JP2002338297A - ガラス基板およびこれを用いた情報記録用媒体、光通信用素子 - Google Patents
ガラス基板およびこれを用いた情報記録用媒体、光通信用素子Info
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Abstract
が少なく、さらに低コストであるガラス基板を提供す
る。 【解決手段】 mol%で、SiO2:55.0〜7
5.0%、B2O3:1.0〜10.0%、Al2O3:
3.0〜16.0%、Li2O:5.0〜15.0%、
Na2O:14.0%以下、K2O:12.0%以下、L
i2O+Na2O+K2O:16.0〜25.0%、Ca
O:6%以下、Ta2O5:0.001〜2.0%のガラ
ス組成を有する構成とする。
Description
より詳細には情報記録用媒体や光通信用素子などの基板
として用いるガラス基板に関するものである。
ニウム合金が広く用いられていたが、アルミニウム合金
は変形しやすく、また硬さが不十分であるため研磨後の
基板表面の平滑性が十分とは言えなかった。また、ヘッ
ドが機械的に磁気ディスクに接触する際、磁性膜が基板
から剥離しやすいという問題もあった。そこで、変形が
少なく、平滑性が良好で、かつ機械的強度の大きいガラ
ス基板の開発が進められている。
元素を他のアルカリ元素と置換することにより機械的強
度を向上させた化学強化ガラスと、非晶質のガラス中に
微細な結晶質粒子を析出させた結晶化ガラスが開発され
ている。しかし、化学強化ガラスでは基板表面のアルカ
リイオンが、磁性膜を成膜する際の加熱工程時に表面に
移動して溶出したり、あるいは磁性膜を侵食したり、磁
性膜の付着強度を劣化させたりする問題があった。ま
た、結晶化ガラスでは、生成した微結晶粒子と非晶質ガ
ラスとの摩耗性の違いから、基板表面の研磨後の凹凸が
大きく平滑性が十分とは言えなかった。また、上記のい
ずれのガラスも、化学強化処理工程または結晶化工程と
いった後処理プロセスが必要となるため低コスト化が難
しい。
ないガラス基板では、低コスト化は図れるものの、線熱
膨張係数が一般に60〜70×10-7/℃程度であるた
め、SUS鋼などでできたクランプやスピンドルモータ部
材の線熱膨張係数(100〜120×10-7/℃程度)
との差が大きく、記録媒体の記録装置への取付け時や情
報記録時に不具合が生じることがあった。
用素子でも基板としてガラス基板が用いられているが、
ガラス基板から溶出したアルカリ成分によって前記素子
が劣化することがあった。また、ガラス基板上に形成さ
れる膜の密度が大きくなるほど、温度・湿度の変化によ
る波長シフトが抑制されるところ、従来広く用いられて
いる真空蒸着法では形成できる膜の密度に限界があっ
た。
来の問題に鑑みてなされたものであり、線熱膨張係数が
モータ部材のそれに近く、しかもアルカリ成分の溶出が
少なく、低コストであるガラス基板を提供することをそ
の目的とするものである。
記録密度を有する情報記録用媒体を提供することにあ
る。
なく、温度・湿度の変化による波長シフトが抑制された
光通信用素子を提供することにある。
本発明のガラス基板では、線熱膨張係数が80〜120
×10-7/℃の範囲であり、アルカリ溶出量が0.7〜
1.5μg/cm2の範囲で、表面および内部の組成が
均質である構成とした。なお、表面および内部の組成が
均質とは、強化処理を行っていないとの意味である。ま
た、以下「%」は特に断りのない限り「mol%」を意
味するものとする。
を用いて、荷重:5g、温度範囲:25〜100℃、昇
温速度:5℃/minの条件で測定した値である。また
アルカリ溶出量は、80℃の逆浸透膜水50ml中に試
料ガラスを24h浸漬した後、ICP発光分光分析装置
で溶出液を分析し算出した値である。なお加速試験とす
るため、測定する試料ガラスは、表面を#600の研磨
材で研磨し、予め表面を荒れた状態とした。この測定方
法によるアルカリ溶出量とJIS R 3502のアルカ
リ溶出試験によるアルカリ溶出量とは相関関係があり、
この測定方法による溶出量0.7〜1.5μg/cm2
は、JIS R 3502のアルカリ溶出試験によるアル
カリ溶出量0.2〜0.3mgにおおよそ相当する。
ス基板では、mol%で、SiO2:55.0〜75.
0%、B2O3:1.0〜10.0%、Al2O3:3.0
〜16.0%、Li2O:5.0〜15.0%、Na
2O:14.0%以下、K2O:12.0%以下、Li2
O+Na2O+K2O:16.0〜25.0%、CaO:
6.0%以下、Ta2O5:0.001〜2.0%のガラ
ス組成を有する構成とした。
媒体の基板として用いた場合に、化学的耐久性や密度記
録を向上させる観点から、線熱膨張係数を80〜120
×10-7/℃の範囲とし、アルカリ溶出量を1.5μg
/cm2以下とするのが好ましい。
載のガラス基板の表面に、直接又は他の層を介して情報
記録層を形成したことを特徴とする情報記録用媒体が提
供される。また前記のいずれかに記載のガラス基板を基
板として用いたことを特徴とする光通信用素子が提供さ
れる。
させると線熱膨張係数は大きくなるものの、アルカリ溶
出量も同時に増えるため、線熱膨張係数を大きくし且つ
アルカリ溶出量を少なくすることはこれまで困難とされ
ていた。ところが本発明者等が種々検討を重ねた結果、
特定のアルカリ金属酸化物の各含有量および総含有量を
特定の範囲にすると、線熱膨張係数を高くできると同時
に、アルカリ溶出量を抑えられるという新たな知見を
得、さらにAl2O3、B2O3及びTa2O5を特定量含有
させると、化学的耐久性が向上しアルカリ溶出量がさら
に抑制されるという知見を得て本発明をなすに至った。
その限定した理由について説明する。まず、SiO2は
ガラスを形成する必須成分である。含有量が55.0%
未満であるとガラスの構造が軟弱となりアルカリ溶出量
が増加する。他方、含有量が75.0%を超えるとガラ
スの溶融性が悪く。また、化学的耐久性を向上させるガ
ラス成分の含有量が相対的に少なくなるのでアルカリ溶
出量が増加する。そこで含有量を55.0〜75.0%
の範囲と定めた。より好ましい範囲としては60.0〜
68.0%の範囲である。
耐久性を向上させる作用を奏する。含有量が1.0%未
満であるとこのような作用が得られず、アルカリ溶出量
が増加する。他方、含有量が10.0%を超えても化学
的耐久性が低下し、アルカリ溶出量が増加する。そこで
含有量を1.0〜10.0%の範囲と定めた。より好ま
しい範囲としては4.0〜7.0%の範囲である。
せる作用を奏する。含有量が3.0%未満であるとこの
ような作用が得られずアルカリ溶出量が増加する。他
方、含有量が16.0%を超えるとガラスの溶融性が悪
くなる。そこで含有量を3.0〜16.0%の範囲と定
めた。より好ましい範囲としては5.0〜11.0%の
範囲である。
酸化物は、いずれもガラスの溶融性を向上させ、線熱膨
張係数を大きくする作用を奏する。Li2Oを他のアル
カリ金属酸化物と共存させるとアルカリ溶出量を大幅に
低減できるので、Li2Oは必須成分とし、Na2O及び
K2Oは少なくとも一方を含有させることにした。そし
て、ここで重要なことは、アルカリ金属酸化物の含有量
を増やすとアルカリ溶出量も通常は増えるのであるが、
アルカリ金属酸化物を本発明で規定する含有量の範囲と
するとアルカリ溶出量の増加が抑えられるのである(い
わゆるアルカリ混合効果)。以下、各アルカリ金属酸化
物の含有量について説明する。
範囲とした。含有量が5.0%よりも少ないと線熱膨張
係数を大きくすることができず、またガラスの溶融性が
改善できない。他方、含有量が15.0%を超えるとア
ルカリ溶出量が増加する。より好ましい含有量は9.0
〜13.5%の範囲である。
4.0%及び12.0%以下とした。Na2O及びK2O
の含有量が14.0%及び12.0%をそれぞれ超える
と、アルカリ溶出量が増加する。より好ましい含有量
は、Na2Oは4.0〜9.0%の範囲、K2Oは3.0
〜7.0%の範囲である。
量は16.0〜25.0%の範囲とした。この総含有量
が16.0%より少ないと、線熱膨張係数を高くしなが
らアルカリ溶出量を抑えるアルカリ混合効果が得られな
い。他方、総含有量が25.0%を超えるとアルカリ溶
出量が増加する。
CaOを6%以下の範囲でさらに含有させてもよい。C
aOはガラスの溶融性を向上させる作用を奏し、含有量
が6%を超えるとアルカリ溶出量が増加する。より好ま
しい含有量は5.5%以下である。
を奏する。この作用はこれまで知られていなかったTa
2O5の作用である。この作用は、0.001%といった
極微の含有であっても得られるが、含有量が2%を超え
るとガラスの溶融性が悪くなる。より好ましい含有量は
0.1〜1.5%の範囲である。
2O3、Sb2O3などの清澄剤、あるいは耐候性を向上さ
せるためにTiO2、CaO以外のアルカリ土類金属酸
化物といった従来公知のガラス成分及び添加剤を本発明
の効果を害しない範囲で添加しても構わない。
はなく、これまで公知の製造方法を用いることができ
る。例えば、各成分の原料として各々相当する酸化物、
炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等を使用し、所望の割合に秤
量し、粉末で十分に混合して調合原料とする。これを例
えば1,300〜1,550℃に加熱された電気炉中の
白金坩堝などに投入し、溶融清澄後、撹拌均質化して予
め加熱された鋳型に鋳込み、徐冷してガラスブロックに
する。次に、ガラス転移点付近まで再加熱し、徐冷して
歪み取りを行う。そして得られたガラスブロックを円盤
形状にスライスして、内周および外周を同心円としてコ
アドリルを用いて切り出す。さらに、両面を粗研磨した
後ポリッシングを行ってガラス基板とする。
板として用いる場合には、線熱膨張係数は80〜120
×10-7/℃の範囲が好ましい。線熱膨張係数がこの範
囲から外れると、情報記録用媒体を取り付ける駆動部の
材料のそれとの差が大きくなり、情報記録用媒体の固定
が緩み、記録の読み書きができなくなるおそれがあるか
らである。
の基板として用いる場合には、アルカリ溶出量は1.5
μg/cm2以下とするのが好ましい。アルカリ溶出量
が1.5μg/cm2を超えると基板表面に形成された
磁性膜などの記録膜が劣化するおそれがあるからであ
る。
はなく3.5,2.5,1.8インチ、あるいはそれ以
下の小径ディスクとすることもでき、またその厚さは2
mmや1mm、0.63mm、あるいはそれ以下といっ
た薄型とすることもできる。
明する。本発明の情報記録用媒体の大きな特徴は、基板
として前記のガラス基板を用いたことにある。このよう
な構成により優れた耐久性および高記録密度が実現され
る。以下、図面に基づき本発明の情報記録用媒体につい
て説明する。
磁気ディスクDは、円形のガラス基板1の表面に磁性膜
2を直接形成したものである。磁性膜2の形成方法とし
ては従来公知の方法を用いることができ、例えば磁性粒
子を分散させた熱硬化性樹脂を基板上にスピンコートし
て形成する方法や、スパッタリング、無電解めっきによ
り形成する方法が挙げられる。スピンコート法での膜厚
は約0.3〜1.2μm程度、スパッタリング法での膜
厚は0.04〜0.08μm程度、無電解めっき法での
膜厚は0.05〜0.1μm程度であり、薄膜化および
高密度化の観点からはスパッタリング法および無電解め
っき法による膜形成が好ましい。
定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を
得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束
密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金な
どが好適である。具体的には、Coを主成分とするCo
Pt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrT
a、CoPtCr、CoNiPtや、CoNiCrP
t、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrP
tB、CoCrPtSiOなどが挙げられる。磁性膜
は、非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)
で分割しノイズの低減を図った多層構成(例えば、Co
PtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa
/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。上
記の磁性材料の他、フェライト系、鉄−希土類系や、S
iO2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、F
eCo、CoNiPt等の磁性粒子を分散された構造の
グラニュラーなどであってもよい。また、磁性膜は、内
面型および垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
磁性膜の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。
潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポ
リエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈
したものが挙げられる。
もよい。磁気ディスクにおける下地層は磁性膜に応じて
選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、M
o、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性
金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられ
る。Coを主成分とする磁性膜の場合には、磁気特性向
上等の観点からCr単体やCr合金であることが好まし
い。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層
を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr
/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/C
r、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下
地層としてもよい。
ては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素
化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられ
る。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインラ
イン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これ
らの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又は
異種の層からなる多層構成としてもよい。なお、上記保
護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を
形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr層
の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希
釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布
し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)層を形成して
もよい。
様として磁気ディスクについて説明したが、本発明の情
報記録用媒体はこれに限定されるものではなく、前記ガ
ラス基板を用いた光磁気ディスクや光ディスクなども本
発明の情報記録用媒体にもちろん含まれる。
る。本発明の光通信用素子の大きな特徴は、その基板と
して前記のガラス基板を用いたことにある。すなわち、
前記ガラス基板では、アルカリ溶出量が1.5μg/c
m2以下と少なく基板から溶出したアルカリ成分によっ
て基板上の膜が劣化することがない。また、従来のガラ
ス基板(約60〜70×10-7/℃程度)に比べて線熱
膨張係数が80〜120×10-7/℃の範囲と大きいの
で、蒸着工程で加熱されたガラス基板が冷却されて縮む
量が大きくなり、このガラス基板の収縮により基板表面
に形成された膜が圧縮されてその密度が大きくなる。こ
の結果、温度・湿度の変化による波長シフトが抑制され
るのである。
e Wavelength Division Multiplexing)用の光フィルタ
を例に本発明の光通信用素子について説明する。誘電体
多層膜を用いた光フィルタは高屈折率層と低屈折率層と
を有し、これらの層を積層した構造を有している。これ
らの層を形成する方法としては、特に限定はなく従来公
知の方法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、イオンビームアシスト法などを用
いることができる。この中でも生産性が高いことから真
空蒸着法が推奨される。真空蒸着は、真空中で蒸着材料
を加熱し、発生した蒸気を基体上に凝縮・付着させて薄
膜を形成する方法である。蒸着材料の加熱方法には、抵
抗加熱、外熱ルツボ、電子ビーム、高周波、レーザーな
どの各種方法がある。具体的な蒸着条件として、真空度
は1×10-3〜5×10-3Pa程度である。蒸着中は真
空度が一定となるように電磁弁を制御して導入酸素量を
調整する。そして層厚モニターにより所定層厚となった
ところでシャターを閉じて蒸着を終了する。
膜厚が波長の1/4とするのが基本であって、一般的に
1μm程度までである。また、総層数は一般的に100
層を超える。用いる膜材料としては例えば、誘電体や半
導体、金属であって、この中でも誘電体が特に好まし
い。
としてDWDM用の光フィルタについて説明したが、本
発明の光通信用素子はこれに限定されるものではなく、
前記ガラス基板を用いた光スイッチ、合分波素子なども
本発明の光通信用素子にもちろん含まれる。
したのち、電気炉中で1,550℃で溶解した。原料が
充分に溶解したのち、撹拌羽をガラス融液に挿入し、約
1時間撹拌した。その後、撹拌羽を取り出し、30分間
静置したのち、治具に融液を流しこむことによってガラ
スブロックを得た。その後各ガラスのガラス転移点付近
までガラスブロックを再加熱し、徐冷して歪取りを行っ
た。得られたガラスブロックを約1.5mmの厚さの円
盤形状にスライスし、内周,外周を同心円としてカッタ
ーを用いて切り出した。そして、両面を粗研磨及びポリ
ッシングを行って実施例及び比較例のガラス基板を作製
した。作製したガラス基板について下記特性評価を行っ
た。なお比較例15のガラス基板については化学強化処
理を行った。結果を合わせて表1、表2、表3に示す。
デス法により測定した。
方法の動的弾性率試験方法に準じて測定した。また比弾
性率はヤング率を比重で割ることにより算出した。
て、荷重:5g、温度範囲:25〜100℃、昇温速
度:5℃/minの条件で測定した。
℃で2h保持した後、熱した鉄板上に流し出し、溶融ガ
ラスの粘性の度合いを目視により観察し、粘性の低いも
のから順に「◎」、「○」、「×」で評価した。なお、
「×」は生産上支障が生じると考えられるものについて
のみ付した。
の研磨材で研磨し、予め表面を荒れた状態とした後、8
0℃の逆浸透膜水50ml中に試料ガラスを24h浸漬
した後、ICP発光分光分析装置で溶出液を分析しアル
カリ溶出量を算出した。
ガラス基板では、ヤング率及び、値が高いほど振動に強
いとされる比弾性率は、いずれも実用上まったく問題の
ないレベルであった。また、線熱膨張係数は80〜91
×10-7/℃の範囲と、従来のガラス基板に比べ大きい
値となった。さらに、アルカリ溶出量は1.5μg/c
m2以下と従来のガラス基板に比べ少なかった。一方、
ガラスの溶融性についても問題のないレベルであった。
は、SiO2の含有量が53.2%と少ないためガラス
の構造が軟弱となりアルカリ溶出量が増加した。一方、
SiO 2の含有量が77.1%と多い比較例2のガラス
基板では、ガラスの溶融性が悪くなると共に、化学的耐
久性を向上させるガラス成分の含有量が相対的に少なく
なるのでアルカリ溶出量が増加した。比較例3のガラス
基板では、ガラスの溶融性を改善し、化学的耐久性を向
上させるB2O3を含有しないので、アルカリ溶出量が多
かった。またB2O3を11.3%と多く含有する比較例
4のガラス基板でも、同様にアルカリ溶出量が多かっ
た。Al2O3の含有量が0.8%と少ない比較例5のガ
ラス基板ではアルカリ溶出量が多かった。逆にAl2O3
の含有量が17.8%と多い比較例6のガラス基板で
は、アルカリ溶出量は他の比較例のものに比べて少なか
ったものの、ガラスの溶融性が悪かった。
板ではアルカリ溶出量が多くなる一方、Li2Oを1
5.5%と多量に含有した比較例8のガラス基板では、
線熱膨張係数が充分には大きくならず、しかもアルカリ
溶出量が多かった。また、Li 2Oを含有せず、且つN
a2Oを17.0%と多量に含有した比較例9のガラス
基板では、アルカリ溶出量が多かった。さらにK2Oを
13.4%と多量に含有した比較例10ガラス基板では
線熱膨張係数が小さく、またアルカリ溶出量も多かっ
た。Li2Oを含有せず、且つアルカリ金属酸化物の総
含有量が14.0%と少ない比較例11のガラス基板で
は、アルカリ溶出量が少なかったものの線熱膨張係数が
充分ではなく、またガラスの溶融性も悪かった。逆に、
アルカリ金属酸化物の総含有量が25.5%と多かった
比較例12のガラス基板では、アルカリ溶出量が多かっ
た。
3のガラス基板では、線熱膨張係数が小さく、またアル
カリ溶出量が多かった。Ta2O5の含有量が3.0%と
多い比較例14のガラス基板では、ガラスの溶融性が悪
くなるとともに、アルカリ溶出量が多かった。化学強化
した比較例15のガラス基板ではアルカリ溶出量が多か
った。
張係数が高く、しかもアルカリ成分の溶出が少なく、低
コストで作製できる。
ガラス組成を有する構成としたので、線熱膨張係数が高
く且つアルカリ成分の溶出は少なく、加えて作製コスト
を抑えることができる。
して前記ガラス基板を用いる構成としたので、耐久性に
優れ、高い記録密度が得られる。
として前記ガラス基板を用いる構成としたので、経時変
化が少なく、温度・湿度の変化による波長シフトを抑制
できる。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 線熱膨張係数が80〜120×10-7/
℃の範囲であり、アルカリ溶出量が0.7〜1.5μg
/cm2の範囲で、表面および内部の組成が均質である
ガラス基板。 - 【請求項2】 mol%で、 SiO2:55.0〜75.0%、 B2O3: 1.0〜10.0%、 Al2O3:3.0〜16.0%、 Li2O:5.0〜15.0%、 Na2O:14.0%以下、 K2O:12.0%以下、 Li2O+Na2O+K2O:16.0〜25.0%、 CaO:6.0%以下 Ta2O5:0.001〜2.0%、 のガラス組成を有することを特徴とするガラス基板。
- 【請求項3】 線熱膨張係数が80〜120×10-7/
℃の範囲であり、アルカリ溶出量が1.5μg/cm2
以下である請求項2記載のガラス基板。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のガラス
基板の表面に、直接又は他の層を介して情報記録層を形
成したことを特徴とする情報記録用媒体。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のガラス
基板を基板として用いたことを特徴とする光通信用素
子。
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