JP2002346608A - ダル仕上げステンレス鋼板の圧延方法 - Google Patents

ダル仕上げステンレス鋼板の圧延方法

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JP2002346608A
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rolls
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Junichi Tateno
純一 舘野
Toshiki Hiruta
敏樹 蛭田
Yoshitake Kohiro
善丈 小廣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防眩性を有し、かつ色調の均一なダル仕上げ
ステンレス鋼板を得ることのできる圧延方法を提供す
る。 【解決手段】 ステンレス鋼板を冷間圧延するに当た
り、ダル加工後の一対のワークロールを圧延機に組み込
み互いに直接接触させて100 回転以上回転して強制的に
初期摩耗させるとともに圧延機内を洗浄してロールの摩
耗粉を除去したのち、初期摩耗後の一対のワークロール
を用いてステンレス鋼板を冷間圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に建築物の内外
装建材に使用されるダル仕上げステンレス鋼板の圧延方
法に関し、さらに詳しくは、色調の均一なダル仕上げス
テンレス鋼板の圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物の内外装用建材として、ス
テンレス鋼板が多用されている。これは、ステンレス鋼
が有している耐食性と美麗さが十分に生かされる用途で
あるからである。このようなステンレス鋼板を外装用材
として用いる場合には、防眩性が強く要求されている。
防眩性とは、直射日光の反射を抑えることのできる特性
であり、ダル仕上げステンレス鋼板は、防眩性を有する
ことがよく知られている。
【0003】ダル仕上げステンレス鋼板は、ショットブ
ラスト加工、放電加工あるいはレーザー加工等によりダ
ル加工されたワークロールを用いてステンレス鋼板を冷
間圧延することにより製造するのが一般的である。例え
ば、特開平9-85306 号公報には、図6に示すような表面
状態のワークロール200 を用いてステンレス鋼板100 を
冷間圧延する方法が提案されている。
【0004】このワークロール200 は、方向性のないラ
ンダム模様の凸部202 表面のみがダル加工されたもので
あり、ステンレス鋼板の圧延距離が長くなった場合で
も、ダル仕上げステンレス鋼板の色調の均一性を保持し
ようとする観点から、ランダム模様の凹部201 の深さを
20〜200 μm と深く形成してある。なお、ワークロール
200 を用いてステンレス鋼板を所定の圧下率で冷間圧延
すると、ダル加工によりワークロールの表面に形成され
た凹凸がステンレス鋼板100 の表面に転写し、ダル仕上
げステンレス鋼板とすることができるために、効率的に
防眩性を有する鋼板とすることができるのである。
【0005】ここで、ダル仕上げステンレス鋼板の防眩
性は光沢度で評価することができ、例えば、JIS Z 8741
の規定による、 60 °の入射角で照射した光線の正反
射強度である光沢度(Gs60°)で評価する。この光沢度
(Gs60°)の値が小さいほど防眩性が優れていることを
示している。また、ダル仕上げステンレス鋼板の色調の
均一性も光沢度で評価することができ、長さ方向および
幅方向に光沢度の変化が小さいものが、色調が均一と言
える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9-85306 号公報に開示された技術および従来のダル加工
されたワークロールを用いてステンレス鋼板を冷間圧延
する方法では、ステンレス鋼板を冷間圧延する際に、ダ
ル加工により形成されたワークロールのダル目が初期摩
耗して、ダル仕上げステンレス鋼板の色調変化が大きい
という問題があった。
【0007】そこで本発明は、かかる従来技術の問題点
を解消し、防眩性を有し、かつ色調の均一なダル仕上げ
ステンレス鋼板を得ることのできる圧延方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ダル仕上
げステンレス鋼板の色調が不均一となる原因を鋭意検討
し、その結果、ダル仕上げステンレス鋼板の色調不均一
の主原因は、ステンレス鋼板を冷間圧延する際に、ダル
加工後のワークロール表面が初期摩耗し、このワークロ
ールの摩耗粉によって、冷間圧延時におけるワークロー
ルとステンレス鋼板間の潤滑状態が板幅方向に不均一と
なることであることを知見し、本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明は、ステンレス鋼板を冷
間圧延するに当たり、ダル加工後の一対のワークロール
を圧延機に組み込み互いに直接接触させて100 回転以上
回転して強制的に初期摩耗させるとともに前記圧延機内
を洗浄してロールの摩耗粉を除去したのち、初期摩耗後
の一対のワークロールを用いて前記ステンレス鋼板を冷
間圧延することを特徴とするダル仕上げステンレス鋼板
の圧延方法である。
【0010】このような圧延方法とすることにより、防
眩性を有し、かつ色調の均一なダル仕上げステンレス鋼
板を得ることができる。また、上記のダル仕上げステン
レス鋼板の圧延方法において、前記初期摩耗後の一対の
ワークロールの表面粗さを2 〜15μm Raとすることが
好ましく、そのうえ、前記圧延機に組み込む一対のワー
クロールの径を30〜150mm とし、かつ前記圧延機を12
段クラスター型圧延機または20段ゼンジミア圧延機と
することがさらに好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を参照して説明する。図1は本発明に用いて好適な
12段クラスター型圧延機の概略側面図、図2は概略正
面図である。図1、図2において、1はステンレス鋼板
であり、2、2’は12段クラスター型圧延機に組み込
んだダル加工後のワークロールである。
【0012】上ワークロール2は、2つの中間ロール3
を介して、2つの分割バックアップロール4と1つのバ
ックアップロール5に支持され、下ワークロール2’は
上側と同様に、2つの中間ロール3’を介して、2つの
分割バックアップロール4’と1つのバックアップロー
ル5’に支持されている。上下の分割バックアップロー
ル4、4’の分割の数は上下で異なっており、上側が7
個、下側が6個であり、それぞれベアリングを介して軸
に回転可能に装着されている。
【0013】なお、一対のワークロール2、2’に施す
ダル加工は、公知のショットブラスト加工、放電加工、
レーザ加工などにより行うことができる。本発明のダル
仕上げステンレス鋼板の圧延方法では、ステンレス鋼板
1を冷間圧延するに当たり、ダル加工後の一対のワーク
ロール2、2’を圧延機に組み込み互いに直接接触させ
て100 回転以上回転して強制的に初期摩耗させるととも
に圧延機内を洗浄してロールの摩耗粉を除去したのち、
初期摩耗後の一対のワークロール2、2’を用いてステ
ンレス鋼板1を冷間圧延する。
【0014】まず、本発明において、ステンレス鋼板1
を圧延する前に、ダル加工後の一対のワークロール2、
2’を圧延機に組み込み互いに直接接触させて100 回以
上回転して強制的に初期摩耗させる理由について説明す
る。ダル加工後の一対のワークロール2、2’を初期摩
耗させずにステンレス鋼板1を圧延した場合には、図3
に示すように、ワークロールの表面粗さが変化するとい
う結果を得た。すなわち、ステンレス鋼板1を圧延する
前に、ダル加工後の一対のワークロール2、2’を初期
摩耗させずにステンレス鋼板1を圧延した場合、圧延距
離の増大に伴って、ワークロールが初期摩耗してワーク
ロールの表面粗さが急激に変化し、ワークロールの初期
摩耗により発生した摩耗粉が冷間圧延時におけるワーク
ロールと被圧延材であるステンレス鋼板1間の板幅方向
の潤滑状態に大きな影響を与える。
【0015】通常、圧延油中の摩耗粉の濃度が高くなる
と、見掛けの圧延油粘度は高くなる性質を持つが、特
に、中間ロール3と分割バックアップロール4間、およ
び中間ロール3’と分割バックアップロール4’間にお
いて、中間ロール3、3’に対して、分割バックアップ
ロール4、4’がそれぞれ接触する部分と、中間ロール
3、3’に対して、分割バックアップロール4、4’が
それぞれ接触せずに空間が形成されている部分とで、摩
耗粉の巻き込み量の違いのために、それに応じて板幅方
向での見掛けの圧延油粘度が変化して、ワークロールと
ステンレス鋼板1間での板幅方向の潤滑状態の不均一を
生じる。
【0016】このために、ダル仕上げ後のステンレス鋼
板1の板幅方向での色調が不均一になってしまうことが
判明したのである。そこで、本発明においては、ステン
レス鋼板1を圧延する前に、ダル加工後の一対のワーク
ロール2、2’を圧延機に組み込み互いに直接接触させ
て回転させ強制的に初期摩耗させ、ステンレス鋼板1を
圧延する際には、ワークロール2、2’の初期摩耗がほ
とんどないようにした。
【0017】ワークロールの初期摩耗によりワークロー
ルの表面粗さが大きく変化するのは、ダル加工で形成さ
れたダル目の凸部が圧延初期に摩耗するためと推定され
る。そこで、ワークロールが初期摩耗する条件を調べる
ことにした。ここで、ワークロールの表面粗さは、JIS
B 0601 で定められた算術平均粗さRaであって、当該一
対のワークロール2、2’を上記の圧延機に組み込んで
から図3に示す各圧延距離だけステンレス鋼板1を圧延
し、ワークロール2、2’の軸方向に測定した。この冷
間圧延に用いた一対のワークロール2、2’は、直径が
100mm の冷間ダイス鋼製であり、放電加工によって表面
粗さ5μmRa にダル加工した。また、ステンレス鋼板1
としては、熱間圧延後、焼鈍、酸洗を施し、さらに冷間
圧延により厚みを1.5mm とし、その後、仕上げ焼鈍、酸
洗を行った仕上げ圧延前のSUS304鋼板を、1.5mm から1.
4mm まで冷間圧延した。図3を見ると、ワークロールが
初期摩耗するのは圧延距離30m を超えるあたりまでであ
り、100周すれば十分到達する。
【0018】なお、本発明において、一対のワークロー
ル2、2’を直接接触させて回転させるワークロールの
回転数を100 回以上と限定したのは、ワークロールの回
転数が100 回未満ではワークロールの初期摩耗が不十分
であり、その後、ステンレス鋼板1を圧延する際にワー
クロールが初期摩耗して、ダル仕上げ後のステンレス鋼
板1の色調が不均一になってしまうからである。
【0019】一例として、図4に、上記で説明したのと
同じ寸法、同じ材質のワークロールにダル加工を施して
表面粗さを5μmRa とし、このダル加工後の一対のワー
クロールを圧延機に組み込み、直接接触させて強制的に
初期摩耗させた場合のワークロールの表面粗さの変化を
示す。ここで、ワークロール同士の接触荷重は4.5MN と
し、上記ステンレス鋼板1を圧延する際の圧延荷重と同
じとした。
【0020】図4に示す結果から、ステンレス鋼板1を
圧延せずに、一対のワークロールを直接接触させた状態
で回転させても、ワークロールの初期摩耗が進行し、一
対のワークロールを直接接触させて回転させるワークロ
ールの回転数が100 回未満ではワークロールの表面粗さ
の変化が大きく、まだ初期摩耗が終了していないが、ワ
ークロールの回転数を100 回以上とすると、それ以後に
おけるワークロールの表面粗さの変化が極めて小さく、
ワークロールの初期摩耗が終わっていることがわかる。
【0021】なお、ワークロールの直径の影響を調べる
ため、直径が30mm、および150mm のワークロールを用
い、それ以外の条件は図4と同様にして一対のワークロ
ールを直接接触させた状態で回転させるワークロールの
回転数とワークロールの表面粗さの関係を調査したとこ
ろ、直径が30〜150mm の範囲では、一対のワークロール
を直接接触させた状態で回転させるワークロールの回転
数が100 回未満では初期摩耗が終了していないが、ワー
クロールの回転数を100 回以上とすると、ワークロール
の初期摩耗がほぼ終了していることがわかった。
【0022】次いで、本発明では、圧延機内を洗浄して
ロールの摩耗粉を除去したのち、初期摩耗後の一対のワ
ークロール2、2’を用いてステンレス鋼板1を冷間圧
延する。このようにする理由は、上下一対のワークロー
ル2、2’を直接接触させた状態で回転させてワークロ
ール2、2’を初期摩耗させると、圧延機内にワークロ
ール2、2’の初期摩耗粉をはじめ中間ロール3、3’
およびバックアップロール4、4’、5、5’の摩耗粉
が付着するので、これらのロールの摩耗粉を除去しない
場合には、ステンレス鋼板を冷間圧延する際に、各ロー
ルを収容しているハウジングおよび各ロール等に付着し
たロールの摩耗粉が圧延油に徐々に混入してきてしま
い、ワークロール2、2’とステンレス鋼板1間の板幅
方向の潤滑状態に大きな影響を与え、ダル仕上げ後のス
テンレス鋼板1の板幅方向の色調が不均一になってしま
うからである。
【0023】また、圧延機内を洗浄することにより、中
間ロール3と分割バックアップロール4間、および中間
ロール3’と分割バックアップロール4’間において、
中間ロール3、3’に対して、分割バックアップロール
4、4’がそれぞれ接触する部分と、中間ロール3、
3’に対して、分割バックアップロール4、4’がそれ
ぞれ接触せずに空間が形成されている部分とで、摩耗粉
の巻き込み量の違いのために、板幅方向での見掛けの圧
延油粘度が変化することもなくなり、ワークロールとス
テンレス鋼板間での板幅方向での潤滑状態の不均一さが
なくなるという作用もある。
【0024】圧延機内を洗浄する方法としては、ハウジ
ングおよび各ロールに清浄な圧延油または温水を直接吹
きかけて付着したロールの摩耗粉を洗い流すことにより
行うことができる。ロールの摩耗粉を除去するのに、圧
延機内の洗浄に加えて、圧延機内に付着した摩耗粉を拭
き取ったり、一対のワークロール2、2’以外の中間ロ
ール3、3’およびバックアップロール4、4’、5、
5’を交換するようにしてもよい。
【0025】ロールの摩耗粉を含んだ圧延油は循環使用
せず、ステンレス鋼板を圧延する際には濾過したのち使
用するか新たな圧延油を使用するのが望ましい。以上説
明したように、本発明のダル仕上げステンレス鋼板の圧
延方法では、ダル加工後の一対のワークロールを圧延機
に組み込み互いに直接接触させて100 回転以上回転して
強制的に初期摩耗させるとともに、圧延機内を洗浄して
ダル加工後の一対のワークロールの初期摩耗粉を含むロ
ールの摩耗粉を除去したのち、初期摩耗後の一対のワー
クロールを用いてステンレス鋼板を冷間圧延するので、
ロールの摩耗粉に起因して生じるダル仕上げステンレス
鋼板の板幅方向での色調の不均一さを防止することがで
きるわけである。
【0026】そして、本発明では、初期摩耗後の一対の
ワークロールを用いてステンレス鋼板を冷間圧延するの
で、圧延距離の増大に伴うワークロールの表面粗さの変
化が小さく、ワークロールの表面粗さの転写に起因する
ダル仕上げステンレス鋼板の長さ方向での色調変化も極
めて小さくできる。ここで、本発明に用いるワークロー
ルは、初期摩耗させた後の一対のワークロールの表面粗
さを2 〜15μm Raとすることが好ましい。この理由
は、初期摩耗させた後の一対のワークロールの表面粗さ
がJIS B 0601 で定められた算術平均粗さで2μmRa 未
満では、ダル仕上げステンレス鋼板を使用する建築物の
場所によって、防眩性が不十分となることがあり、一
方、初期摩耗させた後の一対のワークロールの表面粗さ
が算術平均粗さで15μm Raを超えた場合には、ステン
レス鋼板を冷間圧延する際の、ステンレス鋼板とワーク
ロール間の摩擦係数が増大し、所望の冷間圧下率を得る
のが困難となるからである。
【0027】また、本発明では、ステンレス鋼板を冷間
圧延する圧延機は上記の12段クラスター型圧延機に限
定されず、20段ゼンジミア圧延機としてもよく、いず
れの圧延機を用いても、圧延荷重を比較的小さくでき
て、ダル仕上げ後のステンレス鋼板の形状を良好にする
ことができるとともに、効率的にステンレス鋼板を冷間
圧延できる。圧延機に組み込む一対のワークロールの径
は30〜150mm の範囲とするのが好ましい。
【0028】ところで、本発明のダル仕上げステンレス
鋼板の圧延方法は、冷間圧延工程のうち、表面が平滑な
ワークロールで冷間圧延した後に行うのが一般的であ
り、ダル仕上げステンレス鋼板は、例えば、熱間圧延
後、焼鈍・酸洗を施した素材を冷間圧延(平滑なワーク
ロールを用いた圧延)→仕上げ焼鈍・酸洗→本発明によ
る冷間圧延の工程を経て製造することができる。
【0029】
【実施例】図1、図2に示す12段クラスター型圧延機
を用いて、冷間圧延(平滑なワークロールを用いた圧
延)→仕上げ焼鈍・酸洗を経た板幅1200mm、板厚1.5mm
のSUS304ステンレス鋼板を1.4mm まで圧延し、ダル仕上
げステンレス鋼板を得た。得られたダル仕上げステンレ
ス鋼板の圧延距離が15m および200m位置での、板幅方向
の光沢度(Gs60°)を測定した。
【0030】その際、放電ダル加工により表面粗さを5
μm Raとし、上下ワークロールを上記の12段クラスタ
ー型圧延機に組み込み、互いに直接接触させて100回
転させて強制的に初期摩耗させ、その後、圧延機内を洗
浄してロールの摩耗粉を除去し、初期摩耗後の上下ワー
クロールを用いてステンレス鋼板を冷間圧延した。ワー
クロールは直径が100mm 、バレル長が1500mmの冷間ダイ
ス鋼製とした。また、上下のワークロールの接触荷重
は、4.5MN (バレルの長さ1mm 当たり、3kN)とし、圧
延荷重は3kN/mm、圧延張力は250MPaとした。
【0031】従来例として、発明例と同じ条件のワーク
ロールを上下一対として上記の12段クラスター型圧延
機に組み込んで、ワークロールの初期摩耗を行わず、ス
テンレス鋼板を冷間圧延した。図5は、ダル仕上げステ
ンレス鋼板の板幅方向の光沢度を発明例と従来例とで比
較したグラフである。
【0032】なお、一般的に防眩性の評価指標とされて
いる光沢度の差により、色調の均一性を評価した。光沢
度(Gs60°)は、JIS Z 8741 の規定による、 60 °の
入射角で照射した光線の正反射強度である。発明例で
は、ダル仕上げステンレス鋼板の板幅方向の光沢度がほ
ぼ一定で、従来例より色調が均一であることがわかる。
また、発明例では、従来例よりダル仕上げステンレス鋼
板の長さ方向での光沢度の変化も小さいことがわかる。
【0033】もちろん、発明例では、ダル加工したワー
クロールを用いてステンレス鋼を冷間圧延しているの
で、防眩性を有している。
【0034】
【発明の効果】本発明の圧延方法によれば、防眩性を有
し、かつ色調の均一なダル仕上げ鋼板を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いた12段クラスター型圧延
機の概略側面図である。
【図2】本発明の実施に用いた12段クラスター型圧延
機の概略正面図である。
【図3】ステンレス鋼板の圧延距離とワークロールの表
面粗さRaの関係を示すグラフである。
【図4】一対のワークロールを直接接触させた状態で回
転させるワークロールの回転数とワークロールの表面粗
さRaの関係を示すグラフである。
【図5】ダル仕上げステンレス鋼板の色調の均一性を発
明例と従来例とで比較したグラフである。
【図6】従来のダル加工後のワークロールの表面状態を
示す模式図およびダル仕上げステンレス鋼板の表面状態
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ステンレス鋼板 2、2’ ワークロール 3、3’ 中間ロール 4、4’、5、5’ バックアップロール 100 ステンレス鋼板 200 ワークロール 201 凹部 202 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21B 28/04 B21B 28/04 B (72)発明者 小廣 善丈 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E002 AD05 BA03 CB03 CB09 4E016 AA03 BA03 CA04 CA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼板を冷間圧延するに当た
    り、ダル加工後の一対のワークロールを圧延機に組み込
    み互いに直接接触させて100 回転以上回転して強制的に
    初期摩耗させるとともに前記圧延機内を洗浄してロール
    の摩耗粉を除去したのち、初期摩耗後の一対のワークロ
    ールを用いて前記ステンレス鋼板を冷間圧延することを
    特徴とするダル仕上げステンレス鋼板の圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記初期摩耗後の一対のワークロールの
    表面粗さを2 〜15μm Raとすることを特徴とする請求
    項1に記載のダル仕上げステンレス鋼板の圧延方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延機に組み込む一対のワークロー
    ルの径を30〜150mmとし、かつ前記圧延機を12段クラ
    スター型圧延機または20段ゼンジミア圧延機とするこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のダル仕上げス
    テンレス鋼板の圧延方法。
JP2001153603A 2001-05-23 2001-05-23 ダル仕上げステンレス鋼板の圧延方法 Pending JP2002346608A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016505388A (ja) * 2012-12-19 2016-02-25 オウトクンプ ニロスタ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングOutokumpu Nirosta GmbH プロファイル成形金属帯板の製造方法および装置

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JP2016505388A (ja) * 2012-12-19 2016-02-25 オウトクンプ ニロスタ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングOutokumpu Nirosta GmbH プロファイル成形金属帯板の製造方法および装置

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