JP2002340318A - 熱エネルギー供給システム - Google Patents

熱エネルギー供給システム

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JP2002340318A
JP2002340318A JP2001187335A JP2001187335A JP2002340318A JP 2002340318 A JP2002340318 A JP 2002340318A JP 2001187335 A JP2001187335 A JP 2001187335A JP 2001187335 A JP2001187335 A JP 2001187335A JP 2002340318 A JP2002340318 A JP 2002340318A
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JP
Japan
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exhaust gas
heat
combustion
supply system
water
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JP2001187335A
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English (en)
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Koichi Hara
幸一 原
Michiko Imai
美智子 今井
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NIPPON GIKEN HOKUETSU KK
Original Assignee
NIPPON GIKEN HOKUETSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排出ガスの規制値を大幅に下回り、洗浄・冷
却水を排出せず、廃水,廃油、ごみを燃料とする熱エネ
ルギー供給システムを提供する。 【解決手段】 燃焼ガスを処理した被処理水をろ過し汚
泥と処理水に分離するろ過分離装置130と、このろ過
分離装置130で浄化された処理水と廃水の一部と灯油
と廃油をエマルジョン化する燃料製造ユニット30とを
設ける。この燃料製造ユニット30で製造されたエマル
ジョン燃料をエマルジョンバーナー21により焼却炉2
0で燃焼し、ごみを補助燃料として焼却する。熱交換器
64に水又は空気を供給しシステム外に温水,蒸気,温
風等の熱エネルギーを供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水と油をエマルジ
ョン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガス
の熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供
給するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を
設けた熱エネルギー供給システムに関するものである。
詳しくは、エマルジョン燃料の原料としての水を排ガス
処理装置で使用された処理水とその一部又は全部をシス
テム外の廃水を用い、原料としての油の一部又は全部を
廃油を使用するとともに補助燃料として廃棄物を燃焼
し、焼却過程で廃棄物並びに燃焼ガスを完全燃焼させ、
大気中に放出される排ガス中に含まれるばい塵,窒素酸
化物,ダイオキシン類等を極力排出しないとともに、ダ
イオキシン類を含む焼却灰,ばい塵,汚泥並びに排水を
排出しない熱エネルギー供給システムに関するものであ
る。
【0002】また、本発明は、回収した焼却灰,ばい
塵,汚泥を再燃し骨材化する熱エネルギー供給システム
に関するものである。
【0003】また、本発明は、エマルジョン燃料並びに
廃棄物を燃焼し、大気中に排出される排ガスの分析結果
を表示する表示を設けた熱エネルギー供給システムに関
するものである。
【0004】
【従来の技術】一般に熱エネルギー供給システムとして
は、灯油,軽油,重油,薪等を燃料としたボイラーが知
られている。また、各地に熱供給装置を備えた大型の廃
棄物処理システムが設置されている。これらの廃棄物処
理システムは、平成9年に施行された改正廃棄物処理法
により、排ガス中のダイオキシン類濃度の規制が強化さ
れ、規制値をクリアするように設計されている。
【0005】これら廃棄物処理システムは、広域からご
みを収集して連続燃焼し、燃焼過程で燃焼ガス中の未燃
炭素,炭化水素(特に前躯体物質としてダイオキシン類
に変化しやすいクロルベンゼンやクロロフェノール,ポ
リクロロビフェニル等)を減少するために、A:高い燃
焼ガス温度として850℃以上(900℃以上の維持)
B:十分なガス滞留時間(2秒以上)C:炉内での十分
なガス撹拌・2次空気との混合 D:適量の空気を供給
して安定燃焼を行う等して燃焼制御を行い完全燃焼をさ
せるとともに、排ガス処理過程では、排ガス中にダイオ
キシン類が存在しなくても未燃炭素粒子あるいは多環芳
香族化合物があれば、一定条件下でダイオキシン類が合
成される「デノボ合成」と称される生成機構が提唱さ
れ、この反応は300℃付近で最も顕著であり、ばい塵
中の金属塩が触媒作用を果たしているといわれているこ
とから、排ガスを急冷するとともに、ガス中に消石灰や
反応助剤を吹き込みばい塵等の微粒子とこの微粒子に付
着するダイオキシン類をバグフィルター等で捕集し、排
出ガスの規制値をクリアしている。
【0006】一方、本願発明者は平成11年特許願第3
76227号にて複数のチャンバー並びに複数のベンチ
ュリ管で高温の排ガスと水の微粒子を接触混合させて排
ガスを急冷し、排ガス中のダイオキシン類及び飛灰を吸
着・除去するダイオキシン類含有排ガス並びに飛灰の処
理方法及びその装置を提案している。この装置を処理能
力1時間100kgの焼却炉に接続して燃焼試験を行
い、ダイオキシン類測定値:1次燃焼室出口22ngが
排気塔0.22ng、排気温度:51℃、並びにダイオ
キシン類汚染土壌焼却試験を行いダイオキシン類濃度3
100pgの土壌を焼却し0.61pgを達成してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般に知ら
れているボイラーは、ダイオキシン類対策特別措置法の
対象外となっており、同法では小規模の廃棄物処理装置
の規制値は大型のものに比べ規制が緩くなっているた
め、排出濃度の関係から普及しておらず熱供給装置も付
属しているものも少ない。また、上述の廃棄物処理シス
テムはダイオキシン類を再合成させないために排ガスを
急冷する必要がある。そこで、排ガスを高効率で冷却す
る手段として、取り入れられた高温の排ガスに水を噴霧
あるいは水中に排ガスを通過させて冷却し集塵処理して
いるが、排ガスと接触した処理水については、事業所の
敷地内に設けられる排水処理施設において水質基準値以
下に処理され河川に放流されるものがほとんどである。
しかしながら、ダイオキシン類その他の濃度は排出基準
値以下に処理されているもののその排水中には微量に含
まれており、自然環境で対流・食物連鎖が繰り返される
ことにより濃縮・蓄積され、最終的に人間に摂取され健
康に害を及ぼすこととなるので排ガス処理水を排出しな
いことが望ましい。また、廃油,廃水も処分場で焼却等
の処理が行われるが、その過程でエネルギーが消費さ
れ、公害物質が自然界に放出されている。
【0008】一方、焼却灰やばい塵,汚泥等の廃棄物は
大半が産業廃棄物処分場にて処分されているが、処分場
に搬入される廃棄物に残留するダイオキシン類の濃度に
ついて規制値が設けられ、規制値以内に処理されていな
ければ処分場に搬入が拒否される。また、処分場の許容
量の問題や浸出水の汚染から新規の処分場の建設ができ
ない問題があり、焼却灰やばい塵,汚泥等を溶融化して
骨材として再利用する研究並びに一部実用化が行われて
いる。
【0009】また、数多く開発されている廃棄物処理シ
ステムは、燃焼過程では燃焼温度の管理並びに排ガス処
理過程の集塵部ではバグフィルター,電気集塵装置,活
性炭吸着塔,触媒装置に流入する排ガスの温度をシビア
にコントロールしなければ排ガス規制値をクリアするこ
とができないばかりか引火・発火・爆発の危険もあるた
めに、システムのコントロールも複雑となり価格も上昇
する。
【0010】さらに、ごみ焼却処分場周辺のみならず処
分場での作業員のダイオキシン類汚染の懸念も払拭され
ていない。
【0011】また、ダイオキシンの危険性に関する情報
が住民の中に浸透し、そのダイオキシンの主な発生源と
して焼却炉が上げられているために、家の周辺にごみ焼
却施設ができてダイオキシンを含んだ煙を出されると健
康が侵されるという不安があるために、住民の理解が得
られず周辺に人家のない場所に大型の焼却施設を建設
し、その維持のために広域よりごみ収集車によりごみを
収集しなければならず、排気ガスによる空気の汚染とご
み処理に要する費用の上昇につながっている。廃棄物処
理法の改正により、焼却施設の構造基準に排ガス中のC
O濃度を連続的に測定・記録する装置を設けることとさ
れたが、本来は人間の生活行動より排出されるごみを町
内や団地等の地域単位あるいは集合住宅や病院,事業
所,農業団地,工業団地ごとに小型のごみ焼却施設を設
けて処理することがコスト的にも望ましいものである。
また、この小型のごみ焼却施設において排ガス性状の分
析結果を表示部に連続的に表示すれば住民も安心するこ
とができる。さらに、焼却施設から生ずる熱エネルギー
を周辺に供給すれば歓迎されるものである。
【0012】また、食用廃油,機械廃油,切削廃油等の
廃油は、処理費を負担して焼却あるいは埋め立て処分さ
れており、また、下水,屎尿,不凍液等の廃水も事業所
内あるいは公共の廃水処理場で処理されている。
【0013】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものでその第一の目的とするところは、排出ガ
スの規制値を大幅に下回り、熱エネルギー供給システム
に付帯する排ガス処理装置で用いられた洗浄・冷却水を
排出せず、廃棄物として処分されていた廃水,廃油に併
せてごみを燃料あるいは補助燃料として使用できる熱エ
ネルギー供給システムを提供しようとするものである。
【0014】また、本発明の第二の目的は、ダイオキシ
ン類を含む焼却灰,ばい塵,汚泥を骨材化する熱エネル
ギー供給システムを提供しようとするものである。
【0015】また、本発明の第三の目的は、排出ガスの
濃度を連続的に表示する表示部を設けた熱エネルギー供
給システムを提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第一の発明は、水と油をエマルジョン化したエマルジ
ョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器によ
り熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃
焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー
供給システムにおいて、排ガスを処理した被処理水をろ
過し汚泥と処理水に分離する処理水ろ過分離部と、この
処理水ろ過分離部で浄化された処理水の一部を燃料とエ
マルジョン化するエマルジョン燃料製造装置とを備え、
このエマルジョン燃料製造装置で製造されたエマルジョ
ン燃料をエマルジョンバーナーで燃焼するものである。
【0017】このように、処理水はエマルジョン燃料製
造装置でエマルジョン化されエマルジョンバーナーで燃
焼並びに蒸発分として大気中に放出されて減少し、減少
分を水道水で補給することにより、排水を一切排出する
ことはなくなり、ダイオキシン類を含む排水を排出する
ことによる汚染の虞はなくなる。
【0018】また、第二の発明は、第一の発明に加え、
前記処理水ろ過分離部で浄化された処理水の一部を廃水
としたものである。
【0019】このように、処理水の一部を廃水としエマ
ルジョン燃料製造装置でエマルジョン化しエマルジョン
燃料として燃焼できるので廃水のエネルギーを有効利用
できる。
【0020】また、第三の発明は、第一の発明及び第二
の発明に加え、エマルジョン燃料の原料となる油の一部
又は全部を廃油としたものである。
【0021】このように、油の一部又は全部を廃油とし
てエマルジョン燃料製造装置でエマルジョン化し,エマ
ルジョン燃料として燃焼できるので廃油のエネルギーを
有効利用できる。
【0022】また、第四の発明は、第一乃至第三の発明
に加え、補助燃料として廃棄物を焼却し、この廃棄物を
焼却する焼却炉を備えたものである。
【0023】このように、廃棄物を焼却炉でエマルジョ
ン燃料により燃焼できるのでゴミ処理費とランニングコ
ストの低減ができる。
【0024】また、第五の発明は、焼却炉から排出され
る高温の排ガスに含まれる窒素酸化物、ダイオキシン類
等の有害物を除去する熱エネルギー供給システムにおい
て、2次燃焼室,蓄熱燃焼部内部を遠赤外線を発生する
蓄熱炉壁材で構成したものである。
【0025】このような蓄熱炉壁材で構成したことによ
りエマルジョン燃料の燃焼による高温の還元雰囲気中で
蓄熱炉壁材より放射される遠赤外線により燃焼ガス中に
含まれるダイオキシン類やダイオキシン類の前躯体物質
の分解が促進される。
【0026】また、第六の発明は、焼却炉から排出され
る高温の排ガスに含まれる窒素酸化物、ダイオキシン類
等の有害物を除去する熱エネルギー供給システムにおい
て、2次燃焼室の後段に蓄熱材が装填された蓄熱燃焼部
を設けたものである。
【0027】このように蓄熱材が装填されているので、
蓄熱燃焼部に導入された排ガスは該蓄熱材を通過する際
に蓄熱材から放射される遠赤外線により、また、蓄熱材
により排ガスが乱流・混合を受け、ガス中のダイオキシ
ン類の分解が促進される。
【0028】また、第七の発明は、焼却炉から排出され
る高温の排ガスに含まれる窒素酸化物、ダイオキシン類
等の有害物を除去する熱エネルギー供給システムにおい
て、1次燃焼室、2次燃焼室、蓄熱燃焼部、除塵サイク
ロンに蓄積する焼却灰・ばい塵の吸引回収装置を設けた
ものである。
【0029】このように、焼却灰・ばい塵の回収装置を
設けたことにより、作業者の手に触れることなく、1次
燃焼室、2次燃焼室、蓄熱燃焼部、除塵サイクロンに蓄
積した焼却灰・ばい塵を回収できるので、作業者の汚染
を防止できる。
【0030】また、第八の発明は、焼却炉から排出され
る高温の排ガスに含まれる窒素酸化物、ダイオキシン類
等の有害物を除去する熱エネルギー供給システムにおい
て、焼却灰,ばい塵,汚泥を再燃して骨材化する灰焼却
部を設けたものである。
【0031】このように、灰焼却部に焼却灰,ばい塵,
汚泥を投入して再燃することにより焼却灰,ばい塵,汚
泥に含まれるダイオキシン類は熱分解され、安定な骨材
として再利用される。
【0032】また、第九の発明は、焼却炉から排出され
る高温の排ガスに含まれる窒素酸化物、ダイオキシン類
等の有害物を除去する熱エネルギー供給システムにおい
て、除塵冷却された排ガスに還元中和剤を噴霧混合する
ものである。
【0033】このように、還元中和剤と排ガスを混合す
ることにより排ガス中に微量に残存するダイオキシン
類,窒素酸化物を分解し、クリーンな排ガスを大気中に
排出できる。
【0034】また、第十の発明は、水と油をエマルジョ
ン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの
熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供給
するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設
けた熱エネルギー供給システムにおいて、除塵冷却され
た排ガスに人工酵素触媒を混合するものである。
【0035】このように、人工酵素触媒と排ガスを混合
することにより排ガス中に微量に残存するダイオキシン
類,窒素酸化物を分解し、クリーンな排ガスを大気中に
排出できる。
【0036】また、第十一の発明は、水と油をエマルジ
ョン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガス
の熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供
給するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を
設けた熱エネルギー供給システムにおいて、熱エネルギ
ー供給システムの排気塔に設けた排ガス分析計の測定部
の分析結果を表示する表示部を設けたものである。
【0037】このように、熱エネルギー供給システムに
排出ガスの分析結果を表示することにより、熱エネルギ
ー供給システムが設置される付近の住民の不安が解消さ
れる。
【0038】
【発明の実施形態】以下、図面に沿って本発明の実施形
態を説明する。図1は本発明の熱エネルギー供給システ
ムのパターンを示すシステム構成図で、図中10はごみ
自動投入装置、20は焼却炉をなす燃焼室である1次燃
焼室、30はエマルジョン燃料製造装置としての燃料製
造ユニット、40は燃焼室である2次燃焼室、50は蓄
熱ガス分解固定室をなす蓄熱燃焼部、60は熱交換・除
塵部、70は急冷・洗浄室、80はスクラバー洗浄室、
90はミキシング室、100はフィルター部としての除
塵フィルター室、110は吸引ファンからなる送風機、
120は排気塔、130は処理水ろ過分離部としてのろ
過分離装置、140は吸引回収装置としての焼却灰・ば
い塵回収機、150は混練機である。
【0039】前記ごみ自動投入装置10は、補助燃料と
して投入された廃棄物であるごみを前記1次燃焼室20
に自動的に投入するもので、ごみの性状,形状により乾
燥機,破砕機,金属分別機を設けたり、医療廃棄物のよ
うに箱形状に梱包されたものは搬送するコンベアーを設
けてもよい。図1の矢印200はごみの流れを示してい
る。
【0040】前記1次燃焼室20は、ロータリーキルン
などからなり、補助燃料であるごみを燃焼するものであ
る。
【0041】前記燃料製造ユニット30は、燃料タンク
31に貯蔵された燃料としての灯油及び廃油タンク32
に貯蔵された食用廃油,機械廃油,切削廃油等の廃油と
水及び廃水タンク33に貯蔵された雨水,中水,下水,
屎尿,不凍液等の固形分を分離除去した廃水を5:5の
比率でエマルジョン化し、エマルジョン燃料を製造する
ものである。このエマルジョン燃料は、前記1次燃焼室
20に設けられたエマルジョンバーナーとしての1次バ
ーナー21及び前記2次燃焼室40に設けられたエマル
ジョンバーナーとしての2次バーナー41にそれぞれ供
給され、燃焼する。図1の矢印201はエマルジョン燃
料の流れを示している。尚、本実施形態では灯油を用い
たものを示したが、灯油以外に軽油,重油を使用してエ
マルジョン燃料とすることができる。
【0042】前記2次燃焼室40は、通路202を通っ
て1次燃焼室20から流入した排ガス中の未燃ガスを還
元雰囲気下で燃焼・分解するものである。そして、2次
燃焼室40の内部は、高温で遠赤外線並びにマイナスイ
オンを大量に発生する素材からなる特殊な炉材(蓄熱炉
壁材)で構成されている。また、2次燃焼室40には灰
焼却部としての再燃室42が設けられている。この再燃
室42は2次燃焼室40の熱により加熱されるものであ
るが、再燃室42の内部は、2次燃焼室40内における
排ガスの通路からは気密に隔離されている。
【0043】前記蓄熱燃焼部50は、前記2次燃焼室4
0からの排ガス中の未燃ガスを還元雰囲気下でさらに熱
分解するものである。そして、蓄熱燃焼部50も、高温
で遠赤外線並びにマイナスイオンを大量に発生する素材
からなる特殊な炉材(蓄熱炉壁材)で構成されている
が、さらに、蓄熱燃焼部50内には同素材からなる蓄熱
材が装填され、通過する未燃ガスを撹拌し、熱分解を促
進する。
【0044】前記熱交換・除塵部60の上部には、熱交
換器64が設けられている。この熱交換器64は、温水
ないし発電用蒸気の発生装置やボイラーが設けられ、シ
ステム外部に温水,蒸気を供給するものである。熱交換
・除塵部60に通路203を通って蓄熱燃焼部50から
流入した排ガス中に含まれる焼却灰,飛灰等のばい塵を
高効率で分離するとともに、分解された塩素を塩素固定
剤で吸着するものである。ばい塵の分離のために、熱交
換・除塵部60の下部には高性能マルチサイクロンから
なる除塵サイクロン61が設けられている。また、図2
に示すように、熱交換・除塵部60内の排ガスの通路6
2,63は2系統ある。一方の通路62は前記蓄熱燃焼
部50に連通している。また、両通路62,63は、互
いに隣接しているが、互いに気密に隔離されている。熱
交換・除塵部60の上部の熱交換器64には通路204
を介して前記燃焼室20,40に熱風を供給及び通路2
10を介して送られる排気ガスを熱交換して排気ガスが
大気中に排出されて際に白煙を生じないようにする機能
も設けてある。
【0045】前記急冷・洗浄室70は、前記熱交換・除
塵部60の除塵サイクロン61の排気部に通路205を
介して連通している。そして、急冷・洗浄室70は、そ
の下方に冷却循環水貯蔵タンク71(図2に示す)が設
けられており、さらに、詳しくは図示していないが、前
段の急冷洗浄部と後段の充填洗浄部とに分かれている。
急冷洗浄部は、マルチチャンバーから処理水の微細水滴
を大量に噴霧することにより高温の排ガス(燃焼ガス)
を急速冷却するとともにガス成分を洗浄・吸着するもの
である。また、充填洗浄部は、噴霧ノズルから処理水を
噴霧することにより排ガスを冷却するとともに、耐食性
の金属片などからなる充填剤間に排ガスを通すことによ
りガス成分を洗浄・吸着するものである。
【0046】前記スクラバー洗浄室80は、前記急冷・
洗浄室70に通路206を介して連通しており、下方に
冷却循環水貯蔵タンク81(図2に示す)が設けられて
いる。この冷却循環水貯蔵タンク81は、前記急冷・洗
浄室70の下方の冷却循環水貯蔵タンク71と連通して
おり、これにより両冷却循環水貯蔵タンク71,81は
同一水位に保たれるようになっている。そして、スクラ
バー洗浄室80は、マルチスクラバーからの処理水の微
細噴霧により排ガスをさらに冷却するとともに洗浄・吸
着するものである。また、スクラバー洗浄室80の後段
部にはミストセパレーター82が設けられている。
【0047】前記ミキシング室90は、通路207を通
ってスクラバー洗浄室80から流入した排ガスと噴霧さ
れた還元中和剤とをミキシング室において撹拌混合し、
排ガス中に有害ガス成分が残存している場合にはこれを
分解するものである。また、還元中和剤に代えて人工酵
素触媒をスクラバー洗浄室80から流入した排ガスと撹
拌混合しても排ガス中に残存する有害ガス成分を分解す
ることが可能である。なお、ミキシング室90は、前記
除塵フィルター室100の後段に配置したり、ミキシン
グ室90を設けずに送風機110のインペラー部に還元
中和剤あるいは人工酵素触媒を滴下するようにし、送風
される排ガスと混合されるようにしてもよい。
【0048】前記除塵フィルター室100は、2室から
構成され切替ダンパーにより交互運転でき、紙製のフィ
ルターを装填したもので、通路208を通ってミキシン
グ室90から流入した排ガス中に万一すす等が発生して
いる場合これを捕捉するものである。フィルター室の切
替は、差圧を検知して差圧が高くなると自動的に切り替
えられる。また、差圧の高くなったフィルター室ではフ
ィルターの逆洗が行われ、フィルターが再使用される。
使用限度を超えたフィルターは交換され焼却処理され
る。
【0049】前記送風機110は、通路209により前
記除塵フィルター室100に連通しており、燃焼の安定
化及びガス成分の分解のために、燃焼室20,40側か
ら排気を等速吸引するものである。さらに、送風機11
0は、通路210により前記熱交換・除塵部60の通路
63に連通している。
【0050】前記排気塔120は、前記熱交換・除塵部
60に接続して設けられており、その通路63に連通
し、約50℃排ガスを熱交換により排ガス温度を上昇さ
せ大気中に排出された際の白煙を防止する。白煙の問題
がない地域では送風機110から直接排気塔120に接
続すればよく、この場合排気ガス温度が低くなっている
ので地球温暖化防止には好ましい。また、排気塔120
には、排ガス分析計121の測定部122が設けられて
いる。そして、その分析結果を表示する大型の表示部1
22が付近住民から見える場所に設置される。排ガス分
析計121は排ガス温度,CO,CO,NO,SO
等の有害物の測定を行うものである。
【0051】なお、前記ミキシング室90、除塵フィル
ター室100及び送風機110で生じた水は、通路21
1を通して前記冷却循環水貯蔵タンク81へ送られるよ
うになっている。
【0052】前記ろ過分離装置130は、通路212を
通って前記急冷・洗浄室70およびスクラバー洗浄室8
0の冷却循環水貯蔵タンク71,81から送られてきた
使用済みの被処理水をろ過して汚泥スラッジ131と処
理水とに分離し、浄化された処理水を通路213により
冷却循環水貯蔵タンク71,81に返送するとともに、
処理水の一部を通路214により燃料製造ユニット30
に送るものである。
【0053】前記焼却灰・ばい塵回収機140は、前記
1次燃焼室20、2次燃焼室40、蓄熱燃焼部50、熱
交換・除塵部60に堆積する焼却灰・ばい塵を吸引して
通路215を通し回収するものである。
【0054】前記混練機150は、通路216を通って
前記ろ過分離装置130から送られてきた汚泥スラッジ
と、通路217を通って前記焼却灰・ばい塵回収機14
0から送られてきた焼却灰・ばい塵とを特殊液剤(高濃
度珪酸液)と混練するものである。この混練物は、通路
218を通って前記再燃室42へ送られ、ここで再燃さ
れて骨材151にされるようになっている。さらに、ブ
ロック,瓦等の建材の製造装置を取り付けてもよい。
【0055】次にガス、水、燃料、灰の流れを説明す
る。
【0056】排ガス:ごみ自動投入装置10により投入
された補助燃料であるごみは1次燃焼室20で燃焼さ
れ、このとき排ガスが生じる。この排ガスは、図2に破
線の矢印で示すように、通路202、2次燃焼室40、
蓄熱燃焼部50、通路203、熱交換・除塵部60内の
通路62及び除塵サイクロン61、通路205、急冷・
洗浄室70、通路206、スクラバー洗浄室80及びそ
のミストセパレーター82、通路207、ミキシング室
90、通路208、除塵フィルター室100、通路20
9、送風機110、通路210、熱交換・高温除塵部6
0内の通路63を順次通って適宜処理され、排気塔12
0から大気中に放出される。
【0057】水:急冷・洗浄室70及びスクラバー洗浄
室80で使用された処理水は、それぞれ急冷・洗浄室7
0及びスクラバー洗浄室80の下方にある冷却循環水貯
蔵タンク71,81に蓄積され、通路212を通してろ
過分離装置130へ送られる。ここで、汚泥スラッジ1
31と水とが分離され、浄化された水の一部が通路21
4を通って燃料製造ユニット30へ供給され、その他は
通路213を通して冷却循環水貯蔵タンク71,81へ
戻され、処理水として急冷・洗浄室70及びスクラバー
洗浄室80における排ガス冷却・洗浄用に再利用され
る。なお、ミキシング室90、除塵フィルター室100
及び送風機110で生じた水は、通路211を通って冷
却循環水貯蔵タンク81へ送られる。以上のように水は
循環的に再使用され、本熱エネルギー供給システムから
外部への排水はない。また、処理水はバーナー21,4
1での燃焼及び蒸発により大気中に放出されて減少する
が、減少分の水は水道水で補給する。
【0058】燃料:燃料タンク31内の燃料である灯油
及び廃油タンク32内の食用廃油,機械廃油,切削廃油
等の廃油と前記ろ過分離装置130で浄化された水と廃
水タンク内の雨水,中水,下水,不凍液,屎尿等の固形
分を分離除去した廃水は燃料製造ユニット30で廃油の
一部又は全部と廃水の一部がエマルジョン化されてエマ
ルジョン燃料となり、図1に矢印201で示すように、
1次バーナー21,2次バーナー41に送られて燃焼さ
れる。
【0059】灰:1次燃焼室20に蓄積する焼却灰、2
次燃焼室40,蓄熱燃焼部50並びに除塵サイクロン6
1に蓄積するばい塵は、通路215を介して焼却灰・ば
い塵回収機140で回収され、さらに通路217を通っ
て混練機150へ送られる。また、ろ過分離装置130
で分離された汚泥スラッジ131も通路216を通って
混練機150へ送られる。そして、これらばい塵及び汚
泥スラッジ131は、混練機150で混練され、2次燃
焼室40の再燃室42に送られて再燃される。
【0060】次に各部分の作用についてより詳しく説明
する。
【0061】1次燃焼室20,2次燃焼室40では、エ
マルジョン燃料をバーナー21,41で燃焼することに
より燃焼室20,40内が還元雰囲気となり、エマルジ
ョン燃料の燃焼時水分子が分解して、補助燃料として投
入される有機物(ごみ)の炭素と酸素が結合し完全燃焼
する。これを1次燃焼室20における1次燃焼、2次燃
焼室40における2次燃焼、蓄熱燃焼部50における蓄
熱燃焼と繰り返すことにより、ベンゼン環が崩壊する。
また、エマルジョン燃料のため、窒素は通常のバーナー
より少ない。そして、1次燃焼室20ではごみ自動投入
装置10より投入された補助燃料であるごみを600〜
800℃で燃焼し、2次燃焼室40並びに蓄熱燃焼部5
0では未燃ガスを800〜1000℃好ましくは900
〜1000℃で還元雰囲気下で燃焼・分解する。また、
2次燃焼室40及び蓄熱燃焼部50は、高温で遠赤外
線,マイナスイオンを大量に放出する素材を炉壁材に採
用し、さらに蓄熱燃焼部50内には同素材からなる蓄熱
材を装填してあることにより、1次燃焼室20からの未
燃ガスを2次燃焼室40並びに蓄熱燃焼部50で2秒以
上滞留させる間に、エマルジョン燃焼による高温還元雰
囲気下と遠赤外線,マイナスイオン雰囲気下でダイオキ
シン類,窒素酸化物等の有害物質を含む未燃ガスをより
効率よく燃焼・分解できる。しかも、蓄熱材により排ガ
スが乱流・混合を受けるので、未燃ガスをさらに確実に
分解できる。さらに、前述のようにエマルジョン燃料燃
焼のため還元雰囲気となるので、装置本体の損傷が少な
くなる。
【0062】熱交換・除塵部60では、排ガス(燃焼ガ
ス)中に含まれる灰を除塵サイクロン61により高効率
で分離するとともに、分解された塩素を塩素固定剤で吸
着して99%以上捕捉し、熱交換器64を保護する。塩
素を吸着した塩素固定剤は自然崩壊し、灰とともに排ガ
ス中より分離される。除塵サイクロン61により急冷・
洗浄室70へのばい塵の混入を抑制でき、かつ、ばい塵
を人の手に触れることなく処理できる。また、熱交換・
高温除塵部60に設けられた熱交換器64からは、高温
の燃焼ガスとの熱交換によって発電、ボイラー、温水又
は温風を供給することができ、熱エネルギーが供給され
る。また、熱風が通路204を通して1次燃焼室20、
2次燃焼部40に供給され、これにより燃焼効率が上昇
し、ランニングコストが低減される。さらに、急冷・洗
浄室70、スクラバー洗浄室80、ミキシング室90及
び除塵フィルター室100をさらに経て冷却、浄化され
た排ガスは、排気塔120から排出される前に熱交換・
除塵部60内の通路63を通るが、このとき同じ熱交換
・除塵部60内の通路62内を通る高温の排ガスとの熱
交換によって加熱され、白煙が除去される。
【0063】焼却灰・ばい塵回収機140は、1次燃焼
室20、2次燃焼室40、蓄熱燃焼部50、熱交換・除
塵部60に蓄積する飛灰、焼却灰等のばい塵を人手に触
れることなく自動回収する。
【0064】急冷・洗浄室70は前述のように急冷洗浄
部と充填洗浄部とに分かれているが、急冷洗浄部では、
マルチチャンバーから処理水の微細水滴を大量に噴霧す
ることにより高温の排ガスを急速冷却し、ダイオキシン
類の再合成を阻止するとともに、排ガス中の残存飛灰及
び有害ガス成分を微細水滴が吸着する。また、噴霧衝撃
によって発生するマイナスイオンにより有害ガス成分を
分解する。充填洗浄部では、噴霧ノズルから処理水を噴
霧することにより排ガスを冷却するとともに充填剤の表
面を処理水で被覆し、充填剤間を通過する排ガスの残存
飛灰及び有害ガス成分が表面水に吸着・洗浄される。充
填剤はガス中の塩素を吸着固定し、排ガス中の塩素を除
去する。急冷・洗浄室70では、排ガス温度を80〜1
00℃まで冷却する。
【0065】スクラバー洗浄室80では、マルチスクラ
バーによる処理水の微細噴霧によりさらに排ガスの冷却
及び微細水滴により残存するばい塵及び有害ガス成分の
吸着除去が行われ、急冷・洗浄室70と併せて残存する
ばい塵の99%以上を捕捉する。また、噴霧衝撃によっ
て発生するマイナスイオンにより有害ガス成分を分解す
る。排ガス温度は50〜80℃に冷却される。これはダ
イオキシンが大気中で再合成する温度をはるかに下回っ
ている。さらに、スクラバー洗浄室80にあるミストセ
パレーター82では、飽和状態の水蒸気並びに処理水の
微細水滴を互いに衝突させてその粒径を大きくし、吸着
した飛灰、ダイオキシン類とともに除去する。
【0066】ミキシング室90では、還元中和剤又は人
工酵素触媒と排ガスが撹拌混合され、有害ガス成分が残
存する場合は分解する。これにより、ダイオキシン類の
分解を完全なものとすることができる。
【0067】除塵フィルター室100は、通常発生しな
い突発的な不安定燃焼状態で発生するすす等を捕捉する
ために設けられている。除塵フィルター室100内のフ
ィルターは逆洗により繰り返し使用され、最終的には焼
却処分ができる材質からなっている。
【0068】送風機110は、排ガス(燃焼ガス)を等
速吸引し、排ガス(燃焼ガス)を完全燃焼,分解,吸着
を促進させる。
【0069】ろ過分離装置130は、急冷・洗浄室7
0,スクラバー洗浄室80で使用された処理水中の灰,
吸着したガス成分を無機高分子凝集剤で凝集分離・浄化
し、処理水を急冷・洗浄室70及びスクラバー洗浄室8
0に返送するとともに、処理水の一部を燃料製造ユニッ
ト30に送る。ろ過分離装置130で分離されたスラッ
ジと焼却灰・ばい塵回収機140で回収されたばい塵は
混練機150へ送って高濃度珪酸液と混練し、さらに再
燃室42に送って再燃する。これにより灰中のダイオキ
シン処理も可能である。また、前記再燃室42での再燃
しなくとも重金属等が溶出しない無害な骨材,ブロッ
ク,瓦等の製品化が可能となる。そして、処理水が燃焼
されることにより、ランニングコストが低減する。
【0070】さらに、システム全体の特徴として、装置
内の圧損がなく、圧力変化が少ないため燃焼効率が上昇
し燃焼が安定する。また、不安定燃焼時も除塵フィルタ
ー室100で除塵を行うこともあって、バグフィルター
や電気集塵装置が不要である。
【0071】以上のように、本熱エネルギー供給システ
ムによれば、既存のボイラーや熱供給設備を備えたバグ
フィルターを使用する既存の大型の排ガス処理システム
のような複雑な温度管理・圧力管理を必要とせず、素人
でも操作が可能である。また、既存の上記設備と比べ大
気の点でも水質の点でも確実な公害対策を図ることがで
きる。即ちエマルジョン燃料の専用バーナー21,41
による燃焼により生ずる還元雰囲気下で自動投入による
ごみが燃焼及び燃焼に伴い生ずる未燃焼ガスが燃焼分解
され、特殊炉材による還元雰囲気下で排ガス成分の分解
を行い、水による高温排ガスの急冷洗浄,有害ガス成分
の吸着・分解を行うことにより、ダイオキシン類,SO
,NO,HCL,ばい塵が排出基準(大気)をはる
かに下回る。さらに処理水も浄化再利用し一部をエマル
ジョン燃料製造に再利用することで、汚水も一切排出す
ることがない。また、廃油,廃水をエマルジョン燃料と
しその上廃棄物(ごみ)を補助燃料とするのでランニン
グコストを大幅に低減することができる。
【0072】また、表示部123で排出ガスの分析結果
を表示するので、この表示を熱エネルギー供給システム
が設置される付近の住民が分析結果を見ることにより、
住民の不安が解消される。
【0073】さらに、本熱エネルギー供給システムは小
型のものであるが、この小型の熱エネルギー供給システ
ムを町内や団地等の地域単位あるいは集合住宅,病院,
事業所,農業団地,工業団地ごとの多数個所に設置すれ
ば、少数個所に大型の焼却施設を建設する場合に比べ、
建設コストを低減でき、ごみ収集車などによるごみ収集
のための人件費を節約できるとともに、ごみ収集車の排
気ガスによる空気の汚染も防止でき、周辺に熱エネルギ
ーとして温水・温風や電力を供給できる。
【0074】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、種々の変形実施が可能である。
【0075】
【発明の効果】第一の発明によれば、水と油をエマルジ
ョン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガス
の熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供
給するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を
設けた熱エネルギー供給システムにおいて、排ガスを処
理した被処理水をろ過し汚泥と処理水に分離する処理水
ろ過分離部と、この処理水ろ過分離部で浄化された処理
水の一部を燃料とエマルジョン化するエマルジョン燃料
製造装置とを備え、このエマルジョン燃料製造装置で製
造されたエマルジョン燃料をエマルジョンバーナーで燃
焼するので、排ガス中のダイオキシン類等の有害物を効
率よく除去できるとともに、排水を一切排出することが
なくなり、ダイオキシン類を含む排水を排出することに
よる汚染の虞がなくなる。
【0076】さらに、第二の発明によれば、第一の発明
に加え、前記熱エネルギー供給システムにおいて、前記
処理水ろ過分離部で浄化された処理水の一部を廃水とし
たものであるので、廃棄物として処理されていた廃水を
燃料として使用でき、廃水のエネルギーの有効利用が図
れ、ランニングコストが低減する。
【0077】さらに、第三の発明によれば、第一及び第
二の発明に加え熱エネルギー供給システムにおいて、エ
マルジョン燃料の原料となる油の一部又は全部を廃油と
したものであるので、廃棄物として処理されていた廃油
も燃料として使用でき、廃油のエネルギーの有効利用が
図れ、ランニングコストの低減が図れる。
【0078】さらに、第四の発明によれば、第一乃至第
三の発明に加え、水と油をエマルジョン化したエマルジ
ョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器によ
り熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃
焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー
供給システムにおいて、補助燃料として廃棄物を焼却
し、この廃棄物を焼却する焼却炉を備えたものであるの
で、廃棄物として処理されていたごみを補助燃料として
使用でき、ゴミ処理費の削減とランニングコストの低減
が図れる。
【0079】さらに、第五の発明によれば、燃焼室内部
を遠赤外線並びにマイナスイオンを発生する炉材で構成
したので、燃焼ガス中に含まれる有害物であるダイオキ
シン類やダイオキシン類の前躯体物質の分解を促進でき
る。
【0080】また、第六の発明によれば、遠赤外線並び
にマイナスイオンを発生する蓄熱材が装填された蓄熱燃
焼部を設けたので、燃焼ガス中に含まれる有害物である
ダイオキシン類やダイオキシン類の前躯体物質の分解を
促進できる。
【0081】第七の発明によれば、水と油をエマルジョ
ン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの
熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供給
するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設
けた熱エネルギー供給システムにおいて、1次燃焼室、
2次燃焼室、蓄熱燃焼部、高温除塵部に堆積する焼却灰
・ばい塵の吸引回収装置を設けたので、人の手に触れる
ことなく焼却灰・ばい塵を回収でき、作業者の汚染を防
止できる。
【0082】第八の発明によれば、水と油をエマルジョ
ン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの
熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供給
するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設
けた熱エネルギー供給システムにおいて、焼却灰,ばい
塵,汚泥を再燃して骨材化する灰焼却部を設けたので、
焼却灰,ばい塵,汚泥に含まれるダイオキシン類を分解
でき、焼却灰,ばい塵,汚泥を安定な骨材として再利用
できる。
【0083】第九の発明によれば、水と油をエマルジョ
ン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの
熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供給
するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設
けた熱エネルギー供給システムにおいて、除塵冷却され
た排ガスに還元中和剤を噴霧混合するミキシング室を設
けたので、排ガス中に残存するダイオキシン類,窒素酸
化物を分解でき、クリーンな排ガスを大気中に排出でき
る。
【0084】第十の発明によれば、水と油をエマルジョ
ン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの
熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供給
するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設
けた熱エネルギー供給システムにおいて、除塵冷却され
た排ガスに人工酵素触媒を噴霧混合するので、排ガス中
に残存するダイオキシン類,窒素酸化物を分解でき、ク
リーンな排ガスを大気中に排出できる。
【0085】第十一の発明によれば、水と油をエマルジ
ョン化したエマルジョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガス
の熱を熱交換器により熱交換し外部に熱エネルギーを供
給するとともに、燃焼ガスを浄化する排ガス処理装置を
設けた熱エネルギー供給システムにおいて、排気塔に設
けた排ガス分析計の測定部の分析結果を表示する表示部
を設けたので、熱エネルギー供給システムが設置される
付近の住民の不安を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム構成図であ
る。
【図2】同上、排ガスの流れを示す説明図である。
【符号の説明】
20 1次燃焼室(燃焼室,焼却炉) 21 1次バーナー(エマルジョンバーナー) 30 燃料製造ユニット(エマルジョン燃料製造装置) 32 廃油タンク 33 廃水タンク 40 2次燃焼室(燃焼室) 41 2次バーナー(エマルジョンバーナー) 42 再燃室(灰焼却部) 50 蓄熱燃焼部 60 熱交換・除塵部 64 熱交換器 90 ミキシング室 121 排ガス分析計 122 測定部 123 表示部 130 ろ過分離装置(処理水ろ過分離部) 140 焼却灰・ばい塵回収機(吸引回収装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23M 5/00 F23J 15/00 E Fターム(参考) 3K062 AA07 AA24 AB01 AC03 AC06 BA02 BA05 CB10 DA01 DA23 DA24 DA25 DA26 3K070 DA02 DA03 DA04 DA05 DA06 DA07 DA08 DA09 DA13 DA22 DA23 DA24 DA25 DA29 DA38 DA42 DA54 DA58 DA60 3K078 BA03 BA21 CA02 CA21 CA24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と油をエマルジョン化したエマルジョ
    ン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器により
    熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃焼
    ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー供
    給システムにおいて、排ガスを処理した被処理水をろ過
    し汚泥と処理水に分離する処理水ろ過分離部と、この処
    理水ろ過分離部で浄化された処理水の一部を燃料とエマ
    ルジョン化するエマルジョン燃料製造装置とを備え、こ
    のエマルジョン燃料製造装置で製造されたエマルジョン
    燃料をエマルジョンバーナーで燃焼することを特徴とす
    る熱エネルギー供給システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱エネルギー供給システ
    ムにおいて、前記処理水ろ過分離部で浄化された処理水
    の一部を廃水としたことを特徴とする熱エネルギー供給
    システム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の熱エネルギ
    ー供給システムにおいて、エマルジョン燃料の原料とな
    る油の一部又は全部を廃油としたことを特徴とする熱エ
    ネルギー供給システム。
  4. 【請求項4】 水と油をエマルジョン化したエマルジョ
    ン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器により
    熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃焼
    ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー供
    給システムにおいて、補助燃料として廃棄物を焼却し、
    この廃棄物を焼却する焼却炉を備えたことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の熱エネルギー供給シス
    テム。
  5. 【請求項5】 水と油をエマルジョン化したエマルジョ
    ン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器により
    熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃焼
    ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー供
    給システムにおいて、燃焼室内部を遠赤外線並びにマイ
    ナスイオンを発生する炉材で構成したことを特徴とする
    請求項1〜4いずれかに記載の熱エネルギー供給システ
    ム。
  6. 【請求項6】 水と油をエマルジョン化したエマルジョ
    ン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器により
    熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃焼
    ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー供
    給システムにおいて、遠赤外線並びにマイナスイオンを
    発生する蓄熱材が装填された蓄熱燃焼部を設けたことを
    特徴とする請求項5記載の熱エネルギー供給システム。
  7. 【請求項7】 水と油をエマルジョン化したエマルジョ
    ン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器により
    熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃焼
    ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー供
    給システムにおいて、1次燃焼室、2次燃焼室、蓄熱燃
    焼部、熱交換・除塵部に堆積する焼却灰・ばい塵の吸引
    回収装置を設けたことを特徴とする請求項4〜6いずれ
    かに記載の熱エネルギー供給システム。
  8. 【請求項8】 水と油をエマルジョン化したエマルジョ
    ン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器により
    熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃焼
    ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー供
    給システムにおいて、焼却灰,ばい塵,汚泥を再燃して
    骨材化する灰焼却部を設けたことを特徴とする熱エネル
    ギー供給システム。
  9. 【請求項9】 水と油をエマルジョン化したエマルジョ
    ン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器により
    熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃焼
    ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー供
    給システムにおいて、除塵冷却された排ガスに還元中和
    剤を噴霧混合することを特徴とする熱エネルギー供給シ
    ステム。
  10. 【請求項10】 水と油をエマルジョン化したエマルジ
    ョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器によ
    り熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃
    焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー
    供給システムにおいて、除塵冷却された排ガスに人工酵
    素触媒を混合することを特徴とする熱エネルギー供給シ
    ステム。
  11. 【請求項11】 水と油をエマルジョン化したエマルジ
    ョン燃料を燃焼して生ずる燃焼ガスの熱を熱交換器によ
    り熱交換し外部に熱エネルギーを供給するとともに、燃
    焼ガスを浄化する排ガス処理装置を設けた熱エネルギー
    供給システムにおいて、排気塔に設けた排ガス分析計の
    測定部の分析結果を表示する表示部を設けたことを特徴
    とする熱エネルギー供給システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007032999A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Kuniya Hayashi 焼却システム
WO2018179052A1 (ja) * 2017-03-27 2018-10-04 株式会社加来野製作所 脱煙脱臭装置

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