JP2002341171A - 光ファイバ融着部の補強部材 - Google Patents

光ファイバ融着部の補強部材

Info

Publication number
JP2002341171A
JP2002341171A JP2001314231A JP2001314231A JP2002341171A JP 2002341171 A JP2002341171 A JP 2002341171A JP 2001314231 A JP2001314231 A JP 2001314231A JP 2001314231 A JP2001314231 A JP 2001314231A JP 2002341171 A JP2002341171 A JP 2002341171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
reinforcing member
surface layer
glass
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001314231A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3952136B2 (ja
Inventor
Hiroaki Morigami
弘昭 森上
Hiroyuki Kaneki
博之 金木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2001314231A priority Critical patent/JP3952136B2/ja
Publication of JP2002341171A publication Critical patent/JP2002341171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3952136B2 publication Critical patent/JP3952136B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低熱膨張の結晶化ガラスの量産が
容易である利点を維持しつつ、信頼性を向上させる高い
機械的強度を有する光ファイバ融着部の補強部材を提供
する。 【解決手段】 本発明の光ファイバ融着部の補強
部材13、14は、低熱膨張の結晶化ガラスからなる略
板状又は棒状で、融着部を有する光ファイバに対向して
略平行となる表面13a、13b、14a、14bに、
β−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−スポジュメ
ン結晶析出時の表面層を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの融着
部を補強するために用いられる補強部材に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを接続する方法の一つに、そ
れぞれの光ファイバの先端同士を突き合わせた状態で加
熱して融着する方法がある。また、光ファイバカプラの
一種に、複数本の光ファイバを並列させて加熱し融着し
た後、延伸して細径とする融着型カプラと称されるもの
がある。このような光ファイバの融着部を、折損等から
保護するために接着剤を介して補強部材で固定し補強す
る等の処置がなされ、光ファイバの接続部や光ファイバ
カプラの信頼性向上が図られている。
【0003】光ファイバの融着部の固定に用いられる補
強部材は、図4に示すように、光ファイバ1の融着部2
を上下から挟む一対の板状又は棒状の部材からなるもの
があるが、このような補強部材3、4を用いて光ファイ
バ1の融着部2を固定するには、予め一方の補強部材4
の上面に、加熱により軟化して冷却により短時間で硬化
する熱可塑性の接着剤5を塗布または貼り付けて固着し
ておき、その上に、融着部2が補強部材4の略中央に位
置するように光ファイバ1を載置し、さらにその上に、
同様に接着剤5を塗布または貼り付けて固着したもう一
方の補強部材3を重ねて上下の補強部材3、4を加熱し
て接着し、融着部2を固定することにより補強する方法
が採用されている。
【0004】上記の光ファイバ1の融着部2を固定する
のに用いられる補強部材3、4としては、石英系の光フ
ァイバ1の融着部2を固定する部位において、環境温度
の変化により部材の熱膨張差に起因する応力が光ファイ
バ1に生じず、変形等を起こさせることがない材料が好
適とされ、このような条件を満たす材料として低熱膨張
の石英ガラスや結晶化ガラス等が知られている。
【0005】また、補強部材3、4には、丸棒又は管を
半割りにした棒状のものや、板状のものなど、種々の形
状のものが存在する。
【0006】従来、上記の丸棒を半割りにした棒状の補
強部材3は、例えば、図5示すような工程を経て作製さ
れている。まず、ガラス生地をダウンドロー法又はアッ
プドロー法により丸棒状に成形し、図5(A)に示すよ
うな丸棒状のガラスを熱処理炉7に導入し、温度制御し
ながら熱処理してガラス内部に微結晶を析出させて結晶
化ガラスの丸棒Mを得る。この結晶化ガラスの丸棒Mを
ダイヤモンド回転砥石で半径方向に向かって所定の形状
まで研削して図5(B)に示すような略半月形の横断面
を有する棒状の結晶化ガラスM’を得、この棒状の結晶
化ガラスを、図5(C)に示すように所定の長さに切断
して、一方の面が平坦面で、他方の面が略半月形の凸面
をした補強部材3を作製している。
【0007】また、平板状の補強部材4は、結晶化ガラ
スの板状体を所定の厚さに研削・研磨した後、切断する
ことにより作製されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記、補強部材3、4
の材料である結晶化ガラスは、析出した結晶の硬度が高
いために切断や切削等の加工が容易でなく、しかも、こ
のような機械加工を行う際に、抗折応力が集中する部位
となる光ファイバ1の融着部2を固定する部位である補
強部材3の表面3aに潜傷等の微細クラックが入り、機
械的強度が低下する原因になっている。
【0009】この対策として、従来、結晶化ガラスから
なる補強部材3、4は、結晶化ガラスからなる材料に切
断や研削等の機械加工を施して所定の寸法形状に仕上げ
た後に、機械的強度を向上させるためにイオン交換によ
る処理が行われている。
【0010】このようなイオン交換処理は、ガラスを加
熱した溶融塩中に浸漬させ、ガラス中の元素の半径が小
さいNa等のアルカリイオンと溶融塩の元素の半径が大
きいK等のアルカリイオンとを置換することにより、ガ
ラスの表面層に圧縮応力を形成させて強度を増大させる
ガラスの強化法であり、風冷強化等の他のガラス強化法
に比べて、高い強度が得られる、形状、肉厚等の制限を
受けない、変形が起こらないため高い寸法精度が得られ
る等の長所を備えている。
【0011】しかしながら、イオン交換処理には長時間
を要するためコスト高になるという問題があった。
【0012】また、光ファイバ1の融着部2の補強部材
3は、従来、丸棒状ガラスの成形、結晶化、研削、切断
等、その完成までには多くの工程を経る必要があり、し
かも、最終的に完成品として利用されるのは材料である
丸棒状のガラスの20%余に過ぎず、大部分が加工によ
るガラス屑となるため材料の利用率は極めて低かった。
【0013】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、低熱膨張の結晶化ガラスの利点を維持しつつ、
融着された光ファイバ接続部や光ファイバカプラの信頼
性を向上させるに足りる高い機械的強度を有し、かつ安
価に製造することができる光ファイバ融着部の補強部材
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の光ファイバ融着部の補強部材は、低熱膨
張の結晶化ガラスからなり、光ファイバに略平行となる
冷間加工が施された加工面を有する略板状又は棒状の光
ファイバ融着部の補強部材において、前記加工面に、β
−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−スポジュメン
結晶析出時の表面層を有することを特徴とする。
【0015】本発明の光ファイバ融着部の補強部材にお
いて、光ファイバに略平行となる冷間加工が施された加
工面を有するとは、ガラス材料や結晶化ガラス材料に切
削、研削、研磨等の冷間加工を施すことにより、光ファ
イバに略平行となる表面が加工面になっていることであ
り、溶融ガラスや軟化状態のガラスから直接最終形状に
成形された後に結晶化処理された先記の丸棒等の補強部
材は含まないことを意味するものである。また、融着部
を有する光ファイバと略平行となる表面にあるβ−石英
固溶体結晶(β−SiO2 solid solutio
n)の表面層又はβ−スポジュメン固溶体結晶(β−L
2O・Al23・4SiO2 solid solut
ion)の表面層は、加熱処理されることにより析出し
た時のままのものであり、研削加工により表面層が除去
されて内部から露出したβ−石英固溶体結晶又はβ−ス
ポジュメン結晶とは構成上異なるものである。
【0016】本発明の光ファイバ融着部の補強部材に使
用する低熱膨張の結晶化ガラスとしては、光ファイバ融
着接続部の補強には、β−石英固溶体結晶を主結晶とし
て透明である日本電気硝子株式会社製のネオセラムN−
0等が適しており、また、温度変化の影響に対してより
厳しい要求がなされる光ファイバカプラ等の補強には、
膨張係数が光ファイバを構成する石英ガラスの熱膨張係
数に適合させることが可能であるので、β−スポジュメ
ン結晶を主結晶として白色を呈する日本電気硝子株式会
社製ネオセラムN−11等が適している。
【0017】また、本発明の光ファイバ融着部の補強部
材は、抗折強度に係わる長手方向中央部の表面が、β−
石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−スポジュメン結
晶析出時の表面層により被覆されていることを特徴とす
る。
【0018】光ファイバ融着部の補強部材の抗折強度に
係わる長手方向中央部の表面とは、光ファイバ融着部の
補強部材に曲げモーメント荷重が負荷された場合に抗折
応力が集中する部位の表面を意味しており、細長い形状
のものでは長手方向中央部が抗折応力の集中する部位と
なる。補強部材のこのような部位の表面をβ−石英固溶
体結晶析出時の表面層又はβ−スポジュメン結晶析出時
の表面層が被覆していることが、負荷の方向性に関係な
く抗折強度に代表される機械的強度を維持する上で重要
である。
【0019】また、本発明の光ファイバ融着部の補強部
材は、融着部を有する光ファイバと略平行となるほぼ全
表面が、β−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−ス
ポジュメン結晶析出時の表面層により被覆されているこ
とを特徴とする。
【0020】融着部を有する光ファイバと略平行となる
ほぼ全表面がβ−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ
−スポジュメン結晶析出時の表面層が被覆されていると
は、β−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−スポジ
ュメン結晶析出時の表面層により光ファイバ融着部の補
強部材の全表面が被覆されている場合や、全表面が被覆
されている低熱膨張の結晶化ガラスからなる長尺材料を
切断加工した際に、抗折強度に殆ど係わらない端部及び
その付近の表面だけがβ−石英固溶体結晶析出時の表面
層又はβ−スポジュメン結晶析出時の表面層で被覆され
ていない場合を意味している。
【0021】
【作用】本発明の光ファイバ融着部の補強部材は、低熱
膨張の結晶化ガラスからなるので、補強部材で固定され
た光ファイバ融着部に著しい熱応力を発生させることが
なく、光ファイバに略平行となる冷間加工が施された加
工面に、β−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−ス
ポジュメン結晶析出時の表面層を有するので、加傷や潜
傷等を起因とする微細クラックが成長せず、高い機械的
強度を有する。
【0022】また、本発明の光ファイバ融着部の補強部
材は、抗折強度に係わる長手方向中央部の表面が、β−
石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−スポジュメン結
晶析出時の表面層により被覆されているので、負荷の方
向性に関係なく補強部材の高い抗折強度を維持すること
ができる。
【0023】また、本発明の光ファイバ融着部の補強部
材は、融着部を有する光ファイバと略平行となるほぼ全
表面が、β−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−ス
ポジュメン結晶析出時の表面層により被覆されているの
で、全表面が被覆されている低熱膨張の結晶化ガラスか
らなる長尺材料から高い機械的強度を有する光ファイバ
融着部の補強部材を効率的に作製することが可能とな
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光ファイバ融着
部の補強部材を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【0025】図1は本発明に係る光ファイバ融着部の補
強部材の斜視図、図2は本発明に係る光ファイバ融着部
の補強部材の製造工程を示す説明図、先記した図3は光
ファイバの融着部を補強部材で固定するときの分解斜視
図である。各図において、11は光ファイバを、12は
融着部を、13、14は補強部材を、15は接着剤をそ
れぞれ示している。
【0026】光ファイバ1としては、単芯、複数芯のも
のがあるが、いずれでもよい。光ファイバ1の融着部2
としては、光ファイバ1の先端同士を突き合わせて加熱
し融着接続されたもの、あるいは光ファイバカプラのよ
うに、複数本の光ファイバ1を並列させて加熱し融着し
た後、延伸して細径として形成されるもの等がある。
【0027】補強部材13、14は、図1に示すよう
に、所定の寸法形状を有して、少なくとも光ファイバ1
1の融着部12との対向面を含む略平行面13a、13
b、14a、14bに熱処理によって、β−石英固溶体
結晶析出時の表面層が形成されて表面が覆われている。
例えば、日本電気硝子株式会社製ネオセラムN−0又は
β−スポジュメン結晶析出時の表面層を保有する、例え
ば、日本電気硝子株式会社製ネオセラムN−11等の低
熱膨張の結晶化ガラスからなる。補強部材13、14の
熱膨張係数としては、光ファイバ11を構成する石英ガ
ラスの熱膨張係数4×10-7/Kと略同等のものが好適
である。
【0028】また、透明性を有するネオセラムN−0等
の結晶化ガラスを使用して光ファイバ11の融着部12
と略平行な表面13a、13b、14a、14bにβ−
石英固溶体結晶析出時の表面層を保有する補強部材1
3、14を作製すれば、補強作業中及び補強後に光ファ
イバ11の融着部12の状態を外部から観察することが
でき、さらに、略半月形の横断面を有する補強部材13
であれば、レンズ作用により光ファイバ11の融着部1
2の状態が拡大されてよりよく観察することができる。
【0029】先記した図3に示す接着剤5としては、加
熱により軟化溶融し、冷却により短時間で硬化する熱可
塑性の接着剤が適しており、透明なものがより好まし
い。
【0030】本発明の実施例として、熱膨張係数が−6
×10-7/Kと、光ファイバを構成する石英ガラスの熱
膨張係数である4×10-7/Kと略同等で小さく、弧の
長さ8.7mm、弦の長さ7.7mm、高さ1.8mm
の略半月形の横断面を有して長さ40mmの寸法を有す
る補強部材13の試料を50本準備した。
【0031】比較例1として、研削により弧の長さ8.
7mm、弦の長さ7.7mm、高さ1.8mmの略半月
形の横断面を有し、長さ40mmの寸法を有する補強部
材の試料を50本準備した。
【0032】比較例2として、研削により研削により弧
の長さ8.7mm、弦の長さ7.7mm、高さ1.8m
mの略半月形の横断面を有し、長さ40mmの寸法を有
する棒状体を作製した後、イオン交換処理により強化し
た補強部材の試料を50本準備した。
【0033】実施例及び比較例1、2の抗折強度を評価
するために、各試料の3点曲げ強度試験を行った。測定
条件は、島津製作所製オートグラフ試験器(型番AGS
−500D)を使用し、使用ポンチの先端Rが6mm、
スパン=30mm、クロスヘッドスピード=0.5mm
/分の条件で破壊荷重の測定を行った。その結果を表1
に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例の補強部材3は、3.3〜7.5k
gf、平均5.8kgfの高い破壊荷重となる抗折強度
を有するものであり、実際に使用されているイオン交換
処理により強化されている比較例2と遜色なく、実用に
耐え得るものとなっている。
【0036】これに対して、比較例1の補強部材は、破
壊荷重が2.8〜8.0kgf、平均5.0kgfと、
補強部材としては信頼性に劣るレベルの抗折強度であっ
た。
【0037】また、略半月形の横断面を有するβ−石英
固溶体結晶が析出した結晶化ガラスからなる補強部材3
は、上記の特性に加えて可視光線の透過率が85%以上
で、高い透明性を有するもので、補強作業中及び補強後
に光ファイバ11の融着部12の状態を外部から観察す
ることができ、レンズ作用により光ファイバ11の融着
部12の状態が拡大されてよりよく観察することができ
るので、容易に補強作業ミスの有無を確認することがで
きた。
【0038】次に、本発明に係る光ファイバ融着部の補
強部材の製造方法を説明する。
【0039】本発明の光ファイバ融着部の透明な補強部
材13は、図2に示すような工程を経て製造されるま
ず、質量%でSiO2 67%、Al23 23%、L
2O 4%、TiO 2 2%、ZrO2 3%、P23
1%の組成からなるガラス原料を溶融して得られるガ
ラス生地を、表面に断面が略半月形の凹部を複数列形成
したロ−ラと、表面が無地の平坦面であるローラとが一
定の間隔を空けて上下に対向配置され、それぞれのロー
ラが回転するロール成形装置(図示省略)に供給し、回
転する両ローラの隙間を通過させると、ガラス生地の片
面にローラに形成された断面が略半月形の凹部が転写さ
れ、図2(A)に示すような片面に横断面が略半月形の
凸部を複数列有する長さ90mmの型板ガラスGを得
る。
【0040】次いで、この型板ガラスGを40mmの長
さに切断し、片面に形成された略半月形の横断面の弦に
沿ってダイヤカッターホイール、ワイヤーソー等で切り
離すことにより、図2(B)に示すように、弧の長さ
8.7mm、弦の長さ7.7mm、高さ1.8mmの略
半月形の横断面を有する長さ40mmの棒状のガラスを
分離することによりガラス部材G’を作製する。
【0041】最後に、このガラス部材G’を図2(C)
に示す熱処理炉10に導入し、850〜950℃の高温
雰囲気中で温度制御しながら1時間保持すると、ガラス
部材G’に数nmの表面層を保有するβ−石英固溶体結
晶が析出してガラス部材G’が結晶化して、所望の補強
部材13が完成する。
【0042】なお、片面に横断面が略半月形の凸部を複
数列有する型板ガラスGを得るには、上記の方法に限ら
ず、表面に半径5.0mmの円の一部を切欠いてできる
弧の長さ8.7mm、弦の長さ7.7mm、高さ1.8
mmの断面が略半月形の凹部を複数列形成した雄型と、
表面が無地の平坦面である雌型とからなるプレス成形装
置(図示省略)を用いて、雌型の表面に載置したガラス
生地に雄型を押付け、雄型に形成された断面が略半月形
の凹部を転写する方法によっても可能である。
【0043】上記の補強部材13を1500個製造する
のに要する時間は1時間であり、従来の製造方法に比べ
て3分の1と大幅に短縮された。
【0044】なお、本発明の光ファイバ融着部の補強部
材にイオン交換処理を施し、結晶化ガラスの表面層に圧
縮応力を形成させて強度を増大させると、機械的強度が
一層高くなり、さらに信頼性の高い補強部材が得られ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バ融着部の補強部材は、低熱膨張の結晶化ガラスからな
るので、周囲の温度変化に対しても変形を来さず、補強
部材で固定された光ファイバ融着部に著しい熱応力を発
生させることがなく、かつ、融着部を有する光ファイバ
に略平行となる冷間加工が施された加工面に、β−石英
固溶体結晶析出時の表面層又はβ−スポジュメン結晶析
出時の表面層が形成され被覆されているので、光ファイ
バ融着部を固定する部位に加傷や潜傷等に起因する微細
クラックが成長せず、光ファイバ融着部の補強部材に求
められる十分な機械的強度を有し、光ファイバ融着部の
信頼性を向上させることができる。
【0046】また、本発明の光ファイバ融着部の補強部
材は、抗折強度に係わる長手方向中央部の表面がβ−石
英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−スポジュメン結晶
析出時の表面層により被覆されているので、負荷の方向
性に関係なく補強部材の高い抗折強度を維持することが
できる。
【0047】さらに、本発明の光ファイバ融着部の補強
部材は、融着部を有する光ファイバと略平行となるほぼ
全表面がβ−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−ス
ポジュメン結晶析出時の表面層により被覆されているの
で、全表面が結晶析出時の表面層で被覆されている低熱
膨張の結晶化ガラスからなる長尺材料から高い機械的強
度を有する光ファイバ融着部の補強部材を効率的に作製
することが可能となる実用上極めて優れた効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ融着部の補強部材を示す説
明図であって、(A)は、略半月形の横断面を有する補
強部材の斜視図を、(B)は板状の補強部材の斜視図。
【図2】本発明の光ファイバ融着部の補強部材を作製す
る工程を示す説明図であって、(A)は片面に横断面が
略半月形の凸部を複数列有する形成された型板ガラス、
(B)は横断面が略半月形の棒状ガラスと、残部の板状
ガラスとに分離する説明図、(C)は切断されて所要の
寸法形状を有するガラス部材を熱処理炉で結晶化する説
明図。
【図3】光ファイバ融着部を本発明の補強部材で固定・
保護するときの分解斜視図。
【図4】光ファイバ融着部を従来の補強部材で固定・保
護するときの分解斜視図。
【図5】従来の光ファイバ融着部補強部材の製造方法を
示す説明図であって、(A)は丸棒状ガラスを熱処理炉
で結晶化する説明図、(B)は半径方向に向かって研削
し略半月形の横断面を有する棒状の結晶化ガラスに加工
する説明図、(C)は従来の製造方法で得られる補強部
材の説明図。
【符号の説明】
1、11 光ファイバ 2、12 融着部 3、4、13、14 補強部材 5、15 接着剤 7、10 熱処理炉 13a、13b、14a、14b 表面 G 型板ガラス G’ ガラス部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低熱膨張の結晶化ガラスからなり、光フ
    ァイバに略平行となる冷間加工が施された加工面を有す
    る略板状又は棒状の光ファイバ融着部の補強部材におい
    て、 前記加工面に、β−石英固溶体結晶析出時の表面層又は
    β−スポジュメン結晶析出時の表面層を有することを特
    徴とする光ファイバ融着部の補強部材。
  2. 【請求項2】 抗折強度に係わる長手方向中央部の表面
    が、β−石英固溶体結晶析出時の表面層又はβ−スポジ
    ュメン結晶析出時の表面層により被覆されていることを
    特徴とする請求項1に記載の光ファイバ融着部の補強部
    材。
  3. 【請求項3】 融着部を有する光ファイバと略平行とな
    るほぼ全表面が、β−石英固溶体結晶析出時の表面層又
    はβ−スポジュメン結晶析出時の表面層により被覆され
    ていることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ融
    着部の補強部材。
JP2001314231A 2001-03-12 2001-10-11 光ファイバ融着部の補強部材 Expired - Fee Related JP3952136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001314231A JP3952136B2 (ja) 2001-03-12 2001-10-11 光ファイバ融着部の補強部材

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001068627 2001-03-12
JP2001-68627 2001-03-12
JP2001314231A JP3952136B2 (ja) 2001-03-12 2001-10-11 光ファイバ融着部の補強部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002341171A true JP2002341171A (ja) 2002-11-27
JP3952136B2 JP3952136B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=26611052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001314231A Expired - Fee Related JP3952136B2 (ja) 2001-03-12 2001-10-11 光ファイバ融着部の補強部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3952136B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3952136B2 (ja) 2007-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3920432A (en) Method of fabricating an optical fiber ribbon
EP0257841B1 (en) Reinforcement for optical-fiber joint
US7616857B2 (en) Optical fiber array substrate
KR102385315B1 (ko) 유리 제품 및 이의 형성 방법
US3899315A (en) Method of making glass clad glass lenses
US4102664A (en) Method for making glass articles with defect-free surfaces
CN109843823A (zh) 化学强化用玻璃、化学强化玻璃以及化学强化玻璃的制造方法
CN113646278A (zh) 微晶玻璃和化学强化玻璃以及它们的制造方法
US4397669A (en) Method for the precision moulding of glass articles, method of manufacturing a mould, and mould for the precision moulding of glass articles
US3989495A (en) Method of making optical prisms
EP1484622A1 (en) Prism and method of producing the same
JP2002341171A (ja) 光ファイバ融着部の補強部材
JP2002341172A (ja) 光ファイバ融着部補強部材の製造方法
JPH08248227A (ja) 偏光ガラス及びその製造方法
EP1375442A1 (en) Method of direct bonding and crystallisation of Glass
US10336642B2 (en) Method for manufacturing formed glass and heating apparatus
KR20190086223A (ko) 곡면 접합 유리 및 곡면 접합 유리의 제조 방법
JP4106616B2 (ja) 光ファイバアレイ用基板の製造方法
JPS6332731B2 (ja)
KR20220118994A (ko) 유리 물품의 제조 방법 및 유리 물품
US20030230113A1 (en) Methods for manufacturing glass articles
JP3692511B2 (ja) 結晶性ガラスの延伸成形方法
US3915723A (en) Photochromic multifocal lenses and method of fabrication thereof
JPS6155614A (ja) 光フアイバ接続部の補強部材
CN116354591A (zh) 一种玻璃制品生产工艺

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3952136

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees