JP2002339460A - 可変形状屋根構造物およびその形状制御方法 - Google Patents

可変形状屋根構造物およびその形状制御方法

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JP2002339460A JP2001145594A JP2001145594A JP2002339460A JP 2002339460 A JP2002339460 A JP 2002339460A JP 2001145594 A JP2001145594 A JP 2001145594A JP 2001145594 A JP2001145594 A JP 2001145594A JP 2002339460 A JP2002339460 A JP 2002339460A
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良明 高橋
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秀樹 葛西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋根面が変形し得るようなユニークな可変形
状屋根構造物の提供。 【解決手段】 可変形状屋根構造物2は、固定トラス1
0と可変形状トラス12とが交互に複数連設された可変
形状トラス架構8と、当該可変形状トラス架構の外周に
沿って取り付けられる屋根部材6とから構成される。各
可変形状トラス12は、伸縮可能なアクチュエータによ
り形成された可変長なトラス部材14を有し、各アクチ
ュエータが個別に伸縮することで変形する。これによ
り、屋根面5を様々な形状に変形させることができる。
非常にユニークでバリエーション豊かな演出を実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根面が様々に変
形し得る可変形状屋根構造物およびその形状制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築技術の発達に伴い、多彩な演
出効果を実現できるバリエーション豊かな屋根構造物が
登場している。その1つに屋根自体が可動する可動式屋
根構造物がある。この可動式屋根構造物は、屋根の一部
あるいは全部が1枚または複数枚の可動屋根で構成さ
れ、この可動屋根がレールに沿って移動して屋根の一部
あるいは全部を開閉するようになっている。可動屋根の
移動形態としては横方向にスライドしたり、ある点を中
心に回動したりするものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの可動
式屋根構造物は、レールを使用したスライド方式や軸回
りの回転方式のみばかりであり、単一的な動作のみであ
ったため、期待できる演出効果にも限界があった。
【0004】一方、最近、構造部材であるトラス部材の
一部を伸縮可能なアクチュエータにより構成された可変
形状トラス構造体(VGT:Variable Geometry Trus
s)構造体が知られている。この可変形状トラス構造体
は、三角形状の基本トラスを構成するトラス部材の一部
に伸縮可能なアクチュエータが組み込まれ、このアクチ
ュエータの伸縮により形状が適宜に変化し得るようにな
っている。アクチュエータは複数箇所にわたって組み込
まれ、それぞれ個別に伸縮制御されて、当該構造体全体
があらゆる形状に多彩に変化するようになっている。
【0005】本発明者らは、このような可変形状トラス
構造体を以前より研究してゆく中、今までにない何か一
風変わった新しいユニークな屋根を実現できないものか
と考えた。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
ものであって、その目的は、屋根面の形状が様々に変形
させ得るような可変形状屋根構造物およびその形状制御
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明に係る可変形状屋根構造物にあっては、
構造物の上部に渡設される屋根架構を両端が固定された
可変形状トラス構造体により変形可能に構築したことを
特徴とする(請求項1)。
【0008】この構造物にあっては、屋根架構を変形可
能に構築したことで、屋根面を多彩に変形させることが
でき、これにより非常にユニークでバリエーション豊か
な演出を創出することができる。
【0009】また、前記可変形状トラス構造体は、その
外縁部若しくは内縁部のどちらか一方に沿って配置され
たトラス部材が全て固定長のトラス部材で構成されてい
ることを特徴とする(請求項2)。可変形状トラス構造
体の外縁部または内縁部のどちらか一方に沿って配置さ
れたトラス部材が全て固定長のトラス部材で構成される
ことで、外縁部または内縁部のいずれかが固定長とな
り、この部分に屋根部材を取り付けることで、屋根部材
の伸縮性を問わずに済む。
【0010】またさらに、前記可変形状トラス構造体が
複数並設され、当該可変形状トラス構造体の相互間にこ
れらの間を連結して前記可変形状トラス構造体の変形に
追従可能な屋根部材が設けられていることを特徴とする
(請求項3)。このように可変形状トラス構造体を複数
並設し、これらの相互間を屋根部材で連結すれば、屋根
面が様々な形状に変化し得る構造物を簡単に構築するこ
とができる。
【0011】また、前記屋根架構が複数の分割屋根によ
り構成され、各分割屋根がそれぞれ前記可変形状トラス
構造体からなり、各分割屋根がそれぞれ独立して変形し
得るように構成されていることを特徴とする(請求項
4)。このように屋根架構が複数の分割屋根から構成さ
れ、各分割屋根が各々独立して変形し得ることで、さら
に多彩な演出効果を実現することができる。
【0012】また、その分割屋根が、その中央部に配設
された1つの可変形状トラス構造体と、当該可変形状ト
ラス構造体から側方に延設された前記可変形状トラス構
造体の変形に追従可能な屋根部材とから構成されている
ことを特徴とする(請求項5)。また、その分割屋根
が、相互に間隔をあけて平行に並設された2つの可変形
状トラス構造体と、これら可変形状トラス構造体の相互
間に掛け渡されて介設された前記可変形状トラス構造体
の変形に追従可能な屋根部材とから構成されていること
を特徴とする(請求項6)。このような構成により各々
独立して個別に変形し得る分割屋根を簡単に実現するこ
とができる。相隣接した分割屋根間で変形状態に相違を
持たせることで、これらの間に隙間を設けることがで
き、この隙間から外光を取り入れたり、空気の入れ換え
を行ったりすることができる。さらにその変形状態の相
違にも変化も持たせれば、外光の取り入れ具合も変化
し、内部空間にバリエーション豊かな光の演出効果を期
待できる。
【0013】また、本発明に係る可変形状屋根構造物の
形状制御方法にあっては、前記アクチュエータの中の特
定の一のアクチュエータを微小量だけ伸縮させたときに
前記可変形状トラス構造体の両端座標が前記特定の一の
アクチュエータの伸縮前と伸縮後とで一定になるような
他のアクチュエータの伸縮量を求め、その結果に基づき
前記他のアクチュエータを各々伸縮制御するとともに前
記特定の一のアクチュエータを前記微小量だけ伸縮させ
ることを特徴とする(請求項7)。このような制御方法
を採用することにより、可変形状屋根構造物の形状を滑
らかにかつスムーズに変化させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る可変形状屋根
構造物の実施の形態について、添付図面を用いて説明す
る。図1〜図5は本発明に係る可変形状屋根構造物の一
実施形態を示したものである。図1はその可変形状屋根
構造物の外観を示したものであり、図2はその可変形状
屋根構造物の内部構造を示したものであり、図3〜図5
はその可変形状屋根構造物の変形の様子を示したもので
ある。
【0015】この可変形状屋根構造物2は、図1及び図
2に示すように、その内部にトンネル状の空間部が画成
された構造物であり、図中横方向に沿って長く横たわる
ように成形されている。その断面は長手方向に沿って略
半円形状に成形されている。
【0016】この可変形状屋根構造物2は、図1に示す
ように、長手方向に沿って相互に間隔をあけて平行に並
設された複数の可変形状屋根架構4と、当該可変形状屋
根架構4の相互間にこれらを相互に結んで介設された屋
根面を形成する屋根部材6とから構成される。可変形状
屋根架構4は、本発明に係る可変形状トラス構造体であ
る、図2に示すような両端が固定された可変形状トラス
架構8により構成されている。この可変形状トラス架構
8は、略三角形状の向きの異なる2種類のトラス10,
12からなり、これら2種類のトラス10,12が1つ
のトラス部材13を共有しながら、当該構造物の屋根面
5に沿って互い違いに連設されて構成されている。ここ
では、便宜的に、外側に形成されたトラス10を外向き
トラスといい、内側に形成されたトラス12を内向きト
ラスという。
【0017】内向きトラス12は、外向きトラス10と
共有しない1つのトラス部材(内側の辺部)14が伸縮
アクチュエータからなる可変長部材により構成され、そ
の長さが伸縮可能になっている。すなわち、内向きトラ
ス12は可変形状トラスになっている。一方、外向きト
ラス10は、内向きトラス12と共有するトラス部材1
3を含む3つの全てのトラス部材13,15が伸縮しな
い固定長の部材で構成され、形状が変化しない固定トラ
スとなっている。ここで外向きトラス10は全て同一サ
イズの正三角形状に成形されている。
【0018】これら外向きトラス10と内向きトラス1
2の各頂部にはピンヒンジ16が設けられ、外向きトラ
ス10と内向きトラス12は相互に回動可能にピン結合
されている。これにより、各トラス部材14の伸縮アク
チュエータの伸長及び収縮を許容するようになってい
る。各トラス部材14の伸縮アクチュエータがそれぞれ
個々に伸長したり収縮したりすることで、各内向きトラ
ス12の三角形状の大きさがそれぞれ変化し、架構8全
体が様々な形状を作り出すようになっている。この可変
形状トラス架構8が各種形状に変形したときの様子を図
3(a)〜(f)に示す。
【0019】一方、屋根部材6は、各可変形状屋根架構
4の相互間を閉鎖するように介設される部材である。こ
の屋根部材6は、可変形状トラス架構8の変形に追従可
能な可撓性を有する膜材をはじめとする各種部材により
形成されている。この他、可変形状トラス架構8の変形
に追従可能であればどのような素材で形成されてもよ
く、またどのような形態の部材であってもかまわない。
特に屋根部材6として伸縮可能な膜材等を使用すれば、
可変形状トラス架構8の変形に非常に柔軟に追従するこ
とができるとともに、止水も十分に実施することができ
る。この屋根部材6にあっては、当該可変形状トラス架
構8の内縁部や外縁部の他、当該可変形状トラス架構8
の相互間であれば、どこに取り付けられも構わないが、
好ましくは、長さが変化しない外向きトラス10の外周
に沿って取り付けられるのが好ましい。
【0020】ここで、可変形状屋根架構4をそれぞれ独
立して個別に制御し、ある周期に従ってそれぞれ順次位
相を遅らせて変形させてゆけば、屋根面5が上下方向に
弯曲変形し、屋根面5全体があたかも波打つように変化
する。これにより、屋根面5に対し、自然に調和した非
常にユニークな形状変化を持たせることができる。図4
及び図5は、当該可変形状屋根構造物2の屋根面5が波
打つように変形させたときの様子をそれぞれ示したもの
である。
【0021】次にこのような可変形状屋根構造物2の変
形制御方法の一実施形態について説明する。この可変形
状屋根構造物2は、前述したように、両端部が地面側に
固定されているため、各内向きトラス12の可変長部材
14を伸縮させると、両端A,Bを支点とする様々な形
状が作り出せる。しかし、意図した形状を作り出すに
は、非常に複雑な計算を行わなければならず、制御が大
変難しい。そこで、本実施形態では、1つの内向きトラ
ス12に注目し、この1つの内向きトラス12の可変長
部材14を基準に、他の内向きトラス12における可変
長部材14の伸縮長は両端A,Bを満足するような値を
探し出す、いわゆる逆解析手法によって形状を制御す
る。
【0022】図6〜図9は、本実施形態の可変形状屋根
構造物2を変形制御する方法の一実施形態を説明するも
のである。図6は、その変形制御方法を説明するための
図である。図7はその変形制御方法の手順を示したフロ
ーチャートである。図8は、本実施形態の可変形状屋根
構造物2の変形途中過程をステップ毎に示したものであ
る。図9は、その変形途中過程における伸縮アクチュエ
ータの長さを示したものである。
【0023】ここでは、図6に示すように、可変形状ト
ラス架構8の一端部(紙面左端部)および他端部(紙面
右端部)をそれぞれ端部Aおよび端部Bとし、さらに端
部Aを始点として当該可変形状トラス架構8に沿って端
部Bに至るまで、各トラス10,12のヒンジ16をP
〜P(ここではn=24)とする。また、各ヒンジ
〜Pにおける図示するヒンジ角をそれぞれ各ヒン
ジP〜Pに対応させてθ〜θとする。また、各
内向きトラス(可変形状トラス)12を構成する各可変
長部材14についても端部Aから端部Bにかけて順にC
−1〜C−11とする。
【0024】この可変形状トラス架構8は、端部A(P
)を原点とし、外向きトラス(固定トラス)10のみ
で構成される一種の多次元マニュピレーターと見なすこ
とができる。このことから、端部Aを基準としてヒンジ
(i=0〜n)の座標を考えた場合、そのx座標Q
ixおよびy座標Qiyはそれぞれ次の数式(1),
(2)に当てはめることができる。なお、ここでLは外
向きトラス10の1辺の長さ(一定)である。
【数1】
【0025】さらにx座標Qix及びy座標Qiy、そ
れぞれ両辺を時間微分すると、次の数式(3),(4)
のようになる。
【数2】
【0026】この結果をマトリックス形式で示すと、次
の数式(5),(6)のように表せる。
【数3】
【0027】数式(5)より、ヤコビの逆行列(数式
(6)の逆行列)を用いて、次の数式(7)により、
【数4】 x座標Qix及びy座標Qiyの各微分座標を求めるこ
とができる。ただし、n+1=3の場合には、ヤコビ行
列は不定形となり、逆行列を求めることはできない。n
+1>3の場合には、疑似行列を用いることにより、次
の数式(8)より解を求めることができる。
【0028】
【数5】
【0029】さらに微小時間Δtにおける関係により、
次の数式(9)が求められ、時間t+1における各θ
i,t+1を求めることができる。
【数6】
【0030】端部Aを原点とした一種のマニュピレータ
ーと考えた場合、時間tにおける先端(端部B)の座標
をQn,tとし、その時の各ヒンジ角をθi,tとす
る。また時間t+1において、ある1つの可変形状トラ
ス(内向きトラス)12のヒンジ角を微小に変化させた
時の先端座標をQn,t+1とする。ある1つの可変形
状トラス12のヒンジ角を微妙に変化させる前と、変化
させた後では、図7に示すように可変形状トラス架構8
の先端(端部B)の座標にズレが生じる。
【0031】しかしここでは、可変形状トラス架構8の
両端部は共に地面側に固定されているため、可変形状ト
ラス架構8の先端(端部B)の座標は常に一定していな
ければならない。そこで、可変形状トラス架構8の先端
(端部B)の座標が一定するように、前述した数式
(9)を用いて、各可変形状トラス12のヒンジ角θ
i, t+1を求める。そして、各可変形状トラス12の
各ヒンジ角がθi,tからθ i,t+1に修正させるよ
うに各伸縮アクチュエータを伸縮させて各可変形状トラ
ス12の可変長部材14の長さを調整する。
【0032】このようにあるヒンジ角を微小に変化させ
るステップと、端部Bの座標を一致させるべく全体の角
度を修正するステップとを繰り返すことによって、滑ら
かに形状が変化する屋根を作り出すことができる。その
制御アルゴリズムを図8に示す。
【0033】この図に示すように、まず、トラス形状の
初期設定および可変させる部材の選定を行う(S0
1)。次に、前述した数式(1),(2)により各ヒン
ジ16の座標Q(Qix,Qiy)を算出する(S0
2)。さらに数式(6)によるヤコビ行列JおよびJ
−1を算出する(S03)。次にパターンの変化を入力
する(θを微小に変化させる)。また、可変形状トラ
ス架構8の端部Bの座標が変形前と変形後で一定となる
ように各ヒンジ16のヒンジ角θi,t+1を求める
(S05)。次に各ヒンジ16のヒンジ角θi,t+1
から各ヒンジ16の座標Q i,t+1を求め、変化前の
座標Qi,t+1からの座標変化量を求め、その座標変
化量が所定の誤差範囲内に収まっているか否か判別する
(S06)。その座標変化量が所定の誤差範囲内に収ま
っていないと判別した場合には、再度各ヒンジ16のヒ
ンジ角θi,t+1を求める。その座標変化量が所定の
誤差範囲内に収まっていると判別した場合には、各ヒン
ジ16のヒンジ角θi,t+1になるようにするための
内向きトラス12の各可変長部材14の長さを求める
(S07)。そして、実際に各可変長部材14の長さを
各々目標長さにすべく、各伸縮アクチュエータにデータ
を付与してそれぞれ伸縮駆動させる(S08)。次に各
可変長部材14の長さが目標長さに達したか否か調べる
(S09)。全ての各可変長部材14の長さが目標長さ
に達するまで各伸縮アクチュエータの駆動を続ける。こ
こで、可変形状トラス架構8の形状変化を終了する場合
には終了ステップに進み、一方、可変形状トラス架構8
の形状変化を継続する場合には、再度S02に戻り、数
式(1),(2)により各ヒンジ16の座標Q
(Qix,Qiy)を算出する。
【0034】このように1つの可変形状トラス12に注
目し、この1つの可変形状トラス12の可変長部材14
の長さを徐々に変化させつつ他の可変形状トラス12の
可変長部材14の伸縮により修正することを繰り返すこ
とで、屋根面形状が連続的に変化する1つの変形動作を
創出することができる。これにより、屋根面5の形状を
ランダムにまたは周期的に変化させることができる。可
変形状トラス架構8の形状変化の過程の一例を図9およ
び図10に示す。図9(a)〜(h)は、それぞれある
ステップの可変形状トラス架構8の形状を示したもので
ある。また、図10は、各ステップにおける内向きトラ
ス12の可変長部材14の長さの変化の様子を示したも
のである。
【0035】特に前後に配置される可変形状トラス架構
8の相互間において、変形動作に位相差を持たせること
で、図4や図5に示すような、あたかも屋根面5全体が
波打つような変形動作を創出することができる。
【0036】なお、これら各ヒンジ16の座標から各ヒ
ンジ16のヒンジ角の補正、さらに伸縮アクチュエータ
の伸縮制御までの一連の作業は、全てコンピュータ制御
により実施する。
【0037】次に他のタイプの可変形状屋根構造物につ
いて説明する。図11〜図13は、本発明に係る可変形
状屋根構造物2の他の実施形態を示したものである。図
11は、その可変形状屋根構造物2の外観を示したもの
であり、図12及び図13はそれぞれ当該可変形状屋根
構造物2を構成する分割屋根の一実施形態を示したもの
である。
【0038】この可変形状屋根構造物は、前記実施の形
態と同じく、横方向に長く横たわるように構築された構
造物で、内部にトンネル状に画成された空間部を有す
る。ただし、この構造物では、屋根が長手方向に沿って
分割されており、複数の分割屋根20から構成されてい
る。
【0039】分割屋根20は、それぞれ半円形状に構築
されるとともに、相互に密着しつつ連設されている。各
分割屋根20は、それぞれ個別に前記実施形態と同様の
可変形状トラス架構を備えており、図11に示すよう
に、各々個別に独立して変形し得るようになっている。
分割屋根20の具体的な構成を図12及び図13に示
す。
【0040】図12に示す分割屋根20は、その中央部
に沿って可変形状トラス架構8が1本設けられ、当該可
変形状トラス架構8の側縁から側方に向けて屋根面5を
形成する屋根部材6が一体的に延設されている。この屋
根部材6は、パネル材や骨組み等から形成されたフレー
ムや膜材等によって可変形状トラス架構8の変形に追従
し得るように形成されている。
【0041】また、図13に示す分割屋根20は、相互
に間隔をあけて平行に並設された可変形状トラス架構8
の間に、これの間に掛け渡されるようにしてこの間隔を
閉塞すべく屋根部材6が介設されている。この屋根部材
6も、前述した分割屋根20と同様、パネル材や骨組み
等から形成されたフレームや膜材等によって可変形状ト
ラス架構8の変形に追従し得るように形成されている。
【0042】なお、本実施形態では、屋根部材6が可変
形状トラス架構8の外縁に沿って取り付けられていた
が、本発明にあってはこれに限らず、可変形状トラス架
構8の内縁に沿って取り付けられる他、可変形状トラス
架構8の相互間に介設されこれらを連結するのであれ
ば、どのような形態で取り付けられてもよい。
【0043】また、本実施形態では、可変形状屋根構造
物2は、屋根架構からのみ構築され、構造物2全体が変
形し得るように構成されていたが、本発明にあってはこ
れに限らず、構造物の上部に変形可能な屋根架構が構築
され、屋根部のみが変形し得るような構造物であっても
かまわない。
【0044】また、本実施形態では、可変形状トラス架
構8の内側に可変形状トラス12が、また可変形状トラ
ス架構8の外縁側に固定トラス10が配置されていた
が、両者の位置関係は逆でもよい。即ち、可変形状トラ
ス架構8の内縁側に固定トラス10が、また可変形状ト
ラス架構8の外縁側に可変形状トラス12が配置されて
いても良い。この場合、可変形状トラス架構8の内縁部
が固定長となるため、屋根部材は、可変形状トラス架構
8の内縁部に取り付けられるのが好ましい。もちろん本
発明にあっては、これに限らず、他の形態の可変形状ト
ラス構造体により構成されてもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る可変形状屋根構造物によれ
ば、構造物の上部に渡設される屋根架構を、伸縮可能な
アクチュエータで構成されたトラス部材を含みかつ両端
が固定された可変形状トラス構造体により変形可能に構
築したことで、屋根面を多彩に変形させることができ、
これにより非常にユニークでバリエーション豊かな演出
を実現することができる(請求項1)。
【0046】また、前記可変形状トラス構造体は、その
外縁部若しくは内縁部のどちらか一方に沿って配置され
たトラス部材が全て固定長のトラス部材で構成されてい
ることで、外縁部または内縁部のいずれかが固定長とな
り、この部分に屋根部材を取り付けることで、屋根部材
の伸縮性を問わずに済む(請求項2)。
【0047】また、前記可変形状トラス構造体が相互に
間隔をあけて平行に複数並設され、当該可変形状トラス
構造体の相互間にこれらの間を連結して前記可変形状ト
ラス構造体の変形に追従可能な屋根部材が介設されれ
ば、屋根面が上下に変形し得る構造物が簡単に構築する
ことができる(請求項3)。
【0048】また、前記屋根架構が複数の分割屋根によ
り構成され、各分割屋根がそれぞれ前記可変形状トラス
構造体からなり、各分割屋根がそれぞれ独立して変形し
得るように構成されれば、さらに多彩な演出効果を実現
することができる(請求項4)。
【0049】また、前記分割屋根が、その中央部に配設
された1つの可変形状トラス構造体と、当該可変形状ト
ラス構造体の側縁から側方に延設された前記可変形状ト
ラス構造体の変形に追従可能な屋根部材とから構成され
れば、各々独立して個別に変形し得る分割屋根を簡単に
実現することができる(請求項5)。また、前記分割屋
根が、相互に間隔をあけて平行に並設された2つの可変
形状トラス構造体と、これら可変形状トラス構造体の相
互間に掛け渡されて介設された前記可変形状トラス構造
体の変形に追従可能な屋根部材とから構成されていて
も、このように各々独立して個別に変形し得る分割屋根
を簡単に実現することができる(請求項6)。さらにこ
のような分割屋根において、相隣接した分割屋根間で変
形状態に相違を持たせることで、これらの間に隙間を設
けることができ、この隙間から外光を取り入れたり、空
気の入れ換えを行ったりすることができる。さらにその
変形状態の相違にも変化も持たせれば、外光の取り入れ
具合も変化し、内部空間にバリエーション豊かな光の演
出効果を期待できる。
【0050】また、本発明に係る可変形状屋根構造物の
形状制御方法によれば、前記アクチュエータの中の特定
の一のアクチュエータを微小量だけ伸縮させたときに前
記可変形状トラス構造体の両端座標が前記特定の一のア
クチュエータの伸縮前と伸縮後とで一定になるような他
のアクチュエータの伸縮量を求め、その結果に基づき前
記他のアクチュエータを各々伸縮制御するとともに前記
特定の一のアクチュエータを前記微小量だけ伸縮させる
ことで、可変形状屋根構造物の形状を複雑な制御を必要
とせずに滑らかにかつスムーズに変化させることができ
る(請求項7)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可変形状屋根構造物の一実施形態
の全体を示した外観図である。
【図2】図1に示す可変形状屋根構造物の内部構造を示
した縦断面図である。
【図3】図1に示す可変形状屋根構造物の変形の様子を
示した縦断面図である。
【図4】図1に示す可変形状屋根構造物の変形の様子を
示した外観図である。
【図5】図1に示す可変形状屋根構造物の変形の様子を
示した外観図である。
【図6】本発明に係る可変形状屋根構造物の形状を制御
する方法の一実施形態を説明するための説明図である。
【図7】本発明に係る可変形状屋根構造物の形状を制御
する方法の一実施形態を説明するための説明図である。
【図8】本発明に係る可変形状屋根構造物の形状を制御
する方法の一実施形態の手順を説明するためのフローチ
ャートである。
【図9】本発明に係る可変形状屋根構造物の形状を制御
する方法の一実施形態による形状変形課程を示した説明
図である。
【図10】本発明に係る可変形状屋根構造物の形状を制
御する方法の一実施形態による形状変化と、可変形状屋
根構造物を構成する伸縮アクチュエータの長さの変化の
課程を示したグラフである。
【図11】本発明に係る可変形状屋根構造物の他の実施
形態を示した斜視図である。
【図12】図11に示す可変形状屋根構造物を構成する
可変形状屋根架構の一実施形態を示した斜視図である。
【図13】図11に示す可変形状屋根構造物を構成する
可変形状屋根架構の他の実施形態を示した斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 可変形状屋根構造物 4 可変形状屋根架構 5 屋根面 6 屋根部材 8 可変形状トラス架構 10 外向きトラス(固定トラス) 12 内向きトラス(可変形状トラス) 14 可変長部材 16 ヒンジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 良明 東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社 大林組東京本社内 (72)発明者 葛西 秀樹 東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社 大林組東京本社内 (72)発明者 橋本 廉太郎 東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社 大林組東京本社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の上部に渡設される屋根架構を、
    伸縮可能なアクチュエータで構成されたトラス部材を含
    みかつ両端が固定された可変形状トラス構造体により変
    形可能に構築したことを特徴とする可変形状屋根構造
    物。
  2. 【請求項2】 前記可変形状トラス構造体は、その外縁
    部若しくは内縁部のどちらか一方に沿って配置されたト
    ラス部材が全て固定長のトラス部材で構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の可変形状屋根構造物。
  3. 【請求項3】 前記可変形状トラス構造体が複数並設さ
    れ、当該可変形状トラス構造体の相互間にこれらの間を
    連結して前記可変形状トラス構造体の変形に追従可能な
    屋根部材が設けられていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の可変形状屋根構造物。
  4. 【請求項4】 前記屋根架構が複数の分割屋根により構
    成され、各分割屋根がそれぞれ前記可変形状トラス構造
    体を備え、これら各分割屋根がそれぞれ独立して変形し
    得るように構成されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の可変形状屋根構造物。
  5. 【請求項5】 前記分割屋根は、その中央部に配設され
    た1つの可変形状トラス構造体と、当該可変形状トラス
    構造体から側方に延設された前記可変形状トラス構造体
    の変形に追従可能な屋根部材とから構成されていること
    を特徴とする請求項4に記載の可変形状屋根構造物。
  6. 【請求項6】 前記分割屋根は、相互に間隔をあけて平
    行に並設された2つの可変形状トラス構造体と、これら
    可変形状トラス構造体の相互間に掛け渡されて介設され
    た前記可変形状トラス構造体の変形に追従可能な屋根部
    材とから構成されていることを特徴とする請求項4に記
    載の可変形状屋根構造物。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の可変形状屋根構造物の
    形状を制御する方法であって、 前記アクチュエータの中の特定の一のアクチュエータを
    微小量だけ伸縮させたときに前記可変形状トラス構造体
    の両端座標が前記特定の一のアクチュエータの伸縮前と
    伸縮後とで一定になるような他のアクチュエータの伸縮
    量を求め、その結果に基づき前記他のアクチュエータを
    各々伸縮制御するとともに前記特定の一のアクチュエー
    タを前記微小量だけ伸縮させることを特徴とする可変形
    状屋根構造物の形状制御方法。
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