質及びチューブリンをリン酸化する
TTK活性は0.3−0.5M NaClの画分に高い
ことが確認された。
【0057】この画分を更に分画するために、S-Sephar
ose(Pharmacia LKB BiotechnologyAB社製)を充填した
カラム(1.7 × 9.0cm)を用いたクロマトグラフィーを
行った。まずPCバッファーでS-Sepharoseを平衡化及
び洗浄(100ml)し、更に別のバッファー(20mM HEPES-
NaOH, pH8.2, 5mM Mg-acetate, 1mM EGTA, 0.05M NaCl;
100ml)で洗浄してから、0.05−0.3M NaC
lのリニアグラディエントを作製した同バッファー20
0mlで分画を行った。前述の方法と同様にTTK活性
測定を行ったところ、0.25M NaClの画分にT
TK活性を有する蛋白質が得られたことが確認された。
この画分をYM-10 Diaflo membrane(Amicon社製)によ
り濃縮して、G3000SWカラム(7.5 × 600mm; To
soh社製)を接続したHPLCを用いて分離を行った。
平衡化は0.3M NaClを加えたバッファーB(10
0mM MES-NaOH, pH6.5, 5mM Mg-acetate, 1mM EGTA)に
より行い、2mlずつ分画した。最も高いTTK活性を
有する画分は分子量約32KDa付近の78番目の画分
(Fr.78)に得られた。
【0058】上記で得られた画分のうち、TTK活性を
有していたFr.77−79を回収して、AF-heparin T
oyopeal 650 column(0.7 × 1.5cm; Tosoh社製)にて
更に分画した。カラムはリン酸ナトリウムバッファー
(20mM Sodium phosphate, pH7.6, 5mM Mg-acetate, 1m
M EGTA)を用いて充填し、0.03Mから0.5Mまで
の段階的なNaClグラディエントを作製してカラムク
ロマトグラフィーを行った。最初の9ステップ(0.03M,
0.07M, 0.11M, 0.15M, 0.19M, 0.23M, 0.27M, 0.31M,
0.35M NaCl)は各濃度2mlずつ、最後の3ステップ
(0.4M, 0.45M, 0.5M NaCl)は1mlずつ送液すること
とし、分画された画分の回収は1mlずつ行った。得ら
れた各画分のTTK活性を測定した結果、TTK活性を
有する蛋白質は、0.5M NaClを含むバッファー
により流出したFr.17〜19に単一のピークとして
得られたことが解った。
【0059】このようにして得られた画分を、ロート型
ゲル法(W. Staudenmann et al., Sample handling for
proteome analysis. Electrophoresis, 19, 901-908)
を改良したY字型ゲル(一ノ瀬ら;平成10年度日本生
化学会)を用いた電気泳動に供し、更に分離及び濃縮を
行った。すなわち、Y字型ゲルを用いたSDS−5%ア
クリルアミドゲル電気泳動(18mA, 6.5hrs)を行って濃
縮し、泳動後のゲルをクマシーブリリアントブルー(CB
B)染色して確認された28〜40KDa付近の蛋白質
のバンドを切り出した。次に切り出したゲルを脱染液
(20% MeOH, 7% Acetate)に浸して脱染した後、バッフ
ァー(125mM Tris-HCl, pH6.8, 0.1% SDS,1.5mM DTT,
0.5% 2-Mercaptoethanol, 1mM EDTA, 10% Sucrose)中
で細断した。細断したゲルは、そのまま試料として通常
の平板ゲルを用いたSDS−9%アクリルアミドゲル電
気泳動(10mA, 3hrs)に供し、泳動後のゲルをCBB染
色した。その結果、32KDa付近の蛋白質がシングル
バンドとして確認された。
【0060】(2)TTK蛋白質の蛋白質分解酵素によ
る消化 上記(1)で確認された目的のバンドを含むゲルを切り
出してバッファー(100mM Tris-HCl, pH9.0)中で細断
し、リジルエンドペプチダーゼAP−1(WAKO社製)を
0.3μg加えて、37℃で終夜、消化を行った。消化
により得られたペプチドを含む試料溶液は、遠心分離
(15000rpm, 5min)によりゲルを除去してHPLCにイ
ンジェクションし、分離精製を行った。HPLCの固相
としては逆相カラム(C8 column; 2.1 × 150mm; Inert
sil; GL Sciences Inc., Tokyo社製)を用い、これに移
動相として0−70%アセトニトリルのリニアグラディ
エントを作製した0.1%トリフロロ酢酸10mlを送
液し、カラムクロマトグラフィーを行って、溶出した試
料をピークごとに全て分取した。また、試料とは別にコ
ントロールとして、蛋白質を含まないSDS−9%アク
リルアミドゲルを細断して同様に調製したものを用いて
HPLCによるクロマトグラフィーを行い、ゲルやリジ
ルエンドペプチダーゼ等の目的の蛋白質以外のものに由
来するパターンを測定した。
【0061】(3)TTKペプチドのアミノ酸配列解析 上記(2)で得られた各フラクションを、アミノ酸配列
解析装置パルスリキッドフェイスアミノ酸シークエンサ
ー(ABI 492 cLC protein sequencer; AppliedBiosyste
ms社製)を用いて分析及び解析した。この際、まず上記
(2)で試料及びコントロールを測定して得られた結果
を比較することによって、試料由来のペプチドが含まれ
るフラクションを推定し、これを選択して分析及び解析
を行った。その結果、配列B−1(配列番号:3)及び
B−4(配列番号:4)を得た。
【0062】(4)PCR法を用いたTTK遺伝子配列
の解析 上記(3)で得られたペプチドB−1とB−4のアミノ
酸配列に基づき、29残基の混合プライマー(配列番
号:5及び6)を作製し、マウス脳より精製したmRN
Aを鋳型として作製したcDNAを鋳型にしたPCRを
行い、約400塩基の増幅DNA断片を得た。酵素とし
てはAmpli Taq DNA polymerase(PERKIN ELMER社製)、
サーモサイクラーとしてはGene Amp PCR Systems 9600
(PERKIN ELMER社製)を用いた。増幅DNA断片は、PC
R-Script Amp Cloning Kit(STRATAGENE社製)を用い
て、pPCR-Script Amp SK(+)プラスミドベクター(STRAT
AGENE社製)に挿入され、大腸菌DH5−α株(TOYOBO
社製)にヒートショック法を用いて形質転換して、得ら
れた形質転換体よりキアゲンミニプレップキット(QIAG
EN社製)を用いて環状プラスミドDNAを精製した。操
作は全て各キットに収載の方法に従った。このプラスミ
ドに挿入されたDNA断片の塩基配列を、蛍光ラベルM-
13forward primer及びreverse primer(Amersham Pharm
acia Biotech社製)と、Thermo Sequenase fluorescent
labelled primer cycle sequencing kit(Amersham Ph
armacia Biotech社製)を用いて反応させ、ALFre
d DNAシークエンサー(Amersham Pharmacia Biote
ch社製)を用いて解析した。その結果、配列番号:7に
記載の419塩基のDNA配列が得られた。
【0063】次に、得られた配列番号:7に記載の41
9塩基のDNA配列に基づいて新たに3つのセンスプラ
イマー(プライマー1〜3)を作製し、Marathon-Ready
cDNA: Mouse brain(CLONTECH社製)を用いて、該キッ
ト中のcDNAを鋳型として3’RACE法を実行し
た。まず上記cDNAを鋳型にして、プライマー1(配
列番号:8)のみを用いたPCRを行った。得られたP
CR産物に対して更に、プライマー2(配列番号:9)
とキットに添付されたアダプタープライマーAP−1を
用いたPCRを行った。増幅されたDNA断片をアガロ
ースゲル電気泳動で確認後、これを鋳型として、更にプ
ライマー3(配列番号:10)とキットに添付されたア
ダプタープライマーAP−2を用いたPCRを行い、約
1200塩基のDNA断片を得た。これらの操作は全て
キットに収載の方法に従った。増幅されたDNA断片
は、pGEM−T easyプラスミドベクター(Prom
ega社製)に挿入後、これを大腸菌DH5−α株(TOYOB
O社製)に形質転換して、キアゲンミニプレップキット
(QIAGEN社製)を用いて環状プラスミドDNAを精製し
た。得られたプラスミドDNAを用いて前記の方法と同
様に塩基配列解析を行ったところ、配列番号:11に記
載のDNA配列を得た。このDNA配列は先に得られた
配列番号:7に記載の419塩基の配列と345塩基が
完全に一致し、かつ、終始コドンTGAを含んでいるこ
とが解った。
【0064】前記の方法と同様に、この配列番号:11
に記載のDNA配列に基づいて新たに3つのアンチセン
スプライマー(プライマー4〜6)を作製し、Marathon
-Ready cDNA: Mouse brain(CLONTECH社製)を用いて、
該キット中のcDNAを鋳型として5’RACE法を実
行した。まず上記cDNAを鋳型にして、プライマー6
(配列番号:12)のみを用いたPCRを行った。得ら
れたPCR産物に対して更に、プライマー5(配列番
号:13)とキットに添付されたアダプタープライマー
AP−1を用いたPCRを行った。増幅されたDNA断
片をアガロースゲル電気泳動で確認後、これを鋳型とし
て再度プライマー4(配列番号:14)とキットに添付
されたアダプタープライマーAP−2を用いたPCRを
行い、約850塩基のDNA断片を得た。これらの操作
は全てキットに収載の方法に従った。増幅されたDNA
断片はpGEM−T easyプラスミドベクター(Pr
omega社製)に挿入後、これを大腸菌DH5−α株(TOY
OBO社製)に形質転換し、キアゲンミニプレップキット
(QIAGEN社製)を用いて環状プラスミドDNAを精製し
た。得られたプラスミドDNAを用いて前記の方法と同
様に塩基配列解析を行い、配列番号:15に記載のDN
A配列を得た。このDNA配列は、先に得られた配列番
号:7に記載の419塩基の配列を含み、かつ、開始コ
ドンATGを含んでいることが解った。
【0065】次に、ORFの全長を含DNA断片を得る
ために、配列番号:7、11、及び15に記載のDNA
配列を解析ソフトGENETYX(ソフトウェア開発株
式会社製)を用いて連結し、得られた配列に含まれる
5’末端の配列に基づいて新たにプライマー7(配列番
号:16)を、3’末端の配列に基づいてプライマー8
(配列番号:17)を作製して、Marathon-Ready cDNA:
Mouse brain(CLONTECH社製)を用いて、該キット中の
cDNAを鋳型にしたPCRを行いDNA断片を得た。
増幅されたDNA断片はpGEM−T easyプラス
ミドベクター(Promega社製)に挿入後、これを大腸菌
DH5−α株(TOYOBO社製)に形質転換し、キアゲンミ
ニプレップキット(QIAGEN社製)を用いて環状プラスミ
ドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを用い
て、前記の方法と同様にこのDNA断片の塩基配列解析
を行った。その結果、本発明のTTK蛋白質をコードす
る完全長cDNA配列(配列番号:1)であることが確
認された。また、得られた塩基配列を対応するアミノ酸
配列に変換して、コードされる蛋白質のアミノ酸配列
(配列番号:2)を確認した。
【0066】実施例2 抗TTK抗体「TTK−C」の
作製 TTKのC末側のアミノ酸配列(配列番号:18)のN
末にシステイン残基(Cys)を付加した合成ペプチド1
0mgに、10mMリン酸バッファー(pH7.2)1mlを
加えて溶解した。活性化KLH(Imject Maleimide Act
ivated KeyholeLimpet Hemocyanin; Pierce社製)のバ
イアルに直接MilliQ(MILLIPORE社製)水1ml
を加えて溶解し、その半量を前記ペプチド溶液に加え
て、pH7〜7.5に調整した後、室温で2時間マグネ
チックスターラーを用いて撹拌しながら反応させた。反
応終了後、反応液を2LのPBSを用いて4回透析し
た。透析後、反応溶液にPBSを加えて10mlにメス
アップして、チューブに1mlずつ分注して−20℃に
凍結保存し、これを抗原溶液として用いた。
【0067】調製した抗原溶液1mlを、フロイントの
コンプリートのアジュバント(Freund's Adjuvant; SIG
MA社製) 1.1mlと混合してエマルジョンを調製し、
体重2〜2.5kgのウサギの背筋6〜8カ所にわたっ
て注射することにより免疫を行った。1ヶ月後、同様に
抗原溶液0.5mlをフロイントのインコンプリートの
アジュバント(SIGMA社製) 0.55mlと混合して調
製したエマルジョンで2度目の注射を行い、この操作を
更に2回繰り返した。最後の免疫から2週間後、ウサギ
の耳より約30mlの採血を行った。採取した血液は3
7℃で30分間加温した後、4℃で一晩放置し、遠心分
離(3,000rpm, 10min)を行って抗血清約15mlを得
た。
【0068】得られた抗血清は、抗原として用いた前記
合成ペプチドをカップリングさせたSepharose 4B(Amer
sham Pharmacia Biotech社製)を用いて精製を行った。
まず、抗血清10mlを分取し、同量の結合用バッファ
ー(ImmunoPure Gentle Ag/Ab Binding Buffer; Pierce
社製)及び1mlのSepharose 4Bと混合して、4℃で一
晩攪拌しながら反応を行った。反応終了後、遠心分離
(3,000rpm, 5min)を行って上清を除去し、得られたSe
pharose 4Bをムロマックカラム(7 × 60mm; 室町化学
工業社製)に充填した。これを結合用バッファー20m
lで洗浄し、次いで溶出用バッファー(ImmunoPure Gen
tle Ag/Ab Elution Buffer; Pierce社製)10mlで溶
出を行い、カラムから流出するバッファーをフラクショ
ンコレクターで回収した(10drops/tube)。各フラクシ
ョンの吸光度280nmの値を分光光度計を用いて測定
し、大きな値を示したフラクション(Fr.2-7)を1Lの
PBSで4回透析した。得られた抗体溶液は、再度分光
光度計により測定した吸光度280nmの値を換算して
蛋白質濃度を求め、これを抗TTK抗体「TTK−C」
とした。
【0069】実施例3 発現プラスミドの作製、及び組
換え蛋白質の発現・精製 (1)発現プラスミドの作製 実施例1の(4)で得られた配列番号:1に記載のDN
A配列を含むDNA断片をpGEM−T easyプラ
スミドベクター(Promega社製)に挿入して作製したプ
ラスミドDNAを、制限酵素EcoRI及びSalIに
より消化し、配列番号:2のアミノ酸番号11〜320
で表されるアミノ酸をコードするDNA断片を得た。
【0070】(2)組換え蛋白質の発現 次に、大腸菌用発現ベクターpGEX−6p−2(Amer
sham Pharmacia Biotech社製)を制限酵素SmaI及び
XhoIにより消化し、上記のDNA断片を、T4−D
NAリガーゼ(Promega社製)を用いて挿入し、蛋白質
発現組換えベクターを調製した。この組換えベクターを
ヒートショック法により大腸菌XL−1 Blueに形
質転換してプラスミドDNAを得たのち、再度大腸菌B
L21にエレクトロポレーション法により形質転換し
た。得られた形質転換体は100μg/mlのAmpicill
in(SIGMA社製)を含む4mlのLB培地に接種し、3
0℃で12〜16時間好気的に培養した。培養後、これ
に新しい培地を加えて計40mlとし、更に30℃で4
時間培養した後、発現ベクターpGEX−6p−2のプ
ロモーター転写活性誘導剤であるIPTG(isopropyl-
1-thio-β-D-galactopyranoside; Promega社製)を最終
濃度1mMになるように加え、再び20℃で20時間培
養した。
【0071】培養後の菌体を遠心分離(5,000rpm, 1mi
n)により回収して2mlのソニケーションバッファー
(50mM Tris-HCl, pH8.5, 50mM NaCl, 1mM EDTA, 5mM D
TT, 1%Triton X-100)に懸濁し、これをソニケーター
(ULTEA Sonic Homogenizer UH-50; SMT社製)を用いて
超音波処理(Channel 5, 30sec, 4times)した。次に、
超音波処理により破砕した菌体を遠心分離(13,000rpm,
1min)し、回収した上清と沈殿物をそれぞれサンプル
バッファー(0.2M Tris-HCl, pH6.8, 6% SDS, 30% Glyc
erol, 7.5% 2-Mercaptoethanol)により変性処理(100
℃, 5min)して、SDS−9%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動を行った。泳動後のゲルをCBB染色すること
により、分子量62KDaの、TTK蛋白質とGST蛋
白質の融合蛋白質を確認した。
【0072】(3)組換え蛋白質の精製 上記(2)で得られた融合蛋白質を、Bulk GST Purific
ation Modules(Amersham Pharmacia Biotech社製)を
用いて精製した。精製は、(i)GST Sepharose4B(Ame
rsham Pharmacia Biotech社製)に吸着させた融合蛋白
質をそのまま回収する方法、及び、(ii)GST Sephar
ose 4Bへの吸着後にプロテアーゼ処理を行って組換えT
TK蛋白質のみを回収する方法の2通りを行った。
【0073】(i)融合蛋白質の回収 上記(2)で得られた融合蛋白質を含む上清1mlを、
80μlのGST Sepharose 4Bの入ったエッペンドルフチ
ューブに加えて混合し、ミニディスクローターで回転さ
せながら4℃で1時間反応させた。反応後、遠心分離
(15000rpm, 3min)を行い、融合蛋白質を吸着したGST
Sepharose 4Bを沈殿として得て、300μlのPBSで
3回洗浄した。得られた沈殿に150μlの溶出バッフ
ァー(50mMTris-HCl, pH8.0, 0.15M NaCl, 10mM 還元型
グルタチオン, 0.1% Triton X-100)を加え、4℃で1
0分間、ミニディスクローターで回転させながら反応さ
せ、反応終了後、遠心分離(15,000rpm, 3min)を行
い、溶出した融合蛋白質を上清として得た。沈殿には更
に溶出バッファーを等量(150μl)加えて同様の溶出
操作を2回行い、それぞれ別のチューブに回収した。
【0074】得られた溶出画分を前述のサンプルバッフ
ァーにより変性後、SDS−9%ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動を行って泳動後のゲルをCBB染色すること
により、約62KDaの、TTK蛋白質とGST蛋白質
の融合蛋白質が得られたことを確認した(図1:Aのl
ane4 )。また、PBSで洗浄した洗液(lane
2)、及び融合蛋白質溶出後の2回の溶出操作では融合
蛋白質がほとんど含まれないことが確認された(lan
e5及び6)。
【0075】(ii)組換えTTK蛋白質の回収 上記(2)で得られた融合蛋白質を含む上清1mlを、
80μlのGST Sepharose 4Bの入ったエッペンドルフチ
ューブに加えて混合し、ミニディスクローターで回転さ
せながら4℃で1時間反応させた。反応後、遠心分離
(15,000rpm, 3min)を行い、融合蛋白質を吸着したGST
Sepharose 4Bを沈殿として得て、300μlのクレー
ブバッファー(50mM Tris-HCl, pH7.5, 0.15M NaCl, 1m
M EDTA, 1mM DTT)で3回洗浄した。遠心分離(15,000r
pm, 3min)を行って十分にバッファーを除いた沈殿に、
2.5UnitのPreScission Protease(PSP; Amersha
m Pharmacia Biotech社製)を45μlのクレーブバッ
ファーに溶解したものを添加し、4℃で終夜、ミニディ
スクローターで回転させながら反応を行った。PSPは
GST蛋白質と挿入DNA由来の蛋白質との結合を切断
する酵素であり、反応終了後、遠心分離(15,000rpm, 3
min)により切断された蛋白質を含む反応液を上清とし
て回収した。沈殿は、更に100μlのクレーブバッフ
ァーで3回溶出させ、最後に100μlの前記溶出バッ
ファーにより洗浄した。これらは全て別の画分としてチ
ューブに回収した。
【0076】得られた各画分をサンプルバッファーによ
り変性後、SDS−9%ポリアクリルアミドゲル電気泳
動を行い、泳動後のゲルをCBB染色した。反応液に約
36KDaのTTK蛋白質、約26KDaのGST蛋白
質、及び約46KDaの余剰PSP蛋白質が含まれるこ
とが確認された(図1:Aのlane9)。次いで3回
行った溶出操作による画分にはそれらの蛋白質はほとん
ど含まれておらず(lane10から12)、溶出バッ
ファーを用いた洗浄操作でもほとんど見られなかった
(lane13)ため、発現された蛋白質は最初の反応
液に十分に回収されたことがわかった。一方、図1:A
のlane4、9、及び10と同じ画分をサンプルバッ
ファーにより変性処理して、SDS−9%ポリアクリル
アミドゲル電気泳動を行い、泳動後のゲルをセミドライ
ブロッター(日本泳動社製)を用いてニトロセルロース
膜にブロット(160mA, 1hr)した。この膜を、実施例2
で作製した抗TTK抗体「TTK−C」(反応濃度:約
15μg/ml)を用いて免疫染色して、ProtBlotウ
エスタンブロットAPシステム(Promega社製)により
検出した。その結果、図1:Bのlane3において融
合蛋白質の約62KDaのバンドが、また、図1:Bの
lane4及び5においては組換えTTK蛋白質の約3
6KDaのバンドが検出され、蛋白質が十分に精製され
たことが確認された。
【0077】実施例4 組換えTTK蛋白質のキナーゼ
活性の測定 上記実施例3で得られた融合蛋白質及び組換えTTK蛋
白質のTTK活性を次の方法で測定した。まずコントロ
ールとして、TTK蛋白質をコードするDNA配列が挿
入されていない点を除いては前記の方法と同様に調製し
た発現ベクターを用いて、同様の方法で形質転換、蛋白
質の発現、及びBulk GST Purification Modules(Amers
ham Pharmacia Biotech社製)よる精製を行って、GS
T蛋白質のみが含まれる溶出画分を調製した。実施例3
で得られた各溶出画分は前処理として、バッファーB
(100mM MES-NaOH, 5mM 酢酸マグネシウム, 1mM EGTA,
5mM 2-mercaptoethanol, Protease Inhibitors)を用い
て4℃で終夜透析を行った。透析後の画分及びコントロ
ールの画分にそれぞれ、最終濃度200μMの[γ−32
P]ATP(Amersham Pharmacia Biotech社製)及び
0.3mg/mlのタウ蛋白質又はチューブリンを基質
として加え、30℃で反応を行って、2時間後、4時間
後、7時間後にそれぞれ適当量の反応液を3MM濾紙
(Whatman社製)にスポットした。この濾紙を洗浄液(5
% TCA, 0.25% Na2WO4, 0.5% ピロリン酸ナトリウム, pH
2.0)で洗浄した後、冷エタノール及びジエチルエーテ
ルで更に洗浄してから乾燥させ、液体シンチレーション
カウンターを用いて[γ−32P]を測定し、リン酸の取
り込み量を算出した。取り込まれたリン酸の量をTTK
活性として縦軸に、反応時間を横軸にプロットしてグラ
フを作成した(図2)。
【0078】この結果より、融合蛋白質の溶出画分(図
2:A)、及び酵素消化によりTTK蛋白質とGST蛋
白質が混合して含まれる溶出画分(図2:B)は共に、
発現された組換えTTK蛋白質がタウ蛋白質及びチュー
ブリンを同程度リン酸化することが確認された。更に、
チューブリンをリン酸化する活性が1である時に、タウ
蛋白質をリン酸化する活性を1.3〜1.4倍有するこ
とが確認された。
【0079】
【発明の効果】本発明のタウ−チューブリンキナーゼを
コードするDNA、組換え蛋白質、抗体等の提供によ
り、アルツハイマー病等の患者脳におけるタウ蛋白質の
過リン酸化やPHFの蓄積、神経細胞の傷害等に関する
メカニズムの解明が可能になる等、未だに不明な点の多
いこのような脳神経系疾患の病因解明が可能となる。ま
た、本発明の抗体、本発明のスクリーニング方法により
得られたタウ−チューブリンキナーゼ活性阻害作用を有
する物質、並びにアンチセンスオリゴヌクレオチド等
は、いずれもアルツハイマー病等の脳神経系疾患用薬剤
となり得ると考えられる。
【0080】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Mitsubishi Chemical Corporation <120> The complete DNA sequence of Tau-Tubulin Kinase and the use thereo f <130> J06248 <140> <141> <160> 18 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0081】 <210> 1 <211> 963 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <221> CDS <222> (1)..(963) <400> 1 atg agt gga gga gga gag cag cca gat atc ctc agt gtt gga atc ctg 48 Met Ser Gly Gly Gly Glu Gln Pro Asp Ile Leu Ser Val Gly Ile Leu 1 5 10 15 gtc aaa gaa aga tgg aaa gtg tta aga aag att gga ggt ggg ggc ttt 96 Val Lys Glu Arg Trp Lys Val Leu Arg Lys Ile Gly Gly Gly Gly Phe 20 25 30 gga gaa att tac gat gcc ttg gac atg ctc acc agg gag aat gtg gcg 144 Gly Glu Ile Tyr Asp Ala Leu Asp Met Leu Thr Arg Glu Asn Val Ala 35 40 45 ctg aag gtg gag tca gct cag cag cca aag cag gtt ctg aag atg gag 192 Leu Lys Val Glu Ser Ala Gln Gln Pro Lys Gln Val Leu Lys Met Glu 50 55 60 gtt gct gtg ttg aag aaa ctg caa ggg aaa gac cat gtt tgt aga ttt 240 Val Ala Val Leu Lys Lys Leu Gln Gly Lys Asp His Val Cys Arg Phe 65 70 75 80 att ggc tgt ggg aga aat gat cgt ttc aac tac gtg gtc atg caa ttg 288 Ile Gly Cys Gly Arg Asn Asp Arg Phe Asn Tyr Val Val Met Gln Leu 85 90 95 cag gga cgg aat ctg gca gat ctc cga cgt agc caa tcc cgg ggc aca 336 Gln Gly Arg Asn Leu Ala Asp Leu Arg Arg Ser Gln Ser Arg Gly Thr 100 105 110 ttc act att agc act acc ctt cgt ctt ggg aaa cag att ctg gag tct 384 Phe Thr Ile Ser Thr Thr Leu Arg Leu Gly Lys Gln Ile Leu Glu Ser 115 120 125 att gaa agc ata cat tct gtg gga ttc ctt cac aga gac atc aaa ccg 432 Ile Glu Ser Ile His Ser Val Gly Phe Leu His Arg Asp Ile Lys Pro 130 135 140 tca aac ttc gcc atg gga cgt ttc ccc agt acg tgt agg aaa tgt ttc 480 Ser Asn Phe Ala Met Gly Arg Phe Pro Ser Thr Cys Arg Lys Cys Phe 145 150 155 160 atg ctt gat ttt ggc ttg gct cga caa ttt act aat tcc tgt ggt gac 528 Met Leu Asp Phe Gly Leu Ala Arg Gln Phe Thr Asn Ser Cys Gly Asp 165 170 175 gtc aga cca cct cgt gct gtg gca ggc ttt cga ggg aca gtt cgt tgt 576 Val Arg Pro Pro Arg Ala Val Ala Gly Phe Arg Gly Thr Val Arg Cys 180 185 190 gca tca atc gat gct cat cgg aac agg gaa atg gga aga cat gat gac 624 Ala Ser Ile Asp Ala His Arg Asn Arg Glu Met Gly Arg His Asp Asp 195 200 205 ctt tgg tct tta ttc tac atg ttg gtg gag ttt gtg gtt ggc caa ctg 672 Leu Trp Ser Leu Phe Tyr Met Leu Val Glu Phe Val Val Gly Gln Leu 210 215 220 cct tgg aga gaa ata aag gac aag gag caa gta ggc tcc att aag gag 720 Pro Trp Arg Glu Ile Lys Asp Lys Glu Gln Val Gly Ser Ile Lys Glu 225 230 235 240 aga tat gac cac agg ctc atg tta aaa cac ctc cct cca gaa ttc agc 768 Arg Tyr Asp His Arg Leu Met Leu Lys His Leu Pro Pro Glu Phe Ser 245 250 255 acc ttt ctt gac cat att tcc tct ttg gat tat ttt aca aaa ccg gac 816 Thr Phe Leu Asp His Ile Ser Ser Leu Asp Tyr Phe Thr Lys Pro Asp 260 265 270 tac cag ctt cta aca tcc gtg ttt gac aat agc atc aag acc ttt gga 864 Tyr Gln Leu Leu Thr Ser Val Phe Asp Asn Ser Ile Lys Thr Phe Gly 275 280 285 gta att gag agt gac ccg ttt gac tgg gag aag agt gga act gat ggc 912 Val Ile Glu Ser Asp Pro Phe Asp Trp Glu Lys Ser Gly Thr Asp Gly 290 295 300 tcc ctg aca acc acc acc acc tct gcc acc cct cag tgc aca ccc gct 960 Ser Leu Thr Thr Thr Thr Thr Ser Ala Thr Pro Gln Cys Thr Pro Ala 305 310 315 320 tga 963
【0082】 <210> 2 <211> 320 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 2 Met Ser Gly Gly Gly Glu Gln Pro Asp Ile Leu Ser Val Gly Ile Leu 1 5 10 15 Val Lys Glu Arg Trp Lys Val Leu Arg Lys Ile Gly Gly Gly Gly Phe 20 25 30 Gly Glu Ile Tyr Asp Ala Leu Asp Met Leu Thr Arg Glu Asn Val Ala 35 40 45 Leu Lys Val Glu Ser Ala Gln Gln Pro Lys Gln Val Leu Lys Met Glu 50 55 60 Val Ala Val Leu Lys Lys Leu Gln Gly Lys Asp His Val Cys Arg Phe 65 70 75 80 Ile Gly Cys Gly Arg Asn Asp Arg Phe Asn Tyr Val Val Met Gln Leu 85 90 95 Gln Gly Arg Asn Leu Ala Asp Leu Arg Arg Ser Gln Ser Arg Gly Thr 100 105 110 Phe Thr Ile Ser Thr Thr Leu Arg Leu Gly Lys Gln Ile Leu Glu Ser 115 120 125 Ile Glu Ser Ile His Ser Val Gly Phe Leu His Arg Asp Ile Lys Pro 130 135 140 Ser Asn Phe Ala Met Gly Arg Phe Pro Ser Thr Cys Arg Lys Cys Phe 145 150 155 160 Met Leu Asp Phe Gly Leu Ala Arg Gln Phe Thr Asn Ser Cys Gly Asp 165 170 175 Val Arg Pro Pro Arg Ala Val Ala Gly Phe Arg Gly Thr Val Arg Cys 180 185 190 Ala Ser Ile Asp Ala His Arg Asn Arg Glu Met Gly Arg His Asp Asp 195 200 205 Leu Trp Ser Leu Phe Tyr Met Leu Val Glu Phe Val Val Gly Gln Leu 210 215 220 Pro Trp Arg Glu Ile Lys Asp Lys Glu Gln Val Gly Ser Ile Lys Glu 225 230 235 240 Arg Tyr Asp His Arg Leu Met Leu Lys His Leu Pro Pro Glu Phe Ser 245 250 255 Thr Phe Leu Asp His Ile Ser Ser Leu Asp Tyr Phe Thr Lys Pro Asp 260 265 270 Tyr Gln Leu Leu Thr Ser Val Phe Asp Asn Ser Ile Lys Thr Phe Gly 275 280 285 Val Ile Glu Ser Asp Pro Phe Asp Trp Glu Lys Ser Gly Thr Asp Gly 290 295 300 Ser Leu Thr Thr Thr Thr Thr Ser Ala Thr Pro Gln Cys Thr Pro Ala 305 310 315 320
【0083】 <210> 3 <211> 20 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 3 Ile Met Pro Ser Glu Phe Gly Glu Ile Tyr Glu Ala Met Asp Leu Leu 1 5 10 15 Thr Xaa Glu Xaa 20
【0084】 <210> 4 <211> 19 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 4 His Tyr Met Leu Asp Phe Gly Leu Ala Arg Gln Tyr Thr Xaa Thr Xaa 1 5 10 15 Xaa Xaa Val
【0085】 <210> 5 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 5 garttyggng aratntayga rgcnatgga 29
【0086】 <210> 6 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 6 tantgnckng cnarnccraa rtcnarcat 29
【0087】 <210> 7 <211> 419 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 7 gagtttggag aaatgtacga agccatggac atgctcacca gggagaatgt ggcgctgaag 60 gtggagtcag ctcagcagcc aaagcaggtt ctgaagatgg aggttgctgt gttgaagaaa 120 ctgcaaggga aagaccatgt ttgtagattt attggctgtg ggagaaatga tcgtttcaac 180 tacgtggtca tgcaattgca gggacggaat ctggcagatc tccgacgtag ccaatcccgg 240 ggcacattca ctattagcac tacccttcgt cttgggaaac agattctgga gtctattgaa 300 agcatacatt ctgtgggatt ccttcacaga gacatcaaac cgtcaaactt cgccatggga 360 cgtttcccca gtacgtgtag gaaatgtttc atgcttgatt ttggcctcgc tcgccagta 419
【0088】 <210> 8 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 8 tggagaaatt tacgatgcct tggacatgc 29
【0089】 <210> 9 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 9 ggagaatgtg gcgctgaagg tggagtcagc tcagc 35
【0090】 <210> 10 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 10 gcagccaaag caggttctga agatggagg 29
【0091】 <210> 11 <211> 1185 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 11 gcagccaaag caggttctga agatggaggt tgctgtgttg aagaaactgc aagggaaaga 60 ccatgtttgt agatttattg gctgtgggag aaatgatcgt ttcaactacg tggtcatgca 120 attgcaggga cggaatctgg cagatctccg acgtagccaa tcccggggca cattcactat 180 tagcactacc cttcgtcttg ggaaacagat tctggagtct attgaaagca tacattctgt 240 gggattcctt cacagagaca tcaaaccgtc aaacttcgcc atgggacgtt tccccagtac 300 gtgtaggaaa tgtttcatgc ttgattttgg cttggctcga caatttacta attcctgtgg 360 tgacgtcaga ccacctcgtg ctgtggcagg ctttcgaggg acagttcgtt gtgcatcaat 420 cgatgctcat cggaacaggg aaatgggaag acatgatgac ctttggtctt tattctacat 480 gttggtggag tttgtggttg gccaactgcc ttggagagaa ataaaggaca aggagcaagt 540 aggctccatt aaggagagat atgaccacag gctcatgtta aaacacctcc ctccagaatt 600 cagcaccttt cttgaccata tttcctcttt ggattatttt acaaaaccgg actaccagct 660 tctaacatcc gtgtttgaca atagcatcaa gacctttgga gtaattgaga gtgacccgtt 720 tgactgggag aagagtggaa ctgatggctc cctgacaacc accaccacct ctgccacccc 780 tcagtgcaca cccgcttgac ccctgctgct atcggaattg caaatgccac ccccatccca 840 ggagacttgc ttcgagaaat cacagatgaa gtgtttccca gatgaacagc ttagtgatgg 900 ggagaatgga atccctgttg gtgtatcacc agataaattg cctggtatct ctggggcacc 960 cacgccctca ggaaaaggat gtctgggaag agatggatat caacaagaac aagataaagc 1020 tgggaatttg caaagcagct actgaagaag aaaatagcca tggtcaagta aatggcatac 1080 tcaatgctcc aagccttggt tcaccaattc gtgtccgatc agagattact cagccagaca 1140 gagatgtaga cctgcccggg cggccgctcg agccctatag tgagt 1185
【0092】 <210> 12 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 12 gagcctgtgg tcatatctct ccttaatgg 29
【0093】 <210> 13 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 13 ctccaaggca gttggccaac cacaaactcc accaac 36
【0094】 <210> 14 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 14 gtcttcccat ttccctgttc cgatgagc 28
【0095】 <210> 15 <211> 834 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 15 actcactata gggctcgagc ggccgcccgg gcaggtgggg atgggcaggc ggtggcgggc 60 ccgcctgctg agcggtgact cctgccggtg cggaccctga gctagaccct cgtcctccgt 120 cagaratcct gcgtccgccg cggcccaggt taaatggaat ccacccttgg gaagctagat 180 gcctgtgata gctgttttga cctcatcagg gttttgcaat gagtggagga ggagagcagc 240 cagatatcct cagtgttgga atcctggtca aagaaagatg gaaagtgtta agaaagattg 300 gaggtggggg ctttggagaa atttacgatg ccttggacat gctcaccagg gagaatgtgg 360 cgctgaaggt ggagtcagct cagcagccaa agcaggttct gaagatggag gttgctgtgt 420 tgaagaaact gcaagggaaa gaccatgttt gtagatttat tggctgtggg agaaatgatc 480 gtttcaacta cgtggtcatg caattgcagg gacggaatct ggcagatctc cgacgtagcc 540 aatcccgggg cacattcact attagcacta cccttcgtct tgggaaacag attctggagt 600 ctattgaaag catacattct gtgggattcc ttcacagaga catcaaaccg tcaaacttcg 660 ccatgggacg tttccccagt acgtgtagga aatgtttcat gcttgatttt ggcttggctc 720 gacaatttac taattcctgt ggtgacgtca gaccacctcg tgctgtggca ggctttcgag 780 ggacagttcg ttgtgcatca atcgatgctc atcggaacag ggaaatggga agac 834
【0096】 <210> 16 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 16 gcaatgagtg gaggaggaga gcagccag 28
【0097】 <210> 17 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 17 caggggtcaa gcgggtgtgc actgagg 27
【0098】 <210> 18 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic <400> 18 Ser Asp Pro Phe Asp Trp Glu Lys Ser Gly Thr Asp Gly Ser Leu Thr 1 5 10 15 Thr Thr Thr Thr Ser Ala Thr 20
【0099】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組換え蛋白質精製の確認のために行っ
たSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の写真であ
る。図中、AはゲルをCBB染色した結果を示し、Bは
泳動後のゲルをニトロセルロース膜に転写して抗体「T
TK−C」による免疫染色を行った結果を示す。「M」
は分子量マーカーを示す。
【図2】本発明の組換え蛋白質のタウ−チューブリン活
性を測定した結果を、縦軸にTTK活性、横軸に反応時
間をプロットして示した図である。図中、Aは融合蛋白
質の溶出画分を用いた結果を示し、Bは組換えTTK蛋
白質を切断した溶出画分を用いた結果を示す。それぞ
れ、黒丸はタウ蛋白質、白丸はチューブリンを基質とし
たときの値を示し、実線は組換えTTK蛋白質を用いた
測定の結果を、点線はコントロール(GST蛋白質のみ
を発現させた画分)を用いた測定の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 25/00 4C085 48/00 25/28 4C086 A61P 25/00 C07K 16/40 4C087 25/28 C12N 1/15 4H045 C07K 16/40 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/12 1/21 C12Q 1/48 5/10 C12N 15/00 ZNAA 9/12 5/00 A C12Q 1/48 A61K 37/48 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA10 BA43 CA02 CA04 DA06 EA04 GA11 HA12 4B050 CC01 CC03 DD11 LL03 4B063 QA01 QA18 QQ20 QR07 QS24 QS28 4B065 AA26X AA90Y AB01 AC14 BA02 CA29 CA46 4C084 AA01 AA02 AA06 AA07 AA13 AA17 BA01 BA08 BA22 CA01 CA18 DC01 DC32 NA15 ZA011 ZA151 ZA161 4C085 AA13 AA14 BB11 CC04 CC12 CC13 DD23 DD63 EE06 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA01 ZA15 ZA16 4C087 AA01 AA02 BC83 CA12 NA14 ZA01 ZA15 ZA16 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA76 DA86 DA89 EA50 FA71 FA74 GA21

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号:1に記載の塩基配列
    で表されるDNA。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号:1に記載の塩基配列
    とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつタ
    ウ−チューブリンキナーゼ活性を有する蛋白質をコード
    するDNA。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のDNAを含む組
    換えベクター。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の組換えベクターにより
    形質転換された形質転換体。
  5. 【請求項5】 少なくとも、プロモーターと請求項1又
    は2に記載のDNAを有し、該DNAがプロモーターの
    下流に連結されていることを特徴とする組換えDNA。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の組換えベクター又は請
    求項5に記載の組換えDNAに含まれる鋳型DNAを転
    写及び翻訳させて蛋白質を合成させることを特徴とす
    る、組換え蛋白質の製造方法。
  7. 【請求項7】 転写及び翻訳が、無細胞転写翻訳系又は
    生細胞中で行われることを特徴とする、請求項6に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 生細胞中で行われる転写及び翻訳が、請
    求項4に記載の形質転換体を用いて行われる、請求項6
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載の方法に
    よって得られる組換え蛋白質。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号:2に記載のアミノ
    酸配列又はその部分配列を有するペプチドを抗原として
    調製された抗体。
  11. 【請求項11】 タウ−チューブリンキナーゼ活性阻害
    物質のスクリーニング方法であって、(1)タウ−チュ
    ーブリンキナーゼ活性を有する蛋白質、(2)被検物
    質、及び(3)タウ−チューブリンキナーゼの基質、を
    同時に存在させ、又は順に作用させて、該基質のリン酸
    化の程度が低下又は消失した場合に、該被検物質がタウ
    −チューブリンキナーゼ活性阻害作用を有すると判定す
    ることを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項1若しくは2に記載のDNA又
    は該DNAが転写されたmRNAにハイブリダイズする
    アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 請求項1若しくは2に記載のDNA又
    は該DNAの部分断片を含む遺伝子治療用薬剤。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の抗体を有効成分と
    して含む脳神経系疾患用薬剤。
  15. 【請求項15】 請求項11に記載の方法によって選択
    される物質を製剤化することを特徴とする、脳神経系疾
    患用薬剤の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の方法によって選択
    される物質を有効成分として含む脳神経系疾患用薬剤。
  17. 【請求項17】 請求項12に記載のアンチセンスオリ
    ゴヌクレオチドを有効成分として含む脳神経系疾患用薬
    剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008502602A (ja) * 2004-05-26 2008-01-31 トータティス, インク. タウオパシーの治療のための組成物および方法
JP2012092046A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Akitaya Honten:Kk 上皮細胞の増殖促進方法、及び上皮細胞の増殖促進剤

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