JP2002340625A - 舵角センサ故障診断装置 - Google Patents
舵角センサ故障診断装置Info
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Abstract
態になる故障を確実に検出することができると共に、舵
角センサ情報が用いられるシステムの立ち上がり時に自
己診断を実施することにより早期に舵角センサの故障検
出を行うことができる舵角センサ故障診断装置を提供す
ること。 【解決手段】 車両のハンドル操作に対応して回転する
円板状のエンコーダプレート81と、該エンコーダプレ
ート81の透過部81aと遮光部81bとが通過する位
置に配置され、透過部81aと遮光部81bとを区別
し、これをパルス信号として出力するセンサユニット8
2と、を備えた舵角センサ8において、アクチュエータ
83によりセンサユニット82を透過部81aと遮光部
81bとの1ピッチより長い距離を移動させる自己診断
時、センサユニット82から出力される信号に変化がな
い場合、舵角センサ8が故障であると診断するセンサ故
障診断部をVDC/TCS/ABSコントロールユニッ
ト15に設けた。
Description
る横滑り防止装置や四輪操舵装置や減衰力制御サスペン
ション装置等の車載制御システムに適用される舵角セン
サの故障診断装置の技術分野に属する。
減衰力制御サスペンション装置等において、ハンドルの
操舵量や操舵方向を検出する舵角センサを備えるシステ
ムが知られている。これらのシステムでは、舵角センサ
が故障した場合、フェール対策として、システムの制御
動作を停止するようにしている。当然ながら、舵角セン
サの故障は早期に検出できることが望ましく、これらの
システムが実質的に作動する以前に故障を検出したい。
により回転するステアリングシャフトに固定され、円周
方向に約0.5〜1.0度ピッチでスリットが切られたエンコ
ーダプレートと、該エンコーダプレートのスリットが通
過する位置に配置され、スリットによる透過部分と隣接
するスリット間の遮光部分とを区別し、これをパルス信
号として出力するセンサユニットとから構成され、セン
サユニットには、回転方向に位相をずらして配置した2
つのセンサヘッドを有し、回転速度と回転量と回転方向
とを検出している。
センサヘッドからの出力信号を監視し、一方の出力信号
がパルス信号であるにもかかわらず他方の出力信号が固
定状態のままとなったり、車両が走行中であるにもかか
わらず2つの出力信号が固定状態のままであると、舵角
センサが故障であると診断し、システムの制御動作を停
止するようにしている。
出力信号がパルス信号であるにもかかわらず他方の出力
信号が固定状態のままになると舵角センサが故障である
と診断する手法にあっては、一方のセンサヘッドが失陥
したことによる故障時と、スリットの1ピッチ以内で左
右に舵角が往復操作されている正常時との区別がつかな
い。
グをただ右に回転させた場合は、図10のに示すよう
に、センサAとセンサBとからは位相がずれたパルス信
号が出力される。また、舵角センサのうちセンサBが断
線等により失陥した場合は、図10のに示すように、
センサAからはパルス信号が出力されるが、センサBか
らはLoレベルの固定状態の信号が出力される。さらに、
1ピッチ間で右左右左のソーイングを繰り返した場合
は、図10のに示すように、センサAからはパルス信
号が出力されるが、センサBからはLoレベルの固定状態
の信号が出力される。
状態のままであると故障であると診断する手法にあって
は、センサ故障の誤検出を防止するために、しばらくの
間、センサAとセンサBからの信号をモニタし続け、本
当に故障しているかどうかを確認してから舵角センサが
故障であると診断するようにしている。つまり、実際に
は長い時間ハンドルをほとんど切らない状態で走行する
ことはあり得ないので、所定車速以上で、かつ、所定の
時間の間というように、センサ故障診断条件として、車
速条件と時間条件とが付加されることになり、センサ故
障の早期検出を行うことはできない。
号公報に記載されているように、センサユニットを複数
設けた操舵角検出装置が知られている。これは、1つの
センサユニットが故障しただけでは舵角センシング機能
を失わないようにしたものである。
ては、出力信号を照合する2つのセンサユニットが同時
に故障すると、故障診断を行うことができないという問
題がある。また、2つのセンサユニットからの出力信号
の照合により故障を診断する際、センサ故障の誤検出を
防止するには、上記同様に、出力信号が不一致である故
障状態が所定時間続くのが待たれるため、故障の早期検
出ができない。
もので、その目的とするところは、センサユニットから
出力される信号が固定状態になる故障を確実に検出する
ことができると共に、舵角センサ情報が用いられるシス
テムの立ち上がり時に自己診断を実施することにより早
期に舵角センサの故障検出を行うことができる舵角セン
サ故障診断装置を提供することにある。
め、請求項1に係る発明では、車両のハンドル操作に対
応して回転し、第一領域と第二領域とが周方向に交互に
設けられたエンコーダプレートと、前記エンコーダプレ
ートの第一領域と第二領域とが通過する位置に配置さ
れ、第一領域と第二領域とを区別し、これをパルス信号
として出力するセンサユニットと、を備えた舵角センサ
において、前記エンコーダプレートの第一領域と第二領
域とに沿って前記センサユニットを移動させるアクチュ
エータを設けると共に、前記アクチュエータによりセン
サユニットを第一領域と第二領域との1ピッチより長い
距離を移動させる自己診断時、センサユニットから出力
される信号に変化がない場合、舵角センサが故障である
と診断するセンサ故障診断手段を設けたことを特徴とす
る。
の舵角センサ故障診断装置において、前記センサ故障診
断手段は、アクチュエータにより移動させたセンサユニ
ットから出力される信号をチェックする自己診断動作
を、連続して複数回行う手段であることを特徴とする。
請求項2に記載の舵角センサ故障診断装置において、前
記センサ故障診断手段は、イグニッションスイッチをオ
ンとするスイッチ操作の直後に、アクチュエータにより
移動させたセンサユニットから出力される信号をチェッ
クする自己診断動作を行う手段であることを特徴とす
る。
請求項2または請求項3に記載の舵角センサ故障診断装
置において、前記センサユニットは、エンコーダプレー
トの第一領域と第二領域とが通過する部分に回転方向に
位相をずらして配置され、ぞれぞれ位相の異なるパルス
信号を出力する2つのセンサヘッドを有する手段である
ことを特徴とする。
は、舵角情報検出時、車両のハンドル操作に対応してエ
ンコーダプレートが回転し、このエンコーダプレートの
第一領域と第二領域とが通過する位置に配置されたセン
サユニットにおいて、第一領域と第二領域とが区別さ
れ、これがパルス信号として出力される。よって、舵角
中立位置から出力されたパルス信号の数をカウントする
ことによってハンドル回転角度(ハンドル回転量)が検
出されることになる。そして、アクチュエータによりセ
ンサユニットをエンコーダプレートの第一領域と第二領
域との1ピッチより長い距離を移動させる自己診断時、
センサ故障診断手段において、センサユニットから出力
される信号に変化がない場合、舵角センサが故障である
と診断される。すなわち、舵角センサの故障診断に際し
ては、ドライバーによるハンドル操作とは無関係に、セ
ンサユニットをアクチュエータにより移動(相対的には
エンコーダプレートを1ピッチ以上回動させるのと同じ
動作)させるため、センサユニットが移動する間におい
てパルス信号の出力有無をチェックすることにより故障
検出を確実に行うことができる。また、故障診断状況を
アクチュエータにより強制的に作り出す自己診断機能を
有するため、故障診断条件として、従来の車速条件や時
間条件を付加する必要がなく、停車状態においても舵角
センサの故障診断を行うことができる。よって、センサ
ユニットから出力される信号が固定状態になる故障を確
実に検出することができると共に、舵角センサ情報が用
いられるシステムの立ち上がり時に自己診断を実施する
ことにより早期に舵角センサの故障検出を行うことがで
きる。
障診断手段において、アクチュエータにより移動させた
センサユニットから出力される信号をチェックする自己
診断動作が、連続して複数回行われる。よって、一回目
のアクチュエータ作動により舵角センサが正常であると
診断されれば、それで自己診断による故障検出を終了
し、例えば、車両挙動を安定させるVDC制御等のメイ
ンのシステム制御に速やかに移行させることができる。
また、一回目のアクチュエータ作動により舵角センサが
故障であると診断されてもすぐにはセンサ故障であると
確定せず、繰り返しのアクチュエータ作動によってセン
サ故障を確定させることができ、センサ故障の誤検出を
故障診断回数が多いほど高い確実性により回避すること
ができる。さらに、アクチュエータ作動による舵角セン
サの故障診断を行う回数を、メインのシステムが舵角セ
ンサ故障による影響が低い場合には少なく、舵角センサ
故障による影響が高い場合には多くというように、舵角
情報の用途であるメインのシステムの種類によって任意
に選択することができる。
障診断手段において、イグニッションスイッチをオンと
するスイッチ操作の直後に、アクチュエータにより移動
させたセンサユニットから出力される信号をチェックす
る自己診断動作が行われる。よって、イグニッションオ
ン直後、つまり、舵角情報を用いるメインのシステムが
立ち上がり、システムが実際の制御作動を開始する前の
段階で、ドライバーによるハンドル操作がほとんど行わ
れていない状態で自己診断が行われるため、早期かつ効
果的なタイミングにて舵角センサの故障検出を行うこと
ができる。
ニットとして、エンコーダプレートの第一領域と第二領
域とが通過する部分に回転方向に位相をずらして配置さ
れ、ぞれぞれ位相の異なるパルス信号を出力する2つの
センサヘッドを有するユニットが用いられる。すなわ
ち、2つのセンサヘッドからのパルス信号の出力状況を
みると、例えば、ハンドル操作方向が右回転方向である
場合には、一方のパルスが立ち上がってからずらした位
相後に他方のパルスが立ち上がり、また、ハンドル操作
方向が左回転方向である場合には、他方のパルスが立ち
上がってからずらした位相後に一方のパルスが立ち上が
るというように、2つのパルス信号の出方が回転方向に
より異なることで、ハンドル操作方向を検出することが
できる。よって、ハンドル操作量情報と共にハンドル操
作方向情報が要求される車載の制御システムの舵角セン
サとして適用することができる。
故障診断装置を実現する実施の形態を、請求項1〜請求
項4に対応する第1実施例に基づいて説明する。
1は第1実施例の舵角センサ故障診断装置が適用された
ビークル・ダイナミクス・コントロール(VDC:Vehi
cle Dynamics Control)の制御システム図であり、この
VDCシステムとは、TCS/ABSシステムの機能に
加え、走行中に滑りやすい路面や障害物の緊急回避時に
発生する車両の横滑りを、4輪独立のブレーキ制御及び
エンジン出力制御により軽減させ、また、旋回性能と制
動性能とを高度に両立させ、走行安定性の向上を図った
車両挙動制御システムである。
輪、3は右前輪、4は左後輪、5は右後輪、6はブレー
キペダル、7はマスターシリンダ、8は舵角センサ、9
はヨーレート/横Gセンサ、10は左前輪回転センサ、
11は右前輪回転センサ、12は左後輪回転センサ、1
3は右後輪回転センサ、14は圧力センサ、15はVD
C/TCS/ABSコントロールユニット、16はエン
ジンコントロールユニット、17は自動変速機コントロ
ールユニット、18は電子制御スロットル、19はプリ
チャージポンプ、20はVDC/TCS/ABSアクチ
ュエータ、21はABS警告灯、22はVDC−OFF
表示灯、23はSLIP表示灯である。
ル操作量及び操舵方向を検出し、そのセンサ信号をVD
C/TCS/ABSコントロールユニット15に出力す
る。
ヨーレート及び横加速度を検出し、そのセンサ信号をV
DC/TCS/ABSコントロールユニット15に出力
する。
ンサ11、左後輪回転センサ12、右後輪回転センサ1
3は、各輪2,3,4,5の回転速度を検出し、そのセ
ンサ信号をVDC/TCS/ABSコントロールユニッ
ト15に出力する。
7内の液圧、すなわち、ドライバーによるブレーキ力を
検出し、そのセンサ信号をVDC/TCS/ABSコン
トロールユニット15に出力する。
ユニット15は、各種センサ信号、エンジン1及び自動
変速機の情報を受信し、車両の走行状態を判別する。そ
して、VDC/TCS/ABS制御に必要な目標ブレー
キ液圧の演算、ブレーキアクチュエータ駆動信号の出力
及び目標エンジントルクの演算を行う。なお、このVD
C/TCS/ABSコントロールユニット15には、前
記舵角センサ8の故障を自己診断し、センサ故障である
と診断されたときにVDC−OFF表示灯22を点灯さ
せる舵角センサ故障診断部(舵角センサ故障診断装置)
を併せて有する。
は、VDC/TCS/ABSコントロールユニット15
からの指令を受けて、電子制御スロットル18のスロッ
トルモータに対するスロットル開度制御、及び、エンジ
ン1のインジェクターに対する燃料カット制御を行う。
TCS作動時にリザーバタンクより増圧用のブレーキ液
を吸入し、ブレーキ作動液圧を発生させる。
タ20は、VDC/TCS/ABSコントロールユニッ
ト15からのアクチュエータ駆動信号を受けて、各車輪
のホイールシリンダへのブレーキ液圧を調整する。
ルユニット15と、エンジンコントロールユニット16
と、自動変速機コントロールユニット17と、舵角セン
サ8は、互いにCAN通信線(多重通信線)により接続
されている。
角センサ8を示す図であり、図3は舵角センサ8のセン
サ部分を示す図、図4はセンサA,Bとスリット(透過
部)との位置関係を示す図である。
ト80への固定により車両のハンドル操作に対応して回
転し、スリットによる透過部81a(第一領域)と隣接
するスリット間の遮光部81b(第二領域)とが全周に
わたって周方向に交互に設けられた円板状のエンコーダ
プレート81と、該エンコーダプレート81の透過部8
1aと遮光部81bとが通過する位置に配置され、透過
部81aと遮光部81bとを区別し、これをパルス信号
として出力するセンサユニット82と、前記エンコーダ
プレート81の透過部81aと遮光部81bとに沿って
前記センサユニット82を移動させるアクチュエータ8
3とによって構成されている。
数設けられた透過部81aと遮光部81bの接線方向の
上下位置に、センサユニット82の直線往復動を案内す
るガイド84,84が設けられている。
れたケース83aの内部に図外のソレノイドにより摺動
するスプールを有する電磁弁タイプであり、スプールの
一端部を延長したスプリング受けロッド83bとケース
83aとの間には、センサユニット82を通常の舵角検
出位置に戻すリターンスプリング83cが介装され、ス
プールの他端部を延長した連結ロッド83dに、センサ
ユニット82が連結されている。なお、アクチュエータ
83のソレノイドは、VDC/TCS/ABSコントロ
ールユニット15からの指令により駆動する(図1参
照)。
発光ダイオード(発光素子)82a,82aとフォトト
ランジスタ(受光素子)82b,82bとの間がスリッ
トによる透過部81aを有するエンコーダプレート81
で隔てられた相対光学式エンコーダであり、図3(イ)
に示すように、対向する一対の発光ダイオード82aと
フォトトランジスタ82bによるセンサA(センサヘッ
ド)と、対向する一対の発光ダイオード82aとフォト
トランジスタ82bによるセンサB(センサヘッド)
と、発光ダイオード82a,82aを発光させると共
に、フォトトランジスタ82b,82bからの信号をデ
ジタル信号化する図外のセンサ回路により構成されてい
る。
に示すように、センサAの位置に対して、スリットピッ
チ(1ピッチ)+1/4ピッチだけ位相をずらした位置に
センサBを配置するというように、エンコーダプレート
81の透過部81aと遮光部81bとが通過する部分に
回転方向に位相をずらして配置され、エンコーダプレー
ト81の回転時には、ぞれぞれ位相の異なるパルス信号
を出力する。
操舵情報検出作用について説明すると、走行時等におい
てドライバによるハンドル操作を行うと、ハンドル操作
に伴ってエンコーダプレート81が回転することによっ
て、発光ダイオード82a,82aの光が、透過部81
aを通り、フォトトランジスタ82b,82bに届き、
デジタル信号化される。このデジタル信号化される情報
は、発光ダイオード82aとフォトトランジスタ82b
とが1セットの場合、操舵回転速度と操舵回転角(操舵
回転量)であるが、発光ダイオード82a,82aとフ
ォトトランジスタ82b,82bとが2セット(センサ
A,センサB)の場合、操舵回転速度と操舵回転角に加
え、操舵回転方向も情報としてデジタル信号化すること
ができる。
の大きさにより検出することができ、例えば、図5
(イ)に示すように、エンコーダプレート81を基本信
号の2倍の速さで回転させた場合、出力パルス波形も2
倍の周波数となり、操舵回転速度を検出することができ
る。
ウントすることにより検出することができ、例えば、図
5(ロ)に示すように、エンコーダプレート81を基本
信号の2倍の角度回転させた場合、出力パルス波形も2
倍のパルス数となり、操舵回転角を検出することができ
る。
に、センサA,Bが0.5パルス(透過部81aの半分)
オフセットして取り付けられているため、それぞれの信
号においてパルスの立ち上がりをフリップフロップ回路
でカウントすると、例えば、図5(ハ)に示すように、
ある回転方向では必ずセンサAのパルスが立ち上がって
から0.5パルス後にセンサBのパルスが立ち上がる。こ
れと逆回転の場合、センサBのパルスが立ち上がってか
ら0.5パルス後にセンサAのパルスが立ち上がる。つま
り、センサA,Bのパルス立ち上がり状況を監視するこ
とにより操舵回転方向を判別することができる。
/TCS/ABSコントロールユニット15の舵角セン
サ故障診断部で実行される舵角センサ故障診断処理の流
れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて
説明する(センサ故障診断手段)。
チがオン操作されると、舵角センサ故障診断処理がスタ
ートする。
チのオン操作により、VDC/TCS/ABSコントロ
ールユニット15が起動する。
0にセットされる。
移動させる指令が出され、センサ故障の自己診断が実施
される。
移動によりセンサA,Bの出力信号がそれぞれ変化した
かどうかが判断される。センサA,Bの出力信号がそれ
ぞれ変化した場合は、舵角センサ8が正常であるとの診
断結果に基づき、VDCシステムによる制御が実行され
る。また、センサA,Bの出力信号のうち、少なくとも
一方の出力信号が固定状態である場合は、舵角センサ8
が故障であるとの診断結果に基づき、ステップS6へ進
む。
N+1というように加算される。
3かどうかが判断される。このステップS7でNOと判
断された場合(N=1やN=2でありN≠3の場合)
は、ステップS4へ戻り、再び、センサ故障の自己診断
が実施される。また、ステップS7でYESと判断され
た場合(N=3の場合)は、ステップS8へ進む。
あるとの最終診断結果に基づき、VDCシステムに対す
るフェール対策として、VDCシステムの作動停止指令
が出力されると共に、VDC−OFF表示灯22に対し
点灯指令が出力される。
サA,Bがいずれも正常である時、図6のフローチャー
トにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS
3→ステップS4→ステップS5→終了へと進む流れと
なり、ステップS4において、アクチュエータ83によ
りセンサユニット82を透過部81aと遮光部81bと
の1ピッチより長い距離を移動させることにより、ステ
ップS5において、センサA,Bから出力される信号が
共に変化する場合、舵角センサ8が正常であると診断に
基づき、直ちにVDC制御が実行される。
サユニット82が動く距離を1ピッチより長い距離とし
ているため、図7に示すように、透過部81aがどの位
置にあっても、舵角センサ8が正常である限りセンサ
A,Bから出力される信号は共に変化することになり、
1回の故障診断動作のみで確実に舵角センサ8が正常で
あると診断できる。
と、直ちにVDC制御が実行されるが、VDC制御で
は、例えば、図8に示すように、舵角センサ8や圧力セ
ンサ14などの情報から得られるドライバのステアリン
グ操舵量やブレーキ操作量により目標横滑り量を演算
し、ヨーレート/横Gセンサ9や車輪回転センサ10,
11,12,13などの情報から演算した車両の実横滑
り量と比較する。そして、目標横滑り量と実横滑り量の
差に応じてVDC/TCS/ABSアクチュエータ20
に駆動信号を出力し、ブレーキ制動力の調整を行うと共
に、エンジン出力を制御することにより、自動的に走行
安定性を向上させる。
8のセンサA,Bの少なくとも一方が断線故障したり、
発光ダイオード82a,82aとフォトトランジスタ8
2b,82bのうち少なくとも1つが機能していない等
の故障時、図6のフローチャートにおいて、ステップS
1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステ
ップS5→ステップS6へと進む流れとなり、ステップ
S4において、アクチュエータ83によりセンサユニッ
ト82を透過部81aと遮光部81bとの1ピッチより
長い距離を移動させているにもかかわらず、ステップS
5において、センサA,Bから出力される信号のうち少
なくとも一方の信号が固定状態である場合、舵角センサ
8が故障であると診断に基づき、ステップS6におい
て、1回の故障診断回数をあらわすN=1とされる。
との判断により、ステップS4→ステップS5へ戻り、
ステップS5において、2回目の自己診断動作に基づい
て再び舵角センサ8が故障であると診断されると、ステ
ップS6において、2回の故障診断回数をあらわすN=
2とされる。
との判断により、ステップS4→ステップS5へ戻り、
ステップS5において、3回目の自己診断動作に基づい
て再び舵角センサ8が故障であると診断されると、ステ
ップS6において、3回の故障診断回数をあらわすN=
3とされ、ステップS7からステップS8へ進み、ステ
ップS8において、舵角センサ8が故障であるとの最終
診断結果に基づき、VDCシステムに対するフェール対
策として、VDCシステムの作動停止指令が出力される
と共に、VDC−OFF表示灯22に対し点灯指令が出
力される。
舵角センサ8が故障であると診断される場合に、最終的
に舵角センサ8が故障であると確定させるようにしてい
るのは下記の理由による。まず、アクチュエータ83の
移動に同期してドライバがハンドル操作を行った場合に
は、舵角センサ8が正常であろうと、センサA,Bから
の出力信号が固定状態となる。つまり、自己診断動作時
にたまたま同期状態になると、舵角センサ8が故障であ
ると誤診断するおそれがある。しかし、アクチュエータ
83の動きはステアリングの動きに対して十分速く(例
えば、ABSのアクチュエータとして使用しているソレ
ノイドバルブは約3msecで約1〜2mmのストロークの往
復動作ができる。)、3回も続けてアクチュエータ83
の動きとステアリングの動きが同期するとは考え難く、
実用上、3回でセンサA,Bの信号レベル変化を検出で
きなければ、確実に故障と診断することができることに
よる。
と診断されると、VDCシステムの作動を停止する理由
は、舵角センサ8が断線等でドライバがハンドル操作を
しても操舵量が全く変化しない故障モードの場合、VD
Cシステムではドライバーがステアリングをいくら切っ
ても直進を続けようとする制御が働く場合があり、車両
安定性が低下する可能性があることによる。
かなように、舵角センサ8が故障であるにもかかわら
ず、従来技術のように、走行してしばらく時間が経過し
ないことにはセンサ故障を診断できない場合には、セン
サ故障と診断されるまでの間は安定した走行が望めな
く、なるべく早期のセンサ故障診断が要求される。
ョンオン直後、つまり、舵角情報を用いるVDCシステ
ムが立ち上がり、VDCシステムが実際の制御作動を開
始する前の段階で、ドライバーによるハンドル操作がほ
とんど行われていない状態で自己診断が行われる。つま
り、舵角センサ8の故障時には、早期かつ効果的なタイ
ミングにて舵角センサ8の故障検出を行うことができ
る。
より車両のハンドル操作に対応して回転し、スリットに
よる透過部81aと隣接するスリット間の遮光部81b
とが周方向に交互に多数設けられた円板状のエンコーダ
プレート81と、該エンコーダプレート81の透過部8
1aと遮光部81bとが通過する位置に配置され、透過
部81aと遮光部81bとを区別し、これをパルス信号
として出力するセンサユニット82と、を備えた舵角セ
ンサ8において、前記エンコーダプレート81の透過部
81aと遮光部81bとに沿って前記センサユニット8
2を移動させるアクチュエータ83を設けると共に、ア
クチュエータ83によりセンサユニット82をエンコー
ダプレート81の透過部81aと遮光部81bとの1ピ
ッチより長い距離を移動させる自己診断時、センサユニ
ット82から出力される信号に変化がない場合、舵角セ
ンサ8が故障であると診断するセンサ故障診断部をVD
C/TCS/ABSコントロールユニット15に設けた
ため、センサユニット82から出力される信号が固定状
態になる故障を確実に検出することができると共に、舵
角センサ8の情報が用いられるVDCシステムの立ち上
がり時に自己診断を実施することにより早期に舵角セン
サ8の故障検出を行うことができる。
ユニット15のセンサ故障診断部において、アクチュエ
ータ83により移動させたセンサユニット82から出力
される信号をチェックする自己診断動作を、連続して複
数回(3回)行うようにしたため、下記に列挙する利点
を有する。 一回目のアクチュエータ83の作動により舵角センサ
8が正常であると診断されれば、それで自己診断による
故障検出を終了し、VDCシステムによる車両挙動を安
定させる制御に速やかに移行させることができる。 一回目のアクチュエータ83の作動により舵角センサ
8が故障であると診断されてもすぐにはセンサ故障であ
ると確定せず、繰り返しのアクチュエータ83の作動に
よってセンサ故障を確定させることができ、センサ故障
の誤検出を故障診断回数が多いほど高い確実性により回
避することができる。 アクチュエータ83の作動による舵角センサ8の故障
診断を行う回数を、メインのシステムが舵角センサ故障
による影響が低い場合(例えば、四輪操舵制御システム
やアクティブサスペンション制御システム等)には少な
く、舵角センサ故障による影響が高い場合(例えば、V
DCシステム等)には多くというように、舵角情報の用
途であるメインのシステムの種類によって任意に選択す
ることができる。
ユニット15のセンサ故障診断部において、イグニッシ
ョンスイッチをオンとするスイッチ操作の直後に、アク
チュエータ83により移動させたセンサユニット82か
ら出力される信号をチェックする自己診断動作を行うよ
うにしたため、早期かつ効果的なタイミングにて舵角セ
ンサ8の故障検出を行うことができる。すなわち、イグ
ニッションオン直後、つまり、舵角情報を用いるメイン
のVDCシステムが立ち上がり、VDCシステムが実際
の制御作動を開始する前の段階で、かつ、ドライバーに
よるハンドル操作がほとんど行われていない状態で自己
診断が行われることによる。
ダプレート81の透過部81aと遮光部81bとが通過
する部分に回転方向に位相をずらして配置し、ぞれぞれ
位相の異なるパルス信号を出力する2つのセンサA,B
を有するユニットを用いたため、ハンドル操作量情報と
共にハンドル操作方向情報が要求される車載の制御シス
テム(VDCシステムや四輪操舵システム等)の舵角セ
ンサ8として適用することができる。
故障診断装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具
体的な構成については、この第1実施例に限られるもの
ではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨
を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
用いるメインシステムとしてVDCシステムの例を示し
たが、四輪操舵制御システムやアクティブサスペンショ
ン制御システム等、舵角情報を用いる様々の車載システ
ムに本発明の舵角センサ故障診断装置を適用することが
できる。
動させるアクチュエータ83として電磁弁タイプのもの
を示したが、油圧シリンダや空気圧シリンダやモータ
等、他の駆動手段を用いても良い。
2を直線的に移動させる例を示したが、例えば、図9に
示すように、アクチュエータとしてモータアクチュエー
タ83’を用い、センサユニット82をモータギア85
と噛み合うギアプレート86に固定し、自己診断時に
は、モータアクチュエータ83’の回転駆動により、セ
ンサユニット82を透過部81aと遮光部81bに沿っ
て所定角度θ(1ピッチ以上の角度)だけ回動させるよ
うにしても良い。
て相対光学式エンコーダによるものを示したが、第1領
域と第2領域が凹凸による領域であり、これに近接配置
したソレノイドの磁気変化や、第1領域と第2領域がN
極とS極による領域であり、これに近接配置した磁気セ
ンサの磁気変化をデジタル変換することでパルス信号を
得る磁気式エンコーダによるものであっても良い。
れたVDC制御システム図である。
す図である。
いてセンサA,Bとスリットの位置関係を示す図であ
る。
速度、回転角度、回転方向)の検出作用を示す図であ
る。
ールユニットの舵角センサ故障診断部で実行される舵角
センサ故障診断処理の流れを示すフローチャートであ
る。
ンサA,Bの信号パターンの例を示す図である。
略図である。
してモータアクチュエータを用いた他の舵角センサ例を
示す図である。
時、失陥時、ソーイング時のセンサA,Bの信号特性を
示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 車両のハンドル操作に対応して回転し、
第一領域と第二領域とが周方向に交互に設けられたエン
コーダプレートと、 前記エンコーダプレートの第一領域と第二領域とが通過
する位置に配置され、第一領域と第二領域とを区別し、
これをパルス信号として出力するセンサユニットと、 を備えた舵角センサにおいて、 前記エンコーダプレートの第一領域と第二領域とに沿っ
て前記センサユニットを移動させるアクチュエータを設
けると共に、 前記アクチュエータによりセンサユニットを第一領域と
第二領域との1ピッチより長い距離を移動させる自己診
断時、センサユニットから出力される信号に変化がない
場合、舵角センサが故障であると診断するセンサ故障診
断手段を設けたことを特徴とする舵角センサ故障診断装
置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の舵角センサ故障診断装
置において、 前記センサ故障診断手段は、アクチュエータにより移動
させたセンサユニットから出力される信号をチェックす
る自己診断動作を、連続して複数回行う手段であること
を特徴とする舵角センサ故障診断装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に係る舵角セン
サ故障診断装置において、 前記センサ故障診断手段は、イグニッションスイッチを
オンとするスイッチ操作の直後に、アクチュエータによ
り移動させたセンサユニットから出力される信号をチェ
ックする自己診断動作を行う手段であることを特徴とす
る舵角センサ故障診断装置。 - 【請求項4】 請求項1または請求項2または請求項3
に記載の舵角センサ故障診断装置において、 前記センサユニットは、エンコーダプレートの第一領域
と第二領域とが通過する部分に回転方向に位相をずらし
て配置され、ぞれぞれ位相の異なるパルス信号を出力す
る2つのセンサヘッドを有する手段であることを特徴と
する舵角センサ故障診断装置。
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- 2001-05-14 JP JP2001142875A patent/JP3624285B2/ja not_active Expired - Fee Related
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