JP2002340756A - 位置決めマーカおよび位置決め装置 - Google Patents

位置決めマーカおよび位置決め装置

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JP2002340756A JP2001140859A JP2001140859A JP2002340756A JP 2002340756 A JP2002340756 A JP 2002340756A JP 2001140859 A JP2001140859 A JP 2001140859A JP 2001140859 A JP2001140859 A JP 2001140859A JP 2002340756 A JP2002340756 A JP 2002340756A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる倍率の観察領域間において相互に伝達
可能な情報を有し、倍率の大きな観察領域における高精
度と倍率の小さい観察領域における高速性とを利用可能
にする。 【解決手段】 位置決めマーカ1は、骨格マーカ2とデ
ータマーカ3とが組合せて構成され、骨格マーカ2とデ
ータマーカ3とは、順次的に相互に異なる倍率に設定さ
れる観察領域の現倍率と各隣接する倍率とに対応して存
在する。骨格マーカ2は2次元座標を構成し、データマ
ーカ3は、隣接する倍率のうち大きい方の倍率における
座標原点の位置に関する情報Pm(x,y)と、観察領
域の現倍率、隣接する倍率のうち大きい方の倍率および
隣接する倍率のうち小さい方の倍率における座標スケー
ル情報Sc,Sm,SMとを備えるので、倍率の異なる
観察領域の間を情報伝達することによって移行し位置決
めをすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体表面における
観察および加工などの目標位置の位置決めに用いられる
位置決めマーカおよび位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今のエレクトロニクス分野における技
術の進展には著しいものがあり、特にコンピュータに関
する技術の高度化および複雑化は目覚しく、コンピュー
タ技術の進展は、微細加工技術の向上にともなう電子デ
バイスの高集積化および微細化によって実現されてい
る。微細加工および微細加工後の品質評価などを行う際
には、被加工物の全体を対象とする小さい倍率のマクロ
領域から、被加工物の微細な局部を対象とする大きい倍
率のミクロ領域までを観察する必要がある。
【0003】微細加工に必要なミクロ領域を観察する倍
率で、物体全体を観察しようとすると、分解能が大きく
位置決めに必要とされるデータの量が膨大になり過ぎる
ので、データの処理時間が長くなりまた処理方法が複雑
になる。同一の観察装置を用いた場合でも、観察倍率を
変化させてマクロ領域からミクロ領域までの位置決めを
行うと、装置の計測部が観察中に生じる温度ドリフト等
の影響を受けて計測結果に変動が生じるので、一旦観察
領域をミクロ領域からマクロ領域に移行し、再度マクロ
領域からミクロ領域に移行して観察を行おうとしても同
一の位置に戻ることが困難である。
【0004】またミクロ領域での一つの位置における作
業から、マクロ的なスケールで離反した別の位置におけ
る作業に移行するとき、分解能が大きいミクロ領域のま
ま移行しようとすると、ミクロ領域のスケールでの移動
量が大きいので、正確に移動させることが困難となり、
また移動に要する時間が多大になる。
【0005】そこで、マクロ領域とミクロ領域との観察
倍率に対応した複数の装置を用い、マクロ領域およびミ
クロ領域での物体の移動と位置決めとを、各装置によっ
てそれぞれ分担することが行われている。しかしなが
ら、装置が異なると物体の移動と位置決めという同一の
作業を実施しても、装置間における物体を移動させる駆
動系の相違および計測部の誤差等によって得られる位置
情報が異なるので、ミクロ領域における物体の位置決め
を正確に行うことができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決するために、各倍率の観察領域ごとに位置決めの目標
とするべくマーカを物体に形成することが行われてい
る。しかしながら、従来のマーカには以下のような問題
がある。
【0007】従来の物体の位置決めに使用されているマ
ーカは、倍率の小さいマクロ領域におけるマーカと、倍
率の大きいミクロ領域におけるマーカとの間には何ら関
連付けがなされていない。すなわちマクロ領域に形成さ
れたマーカは、あくまでもマクロ領域内における位置決
めの目印として使用されるのみであり、またミクロ領域
に形成されたマーカはミクロ領域内における位置決めの
目印として使用されるのみである。
【0008】したがって、特に倍率の小さいマクロ領域
においてマーカを目印として位置決めを行った後、倍率
の大きいミクロ領域に移行して位置決めを行うとき、観
察倍率が大きく1観察視野の面積が小さくなるので、観
察領域の倍率を拡大した際に、ミクロ領域に形成された
マーカを観察視野内に捕捉することが難しい。ミクロ領
域に形成されたマーカを観察視野内に捕捉することが難
しいので、マーカの検索および捕捉に多大な時間を要す
るばかりでなく、マーカを捕捉することができずミクロ
領域における位置決めを断念せざるを得ないという問題
がある。
【0009】またミクロ領域における観察視野内にマー
カを捕捉することができたとしてもマーカは単なる目印
に過ぎず、さらにマーカを目印として機械的に観察視野
を移動して目標位置を検索しなければならないので、観
察または加工などの目標位置の位置決めを完了するまで
に長時間を要するという問題がある。
【0010】本発明の目的は、異なる倍率の観察領域間
において相互に伝達することのできる座標位置と座標ス
ケールとに関する情報を有し、倍率の大きな観察領域に
おける高精度と倍率の小さい観察領域における高速性と
を、位置決めに利用可能な位置決めマーカおよび位置決
め装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、物体表面の観
察すべき領域の倍率を変化して位置決めを行うために用
いる位置決めマーカにおいて、骨格マーカとデータマー
カとが組合せて構成され、骨格マーカとデータマーカと
は、順次的に相互に異なる倍率に設定される観察すべき
領域の現倍率と各隣接する倍率とに対応して存在し、骨
格マーカは、4個の個別骨格マーカからなり、個別骨格
マーカの重心を頂点とする仮想4角形における対向する
個別骨格マーカの重心をそれぞれ結ぶ直線は交差し、こ
れら2つの直線によって物体表面の2次元座標を構成
し、データマーカは、個別骨格マーカ相互間に形成され
る複数の個別データマーカからなり、隣接する倍率のう
ち大きい方の倍率における座標の原点の位置に関する情
報{Pm(x,y)}と、現倍率における座標のスケ−
ル情報(Sc)と、隣接する倍率のうち大きい方の倍率
における座標のスケール情報(Sm)と、隣接する倍率
のうち小さい方の倍率における座標のスケール情報(S
M)とを備えることを特徴とする位置決めマーカであ
る。
【0012】本発明に従えば、位置決めマーカは、現倍
率の観察すべき領域に関する情報とともに隣接する倍率
の観察すべき領域に関する情報も備えるので、位置決め
マーカの備える情報に基づいて、隣接する倍率が異なる
観察すべき領域の間を移行することができる。特に、隣
接する倍率のうち大きい方の倍率の観察すべき領域に移
行するとき、観察すべき領域の視野が小さくなるけれど
も、位置決めマーカの備える情報に基づいて観察すべき
領域を移行するので、小さい面積である観察すべき領域
の視野を確実に捕捉して移行することができる。
【0013】また位置決めマーカは、順次的に相互に異
なる倍率に設定される観察すべき領域の現倍率と各隣接
する倍率とに対応して存在するので、倍率が小さく視野
の面積が大きな観察すべき領域では、視野を高速度で広
範囲に移動し位置決めをすることができ、倍率が大きく
視野の面積が小さな観察すべき領域では、位置決めマー
カの位置情報に基づいて高精度で位置決めをすることが
できる。また物体表面に位置決めマーカが形成されるの
で、相異なる複数の観察装置によって位置決めする場合
であっても、装置間の位置情報に誤差が生じることがな
く精度のよい位置決めをすることができる。
【0014】また本発明は、物体表面の観察すべき領域
の倍率を変化して位置決めを行うために用いる位置決め
マーカにおいて、骨格マーカとデータマーカとが組合せ
て構成され、骨格マーカとデータマーカとは、順次的に
相互に異なる倍率に設定される観察すべき領域の現倍率
と隣接する小さい方の倍率とに対応して存在し、骨格マ
ーカは、4個の個別骨格マーカからなり、個別骨格マー
カの重心を頂点とする仮想4角形における対向する個別
骨格マーカの重心をそれぞれ結ぶ直線は交差し、これら
2つの直線によって物体表面の2次元座標を構成し、デ
ータマーカは、個別骨格マーカ相互間に形成される複数
の個別データマーカからなり、現倍率における位置決め
すべき目標位置に関する情報{Pc(x,y)}と、現
倍率における座標のスケ−ル情報(Sc)と、隣接する
倍率のうち小さい方の倍率における座標のスケール情報
(SM)とを備えることを特徴とする位置決めマーカで
ある。
【0015】本発明に従えば、位置決めマーカが、物体
表面に形成されるので、相異なる複数の観察装置によっ
て位置決めする場合であっても、装置間の位置情報に誤
差が生じることがなく精度のよい位置決めをすることが
でき、位置決めマーカの備える情報に基づいて隣接する
倍率の観察すべき領域の間を移行することができる。ま
た位置決めマーカのデータマーカに備わる位置情報は、
現倍率における位置決めすべき目標位置に関する情報
{Pc(x,y)}であり、スケール情報は、現倍率に
おける座標スケ−ル情報(Sc)と隣接する倍率のうち
小さい方の倍率における座標スケール情報(SM)とか
らなるので、目標とする最大倍率の観察すべき領域であ
ることが認識可能であり、目標とする観察または加工な
どの高精度の位置決めをすることができる。
【0016】また本発明は、物体表面の観察すべき領域
の倍率を変化して位置決めを行うために用いる位置決め
マーカにおいて、骨格マーカとデータマーカとが組合せ
て構成され、骨格マーカとデータマーカとは、順次的に
相互に異なる倍率に設定される観察すべき領域の現倍率
と隣接する大きい方の倍率とに対応して存在し、骨格マ
ーカは、4個の個別骨格マーカからなり、個別骨格マー
カの重心を頂点とする仮想4角形における対向する個別
骨格マーカの重心をそれぞれ結ぶ直線は交差し、これら
2つの直線によって物体表面の2次元座標を構成し、デ
ータマーカは、個別骨格マーカ相互間に形成される複数
の個別データマーカからなり、隣接する倍率のうち大き
い方の倍率における座標の原点の位置に関する情報{P
m(x,y)}と、現倍率における座標のスケ−ル情報
(Sc)と、隣接する倍率のうち大きい方の倍率におけ
る座標のスケール情報(Sm)とを備えることを特徴と
する位置決めマーカである。
【0017】本発明に従えば、位置決めマーカが、物体
表面に形成されるので、相異なる複数の観察装置によっ
て位置決めする場合であっても、装置間の位置情報に誤
差が生じることがなく精度のよい位置決めをすることが
でき、位置決めマーカの備える情報に基づいて隣接する
倍率の観察すべき領域の間を移行することができる。ま
た位置決めマーカのデータマーカにおける位置情報は、
隣接する倍率のうち大きい方の倍率における座標原点の
位置に関する情報{Pm(x,y)}であり、スケール
情報は、現倍率における座標スケ−ル情報(Sc)と隣
接する倍率のうち大きい方の倍率における座標スケール
情報(Sm)とからなるので、目標とする最小倍率の観
察すべき領域であることが認識可能であり、観察すべき
領域の視野を高速度で広範囲に移動し位置決めをするこ
とができる。
【0018】また本発明は、4個の個別骨格マーカのう
ち、1個が残余の3個の個別骨格マーカとは異なって形
成されることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、4個の個別骨格マーカの
うち1個が残余の3個の個別骨格マーカとは異なって形
成されるので、骨格マーカによって形成される2次元座
標のXおよびY軸を容易に決定することができ、またX
およびY軸における正および負の方向を容易に決定する
ことができる。
【0020】また本発明は、前記データマーカは、2値
データによって形成されることを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、データマーカは、2値デ
ータによって形成される。このことによって、簡易な手
段によってデータマーカの認識が可能になるので、たと
えば画像処理装置などによってデータマーカの情報を読
取ることができ、またたとえばバーコード形成装置など
の汎用化されている装置をデータマーカの形成に利用す
ることができる。
【0022】また本発明は、骨格マーカとデータマーカ
とは、隣接する倍率のうち大きい方の倍率の観察すべき
領域の視野を内包する現倍率の観察すべき領域の視野内
に複数個存在することを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、現倍率の観察すべき領域
の視野内には、現倍率の位置決めマーカと、隣接する倍
率のうち大きい方の倍率の観察すべき領域に形成される
位置決めマーカとが含まれる。このことによって、倍率
の大きい観察すべき領域における位置情報を、倍率の小
さい観察すべき領域から容易に検索することが可能にな
る。
【0024】また本発明は、骨格マーカとデータマーカ
とは、順次的に相互に異なる倍率に設定される観察すべ
き領域の現倍率と各隣接する倍率とに対応して存在し、
個別骨格マーカと個別骨格マーカ相互間に形成される個
別データマーカとの相対的な配置が、現倍率と各隣接す
る倍率とにおいて共通であることを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、個別骨格マーカと個別デ
ータマーカとの相対的な配置が、現倍率と隣接する倍率
とにおいて共通である。したがって、位置決めマーカの
形態が、すべての倍率の観察領域において共通になるの
で、観察領域において位置決めマーカを認識して画像処
理するアルゴリズムを同一にすることができる。
【0026】また本発明は、前記いずれか1つの位置決
めマーカを、物体表面の観察すべき領域に形成するマー
キング手段と、物体を移動させる移動手段と、物体表面
の観察すべき領域を倍率可変に観察する観察手段と、前
記位置決めマーカを読取る読取手段と、読取手段の出力
に応答し、移動手段を駆動して物体を移動し、観察手段
の観察倍率を拡大または縮小する制御手段とを含むこと
を特徴とする位置決め装置である。
【0027】本発明に従えば、位置決め装置は、マーキ
ング手段を含むので、順次的に異なる倍率に設定される
物体表面の観察すべき領域に位置決めマーカを形成する
ことができる。また物体表面の観察すべき領域に形成さ
れた位置決めマーカを読取手段によって読取り、読取手
段の出力に応答する制御手段によって、観察手段の観察
倍率を拡大または縮小し、移動手段を駆動して物体を移
動することができる。このことによって、倍率の小さい
観察すべき領域においては物体を広範囲に高速度で移動
させることが可能であり、倍率の大きい観察すべき領域
においては物体を高精度で移動して目的とする位置決め
をすることができる。
【0028】また本発明は、前記の位置決め装置と、位
置決め装置によって位置決めされる物体を加工する加工
手段とを含むことを特徴とする補修装置である。
【0029】本発明に従えば、補修装置は、位置決め装
置に加えてさらに加工手段を含むので、たとえば半導体
デバイスの微細部品などの製造時に生じた不具合部分を
正確に位置決めし、加工手段によって補修することがで
きる。このことによって、製造歩留を向上して製造コス
トを低減し、資源節減の社会的要請に応えることができ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る位置決めマーカ1の構成を簡略化して示す平面図であ
り、図2は図1に示す位置決めマーカ1の分解平面図で
ある。物体表面の観察すべき領域(以後、観察領域と略
称する)の倍率を変化して位置決めを行うために用いる
本実施の形態の位置決めマーカ1は、骨格マーカ2とデ
ータマーカ3とが組合せて構成され、骨格マーカ2とデ
ータマーカ3とは、順次的に相互に異なる倍率に設定さ
れる観察領域の現倍率と各隣接する倍率とに対応して存
在する。ここで倍率とは、物体表面における単位長さを
L1とし、単位長さL1が観察装置に備わる表示手段上
に表示される長さをL2とするとき、長さの比L2/L
1を意味する。
【0031】位置決めマーカ1を構成する骨格マーカ2
は、4個の個別骨格マーカ4,5,6,7からなり、個
別骨格マーカの重心4a,5a,6a,7aを頂点とす
る仮想4角形8における対向する個別骨格マーカの重心
5a,7a,4a,6aをそれぞれ結ぶ直線9,10は
交差し、これら2つの直線、ここではX軸9およびY軸
10によって物体表面の2次元座標を構成する。
【0032】本実施の形態の骨格マーカ2においては、
4個の個別骨格マーカ4,5,6,7のうち、1個の個
別骨格マーカ4の濃度が、残余の3個の個別骨格マーカ
5,6,7の濃度よりも薄く形成される。このことによ
って、骨格マーカ2をたとえば画像処理装置において認
識するとき、1個の個別骨格マーカ4と残余の3個の個
別骨格マーカ5,6,7とを容易に識別することができ
る。濃度の薄い個別骨格マーカ4の重心4aと、前記仮
想4角形8において対向する個別骨格マーカ6の重心6
aとを結ぶ直線をY軸10と定め、個別骨格マーカ4の
存在する方向をY軸10の正方向と定めることができ
る。残る個別骨格マーカ5,7の重心5a,7aを結ぶ
直線をX軸9と定め、前記Y軸10の正方向を時計まわ
りに90度角変位させた方向にX軸9の正方向を定める
ことができる。X軸9とY軸10との交点が2次元座標
系の原点である。このように、1個の個別骨格マーカ4
と残余の3個の個別骨格マーカ5,6,7とが、異なる
ように形成することによって、骨格マーカ2によって形
成される2次元座標のX軸9およびY軸10を容易に決
定することができ、またX軸9およびY軸10における
正および負の方向を容易に決定することができる。
【0033】データマーカ3は、個別骨格マーカ4,
5,6,7相互間に形成される複数の個別データマーカ
11からなり、隣接する倍率のうち大きい方の倍率にお
ける座標原点の位置に関する情報{Pm(x,y)}
と、現倍率における座標スケ−ル情報(Sc)と、隣接
する倍率のうち大きい方の倍率における座標スケール情
報(Sm)と、隣接する倍率のうち小さい方の倍率にお
ける座標スケール情報(SM)とを備える。
【0034】本実施の形態では、データマーカ3は、2
値データによって形成される。すなわち前述の座標原点
の位置情報Pm(x,y)および座標スケール情報S
c,Sm,SMを2値データによって表し、2値データ
による情報は個別データマーカ11の有無を用いて物体
表面に形成される。仮想4角形8の個別骨格マーカ4お
よび5の間にある1辺には、隣接する倍率のうち大きい
方の倍率における座標原点の位置に関する情報{Pm
(x,y)}が形成され、個別骨格マーカ7および4の
間にある1辺には、隣接する倍率のうち大きい方の倍率
における座標スケール情報(Sm)が形成される。また
仮想4角形8の個別骨格マーカ5および6の間にある1
辺には、隣接する倍率のうち小さい方の倍率における座
標スケール情報(SM)が形成され、個別骨格マーカ6
および7の間にある1辺には、現倍率における座標スケ
−ル情報(Sc)が形成される。
【0035】データマーカ3が2値データで表されるこ
とによって、簡易な手段でデータマーカ3を認識するこ
とが可能になるので、たとえば画像処理装置などによっ
てデータマーカ3の情報を読取ることができ、またたと
えばバーコード形成装置などの汎用化されている装置を
データマーカ3の形成に利用することができる。
【0036】図3は位置決めマーカ1,1aが異なる倍
率に設定される観察領域の現倍率と隣接する倍率のうち
大きい方の倍率とに対応して存在する状態を示す平面図
であり、図4は順次的に相互に異なる倍率に設定される
観察領域の概略を示す斜視図であり、図5は順次的に相
互に異なる倍率に設定される観察領域に形成される位置
決めマーカ1の階層構造の概略を示す図である。図3お
よび図4に示すように、ここでは倍率が小さく視野面積
が広範囲におよぶ観察領域をマクロ領域と呼ぶことがあ
り、マクロ領域に比較して相対的に倍率が大きく視野面
積の小さい観察領域をミクロ領域と呼ぶことがある。
【0037】位置決めマーカ1は、順次的に相互に異な
る倍率に設定される観察領域の現倍率と各隣接する倍率
とに対応して存在する。たとえば図3に示すように現倍
率であるFieldAと、隣接する倍率のうち大きい方の倍
率であるFieldBとにおいて位置決めマーカ1および位
置決めマーカ1aが形成される。図3に示す例では、現
倍率であるFieldAと隣接する倍率のうち大きい方の倍
率であるFieldBとの2つの隣接する倍率の観察領域の
みを示すけれども、肉眼または数倍程度の倍率で観察視
野面積が広範囲に及ぶマクロ領域から、たとえば走査型
トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microsc
ope)を観察手段として用いるような原子レベルの分解
能で観察視野面積が極小であるミクロ領域までを、わず
かに2つの観察領域を利用することによって高精度に位
置決めすることは困難である。
【0038】したがって、たとえば図4に示すように、
最小倍率のマクロ領域であるFieldIの観察領域と、最
大倍率のミクロ領域であるFieldVの観察領域との間
に、中間の倍率の観察領域が複数設けられる。図4に示
す例では、中間にFieldII〜IVの3つの観察領域が
設けられ、最小倍率の観察領域であるFieldIから、最
大倍率であり位置決めの目標とする観察領域であるFiel
dVまで、この例の場合は5つの段階の倍率を有する
が、実際には使用環境に応じて必要な段階を用意する。
【0039】位置決めマーカ1を構成する骨格マーカ2
とデータマーカ3とは、隣接する大きい方の倍率の観察
領域の視野を内包する現倍率の観察領域の視野内に複数
個存在するように形成される。複数個存在するとは、現
倍率の観察領域の視野内に、現倍率の位置決めマーカ1
と隣接する倍率のうち大きい方の倍率の位置決めマーカ
1aとが存在してもよく、また位置決めマーカ1と複数
の位置決めマーカ1aとが存在してもよいことを意味す
る。すなわち、順次的に相互に異なる倍率に設定される
位置決めマーカの構造は、図5に示すように、観察領域
が隣接する倍率のうち大きい方の倍率に移行するのにと
もなって、形成される位置決めマーカの数が複数に増加
する階層構造であってもよい。このことによって、倍率
の大きい観察領域における位置決めマーカが備える情報
を、倍率の小さい観察領域から容易に検索することが可
能になる。
【0040】図6は、順次的に相互に異なる倍率に設定
される観察領域に位置決めマーカがそれぞれ形成される
状態を示す平面図である。図6に示すように、位置決め
マーカ1は、順次的に相互に異なる倍率に設定される観
察領域の現倍率と隣接する倍率とに対応して位置決めマ
ーカ1a,1bのように形成され、個別骨格マーカ4,
5,6,7と個別骨格マーカ4,5,6,7相互間に形
成される個別データマーカ11との相対的な配置は、各
倍率の観察領域において共通に形成される。
【0041】データマーカ3は、個別データマーカ11
の有無という2値データによって情報を表す。したがっ
て、データマーカ3が備える情報の内容にともなって個
々の個別データマーカ11の形成される位置が異なるの
で、厳密には倍率が異なる相互の観察領域におけるデー
タマーカ3の形態はわずかに相違する。しかしながら、
複数の個別データマーカ11が集合した個別データマー
カ群として見るとき、すなわち隣接する倍率のうち大き
い方の倍率における座標原点の位置情報Pm(x,y)
および各座標スケール情報Sc,Sm,SMを表す個別
データマーカ群として見るとき、個別データマーカ群同
志の形態は極めて類似しているので、個別骨格データ
4,5,6,7との相対的な配置によって得られる位置
決めマーカ1の全体的な形態は、各隣接する倍率の観察
領域において共通と言ってよい。
【0042】このように倍率の異なる各観察領域に形成
される位置決めマーカ1は、特徴的長さを持たない自己
相似性(フラクタル)を有する図形として共通の形態で
形成されることが好ましい。このことによって、観察領
域において位置決めマーカ1を認識して画像処理するア
ルゴリズムを同一にすることができる。
【0043】図3に戻って、現倍率の観察領域であるFi
eldAから隣接する倍率のうち大きい方の倍率の観察領
域であるFieldBへの移行について説明する。現倍率で
あるFieldAから、隣接する倍率のうち大きい方の倍率
のFieldBへ移行するとき、現倍率の観察領域内にある
位置決めマーカ1から、FieldBに形成される位置決め
マーカ1aの座標原点12aのX軸9とY軸10とから
なる2次元座標系における位置情報Pm(x,y)およ
びFieldBの座標スケール情報Smを読取り、読取った
位置決めマーカ1の情報に基づいて、物体を移動させて
観察視野を位置決めマーカ1aを含む位置に移動し観察
倍率を拡大する。逆にFieldBから隣接する倍率のうち
小さい方の倍率のFieldAへ移行するとき、FieldB内に
ある位置決めマーカ1aから、FieldAの座標スケール
情報SMbを読取り、読取った座標スケール情報SMb
に基づいて観察倍率を縮小し、FieldAに形成された位
置決めマーカ1を検索する。
【0044】このように、位置決めマーカ1,1aは、
現倍率の観察領域に関する情報とともに隣接する倍率の
観察領域に関する情報も備えるので、位置決めマーカ
1,1aの備える情報に基づいて、隣接する倍率の異な
る観察領域の間を移行することができる。特に、隣接す
る倍率のうち大きい方の倍率の観察領域に移行すると
き、観察領域の視野は小さくなるけれども、位置決めマ
ーカ1の備える情報に基づいて観察領域を移行するの
で、小さい面積である観察領域の視野を確実に捕捉して
移行することができる。
【0045】また位置決めマーカ1は、順次的に相互に
異なる倍率に設定される観察領域の現倍率と各隣接する
倍率とに対応して存在するので、倍率が小さく視野の面
積が大きな観察領域では、視野を高速度で広範囲に移動
し位置決めをすることができ、倍率が大きく視野の面積
が小さな観察領域では、位置決めマーカ1の座標位置情
報に基づいて高精度で位置決めをすることができる。ま
た物体表面に位置決めマーカ1が形成されるので、相異
なる複数の観察装置によって位置決めする場合であって
も、装置間の位置情報に誤差が生じることがなく精度の
よい位置決めをすることができる。
【0046】図7は、本発明の第2の実施の形態である
位置決めマーカ21の構成を簡略化して示す平面図であ
る。本実施の形態の位置決めマーカ21は、実施の第1
形態の位置決めマーカ1と類似し、対応する部分には同
一の参照符号を付して説明を省略する。本実施の形態の
位置決めマーカ21は、たとえば図4に示す最大倍率の
観察領域であるFieldV、すなわち目標とする位置決め
をすべき観察領域に形成される。
【0047】実施の第1形態の位置決めマーカ1と比較
して注目すべきは、前記座標原点の位置情報Pm(x,
y)の代わりに、現倍率において位置決めすべき目標と
する座標位置情報Pc(x,y)を備えることであり、
また隣接する倍率のうち大きい方の倍率における座標ス
ケール情報Smを含まないことである。位置決めマーカ
21は、目標とする位置決めをすべき最大倍率の観察領
域に形成されるので、隣接する大きい方の倍率の座標に
おけるスケール情報を備える必要がない。また位置決め
マーカ21は、現倍率における座標スケール情報Sc
と、隣接する倍率のうち小さい方の倍率における座標ス
ケール情報SMとを備える。
【0048】データマーカ3が隣接する倍率のうち大き
い方の倍率における座標スケール情報Smを含まないの
で、位置決めマーカ21の形成された現倍率の観察領域
が、目標とする最大倍率の観察領域であることの認識可
能であり、目標とする観察または加工などの高精度の位
置決めをすることができる。また位置決めマーカ21に
は、隣接する倍率のうち小さい方の倍率の座標における
スケール情報SMが備わるので、このスケール情報SM
に基づいて隣接する倍率のうち小さい方の倍率の観察領
域に移行することができる。
【0049】図8は、本発明の第3の実施の形態である
位置決めマーカ22の構成を簡略化して示す平面図であ
る。本実施の形態の位置決めマーカ22は、実施の第1
形態の位置決めマーカ1と類似し、対応する部分には同
一の参照符号を付して説明を省略する。本実施の形態の
位置決めマーカ21は、たとえば図4に示す最小倍率の
観察領域であるFieldI、すなわち視野面積が広範囲に
及び物体の観察視野の移動に高速性を要求される観察領
域に形成される。実施の第1形態の位置決めマーカ1と
比較して注目すべきは、隣接する倍率のうち小さい方の
倍率の座標におけるスケール情報SMを含まないことで
ある。位置決めマーカ22は、最小倍率の観察領域に形
成されるので、隣接する倍率のうち小さい方の倍率の座
標におけるスケール情報を備える必要がない。
【0050】データマーカ3が隣接する倍率のうち小さ
い方の倍率における座標スケール情報SMを含まないの
で、目標とする最小倍率の観察領域であることの認識可
能であり、観察領域の視野を高速度で広範囲に移動し位
置決めをすることができる。また位置決めマーカ22に
は、隣接する倍率のうち大きい方の倍率の座標における
スケール情報Smが備わるので、このスケール情報Sm
に基づいて隣接する倍率のうち大きい方の倍率の観察領
域に移行することができる。
【0051】前述の順次的に相互に異なる倍率に設定さ
れる観察領域に形成される位置決めマーカ1,21,2
2のデータマーカ3が備える情報を倍率ごとにまとめた
結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】図9は、本発明のもう1つの実施の形態で
ある位置決め装置26の構成を簡略化して示す概略系統
図である。位置決め装置26は、前述の位置決めマーカ
1,21,22を位置決めすべき物体27の表面27a
に形成するマーキング手段28と、物体27を移動させ
る移動手段29と、物体表面27aの観察領域を倍率可
変に観察する観察手段30と、前記位置決めマーカ1,
21,22を読取る読取手段31と、読取手段31の出
力に応答し、移動手段29を駆動して物体27すなわち
観察視野を移動し、観察手段30の観察倍率を拡大また
は縮小する制御手段32とを含む。
【0054】観察手段30は、観察領域の観察倍率に適
合する種々の装置が用いられる。ここでは、第1および
第2CCDカメラ33,34、走査型電子顕微鏡(SE
M:Scanning Electron Microscope)35およびSTM
36を観察手段30として使用した。観察倍率の範囲
は、第1および第2CCDカメラ33,34が最も小さ
く、SEM35、STM36の順に大きくなる。第1お
よび第2CCDカメラ33,34は、2次元受光素子を
構成する多数のセルを有し、各セルは電荷結合素子(C
CD:Charge Coupled Device)によって形成される観
察装置である。観察手段30を構成する各装置における
観察倍率変更手段として、第1および第2CCDカメラ
33,34には第1および第2CCDズーム系レンズ駆
動手段37,38、SEM35にはSEM電磁レンズ3
9、STM36には、表面の凹凸をトレースするための
圧電素子の変位量のサンプリング周波数の変更およびス
キャン範囲を変更するSTM周波数・スキャン範囲変更
手段40が、それぞれ備えられる。
【0055】観察領域の視野内に形成される位置決めマ
ーカ1の寸法は、観察領域の視野寸法に対して適当な大
きさがあり、視野寸法の5分の1程度の大きさが適して
いる。したがって、マーキング手段28は、一種類の装
置によって広範囲の倍率におよぶ観察領域のすべてに対
応することは困難であり、観察領域の視野寸法、すなわ
ち物体表面27aに形成される位置決めマーカ1の寸法
に対応して複数の装置から適宜選択して使用される。
【0056】第1および第2CCDカメラ33,34に
よる観察倍率では、インク噴射装置41がマーキング手
段28として用いられる。インク噴射装置41では、イ
ンク噴射の有無によって個別データマーカ11による2
値データを形成し、噴射するインクの色の変化によって
1個の個別骨格マーカ4と残余の3個の個別骨格マーカ
5,6,7との相違を形成する。
【0057】SEM35による観察倍率では、レーザ加
工器42がマーキング手段28として用いられる。レー
ザ加工器42では、レーザ照射の有無によって個別デー
タマーカ11による2値データを形成し、レーザの発振
出力の変化によって1個の個別骨格マーカ4と残余の3
個の個別骨格マーカ5,6,7との相違を形成する。
【0058】STM36による観察倍率では、STM3
6をマーキング手段28として用いる。STM36で
は、STM探針放電加工手段43によって、探針に観察
電圧を超える高い電圧を印加して物体表面27aとの間
で放電加工し、放電加工の有無によって個別データマー
カ11による2値データを形成する。また探針へ印加す
る電圧の変化によって1個の個別骨格マーカ4と残余の
3個の個別骨格マーカ5,6,7との相違を形成する。
【0059】移動手段29は、図示しない電動機によっ
てXYZの3軸方向に移動可能なステージであり、位置
決め精度に対応して駆動するステージが3種類設けられ
る。第2CCDカメラ34に対応する比較的小さい倍率
の観察領域に対しては、X1−Y1座標系において駆動
する第1ステージ44が設けられる。第1ステージ44
の駆動は、ボールねじ駆動でありその精度は10〜10
0μmの範囲である。SEM35に対応する倍率の観察
領域に対しては、X2−Y2座標系において駆動する第
2ステージ45が設けられる。第2ステージ45の駆動
は、リニアスケール駆動でありその精度は0.1〜1μ
mの範囲である。STM36に対応する倍率の観察領域
に対しては、X3−Y3−Z3座標系において3軸方向
に駆動する第3ステージ46が設けられる。第3ステー
ジ46の駆動は、圧電素子駆動でありその精度は0.1
〜10nmの範囲である。
【0060】第1および第2CCDカメラ33,34、
SEM35およびSTM36からなる観察手段30に対
応して、前述の第1〜第3ステージ44,45,46か
らなる移動手段29が設けられることによって、分解能
がナノメートルからセンチメートルまでの広範囲の観察
倍率における物体の位置決めに、位置決め装置26を使
用することができる。
【0061】本実施の形態では、観察手段30としてS
EM35およびSTM36を用いている。SEM35お
よびSTM36は、観察環境として真空であることを必
要とするので、SEM35およびSTM36によって観
察するとき、位置決めすべき物体27は真空容器である
第1容器47内に収容される。
【0062】SEM35およびSTM36の観察倍率に
対応するマーキング手段28としては、真空環境にほと
んど影響を及ぼすことがないレーザ加工器42およびS
TM探針放電加工手段43が使用される。観察倍率がS
EM35およびSTM36に比べて小さいCCDカメラ
の観察領域においては、マーキング手段28として前記
インク噴射装置41が使用される。インク噴射装置41
は簡便であり安価なマーキング手段28であるけれど
も、インク噴射装置41によってインクが容器内に噴射
されると、真空環境に好ましくない影響を及ぼすので、
第1CCDカメラ33とインク噴射装置41とは、第1
容器47とは異なる第2容器48に設けられる。第2容
器48内に収容された位置決めすべき物体27は、第1
CCDカメラ33によって観察され、インク噴射装置4
1によって位置決めマーカ1が形成される。このことに
よって、インク噴射装置41による位置決めマーカ1形
成のためのインク噴射が、第1容器47内の真空度を低
下することを防止する。
【0063】インク噴射装置41によって位置決めマー
カ1が形成された物体27は、第2容器48から第1容
器47内に移動され移動手段29上に載置される。物体
27の第2容器48から第1容器47への移動は、第1
および第2容器47,48を開放し、物体27を手動で
移動することによって実現される。逆に第1容器47か
ら第2容器48へ物体27を移動する場合も同様であ
る。
【0064】第1容器47内において、インク噴射装置
41によって物体27表面に形成された位置決めマーカ
1は、第1CCDカメラ33と観察倍率が類似の範囲に
ある第2CCDカメラ34によって検索される。このと
き位置決めすべき物体27は、第2容器48から第1容
器47内の移動手段29上へと大きく移動され、観察手
段30は第1CCDカメラ33から第2CCDカメラ3
4へと変更されているけれども、第2CCDカメラ34
によって物体表面27aに形成された位置決めマーカ1
を検出したとき、位置決めマーカ1の備える情報に基づ
いて、座標系の原点位置と座標スケールとを較正するキ
ャリブレーションを行うので、第1CCDカメラ33と
第2CCDカメラ34との観察装置の相違に基づく計測
誤差の発生が防止される。SEM35による観察と&レ
ーザ加工器42による位置決めマーカ1の形成およびS
TM36による観察と位置決めマーカ1の形成は、いず
れも物体27が第1容器47内の移動手段29上に載置
されたまま実施される。なお、観察領域における座標系
のキャリブレーションは、第2CCDカメラ34とSE
M35との観察手段30の変更およびSEM35とST
M36との観察手段30の変更時においても実施される
ので、観察装置の相違に基づく計測誤差の発生が防止さ
れる。
【0065】図10は図9に示す位置決め装置26の電
気的構成を簡略化して示すブロック図である。マイクロ
コンピュータなどによって実現される制御手段32であ
る処理回路には、入力手段49が接続される。入力手段
49は、たとえばキーボードなどによって実現され、後
述する位置決めすべき対象の物体27において予め定め
られる観察領域の最大および最小の倍率で形成される座
標スケール情報を入力する。また処理回路32には、第
1および第2CCDカメラ33,34、SEM35、S
TM36および位置決めマーカ1を読取る読取手段31
である画像処理装置が接続される。観察手段30である
第1および第2CCDカメラ33,34、SEM35お
よびSTM36は、画像処理装置31にも接続されるの
で、画像処理装置31には観察手段30からの画像情報
の読取出力が与えられる。
【0066】処理回路32の出力によって、詳細を後述
する第1および第2CCDズーム系レンズ駆動手段3
7,38、SEM電磁レンズ39およびSTM周波数・
スキャン範囲変更手段40の動作が制御され、またイン
ク噴射装置41、レーザ加工器42およびSTM探針放
電加工手段43からなるマーキング手段28と位置決め
すべき物体27を載置した移動手段29との動作が制御
される。
【0067】図11は、図9に示す処理回路32の動作
を説明するフローチャートである。図11を参照し、位
置決め装置26において、ミクロ領域からマクロ領域ま
での倍率が異なる観察領域に位置決めマーカ1,21,
22を形成する動作と、形成された位置決めマーカ1,
21,22に基づいてマクロ領域からミクロ領域に向っ
て位置決めする動作について説明する。図12は位置決
めの目標とする最大倍率の観察領域における位置決めマ
ーカ21を示す平面図であり、図13は中間倍率の観察
領域における位置決めマーカ1を示す平面図であり、図
14は最小倍率の観察領域における位置決めマーカ22
を示す平面図である。
【0068】ステップa1では、位置決めすべき物体2
7について、対象とする観察領域の最大倍率と最小倍率
とにおける座標スケール情報を、入力手段49によって
処理回路32へ入力する。このとき観察領域の最小およ
び最大倍率が予め定められ、最大倍率の観察領域におけ
る位置決めすべき物体表面27aには、図12(a)に
示すように目標とする位置を加工するなどして観察位置
50が予め定められているものとする。
【0069】ステップa2では、図12に示すように最
大倍率である現倍率の観察領域に骨格マーカ2を形成す
る。骨格マーカ2は、前記観察位置50が骨格マーカ2
の内方に位置するように形成される。骨格マーカ2およ
びデータマーカ3は、相互に異なる倍率の観察領域にそ
れぞれ形成されるので、倍率が異なる観察領域間の骨格
マーカ2およびデータマーカ3を混同する恐れがある。
したがって、骨格マーカ2とデータマーカ3との参照符
号の末尾に最大倍率ではuを添付し、中間倍率ではvを
添付し、最小倍率ではwを添付して区別する。
【0070】STM36によって観察される現倍率の観
察領域には、4個の個別骨格マーカ4u,5u,6u,
7uが、STM探針放電加工手段43に電圧が印加され
物体表面27aと探針との間で放電加工することによっ
て形成される。1個の個別骨格マーカ4uを放電加工に
よって形成する際、STM放電加工手段43に印加する
電圧を、残余の3個の個別骨格マーカ5u,6,7uを
形成する場合よりも小さくする。このことによって、個
別骨格マーカ4uの濃度が、残余の3個の個別骨格マー
カ5u,6,7uとは異なって形成されるので、個別骨
格マーカ4uを残余の3個の個別骨格マーカ5u,6,
7uと区別して画像処理装置31によって読取ることが
できる。
【0071】ステップa3では、骨格マーカ2uを基準
にデータマーカ3uを形成する。画像処理装置31によ
って読取られた読取出力は、処理回路32に入力され
る。処理回路32にはCPU(Central Processing Uni
t)が備わり、画像処理装置31の読取出力に基づい
て、4個の個別骨格マーカの重心4ua,5ua,6u
a,7uaを頂点とする仮想4角形8uが求められる。
前述のように1個の個別骨格マーカ4uが、残余の3個
の個別骨格マーカ5u,6u,7uとは容易に識別され
るので、1個の個別骨格マーカの重心4uaと、仮想4
角形8uにおいて対向する個別骨格マーカの重心6ua
とを結ぶ直線をY軸10uと定め、個別骨格マーカ4u
の存在する方向をY軸10uの正方向と定めることがで
きる。
【0072】また残る個別骨格マーカの重心5ua,7
uaを結ぶ直線をX軸9uと定め、前記Y軸10uの正
方向を時計まわりに90度角変位させた方向にX軸9u
の正方向を定め、2次元座標系が構成される。このよう
に定められるX軸9uとY軸10uとの交点から2次元
座標系の原点位置が求められる。観察領域の現倍率から
2次元座標のスケール情報Scuが定められる。前記2
次元座標系とそのスケール情報Scuとが定められるこ
とによって、目標とする観察位置50の2次元座標系に
おける位置情報Pc(x,y)が求められる。
【0073】ステップa4では、隣接する倍率のうち小
さい方の倍率の座標に関するスケール情報SMuが定め
られる。スケール情報SMuは、たとえば前記ステップ
a1において入力した観察領域の最大倍率と最小倍率と
の比に基づいて、観察領域を設ける階層の数を定めるア
ルゴリズムをCPUに予め付与しておくことによって定
めることができる。なおステップa4では、ステップa
3からステップa4に直接進行して場合には、座標スケ
ール情報SMuが定められ、後述するステップa8から
ステップa4に戻った場合には、座標スケール情報SM
vが定められるロジックが与えられている。
【0074】観察位置50の位置情報Pc(x,y)お
よび各座標スケール情報Scu,SMuは2値データに
変換され、処理回路32からSTM放電加工手段43と
移動手段29とに出力が与えられる。位置情報およびス
ケール情報の2値データへの変換は、汎用の2値データ
変換器を処理回路32に設けることによって実現でき
る。処理回路32からの出力に従って、移動手段29は
物体27を移動し、STM放電加工手段43は前述の放
電加工によってデータマーカ3uを観察領域に形成す
る。観察位置50の座標位置情報Pc(x,y)は個別
骨格マーカ4uおよび5uの間に形成され、現倍率の座
標スケール情報Scuは個別骨格マーカ6uおよび7u
の間に形成され、隣接する倍率のうち小さい方の倍率の
座標スケール情報SMuは個別骨格マーカ5uおよび6
uの間に形成されて、位置決めマーカ21が形成され
る。現倍率は最大倍率であるので、隣接する倍率のうち
大きい方の倍率の座標スケール情報は形成されない。
【0075】ステップa5では、座標スケール情報SM
uに基づいて、隣接する倍率のうち小さい方の倍率の観
察領域に移行する。観察領域の移行は、画像処理装置3
1によって座標スケール情報SMuを読取り、読取出力
に基づく処理回路32の出力に応答し、たとえばSTM
周波数・スキャン範囲変更手段40によってSTM36
の観察倍率を縮小するか、または観察手段30をSTM
36からSEM35に切換えることによって実現され
る。
【0076】ステップa6では、図13に示すように移
行後の倍率の観察領域に骨格マーカ2vが形成される。
移行後の観察領域の倍率がSTM36よりも小さいSE
M35で対応できる場合、骨格マーカ2vとデータマー
カ3vとは、たとえばレーザ加工器42による物体27
表面へのレーザ照射によって形成される。骨格マーカ4
vがレーザ加工器42によって形成されるとき、1個の
個別骨格マーカ4vをレーザ照射によって形成する際の
レーザ発振出力を残余の3個の個別骨格マーカ5v,6
v,7vを形成する場合よりも小さくする。このことに
よって、個別骨格マーカ4vの濃度が、残余の3個の個
別骨格マーカ5v,6v,7vとは異なって形成される
ので、個別骨格マーカ4vを残余の3個の個別骨格マー
カ5v,6v,7vと識別して画像処理装置31によっ
て読取ることができる。また移行前の倍率の観察領域に
形成された位置決めマーカ21が、4個の個別骨格マー
カ4v,5v,6v,7vの内方に存在するように骨格
マーカ4vが形成される。
【0077】ステップa7では、骨格マーカ2vを基準
としてデータマーカ3vを形成する。移行前の倍率の観
察領域と同様、画像処理装置31によって骨格マーカ2
vの読取出力が処理回路32に入力され、読取出力に基
づく処理回路32の演算によって、Y軸10vとY軸1
0vの正方向とを定め、X軸9vとX軸9vの正方向と
を定めて2次元座標系が構成される。観察領域の倍率か
ら座標スケール情報Scvが定められる。2次元座標系
とそのスケール情報Scvとが定められることによっ
て、移行前の倍率の観察領域に形成された位置決めマー
カ21の座標原点51が、移行後の観察領域のX軸9v
とY軸10vとによって定められる2次元座標系におい
て有する位置情報Pmv(x,y)が求められる。
【0078】隣接する倍率のうち大きい方の倍率の座標
スケール情報Smvは、移行前の倍率における座標スケ
ール情報ScuをSmvに置換えることによって求めら
れる。座標原点51の位置情報Pmv(x,y)および
各座標のスケール情報Scv,SMv,Smvが、2値
データに変換されて処理回路32からの出力としてレー
ザ加工器42と移動手段29とに与えられる。処理回路
32からの出力に従って、移動手段29は物体27を移
動し、レーザ加工器42はレーザ照射によってデータマ
ーカ3vを観察領域に形成する。座標位置情報Pmv
(x,y)、座標スケール情報Scv,SMvは、ステ
ップa3およびステップa4において述べたのと同様の
位置に形成され、座標スケール情報Smvは、個別骨格
マーカ4uおよび7uの間に形成され、位置決めマーカ
1が形成される。
【0079】ステップa8では、現倍率の座標スケール
情報Scが、ステップa1において入力した最小倍率の
座標スケール情報と同一であるか否かが判断される。こ
の判断が否定で、座標スケール情報Scが、最小倍率の
座標スケール情報よりも大きければステップa4に戻
り、隣接する倍率のうち小さい方の倍率の座標スケール
情報SMvが形成され、以降のステップを進行する。
【0080】すなわち図14に示すように、移行後の倍
率の観察領域に骨格マーカ2wを形成する。移行後の観
察領域の倍率がSEM35よりも小さいCCDカメラで
対応できる場合、物体27は第1容器47から第2容器
48に移動される。第2容器48内において、第1CC
Dカメラ33によって物体表面27aが観察され、骨格
マーカ2wおよびデータマーカ3wは、処理回路32か
らの出力に応答しインク噴射装置41から物体表面27
aへインク噴射することによって形成される。
【0081】骨格マーカ4wがインク噴射装置41によ
って形成されるとき、1個の個別骨格マーカ4wを形成
するインクの色を残余の3個の個別骨格マーカ5w,6
w,7wを形成するインクの色と異なるものとする。こ
のことによって、個別骨格マーカ4wを残余の3個の個
別骨格マーカ5w,6w,7wと識別して画像処理装置
31によって読取ることができる。
【0082】形成された個別骨格マーカ4wを基準とし
て、Y軸10wとY軸10wの正方向とを定め、X軸9
wとX軸9wの正方向とを定めて2次元座標系を構成す
る。観察領域の倍率から2次元座標のスケール情報Sc
wを定め、2次元座標とそのスケール情報Scwとによ
って、移行前の観察領域に形成された位置決めマーカ1
の座標原点52が、移行後の観察領域の座標系において
有する位置情報Pmw(x,y)を求める。また移行前
の観察倍率における座標スケール情報Scvを、移行後
の隣接する倍率のうち大きい方の倍率の座標スケール情
報Smwに置換える。
【0083】座標原点52の位置情報Pmw(x,y)
および各座標スケール情報Scw,Smwが、2値デー
タに変換され処理回路32からの出力としてインク噴射
装置41と移動手段29とに与えられる。処理回路32
からの出力に従って、座標位置情報Pmw(x,y)、
座標スケール情報Scw,Smwは、個別骨格マーカ相
互間に形成されて位置決めマーカ22が形成される。な
お現倍率の座標スケール情報Scwが、ステップa1に
おいて入力した最小倍率の座標スケール情報と同一であ
るときは、ステップ8の判断に従って後述のステップa
9へ進むので、隣接する倍率のうち小さい方の倍率の座
標スケール情報は形成されない。
【0084】ステップa8における判断が肯定であり、
座標スケール情報Scwが、ステップa1において入力
した最小倍率の座標スケール情報と同一であるとき、ス
テップa9に進む。ステップa9では、ミクロ領域から
マクロ領域までの観察領域に対応する位置決めマーカ2
1,1,22の形成が完了する。
【0085】次のステップa10以降では、マクロ領域
からミクロ領域に向って倍率の異なる観察領域を移行し
ながら位置決めを行う。図15は、マクロ領域からミク
ロ領域に向って位置決めする状態を示す平面図である。
ステップa10では、図15(a)に示す最小倍率の観
察領域の視野内から画像処理装置31によって位置決め
マーカ22を読取り、読取出力を処理回路32に入力す
る。なお第2容器48内において、最小倍率でインク噴
射装置41によって位置決めマーカ22が形成された物
体27は、マクロ領域からミクロ領域に向って位置決め
するに先だって第2容器48から第1容器47へと移動
される。
【0086】ステップa11では、位置決めマーカ22
を構成する骨格マーカ2wの読取出力に基づき、処理回
路32において2次元座標を決定する。2次元座標の決
定は、前述の位置決めマーカ22の形成と同様にして行
われる。画像形成装置31は、1個の個別骨格マーカ4
wと残余の3個の個別骨格マーカ5w,6w,7wとを
色の相違によって識別して読取る。処理回路32は、画
像形成装置31の読取出力に応答し、個別骨格マーカ4
wを基準として、Y軸10wとY軸10wの正方向とを
定め、X軸9wとX軸9wの正方向とを定めて2次元座
標系を定める。
【0087】ステップa12では、位置決めマーカ22
を構成するデータマーカ3wの読取出力に基づき、処理
回路32において、現倍率の観察領域から座標スケール
情報Scwを定め、2次元座標とそのスケール情報Sc
wとによって、隣接する倍率のうち大きい方の倍率の観
察領域に形成された位置決めマーカ1の座標原点52
が、現観察領域の2次元座標系において有する位置情報
Pmw(x,y)を求める。また隣接する倍率のうち大
きい方の倍率の座標スケール情報Smwを求める。
【0088】ステップa13では、前記座標原点52の
座標位置Pmw(x,y)に基づく処理回路32からの
出力に応答し、座標原点52が移行後の観察領域の視野
内に含まれるように、移動手段29が駆動されて物体2
7すなわち観察視野が移動される。ステップa14で
は、処理回路32の出力に応答し、隣接する倍率のうち
大きい方の倍率の観察領域に移行する。隣接する倍率の
うち大きい方の倍率の観察領域への移行は、たとえば第
2CCDカメラ34の第2CCDズーム系レンズ駆動手
段38が駆動されて観察倍率が拡大されるか、または観
察手段30が第2CCDカメラ34からSEM35に切
換えられることによって実現される。
【0089】ステップa15では、処理回路32におい
て、移行前の観察領域における座標スケール情報Smw
を、移行後の観察領域の座標スケール情報Scvに置換
え、座標スケール情報Scvがステップa1において入
力した最大倍率の座標スケール情報と同一であるか否か
が判断される。この判断が否定であり、座標スケール情
報Scvが、最大倍率の座標スケール情報よりも小さけ
れば、ステップa10に戻り以降のステップが繰返し実
行される。
【0090】すなわち図15(b)に示す中間の倍率を
有する観察領域に形成された位置決めマーカ1を、画像
処理装置31によって読取り、読取出力を処理回路32
に入力する。処理回路32では、骨格マーカ2vに基づ
いてX軸9v−Y軸10vからなる2次元座標系を定
め、データマーカ3vに基づき、現倍率の座標スケール
情報Scv、隣接する倍率のうち大きい方の倍率の座標
スケール情報Smvおよび隣接する倍率のうち小さい方
の倍率の座標スケール情報SMvを定め、さらに隣接す
る倍率のうち大きい方の倍率の観察領域に形成された位
置決めマーカの座標原点が、現倍率の観察領域の2次元
座標系において有する位置情報Pmv(x,y)を求め
る。前記座標原点の座標位置Pmv(x,y)に基づく
処理回路32からの出力に応答し、座標原点が移行後の
観察領域の視野内に含まれるように、移動手段29が駆
動されて物体27が移動される。
【0091】物体27が移動された後、処理回路32の
出力に応答し、隣接する倍率のうち大きい方の倍率の観
察領域に移行する。さらなる隣接する倍率のうち大きい
方の倍率の観察領域への移行は、たとえばSEM35の
電磁レンズ39を制御して観察倍率が拡大されるか、ま
たは観察手段30がSEM35からSTM36に切換え
られることによって実現される。
【0092】ステップa15における判断が肯定であ
り、現倍率の観察領域の座標スケール情報Scが、ステ
ップa1において入力した最大倍率の座標スケール情報
と同一であるとき、ステップa16に進む。すなわち図
15(c)および図15(d)に示す最大倍率の観察領
域における位置決め動作が実行される。
【0093】ステップa16では、画像処理装置31に
よって位置決めマーカ21を読取り、読取出力を処理回
路32に入力する。ステップa17では、読取出力に応
答し処理回路32において、位置決めマーカ21を構成
する骨格マーカ2uに基づき2次元座標系を決定する。
2次元座標系の決定は、前述のように1個の個別骨格マ
ーカ4uと残余の3個の個別骨格マーカ5u,6u,7
uとを濃度の相違によって識別して読取り、個別骨格マ
ーカ4uを基準として、X軸9u−Y軸10uからなる
2次元座標系を定める。
【0094】ステップa18では、位置決めマーカ21
を構成するデータマーカ3uに基づき、処理回路32に
おいて、現観察領域の倍率から座標スケール情報Scu
を定め、2次元座標とそのスケール情報Scuとによっ
て、現倍率の観察領域に形成された位置決めマーカ21
の観察位置50の位置情報Pmc(x,y)を求め、位
置決めを行う。ステップa19では、一連の位置決め動
作が完了し、位置決めされた観察位置50に対して観察
または加工などの作業が実行される。
【0095】図16は、 図10に示す処理回路32の
もう1つの動作を説明するためのフローチャートであ
る。図16に示す処理回路32のもう1つの動作は、前
記図11に示す処理回路32の動作に類似するので、処
理回路32内における情報の詳細な処理動作と、処理回
路32の出力に応答する観察手段30、マーキング手段
28および移動手段29の動作とについては説明を省略
する。図16に示すフローチャートは、観察倍率の小さ
いマクロ領域から観察倍率の大きいミクロ領域に向って
位置決めマーカを形成しながら位置決めを実行し、さら
に位置決めを行ったミクロ領域からマクロ領域に向って
充足すべき位置決めマーカを形成する動作を示す。
【0096】ステップb1では、位置決めすべき物体2
7について、対象とする観察領域の最大倍率と最小倍率
とにおける座標スケール情報を、入力手段49によって
処理回路32へ入力する。ステップb2では、位置決め
すべき目標位置が、観察領域の視野内に含まれるように
移動手段29を駆動して物体27すなわち観察視野を移
動する。
【0097】ステップb3では、現倍率の観察領域に骨
格マーカ2wおよびデータマーカ3wを、たとえばイン
ク噴射装置41によって形成する。ここで形成されるデ
ータマーカ3は、現倍率の座標スケール情報Scwのみ
である。現倍率は最小倍率であるので、隣接する倍率の
うち小さい方の倍率の座標スケール情報は形成されな
い。また隣接する倍率のうち大きい方の倍率の観察領域
に形成される位置決めマーカの座標位置Pmw(x,
y)は定まっていないので形成されない。
【0098】ステップb4では、隣接する倍率のうち大
きい方の倍率の観察領域に移行する。このとき観察手段
30を第1CCDカメラ33からSEM35に切換える
場合には、物体27を第2容器48から第1容器47の
移動手段29上へ移動した後、SEM35に変更する。
ステップb5では、移行後の観察領域に骨格マーカ2v
およびデータマーカ3vを、たとえばレーザ加工器42
によって形成する。ここで形成されるデータマーカ3v
は、現倍率の座標スケール情報Scvである。ステップ
b6では、移行前の観察領域である隣接する倍率のうち
小さい方の倍率の座標スケール情報SMvに関するデー
タマーカ3を形成する。
【0099】ステップb7では、現倍率の座標スケール
情報Scvが、ステップb1において入力した最大倍率
の座標スケール情報と同一であるか否かが判断される。
この判断が否定であり、座標スケール情報Scvが、最
大倍率の座標スケール情報よりも小さければ、ステップ
b4に戻り以降のステップが繰返し実行される。
【0100】ステップb7における判断が肯定であり、
現倍率の観察領域の座標スケール情報Scが、ステップ
b1において入力した最大倍率の座標スケール情報と同
一であるとき、ステップb8に進む。ステップb8で
は、位置決めの目標とする最大倍率の観察領域において
位置決めが行われ、位置決めされた物体27の目標位置
に対して観察または加工などの作業が実行される。
【0101】ステップb9では、観察領域に形成されて
いる骨格マーカ2uに基づいて2次元座標系が決定され
る。ステップb10では、2次元座標系と現倍率の座標
スケール情報Scuとに基づいて、前記目標位置に関す
る座標位置Pc(x,y)を定め、座標位置情報Pc
(x,y)に関するデータマーカ3uを形成する。
【0102】ステップb11では、位置決めマーカ21
を画像処理装置31によって読取り、隣接する倍率のう
ち小さい方の倍率の観察領域における座標スケール情報
SMuを求める。ステップb12では、座標スケール情
報SMuに基づいて、隣接する倍率のうち小さい方の倍
率の観察領域に移行する。ステップb13では、移行後
の観察領域に形成された位置決めマーカ1を画像処理装
置31によって読取り、読取り出力を処理回路32に入
力する。
【0103】ステップb14では、骨格マーカ2vに基
づき2次元座標系を定める。ステップb15では、移行
前の観察領域である隣接する倍率のうち大きい方の倍率
の観察領域における座標スケール情報Smvおよび座標
原点の位置情報Pmv(x,y)を定め、データマーカ
3vを形成する。
【0104】ステップb16では、現倍率の座標スケー
ル情報Scがステップb1において入力した最小倍率の
座標スケール情報と同一であるか否かが判断される。こ
の判断が否定であり、座標スケール情報Scが、最小倍
率の座標スケール情報よりも大きければ、ステップb1
1に戻り以降のステップが繰返し実行される。ステップ
b16の判断が肯定であり、座標スケール情報Scが、
最小倍率の座標スケール情報と同一であれば、ステップ
b17に進む。ステップb17では、位置決めマーカの
形成と位置決めに関する一連の動作を完了する。
【0105】以上のように、位置決め装置26は、種々
の装置によって構成されるマーキング手段28を含むの
で、順次的に異なる倍率に設定される物体表面27aの
観察領域に位置決めマーカ1,21,22を形成するこ
とができる。また物体表面27aの観察領域に形成され
た位置決めマーカ1,21,22を画像処理装置31に
よって読取り、画像処理装置31の出力に応答する処理
回路32からの出力によって、観察手段30の観察倍率
を拡大または縮小し、移動手段29を駆動して物体27
を移動することができる。このことによって、倍率の小
さい観察領域においては物体27を広範囲に高速度で移
動させることが可能であり、倍率の大きい観察領域にお
いては物体27を高精度で移動して目的とする位置決め
をすることができる。
【0106】また本実施の形態の位置決め装置26は、
前述のように物体27の位置決めをすることができると
ともに、位置決めされる物体27を加工する加工手段で
あるレーザ加工器42を含むので、たとえば半導体デバ
イスの微細部品などの製造時に生じた不具合部分を正確
に位置決めし、レーザ加工器42によって補修する補修
装置としても用いることができる。微細部品の不具合部
分を高精度に位置決めし補修可能にすることによって、
製造歩留を向上して製造コストを低減し、資源節減の社
会的要請に応えることができる。さらに本位置決め装置
26は、物体27の極微細な観察位置を一度観察した
後、物体27の他の観察位置または異なる物体の観察を
し、再び同物体27の前記観察位置を高精度で位置決め
して観察するための再観察装置としても有用である。
【0107】以上に述べたように、本実施の形態では、
個別骨格マーカ4,5,6,7および個別データマーカ
11の形態は、円形であるけれども、これに限定される
ことなく、3角形または方形など円形以外の形態であっ
てもよい。またデータマーカ3の座標位置情報または座
標スケール情報は、仮想4角形8の1辺に1つが形成さ
れるけれども、これに限定されることなく、座標位置情
報または座標スケール情報は前記1辺に2つ以上が形成
されてもよい。また隣接する倍率のうち大きい方の倍率
の観察領域に形成される位置決めマーカは、現倍率の観
察領域に形成される骨格マーカ2の内方に形成されるけ
れども、これに限定されることなく、骨格データ2の外
方に形成されてもよい。
【0108】またデータマーカ3は、2値データによっ
て形成されるけれども、これに限定されることなく、そ
の他の手法によって処理されたデータによって形成され
てもよい。また位置決めマーカ1は、異なる倍率の観察
領域において相互にフラクタルな特性を有して形成され
るけれども、これに限定されることなく、倍率の異なる
観察領域において相互に異なる形態に形成されてもよ
い。また補修装置に設けられる加工手段は、レーザ加工
器42であるけれども、これに限定されることなく、ボ
ンディング装置などであってもよい。また観察領域の最
大または最小倍率の判断は、座標スケール情報を比較す
ることによって行う構成であるけれども、これに限定さ
れることなく、隣接する倍率の座標スケール情報Sm,
SMがデータマーカ3内に存在するか否かによって行う
構成であってもよい。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、位置決めマーカは、現
倍率の観察すべき領域に関する情報とともに隣接する倍
率の観察すべき領域に関する情報も備えるので、位置決
めマーカの備える情報に基づいて、隣接する倍率が異な
る観察すべき領域の間を移行することができる。特に、
隣接する倍率のうち大きい方の倍率の観察すべき領域に
移行するとき、観察すべき領域の視野が小さくなるけれ
ども、位置決めマーカの備える情報に基づいて観察すべ
き領域を移行するので、小さい面積である観察すべき領
域の視野を確実に捕捉して移行することができる。
【0110】また位置決めマーカは、順次的に相互に異
なる倍率に設定される観察すべき領域の現倍率と各隣接
する倍率とに対応して存在するので、倍率が小さく視野
の面積が大きな観察すべき領域では、視野を高速度で広
範囲に移動し位置決めをすることができ、倍率が大きく
視野の面積が小さな観察すべき領域では、位置決めマー
カの位置情報に基づいて高精度で位置決めをすることが
できる。また物体表面に位置決めマーカが形成されるの
で、相異なる複数の観察装置によって位置決めする場合
であっても、装置間の位置情報に誤差が生じることがな
く精度のよい位置決めをすることができる。
【0111】また本発明によれば、位置決めマーカが、
物体表面に形成されるので、相異なる複数の観察装置に
よって位置決めする場合であっても、装置間の位置情報
に誤差が生じることがなく精度のよい位置決めをするこ
とができ、位置決めマーカの備える情報に基づいて隣接
する倍率の観察すべき領域の間を移行することができ
る。また位置決めマーカのデータマーカに備わる位置情
報は、現倍率における位置決めすべき目標位置に関する
情報{Pc(x,y)}であり、スケール情報は、現倍
率における座標スケ−ル情報(Sc)と隣接する倍率の
うち小さい方の倍率における座標スケール情報(SM)
とからなるので、目標とする最大倍率の観察すべき領域
であることが認識可能であり、目標とする観察または加
工などの高精度の位置決めをすることができる。
【0112】また本発明によれば、位置決めマーカが、
物体表面に形成されるので、相異なる複数の観察装置に
よって位置決めする場合であっても、装置間の位置情報
に誤差が生じることがなく精度のよい位置決めをするこ
とができ、位置決めマーカの備える情報に基づいて隣接
する倍率の観察すべき領域の間を移行することができ
る。また位置決めマーカのデータマーカにおける位置情
報は、隣接する倍率のうち大きい方の倍率における座標
原点の位置に関する情報{Pm(x,y)}であり、ス
ケール情報は、現倍率における座標スケ−ル情報(S
c)と隣接する倍率のうち大きい方の倍率における座標
スケール情報(Sm)とからなるので、目標とする最小
倍率の観察すべき領域であることが認識可能であり、観
察すべき領域の視野を高速度で広範囲に移動し位置決め
をすることができる。
【0113】また本発明によれば、4個の個別骨格マー
カのうち1個が残余の3個の個別骨格マーカとは異なっ
て形成されるので、骨格マーカによって形成される2次
元座標のX軸およびY軸を容易に決定することができ、
またX軸およびY軸における正および負の方向を容易に
決定することができる。
【0114】また本発明によれば、データマーカは、2
値データによって形成される。このことによって、簡易
な手段によってデータマーカの認識が可能になるので、
たとえば画像処理装置などによってデータマーカの情報
を読取ることができ、またたとえばバーコード形成装置
などの汎用化されている装置をデータマーカの形成に利
用することができる。
【0115】また本発明によれば、現倍率の観察すべき
領域の視野内には、現倍率の位置決めマーカと、隣接す
る倍率のうち大きい方の倍率の観察すべき領域に形成さ
れる位置決めマーカとが含まれる。このことによって、
倍率の大きい観察すべき領域における位置情報を、倍率
の小さい観察すべき領域から容易に検索することが可能
になる。
【0116】また本発明によれば、個別骨格マーカと個
別データマーカとの相対的な配置が、現倍率と隣接する
倍率とにおいて共通である。したがって、位置決めマー
カの形態が、すべての倍率の観察領域において共通にな
るので、観察領域において位置決めマーカを認識して画
像処理するアルゴリズムを同一にすることができる。
【0117】また本発明によれば、位置決め装置は、マ
ーキング手段を含むので、順次的に異なる倍率に設定さ
れる物体表面の観察すべき領域に位置決めマーカを形成
することができる。また物体表面の観察すべき領域に形
成された位置決めマーカを読取手段によって読取り、読
取手段の出力に応答する制御手段によって、観察手段の
観察倍率を拡大または縮小し、移動手段を駆動して物体
を移動することができる。このことによって、倍率の小
さい観察すべき領域においては物体を広範囲に高速度で
移動させることが可能であり、倍率の大きい観察すべき
領域においては物体を高精度で移動して目的とする位置
決めをすることができる。
【0118】また本発明によれば、補修装置は、位置決
め装置に加えてさらに加工手段を含むので、たとえば半
導体デバイスの微細部品などの製造時に生じた不具合部
分を正確に位置決めし、加工手段によって補修すること
ができる。このことによって、製造歩留を向上して製造
コストを低減し、資源節減の社会的要請に応えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である位置決めマーカ1
の構成を簡略化して示す平面図である。
【図2】図1に示す位置決めマーカ1の分解平面図であ
る。
【図3】位置決めマーカ1,1aが異なる倍率に設定さ
れる観察領域の現倍率と隣接する倍率のうち大きい方の
倍率とに対応して存在する状態を示す平面図である。
【図4】順次的に相互に異なる倍率に設定される観察領
域の概略を示す斜視図である。
【図5】順次的に相互に異なる倍率に設定される観察領
域に形成される位置決めマーカ1の階層構造の概略を示
す図である。
【図6】順次的に相互に異なる倍率に設定される観察領
域に位置決めマーカがそれぞれ形成される状態を示す平
面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態である位置決めマー
カ21の構成を簡略化して示す平面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態である位置決めマー
カ22の構成を簡略化して示す平面図である。
【図9】本発明のもう1つの実施の形態である位置決め
装置26の構成を簡略化して示す概略系統図である。
【図10】図9に示す位置決め装置26の電気的構成を
簡略化して示すブロック図である。
【図11】図10に示す処理回路32の動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図12】位置決めの目標とする最大倍率の観察領域に
おける位置決めマーカ21を示す平面図である。
【図13】中間倍率の観察領域における位置決めマーカ
1を示す平面図である。
【図14】最小倍率の観察領域における位置決めマーカ
22を示す平面図である。
【図15】マクロ領域からミクロ領域に向って位置決め
する状態を示す平面図である。
【図16】図10に示す処理回路32のもう1つの動作
を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1,21,22 位置決めマーカ 2 骨格マーカ 3 データマーカ 4,5,6,7 個別骨格マーカ 11 個別データマーカ 26 位置決め装置 27 物体 28 マーキング手段 29 移動手段 30 観察手段 31 読取手段 32 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 庫睦 大阪府吹田市山田丘2−1 大阪大学内 (72)発明者 岩田 剛治 大阪府吹田市山田丘2−1 大阪大学内 (72)発明者 藤本 公三 大阪府吹田市山田丘2−1 大阪大学内 (72)発明者 仲田 周次 大阪府吹田市山田丘2−1 大阪大学内 Fターム(参考) 2G052 FD20 GA35 GA36 HC35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体表面の観察すべき領域の倍率を変化
    して位置決めを行うために用いる位置決めマーカにおい
    て、 骨格マーカとデータマーカとが組合せて構成され、 骨格マーカとデータマーカとは、順次的に相互に異なる
    倍率に設定される観察すべき領域の現倍率と各隣接する
    倍率とに対応して存在し、 骨格マーカは、4個の個別骨格マーカからなり、個別骨
    格マーカの重心を頂点とする仮想4角形における対向す
    る個別骨格マーカの重心をそれぞれ結ぶ直線は交差し、
    これら2つの直線によって物体表面の2次元座標を構成
    し、 データマーカは、個別骨格マーカ相互間に形成される複
    数の個別データマーカからなり、隣接する倍率のうち大
    きい方の倍率における座標の原点の位置に関する情報
    {Pm(x,y)}と、現倍率における座標のスケ−ル
    情報(Sc)と、隣接する倍率のうち大きい方の倍率に
    おける座標のスケール情報(Sm)と、隣接する倍率の
    うち小さい方の倍率における座標のスケール情報(S
    M)とを備えることを特徴とする位置決めマーカ。
  2. 【請求項2】 物体表面の観察すべき領域の倍率を変化
    して位置決めを行うために用いる位置決めマーカにおい
    て、 骨格マーカとデータマーカとが組合せて構成され、 骨格マーカとデータマーカとは、順次的に相互に異なる
    倍率に設定される観察すべき領域の現倍率と隣接する小
    さい方の倍率とに対応して存在し、 骨格マーカは、4個の個別骨格マーカからなり、個別骨
    格マーカの重心を頂点とする仮想4角形における対向す
    る個別骨格マーカの重心をそれぞれ結ぶ直線は交差し、
    これら2つの直線によって物体表面の2次元座標を構成
    し、 データマーカは、個別骨格マーカ相互間に形成される複
    数の個別データマーカからなり、現倍率における位置決
    めすべき目標位置に関する情報{Pc(x,y)}と、
    現倍率における座標のスケ−ル情報(Sc)と、隣接す
    る倍率のうち小さい方の倍率における座標のスケール情
    報(SM)とを備えることを特徴とする位置決めマー
    カ。
  3. 【請求項3】 物体表面の観察すべき領域の倍率を変化
    して位置決めを行うために用いる位置決めマーカにおい
    て、 骨格マーカとデータマーカとが組合せて構成され、 骨格マーカとデータマーカとは、順次的に相互に異なる
    倍率に設定される観察すべき領域の現倍率と隣接する大
    きい方の倍率とに対応して存在し、 骨格マーカは、4個の個別骨格マーカからなり、個別骨
    格マーカの重心を頂点とする仮想4角形における対向す
    る個別骨格マーカの重心をそれぞれ結ぶ直線は交差し、
    これら2つの直線によって物体表面の2次元座標を構成
    し、 データマーカは、個別骨格マーカ相互間に形成される複
    数の個別データマーカからなり、隣接する倍率のうち大
    きい方の倍率における座標の原点の位置に関する情報
    {Pm(x,y)}と、現倍率における座標のスケ−ル
    情報(Sc)と、隣接する倍率のうち大きい方の倍率に
    おける座標のスケール情報(Sm)とを備えることを特
    徴とする位置決めマーカ。
  4. 【請求項4】 4個の個別骨格マーカのうち、1個が残
    余の3個の個別骨格マーカとは異なって形成されること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置決め
    マーカ。
  5. 【請求項5】 前記データマーカは、2値データによっ
    て形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の位置決めマーカ。
  6. 【請求項6】 骨格マーカとデータマーカとは、 隣接する倍率のうち大きい方の倍率の観察すべき領域の
    視野を内包する現倍率の観察すべき領域の視野内に複数
    個存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の位置決めマーカ。
  7. 【請求項7】 骨格マーカとデータマーカとは、順次的
    に相互に異なる倍率に設定される観察すべき領域の現倍
    率と各隣接する倍率とに対応して存在し、 個別骨格マーカと個別骨格マーカ相互間に形成される個
    別データマーカとの相対的な配置が、現倍率と各隣接す
    る倍率とにおいて共通であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の位置決めマーカ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちの1つに記載の位置
    決めマーカを、物体表面の観察すべき領域に形成するマ
    ーキング手段と、 物体を移動させる移動手段と、 物体表面の観察すべき領域を倍率可変に観察する観察手
    段と、 前記位置決めマーカを読取る読取手段と、 読取手段の出力に応答し、移動手段を駆動して物体を移
    動し、観察手段の観察倍率を拡大または縮小する制御手
    段とを含むことを特徴とする位置決め装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の位置決め装置と、 位置決め装置によって位置決めされる物体を加工する加
    工手段とを含むことを特徴とする補修装置。
JP2001140859A 2001-05-11 2001-05-11 位置決めマーカおよび位置決め装置 Expired - Lifetime JP4616509B2 (ja)

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