JP2002335657A - 車両用回転電機の固定子およびその製造方法 - Google Patents

車両用回転電機の固定子およびその製造方法

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JP2002335657A
JP2002335657A JP2001139631A JP2001139631A JP2002335657A JP 2002335657 A JP2002335657 A JP 2002335657A JP 2001139631 A JP2001139631 A JP 2001139631A JP 2001139631 A JP2001139631 A JP 2001139631A JP 2002335657 A JP2002335657 A JP 2002335657A
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stator
winding
lead
coil end
stator core
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Masaomi Dobashi
正臣 土橋
Yoshio Naka
美雄 仲
Mitsuru Kato
充 加藤
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程の簡略化が可能な車両用回転電機の
固定子およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 固定子に備わった固定子巻線の中性点2
053を構成する一方の引出部X2等は、コイルエンド
群の引出し位置から曲げを伴わずに引き出されるととも
に、他方の引出部U1′等は、コイルエンド群の引出し
位置から曲げを伴って引き出され、これら2つの引出部
の端部同士が接合される。曲げを伴わない一方の引出部
に対応して、仮曲げ、先端曲げ、本曲げ、密着曲げから
なる複雑な曲げ工程が省略される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車やトラック
等に搭載される車両用回転電機の固定子およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の車両は、走行抵抗低減のためのス
ラントノーズ化や、車室内居住空間の確保のニーズから
エンジンルームが狭くなっており、車両用交流発電機の
車載スペースも余裕がなくなってきている。また、燃費
向上のためにエンジンの回転数は下げられ、車両用交流
発電機の回転数も低くなっている。しかし、その一方
で、安全制御機器等の電気負荷が増加しており、発電能
力の向上が望まれている。以上のことから、最近では、
小型で高出力の車両用交流発電機を安価に提供すること
が求められている。
【0003】また、エンドユーザの省エネルギー指向等
に伴って小型車の人気が高まっており、小型発電機の要
求や、配線の軽量化等の理由による高電圧発電機の要求
など、近年ますます多様な仕様の発電機が求められてい
る。従来、車両用交流発電機に一般に求められる固定子
巻線は、連続線を固定子鉄心に装着する構造が採用され
ており、このような固定子巻線を用いて小型化、高出力
化、低騒音化等を実現するために種々の改良案が提案さ
れている。
【0004】例えば、特許第2927288号公報に
は、固定子巻線のスロット内における占積率を向上させ
るとともに、スロット外においては回転子との共働によ
り高い冷却性を確保したセグメント技術を用いた車両用
交流発電機が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の車両
の高品位化に伴い、エンジンに装着される車両用交流発
電機においても、発電機に発生する磁気騒音の低減が要
望されている。このために、互いに電気角で位相が30
度異なる2種類の巻線群を含ませておいて、磁気変動の
主原因である電流の高調波成分を各巻線群で相殺させ、
磁気振動すなわち磁気騒音を低減する手法が従来から知
られている。
【0006】しかし、この手法を採用するために、互い
に電気角で位相が30度異なる2種類の巻線群を直列接
続して固定子巻線を構成する場合を考えると、上述した
導体セグメントを用いた固定子巻線では、コイルエンド
の外部に導体セグメントの一部を引き出して、この端部
同士を接合する必要が生じる。ところが、導体セグメン
トは、従来から用いられている連続線等に比べて大きな
断面積のものが使用される場合が多く、数種類の曲げ工
程を経た後にこれらの端部同士を接合することになるた
め、製造工程が複雑になるという問題があった。
【0007】例えば、コイルエンドから引き出された直
線状の引出線を折り曲げてコイルエンドに沿った渡り線
を形成してその先端を接合する場合を考えると、直線状
の引出線に対して、仮曲げ、先端曲げ、本曲げ、密着曲
げの各工程が必要になる。これらの工程を2本の引出線
について実施した後に、先端同士の接合工程が実施され
る。これにより、固定子巻線に含まれる2種類の巻線群
同士の直列接続が行われる。
【0008】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、製造工程の簡略化が可能な
車両用回転電機の固定子およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の車両用回転電機の固定子は、固定子鉄
心およびこの固定子鉄心に装備された固定子巻線とを有
している。また、この固定子巻線は、固定子鉄心の一方
の端面側に電気導体の複数のターン部を配列して形成さ
れた第1コイルエンド群と、固定子鉄心の他方の端面側
に電気導体の曲げ部とこの曲げ部の接続部とを配列して
形成された第2コイルエンド群と、外部に引き出されて
他の部品に接続される複数の第1の引出部と、電気導体
同士を接続するために互いに接続される複数の第2の引
出部とを有している。さらに、上述した複数の第2の引
出部は、少なくとも一の第2の引出部を第1コイルエン
ド群あるいは第2コイルエンド群の引出し位置から曲げ
を伴わずに引き出すとともに、他の第2の引出部を第1
コイルエンド群あるいは第2コイルエンド群の引出し位
置から曲げを伴って引き出して、相互の接合が行われ
る。中性点用リード同士を接合する際に、一方の第2の
引出部の引出し位置に合わせて他方の第2の引出部を引
き出すことにより、一方の第2の引出部に対する曲げ工
程が不要になるため、工程の簡略化およびこれに伴うコ
ストダウンが可能になる。
【0010】また、固定子巻線は、互いに電気角で12
0度位相が異なる3相の巻線群をΔ結線することにより
構成されており、これらの巻線群のそれぞれは、互いに
電気角で30度位相が異なる2種類の巻線素線を直列接
続することにより構成されている場合に、2種類の巻線
素線同士の接続を上述した第2の引出部の接合によって
行うことが望ましい。これにより、磁気変動の主原因で
ある電流の高調波成分を各巻線群で相殺させて磁気騒音
の低減を図ることができるとともに、このために必要と
なる第2の引出部同士の接合作業に伴う工程の複雑化を
極力抑制することができる。
【0011】また、本発明の車両用回転電機の固定子の
製造方法は、電気導体の端部同士を接合することによ
り、複数相の巻線素線のそれぞれに対応するコイルエン
ド群を固定子鉄心の両方の端面に形成する工程と、巻線
素線の一の端部を外部に引き出すことにより、他の部品
に接続される複数の入出力用引出部を形成する工程と、
巻線素線同士を接合するために、コイルエンドから曲げ
を伴わずに第1の中性点用引出部を引き出すとともに、
コイルエンドから曲げを伴って第2の中性点用引出部を
引き出した後に、これら第1および第2の中性点用引出
部の端部同士を接合する工程とを有している。中性点用
引出部同士を接合する際に、その前工程としての中性点
用引出部の曲げ工程の回数を減らすことができるため、
工程の簡略化が可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳
細に説明する。図1は、一実施形態の車両用交流発電機
の全体構成を示す図である。図1に示す車両用交流発電
機1は、固定子2、回転子3、フレーム4、整流装置5
等を含んで構成されている。
【0013】固定子2は、固定子鉄心22と、固定子鉄
心22に形成された複数のスロット(例えば本実施形態
では96個)内に備わった電気導体としての複数の導体
セグメントを相互に接合することにより形成された固定
子巻線23と、固定子鉄心22と固定子巻線23との間
を電気絶縁するインシュレータ24とを含んで構成され
ている。固定子鉄心22は、薄い鋼板を重ね合わせて構
成されている。
【0014】図2は、固定子巻線23を構成する導体セ
グメントの斜視図である。また、図3は図2に示した導
体セグメントの組み付け状態を示す斜視図である。図4
は、導体セグメントの形成過程を示す図である。固定子
鉄心22のスロット25に装備された固定子巻線23は
複数の電気導体により構成され、各スロット25には偶
数本(本実施形態では4本)の電気導体が収容されてい
る。また、一のスロット25内の4本の電気導体は、図
3に示すように固定子鉄心22の径方向について内側か
ら内端層、内中層、外中層、外端層の順で一列に配列さ
れている。
【0015】一のスロット25内の内端層の電気導体2
31aは、固定子鉄心22の時計回り方向に向けて1磁
極ピッチ離れた他のスロット25内の外端層の電気導体
231bと対をなしている。同様に、一のスロット25
内の内中層の電気導体232aは固定子鉄心22の時計
回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット25
内の外中層の電気導体232bと対をなしている。そし
て、これらの対をなす電気導体は、固定子鉄心22の軸
方向の一方の端面側において連続線を用いることによ
り、ターン部231c、232cを経由することで接続
される。
【0016】したがって、固定子鉄心22の一方の端面
側においては、外中層の電気導体232bと内中層の電
気導体232aとをターン部232cを経由して接続す
る連続線を、外端層の電気導体231bと内端層の電気
導体231aとをターン部231cを経由して接続する
連続線が内包することとなる。このように、固定子鉄心
22の一方の端面側においては、対をなす電気導体の接
続部としてのターン部232cが、同じスロット25内
に収容された他の対をなす電気導体の接続部としてのタ
ーン部231cにより囲まれる。外中層の電気導体23
2bと内中層の電気導体232aとの接続により中層コ
イルエンドが形成され、外端層の電気導体231bと内
端層の電気導体231aとの接続により端層コイルエン
ドが形成される。
【0017】一方、一のスロット25内の内中層の電気
導体232aは、固定子鉄心22の時計回り方向に向け
て1磁極ピッチ離れた他のスロット25内の内端層の電
気導体231a’とも対をなしている。同様に、一のス
ロット25内の外端層の電気導体231b’は、固定子
鉄心22の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他
のスロット25内の外中層の電気導体232bとも対を
なしている。そして、これらの電気導体は固定子鉄心2
2の軸方向の他方の端面側において接続される。
【0018】したがって、固定子鉄心22の他方の端面
側においては、外端層の電気導体231b’と外中層の
電気導体232bとを接続する外側接合部233bと、
内端層の電気導体231a’と内中層の電気導体232
aとを接続する内側接合部233aとが、径方向および
周方向に互いにずれた状態で配置されている。外端層の
電気導体231b’と外中層の電気導体232bとの接
続、および内端層の電気導体231a’と内中層の電気
導体232aとの接続により、異なる同心円上に配置さ
れた2つの隣接層コイルエンドが形成される。
【0019】さらに、図2に示すように、内端層の電気
導体231aと外端層の電気導体231bとが、一連の
電気導体をほぼU字状に成形してなる大セグメント23
1により提供される。また、内中層の電気導体232a
と外中層の電気導体232bとが一連の電気導体をほぼ
U字状に成形してなる小セグメント232により提供さ
れる。基本となるU字状の導体セグメント230は、大
セグメント231と小セグメント232によって形成さ
れる。各セグメント231、232は、スロット25内
に収容されて軸方向に沿って延びる部分を備えるととも
に、軸方向に対して所定角度傾斜して延びる曲げ部とし
ての斜行部231f、231g、232f、232gを
備える。ターン部231c、232c側の斜行部231
f、232fによって、固定子鉄心22から軸方向の一
方の端面に突出する第1コイルエンド群23aが形成さ
れており、回転子3の軸方向の両端面に取り付けられた
冷却ファンを回転させたときに生じる冷却風の通風路
は、主にこれら斜行部の間に形成されている。また、こ
の冷却風の通風路には、固定子巻線23の引出し線(後
述する)も配置されている。
【0020】以上の構成を、全てのスロット25の導体
セグメント230について繰り返す。そして、反ターン
部側のコイルエンド群23bにおいて、外端層の端部2
31e’と外中層の端部232e、並びに内中層の端部
232dと内端層の端部231d’とがそれぞれ溶接、
超音波溶着、アーク溶接、ろう付け等の手段によって接
合されて外側接合部233bおよび内側接合部233a
が形成され、電気的に接続されている。
【0021】次に、導体セグメント230の形成過程の
詳細について説明する。上述したように導体セグメント
230には、大セグメント231と小セグメント232
が含まれており、以下の説明では大セグメント231に
着目して説明を行うものとする。
【0022】大セグメント231は、図4に示すよう
に、矩形状の断面を有する銅線からなるU字状の導体2
31’をA方向に変形させて形成したターン部231c
および斜行部231fに連なる2つの直線部231a、
231bを、固定子鉄心22のスロット25にインシュ
レータ24を介在させた状態で挿入し、反ターン部側を
B方向に折り曲げて斜行部231gを形成した後、その
先端部分である端部231d、231eを別に挿入され
た小セグメント232の端部に接合することにより構成
されている。
【0023】実際には、図3に示すように、反ターン部
側の斜行部が形成される前の大セグメント231と小セ
グメント232を、固定子鉄心22の軸方向端面の同一
側にターン部231c、232cが揃うように重ね、大
セグメント231はスロット25の奥側に、小セグメン
ト232はスロット25の開口側に位置するように挿入
する。これらの大セグメント231と小セグメント23
2は、平角被覆導線を折り曲げ、プレス等でほぼU字型
形状に成形して製作され、ほぼ平行なスロット25の側
面に、大セグメント231と小セグメント232のそれ
ぞれの両側面がインシュレータ24を介して当接するよ
うに圧入される。その後、図2に示すように、ターン部
231c、232cと斜行部231f、232fによっ
て形成される第1コイルエンド群23aとは反対側に位
置する端部231d、232dを互いに隣接するもの同
士が反対側に位置するように周方向に折り曲げた後、異
層の大セグメント231の端部231dと小セグメント
232の端部232d同士が電気導通するように超音波
溶着、アーク溶接、ろう付け等で接合され、その接合さ
れた端部231d、232dと斜行部231g、232
gによって第2コイルエンド群23bが形成される。
【0024】次に、固定子巻線23の巻線仕様について
詳細に説明する。図5は、固定子巻線23を構成する1
2相の巻線素線の関係を示す図であり、それぞれの巻線
素線の向きが電気角に対応している。また、図6は12
相の巻線素線の結線状態を示す図である。図7および図
8は、図6に示す結線状態を実現する実際の巻線仕様を
示す図である。
【0025】12相の巻線素線のそれぞれは、上述した
導体セグメント230の端部同士を接合して周方向に直
列に一巡させることにより構成されている。各巻線素線
は、互いに電気角で30°異なる位置に形成されてい
る。それぞれの相巻線をx1、v1、y1、w1、z
2、u2、x2、v2、y2、w2、z1、u1とす
る。また、図5において、それぞれの巻線素線の一方の
引出部(巻始まり部分)をX1、V1、Y1、W1、Z
2、U2、X2、V2、Y2、W2、Z1、U1とし、
他方の引出部(巻終わり部分)をX1′、V1′、Y
1′、W1′、Z2′、U2′、X2′、V2′、Y
2′、W2′、Z1′、U1′とする。
【0026】図6に示すように、巻線素線x1、巻線素
線x2、巻線素線u1、巻線素線u2が直列接続されて
第1の巻線群x−uが構成されている。この中で、巻線
素線x1と巻線素線x2は、互いに電気角が180°ず
れており、異型の導体セグメント(後述する)によって
構成される相間接続部を介して逆相の状態で接続され
る。また、巻線素線u1と巻線素線u2は、互いに電気
角が180°ずれており、異型の導体セグメントによっ
て構成される相間接続部を介して逆相の状態で接続され
る。これらの相間接続部によって第1接続部2051が
構成されている。また、巻線素線x2の一方の引出部X
2と巻線素線u1の他方の引出部U1′とが接続されて
いる。この相間接合部によって中性点2053が構成さ
れている。上述した引出部X1′、U2が第1の引出
部、入出力用引出部に、引出部X2、U1′が第2の引
出部、第1および第2の中性点用引出部にそれぞれ対応
する。
【0027】同様に、巻線素線y1、巻線素線y2、巻
線素線v1、巻線素線v2が直列接続されて第2の巻線
群y−vが構成されている。この中で、巻線素線y1と
巻線素線y2は、互いに電気角が180°ずれており、
異型の導体セグメントによって構成される相間接続部を
介して逆相の状態で接続される。また、巻線素線v1と
巻線素線v2は、互いに電気角が180°ずれており、
異型の導体セグメントによって構成される相間接続部を
介して逆相の状態で接続される。これらの相間接続部に
よって第1接続部2051が構成されている。また、巻
線素線y2の一方の引出部Y2と巻線素線v1の他方の
引出部V1′とが接続されている。この相間接合部によ
って中性点2053が構成されている。上述した引出部
Y1′、V2が第1の引出部、入出力用引出部に、引出
部Y2、V1′が第2の引出部、第1および第2の中性
点用引出部にそれぞれ対応する。
【0028】巻線素線z1、巻線素線z2、巻線素線w
1、巻線素線w2が直列接続されて第2の巻線群z−w
が構成されている。この中で、巻線素線z1と巻線素線
z2は、互いに電気角が180°ずれており、異型の導
体セグメントによって構成される相間接続部を介して逆
相の状態で接続される。また、巻線素線w1と巻線素線
w2は、互いに電気角が180°ずれており、異型の導
体セグメントによって構成される相間接続部を介して逆
相の状態で接続される。これらの相間接続部によって第
1接続部2051が構成されている。また、巻線素線z
2の一方の引出部Z2と巻線素線w1の他方の引出部W
1′とが接続されている。この相間接合部によって中性
点2053が構成されている。上述した引出部Z1′、
W2が第1の引出部、入出力用引出部に、引出部Z2、
W1′が第2の引出部、第1および第2の中性点用引出
部にそれぞれ対応する。
【0029】図9は、各巻線素線の引出部と相間接続部
を実現するために用いられる異型セグメントを示す斜視
図である。なお、以下では、巻線素線x1と巻線素線x
2とを接続する第1接続部2051に着目して説明する
が、他の巻線素線間を接続する第1接続部2051につ
いても同様である。
【0030】図3に示したように、引出部X1等が引き
出されない通常の導体セグメントには、内端層の電気導
体231aと外端層の電気導体231bとがターン部2
31cを介して接続された大セグメント231と、内中
層の電気導体232aと外中層の電気導体232bとが
ターン部232cを介して接続された小セグメント23
2とが含まれており、これらの端部同士を接合すること
により巻線素線x1やx2が形成されている。
【0031】また、22番目のスロット25の外端層の
電気導体から延びる引出部X2′と16番目のスロット
25の内中層の電気導体から延びる引出部X1とが、図
9に示すように、異型セグメント230aによって構成
される第1接続部2051によって接続されている。
【0032】また、16番目のスロット25の内端層の
電気導体から延びる引出部X2は、ターン部を有しない
異型セグメント230bを用いて引き出され、対応する
他の引出部U1′と所定位置で接合されて中性点205
3を形成する。異型セグメント230bを用いた中性点
2053の成形方法については後述する。
【0033】同様に、22番目のスロット25の外中層
の電気導体から延びる引出部X1′は、ターン部を有し
ない異型セグメント230cを用いて引き出され、対応
する他の引出部W2とともに固定子巻線23の出力線と
して引き出され、整流装置5において接続されて第2接
続部2052を形成する。
【0034】図10は、各巻線素線の引出部の引出位置
を示す図である。また、図11は第1、第2接続部およ
び中性点の周方向の配置状態とこれらの各接続部に至る
までの這い回し部の状態を示す図である。図12は、固
定子2の部分的な側面図であり、中性点2053を形成
する各引出部の引出し状態が示されている。
【0035】一の中性点2053を構成する一方の引出
部X2は、コイルエンド上の引出し位置からそのまま引
き出された状態にあり、他方の引出部U1′は、コイル
エンド上の所定位置から引き出された後に曲げられて這
い回し部207を経由して一方の引出部X2の端部に至
る。このようにして2つの引出部X2、U1′が隣接す
るように配置されて、TIG溶接等によって接合されて
いる。
【0036】また、他の中性点2053を構成する一方
の引出部Y2は、コイルエンド上の引出し位置からその
まま引き出された状態にあり、他方の引出部V1′は、
コイルエンド上の所定位置から引き出された後に曲げら
れて這い回し部207を経由して一方の引出部Y2の端
部に至る。このようにして2つの引出部Y2、V1′が
隣接するように配置されて、TIG溶接等によって接合
されている。
【0037】さらに、他の中性点2053を構成する一
方の引出部Z2は、コイルエンド上の引出し位置からそ
のまま引き出された状態にあり、他方の引出部W1′
は、コイルエンド上の所定位置から引き出された後に曲
げられて這い回し部207を経由して一方の引出部Z2
の端部に至る。このようにして2つの引出部Z2、W
1′が隣接するように配置されて、TIG溶接等によっ
て接合されている。
【0038】次に、固定子2の固定子巻線23を製造す
る概略的な手順について説明する。 (工程1)導体セグメント230および異型セグメント
230a、230b、230cを固定子鉄心22の各ス
ロット25に挿入した後、それらの端部同士を接合する
ことにより、第1コイルエンド群および第2コイルエン
ド群を固定子鉄心22の両方の端面に形成する。
【0039】(工程2)第1接続部2052を形成する
ために必要な引出部を引き出して、曲げ成形を行う。 (工程3)中性点2053を形成するために必要な引出
部を引き出して、必要な曲げ成形を行った後に、2つの
引出部の端部同士を接合する。
【0040】上述した工程2と工程3は、必要に応じて
並行して行われる。また、図9に示したように、2種類
の異型セグメント230b、230cは、コイルエンド
上の接近した位置から引き出されており、本実施形態で
は、導体セグメント230と同じようなU字状の電気導
体の2箇所の直線部を必要な長さに切って、その先端の
ターン部を切り離すことによりそれぞれが形成される。
【0041】したがって、例えば引出部X2、U1′か
らなる中性点2053を形成する手順に着目すると、一
方の引出部X2に対応してU字状導体の切断()を行
うとともに、他方の引出部U1′に対応して、U字状導
体の切断()、仮曲げ()、先端曲げ()、本曲
げ()、密着曲げ()を行い、その後これら2つの
引出部の先端同士の溶接()を行っている。
【0042】このように、中性点用の引出部同士を接合
する際に、一方の引出部の引出し位置に合わせて他方の
引出部を引き出すことにより、一方の引出部に対する曲
げ工程が不要になるため、工程の簡略化およびこれに伴
うコストダウンが可能になる。
【0043】特に、このようにして位相が電気角で互い
に30度異なる巻線素線を直列接続することにより、磁
気変動の主原因である電流の高調波成分を各巻線素線で
相殺して磁気騒音の低減を図ることができるとともに、
このために必要となる中性点用の引出部同士の接合作業
に伴う工程の複雑化を極力抑制することができる。
【0044】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変
形実施が可能である。上述した実施形態では、Δ結線が
なされた固定子巻線23について説明したが、Y結線が
なされた固定子巻線についても同様に本発明を適用する
ことができる。
【0045】また、上述した実施形態では、車両用回転
電機の一つである車両用交流発電機の固定子について説
明したが、電動機等の他の車両用回転電機の固定子につ
いても同様に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示
す図である。
【図2】固定子巻線を構成する導体セグメントの斜視図
である。
【図3】図2に示した導体セグメントの組み付け状態を
示す斜視図である。
【図4】導体セグメントの形成過程を示す図である。
【図5】固定子巻線を構成する12相の巻線素線の関係
を示す図である。
【図6】12相の巻線素線の結線状態を示す図である。
【図7】図6に示す結線状態を実現する実際の巻線仕様
を示す図である。
【図8】図6に示す結線状態を実現する実際の巻線仕様
を示す図である。
【図9】各巻線素線の引出部と相間接続部を実現するた
めに用いられる異型セグメントを示す斜視図である。
【図10】各巻線素線の引出部の引出位置を示す図であ
る。
【図11】中性点の周方向の配置状態と各中性点に至る
までの這い回し部の状態を示す図である。
【図12】固定子の部分的な側面図であり、中性点を形
成する各引出部の詳細形状を示す図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機 2 固定子 3 回転子 4 フレーム 5 整流装置 23 固定子巻線 2051 第1接続部 2052 第2接続部 2053 中性点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 充 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5H603 AA09 BB02 BB09 BB12 CA01 CA05 CB04 CB19 CC05 CD02 CD22 CD33 CE02 CE13 EE01 EE11 5H615 AA01 BB02 BB07 PP01 PP15 SS04 SS16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装備
    された固定子巻線とを有する車両用回転電機の固定子に
    おいて、 前記固定子巻線は、前記固定子鉄心の一方の端面側に電
    気導体の複数のターン部を配列して形成された第1コイ
    ルエンド群と、前記固定子鉄心の他方の端面側に前記電
    気導体の曲げ部とこの曲げ部の接続部とを配列して形成
    された第2コイルエンド群と、外部に引き出されて他の
    部品に接続される複数の第1の引出部と、前記電気導体
    同士を接続するために互いに接続される複数の第2の引
    出部とを有し、 前記複数の第2の引出部は、少なくとも一の前記第2の
    引出部を前記第1コイルエンド群あるいは前記第2コイ
    ルエンド群の引出し位置から曲げを伴わずに引き出すと
    ともに、他の前記第2の引出部を前記第1コイルエンド
    群あるいは前記第2コイルエンド群の引出し位置から曲
    げを伴って引き出して、相互の接合を行うことを特徴と
    する車両用回転電機の固定子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記固定子巻線は、互いに電気角で120度位相が異な
    る3相の巻線群をΔ結線することにより構成されてお
    り、 前記巻線群のそれぞれは、互いに電気角で30度位相が
    異なる2種類の巻線素線を直列接続することにより構成
    されており、 前記2種類の巻線素線同士の接続を前記第2の引出部の
    接合によって行うことを特徴とする車両用回転電機の固
    定子。
  3. 【請求項3】 固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装備
    された固定子巻線とを有する車両用回転電機の固定子の
    製造方法において、 電気導体の端部同士を接合することにより、複数相の巻
    線素線のそれぞれに対応するコイルエンド群を前記固定
    子鉄心の両方の端面に形成する工程と、 前記巻線素線の一の端部を外部に引き出すことにより、
    他の部品に接続される複数の入出力用引出部を形成する
    工程と、 前記巻線素線同士を接合するために、前記コイルエンド
    から曲げを伴わずに第1の中性点用引出部を引き出すと
    ともに、前記コイルエンドから曲げを伴って第2の中性
    点用引出部を引き出した後に、これら第1および第2の
    中性点用引出部の端部同士を接合する工程と、 を有することを特徴とする車両用回転電機の固定子の製
    造方法。
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