JP2002353760A - 薄膜弾性波素子の製造方法 - Google Patents

薄膜弾性波素子の製造方法

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JP2002353760A
JP2002353760A JP2001160838A JP2001160838A JP2002353760A JP 2002353760 A JP2002353760 A JP 2002353760A JP 2001160838 A JP2001160838 A JP 2001160838A JP 2001160838 A JP2001160838 A JP 2001160838A JP 2002353760 A JP2002353760 A JP 2002353760A
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hole
thin film
silicon substrate
film
manufacturing
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Keiichi Nakanishi
圭一 中西
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Toko Inc
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Toko Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイヤフラム部の穴の形成時間を短縮して量
産性を上げる。 【解決手段】 シリコン基板のダイヤフラム部となる穴
の形成をすべて異方性エッチングで行わず、窒化膜等を
形成した(100)面シリコン基板に物理的な加工によっ
てあらかじめ裏面から所定の深さの穴を形成し、その後
に異方性エッチングによって更に穴をを形成する。穴
は、ダイサーを利用した溝加工やイオンビームによるエ
ッチングによって形成する。窒化膜上に電極膜、圧電薄
膜、電極膜を形成して、薄膜弾性波振動子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子などと
して利用される薄膜弾性波素子の製造方法に係るもの
で、特に振動のための空隙あるいは肉薄部を形成する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】小型で他の素子や回路との集積化が可能
な圧電振動子等として用いられる薄膜弾性波素子が実用
化されている。これは、シリコン等の基板上に圧電薄膜
を挟んで電極を形成し、振動部分の基板はエッチング等
で空隙を形成するものが一般的である。
【0003】図2は、そのような薄膜弾性波素子の1例
を示す正面断面図である。シリコン基板31の裏面はエッ
チングによって穴34が形成される部分以外は窒化シリコ
ン等の非圧電薄膜部材32aで覆われ、表面の非圧電薄膜
部材32bの表面に下部電極35、圧電薄膜部材36、上部電
極37が形成されたものである。電極が形成される前
に、シリコン基板を窒化シリコン等の薄膜で覆った状態
でエッチングをして穴34が形成される。
【0004】基板には表面が(100)面であるようなシ
リコン基板が用いられる。これは、エチレンジアミン、
ピロカテロール、水からなるエッチング液(EDP液)
あるいは水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いると、(1
00)面のエッチング速度に比較して(111)面のエッチ
ング速度が極めて遅くなるためである。このエッチング
の異方性によって面方向へのエッチングの広がりが極め
て小さくできるので、基板に寸法精度良くダイヤフラム
用の穴を形成できることを利用したものである。
【0005】しかし、このエッチング速度は、EDP液
の沸点においても60μm/hと小さく、KOH水溶液でも沸
点において約300μm/hであるため、厚さが525〜625μ
mのシリコン基板の場合、エッチングにEDP液で9〜10
時間、KOH水溶液で約2時間を要している。このエッチン
グに要する時間が量産化の大きなネックとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ダイヤフラ
ムとなる穴の形成時間を短縮することによって、薄膜弾
性波素子の製造工数を低減し、量産化に適した製造方法
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、化学的なエッ
チングと物理的な加工とを組み合わせることによって、
上記の課題を解決するものである。
【0008】すなわち、シリコン基板に裏面から基板表
面の絶縁膜に達する穴を形成し、絶縁膜上の当該穴部分
に対向する下部導体膜、圧電薄膜、上部導体膜を形成す
る薄膜弾性波素子の製造方法において、シリコン基板を
裏面から物理的に加工して所定の深さの穴を形成し、そ
の後異方性エッチングによって絶縁膜に達する穴を形成
することに特徴を有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のプロセスの主要部分は以
下のようになる。 シリコン基板への絶縁膜(エッチング用マスク)の形
成 穴形成部分の所定の深さまでの物理的シリコン除去 残りのシリコンの異方性エッチング 下部電極膜の形成 圧電薄膜の形成 上部電極の形成 必要に応じて保護膜等を形成する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は本発明により製造された薄膜弾性波素子の正面断面
図である。表面が(100)面である厚さ525μmのシリコ
ン単結晶基板11の表面にCVD法で1000オングストロー
ムの窒化シリコン(Si3N4)薄膜12aを形成する。穴を
形成する部分の窒化シリコン膜は除去しておいてもよ
い。
【0011】シリコン基板11の反対側の表面にも窒化シ
リコン膜12bをCVD法で形成する。図1は完成品を示
しているが、シリコン基板11に窒化シリコン膜12を形成
した状態でシリコン基板11に穴部分を形成する。
【0012】本発明においては、ダイサーで約400μmの
深さまで溝加工し、シリコン基板11に穴(図1の加工部
分14a)を形成し、残りの約125μmの部分を残す。ダイ
サーでの加工を深くしすぎると非圧電薄膜部材12bを損
傷するおそれがあるので一定の厚みを残しておく。
【0013】上記の溝加工されたシリコン基板を、30%
KOH水溶液で113°Cの沸点で30分エッチングすると、非
圧電薄膜部材12bまで達する穴14bが形成されて、ダイ
ヤフラム部が得られる。この部分に下部電極膜15、圧電
薄膜16、上部電極膜17を、蒸着、スパッタおよびエッチ
ング等の工程によって形成すれば薄膜弾性波素子が得ら
れる。なお、共振周波数等の特性の変動を防止するため
に、電極膜材料や圧電薄膜の変質等による質量の変化が
生じないように、表面にパッシベーション膜を形成して
おくとよい。
【0014】なお、上記の例ではダイサーによって溝加
工を行ったが、イオンビームを利用した穴加工でもよ
い。また、シリコン基板を所定の厚みで残すような構造
の素子にも利用できる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、ダイヤフラム部の穴の
形成時間を大幅に短縮でき、量産に適した薄膜弾性波素
子の製造方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す正面断面図
【図2】 従来の素子を示す正面断面図
【符号の説明】
11、31:シリコン基板 12、32:非圧電薄膜部材(窒化膜) 14、34:穴 15、35:下部電極 16、36:圧電薄膜 17、37:上部電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板に裏面から基板表面の絶縁
    膜に達する穴を形成し、絶縁膜上の当該穴部分に対向す
    る下部導体膜、圧電薄膜、上部導体膜を形成する薄膜弾
    性波素子の製造方法において、 シリコン基板を裏面から物理的に加工して所定の深さの
    穴を形成し、その後異方性エッチングによって絶縁膜に
    達する穴を形成することを特徴とする薄膜弾性波素子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 シリコン基板に裏面から基板表面に薄い
    シリコン層を残して穴を形成し、シリコン基板表面に形
    成された絶縁膜上の当該穴部分に対向する下部導体膜、
    圧電薄膜、上部導体膜を形成する薄膜弾性波素子の製造
    方法において、 シリコン基板を裏面から物理的に加工して所定の深さの
    穴を形成し、その後異方性エッチングによって穴を形成
    することを特徴とする薄膜弾性波素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 物理的な加工をダイサーによって行う請
    求項1または請求項2記載の薄膜弾性波素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 物理的な加工をイオンビームによって行
    う請求項1または請求項2記載の薄膜弾性波素子の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004001964A1 (ja) * 2002-06-20 2003-12-31 Ube Industries, Ltd. 薄膜圧電共振器、薄膜圧電デバイスおよびその製造方法
WO2004088840A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Ube Industries, Ltd. 圧電薄膜デバイス及びその製造方法
JP2006180304A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Hitachi Media Electoronics Co Ltd 圧電バルク共振子およびその製造方法、圧電バルク共振子を用いたフィルタ、それを用いた半導体集積回路装置、並びにそれを用いた高周波モジュール

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