JP2002345154A - 電力需給方法及び表示装置 - Google Patents

電力需給方法及び表示装置

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JP2002345154A
JP2002345154A JP2001148604A JP2001148604A JP2002345154A JP 2002345154 A JP2002345154 A JP 2002345154A JP 2001148604 A JP2001148604 A JP 2001148604A JP 2001148604 A JP2001148604 A JP 2001148604A JP 2002345154 A JP2002345154 A JP 2002345154A
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Mario Uesugi
万里夫 上杉
Shigeya Sugiyama
茂也 杉山
Tsutomu Suzuki
努 鈴木
Akio Takei
昭夫 竹居
Toshiyuki Sawa
澤  敏之
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】この需給調整システムを用いて、同時同量遵守
をより的確に行えるようにすることを目的とする。尚、
本発明は、一定の時間間隔(例えば30分や1時間)の
間において需要量合計と発電量合計を一致させんとする
ものである。 【解決手段】電力需給調整運転員用表示装置の画面には
電力及び電力量の経時グラフと関係データの数値表を出
す。すなわち、負荷予測値A,D、発電計画値B,E、
同時同量偏差計画値C,同時同量偏差実績値C′,負荷
実績値A′,D′、発電実績値B′,E′を表示させ
る。更に推奨発電出力増減値と推奨発電指令値を数値表
記し、以上の図表を1画面表示する。こうしてオペレー
タには需給状況と出力指令値が明確に解り、更に、常に
計画値,予測値と比べるのでずれの補正がタイムリーに
できることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力需給方法及び表
示装置に係り、特に電力小売自由化に対応する電力需給
方法と、これに用いる電力需給調整運転員用表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】電力小売自由化(以下、電力自由化)と
は、電力料金の低減や経済の活性化を図る為に、電力分
野に市場原理、すなわち競争原理を導入するものであ
る。日本においては2000年3月より電力小売の部分
自由化が施行された。今後段階的に自由化の範囲が拡大
されていくことが予定されている。
【0003】一方、送配電網を介した電力の発電,消費
において電力は現段階の実用レベルでは貯蔵できないの
で、発電は、時々刻々変動する需要量と同じだけの量を
発電する必要がある。発電量が不足したり過剰となった
りすると、電力の周波数が各々低下したり上昇したり
し、基準の周波数(日本では50Hzか60Hz)から
の逸脱が大きくなると発電機の脱調が起き、それが連鎖
的に発生して停電事故となってしまう。この特徴は電力
の自由化、すなわち電力会社以外の者が電力を発電して
需要化に販売する際に必ず考慮すべきことである。
【0004】さて、新規に参入する電力の小売業者(以
下、特定規模電気事業者と呼ぶことがある)は自社が保
有するか電力の卸売契約を結んだ発電機で電力を発電
し、電力会社の送配電網によりその電力を託送し、電力
供給契約を結んだ需要家に電力を供給する。電力会社の
送配電網には電力会社の発電機のみならず特定規模電気
事業者の発電機が接続され、また需要家においては電力
会社から供給を受ける需要家のみならず特定規模電気事
業者から電力の供給を受ける需要家も接続されることと
なる。
【0005】電力自由化を実施する際、需要量合計と発
電量合計を一致させるための方策はほぼ世界的に固まり
つつある。すなわち、電力系統全体の需要量と発電量を
時々刻々(数ミリ秒から数秒毎)一致させる制御(周波
数制御ともいう)は、「特定の組織」の役割とし、新規
に参入する電力の小売事業者(特定規模電気事業者)は
自社が電力供給契約を結んだ需要家の需要量合計と発電
量合計とを、時々刻々に一致させることからは解放する
が、一定の時間間隔(30分や1時間)の間においては
需要量合計と発電量合計を一致させる(つまり同時同
量)義務を負わせる。
【0006】この際、ある規制時間間隔内で発電電力量
合計が需要電力量合計よりも不足した場合、不足の電力
量は「特定の組織」の周波数制御により補充されること
となるが、その分の費用は「特定の組織」から特定規模
電気事業者に請求され、特定規模電気事業者はそれを支
払わなければならない。
【0007】一方、発電電力量合計が需要電力量合計よ
り過剰となった場合、過剰の電力量は「特定の組織」に
より引き取られ(「特定の組織」はその分、自社の発電
量を抑制する)、不足分の電力供給料金は通常自家で発
電するよりも高額となる。またその料金は不足分の量が
大きくなるに従い、更に高額となる。
【0008】過剰分の引き取り料金は、自家で発電する
より低額で発電したコストが回収できない。過剰分の量
が大きくなるに従い、次第に低額となってついには無料
となる。このため、新規参入する特定規模電気事業者に
とっては同時同量を達成することが、事業の収益を確保
し、事業を拡大(新たな発電者と電力卸売契約を結んだ
り、新たな需要家と電力供給契約を結んだりする)に重
要である。
【0009】尚、上記「特定の組織」は、現状、日本で
は電力会社の中央給電指令所、米国ではISO(Indepen
dent System Operator)となっている。
【0010】以上の説明を纏めると、(1)電力自由化
に伴い、電力需要化のコスト意識が高揚し、電力料金の
安い特定規模電気事業者(以下、PPSともいう)が出
現してきた。(2)しかしながら電力取引や電力送電線
配線を電気業者(発電業者)と需要家との自由に任せる
と、例えば需給バランスの崩れによる電力不足や停電の
事態を招く。(3)そこで、PPSたる発電会社と電力
需要家が、既存の電力会社の送電線を介して送配電の関
係になるように結ぶ方法が提案されている。(4)この
仕組みでは望ましくは電力の需給バランスがとれている
こととなり、つまり同時同量が望ましい。従ってPPS
或いは需要家においては電力量の需要予測が的確である
ことが望ましい。
【0011】尚、電力需要予測制御に関しては例えば特
開平11−55856号公報に記載の提案がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−5585
6号公報の提案は、発電設備を有するユーザ毎に発電電
力量と消費電力量を計測して、その差分から必要な供給
量を予測し、給電指令所へ伝送するものである。そして
発電指令所は収集した各ユーザ毎の予測供給量を基に、
商用発電電力量を指令するようにしている。ところが、
同時同量をいかに達成するかまでは開示されていない。
【0013】ところで、PPSをユーザとする電力取引
に関する監視需給調整システムに需給調整システム、通
称ミニ中給と呼ばれるものがある。このシステムは制約
条件(同時同量遵守,設備特性,需給契約内容など)の
範囲内で、コスト最小運用を実現するためのシステムで
ある。
【0014】そこで本発明は、この需給調整システムを
用いて、同時同量遵守をより的確に行えるようにするこ
とを目的とする。尚、本発明は、一定の時間間隔(例え
ば30分や1時間)の間において需要量合計と発電量合
計を一致させんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の電力需給方法
は、特定規模電力事業者の管理する発電機と、この特定
規模電力事業者と契約した電力需要家の負荷設備との間
が、電力会社の送電線網を介して電力線で結ばれてお
り、特定規模電力事業者において需給調整システムを備
え、この需給調整システムは電力需要家における合計の
負荷状況と発電機の合計の発電状況との各データを通信
手段にて受けて、各データの実績値と計画値との比較を
計算した結果を反映した発電量制御指令を先の発電機に
発するか、或いは各データの実績値と計画値の双方を画
面に表示する表示装置を備えていることを特徴とする。
【0016】尚、発電機は複数台あり、発電量制御指令
はその内の一部とすること、また画面には該複数台の発
電機の出力の合計発電量の計画値と実績値とを表示する
こと、或いは負荷設備は複数機あり、前記画面には該複
数機の合計負荷の計画値と実績値を表示すること、発電
量制御指令は、推奨発電出力増減値及び/または推奨発
電指令値に基くようにすること、前記画面に推奨発電出
力増減値及び/または推奨発電指令値を表示すること、
等の態様がより実用的である。
【0017】また、本発明の電力需給調整運転員用表示
装置は、特定規模電気事業者の所有するまたは特定規模
電気事業者と契約した一台以上の発電機と、この特定規
模電気事業者と契約した一つ以上の電力需要家の負荷設
備との間が、電力会社の送電線網を介して電力線で結ば
れており、特定規模電気事業者において需給調整システ
ムを備え、予め決められた時間幅の各々の時間幅が始ま
る前に需要家の該時間帯における需要電力量の合計を予
測し、それに発電機の送出電力量の合計が一致するよう
に各発電量を計画し、電力需要家における各需要電力量
と発電機より電力会社の送配電網に送出する電力の各電
力量の各データを通信手段にて受けて、合計需要電力量
実績と合計送出電力量実績を計算し、該時間幅における
合計需要電力量実績と合計送出電力量実績が一致するよ
うに送出量を調整する需給調整システムに用いるもので
あって、該時間幅を含む範囲のグラフに、該時間幅の基
点から現在までのデータについては、(A)送出(つま
り発電、以下同じ)電力量計画値合計と需要(つまり負
荷、以下同じ)電力量予測値合計の差の時間的推移、及
び(B)送出電力量実績値合計と需要電力量実績値合計
の差の時間的推移を、また現在以降の時間帯のデータに
ついては、(C)送出電力量計画値合計と需要電力量予
測値合計との差の時間的推移を、夫々表示する機能を備
えていることを特徴とする。
【0018】尚、この表示装置の発明においては、更に
次の各態様の付加が好ましい。まず、該時間幅を含む範
囲のグラフに、該時間幅の基点から現在までの時間帯の
データについては、(D)需要電力量予測値合計の時間
的推移及び(E)送出電力量計画値合計の時間的推移、
(F)送出電力量実績値合計の時間的推移及び(G)需
要電力量実績値合計の時間的推移、を表示する機能を備
えていること。また、該時間幅を含む範囲のグラフに、
現在以降の時間帯のグラフ表示については、(H)需要
電力量予測値合計の時間的推移及び(I)送出電力量計
画値合計の時間的推移を併せて表示する機能を備えてい
ること。
【0019】或いは更に、現時点における、(J)送出
電力量計画値合計と需要電力量予測値合計との偏差、
(K)送出電力量実績値合計と需要電力量実績値合計と
の偏差、(L)送出電力量計画値合計と需要電力量予測
値合計との偏差(b)及び送出電力量実績値合計と需要
電力量実績値合計との偏差(a)との偏差(c=b−
a)、を数値表示する機能を備えていること。また、
(M)現在の時間幅において残りの時間で送出電力量実
績値合計と需要電力量実績値合計の偏差をゼロにするた
めに、送出計画値合計から増やすべき送出電力合計を計
算し表示すること。また、(N)現在の時間幅における
残りの時間で送出電力量実績値合計と需要電力量実績値
合計の偏差をゼロにするために、更に各発電機における
送出計画値から増やすべき送出電力を計算し表示する機
能を備えていること、等である。いずれにせよ各表示
は、オンラインリアルタイムでなされることが望まし
い。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に、電力小売りにおける特定
規模電気事業者と、接続供給及び振替供給の関係を例示
する。このシステムでは、既存の電力会社各社の送配電
網を、発電者から需要家に至る送配電に流用することに
なる。この図の例では、発電者(電力小売向けに発電事
業を行う者、以下同じ)Cの発電機1は送電線を通じて
電力会社Bの送配電網4に接続され、更に電力会社Aの
送配電網3を経由し、送配電網3に送電線で接続された
需要家5に繋がっている。一方、発電者Dの発電機2は
送配電網3の送電線を介して需要家5に繋がっている。
需要家5は、例えば2万ボルト/2000kW以上の特
定規模の需要家とする。発電者Cから送配電網4、次い
で送配電網3には、振替供給6が行われることになり、
発電者Dから需要家5には接続供給7が行われることに
なる。
【0021】振替供給6は、電力会社Bの管内にある発
電者が発電した電気を、電力会社Bの供給区域外にある
「特定規模需要または電力会社A」に供給するために電
力会社Bに届けてもらうことを言う。また、接続供給7
は、発電者が発電した電気を、電力会社の送配電網を使
って、同一電力会社の管内にある特定規模需要家に届け
てもらうことを言う。そして、電力会社と接続供給や振
替供給の契約をする者を特定規模電気事業者(PPS:
Power Product and Supplier)といい、例えば、発電業
者や電力卸売業者がこれに該当することになる。尚、接
続供給料金と、同時同量未達成時の不足分電力供給料金
は、一般電気事業者(電力会社A,B)から特定規模電
気事業者に請求されることになる。従って特定規模電気
事業者は複数の発電者を傘下にした電力卸売業者の場合
もある。尚、電力需要家はPPSになり得る。また、一
つのPPS者が複数の電力会社(A,B)と契約するこ
ともあり得る。但し、PPSと電力会社Aとの間の契約
と、PPSと電力会社Bとの間の契約は別々の契約とな
り同時同量も各々独立して達成するべきであるから、そ
のPPSは2つの契約を個別に守るようにする必要があ
る。
【0022】ところで振替供給には、需要と発電を一致
させる同時同量規定は必ずしも要らない。PPSの振替
供給に関する義務は、PPSが前日に電力会社に対し、
30分毎に発電電力量を連絡し、当日PPSはそれを守
ることにある。つまり振替供給では需要を定義していな
い。
【0023】図2に、特定規模電気事業者を電力卸売業
者とした例で、契約形態と同時同量規定の説明をする。
特定規模電気事業者15と電力会社9とは接続供給契約
12を結ぶ。また、各発電者101〜10Nの夫々と特
定規模電気事業者15の間で電力購入契約131〜13
Nを結ぶ。一方、各需要家201〜20Mとの間では電
力供給契約141〜14Mを結ぶ。尚、特定規模電気事
業者15が卸売業者でなく、各発電者が個別に需要家及
び電力会社と同上の契約をしても良い。しかし、このよ
うに卸売業者によるならば、一つの契約単位11に纏ま
ることになり、全体の管理運営が簡便である。いずれに
せよ、こうして各発電者101〜10Nは一纏まりにな
って電力会社の送配電網8を介して需要家側に接続供給
7がされることになり、こうして各需要家201〜20
Mへ送配電されることになる。尚、需要家201〜20
Mの需要量合計増加に対して、発電者101〜10Nの
供給量が不足すると、その不足分は電力会社9から需要
家に送られることになり、停電などの事態は回避され
る。しかしながら発電者側の供給合計と需要家側の需要
合計はバランスしていることが、契約上も安定供給上も
望ましい。そこで、発電者101〜10Nの各発電量G
1〜GNの所定時間ごと(例えば30分間の)の合計発
電電力量と、需要家201〜20Mの各需要量L1〜L
Mの所定時間ごと(例えば30分間の。前記発電者側の
所定時間と同じにする)の合計需要電力量が等しくなる
ようにする。これを同時同量の規定と言う。この同時同
量規定の管理のため、需給調整システム(特定規模電気
事業者用ミニ中給システムということがある。また、中
央給電システムや、需給制御システムの語もあり得る。
要するに需要に合わせて供給量を調整するものである)
の導入が有効である。
【0024】図3に、需給調整システムについて例示説
明する。先ず、この需給調整システム16は特定規模電
気事業者15が管理する。各発電者10は発電機21の
他に、電力量計19,パルス検出器18,通信機能付電
力量計17を備え、各電力量計19,17はパルス検出
器18と接続されている。一方、各需要家20は負荷2
5の他に、電力量計24,パルス検出器23,通信機能
付電力量計22を備え、各電力量計24,22はパルス
検出器23と接続されている。各発電者10側からの電
力量計17と、各需要家20側からの電力量計22とか
らは、夫々電力量26,27のデータが需給調整システ
ム16に送信されることになる。そして需給調整システ
ム16から発電機21に対しては出力指令28が出され
ることになる。需給調整システム16の主要構成機器
は、通信機器(ルータ:特にDSU内臓ルータ),LA
N(イーサーネット),サーバ(PCで可)及び自動時
刻修正装置である(尚、需給調整システム及び発電者
側,需要家側各端末の装置構成については、図13〜1
5をもって後述する)。
【0025】需給調整システム16の主機能は、監視,
同時同量制御(及び経済負荷配分。基本機能の他、自動
制御機能の追加可),長期(年,月,週),発電計画
(発電機運用計画の基本機能の他、高度運用計画作成機
能の追加可),同時同量規定契約超過監視,各地点最大
負荷電力の契約超過監視,各地点最大発電電力の契約超
過監視,需要データ表示機能,需要予想基本機能,高度
需要予想機能,発電・供給実績データ保存とデータ活
用,発電量・受電量実績の把握と料金計算及び清算,発
電・実績データの保存と統計,各種記録・帳票作成機
能,他、データ設定・管理やデータベース管理機能、な
どである。
【0026】この内、同時同量制御は、30分毎の各需
要家の翌日負荷予想や各発電機の翌日発電計画をたて
る。需給調整システムはPPSにおいて所有されること
が管理上好ましく、この機器はレンタルもあり得るし、
またASP事業者がこのシステムの機能(アプリケーシ
ョン)を提供することもあり得る。
【0027】PPS監視制御対象の例は、基本機能とし
て、発電機台数5台,需要家数35ヶ所,接続供給契約
数1,振替供給契約数1であり、追加機能として、発電
機台数20台,需要家数200ヶ所,接続供給契約数
5,振替供給契約数5である。
【0028】また、本実施例で用いる需給調整システム
は、更に次の特徴がある。まず、事業形態例としては、
様々な形態の発電所が混在したシステムをサポートす
る。例えば、事業形態として、PPS自身が所有する発
電所なら、全量を小売に使う場合もあるし、余剰電力の
みを小売りに使う場合があり、外部の会社からの卸売電
力購入の場合でも、全量を小売に使う場合もあるし、余
剰電力のみを小売りに使う場合がある。尚、需要負荷の
時間カーブの予想には、重回帰方式などを活用して高精
度の予想を実現する。同時同量制御では、再予測積分フ
ィードバックつき30分単位フィードフォワード制御
で、高精度な同時同量を達成する。更に、複数の電力会
社各々との接続供給契約,複数の電力会社各々との振替
供給が混在した事業形態でも一つのシステムでサポート
可能である。
【0029】図4に、同時同量制御について例示説明す
る。説明簡単化のために、発電機は2つで夫々発電量は
G1,G2とし、需要家の負荷は2つで需要量が夫々L
1,L2とし、いずれも電力会社の送配電網8を利用す
るものとする。先ず、前日に需要カーブの予想をする
(ステップ29)。次に発電計画をたてる(ステップ3
0)。次に当日になって(L1+L2)−(G1+G
2)を積算(kWh)する(ステップ31)。そして、
積算値が30分内で0となるようにG1またはG2の発
電量(kW)を制御する(ステップ32)。図中の小グ
ラフでは、L1が一定量で推移、L2が12時頃をピー
クとし、L1とL2の合計が出される。この合計値をG
1とG2が配分しつつ推移することになる。
【0030】図5に、電力と電力量の関係を説明する。
図の上半が電力量であり、下方が電力である。電力4,
000kW が30分間同一電力であったとする。30
分経った時点の電力量は4,000(kW)÷60×3
0=2,000(kWh)であり、下図の場合の電力量
の時間推移は上図のように比例的に伸び(下図に記載の
斜線部の面積となり)、すなわちY=4,000÷60
分×X分となる。
【0031】さて、このような関係であると、電力量デ
ータの収集を短周期(2〜10秒程度)で実施し、自動
的に随時発電機出力の変更制御が可能なケースであって
も、図6,図7に示すような事態を招く可能性がある。
例えば、10:25時点、つまり30分ごとの集計締め
切り5分前に図6の下図のような負荷実績値と発電実績
値の関係があって、経時的にわずかながら両者間の差が
拡がっているとする。この傾向は電力量としては上図の
ように示されることになる。ところで同時同量の規定
上、契約託送電力量が設定されていて、例えばその±3
%範囲内の関係を保つべきであるとする。前述のように
実績値間に差があると、その差は図中に示したように同
時同量偏差実績値として現れる。この図の例では10:
25の時点で発電実績値が不足している。そこで残り時
間中、最高速で出力上昇を続けた図が図7である。最高
速で出力上昇を続けたが、急激な負荷の上昇があると発
電機は追いつけず、ついに偏差はゼロにできない。よっ
て10:30の時点では電力量は最終的に偏差として残
ってしまい、契約託送電力量の±3%範囲内の関係を保
てなくなる。
【0032】また、別の例として、電力量データの収集
を分単位(2〜5分程度)で実施し、その周期で発電機
出力をマニュアルで変更制御するケースであっても、図
8,図9に示すような事態を招く可能性がある。例え
ば、10:25時点、つまり30分ごとの集計締め切り
5分前に図8の下図のような負荷実績値と発電実績値の
関係があって、経時的にわずかながら両者間の差が拡が
っているとする。但し図6と異なり、マニュアルで変更
制御するので、この図のように発電実績値は階段状に変
化している。この傾向は電力量としては上図のように示
され、同時同量偏差実績値も図示のように示されること
になる。契約託送電力量±3%については図6,図7と
同様である。この場合、残り5分で図9のようになる可
能性がある。つまり、発電実績値は前回の5分毎のポイ
ントまでの偏差は夫々図中の矢印の時点でゼロとでき
て、5分刻みの残りの時間は一定発電出力となってい
る。そこで前回の5分毎ポイントまでの偏差はゼロとで
きたが最後の5分間の偏差が残ってしまう。そうなると
図9の上図のように最終的に偏差として図の右端に示す
程度に拡がってしまい、よって10:30の時点では契
約託送電力量の±3%範囲内の関係を保てなくなる。
【0033】そこで、本発明の電力需給方法では、需給
調整システムは電力需要家における合計の負荷状況と発
電機の合計の発電状況との各データを通信手段にて受け
て、各データの実績値と計画値との比較を計算した結果
を反映した発電量制御指令を先の発電機に発するか、或
いは各データの実績値と計画値の双方を画面に表示する
表示装置を備えることにする。そしてこれを画面に示す
ことにより、需給調整をタイミング良く的確にこなせる
ようにしてある。ここで本発明の電力需給調整運転員用
表示装置は、特定規模電気事業者の所有するまたは特定
規模電気事業者と契約した一台以上の発電機と、前記特
定規模電気事業者と契約した一つ以上の電力需要家の負
荷設備との間が、電力会社の送電線網を介して電力線で
結ばれており、前記特定規模電気事業者において需給調
整システムを備え、予め決められた時間幅の各々の時間
幅が始まる前に前記需要家の該時間帯における需要電力
量の合計を予測し、それに前記発電機の送出電力量の合
計が一致するように各発電量を計画し、前記電力需要家
における各需要電力量と前記発電機より電力会社の送配
電網に送出する電力の各電力量の各データを通信手段に
て受けて、合計需要電力量実績と合計送出電力量実績を
計算し、該時間幅における合計需要電力量実績と合計送
出電力量実績が一致するように送出量を調整する需給調
整システムに用いるものであって、該時間幅を含む範囲
のグラフに、該時間幅の基点から現在までのデータにつ
いては、(A)送出(つまり発電、以下同じ)電力量計
画値合計と需要(つまり負荷、以下同じ)電力量予測値
合計の差の時間的推移、及び(B)送出電力量実績値合
計と需要電力量実績値合計の差の時間的推移を、また現
在以降の時間帯のデータについては、(C)送出電力量
計画値合計と需要電力量予測値合計との差の時間的推移
を、夫々表示する機能を備えていることを特徴とする。
【0034】尚、この表示装置では、更に次の各態様の
付加が好ましい。まず、該時間幅を含む範囲のグラフ
に、該時間幅の基点から現在までの時間帯のデータにつ
いては、(D)需要電力量予測値合計の時間的推移及び
(E)送出電力量計画値合計の時間的推移、(F)送出
電力量実績値合計の時間的推移及び(G)需要電力量実
績値合計の時間的推移、を表示する機能を備えているこ
と。また、該時間幅を含む範囲のグラフに、現在以降の
時間帯のグラフ表示については、(H)需要電力量予測
値合計の時間的推移及び(I)送出電力量計画値合計の
時間的推移を併せて表示する機能を備えていること。
【0035】或いは更に、現時点における、(J)送出
電力量計画値合計と需要電力量予測値合計との偏差、
(K)送出電力量実績値合計と需要電力量実績値合計と
の偏差、(L)送出電力量計画値合計と需要電力量予測
値合計との偏差(b)及び送出電力量実績値合計と需要
電力量実績値合計との偏差(a)との偏差(c=b−
a)、を数値表示する機能を備えていること。また、
(M)現在の時間幅において残りの時間で送出電力量実
績値合計と需要電力量実績値合計の偏差をゼロにするた
めに、送出計画値合計から増やすべき送出電力合計を計
算し表示すること。また、(N)現在の時間幅における
残りの時間で送出電力量実績値合計と需要電力量実績値
合計の偏差をゼロにするために、更に各発電機における
送出計画値から増やすべき送出電力を計算し表示する機
能を備えていること、等である。いずれにせよ各表示
は、オンラインリアルタイムでなされることが望まし
い。
【0036】図10に本発明を適用した電力需給調整運
転員用表示装置の画面表示例を示す。左側の下方が電力
の経時グラフであり、左側の上方が電力量の経時グラフ
である。契約託送電力量の±3%の範囲内で調整する目
的を前提とする。このグラフは当然にして時刻更新にて
変動する。尚、各グラフの線図は色分け及び/または線
種分けをすると、各線を見分けるのに便利である。
【0037】この本実施例の特徴は発電計画値及び負荷
予測値の表示を伴うことにある。電力推移のグラフにお
いては発電計画値(E)を設定できる。これは例えば4,
000kWで一定値である。この発電計画値(E)は電力
量のグラフでは正比例的に上昇し、10:30の時点で
2,000kWh に達するので特性図(B)のようにな
る。一方、この発電計画値(B)が例えば10:30に
達成できるようにする為に負荷予測値(A)が設定で
き、上図のように下に突カーブの上昇傾向特性図が作ら
れる。この負荷予測値は電力変化のグラフでは特性図
(D)となる。この計画値と予測値の関係を前提に同時
同量偏差計画値(C)が成立する。つまり30分毎の集
計時点では、この計画値(C)通りなら確実に契約託送
電力量±3%枠内に納まることになる。ここで、各グラ
フに発電実績値(E′),(B′)と、負荷実績値
(D′),(A′)を乗せ、更にその偏差たる同時同量
偏差実績値(C′)を乗せる。こうすると、夫々計画値
や予測値からのずれが明確になり、調整指示を出し易く
なる。特に各偏差a,b,cを上図のように図示する
と、これを無くす努力目標が鮮明になる。尚、Aは0
分,30分を起点とした3分毎の需要予測の電力量値で
あり、A′は0分,30分を起点とした3分毎の需要実
績の電力量値であり、Bは0分,30分を起点とした3
分毎の発電計画の電力量値であり、そしてB′は0分,
30分を起点とした3分毎の発電実績の電力量値であ
る。
【0038】図10の左側の電力量の関係数値を表に纏
めたものが右側の上表となり、同じく左側の電力の関係
数値を表に纏めたものが右側の下表となる。この画面中
の電力量の表では、需要(負荷)が予測値(計画値)A=
760kWh,実績値A′=700kWh、よって偏差
a=−60kWhである。また発電は予測値(計画値)B
=1,060kWh,実績値B′=1,070kWh,偏
差b=+10kWhである。そして同時同量偏差は予測
値(計画値)C=+300kWh,実績値C′=+37
0kWh,偏差c=+70kWhである。そして電力の
様子は電力量との関係から画面の右下表のように、需要
(負荷)については予測値(計画値)D=3,500k
W,実績値D′=3,700kWとなる。一方、発電は
予測値(計画値)E=4,000kW,実績値E′=4,
200kW、そして推奨発電出力増減f=−280k
W,推奨発電出力指令値(E+f)=3,720kW の
各値が得られ、これに向けた出力指令を発電側に指令し
実行させれば良いことになる。尚、推奨発電出力増減f
の求め方は次のようになる。すなわち、同時同量偏差計
画値(C)に対する、現時点での(この例では10:1
5までの)偏差(c)(図11に示した偏差cをマイナス
表示したもの、つまりこの例では−70kWh)を残り
の時間(この例では10:30)で「ゼロ」とする為の
発電計画値(E)からの増減発電出力値であるので−7
0×(60min/15min)=−280(kW)となり、
これがfになる。こうして推奨発電出力指令値が解れ
ば、それに向けた発電制御によって同時同量をより確実
に達成できるようになる。尚、推奨発電量の発電指示は
通信手段,電気的手段,コンピュータなどを介して自動
制御するも良いし、オペレータが介在して発電指示をし
ても良く、特定発電機の出力増減指示でも良いし、全数
均等指示などでも良い。こうして関係図表を1画面表示
するならば、オペレータには需給状況と出力指令値が明
確に解るようになり、勘に頼ることもなく、更に、常に
計画値,予測値と比べるのでずれの補正がタイムリーに
できることになる。
【0039】ところで、需要側も発電側も、計測時間の
誤差は同時同量の規定である3%より十分に小さいこと
が必要であり、例えば0.3% である。また、経時的な
変化の画面切り替え(グラフの更新や表の数値の更新)
の時間間隔は、同時同量の規則の時間幅で必要十分であ
る。一つの時間幅が終わると次の時間幅は一旦同時同量
偏差をゼロにリセットして開始される。この幅は例えば
30分となる。
【0040】図11に特定規模電気事業者用の発電機が
複数台ある場合の構成図を示す。図においては発電者が
東京発電10A,埼玉発電10B,茨城発電10C,栃
木発電10Dの4者。発電機は東京発電が2機(10A
1と10A2)、その他の3者は1機(各10B1,1
0C1,10D1)である。一方、需要家は7者(20
A〜20G)である。特定規模電気事業者15は需給調
整システム16を持ち、そのシステム16と4つの発電
者、7つの需要家とは通信回線で接続している。各発電
機10A1〜10D1には夫々発電機出力量を調整する
出力制御装置61〜65が接続され、その装置61〜6
5と需給調整システム16とが通信回線で接続される。
これにより需給調整システム16から各発電機10A1
〜10D1に出力指令値を通信回線を介して伝送する。
【0041】図12に発電機が複数台ある特定規模電気
事業者15の需給調整システム16における表示画面例
を示す。図に示すようにすべての発電者,発電機が横軸
に記載され、縦軸には「運転モード」,「可能下限(k
w)」,「可能上限(kw)」,「現在指令値(k
w)」,「現在出力値(kw)」,「次週機計画出力値(k
w)」,「推奨出力増減(kw)」,「推奨新指令値
(kw)」が表示される。「運転モード」において、
「手動」とは発電主力値の変更を需給調整システム16
から電話指令で実施するモードであることを示す。「停
止中」とは発電機のメンテナンスなどの為停止中である
ことを示す。「自動」とは発電主力値の変更を需給調整
システム16からその発電機の出力制御装置へ通信回線
を通じ自動的に送信し出力制御装置が対応する発電機の
出力を自動的に制御するモードであることを示す。「ス
ケジュール」とはあらかじめ需給調整システム16から
連絡した発電スケジュールに従い発電者側で発電出力を
調整するモードであることを示す。
【0042】特定規模電気事業者用発電機が複数台ある
場合は、前記に記した「推奨発電出力増減」は需給調整
システム16から指令増減すべき合計値であるので、そ
れを複数の発電機に配分する。この際、「停止中」モー
ドの発電機と「スケジュール」モードの発電機へは配分し
ない。図12の例では、東京発電10Aの2号機10A2
と栃木発電10Dの1号機10D1には配分せず、東京
発電1号機10A1,埼玉発電1号機10B1,茨城発
電1号機10C1に配分する。従って前述の推奨出力増
減値「−280kw」は、図の「推奨出力増減」に示す
ように3台の発電機に対し各「−93kw」が配分され
る。その結果、今回新たに指令すべき推奨新指令値(k
w)が図12に記載の通りとなる。この内、埼玉発電1
号機10B1へは指令値が自動で伝送され、出力増減が
自動でなされる。一方、東京発電1号機10A1と茨城
発電1号機10C1は、「手動」であるので、需給調整
システム16のオペレータはこの画面を見て、電話等で
東京発電10Aや茨城発電10Cに新指令値「110
6」や「807」を連絡し、例えば茨城発電10Cのオ
ペレータは手動で出力制御装置64を介して発電機10
C1の出力値を変更することになる(東京発電も同
様)。本例では推奨新指令値の合計は3,720kWで
ある。
【0043】本実施例では、電力会社の送配電網で送電
ロスがゼロの前提で記述したが、実際には送電ロスを考
慮し、発電側では需要量プラス送電ロスの量を発電する
こととなる。
【0044】また、発電機は出力の指令を受けてから新
たな出力量になるまで一定の時間がかかるため、その間
の発電不足分を考慮した指令値を計算する。
【0045】さて、以下に本発明に用いるに好適な需給
調整システムの具体例と、このシステムに繋がる発電者
側及び需要家側の各端末の具体例につき図13以降を用
いて説明する。
【0046】図13は需給調整システムの一例でセンタ
ー側システムであり、太枠の線内はPPS設備である。
このシステムは通信回線66からDSU/ルータ67を
介して、図のように複数のデータベースサーバ69,7
0、監視・管理用のコンピュータ73、料金計算用のコ
ンピュータ74とプリンタ75が繋がっており、更に必
要に応じて社内LAN76にも繋がっている。各データ
ベースサーバ69,70にはディスプレイ71,72が
付設されている。更にオプションハードウェア68とし
て無停電電源装置681や自動時刻修正装置682があ
ることが望ましい。この他、オプション機能用サーバ,
オプション機能用コンピュータの増設も有効であり、オ
プション機能用サーバにはオプション用ディスプレイの
付設も有効である。尚、この基本システムは2重化構成
としており、シングル系の対応も可である。
【0047】図14は発電者/需要家側端末の一例であ
り、太枠の線内はPPS設備である。このシステムは通
信回線66がDSU/ルータ77を介して、図のように
パルス変換データ伝送装置78に繋がっている。一方、
電力会社既存設備80が保有する電力需給用複合計器8
1からのサービスパルス出力はパルス検出器79を介し
て前記のパルス変換データ伝送装置78に送られること
になる。尚、必要に応じて社内LAN82,モニタ用コ
ンピュータ83,プリンタ84も付設できる。モニタ用
コンピュータ83により、発電者/需要家において発電
/需要実績のモニタリングが可能となる。尚、需要家端
末としては、モニタ用コンピュータ83により、需要家
において需要実績カーブ,料金決済、付加価値サービス
などのモニタリングも可能となる。
【0048】図15は図14が発電者端末の場合に発電
者の既存設備を加味した変形例であり、すなわち図14
に加えて発電者既存設備85の発電機制御装置86とパ
ルス変換データ伝送装置78を結んでいる。この例でモ
ニタ用コンピュータ83を付設した場合、モニタ用コン
ピュータ83により、発電者において発電実績カーブ,
料金決済,付加価値サービスなどのモニタリングも可能
となる。
【0049】最後に、本発明システムを用いた同時同量
の運用例を示す。図16には電力会社A管内86と電力
会社B管内87の組み合わせにおいて、両者の電力系統
(送配電網)3と4との連系点RAがあるとする。電力
会社A管内86には発電所がG1,G2,G3の3つが
あり、需要家もL1,L2,L3の3者があって、いず
れも送配電網3に繋がっているものとする。一方、電力
会社B管内87には発電所がP1,P2の2ヶ所、需要
家がM1,M2,M3の3者がいずれも送配電網4に繋
がっているが、この他に電力会社Bの発電所群88も需
要家M3に直接に部分供給BBしたり、送配電網4を介
して卸部分供給BAしたりする関係にあるとする。尚、
各発電所G1〜3やP1,P2は、PPS自身が保有す
る発電所かPPSが卸供給契約した発電所とし、需要家
は全てPPSが卸供給契約した需要家とする。PPSは
同時同量を契約個々に守ることが要求される。以下の計
算では説明簡単化のために送電ロスの計算を省略してい
る。
【0050】この図16の関係にあると、電力会社とP
PS間の契約と規定は次の関係になる。まず、電力会社
AとPPSとの間には接続供給契約と振替供給契約が結
ばれる。接続供給契約の内容は、電源が発電所G1,G
2、需要が需要家L1,L2,L3となり、具体的な同
時同量規定要項は、G1+G2=L1+L2+L3で、
各々の変数は各30分毎の電力量となる。振替供給契約
の内容は、電源が発電所G3、需要が連系点RAとな
り、具体的な同時同量規定要項は、G3=電力会社Aか
らの通告値Aとなる。この通告値AはPPSが電力会社
Aに申請し電力会社Aから通告された30分毎電力量で
ある。また、電力会社BとPPSとの間には接続供給契
約が結ばれ、その内容は、電源が発電所P1,P2と連
系点RA、部分供給BAであり、需要は需要家M1,M
2,M3−BB、となり、この場合の具体的同時同量規
定要項は、P1+P2+RA+BA=M1+M2+M3
−BBとなって各々の変数は各30分毎電力量となる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、特定規模電気事業
者が本発明を適用した需給調整システムを採用して電力
の小売事業を実施することにより、より容易に同時同量
の遵守を達成できる。すなわち「特定の組織」(電力会
社の給電指令所)からの不足分の電力供給を受ける量を
抑えることによりコスト削減が出来る。ひいては電力小
売事業の収益を上げることが可能となる。また、同時同
量を達成できる事業者であるという社会からの評価を
得、事業を拡大する(新たな発電者と電力卸売契約を結
んだり、新たな需要家と電力供給契約を結んだりする)
ことが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力小売りにおける特定規模電気事業者と、接
続供給及び振替供給の関係の説明図である。
【図2】特定規模電気事業者を電力卸売業者とした場合
の契約形態と同時同量規定の説明図である。
【図3】需給調整システムについての例示説明図であ
る。
【図4】同時同量制御についての例示説明図である。
【図5】電力と電力量の関係の説明図である。
【図6】電力と電力量の関係の説明図である。
【図7】電力と電力量の関係の説明図である。
【図8】電力と電力量の関係の説明図である。
【図9】電力と電力量の関係の説明図である。
【図10】本発明の電力需給調整運転員用表示装置の表
示画面例である。
【図11】需要家,発電者,発電機が夫々複数ある場合
の需要者と発電者の関係図である。
【図12】本発明の電力需給調整運転員用表示装置の表
示画面例である。
【図13】本発明に用いる需給調整システムの基本構成
例の説明図である。
【図14】本発明に用いる需給調整システムに接続する
端末側構成例の説明図である。
【図15】本発明に用いる需給調整システムに接続する
端末側構成例の説明図である。
【図16】本発明を用いて同時同量制御するのに好適な
発電所と需要家の関係図である。
【符号の説明】
1,2,21,10A1,10A2,10B1,10C
1,10D1…発電機、3,4…送配電網、5,20,
201〜20M,20A〜G…需要家、6…振替供給、
7…接続供給、9…電力会社、10,101〜10N,
10A〜D…発電者、11…契約単位、12…接続供給
契約、131〜13N…電力購入契約、141〜14M
…電力供給契約、15…特定規模電気事業者、16…需
給調整システム、17,19,22,24…電力量計、
18,23…パルス検出器、25…負荷、26,27…
電力量、28…出力指令、61〜65…出力制御装置、
A,D…負荷予測値、B,E…発電計画値、C…同時同
量偏差計画値、C′…同時同量偏差実績値、A′,D′
…負荷実績値、B′,E′…発電実績値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 努 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所情報制御システム事業部 内 (72)発明者 竹居 昭夫 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所情報制御システム事業部 内 (72)発明者 澤 敏之 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5G066 AA02 AA04 HA13 HA15 KA12 5H590 AA21 AB09 CA28 CE01 EA14 EB14 EB21 EB23 EB25 EB29 FA05 GA06 GB05 HA06 JA02 JA13 KK03 KK05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定規模電力事業者の管理する発電機と、
    前記特定規模電力事業者と契約した電力需要家の負荷設
    備との間が、電力会社の送電線網を介して電力線で結ば
    れており、前記特定規模電力事業者において需給調整シ
    ステムを備え、該需給調整システムは前記電力需要家に
    おける合計の負荷状況と前記発電機の合計の発電状況と
    の各データを通信手段にて受けて、各データの実績値と
    計画値との比較を計算した結果を反映した発電量制御指
    令を前記発電機に発することを特徴とする電力需給方
    法。
  2. 【請求項2】特定規模電力事業者の管理する発電機と、
    前記特定規模電力事業者と契約した電力需要家の負荷設
    備との間が、電力会社の送電線網を介して電力線で結ば
    れており、前記特定規模電力事業者において需給調整シ
    ステムを備え、該需給調整システムは前記電力需要家に
    おける合計の負荷状況と前記発電機の合計の発電状況と
    の各データを通信手段にて受けて、各データの実績値と
    計画値の双方を画面に表示する表示装置を備えているこ
    とを特徴とする電力需給方法。
  3. 【請求項3】前記発電機は複数台あり、前記発電量制御
    指令はその内の一部とすることを特徴とする請求項1記
    載の電力需給方法。
  4. 【請求項4】前記発電機は複数台あり、前記画面には該
    複数台の発電機の出力の合計発電量の計画値と実績値と
    を表示することを特徴とする請求項2記載の電力需給方
    法。
  5. 【請求項5】前記負荷設備は複数機あり、前記画面には
    該複数機の合計負荷の計画値と実績値を表示することを
    特徴とする請求項2記載の電力需給方法。
  6. 【請求項6】前記発電量制御指令は、推奨発電出力増減
    値及び/または推奨発電指令値に基くようにすることを
    特徴とする請求項1または3に記載の電力需給方法。
  7. 【請求項7】前記画面に推奨発電出力増減値及び/また
    は推奨発電指令値を表示することを特徴とする請求項
    2,4または5に記載の電力需給方法。
  8. 【請求項8】特定規模電気事業者の所有するまたは特定
    規模電気事業者と契約した一台以上の発電機と、前記特
    定規模電気事業者と契約した一つ以上の電力需要家の負
    荷設備との間が、電力会社の送電線網を介して電力線で
    結ばれており、前記特定規模電気事業者において需給調
    整システムを備え、予め決められた時間幅の各々の時間
    幅が始まる前に前記需要家の該時間帯における需要電力
    量の合計を予測し、それに前記発電機の送出電力量の合
    計が一致するように各発電量を計画し、前記電力需要家
    における各需要電力量と前記発電機より電力会社の送配
    電網に送出する電力の各電力量の各データを通信手段に
    て受けて、合計需要電力量実績と合計送出電力量実績を
    計算し、該時間幅における合計需要電力量実績と合計送
    出電力量実績が一致するように送出量を調整する需給調
    整システムに用いるものであって、該時間幅を含む範囲
    のグラフに、該時間幅の基点から現在までのデータにつ
    いては、(A)送出電力量計画値合計と需要電力量予測
    値合計の差の時間的推移、及び(B)送出電力量実績値
    合計と需要電力量実績値合計の差の時間的推移を、また
    現在以降の時間帯のデータについては、(C)送出電力
    量計画値合計と需要電力量予測値合計との差の時間的推
    移を、夫々表示する機能を備えていることを特徴とする
    電力需給調整運転員用表示装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、更に、該時間幅を含む
    範囲のグラフに、該時間幅の基点から現在までの時間帯
    のデータについては、(D)需要電力量予測値合計の時
    間的推移及び(E)送出電力量計画値合計の時間的推
    移、及び/または(F)送出電力量実績値合計の時間的
    推移及び(G)需要電力量実績値合計の時間的推移、を
    併せて表示する機能を備えていることを特徴とする電力
    需給調整運転員用表示装置。
  10. 【請求項10】請求項8または9において、更に、該時
    間幅を含む範囲のグラフに、現在以降の時間帯のグラフ
    表示については、(H)需要電力量予測値合計の時間的
    推移及び(I)送出電力量計画値合計の時間的推移を併
    せて表示する機能を備えていることを特徴とする電力需
    給調整運転員用表示装置。
  11. 【請求項11】請求項8乃至11のいずれかにおいて、
    更に、現時点における、(J)送出電力量計画値合計と
    需要電力量予測値合計との偏差、(K)送出電力量実績
    値合計と需要電力量実績値合計との偏差、(L)送出電
    力量計画値合計と需要電力量予測値合計との偏差(b)
    及び送出電力量実績値合計と需要電力量実績値合計との
    偏差(a)との偏差(c=b−a)、を数値表示する機
    能を備えていることを特徴とする電力需給調整運転員用
    表示装置。
  12. 【請求項12】請求項8乃至11のいずれかにおいて、
    (M)現在の時間幅において残りの時間で送出電力量実
    績値合計と需要電力量実績値合計の偏差をゼロにするた
    めに、送出計画値合計から増やすべき送出電力合計を計
    算し表示する機能を備えていることを特徴とする電力需
    給調整運転員用表示装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、更に(N)現在の
    時間幅において残りの時間で送出電力量実績値合計と需
    要電力量実績値合計の偏差をゼロにするために、更に各
    発電機における送出計画値から増やすべき送出電力を計
    算し表示する機能を備えていることを特徴とする電力需
    給調整運転員用表示装置。
  14. 【請求項14】請求項8乃至13のいずれかにおいて、
    前記表示はオンラインリアルタイムでなされることを特
    徴とする電力需給調整運転員用表示装置。
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